更新日:2020/12/21
親の生命保険を子供が払う・子供が死亡保険を親にかけると相続税対策になる!?
内容をまとめると
- 契約者と被保険者を親とし、保険金受取人を子供にすると課税の負担が少なくなるため、相続税対策となる
- 親の生命保険の保険料を子供が支払うことで、生前贈与として税金を減らせる。
- 遺産相続トラブルを避けられるメリットがあるが、不測の事態で贈与を打ち切るリスクや元本割れを考慮
- 親が高齢でも、介護死亡保険や引受基準緩和保険は簡単な告知で加入できる
- 保険と税金のことで悩むことがあれば、無料保険相談で保険のプロに相談するのがおすすめ
- 今ならスマホ1台で無料オンライン相談できるので、保険とお金の悩みはすぐに解消
目次を使って気になるところから読みましょう!
親の生命保険を子供が払うと相続税対策になるって本当?
「相続は富裕層に関係するものだから我が家には関係ないだろう」と思って、相続税に対する知識をつけてこなかった方が多いと思います。
しかし、今や誰しも関わる可能性がある話題なので、これからはより注目しておく必要があるでしょう。
2015年に税制改正がされたことにより、課税される相続人の数が増えることになりました。
相続税を考える上で大切になるのは、基礎控除額です。
この基礎控除額が相続財産の課税価格を超えると課税の対象とされ、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)に当てはめて算出していくこととなります。
なお、基礎控除額と生命保険の控除額は言葉は似ているものの、別の意味を持つため混在しないようにしましょう。
※生命保険料控除は、本来収める税金から保険料分控除(差し引く)できる制度のことです。
子供が親に生命保険(死亡保険)をかけると相続税対策になるの?
生命保険は、法定相続人の人数×500万円までが非課税になります。
たとえば、父・母・子ども2人の4人家族の父が亡くなった場合、法定相続人の3人×500万円=1,500万円までが非課税となり、税金がかかりません。
これを考えると整っている仕組みだと思われるものの、さらに踏み込んで考えると、生命保険の受取人を誰にするかでよりお得になる方法があるのです。
下記では、
- 保険料を支払う人によって課税される税金が違う
- 親が契約者で子供が受取人の場合は、相続税対策になる
生命保険は保険料を誰が支払うかで、課税される税金が違う
生命保険は、被保険者の保険料を誰が負担するかによって課税される税金が異なります。
具体的には
- 相続税
- 所得税
- 贈与税
まず、契約者が保険料を負担して、契約者本人が被保険者となる場合は相続税が課税されます。
法定相続人の人数×500万円までは非課税になるいたってシンプルなタイプです。
次に、契約者が保険料を負担して、契約者本人が受取人となる場合は所得税となります。
この場合の税金の計算の仕方は、支払った保険料を差し引く形です。
最後に、契約者が保険料を負担するものの、被保険者と受取人は家族の場合、贈与税の対象です。
たとえば、
- 契約者を父
- 被保険者を母
- 保険金受取人を子供
にする場合はこのパターンに当てはまります。
この場合、第三者にお金を贈与した形になるため、贈与税として課税の対象となるのです。
自分の保険料を自分で負担する場合は相続税か所得税、第三者が負担する場合は贈与税に当てはまることを覚えておきましょう。
親が契約者で子供が受取人の場合は、相続税対策になる
親が契約している生命保険は、子供を受取人にしておくと相続税対策になることをご存じですか。
法定相続人が複数いる場合は、非課税枠は受け取る保険金の割合に対して決まります。
そのため、非課税枠を自由に決められるわけではありません。
なお、夫婦間の相続には別の優遇制度があります。
それは、1億6,000万円までは相続税が非課税となる内容です。
生命保険の非課税枠を配偶者に使ってしまうと、かえって損をしてしまうことになります。
夫婦間で築き上げた財産については、双方で大事に貯めてきたお金ですよね。
そのため、残された方の負担が大きくならないように課税をしないことが定められています。
これにより、配偶者には税金が課税されないことがほとんどなので、生命保険の受取人を子供にして非課税枠を有効に使った方がお得なのです。
生命保険の受取人は誰にしたら税金が一番かからないのか
親の生命保険を受け取る際にかかる税金は、少しでも軽減させておきたいですよね。
しかし、どのように設定すると税金がかからないのかなど、わからない部分が多いと思います。
今回関わってくる税金には、
- 相続税
- 所得税
- 贈与税
の3種類があり、上記でもそれぞれ説明させていただきました。
これらは、受取人によってもかかる税金に差が見られるので、税金対策をするときには注視しておきたい事項です。
下記では、税金がかからないようにする受取人の設定について解説していきます。
相続税(契約者と被保険者が同じ)
契約者と被保険者が同一人物の場合は相続税の課税対象となります。
この場合、保険金受取人を第三者にすることで税金の負担を抑えられるため、相続税対策に効果的です。
たとえば、父・母・子供2人の4人家族の場合、
- 契約者と被保険者を父親
- 保険金受取人を母と2人の子供たち (法定相続人)
とします。
このときは、法定相続人の人数(3人)×500万円までが相続税の非課税となるため、この家族の場合は1,500万円が非課税です。
ここで500万円を、死亡保険金から引くことができます。
死亡保険金が2,500万円の場合、2,500万円ー1,500万円=1,000万円が相続税の課税対象となり、税金の負担を軽減することができました。
所得税(契約者と受取人が同じ)
契約者本人と保険金受取人が同じ場合は、所得税がかかります。
たとえば、
- 契約者と受取人を夫
- 被保険者を妻
とした場合です。
この場合、契約者である夫が保険金を受け取った後に、払込保険料を差し引いた残りの額は一時所得とみなされます。
この一時所得のうち、50万円は特別控除として差し引くことが可能です。
なお、計上の際には所得税の1/2を課税対象としていきます。
死亡保険金が2,500万円で、払込保険料が300万円のケースでは、まず所得税を2,500万円(死亡保険金)ー300万円(払込保険料)ー50万円(特別控除額)=2,150万円と計上します。
続けて、課税の対象は2,150万円(所得税)×1/2=1,075万円です。
保険金の受取人を本人にすると、法定相続人としたときよりも税金が徴収されることをご理解いただけたでしょう。
贈与税(契約者、被保険者、受取人が違う)
契約者、被保険者、受取人がそれぞれ異なるケースのときには、贈与税が課税されます。
たとえば、
- 契約者を父
- 被保険者を母
- 受取人を子供
とするパターンであり、よく見られるケースだと考えます。
贈与税の考え方として、基礎控除額の110万円を死亡保険金から差し引くこととなります。
相続税、所得税に比べるとシンプルな計算方法ですね。
たとえば死亡保険金が2,500万円の場合、基礎控除額110万円を引いた2,390万円が贈与税の課税対象です。
計算方法は単純でありながらも、差し引ける金額が基礎控除額の110万円しかないため、結果的に課税される額が他の2つよりも大きくなってしまいます。
相続の形態としてはよく見られるものですが、負担が大きいため考えなければならない方法かもしれません。
一番税金がかからないのは相続税(契約者・被保険者が夫、受取人が妻と子供)
上記を踏まえて、一番税金がかからない方法は相続税です。
契約者と被保険者を本人、受取人を第三者(配偶者とする場合が多い)とする方法が一番税金を安く抑えることができます。
ただし、相続税とする場合でも、法定相続人が少ない場合は課税対象額が大きくなってしまいます。
しかし、基礎控除額が大きく、妻を受取人に指定した場合は配偶者の軽減措置を利用できるので、一般的には課税額が少なくなります。
このように、受取人に誰を指定するかによって、税金がかかる額が大きく変わってくるので注意が必要です。
今まで相続税を他人事だと考えていた方でも、ここまで読んでいくうちにだんだんと自分にも関わりがあるように思えてきたのではないでしょうか。
保険と税金のことで分からないことがあれば、無料保険相談で保険のプロに相談するのがおすすめです。今ならスマホ1台で無料オンライン相談できるので、保険とお金の悩みはすぐに解消出来ます。
親の保険料を子供が払う?親からの生前贈与として、生命保険を利用する手もある
- 相続税を減らせる
- 相続トラブルの防止
- 被保険者が保険料を負担しない可能性
- 元本割れするリスク
- 生前贈与として生命保険を利用する方法
メリット①相続税を減らすことができる
親の生命保険料を子供が「親の財産で」支払うと、相続税を減らせることができます。
たとえば、親の財産が500万円あったとします。
親が生存している間に、この500万円に手を付けていなければ、亡くなったときには課税対象となります。
そうなると、子供の負担が大きくなってしまいますよね。
しかし、この500万円を生命保険の支払いに充てていき、親が亡くなったときには全額を使い切っていることで課税対象にはなりません。
つまり、お金が手元に残らなければ必然的に税金の対象にもならないのです。
このような方法で、生前贈与として課税されるお金を減らすと、子供の負担を軽減できることがメリットとなります。
親の生命保険料を子供を支払うと、減税に役立ちますね。
メリット②相続トラブルの防止
遺産相続の際に起こりがちなのが、誰にどのぐらい相続をするのかが争点となるトラブルです。
トラブルが起こってしまうと、親族間でも進行が途絶えるなどの大事になってしまうケースも少なくなく、できる限り避けたいと思いますよね。
しかし、生命保険料を子供が支払っておくことでトラブルを防止することが可能です。
なぜなら、お金の所有者が明確とされているので、遺産分割の対象から外れて支払っている子供の財産だとみなされるからです。
あらかじめ生命保険を支払っておくと、死亡保険金受取人を子供に指定できるので、相続の際の財産の行方が明確化します。
これによって、親族間での争いを防止できる効果があることから、ぜひ生命保険を活用していきたいですね。
デメリット①被保険者が保険料を負担しない可能性がある
親の生命保険料を子供が生前贈与として支払う形式は、1~2年の短い間隔ではなく、10年単位で支払っていくこととなります。
長い年月をかけて支払いがされるため、途中でトラブルになってしまうことも少なくありません。
なかには、支払っていく間に親子の仲が悪くなって絶縁状態になってしまい、生前贈与を打ち切ることとなるケースも存在します。
その場合は、契約者が自分で保険料を支払っていくこととなるので、相続税対策は失敗に終わってしまいます。
また、親が認知症になってしまい生前贈与ができなくなってしまうケースも珍しくなく、思うような対策が難しくなる状態も考えられます。
生前贈与は、順調にいけば課税対策となるものの、途中でトラブルに見舞われた場合は途中で終了せざるを得なくなることがデメリットです。
デメリット②解約すると元本割れすることも
親子の仲が悪くなって生前贈与をしてもらえなくなったり、親が認知症になって生前贈与ができなくなった場合、その後の生命保険はどのように取り扱うのが良いのでしょうか。
生前贈与の意味をなさなくなったため、解約を考える方が多いと思います。
このときに注意していきたいことは、元本割れするリスクです。
生命保険は、短い期間で解約してしまうと元本割れする可能性が考えられます。
元本割れとは、当初投資した金額よりも下回ることです。
解約の時期によっては元本割れするリスクが大きく、生命保険に加入していたことで大きく損をしてしまう可能性が高くなるのです。
そのため、加入時には不測の事態のことも考えながら、元本割れしにくそうな商品を選ぶことを考慮しましょう。
親の保険料を子供が払う?親からの生前贈与として生命保険を利用する方法
上記では、親の生命保険料を子供が支払うことで相続税対策となることのメリットとデメリットを解説していきました。
親が資産を抱えている場合、手をつけていなければすべて相続税の対象となってしまいます。
そうなると、子供が負担を被ることとなるので、元気なうちに対策を立てておきたいですよね。
生命保険に加入して保険料を子供が支払うことで課税の対象からは外れ、遺産相続時にも所有権を明確にできるメリットがあります。
残された子供に苦労させないために、死後のお金の管理は生前に行っておきましょう。
ただし、10数年単位で生前贈与が続くため、この時期に親子関係が破綻してしまうとせっかくの相続税対策も失敗に終わるリスクがあります。
親子関係を円滑にしていくことにも、意識していきたいですね。
うまく資産を残していくために税金対策したいのであれば、無料保険相談で保険のプロに相談するのがおすすめです。今ならスマホ1台で無料オンライン相談できるので、保険とお金の悩みはすぐに解消出来ます。
保険に入ってない親におすすめ!高齢でも今から加入できる生命保険
生命保険に加入して生前贈与をしていきたいと思われても、実際どのような保険に入れば良いのかわからない方が多いと思います。
また、親が保険に加入していない場合は「高齢の今から入れる保険はあるのだろうか?」と思っていたりしませんか。
実は、高齢者でも加入できる保険は存在するので、親が保険に加入していなくても安心してください。
下記では、
- プラス少額短期保険『家族のために』
- オリックス生命『定期保険ファイン・サポート・プラス』
プラス少額短期保険『家族のために』
最初にご紹介する保険は、プラス少額短期保険の『家族のために』です。
『家族のために』は、残された家族の負担にならないように生前のうちに葬儀費用を用意することを目的とした介護死亡保険です。
60歳から89歳までが加入の対象で、「現在入院中であるか」など簡単な3つの告知項目に当てはまらなければ保険に加入できます。
高齢で保険に入っていなくても、告知をクリアできれば加入できる点がおすすめポイントです。
保障内容は、保険金額に応じて下記6つのコースから選択していき、コースの分の保険金額が保障されます。
- 50万円コース
- 100万円コース
- 150万円コース
- 200万円コース
- 250万円コース
- 300万円コース
現在は、家族のみで行う葬儀形式に変化しているため、100万円未満の葬儀費用で6割の方が葬儀を開催しています。
『家族のために』であれば、家族のみで葬儀を開くのに十分なお金を用意できますね。
保険料シミュレーション(月額)
100万円コース男性 | 100万円コース女性 | 200万円コース男性 | 200万円コース女性 | |
---|---|---|---|---|
加入年齢60歳 | 2,960円 | 2,160円 | 5,260円 | 4,260円 |
加入年齢70歳 | 3,490円 | 2,850円 | 6,320円 | 5,040円 |
加入年齢80歳 | 5,480円 | 3,850円 | 10,300円 | 7,040円 |
オリックス生命『定期保険ファイン・サポート・プラス』
次にご紹介するのは、オリックス生命の『定期保険ファイン・サポート・プラス』です。
『定期保険ファイン・サポート・プラス』は、20歳から80歳まで加入できるため、高齢で保険に加入していない方でも対象です。
この保険は、告知項目を緩和している引受基準緩和型であるため、持病がある方でも簡単な告知のみで加入できることがおすすめポイントです。
高齢者の場合、過去の持病を気にして保険に加入しにくいと思われている方が多いと思います。
しかし『定期保険ファイン・サポート・プラス』では、「3カ月以内の入院・手術歴」など3つの簡単な条件を満たすだけで申し込める内容です。
保障内容は、病気や怪我、事故などで死亡した際に保険金が下りるものですが、解約返戻金がないため、終身型の引受基準緩和型よりもお得な保険料を実現しています。
保険料シミュレーション(月額/保険金額200万円)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
加入年齢60歳 | 5,846円 | 3,180円 |
加入年齢70歳 | 11,258円 | 5,620円 |
加入年齢80歳 | 28,312円 | 16,256円 |
参考:親が亡くなってしまい、生命保険に加入していたのか分からない場合の確認方法
親が亡くなったときに、生命保険に加入していたのかわからない場合はどのようにすれば良いのでしょうか。
まずは「保険証券」や「生命保険控除証明書」など、保険会社から発行された書類を確認してください。
書類が見つからない場合は、親の預金通帳から保険料が引き落とされているかを確認する方法があります。
保険料を口座から引き落としている場合は、預金通帳を調べると手掛かりが見つかります。
なお、親が会社員の場合は、企業の保険事務担当者に問い合わせる方法もあります。
事情を話し、保険料控除申告書の確認や、保険料が給与から天引きされていないかなどを確かめられる可能性があります。
しかし、なかにはさまざまな方法を試みても、生命保険に加入していた形跡を見つけられないこともあるかもしれません。
そのようなときには、家に生命保険会社のグッズがあるかもしれないので、文房具やタオルなどを探してみることをおすすめします。
手掛かりが見つかれば、親の「死亡診断書」等を生命保険会社に持参して、契約の有無を確認できます。
親の生命保険は受け取り次第で相続税対策のなるのかまとめ
この記事では「親の生命保険をどのように受け取ると相続税対策になるのか」について解説していきましたが、いかがでしたか。
記事の要点は、
- 契約者と被保険者を親とし、保険金受取人を子供にすると課税の負担が少なくなるため、相続税対策となる
- 親の生命保険の保険料を子供が支払うことで、生前贈与として税金を減らせる。遺産相続トラブルを避けられるメリットがあるが、不測の事態で贈与を打ち切るリスクや元本割れを考慮しなければならない
- 親が高齢でも、介護死亡保険や引受基準緩和保険は簡単な告知をクリアするだけで加入できる
親が亡くなった際に、親の生命保険はどのように行き渡るのか気になると思います。
葬儀の後は、生命保険のことまで考えていられないと思うものの、お金に関わる手続きは手間がかかるのであらかじめ方法を知っておきたいですよね。
親の生命保険は、受け取り方を適切にすると相続税対策になります。
しかし、相続は富裕層が考えるものである意識が強く、一般の方には自分のことだとなかなか結びつかないかもしれません。
実際には、相続税対策に関わることとなる方は多いので、親の遺した生命保険をどのように相続していくかを知っておく必要があります。
下記では「親の生命保険をどのように受け取ると相続税対策になるのか」について、
の5点を解説していきます。
記事を読んでいただくと、お金がかからない方法で相続税対策ができると思うので、少しでもお金を遺すコツがわかるようになるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。