女優の芦田愛菜が、進学塾・早稲田アカデミーの広告キャラクターに起用された。きょう24日から、新聞・交通広告に登場し、今後はテレビCMも予定している。この春、難関私立中学に合格した芦田。広告のキャッチコッピーは「天才はいない」で、芸能活動に加え、勉学の努力も惜しまない姿が、早稲田アカデミーの「本気でやる子を育てる」という教育理念の理想であると考え、今回の起用に至ったという。ちなみに、芦田が入学したのは慶應義塾中等部だが、早稲田アカデミーは早稲田大学と組織上は関係ない。
2017年04月24日ケンダル・ジェンナーが広告塔を務めるペプシの広告動画にSNSなどで非難が殺到。ペプシを販売している「ペプシコ」がツイッターで「世界へのメッセージとして団結、平和、相互理解を伝えようとしましたが、明らかに的外れでした。申し訳ありません。私たちは、深刻な問題を軽んじようとしたわけではありません。動画を削除し、これ以上の配信は控えます。(主演した)ケンダル・ジェンナーをこのような状況に巻き込んでしまったことにも謝罪します」と表明するほどの騒ぎとなった。問題となっている約2分40秒の広告動画の内容を要約するとこうだ。「愛」や「平和」のサインボードを掲げてデモ行進を行う集団を目撃したケンダル。モデルの仕事で撮影中だった彼女はウィッグを脱ぎ捨て、口紅を拭い、行進に加わる。そして険しい顔付きで牽制している警官たちの1人にペプシを渡し、その警官が1口飲むと、突然みんなが笑顔でハッピーになって、めでたし…というものだ。ケンダルが1人で警察の前に歩を進める様子は、昨年7月、ルイジアナ州で白人警官が黒人男性を射殺したことにより地元でデモ活動が起きた際に1人で機動隊の前に立ちはだかったレシア・エヴァンスさんの真似だとの声や、「ブラック・ライヴズ・マター」(黒人の命も大切)運動を軽視しているとの批判の声が多数上がっている。(Hiromi Kaku)
2017年04月06日シャネル(CHANEL)が、2017年春夏アイウエアコレクションの広告ビジュアルを公開した。今回のキャンペーンに抜擢されたのは、2016-17年メティエダールコレクション「パリ コスモポライト」のランウェイにも登場したロッティ・モス。スーパーモデルのケイト・モスを姉に持つ彼女が、リリー=ローズ・デップ、ウィロー・スミスに続き、シャネル アイウエアのミューズに起用された。カール・ラガーフェルドがカメラに捉えたのは、ロッティ・モスのフレッシュな魅力。メゾンのアイコンである“カメリア”のモチーフで髪をふたつに留め、ピーチピンクの背景の前でコケティッシュな表情を見せる。繊細なクレープジョーゼットのドレスを纏い、透明なアセテートのパントスオプティカルフレームによってブルーの瞳が強調されている。18Kイエローゴールドのレンズとブラックレースをあしらったバタフライフレームのアイウエアでは、キャットウーマンのように魅惑的な表情を見せている。赤いブラウスから肩を覗かせ、ロリータ風にラウンドフォルムのアイウエアを纏ったカットは、60年代のヒッピースタイルのよう。2017年春夏プレタポルテコレクションで発表された「シャネル データセンター」からインスピレーションを受けた本コレクション。フューチャリスティックなアイウエアを纏ったロッティ・モスが登場する新キャンペーンは4月から展開予定。
2017年02月25日3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)が2017年スプリングコレクションの広告キャンペーンを公開した。同広告キャンペーンの撮影を手掛けたのは、アートフォトグラファーのヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)。同広告キャンペーンについてフィリップ・リムは、「何もかもが過剰な現代文化の中、僕はプレイフルな厳格さや新しいセンシュアリティへ興味を持ったんだ。様々な点でも、今回の2017年スプリングコレクションは今のムードに対する僕の解釈。だから、僕たちは、ラブやイノセンス、ハートブレーク、そして希望というテーマを使った。今回で5シーズン目となるヴィヴィアンとのキャンペーン撮影で、彼女はその巧みなレンズを通して、コレクションのメッセージを魅惑的でモダンなイメージで表現した」と語っている。
2017年02月18日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が2017年春夏広告キャンペーンを公開した。同広告キャンペーンの舞台となったのは、海に隣接した無限の美しい砂丘。フォトグラファー、ジェイミ・ホークスワース(Jamie Hawkesworth)が、モデルのヴィットリア・チェレッティ(Vittoria Ceretti)が光によって変わりゆく景色に佇む姿を撮影した。夢の中のような官能的かつエフォートレスなシンプルさを感じさせるビジュアルとなっている。
2017年02月06日ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)が2017年春夏キャンペーン広告を展開する。今回公開されたのは、ヘザー・ケメスキー(Heather Kemesky)とジュリアン・シュナイダー(Julian Schneyder)がリラックスしたポーズで春夏の軽やかな服をまとい、そのナチュラルな瞬間が切り取られたモノクロのポートレートビジュアル。タイムレスなブラック&ホワイトのカラーには、光の奥行きを感じる。撮影は、ファッションフォトグラファーのマート・アラス(Mert Alas)とマーカス・ピゴット(Marcus Piggott)が行い、そのスタジオシューティングの写真も公開されている。その他にも同キャンペーン広告には、ララ・ミューレン(Lara Mullen)、マールチェ・フェホーフ(Maartje Verhoef)といった女性モデルや、アンドレイ・ザハロフ(Andrey Zakharov)、アレクサンダー・ルシッチ(Aleksandar Rusic)といった男性モデルも起用された。
2017年02月03日シャネル(CHANEL)が2017年春夏プレタポルテコレクションの広告キャンペーンを公開した。白い背景に際立つグラフィックなシルエットが、まるでアートコラージュのような同広告キャンペーン。バックの白とコントラストを感じさせる大胆なカラー、躍動感にあふれるポーズが印象的なビジュアルに仕上げられている。斬新なネイビーブルーのシルククレープとレースのドレスには、電子回路を連想させる刺繍が施されたツイードジャケットを組み合わせ、ニットカーディガンからはミニ丈のジャンプスーツのレースを覗かせた。オフホワイトのシルクとレースのコートの下にはブラックのベビードール、足元にはタッチファスナーが付いたスエードのブーティが合わせられている。また、印象的なファインジュエリーを重ね付けることで、シルエットにまとまりを感じさせた。目がくらみそうなプリント柄のシルクジャケットには、ホワイトゴールドとイエローゴールド、ダイヤモンド、マルチカラーのパールを使用したネックレスを重ね付け。さらにホワイトゴールドとダイヤモンドをあしらったリングとイヤリングもプラスしている。また、パテントレザーのジャケットにはレジンとシルバーに輝くメタルカフスを組み合わせた。コットンツイードのジャケットとスカートのセットアップには、陽気なバッグを合わせている。さらに、足元にはディテールの効いたローヒールのブーティやバレエシューズを使用した。動画引用元:(CHANELオフィシャルYouTube : )動画引用元:(CHANELオフィシャルYouTube : )動画引用元:(CHANELオフィシャルYouTube : )
2017年01月31日プラダ(PRADA)が新たな広告キャンペーン「365」のヴィジュアルを発表した。同広告キャンペーンは、シーズンを通して1つのアイデアを体現したイメージを提案していたこれまでとは異なり、1年を通してイメージを創り、多面的なコンセプトで複数の物語を展開していくという新たなアプローチ。今回は廊下(Pathways)、国境(Frontiers)、駅(Stations)、出口(Exits)、地形(Terrains)と題した5つのヴィジュアルアイデンティティが紹介される。同じストーリーの異なるシーンやイメージの連なりが表現されているが、それぞれが他とは異なる完全に独自なものとして、ウィリー・ヴァンデルペールの作品特有の写真的言語と、プラダの美学によって表現された。砂丘の中でモノクロで映し出された 2017 年春夏メンズ広告キャンペーンの主役を務めるのは俳優 のジュード・ロウ(Jude Law)。「365」とは個々のプラダのイメージの背景にあるビジョン、そして新広告コンセプト全体の背景にあるビジョンに絶えず変化するニーズと人生における日々の欲望が反映されたものとなっている。
2017年01月26日ジバンシィ(GIVENCHY)が2017年春夏コレクションの広告キャンペーンを公開した。同広告キャンペーンではフォトグラファーのマート・アラス & マーカス・ピゴットが撮影を担当しており、ブランドの根底にあるクラシックな美学がストーリーのように表現された。大胆で芯の強さを秘めた男女のビジュアルが二面に配され、響き合い、引き立て合うことでジバンシィの二面性が表現されている。
2017年01月25日クロエ(Chloe)が2017春夏コレクションの広告キャンペーンを公開した。今回撮影を手掛けたのは、メゾンにとって初起用となるイギリス人フォトグラファーのシャーロット・ウェールズ。2016秋冬コレクションのランウェイにも登場した、ルナ・ベイル(Luna Bijl)とウルリッケ・ホイヤー(ULRIKKE HOYER)をモデルに起用し、夏の日差しの中、水辺で戯れる二人の姿を撮影した。ベイルとホイヤーは、グラフィカルなシルエットに、ロマンティックなディテールがもたらすフェミニティと明るいプリントが象徴するフレッシュさ、プリーツのボリューム感、空気のようにふわりとしたテキスタイルなど、軽やかさに溢れたコレクションを纏い、自由気ままでなにものにも囚われないスピリットを体現している。
2017年01月24日ミュウミュウ(MIU MIU)が、フォトグラファーアラスデア・マクレラン(Alasdair McLellan)による広告キャンペーン第3弾となる2017春夏広告キャンペーン「夏は突然に」(Suddenly Next Summer)を発表した。同広告キャンペーンでは、エル・ファニング(Elle Fanning)、キャロリン・マーフィー(Carolyn Murphy)、ララ・ストーン(Lara Stone)といったファッション界のアイコンと、ソニア・ベン・アンマー(Sonia Ben Ammar)、エルサ・ブリシンガー(Elsa Brisinger)、カレン・エルソン(Karen Elson)、ビルギット・コス(Birgit Kos)、メイヨーワ・ニコラス(Mayowa Nicholas)、エレン・ローザ(Ellen Rosa)ら新星女優たちが登場。舞台は、1962年のイタリア映画『追い越し野郎』や、1965年のアメリカ映画『ビンゴ・ パーティ』といったサマームービーを彷彿とさせる、太陽の光が燦々と降り注ぐ開放感に満ち溢れたカリフォルニアのマリブにあるポイントデュームのビーチ。根底には現代における女性らしさの概念があり、そして「女優」、「イット・ガール」、「モデル」、「セレブリティ」といった曖昧な言葉を問い直そうとするブランドの精神が投影された。
2017年01月21日プラダ(PRADA)が、17年リゾートコレクションの広告キャンペーンを公開した。フォトグラファーのウィリー・ヴァンデルペールが撮影を手掛けた同広告キャンペーン。モデルには女優のジェシカ・チャステインを起用し、新しく設立されたプラダ財団や、ウルリコ・ホエプリ プラネタリウム、ダニエレ・マニン通りなど、プラダにとって身近と言えるミラノの各所で撮影された。同キャンペーンでは、必要なものだけを持って旅に出るかのようなチャステインの姿が捉えられている。そんなチャステインが身につけているのは、プラダの真髄を表すアイテムの数々。それらのアイテムには、テクスチャーとパターンの印象的な対比や、女性らしさと男性らしさの融合、プラダならではのシェイプと素材に対する新しい解釈など、相反する物事へのアプローチの本質が反映されている。“俳優の中の俳優”とも称されるチャステインは、どのような役を演じるときでも新しいキャラクターを演じるためのあくなき欲望を持ち、全く違った世界を求めてキャラクターを創り上げる。そんな彼女の姿が、プラダとの共通性を感じさせている。
2016年11月08日クロエ(Chloe)が2016秋冬コレクションの広告キャンペーンを公開した。1970年代初めにバイクで世界中を旅したフランス人ジャーナリストのアン=フランス・ドートビル(Anne-France Dautheville)にインスパイアされたクロエの2016秋冬コレクション。アン=フランス・ドートビルの何も恐れない自立したアティチュードが、モトクロススタイルのトラウザーやシアリングのアウターウエアに落としこまれた。アメリカ人フォトグラファーのテオ・ウェナー(THEO WENNER)が手掛けた広告キャンペーンでは、モデルにソフィ・エメ(Sofie Hemmet)やミッキー・キャット(Michi Kat)、エレン・デ・ウィアー(Ellen De WeeR)、フレデリック・ソフィ(Frederikke Sofie)らを起用し、南イタリアのプーリア地方を舞台に撮影された。ペールトーンの地層や白い街並みといった地中海の美しさがありのままの姿で残る景色の中、クロエガールたちが、クロエのエレガンスとナチュラルビューティーを体現している。
2016年08月03日プラダ(PRADA)が2016秋冬ウィメンズコレクションの広告キャンペーンを公開した。同コレクションはシルエット、素材、技法、アクセサリーなどの異なる要素を大胆に組み合わせることによって製作されたもの。プリント、アーガイル、ラメ、キルティング、厚手のニット、ブロケード、ナイロン、イラスト、レザー、サテン、ベルベットといった豊富な素材がそれぞれふさわしい場所に配置された。ラフにコラージュされたヴィジュアルシリーズで展開される広告キャンペーンでは、多彩なプラダコレクションのきわめて人間的で毅然とした女性らしさが映し出された。撮影を担当したスティーヴン・マイゼルが、様々な人工的景色をバックに27人のトップモデルを捉えている。関連性を感じさせない背景はランダムに選ばれており、唐突に途切れ、境界がはっきりと浮かび上がる。昼と夜がぶつかり、砂漠と海の景色が同じ概念的空間に広がっている。
2016年07月29日バリー(BALLY)が、2016秋冬コレクションの広告キャンペーンを公開した。ロンドン在住の新進気鋭の写真家、ジャック・デイヴィソンとのコラボレーションにより、エキセントリックな若者たちがパワフルに描き出された同広告キャンペーン。著名なモデルのグィネヴィア・ヴァン・シーナスをはじめ、17歳のフィンレイ・デイヴィスや15歳のイナ・マリボ・ジェンセンなど、様々な世代からなる8人のモデルが起用された。撮影が行われたのは、ロンドンのサンビーム・スタジオ。スタイリングはジョナサン・ケイ、アートディレクションはフランク・デュランが担当した。70年代アーティストのスタジオに流れる空気感と、エキセントリックなライフスタイルの真髄をとらえた作品に仕上がっている。同広告キャンペーンは、7月25日発行の『LOVE Autumn Winter』号を皮切りに、9月には世界中の主要ファッション・ライフスタイル誌にも登場。さらに、デジタルやソーシャルメディアキャンペーンでも展開される予定だ。
2016年07月28日グッチ(GUCCI)が16-17AWアドバタイジングキャンペーンの広告ビジュアルを発表した。16SSキャンペーンでドイツベルリンの快楽主義的奔放さを極めたグッチが、それに続く16-17AWキャンペーンでエキセントリックなサブカルチャーに満ちた東京にフォーカスすることは極めて自然なことだった。ベルリンが無骨さとロマンティックがぶつかり合う街であるのと対称に、伝統的なものとハイパーモダンが動的に集まるという大胆な個性を放つ街が東京だ。グッチを身にまとったモデルたちが東京の混沌とした光と音の渦に身をまかせ、あてもなくネオン街からパチンコ店へと気ままにさまよう。伝統とモダン、静けさとカオスが入り混じって活気ある東京の街が五感にサイケデリックな刺激を与え、そんな中でグッチのクリエイティブディレクターのアレッサンドロ・ミケーレのクリエイションは美しく共鳴している。日本ではこの新しい広告ビジュアルが7月から展開される。同広告ビジュアルムービーの60秒バージョンは、渋谷スクランブル交差点の5つのビッグビジョンで同時放映される予定だ。動画引用元: (グッチオフィシャルYouTube:
2016年07月01日シャネル(CHANEL)が16-17AWアイウエアコレクションの広告キャンペーンを公開した。同広告キャンペーンのモデルに起用されたのは、俳優ウィル・スミス(Will Smith)の娘、ウィロー・スミス(Willow Smith)。多才なアーティストであり、作詞家、作曲家、シンガー、女優など幅広い分野で現在活躍中である。ビジュアルの中でウィロー・スミスは、プレタポルテコレクションのコスチュームジュエリーを纏い、シャネルのアイウエアの世界に新しいエネルギーを吹き込んでいる。なお、同コレクションは6月以降ブティックにて展開予定。動画引用元: (
2016年06月30日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が16-17AWコレクションの広告キャンペーン「SERIES 5」を公開した。ファッションフォトグラファーの巨匠ブルース・ウェーバーよってマイアミで撮りおろされたこのキャンペーンでは、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)が思い描くヒロインとして、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)と6人のモデルたちを起用。現代の先駆者たちが冒険に旅立つ決意を持った女性たちを演じている。ジェスキエールは、「セレーナは同世代にとってのアイコンであり、愛らしいほどの誠実さと真の存在感があります。彼女はとても正直で地に足のついた女性でもあるのです。デザイナーとして女性が成長していく過程に関われることを、とても嬉しく思います」と語っている。
2016年06月29日実写版のシンデレラ役などで知られる英女優のリリー・ジェームズがバーバリーのフレグランス「マイ・バーバリー」の広告塔に起用された。今夏のキャンペーンに登場することになったリリーは、このコラボについて「バーバリーのチームに正式に参加することになって興奮しています。英国人であることをとても誇りに思っていますから、これは大きな意味を持っています」と話す。リリーはソーシャルメディアでも、「マイ・バーバリーの新しい顔になったことを喜んで発表するわ。2016年8月にお披露目になるキャンペーンを楽しみにしていてね!」とこのニュースを発表した。リリーのキャンペーンは、ファッション写真家のマリオ・テスティーノが手掛ける広告ヴィジュアルのほかに、映像も公開されることになるという。ケイト・モスとカーラ・デルヴィーニュがモデルを務めてきた「マイ・バーバリー」の新キャンペーンの内容についてはあまり明かす気がない様子のリリーだが、「キャンペーンの一番最初の撮影はとても特別だったわ。あまり詳細を言いたくないけど、自分のまた違う面を見せられたのはとても楽しかったわ」と撮影の感想を語った。(C)BANG Media International
2016年04月21日『サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?現役不動産屋が教える仕事とカネの裏事情』(齋藤智明著、宝島社)とはユニークなタイトルです。花沢不動産といえば、アニメ『サザエさん』にも頻繁に登場する磯野家のご近所。娘の花子はカツオの小学校のクラスメートで、「アハハ!」という豪快な笑い声と「磯野くーーん!」と呼ぶダミ声が印象的な女の子。将来はカツオと結婚して花沢不動産を継ぐという夢を持っています。花沢不動産もたびたび登場しますが、たしかにいつも店内にお客はゼロ。それなのに、社長で花子の父・金太郎はカツオにお寿司やうなぎをご馳走するなど、むしろ羽振りがよさそう。こうした“お客がいないのに潰れない”不動産屋、身近でもけっこう目にしますよね。そんな不動産屋あるあるについて、自らも不動産会社で働く著者が著したのが本書。そのなかから、タイトルにもなっている“客のいない花沢不動産の羽振りがいい不思議”の項に注目してみましょう。■花沢不動産のメイン業務は「賃貸管理」著者によれば、不動産会社にはデベロッパーとも呼ばれる「開発型」や不動産の有効活用に関する提案を行う「コンサル型」など、12もの業態があるそう。各社、このうちいくつかの業務を行い利益をあげるわけですが、花沢不動産の場合、「賃貸仲介型」と、大家さんから賃貸物件をあずかり管理する「賃貸管理型」の業務をメインに行っているようだ、と著者。「賃貸仲介型」は、文字通り賃貸物件を探している人々に物件を仲介し、仲介手数料を得る業態。窓にはびっしりと広告が貼られ、わたしたちが部屋を借りようと思ったときに訪ねる場所です。しかし、花沢不動産には、そんなお客さんがいたことはありませんよね。そこで重要になってくるのが「賃貸管理型」業務です。■賃貸管理型は縁の下の力持ち的な存在!「賃貸管理型」は、大家さんから直接物件の管理を任され、庭や建物の共用部分を定期的に掃除したり、家賃を集めたり、事故やクレームの対応をしたりと日々の建物の管理をします。部屋を借りようと思って名前の通った不動産会社の店舗を訪ねると、営業マンが適当な物件をみつくろい、その場で電話をかけて「○○アパートの××号室は案内可能ですか?」と確認しますが、その相手こそ、この賃貸管理型不動産屋。花沢不動産のような賃貸管理型の不動産屋は、そうした内見に備え、普段から空き物件を訪ねて換気をしたり、室内のほこりをきれいに掃除したりとメンテナンスを怠りません。隠れた苦労が多い賃貸管理型の不動産会社は、まさに縁の下の力持ちといえそうです。■花沢不動産のお客さんは地域の大家さん借り手が部屋を気に入れば契約成立。ここからやっと、賃貸管理型不動産会社のもうけが発生します。まず契約時。借り手は物件を仲介した不動産会社に仲介手数料を支払いますが、物件管理型の不動産会社は大家さんから仲介手数料を受け取ります。さらに、物件を管理すると定期的な収入が見込めます。まず、家賃の集金代行手数料。相場は家賃の3~5%で、かりに5%とすると家賃10万円×0.05=5,000円。部屋数100室、家賃平均10万円の物件を管理すれば、これだけで毎月50万円の収入になります。このほか、入居者から鍵交換手数料、保証会社をつければ保証委託契約の手数料、火災保険加入手数料などなど。2年ごとに訪れる賃貸契約の更新時手数料は、貸し手と借り手双方からダブルで受け取っているのだそう。花沢不動産の主なお客さんは、地域の大家さんたちだったのです。店内にお客がいなくても経営が安定しているのは、大家さんたちをしっかりとつなぎ止めているからなんですね。*このほか本書では、なかなか知ることのできない不動産業界の裏事情がたっぷり紹介されています。興味深いのは、良心的な不動産会社を見分ける方法。たとえば、賃貸物件を借りたときに支払う「賃貸仲介手数料」、“仲介手数料1ヶ月分”という表示を見かけますが、じつは規定額は家賃の0.5ヶ月分で、利用者の承諾があれば1ヶ月分まで受け取れるというルールなのだといいます。つまり、知らないうちに必要以上の金額を支払っている可能性があるのです。逆に“仲介手数料0円”の場合も、礼金を2ヶ月分としてその半額を大家さんから受け取るケースがあるとか。いずれにしても、良心的な対応を期待できる会社ではありません。雑学としてだけでなく、実用的な知識も満載。物件を借りたり買ったりする前にも読んでおきたい1冊です。(文/よりみちこ) 【参考】※齋藤智明(2016)『サザエさんの「花沢不動産」はなぜ潰れないのか?現役不動産屋が教える仕事とカネの裏事情』宝島社
2016年04月03日KDDIは4月1日から、法人向けに「ネットワーク型広告サイネージ」を提供開始した。月額料金は1IDあたり3,300円(税別)。新サービスは、小売店舗や複合商業施設、金融機関など街中に設置したデジタル・サイネージやタブレットで、自社の販促コンテンツに加えて、ニュースや天気などの外部コンテンツや他社が提供する広告などを、自由に組み合わせて配信できるというもの。同サービスを利用してサイネージやタブレットで多様な外部コンテンツを配信することで、企業は、自社の店舗に来店する一般消費者に付加価値の高い情報を提供できるとしている。また、他社が設置する街中のサイネージでの広告配信も可能なため、一般消費者の新たなタッチ・ポイントを創出できる他、サイネージの所有者は空き時間を活用して広告収益を得ることもできるとのこと。同社は同サービスの提供やサイネージの設置、コンテンツ配信のためのネットワーク構築に加え、広告主の紹介なども実施し、法人ユーザーのビジネスへの貢献と、一般消費者の体験価値向上を目指していくという。
2016年04月01日グッチ(GUCCI)が16年プレフォールコレクションの広告ビジュアルとムービーを公開した。同ビジュアルでは、若さ、好奇心、自由といったことを表現しつつ、どこか異質でエキセントリックな魅力が追及された。舞台となったのは、ガラスドームで覆われたトロピカルなバードケージ。バードケージの中には植物が生い茂り、様々な模様のラグや積み上げられた古書の間をフラミンゴが自由に行き交っている。そのシュールな色づかいやテクスチャー、独特の動きが、新しいフローラや動物をモチーフにした数々のプリントを想起させる。
2016年03月31日アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)が、2016春夏広告キャンペーンをオンライン限定で公開した。同広告キャンペーンのモデルとなったのは、アリス・グラス、トラビス・スコット、CL、アンナ・イワーズなど21人。フォトグラファーのスティーブン・クラインが、ブルックリンとマンハッタンを拠点に、ボデガ、ガソリンスタンド、レコードショップ、サブウェイ、ローカルバー、コインランドリー、ペットショップ、本人の住むアパートなど、被写体のお気に入りのロケーションや彼らが普段生活している場所を舞台に撮影した。なお、同広告キャンペーンの特徴は自然に写真が拡散することを狙いとした新しいアプローチ。まず始めにアーティスト、モデル、ミュージシャンと様々な分野で活躍する著名人が各々のプラットフォームを使って自身の写真を公開し、その後その画像を今回のために作られたInstagramアカウント「@WangSquad」、及び公式ウェブサイトで再投稿していくという流れになっている。随時写真がアップされ、3月いっぱいには100枚以上の写真とビデオ、GIFが公開される予定だ。なお、動画の音楽はBaauerが担当。自身の近々発売予定の新アルバムに収録されたトラックを使用している。また、クリエイティブディレクションはKiDS CreativeのPascal Danginが務めた。動画引用元: (アレキサンダーワンオフィシャルYouTube:
2016年03月21日ロックオンは3月1日、同社が提供するリスティング広告運用プラットフォームである「THREe(スリー)」のメイン機能である人工知能によるリスティング広告自動入札システム「ヒト型ポートフォリオ」を刷新し、少予算アカウントに特化したリスティング運用にも対応可能にしたと発表した。多くのリスティング広告自動入札システムは大規模アカウントに最適化しているといい、リスティング広告の出稿キーワードの多さや運用負荷は出稿予算に比例するものではなく、少予算アカウントに最適化したリスティング自動入札システムへのニーズが多くあることが分かったと同社はいう。リニューアルした同サービスでは、特に広告代理店から要望が多かったという少予算アカウントでの効果最大化や予算管理に対応し、手間が不要で安心かつ思い通りのリスティング広告運用を提供するとしている。同サービスでは、「クリック数最大化ロジック」を新たに追加。コンバージョンが少なく認知目的のリスティング運用やブランディングを意識した広告主にも対応するという。また、予算通りに広告出稿したい時や予算超過をしたくない時でも、安心・正確に自動運用が可能としている。従来から搭載している「コンバージョン最大化ロジック」も引き続き備えており、広告主の規模や要望により使い分けが可能とのことだ。
2016年03月04日ディオール オム(DIOR HOMME)が16年フォールコレクションの広告キャンペーンを公開した。同広告キャンペーンのモデルには、12年のフレグランスキャンペーンにも登場したイギリス人俳優のロバート・パティンソンを起用。ディオール オムのレディ トゥ ウェアでハリウッド俳優が登場するのは今回が初となる。カール・ラガーフェルドが手掛けた同ビジュアルは、4月1日より世界中のディオール オムブティックで展開される。
2016年03月03日Googleがデスクトップ検索で、結果ページの右横にリスティング広告を表示するのを止めた。プライバシー問題やデバイスのパフォーマンスへの影響など、広告が議論の対象になることが増える中、検索体験の向上のために「広告スペース削減か?」と話題になっている。では、実際の使い勝手はどうなのかというと、これも体験の向上と言ったら、そうなのかもしれないが、検索結果よりもむしろ広告が見やすくなった印象である……。変更の理由についてGoogleは「検索結果を改善し、広告主向けのパフォーマンスを上げるため」としている。この変更に関するニュース記事を読むと、モバイルに軸足を移し始めたGoogleがモバイルに適したデザインに改めた、という指摘が多い。たしかに、同じデザインである方が両方を利用する上でユーザーが迷わずに使いこなせる。最近は画面の大きなモバイルデバイスが増えてデスクトップ版をモバイルで利用することも少なくないので、それは一理ある。だが、デスクトップ版は今でもPCの横長の画面で使われるのが主流であり、モバイルに適したデザインが必ずしもPCで最適とは限らない。そもそも変更後に右側の枠がなくなったわけではないのだ。テキスト広告は表示されなくなったものの、ナレッジパネルまたは商品リスト広告(PLA)は表示される。では、Googleはなぜ右側のテキスト広告を廃したのか? 「右側の広告枠が無くなった」のではなく、「右側の枠を商品リスト広告に譲って、テキスト広告は検索結果ページのトップに移動した」というのが正しい。Googleは検索結果の右側だけではなく、検索結果の上にも広告ブロックを設けている。結果トップの広告表示はこれまで1~3個だったが、Googleは4個の表示を試し始めていた。MozCastのデータセット(約6,000ページ分)によると、今年の2月初旬まで広告が4つ表示される率は1%程度だった。それが2月半ばから少しずつ増加し始め、2月18日に20%近くまで急増した。1個(約36%)や3個(約27%)を下回るが、2個(約17%)よりも多い。右側にテキスト広告が表示されなくなった現在、「car insurance」や「moving company」というようなテキスト広告の人気キーワードでは4つの広告が表示される。ただ4つも並ぶと、縦に長すぎて標準的な表示で使用しているノートPCでは広告だけで画面が埋まってしまい、スクロールしないと検索結果が現れない。これを見てユーザーが広告をブロックしたくなっても文句は言えない、というような表示である。見方を変えると、広告ブロッカーの利用者が急増しているから、これまでのように「広告はほどほどに」ではなく、広告を見る人に対してより多くの広告を提供する方向に舵を切ったと言える。結果ページでは右側の細長い枠よりも、メインのコンテンツ枠の方がより利用者の目を引き、より高い広告収入が期待できる。MozCastのデータを見ると、Googleは長い期間を費やして広告4個表示をテストしており、最大4個は収益のアップにつながるという結論に至ったのだろう。Merkleのデジタルマーケティングレポート(Q4 2015)によると、昨年第1四半期にGoogle.comのテキスト広告のインプレッションが前年同期比で17%減少した。それに歯止めをかける必要もあった。○GoogleがAmazonのライバルになるGoogle検索のレイアウト変更に影響を与えたと思われるもう1つのトレンドが、商品リスト広告の伸びである。商品リスト広告は画像や商品名、価格、店舗名などがコンパクトにまとめられた広告だ。テキストのみの広告と異なり、写真でアピールするので、より商品を訴求すると言われている。小売店の商品広告枠を設けていたAmazonが昨年10月にその枠の提供を終了させ、Microsoft(Bing)とGoogleが商品広告の受け皿になっていた。Merkleによると、Bingの商品広告のトラフィックが昨年第1四半期に前年同期比467%増だった。そして後半になると、Googleの商品リスト広告がBingを上回るような勢いで成長し始めた。下のグラフはGoogle.comの結果1ページ目におけるAdWordsの最少額(minimum cost-per-click)の推移だ。テキスト広告が効果を発揮できない右側の広告枠でも、写真のインパクトが大きい商品リスト広告なら目立つ。また、広告が多い時には、テキスト広告と商品リスト広告を混在させるよりも、はっきりと配置を分けた方が結果ページが見やすくなって広告の訴求力が高まる。昨年Googleはモバイルでも最大2つだった広告数を最大3つに増加させている。同社は広告効果が高い検索結果トップに表示できる最大広告数を慎重に調査し、そしてテキスト広告の表示を検索トップにまとめた。それが結果右側のテキスト広告の廃止の真相である。商品リスト広告が好調だった昨年のホリデーシーズンの結果を踏まえると、新レイアウトで広告収益は上昇すると期待できる。そして次はEコマースだ。商品リスト広告の効果を活かして、ユーザーがGoogle.comから直接、広告主の商品の購入を完了できると便利なはずだ。しかし、これまでのところインパクトを作り出せていない。それが2016年の課題になる。そこで好循環を生み出せるようになると、Eコマース分野におけるAmazonやGoogleの競争が新たな局面へ動き出しそうだ。
2016年02月25日サイバーエージェントは、同社子会社であるAMoAdが提供するインフィードアドネットワーク「AMoAdインフィード広告」において、集英社が提供するスマートフォンアプリ「少年ジャンプ+ (ショウネンジャンププラス)」と提携したと発表した。「少年ジャンプ+」は、「週刊少年ジャンプ」本誌の発売日と同日にデジタル版「週刊少年ジャンプ」を有料で配信するとともに、新人作家のオリジナル連載マンガを毎日5作品前後更新している。今回「AMoAdインフィード広告」と「少年ジャンプ+」の提携により、「AMoAdインフィード広告」に出稿している企業は、新たに「少年ジャンプ+」へ広告配信することが可能となり、マンガ読了後に、親和性の高い広告を全画面表示で届けることで、広告効果に貢献するという。
2016年02月23日ディオール オム(DIOR HOMME)がサマーキャンペーンの広告ビジュアルとムービーを公開した。同キャンペーンはクリエイティブディレクターのクリス・ヴァン・アッシュとウィリー・ヴァンデルペールのコラボレーションによるもの。10シーズン目となる今回は、モデルにシンガー兼作詞家のオリヴァー・シム、俳優のアラン=ファビアン・ドロン、アーティストのリナス・ファンデ・ヴェルデ、モデルのヴィクター・ニランデルが起用された。なお、フィルムの名前「Stranger in a Room」は、音楽プロデューサーであるジェイミーXXの歌にちなんで名付けられたもの。ジェイミーが所属するバンド・The XXのメンバーであるオリヴァー・シムもフィーチャーされている。動画引用元: (ディオールオフィシャルサイト:
2016年02月13日●サービス誕生の背景にある、不動産市場の課題テクノロジーの力によって不動産業界に革新的な変化をもたらそうという「リアルエステート・テック(不動産テック)」という言葉が、金融業界で盛り上がる「フィンテック(金融テック)」と並んで昨年から話題になるようになってきた。不動産テックとは、これまで不動産会社が管理してきた中古物件の様々な情報をオープン化し、インターネットを通じて一般消費者が自身の物件価値の把握や売買のために有効活用することができるようにしようという動きで、今回取材したヤフーとソニー不動産が共同で運営する「おうちダイレクト」をはじめ、不動産情報サイトのHOME’Sが開始した「PRICE MAP」、求人サービスで知られるリブセンスが開始した「イエシル」など、既に様々なサービスが生まれている。こうした不動産テックは従来の不動産取引にあるどのような課題を解決し、何を目指しているのか。不動産の個人売買プラットフォーム「おうちダイレクト」をソニー不動産と共同で運営する、ヤフー 不動産本部で「Yahoo!不動産」のサービスマネージャーを務める山口隆志氏に話を伺った。2015年11月にサービスインした「おうちダイレクト」は、マンション所有者が自分自身で物件価格を決定して売り出し、購入検討者と直接対話しながら物件を売却することができるサービスだ。売買交渉のサポートや重要事項説明、売買契約や引き渡し時の手続きといった法令で定められている不動産取引業務は、ソニー不動産がサポートするという。そして、マンション所有者が自分の物件価値を把握するために、過去の売買履歴を基にしたビッグデータと、ソニーとソニー不動産が共同開発した機械学習ソリューションによって、物件の資産価値を独自のアルゴリズムで推定する「不動産価格推定エンジン」を提供している。実際に売り出すことができるマンションは現在のところ東京都23区内に限られているが、不動産価格推定エンジンのデータベースの量は既に1都3県の約5万棟のマンションに及ぶ。山口氏は、このサービスを生み出した背景について、現在の不動産市場が抱える課題を挙げている。それは、“一度購入した新築物件に一生住み続ける”というライフスタイルそのものに対する疑問だ。「本来であれば、子どもの成長などライフスタイルの変化に合わせて住み替えていくという選択肢があってもいいはず。しかし、日本では自分の所有する不動産をどのように活用していくのかという点に対するリテラシーが少ないのが現状だ」と山口氏は説明する。実際に、日本の住宅流通戸数に占める中古物件の割合は、約14.7%。これは、米国と比べると8分の1程度と非常に少ない数字だ。「日本では人口が減少し、空き家が増加しているのにも関わらず、その住戸活用が米国に比べて進んでいない。都市部における新築マンション建設が土地の枯渇などを背景に限界に達しようとしている中で、このままの状況では不動産市場そのものが減速してしまうという懸念がある」(山口氏)ではなぜ、私たちは購入したマンションを手放すことができないのか。最も大きなネックは、住み替えに掛かる膨大なコストだ。例えば、売却するために必要な手数料や税金などは、100万円以上掛かる場合があり、それに住宅ローンの残債、新居への引越し費用を加えると、コストは三重構造になる。加えて、不動産会社の査定に基づく肝心の物件売却価格は、提示されても情報不足のためにその良し悪しを判断することができず、結果的にこうしたコストを吸収できない場合が多い。山口氏によると、「おうちダイレクト」はこうした不動産売却時にマンション所有者が感じる不透明感や、コストファットになる構造をテクノロジーによって解決しようと生み出されたのだという。「もちろん、普通の人は複雑な手続きを代行してくれる不動産会社へ売却することが当たり前だろう。しかし、私たちは従来の方法での売却に(コスト負担などの点で)抵抗があった消費者に新しい選択肢を提供することによって、不動産売買のマーケット全体が拡大し、中古物件の市場そのものが活性化するのではないかと考えている。売買プロセスを見直し、ユーザー自身がDIY的に売却することができる環境を作ることで、売却する人にとっては住み替えるコストの最適化が期待できる。そうすれば、“住み替えたいけれど、動けない”という人々が動き出すのではないか」(山口氏)しかし、山口氏はこの個人が不動産物件を売却するというスタイルは、従来の不動産業界のエコシステムを駆逐する存在にはならないとしている。あくまでも、これまでどおり“住み続けるか”、“高いコストを掛けて住み替えるか”という2択の間で沈黙していた潜在顧客を呼び覚ますための、有力な“第3の選択肢”を生み出すことを目的としているという。「このサービスが、従来の不動産売買に取って代わりメジャーな存在になるとは考えていない。しかし、大きな選択肢のひとつになるのではないかと考えている」(山口氏)●反響は大きいものの、物件数の増加には啓蒙・啓発が課題このような考えを背景にスタートした「おうちダイレクト」だが、その滑り出しはスロースタートだ。サービス開始時は売り出せる物件の対象地域が都内6区に限られていたという事情があるものの、実際に公開されている売却物件数は十分とは言えない。この点について、山口氏は「多いか少ないかと言われたら、もう少し頑張らなくてはいけない数字。満足はしていない。しかし、自分の所有物件の価値を検索する機能の利用者は昨年12月時点で目標を達成しており、問合せも多い。潜在顧客の取り込みには成功しているのではないか」と評価する。なお、今後掲載する予定の審査中物件も控えているという。それでは、今後どのような戦略で物件数や利用者を増やしていくのか。1月14日に開始した売り出し物件の対象エリア拡大に加え、“自分自身で所有している不動産を売却する”という考え方そのものの啓蒙・啓発、そして実際の手続きのサポートが課題だという。山口氏によると、昨年12月と今年1月にはマンション売却を検討している人を対象にしたセミナーを実施。従来の売却方法と個人売却がどのように違うのか、実際にどのようにサービスを活用するのかなどについて説明を行い、質疑応答や個別相談も実施したのだという。「“自分で物件を売るとはどういうことか”という点の理解を深めてもらい、サービスに対するハードルを下げていきたい」(山口氏)また、これまでは不動産会社に任せていた物件広告の制作、書類の用意、売却時のリフォームやクリーニングなどをサポートするようなサービスも検討しているとのこと。そして、現在は1都3県に限定している不動産価格推定エンジンのデータベース量の拡大にも意欲的だ。「目指しているのは、世の中の全ての不動産情報をオープン化すること。自分の住宅の価値がどのような要素で決まっているのかを米国並みにクリアにすることで、不動産取引の透明性を確保したい。また、自分の住宅に対する投資(リフォームや修繕など)を物件価値に反映できるようにすることで、投資対効果を明確にしたい」(山口氏)。○社会の課題に対して、ひとつの選択肢を提示したいこのように、ヤフーとソニー不動産が物件の個人売買に本気で乗り出し、他社も様々なサービスを生み出して不動産テックを盛り上げている背景には、「2020年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場を倍増させる」という国の政策がある。山口氏も、新築マンションの着工件数が減少していることなどを踏まえて、「中古住宅市場が活性化するポテンシャルは十分にある」と語り、今後も「おうちダイレクト」のサービス拡充に取り組んでいきたい考えだ。「市場における勝者になるつもりはない。社会の課題に対してひとつの選択肢を提示するという意識で取り組んでいる。今後も、従来の不動産取引に対する疑問を解決するような挑戦は、様々な企業から生まれてくる。テクノロジー業界だけでなく不動産業界からも色々なチャレンジを生み出されれば、消費者の選択肢は更に増えるのではないか」(山口氏)そして、物件の個人売買が不動産所有者にとって有力な選択肢となるために、同社ではユーザーの声を踏まえて、物件の歴史や地域の情報を網羅したデータベースの網羅性の確保などサービスの改善に取り組み、売買事例を増やしていきたい考えだ。「まずは利便性を追求し、個人売買に対する不安を解消していくことによって、サービスに対する門戸を広げていきたい。キャズムを超えるまでは、サービス開発に徹底的に投資をして、本気で取り組む。数年後には、個人が物件を売却する“個売”が不動産所有者にとって有力な選択肢となる時代を生み出していきたい」(山口氏)
2016年02月09日●ブランド関連キーワードの検索数なども測定以前は映像を使った広告といえばテレビCMがメインだったが、最近はインターネット上での動画広告も多くなっている。そのプラットフォームとして多くの企業に利用されているのがGoogleの「YouTube」だ。そして、Googleが広告主向けに提供している動画広告の効果測定を行うサービスが「Google広告ブランド効果測定」だ。「マーケティングの視点で見ると、広告が生活者にリーチして当たるというだけでなく、ブランドを認知してもらった上で、商品購入時の比較検討の1つに入れてもらうこと、さらに、ブランドへの好意度を上げ、最終的にコンバージョンにつながることを目標とすべきです。広告の目的としてもこうした目標を明確にして測定する必要があります」と語るのは、Google ブランド ソリューション エキスパートの翁友莉氏だ。「ブランド効果測定」では、単純にYouTubeの動画広告の再生回数だけで評価するのではなく、動画広告視聴後にブランドの認知は高まったのか、ブランド関連キーワードの検索数が増えたのか、購入前の比較検討候補に入れられたのかといったことまでを測定する。調査にあたって必要なコストは、十分なサンプル数を得るための出稿料のみで、調査費用はかからないという。○効果的で信頼度の高い測定結果を迅速に提供翁氏は「ブランド効果測定」の特徴を、「大きく3つあります。実態を捉える効果的な指標を測定できること、信頼性が高くできるだけバイアスを抑えた測定が行えること、最短7日間で結果が出せる迅速なレポーティングです」と説明する。具体的な測定指標は、広告想起、認知度、サーチリフト測定、比較検討、好感度、購入意向といったものだ。このうちサーチリフトは事前に設定したキーワードのボリュームがGoogle検索とYouTube検索で向上したかどうかを計測するもので、他の項目はYouTube上でアンケートを実施する。調査設定などはGoogleの担当者が行うため、企業側で作業が増えることはないという。「測定にあたって、先ず対象となるユーザーを広告に接触させるグループとさせないグループに分けます。後日、両グループに対して同じアンケートをオンライン上で行い、差分比較を行うという仕組みです。ユーザーとしてはYouTubeを見るという日常行動の中でアンケートに接触するため、調査に回答するという気構えのない結果が得られるなど、できるだけバイアスを排除した調査設計になっています」と翁氏はメリットを語る。そして、その調査結果は最短7日で得られるという。2~3週間のキャンペーンならば、実施中に測定結果を見て、ターゲティングの変更やコンテンツのカスタマイズなどを行えるわけだ。一般的な、キャンペーン実施の前後を比較するタイプの調査よりも迅速な結果が得られる。過去の活用事例としては、賃貸住宅情報サイト「CHINTAI」と、海外における「モンデリーズ」の例を紹介。「CHINTAIでは、テレビ広告がリーチしづらいターゲット層に対してブランド認知度の20%上昇、ブランド名の検索数に関して156%の上昇を達成しました。モンデリーズでは、迅速なレポーティングを活かしてリアルタイムに効果を測定し、2種のコンテンツのうち効果の高い方へ予算を集中したことで26%の認知度向上と、57%の広告想起上昇を実現しました」と翁氏は動画広告を結果につなげるために、効果測定が有用であることを語った。●モバイル動画広告で従来捉えられなかったセグメントへリーチ現在、生活者がオンラインコンテンツに接触するために利用される端末としてモバイルデバイスが使われることが増えている。「我々の感覚としては、モバイルにシフトしきっています。検索のボリュームなどもモバイルがPCを上回っています」と語るのは、Google YouTube プロダクトマーケティングマネージャーの中村全信氏だ。「PCと違い、モバイルは移動中に利用したり、寝る直前までベットで利用したりできますが、これは今までのマーケティングではなかなか捉えることができなかった部分です」と、マーケティングにおけるモバイルの重要性を語る。実際「ブランド効果測定」を利用した結果として、モバイル動画広告で大きな効果が見られるという。「対象期間内の138のモバイル動画広告キャンペーンのうち、46%が有意に検索を促せています。もちろん多くの場合、クリエイティブのクオリティによって効果は左右されますし、今回のキャンペーン全てが必ずしも検索を促すことを第一のKPIとしたクリエイティブでははない中で、、全体としてはしっかりと効果が出ていることがポイントです」と翁氏。ゲームアプリ等を含むエンタメ業界の場合、モバイルとの親和性が高いため8割のキャンペーンで検索が促せているが、従来は検索につながりづらかった食品や日用雑貨といったカテゴリでも4割は促せているという。もちろんこれは、検索数の変化であって、直接の商品購買につながった数ではない。しかし動画広告によって試聴者から何らかの行動を引き出すことができたという数字でもある。テレビCMでも同じだが、再生されただけで実際に人が見ていない場合や、眺めてはいてもメッセージが届いていない場合もある。そういった意味なく流れてしまう広告ではなく、人を動かすことができたということが効果測定によって見えてくるわけだ。「検索数だけではなく、アンケートによって広告想起で6割、認知度4割、促しにくい比較検討でも2割で効果が出ています」とモバイルにおける動画広告効果を翁氏は語った。●1度だけでは意味がない!定期的な測定実施と目標設定が効く「ブランド効果測定」の利用方法として繰り返し語られたのが、継続的な測定を行うことの重要さだ。「1度で判断するのではなく、継続的に測定することをお勧めしています。広告でまずはブランド認知の獲得を目標とするかと思いますが、そこから商品やサービスの購入に至るまでにはさまざまな要因が必要となります。そこを乗り越えるための一つのポイントがターゲットの興味の対象に合わせたブランドメッセージを送り続けるということです。それによってメッセージを受け入れやすく、また関心を持ちやすくなることが考えられます。さらに、メッセージが効いているかどうかを、繰り返し調査を行うことで検証し、最適化して行くことができるのが効果測定のメリットです。「ブランド効果測定」によって、最適なターゲティングと最適なメッセージの組み合わせを検証することができるのです」と翁氏は語る。そして、そうした最適解を探す動きにおいて重要となるのが、事前の目標設定だという。広告によって何を達成したいのかという目標を設定し、測定結果を活かして改善し続けることが必要なのだ。「動画広告のキャンペーンにおいて、ブランドの認知度や好意度の上昇や、ブランド関連キーワード、例えばGoogle検索でコンバージョンしやすい特定のキーワードの検索数の上昇を目指すというのが基本的な目標設定ですが、その前に、まずその動画広告のみならずキャンペーン全体で何を達成したいのか、それを達成するために動画広告が果たすべき要素は何なのかを明らかにする必要があります。例えば、売上を上げるというのは最終目標ですが、売上を上げるために必要なのは何か。ブランド好意度が高い方ほど購入率が高い、だが競合他社と比べてブランドの認知度が低いのが課題としてある場合、まずはブランド認知度と好意度を高めることだけを今回の動画広告キャンペーンの役割とする、などです。どんな要素上げたら最終的な売り上げに効果がありそうなのかといった仮説を持って取り組み、常にその結果と向き合って検証するのがマーケターの仕事だと思います。そのため1度測定するだけでは意味がありません。目標を持って取り組み、結果を見て何が悪かったのかを見直し、目標を達成しつづけることが重要でしょう」と中村氏。継続的な測定と改善によって、より動画広告のクリエイティブの質も向上する。テレビCM用のコンテンツをそのまま流用するのもひとつの手だが、ユーザーの興味・関心事に合わせた内容にしたり、モバイルデバイスから視聴されるシチュエーションを考えたりすることで、最適な表現も見えてくるはずだ。「ブランド効果測定」のユーザーに向けて、Googleではケーススタディの提供などを含めたアドバイスも行っているという。「例えば、Googleトレンドなどのデータがありますので、特定時期に急激に検索数が伸びるキーワードもわかりますので、バレンタイン向けなら2カ月前に検索数が急上昇し始める、というような事実を提案しています。また「ブランド効果測定」の結果に対する改善アドバイスなども営業担当者が行っています」と中村氏。広告を掲出する時間やターゲティングについてより具体的なアドバイスなどを求める広告主もいるようだが、まずはそうしたデータを元にしたアドバイスを受けた上で、定期的な測定を行い、自社の最適解を探すべきなのだろう。広告代理店ではなく、YouTubeという場を提供する企業であるGoogle だからこそのアドバイスとして、中村氏からはコンテンツそのものの魅力強化が指摘された。「YouTubeに動画をアップロードすれば、広告として出稿している期間以外でも、動画はYouTube上にありますしGoogleの検索結果でもYouTube動画は出てきます。つまり、これまでは「動画広告を出す」という目的でクリエイティブを制作してTVCMなどで出稿しても、その動画自体は後に残りませんでしたが、YouTubeを活用すれば、企業自体がコンテンツオーナーになっているのです。そのため、企業が一方的に伝えたいメッセージを発信するのではなく、ターゲットにとって魅力ある、自ら見たくなるようなコンテンツを制作することが重要で、そうすれば検索や関連動画などから見つけてもらえます。」と中村氏。広告出稿期間以外にも効果が得られる可能性が高いことなど、同じ動画を使ったものながらオンライン動画広告とテレビCMは大きく違うことがわかる。今ひとつ手応えを感じられていない状況ならば、ぜひ目標設定を行った上でコンテンツを制作しよう。その上で、効果測定を定期的に活用すること。これがGoogle の提案する、動画広告の活用方法だ。
2016年02月08日