STMicroelectronicsは、動作温度範囲を最大105℃まで拡張した「Industrial-Plus Serial EEPROM」としてI2Cの「M24シリーズ」ならびにSPIの「M95シリーズ」を発表した。2シリーズは合計34品種で構成され、各種メモリ容量(2Kビット~512Kビット)ならびに各種パッケージ(SO8NまたはTSSOP)を選択することができるほか、デバイスの信頼性も向上させたため、より厳しい温度条件でも動作する機器に使用することが可能だという。そのため、主なアプリケーションとしては、高度な産業用制御機器、ネットワーク機器、スマート照明システム、スマート・パワー・スイッチ、コンピュータ・サーバ、過酷な環境で使用される無線通信モジュールなどが含まれるという。また、4msの書き込み速度と、最大20MHzのクロック周波数に対応しているほか、書換回数は最大400万回まで対応している。さらに設計者は、内蔵されているトレーサビリティ用のデバイス識別コードや、シリアル番号、識別子、トレーサビリティなどの機密情報を保護する書き込みロック可能なページも利用することができるという。なお、同製品群はすでに量産出荷を開始しており、各種メモリ容量/パッケージ/バス・インタフェースのサンプルも入手可能。単価はメモリ容量2KビットでパッケージがSO8NまたはTSSOP8の「M24C02-DRE」で1000個購入時に約0.09ドルだという。
2015年04月03日部屋がおしゃれな人が導入しているイメージの強い、間接照明。寝付きが良くなり、さらに睡眠の質を上げる可能性があると言います。そこで間接照明にする利点と、その上手な取り入れ方法をご紹介いたします。間接照明は睡眠の質を高める?照明には、直接辺りを照らす直接照明と、光を壁や天井に当て、その反射光を利用して辺りを照らす間接照明とがあります。間接照明とは反射照明のこと。光は反射することで柔らかくなり、雰囲気をつくり出すという効果を発揮するようになります。そのため、「間接照明=おしゃれ」というイメージになるのですね。そんな間接照明は、睡眠にも良い効果をもたらすことがわかってきています。人間は陽の光が出ている昼間に活動する生き物ですから、大昔から暗くなったら眠るというサイクルが身体に染み付いています。反面、動物の本能として「暗闇が怖い」ということが刷り込まれており、個人差こそありますが、真っ暗な空間だと精神的な不安が増長される可能性があるのです。そうした人間の本能に照らし合わせると、間接照明は大変効果的だといえるのです。効果的な間接照明の取り入れ方をご紹介!間接照明は、どのように取り入れると効果的なのでしょうか。まず、目に付きにくい場所に設置することを検討しましょう。足元やベッドの下に配置して、床に反射させると足元がぼんやり明るいという程度になるので、リラックス効果は絶大です。また、照明は暖色系の明かりのものを選ぶと良く、照明器具は調光装置など明るさを自由に選べるものをセレクトしてください。人は気持ちに波があるものなので、同じ光でも「明るすぎる」「暗すぎる」と感じることがあります。気分によって明るさを調整できることで、よりリラックス効果を得ることができます。間接照明と一緒に取り入れることで、一層良質な眠りに誘う習慣とは間接照明でせっかく精神が安らいでも、他の要因で覚醒させてしまったら意味がありません。スマートフォンやPCからは、ブルーライトと呼ばれる神経を覚醒させる光が放たれています。そのため、就寝前は、離れるようにしましょう。近くに置いておくと、ついチェックしてしまうものです。また、視覚や聴覚、嗅覚を使うことも良質な睡眠を得るポイントです。部屋はビビッドな色にするのではなく落ち着いた色みにし、クラシックや波・鳥の声などの自然の音のCDを流すと良いでしょう。さらに、ラベンダーなどリラックス効果の高いアロマを活用するのも効果があります。「眠りモード」に精神を誘っていくようにしてください。就寝前1時間は、眠りに就く準備の時間と位置付けて、間接照明の導入と共に上記の習慣を実践してみてください。Photo by tanya
2015年03月13日○「スマートデータ」「スマートサポート」実現に向け「CLOUDIAN HyperStore 5.1」を発表クラウディアンは2015年2月12日、サーバをハードウェアに使いオブジェクトストレージを構築できるソフトウェアの新バージョン「CLOUDIAN HyperStore 5.1」を発表した。同社は、新たに米ホートンワークス社と提携し、分散データ処理ソフトウェア「Apache Hadoop」と連携することを検証し、Hadoopアプリケーションを何ら問題なく活用ができることが公式に認定されている。Hadoopの標準的な分散ファイルシステムである「HDFS(Hadoop Distributed File System)」は、Hadoopのためのデータ保管を目的としたものであり、データストレージを代替するようなものではない。そのため、実際のHadoop分析の際には、ストレージプールに蓄積されたビッグデータをHDFSにコピーする必要がある。またHDFSに蓄えたデータを他の目的に利用する場合には、別のストレージ装置にデータ移動する必要があった。一方、CLOUDIAN HyperStoreは、Amazon S3に準拠したAPIを備えており、さまざまなアプリケーションと連携できる。HadoopはS3 APIを経由したデータ移動に対応するため、CLOUDIAN HyperStoreをデータの保管場所として活用することで効率のよい分析が可能となると同時に、共有も容易となる。つまり、スケールアウト型オブジェクトストレージのCLOUDIAN HyperStoreであれば、汎用サーバを用いたシンプルで拡張性の高いHadoop対応のオンプレミスストレージを構築できる。CLOUDIAN HyperStore Readyに対応したアプライアンスなどを活用すれば、容易にスモールスタートできるというメリットもある。クラウディアンによれば、CLOUDIAN HyperStoreとHadoopとの連携は、ビッグデータを「スマートデータ」とすることを加速すると説明する。また同社は、スマートデータを活用することによって、CLOUDIAN HyperStoreのユーザーに対してプロアクティブなサポートを提供する「スマートサポート」を実現しているという。そこで、米クラウディアンのCMOを務めるPaul Turner氏と、クラウディアン グローバル テクニカル サポート プリンシパル サポート エンジニアを務める佐藤剛宣氏に、スマートデータとスマートサポートについて話を伺った。○収集・格納から分析まで、効率のよい分析を実現── スマートデータとはなにか。どのような利点があるのかTurner氏IDCの予測によれば、世界の情報量は2020年に40ZBという数字に達すると見られています。そうした状況に向けて、いわゆる「ビッグデータ」を格納するために、拡張性に優れた大容量のストレージが求められるようになってきました。さらに現在、そうしたビッグデータを基にした「分析」が注目されています。「IoT(モノのインターネット)」や「M2M(Machine to Machine)」の分野においては、多数のデバイスからデータを取り込み、高速に分析することが求められます。そのためには、拡張性に優れ、効率よく分析できる“賢い(スマートな)”ストレージが必要です。スマートデータとは、単なる大容量の情報にすぎないビッグデータに、分析に必要となる要素を加えることによって、“賢く(スマートに)”しようという考え方です。当社のCLOUDIAN HyperStoreは、このスマートデータを実現するストレージシステムです。佐藤氏従来のブロック型ストレージは、データを「ブロック」として格納し、“意味”を持たせることはできません。そのデータがどのようなものか、どういった特性を持つかは、ストレージの外にあるアプリケーションなどで管理する必要があります。一方、オブジェクトストレージ技術は、データを「オブジェクト」として格納したうえ、属性情報である「メタデータ」も保管しています。このメタデータを活用することで、高度なデータ管理を可能としています。このデータに意味を持たせる“スマートデータ”の考え方は、高速かつ高度な分析においては非常に重要です。通常の分析では、“ある期間のデータ”であるとか、“対象となるシステムを限定したデータ”であるとか、何らかのフィルタが必要です。これまでは、すべてのデータを読み出したうえでフィルタをかけていました。オブジェクトストレージであれば、事前にフィルタをかけることが可能となります。しかもCLOUDIAN HyperStoreとHadoopの組み合わせであれば、収集・格納から分析までデータを複数のシステム間に移動する必要がないため、非常に効率のよい分析が実現できます。○3つの特徴を備えたユニークなストレージ── CLOUDIAN HyperStoreを活用するメリットとはTurner氏3つのメリットがあります。1つ目は、非常に拡張性にすぐれていることです。データの増加にともなって、ノードを追加するだけで拡張できるのは大きな特長です。需要とともにシステムを拡張できるため、従来のストレージシステムのように、需要に先立ちシステムを事前設計する必要がありません。需要に応じたシステム容量を用意できることは、コスト削減に大きく貢献します。2つ目は、「レプリケーション(Replication)」と「イレジャーコーディング(Erasure Coding)」を同一のプラットフォームで実現していることです。お客様はコストとパフォーマンスのバランスをとりながらデータを格納する最適な方法を選択することができます。単に複製を作成するレプリケーションはパフォーマンスに優れるものの、大きなオーバーヘッドが発生します。イレジャーコーディングは、ほとんどディスク効率を低下させずに、高い耐障害性を実現できます。CLOUDIAN HyperStoreであれば、データ保護のために、パケット単位でイレジャーコーディングかレプリケーション(ミラーリング)の選択が可能です。3つ目は、地域をまたがった分散(Geo Distribution)が可能である点です。特にIoTの分野では、世界各地に配置されたデバイスからログが収集されます。CLOUDIAN HyperStoreであれば、米国のデータは米国のデータセンターに、欧州のデータは欧州のデータセンターに、日本のデータは日本のデータセンターに格納しておきながら、それらのデータセンターに分散したデータを、1つのストレージシステムとして効率よく扱えます。CLOUDIAN HyperStoreは、こうした3つの特長を兼ね備えた非常にユニークなストレージシステムなのです。○Hadoopとの連携により「スマートサポート」を実現── スマートデータによって実現される「スマートサポート」とは佐藤氏従来の一般的なユーザーサポートは「リアクティブ」、すなわち何かトラブルが発生したときに初めて実行する対処療法にすぎません。ビッグデータ解析の技術によって、トラブルを未然に防ぐ「プロアクティブ」なサポートが期待されるようになりました。ところが、昨今は仮想化技術やクラウドの普及によって、システムが非常に複雑化しています。プロアクティブなサポートを実現しようと思っても、ログの量は膨大なため人が状況を的確に判断することは難しく、結果的にサービス品質が低下しています。それをサポートするのが、Hadoopに代表される分析システムですが、ただ分析の機能が存在するだけでは不十分です。たとえば、シャーロックホームズのように事件が起こってから犯人を捜し出すように、トラブルから原因を突き止めるのは比較的容易ですが、“原因となりうるもの”からトラブルを予期するためには、膨大な情報を分析する必要があります。CLOUDIAN HyperStoreであれば、膨大なデータを比較的安価に格納しておくことが可能です。またHadoopとの連携によって、効率のよい分析が可能となります。当社では、この機能を活用し、ユーザーが利用しているCLOUDIAN HyperStoreからインターネット経由でお客様が利用するCLOUDIAN HyperStoreのログを収集して、プロアクティブなサポートを実現しています。それがクラウディアンの「スマートサポート」です。特にサービスプロバイダーなどは、多数のエンドユーザーを抱えており、各ユーザーは多数のシステムログを保有しています。しかし、それらのデータ量は多く、活用に苦労しているというのが現状です。今後は、当社自身が導入事例となって、スマートサポートの仕組みを提供できると考えています。
2015年03月11日国際照明総合展「ライティング・フェア2015」が、東京ビッグサイトで3月3日から6日まで開催された。今回のテーマは「Jump to the next(次のあかりの世界へジャンプ)」。LED照明はすでに普及期に入り、効率や演色性、配光角といった課題もクリアされつつある。では、"次のあかりの世界"とは何なのだろうか。展示内容から筆者が見つけた一つの答えは、ワイヤレスネットワークでの照明制御だ。○照明をネットワーク化することの意味照明のオンオフは、個々の機器に備わるスイッチや壁スイッチなどで行うことが多い。部屋の照明は1台のみ、という場合はこれで何も問題ないだろう。しかし、家庭用照明は多灯化の方向へ向かいつつある。1台だけではなく、複数のダウンライトやブラケットライト、ペンダントライトなどを組み合わせる場合、それぞれのスイッチやリモコン、あるいは単純な壁スイッチによるオンオフだけでは不便だ。例えば、LDKの間取りでキッチンの照明をオンにして、リビングはオフにしたいという場合に、スイッチ1つでキッチンの照明もリビングの照明も操作できるようにするのが、"ライコン"と呼ばれる機器だ。ライコンを使用すれば、個々の、あるいはグループ化された照明器具のオンオフに加えて、調光や調色なども行える。従来のライコンは壁に埋め込まれており、ユーザーがそこまで行って操作する必要があった。一括で操作できるとはいえ、ユーザーが移動するという点では壁スイッチと変わらない。そこで登場したのがワイヤレス操作を行えるライコンだ。○米国でスタンダードな「EcoSystem」下の写真はLUTRON社のライコン「GrafiK Eye Qs」だ。照明制御プロトコル「EcoSystem」に対応しており、同規格に対応した照明器具を64台まで一括してコントロールできる。タイマーによるスケジュール動作やセンサーによる動作も可能だ。EcoSystemは米国ではスタンダードになっている照明制御プロトコルだ。個々の照明器具にアドレスが振られており、屋内配線をグループごとに別にしなくても制御できる。専用のリモコンから操作できるほか、RS-232Cでの制御もでき、パソコンなどからの操作が可能だ。○省エネだけじゃない「ECHONET Lite」規格国内のメーカーからも、ワイヤレス操作が可能なライコンはリリースされている。それらは、ライコンの本体側で登録したシーンを、小型のリモコンで切り替えるというもので、操作性としてはLUTRON社のものと近い。しかし、国内の大手家電メーカーの多くは、HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)、なかでも通信規格「ECHONET Lite」でのコントロールに取り組んでいる。ECHONET Liteは、太陽光発電と組み合わせることが多かったり、個々の家電製品の使用電力を"見える化"してくれたり、と省エネのための仕組みと捉えられることもしばしば。しかし、ECHONET Liteは、同規格に対応した製品をリモート操作するためのプラットフォームとしても有効だ。各機器の状態確認や操作などはスマートフォンやタブレットから行える。設定したシーンに合わせて、複数の照明器具の調光や調色を同時に調整可能だ。写真のシステムは東芝ライテックのものだが、スマートフォンなどから照明を操作できるシステムは他社からもリリースされている。○ロームブースには無線ユニットを組み込んだランプもECHONET Liteとは異なり、単独で動作するシステムを提案するのがロームだ。ロームでは、無線を使用した照明器具の制御に取り組んでいる。ロームの照明器具は、個々の器具に組み込まれた無線ユニットによって、リモコンから操作できるようになっている。また、リモコンにはバッテリーレス無線発信技術「EnOcean」を採用。リモコンのスイッチを押す力で電力を発生させるため、電池を必要としない。ここまでみると、照明器具とリモコンという、よくある組み合わせだ。しかし、ロームはEnOceanに対応したゲートウェイ(照明を制御するコントローラー)を提供。これを利用することで、スマートフォンやタブレットなどからワイヤレスで照明を操作できる。従来のライコンとは異なり、屋内配線はそのままでOKだ。またロームのブースでは、無線ユニットを内蔵したランプも出展していた。下の写真は、GX53口金を使用したLEDユニットを光源とするスポットライトだ。ランプ側に無線ユニットを組み込むことによって、GX53口金を採用したさまざまな照明器具をワイヤレスでコントロールできるようになる。従来の電球と置き換えるだけなので、導入しやすいのも特徴だ。○一般家庭への普及はこれからだが、期待は大きい照明のワイヤレス制御については、さまざまなものが提案されているものの、国内での普及はまだまだこれからだ。EcoSystemを使用したシステムは、米国で実績を残しているため、対応する機器も多い。ECHONET Liteを使用した制御は、照明以外の家電製品も一括でコントロール可能というメリットを持っている。他の機器に搭載されたセンサーからの情報を利用して別の機器を制御するといったことも可能だ。ロームの無線によるコントロールは、今までの環境に何かを追加するだけ、あるいは置き換えるだけ、という導入のしやすさが大きなポイントだといえるだろう。
2015年03月09日●高演色タイプのLED照明○Ra95のLED照明が家庭向けにも登場東京ビックサイトで開催の「ライティングフェア2015」では、より忠実な光のLED照明が各社から展示されていた。ここでは、各社の高演色LED照明や、有機EL関連を紹介したい。軽くおさらいすると、現在市販されている白色LEDの多くは、青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせた構造になっている。光の三原色であるRGB(赤・緑・青)のLEDを組み合わせるとコストが高くなるため、LED+蛍光体で実用化されたと考えてよい。理科の授業でプリズム実験をしたことがあれば、太陽光が光の波長をまんべんなく含んでいることを覚えているだろうか。対して白色LEDの場合、光の波長分布がいびつな形となっている。屋内だと肌がくすんで見えるとか、食べ物がまずそうに見えるのも、この辺が1つの理由だ。理想的な光(太陽光)と比較したとき、比較対象の光がどれくらい違うかを数字にした指標を、演色評価数という。平均演色評価数(Ra)と、特殊演色評価数(Ri)が規定されている。理想は「Ra100」や「Ri100」だが、波長成分のズレによってマイナスされていく。例えばオフィスなら、Ra80以上が望ましいとされている。この演色性を重視したLED照明が、ライティングフェア2015の出展各社から登場していた。○パナソニックの「美ルック」パナソニックは4月から順次、「美ルック」のラインナップを拡充し、美ルックの新製品でRa95を実現する。今までの白色LEDよりも黄色成分を抑えつつ、波長の長い赤色成分を増やすことで、高演色にしたとのことだ。○三菱電機はアパレル業界向け「彩明」や生鮮食品用「鮮明」をデモ業務用途向けに、高演色LEDやシーン別のLED照明をアピールしているブースが散見された。そのひとつ、三菱電機のMyシリーズは、Ra95の高演色タイプを参考出品していたほか、アパレル業界向け「彩明」、生鮮食品用「鮮明」のデモ展示が興味深かった。●東芝ライテック、太陽誘電、日立アプライアンスは?東芝ライテックはRa95の「キレイ色-Pro-」を展示していたが、こちらも業務用途での展示のみだった。太陽誘電は高色帯域LCDディスプレイ向けとして、Ra90のLED部品を展示していた。LCDのカラーフィルターに合わせて、青色+緑/赤色蛍光体を採用している。数値より見えやすさにこだわったのが、日立アプライアンスの「ラク見え」だ。こちらは青緑のLEDを採用することで、光の波長を幅広く含めるようにしている。また、ロームブースでは冷蔵ショーケース向けのライトを展示していた。●有機ELも高寿命化、薄型を生かしたパネル化へ○有機ELも高寿命化、薄型を生かしたパネル化へLEDと有機ELを比べたとき、高演色性では有機ELが勝るとされてきた。一方、寿命や効率でLEDに劣るため、まだ実用的とはいいにくい。今回のライティングフェアでは、高寿命化への取り組み(4~5万時間となり実用レベル)や、使いやすさを追求するためのパネル・部品化の展示が見られた。現在、有機ELの泣き所は、絶対的なパワーだ。出展社の一部からは、「有機ELも展示しているが、製品として利用するには明るさが足らないので、市販は当分できないかもしれない」という声があった。○単に明るい、ハイパワーから質への変化LED照明はこれまで、明るさや寿命をアピールしてきた。しかし、明るさは若干犠牲にしつつも「見え方」を変えたりと、市場の特性に合わせた高品質への移り変わりを感じた。演色性という数値は指標の1つだが、単にそれだけにはこだわらずに、キレイな明かりを選ぶために迷ってしまうような製品が増えてほしいものだ。
2015年03月06日パナソニックは3月3日、住宅用LED照明器具「美ルック(ミルック)」の新モデルを発表した。今回の新モデル追加によって美ルックシリーズのラインナップが拡充され、12製品444品番となる。4月10日から順次発売し、希望小売価格は7,800円から114,000円(いずれも税別)。美ルックシリーズは2014年4月に374品番が発表されていたが、今回のラインナップ拡充によって合計444品番となった。美ルックとは、光のスペクトル制御によって鮮やかな色を再現するLED照明器具。580nm付近の波長を調整することで、平均演色評価数Ra95と自然光に近い演色性を実現した。肌の色や食べ物、インテリア、植物などの色を引き立てる。また、新たに面発光の「パネルミナ」シリーズと、建築と一体化する照明「HomeArchi」シリーズにも美ルックを搭載。パネルミナは2013年3月に発表したシリーズで、パネル型の薄型ボディーに導光板と光を拡散させるカバーを組み合わせたもの。カバー全体に光を拡散して均一に発光させるので、まぶしさを抑えられるのが特徴だ。HomeArchiは、「灯りが建築と共鳴する」というコンセプトをもとに開発された照明器具。光が自然に生活の背景として溶け込むような照明空間を構築することを目的としている。
2015年03月03日インターメスティックはこのほど、曲がるメガネ「Zoff SMART(ゾフ・スマート)」シリーズから「Zoff SMART CLASSIC(ゾフ・スマート・クラシック)」の販売を、全国のZoff店舗およびオンラインストアにて開始した。Zoff SMARTシリーズは、2011年10月に誕生した曲がるメガネ。耐熱性や強度と剛性、幅広い耐薬品性を備えた素材「スーパーエンジニアリング・プラスチック」を用い、軽さに加え壊れにくさを実現させた。2013年12月には「Zoff SMART NEO-METAL(ゾフ・スマート・ネオメタル)」(1万2,000円/税別)、2014年10月には「Zoff SMART Skinny(ゾフ・スマート・スキニー)」(9,000円/税別)を発売している。今回発売するのは、天地を広くとったフロントに彫金風の装飾を施したテンプル(つる)を合わせたクラシックメガネ。これまでの2倍以上の生産工程を費やし、クラシックフレームの細部や立体感を表現した。表面には本物の金属膜の蒸着加工をし、プラスチックながらもメタルの質感を出した。見た目は金属でも、ぐにゃりと曲がるのでフィットしやすい。軽量も、通常のプラスチック製のメガネで多く使用される素材・アセテートによる類似デザインのクラシック商品と比較すると、約20%軽くなっている。テンプルとヨロイには、高精細レーザーで彫刻やエッチングを施した。フレームは、スクエア型の「HUBBLE(ハブル)」、ボストン型の「GEMINI(ジェミニ)」、サーモント型の「VOYAGER(ボイジャー)」、ウェリントン型の「MAGELLAN(マゼラン)」があり、全12通りの種類がある。価格は標準レンズ代を含めて1万2,000円(税別)。
2015年02月18日クックパッドは2月4日、スマートフォンブラウザのクックパッドにおいて、リッチラボが提供するスマートフォン向けリッチメディア広告「プライムウィンドウ」を、広告商品のラインナップに追加した。同商品は、スマートフォンブラウザにて表示するクックパッドのページ背景に1枚の広告画像を掲載し、スクロールの特性を活かしたスマートフォン向けブランド広告として、コンテンツの間から背面の広告クリエイティブをのぞかせることでユーザーの関心を喚起する。同社によると、スマートフォンブラウザによるクックパッド利用者数は、2014年10月時点、月間のべ2300万人を超える。スマートフォン広告売上は広告費全体の約40%を占め、順調に成長しているという。
2015年02月05日NTTネオメイトは、企業がスマートデバイスを活用するために必要な情報セキュリティ対策や各種管理機能をトータルでサポートする「AQStageスマートデバイス管理 by AirWatch」を1月28日から全国で提供開始する。同サービスは、ヴイエムウェアのモバイルデバイス管理製品「AirWatch by VMware」を活用し、NTTネオメイトのクラウドサービスのラインアップとして提供する。具体的には、スマートデバイスを活用する際に必要なデバイス管理をはじめ、さまざまな管理機能から必要な機能を選択することにより、ユーザーの利便性を実現しながらセキュリティの確保を実現する。同サービスでは、単一の管理コンソールから「デバイス」「アプリケーション」「メール」「コンテンツ」を一括管理でき、会社のポリシーに準拠させることが可能なほか、オンライン専用型(端末にデータを残さない)と異なり、ネットワークに接続できない環境でも利用できる。また、マルチテナント機能により、部門やグループ会社といった組織階層構造を管理構造にマッピングすることで、各組織の特性に応じたポリシーを適用することが可能。同サービスは、「MDM(モバイルデバイス管理機能)」「MAM(モバイルアプリケーション管理機能)」「MEM(モバイルEメール管理機能)」「MCM(モバイルコンテンツ管理機能)」という4つの機能が利用できる。これら4つの機能を組み合わせた4つのメニューから選択が可能。提供メニューの概要料金は、初期費用が1契約当たり2万5000円で、1デバイス当たりの月額料金は、プランAが350円、プランBが400円、プランCが450円、プランDが850円となっている(いずれも税別)。
2015年01月28日日本トラストテクノロジーは1月27日、USB接続のLED照明「LEDテープライト 貼レルヤ USB」を販売開始した。昼光色と電球色の2種類を用意し、販売価格はいずれも税込980円。LEDテープライト 貼レルヤ USBは、パソコンなどのUSBポートに接続して使用する細長いテープ状のLED照明。裏面は両面テープとなっており、用途に応じて壁や天井などに貼り付けられる(USBで電源を供給できることが条件)。5cm単位でカットできる仕様だ。なお、カット後に照明として使用できるのはUSB接続している部分のみ。サイズは幅8mm×長さ500mm、重量は35g。USBケーブルの長さは1,200mm。LEDを30灯備えている。
2015年01月27日スマートフォンやタブレットと連動させて遊ぶ次世代オモチャ、スマートトイ。大人だからこそ楽しみたい次世代スマートトイを紹介する本連載、第10回目はスマホの通知を腕元で受け取れる、スイス生まれの格安スマート「トイ」ウォッチをチェック!!○着信の錯覚は妖怪のしわざ?ポケットの中でイタズラする妖怪をご存知だろうか。スマートフォンの通知がブルっとバイブした気がして取り出してみると、そうでもなかったやつ。そう、それ、"スマホあるある"。絶対ブルったはずなのに、何事もなかったかのように佇むスマホ。この事象にはれっきとした名前が付いていて、幻想振動症候群、またはファントム・バイブレーション・シンドロームというらしい。きっと中2病っぽい妖怪が、「喰らえファントム・バイブレーション!!」と技を繰り出しているのだろう。そんな妖怪のイタズラともおさらばできそうなのが、今回紹介するスマートウォッチ「ZeSplash」だ。なんでもスマホとBluetoothで接続し、着信やメールの通知を振動と音で知らせてくれるという。つまりスマホをポケットに入れたままでも、腕元で通知を受け取ることができる。妖怪ファントム泣かせのスマートウォッチだ。画面は防水型のタッチパネルで、マイクとスピーカーを内蔵。タッチスクリーンを使用して電話をかけたり、ボイスコントロールでスマホをハンズフリー操作することも可能。電話をかけてきた相手の情報を表示したり、毎日の歩数やカロリー消費量も測ってくれる。いわゆるスマートウォッチだが、価格は2万円を切るお手頃なウォッチだ。これさえあれば、妖怪ファントムのスマホ鳴らしの攻撃を防げるかもしれない。というわけでさっそくその実力を確かめてみた。○誰からの電話か手元で確認。着信ウォッチさっそく使ってみようとしたが思わぬ落とし穴があった。それはこの「ZeSplash」のiOSアプリがリリースされていないため、機能が一部制限されるのだ。公式サイトには「iOS 4.0以上/Android 2.3以上」となっているものの、iOSは基本動作のみで、全ての機能が使えるのはAndroid端末のみとのこと。これも妖怪のしわざなのだろうか。気を取り直してとりあえずまずはiPhoneとペアリング。「ZeSplash」の電源ボタンを押し、スマホのBluetooth設定画面からあっけなくペアリング。するとiPhoneの連絡先などを自動で同期する。iPhoneに電話がかかってくると、登録名で通知され、スマホをポケットやカバンに入れたままでも誰からの着信か腕元で確認できる。着信ラグは2~3秒ほど。そのまま「ZeSplash」で応対することもできるが、本体のスピーカーから音がダダ漏れになるため注意が必要だ。また着信通知だけでなく、スマホの着信履歴を見ることもできるため、気付かなかった着信を見るのにも便利だ。○画面をスワイプで切り替え。タッチウォッチベルトや本体の一部は防水ラバー製で、画面はタッチパネル式となっている。「ダイヤル」「電話帳」「音声コントロール」「情報」「Music」「歩数計」「通知」「アプリ」などの機能をスワイプで表示。左右でモード切り替え、下にスワイプすると前画面に戻る。○ハンズフリー操作で、近未来ウォッチ腕元の「ZeSplash」からSiriを呼び出し、遠隔操作することもできる。例えばSiriに音声メモをお願いしたり、天気を聞いたりすることも。スマホを腕元でコントロールするちょっとした近未来気分が味わえる。ただし「ZeSplash」の画面上には検索情報は表示されず、音声のみの応対が続くため、こちらも公共の場での使用には注意が必要だ。妖怪ダダ漏れ。○文字盤を簡単チェンジできる、入れ替えウォッチスマートウォッチらしい楽しみ方として、時計文字盤を上下スワイプで切り替えることが出来る。5種類のバリエーションから選べ、いつでもチェンジできる。○スマホ忘れてますよーの、お知らせウォッチ腕時計型の特長をいかした機能として、「紛失防止機能」が便利。スマホと10メートル以上離れるとZeSplashが振動して教えてくれる。これがあればスマホを家に忘れて出かけることや、居酒屋に置き忘れることもなくなるかも。幻想の振動ではなく、リアルに助けるバイブレーション。○結論:スマート・トイウォッチこれはスマートウォッチではなく、スマート「トイ」ウォッチ。「Apple Watch待ち」の人が「雰囲気」を楽しむにはいいかもしれないが、全体的に「トイ」感が強いため、本格的にスマホと連動して「操作」するのは現実的ではない。どちらかというと、スマホと連携する「通知ウォッチ」として捉えたほうが良さそうだ。ただし単なる通知ウォッチと言って侮るなかれ。最近のスマホが大画面化する中、カバンから取り出すのが面倒だったり、本体が大きすぎてうっかり落としてしまう人も多いだろう。個人的にも昨年iPhone 6をポケットから取り出す時に落として画面を割ったこともあった。街中を歩いている時にポケットでブルって来ても腕元でさっと通知だけを確認できれば安全であり、これぞスマートではないか。今年はApple Watchの発売が噂されているが、案外初めはこういった「通知」のためだけに使用されるかもしれない。そういった意味では、似たような一部機能が一足先に使えるスマホ連携時計に、「トイ」以上の価値を見出す人もいるかもしれない。
2015年01月23日住友化学は1月22日、米Universal Display(UDC)から印刷法を適用した有機EL照明デバイスに関する技術のライセンス供与を受けることで合意し契約を締結したと発表した。住友化学は、今回の契約で取得した技術ライセンスを活用することにより、照明デバイスの発光効率向上に向けた技術開発を加速させ、有機EL照明事業の拡大を図っていくとしている。
2015年01月22日1月14日から16日まで、東京は有明の東京ビックサイトで照明に関するイベント「ライティング ジャパン 2015」が開催された。その中のひとつ「東京デザイン照明展」は比較的デザインに凝った展示が多い。「あまりにも一般的なデザインでは大手メーカーに負けてしまう」という声も聞かれ、ここでは「和風」の観点でいくつかピックアップしてみた。○爪掻本綴織を使用したライトシェード(デザイン応談)白龍庵勝山のライトシェード。西陣織の爪掻本綴織を使用している。これは下絵に合わせて横糸を通すため、完全な手作業。下の写真のような簡単な図柄ですら、織り上げるのに熟練工で2週間もかかるそうだ。布だけで15万ぐらいという(PROTO LIGHTのコーナーに展示されていたので、きちんとした商品という訳ではないようだ)。その代わり、柄物でありながら光の透過がほぼフラットで優しい。一品から、オリジナルデザインで注文可能とのこと。○有田焼ペンダントライト東洋セラミックスの有田焼ペンダントライト「彩」。磁器製なので、光を付けると、シェードから明かりがほんのり透けるあたりに風情がある。○蝋燭風の和照明。提灯での採用事例もウイル電子の和照明。蝋燭(ろうそく)色のLEDで「1/fゆらぎ」を行う、独自開発の「でんろうモジュール」を採用している。中に蝋燭が入っているかのような雰囲気で、和室の寝室に置くとものすごく良さそうだ。モジュールそのものは提灯での採用事例があるとのこと。○PP加工の紙製で安全性に配慮中国のTAK FU HONG MANUFACTURING CO.,LTDの製品。この会社は、ポリプロピレン製品を多く扱っている。照明器具に関しては、紙をポリプロピレンで補強した材料を使っており、今回は着色されていない比較的落ち着いた商品を展示。紙とプラスチック素材のため比較的軽く、例えば地震で照明が落ちても、比較的安全という点をアピールしていた。○美濃和紙ベースの照明彩光デザインの和紙照明。この会社は手すきの美濃和紙を多く使用しているのが特徴だ。特注も受け付けているとのことなので、こだわりの注文住宅や自宅リフォームで利用すると良さそうだ。
2015年01月16日シンガポールを拠点に世界中で照明デザインを手がける、Lighting Planners Associates 服部祐介氏。照明デザインという仕事、そのデザインプロセス、そして国による違いについて、彼が手がけたプロジェクトを巡りながら話を聞いた。○光だけでなく陰もデザインする――"光をデザインする"ということについて教えて下さい。光という存在自体は誰でも知っていますし、皆さんは日常的に光を体験していることだと思います。ただ、光が影響をおよぼす空間の印象や心地よさのようなものは、皆さんが無意識のうちに感じ取っていることが多いので、それをデザインするという仕事は分かりにくいかもしれません。一言でいいますと、この仕事は照明に関する知識を利用して空間を光で演出する職業です。照明デザインと言うと舞台照明、映画照明など様々ですが、我々が専門としているのは建築照明、もしくはもう少し広義に環境照明という分野。照明器具をプロダクトとしてデザインしていると思われることも多いのですが、そうではなく、自然光や人工光(いわゆる照明器具)をツールとして空間をどのような光の環境にするかを考える職業なのです。建築、造園、電気設備など多岐にわたる知識を必要とするちょっと変わった職能かもしれません。照明デザインの歴史は50~60年と浅く、それまでは職業として確立するまでは建築家が照明、主に自然光をどのように空間に取り入れるかを考えていたのですが、建築の用途が多様化し、照明のテクノロジーが複雑化し、専門職としての必要性が高まり生まれました。建築家だけでなく施工主が照明の重要性に気づき始めたことや、省エネが取り沙汰されるようになってからは、私たちの職能がさらに重要視されるようになってきました。建築と私との出会いは、私がまだ高校生の頃に建築家 ル・コルビュジエの展覧会を訪れたことでした。大学で建築を学ぶようになり、そこで人が空間で感じる「環境」を形作るものには、音・光・空調の三つの要素があることを学びます。このとき初めて環境心理学という分野に出会い、大学院に進学以降、主に光環境について研究してつき詰めていくことになりました。ですから、実はデザインを学んだことはないんです。照明デザインを専門に学べる大学は、アメリカ、スウェーデン、ドイツなどにはありますが数は少ないんです。ですから、私が勤めているLighting Planners Associatesという照明デザインの会社には、さまざまなバックグラウンドを持ったひとたちが集まっています。電気設備の設計をやっていたひと、造園をやっていたひと。それぞれいろんなきっかけで照明に出会ったひとたちが集まっています。――シンガポールではどのような仕事を?2008年に赴任しました。当時はまだマリーナ・ベイ・サンズもありませんでした。今もそうですが当時のシンガポールは建設ラッシュ。東京勤務だった頃に海外の案件を担当していたことなどがきっかけで、赴任することになりました。こちらでは都市計画のようなものから、ホテル、商業施設、オフィスビル、住宅コンドミニアムの照明デザインまで、照明に関わる幅広い仕事に携わっています。都市計画の事例として、シンガポール政府からの依頼を受けて、ベイエリアやショッピングエリアなど中心街の景観を形づくる照明に関するマスタープラン策定を弊社で行いました。また、マリーナ・ベイ・サンズホテルに隣接する植物公園 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの照明デザインに私も参画しました。公園内には屋外施設もあるため、夜間の照明をデザインする仕事でもありました。どのエリアが、どの程度の明るさだったら、来訪者に理想のストーリーを体験してもらえるか。照明デザインは、「陰影をデザインする仕事でもある」ということを再認識しました。○来訪者の無意識をあやつるデザインのプロセス――デザインを行う過程について詳しく教えて下さい。ビクトリア・シアター&コンサート・ホールの事例でご紹介します。約100年間の歴史がある古い建物で、老朽化のためリノベーションが行われました。私も2009年から今年まで5年間携わりました。照明デザインのコンセプトは、“Old meets New”を伝えること。シンガポールでは貴重な歴史ある佇まいと、リノベーション後の新しさをハイライトするようデザインしました。○北欧は自然光をいかに取り入れるか、南国は遮るか――国によって違いを感じますか?特に中国のクライアントは、自分の建築をまわりで一番に目立たせることを好むことが多いですね。とにかく、周りより明るく奇抜に目立たせてくれと望む。香港や上海ならよいのかもしれませんが、パチンコ屋のように下品に明るくするのが適切でない立地にある場合は照明の数を減らしましょうと提案することも。こうした建築を取り巻く周辺環境を解釈しながらデザインを考えるマインドセットは建築を学ぶ過程で身につけたものです。自然光に対する考え方も基本的には国によって異なります。たとえば、北欧では限られた自然光を建造物にどう入れられるかという視点でデザインします。一方、赤道直下などの南国では、暑さのしのぐために自然光をいかに遮るかという視点で考えます。その土地の立地、天候、そして経済状況も含めて環境です。照明もそれに対応させます。生活の中に取り入れる照明の明るさの好みも異なります。ヨーロッパでは、レストランでもロウソクの光でステーキを食べたりします。肉がきちんと焼けているかどうかも分からないほど暗い場合もあります。スウェーデンの住宅を訪れたときも、ロウソクのような明かりで生活している家もありました。夕日やいわゆる間接照明などもそうですが、暖かみのある、いわゆる「色温度の低い」光が好まれます。白人は目の色素が薄いので光に敏感だとも言われています。一方、東南アジアなど日照時間が長い地域では、冷たい白色の「色温度の高い」蛍光灯むき出しのところで食事をしてお酒を飲んだりします。日本では、障子や行灯など面で光る照明が日本らしいとされますよね。日本の多くの現代住宅は、天井にひとつ明るい蛍光灯がついていて、リビングをくまなく照らすような環境です。これは、私は知らない時代ですが、親やその前の世代の方々が戦後貧しい時代を裸電球で生活してきたので、明るいことが豊かだというマインドセットがあることに一因があるように思います。――海外での仕事という面で苦労する部分もあると思うのですが。たとえばインドで高層ビルの案件にたずさわっていたときに、予算を使い切ってしまいビル自体の建設が途中で止まったなんてことがありました。また、これはどの国でもあることですが、施工会社とのコミュニケーションに苦労します。日本では考えられないことが起こる。器具の設置作業を指示通りにやってくれなかったりするんですよね。慣れるまではいらいらしていましたが、むしろそれを楽しむ余裕がないとストレスを感じるのではないでしょうか。デザインに対する妥協は好きではありませんが、できるところはしないと作業が進んでいかないこともあります。海外ではそのバランス感覚が必要です。――照明デザインのトレンドを教えて下さい。発光ダイオード、いわゆるLEDがこれまでの照明をすべて置き換えようとしていることでしょうか。省エネにもなりますので、ランニングコストを削減したいクライアントにとっては魅力的です。企業イメージを良くするために照明はすべてLEDを、なんていうことを求められることがあります。しかし、われわれは従来の白熱灯、蛍光灯ほか様々な光を使い分けて提案するようにしています。白熱灯の光と比べてLEDの光は、食べ物のおいしさや女性の肌の美しさを表現することには向いていない。光源それぞれに特性がありますから。その環境に適した光をデザインすることがわれわれの任務です。――デザイナーとして今後の展望は?3.11の東北での震災後、色々な方が色々なことを考えたように、私も照明デザイナーとして何ができるかを考えました。被災地の方々が、電気の無い寒い中、暗く不安な夜を過ごしているのだろう。そこが明るいだけでも少しは安心できるのではないかと、太陽パネル内蔵のLEDが発光するキャンプ用のランタンを被災地に送ったこともあります。この震災がきっかけで、自分の照明デザイナーの社会的役割を考えるようになったと思います。光というのはエネルギーが変換されて得られます。照明にはエネルギーが必要、つまりお金のかかることです。フィリピンのマニラを訪れたとき、夜間に空港からシティーエリアに向かっていたのですが、その道のりにスラム街があり、ものすごく暗くて、いかにも治安が悪そうでした。街が暗いと、犯罪などが起こりやすく治安が悪くなり、ますます貧しくなってしまいます。そういう場所には必要なだけの光があればなと思います。全ての場所を明るくすればよいということではありませんが、こういった負の悪循環は光でも打開できるのではと考えています。いま照明デザイナーを起用するクライアントは、主に経済的に豊かな人や会社です。しかしそうでないひとたちにも自分の力を還元していきたいと思っています。そういった考えの中で将来やらなければと考えているのが、災害が起こった地域や暗く治安の悪い地域などに光を届けるボランティア。昼は太陽が分け隔てなく光を届けてくれます。夜もそうなれば素敵だと思うのです。照明デザイナー服部祐介1980年、東京都生まれ。東京工業大学工学部建築学科卒。同大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻にて環境心理学を研究。工学修士。2006年Lighting Planners Associates に入社し2008年からシンガポール事務所にて照明デザインに従事。主な担当プロジェクトに、表参道アカリウム、ヒルトン東京、Gardens By the Bay、ION Orchard、Tang Plaza ファサード改修、Peranakan Museum, Victoria Theatre and Concert Hall、CapitaGreen、Aman Shanghaiなど。その他、住宅プロジェクトも担当する。国際照明デザイナー協会(IALD)会員
2015年01月06日NTTファシリティーズは12月26日、照明器具の消費電力を削減可能な無線個別調光照明制御システム「FIT LC」を発表した。近年、オフィスビルでは省エネと快適性の両立が求められ、照明においても必要な場所に必要な照度をきめ細やかに制御することが求められている。さまざまな企業が独自技術により、高度な照明制御システムを開発し、市場に導入されているが、照明器具と照明制御装置が同一メーカー製品であることが推奨され、安価な製品を選択できないものが大半である。そこで今回、NTTファシリティーズはアイリスオーヤマ、メガチップス、日比谷総合設備と共同で、安価かつ全メーカーに対応しながら、大幅な省エネ性能を実現した無線個別調光照明制御システムを開発したという。具体的には、1灯ごとの手動または自動による制御、および昼光利用や不在時消灯の自動制御により、制御を行わない場合と比較して最大70%の消費電力削減を実現した。主な自動制御機能として、明るさセンサによるオフィス環境に合わせた昼光利用制御や適正照度制御、人感センサや入退室セキュリティシステム、スケジュールシステムとの連携による不在時消灯やスケジュール制御が採用されている。また、無線帯域には通信距離や回り込み特性に優れ、消費電力の少ない920MHz帯が採用されており、コントローラから50m以上離れた照明器具と通信できる。さらに、照明制御プロトコルにはDALI、調光制御方法にはDALIまたは国内で主流のPWM制御を採用することで、さまざまな照明器具メーカーの製品制御が可能となり、選択の幅が広がった。そして、ビルエネルギー管理システム(BEMS)と連携することにより、空調設備の制御や電力量の見える化などの機能拡張が可能となっている。この他、建物のリニューアル時やオフィスレイアウト変更時には、設定変更のみで点滅区分の変更が可能なため、信号配線工事が不要となり改修費用を抑制できる。なお、同システムは照明器具に無線を受信するモジュールを接続することで、さまざまなメーカーの照明器具に対応することができるが、無線受信機能をあらかじめ搭載した照明器具をアイリスオーヤマがラインナップしている。同製品は、各種センサに対応した自動制御機能を省き、スマートフォンなどによる無線制御に機能を特化することで、ゲートウェイなどを用いない安価なシステムを構築することができるという。
2014年12月26日MMDLaboはこのほど、「2014年スマートフォンでの健康データ管理に関する調査」の結果を発表した。同調査は12月1日~3日、スマートフォンを所有している20歳以上の男女562人を対象に、同社が運営するWEBサイト「MMD研究所」にて実施したもの。健康への気遣いについて聞いたところ、「普段から気遣っている」が32.2%。「気遣っている」の39.5%と合わせると71.7%の人が健康に気遣っていることがわかった。スマートフォンで健康に関する記録をしているかどうかという質問をしたところ、「現在記録している」と回答した人が19.2%だった。「過去に記録をしていた」人の11.0%と合わせると、30.2%の人が健康に関する記録をした経験があることがわかった。また「現在記録をしている」と回答した人の30.4%が「普段から健康に気遣っている」と回答し、健康志向が高いことが明らかとなった。スマートフォン連携の健康管理や活動記録ができるグッズについて聞いたところ、「知っており、利用している」が10.1%、「知っており、過去に利用していた」が5.5%、「知っているが利用していない」が50.5%となり、合わせて認知度は66.1%という結果となった。なお、昨年行った同様の調査と比較すると18.7ポイント増えている。
2014年12月22日ON Semiconductorは、力率改善(PFC)制御を搭載した2つの高性能LED照明用オフラインAC-DCドライバを発表した。「NCL3008x」ファミリに加わった「NCL30085/6/8」の3品種は、高い力率を必要とする最大60Wのシングルステージ設計に対応している。また、「NCL30030」は、既存のソリューションを拡張したものであり、低い光振動と幅広いLED順電圧バリエーションを必要とする高電圧(最大150W)の2ステージトポロジーをサポートしている。「NCL30085/6/8」は、力率改善電流制御アルゴリズムを使用することで、フライバック、バックブーストおよびSEPICトポロジーに適したものになる。また、擬似共振モードで動作することにより、幅広いラインおよび負荷レベルで最適な効率性を実現できる。さらに、独自の制御方法を用いることにより、一次側からのみ電流を通常2%以内で細かく制御できる。そして、3品種のうち、「NCL30088」は非調光型である。「NCL30086」は、平均LED電流を制御するシングルインプットによりアナログおよびパルス幅変調(PWM)調光をサポートして、スマート調光を可能にする。「NCL30085」は、70%、25%、5%の3段階のログステップ調光をサポートする。これにより、ACスイッチのオン・オフを切り換えてコントローラに信号を出し、LED電流ポイントを下げることで照明の出力を削減する。3品種は、すべてユーザーによる設定が可能な電流サーマルフォールドバックの仕組みを備えているため、過熱を防止すると同時に、メーカーは長寿命を保証することができる。なお、パッケージは「NCL30085/8」がSOIC-8、「NCL30086」がSOIC-10。価格は1万個単位で0.35ドルから。もう一方の「NCL30030」は、2ステージPFCコントローラと擬似共振フライバックコントローラを備え、中電力および高電力のLED照明アプリケーションに最適化されており、低ベイ、高ベイ、街灯など商業用の照明に最適である。さらに、独自のマルチプライヤアーキテクチャを使用することにより、低い高調波歪みと100%に近い力率を達成すると同時に臨界モード型(CrM)で稼働する。そして、SOIC-16パッケージで提供され、高電圧用に間隔を空けるために1個のピンが取り外されている。価格は1万個単位で0.65ドルから。
2014年12月18日Infineon Technologiesは、Arduino設計コミュニティ向けのRGB照明およびモータ制御を対象としたシールド2種類を発表した。両シールドとも、Arduino Uno R3と互換性があり、32ビットマイコン「XMC1000」ファミリを搭載した「XMC1100 Boot Kit」と組み合わせて使用できる。「XMC1000」はすべて、ARM Cortex-M0プロセッサが搭載されている。Arduino向けRGB LED照明シールドには、マイコン「XMC1202」が搭載され、そのマイコンに搭載されているLED照明制御用の輝度色彩制御ユニット(BCCU)によって制御されている。また、Arduino向け高電流DCモータ制御シールドには、モータ制御用の内蔵ハーフブリッジドライバである「NovalithIC BTN8982TA」が搭載されている。なお、Arduinoは、オープンソースのハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを用いた演算プラットフォームであり、電子プロトタイプの設計を迅速・簡単に行うことが可能である。具体的には、RGB LED照明シールドは、Arduino向けのインテリジェントな評価ボードであり、各種LED照明エンジンを採用した、短期間でのプロトタイプ作成と低価格での評価が保証される。また、3つの独立した出力チャネルを搭載しており、マルチカラーLEDをちらつきなしに制御できる他、照明レベルに関わらず、エネルギー消費量を抑えた形で完全な調光制御を実現するなど、高品質カラーに必要な要素をすべて備えている。そして、BCCUの自動ハードウェアエンジンを搭載することで、コスト重視の柔軟性に優れた高品質なLED照明ソリューションとなっている。さらに、構成も容易なため、調光・色混合をスムーズに行える。加えて、照明/オーディオノード用のDMXインタフェースや、動き検出用の24GHzレーダセンサなどを使用した拡張にも対応する。一方、Arduino向け「BTN8982TA」搭載のDCモータ制御シールドは、DCモータ制御設計において、迅速かつコスト効果に優れたプロトタイプ作成が可能となり、ハーフブリッジとフルブリッジのモータ制御アプリケーションの試験も容易に行える。また、単方向型のDCモータ2個と、双方向型DCモータ1個を駆動可能。さらに、モータ駆動アプリケーションに最適化された、完全集積型高電流ハーフブリッジドライバ「NovalithIC BTN8982TA」を2個実装している。「NovalithIC BTN8982TA」は、pチャネルハイサイドMOSFETとnチャネルローサイドMOSFETの2個のパワーチップと、電源の制御・監視用のロジック回路を1個搭載した内蔵ドライバICを単一のパッケージに集積している。その他の特徴としては、電流センス機能付きの診断機能、スルーレート調整機能、デッドタイム生成機能の他、過温度、過電圧、過電流、短絡の保護機能を有している。そして、「NovalithIC BTN8982TA」にはロジックレベルの入力インタフェースが搭載されており、マイコンとのインタフェース接続も容易に行える。また、「NovalithIC BTN8982TA」は、保護機能付き高電流PWMモータ駆動装置を対象とした、コスト面で最適化されたソリューションであり、基板面積も抑えることができる。さらに、Arduino向け「BTN8982TA」搭載DCモータ制御シールドは、30kHzの高周波PWMなどを処理可能。同シールドは、最大250Wの連続負荷(例:12V/20A)のブラシ付きDCモータ制御をサポートしつつ、「BTN8982TA」の電流制限機能により最大55Aのピーク電流に対応できる。なお、2015年1月末までの期間、Arduino向け「XMC1202」搭載RGB照明シールドと、Arduino向け「BTN8982TA」搭載DCモータ制御シールドは、Farnell element14社とNewark element14社より購入できる。その期間以降は、Infineonと同社のディストリビュータからも提供される。
2014年12月18日ミックスネットワークはこのたび、全国6445名のうち、スマートフォンやタブレット端末を持つ1347名を対象に、「スマートデバイスを利用したWebサイト閲覧の利用動向調査」を実施し、その結果を発表した。これによると、1日あたりの平均利用時間は、1時間以上使用するとした人がスマートフォンでは62.6%、タブレットでは52.9%となった。利用場所は、スマートフォン・タブレットともに自宅が最も多く(90%以上)、閲覧対象は「ニュースサイト」が両端末において60%を超える結果に。スマートフォンでの閲覧は、ニュースサイトに次いで、「一般向け情報サイト(44.7%)」や「Facebook、TwitterなどのSNSサイト(42.6%)」「企業サイト(41.2%)」が多い結果となった。また、「過去1年以内にWebサイトを閲覧した目的」として最も多かった回答は、両デバイスともに「商品を購入する」で、スマートフォンユーザーが58.7%、タブレットユーザーが69.9%。私用の商品販売価格に関する「情報収集」なども、スマートフォン・タブレットの両方にて約50%の回答があった。なお、ミックスネットワークは12月16日、同調査の結果を紐解くセミナーを実施し、「マルチデバイス最適化成功のポイント」などを紹介する予定。東京都・千代田区のフクラシア東京ステーション RoomAにて、13:30~より開催する。参加費は無料だ。
2014年12月08日トヨタ自動車(トヨタ)は11月26日、LEDの独立制御によって、より細やかな配光制御を可能とした次世代照明技術「LEDアレイAHS」を開発し、2015年に発売する新型車に採用すると発表した。今回開発した「LEDアレイAHS」は、一列に配置した複数のLEDをハイビームの光源に使い、それぞれを独立制御する。これにより、先行車と対向車がすれ違う際の両車の間の空間などを照射し、横断歩行者などの発見を支援するほか、市街地では広範囲を照らす配光、高速走行時では遠方に光を集中させる配光など、走行シーンに応じた配光制御を実現した。また、ステアリング操作に連動した配光で、カーブの先を照射して進行方向の視界確保を支援するカーブ時配光機能も備えるという。同社は、LEDアレイAHSなどの次世代照明技術開発のほか、2015年より順次導入される予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」にAHB(Automatic High Beam:車載カメラによって対向車・先行車のヘッドランプ、テールランプを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えるシステム)を標準装備し、広範な普及を図るなど、夜間の事故防止に着目した安全技術開発に積極的に取り組んでいくとしている。
2014年11月27日富士工業は25日、卓上調理の煙や油、ニオイを吸い取るダイニング照明「クーキレイ」の新モデル「BE」タイプと「PT」タイプを発表した。プロダクトデザイナー・廣田尚子氏を起用し、デザインを刷新した。発売は12月5日。直販価格はいずれも税別59,000円となっている。クーキレイは焼肉や鍋などの卓上調理で発生する煙や油、ニオイをテーブルの真上で吸い取るダイニングLED照明。プレフィルターのほか、脱臭・脱煙・脱油からなる4層のフィルターで空気をろ過する。ファンで吸い込んだ空気をフィルターに通すことで、ニオイは80%、煙は90%、油は95%カットされるという。いずれのモデルにも専用リモコンが付属し、LED照明の調光や調色、ファンの運転モード切り替えなどを行える。本体のデザインは、プロダクトデザイナーである廣田尚子氏が手がけた。BEタイプはフレア形状、PTタイプはドーム形状となっている。廣田氏によれば、BEタイプは生活を楽しく活気あるものにしてくれるデザイン、PTタイプは団らんをやさしくサポートするデザインだそうだ。いずれのタイプも、サイズはW502×D502×H450~850mm、重量は5.3kg。風量は「弱」「強」「急速」の3モードを用意する。カラーはホワイトとブラック。
2014年11月25日富士通研究所は11月17日、LED照明などからモノへ照射する光にID情報を埋め込み、その光に照らされたモノからID情報を復元することを可能とする照明技術を開発したと発表した。目の前にあるモノの情報などを手に入れようと思った場合、従来、NFCタグやQRコードなどの識別情報をモノに付帯させておく方法や、位置情報、電波などを用いて識別するといった手法が用いられてきた。しかし、NFCタグやQRコードの場合、デザイン性などを考慮する必要があったり、位置情報などを用いた場合は、場所が移動してしまうといった可能性があった。今回、同社が開発した技術はLED照明から発する光の色を人の目には見えないレベルで変化させ、その光に照射したモノにID情報を付与するというもの。具体的には、RGBのLEDを搭載したカラー照明の各成分から発する光の強弱を時間方向で制御し、わずかに変化させることでモノを識別するID情報を表現。モノが反射した光を専用アプリをインストールしたスマートフォーンで撮影することで、その情報を取得することを可能とする。光は、モノの表面で反射する際に反射率に応じて光の一部が吸収されたり反射し、信号が弱くなることがあるが、カメラ側で反射を考慮した補正を行うことで、情報の検出精度の向上を可能にしたという。また、LED照明の色を変化させたり、強度を変えても情報そのものに変化は生じないため、状況に応じて調光などを行っても問題はないという。なお通信速度は10bpsだが、店舗や美術館などで確実にモノと情報を結びつけるレベルであれば十分とのことで、2015年度の実用化を目指すとするほか、現時点で通信速度を20~30bps程度まで向上できるめどがついており、さらなる応用分野の拡大を目指すとする。
2014年11月17日パナソニックは、スマートフォン/タブレット端末で家の中の照明をコントロールできる配線器具「アドバンスシリーズ(リンクモデル)」を2015年1月21日より発売する。「アドバンスシリーズ(リンクモデル)」は、スマートフォン/タブレット端末で、照明器具を操作できるスイッチやコンセントなどの配線器具。無料の専用アプリを使用すれば、照明器具のオン・オフや調光、点灯パターンをワンタッチで切り替えることができる。そのほか、家中の照明器具の一括オフ操作や、タイマー操作も可能となっている。なお、同配線器具とスマートフォンはWi-Fiによって接続されるため、無線のWi-Fiルーターが必要となる。また、スマートフォン/タブレット端末からの操作は、宅内のみでしかできない。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年11月08日パナソニックは11月5日、配線器具「アドバンスシリーズ」の新モデルとして、スマートフォンで制御できる照明器具専用壁スイッチ「タッチスイッチ(リンクモデル)」(WTY5411W)を発表した。発売は2015年1月21日。希望小売価格は11,300円(税別)。壁スイッチには、いまだにシーソー式のスイッチというイメージを持つ人も多いが、パナソニック(当時は松下電工)が2000年に発表した「コスモシリーズ ワイド21」以降、ハンドルと呼ばれる大きな板でスイッチのオンオフ操作ができるタイプが主流となってきている。2014年7月に発表されたアドバンスシリーズは、スタンダードなコスモシリーズ ワイド21より、デザインや操作性、機能を高めた配線器具。タッチスイッチ(リンクモデル)は、専用アプリを使ってスマートフォンから照明器具の操作が可能な壁スイッチだ。使用するには、タッチスイッチ(リンクモデル)に加えて「アドバンス用無線アダプタ」(MKN7531:希望小売価格32,500円、税別)と、市販の無線ルーターが必要となる。タッチスイッチ(リンクモデル)とアドバンス用無線アダプタの間は特定小電力無線で通信が行われる。アプリでは、20回路までの照明器具を個別に操作することが可能だ。また、8つまでのシーン操作や最大10件のタイマー操作、一括OFF操作にも対応している。一括OFF操作専用スイッチ「タッチ一括OFF発信機」(WTY5641W:希望小売価格8,120円、税別)も同時発表されている。玄関に設置すれば、外出する際に一度で各部屋の照明を切ることが可能だ。タッチスイッチ(リンクモデル)とタッチ一括OFF発信機は、特定小電力無線でダイレクトに通信を行うため、一括OFF機能だけを使用したい場合には、アドバンス用無線アダプタは必要としない。タッチスイッチ(リンクモデル)には、オンオフだけの単機能モデルから、調光機能なども備えたモデルまでいくつかのラインナップがある。WTY5411WはタッチLED調光スイッチ機能を備えたハイグレードモデル。ハンドルにタッチセンサーが内蔵されており、指でスライドするだけで、LED照明の明るさをコントロールすることができる。なお、「アドバンスシリーズ」の配線器具は、一般ユーザーが自分で取り付けることはできない。電気工事士の資格を持つ業者に依頼する必要がある。
2014年11月06日Spansionは、インテリジェント照明に必要な機能を1チップ化したLEDドライバIC「S6AL211」シリーズを発表した。同シリーズは、DALI、DMX、Bluetooth Smartといった通信規格に対応する他、4チャネル降圧型DC/DCコンバータを内蔵しており、0.1~100%の範囲で調光できる。さらに、LED駆動回路の構築に必要なプリドライバ、センシングアンプ、LDOなどの周辺部品をすべて統合している。これにより、競合製品に比べて、PCBサイズを最大で25%削減できるのに加え、BOMコストの削減、およびコスト競争力のある製品の提供が可能になるとしている。なお、第1弾のDALIプロトコル対応製品は、5.8ドルでサンプル出荷中であり、12月より量産を開始する予定。第2弾のBluetooth Smartモジュール対応製品は、12月からサンプル出荷を開始する予定。
2014年11月05日スマートニュースは4日、スマートフォン・タブレット端末向けニュースアプリ「SmartNews」において、内閣官房と協力し政府の各Webサイトで発信された情報を集めた専用コンテンツチャンネル「日本政府チャンネル」を開設した。「SmartNews」はApp Store、Google Playよりダウンロードでき、価格は無料。「日本政府チャンネル」は、日本政府の各Webサイトで発信された情報を集約した専用コンテンツチャンネル。政府はこれまでも、公式Webサイトなどを通じて情報発信をしてきたが、各省庁の情報をモバイル端末でワンストップに集約・提供する試みは「日本政府チャンネル」が初のこととなる。追加するには、ページ上部のチャンネルタブにある「+」をタップし、「日本政府」を選択。「追加する」をタップすれば、チャンネルタブに「日本政府」が追加され、記事が読めるようになる。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年11月04日ヤマハミュージックジャパンは、Bluetooth対応オーディオと間接照明が一体となったライティングオーディオシステム"Relit(レリット)"シリーズの新モデル2種を発売する。発売時期は、「LSX-70」が11月中旬から、「LSX-170」を12月上旬から。価格は「LSX-70」が4万5000円、「LSX-170」が6万円(ともに税抜)。Relitシリーズは、オーディオと間接照明が一体になったインテリアアイテム。新たな2モデルは、パンチングメタルの上質感と浮いているように存在するスピーカーユニットの融合による美しいデザインが特徴だ。「LSX-70」は約950gという軽量かつコンパクトな筒状で、部屋から部屋へ持ち運べる充電式バッテリー内蔵モデル。一方「LSX-170」はソリッドな円すい台で、美しく広がる光と重厚な存在感がインテリアにもなる据え置きモデル。カラーバリエーションは両モデルともに、サンライトゴールド、ダスクブロンズ、ナイトブラックの3色が用意される。また、スマートフォンやタブレット内の音楽ファイルをワイヤレス(Bluetooth接続)で再生でき、高音質なワイヤレス再生を実現するaptXにも対応する。周囲のどこから聴いても楽しめるように音が360度に広がるうえ、どんな場所に設置しても心地よい音を楽しめるバランスの取れたチューニングが施されている。加えて、圧縮音源に低音域の量感や高音域の伸びをプラスする同社独自の音質改善技術「Extra Bass」や小音量での再生時でも低音と高音を補正する「ラウドネスコントロール」を搭載。さらに、iOSまたはAndroid向けの専用アプリ「DTA CONTROLLER」(無料)を使えば、スマートフォンやタブレットの画面から再生/停止、音量調整、音質調整、楽曲選択などが可能だ。そのほか、両モデルに搭載されるLEDライトは「LSX-70」が5段階、「LSX-170」は10段階に明るさを調節可能。「DTA CONTROLLER」と連携し、タイマー設定した時間に合わせて照明と音楽を自動でオン/オフする「スマートタイマー」機能を搭載する。なお、「LSX-70」の外寸は幅94mm×高さ241mm×奥行94mm、重さは950g。スピーカーユニットは5.5cmウーファー×1、4cmツィーター×1。最大出力(JEITA)は、ACアダプタ使用時がウーファー10W+ツィーター10W、内蔵電池使用時がウーファー5W+ツィーター5W。照明部はLED数が4個で消費電力は8W。「LSX-170」の外寸は幅271mm×高さ290mm×高さ271mm、重さは3.3kg。スピーカーユニットは9cmウーファー×1、3cmツィーター×1。最大出力はウーファー15W+ツィーター15W。照明部はLED数が11個で消費電力は15Wとなっている。
2014年10月23日日昇は20日、同社が企画・販売を行う照明ブランド「BeauBelle(ボーベル)」にて、Tree to Greenおよびキシマとの3社で共同開発した、たき火の炎を再現する間接照明「TAKIBI(タキビ)」を発売した。○木曽檜をひとつひとつ切り出し職人が加工同商品は、健康的でナチュラルなライフスタイルが再評価されていることを背景に、光が人に与えるリラックス効果を利用。たき火の持つ、落ち着いた雰囲気と穏やかで優しい光が睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を促進し、癒し・快眠効果につなげる効果を目指し企画開発された商品。日本の住宅に設置された一般的な照明は、光が強すぎる場合が多く、メラトニンの分泌を抑制する方向に働くという。これが睡眠障害を引き起こす原因のひとつだとも言われていることから、同商品は、薪などでたき火をすると木が燃える時にその間から炎が立ち上る情景を光にして表現したフロアーランプとした。曲面加工でひのきの木目を美しく見せ、さらに曲線カットしてピースを組み合わせる事で、その面にあたる光が柔らかなグラデーションとなり、暖かみのある炎のように感じられる効果を狙ったという。素材には、良質な木材を産出することで有名な長野県木曽地域の天然ヒノキを使用。同じく、地域で昔から残る伝統工芸の「ろくろ細工」の技術を採用し、通常では曲線的な加工が困難な木材を、職人の技を駆使して美しい曲線に仕上げた。シェード部分は、1つの木から半球にろくろで削った後でひとつずつ切り出し、さらに糸のこぎりでカットしたのち、ひとつずつサンダー(木を研磨する加工機)で仕上げ、曲面を作り上げるという。カラーはブラウン/ナチュラル。口金はE-17。光源は3W×1(LEDミニクリプトン球付属)。素材は木曽檜。重量は950g(電球含まず)。価格は3万7,028円(税別)。
2014年10月22日NECは17日、照明ユニットにWi-Fiアクセスポイントを組み合わせた「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」を発表した。12月1日より出荷を開始する。価格はオープン。10月末から横浜シーサイドラインにて、駅構内におけるWi-Fiネットワークの実証実験を開始する。従来、アクセスポイントの設置には電源を確保するための「電源配線工事」に加え、アクセスポイントまでの通信回線を敷設する「有線LANの設置工事」が必要だった。「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」では、電源をLED照明と共有し、さらにアクセスポイントからWi-Fi基地局までの通信を無線で接続することで、初期導入コストを7割~8割に抑えることが可能だという。また、緊急地震速報機器と連動させることで、照明の点滅、色の変化により、速報を伝えることも可能で、耳が不自由な人への告知も行えるという。製品は埋め込み型と半埋め込み型を用意する。横浜シーサイドラインにおける実証実験では、乗降人数の多い新杉田駅をはじめとするいくつかの駅で、「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」を約10個所設置する。職員のスマートフォンやタブレットを活用した連絡業務や緊急通信用として活用し、電波状況の確認や効果を検証するという。
2014年10月17日NECは10月17日、これまでWi-Fiのアクセスポイント設置に伴い行っていた電源設備の設置や工事作業などが不要な「Wi-Fiアクセスポイント付LED照明」を販売開始すると発表した。同製品は、LED照明にアクセスポイントを内蔵したもので、電源をLED照明用の配線から供給するとともに、アクセスポイントからWi-Fi基地局までの通信を無線でつなぐことが可能。従来、照明とは別にアクセスポイントを設置する場合に必要だった配線工事、電源工事、有線LANの設置工事が不要となるため、初期導入費を7割~8割程度に抑えることができるという。また、横浜シーサイドラインは、同社が運営する新杉田駅と金沢八景駅を結ぶ横浜シーサイドラインにおいて、同製品を活用し、駅構内のWi-Fiネットワークの実証実験を10月末より開始する。実証実験では主要駅のホームにおいて、職員がスマホやタブレットを活用し、時間や天候の変化における電波状態の確認を行う。
2014年10月17日