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はじめに保険加入前にチェックしておきたい3つのポイントがあります。保険に加入する目的公的な保障でどのくらいカバーできるか必要な保障額以下、それぞれのポイントについてみていきます。保険に加入する目的は保険に加入する目的は、年齢や未婚・既婚(子どものあり・なし)等、家族構成や資産状況等により変わります。未婚の方でしたら、遺族の方への保障よりも、ご自身が生きていくための保障が中心になりますし、既婚で小さい子どもがいる方でしたら、残された遺族への保障が重要になるでしょう。また、既に保険に加入している方が、新たな保険への加入を検討する場合は、加入中の保険と目的(保障範囲)が重複していないか確認することも必要になります。公的な保障でどのくらいカバーできるか医療保険を検討するにあたっては、公的医療保険の制度の一つである「高額療養費制度」を確認し、公的な保障でどのくらいカバーできるかチェックすることからスタートします。この制度は、月初から月末までにかかった医療費の上限を、年齢や所得に応じて定めており、上限(自己負担限度額)を超えた金額が支給される制度です(下表参照)。ただし、差額ベッド代や入院に伴うパジャマ等の身近な生活雑貨および先進医療は制度の適用対象外になります。これらの費用については、どのような方法でカバーするか、考えておきましょう。死亡保障の場合、既婚者で子ども(18歳未満)がいれば「遺族年金」の支給があります。夫が厚生年金の加入者でしたら子どもの有り無しに関わらず、「遺族厚生年金」の支給もあります(30歳未満の子どものない妻は5年間の有期給付となります)。勤めている会社によっては、死亡退職金や弔慰金があるところもありますので、どのような制度を利用できるか、保険加入前にチェックしてみましょう。必要保障額はここでは、万一(死亡や高度障害)の場合の必要保障額の計算の流れをみていきます。小さい子どもがいる家庭で夫が亡くなった場合の「合計必要保障額」(夫が家計を支えていたとします)は、「基本生活費」と「その他の支出(教育資金・結婚資金・住宅資金等)」を合計して求めます。一般的な基本生活費の計算の仕方は以下の通りです。「現在の年間の生活費」×0.7×子どもが独立するまでの年数+「現在の年間の生活費」×0.5×子どもが独立した時の妻の平均余命これに、教育資金や結婚資金、住宅資金等その他の支出を加えたものが「合計必要保障額」になります。次に生命保険によってカバーする金額は、「必要な生命保険金」 =「合計必要保障額」-「遺族年金」-「企業保障(死亡退職金等)」-「資産(預貯金等)」-「妻の収入」という式で計算します。まとめ保険は住宅購入の次に高い買い物になります。保険加入前に3つのポイントを確認し、無理や無駄のない保険選択を行いましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月07日はじめに主な生命保険の種類を用途別に分けると、■死亡保障定期保険、終身保険等■医療保障医療保険、がん保険等■老後保障個人年金保険、変額個人年金保険等■介護保障介護保険等この4つになるかと考えます。なお、この4つの分類のほかに、子どものために備える保険として「学資保険」があります。以下、それぞれの保障に該当する保険商品についておおまかな内容をみていきます。死亡保障万一の死亡に備える保険としては、定期保険、終身保険、収入保障保険等があります。定期保険は保障期間が定められた保険です。保障期間は10年に設定されているのが一般的で、その間に死亡または高度障害になった場合、保険金が支払われます。終身保険は保障期間の定めが無く、いつ亡くなっても保険金が支払われます。途中で解約した場合、終身保険では解約返戻金が支払われますが、定期保険では掛け捨てタイプの商品が多いため、解約返戻金の支払いはほとんどありません。医療保障病気やケガに備える保険として医療保険と、特定の病気への備えに特化したがん保険等があります。また、三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)に備える保険等、保障する特定の病気の種類をがん以外に増やした保険も発売されています。がん保険では、入院の有無に関係なく、がんと診断されたら診断金が一括で支払われるタイプや、抗がん剤等の治療を受けると給付金が支払われるタイプ等があります。医療保険のなかには、がん等の特定の病気になった場合、入院給付金日額が増額されるタイプや、入院給付金が支払われる日数が無制限になるようなタイプの保険もあります。老後保障老後に備える保険として、個人年金保険や変額個人年金保険等があります。あらかじめ設定した年齢(60歳や65歳等)になったら年金を受け取れる保険です。年金の受け取り方としては、■確定年金決まった期間、生死に関係なく年金を受け取れる。■保証期間付終身年金保証期間中は生死に関係なく年金が受け取れ、保証期間後は亡くなるまで年金が受け取れる。■証期間付有期年金保証期間中は生死に関係なく年金が受け取れ、保証期間後は契約時に定めた期間、生存している限り受け取れる。等のタイプがあります。変額個人年金保険は、保険を契約した方自身が運用商品を選択し、その運用実績により年金原資が変動します。そのため運用終了後に受け取る年金額も変わります。介護保障要介護になった場合に給付金が受け取れるのが民間の介護保険です。多くの商品は、国が定めた要介護度に連動した形で一時金または年金(両方受け取れる商品もあります)が受け取れます。また、一時金や年金を受け取れる要介護度については、多くの保険会社が要介護2以上に設定していますが、保険会社独自の要介護度を設定しているところもあります。以上、4つの用途別にそれぞれに該当する生命保険のおおまかな内容についてみてきました。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月07日はじめに(公財)生命保険文化センターが実施した「生活保障に関する調査(平成25年度)」によりますと、1年間に支払っている保険料の平均額は、男性が24.1万円、女性が18.2万円でした(個人年金保険料含む)。また、同センターが実施した「生命保険に関する全国実態調査(平成24年度)」では、1世帯あたりの1年間に支払う保険料の平均額は41.6万円でした(個人年金保険料含む)。月平均に直しますと、男性が約2万円、女性が約1.5万円、世帯で約3.5万円になります。保険にかける予算上記の男女別の年間払込保険料の調査では、6つの金額帯「12万円未満」、「12万~24万円未満」、「24万~36万円未満」、「36万~48万円未満」、「48万~60万円未満」、「60万円以上」および「不良」に分けて集計をしています。金額帯別にみていきますと、男性は、12万~24万円(31.7%)が最も多く、2位が12万円未満(24.4%)、3位が24万~36万円未満(18.9%)で、3位までで全体の75%を占めます。女性は、12万円未満(37.9%)が最も多く、2位が12万~24万円未満(32.7%)、3位が24万~36万円未満(14.2%)で、3位までで全体の84.8%になります。図1 年間払込保険料(性別・個人年金保険も含む)【単位:%】注:年間払込保険料は、民間の生命保険、郵便局、JA(農協)、生協・全労済が対象。一時払い・頭金の保険料は除く。資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」をもとに作成一方、世帯では男女別でみられるような金額帯の偏りが少なく、12万~24万円未満(17.7%)が最も多く、2位が24万~36万円未満(16.4%)、3位が12万円未満(13.9%)という順位になります(「不明」の14.6%を除く)。図2 世帯年間払込保険料(個人年金保険も含む)【平成24年、単位:%】注:年間払込保険料は、民間の生命保険(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、生協、全労済の計。一時払い・頭金の保険料は除く。資料:(公財)生命保険文化センター「平成24年度生命保険に関する全国実態調査」をもとに作成保険にかける予算を考えるにあたっては、男女別の年間払込保険料調査の金額帯を参考にする方がよいかと考えます。世帯調査の場合、世帯人数や子どもの年齢等が世帯ごとに異なり、払込保険料の額が大きく違いますので、世帯で考える時も男女別の払込保険料をベースに積み上げていくアプローチがいいでしょう。保険にかける予算は、保険にかける予算 =手取り収入-基本生活費(食費・水道光熱費・住宅費等)-貯蓄で計算し、毎月の払込保険料が家計の負担にならない程度の金額に抑えるようにしましょう。保険料の考え方保険にかける予算が決まりましたら、死亡、病気・ケガ、老後資金、介護等のどの分野の保障に重点をおくかを検討します。独身の方でしたら、医療保険(病気やケガ)の保障に重点をおいた上で、他の保障を検討するのも1つの考え方です。既婚の方でしたら、共稼ぎかどうか、子どもがいる・いないにより、重点をおく保障分野が異なります。DINKS(ダブルインカム・ノーキッズの略:夫婦共働きで子どもがいない世帯)の場合でしたら医療保険を中心に検討してもいいでしょうし、子どもが小さい場合は、死亡保障を中心に考えるというアプローチもあります。保険料を考えるにあたっては、保険の加入目的をしっかりと決め、必要な保障金額と、日常の生活に支障が出ないような保険料とのバランスが重要です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月07日【ご相談】50代夫婦、このまま住宅ローンを払い続けていけるのか心配です54歳男性です。妻は53歳で夫婦ともに会社員です。教育費の負担は終わったのですが、住宅ローンの返済がまだ20年近く残っています。老後にお金で苦労はしたくないと思っているのですが、今の家計で住宅ローンを払い続けていけるでしょうか?埼玉県在住 高田正男さん (仮名)【回答】住宅ローンの早期返済に向けて家計の見直しを!リタイア後の家計の収支について、具体的なイメージをつかんでおくことも大切です(ファイナンシャルプランナー 小林 美智子からのアドバイス)夫婦ともに50代になり、老後の生活も視野に入りはじめる頃ですね。住宅ローンを払い続けていけるのかご心配とのこと。残りの返済年数はまだ20年近くあり、不安を感じられるのも無理はありません。現在の家計の状況ですが、二人の娘さんはすでに25歳と23歳ということで、教育費の負担は終わっています。基本的な生活費についても、特に無駄遣いをされているような項目はないようです。今のところ、夫婦二人の手取りの収入を合わせると約43万円となり、住宅ローンも含めた毎月の支出、約38万円をまかなうことができています。このまま今の収入が維持できれば、当面は住宅ローンの返済を続けていけるでしょう。しかし、住宅ローンの返済が70歳を過ぎるまで続くことを考えると、ずっと安心というわけにはいかないかもしれません。漠然とした不安を解消していくには、リタイア後の暮らしを具体的にイメージしていくことが必要になります。リタイア後の暮らしをイメージするために、50代になったらチェックすべきポイントをみていきましょう。■勤務先の退職金制度や再雇用制度、老齢年金等について確認しよういつまでどのくらいの収入が得られるのか、退職金はいくらもらえるのかによって、リタイア後の生活設計は大きく変わります。「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)により、定年が60歳の場合でも、本人が希望すれば、最長65歳まで雇用(再雇用を含む)することが企業に義務付けられています。ご自身の勤務先がどのような制度を導入しているのか調べておきましょう。また、再雇用制度を利用する場合、働き続けることができても収入が大きくダウンすることがあります。どの程度の収入が想定されるのか、事前に確認しておきましょう。リタイア後の主な収入は公的年金です。高田さまは、ご夫婦ともに50歳以上ですので、「ねんきん定期便」で老齢年金の見込み額を知ることができます。その他にも、厚生年金基金などの企業年金や個人年金保険などの私的年金があれば、何歳からいくら受け取ることができるのか把握しておきましょう。■生命保険を見直して、老後資金の原資にしましょう高田さまの場合、現在の毎月の収支は約5万円のプラスとなっています。毎月5万円の貯蓄をされているということで、年間で約60万円、これに奥さまのボーナス25万円を全額加えることができると、1年間で約85万円の貯蓄が可能です。仮にこの収支が、ご主人さまが60歳になられるまで続くとすると、6年間で約510万円となり、現在の貯蓄150万円と合わせると660万円になります。基本生活費については、堅実なやりくりをされているようですね。しかし、今回、見直しを提案させていただきたいのは、保険料についてです。加入されている保険の状況を拝見すると、ご夫婦ともに死亡保障額が適正な水準よりも多い可能性があります。お子さまの教育費負担も終わっていますし、貯蓄目的の終身保険はそのまま継続するとして、それ以外の死亡保障については削減の余地がありそうです。住宅ローンの名義がご主人さまで、団体信用生命保険に加入されている場合、ご主人さまに万一があったときは、住宅ローンの返済はなくなります。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して、適正な必要保障額を計算してもらうとよいでしょう。医療保険についても、現役時代は収入補てんとしての意味合いもあるかもしれませんが、今後はシンプルに医療費への備えと考え、高額療養費制度など公的な保障も踏まえて費用対効果を考えた保障へ見直していきましょう。保険料を節約できれば、先ほどの蓄えにさらに上乗せすることができます。ここに退職金を加えたものが老後資金の原資となります。また、貯蓄目的で加入している奥さまの終身保険を解約することで、さらなる上積みも可能です。解約返戻金がどのくらいになるか確認しておくとよいでしょう。60歳以降に収入が減少すると、家計の収支が赤字になることも予想されます。できれば住宅ローンは早めに返済してしまいたいところです。ご主人さまが60歳で定年を迎える頃の住宅ローン残高は、約1,600万円。退職金の額にもよりますが、完済も視野に入ってくるかもしれません。退職金も含めた貯蓄で住宅ローンを繰上返済(または完済)する場合は、手元に残るお金と60歳以降の就労による収入、65歳以降の年金収入と、老後の生活費とのバランスをとりながら返済に回せる金額を考えましょう。きちんとした計画もないままに住宅ローンの返済に回してしまうと、老後の早いうちに貯蓄が底をついてしまったり、介護や病気など不測の事態に備えることができなくなったりしてしまいます。厚生労働省が2015年7月30日に発表した「平成26年簡易生命表の概況」によれば、日本人の平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳で、男女ともに過去最高を更新しています。リタイア後のセカンドライフは想像以上に長いものです。健康で自分らしく豊かなセカンドライフを送るためにも、50代の今から計画的に準備していきましょう。コラム執筆者プロフィール 小林 美智子(こばやし みちこ)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士/住宅ローンアドバイザー住宅購入や子どもの教育費の準備など、計画的な家計管理の必要性を感じ、家計の見直しを進めていくうちにファイナンシャルプランナーとなる。自身のライフプランにおけるお金の問題を解決してきた経験と、主婦として家計を守ってきた経験から、「難しいことをわかりやすく」をモットーに、お金にまつわる様々な問題や不安を解決する方法を発信している。こころFP事務所 代表コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月06日病気やケガをして手術や入院等の治療費がかかったとしても、公的医療保険(健康保険、国民健康保険等)により3割負担(年齢や所得によって自己負担割合が変わってきます)になりますし、さらに負担が一定額を超えた場合は「高額療養費制度」を利用すれば、超えた額が還付されます。しかし、差額ベッド代は健康保険や高額療養費制度の適用外になり、全額自己負担する必要がありますので、差額ベッドを選択した場合は治療費に対して負担を感じることが多くなります。差額ベッド代とは差額ベッド代とは、通常の大部屋と違い条件の良い個室等を使用した場合に、患者に請求される大部屋との差額費用になります。差額費用が必要な病室を正式には「特別療養環境室」といいます。また、条件の良い個室というと1人で利用することを想定しがちですが、4人部屋の場合にも差額ベッド代が必要になることがあります。差額ベッド代の金額は1日あたり1,000円程度~10万円以上とかなりのバラつきがあります。平均的な差額ベッド代は1人部屋が一番高く、4人部屋が一番安くなります。個室を選択し長期入院になれば差額ベッド代の負担が増え、思った以上に治療費が膨れ上がってしまうことがあります。特別療養環境室(差額ベッド)の条件特別の療養環境に係る病室の病床数は4床以下であること。病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること。病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること。少なくとも下記の設備を有すること。個人用の私物の収納設備個人用の照明小机等及び椅子出典:厚生労働省保険局 『「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について』の一部改正について差額ベッド代を支払わなくてもよいケース条件の良い個室に入院した場合でも、差額ベッド代を支払う必要がないケースがあります。それは以下のような場合です。患者の意思に関わらず病院側管理の都合等により個室へ入院した場合患者本人の「治療上の必要」により個室へ入院させる場合差額ベッド代が必要な個室へ入院することに、患者の同意が得られていない場合以上3つのケースでは差額ベッド代を支払う必要がありません。治療後トラブルにならないように、疑問な点は事前に確認するようにしましょう。差額ベッド代を含めたリスク対策重病になるとより良い環境で治療に専念したいと考える方は多いでしょうし、経営者や自営業の方などは、入院している間も病室で仕事の話をすることも十分考えられますので、差額ベッド代が必要な個室に入院するケースが想定されます。差額ベッド代が必要になると治療費の負担が大きくなりますが、この治療費を預貯金ではなく大部分を保険で賄いたいと考えるのであれば、医療保険の保障を手厚くする方がいいでしょう。また、入院すると、食事代やタオル、歯ブラシ等の消耗品や、家族の交通費等も必要になりますので、これらの負担も考慮した上で入院給付日額を多めにする等、医療保険への加入によるリスク対策をしっかり検討するようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月29日子どもが小さいころは、思いがけないことでケガをするものです。入院するようなことがあると、親としては心配になります。教育資金の準備のための学資保険に加入する際に、子どもの医療保障についてもあわせて検討することがありますが、子どもの医療保険は必要なのでしょうか。自治体の医療費助成が充実健康保険などの公的医療保険の自己負担は、子どもが小学校入学前までは2割負担で、小学校入学以後は3割負担となっています。それに加えて各自治体では、子どもの医療費に対する助成を独自に行っています。助成内容は、各自治体により異なりますが、例えば東京都23区では、中学卒業までの医療費・薬剤費の自己負担分を自治体が助成してくれます。従って中学卒業までは、医療費の自己負担はないということになります。教育機関でのケガにも保険が掛けられている幼稚園や学校などの教育機関においてのケガなどについても、保険が掛けられています。保険料は学校と保護者と両方で負担します。子どもの医療保険の種類と保障内容学資保険の特約の医療保障は、通常の医療保険と同じく入院給付金と手術給付金が基本保障となっています。学資保険は教育資金を準備することを目的に加入されることが多いと思われますが、医療特約を付けることで保険料負担が増えると、貯蓄性が低くなってしまい、学資保険の目的である教育資金準備の目的を十分に果たせないこともありますので、医療特約を付けるかは慎重に考える必要があります。学資保険以外の医療保障としては、各保険会社や共済などで取り扱っているので、上記で説明しました自治体の医療費助成をみながら検討されるといいでしょう。例えば多くの共済では、1,000円程度の掛け金で保障を得ることができます。保障内容は、入院・通院給付金、手術給付金、高度障害や死亡保障、親の死亡保障などです。また、損害保険には、「家族傷害保険」があり、家族のケガでの入院や通院、手術などの補償を得られます。子どものケガの補償だけでも得たいという場合に活用できます。会社などで加入する団体保険で取り扱っている場合は、一般的に個人で加入するより割安に加入することができます。家族傷害保険は家族全員に補償を付けることができ、個人賠償責任補償も付いています(特約で付ける商品もあります)ので、自転車の事故などで他人にケガを負わせた場合などの補償も得られます。医療保険の目的は、公的医療保険で賄いきれない分を補うものです。子どもの医療費負担は公的助成が充実していて、地域によってはほぼ自己負担がないというところもあります。保険料を負担してまで医療保険で備える必要があるのかを考えましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月29日日本では国民全員がなんらかの公的医療保険に加入していますので、入院や手術をした場合でも、実際の治療費の負担はかかった医療費の3割(小学校入学以後70歳未満の場合)になります。しかし、3割負担といっても重い病気にかかったり、長期入院したりして、まとまった治療費が必要になると、家計の負担はどうしても重くなります。そのようなとき、非常に頼りになる制度が「高額療養費制度」です。高額療養費制度とは、医療機関や薬局で支払う1カ月の医療費が一定額を超えた場合、その超えた分が還付される制度です。ただし、食事代や、自分から希望して個室に入院したときの差額ベッド代、先進医療等健康保険適用外の治療費は対象外になります。高額療養費制度具体例高額療養費制度の計算式は、所得によって5段階に分かれています。例えば、70歳未満で年収500万円の方が、医療費総額100万円の支払いが必要になった場合、下表の計算式にあてはめると「80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円」となり、実際の自己負担額は87,430円です。このように、健康保険適用内での治療であれば多額の医療費の支払いが必要になることはありません。また、高額療養費制度には、さらに負担が軽減される仕組みが2つ設けられています。1つ目は、直近1年間に高額療養費の支給を受けている月が3回以上あると、4回目以降は別扱いになり、負担の上限額がさらに引き下げられる「多数回該当」という仕組みです。2つ目は、1人では一定額を超えない場合でも、同じ世帯の方と合算して一定額を超える場合には、「世帯合算」として計算し、その合算額が一定額を超えた場合、超えた分が高額療養費として還付される仕組みです。申請手続き高額療養費制度は基本的に申請しないと適用されませんので、手続きの仕方をみてみましょう。まず、医療機関の窓口で3割負担の治療費を支払い、負担額が一定額を超える場合は、健康保険組合や共済組合および市町村等、自分が加入している公的医療保険に支給申請書を提出し還付を受けます。公的医療保険によっては自動的に振り込まれるところもあります。また、支給申請をしても還付されるまで数カ月程度かかることもあり、3割負担の治療費を支払うのが難しいケースがあります。そのようなとき、70歳未満の方が、「限度額適用認定証」を事前に申請し受け取って、医療機関の窓口で「限度額適用認定証」を保険証と併せて提示しておくと、支払いが自己負担限度額までで済みます。今後の医療保険制度日本は少子高齢化が進んでおり、現在の医療保険制度を維持できるかどうか不安があります。現に、医療費の自己負担は以前、2割や1割だった頃もありましたが、現在は3割負担に引き上げられましたし、高額療養費制度も少しずつ負担が増える方向で改正されています。このような現状を踏まえると、将来を見据えた自助努力が必要と考えられますので、医療保険への加入を検討されることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月25日会社勤めの方が加入している健康保険には、「傷病手当金」という制度があります。業務外の病気やケガで働けなくなり、給与等がもらえなかったり減額されたりしたときに、傷病手当金が健康保険より支給され、収入減を補うことができます。傷病手当金が受けられる条件業務外の病気やケガの療養のための休業であること療養のため仕事につくことができないこと連続する3日間を含み4日以上仕事につけなかったこと休業した期間について給与等の支払いがないこと上記4つの条件をすべて満たしているときに支給されます。上記、3.について説明します。業務外の病気やケガにより、連続して3日間休み、4日目以降仕事につけなかった場合に、4日目から休んだ日数分に対して傷病手当金が支給されます。最初の連続3日間の休みのことを「待期期間」といい、支給対象になりません。この3日間には有給休暇、土日祝日等の公休日も含まれます。図 待期期間の考え方支給される期間傷病手当金が支給される期間は、一つの傷病ごとに、支給開始日から最長1年6カ月です。1年6カ月間の途中で、一時的に出勤した日があっても、その出勤日数も1年6カ月に含まれます。支給開始後1年6カ月を超えて仕事に復帰できない場合でも、支給は1年6カ月までで、それ以上の支給はありません。支給される傷病手当金の額傷病手当金は、1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)が支給されます。標準報酬日額は標準報酬月額の30分の1となります。休んでいる間に給与等の支払いがあっても、その金額が傷病手当金より少ない場合は、その差額が支給されます。退職後の傷病手当金について会社を退職した場合でも、一定の条件を満たせば傷病手当金の支給を受けることができます。一定の条件とは、退職日の前日まで1年以上被保険者期間が継続していて、退職したとき傷病手当金の支給を受けているか、支給を受ける条件を満たしているとき(上記1.2.3.の条件を満たしている場合)です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月25日医療保険にはさまざまな種類があります。ここでは保障期間の違いについてみていきましょう。医療保険には、保障期間が一生涯続く終身型医療保険と、一定の期間だけ保障される定期型医療保険があります。終身型医療保険終身型医療保険は、保障期間が一生涯続く医療保険です。加入時の保険料は払込満了まで変わりません。図1 終身型医療保険のイメージ保障期間が一生涯ですので、特に高齢期の医療費が心配な場合の備えとして向いています。保険料の払い込みを、一般的に収入が少なくなる65歳までなどに終わらせれば、保険料の負担なく老後の病気やケガの備えができ、家計的にも精神的にも安心でしょう。なお、払込期間が終身の商品もあります。保険料は、払込満了まで変わりませんので、定期型のように更新ごとに上がるようなことはありません。商品によっては、解約時に解約返戻金が戻ってくるものもあります。終身型医療保険は一生涯の医療保障がほしい方におすすめの医療保険です。定期型医療保険定期型医療保険は、ある一定期間の保障を得られる医療保険です。更新時に保障内容を見直すことができるため、家族環境や経済環境の変化に対応できます。同額の保障の場合、保険料は終身型医療保険より割安ですが、更新のたびに保険料は上がっていきます。図2 定期型医療保険のイメージ定期型医療保険の場合、保障期間満了後も引き続き保障を得たい場合は、更新することになります。保険料は更新時の年齢によって算出されますので、それまでの保険料より高くなりますが、一定の年齢までは健康状態にかかわらず更新することができます。また、更新時には保障内容を見直すことができます。家族環境や経済環境の変化に応じて、保障を減らしたり、増やしたりすることができます。保険商品も医療技術の進歩などに合わせた、より使いやすい新しいものが出てきますので、更新時期にはより良い医療保険を選択できます。結婚したばかりの頃は、貯蓄も収入も少ないという方が多いのではないでしょうか。そのような時に病気やケガによるまとまった支出が必要になると、生活に支障が出ることになりますので、収入や貯蓄が安定するまでの期間を定期型医療保険で備える、という使い方もあります。定期型医療保険は、手頃な保険料である一定期間の医療保障がほしい方におすすめの医療保険です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月25日現在、各保険会社から多種多様な医療保険が販売されていますので、いざ加入を検討し始めても、どう選べばいいのかと悩まれる方が少なくありません。今回は医療保険の選び方のポイントをみていきましょう。入院給付金日額入院した時、1日あたりいくらの給付金を受け取るのかを決める必要があります。日額1万円や日額5千円のタイプに加入される方が多いですが、7,000円や8,000円等の日額を選択することも可能です。最近は昔に比べ入院日数は短期化の傾向ですが、経営者や自営業の方は入院して仕事を休むと収入が減少しますし、消耗品等や、個室を希望して入院した場合の差額ベッド代は自己負担になります。これらのことやライフスタイルも含めて入院給付金日額を検討しましょう。保険期間10年や20年等期間を限定して保障を得る定期タイプにするか、一生涯の保障を得る終身タイプにするかを決める必要があります。保障期間が限定される場合は一生涯の保障に比べ当面の保険料は安くなりますが、老後への不安が残ることになります。現役時代は安い保険料で保障を得たいと希望するのであれば、一定期間の保障を選択し、保険料が少し高くなっても老後の保障を早くから確保しておきたいというのであれば一生涯を選択するのもよいでしょう。払込期間一生涯保障の終身タイプの医療保険に加入する場合、保険料の払込期間を決める必要があります。90歳や100歳になっても保険料を支払い続ける終身払と、60歳や65歳等で支払いを終える短期払とがあります。保険で損得を判断するのは難しいので、当面の保険料を抑えたい方は終身払、老後の保険料の支払いが不安という方は短期払がよいでしょう。入院限度日数入院給付金は、1入院で受け取れる日数が決まっていて、60日や120日等さまざまなタイプがありますので、何日にするかを決める必要があります。最近は昔に比べ入院日数は短期化の方向ですが、入院が長期化する病気もありますので、長期入院が不安という場合は長めの限度日数を選択したほうが安心できるでしょう。先進医療特約先進医療特約をつけると、一般的な入院や手術での保障にプラスして、先進医療を受けた場合の保障を得ることができます。先進医療とは、最新の医療技術のうち厚生労働大臣が定める医療行為のことで、治療費は「高額療養費制度」の対象外で全額自己負担になります。先進医療による治療を受けた場合の治療費の負担を抑えるために、医療保険に先進医療特約をつけることを検討してもよいのではないでしょうか?まとめ上記のポイントを検討した上で、医療保険の商品選択を行うとスムーズに加入することができます。ただ、年代、家計の状況、預貯金、働き方、医療保険以外の保険の加入状況等によっても選び方は変わりますので、これらの項目も考慮に入れて検討するとさらによいでしょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日病気になったりケガをしたりすることは誰にでも起こる可能性がありますので、長い人生での心配事の1つかもしれません。特にお金の面で公的医療保険だけでは心もとなく、長期の入院で医療費がかさむことへの不安を抱えている方は多いです。それでは、この不安を現実の数字として、平均の入院日数を厚生労働省「平成23年(2011)患者調査の概況」でみてみましょう。年代別平均入院日数平均の入院日数は32.8日となっており、以前より短くなってきていますが、それでも入院すると、退院するまでに約1カ月程度かかっているのが現状です。年代別では、0~14歳は8.5日、15~34歳は12.1日、35~64歳は26.2日、65歳以上は44.0日となり、年齢が上がるのに比例して入院日数は長くなる傾向にあります。一般的には60~65歳で退職し、老後は国から年金を受け取る生活になるわけですが、少子高齢化が進む日本では年金制度そのものへの不安もありますので、老後の長期入院によって医療費がかさむことへの対応は自分自身で取らざるを得ないでしょう。傷病別の平均入院日数まずは、三大生活習慣病(三大疾病)といわれる「がん」「心疾患」「脳血管疾患」の平均入院日数をみてみましょう。脳血管疾患が、がんや心疾患に比べかなり長くなっています。がんは、全体としては19.5日となっています。がんのなかでも「胃がん」は22.6日と長く、「乳がん」は11.8日と比較的短くなっています。また、年代別では0~14歳の19.7日と平均より長いのが特徴です。心疾患は、がんより少し長い21.9日ですが、男性は14.6日、女性は32.8日と性別による差が非常に大きいです。また、年代別では15~34歳が24.7日と平均より長くなっているのが特徴です。脳血管疾患は、がんや心疾患に比べ93.0日と非常に長くなっているのが目立ちます。世代別では年齢を重ねるごとに入院日数が長くなるのが特徴です。次に三大生活習慣病以外の疾病での平均入院日数をみてみましょう。糖尿病は、36.1日となっています。男性が29.4日、女性が44.8日と男女差が大きく、若い世代の15~34歳で41.6日と比較的長くなっているのが特徴です。結核は、65.4日となっています。年齢を重ねるごとに平均入院日数は長くなる傾向です。平均入院日数は短期化の傾向ではありますが、それでもいったん手術や入院をすると精神的にも肉体的にも家族の負担になりますし、金銭面でも、治療費以外の食事代や病院への交通費等出費が多くなる可能性が高いです。また、仕事ができなくなると収入が減少しますので、家計にとっては非常に厳しい状況になりかねません。医療保険を選ぶ際には、入院日数の傾向と入院に伴う家計や収入減を考慮することも重要です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日老後を豊かに暮らすためには、どれくらいの費用が必要なのでしょうか?(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える一カ月の最低日常生活費は、平均22.0万円となっています。また、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均13.4万円となっています。つまり、老後を豊かに暮らすための費用が、約35万円必要であると考えている人が平均的であるといえるでしょう。老後の生活費は実際にそんなにかかるの?実際、60歳以上の無職世帯の生活費は、1カ月にどれくらいかかっているのでしょうか。図1 世帯主が60歳以上の無職世帯(2人以上の世帯)の1カ月間の収入と支出資料:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年)」をもとに作成世帯主が60歳以上で無職である2人以上の世帯の家計における消費支出は約24.7万円となっています。一方で、手取り収入は約17.6万円となっており、毎月約7万円が不足しているという様子がわかります。では、世帯主が60歳以上単身の場合の無職世帯をみてみましょう。図2 世帯主が60歳以上の単身無職世帯の1カ月間の収入と支出資料:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年)」をもとに作成世帯主が60歳以上単身の無職世帯における消費支出は約14.3万円となっていて、手取り収入は約10.2万円となっています。無職である2人以上の世帯ほどではないにしても、毎月約4万円が不足しているのが現状です。老後の生活に不安を感じる?(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」によると、自分の老後生活に不安を抱えている人の割合は9割近くにものぼります。その具体的な不安内容を見てみると、圧倒的に多いのは、「公的年金だけでは不十分」という回答。次いで、「日常生活に支障が出る」、「自助努力による準備が不足する」といった回答が続きます。図3老後生活に対する不安の内容(複数回答) 上位10項目資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」をもとに作成不安に対する対策を講じよう!図1と図2をみて分かるように、日常的な支出も預貯金等の切り崩しが必要になる可能性が高いといえます。さらに、ゆっくりと旅行などを楽しむことも老後のライフプランに思い描くのであれば、老後に備えて、今から少しずつ確実に資産形成を行っていくことが、必要といえるでしょう。そのため資産形成の方法は、積み立て預貯金商品のほかにも、個人年金保険など価格変動リスクが極めて低い商品で行うことが望ましいといえます。漠然とした不安にさいなまれるのではなく、自分たちの思い描く老後の生活のために、どれくらいの準備が今から必要なのか具体的に考えてみることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日病気やケガにより入院する場合、病状やケガの具合により入院日数は変わります。入院日数がかかれば、入院費用も増えていきます。医療保険や預貯金で医療に関する準備をする際に、入院費用がおおよそどれくらいかかるか把握しておくことで、適切な準備ができます。入院費用はどれくらいかかるのかでは、入院費用はどれくらいかかるのでしょう。(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」によると、直近の入院時の1日あたりの自己負担費用の平均は、21,000円となっています。金額別にみてみると、一番多いのは、10,000~15,000円未満となっていて、次いで多いのは、20,000~30,000円未満となっています。この金額は、病気の治療費以外にかかる費用も含まれています。入院時には、治療費以外にかかる費用として、食事代、差額ベッド代、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)、衣類、日用品等があり、高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額となります。図1 直近の入院時の1日あたりの自己負担費用※過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人 [高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む)]資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」をもとに作成また、入院にかかる費用とは別に、入院に伴い収入が減るケースがあります。病気やケガに備える際には、収入減についても考慮する必要があります。では、1日あたりの入院費用と収入減を加えたデータを年齢別にみてみましょう。上記表より、働き盛りの40歳代の金額が最も高いことがわかります。一般的に40歳代は、教育費や住宅ローンを抱えている世代です。入院が長期にわたると、生活そのものに支障がでてきますので、その備えも必要となります。入院費用はどのように準備している?入院費用としての準備は、どのような手段をとっているのでしょうか。図2 直近の入院時の自己負担費用や逸失収入の充当手段(複数回答)資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」をもとに作成図2をみてみると、入院経験がある人の直近の入院時の自己負担費用や逸失収入の充当手段は、「生命保険」が60%以上となっていて、次いで、「預貯金」と続きます。少なくとも約60%の人は、生命保険で入院費用の準備ができているといえるでしょう。医療保険の保障内容は、1日あたりの入院日額と手術費用の保障が基本です。上記データをもとに保険設計を考えるとわかりやすいでしょう。公的医療保障では、高額療養費で「治療費」を、傷病手当金で「収入減」を手当てできますが、それでも賄いきれない部分を医療保険でカバーしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日公的年金に対する不安から、関心の高い方が多い個人年金保険。しかし、個人年金保険と一口にいっても、さまざまな種類があることをご存じですか?年金の受取期間による分類まず、年金の受取期間により、「確定年金」「終身年金」「夫婦年金」の大きく3つに分類されます。それぞれの内容を整理してみましょう。「確定年金」は、文字通り、契約時に定めた一定期間、年金が受け取れる個人年金です。一定期間は被保険者の生死に関係なく受け取れますので、年金受取期間中に被保険者が死亡した場合は、残存期間分は年金か一時金で遺族などに支払われます。なお、年金受取期間前に被保険者が死亡した場合は、それまでに払い込んだ保険料相当額が死亡保険金として支払われるのが一般的です。「終身年金」は、契約時に定めた年齢から被保険者が死亡するまでの間、年金を受け取ることができる個人年金です。「終身」ですから、死亡したら年金支払いがストップしてしまいます。もしも年金を受け取り始めてすぐに死亡してしまった場合、受取年金総額が払込保険料総額を下回ってしまう可能性があります。そのため、一般的には生死に関係なく年金が受け取れる期間、保証期間をつけた「保証期間付終身年金」として販売されることが多く、保証期間中に被保険者が死亡した場合は、保証期間の残存期間に対応する年金、または一時金が遺族などに支払われます。「夫婦年金」は、「夫婦連生終身年金」ともいいますが、夫婦いずれかが生存している限り年金を受け取ることができる個人年金です。やはり、保証期間がついた商品もあります。年金の運用方法による分類次に、年金の運用方法による分類をみていきましょう。まず、契約時の予定利率により積立運用を行うのが、「定額年金」です。定額年金は、運用の成果に関わらず、契約時に将来の受取年金額が確定します。定額年金は安定的ではありますが、運用環境によっては予定利率が低いこともあります。一方、リスクはありますが、価格変動幅の大きい金融商品などで年金原資を運用し、運用効果を高めることを目的とする年金商品もあります。それが、「変額年金」です。変額年金は、年金額が運用実績によって変動します。株や投資信託など金融商品での運用実績に応じて将来の年金額が大きくなる可能性もありますが、その逆の可能性、つまり、将来の受取年金総額が払込保険料総額を下回る場合もあるので注意が必要です。なお、変額年金では、元本(払込保険料総額)は保障されませんが、最低保証金額が定められている場合もあります。さまざまな種類がある個人年金保険。その内容や特徴をよく理解して、加入を検討したいものです。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日【ご相談】妻が病気で働けなくなった…。中学生2人の教育費、老後資金も準備したい43歳女性です。これまで共働きで家計を賄ってきましたが、私が病気になり当分パートができなくなってしまいました。食べ盛りの中学生の男の子が2人いるのですが、塾の費用や携帯代など削れない支出が多く、不安です。また、私も夫も40歳を超えており、将来への備えもそろそろ意識しなければならないと思うのですが、夫だけの収入で、将来への備えもしながら教育費を賄うことは可能でしょうか?現在は、子どもたちの進学先は、公立の高校を考えており、体調が安定しているようならまた働きたいと思っています。東京都在住 加藤雅子さん (仮名)【回答】これから教育費が増していく時期。家計のスリム化を図って、毎月の教育費を捻出しながら、少しずつ老後資金の準備も開始しましょう(ファイナンシャルプランナー 鈴木 さや子からのアドバイス)育ち盛りのお子さまがいらっしゃる今、病気と診断を受けられて、精神的にも金銭的にもさぞかしご不安なことかと思います。一刻も早くお元気になれるよう、治療に専念されたいですよね。そのためにも、金銭的な心配事を少しでも減らしていきましょう。体調が落ち着かれたらまたお仕事を再開されるご予定とのことですが、当面はご主人の収入だけで将来への備えをしながら教育費を賄うことが可能かどうかのご相談ですね。お仕事を再開されたら、その収入は貯蓄に充当するようにしましょう。まず教育費ですが、一般的に最もお金がかかるのが大学入学時です。初年度にかかるお金は、私立文系で約114.9万円、国公立で約81.8万円(※1)となり、受験費用を含めると、私立文系で約153.5万円、国公立で約125.3万円(※2)と高額です。受験のための塾も年間10万円以上かかりますので、お二人の大学入学関連費用で、預貯金の半分近くを使うことに。大学在学中は、私立文系で年額約90.2万円、国公立で年額53.6万円(※1)の学費がかかり、一人当たり月額約4.5万円~7.5万円かかる計算に。また、多くの大学で前期と後期の2度に分けて納付する点はご注意を。大きな出費が1年に2度訪れますのでその分を毎月とっておくことが必要です。このように学費だけでも高額なので、学費以外にかかるお金は、お子さま自身にアルバイトなどで賄ってもらい、残りの預貯金は老後資金のために温存できればと思います。また、私立大学に進学する場合などは、大学の学費を奨学金で賄うことも検討を。ただし奨学金はお子さま自身の借金になり、働きながら10年以上返済の義務があることをお子さまに説明した上で、少しでも負担を軽くできるよう、成績優秀であれば利用できる無利子奨学金の情報も親子で調べてみてください。返済義務のない給付型奨学金を導入している大学なども増えてきています。お子さまと一緒に情報収集に努めるようにしましょう。これからお子さま方が進学する高校では、学費だけで公立で月額約1.9万円、私立で約6万円かかります。私立に二人とも進学すると、お二人が同時に高校に通う時期には合計で12万円もかかることになり、今の家計では非常に厳しいと言わざるを得ません。公立をご検討とのことですが、実際に進路を決めるのはお子さま方なので、現状の家計状況をお子さまにも話し、共有することをおすすめします。塾の費用については、大学受験の塾には成績優秀者は塾費用が免除になるスカラシップ制度というものがあります。お子さまと一緒に今からその認定基準などをチェックして、少しでも教育費を下げられるようにお子さまにも努力してもらえると良いですね。また、インターネットを活用して、月額1,000円程度で授業が受けられるサービスなども登場しています。ぜひ調べてみてくださいね。老後資金準備は、今から少しずつ始められると良いですね。そして上のお子さまが大学を卒業して教育費負担が減る頃から貯蓄額を上げていきましょう。たとえば、今は月額1万円を積み立て、上のお子さまが7年後に大学を卒業されるとした場合、7年後から月額5万円、下のお子さまが9年後に卒業されるとした場合、9年後からは月額9万円に増やしたとします。その場合、ご主人が60歳になる19年後には、積立原資だけで総額1,284万円に。もし3%の複利運用ができた場合は、19年間で約1,533万円にもなります。預貯金の残りや退職金などと合わせれば2,000万円以上と見込まれますので、まずは一安心といったところでしょう。60歳以降も仕事を続けられるとさらに安心ですね。現在は医療費がかかるため、毎月の収支が赤字になるのはやむを得ません。治療が進むにつれ、その金額は減っていくと思われますので、医療費に関しては月々1万円と試算し、足りない分は貯蓄から補填すると考え、月々の支出を以下のように見直しました。なお、生命保険については、ご主人が万一のときのお子さまの教育費や奥さまの生活費を考慮すると、これ以上削減しない方が良いでしょう。見直しをする項目のうち、通信費については、今は格安SIMを活用するなど費用を抑える手段が豊富にあります。家族4人で2万円以下にできると良いですね。また、雑貨や被服費も無駄な買い物がないか見直し、20%削減を目指しましょう。収支金額のうち、前述のように老後資金の貯蓄に1万円、そして39,800円は教育資金の貯蓄に充てると、教育資金として、上のお子さまが大学に入学される3年後までで約143万円貯まります。医療費がかかるうちは貯蓄が減ってしまいますので、毎月しっかり取り分けておきましょう。なお、ボーナス分は、毎月の支出以外にかかる突発的な家電の買い替えや冠婚葬祭、旅行費用などのためにとっておきましょう。今、本当に大変な時期かと思います。ご家族皆さまで力を合わせて、情報収集、そして節約につとめ、乗り切ることができるよう心より願っております。※1 文部科学省「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」および文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」より。※2 日本政策金融公庫「教育費に関する実態調査結果」より。コラム執筆者プロフィール 鈴木 さや子(すずき さやこ)(株)ライフヴェーラ 代表取締役/mamaTanoマネーサロン 代表/CFP(R)/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/キャリアコンサルタント(CDA)家族が笑顔になれるための生活に役立つお金の知識を、主に女性向けに、セミナーやコラム記事などを通じて情報発信。保険などの商品を一切販売しないファイナンシャルプランナーとして活躍中。専門は教育費・ライフプラン・保険・住宅ローン・マネー&キャリア教育。女性の心に寄り添う個人相談にも定評がある。企業講演の他、小・中学校や地域コミュニティなどでの講演やワークショップなど、保護者や親子向けイベントも行っている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月15日高2女子です。奨学金だけで大学へ進学できるか心配です。こんにちは。わたし、真由子といいます。高校2年生です。両親と大学生の姉と暮らしています。先日、両親と姉が、姉が20歳になったために納付しなければならなくなった国民年金の保険料を、どうやって工面するか話し合いをしているのを聞いてしまいました。日頃から、我が家の家計が苦しいのはわたしも知っているので、話し合いをしていることには別に驚かなかったけど、聞いているうちに、このままだと、お金が足りなくて妹のわたしは大学に行けない、なんてことになるんじゃないかと心配になってきました。両親は、わたしのために学資保険に入ってくれているんですが、わたしが高校に進学した時に、その学資保険から出た「お祝い金」を、姉の大学の入学金に流用した“前科”があって、このまま両親を当てにしていて本当に大丈夫なのか正直不安です。そこで、最悪、両親からの支援がなくても、自分の力だけで大学へ行くことってできるのかどうか、調べてみることにしました。自分の力だけで進学するとなると、まず思い浮かぶのは奨学金かなと思うので、とりあえず奨学金について調べて、わかったことを書いていこうと思います。はじめに、パソコンで「奨学金」を検索してみたら、学校や自治体、企業、それにいろいろな団体が独自の奨学金制度を運営していて、とても全部は把握できそうもありませんでした。例えば、ある有名大学で利用できる奨学金の数は250種類以上あるそうです。なので、とりあえず一番有名な、「独立行政法人 日本学生支援機構」が運営している奨学金貸付制度について調べていきます。日本学生支援機構の奨学金まず、「日本学生支援機構」、といっても、お父さんもお母さんも知りませんでした。両親が大学生だった頃は「日本育英会」という名前だったそうです。当時から、「奨学金」といえば日本育英会だったそうなので、相当歴史は古いみたいです。次に、「奨学金」は、勉学を奨励するお金、と読めるし、友達のなかには、返済しなくてよいお金、と思っている子もいます。確かに返済しなくてよい奨学金もあり、そういう奨学金のことを「給付型」と呼ぶそうですが、日本学生支援機構の奨学金は「貸与型」で、必ず返済しなければいけません。日本学生支援機構の奨学金には3つの種類があります。(1)第一種奨学金→利息がつかない。貸与金額は表2を見てください。(2)第二種奨学金→利息がつく(大学在学中は無利息)。(3)入学時特別増額貸与奨学金→利息がつく(大学在学中は無利息)。10万円、20万円、30万円、40万円、50万円から選択。このうち、(3)の「入学時特別増額貸与奨学金」だけを単独で申し込むことはできません。希望する人は、第一種、第二種奨学金とあわせて申し込むことになります。また、入学時特別増額貸与奨学金は、低所得などの理由で日本政策金融公庫の「国の教育ローン」を利用できない人を対象とした奨学金です。今回奨学金について調べているとき、よく比較されていたのが、今出てきた日本政策金融公庫の国の教育ローンだったので、日本学生支援機構の奨学金との違いがわかるように表にしてみました。今は、両親の支援なしに大学に行く方法を考えているので、保護者が対象の国の教育ローンは除外し、日本学生支援機構の奨学金についてのみ、もう少し調べます。「第一種奨学金(無利息)」だけでは志望大学に行けない日本学生支援機構の奨学金のうち「第一種奨学金」は利息がつかないのですが、この第一種奨学金で支給される金額は、国公立大学へ自宅から通う場合で月に4万5千円、自宅外から通学する場合で5万1千円、私立大学へ自宅から通う場合で5万4千円、自宅外から通学する場合で6万4千円と決められています。ほかに、国公立・私立、自宅・自宅外の区別なく、3万円を選択することもできます。わたしは、志望大学をまだはっきり決めていないんですが、自宅通学できる私立大学の理科系学部にする可能性が高いので、仮に第一種奨学金を借りたとすると、月に5万4千円、4年間で約259万円貸与されることになります。※1志望大学が決まっていないので、私立大学理科系学部の平均的な学費を、文部科学省が公表しているデータから算出してみると、入学金が必要な初年度が約150万円、2年生からは約123万円で、4年間で合計約519万円かかることがわかりました。※2この結果から、第一種奨学金だけで志望大学に行くことはできないことがわかります。不足額は、同じ文部科学省のデータから、私立大学理科系学部の平均的な入学金は26万5千595円だということがわかったので、入学時特別貸与奨学金を30万円利用すると、残りは230万円(519万円-259万円-30万円=230万円)となります。4年間で230万円必要ということは、月額では約4万8千円となり、これを第二種奨学金で借りればいいことになります。第二種奨学金は、月額3万円、5万円、8万円、10万円、12万円のいずれかから選択できるようになっているので、わたしの場合、5万円を選択すれば、あまり借りすぎたり、不足し過ぎたりせず、奨学金を利用できそうです。このように、第一種奨学金から月5万4千円、第二種奨学金から月5万円、それに入学時特別増額貸与奨学金30万円を受けることができれば、奨学金だけで志望大学へ進学することは可能だということがわかりました!よかった!ここまで調べた限りでは、奨学金を受けることができれば、両親の支援がなくても、なんとか自分の力だけで大学へ行けそうです!返済総額550万円、返済期間20年!次の問題は、月に10万4千円、入学時に30万円、合計529万2千円も借りて、果たして返済できるかどうかですよね、やっぱり。返済する時には利息が加算されますが、今回ネットでいろいろ調べた結果、日本学生支援機構の奨学金の利息は年利3%だと誤解している人が結構多いみたいでした。本当は、最大3%になる可能性がある、ということで、実際は、例えば今年(2015年)3月に卒業した人に適用される金利は、利率固定方式を選択した人で0.63%、利率見直し方式を選択した人で0.10%と、とても低い水準でした(入学時特別増額分についてはそれぞれ0.83%、0.30%)。仮に利率0.63%(入学時特別増額分は0.83%)として、日本学生支援機構のホームページで、わたしが借りる予定の529万2千円の返済方法をシミュレーションしてみると、毎月22,838円を20年間かけて返済するという結果になりました(最終月は22,907円)。ちなみに、返済総額548万1,189円のうち、利息分は18万9,189円でした。返済総額約550万円という金額がどのぐらいの値打ちなのか、高校生のわたしには正直ピンときません。家は買えないけど、車は買える、という感じでいいのかな。でも、返済が終わったら、自分は42歳か43歳になっているんだと思うと、やっぱり550万円という金額は、“ハンパじゃない!”ってことがわかります。月額22,838円という返済金額も、就職できれば返済可能な金額だとは感じるけど、結婚したり、子どもができたりするかもしれない20年という長い期間、無事に返し続けることができるのかは、自分でも全く予想がつかないです。仮に、返済ができなくなった場合どうなるかを調べてみると、連帯保証人に返済の請求が行われるほか、自分名義のクレジットカードが作れなくなったり、ローンが組めなくなったり、また、給与や財産が差し押さえられたりすることがあるそうです。ただ、病気や失業などの事情で返済がむずかしくなった場合は、日本学生支援機構に申し出ることにより、返済月額の減額や、返済期限を猶予してもらえる制度を利用できることがあるそうです。返済が困難になったときは、黙って延滞しないで、すぐに支援機構に相談することが大切なようでした。このように、万一のときのセーフティネットがあるとはいえ、とにかく、奨学金を受けるからには、卒業したら絶対就職する、という強い決意が必要だと思いました。入学金だけは事前の準備が必要今回調べてみて、少なくとも平均的な学費の私立大学理科系学部に自宅から通う場合、奨学金だけで大学へ行くことはできそうだということがわかったのですが、一つだけ奨学金では賄えない費用がありました。日本学生支援機構の「入学時特別増額貸与奨学金」は、貸与されるのは入学後になります。だから、たとえ貸与されることが決まっても、入学金の支払いには間に合いません。入学金だけは、奨学金が貸与されるまで両親に一時立て替えてもらうか、事前にバイトでもして貯めておく必要があります。両親が加入してくれているわたしの分の学資保険が、中途解約されて姉の学費に流用されたりせず、無事に満期になったら、ぜひ入学金に充てたいです!さて、奨学金を借りることができれば、自力で大学へ行けそうなことはわかったし、あとは合格するだけだな~っと!!※1 「第一種奨学金」「第二種奨学金」とも、奨学金を申し込む人の学力・家計等について、日本学生支援機構が基準に照らし、予算の範囲内で決定するため、希望すれば必ず受けられるわけではありません。※2 文部科学省「私立大学等の平成25年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」より。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月14日学資保険のはじまり学資保険(子供保険)とは、お子さまの入園・入学時や大学進学時に必要な教育資金を準備するための保険です。学資保険の歴史は意外と浅く、1971年に郵便局(現 株式会社かんぽ生命保険)が創設した「学資保険」がはじまりです。高度成長期や第二次ベビーブームの影響もあり一気に世に広まり、現在では、15社以上の保険会社がさまざまな商品を取り扱っています。その結果、下のグラフからわかるように、今や「教育資金づくり=学資保険」という考えが定着したといえます。子どもを大学等へ進学させるための教育資金を準備している、あるいは準備する予定の方法(複数回答)(調査対象:高校生以下の子どもの親/調査期間 :2013年12月6日~12月10日)資料:ソニー生命調べ「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」をもとに執筆者作成しかし、なぜ学資保険はこんなにも需要があるのでしょうか?みんなが入っているから?知人の保険販売員さんに紹介されたから?また、貯蓄状況・お子さまの進路設定・家計を握る方の性格など、どれも各家庭で異なるはずなのに、一律に学資保険でいいのでしょうか?あなたの貯蓄スタイルはどのタイプ?学資保険の他にどんな貯蓄方法があるのか?も、気になるところですが、まずは、教育資金についての現状やご自身の貯蓄状況を把握することが大事です。近年における教育資金の相場は、お子さまが4年制の大学に進学する場合、入学料と4年間分の授業料等を合わせて、国立大学なら約243万円、私立文系なら約386万円かかります。この金額のうち、半分以上を入学時に準備できていることが理想だといわれています。それでは、現在、教育資金として準備できている貯蓄はいくらありますか?また、現在のお子さまの年齢は何歳ですか?貯蓄に対するご自身の特性と合わせて、下表のどのタイプになるかを選んでみてください。A~I、あなたはどのタイプでしたか?このタイプをもとに、大きく6つに分類した表2から最適な貯蓄方法を導き出してみましょう。学資保険以外にもこんなにも方法が!?さて、冒頭で学資保険の人気について述べましたが、他にも教育資金を貯める方法は、小さな額からコツコツ貯金~資産運用まで、いろいろな選択肢があります。では、表1であてはまったタイプの欄におすすみください。Aタイプに該当される方は、すでにきちんとした貯蓄の術をお持ちです。継続は力なり!ですので、引き続き「預貯金・定期預金」でコツコツ貯めていきましょう。Bタイプに該当される方は、お金の知識とまとまった資金を生かし、「ネット定期・個人向け国債・投資信託」で堅実に運用していくことで、今まで以上に貯蓄を殖やしていけそうです。ただし、リスクの高い商品もありますのでご注意ください。Cタイプに該当される方は、勤務先に「財形貯蓄」の制度があるなら、ぜひご活用ください。給与から天引きされるので、毎月確実に貯蓄ができます。また、解約に制限が設けられている場合が多いので、途中で引き出すことなく目標を達成しやすいでしょう。勤務先に財形貯蓄の制度がない方や自営業の方は、「自動積立定期」も口座から自動的に積立口座に振り替えられるので、毎月確実に貯蓄ができます。D・Fタイプに該当される方は、貯蓄に対する熱意は十分お持ちなので、確実性を重視する意味で「学資保険」が有効です。保険料として毎月決まった額が貯蓄できる上に、返戻率100%を超える商品もあり、支払った金額以上の満期金が受け取れます。加えて、ご契約者が万一のときには保険料の支払いが免除される保険料払込免除特則が付帯し、満期時にお祝い金も受け取れます。E・Gタイプに該当される方は、D・Fタイプに該当される方と同様ですが、「低解約返戻金型終身保険」という選択もあります。学資保険との違いは下記のとおりです。親が保障の対象である親が亡くなったときに死亡保険金が支払われる解約するタイミングを自由に決められるので、教育目的に使用しない場合は老後資金に活用も可能ただし、保険料払込期間が10年以上の商品がほとんどのため、すでにお子さまがいらっしゃる方が学費として使用する場合は、満期と入学の時期を合わせる必要があります。Hタイプに該当される方も、あきらめないで!お子さまが中学生以上の場合や貯蓄が難しい方は、「教育ローン」や「奨学金」を利用されるご家庭も少なくありません。さまざまな種類がありますので、進路に合った制度の情報収集をはじめましょう。Iタイプに該当される方は、かわいいお孫さんに目がないおじいちゃん・おばあちゃんに頼るのもいいと思います。親族一丸となって、お子さまの将来を応援しましょう。無償の愛だけでは進学できません!お子さまにたっぷりの愛情を注ぐことは言うまでもありませんが、経済的にもたっぷりと援助したいものです。「お金がないから、その学校はちょっと……」と言ってお子さまを悲しませないためにも、今すぐ、各ご家庭の貯蓄状況や傾向にあった貯蓄方法をみつけましょう。もちろん方法は1つに限りません。貯蓄+学資保険など、合わせ技を駆使すれば、より多くの貯蓄が期待できます。お子さまに、たくさんの選択肢から将来の夢をつかんでもらいたいと思うのが親心。その夢に少しでも近づくよう、お父さま・お母さまにもたくさんの情報の中から、最適な教育資金の準備方法をお選びいただきたいと思います。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月14日民間の医療保険に加入すると、公的医療保険ではカバーできない支出を補うことができます。多くの医療保険は、入院給付金と手術給付金が基本保障となっています。医療保険のメリット、デメリットについてみていきます。医療保険のメリット1. 経済的精神的な安心が得られる医療保険に加入していると、病気やケガで入院や手術をした際には、給付金が受け取れます。入院や手術を伴う治療には、まとまったお金が必要なこともあります。思いがけない病気やケガが急な出費を招き、戸惑うものです。保険で備えておけば、経済面だけでなく、精神的にも安心を得ることができます。終身タイプの医療保険に加入し、保険料の払い込みを60歳や65歳で終わらせれば、病気やケガをしやすい上に、収入の減る60歳や65歳以降の高齢期を安心して過ごすことができます。また、結婚したばかりで貯蓄が少ない場合でも、生活が安定するまでの一定期間を、保険料が手頃な定期型医療保険に加入するという方法で備えることができます。ただし、定期型の場合は更新時の年齢に応じて更新のたびに基本的に保険料が上がります。日本の公的医療保険は、充実しているといわれていますが、高齢化に伴い医療費が増え続けていることから、現在の公的医療保険の水準を維持していけるかどうかわからない状態です。将来自己負担が増えることも考えられ、医療保険に加入していると安心といえるでしょう。 2. 生命保険料控除による税金の優遇 生命保険の保険料は、支払った金額に応じて一定額を課税所得から差し引くことができます。生命保険料控除と呼ばれているものです。所得控除が多ければ、課税対象となる収入が少なくなるので、所得税や住民税が減ることになるのです。医療保険に加入していると、介護医療保険料控除を受けることができ、他の死亡保障等の生命保険料控除とは別に控除を受けることができます(平成24年1月1日以後に加入した場合)。医療保険のデメリット1. 告知の影響を受けやすい医療保険も生命保険と同様に健康告知があります。告知に際しては、現在および過去における病歴の確認があります。医療保険では、現在または過去において病歴のある部位に関して、数年間は保険給付の対象外(部位不担保)という条件がつけられるケースがあります。生命保険の場合は、保険金の額が減額されたり、保険料を割り増ししたりして対応しますが、医療保険は、細かい部分に給付制限があり、加入していても病気によっては給付を受けられないこともあります。2. 入院日数すべてをカバーできるとは限らない 医療保険は、入院給付金が基本保障ですが、病気によっては、入院日数のすべてをカバーできないことがあります。給付される入院日数に上限が定められていますので、例えば長期間にわたる入院や、入院期間が短くても、同じ病気でたびたび入院すれば上限を超えることもあります。入院給付金は、入院限度日数を超えた部分には給付されません。 3. 貯蓄で賄えることもある公的医療保険には、1カ月の医療費が一定額を超えると超えた部分が戻ってくる「高額療養費制度」があります。この制度により、医療費が極めて高額になることはあまりない(注)ので、収入や資産状況によっては、貯蓄等で賄えます。貯蓄等であれば、すぐにお金を用意できますが、医療保険では給付金を受けるために保険会社に請求をする必要があり、給付金を受け取るまで時間がかかる場合もあります。(注)ただし、先進医療を受けた場合は技術料が全額自己負担になり、医療費が高額になることもあります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月10日「引受基準緩和型医療保険」とは、加入時の条件を通常の医療保険よりも緩くした保険です。健康告知の内容もシンプルで3つ~5つの項目をクリアすると加入できます。持病があったり、入院履歴があったりした場合でも医療保険に加入しやすくなります。保障内容引受基準緩和型医療保険の保障内容は、通常の医療保険と同じく入院給付金と手術給付金が基本保障となります。加入前の持病や既往症により、入院や手術を受けた場合でも保障されます。保険商品によっては、契約後の一定期間は入院給付金が半額となり、一定期間後は満額の給付金が受けられるという仕組みになっています。その一定期間を支払削減期間といいます。引受基準緩和型医療保険 支払削減期間の仕組み図(例)支払削減期間が1年の場合加入の条件引受基準緩和型医療保険の加入の条件は、保険会社により異なりますが、いくつかの健康告知項目の全てにあてはまらないことです。主な項目は、以下のようになります。最近3カ月以内に受けた医師による検査または診察で、入院または手術をすすめられたことがある。過去1年以内に、病気やケガで入院したこと、または手術を受けたことがある。過去5年以内に、がん(悪性新生物および上皮内新生物)や肝硬変で、入院したこと、または手術を受けたことがある。注意点として、「過去○カ月」や「過去○年」という年数等や病気の種類は、保険会社によって異なります。また、引受基準緩和型医療保険の他に、加入条件のない「無選択型医療保険」という保険商品もあり、この保険はだれでも加入できますが保険料は高くなります。保険料通常の医療保険に比べて「引受基準緩和型」の医療保険は、保険料が高く設定されています。そのため、保障額と保険料のバランスを考えて加入を検討しましょう。高い保険料を支払っていて保障が少ないのであれば、同じ額の預貯金をするという選択肢もあります。また、持病や入院歴があっても、保険会社により通常の医療保険でも条件付きで加入できるケースもありますので、あきらめずに、まず通常の医療保険からトライしてみましょう。医療保険に加入する際は、保険料をなるべく抑えて、安心を得るようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月10日医療保険への加入を検討し始めても、各保険会社からさまざまな医療保険が発売されており、どの商品を選んだらよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?このような場合、まずは保険商品から離れ、医療保険の種類について確認してみましょう。定期型と終身型医療保険は、一定期間だけの保障が得られる「定期型」と、一生涯の保障が得られる「終身型」があります。定期型は、保障期間が定められているため、定期的に見直しを行うことができ、終身型に比べれば保険料を安く抑えることができますが、更新時には年齢を重ねていることもあり、保険料が高くなっていきます。終身型は、一度加入すると一生涯の保障が確保でき、保険料は一定ですが、加入後すぐの保険料は定期型に比べると高くなります。定期型はお手頃な保険料で一定期間の保障を得たい方、終身型は老後資金等に不安をお持ちの方に向いているといえるでしょう。引受基準緩和型と無選択型医療保険へ加入する際は、持病や健康状態等を保険会社へ告知する必要がありますので、健康状態によっては、医療保険へ加入したくても加入できないことがあります。このようなケースで考えられる保険として、「引受基準緩和型」と「無選択型」があります。引受基準緩和型は、一般的な医療保険に比べ告知事項が少ないため加入しやすく、無選択型は健康状態にかかわらず、基本的には誰でも加入することができます。しかし、一般的な医療保険よりも保険料が割高ですし、給付金支払い時に条件が設けられている場合もありますので、まずは一般的な医療保険への加入を検討し、加入が難しいようであれば引受基準緩和型・無選択型の医療保険を選択しましょう。女性保険女性専用の保険で、女性特有の病気に対して手厚く保障されているのが特長です。女性特有の病気とは、乳房や子宮および卵巣にかかわるもので、乳がんや子宮筋腫・卵巣機能障害等が該当します。このような病気の場合、給付金が上乗せされますので、女性特有の病気が心配という方には向いているといえるでしょう。ただ、一般的な医療保険でも女性特有の病気は保障されますので、女性特有の病気に対する上乗せの保障が必要かどうかを考えてみるようにしましょう。まとめ上記以外にも、保険料の掛け捨て型と貯蓄型の種類分けができます。掛け捨て型は、解約時や満期時に戻ってくるお金がありませんので、貯蓄型に比べ保険料が安く、貯蓄型は、戻ってくるお金が保険料に加味されていますので、保険料が高めになります。また、保険料の支払方法として、終身医療保険の場合、何歳になっても保険料を支払う「終身払い」と、例えば65歳迄で支払いを終わらせる等の「短期払い」の2つがあります。短期間での保険料の払い込みとなるため、短期払いのほうが終身払いより保険料は高くなります。損得を判断することは難しいですから、家族構成やライフスタイル、および家計の状況等から選択するのがよいでしょう。医療保険といってもさまざまな種類がありますので、商品選択の前に、どの型の医療保険に加入するのかを慎重に検討するようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月10日死亡保険に加入する時は、具体的にどの種類の死亡保険に加入するのかを選ばなければなりません。なかには、「死亡保険の種類」と聞くと、難しいと思う方もいるのではないでしょうか?しかし、死亡保険の種類は昔から変わっておらず、基本的に3種類しかありません。この3種類の違いをしっかりと押さえておくことで、自分に合った死亡保険を選ぶことができます。死亡保険は基本的に3種類死亡保険は、「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3種類が基本型になっています。この3種類のそれぞれの違いを押さえておきましょう。押さえておきたいポイントは、保障期間と、貯蓄性の有無の2つです。定期保険…掛け捨てタイプの、保険料がお手頃な生命保険死亡保険での定期の意味は、「一定期間」のことをいいます。したがって、定期保険とは、例えば10年間といった一定期間(保障期間)中に保険の対象となる方(被保険者)が亡くなった場合に、遺族は死亡保険金を受け取ることができます。定期保険は、保障期間中に解約することで受け取ることができる解約返戻金はわずかで、保障期間終了時に戻ってくるお金(満期返戻金)はありません。したがって、定期保険は貯蓄性がありません。一般的に「掛け捨ての保険」といわれています。そのかわり、毎月支払う保険料は同じ保障の場合、他の種類の死亡保険よりも安くなっています。図1 定期保険の仕組み終身保険…一生涯保障してくれる保険・貯蓄性のある保険死亡保険も含め、保険用語で「終身」は一生涯のことをいいます。したがって、終身保険の保障期間は一生涯となりますので、途中で解約しない限り、遺族などは必ず死亡保険金を受け取ることができます。終身保険は、解約した時に受け取ることができる解約返戻金があり、加入している期間が長くなればなるほど、多くの解約返戻金が受け取れます。なぜ解約返戻金があるのかというと、終身保険の場合、必ず保険金の支払いがあるので、保険会社は保険料から経費などを差し引いた分を積み立て、運用しているためです。保険証書にある利率は運用成果を約束するものです。したがって、終身保険は貯蓄性のある保険に分類されます。毎月支払う保険料は、同じ保障の場合、定期保険と比べると高くなります。図2 終身保険の仕組み養老保険…一定期間のみ保障・貯蓄性のある保険養老保険は、死亡保障と貯蓄を組み合わせた保険です。例えば、死亡保険金を500万円に設定した場合、10年間など一定期間(保障期間)中に保険の対象となる方(被保険者)が亡くなった場合、遺族は500万円の死亡保険金を受け取ることができます。そして、10年間など一定期間(保障期間)中に、保険の対象となる方(被保険者)が亡くならずに保障期間が終了した場合、満期保険金として死亡保険金と同額の500万円を受け取ることができます。このように、保障期間中に亡くなられた場合でも、亡くならずに保障期間が終了した場合でも、同額のお金を受け取ることができる保険なので、「生死混合保険」とも呼ばれています。図3 養老保険の仕組み以上が死亡保険の3つの種類になりますが、死亡保険を選択する場合には、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月28日生命保険とひとことで言っても、その種類は数多くあります。そのため、生命保険を選択される時に複雑に思う方もおられるかもしれませんが、まずは、生命保険の基本型を理解し、それぞれの特徴を知ることが大切です。そして、生命保険の主な基本型は「死亡保険」と「生存保険」、そして「生死混合保険」の3つです。これら3つの保険の基本型についてみていきましょう。死亡保険保障期間中に保険契約の対象者(被保険者)が死亡または高度障害になった時に、死亡保険金受取人に対して死亡保険金が支払われます。死亡保険は、被保険者に万一のことがあった時のために、遺された家族のために加入する保険です。<死亡保険の例>定期保険、終身保険、定期保険特約付終身保険(終身保険をベースに定期保険をセットした保険契約)等。生存保険保険契約の対象者(被保険者)が満期日(保険契約の時に定めた所定の期日)まで生存していた時に保険金が支払われます。なお、満期日までに被保険者が死亡した場合は、一定の死亡保険金が支払われます。生存保険は、老後の生活資金の確保のための貯蓄を目的として、加入するケースが多いです。<生存保険の例>個人年金保険(確定年金、終身年金等)生死混合保険死亡保険と生存保険をセットにしたものが生死混合保険です。保障期間中に被保険者が死亡または高度障害になった時には、死亡保険金が死亡保険金受取人に対して支払われます。また、満期日(保険契約の時に定めた所定の期日)まで生存していた時にも、同額の保険金(満期保険金)が支払われます。<生死混合保険の例>養老保険基本型以外にも医療保険やがん保険などがある生命保険には、基本型以外に医療保険やがん保険があります。医療保険とは、ご存じの方も多いかもしれませんが、病気やケガで入院や手術・通院等をした時に給付金が支払われる保険です。次に、がん保険とは、がんにかかった場合にのみ給付金が支払われる保険です。がん保険は、がん専用の保険ですので、がん以外の病気にかかった時には給付金は支払われません。生命保険は、これらの保険が単独か、またはいくつかを組み合わせることでできています。まずは、自分にとって、どのような保障が必要かを考えてみることが大切です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月28日病気やケガもなく健康に毎日を過ごすことは、とても大切なことです。そして、それが毎日続くと当たり前のことのように思ってしまうのかもしれませんが、将来もそれが続くとは限りません。もし、予期せぬことで、大切な方が亡くなられてしまった場合、悲しみとともに、金銭面でも大変な状況になることがあります。将来、万一のことが起きてしまった時のために、備えておくのが死亡保険です。改めて死亡保険の必要性について考えていきましょう。死亡保険の役割万一、一家の大黒柱の方が死亡するとその後の収入が途絶えてしまい、遺された家族の生活が不安定になってしまいます。しかし、日本では、国民年金や厚生年金といった公的年金制度から「遺族年金」が支給されます。また、勤めていた会社からは「死亡退職金」が支給されるケースもあるでしょう。さらには、これまでの「貯蓄」もあるでしょうが、これらの3つを合計した場合でも、遺された家族が今まで通りに今後も生活をしていくのは難しいかもしれません。そこで、遺された家族が、金銭面においては何の不安もなく、今まで通りに今後も生活をしていくために、補足として加入しておくのが死亡保険です。したがって、死亡保険は、万一の時に遺された家族のための“安心”の役割を担っているのです。死亡保険の役割・必要性高額な死亡保険が必要な場合とは?死亡保険と聞くと、死亡した時に2,000万円や3,000万円といった高額な死亡保険金を遺族の方が受け取るイメージがあるのかもしれませんが、全ての方が高額な死亡保険に加入する必要はありません。高額な死亡保障が必要な場合の一例は、子どもが幼い場合や、扶養家族がいる場合などです。子どもが成人するまでの間には、生活費の他にも教育費等も必要になるからです。また、共働き夫婦の場合は、両方に高額な死亡保障は必要ありませんが、お互いの収入がともに生活に欠かせないものなら死亡保障は必要となります。子どもに対して、死亡保険に加入されている方もいますが、子どもが万一、死亡した場合に、その後の金銭面での不安はほとんどありませんので、死亡保険は不要といえるでしょう。このように死亡保険の必要性は、年齢、家族構成やライフスタイルなどで変わります。やみくもに死亡保障を備えるのではなく、保険を掛けるべき人に適切な保障で備えるのが死亡保険です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月28日病気やケガの際にかかる医療費等に備えるのが、医療保険です。日本には、公的医療保障がありますので安心といえますが、入院が長期にわたることもないわけではありません。病気治療が長期にわたれば、生活そのものにも支障が出てきます。医療保険は、治療が長期になった場合のリスクにも備えることができます。それでは、医療保険の加入率はどのくらいなのでしょうか。医療保険の加入率(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」の「疾病入院給付金の支払われる生命保険加入率」をみると、74.0%の人が医療保険に加入しているという結果になっています。これにより、多くの人が病気やケガに対する準備として、医療保険を選択していることがわかります。資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」をもとに作成なぜこのように、医療保険に加入する人が多いのでしょう。それは、医療にかかる費用に対する不安の表れといえるのではないでしょうか。では、同調査による「医療保障に対する充足感」をみてみましょう。資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」をもとに作成「充足感なし」と答えている人が半数以上に上っているという結果になっています。充足感がないということは、「足りない」ということの表れと考えると、加入率からみて、公的医療保険で賄いきれない部分を医療保険等で補っているが、それでもまだ医療保障への不安を抱えている人が多いことがわかります。日本の公的医療保険は、公的医療保険がないアメリカなどと比べると恵まれているといえます。ただ、高齢化に伴い、国民一人あたりの医療費が増え続けており、介護や年金も含めた社会保障費は膨れ上がっています。今後、公的社会保障がこのまま維持されていくのかはわからない状況ですが、自己負担増となることも覚悟しておく必要があります。そのような不安が医療保険の加入率に表れているのかもしれません。ここに挙げる加入率はあくまでもデータです。医療保険の必要度は、個々の家庭の収入や資産等によって異なりますので、参考データのひとつとして活用してください。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月26日【ご相談】子どもが生まれました!家も車も欲しいけれど、貯蓄ペースは今のままで大丈夫?27歳男性です。4カ月前に子どもが生まれました。それを機に、もう少し広い家でのびのびと育てたい、いろいろな場所に連れて行ってあげたいと思い、家や車を買うことを考え始めました。現在は、子どもの将来の教育資金準備として、受取金額200万円の学資保険へ加入し、家や車の購入資金として、二人のボーナスを貯蓄に回しています。子どもの進路については、高校までは公立の学校でと考えており、マイホームは3,000万円程度と考えています。今の貯蓄ペースで、教育費も家も車も手に入れることはできるのでしょうか。また、そのためには、収入の何%を貯蓄に回すことが理想なのでしょうか?兵庫県在住 山田数郎さん (仮名)【回答】今のペースで貯めることができたら、教育費準備もマイホームもマイカーも夢じゃない!(ファイナンシャルプランナー 中垣 香代子からのアドバイス)お子さまがお生まれになったのですね。おめでとうございます。日々の成長に目を見張り、一緒に過ごす時間がとてもいとおしいと感じていらっしゃることでしょう。お子さまの誕生を機に家計を見直し、教育費の準備、マイホームやマイカー購入のご検討を始められたとのこと。収入の何%を貯蓄に回せばいいのか知りたい、というご質問ですが、結論から申し上げます。大きな出費の予定がなければ、収入の○○%を貯蓄するという方法もあります。しかし、山田さんの場合は、マイホームとマイカー購入、そして、お子さまの教育費の準備という目標があります。この目標を達成するためには、収入の○○%を貯蓄目標にするのではなく、必要な金額から逆算して貯蓄額を決めましょう!では、マイホーム費用・マイカー費用・お子さまの教育費、どれから貯め始めればいいのかご存じですか?一番初めに準備しなければいけないものは、実はこの中にはありません。一番初めに準備すべきものは「予備費」です。今は何の問題もなく、収入の範囲内で生活が成り立っています。しかし、人生何が起こるかわかりません。突然収入が激減したり、出費が激増したりすることもあるでしょう。そんなときのために、予備費として6カ月分の生活費を用意しておきましょう。山田さんの場合は、既に生活費の6カ月分以上の貯蓄があるので安心ですね。次にお子さまの教育費について考えましょう。高校までは公立でとお考えとのことですので、高校までは月々の生活費の中で賄うようにするといいでしょう。今から準備しておきたいのは、大学の費用です。私立ですと、4年間の授業料と施設整備費および入学料で400万円を超える学校が多いです。安いと思われがちな国立でも、4年間の授業料と入学料だけで約250万円にもなるのです。その他に教科書代、新たに購入するパソコン代、そして自宅から通えない場合は下宿代や寮費、生活費……。とてもとても月々の生活費で賄うことはできません。今からコツコツ貯めていきましょう。では、どのように貯めていったらいいのでしょうか。コツコツ貯めるのに適したものがあります。それは「児童手当」です。第一子の場合、3歳までは月々15,000円、4歳~15歳までは、月々1万円が自治体より支給されます。児童手当を全て貯蓄すると、中学卒業時には約200万円になっています。これに学資保険の祝い金(200万円)を加えると、国立の学費は賄えますね。私立でも、あと少しのところまで来ました。残りは積立預金、積立投資信託などが適しています。毎月5,000円積み立てると高校卒業までに、積立額が約100万円になります。児童手当の貯蓄、学資保険に、月々5,000円を積み立てるだけで大学の費用が準備できることがわかりました。下宿生活や留学の可能性がある場合は、積立額を増やすと良いでしょう。18年間で100万円貯めるなら、毎月5,000円。毎月の支出内容を見直して捻出する金額としては、決して難しくはないと思います。次はマイホーム購入費用です。3,000万円くらいの物件をお考えとのことですね。マイホーム購入時は物件価格のほかに、各種税金・手数料等の諸費用が必要になります。私が相談を受けるときは、新築物件で物件価格の5%を諸費用として見積るようにお話ししています。最近は場合によっては全額をローンで組むことも可能ですが、できれば頭金として物件価格の20%を準備しておきましょう。3,000万円の物件の場合、頭金と諸費用を合わせて750万円。山田さんには今現在400万円の貯蓄がありますが、予備費として生活費の6カ月分を差し引くと、残りは196万円。750万円から196万円を引いた554万円を準備することになりますが、現状で年間242万円の貯蓄ができていますので、約2年半で準備できます。2年半後に2,400万円のローンを年利1.75%、返済期間25年で組んだときの1カ月の返済額は、約10万円。今の家賃74,000円に、毎月の貯蓄10万円のうちの26,000円を加えることで、返済が可能になります。管理費・修繕積立費・固定資産税といったランニングコストも、今の貯蓄額から十分に賄えますね。無理のないマイホーム購入プランになるでしょう。最後にマイカーです。できれば住宅購入後に現金が貯まってから購入したいところですが、新しい家の立地によっては、すぐに必要になることもありますね。そのような、住宅ローンと自動車ローンの返済が重なった場合の繰り上げ返済は、利率の高い方のローンから、ということを覚えておいてくださいね。最後に今までの話を整理しましょう。予備費がない場合は、予備費を確保する(生活費6カ月分)教育費の準備を始める(学資保険+児童手当+積立預金・積立投資信託など)頭金を貯めてから住宅を購入する自動車を購入する(できれば現金が貯まってから。無理なときはローン)今の堅実な家計を続けることと購入の時期を考えることにより、無理なく教育費の準備、マイホームとマイカーを取得することが可能となります。ご家族がそろって笑顔で暮らせるよう、計画的に準備していきましょう。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月25日沙織さん(仮名)は子どもが私立幼稚園を卒園するのを機に、将来の教育資金準備を始めようと考えました。小学校は公立へ進学することになり、私立幼稚園ほど費用がかからなくなるため、その分を積み立てして、大学進学等の費用に備えようと考えたのです。学資保険加入、5歳からでは遅い?「教育資金積み立てなら学資保険」と考えた沙織さんは、さっそく何人かのママ友に、学資保険はどこがいいと思うかたずねてみました。ところが、ママ友のほとんどが、「今からだと加入できないかもしれないよ。」とか、「今から学資保険はもう遅いんじゃない?」などというのです。そんなことは考えてもみなかった沙織さんは驚きました。「夫も子どもも特に持病などはないのに、どうして入れないの?」沙織さんは、ママ友の一人、優子さん(仮名)に、つい詰め寄るように聞いてしまいました。優子さんは困ったように、「これからでも入れる学資保険は、探せばいくつもあると思うけど、」と前置きした上で、「学資保険は必要となる時期が決まっているでしょ?高校進学時とか、大学進学時とかだよね。だから、これから学資保険に入ると、0歳の時から加入している人より短期間で積み立てしないといけなくなるから、保険料が高くなったり、返戻率(※1)が悪くなったり、商品によっては全く加入できなかったりすることもあるのよ。」と話し出しました。これから加入して納得できるかがカギ「例えば、5年で100万円貯めるのと3年で100万円貯めるのだったら、月々の積立額は5年かけて貯める方が少なくてすむし、預金なら利息も普通は5年預けている方がたくさんつくでしょ。それと同じ。」優子さんは続けます。「だから、これから学資保険に入っても、0歳の時から入っている人と比べると、毎月の保険料は高くて支払いは大変なのに、満期になって戻ってくるお金は0歳で加入した人より少なくなってしまうので、せっかく加入しても何か“損”をしたような気持ちになってしまう可能性があるから、みんなはそれを心配して、おすすめしなかったんじゃないかな。」と、とりなしました。「そうだったのね、知らなかったわ。うかつだったのね、私……。」「それに、」と優子さんはさらに続けます。「毎月保険料を支払うたびに、“あ~あ、0歳の時に入っていればよかったな~”、と思ってしまうと、ストレスがたまりそうでしょ?その結果続ける気力がなくなって、途中でやめてしまったりしたら、学資保険の中途解約はほぼ元本割れしてしまうから……。」「せっかくの教育資金がマイナスになってしまうのね。確かにそういうこともあるかも。」がっかりする沙織さんを励ますように、「でも、」と優子さんは続けます。「学資保険には教育費の積み立てだけじゃなく、親(保護者)に何かあった時、その後の保険料支払いは免除され、満期金は確保されるという、保険としての機能(※2)があるから、今からでも学資保険に入る値打ちは十分あると思うよ。」さらに優子さんは、「それに、よく調べれば、これからでもそこそこ納得できる返戻率の学資保険もいくつかあると思うよ。」と、つけ足しました。「えっ、本当?」沙織さんの顔がぱっと明るくなります。優子さんはうなずきながら続けます。「確かに学資保険のなかには、5、6歳で加入すると、支払った保険料総額と、満期までに受け取れる返戻金総額がほとんど変わらない、つまり返戻率がほぼ100%に近いものもあるけれど、5歳の時に加入して、返戻率が105%ぐらいになる学資保険ならいくつかあったと思うよ(※3)。そりゃあもちろん、その学資保険に、0歳の時から加入するのと比べてしまうと見劣りはするけれど、105%ぐらいあれば定期預金に比べればだいぶいい(※3)し、いずれにしても何らかの方法で教育資金準備をはじめないといけないことを考えると、納得できる範囲の返戻率のような気がしない?」これからでも返戻率は上げられる?「なるほどね、確かにどっちにしても教育資金の準備は始めないといけないわね。それで、その学資保険はどこのだったか教えてくれる?」沙織さんは勢い込んでたずねます。「そこまでは覚えていないけど、インターネットで複数の学資保険を比較できるサイトがあるから、そこで調べればすぐわかると思うよ。沙織さんの場合は、0歳で加入した時の返戻率と、5歳で加入した時の返戻率とをシミュレーションで比較してみて、これなら今から加入しても納得できる、と思える学資保険を探してみればいいんじゃないかな。納得できれば、解約しないで続けられるんじゃない?」「確かにそうね!一度探してみることにするわ!」沙織さんの声ははずんでいます。優子さんもにっこりしてさらに続けました。「実は、これからでも返戻率をあげる方法はあるのよ。0歳の時に加入した場合の返戻率と同じにすることは無理かもしれないけど、保険料の支払方法を年払いにしたり、高校進学時等のお祝い金を受け取らずに据え置いたりすれば、返戻率は上げられるよ。ほかにも、保険料を払い込む期間を一時払い、全期前納払いや短期払い(※4)にする方法などもあるし、納得できそうな学資保険がみつかったら、一度、複数の保険を比較できる保険ショップで相談してみるのもいいと思うよ。返戻率のことだけじゃなくて、例えば、お祝い金の受け取り時期は商品によって微妙に違ったりするけれど、どれが自分にあった商品なのかなどのアドバイスをしてくれると思う。ほかに、もしクレジットカードで支払いができれば、カードによってはポイントがつく場合もあるわよ。」「なるほど!!」※1 返戻率とは、受け取れる満期金・お祝い金の総額を、支払った保険料総額で割ったもの。返戻率が高いほど、支払った保険料と比べてより多くの満期金、お祝い金が受け取れる。なお、返戻率100%未満はいわゆる元本割れの状態。※2 保険料支払免除が特則になっている学資保険もあります。※3 2015年7月7日現在。※4 短期払いとは、保険期間よりも短い期間で保険料を払い終えることをいいます。払込期間が短いほど保険料の払込総額は少なくなりますが、毎回支払う保険料は高くなります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月24日長女に届いた一通の手紙長女の大学の費用をやっとのことで準備したF家であったが、伏兵は思わぬところからやってきた。伏兵の名は、「国民年金」である。平成3年4月から、学生であっても20歳になった時から国民年金への加入が義務付けられたのであるが、当時すでに大学を卒業し、社会人になっていた両親はそのニュースに接することもなく、日本年金機構から長女あてに届いた「国民年金被保険者資格取得届書」を見て、初めてその事実を知ったのであった。1カ月15,590円(平成27年度)。これが、これから長女が毎月支払っていく国民年金の金額だった。長女の大学の費用をぎりぎり用意できたF家にとって、この金額は衝撃的であった。F家の台所事情は、長女の学資保険だけでは大学入学時の費用を賄うことができず、たまたま同時期に満期を迎えた次女の学資保険の高校入学祝い金を流用してしのいだことから、その切迫度がうかがえる。次女が公立高校を選んだことで、この「目的外使用」が可能となったわけであるが、今話題の祖父母等による「教育資金一括贈与」ではこのような目的外使用は許されない。使い道に制限のない学資保険だからこそできた「荒業」であった。いったいどうやって払うのか「どうしよう……。」ダイニングテーブルに置いた国民年金被保険者資格取得届書を前に、長女由里子(仮名)は途方に暮れてしまった。家計に余裕のないことは、由里子もよくわかっていた。「バイトを増やそうか?」由里子は力なくつぶやいた。実際は部活と授業のスケジュールがいっぱいで、いま以上にバイトに割ける時間はほとんどない。「でも、15,590円も稼ごうと思ったら、だいぶ働かないとだめなんじゃないの?」母も、由里子のスケジュールが過密であることはわかっていた。「時給900円だとして、約17時間働かないといけないわよ。」母が電卓で計算した数字を示しながら言う。「17時間か~、それは厳しいかも……。」由里子はため息をついた。「バイトのために勉強がおろそかになったりしたら、何のために大学に行ったのかわからなくなるぞ。」ここまで沈黙を守っていた父が突如として正論を吐いた。「学生納付猶予制度」とは「そんな本末転倒なことになっているはずがない。何か猶予制度のようなものがあるはずだ。どこかに書いていないか?」由里子は父のほうを見、日本年金機構からの書類を改めて見直した。確かに「学生納付猶予制度」という記述がある。「でもこれ、私も対象なの?」由里子は半信半疑な面持ちで書類を見直した。「よく読んでみなさい。大事なことなんだから。」父も横から書類をのぞきこんでいる。「<学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される『学生納付特例制度』が設けられています。 本人の所得が一定以下の学生が対象となります。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。>って書いてあるわ!もしかして、私も対象かも!」由里子ががぜん元気を取り戻し、はずんだ声で言う。「本当なの?」と母が心配そうに書類を手元にひっぱりよせながらつぶやく。「うまい話には必ず落とし穴があるものよ。よく読まないといけないわ。ここに書いてある、<老齢基礎年金を受け取るためには、原則として保険料の納付済期間等が25年以上必要ですが、学生納付特例制度の承認を受けた期間は、この25年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれることとなります。ただし、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。>このあたりがちょっと気になるわね。」由里子も母の手元から書類をひっぱり寄せながら、「どれどれ、そういえば……<将来、満額の老齢基礎年金を受け取るために、10年間のうちに保険料を納付(追納)することができる仕組みとなっています。>ここのところも気になるわ。大学を卒業した後、10年以内に大学時代に猶予された保険料を納めないといけないということ?」「それは違うと思う。『追納することができる』ということだから、義務ではないはずだよ。」父が由里子の手元の書類を見ながら言った。「じゃあ、この、『老齢基礎年金の受給資格期間に含まれるけど、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれない』というところは?」「老齢年金をもらうには、25年以上保険料を納めた実績が必要だけど、学生納付特例制度を使って保険料を納めなかった期間も、その実績に含めてくれる、でも、保険料を納めたことにはならないよ、という意味だろう。」「そういう意味か!お父さんすごい!」由里子が父を見て言った。「でもそれは、将来受け取る年金が少なくなるということでしょ?やっぱり無理をしても納めておかないと老後になって困るんじゃないの?」母はまだ浮かない顔をしたままだ。「保険料を後から追納できる制度だって、<保険料の後払い(追納)は、保険料が高くなることはあっても、安くなることはありません。>って書いてあるし、やっぱり由里子の将来のために何とかして納めておいたほうが安心なんじゃないかしら。」「……。」3人とも黙ってしまった。母が意を決したように、ややこわばった表情で話しだした。「今、本当に困ったときのための貯蓄が50万円あるの。そこから毎月半額の7,800円ほどを出して、それに、由里子が少しバイトを増やして、あとの半額を出して納める、というのは無理かしら?だって、老後は年金が頼りという人がとても多いらしいわよ。」「由里子が大学を卒業するまでの2年分は何とか賄えたとして、真由子(仮名・次女)の分はどうするんだ?」父が難しい顔をして言った。「そもそも由里子の大学入学のために、真由子の学資保険を使い込んでいる状態だろ?」借金してでも払うべき?「『教育ローン』は?!」由里子が突然思いついたように言った。「国の教育ローンを借りて、まとめて払ってしまうの。友達から、国の教育ローンの利率はかなり低いって聞いたことがあるわ。この書類に、国民年金は2年分前納すればおトクって書いてあるし、それに、後払いの場合保険料が高くなるんでしょ?教育ローンの利率によっては、借りてでも払った方が有利になるってこともあるんじゃない?」「確かに国の教育ローンは年2.15%の固定金利(※1) だから、利率はかなり低い。」父がいつの間にかノートパソコンを持ってきて、画面を見ながら言った。「仮に今、平成17年度の分を追納しようとすれば、保険料は約9.6%増し(下表参照)になるから、理屈の上では教育ローンを借りて、保険料を納めておいた方が有利だったかもしれない。平成17年の教育ローンの利率がわからないのではっきりしたことはいえないが。しかし、2年以内に追納すれば、追納による加算はないようだし、第一、お金を借りて保険料を払う、ということにお父さんは抵抗を感じるぞ。」母と由里子は顔を見合わせた。父が話を続ける。「もし、学生納付特例制度がないのだったら、お父さんも無理をしてでも払うことに賛成だ。しかし、せっかく特例制度があるのだから、ここは無理せず、この制度を利用したらどうだ?」父はさらに続ける。「この制度は、保険料を納めていない学生の間も保険料を払っていた期間と見なしてくれ、後から保険料の追納もでき、猶予期間中に万一重い障害を負った場合には、それまで保険料を納めたことがなくても障害年金が支給される、なかなかいい制度のようだぞ。それに、“保険料の追納は、保険料が高くなることはあっても、安くなることはない”、とはいっても、2年以内に追納した場合は、元の保険料のままで、高くなることはない。お母さんの言う50万円は、想定外のことが起こったときのために、手をつけるべきではないと思う。まだ真由子の進路も決まっていないこともあるし。お母さん、どう思う?」母も父の提案に納得した面持ちで、しみじみと言った。「真由子が進学するときは、もう少しゆとりのある資金計画にしたいわね。」父がため息をついて言った。「そうだな、やっぱり教育資金はぎりぎりではまずかったな。お父さんが大学生の頃は、学生は国民年金に入らなくてもよかったので、てっきり今もそうだと思い込んでいた。この国民年金の支払いがもし義務だったら、破綻していたかもしれない。本当に思いがけないところに死角があったな。」由里子が両親を励ますように、明るく言った。「真由子は優秀だから、きっと奨学金がもらえるよ!」父がたしなめるように言う。「由里子、奨学金だって借金なんだぞ!」「返済不要の給付型だってあるんだよーっ!」言い返す由里子。それを聞いた母が、「人のことを言っていないで、あなたももらえるように勉強しなさい!(※2)」「うわ、やぶへび、やぶへび!」由里子は部屋から逃げ出した。子どもの国民年金保険料を視野に入れた資金計画をこうして、F家の平穏を破る1通の手紙「国民年金被保険者資格取得届書」がもたらした波紋は収束した。猶予制度があるとはいえ、納付を希望する学生にとって国民年金の保険料は決して軽い負担ではない。親が代わって支払うとしても、1歳違いの兄弟が大学に進学した場合は、1年以上(※3)2人分の保険料を納付することになる。平成27年度なら月に31,180円となり、家計から捻出することが困難な家庭も少なくないのではないか。教育資金を準備するにあたっては、20歳からは学生であっても国民年金を納付する義務が生じることも視野に入れた計画になるよう、注意する必要がある。※1 2015年7月10日現在。※2 返済不要の給付型の奨学金は成績優秀者を対象にしていることが多い。※3 子どもの誕生月によって異なる。2人とも4月生まれなら2年間。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年08月24日出産を間近に控えた美和子さんは、高校時代の同級生で、先輩ママでもある優子さんをランチに誘い、出産を控えて心配なことを相談してみることにしました。現在妊娠中の美和子さん:ねえ、優子、優子は確か学資保険に入ってたよね?育児休業中の優子さん:うん、入っているよ。美和子さん:いつ頃入ったの?優子さん:出産後まもなくかな。美和子さん:出産後まもなくか。学資保険っていつ入るのがいいのかな?優子さん:そりゃ、“今でしょ!!”美和子さん:ふざけないで!まだ妊娠中よ!優子さん:ごめん!でも美和子はもう学資保険に入れるから、“今”って言ったんだよ。美和子さん:え!まだ赤ちゃんが生まれていないのに?優子さん:そう。出産予定日の140日前ぐらいから入れる学資保険が結構多いよ。※1美和子さん:そうなんだ。でも、わたしはやっぱり出産が無事済んでからにしたいな。優子さん:うん、やっぱりそうだよね。0歳のときに加入する人が一番多いみたいだよ。美和子さん:0歳で加入か~。出費がかさみそう。学資保険の魅力とは優子さん:確かにね。でも、子どもへの初めてのプレゼントになるよ。美和子さん:初めてのプレゼントか。優子さん:そうそう、わたしは“誕生の記念に”とか思って入ったよ。早く入る方が保険料も安いし。美和子さん:保険料は年をとるほど上がるよね。でも、ほら、うちは夫が若いから、優子の旦那さまと比べると給料も少ないし、もう少し先でもいいような気がするんだよね。優子さん:美和子は姉さん女房だからね。余裕ですか~?!美和子さん:そういうわけじゃないけど、あと5年ぐらい先でもまだ30歳だし。優子さん:でも5年先とかだと、学資保険の魅力が生かせないよ!美和子さん:そうなの?優子さん:そうだよ!学資保険の場合は契約者(親)の年齢が25歳と30歳なら、保険料は50円ぐらいしか変わらないことが多いから、親の年齢はあんまり気にしなくていいけど、子どもが5歳になると、保険料は3割から5割ぐらい高くなるよ。※2美和子さん:え~、そんなに?!優子さん:それだけじゃないよ。返戻率も下がってしまうよ。美和子さん:“へんれいりつ”って何それ?優子さん:払い込んだ保険料総額に対して、受け取れる満期金(+祝い金)の割合のことだよ。この返戻率が高いほど、払い込んだ保険料より受け取れる満期金(+祝い金)が多くなることになるの。ちなみに100%を割ると元本割れしているということだよ。美和子さん:え~、学資保険って元本割れするの?!優子さん:子どもの医療保障が手厚かったりする商品には、元本割れするものもあるよ。美和子さん:ちょっと聞くけど、優子はなんでそんなによく知っているの?優子さん:自分が加入する時に、複数の保険を比較できる保険ショップで教えてもらったんだ。美和子さん:へえ~、ちゃんと調べてたんだ!えらいなー。優子さん:それほどでも!実はわたしも美和子と同じことを考えて、お店の人にシミュレーションしてもらって、早く入る方がいいことがわかったの。美和子さん:早く入る方がいいってことがわかる、具体的な金額とか覚えてる?優子さん:正確には覚えていないけど、わたしがシミュレーションしてもらったときは、0歳のとき加入すれば、保険料を273万円から285万円ぐらい払い込んで、受取総額が300万円ぐらい、5歳で加入すれば293万円から296万円ぐらい払い込んで300万円ぐらい受け取れるようなイメージだったよ。美和子さん:同じ300万円を受け取るのに、必要な保険料が変わるということ?優子さん:その通り!だからやっぱり早めに入る方がいいと思ったんだ。美和子さん:なるほどね。優子さん:やっぱり“今でしょ”でしょ!美和子さん:はいはい!※1、2 商品によって違いがあります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年07月24日学資保険の魅力とリスク学資保険は貯蓄性の高い保険ですが、貯蓄とは違います。どういうことかといいますと、預金や貯金の場合、元本割れすることはありませんが、学資保険では中途解約するとほぼ元本割れするということです。「貯蓄性」という言葉の持つイメージから、学資保険は中途解約しても元本は保証されると誤解される方がたまにおられますが、それは間違いです。せっかく子どもの教育費を、少しでも安全に増やしたいと考えて学資保険に加入したのに、元本より少なくなってしまっては、泣くに泣けません。「学資保険の中途解約はNG」と肝に銘じておきましょう。このように述べると、「そんなリスクがあるなら、学資保険より定期預金などの方がいいのでは」と、お考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それもある意味で誤解です。学資保険は「保険」なのです。つまり、契約者(親)に万一のことがあった場合、以後の保険料の支払いは免除され、契約時に約束された満期金は全額支払われます※1。定期預金にはそんな機能はありません。親に万一のことがあった場合の保障もあり、しかも定期預金よりも有利な利回り※2で資金が増えていく、それが学資保険の魅力なのです。解約を避けるにはそれでは、絶対NGである解約を避けるためには、どのようなことに注意して学資保険に加入すればよいのでしょうか。まずは、無理のない金額ではじめることが第一です。具体的には、将来住宅を購入することになったり、次の子どもが誕生したりした場合でも、保険料の払い込みが続けられるような金額設定を考えましょう。また、学資保険は子どもの年齢が上がると保険料がかなり上がります。保険会社や商品によって異なりますので一概にはいえないのですが、満期金がおよそ300万円の学資保険に、30歳の父親を契約者にして加入すると仮定した場合、子どもが0歳のときに加入するのと5歳のときに加入するのとでは、5歳に加入したときの方が1カ月の保険料が5,000円以上高くなる場合が多いのです。月に5,000円以上ということは、年額にすると60,000円以上の差ですので、家計に与える影響は大きいでしょう。そのため、できるだけ子どもが小さいうちに加入して保険料を抑えることが、結果的に解約防止に効果があるといえるでしょう。具体的な資金計画さて、文部科学省の調査によると、国立大学の学費(入学金・授業料等含む)は4年間で約243万円、私立大学では文系学部で約386万円、理系学部(医歯系除く)で約519万円※3となっています。この金額を踏まえた上での、無理のない資金計画とはどのようなものが考えられるでしょうか。一例として、次のような計画はいかがでしょうか。子どもが誕生してから18歳の誕生日を迎えるまでは216カ月あります。この間、毎月1万円を積み立てしていけば216万円です。これに児童手当の1万円※4をプラスした2万円を、1カ月に貯める教育資金の目安とするのです。このうち、学資保険には、児童手当として支給される1万円から1万5千円を充てる形で加入すれば、解約のリスクはかなり抑えられるのではないでしょうか。そして、残りの5千円から1万円は、定期預金などで積み立てます。これは、定期預金は万一解約しなければならなくなったときに、目減りすることがないためです。教育資金を増やすということだけを考えますと、全額を学資保険で備える方が利回りは期待できるのですが、万一の解約リスクを考えるとすれば、このような定期預金と2本立てでの資金計画も、一考の余地があるのではないでしょうか。※1 商品によっては支払い免除が特則になっている学資保険もあります。※2 2015年6月15日現在。※3 文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」および「平成25年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より。※4 児童手当の支給は中学3年までですが、3歳までは1万5千円支給されるので、総支給金額は約200万円になります。なお、所得制限限度額があるので注意しましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年07月24日出産を間近に控えた美和子さんは、高校時代の同級生で、先輩ママでもある優子さんを再びランチに誘い、学資保険についてもう少し詳しく相談してみることにしました。現在妊娠中の美和子さん:実はね、優子。このあいだ教えてもらった学資保険のことなんだけど……。育児休業中の優子さん:どうしたの?何だか言いにくそうだけど。美和子さん:夫の両親から、保険料を肩代わりするから、ぜひ学資保険に入りなさいと言われたの。優子さん:え~!よかったじゃない!美和子さん:それはありがたいことなんだけど、多額の教育費を援助してもらうのってやっぱり気が引けてしまうじゃない?それに、手続きのこととか、税金のこととかがよくわからないし……。優子さん:手続きや税金のことなんかは、保険会社が教えてくれるよ。そこは心配しなくて大丈夫なんじゃない?美和子さん:そうかな~、ちょっと調べてみたんだけど、家族のあいだでも贈与税がかかることがあるらしいのよ優子さん:あ~、確かに。1年間に110万円以上の金額だと贈与税がかかるとか、聞いたことがあるわ。美和子さん:でしょう?それは夫が負担しないといけないお金だよね?優子さん:いやいや、それは飛躍しすぎでしょ。美和子はいったい誰を契約者にして学資保険に入ろうと思ってるの?美和子さん:契約者って?優子さん:保険会社と契約を結ぶ人、具体的には保険料を支払う人のことよ。美和子さん:なんでもよく知ってるわね!保険料を払ってくれるのは夫の両親なので、義父か義母になるんじゃないかな。優子さん:ご主人のご両親は50歳以下?美和子さん:夫は両親の若いときの子どもだけど、さすがに50歳は超えているはずよ。優子さん:それだと、学資保険の契約者になれない可能性があるよ!美和子さん:え~、何それ!本当~?優子さん:本当よ!保険会社によって違うけど、学資保険の場合、契約者の年齢の上限はだいたい50歳ぐらい※1だったと思う。それに、健康状態によっては加入できないこともあるし。美和子さん:え~~、義父は確か高血圧で通院してるはず。やっぱりこの話は無理なんだ~!優子さん:まあ、落ち着いて!契約者を美和子のご主人にすれば大丈夫、契約できるはずだよ。美和子さん:ええっ!そんなことができるの?優子さん:できるよ!さっき言った、1年間に110万円までなら贈与税がかからないことを利用して、保険料をご両親からご主人に贈与してもらえばいいだけだよ。美和子さん:保険料を贈与?祖父母からの援助で学資保険に加入するには優子さん:そう、ご主人のご両親がまだお若いらしいから、似つかわしくない言葉かもしれないけど、こういうやり方のことを『生前贈与』と呼ぶらしいよ。美和子さん:生前贈与?優子さん:わたしもむずかしいことはわからないけど、財産がたくさんある人が、少しでも相続財産を減らして、子どもたちへの相続税の負担を軽くするためなんかに利用しているみたいだよ。美和子さん:せっかく財産がたくさんあるのに相続財産を減らすとか、かけ離れた世界のことで、よくわからないわ……。優子さん:まあ、とにかく、ご主人のご両親から学資保険の保険料を息子であるご主人に、毎月か、毎年贈与してもらって、その保険料をご主人が保険会社に納めればいいというだけのことだよ。美和子さん:ちょっと録音させていただいていいですかー?!1回聞いただけではわかりません!優子さん:専門家に相談すれば、もっときちんと教えてくれるから大丈夫だよ!美和子さん:わかった!明日にでも相談に行ってくる。優子さん:美和子の、ご主人のご両親に教育費を援助してもらって気が引けると感じているところは、とってもえらいと思うけど、ひょっとすると、ご両親は将来相続税のことで、息子であるご主人や、美和子に負担をかけないようにすることまで考えてくださっているのかもしれないね。だから、お礼の気持ちを忘れずに、ご好意はありがたく受け取っておくのがいいんじゃないかなと、わたしは思うよ。美和子さん:ありがとう、優子。感謝の気持ちを忘れずに、ご好意を受けようと思うわ。数日後、複数の保険を比較できる保険ショップに相談に行った美和子さんは、結果報告も兼ねたお礼のメールを優子さんに送りました。優子へ先日はありがとう。保険ショップへ相談に行ってよかったです。夫の両親から毎年保険料を贈与してもらうと、場合によっては「定期贈与(連年贈与)」とみなされて贈与税がかかることがあることや、そうならないために、「贈与契約書」を作っておくこと贈与の証拠が残るように、夫の両親の預金口座から夫の預金口座に送金した上で、夫の口座から保険料を支払うこと※2などを教えてもらいました。※3夫の両親からは、年払いで保険料を贈っていただくことになりました。感謝の気持ちを忘れずに、今は落ち着いて赤ちゃんの誕生を待とうと思います。美和子※1 保険会社によって違いがあります。また、一時払いの場合や、契約者死亡の場合の「保険料払込免除特則」がついていない場合などは、年齢制限がない商品もあります。※2 他にも諸条件がありますので、実際に行う場合は、保険会社やファイナンシャルプランナー、または「保険市場」などにご相談ください。※3 今後の税制改正によっては、大きく変更になることも予想されますのでご注意ください。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年07月24日