2019年5月18日/19日に東京ビッグサイトで開催されたデザインフェスタvol.49。プロ・アマチュアを問わず、オリジナル作品であれば無審査で参加ができるため、毎開催ごとに年齢・国籍・ジャンル・スタイルなど形式・様式の異なる国内外の様々なアーティストが集まる人気イベントです。デザインフェスタvol.49、開催!デザインフェスタは表現する全ての人にエールを送る、まさに”アーティストの祭典”。ものづくりを愛する人はもちろん、アートが好きな人、お祭りの雰囲気が好きな人と、来場者も出店アーティストから刺激を受けにやってくる人が多く、人と人とがリアルにつながる場所にもなっています。多くの来場者で賑わう会場第49回目となる今開催は、東京ビッグサイトの西ホール全館で行われました。イラスト、ファッション、工芸など幅広いジャンルの出店ブースに加え、巨大壁面のライブペイント、パフォーマンスステージ、フードエリアと、会場には所狭しと様々なブースが並んでいます。また、今回は会場に「暗いエリア」が登場。暗さを活かしたアイディアブースで、独特の雰囲気が出ているよう。ここだけの 一点モノ!心惹かれるアイテムたちマルチブースエリアで出店していた陶芸家・のぐちみかさん。淡い色使いと繊細なデザインに惹かれて、思わずのぐちさんのブースに引き寄せられたお客さんで賑わっていました。空を漂うかのような、もしくは海の中にいるような、そんな不思議なグラデーションのティーカップや小皿が飾られています。見ているだけでも楽しくてワクワク目を引くライトも陶芸作品。物語の中に出てきそうなデザイン。陶芸工房みかガマ作家:のぐちみか さんウィルキンソンの瓶をおしゃれリメイクバーやイベント会場でお馴染みの、ウィルキンソン・ジンジャーエールの空き瓶をリメイクした一輪挿し。瓶の飲み口をそのままデザインに活かした箸置きは、植物を飾ってインテリアにも。使い方は「あなた次第!」なアイディア作品です。お部屋に一つあるだけで、おしゃれ度がUPしそう!友達に、ちょっと変わったプレゼントを。味のある空き瓶リメイク・ペンライトパイレックスガラスアクセサリー・ボトルアート・ビーズパーツ制作販売Re-glass(リグラス)おにぎり、桜餅、たい焼きも!モチーフアイテム筆者も大好きな食べ物モチーフのアイテム。なかでも、桜餅をモチーフにしたアイテムはレア度高め!おにぎりにドイツパンと、ご飯派もパン派も納得の品揃え。こうした通常のショップでは滅多に出会えない、変わったアイテムに出会えるのもデザインフェスタの醍醐味!聞くと、福祉施設内の工房で、お米や小麦の袋をリメイクして作った作品なのだとか。デザインがどれも可愛くて和みます。たい焼きも捨てがたい…。絶対に誰ともかぶらない、人と差がつくペンキバックカバンの中にあると、ちょっとうれしいアイテムたちWASTE+DESIGN=UP CYCLE!STUDIOPEPE自分で好きなお弁当柄をつくれる!同じ食べ物モチーフですが、こちらは自分でTシャツとトートバッグのデザインができるブース。好きなおかずを選んで組み合わせると、オリジナルのお弁当がプリントされたアイテムが出来上がり。お弁当箱の中に何を詰めるのかは自由!バランス重視のお弁当も、一度は食べてみたい高カロリーお弁当も、好きな子に作ってほしい理想のお弁当も、何でもOK!卵焼きは外せない!オムライスも海老フライも、欲張って入れちゃう。今日のおかずは何にしよう・・・鮭弁当も捨てがたいMakers’ Base好きこそ物の上手なれ!愛が溢れて止まらないふわふわで可愛い、フェルトで出来たオカメインコ。リアルで思わずじっと見てしまいました。ところでこのインコ、実は頭の上に巣を作っている帽子型。あまりに好きで作っちゃったそうです。カラフルなボタンでコーディネートのアクセント!こちらも同じくフェルト作品。ボタンが好きすぎて作っちゃったんだそう。限られたブースの中にはボタン、ボタン、ボタン・・・ボタンだらけ!ブースに来たお客さんにボタンのシールを貼ってもらって、開催期間中にボタンの木を育てているとっても可愛い作家さんでした。ちなみに、実のお母様も人形作家で、この日はお母様が作った人形に、ボタンのアクセサリーをつけてコラボレーション。オカメインコの作家さんとは「フェルト作品繋がり」ということでお友達になっていました。作家同士も友達の輪を広げたり、他のブースを見に行ったり、思い思いに楽しむスタイル。羊毛ボタン作家・momoko-moco F-205人形作家・百古堂MOMOKODOUこんな帽子屋さんがあったらいいのに!?通りかかったら、絶対に見入ってしまうハットが所狭しと並んだ帽子作家さんのブース。とにくかくおしゃれ!まるで物語の主人公になったかのようなデザインばかりに、ときめいてしまうでしょう。かぶってみたいけど、ちょっと勇気がいるような・・・そんな方は、お部屋のインテリアにはいかが?(作家さんとしてはきっとかぶってほしいと思いますが)一つひとつ、細かいところまでこだわっているのが伝わってきて、ずっと見ていられます。ミュージカルの登場人物がかぶっていそう!こだわりのデザインを、見落とさないように注意してロマンチックな宇宙モチーフ。星空に願いを込めて夕暮れの時間が過ぎて、まだ夜の早い時間。ゆっくり月が見えだした宵の空。なんだかプラネタリウムの星空を彷彿とさせるような、やわらかでドキドキするグラデーション・プリント。白いシャツにも黒いバッグにも、シンプルなアイテムに映えるデザインです。ロマンチックさと大人っぽさがあいまって、ちょっとリッチな印象も受けます。作家のマツウラさんもちょっぴりミステリアスな雰囲気で、魅かれる要素がたくさんありました。洗いざらしのシャツにも、シンプルなドレスにも小さな宇宙はリングになってfullmoon#宙をつれてお散歩作家:マツウラ アユミ さん大人可愛いオリジナルの作品が並びますパレットみたいなコーヒーカップ。二つと同じ柄はできない一点モノです。絵具の散り方によって表情が変わるから、お気に入りの柄は早めにゲットしておきましょう。次回、こちらの作家さんは八ヶ岳のマーケットにも出店予定だそう。自然の豊かなクラフトマーケットの雰囲気にも合いそうですね。作風いろいろ。動物モチーフのカップもドレッシーもカジュアルも演出してくれるフラワーモチーフかしこまった場所にも、カジュアルな集まりにも、身につけるスタイルを選ばない万能さがあるフラワーモチーフ。今回のデザインフェスタでも人気のあるモチーフだったように感じました。注目したのはドレッシーな風合いのアクセサリー。ブローチやピアスなど、さりげないおしゃれが楽しめそうな雰囲気です。白いバラと赤いバラは作家・「花の郵便局」の作品。コーティングの艶感が昔懐かしくもアンティークな印象。恒例、ライブペインティング!今回も熱のあるパフォーマンスデザインフェスタ名物・ライブペインティング!油絵や墨など思い思いの画材を使った迫力あるドローイングを会場のあちらこちらで見ることができます。カンバスの大きさは異なりますが、壁一面がカンバスの出展者さんは、大型脚立に乗って描いていきます。2日間の会期中に描きあげるので、その集中力は見事なもの。描かれる絵の中の世界観も然ることながら、描いている作家さんの佇まいや姿がとても印象的。描き始めは何が出来上がるのかわからないまま、会期が進むにつれて明らかになる全体像。会期中、1日だけでも十分楽しめますが、2日間通して来場すると、作品が出来上がっていく過程が見られるという面白さも。描いた絵の前でパフォーマンスも。つくる、描く、奏でる・・・表現の方法が一つではないことを改めて思い出させてくれます。楽しそうで、だけど一生懸命な姿に胸が熱くなることも。ステージでは様々なパフォーマンスが披露されます。分かりやすいものから前衛的なものまで、ジャンルはバラバラ。どの時間のどのステージを観ても違う面白さで楽しめます。自分の中にはない発想の表現が次々と現れるので、これまでになかった新しい価値観に、このステージを観て気付いたり。出店ブースにはマイムも登場誰もが知っている有名アニメや映画の名場面を、3分~5分ほどの短いマイムで演じる「テンナイン」のシネマイム。身体一つで表現する面白さに釘付けになります。映画を知っているほど面白いですよ。おみくじは今回もありました昨年の取材でも出会った、オリジナルみくじ。今回は白鬼神社のニャーみくじに遭遇。鬼が出てくるのかと思いきや、中身は「ニャー」で癒されました。恋愛は「たくさん甘えて吉」。甘える相手がほしい今日この頃。イラストレーターながせ たいり さん/まつした みさと さん暗いエリアにも潜入!暗いエリアにも足を踏み入れてみました。やはり、暗さを活かした作品が並んでいます。ハーバリウムにライトをあてると、幻想的に見るのですね。水族館の中のような気もしますし、水中花を見てるような気分にもなります。ほの暗い中で見る紙芝居のパフォーマンス薄暗い会場エリアの中で、各ブースの作品が灯りを燈している光景は、まるで縁日のような空気感。この場所に行く前は、ちょっとおどろおどろしいエリアなのかと思っていたのですが、不思議な雰囲気が伴って、知らない街に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。紙でつくる灯りはオレンジ色のあたたかみがじんわりと体に伝わるようで、とてもまろやかな空間になります。間接照明にぴったりの、ほど良い温度感のあるライトです。おうちの形の小さなライト。並べて点けたいインテリアに。フードエリアは開放感のある屋外フードエリアは一部会場内にもありますが、屋外がメインでした。この日は晴れて風が心地良く、夕暮れ時の落ち着いた雰囲気でいい感じに。空の下で食べる食事は最高です。厳選されたキッチンカーが並んでどれもおいしそうですが、やっぱりカレーに目が止まりました。レトルトから出発した「アルゴンカレー」「アルゴンカレー」は、基本的にレトルト商品のみで販売しているカレー屋さんとのこと。キッチンカーでイベントの時などに出店はしているそうですが、店舗はないため、こうしてイベントで食べられるのは珍しい機会!ココナッツベースのまろやかでコクのあるカレーは、サラっとしていますがチキンの旨みがたっぷり。何よりも秀逸なのが、辛さ。ちゃんと辛いのにしっかり甘みもあって、辛みと甘さのバランスが抜群に良いカレー!辛さと言っても、水が欲しくなるような痺れる辛さはないので、辛いのが苦手な人もおいしく食べられます。アウトドアに最高なアルゴンカレー!ホテルの味がデザインフェスタで!フェス飯のキッチンカーが軒を連ねる中、ホテルコンチネンタル府中のシェフが作る本格的な軽食も。のり巻きドック、味噌ガスパチョなど、一味違うB級メニューが楽しめました。「シェフが朝から頑張って作りました!」とお話いただいたホテルの皆さんは、フェス終了時間の間際まで売り切りを目指して声を出していました。長丁場のイベントでも、笑顔が絶えないのはさすが!卵で包んだオムライスベース、ピリ辛の韓国風、どちらも一本で大満足の食べ応え!味噌ガスパチョも、トマトと味噌が想像以上に相性良く、マイルドな口当たり。次回、デザインフェスタは真夏の開催!クリエイティブの熱気溢れるデザインフェスタは、次回8月の開催が決定しています。東京ビックサイト青海展示棟に会場を移した、刺激に満ちた2日間。ぜひ遊びにでかけてみてください!真夏のデザインフェスタ2019開催情報開催日:2019年8月3日(土)・4日(日)開催時間:11:00~19:00 (両日ともに)会場:東京ビックサイト青海展示棟(東京都江東区青海1丁目2-33)最寄駅:りんかい線「東京テレポート駅」徒歩2分出展ブース数:約2,000ブース《チケット情報》一日券:前売り¥800 / 当日¥1,000両日券:前売り¥1,500 / 当日¥1,800※小学生以下無料
2019年06月13日運河沿いの物件を求めて東京の下町、門前仲町の運河沿いにひっそりと建つ5階建ての小さなビル。このビルを自宅兼事務所として住んでいるのが、アトリエハコ建築設計事務所を営む七島幸之さんと佐野友美さんご夫婦。二人で事務所を構えておよそ15年目。世田谷から門前仲町に自宅と事務所を移して2軒目の住処だ。「このあたりを散歩していて貸しに出ているのを見つけたんです。良かったのは、賃貸だけど改装してもいいという物件だったことです。ここはそもそも舟屋さんだったみたいです。その後いくつかの会社が入ったりしていたみたいですが。それまで住んでいたマンションが事務所を兼用するには使いにくかったこともあり、これはおもしろそうだね、と借りることにしました」。1階の入り口と、七島さんの仕事場。右側の天井高は2mほどと低い。左側は吹き抜け。吹き抜けからの見下ろし。2人分の仕事スペース建物は、1フロア20㎡に満たない広さの空間が5層になっている。入り口を入ると吹き抜けのある七島さんの仕事机と吹き抜けに目いっぱいの高さで備え付けられた本棚に圧倒される。「狭いけれど、この吹き抜けの高さがあるのが気に入って借りました。本棚は大工さんにつくってもらって。天井が全体的に少し低いのですが、吹き抜けもあるし窓も多くて光が入ってくるので圧迫感は少ないです」と佐野さん。2階は佐野さんの仕事場。ちょうど目線の高さに桜の木の葉と運河がみえる。「ここにいると気持ちよくて仕事がはかどらないんです」と笑う佐野さん。吹き抜けの開口で階下の七島さんの仕事場とゆるやかにつながる。「このぐらいの距離感がお互いにちょうどいいんです」。入り口から奥を見る。左側の天井高が低いため、高低差をさほど感じない。階段周りは白く塗装して明るく。フロアごとに使い方を決めて3階から上はプライベートのフロアになる。こちらも桜の木と運河が目の前に臨めるリビングダイニングスペース。舟底天井の和室だったこのスペースは天井をはがした。というのも、キッチンを窓側から奥に移動するのに配水管を通し一部床上げしたため。一段床が下がっているキッチンカウンター奥の作業スペースに立つと、自然とカウンター向かいに居る人や景色とちょうどよい高さ関係になる。「水が近くにあるので少し涼しいんですよね。桜もここだけ咲くのが遅いんです」。ベランダには景色を楽しめるようテーブルを置いている。「ここでごはんを食べたり、友人を呼んでお花見をするときに使ったりしています。お花見の時期、窓も開けて楽しんでいると、通りかかった人が飲食店と間違えて来ることもあるんです」。4階は寝室と浴室。大工に合板で洗面台をつくってもらい、自分たちでタイルを張った。障子は元々あったものを残して、やわらかく光を取り入れている。5階は納戸として使っているが、見晴らしのいいテラスで思い切り洗濯物を干せる。元は和室だった3階のリビング。ベランダにはテーブルを。キッチンカウンターのガスレンジは作業スペースをとるために設置方向を工夫した。もともと台所があった場所の壁のタイルはそのままに。4階寝室のトイレは古い建具をそのまま利用。布団の下を収納に。左はOSB合板で仕切ったウォークインクロゼット。障子を開ければ見晴らしのいい景色が広がる。自分たちでタイルを張った洗面台。4階で洗濯し、5階のテラスで干す。この建物に新たに設置した風呂場。コンパクトだが、浴槽は普通サイズを縦方向に入れているので、湯船にはゆったり浸かれる。数字にこだわらず、工夫する仕事でも狭小住宅を手がけることが多いという二人。「東京で家づくりを考えると、その後の暮らしが不安になるぐらい高い土地を買わなければいけないですよね。でも、何LDKだとか、何平米だとかっていう数字にこだわらなければ、いくらでもやりようはあると考えています。この家はその実験台。自分たちで日々の生活を工夫しながら実践しているんです。打ち合わせで施主の方がここに来られると、みなさん安心した表情で帰っていかれますね」。階段の上り下りの不便さや、断熱ができずに少し寒かったりするこの家と、バランスを取り合う二人。家の中を探検するような、発見する楽しみのある暮らしぶりが伺えた。運河と桜の木を見下ろせる、気持ちのいいテラス。外観。木々の緑がカーテン代わり。
2019年06月10日ここ数年、趣味のひとつになりつつある登山。初めは那須の茶臼岳(ちゃうすだけ)から始まり、その後南アルプスの甲斐駒ケ岳、摩利支天など年1〜2回のペースで登山をしてきました。 行くのは大抵春か秋ですが、先週は奥多摩の三頭山に行き、新緑の美しさを感じてきました。 木々の隙間から差し込む太陽の光が新緑を照らしている情景は本当にドラマチックで一瞬足腰の辛さを忘れ、無になった瞬間でした。 いつも感じるのは、自然が創り出すものには到底敵わないなあということです。 朽ちた木や岩に生えるコケの美しい緑や、湿ってキラキラした様。落ち葉が何層にも重なって独特なグラデーションを創り出す地面。岩に付いている不思議な模様の面白さ。 ここから創作のアイデアをもらっていると言うよりは、きっとこの美しさはしっかり自分に浸透していて何かに必ず良い影響をもたらしているんだろうなと感じます。 都会の街中で暮らしていると、無性に山や海に飛んで行きたくなる衝動にかられます。年々そんな気持ちが強くなっています。 そもそもこの美しいものたちを見るためには何度もリタイアしたくなるキッツい登山を成し遂げなければなのですが。 でもそうしないと見られないものって、何だか色気があって行く度に虜になってしまいます。 標高が高いところまでくると、この雲の下で暮らしているんだなあ、なんて特別な気持ちになります。 考え方の視野が広くなる感じもあって、良いリフレッシュになるのでこれからも続けていきたいことのひとつです。
2019年05月09日ついこの間、打ち合わせをするとき、アイデアを紙に書くとき、ワクワクさせてくれるペンに出会った。 「Retro 1951」という、アメリカのペンのブランドのもの。お店で見つけるまで知らず、完全な一目惚れ。ジョージ・カーソティスという方が1990年に創ったブランドらしい。 まず、トランプモチーフが好きなわたしにとっては、この見た目だけでズキュン。 そしてお姉さんが箱をご用意しますねと持ってきてくれた箱が、これまたかわいい筒のデザイン! 他にもジョーカー、エース、クイーン、ジャックもあって、これはコンプリートするしかない。 最近はシーリングワックスにもハマっていて、手紙を書いたらペタリ。 最初は失敗ばかりだったけれど、ようやく綺麗にできるように。 この流れでお気に入りの文房具を紹介してしまおう。 あまり公に言ったことはないけれど、わたしはパンダがとてもすきで、これは友人からのプレゼント。 見る角度を変えると、立体的に浮き出て見えるノート。この何ともいえないキッチュな感じがたまらなく、もったいなくて使えない。昔、大中という雑貨屋さんがあり、通ってはパンダグッズを集めてたっけ。。(懐) そして最後はコラージュの時も使用する、必殺サークルカッター。 上の突起を押さえ、ぐるぐると回すと円に切れる優れもの。綺麗に切れると快感で、無になってひたすら円を切りたくなる。 作品作りにもいろいろな文房具を使ううえ、昔から文房具はつい買ってしまう性。すきなデザインのものを使うと、それだけでモチベーションに繋がるから大事だなと思う。 古書をめくると四つ葉のクローバーが出てきたので、また文房具屋さんで、いい出会いがありそうな予感。 WEB
2019年04月25日大工とインテリアコーディネーター夫妻の家づくり桜が満開となった4月初旬のある日、坂牧さん夫妻が住む町田市の家を訪ねた。坂牧邸が建つのは、緑豊かな市民公園のすぐ隣。目の前が桜並木になっており、窓からはまるで絵画のように美しく切り取られた桜を楽しめる。将平さん・麻世佳さん夫妻は、「毎年特等席でお花見を楽しめるところに惹かれ、この土地を選びました。昨年冬に竣工して初めての春を迎えたのですが、想像以上の眺めですね」と、声を揃える。将平さんのお仕事は大工。お父さま・お兄さまと共に、坂牧工務店で家づくりを行っている。麻世佳さんはインテリアコーディネーターで、建築事務所で働いていた経歴を持ち、現在は坂牧工務店で空間デザインなどを担当している。そろって家づくりのプロである2人。「結婚してからずっと、自分たちらしい家を自らの手で建てたいと考えていました」と話す。そんなお2人が設計を依頼したのは、IYs inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)の井上亮さんと吉村明さん。以前から、「設計:IYs inc. /施工:坂牧工務店」というタッグを組んで家づくりをしており、遊び心や高いデザイン性を備えたプランに一目置いていたという。玄関を入ると、天井高3.4mの開放的なLDKが広がる。チークの大黒柱は、将平さんが材木屋で目利きして選んだもの。天井にはストライプ柄が特徴的なLVL材を張った。リビングスペースはタイル貼り。土間やインナーテラスのような雰囲気で、外との繋がりを感じられる。壁一面の本棚は将平さんが2日がかりで組み上げ、ご夫婦で夜な夜な塗料を塗って仕上げたそう。開放感とこもり感の共存これまで数多くの家を見てきたからこそ、「普通の家にはしたくない」「自分の家だからこそできることをしたい」という想いがあった坂牧さん夫妻。「ジャングルジムのようにワクワクできる家にしたい」「壁一面の本棚が欲しい」「外との繋がりを感じて過ごしたい」という希望を、IYs inc.のお2人に伝えたという。それを受けた井上さんと吉村さんは、プランをじっくり考案。1階をワンフロアのLDKとし、桜が見える窓のある壁面に、壁一面の本棚を組み合わせることにした。また、フロアや個室をはっきり区切らない繋がりのあるつくりとし、家中どこにいても視線がすっと抜ける心地よさを生み出した。井上さんと吉村さんが最後まで悩んだのは、吹き抜けの有無だった。麻世佳さんは「開放的に吹き抜けをつくりたい」、将平さんは「こもり感が欲しい」と言っていて、希望が相反していたのだ。また、敷地面積的に、吹き抜けをつくると床面積が限られてしまうのも問題だった。「お2人の希望をなんとか叶える案はないものかと考え抜きました。そして最後の最後に閃いたのが、1階は天井を上げて開放的に、2階はその分天井高を抑えてこもり感を、というシンプルな解決法でした」(井上さん)。1階から階段を登った先が、踊り場のような書斎スペース。右上のグレーの部分は将平さんの趣味室で、リビングに向いた小窓がついている。床と階段側面の材はオーク。書斎スペースの先が将平さんの趣味室、右に上がった先が寝室。家全体に視線が抜けるのが心地よい。夫妻の書斎スペース。「とにかく使いやすいように、棚のサイズや高さにはかなりこだわりました」と麻世佳さん。一生懸命になりすぎて家を建て始めたのは昨年の夏。施工は将平さんがほぼ一人で行い、内装はご夫婦で協力して仕上げたという。しかしその作業には、夫婦喧嘩がつきものだった。「うちの奥さんは凝り性で、デザイン性や暮らしやすさをとことん追求するんです。でもその要求は、大工の僕からするとすごーく難しかったり、前例がなかったり……。『こんなにギリギリじゃできないよ!』、『いや、ここは妥協したくない!』って、四六時中やりあってましたね」と話す将平さんに、麻世佳さんも「2人とも一生懸命になりすぎてムキになってしまって……。造りかけの棚を『もういい!』って破壊したこともあったよね」と笑う。特に大変だったのが、造作のキッチンと書斎。ミリ単位で完璧を求める麻世佳さんの理想を叶えようと将平さんが奮闘し、かなりの時間と手間をかけて満足のいくものをつくりあげた。「作業中は終わりが見えなくて『これは悪夢だ』って思っていたけれど(笑)、今思えば奥さんの希望を叶えてあげられて良かったなと思いますね」(将平さん)。将平さんの趣味屋。麻世佳さんがデザインした美術品のような壁面飾り棚に、プラモデルが並ぶ。この部屋からも桜が見える。書斎のカウンター板とアイアンの手すりの見事なおさまり。壁面飾り棚に使っているのは、柱用の木の端材。あえて無垢材と集成材を組み合わせ、多彩な表情に仕上げた。天井高を抑えた2階の寝室。扉はつけず、ひとつながりの空間に組み込んだ。寝室の窓からも桜。階を上がるごとに、さまざまな角度からの桜を楽しめる。オリジナルの造作キッチン。「カウンター下の扉や照明を濃い色にして、空間をほどよく引き締めました」と麻世佳さん。「苦労しただけあって、見事な仕上がりなんですよ」と自画自賛の将平さん。「前のアパートはキッチンが独立していて寂しかったけど、今はとても楽しい場所になりました」と麻世佳さん。真っ白いサブウェイタイルに、キッチンツールがきれいに並ぶ。大好きな住まい麻世佳さんのデザインへのこだわりと、将平さんの大工の腕があわさって完成した坂牧邸。IYs inc.のお2人も、「この空間には、時間を手間を惜しまず、お施主さん自らが愛情を込めてつくりあげたからこその心地よさがありますよね」「空間コーディネートも造作の家具も本当に見事で、お二人の腕の良さが体現されています」と感心しきりだった。坂牧さん夫妻がこの家で暮らし始めて約4カ月。「空間が全て繋がっているから、贅沢でゆったりした気持ちになります」「夫婦で喧嘩しながらも一生懸命つくったから、どこを見ても『やっぱりいいなあ』と思うんですよ」。お2人の話を聞いていると、家への愛着がひしひしと伝わってくる。情熱と経験を注ぎ込み、自分たちらしい家を完成させた坂牧さん夫妻。窓の外の桜も、そんなお2人を祝福しているかのようだった。IYs inc.のお2人が熟考したのは窓の配置。高さやサイズをランダムにして空間にリズムを与え、朝・昼・夕と違う光の入り具合を楽しめるようにした。「本棚の本は徐々に増やし、最終的にはギッシリにしたいです」と麻世佳さん。坂牧邸外観。「斜線制限に沿った斜めの屋根の形を生かすプランを考えました」と吉村さん。左から、IYs inc.の吉村さん・井上さん、坂牧さん夫妻、将平さんのお兄さんで時々施工を手伝っていた佳典さん(坂牧工務店代表)。「目の前の桜や公園が、室内と一体になったような感覚なんです」と坂牧さん夫妻。坂牧邸設計IYs inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)施工株式会社坂牧工務店所在地東京都町田市構造木造規模地上2階建延床面積106.81㎡(1階53.82㎡/2階52.99㎡)
2019年04月24日今回はリクエストをいただいた、就職活動のころのお話を。 私は美大の絵画科に通っていたので、クラスの大半の人はアーティストを志望していましたが、私は少数派の就職組でした。 まずはとにかく会社というものに入ってみたくて、お金を稼いでみたかったことが動機でした。「絵を描ける仕事に就きたい」というシンプルな気持ちはありましたが、就職課にある膨大な会社情報を目にし、 それらが絵の技術を活かせる仕事内容ではあっても、果たして自分に出来るのだろうか、合うのだろうか、好きな感じじゃなくても、絵が描ける仕事ってだけで幸せなことなのかな?仕事ってそういうことか…など、自問自答の日々が続いていました。 就職活動の渦に入ると、「こうするべきだ」などいろいろな情報がたくさん入ってきて、気持ちが左右されます。 今思い返すと、なぜ自分本位にしなかったのだろう?と思います。もっと我がままでよかったのに、と。 まずしなければならなかったことは、自分の好きなことを知ること、でした。それが「絵を描くこと」という大くくりなものだったため、曖昧な就職活動は続きました。 その中でもピンときたのが小学生のころから好きだった雑貨ブランドでのデザイナーのお仕事でした。これだ!と思って、何日も徹夜をして試験突破のための作品作りをしました。結果、試験には合格、内定をいただきました。 入社後はがむしゃらに仕事をこなす日々で、絵を描いて、商品になって幸せなんだな、と思ってはいましたがもしかしたら、違うのかもしれない、という気持ちも生まれたりしました。 その後今のイラストレーターと広告系会社のデザイナーとの両立に行き着きました。 私の場合、本当にやりたいことにたどり着くまでに何年もかかってしまったので、とてもスローな人生だなあと思いますが、初めて就職した中で得たことも本当にたくさんありました。自分の気持ちがクリアになっていった期間でもあり、そんな遠回りも悪くないかなと今となっては思います。 ひとつ言えるのは、就活だからといって自分の気持ちに蓋をしないということです。 好きなことが仕事になることが最高なのかは人それぞれだと思いますし、好きなことをするために仕事は仕事と割り切るのも良いと思います。 でもやはり「好き」は力を発揮できる最高の原動力だと思うのです。 好きなものなんてわからない、って思ったら好きなものを集めてみてください。拾ったフライヤーや雑誌の切り抜きでもいいし、気になった言葉や読んだ本の一文なんかを。とにかくスクラップしてファイルやノートにまとめてみてください。たくさん集まったものを眺めたとき、何かふっと見えてくるものがあると思います。 こんなことを偉そうに言ってる自分も、今もずっと模索中です。悩んで、何か成し遂げたときには一瞬ハッピーになって、また考えて…の繰り返しです。 就活をする上でのちょっとしたヒントやスパイスになれれば嬉しいです。がんばっていきましょう。
2019年04月20日賛否両論だと思うけれど、わたしは剥製がすきだ。 丁寧に作られている剥製はまるで生きているかのよう。わたしはアンティーク屋さんでいつも探している。 昔から動物図鑑を眺めるのがすきで、剥製は普段触れない生き物でも触りながら観察できるのがまたいい。 今日はわたしのアトリエに住んでいる剥製たちを。 ポーランドのうさぎちゃん。立ち姿とぽってりした体格、くりくりおめめがチャームポイント。 フランスの小鳥ちゃん。この色合いが鮮やかで美しくてお気に入り。 チェコのオオヤマネさん。ひょうきんな感じの表情と、尻尾がまたかわいい。 昔飼っていた子に似ている、シマリスくん。小学生のときシマリスを3匹飼っていたので、この子を見ると思い出す。 上段、モルモットちゃんとイタチさん。下段からふたりの様子を見ているキツネくん。 ちなみにキツネは「コン太」というなまえ。それぞれの切り取っている仕草がとても◎ 最後はモモイロインコさん。この自然の発色と思えないほどのピンク、とにかく美しい。 みんなが寝静まった夜中には、きっと飛んだり遊んだりしているのだろうな~。 次に仲間入りするのは、どんな子か今から出会いが楽しみだ。 WEB
2019年04月15日外にいるときも、家にいるときも、良い香りを纏っているとそれだけで穏やかな気持ちになります。 今回はそんな、個人的につぼに入った香りのアイテムたちを描いてみました。 最近一番グッと来た香りはビュリーの「リケン・デコス」という香り。森の苔や鉱物、石の香りをイメージしているそうです。 石の香りなんて嗅いだことないけどその様をイメージするだけでなんだかいい雰囲気。 深い森にいるような、癒しをくれる香りです。ボディ・ヘアオイルを、お風呂上がりにマッサージに使ったり、朝のへアセットの時のオイルに使ったりしています。 二つ目は、数年前に新宿伊勢丹のブラジルフェアでみつけたPHEBO(フェボ)のレモンの香りのハンドクリーム。 石けんの優しい香りに柑橘の香りが溶け込んでいて何とも言い難いくせになる香りなんです。 今はハンドクリームはなかなか手に入らないので、この種類の石けんを購入しようかと思っています。いつまでも鼻を付けて吸い込んでいたい香り。 友人からいただいたdiptiqueのキャンドル。 ローズの香りは昔から好きで、いくつか持っていますがその中でもdiptiqueのROSE DELIGHTはローズのハチミツ漬けにレモンと粉末糖を効かせて仕上げた「ロクム(トルコのお菓子)」をイメージしたもので、少し甘さもあり、爽やかな香りがお気に入りです。ピンクとオレンジのグラデーションのパッケージもキュンときます。 大好きなACCA KAPPAの「WHITE MOSS」のヘアオイル。髪への効能、というよりはこの香りを髪に付けたくて購入。 初めてこの香りに出会ったとき、友人と、「この香りが男の人から香ってきたらいいわあ〜」と妄想を膨らませていました。説明を見てみると「ムスクの甘く官能的な調和が、知性漂う洗練された大人の香り」と書いてある。やっぱり、そんな香り笑。 香りから人物像を想像したり、自分から香ってるイメージをしたり、色々想像力が高まるのが香りの面白いところだと思います。 おすすめの香りがあったら是非教えてください。
2019年03月23日久しぶりに3泊4日で、京都を旅行。 いろいろな場所へ足を運びましたが、牛若丸と天狗の伝説の地、鞍馬のことを。 この日は気持ちよく晴れた日で、階段と坂道をひたすら上りながら、鞍馬寺へ。 ぜーはー、息を切らしながらもなんとか到達! 目の前には、どどーん!と鞍馬寺。 本殿の中はとても広く、静かで神聖な空気が流れる。お寺の建築や装飾もとても繊細で美しく、いいインスピレーション。 梅がかわいい姿を見せてくれたり、 血管のような木の根が今にも動き出しそうだったり、 土と苔の色、鮮やかな椿の色が絶妙だったり。 中心地へ戻ると、舞妓さんにも遭遇できて、やっぱり京都で見る景色はいいなあと改めて感じた旅。 そうだ 京都、また行こう。 おおきに。 WEB
2019年03月19日ー 女性ならではの繊細な感性で、様々な美しいプロダクトを生み出す女性クリエイターたち。連載【Creation by Ladies】では、そんな彼女たちの作品...そしてその作品に込められた想いや背景を紹介していきます。 ——————————————— 第6回目は、柔らかく繊細な世界観にぎゅっと心を掴まれる。フェーヴ作家の misaki takeuchi さん。 " フェーヴ "をご存知だろうか。 フェーヴとは、フランスで1月に食べる伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」に入れる、陶器製の小さなオブジェのこと。オブジェと言ってもただのオブジェではない、小さな幸運のモチーフなのだ。日本でも近年、じわじわと認知度が高まりつつある。 ガレット・デ・ロワは元々、キリストの誕生を知った東方の三博士がお祝いを持って訪れた日 “エピファニー” の前後に食べるお祝いのお菓子。 フェーヴはフランス語で誕生の意味を持つ、「そら豆」の意。前述の通り、キリストの誕生を意味している。フェーヴが登場する前は、本物の豆を入れていたそうだ。豆といえば冬至のシンボルで、春に成長する最初の野菜。 冬至と言えば1年で一番日が短くなる日だが、別の言い方をすればそれ以降は日照時間がどんどん長くなるということでもあり、光が世界に戻ってくる象徴でもあった。きっといにしえの時代のフランス人たちは、長く厳しい冬を乗り越えてもうすぐ訪れる春への期待を、ちいさなフェーヴに託したことだろう。 ガレット・デ・ロワを家族や友人などと皆で切り分けて食べ、フェーヴが当たれば、その人が王様orお姫様! 紙の王冠を被って王様のように振る舞うことができ、その一年幸運が続くと言われている。 — 「お菓子を作ることが好きな母とカフェを営んでいました。当時陶芸を学んでいた私は、ケーキの中にフェーヴという可愛らしい陶器のアイテムを入れるフランスの伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」の存在を知り、自分で作ったオリジナルのフェーヴを入れたガレット・デ・ロワをお店の商品として企画してみたのがきっかけです。その頃、日本でフェーヴの展示会などをやっていらっしゃるフェーヴ愛好家の磯谷佳江さんという方に出会い、展覧会にてフェーヴを販売し始めるようになりました。」 そう語るmisakiさん。現在はブーランジュリー向けのオリジナルフェーヴの受注製作や、日本やフランスの展示会でフェーヴの販売を行っているほか、自身の店「Oeuf」で毎年テーマを持たせたガレット・デ・ロワを企画し、販売しているのだそう。 ー 「フェーヴを作る時は大抵、石膏の型を作り、そこに粘土を挟んで形を抜きます。とても小さいものなので細部が型でもうまく出ないことがあり、型から外した後、乾燥する前に細かい修正をします。壊してしまわないよう一番集中力が必要な作業です。」 ー 「マーガレットに金色のてんとう虫をあしらったモチーフのフェーヴで、私のお店Oeufの2018年度のガレットデロワに入れて販売しました。てんとう虫はヨーロッパでは幸運のモチーフのひとつで、一見マーガレットに見えながら、よく見るとてんとう虫という遊びを入れた作品です。日本の見立て(※ある物を、他のものになぞらえて表現する技法)のような感覚が好きで、過去にも薔薇と白鳥の姿を重ねたようなイメージのフェーヴも作っています。」 ー 「生の白い粘土の状態です。型から外してどんどん並べていくと、サイズ感からチョコレートやクッキーのように見えてきます。小さいものがたくさん並んでいく様子を見るのが好きでどんどん製作のテンションが上がってきます。型が綺麗に出来ていると嬉しいのもこの時!」 ー 「出来上がりはこちら!ガレット・デ・ロワをモチーフにしたフェーヴで、磯谷佳江さんが開催しているフェーヴ展のオリジナルフェーヴとして、その年のテーマだった"リボン"をデザインに取り入れて作った受注品です。ガレット・デ・ロワにリボンをかけたデザイン。」 ー 「名古屋のブーランジュリー・パティスリー、Le Plaisir du painさんの2017年のガレット・デ・ロワ用に受注製作したフェーヴです。4種のパンを組み合わせたデザイン。並べてみるとテキスタイル模様のように。」 ー 「“小鳥の巣”。コトリ花店さんというお花屋さんの9周年の記念用に受注製作したフェーヴです。お店から注文を受けるときはそのお店の雰囲気や店主さんの好みをできるだけ汲み取り、そこに溶け込めるような作品をイメージして作ります。このときは鳥の巣というご希望でしたので、小さな卵を優しく包み込む巣に、お花屋さんにちなんで小さなお花とコトリの羽を一枚あしらったデザインにしました。繊細で可憐、色を使っていても透明感のある花束のアレンジがとても印象に残ったのでフェーヴも透明感を大事にして色はつけませんでした。誕生を予感させる縁起の良いモチーフだと思います。この作品は今まで製作した中で一番細かい細工を施しました。自分の製作のレベルを一つ上に上げてくれた大切な作品となりました。フランスでもフェーヴが好きな方が記念日にフェーヴを作ってもらうという話をよく聞きます。」 ー 「“精霊”。このフェーヴは立たせるとスカートの後ろの裾がふわっと浮いているデザインになっています。空気の中を踊るように漂う儚い姿をイメージして作りました。」 ー 「“胡桃リス”。2015年自身のお店Oeufのガレット・デ・ロワに入れたフェーヴです。胡桃の殻の中に丸くうずくまっているリスの姿をイメージして作りました。裏にすると胡桃の殻になっています。リスといえばどんぐりや胡桃など木の実を食べている姿が浮かびますが、そもそも本物の胡桃自体がすでにフェーヴのようなサイズ。この小さな殻の中にすっぽりとリスが収まっていたらとてつもなく可愛いのではないか、とある時ひらめいたのがきっかけです。」 ー 「“花と遊ぶ”。アンティークのものからインスピレーションを受けて作った一点ものの作品シリーズの一つ。特定のものからインスピレーションを引き出して作ってみるという今までとは異なった発想方で取り組んでいます。お花模様のレースから、そのモチーフと花に戯れる虫たちを連想して作りました。元となったアンティークの品と一緒に箱にセットして販売しています。」 ー 「風船、ネズミ、四葉のクローバーのフェーヴ。この三つは落とし込みを結構考えた作品。飛んでいる風船を描くのは簡単だけど立体で表現したらどうなるか、四葉のクローバーはフェーヴのモチーフでは定番中の定番なので、すでにいろんなデザインのものが出ている中でどうオリジナリティを出していくか悩みました。和菓子のようにシンプルだけど可愛い形が私の目指す理想です。また、お菓子の中に入れるものなので極端に細くて折れそうなデザインや高さがあってお菓子からはみ出してしまうようなデザインは避けます。」 ー 「こちらは“浅草ライヲン百貨店”というイベント向けに、『フェーヴの製作技術を活かしながら枠を超えて作品を作ろう』と思い製作した、陶器製ビーズのネックレスです。小さな花や葉のビーズを陶器で製作し、糸に編み込んで一連のネックレスに仕立てました。道端に咲いているような野草の小花が好きなので、そんなさりげない感じの雰囲気でリネンのワンピースなどに似合いそうなものをイメージして作りました。」 ー 「こちらも番外編。花のビーズと帯留めの、焼成前の生の作品です。まだ釉薬を掛けていないので、形の輪郭がはっきりと浮かび上がるのでよく写真に撮って残しておくようにしています。」 ー 「完成した帯留めです。上から鶉鳥。棗袋。帆立貝。古典モチーフですが、陶器独特の柔らかい雰囲気とパステルカラーで少し軽いイメージになるように仕上げています。」 ー 「こちらはわずか高さ3センチほど(!)のガラスドームとセットになった陶器製ミニチュアのガレット・デ・ロワです。白いそら豆のフェーヴ、レーザーカットで加工したオリジナルの紙の王冠もこだわったポイント。」 柔らかな世界観を纏った、misakiさんの作品の数々。 その作品ひとつひとつに、あるいはそのひとつの中にも更に細かい部分まで、意味を持って考え抜かれてデザインされている。聞けば聞くほど、もっともっと作品たちが持つストーリーを聞いてみたい、そんな気持ちにさせられる。 彼女が生み出すパステルカラーのちいさなオブジェたちに、心を奪われっぱなしの日々になりそうだ。 Fèves en céramique (フェーヴ作家):misaki takeuchi 多摩美術大学でデザインを学んだのち、化粧品のパッケージデザイナーとしてデザイン事務所に所属。陶芸は大学卒業後に勉強し、その後フリーランスになったのをきっかけに独自でフェーヴの製作と販売を開始。2012〜2017年 My Charm 「フェーヴの世界展」2019Collectionneurs de feves des rois (パリ) HP::
2019年03月12日今年に入ってからずっと台風の中にいるような、めまぐるしい日々が続いています。 気付くと髪はぼさぼさ、顔も疲れきっている・・・ そんな日々が続くと心も弱ってしまいます。 なので意識的に楽しむことを心がけているのですが、今回はそんな毎日の習慣と、小さな楽しみを。 毎朝のコーヒーといちごブラウニー。 両方コンビニのものですが熱いコーヒーと、チョコブラウニーにサンドされたちょっと甘酸っぱいいちごクリームのハーモニーがたまりません。 仕事に入る前の頭のスイッチになっています。 いろんな空を見る。 気分転換に空を見ると、目の前にあることから少し解放された気分になって、小さな世界で生きてたことにも気づいたりします。 朝のビルのすき間からもれる朝日とかシーンと静まり返った冬の住宅街を歩いているときの夜空が綺麗だったりして、その時聴いている音楽に偶然にマッチしたりすると感動します。 CHANELのクリームチークとオーロラハイライト。 見た目は結構赤なのに、頬に馴染ませると内側からの火照りのような、血色の良い表情になる。 鏡を見たときに自分の顔が沈んでいるとテンションが下がるので出来るだけ好きな自分でいよう、と。 この間見たLUMINEの広告で、コピーライターの尾形麻理子さん作の「わたしの夢を奪うわたしになるな」のコピーは今の自分にとても響きました。 「ふんわり脳」を大切に。 勤務している会社での仕事もフリーのほうも、両方アイデアを必要とされる仕事です。 時間が無いと、無駄を嫌うようになるけど最近は無駄と思うことこそ大切に思っています。 いろいろとこうしなきゃ、とか焦る気持ちを取っ払って、「ま、いっか〜」と脳内でさぼってみる。そうすると視界が広くなって、面白いことが入ってくる。 それを「ふんわり脳」と呼んでいます。 そんな最近です。感想、質問、こんなテーマで書いてほしいなどいただけたらとっても幸いです。MAIL mary@marymonraw.com また新しい季節、楽しみましょう。
2019年03月08日わたしはとにかく、本がすきだ。 作品に使う素材はもちろん、職業柄インスピレーションとしても、大事な相棒。 レコード(これについても今度書きたいと思う)でよくある、ジャケ買いは本でもよくある。中身が読めなくても、ジャケがよければお迎えしてしまう。 今日は最近のお気に入りの本たちを。 わたしがコラージュを始めるきっかけとなった、ロシア構成主義の本たち。図録のなかだけの存在だったけれど、最近ついに実物をお迎えすることに! 何十年も前とは思えないほどの、かっこよさ。 こちらはwebで画像だけ発見し、いつかいつかと思っていたら、発見!色合いと構図がたまらない。 こちらは変わってポーランド。コラージュが表紙に使われていて、ポーランドだからこその毒っ気もお気に入り。 わたしにとっての本は、形として傍にあるだけで、奮起させてくれたり安心させてくれる存在。 さて、今日はどの本と過ごそうかな。 WEB
2019年03月04日祖父母の家をリノベーション情緒あふれる川越の街。祖父母が暮らした築45年の1軒家をほぼDIYでリノベーションして、安田太陽さんと妻・詩織さんは暮らしている。「もともと手を動かすのが好きで、立体物を作るのが大好きでした。家のリノベーションはこれが初めてでしたけど(笑)」。プロダクトデザインの部署から始まり、現在はイベントや空間のデザインを行う部署で会社員として働きつつ、休日には廃材や自然素材を使ったアクセサリーを制作するミツメとしても活動。そんな安田さんが、気になって集めてきた古道具を活かして創りあげたのは、驚きや発見がたくさんある独創的な空間だ。ガスの接続以外はすべてDIYで創ったキッチン。古道具や古材が味を出す。有機物と無機物の組み合わせ方が絶妙。和室の畳を取り外し、無垢のスギ材を張った。床の間にはガルバリウムをあしらってディスプレイ空間に。DIYで温もりのある家に「ここは祖父母の家だったので、子供の頃よく遊びに来た記憶があるし、母にとっては育った家なので思い入れがあるんです。まさか自分が住むとは思いもしなかったけれど、リノベーションして活かすことができたのは良かったと思っています」。耐震補強や外壁塗装、ガス、電気、水道などは業者に任せたものの、それ以外は知人・友人に手伝ってもらいほとんどDIYで完成した。「天井を壊して現れた梁に塗装したり、床も自分で張り替えたり、大変でしたけど暮らしながら少しずつ進めていきました」。キッチンは、ダイニングと分けていた壁を自力で取り壊してひと続きの空間に。「この家は日当りが悪く、暗いんです。その為、白を基本とし、広い開放的なキッチンを作ってやろうと」。木脚と白いタイルのキッチン台も自作。シンプルなものを求めて探しに探したリンナイのビルトインコンロとIKEAのシンクを取り付けてタイルを貼った。「工業系の道具やパーツが好きなのですが、あまり取り入れると冷たくなってしまいます。木を入れると温かさが出せるので、温度感をうまく組み合わせました」。広々としたダイニングキッチンでは、大人数で集まることも多いそう。曾祖母の桐箪笥など、この家にもともとあったものも活かしている。テーブルは古いオフィステーブルの脚に、足場板を組み合わせて載せたもの。キッチン台の下はオープンな収納に。リンゴ箱に取手をつけた箱には食材などをストック。古い木箱を壁に打ち付けて収納棚に。「壁は構造用合板なので、どこにでもビスや釘を簡単に打つことができるんです」。シンクとガスコンロはシンプルなものにこだわった。タイルもすべてDIYで貼ったもの。安田さんは「BALMUDA」勤務のデザイナー。自宅でも製品を使用している。素材の使い方を考える漆喰で塗り上げた白い空間は、オリジナルのアイデアがあちこちに。元々は床の間だったリビングの一角のスペースには、壁にガルバリウムを貼った。サンルームには掘りごたつがあり、扉だった板を天板として載せている。「解体している家があると、建具とか家具を譲ってもらえないか頼んでみたりします」。2階のベッドルームの小窓も、昔手に入れて長年寝かせていた建具を使用。年代を感じさせるナラ材が風情を感じさせる。「この建具もそうですが、数十年の時を経た質感はエイジング加工では表現できません。古いものや価値がないとされているものを大事に再利用していきたいんです」。ルールに縛られず使えそうなものを自由にアレンジして使う。それは、安田さんが手がけるミツメのアクセサリーのコンセプトともクロスする。開口部やサンルームからやわらかな日差しが入る。ガルバリムを壁にあしらった床の間。作業台と陶器の花瓶に金属が不思議と調和する。サンルームの掘りごたつ。下からぽかぽかと暖かい。階段の蹴込み板もペンキで白く塗装。漆喰の壁は「下地を塗るのが大変でした」。仕切りの壁に小窓を取り付けたベッドルーム。砂壁はこれから塗装に着手する予定。モノから家、街へ「最初はこんなとこ住めるの?って思いました」。と笑う詩織さんも趣味は完全に一致し、ここでの暮らしを楽しんでいる。「夏には新しい家族を迎えるので、子供にとって安全な家かどうかも考えていかなきゃいけないですね。ベッドルームの壁もこれから塗るところだし、まだまだ仕上がりは半分くらい。暑さ対策、寒さ対策もしっかりやっていきたいと思っています」。Googleで検索したり、YouTubeで動画を見たり、ホームセンターで聞いてみたり。ルールに捕われず、あちこちで情報を集めて行われるリノベーションは、これからも進化する。「アイデアを出して、それが形になっていくのが楽しいんです。実は、今増えている空き家などにも手を掛け始めています。街づくりにも近いうちに携われたらいいと思っています。古いものは使えない、汚いものは捨てる、ではなく再利用できないか考えてみる。当たり前だと思っていることを少し立ち止まって考えてみる。忙しい日々を過ごす人ほど大切だと思います。そして、それを実行できることが毎日の幸せです」。玄関にはベッドのスプリングがオブジェのように飾られていた。友人のお店で仕入れたYKKのキャビネット。錆びた鍬を廊下に飾る。ペンダントライトはアルミの漏斗をリメイク。古道具屋で買った暗室のライトをベッドルームの照明に。itashioriの名で活動する詩織さんは、籐でカゴを編む作家。冬は寒いのでサンルームの掘りごたつで作業することが多い。もともとはイラストを描いていた詩織さん。右側のイラスト2点は作品。制作したカゴは、イベントなどで販売。何でもない日常をしっかりと楽しむというおふたり。愛着のあるギターを一緒に演奏したり、踊ってみたり。
2019年03月04日絵を描くときのモチベーションの一つに「色に誘われる」ということがあります。 生活している中でふいに見つけるグッとくる色たちが、創作意欲を掻き立ててくれます。 工業的な色と自然物の組み合わせは、誰が仕掛けた訳でもなく、偶然のコラボレーションです。 工事現場のパープルがかったグレーのシートと手前の深いグリーンになんだか切ない気持ちまで芽生えてきてしまいます。 自宅から見える空の色と仕事場からの帰り道。夕暮れ時は好きな空の色がつまってる時間帯で、完全に夜になる前の、暗くなる直前のブルーなんかがとても好みです。 去年の秋に訪れた軽井沢の紅葉は、グラデーションが美しすぎて、色を身体で感じる感覚でした。 自然が作った色はやっぱり究極で、いつもパワーをもらいます。 そう考えると、平凡な日常に見えても、実はとても刺激的です。 意識してやっていたことではないですが、これからも「色が連れて行ってくれる」感覚を大切にして描いていきたいと思います。
2019年02月22日その子は、雪の降る寒い12月に突然やってきた。 わたしは東京で展示中で、喫茶店を営む夫からまさかの連絡。 「お店の玄関の前にねこがいたから、ひとまず保護したよ」 よほどお腹が空いていたのか、送ってもらった動画を見ると、声を出しながら必死にごはんを食べている。 茶トラの女の子。名前も年齢も、どこからやってきたのかも謎な子。 いつか飼いたいなとは思っていたものの、お互いねこは飼ったことがなく、最初は里親を探すことも考えた。 一晩、夫が一緒に過ごして話し合った結果、家族として迎え入れることに。名前は茶々(チャチャ)に決まり。 動物病院の先生によると、推定5歳。まだ子猫のように見えて、わたしの妹かと思ったら、人間の年齢に換算すると、まさかのお姉さん。 ふと見ると置物みたいだったり...作業をしていると、同じ目線に来てみたり...とにかく、かわいくて仕方ない。親ばかとはこのことなのね... 帰りを待っていてくれる子がいることは、幸せだ。これからも、どうぞよろしくね。 WEB
2019年02月19日今回は昨年の個展に出した作品からお気に入りをひとつ 「Aji Shimi Chan」 こちらおでんの「だいこん」です。私の絵は女の子やお花や星など、わりとラブリーなものをモチーフにすることが多いので、その意外性もあってなのか、個展では一番人気になっていました。 最近は絵を描くときに、スッと思いつく時もあれば全然出て来ないときも多々あります。そんなとき、前回アイデアの源としてインスタグラムのストーリーを挙げましたが、もう一つ頼るのがiPhoneのメモに書き溜めているポエム的な言葉たち。 外を歩いているときに大抵思いつくのですが、思いついたら忘れないうちにすぐメモしています。後々読むと、「何これ・・!」みたいなことも多々ありますが、言葉から発想するのもとても面白いです。 この絵の時は、プライベートでしばらく悪い状態が続いていて、何回やっても変わらないなあとため息をついていたときにメモした言葉。 あまり良くない状況にあっても、一瞬光が射すようにポジティヴシンキングになるときがあります。今現在染みてる最中だから、美味しくなるまでの途中経過なのだと前向きに捉えることができました。 ちなみにこちらは1枚目に描いたもの。 おでんの大根を描きたいけど、ぱっと見それには見えないようにしたいな、と思い、最初はむらさき色に。でもあまりにも大根には見えないな、と思い描き直しました。 レモンに見える人、最初から大根と分かる人、いろいろで面白かったです。 「あじしみちゃん」 もしかすると、まずは自分を元気にするために絵を描いているのかも?と最近感じています。
2019年01月31日MICHU COQUETTEといえば、小花のvintageカボションを思い浮かべて下さる方も多いかと思います。ピアスやブレスレットなどのアクセサリーを始め、巾着やポーチなどの袋物、雑貨などにもポイントにつけたりしています。カボションは、1950年代海外に向けて作られたセルロイドの日本製ヴィンテージパーツ。ひとつひとつ手作業でハンドペイントされていますので、同じパーツでも色が濃かったり薄かったり、はみ出ていたり逆にちょっとしか塗られてなかったり…とハンドメイドの味が感じられ、とても繊細な作りになっています。発色もネオンカラーっぽくとてもきれいなものもあるので、日本で、しかも戦後間もない時に作られたものだなんてとても思えない、パリのクリニャンクール蚤の市ででも置いてあるかのような趣です。 形は、バラやデイジーなどのflower型、犬や鳥や魚などの生き物、苺やチェリーやバナナなどのフルーツなど様々で、数えきれない程すごくたくさんの種類があります。 このvintageカボション(※以下カボション)を初めて見た時のことは、今から10年以上も前のこと。 ですが、最近物忘れが激しめの私でも、どこで誰と一緒にいたかまで覚えているほど!一瞬で恋に落ち、脳内一面にぱっと花が咲き、心をまるっと持っていかれました。 小さな雑貨屋さんで、このお花のカボションを5~6個ずつ可愛い台紙に入れて売ってありました。「なに!この可愛いお花のやつ!」と、一緒にいた友達と発奮し、その時私は特に好みのものが入っているものを選んで2袋だけ購入して帰りました。それから私がこのカボションを使ってアクセサリーを作るようにまでは3~4年空白の時があったのですが、その間はこれらを宝箱にしまって、時々眺めては心をときめかせていました。 最初にどんなアクセサリーから作り始めたかは、また次のお話で。 ▲2019年と2016年のMICHU COQUETTEの年始のご挨拶ヴィジュアル 悲しいのは、これらはもう市場からどんどん姿を消し、だんだんと手に入りにくくなっていること。ヴィンテージなのでそれもしょうがないですよね。そして、今でもずっと変わらず、本当に可愛くてかわいくてしょうがないです。今手元にあるものは、使ったら使っただけ減っていき、増えることもないかと思うととても切ないのですが、それ以上にこのカボションを使ったMICHU COQUETTEのアクセサリーを手にして下さる方が、キュンとときめいて下さると良いな、という思いでひとつひとつ大切に、心を込めてハンドメイドしています。そんなmichuの熱い想いが届くといいな。
2019年01月29日今回は函館にあるアトリエを紹介します。 函館にご縁ができたのは、2016年のこと。個展のお誘いをいただき、初の北海道へ行くことに。 函館は港町ということもあるのか、わたしの地元の横浜と街の雰囲気がどこか似ていて、自然も豊かでとても落ち着き、さらには展示で関わってくれた方々がみんな柔らかくて、それから函館の虜に。 今はご覧の通りスノーワールドですが、東京にいると雪を見る機会があまりないので、真っ白な光景はとても美しくて癒されます。そして夏は東京から逃亡し、心地よく。(←これ重要!) アトリエはインスピレーションにしている本たち、だいすきなアンティークのものたちに囲まれ、ここに居るだけで幸せ。 表紙のビジュアルが不思議でインパクトのあるこちらは、GIUSEPPE PINOのポートレート写真集。その時の気分で書見台に飾る本を変えてみたり。 そして最近、兵庫にあるアンティークショップ「Sibora」さんからお迎えしたマリア様と、神保町にあるセレクトショップ「FESTINA LENTE」さんから、人型オブジェも仲間入り。 ああ、かわいいな。 こうして、どんどんすきなものが増えてゆくアトリエ。そろそろ壁の色もまた増やそうと企み中です。 WEB
2019年01月27日寒い冬にぴったりな「織りとニット」、そして前回好評を博した「刺繍」の2つに焦点を当て、2週連続での開催となります。 先週1月18日(金)〜1月20日(日)の「冬晴れ織りとニット展」では、まだまだ寒い冬の日に、家の中を明るく彩ってくれる織り物や、冬晴れの一日のお出かけを嬉しくする暖かなニットのアイテムをはじめ、これからやってくる春を楽しくする、軽やかなストールやかぎ針のアクセサリーなど、冬から春へと移り変わる季節にぴったりなアイテムが揃います。そして、今回は、手芸をこよなく愛する人たちに向けて、7組の出展者による、色とりどりの個性豊かな「糸」を集めた新フロアもオープン!様々なワークショップが開催されました。 そして2週目の今週、1月25日(金)〜2018年1月27日(日)の「春待ち刺繍展」では、アクセサリーやテキスタイル、インテリアアイテムなど、幅広い“刺繍”の作品がラインナップ。刺繍の花でいっぱいになった会場は、まるで一足早く春が訪れたかのようです。また、珠玉の作り手たちによる小さな宝石が集う「ブローチ博」も同時開催されるので、こちらも合わせてチェックしてみてくださいね! 今回は、新たに約20組の出展者を迎え、総勢約70組が集う“冬の布博”。布博のファンはもちろん、これまで布博に行ったことがない人も、ぜひ、この機会に出かけてみて。 「布博 in 東京 vol.12」 期間:WEEK1 / 2018年1月18日(金)〜2018年1月20日(日) WEEK2 / 2018年1月25日(金)〜2018年1月27日(日) 時間:10:00〜18:30※日曜 ~18:00 会場:町田パリオ 住所:東京都町田市森野1-15-13 入場料:¥500※小学生以下は無料 WEB:より
2019年01月22日こんにちは、コラージュアーティスト・グラフィックデザイナーのM!DOR!です。 以前、PeLuLuさんでインタビューを掲載していただいたご縁もあり(記事はこちら→ )、これからコラムを書かせていただくことになりました。 制作のこと、すきなもの、インスピレーションなどなど、いろいろなことを書いていきますので、よろしくお願いします! わたしは普段、主に1700~1940年ごろの紙ものを素材に作品を制作しています。 制作しているときは、自然と机の上もコラージュ状態。当時の紙ものをコピーせず、そのものを使用しているので、使えるのは一度きり。ひとつずつ丁寧に、ひたすら切る!切る!切る!の繰り返しです。 制作している間に、影と素材で遊んでみたり。 平面作品はもちろん、数年前から立体作品も作るようになり、楽しさ倍増。ガラスドームや木箱などを使い、そのなかに小さな世界を作っています。 立体作品にした時の影遊びが、またすきな時間。光を当てる角度や間隔によって変わる、もうひとつの世界。 次回はアトリエについて書こうと思いますので、どうぞお楽しみに。 WEB
2019年01月20日はじめまして、MICHU COQUETTE(ミチュコケット)のデザイナーのmichuと申します。50年代のvintageカボションを使ったアクセサリーや、ポーチなどの袋物、またイベントの時などは時々絵を描いたり、雑貨なども作ったりします。 この文だけ見ると、あれ?違うジャンルの事をあれこれと、なんだなんだ?となってしまうと思いますが…、向かうところはひとつ。そして主人公もひとり。 MICHU COQUETTEは2007年に立ち上げ、ソーイングから少しずつ始めました。 その時から既に“Aimée(エメ)”はいました。Aiméeとは、「MICHU COQUETTEをこよなく愛し、MICHU COQUETTEのお店に通い、いつも愛用している」というパリ在住の架空の女の子。 『MICHU COQUETTE』をどんなブランドにしようかな?というよりは、Aiméeのイメージ(外見や性格、住んでるところ、年齢、家族構成、趣味etc)の想像がどんどん膨らんで、彼女の方が先に誕生し、そんな女の子が大好きなブランドにしたい!という思いで、私の名前を掛けた“michu“と、ブランドテーマでもある"coquettish"を入れて『MICHU COQUETTE』としました。10年以上経った今も変わらぬテーマと熱い思いで現在も進行中です。 『MICHU COQUETTE』の実店舗はありませんが、Aiméeのストーリーの中では実在します。 ガラスのショーウィンドウから中を覗くと、店内にはアクセサリーやポーチやバッグの他に、香水瓶も見える。奥の方にはステキなランジェリーも置いてある。扉を開けるとベルガモットの香りがお出迎え。そして小さな花柄のラベルの付いたvintageスタイルのperfumeボトルが目に飛び込んでくる。「Bonjour」と声を掛けられ、Aiméeはそこでひと時の至福の時間を過ごす…。 こちら、2007年に作ったHPのトップ画像。 製作の際に使用するvintageカボションなどもいくつかお渡しし、イメージなどをお伝えして、webデザイナーさんに作っていただきました。当時、これがもう嬉しくてうれしくて、大好きでたまりませんでした。 今は時代がSNSに変わり、自営のウェブショップもブログもやっておらず、『MICHU COQUETTE』のロゴもすべて大文字表記にしたり、と長い月日が経過した為、こちらのHPも閉じてしまったのですが…。 今はインスタグラムとTwitterをやっています。年に一度はsolo showを行い、時々グループ展に参加し、その時のテーマに沿ったアイテム作りをしています。普段は、ECサイトUSAGI ONLINEにて毎月2回ずつ、新作や人気商品等の追加販売をしています。 コラム第1回目はほぼ自己紹介になりましたが、次からは制作秘話や、その他なるべく読んでいただける方に有益になるような事なども時々はUP出来るよう、それと同時にMICHU COQUETTEがより愛されるブランドになっていけるよう、私自身も日々精進しながらこちらのコラムをありがたく続けさせて頂きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。 MICHU COQUETTEInstagram:
2019年01月18日はじめまして。イラストレーターの岡崎マリーと申します。今回からこちらでコラムを書かせていただくことになりました。今の私なりの目線から、日々考えていることや、発見、制作についてなど、お伝えしていけたらと思っています。 今回は一番最近のお仕事、ルミネエスト新宿店のウィンドウディスプレイについて。 初売りセールが一段落したその次ということで。まだ寒い時期ですが、春めいている雰囲気を感じられるようなものにしたいということと、HAPPY感、ボタニカルの雰囲気がほしいとのことでした。それ以外はもう自由に、と言ってくださったので毎日ふんわりと考えだしました。 ここ最近のアイデアの源はインスタグラムのストーリーで作っている写真や動画+ペイントです。朝の通勤途中や、何気ないときに撮ったものをその場でペイントツールで絵を描き、ストーリーにアップしています。 頻繁にそれをするうちに、デスクに向かってアイデアを練るのとは違うアイデアが浮かんでくることがわかりました。その場で撮った写真ということと、無意識なのがきっとポイントなんだと思います。 学生のころ、油絵を描くときにまずクロッキー帳に鉛筆で無意識のドローイングをたくさんしてそこから本番に向かう、という方法を取っていましたがそれに近い感じなのかなと思います。 今回のウィンドウも、そこから生まれています。また、そのストーリーにGIFのアニメーションを使うことで動きが生まれ、それもまたアイデアのヒントになります。 今回はそこから女の子が春の息吹をふーっと吹きかけているイメージが浮かんできて、それをベースに好きなものを肉付けしていきました。 ウィンドウディスプレイは1月いっぱいまで展示されているので、ぜひ早めの春を感じに来てください。 ルミネエスト新宿店ウィンドウ(新宿駅中央東口改札を出てすぐ)にて。ウィンドウディスプレイ:〜1月31日(水)同時期にルミネエスト4Fでは「HELLO,NEW ME!」のキャンペーン開催中のほか、東口タクシー乗り場近くでは同キャンペーンのデジタルサイネージも放映中。
2019年01月16日今年、最も光り輝いた日本のクリエイターたちを称える「Pen クリエイター・アワード 2018」が12月3日(月)に東京・有楽町のザ・ペニンシュラ東京にて開催され、受賞者として俳優の稲垣吾郎、吉田鋼太郎、女優の松岡茉優らが登壇した。創刊以来、新しい世界の扉を叩く表現者たちに注目してきた雑誌「Pen」は昨年に続き、特集「クリエイター・アワード2018」を組み、12月1日(土)に発売。なかでも活躍の目立った6組のクリエイターを招いて、同誌・安藤編集長より賞状が授与された。■吉田鋼太郎、「おっさんずラブ」が流行語大賞逃し「残念きわまりない!」受賞の気持ちを聞かれた吉田さんは「ドラマ『おっさんずラブ』が評判になり、田中圭くんや林遣都くんをはじめ、監督やスタッフなどとアツいチームワークがありました。みんなでいただいた賞だと思います」とコメント。2018年最もうれしかった“時”をふり返り、「『おっさんずラブ』は、連続ドラマになる前のスペシャル枠で放送された直後から反響があって、ヒットの予感がしていました。いまは放映した直後から、あるいはその最中に、観た人の感想がネット上で見られるじゃないですか。あれすごいですね」と語った。社会現象化した「おっさんずラブ」は今年の「新語・流行語大賞」トップテンにも選ばれたが、「できるなら、僕ら役者は続編をやりたいですね」と意気込みを明かし、「今年の流行語大賞を逃しちゃいましたけど、残念きわまりない!」と悔しそうだった。■松岡茉優、カンヌをふり返り「スローモーションみたい」『勝手にふるえてろ』『ちはやふる-結び-』『万引き家族』など、大活躍を見せた松岡さんは「こんな素敵な賞をいただいたので、また来年も再来年も『Pen』さんのページに呼ばれるような女優になれればいいなと思います」とコメント。2018年の最もうれしかった“時”は「やっぱりカンヌ」と言い、「私は緊張してふるえていたんですけど、是枝監督、樹木希林さんや作品に登場した主役のふたりがとても楽しそうに笑っていたので、スローモーションみたいに映像が思い出に残っています」とふり返った。来年への意気込みを聞かれると、「今年は言語の壁とか、カルチャーの壁を超えて、人の気持ちとか人間同士のつながりというものが映画で表現できることを痛感した年でした。私はテレビも大好きだからドラマもバラエティも頑張りたいですが、来年も映画という分野で、世界の方々と交流できるような女優さんになっていきたいと思います」と力強く語っていた。■稲垣吾郎、映画『半世界』がターニングポイント「自分じゃないような感じ」稲垣さんは「知的で夢のような賞をもらえて。本当に感激しています」と喜びを語り、「ちょうど去年のいま頃なんですが、『新しい地図』というものを香取(慎吾)くんと草なぎ(剛)くんと3人で始めさせていただいて。本当にゼロからのスタートだったのですが、多くのファンの方がついてきてくださって、そして多くのメディアやスタッフに注目していただいて、まさか去年のいま頃から考えると、この場に立ったり、お仕事に恵まれているなんてことは夢にも思っていなかった」と胸の内を告白。2018年の最もうれしかった“時”として「映画『半世界』の試写を観たとき」を挙げた稲垣さんは、「いままでやってきた役とはタイプが違って、山にこもって備長炭をひたすらつくり続ける炭焼き職人の役で、その試写を観た時に、自分じゃないような感じがして。俳優にとって、そういう自分が映った映画が完成したっていうことがとてもうれしかったんです」と語り、「映画がひとつのターニングポイントになるんじゃないかな」と自信を込めた。2019年はどんな年にしたいかとの問いには、「今年1年はみなさんも贔屓目に見てくださるところがあったと思いますが、来年は評価される年だと思います。僕らは、応援してくださる方皆様を“NAKAMA”と呼ばせていただいていますが、“NAKAMA”の皆様と地図を広げて、高みを目指していきたいと思っています」と熱くコメント。かと思えば、今年の流行語は「(吉田さんのほうを見て)やっぱり『おっさんずラブ』かなあ(笑)?」と笑顔を見せていた。また、「Pen」の表紙を飾ったことにも触れた稲垣さんは、「男性の憧れるものやライフスタイルを提案する雑誌の表紙を飾らせていただけるというのはすごくうれしいことですし、これからも男性の方々にも支持していただけるようにがんばっていきたいなと思っています」と、改めて喜びを噛みしめていた。そのほか授賞式には、受賞者の建築家・石上純也氏、彫刻家・名和晃平氏、「チームラボ」(ウルトラテクノロジスト集団)代表・猪子寿之氏が登壇。さらに、今年2月に「Pen」で特集した「バズる美女。2018」でフォーカスした美女インフルエンサーの記事が好評を博したことをきっかけに、PenOnlineで連載が始まった「#バズ美女」を代表して、モデルで実業家の佐藤マクニッシュ怜子、「リムアーク(RIM.ARK)」クリエイティブ・ディレクター/デザイナーの中村真里、スタイリストの丸林広奈、モデルの村田倫子の4人が登場した。(text:cinemacafe.net)
2018年12月04日自ら栽培した綿花で布ナプキンなど小物を製作するコットンクリエイター・桑名聖子さん。栽培から収穫、種をとり、紡いでいく……と工程の多いお仕事だけに、専用の工房をお持ちかと思いきや「生活のなかで仕事をしたいから」と、作業は専ら自宅でするのだそう。そんな桑名さんのご自宅におじゃましてきました。手探りで始めた綿花の栽培富山市新庄町に暮らす桑名さんは、種から無農薬で育てて糸を紡ぎ、布に織り、縫製まですべてを手作業で行なっています。桑名さんが綿花の栽培を始めたのは2012年のこと。友人たちと畑を共同で借りることになり、自分はなにを植えるかを考えたとき、ふと思いついたのが“綿花”だったのだそう。もともと手芸など手仕事が大好きだったという桑名さん。「最初は、綿花から布になる工程を知りたいと思ったのがきっかけでした。ちょうどそのときが4月で、綿花の時期で『綿を植えよう!』と思い立ち、種を買って植えました」綿花を育てるのは初めてだったという桑名さん。当時は、綿花の育てかたに関する本も少なく、ネットで検索しても情報を得ることができなかったため手探りでスタート。その年は、多くの綿花が虫にやられてしまい、実がひとつ、ふたつ育っただけでうまくいかなかったのだそう。2年目に向けて古い文献をあさり、育たなかった原因を調べて試行錯誤を繰り返した結果、綿花を育てることに成功。たくさんの綿を収穫することができたのだそうです。そして翌年も、たくさんの綿花を育てることができました。たくさん育った綿花。桑名さんは、これだけの量をひとりで収穫するのは大変だと思い、綿摘みのイベントを企画。綿摘みを手伝ってくれた人のなかに、染物と織物をやっている方がいて、その方から糸車を借りたのだそうです。桑名さんはそこから綿糸を紡ぐことも覚えていきました。綿花の栽培にのめりこんでいくなかで、桑名さんは布についての知識も深めていきました。そのなかで、布が体に害を与えるケースがあることを知り、食べ物にこだわるように、衣類も安全にこだわりたいと、本格的に布作りをスタート。現在は、春に種を撒き、秋に収穫。綿花から種を取り除き、糸車で紡いで糸にして、織りは知人が手がけますが、縫製は桑名さんが行っています。無農薬、無化学肥料で綿を育てて自分の手で紡ぎ、織り上げられた布。桑名さんはこれを生理用布ナプキンへと仕立てていきます。リビングと“ミシン部屋”がワークスペース桑名さんのワークスペースは自宅に2ヶ所。リビングの一角と、桑名さんが“ミシン部屋”と呼ぶ2階の部屋です。「いただきものの足踏みミシンは重くて動かせないのでリビングに置いています」と桑名さん。ふだんは、電動ミシンやロックミシン、道具箱などは別の部屋のクローゼットにしまっているそうです。足踏みミシンで縫製をする桑名さん。この日は、明日からのイベント出店に向けて布ナプキンづくりをしています。ミシン台の脇にある棚は、桑名さんの手作り。ネットでいろいろ調べ、どんな棚がいいのか考え、長さもビシッと測ってつくったというだけあって、ぴったりフィットしています。使い勝手もとても良さそうです。ミシンを使う際は、すぐ後ろにあるダイニングテーブルに道具一式を移動させ、ワークスペースを確保します。「手を伸ばせばものがとれるので便利です。夕飯はここで食べるので、そのとき道具はいったん、片付けます」収穫した綿から紡ぐ作業もここで行います。紡ぎ車を使い、ひたすら紡いでいくのだそう。「チマチマとする作業がとても好きです。一度始めると止まらなくて、気づくとすごい肩が凝っていたりします(笑)」と桑名さん。完成した布ナプキンやマスクなどは(市販の布も使います)、パッケージし、カゴにまとめていきます。「こうしておくと、イベントなどに出店するときはこのまま持って行けるし、店先に並べるときもこのまま置いて販売できるので便利なんです」かさばるものは2階のミシン部屋へ2階の寝室の奥にある部屋が、桑名さんのもうひとつのワークスペース“ミシン部屋”です。もともとここは、洗濯を干すランドリー部屋でしたが、桑名さんがゆくゆくはこの部屋をもの作りする場所として使えるように確保していたそうです。部屋に入ると左手に作業台があります。ここで作業をすることもあるのだそう。「ものすごく集中して作業をしたいときはここでやることもありますが、小さい犬がいるので、目の届くところで作業をしないといけないので、だいたいの作業はリビングですることが多いです」と桑名さん。部屋のコーナーを上手に利用して、道具の収納スペースをつくっています。古い裁縫箱を解体して壁に取り付け、糸を並べたり、L型受け金具の上に板をのせ、縫製道具を置いています。パッケージするときなどによく使うマスキングテープ。散らばらないように、そしてカットしやすいようにと、空き箱に穴を開けて棒を通し、マスキングテープがくるくる回るようにして“テープカッター”を自作。カッターの部分は、サランランプの箱についているカッターを剥がし、ここに貼り付けています。作業台の下には縫製道具や書類などをしまっています。カラーボックスを横置きにし、ファイルや本などを整理。作業台になにか付いている、と思い桑名さんに聞いたところ「これは、メジャーを貼り付けています。ここに貼っておくと、布を裁断するときなどに便利なんですよ」とのこと。なるほど!これはぜひ取り入れたいアイデアですね。たくさんの布は、このミシン部屋で管理しています。棚に並べ、カバーをかけて窓からの日差しで焼けないようにします。この棚も桑名さんの自作。スノコを組み合わせてつくったそうです。壁が珪藻土なので、擦れて粉で布が汚れるのを防ぐために、スノコに布を貼って対策をしています。棚の下段には、むかし着物などを入れていたのではないかという、いただきものの衣装箱を置き、そこに道具や布などを収納しています。部屋の奥から、布団屋さんで綿打ちしてもらったという綿布を出して来て見せてくれました。「いい香りがしますよ」と桑名さん。かがせてもらうと、青い草木の香りがほんのりしました。それにしても……これだけ綿や布、道具がたくさんあると、家で作業をするには少々しんどいのではないかと思い、桑名さんに「どこかに工房をつくって、そこに通って作業をするということは考えないのですか?」と尋ねてみました。すると桑名さんからこんな答えが返ってきました。「日常の延長というか、家のことをしながら隙間の時間で、家族をどこかに感じながら作業をするのが自分には合っているのだと思います」と。桑名さんは以前に生死をさまようほどの大きなケガをしたことがあり、そのときを境に、自分のなかで大切にすべきことの優先順位が大きく変わったのだそうです。工房を構え、もっと大きく仕事をしたいという想いがないわけではないけれど、桑名さんにとっていちばん大切なのは“家族”。「家の人たちには『ミシンがじゃまだ』って言われていますけどね」と微笑みながら糸を紡ぐ桑名さんの視線の先には、リビングで思い思いにくつろいでいる家族の姿がありました。綿工房Sentoko●取材協力綿工房Sentoko●写真・文忍章子
2018年11月28日雑誌『Pen』は27日、今年活躍したクリエイターをたたえる賞「Pen クリエイター・アワード 2018」の受賞者6組を発表。稲垣吾郎(俳優)、松岡茉優(女優)、吉田鋼太郎(俳優)らが選出された。稲垣吾郎松岡茉優吉田鋼太郎同賞は、アーティスト、俳優、クリエイティブ・ディレクター、デザイナーなど、さまざまなジャンルにおいて、今年目覚ましい活躍をみせた話題の人々をたたえる賞。2017年に新設され、今年で2回目となる。今年は、稲垣吾郎(俳優)、松岡茉優(女優)、吉田鋼太郎(俳優)、チームラボ(ウルトラテクノロジスト集団)、名和晃平(彫刻家)、石上純也(建築家)の6組が選出された。『Pen』12月15日号(12月1日発売)では、「Pen クリエイター・アワード」を特集。また、昨年に引き続き今年も授賞式を開催し、受賞者を表彰する。チームラボ(ウルトラテクノロジスト集団)※代表の猪子寿之名和晃平石上純也
2018年11月27日テーマは「夏を楽しむ純白ガール」資生堂ジャパン株式会社が、有名クリエイターとのコラボキャンペーン「純白専科純白ガールズギャラリー」を2018年6月29日(金曜日)より特設サイトで公開しています。「純白ガールズギャラリー」は、「純白専科」シリーズの基幹商品である「すっぴん白雪美容液」のオンライン先行発売を記念した企画。魅力的な女性を描かせたら右に出る者はいないと評判の人気漫画家やイラストレーターによる「夏を楽しむ純白ガール」を描いたオリジナル作品を公開。制作者のコメントや、女性たちへのメッセージも掲載されます。キャンペーン第1弾は、数々の人気漫画を手掛けイラストレーターとしても活躍する江口寿史氏と、さまざまなメディアで活躍するイラストレーター・白根ゆたんぽ氏の作品を公開。7月下旬に公開予定の第2弾では、映画化された作品で話題の人気漫画家や、数々の雑誌の表紙を手掛けるイラストレーターの作品が公開されます。ワンランク上の「すっぴん」をかなえる「純白専科すっぴん白雪美容液」は透明感あふれる白雪のような肌へみちびく美白美容液。白くコクのあるクリーム状の美容液が、みずみずしくなめらかに肌にフィットし、うるおいが長時間持続します。雪がとけるように角層のすみずみまで浸透し、肌あれ・乾燥ダメージを防ぎます。無香料・無着色・アレルギーテスト済み(※)なので安心です。※すべての人にアレルギーが起きないというわけではありません。(画像はプレスリリースより)(画像は特設サイトより)【参考】※株式会社資生堂のプレスリリース/PR TIMES※「すっぴん白雪美容液」特設サイト※株式会社資生堂
2018年07月13日これまでも様々な形で次世代を担う若きクリエイターの支援を行ってきた「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」から、その支援の最新プロジェクト「ARMANI/LABORATORIO(アルマーニ/ラボラトリオ)」の詳細が発表。日本でも大ヒット中の『君の名前で僕を呼んで』のイタリア人監督ルカ・グァダニーノがその指揮をとる。本プロジェクト「アルマーニ/ラボラトリオ」は映画の世界に進むことを夢見る学生を支援するもので、第1シーズンは昨年11月に始動、その際は8名の若きクリエーターが選出された。彼らは定期的なレッスンを受け、今年2月のミラノコレクション期間中に完成作品『UNA GIACCA -A JACKET-』がお披露目。1着のジャケットを軸に時空を超えて展開されるストーリーは、短編映画としての高いクオリティが話題となった。今回、その注目プロジェクトの第2シーズンが立ち上がり、現在、参加クリエイターを募集中。応募は世界中から可能で、もちろん日本からの応募も可能となっている(応募フォームやレッスンは英語)。第2シーズンの指揮をとるのは、シチリア生まれの映画監督ルカ・グァダニーノ。現代社会の複雑さを切り取る鋭い目線と優れた美的感覚で、世界的に高い評価を得ており、『君の名前で僕を呼んで』は本年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞(ティモシー・シャラメ)など4部門にノミネート、最新作『Suspiria』(原題)にはダコタ・ジョンソンやクロエ・グレース・モレッツ、ティルダ・スウィントンらが出演する。これまでにヴェネツィア国際映画祭で審査員を務めた経験もあり、彼の代表作の1つ『ミラノ、愛に生きる』(ボルダー国際映画祭で最優秀作品賞を受賞)は、その名のとおりミラノを舞台とした作品で、ミラノへの強い愛を持つ人物として知られている。グァダニーノ監督以外に各分野のプロフェッショナルとして学生の指導にあたるのは、『胸騒ぎのシチリア』で監督と組んだデヴィッド・カイガニック/David Kaganich(脚本)ほか、Lucas Gath(撮影技術)、Walter Fasano(編集)、 Giulia Piersanti(衣装デザイン)、Fernanda Perez(メイクアップ)、Manolo Garcia(ヘアスタイル)といったメンバー。ジョルジオ・アルマーニ氏は、「映画はファッションのように、ビジュアルを駆使して私たちを魅了します。制作に関わる全ての人たちの仕事が最終結果に結びつく、究極のチームワークです。『アルマーニ/ラボラトリオ』は、映画業界のトップとして活躍するキープレーヤーたちの指導と支援を得て、生徒が一緒に作業を行う場です。この場のことを私は-フィルムアトリエ-と名付けたいと思います。今年は、イタリアや国際映画シーンで最もオリジナリティが高くエレガントな監督の1人であるルカ・グァダニーノとこのプロジェクトを行えることを非常に嬉しく思います」とコメント。また、グァダニーノ監督は「アルマーニ氏に最も敬意を表するのは、彼が彼の時代を作り上げてきたということです。今回、新世代の映画ファンをサポートする彼の熱い思いに心から共感し、私はこの招待状を喜んで受け入れました」とコメント。「優れた専門家をプロジェクトに参加させることで、非常に魅力あるチームを結成しました。今回は成長、アイデンティティ、女性の新しい世界、といったことをテーマに作品を作り上げます。そう、非常にアルマーニらしいキーワードをテーマに選んだのです」と、“いま”にふさわしいテーマを掲げている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月27日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2018年07月05日次世代クリエイターの発掘イベントが開催中!(c) NEWVIEW PROJECT(Psychic VR Lab / PARCO / Loftwork)「DESIGN YOUR ULTRA EXPERIENCE(超体験をデザインせよ!)」をテーマに、ファッション・カルチャー・アート分野のVRコンテンツを募る「NEWVIEW AWARDS(ニュービュー アワード) 2018」が、2018年6月1日(金)~7月31日(火)の期間開催中です。ゲームやイベントなど幅広い分野で使われることが多くなり、より身近なものとなりつつあるVRを使った作品を募る本アワードは、これまでにない新しい表現やライフスタイルを追求し、“超体験”をデザインする次世代のクリエイターを発掘することを目的としています。(c) NEWVIEW PROJECT(Psychic VR Lab / PARCO / Loftwork)審査員には、“グリッチ”を表現に取り入れ、CGアニメーションに革命を起こしたと言われるアイルランド出身のクリエイター「David OReilly(デビッド・オライリー)」氏も参加。2018年に活動20周年を迎える「m-flo」や、イエロー・マジック・オーケストラにプログラマーとして参加し、“YMO第4の男”の異名を取る「松武秀樹」氏、映画制作者兼デザイナーとして活躍する「René Pinnell」氏らを迎え、国内外問わずクリエイターによる作品を募集中。腕に自信のある方、新しい時代を築いてみたい方などはぜひ、「NEWVIEW AWARDS 2018」に挑戦してみてください!David OReillym-flo松武秀樹René Pinnell「松武秀樹賞」「PARCO賞」「DELL賞」の3つの賞松武秀樹賞松武秀樹賞は、受賞者が音楽家、シンセサイザー・プログラマー松武秀樹氏に自身の作品のための作曲を依頼できるというコラボレーション作品制作の権利+副賞に決定。松武賞は、音楽が使われた作品(松武氏の音源でなくても可)であることを条件に、目と耳に刺さるVRコンテンツを選出します。今回の賞に合わせて、松武秀樹氏は、2曲のオリジナル音源「NEWVIEW1」「NEWVIEW2」を、クリエイターに無償で提供します。そのうちの「NEWVIEW2」は、ドラムやベースなど、音源をパーツに分解した形でも提供し、クリエイターがDAWで自由に編曲したり、VR空間に自由に音源パーツを配置したりといった実験的で自由な使用ができるように提供されます。音源はNEWVIEWのWEBよりダウンロードが可能です。PARCO賞PARCO賞は、パルコとタイアップしてVRコンテンツを制作できる権利に決定。パルコは、現在エンターテインメントで普及が進むVR技術 のファッション・リテール分野での活用方法を開拓する試みとして、ファッション×VRコンテンツを開発し、米・オースティンで毎年開催されるSXSWをはじめ、様々なデモンストレーションを実施しております。受賞者はパルコとタイアップしてVRショッピングコンテンツを制作し、ファッション・カルチャー業界にアピールすることができます。DELL賞DELL賞は、インテル® Core™ i9 プロセッサーと最新のGeForceグラフィックスを搭載する新世代の ALIENWAREノートブック「ALIENWARE 15」。Cryo-tech V2.0と呼ぶ独自の冷却機構の搭載で、長時間安定したハイパフォーマンスを実現します。ゲーム用途のみならず世界中で多くのクリエイターにも愛用されている製品です。NEWVIEW AWARDS 2018 概要募集対象(c) NEWVIEW PROJECT(Psychic VR Lab / PARCO / Loftwork)VR空間を駆使した新たな表現・体験を生み出せるクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を使って制作・公開されたVRコンテンツ作品が対象です。制作プロセスにおいてSTYLY以外のツール(3DCG、ゲームエンジン、DAW etc.)を使用することは構いません。すでに発表済みの作品も応募可能です。賞についてゴールド/Gold(1作品)賞金 20,000USDシルバー/Silver(3作品)賞金 5,000USD・PARCO賞(1作品):パルコとタイアップしてVRコンテンツを制作できる権利・Kaleidoscope賞(1作品):Kaleidoscope賞の受賞証明書、1ヵ月のインターンシップ・松武秀樹賞(1作品):松武氏に作曲を依頼できる権利。応募クリエイターのために音源の無償提供も。・DELL賞(1作品):プレミアムゲーミングノートブックALIENWARE 15・CINRA賞(1作品):後日発表スケジュール・募集期間:2018年6月1日(金)~ 2018年7月31日(火)12:00(日本時間正午)・一次審査結果発表(ファイナリスト40作品選出予定):2018年8月末予定・ファイナリスト作品展示会:2018年8月末予定会場:GALLERY X BY PARCO・最終審査結果発表:2018年10月上旬予定イベント情報イベント名:NEWVIEW AWARDS 2018催行期間:2018年06月01日 〜 2018年07月31日住所:ファイナリスト作品展示会:東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル「GALLERY X BY PARCO」
2018年06月26日現代のクリエイターも刺激してやまない「琳派」の魅力に迫る「【特別展】琳派―俵屋宗達から田中一光へ―」が山種美術館で開催されている。江戸時代に俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一らを中心に花開いた「琳派」の伝統をたどりながら、現代まで受け継がれるデザイン性にも注目した展覧会。俵屋宗達の≪風神雷神図屏風≫や、尾形光琳の≪燕子花図屏風≫など、誰しも一度は目にしたことがあるだろう名作を生み出した琳派だが、狩野派のように同じ一族でもなければ、フランスの印象派のようにある時代の芸術運動というわけでもない。前出の3人も、実は生きた年代は重なっておらず、それぞれが先人に影響を受けながら、リスペクトしつつ画風を継承したという関係性なのだ。特徴は、大胆な構図などに見られる、どこかグラフィカルな装飾性。そこに影響を受けた近・現代の日本画家や芸術家は少なくなく、20世紀を代表するデザイン界の巨匠・田中一光もその一人。本展では、琳派のエッセンスを取り入れた田中一光のポスターも展示され、琳派が今日も息づいていることを感じられる。俵屋宗達が金銀泥で鹿の絵を描き、本阿弥光悦が新古今和歌集の和歌を選んで書いた。もとは22mの巻物で、鹿のさまざまな姿が描かれている。俵屋宗達(絵)・本阿弥光悦(書)≪鹿下絵新古今集和歌巻断簡≫17世紀(江戸時代)紙本・金銀泥絵・墨書山種美術館日本美術研究家で、古筆や絵巻の模写を数多く手がけた田中親美。この原画は平家一門が厳島神社に奉納した経典で、国宝に指定されているもの。田中親美≪平家納経 願文見返し(模本)≫20世紀(大正―昭和時代)紙本・彩色東京国立博物館Image:TNM Image Archives≪平家納経≫の構図を引用したポスター。田中一光がどれほど琳派に触発されたかが分かる。田中一光《JAPAN》1986(昭和61)年紙・シルクスクリーン東京国立近代美術館©Ikko Tanaka 1986/licensed by DNPartcom山種美術館東京都渋谷区広尾3-12-36開催中~7月8日(日)10時~17時(入館は16時30分まで)月曜休一般1200円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2018年5月30日号より。文・黒澤 彩
2018年05月28日人気ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」のクリエイターであるスティーヴン・モファットとマーク・ゲイティスが「The Game Is Now」と呼ばれるシャーロックの「新しいアドベンチャー」を企画しているという。2人は「シャーロック・ホームズデー」の5月22日(現地時間)、「The Game Is Now」について語った動画をアップ。「新しいエピソードでもなく、新しいシリーズでもなく、新しい映画でもない…だけど、新しいアドベンチャーだ。ちゃんとしたね」と「The Game Is Now」は抽象的な表現で語られた。出演者については明らかになっていないが、モファットは「シャーロックの冒険に期待されている人たちが参加する」と約束している。さらに、「傍受された通話音声-マイクロフト&シャーロック・ホームズ」とのタイトルが付けられたもう1つの動画も公開され、そこではゲイティス演じるマイクロフトとベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロック・ホームズが皮肉の効いた会話を繰り広げている。マイクロフトが秘密クラブに「現実を生きる人たちをスカウトしようかと思う」と言えば、「現実を生きる人たち?マイクロフト、わかってるだろ。あんなやつらは信じられない。高タンパクヨーグルトとか、食べ物の写真とか、投票とか、変なものばかりに夢中になっているやつらだぜ?」と現代人を否定するシャーロック。音源のみのこの動画を観たファンたちの中には「The Game Is Now」はファンが参加・体験できるリアルゲームかもと予想する人も。ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」は現在シーズン4まで製作されており、シーズン5については未定。今年3月にワトソンを演じているマーティン・フリーマンが「みんなの期待が大きすぎて、『SHERLOCK』に出演するのがつまらなくなっちゃった」とぼやき、カンバーバッチはこの意見を批判した。ドラマとは違ってプライベートの2人は決して親友同士とは呼べないようだ。(Hiromi Kaku)■関連作品:SHERLOCK/シャーロック [海外TVドラマ]© Colin Hutton Hartswood Films 2010 John Rogers © Hartswood Films 2010
2018年05月24日