エスパス ルイ・ヴィトン大阪では、偉大な芸術家アルベルト・ジャコメッティの展覧会を開催します。本展は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンが主催する「Hors-les-mur(壁を越えて)」プログラムの一環として開催されます。同プログラムは、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪に設けられたエスパス ルイ・ヴィトンにおいてフォンダシオンの所蔵作品を展示する国際的なプロジェクトの開催を通じ、より多くの人々に作品に触れる機会を提供することを目指しています。アルベルト・ジャコメッティ 《大きな女性立像 II》 [Grande Femme II] 1960年 暗褐色の緑青を施したブロンズ Susse Foundry(1961年鋳造、エディション1/6) 277 x 29 x 57.2 cm Courtesy of the Fondation Louis Vuitton ©Succession Alberto Giacometti / Adagp, Paris 2022. Photo credits: ©Fondation Louis Vuitton/Marc Domageエスパス ルイ・ヴィトン大阪における第3回目の展覧会となる本展では、フォンダシオンの所蔵コレクションからジャコメッティを象徴する8点の彫刻作品:《棒に支えられた頭部》 [Tête sur tige](1947年)、《3人の歩く男たち》 [Trois hommes qui marchent](1948年)、《よろめく男》 [L’homme qui chavire](1950年)、《ヴェネツィアの女III》[Femme de Venise III](1956年)、《大きな女性立像 II》[Grande Femme II](1960年)、《男の頭部》[ Têtes d’homme](ロタール I )(Lotar I)、(ロタール II)(Lotar II)、(ロタール III)(Lotar III)(1964-1965年)を展示。これらの傑作には、スイスを代表する芸術家ジャコメッティの才能が写し取られています。フォンダシオン ルイ・ヴィトンについてフォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そして現代アーティストのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。フォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。カナダ系アメリカ人の建築家フランク・ゲーリーが手掛けた建物は、既に21世紀を象徴する建築物として価値を認められており、芸術の発展に目を向けたフォンダシオンの独創的な取組みを体現しています。2014年10月の開館以来、700万人を超える来館者をフランス、そして世界各地から迎えてきました。フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、本機関にて実施される企画のみならず、他の財団や美術館を含む、民間および公共の施設や機関との連携においても、国際的な取組みを積極的に展開していくことを掲げてきました。とりわけモスクワのプーシキン美術館とサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館(2016年の「Icons of Modern Art: The Shchukin Collection」展、2021年の「The Morozov Collection」展)やニューヨーク近代美術館(「Being Modern: MoMA in Paris」展)、ロンドンのコートールド美術研究所(「The Courtauld Collection. A Vision for Impressionism」展)などが挙げられます。また、フォンダシオンは東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪に設けられたエスパス ルイ・ヴィトンにて開催される所蔵コレクションの展示を目的とした「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムのアーティスティック・ディレクションを担っています。これらのスペースで開催される展覧会は無料で公開され、関連するさまざまな文化的コミュニケーションを通じてその活動をご紹介しています。エスパス ルイ・ヴィトン大阪542-0085 大阪市中央区心斎橋筋2-8-16ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋5F会期:2022年11月17日 - 2023年2月26日開館時間:12:00-20:00休館日はルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準じます。入場無料※会場内の混雑防止のため、入場をお待ちいただく場合がございます。事前来館予約も承ります。[11月10日(木)より予約受付開始]#EspaceLV#CollectionFLV#FondationLouisVuitton
2022年09月22日展覧会「コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅰ」が、2019年5月25日(土)から8月4日(日)まで大阪・国立国際美術館にて開催される。スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティは、20世紀最大の彫刻家として知られる彫刻家だ。ジャコメッティの芸術は、モデルとの対峙が重要なポイントとされている。日本の哲学者・矢内原伊作は、ジャコメッティの長期間に渡る作品制作に協力した数少ない人物。1956年から1961年の期間に度々フランスを訪れ、長きに渡る制作活動に向き合った。「コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅰ」は、矢内原伊作をモデルとした彫刻作品「ヤナイハラ Ⅰ」の収蔵を記念したものだ。ちなみに、矢内原をモデルとしたブロンズ彫刻で完成に至ったのは2作品のみ。全ての鋳造を合わせても7体しか現存しておらず、そのうちの1つが、2018年に日本に初めて収蔵された。会場では、ブロンズ彫刻「ヤナイハラ Ⅰ」に加え、2013年に収蔵されたジャコメッティの油彩画「男」も展観できる。さらに、日本国内の美術館から集めたジャコメッティ作品や、矢内原がモデルを務める間に書き留めた手帖、パリなどで撮影した写真を公開する。なお、2019年8月27日(火)から12月8日(日)までの期間、「ヤナイハラ Ⅰ」「男」を再配置し、20世紀終盤から今日までの新しい表現を中心に展覧する「コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅱ」の開催が予定されている。【詳細】コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅰ会期:2019年5月25日(土)~8月4日(日)会場:国立国際美術館 地下2階展示室住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55開館時間:10:00~17:00※金曜・土曜は20:00まで※7・8月の金曜・土曜は21:00まで※入場は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし、7月15日(月・祝)は開館し、翌日休館)観覧料:一般 430円(220円)、大学生 130円(70円)※()内は20名以上の団体料金※高校生以下・18歳未満・65歳以上無料(要証明)・心身に障がいのある人とその付添者1人無料(要証明)※本展は同時開催の「抽象世界」の観覧券で観覧可能夜間割引料金:一般 250円、大学生 70円※対象時間:金曜・土曜の 17:00 以降)無料観覧日:6月1日(土)、7月6日(土)、8月3日(土)■コレクション特集展示 ジャコメッティと Ⅱ会期:2019年8月27日(火)~12月8日(日)【問い合わせ先】国立国際美術館TEL:06-6447-4680(代表)
2019年04月14日話題の展覧会が日本上陸! これまで名だたる西洋芸術家たちが常に向き合ってきた裸体表現。西洋美術では、絵画、彫刻、写真など、あらゆるジャンルでヌードを扱った作品が発表されており、私たちの一番身近なものであるにもかかわらず、論争や批判が起こることもしばしばありました。2016年のオーストラリアを皮切りに、各国に巡回して話題となった展覧会が、いよいよ日本に上陸します!会場には、西洋近現代美術の殿堂である英国・テートの珠玉のコレクションから、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画から現代の身体表現まで、およそ200年にわたる裸体表現作品が登場。ピカソ、ルノワール、マティス、ロダン、ジャコメッティ、ジョルジュ・デ・キリコ、マン・レイ、フランシス・ベーコンほか、絵画、彫刻、版画、写真など約134点が登場します。 傑作「接吻」が日本初公開! 19世紀を代表する彫刻家であり、“近代彫刻の父”と称される、オーギュスト・ロダンは、テーマを深く考察して、モデルを徹底的に観察することで、人間の本質を追求しました。今回、日本初公開となる等身大を超える大理石像「接吻」は、制作当初は「地獄の門」の一部として構想されていたんだそう。そんな愛しく抱き合うふたりの姿は、白く磨きあげられた艶やかな肌合いで、大理石の滑らかな光沢とともに、高まる男女の感情による愛の悦びが表現されています。そして、このふたりのモデルとなっているのは、ダンテの『神曲』「地獄篇」に登場する、フランチェスカと義弟・パオロです。悲恋がテーマの本作品…不貞行為をはたらいてしまったふたりは、そこに突然立ち現れた夫・ジョヴァンニに殺されてしまいます。つまりこの「接吻」は、最期の “接吻” となってしまったのです…いつの時代も不貞行為は、何かしらの制裁を受けるのだと学びました。 変化が面白いヌード 私が特に面白いと感じたのは、第7章の『身体と政治性』。1970年代、フェミニズムの意識が高まり、性や人種に対する概念が問われ、ヌードに対する政治的な寛容が明確なりはじめました。また、この時代ではヌード表現に使われるメディアが変化し、フェミニズムの芸術家たちが写真を取り上げる機会が増え、性差による力関係はもとより、芸術とポルノグラフィーの曖昧な境界線に注意を向けようとしています。そして1990年代では、伝統的な女性の役割やアイデンティティーに対して、ユーモアを交えながら真剣な主張を展開する様子が見受けられ、性に対する固定概念を浮かび上がらせると同時に、女性を対象化することの重要な問題にも光を当てています。男性芸術家が女性のヌードを描くというかつての伝統に対して、女性画家たちが男女の身体を描くことで、男性の視点という枠組みを問い直す作品や、ヌードモデル=白人という人種差別や既存の概念を打ち崩してくれる作品など。社会背景が流れていく様子も然ることながら、私たちが思い描いているヌードの解釈が、如何に凝り固まっているものなのか、丁寧に作品と向き合うたびに思い知らされました。 私たちの一番身近なものである “ヌード=裸体” ある時は芸術家として認められるためのツールであり、ある時は現実や自身を写すためのツールであり、ある時は政治や社会に訴えかけるためのツールであり、私たちの一番身近なものである“ヌード=裸体”は、様々な可能性に満ちていることが分かりました。会期中には、学芸員による講演会やギャラリートークだけでなく、ロダンの「接吻」をデッサンするワークショップショップなどが開催されます。是非、お一人様でも、カップルでも、夫婦でも、子供づれでも…会場を巡りながら作品を通じて、その可能性を模索してみてください。 【情報】『ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより』会期:2018年3月24日(土)~6月24日(日)会場:横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1みなとみらい線「みなとみらい駅」徒歩3分)時間:10:00~18:00(5月11日、6月8日は20:30まで)休館:木曜日、5月7日(月)(5月3日は開館)お問合せ:(ハローダイヤル) 03-5777-8600
2018年04月06日『パイレーツ・オブ・カリビアン』の海賊バルボッサ役などで知られる大名優ジェフリー・ラッシュが、実在の天才芸術家ジャコメッティ役を本人そっくりに熱演した『ジャコメッティ 最後の肖像』が、充実の特典映像の数々とともにブルーレイ&DVDでの発売が決定した。本作は、長く縦に引き延ばされたような人物のブロンズ像が強烈な印象を残す芸術家アルベルト・ジャコメッティと、その絵画のモデルとなった男の知られざる18日間を、ユーモラスかつスリリングに描いた意欲作。2017年夏、東京の国立新美術館で開催された「ジャコメッティ展」では、約2か月半の開催期間中におよそ14万人の観客を動員するなど、没後50年を過ぎてなおその人気は高く、その天才を本作ではジェフリー・ラッシュが熱演。実力派俳優のアーミー・ハマーが、ジャコメッティと対峙する青年を好演した、要注目の一作だ。ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画のモデルを務めたジェイムズ・ロードの回顧録「ジャコメッティの肖像」(みすず書房)を脚色・監督した才人は、『プラダを着た悪魔』などで知られる性格俳優のスタンリー・トゥッチ。映画を知り尽した名優による演出も冴え、豪華実力派俳優同士による“セッション”も見逃せない。特典映像としてジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、スタンリー・トゥッチ監督のインタビューなどを収録予定。『ジャコメッティ 最後の肖像』ブルーレイ&DVDは6月20日(水)より発売、同日レンタル開始。『ジャコメッティ 最後の肖像』ブルーレイ価格:4,700円+税『ジャコメッティ 最後の肖像』DVD価格:3,800円+税発売元:株式会社キノフィルムズ/木下グループ販売元:ポニーキャニオン(C) Final Portrait Commissioning Limited 2016(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジャコメッティ 最後の肖像 2018年1月5日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて順次公開© Final Portrait Commissioning Limited 2016
2018年03月28日映画『ジャコメッティ 最後の肖像』が、2018年1月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開される。スイス出身の天才彫刻家、アルベルト・ジャコメッティ彫刻のほか、油彩、素描、版画など様々な作品を残した20世紀を代表する芸術家、アルベルト・ジャコメッティ。日本で11年ぶりに開催された大回顧展「ジャコメッティ展」が約14万人の観客を動員したことからも、今なお多くの人を惹きつけるアーティストであることがわかる。『ジャコメッティ 最後の肖像』はジャコメッティの最後に手掛けた肖像画の、18日間にわたる制作過程の裏側を描く。監督・脚本は『プラダを着た悪魔』出演の俳優、スタンリー・トゥッチメガホンを取るのは、『プラダを着た悪魔』や『ラブリーボーン』などに出演した俳優、スタンリー・トゥッチ。ジャコメッティの大ファンであったスタンリーは、脚本を10年間温め続け、満を持して制作に取り掛かった。本作は、最後に手掛けた肖像画のモデルを務めたジェイムズ・ロード自身が書いた回顧録「ジャコメッティの肖像」をベースに、ジャコメッティを取り巻く複雑な人間関係、創作に対する姿勢などを緻密に描く。肖像画モデルが見た"天才の妥協なき創作現場"ストーリーの舞台は、1964年パリ。個展が始まったばかりのジャコメッティは、アメリカ人の作家で美術評論家であるロードに肖像画のモデルの話を持ちかける。憧れの作家直々の申し出に名誉と好奇心を感じたロードは、2日あれば終わるとの言葉を信じ、彼のアトリエに向かった。しかし開始早々「肖像画とは決して完成しないものだ」と発する。その後、愛人の来訪や度重なるスランプによって完成日が遠のき、ロードの帰国も延期された。"見えるものをそのままに"の信条を貫き通す、本能のままに生きるジャコメッティの肖像画は果たして完成するのか。そして、その一部始終を見ていたロードは無事にアメリカへ帰国できるのだろうか。【詳細】『ジャコメッティ 最後の肖像』公開日:2018年1月5日(金)、TOHOシネマズ シャンテ ほか、全国ロードショー監督・脚本:スタンリー・トゥッチ出演:ジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、クレマンス・ポエジー ほか配給:キノフィルムズ©Final Portrait Commissioning Limited 2016
2017年11月17日20世紀を代表する芸術家であり、死後約半世紀を過ぎても老若男女多くの人を惹きつけてやまない彫刻家アルベルト・ジャコメッティが、最後の肖像画の創作過程を描いた『ジャコメッティ 最後の肖像』。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのバルボッサ役で知られるジェフリー・ラッシュがジャコメッティ役を演じる本作から、この度予告編が到着した。今回到着した予告編では、ジェフリー扮するジャコメッティと、アーミー・ハマー演じる友人でありモデルとなったジェイムズ・ロードとの18日間にも及ぶ地獄のセッションが、アーティスティックながらユーモラスに描かれている。1日でモデルは終わると思っていたロードだが、しかしアトリエに舞い込む様々な出来事に翻弄され、肖像画の制作は1日1日と延びていってしまう…。映像では、当時すでに名声を得ていたジャコメッティだが、自分の目で見たままを捉え作品で表現しようと葛藤し、一方で画廊から得た大金を放り投げたりなど、知られざるジャコメッティの姿も映し出されている。また、乱雑に置かれた作品の数々など、ジャコメッティ財団お墨付きの忠実に再現されたこだわりの彫像やアトリエのセットにも注目してみて。『ジャコメッティ 最後の肖像』は2018年1月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年11月13日20世紀を代表する、スイス生まれの彫刻家・ジャコメッティの大回顧展が国立新美術館で開催中(〜9月4日)。ジャコメッティといえば細長いシルエットの作品でおなじみだが、その作風にいたった理由を同館の学芸員を務める横山由季子さんに聞いてみた。 「見えるものを見えるとおりに表現するために、髪形や服装などは飾りでしかない、人間の本質的な部分ではない、そう考えた彼は余計なものをどんどんそぎ落としました。試行錯誤の末、最終的に残ったのがあの姿でした」 スイスのスタンパという小さな村で育ったことも関係しているそう。 「スタンパはアルプスに囲まれた谷にある村で、村の斜面には幹の細い木がまっすぐに生えていました。そんな風景も作風に影響したといわれています」 そんなジャコメッティ作品を、彫刻と見た目がそっくりな、お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎が解説。 【鼻】(’47年) 「生きていると同様に、死んでいる何ものか」を求め表現した作品。「この長い鼻……、どんなウソついちゃったんですか!?(矢部) 【犬】(’51年) 雨の中歩いていた犬がモデル。やせ衰えこうべを垂れた姿に自分を重ねた。「動物でも、動作の瞬間が忠実に切り取られている!」(矢部) 【大きな頭部】(’60年) この作品のモデルは弟・ディエゴ。「近づいてみると、手で作った跡が表面に残っていて、ジャコメッティの創作の跡を感じられますね」(矢部) 【大きな女性立像II】(’60年) 展示作品のうち、もっとも大きい女性立像(高さ276cm)。「見あげた感じは、バレーボールの大林素子さんみたいですね」(矢部) 矢部は、ジャコメッティの世界観の魅力を次のように話す。 「彫刻のポーズを再現するのは体勢的につらくて、足がプルプルしていました。動作の瞬間が忠実に捉えられているのだと実感しましたね。一見、孤独さを感じさせる作品にも、同時にどこかユニークさもあって。そんな味のある人に僕もなれたら、と目標にしたいです」
2017年07月06日国立新美術館では、平成29年6月14日(水)〜9月4日(月)の期間中「国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展」が開催されます。20世紀を代表する彫刻家で、細長く引き伸ばされた人物像で知られるジャコメッティ。南フランスにあるマーグ財団美術館のコレクションを中心に、初期から晩年までの作品約135点が展示されます。マーグ財団美術館の中庭に立つジャコメッティArchives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)ジャコメッティってどんな人?スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966 年)は、20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりと言われています。アフリカやオセアニアの彫刻やキュビスムへの傾倒、そして1920年代の終わりから参加したシュルレアリスム運動など、同時代の先鋭的な動きを吸収したジャコメッティは、身体を線のように長く引き伸ばしたまったく新しい独自の彫刻スタイルを確立しました。またジャコメッティは、日本人哲学者である矢内原伊作(1918〜1989年)と交流したことでも知られ、矢内原をモデルとした制作は、ジャコメッティに多大な刺激を与えました。見どころをご紹介!日本で開催されるジャコメッティ展としては11年ぶりの個展となる今回の展覧会。彫刻約50点、絵画約5点、素描と版画約80点と多くの作品が出品される展覧会の見どころをご紹介します。●ジャコメッティの代表的な彫刻が集結アルベルト・ジャコメッティ 《犬》 1951年 ブロンズ マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、サン=ポール・ド・ヴァンスArchives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)ジャコメッティの彫刻には、豊かなヴァリエーションがあります。キュビスムやシュルレアリスムなどに影響を受けた第二次世界大戦前の試み、モデルを前にして制作された彫像、わずか数センチの小さな人物像や複数の人物を組み合わせた群像、そして、細長い人物像まで、あらゆる時代の代表作が一堂に会します。世界的な彫刻家の歩みを辿りましょう。●実現しなかったチェース・マンハッタン銀行のための大作3点アルベルト・ジャコメッティ 《歩く男Ⅰ》 1960年 ブロンズ マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、サン=ポール・ド・ヴァンスArchives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)チェース・マンハッタン銀行からの依頼を受けて、ニューヨークの広場のために制作された3点の大作、《歩く男I》《女性立像II》《大きな頭部》がそろって出品されます。このプロジェクトは実現しませんでしたが、最晩年のジャコメッティの挑戦を、壮大なスケールによって体感できます。芸術によって人間の本質を追い求めた稀代のアーティスト、ジャコメッティの生涯にせまる展覧会となっています。ぜひ足を運んでみてくださいね!■開催概要タイトル : 国立新美術館開館10周年ジャコメッティ展会期 : 平成29年6月14日(水)〜9月4日(月)会場 : 国立新美術館 企画展示室 1E開館時間 : 10:00〜18:00 金曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで休館日 : 毎週火曜日料金【当日】一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円【前売り】一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円※前売券は4月1日(土)〜6月13日(火)までの販売。国立新美術館では6月12日(月)まで※中学生以下は無料※団体は20名以上※障害者手帳をご持参の方(付き添いの方1名含む)無料お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)国立新美術館ホームページ展覧会ホームページ※画像写真の無断転載禁止
2017年03月09日フランスで活躍した彫刻家であるアルベルト・ジャコメッティの没後半世紀を経た大回顧展「ジャコメッティ展」が、6月14日から9月4日まで、東京・六本木の国立新美術館にて開催される。スイスで生まれ、フランスで活躍した20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりであるアルベルト・ジェコメッティは、1935年からモデルに向き合いつつ、身体を線のように長く引き伸ばす独自のスタイルとなるまったく新しい彫刻を創出した。見ることと造ることのあいだでの葛藤しながら、虚飾を取り去った人間の本質に迫ろうとする特異な造形は、実存主義や現象学の文脈でも評価された。同展では、南フランスのマーグ財団美術館のコレクションを中心とした彫刻家ジャコメッティの大回顧展となっており、初期から晩年までの彫刻、油彩、素描、版画など、選りすぐりの約135点もの作品が出品される予定だ。なお、国立新美術館展示後は10月14日から12月24日まで愛知・豊田市の豊田市美術館にて愛知展が開催される。【展覧会情報】「国立新美術館開館10周年ジャコメッティ展」会期:6月14日~9月4日開場:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで、入場は閉館30分前まで)休館日:毎週火曜日観覧料金:一般1,600円(1,400円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生800円(600円)、小学生以下無料※( )は前売り料金、20名以上の団体料金*作家名(アルベルト・ジャコメッティ)、作品名、制作年、素材、所蔵館、クレジットは各画像ごとに記載
2017年03月05日「国立新美術館開館10周年ジャコメッティ展」が、2017年6月14日(水)から9月4日(月)まで国立新美術館にて開催される。本展は、20世紀を代表する彫刻家アルベルト・ジャコメッティが制作した、初期から晩年までの彫刻、油彩、素描、版画など約135点が出品される大回顧展。国内で開催されるジャコメッティの個展としては実に11年ぶりとなる。彫刻家ジャコメッティの軌跡を巡る展示内容ジャコメッティの作品は、時代ごとにスタイルが徐々に変化していったことで知られる。初期から晩年までのコレクションを包括的に展示する本展では、その変遷を巡りながら、ジャコメッティの制作態度や時代の流れを感じることができる。初期ジャコメッティは1901年スイスに生まれ、1922年にパリへ移ってからは主にフランスで活動した。パリに出てきたばかりのジャコメッティが出会ったのは、当時まだ新しかった芸術様式のキュビスムや、アフリカ、オセアニア彫刻の造形だった。出品作の一つ《女=スプーン》は、アフリカのダン族が用いる擬人化されたスプーンに想を得たもので、西洋の外から受けた影響を如実に感じられる。シュルレアリスム30年代、サルバドール・ダリやアンドレ・ブルトンに誘われたジャコメッティは彼らが活動するシュルレアリスムグループと近づき、檻の中や舞台の上に複数のオブジェを組み合わせた特徴的な彫刻作品を制作している。この頃の代表的な作品には、頭蓋骨や“死”のイメージなど、当時の彼の体験や関心を反映した《鼻》がある。しかし、1933 年の父の死後は頭部を作り始めるようになり、その翌年にはシュルレアリスムと決別した。小さな像1935年から1940年代前半は、モデルと向き合いながら独自の造形を模索する作業に没頭。その過程で極端に小さな彫刻が作られた。彼は、「見たものを記憶によって作ろうとすると、怖ろしいことに、彫刻は次第に小さくなった。それらは小さくなければ現実に似ないのだった。それでいて私はこの小ささに反抗した。倦むことなく私は何度も新たに始めたが、数か月後にはいつも同じ地点に達するのだった」と述べている。細長い彫刻1945年から再び彫刻は大きさを取り戻し、有名な細長い彫刻が生まれた。ジャコメッティが手に入れたまったく新しい彫刻の形である。人間の本質に迫るため、虚飾を一切取り払って極端に細くなった像は、実存主義や現象学の文脈においても評価された。本展では、この傾向になった最も初期の作品《大きな像》が出品される。さらに、細長い彫刻のテーマとして頻繁に現れた“歩く男”の到達点とされる作品《歩く男Ⅰ》も、本展に登場する。これは、ニューヨークのチェース・マンハッタン銀行のためのモニュメントのひとつとして試みられたが実現しなかった大作だ。ほか2点《女性立像Ⅱ》、《大きな頭部》も揃って出品されるが、それらの壮大なスケールは必見。ジャコメッティと矢内原伊作ジャコメッティ芸術はモデルとの対峙が重要な点であり、日本人哲学者の矢内原伊作は、その長時間に渡る制作と向き合うことができた数少ないモデルとして知られている。彫刻ができるまでに描かれた数多くの油彩画やスケッチも、見どころの一つである。マルグリット&エメ・マーグ財団美術館について出品作品の中心は、南フランスのマーグ財団美術館によるもの。同美術館はパリとチューリヒのジャコメッティ財団と並び、世界3大ジャコメッティ・コレクションのひとつとして名高い。代表作も数多く所蔵する美術館が全面協力した展覧会となるため、一度は目にしたことがある作品をきっと生で鑑賞することができるはずだ。概要「国立新美術館開館10周年ジャコメッティ展」会期:2017年6月14日(水)から9月4日(月)会場:国立新美術館 企画展示室 1E住所:東京都港区六本木7-22-2開館時間:10:00~18:00休館日:毎週火曜日料金:一般 1,600円(1,400)、1,200円(1,000)、800円(600)※()内は団体、前売り料金。※中学生以下無料。※障害者手帳をご持参者(付添い1名含む)無料チケット:国立新美術館、展覧会ホームページ、イープラス、セブンチケット、チケットぴあ、ローソンチケットほか主要プレイガイド※プレイガイドによって手数料がかかる場合あり。※前売券は4月1日(土)から6月13日(火)まで販売。国立新美術館では6月12日(月)まで。巡回先:愛知県・豊田市美術館(10月14日(土)~12月24日(日)■TBSテレビ「サワコのひとり旅㏌フランス~天才彫刻家ジャコメッティを訪ねる極上三ツ星紀行~」放送日:2017年7月2日(日) 16:30~17:00ジュンコ シマダ(JUNKO SHIMADA)を手掛ける、デザイナー島田順子と作家・エッセイストの阿川佐和子が、彫刻家・ジャコメッティの足跡を巡る旅番組が放映される。番組のナレーションは、女優の真矢ミキが担当。【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2017年02月24日