かつて高い資産価値を誇っていたはずの不動産も、近年では少子化による「家余り」で売るに売れない「負動産」になるケースが増えているという。「不動産」ならぬ「負動産」とはなんだろう。「一般的に負動産とは、『持っているだけで資産的にマイナスになる不動産』のことを指します。もっともイメージしやすいのは、地方にある戸建ての空き家でしょうか。もともと住んでいた親は亡くなったものの、売却もできず子どもが固定資産税を払い続けているような状態は、負動産の典型例です。また、それに限らず『いまよりも価値が下がっていく不動産』も、大きな枠で負動産に該当すると私は考えています」そう語るのは、負動産問題の専門家で、相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄さん。すでに国内にある「所有者不明」の土地は九州の面積を超す広さに達しているが、藤戸さんは「今後はさらに、マンションも含めた負動産が大幅に増加していくでしょう」と警鐘を鳴らす。「すでに都心でも、木が鬱蒼と生い茂った空き家を目にするようになりました。相続争いなどの問題もあるのでしょうが、もし所有者や相続人たちが『場所がいいから、売ろうと思えば高く売れる』と思っているのなら大間違いです。需要自体が減っているなか、不動産業者もいつ空き家状況が解消するかわからない物件より、いま売りに出ている土地や家を優先して扱います。都心でさえすでに『その気になればいつでも売れる』などという時代ではなくなっているのです」地方となればなおさらだ。もはや、不動産はプラスの資産になるどころか、売ることも貸すこともできず、固定資産税などのお金だけがかかっていく「負動産」になりうる時代。かといって、そのまま放置しておけば、さらに最悪のシナリオが待っている。それは「特定空家」に指定されること!「’15年5月26日に、『空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特別措置法)』が全面施行されました。これはずばり、増え続ける日本の空き家をなんとかするべく、国土交通省の肝いりでつくられた法律です。この空家対策特別措置法に定められた『特定空家』に指定されると、最大で、固定資産税が更地の6分の1となる優遇措置の対象から外れるほか、市町村長から建物の除却や修繕、周辺環境のために必要な措置をとるよう(1)助言または指導、(2)勧告、(3)命令、と段階的に措置がとられます」最後の措置である命令に従わないときは、50万円以下の罰金刑が下される。「さらに、家屋倒壊の危険が大きいときは『行政代執行』といって強制的に家屋の取壊し除去が行われますが、そこにかかる費用はすべて所有者に請求されます。払わなければ、給与や財産を差し押さえて回収されることになるので、注意が必要です」特定空家に指定されるのは、次の4つの要件を満たしたとき。【1】そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態。【2】そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態。【3】適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態。【4】その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態。もはや、実家の「負動産」対策は待ったなし!まずは「不動産神話は完全に終わった」ことを、心に強く刻んでおこう。
2019年09月04日不動産というものは高額であるのでどうしても慎重になってしまうもので、その中で「買います」「借ります」と言わせるために営業は様々なテクニックを駆使します。今回は、新築マンションの不動産広告が「肝心な点をわざとぼかす」ことについてお話します。不動産取引において正直であることはもちろん大切なことですが、最初の内はぼかしておいた方がいいものもあるのです。■ 「肝心な点をぼかす」不動産の広告tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)先日筆者はたまたま乗車していた電車内で新築マンションの不動産広告に注意を引かれました。「東京23区」「大手町〇分」「□□□線直通」「△△△線始発」「「2駅2路線利用可」「南向き」という言葉がデカデカと並んでいますが、肝心の最寄り駅がどこにも見当たりません。(恐らく見えないくらいの小さい字でどこかに書いてあるとは思います)不動産の営業を長くやっているとこれだけでおおよその場所とざっくりとした周辺環境までイメージできますが、一般の人にそこまで求めるのは無理でしょう。利用者のことを無視した不親切な広告と思いがちですが、こういう「肝心な点をぼかす」というのは新築マンションの営業ではよくある手法なのです。■ 肝心な情報をぼかすことで反響につながる!?Renoir / PIXTA(ピクスタ)港区・千代田区・中央区の「都心3区」などと違って東京23区内にも人気のないエリアは確実に存在し、そのような立地の物件で馬鹿正直に全ての物件情報を出してしまえば誰も見向きもしてくれない事態が十分に予想できます。今回の物件のように最寄り駅をぼかしておけば客はHPにアクセスするか業者に問い合わせをすることになり、そうなればHP制作者や営業マンの腕次第で立地面の不利を克服できる場合もあります。環状八号線と東名高速道路が交差する場所に建っているマンションを担当した営業に話を聞いたことがありますが、モデルルーム完成前というような初期の段階では現地案内まで立地を伏せるのに最も苦労したそうです。■ 客に勝手に物件を見に行かせないTOSHI / PIXTA(ピクスタ)土地や戸建てで住居表示の枝番が省略されていたり、マンションで部屋番号が明示されず「10階建ての7階部分」というような表記となっていることもよくあります。不動産業界において物件情報は所定の流通機構に登録して業界全体で共有化しなければならない定めとなっていますが、登録の段階でぼかされているので仲介会社の営業マンもこれだけでは客の案内ができません。物元の業者(売り主・貸主側の仲介会社)に内見申し込みを入れると初めて教えてくれるのですが、最大の狙いは客だけで物件を見に行かないようにするためです。最初から物件が特定できる状況になっていると客が勝手に物件を見に行き、外見だけで判断されてしまう恐れがあります。kazukiatuko / PIXTA(ピクスタ)不動産の真の価値は営業マンの説明のもとでしっかりと内部を確認して初めてわかるもので、素人判断で検討の対象から外されてしまってはたまりません。不動産は高額であるため売買にせよ賃貸にせよ簡単に成約となるものではなく、そのため客に「買います」「借ります」と言わせるために営業マンは様々な工夫を積み上げます。不動産業界特有の広告の出し方もそのうちの一つなのです。
2019年05月19日史上最長といわれる10連休のゴールデンウィークが終わりました。不動産会社の営業マンは休めた人と仕事だった人の両方かと思いますが、どちらのタイプであってもこれからしばらく「閑散期」というつらい時期がやってきます。たとえ閑散期といえど給料(歩合給)をもらうためには売り上げを上げなければならず、そのためには地道な努力が必要になります。■ 不動産会社にとってのGWとは7maru / PIXTA(ピクスタ)土日が書き入れ時となる不動産業者は水曜日が定休日という場合が多く、世間の人と休みが合わないというのはこの業界で生きている人にとってどうしようもない宿命です。そんな不動産会社の社員が世間並みに休むことができるのが年末年始とお盆休みですが、ゴールデンウィークに関しては休む会社と営業する会社の二通りに分かれます。新築マンションの営業にとっては1年で最も物件が動く時期であり、朝から晩まで商談と現地案内に追いまくられていました。賃貸物件の営業は会社によって違いますが、筆者の場合は出社したことの方が多かったと思います。歩合給の営業にとっては売り上げが上がれば休みなどどうでもいいもので、最終的に成約に結びついた反響が多く取れて「いいゴールデンウィークだった」と思ったことを覚えています。■ ゴールデンウィークが終われば「閑散期」キャプテンフック / PIXTA(ピクスタ)不動産業界は年が明ければ引っ越しシーズンに突入して猛烈に忙しくなるため、一段落する3月末までを「繁忙期」と呼んでいます。4月もなんやかんやで忙しさは継続しますが、ゴールデンウィークが終われば客足はパタッと止まってしまい、そこから長い長い「閑散期」が始まります。大企業や公務員の人事異動の関係で7月は少し忙しくなったように思いますが、その時期以外は12月まで比較的ヒマな毎日でした。とはいえ閑散期といえど個人で引っ越しをする人は年間を通して一定数います。また新婚カップルの新居用として1LDK~2LDKもある程度動きますが、賃料の高い3LDK以上のファミリー向け物件は繁忙期を逃してしまうとほとんど動きません。筆者が在籍していた会社では、売り上げが一定金額を下回った場合は歩合給が支給されない定めとなっており、この時期はどうしてもこれに引っかかってしまうことがあるため、その分まで繁忙期に稼いでおく必要がありました。■ 「閑散期」に必要な地道な努力makaron* / PIXTA(ピクスタ)閑散期だからと言って最初からあきらめてしまうと大変なことになってしまうため、不動産会社では「キャンペーン」と称してこの時期様々な対策をとるものです。部屋探しをしている人に物件を紹介する「客付け」の場合は自社サイトを改良して反響を増やすしかありませんが、オーナーから預かった物件を賃貸市場に出す「物元」の場合はいろいろと工夫の余地がまだあります。空き部屋に客を付けるにはできるだけ多くの営業から顧客に紹介してもらわなければなりません。賃料を下げれば検索に引っかかる回数が増え、また成約の場合にバックマージン(広告料とかADと呼んでいた)を付けることができれば営業が優先的に顧客紹介してくれます。これらの原資は全てオーナーが負担しなければならないため、当然ながら事前に交渉して了解を取らなければなりません。■ 長期空室物件の注意点shimi / PIXTA(ピクスタ)契約のためには内見が絶対に必要ですが、その際の印象が悪ければとても申し込みなどとれるものでないため、空き室は定期的に見回りをする必要があります。長期間にわたって空室になっている物件の場合、「封水切れ」と言って水回りの排水トラップの水が蒸発してしまって蓋になるものがなくなり、下水管から臭いやハエが室内に侵入していることがあります。床にホコリがたまっていることもあればゴキブリの糞が散乱していることもあり、こうした見回りに際してはペットボトルの水と清掃用具を持参する必要がありました。■ 安定している不動産会社とは?カワグチツトム / PIXTA仲介手数料しか売り上げの手段がない場合は社会情勢の影響を受けやすく、筆者の勤めていた不動産会社もリーマンショックや東日本大震災後の業績は散々でした。以前不動産会社はどう選ぶ?社名の「漢字か、カタカナか?」その差はとんでもなくデカい!という記事を投稿したことがありますが、地元に長く根付いて管理物件を多く抱えた不動産会社の場合は管理料や礼金、更新料等で毎月の売り上げが計算できるため、ガツガツした営業活動をする必要がありません。不動産会社に就職しようという場合、こういう点も考慮して選ぶようにした方が良いと思います。
2019年05月12日不動産登記とは、土地や建物の所在、地番、家屋番号、権利関係などを公の帳簿に記載し、一般に公開するものです。登記があることによって、不動産の持ち主や権利関係の内容が分かります。すでに住宅や土地があるなら、法務局で「登記識別情報」が取得でき、ここに情報が記載されています。ここでは、登記の役割とその重要性、住まいを購入する際にいくらかかるのかを中心に紹介します。■ 1. 不動産登記は何のためにするの?ino masa / PIXTA(ピクスタ)住宅を購入した人が必ず行わなくてはならないのが「登記」です。不動産購入したい人や不動産を担保に融資をしたい人が、スムーズに取引ができるようするもので、人間の住民票の登録にあたるものです。土地や建物の面積はどれくらいあるのか、誰が所有者なのかは外見だけでは分からないものです。こつづ / PIXTA(ピクスタ)土地の場合、境界線に杭が打たれていても、隣の土地とはっきりと線が引かれているわけではないので、隣の人と境界線の場所について主張が異なり、争いになるケースが少なくありません。そのため、物理的状況と権利関係とを法的に明確にしておくことは非常に大切です。また、土地や建物を担保にして複数の金融機関からお金を借りるときに、どの金融機関に貸付金回収の優先権があるかも登記をしておくことで明確になります(これを抵当権の設定順位と言います)。これらを記載することで、正確な不動産取引を円滑にすることができるのです。■ 2.登記しないとどうなるの?PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)じつは、「登記事項証明書」の権利部(甲区・乙区)と言われる部分は、登記の義務がありません。登記申請を行わなくても、罰則はないのです。そのために、土地の名義が他界したままになっていて、売却時に名義変更していないことが判明するケースは非常に多くあります。親から受け継いだ土地を売ろうと思ったら、自分の名義になっておらず、売却までに手間取ってしまう人や、名義変更のときに兄弟ともめごとが起きて名義変更ができなかった、という話は少なくありません。また、AさんがBさんへ土地を売却したのに登記がなされなかったとき、AさんはCさんにも同じ土地を売ってしまったとします。Cさんは土地の登記を行いましたが、Bさんは登記を行わなかったら、Bさんが先に土地を買っても自分のものである主張ができません。このように登記は自分の物がどれだけあるかを主張する重要な判断材料なのです。■ 3. 家を買う際に必要な登記と費用は?自分の住まいを購入するときは、住まいが自分の持ち物であることを示すために「所有権保存登記」または、「所有権移転登記」を行います。「所有権保存登記」は、まだ所有権の登記がされていない不動産に初めて登記する際に行われ、新築住宅の登記はこれに該当します。「所有権移転登記」は、売買などにより、一度は登記したことがある不動産の所有権が移ったことを示すために行うものです。中古物件や土地は通常、こちらの登記方法になります。PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)マンションは複数の所有者が土地を共有していて、専有部分の所有権と敷地の利用権を一体化しているため(これを敷地利用権といいます)、土地の登記は省略されます。登記手続きを一般の人が行うのは難しいため、一般的には一定の報酬を支払って司法書士に依頼するのが一般的です。住宅購入資金の残金を支払う時に一緒に支払い、銀行で行われることが多いようです。司法書士報酬(8~10万円程度)と登録免許税(売買なら固定資産税評価額の0.3~2パーセント)がかかり、どちらも買い主が費用を負担するケースがほとんどです。住宅ローンを利用するなら抵当権設定登記も行います。資金を貸し付ける金融機関(債権者)が住宅を担保にした証拠として登記を行います。この権利が登記されていると、ローンの支払いが滞ったときに差し押さえとなり、競売にかけられ、貸したお金を回収することができるのです。■ 4.まとめkazu / PIXTA(ピクスタ)住宅を購入する際は、ローンの支払いなど、ほかのことに気を取られがちですが、登記は非常に大切なものです。登記識別情報に目を通し、間違いがないか確認しましょう。購入時に確認しておけば、将来売却するときに慌てることがありません。しっかりと目を通すようにしましょう。
2019年05月10日あなたはどんな時に不動産会社を利用しますか?「家を借りたい」「家を売りたい」「家を買いたい」など、その理由は人によって異なります。不動産会社を選ぶときは、その目的によって選ぶべき会社が違ってきます。種類と特徴を理解して、自分にとってベストな不動産会社を選ぶべきです。■ 不動産会社によって得意・不得意な分野があることを知ろう!cba / PIXTA(ピクスタ)不動産会社とひと口にいっても、いろいろな種類があります。大きく分けて不動産の業務には管理と仲介があります。管理とは、賃貸住宅を借りて、実際に住んでから関わる業務全般のことで、業務を行う会社を「管理会社」といいます。仲介会社は、いわゆる「仲人」のようなもので、賃貸住宅の貸し手と借り手、不動産の売り手と買い手を結びつける役割を行います。1. 管理会社の業務吉野秀宏 / PIXTA(ピクスタ)管理会社は家賃の入金管理、滞納督促、退去時の精算業務など、賃貸住宅へ入居している間のお金に関わることを管理しています。また、設備が故障した際の修理手配、共有部分の定期メンテナンスを行います。2. 仲介会社の業務cba / PIXTA(ピクスタ)仲介会社は、いわゆる「仲人」のような仕事です。賃貸住宅の貸し手と借り手、不動産の売り手と買い手を結びつけることを行います。マンションを購入したり借りたりする際は、仲介会社にお世話になることになります。3. 不動産会社の特徴を知るためにはサイトを確認するGraphs / PIXTA(ピクスタ)仲介会社は、成約したときの仲介手数料が収入源のため、1人でも多くのお客さんに部屋を借りてもらおうと広告活動を行います。広告活動としては、大半がインターネットの住宅ポータルサイトを利用しています。借主や買主は不動産会社に来店する前に、大半の人がインターネットサイトを見ています。そのために、その不動産会社がどんな物件をポータルサイトに掲載しているかを確認すれば、どのような特徴を持っているかがある程度分かります。賃貸が得意であれば、賃貸物件の掲載件数が多くなり、売買が得意であれば売買物件が多く掲載されています。賃貸7~8割、売買2~3割くらいの数が賃貸・売買ともに力を入れている不動産会社の標準的な掲載割合でしょう。■ 不動産会社のタイプを理解しよう次に、不動産会社の事業規模をチェックしましょう。会社の規模が、どんな事業を行っているか理解する際の手掛かりになります。1. 大手不動産会社PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです全国展開し、テレビCMが多く放映されているのが、このタイプの不動産会社です。フランチャイズに加盟している地元企業とは異なり、自社でアパート建設なども行っています。大手不動産会社が手掛けているために、見学から入居、管理まで一貫して同じ会社に関わってもらうことが可能となります。2. 地元の不動産会社freeangle / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです地元密着型の不動産会社で、フランチャイズの看板をあげていることが多いのが特徴です。仲介している物件数も多く、地元の企業なので気軽に利用できます。地元不動産会社は、抱えている物件がほかのタイプに比べ多いため、対応が手薄になることがあるので注意が必要ですが、地元密着であることを考えると、一番訪問しやすく、利用しやすいと予想されます。3. 家族経営や個人経営など小規模な不動産会社saki / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです扱う物件は少ないものの、掘り出し物の物件が見つかるケースが多いのが、このタイプです。営業規模が小さいために、すべての物件をカバーしているわけではないことに注意すれば、親切丁寧な対応をとってもらいやすいので、満足度は上がります。■ まとめMills / PIXTA(ピクスタ)信頼できる不動産会社探しは、物件探しを始める前にするべきことです。理想の物件が手に入れられるかは不動産会社の選び方次第と言っても過言ではありません。扱う不動産の種類や数が会社ごとに異なるのがその理由です。いろいろな角度から不動産会社を調査し、その特徴を理解したうえで不動産会社を選ぶべきです。
2019年04月08日賃貸物件を探すときに、足を棒にして何社も回っている人はいませんか?不動産会社の仕組みを知れば、時間と手間をかけずに希望の物件を見つけることができます。入居してからも快適に暮らすためには、不動産会社の仕組みを知ることから始めましょう。■ 1.不動産会社の種類を知るFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)不動産会社とは、どんなことをする会社かご存知ですか?不動産を扱う会社はおもに2つの業務を行っています。それは「不動産仲介」と「不動産管理」です。不動産会社は、仲介だけ行う、管理だけ行う、両方行う、の3パターンあります。1-1 不動産仲介とは物件を探している人が希望の物件を見つけるための支援をする業務です。希望家賃、エリア、間取りなどをヒアリングし、募集が出ている物件の中から条件に合ったものを紹介します。不動産会社はたくさんあるので、お客さんが来てくれるように色々な方法でPRをします。KY / PIXTA(ピクスタ)一番効果があるのはインターネットのポータルサイトの掲載です。近年は、物件を探している人はインターネットで物件をチェックし、自分が気に入った物件を掲載している不動産会社に問い合わせをすることがほとんどです。不動産会社はポータルサイトの掲載枠を買って、自分の会社の物件が目に留まるようにします。ポータルサイトの検索結果一覧の上位に表示されるには、画像や動画の掲載点数や紹介文の文字数など、ポータル会社の規定に沿ってきっちり守ることが必要となります。1-2 不動産管理とはABC / PIXTA(ピクスタ)アパートやマンションを維持し、入居者が快適に過ごせるようにする業務です。トイレから水漏れが起こった、廊下などの共用部分の蛍光が切れてしまったなど、入居中におこる住まいのトラブルに対応します。また、騒音をはじめとするご近所同士のトラブルやクレームの対応も行います。アパート管理を行うためには大家さんと「管理委託契約」を結びます。大家さんは、入居が決まった部屋に対し、毎月5%程度の管理料を支払います。freeangle / PIXTA(ピクスタ)管理会社は大家さんの代わりに建物のメンテナンスを行うほか、早く入居が決まり、かつ長く住んでもらえるように、費用対効果の高いリフォームやリノベーションを提案・工事します。入居者が支払う家賃を管理し、世の中の動向をリサーチして、的確なリフォームを提案できるかどうかは管理会社の腕の見せ所。場合によっては、家賃を管理する、滞納者に対し督促するなども行います。■ 2.どの物件も1つの不動産会社から申し込みができるmuu / PIXTA(ピクスタ)ポータルサイトを検索したとき、取り扱う不動産会社が異なるだけで、同じ物件がいくつも表示されたことはありませんか?これは、1つの物件を色々な不動産会社から申し込みができることを意味します。2-1 仲介手数料のカラクリを知るYNS / PIXTA(ピクスタ)大半の大家さんが管理を任せるとき、管理委託契約は1社としか結べません。いっぽう物件の募集はいろいろな会社が募集することが可能です。管理している不動産会社以外の業者が募集し、客付けが成功すると仲介手数料がもらえます。仲介手数料は、法律上は貸主からももらえることになっていますが、ほとんどの場合、家賃+消費税を上限とした仲介手数料を入居者からもらいます。den-sen / PIXTA(ピクスタ)管理会社以外の仲介会社が入居者を紹介・案内して成約した場合、その仲介手数料をもらうことができるのです。仲介会社は仲介手数料目当てに、たくさんの物件をポータルサイトに掲載します。そのために同じ物件がポータルサイトにいくつも掲載されるのです。管理会社は、自社で申し込みを受けた場合に比べて仲介手数料は少なくなりますが、空室でなくなれば管理料が毎月入ってきます。管理料が5%なら20か月で元がとれますので、結果的に得をします。そのために、管理会社は他社がネット掲載することを許可するケースが多いのです。2-2どの物件もすべての不動産から申し込みができるUshico / PIXTA(ピクスタ)インターネットサイトへの物件掲載は、管理会社のお許しがないとできませんが、紹介と申し込みに関しては、ほとんどの物件がすべての不動産から申し込みができる仕組みになっています。そのために、わざわざ掲載元の不動産会社に1件1件足を運んで物件見学をしなくてもよいのです。仲介会社に行ったときに、お目当ての物件のほかに「ポータルサイトでみたのですが」といって、掲載元が他社になっている気になる物件についても問い合わせをしてみてください。ほとんどの場合、チラシを取り寄せてくれ、見積作成や案内もしてくれるでしょう。まとめて問い合わせれば、1日で何件も物件の見学が可能です。ABC / PIXTA(ピクスタ)掲載元と異なる会社で申し込みをしても、敷金や礼金、家賃が変わることはありません。不動産会社の仲介手数料の「分け前」がどうなるかの問題なので、申し込み者が支払う仲介手数料の総額には影響ありません。ただし、不動産会社がキャンペーンを行っていて、自分の取り分である仲介手数料をディスカウントしてくれることはありますので、問い合わせてみるべきです。フリーレントについては、大家さんがOKするかどうかの問題なので、不動産会社が変わると極端に差が出るということはないようです。■ 3.まとめこれらの仕組みを知っておけば、「不動産会社巡り」をしなくて済みますし、値段交渉等する際にも役立ちます。入居後は仲介会社とは縁が切れ、管理会社とお付き合いすることになります。そのため管理もやっている仲介会社を通して借りたほうが何かと便利かも……と考える人もいますが、物件の見学や申し込みに限って言えば1、2社訪問するだけで十分なのではないでしょうか。
2019年02月01日昨年12月に発生した、札幌の不動産仲介会社のガス爆発事故には驚かされました。そこから様々な問題が発覚しましたが、何よりも知名度の高い不動産ネットワークであっても客の無知に付け込んで暴利を吹っ掛けることがあるということに驚かされました。引越しシーズンを前に、お部屋探しを始めるうえで知っておくべき最低限の知識をご紹介します。■ 3月下旬まで不動産仲介業者はてんやわんやであるYukini / PIXTA(ピクスタ)いよいよ2019年がスタートしました。日本では4月1日に新年度がスタートすることが多いため、この時期には新入学・就職・異動等により新しい生活が始まるという方が一斉にお部屋探しに着手します。当然ながら不動産会社も多忙を極めることになり、筆者の感覚では1月4日の仕事始めの日から問い合わせの電話が鳴りっぱなしになり、3月下旬の国立大学合格発表まで、ずっとてんやわんやであったように記憶しています。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)読者の皆様の中にも、転勤や入学等の事情でこれからお部屋探しをするという方もいるかと思います。全国にある不動産仲介会社の数はコンビニより多く、その中には残念ながら悪質な業者も含まれます。こういった業者に引っかからないためには最低限の注意点を知っておかなければなりません。■ 悪質な不動産会社を避けるためのポイント3つそれでは悪質な不動産会社を避けるための具体的なポイントを3つご紹介します。1. 不動産会社による情報量の差は存在しないふじよ / PIXTA(ピクスタ)売買でも賃貸でも、不動産会社は預かった物件の情報を所定の流通機構に登録して業界全体で共有化しなければならない定めとなっており、逆に言えば業者は専用サイトにアクセスすればすべての物件情報を入手することができます。そのため情報量はどこの業者も同じで「物件数地域一番店」などという看板に惑わされてはいけません。2. 「仲介手数料半額」を売りにした業者は避けるもとくん / PIXTA(ピクスタ)不動産会社の広告を見ていると「仲介手数料半額」を謳い文句にしている会社を目にすることがよくあります。不動産会社は成約時の仲介手数料以外の報酬を客から受け取ってはならないと定められており、これを半減させてしまってどうやって売り上げを確保するのでしょうか。成約時に貸主からバックマージンが出る物件がありますが、「仲介手数料半額」の会社はこういった物件以外紹介してくれないという話を聞いたことがあります。本当に気に入ったお部屋を見つけるためにはこういった「仲介手数料半額」を売りにする業者は避けた方がいいでしょう。3. 「除菌・消臭料」をとる業者はNGもとくん / PIXTA(ピクスタ)札幌の爆発事故をめぐる最大の問題点は業者が「除菌・消臭料」というような費用を日常的にとっていたことにあると筆者は考えています。退去時の原状回復は前入居者と貸主の費用負担で行うことが大原則であり、「除菌・消臭料」「消毒料」といった名目で新しい入居者からも費用を徴収することは不当(違法ではない)です。知名度の高い不動産ネットワークに属する業者でもこういう悪質なことをやっているのです。物件資料を見る際には備考欄に注目し、怪しい項目を発見した場合は外してもらうよう交渉しましょう。■ 不動産会社とのやりとりで気をつけるべきことtomos / PIXTA(ピクスタ)不動産会社を訪れる際は飛び込みではなく事前に電話をして予約してから行くようにしてください。この時期(特に週末)の不動産会社は多忙を極めており、飛び込みで店に入ってもまともに対応してもらえない可能性が高いからです。事前に希望条件を伝えて予約をしておけば必ず担当者が体を空けて待っていてくれ、さらに物件資料を揃えて内見する準備までしていてくれたりします。■ 「退去時清掃費」の扱いに注意!Graphs / PIXTA(ピクスタ)退去が完了した部屋は次の募集をかけるためプロによる室内クリーニングを実施する必要があり、その費用は前入居者が負担します。通常は敷金を利用して清算しますが、「敷・礼ゼロ」というような物件においては話が違ってきます。退去時に請求される場合もありますが、「退去時清掃費」といった名目で契約時にあらかじめ費用をとっておくことはよくあります。(これは違法でも不当でもない)「敷・礼ゼロ」が必ずしも引越し費用の軽減に結びつかないことも多いので、「退去時清掃費」のような項目があれば必ず確認してください。
2019年01月24日住宅や土地の購入は一生モノの買い物。どの会社から不動産を購入するかは、大きく迷うところであると同時に、担当する営業マンはその会社の顔とも言えます。今回は、住宅不動産企業に勤務していた筆者が、良い営業マンとイマイチ営業マンの見極め方のポイントを解説!ぜひ参考にしながら、後悔のない買い物をその営業マンに任せられるかどうか、検討してみて下さいね。■ 1.清潔な身だしなみと声の明朗さ、笑顔はありますか?xiangtao / PIXTA(ピクスタ)初歩的なところですが、まず身だしなみをチェックしましょう。爪、髪の毛、靴など、目に見えるところだけでなく、例えば口臭や体臭など、お客様に不快感を与えないよう意識しているかが立ち現れるのが身だしなみです。営業マンは一日のうちに何件ものお客様対応をしているだけに、特に夕方になってくると、身だしなみに対する意識が薄れがちです。それでも、一人ひとりのお客様を大切にする意識がある営業マンは、清潔感に手を抜くことがありません。naka / PIXTA(ピクスタ)また、声の明朗さと笑顔もポイントです。大きな声と、わかりやすく明るい言葉遣い、絶やさない笑顔は、自信と真面目さの現れともいえます。電話応対でも同じですが、ハキハキと気持ちの良い声で応じてくれるか、不快感がないか、意識的に確認しましょう。■ 2.質問に対し逃げないで答えてくれますか?YNS / PIXTA(ピクスタ)例えば、エリアに関する質問や、相場についてなど、わからないことを聞いたときに、丁寧に解説してくれるかは、その営業マンの経験値を測る一つの見極め方です。他社と比較して解説してくれたり、不動産全般の中でその会社がどういう位置づけなのかまで解説してくれる営業マンであれば、かなり良い営業マンであると言えます。また、その会社の弱点を指摘したときに、正直に認めて、それでもその会社の不動産を選ぶことのメリットを丁寧に説明してくれるような営業マンは信頼できるでしょう。KY / PIXTA(ピクスタ)新人営業マンであれば、ベテランと一緒に対応することがほとんどですが、若手二人組の場合は新人の教育のために3年目程度の営業マンが付いて指導していることが多く、まだ経験豊富とは言い難いといえます。気になる際は、早めに「担当を上の方に代わってもらえますか?」と伝えることで、後悔なくやりとりすることも可能です。■ 3.予算に余裕をもたせた提案をしてくれていますか?Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)会社側からすると、少しでも儲けが高くでる物件をお客様に購入させたいものです。でも、信頼できる良い営業マンは、お客様の家づくりをトータルで考え、その場だけの儲けにこだわりません。お客様の予算ギリギリではなく、少し余裕をもたせた提案をして、お客様のニーズにあったオプションなどを提案してくれるのが、良い営業マンです。これも、その営業マンが一人ひとりのお客様視点に立って担当しているかどうかの見極めポイントと言えます。また、予算をもう少し下げたいなどの相談をしたときに、嫌な顔をせず応じてくれるかも重要です。一緒に家づくりに携わる人として、気持ちの良い関係を築こうとしてくれている営業マンが良い営業マンといえるのではないでしょうか。ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたでしょうか。以上のチェックポイントをぜひ参考にして、お客様視点に立って対応してくれる良い営業マンと一緒に、素敵な家づくりをしたいですね。
2019年01月20日先日札幌で発生した爆発事故には驚かされるものがありました。不動産会社の店内で消臭スプレーのガス抜き作業をしていたことが原因で、ニュースでも大々的に取り上げられていますが、そこでは本来最も問題とすべきポイントが見落とされています。この不動産会社では明らかに「ぼったくり」 といってもよい商売が日常的に行われており、 それがスプレー缶の大量在庫につながりました。そのことが最大の問題であって、1,000円の原価で1万~2万円徴収していることや、 やるべき作業をさぼってスプレー缶がたまってしまったことは、どちらかというと小さな問題です。■ 札幌の爆発事故の概要YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)12月16日20時半ごろ札幌市豊平区の整骨院、居酒屋、不動産仲介会社が入居した木造2階建ての建物で爆発事故が発生し、これによって居酒屋と不動産仲介会社がほぼ倒壊し、整骨院も外壁などが崩れました。爆発の衝撃で付近のマンションなど少なくとも20棟が破損、数百メートル離れた車の窓ガラスが割れるなど広範囲で被害があり、この爆発によるケガ人は重傷1人を含む42人にのぼります。不動産仲介会社の店長が室内で消臭スプレー120本のガス抜き作業を行い、その後、手を洗うために湯沸かし器をつけた際に爆発が起きたといいます。■ 問題なのはスプレー缶じゃない!Graphs / PIXTA(ピクスタ)当時店内には160本ものスプレーが在庫として置かれており、店の改装を控えて処分する必要があることから、その内の120本を店内のテーブルに並べ、中身を一度に噴射させたのだそうです。当然のことながらテレビの情報番組でも大々的に取り上げられていますが、筆者が見る限り室内でスプレーを大量に噴射したそのアホさや原価と料金のギャップ、作業を実際にはやっていなかった「未施工」の疑いばかりが問題とされています。しかし筆者は非難されるべきポイントは他にあると考えており、隔靴掻痒の感がどうにも否めません。■ 消臭スプレーを在庫として置いている店など見たことがないCORA / PIXTA(ピクスタ)不動産の賃貸借契約を締結する際には契約金というものが発生し、そこには通常では敷金・礼金・火災保険料・鍵交換代・保証料(保証会社利用の場合)といった費用が含まれます。今回問題となった店舗の契約ではこれらに加えて「除菌・消臭代」という項目があり、入居予定者に諮ったうえで1万~2万円を徴収していたようです。Melpomene / PIXTA(ピクスタ)「施工」という言葉を使用していますがそれほど大したものではなく、単価1,000円の消臭スプレーを室内で噴射させればそれで終了です。客から「除菌・消臭代」を暴利で徴収していながら実際には作業を実施しておらず、そのため店内にたまったスプレーの在庫を隠すために非常識なガス抜きが実施されたのではないかという内容が論点になっていましたが、そもそも「除菌・消臭代」をとるということ自体が不当なことなのです。筆者はブラックからホワイトまでこれまで様々な仲介店舗を経験してきましたが、消臭スプレーを在庫として置いているような店は一度も見たことがありません。■ 悪い噂で聞いていたアコギな商売が頭に浮かんだhap / PIXTA(ピクスタ)賃貸仲介に従事していた頃、契約時に「消毒料」という名目で客から費用を徴収している業者があるという話を聞いたことがあります。「消毒」といっても客に鍵を渡す前に室内で、バルサンのようないわゆるくん煙(煙・霧)剤を焚くだけですが、それだけで万単位の金を徴収する相当にアコギな商売です。しかし筆者はそれを実際に見たことはなく、単なる悪い噂だとばかり思っていました。今回の事故に際して「仲介会社になぜスプレー缶?」ということでまず頭に浮かんだのがこの「消毒料」です。くん煙(煙・霧)剤を焚くようなことを消臭スプレーでやっていたのかもしれないと漠然と思いましたが、どうやらそれが当たっていたようです。■ 本当に問題にしなければいけないポイントはココ!ABC / PIXTA(ピクスタ)退去後の空き室で再募集をかけるには商品として仕上げなければならず、そのためにはプロの手で室内クリーニングを実施することが必要だという記事を以前書きました。そのようにして前入居者と家主の負担で原状回復を完了させておきながら、それに加えて「除菌・消臭代」「消毒料」といった名目で新入居者からも費用を徴収するのはどう考えても筋の通らない話で、金額の大小にかかわらず不当なものでしかありません。いくら「入居予定者に諮ったうえ」で実施するにせよ、それは客の無知に付け込んだ詐欺同然の行為です。今回爆発事故を発生させたのは日本でも屈指の知名度を誇る不動産ネットワークの直営店だったようですが(HPからは既に消されている)、そのような店でこういったアコギな商売をしていたことが最大の問題なのです。■ 物件情報の「備考」欄を必ず確認しようjannoon028 / PIXTA(ピクスタ)この記事を書くために改めてネット上の賃貸情報を見ましたが、「水廻消毒料」「ストーブ分解清掃料」等々様々な項目が記載されていることに驚かされました。物件を紹介された際は一番最後に書かれているはずの「備考」欄を必ず確認し、少しでも疑問を感じた項目は外してもらうよう交渉するようにしてください。それを知らないまま契約してしまうと、取り返しがつかなくなります。
2018年12月20日不動産に掘り出し物(ここでは相場より価格が安い物件の意味とします)がない理由として、「安い物件は市場に出回る前に不動産会社が優先的に買って、値段を上げ転売してしまうから」という意見をたまに耳にします。実は、この意見は半分正解で半分ハズレています。今回は、先述の意見が「半分正解で半分ハズレている」理由をもとに、不動産会社が物件を仕入れる仕組みについてお話ししたいと思います。■ 不動産会社は掘り出し物を転売して儲けている?HHImages / PIXTA(ピクスタ)不動産にはさまざまな指標からなる相場があり、相場よりも価格が安い物件を「掘り出し物」と呼ぶことがあります。一般的に、不動産会社はこの「掘り出し物」が市場に出回る前に優先的に買うことができ、それを右から左へ転売して儲けている、と思われているようです。たしかに、不動産業者が購入する物件は相場よりも安いものになります。逆にそうでなければ、不動産会社が売主となって分譲する物件は、その販売価格が相場より高くなってしまいます。これが冒頭の意見が「半分当たっている」理由です。では、なぜ不動産業者は相場より安く買えるのでしょうか?■ 相場より安く買える最大の理由とは?maruco / PIXTA(ピクスタ)まず、あなたが不動産(土地や建物)を持っていて、それを売る場合を考えてみましょう。あなたはその不動産を「少しでも高く売りたい」と思うはずです。ただし、不動産には相場があるので、なかなかそれ以上で売ることはできません。逆にいえば、「相場以下で売る必要もない」ともいえます。そこで疑問なのは、「少しでも高く売りたいはずの売主がなぜ相場以下で不動産業者に売るのか」ということです。不動産の売買には個別の事情が存在するのが当然であり、「売り急ぎ」やその逆の「買い進み」などの事情も多く存在します。言うまでもなく、売り手に売り急ぎの事情がある場合は、その取引価格が若干低めになる傾向があります。また、不動産会社のなかには情報の非対称性(買い手と売り手が持っている情報の格差)を利用して、安く買い取ろうとする質の悪い業者も一部には居るようです。■ 「不動産を商品化するスキルを持っている」ことが最大の理由テラス / PIXTA(ピクスタ)しかし、不動産会社が相場より安く買える最大の理由は、不動産会社が「不動産を商品化するスキルを持っている」ことにあります。例えば、高低差があり造成しなければ住宅が建たない土地や、一般住宅用地としては広すぎる土地、生活インフラ(上下水道・ガス・電気・道路等)が未整備の土地、権利関係が複雑だったり何らかのトラブルを抱えている土地などは、その物件情報を一般のマーケットに公開してもなかなか個人の買い手は見つかりません。買い手が見つからなければ、そのような物件は個人向けに販売するのではなく、不動産会社向けに販売することになります。そして不動産会社が購入する価格は、事業性(再販売等)を前提としたものになるので、個人向け相場よりも安くなってしまい、結果的に売主は相場より安く不動産業者へ土地や建物を売ることになります。不動産会社は、その不動産の最適用途を見つけ出して加工(造成工事、権利関係整理、利害関係整理など含む)することで新たな商品としての価値を見いだします。■ 加工して商品化するという前提があるから安く買える!HAKU / PIXTA(ピクスタ)不動産会社が土地や建物を相場より安く買える背景には、そのままでは一般の人たちが購入しづらい不動産を「加工して商品化する」という前提があります。つまり、不動産会社は「優先的に安い物件を買えている」わけではないのです。これが冒頭の意見が「半分ハズレている」理由です。このように、不動産会社はさまざま情報を集め、その不動産を加工する能力と技術を駆使し、相場より安く(しかし競合他社よりは高く)不動産を購入する努力を重ねているため、掘り出し物を購入することが出来るのです。
2018年12月01日いろいろな書籍やネット上で、「○○年に不動産が暴落する!」などの記事を見かけたことはありませんか?そのなかでも、とくにまとしやかに「暴落の年」と主張されているのは、「2019年」と「2022年」ではないでしょうか。では、この2つの年には何が起こり、なぜ不動産が暴落するといわれているのでしょうか?■ 2019年問題とは?ABC / PIXTA(ピクスタ)国立社会保障・人口問題研究所が2013年1月に推計した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、世帯総数は2019年をピークに減少に転じるとされていました。世帯数が減少に転じることで、住宅が供給過剰状態に陥り価格が暴落する、というのが「2019年不動産暴落説」が主張される大きな理由のひとつです。Rise / PIXTA(ピクスタ)しかし、この主張の基になった「総世帯数の減少」ですが、今年2018年1月に新たな推計が発表され、世帯総数増加のピークは2023年まで延びるという結果が出ました。つまり、世帯数減少を理由とした2019年問題はすでに回避されてしまったので、ここでは新たに世帯数ピークとされた2023年に暴落があるかを考えてみたいと思います。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)実は、総世帯数が減少に転じても、すぐに不動産が暴落するとは考えにくいといえます。なぜなら、2023年以降も人口が増え続けると推測されている地域がたくさんあるからです。国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によると、全都道府県の人口が減少に転じるのは前回の推計よりも延びて2030年となっています。つまり、2030年までは人口が増え続ける地域(都市)があるということになります。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)これは、近年、出生率が改善されたことや、人口移動(移住)の状況を反映した結果なのですが、人口増加が続く地域では住宅の需要も一定程度継続します。そのため、人口流入が続いている地域(都市)については不動産の暴落は起こりにくいと考えられます。ただし、人口が流出していく地域では住宅需要が減り続け、不動産価格も下落していくと考えられます。■ 2022年問題とは?1988年に農地法が改正され、生産緑地の指定が始まりました。この指定を受けた土地は、固定資産税などの税金を大幅に減免できたり、相続税の納税を猶予する制度を使うこともできるのです。ただし、生産緑地の指定を受けると30年間の営農義務を負い、その土地を他の用途に転用することはできません。pixabayこの指定を受けた土地が2022年には30年目を迎え、その営農義務が外れて、税金対策などでそれらの土地が一斉に売り出されたり、アパートやマンションなどが建築されて、市場が供給過多になり、地価が暴落する、というのが「2022年問題」と呼ばれるものです。ABC / PIXTA(ピクスタ)ただ、この問題についても、すぐに不動産の暴落にはつながりにくい理由があります。2017年に生産緑地法の改正があり、生産緑地の指定から30年経過した土地について、新たに「特定生産緑地」の指定を受ければ、買い取り申出の時期をさらに10年延長することができるようになったことで、まずは急激な増税は回避されました。money/pixabayまた、この生産緑地の指定を受けた農地のなかには、前述した相続税の納税を猶予する制度を利用している生産緑地もあります。この、相続税納税猶予制度を利用するための条件が、終身営農(三大都市圏の場合)なので、買い取り申出(生産緑地の解除)をする場合は、猶予されていた相続税を支払う必要があります。つまり、そもそもこの制度を利用している生産緑地については、相続の発生などがないかぎり買い取り申出の対象外になると考えられるのです。よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA(ピクスタ)東京都が2015年に都内の都市農業者を対象に行ったアンケートでは、この「相続税納税猶予制度の適用をまったく受けていない」という回答は約41%でした。さらに、この「相続税納税猶予制度の適用はまったく受けていない」と回答したなかで、今後の利用計画について「指定から30年経過後、すぐ区市へ買取申出したい」との回答は8.2%でした。つまり、東京都に限っていえば、2022年に買い取り申出の対象となる農地は、生産緑地の指定を受けている農地の約41%で、さらに即時買い取り申出をしたいのは、そのなかの8.2%なのです。実際にどれだけの農地が買い取り申出されるかについては「そのとき」になってみないと分かりませんが、上述した理由を考慮すれば、2022年に供給過剰といわれるほど市場に土地があふれ出るとは考えにくいといえるでしょう。HAKU-No1 / PIXTA(ピクスタ)今回取り上げた以外にも、2020年問題、2025年問題、2030年問題など、不動産の暴落をアナウンスする声は絶えません。ひとつだけ確かなことは、不動産が確実に「上がる」「下がる」などのタイミングは誰にも分からないということです。過激なアナウンスに惑わされずに、自分自身にとって最適な「売・買」のタイミングとは何かを大事にして実際の売買に臨むようにしましょう。【参考】※国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 30 年推計)」※参議院立法と調査「都市農地の保全と有効利用」都市農地の貸借に関する制度と課題2017.11
2018年11月25日マイペースに賃貸業を営んでいるアサクラですが、世間を賑わす不動産の話題が気になることもあります。最近気になるのはやはり、過熱ぎみの不動産投資とそれに伴うトラブルのニュースです。不動産投資の怖さは「おいしい話」ばかりが独り歩きしてしまい、困難やリスクが語られにくいこと。そこで今回は、大家的視点から見た「ゼロから始める不動産投資の難しさとリスク」について考えてみたいと思います。■ 不動産投資はとにかくシビアな金銭感覚が必要ナカムラ / PIXTA(ピクスタ)うちのマンションは親族から引き継いだ古い物件を、家族みんなに助けてもらって経営しています。ですから、賃貸経営といっても、物件を取得するための多額な初期投資がない分、ゲタをはかせてもらっての商売です。その分、リノベーションにもメンテナンスにもしっかりと予算を割くことができています。仮にビジネスとして少々割が合わない投資でも、自宅の延長としてマンションをとらえているので「自分の家のために使った」と思うと納得できてしまいます。HM / PIXTA(ピクスタ)しかし、ゼロから資金を借り、ローンを組んで不動産を取得し、それを賃貸に出すとなると事情が違います。投資である以上、金利を含めて銀行への返済をおこない、そのうえできちんとした利益を出さねばなりません。そのためには、とにかくお金に対するシビアな感覚を求められます。入居者獲得のために物件は充実させたい、しかし、利益を考えるとお金はかけられない……。freeangle / PIXTA(ピクスタ)賃貸経営は常にこのせめぎあいにさらされるビジネスですが、不動産投資で利益を上げている人たちの話をうかがうと、みなさん、僕とは比べものにならないくらい厳しいラインで、このせめぎあいに苦しんでいます。投資である以上、投下した資金と労力に見合う利益が出なければ意味がないのです。僕などは利回りの計算などを見せられると頭が痛くなってしまいますが、綿密な計画なくして不動産投資はできません。■ 物件の維持管理にかかるお金や労力もバカにならないアオサン / PIXTA(ピクスタ)緻密な計画には「今後〇年のあいだに物件のメンテナンスにいくらかかるか?」という見通しも含まれます。しかし、この見通しをつけること自体が、簡単ではありません。水道ポンプが急に故障したり、古い電気ヒューズが飛んだり、僕が体験しただけでも予想外の出費はたくさんありました。僕が無知だったということもありますが、こういうトラブルを予測して長期の資金計画に盛り込むのは、かなり難しいことです。また、僕のように入居者と同じ屋根の下に暮らしていれば、トラブル発生時に自分が駆けつけることができますが、マンション投資をしている人のほとんどは物件の近くに住んでいるわけではないので、誰かに代わりに対応してもらわなければなりません。あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)となると、業務を管理会社に委託することになりますが、そのためには管理料(家賃収入のうちの3~8%くらいといわれます)を支払わねばなりません。管理会社選びも重要です。うっかり質の悪い管理会社を選んでしまうと、満足のいく対応をしてもらえない可能性もあります。うちに入居いただいた方の一人は、前に住んでいた物件で上階からの漏水があった際、遠方に住むオーナーと管理会社のたらいまわしに遭い、なかなか問題が解決せずに苦労したとおっしゃっていました。僕個人としては、自分が子どもの頃から暮らしていた物件を管理するのにも四苦八苦していますから、よく知らない遠方の物件を購入して管理するなんてことは、ちょっと想像できません。■ 家賃保証で不動産投資を丸投げするリスクsasaki106 / PIXTA(ピクスタ)すべてを人任せにするという不動産投資も喧伝されています。たとえば、こんなセールストークを聞いたことはありませんか。「あなたはローンだけ組んでください。できたマンション(アパート)は我々が借り上げて経営します。ローン返済はマンションが勝手にやってくれます。ウン十年間、家賃も保証しますから心配ありません」大家をやっている身からすると、「こんなおいしい話、あるわけないよな」とすぐわかります。家賃というのは、まさに不動産賃貸業の生命線です。それを何十年にもわたって保証することなんてほぼ不可能な話です。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)時代的に見ても、新築マンションが乱立し人口が減少に向かうなか、常に安定した家賃収入を想定すること自体、無理があります。実際、「家賃保証」という言葉が醸し出す安心感とは裏腹に、その現実は残酷です。不動産会社は、経済状況の変化などを理由に家賃を減額できるし、契約を解除することもできるのです。つまり、「家賃の支払いは保証するけど、いくら払えるかはわからないよ」ということですね。個人的には、これでは「家賃保証」とは言えないと思うのですが、法律的にはそれがまかり通ってしまうのです。■ 借地借家法は不動産業者の味方?sanae / PIXTA(ピクスタ)この「約束破り」を可能にしているのが、借地借家法(の悪用)です。常々申し上げているとおり、現在の借地借家法は「借りる側に圧倒的に有利」にできています。通常の個人(弱者)が、マンションやアパートという資本を持つ人間(強者)から物件を借りるという前提なら、それも一理あるのかもしれません。大家の気まぐれで追い出されたりすれば、入居者の生活は成り立たないですよね。しかし、不動産会社という資本力のある強者が、(相対的に見れば弱者である)オーナーから「一括借り上げ」というかたちでマンションやアパートを「借りる」場合でも、この借地借家法が適用されるわけです。つまり、「家賃保証」のような約束を交わしても、不動産会社は法的な弱者であることを盾に、いざとなれば契約を変更・破棄することができるというわけです。結果的に本当の弱者であるオーナーが苦境に追い込まれる事態になります。これはルール自体に問題があると言わざるをえません。不動産投資をするなら、すべてを人任せにせず、最低限の法律知識を持って自分を守る必要があります。■ マンション経営だってリスクのあるビジネスですしゅんちゃん / PIXTA(ピクスタ)とまあ、いつもに比べてやや殺伐としたテーマで書きましたが、やはり「マンション経営だって、ほかのビジネスと同じでリスクがある」というきわめてあたりまえの結論に行きつきます。うちのように、「親族から引き継いだマンションを」「子どもの頃からよく知っている地元で」「自主管理している」場合でも、それなりの出費や苦労があるわけです。ならば、「ゼロから多額のローンを組んで」「よく知らない土地にマンションを建て」「その経営を人任せにする」ことが、いかに困難でハイリスクなことか容易に想像がつきます。なんとなく「老後の蓄えにマンション経営」なんて考えている方もいるかもしれませんが、ゼロから始める不動産投資には、新しいビジネスを起業するくらいの心構えが必要だと思ったほうがいいでしょう。
2018年10月01日今回は不動産取引における「片手」「両手」というものについてお話したいと思います。不動産取引で業者が客から受け取るお金は、賃貸借、売買いずれの場合も原則として契約締結に持ち込んだ場合の仲介手数料だけです。物件を何件も紹介し、交通費などの経費を使って現地案内を繰り返したお客様でも、他社で契約されてしまえば1円のお金も入ってきません。業界が抱える問題点のすべての根源が、ここにあるように思います。仲介手数料は、賃貸の場合は月額賃料の1か月分、売買の場合は売買代金の3%+6万円と決まっています。売り上げを増やして給料を上げるためにはなるべく金額の大きな物件を決めることがカギとなりますが、もう一つの手段として「両手」をねらうというものもあります。そもそも「両手」「片手」とは一体何のことを差すかご存じでしょうか。■ 売主と買主に別々の仲介会社がつく「片手」取引って?shimanto / PIXTA(ピクスタ)不動産取引において賃貸の場合は貸主と借主、売買の場合は売主と買主という2組の当事者があります。家を売りたい、貸したいと思っている人は自分で客を探すのが難しいため、媒介契約を結んで不動産業者に依頼します。一方、家を買いたい、借りたいと思っている人も不動産業者を訪れて物件を紹介してもらいます。ややこしくなるため、ここから先は売買に限定します(賃貸でも内容は変わりません)。甲さんの依頼を受けたA社が売却活動をした物件をB社が乙さんに紹介し、甲さんと乙さんの間に1,000万円で売買契約が成立したとします。この場合A社は甲さんから、B社は乙さんからそれぞれ36万円の仲介手数料(税抜)を貰います。売主側と買主側の仲介会社が違うこのような取引を「片手」と呼びます。■ 売主と買主の仲介会社が同一の「両手」取引って?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)甲さんから売却依頼を受けたA社が、A社で物件探しをしている丙さんに紹介して甲さんと丙さんの間で売買契約が締結されたとします。この場合A社は売主の甲さんと買主の丙さんの両社からそれぞれ36万円の仲介手数料(税抜)を貰うことができ、1件の取引で2倍の売り上げとなります。このような取引を不動産業界では「両手」と呼んでいます。当然のことながら営業はまず両手を狙います。物件を「物上げ」した場合まず自分の客に紹介できないか考え、次いで同じ店の他の営業に紹介可能な顧客を抱えていないか確認します。物件情報をオープンにするのはその後です。■ 「両手」取引はそんなに悪いことなの?maroke / PIXTA(ピクスタ)この両手取引が“評論家”の間で評判が悪く、「不動産業界における悪しき商習慣」の筆頭のようにまで言われています。私が不動産業界に転身した19年前、入社初日に読んだ業界誌で「両手取引では利害関係が異なる売主・買主の双方に対して責任が果たせない」と書かれていたことを今でも覚えています。売主は高く、買主は安く取引したいのが当たり前なので一つの会社で仲介するのは利益相反だと言うのです。両手取引の場合買主と売主の間に1社しか入らないため、買主の値引き要求(「指し値」という)があれば売主がそれを飲まされて損をするというのですが果たしてそうでしょうか。現実の取引では購入申し込み(買付け)が入ると片手であっても両手であっても仲介会社は何としてもその客で決めたいと思います。先ほどの事例でいえば、B社にとっては自社で紹介した物件で決まらなければお金になりませんし、A社にとってはこの申し込みが破談になればそれ以降に別の申し込みが入る保証はなく、それではやはりお金になりません。ですから指し値が無茶な内容でない限り、買い付けが入ればA社は売主を説得しようとします。これはA社の両手取引でも変わりません。売主の側にとっても早い段階で指し値に応じて売ってしまうことにメリットはあります。指し値を断って破談になればその後物件が売れ残る恐れがあり、そうなると値引きか売却中止しかないからです。そもそも売主は指し値が入ってくることを前提にして、相場に少し上乗せして値付けをしているものです。そして買主の希望する金額が納得できなければ断ればいい話です。お互いが意地になって50万円の差額がどうしても埋まらず、両手取引が成立しなかった経験が筆者にはあります。従って、両手取引で誰かが不利になる、という事は実際にはないのです。■ 「両手を狙って物件を囲い込む」というのは本当?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)「両手取引を狙うあまり、業者は物件情報を他社に流さず囲い込む」という指摘もよく見ます。囲い込みにより売却が遅れたり、それによる値引きで売主が不利益を被るというものです。両手取引はもちろん効率的ですが、特定の物件に狙ってできるほど客付けというのは簡単なものではありません。物上げした物件をピンポイントで気に入ってくれる客を自分で見つけるのは至難の技で、そんなことをしても買い客を逃すだけです。囲い込んだまま売れずに売却中止になる、あるいは一般媒介に切り替えられて他決するという最悪の事態を考えると、両手取引を狙って物件を囲い込むことにメリットはありません。何より営業マンというものは今月の数字をどうするかということしか考えない人間です。将来どうなるかわからない物件を抱え込むよりは、片手でいいから決めて今月の数字にしたい、と考える方が普通でしょう。あくまでも両手取引を目指す、という会社も中にはあるかもしれません。しかし私がこれまで在籍してきた会社はすべて「片手でいいから決めて、今月の数字を何とかしろ」という方針でした。囲い込みが業界内で常態化しているかのような指摘は、実態から乖離しているといえます。■ 薄っぺらい業界批判に惑わされず、不動産業界を正しく理解してほしいABC / PIXTA(ピクスタ)これまでも書いていますが、不動産というものは金額が高く、売るのが大変だからこそ、買い付けを取るためにあらゆる可能性にかけるのです。そのため他社が物件を内見するのは大歓迎され、予約を入れれば「ありがとうございます!頑張ってください!」と言われます。不動産やマンション管理についてのニュースはこまめに見るようにしていますが、実務について何も知らずに書いていると思われる、薄っぺらな内容の業界批判が多すぎるようです。不動産は契約にならなければお金にならず、それでいて契約を1件まとめるというのは大変だということをお分かりいただきたいと思います。(written by 鶴間 正二郎)
2018年09月27日今回は物件を購入する際の「値下げ交渉」についてお話します。不動産は高額の買い物であるために少しぐらい値切りたいというのは自然な感情ですが、効果的な交渉を行うためには取引の仕組みを知っておく必要があります。中古物件と新築物件では状況がまったく異なってくるため、それぞれのケースについて実体験に基づいてご説明します。■ 「中古物件」の値下げ交渉は常識の範囲内で行うことがポイント売主と買主の間に仲介会社が入る「中古物件」の場合、値下げ交渉は売り主側の仲介会社(物元、元付)と買主側に仲介会社(客付)の間で行われることになります。中間業者による中古物件の「値下げ交渉」についての仕組みをご紹介します。ABC / PIXTA(ピクスタ)値下げ交渉は「買い付け」を書くことが大前提値下げ交渉のタイミングとしては「お気に入りの物件が見つかった時」になりますが、実際の交渉は不動産購入申込書(買い付け)を物元業者に提出することから始まります。Good morning / PIXTA(ピクスタ)中古物件において値下げ交渉をするということは「ここまで価格を下げてくれれば『絶対に』買います」という意思表示であり、そのための証として買い付けは必須で、これを書かなければ物元業者は交渉に応じてくれません。申込書を提出しているのですから、交渉が成立した場合はそのまま契約準備に入らなければなりません。筆者は何回も値下げ交渉を行いましたが、値下げの余地について物元業者に事前に打診しても「買い付けを入れてくれれば、売主と交渉します」としか答えてもらえなかった記憶があります。また自分が物元の物件に問い合わせがあった際も同様の回答をしており、値下げの可否について事前に探りを入れるのは難しいと考えておいた方がいいでしょう。そもそも大幅な値下げはありえないTATSU / PIXTA(ピクスタ)物件探しに際して買主は仲介会社に希望条件を伝え、それに基づいて仲介会社は物件を紹介します。条件の中でも価格は最も重要な要素であるため仲介会社は細心の注意を払って紹介するものであり、大幅な値下げ要求というのはそもそもありえないはずです。そうでないのは仲介会社が買主の希望を無視した物件を紹介したか、買主の欲の皮が張ってしまったかのいずれかで、どちらにしてもあまり感じのいいものではありません。非常識な値下げ要求には仲介会社が応じないfreeangle / PIXTA(ピクスタ)筆者の場合は、950万円の物件に600万円で買い付けを出され、上司から「そんな買い付けを取ってどうするつもりだ」と怒られたことがあります。客はローンではなく現金で買うのだから下げて当然だろうと主張し、こちらが何度説明しても「銀行を通さない綺麗な金だから売主にとってもありがたい話のはずだ」と譲りません。とても売主にはかれるような話ではないため、最終的に担当者の判断で断りを入れました。売主は「指値」が入ることを前提に価格を設定しているfreeangle / PIXTA(ピクスタ)そうはいっても不動産は高い買い物であり、少しくらい値切りたいというのは自然な感情です。実際に買い付けを書く際にも販売価格そのままの金額を書くことは稀で、いくらか減額した金額を記入している事例が大半だったように思います。このように買主が希望した金額を指値(さしね)といいますが、たいていの売主は売却開始に際して指値が入ってくることを前提として価格を設定しているものです。「査定価格としては3,000万円ですが、指値が入ってくることを考えて3,300万円で市場に出しましょう」というような話を筆者は何回もしました。常識の範囲内の「指値」には応じてくれる可能性大xiangtao / PIXTA(ピクスタ)売主は指値が入ることを前提に価格を設定しているのですから、常識的な範囲の価格交渉には応じてくれる可能性は大であり、むしろ指値を入れないのは損であるといってもいいでしょう。どのくらいが常識の範囲内であるかということは仲介会社の営業マンが一番よくわかっています。■ 「新築マンション」の値下げ交渉は状況次第新築物件の場合は中古とは事情が異なってきます。筆者は新築の戸建は扱った経験がないため、マンションの事例についてご説明します。shimanto / PIXTA(ピクスタ)竣工前でモデルルームで販売しているような物件の場合は値下げ要求はまずできませんが、売れ残ってしまった完成物件の場合は交渉の余地があります。売れ残った部屋に関しては売主が区分所有者ということになって管理費や修繕積立金の負担も発生するため、業者は多少値下げしてでも売ってしまわないと負担が大変なことになるのです。特に棟内モデルルームで使用していた部屋や最後の一部屋というような場合は交渉に応じてくれる可能性大であり、積極的に申し入れましょう。Ushico / PIXTA(ピクスタ)この場合は業者の営業担当者と直接交渉することになり買い付けの提出は不要ですが、「下げてくれれば買います」と明確に意思表示すれば相手も応じてくれやすくなります。不動産は金額が大きいため、ちょっとした交渉でまとまった金額を節約することが可能です。しかしここで非常識な態度に出てしまうと信頼関係が損なわれ、交渉そのものが壊れてしまうことになります。値下げ交渉においてはくれぐれも「常識の範囲内」ということを大切にしてください。
2018年09月23日おそらく、人生のなかでもっとも高額な買い物であるマイホームの購入。誰もが、高額の買い物である不動産を「少しでも安く買いたい!」と思うはず。そこで、不動産業界で約30年間、実際の取引現場を見てきた筆者が考える、「不動産を購入する際の値引き交渉の方法」や、そのタイミング、やってはいけないことなどについて解説します!■ 誰が交渉するの?bee / PIXTA(ピクスタ)まず、買主が売主と直接交渉する機会はほぼありません。ほとんどの場合、売主と買主の間には「仲介業者」が介在しますので、値引き交渉は仲介業者を通して行うことになります。ただし、売主が不動産業者などの場合で、売主が「直に販売」をしているようなケースでは当然、買主と売主が直接交渉することになります。■ いつ交渉するの?xiangtao / PIXTA(ピクスタ)たくさんの物件情報を集め、いくつも現地を見学し、「お気に入りの物件が見つかったとき」こそが交渉するタイミングです。逆にこのタイミング以外で仲介業者が交渉を引き受けることはありません。値引き交渉をするうえで覚えておきたいのは、「買う意思を固めてから交渉を行う」ということです。物件の売主は、市場相場を事前に調べたうえで売り出し価格を決めていますので、その価格を交渉するためには「この価格になれば買う」という前提が必要なのです。■ どうやって交渉するの?xiangtao / PIXTA気に入った物件が見つかったら、いよいよ交渉開始です。まずは仲介業者に「少し安くなりませんか」とストレートに聞いてみましょう。仲介業者の担当者によって多少の差はありますが、一般的に営業マンは、顧客が気に入りそうな物件については、価格交渉ができそうな物件かどうかを事前に調べている場合が多いのです。価格交渉が難しい物件について、安易に価格交渉を引き受けてしまうと、その交渉が失敗した場合には取引が成立しない可能性が高くなるので、値引きができる物件かどうかを担当営業マンが事前に調べておくのは当然といえば当然です。例えば、担当営業マンが「この物件は一切値引き交渉できません」というならおそらくその言葉どおりでしょう。その場合は売り出し価格どおりで購入するかどうか検討してください。逆に、「○○万円までなら可能かもしれません」や、「○○万円までなら交渉してみましょう」と言ってきたら、担当営業マンは値引きができるかどうかの可能性を事前にある程度知っているかもしれません。その場合は思いきって交渉してもらいましょう!■ 交渉のコツxiangtao / PIXTA(ピクスタ)買主が値引き交渉する窓口となるのは仲介業者です。そして、仲介業者は契約が成立しなければ、物件を何件案内しても売り上げは「0円」です。なので、買主が契約する条件を「値引き」にするなら、仲介業者は一生懸命に交渉してくれるはずです。しかし、その値引き交渉の額があまりに高額だったりすると、仲介業者は交渉そのものを引き受けてくれなかったり、熱心に交渉してくれなかったりする場合もあります。大事なことは「値引きしてくれるなら購入する」という意思をはっきりと担当営業マンに伝えて、その値引き幅についてもしっかり担当営業マンと相談することです。値引き交渉のコツは、買主と仲介業者の担当営業マンが、見る方向と目的を同じにすることなのです。■ 値引き交渉でやってはいけないことxiangtao / PIXTA(ピクスタ)個人、法人にかかわらず売主にとって自分の物件を値引きして売るということは重大な決断です。値引き交渉後に「やっぱりやめた」というのはできるだけ避けたいものです。その物件をきちんと確認・調べたうえ、購入の意思がしっかり固まってから交渉を始めるようにしましょう。また、ある物件の値引き交渉中に別物件の値引き交渉を同時に行うのもマナー違反なのでご注意を!■ 一番の注意点は…先に買われてしまうことxiangtao / PIXTA(ピクスタ)値引き交渉をする場合、もっとも注意しなければならないことは、タイミングによってはせっかく気に入った物件が売り出し価格どおりで他の買主に先に買われてしまう可能性があるということです。物件の希少性、時期、値ごろ感、仲介業者の意見など、総合的に考えたうえで値引き交渉するかどうかを判断しましょう!
2018年08月21日住まいを購入しようと様々な情報を集めたとき、よく目にする情報があります。「不動産の買い時」についての情報です。不動産価格の相場の話、住宅ローンの金利の話、行政が定める税制の話、など様々な観点から多くの考察がなされています。しかし、不動産業界の中で働く者として皆さんに申し上げたいことがあります。それは「誰にでも当てはまる不動産の買い時」など存在しない、ということです。■ 不動産業者はいつでも「今が買い時です」と言うG-item / PIXTA(ピクスタ)世の中には「今が買い時です!」と強調した情報がたくさんあります。それこそ住まいの見学のために不動産業者を訪れれば、必ず「今が買い時だ」と言われるでしょう。業者からすればビジネスなわけですから「今が買い時だ」と言うのは当然です。もちろん「買い時」であると強調するための事実に嘘はありません。例えば、現在の住宅ローンの金利は稀にみる低さです。商品によっては年金利1.0%を下回るものが珍しくない時代です。金利が低いうちに住まいを購入すること自体は合理的だと思います。freeangle / PIXTA(ピクスタ)しかし、ここで肝心なことが一つあります。それは、不動産業者はいつ、どんな時代でも「今が買い時だ」というトークをやめないということです。買い時アピールができる情報を何か見つけてきます。金利の話でいくと、金利が上がり始めることがあれば、「もっと上がる前の今が買い時です」というトークを展開するでしょう。また、多くの不動産関連の税の優遇制度には適用期限があります。これを「この税制は今年度で終わりなので、適用できる今が買い時です」というトークに活かすこともできるのです。■ 「買い時」は外部環境で決まるものではない。sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)前述したような「買い時トーク」は筆者自身も使っていました。特に不動産の知識や経験が浅かった頃です。繰り返しますが、この時提供した情報に嘘はありません。住まいを購入する際、こういった情報を参考にすることはプラスに働きます。まちゃー / PIXTA(ピクスタ)大切なことは、金利や相場、税制などといった情報は、あくまでその時の「住まいをとりまく外部環境」を説明しているだけ、ということを理解することです。こういった外部環境は、とても不安定で不確実なものです。時代によってあっさり変化する可能性があります。そういった情報は、あくまで知識・参考としてのもので自分自身の住まいの買い時を決める決定打にはならない、と私は思っています。■ 「買い時」を決めるのは自分自身kou / PIXTA(ピクスタ)では、どのように自分自身の買い時を見つけるのか。答えはいたってシンプルで、「自分が住まいを欲しい理由」を突き詰めることです。例えば「子どもが産まれて部屋が手狭になったらから住まいを探す」として、買い時を「子どもが幼稚園に入るまで」と決める、などです。子どもが幼稚園・小学校と進めば、転園・転校のリスクが伴い、人間関係の構築に時間がかかる可能性があるからです。maroke / PIXTA(ピクスタ)こういった内容は外部環境に左右されません。たとえ20年後に相場が大幅によくなる、といった情報があったとしても、子どものために住まいを買うのであれば、20年後では意味がありません。他にも「定年までにローンを完済したいから、30歳までに購入する」とか「両親の介護のために半年以内に購入する」などがあるかもしれません。筆者も今は「買い時」をお客様に説明するとき、できるだけお客様の事情に寄り添ってアドバイスするようにしています。住まいの買い時は、誰にでも当てはまるような外部環境の情報でなく、自分自身の事情によって、自分自身で決めることが大切なのです。
2018年08月12日不動産業というものは生活全般に関わるものです。そのため世の中の動きの影響をもろに受けることもあれば、お客様の動きから世の中の意外な流れに気付かされたりすることもあります。今回は世の中の動きが仕事に影響した意外な事例を3つご紹介します。■ 1.若者の車離れがマンションの一般会計を直撃ニングル / PIXTA(ピクスタ)若者の車離れが進行しているといわれています。車を持とうとしないどころか車そのものに興味を持たない、更には教習所に通うのは金と時間がかかるから免許も取らないという、車好きの筆者にとっては信じられないような世の中になっています。これは自動車業界にとって深刻な問題となっていますが、実はマンションの管理組合にとっても重大な問題なのです。YNS / PIXTA(ピクスタ)マンション内の駐車場使用料は管理組合にとって管理費に次ぐ収入の柱であり、空き区画が増えることはその分だけ一般会計の収支が悪化することにつながります。マンションの駐車場はおおむね稼働率7割~8割くらいを想定しています。郊外のマンションの場合まだまだ問題になっていないようですが、筆者が担当していた都心部のマンションでは5割以下になってしまったところが多く、一般会計が大幅赤字になって繰越金が年々減少し、対応に苦慮したものです。■ 2.若者のテレビ離れも相当なものがあるUshico / PIXTA(ピクスタ)車離れほど話題になっていないようですが、若者のテレビ離れも相当なものがあるようです。駅前の不動産会社に勤務していた時、地元のケーブルテレビと提携して「引っ越し時に無料でチャンネル調整をやります」というキャンペーンを展開したことがあります。kou / PIXTA(ピクスタ)お客様と日時を打ち合わせたうえで訪問してテレビのチャンネル調整をするというものですが、その際にしれっとケーブルテレビの新サービスを紹介するのが真の目的です。ケーブルテレビ会社から紹介料がもらえることもあって積極的に告知しましたが、1Kタイプを契約した人の約半数が「テレビを持っていないので別にいいです」と言ってきたのは驚きでした。■ 3.リーマンショックが半年後に筆者の歩合給を直撃オカキ / PIXTA(ピクスタ)最後に、世の中の動きが仕事に影響した事例といえば、やはりリーマンショックです。アメリカの歴史上最大規模の企業倒産であるリーマンブラザーズの経営破綻が発生したのは2008年9月15日でした。筆者はその頃賃貸マンションの仕事をしていましたが、9月という比較的ヒマな時期であったこともあり、クビになった社員が段ボールを抱えて次々とビルから出てくるニュース映像をそれこそ他人事のように見ていたものです。しかしこれをきっかけとして発生したリーマンショックと呼ばれる世界規模の金融危機が直ちに日本を直撃し、さらに半年後には筆者の歩合給を直撃しました。maruco / PIXTA(ピクスタ)賃貸マンションの営業といえば1~3月がとにかく忙しく、特に3月は賃料の高いファミリータイプのマンションが法人契約の借り上げ社宅としてガンガン動くため、1年で最も大切な月になります。生命の危険を感じるほど忙しくなるのが常ですが、その分だけ歩合給も相当な額になります。しかし景気が悪くなれば企業はまず福利厚生に関する支出を削減します。2009年の3月はファミリータイプの法人契約がほぼなくなり、そのためとても3月とは思えない売上になってしまいました。チンク / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか。マンション管理という仕事は景気変動の影響を受けにくいといわれていますが、電気料金の値上げや消費税増税が組合会計を直撃し、それが管理委託費の減額要求に結び付いたこともあります。生活と直結している仕事であるためいつも気が抜けませんでした。
2018年08月01日不動産検索サイトや不動産販売の広告などでよく目にする「建築条件付き土地」。その意味についてなんとなく知っている人は多いと思いますが、その中身をしっかりと理解している人は少ないのでは?建築条件付き土地の中身を理解するために、少し変わった角度から建築条件付き売地を考えてみます。実は「売主のタイプ」の違いによって、その建築条件付き土地の性質や「メリット・デメリット」に違いが出る場合があるのです。以下ではその「売主のタイプ」を大きく2種類に分け、その違いを解説します。■ 売主タイプ1.昔ながらの不動産業者HAKU / PIXTA(ピクスタ)このタイプの売主はその多くが、建築条件付き土地の販売を建売住宅販売の一形態と考えている傾向があります。宅地建物取引業法では、建築確認(許可)等を取得していなければ土地建物一体での売買契約は禁止されています。しかし、土地の販売期間短縮や販売経費削減をしたい、さらに土地売却益だけでなく建設工事でも利益を得たい売主が、建築確認等を取得したり現実に建設工事に着手しなくても土地建物をセットで販売(請負)したいと考えた場合に、土地の売買契約に建物請負契約締結の条件を付した「建築条件付き土地」という方法を選択するのです。つまり、本来は土地建物一体での販売をしたいのに法の制限によりそれができないため、やむを得ず建築条件付き土地売買という形態をとっている場合が多いのです(もちろん違うケースもあります)。■ 売主タイプ2.ハウスメーカーなどの建設業者HAKU / PIXTA(ピクスタ)このタイプの売主はその多くが、土地売買契約より建設工事請負契約にその比重を置いています。つまり土地を販売する目的自体が「建物を売るため」なのです。そのため、このタイプの売主は土地販売時にかなり踏み込んだ建物の打ち合わせを行います。土地の販売自体が主たる目的ではないため、購入希望者の建物ニーズが自社商品と合わない場合はその時点で土地購入を積極的に勧めません。建設工事請負契約が円滑に進まない可能性がある顧客と土地売買契約を結ぶメリットがないのです。■ 売主タイプ1のメリット・デメリット売主タイプ1の建築条件付き土地の場合、先述のようにその売主は土地売却益だけではなく建設工事請負による利益を期待している場合がほとんどです。そのため、見込んでいた利益が土地売却だけで得られるなら、この建築条件を外せるケースも多く見受けられます。「土地は気に入ったけど、建物ニーズが合わない」「この土地にどうしても別のハウスメーカーで建てたい」などの場合、その交渉を受け付けてくれやすいのはこのタイプの売主なのです。また、不動産業者が売主のため、上下水道などの供給施設がすでに整備されている土地も多く、権利関係(差し押さえ等)や隣地境界トラブルも整理されている土地が多いのもメリットといえるでしょう。Graphs / PIXTA(ピクスタ)ただ、もちろんデメリットもあります。上記のように建築条件を外す交渉がうまくいっても、その売買条件変更にともなう価格のアップを要求される場合が多いのです。それで結局予算オーバーとなるケースも見られます。だからといってその価格が割高であるという意味ではありません。建築条件付き土地の場合、その価格設定は条件なしの土地と比べ若干低めに設定している場合も多いのです。■ 売主タイプ2のメリット・デメリット売主タイプ2の建築条件付き土地のメリットですが、この売主はそもそも建物を売るのが主たる目的なので、土地の検討当初からその土地に最適な参考プランや推奨仕様など、かなり充実したものを用意している場合が多くみられます。そのため、自分で建設業者を見つけて別々に発注するよりも割安で良質な住宅が手に入る場合があります。タカス / PIXTA(ピクスタ)デメリットは、このタイプの建築条件を外すことはほぼできないということです。建物を売るのが目的なので条件外しの交渉さえ受け付けてもらえないでしょう。どうしてもその土地を購入したい場合はその指定された建物を購入(請負契約)するしか選択肢は無いのです。ただし、土地売買契約後の打ち合わせによって請負契約が不調に終わる場合は土地売買契約も解除されます。いかがでしたか?ここで取り上げた以外にも様々な売主さんはいますが、建築条件付き土地を検討される場合は「売主のタイプ」を知り、そのメリット・デメリットを知ったうえで購入を判断する材料のひとつにしてください!【参考】※東京都都市整備局不動産取引の手引き
2018年06月15日家を「借りる」と「買う」どちらが得か?という議論が、不動産業界には……いえ、世の中には昔からありますよね。この問題、筆者が不動産業界に入った19年前から(恐らくもっと以前からあったでしょう)盛んに議論されていましたが、いまだに結論が出たという話を聞きません。TATSU / PIXTA(ピクスタ)■ 「借りる」「買う」どちらが得か?問題のカラクリkou / PIXTA(ピクスタ)この問題のベースとなっているのは「“家賃”を払い続けるのと“住宅ローン“を払うのとどちらが得か?」ということで、大抵の場合、それぞれ発生する費用の合計をシミュレーションして比較しています。まだ紙の媒体が不動産情報の中心だった時代の話です。同じ出版社で賃貸向けと売買向け、2つの情報誌を出していましたが……、KAORU / PIXTA(ピクスタ)賃貸の情報誌では「借りる方が少しだけ得」、一方、売買の情報誌では「買った方が少しだけ得」というまったく異なる結論を出していました。一生の間に必要となる住宅関連の支出の合計は簡単にシミュレーションできるようなものではなく、前提条件を少し変えればまったく違う結論となります。つまり、立場が変われば結論も変わるのです。■ 設備やインテリアのグレードに大きな差はある?freeangle / PIXTA(ピクスタ)入居者が頻繁に入れ替わることを前提とした賃貸住宅に対し、分譲住宅は入居者が永住することが前提となります。そのため設備や内装等についていえば、分譲の方が長持ちする仕様となっていることが多かったように思います。特にクロスについては、ランクが全然違いました。賃貸の場合、入れ替わる度に何らかのリフォーム工事が入りますし、何かあれば退去した時交換すればいい、という意識がどこかにあるのかもしれません。■ 分譲マンションで発生する費用って?hug++ / PIXTA(ピクスタ)分譲マンションの場合、毎月発生する住宅ローン返済、管理費、修繕積立金等の他、故障等による設備の修理は当然のことながら全額自己負担です。分譲マンションには専有部と共有部があり、雑把に分けると玄関の内側で起こったことについては自己負担です。厄介なのは配管やインターホンといった、専有部と共有部両方にまたがる部分のトラブルで、原因がどちらにあるかによって負担額も変わってきます。専有部と共有部の細かい区分けについては管理規約に必ず記載がありますので、購入前にチェックしておくとよいでしょう。■ 賃貸住宅は、実は家主にとって厳しい時代にABC / PIXTA(ピクスタ)賃貸住宅の場合、賃料と共益費を毎月払いますが、消耗品関係を除き設備の故障については原則として家主負担となっています。また退去時における原状回復に際しても、「国土交通省ガイドライン」や「東京都住宅紛争防止条例(東京ルール)」により、自然損耗や経年劣化については借主は負担しなくてよいとされています。そのため、退去に伴うリフォーム工事についてもその大半を負担しなくてはならないなど、家主にとって厳しい時代となってきたように感じます。■ 賃貸住宅はまだまだ高齢者に厳しいのが現実foly / PIXTA(ピクスタ)賃貸住宅を語る上で、どうしても避けて通れない問題があります。賃貸物件の営業をやっていた時代に痛感しましたが、「高齢者に非常に厳しい」というのが日本の不動産業界の現状です。高齢者の場合、現役世代と違って収入が限られるということと、室内で万一のことが起きる可能性がある、ということが原因として挙げられます。高齢者を受け入れる物件はかなり限れられますし、仮にOKという場合でも内容のいい親族が保証人となり、かつ近くに住んでいなければならない、などといった厳しい条件が付きます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そして既にリタイアされた方の場合、年金だけが収入とみなされます(預金残高は考慮されないことが多い)。年金の金額だけで借りられるレベルの部屋というものは、高齢者が暮らしやすいようなものとは決して言えないでしょう。家は「買う」「借りる」どちらが得か、という問題は、おそらく今後も永久に決着はつかないでしょう。しかし「どちらがいいか」ともし聞かれたら、「リタイアするまでに、どこかで買っておいた方がいい」というのが筆者の結論です。(written by 鶴間正二郎)
2018年04月13日回転寿司チェーン店「スシロー」。そのポップ広告が、反響を呼んでいる。 スシローでは現在、「すし屋のまぜそば」シリーズの春商品を3月23日から展開。松平健(64)をイメージキャラクターとして起用しており、松平はまぜそばにちなんだ「マゼケン」に扮している。マゼケンはポスターだけでなく、店内の回転レーンに設置されたポップ広告にも登場。つまり、マゼケンが“流れてくる”というわけだ。 “流れてくる”ポップは3種類存在し、「私と目があったらまぜそばをご注文!」「ご注文いただくまで回り続けます」「さっきも目合いましたよね?」と、いわゆる“3段落ち”。松平のキリッとした眼力と、ポップのフォントや色彩感から「圧が強い」「頼むしかない」とTwitterでも評判を呼んでいる。 《マツケンのポップ圧に負けてスシローのまぜ麺食べた》《スシローで松平健の眼力に負けて、まぜそば食べてきた。美味しかった!》《圧迫面接を受けてるみたいや》 また店内では、同商品の宣伝映像を流している。その映像内でマゼケンはスシロー店内と思しき場所でディナーショウを開催。「ま~ぜたい~まぜたい~まぜたい、まぜ~そば~」と歌いながら歩み寄り、マゼケンはファンのまぜそばを“混ぜる”。その甘い歌声も「クセになる」と評判だ。 《マツケンのまぜそばの歌が頭から離れません》《スシローのまぜそばソングが色っぽいイケボでつい耳を傾ける》《目耳口を満たしてくるな……》 このマゼケンの“圧”のすごさを報告したツイートは、投稿から数日で4万6,000件以上リツイート。7万7,000件以上の“いいね”を獲得している。
2018年03月29日共有持分・共有名義とは?共有持分とは、複数の人が1つの不動産を共同で所有している時に、それぞれの人がその不動産について持っている所有権の割合のことをいいます。たとえば夫婦で1つの不動産を2分の1ずつ共有している場合は、夫と妻それぞれが持っている所有権の割合(2分の1ずつ)のことをさします。そしてこの割合を登記所に登記しなければなりません(持分登記)。登記とは、第三者に「これは私の所有権だ!」と主張することです。さて共有持分といったワードを聞くと、セットのように「共有名義」といった言葉を耳にすると思います。共有名義とは、その不動産の所有権を持っている人のことをいいます。たとえば3000万円の住宅をあなた(妻)と旦那さん(夫)で購入するとしましょう(共有名義はあなたと旦那さんになります)。出資額で持分割合が決まりますので、2,000万円分を旦那さんが、残りの1,000万円をあなたが出したとしましょう。するとこの住宅の持分割合は、旦那さん:3分の2あなた:3分の1となります。共有持分のメリットとデメリットは?「これから結婚して新居で夫婦生活を始めるんだ」といったご夫婦は、上記のように不動産を共有の持分とすることもできるわけですね。または年収や貯金を考慮すると2人でお金を出す方が良いかもしれない、といった人も少なくはありません。しかし「共有名義・持分にするとなんだか面倒なことにならないかな?」と懸念を抱いてしまうもの。まずはデメリットについてみてみましょう。デメリット夫(共有者)の承諾がないと、売却できない!ご夫婦2人の持分なので、当然にご自身の判断だけでは不動産を売却することはできません。旦那さんの承諾がないと売却できないわけですが、ここで夫婦喧嘩が起きることも・・・・。離婚した場合、売却を視野に考えたくはありませんが、夫婦喧嘩の火が広がって離婚することとなった場合、売却の可能性が高まります。住宅購入の資金に余裕がないから住宅ローンを組んだり、共有名義での購入を検討したはずです。つまり、片方がいなくなればその分を補填しなければならず、それは現実的に難しいので結果的に売却せざるをえなくなるわけです。夫(共有者)が他界した場合、相続の対象となる不動産は相続の対象となります。多くの場合、配偶者であるあなたかもしくは子どもが相続の対象となります。しかしほかに相続人がいたりすれば、遺産分割の対象となり、話は少し面倒になります。贈与税の対象となるもし旦那さんの方が先にお仕事を辞めた場合、住宅ローンが残っていればその分はあなたが支払うことになります。この場合名義人はあなたのみとなるので、旦那さんからあなたに不動産が贈与されたこととなり、贈与税が課せられます。逆もしかりです。メリットデメリットでは少々暗い話を考慮する必要がありましたが、メリットは明るい話です。なんと税制において2つもトクするのです!住宅ローン控除を二重に受けられる住宅ローン控除は、購入価格の一定割合を所得税から税額控除できる制度で、年末の住宅ローン残高の1%が税控除できます。住宅ローン控除は夫婦それぞれが、自身の住宅ローンの残高に対して利用できます。しかし夫(共有者)が病気などで仕事を辞めざるをえなくて収入が無くなるようなことや将来的にあなたが出産などで仕事を辞めるなど、ライフスタイルの変化も考えられます。この場合、住宅ローン控除は使えなくなる可能性があるので要検討です。売却時の特別控除を二重に受けられる不動産を売却するときには、なんと3,000万円が控除されます(居住用財産の買換えの特例)。通常だと3,000万円しか控除できませんが、不動産を夫婦2人の名義で購入した場合は、これが6,000万円となります。不動産を売却した時に利益が出れば、税金がかかります。この際にかかる税金6,000万円分のは支払わなくて済むといった制度です。まとめいかがでしたか。共有持分にする場合、片方が病気になって収入減がなくなるなどといったことを考慮しなければなりません。しかし将来(さき)のことは分かりません。デメリットなどを考慮して不動産を選ぶよりも、購入資金や住宅ローンの支払いに少しでも余裕が持てる物件を選ぶことが肝心だといえるでしょう。
2018年03月04日不動産管理委託契約とは不動産管理委託契約とは、不動産オーナー(管理組合や個人投資家など)が管理会社(マンション管理会社など)にその物件の管理をお願いする契約のことをいいます。主にマンション管理を委託する契約のことです。マンション管理会社がマンション管理法に定める「マンション管理業者」である場合は、以下の業務を行う義務があります。マンション管理会社は、管理委託契約の締結前に一定の重要事項を説明しなければならない(マンション管理適正化法第72条)。マンション管理会社は、管理委託契約を締結するときに、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならない(マンション管理適正化法第73条)。不動産オーナーである大家さんは、不動産は所有していますがその資産を運用する知識に関してはうとい場合があります。自分で運用するよりも、その道のプロである管理会社に運用をお願いした方が運営はうまくいくとみて、管理会社に委託をお願いするわけですね。運用とは具体的に何をするのでしょうか。たとえば共用部分などの管理・修繕マンションやアパートといった集合住宅は、ほかの人も住んでいます。階段や廊下などといった共用部分は居住者全員が利用するので、管理が大変です。また不動産も人と同じように年をとります。古くなってきたら外観などを補修しなければなりません。これには膨大なお金が掛かるので、あらかじめ計画を立てる必要があります。入居者の募集また一番の問題は、高い収益を得るにも空室率をなるべく低くしなければなりません。しかし大家さんは不動産に限っては素人です。空室率が低くなるよう、なんならゼロになるよう運営するためにもプロの手ほどきが必要です。このように、マンション1つを運営するだけでも大変な労力と戦略が必要となります。それを一手に担うのが管理会社で、そしてその契約である管理委託契約には2種類があります。2種類の管理委託契約一般管理契約一般管理契約とは、契約の対象となる不動産の大家さんが行うはずの管理業務を管理会社が「代行」する契約のことをいいます。具体的な業務内容として、入居の際の「賃貸契約」や「入金管理」など入居者との事務手続きや、マンションの共用部分であるエレベーターなどの整備・保守、清掃作業などが挙げられます。併せて、一般管理契約を選択した場合のメリットとデメリットもみてみましょう。メリット:高い収益性が見込める賃貸契約の内容(賃料、礼金・敷金など)や条件を、大家さんが取り決めることができるため、比較的高い収益が見込めます。デメリット:空室率を考慮した入居募集と広告にリスクがあります上記メリットで先述したように、一般管理委託契約は大家さんと入居希望者が直接契約を結ぶ契約です。メリットでは高い収益性があると挙げましたが、それはあくまでも「入居希望者が契約書にハンコを押せば」です。入居希望者が入居するまでにその広告をうつ必要があり、管理会社によってはこの費用が高額なところもあります。広告をうっても入居者が決まらず、それによって空室率が高くなれば、当然家賃も入りません。サブリース契約(一括借り上げ管理契約)サブリース契約とは、不動産管理会社が大家さんから物件を借り上げて、その管理会社が入居者と賃貸契約を直接結ぶ契約形式のことをいいます。一般管理委託契約とはどう違うのでしょうか。メリットとデメリットについてみてみましょう。メリット:安定して家賃収入が得られる「一般管理契約」との最大の違いは、家賃滞納や空き部屋が生じた場合でも「家賃収入」の保証があることです。サブリース契約は、「保証賃料(管理会社が査定した相場賃料の90~95%の率をかけた料金が一般的)」が管理会社から大家さんにオーナーに払われることになります。また入居者との契約も、大家さんと入居希望者ではなく、管理会社と入居希望者との直接契約を行なうことになります。そのため、大家さんと管理会社による確認の手間や時間を省くことができます。デメリット:高い収益が見込めない一般管理委託契約と比べると高い収益性が見込めません。家賃収入が最大化しないのがデメリットです。また管理会社との契約や広告の確認の手間や時間が省けることをメリットとして挙げましたが、裏を返せば入居者を選定することができないことを意味します。特に気にしないという大家さんもいますが、モラルの低い入居希望者が入居する確率も高まるといえます。しかしサブリース契約を受ける管理会社も、トラブルは避けたいため、入居審査は厳しめに行うところも多いのでそんなに気にする必要もないと思われます。まとめいかがでしたか。今回は管理委託契約の種類についてみてきました。一見、安定的に収益が入るサブリース契約の方が良いように思われます。しかし、サブリース契約には落とし穴も多く、あまり良い印象を持たれていないのが実状です。サブリース契約の注意点については、また別記事でご紹介しますのでお見逃しなく!
2018年03月03日予告広告ってなに?予告広告とは、物件の価格や賃料が確定していない、直ちに取引することのできない物件(分譲宅地、新築分譲住宅、新築分譲マンション、新築賃貸用マンションなど)について、本広告に先立って販売時期などを広告するものをいいます。そのため予告広告は、価格などは未定のまま行われますが、私たち消費者が物件選択に時間的余裕が持てるよう、物件の存在を知るなどといった目的のためにその広告が認められたものです。また本広告とは、物件の申し込みなどを前提として行う広告のことをいいます。予告広告を行うには、法律的なルールが存在します(不動産公正取引協議会連合会)。各社はこれに従って物件情報を掲載し以下の内容表示を義務付けるものとなっています。予告広告であること価格が未定であること、または予定最低価格と予定最高価格、および予定最多価格帯を明示すること販売予定時期を明示すること予定販売戸数を一括で発売するのか、または数期に分けて販売するのか、または決まっていない場合はその旨本広告においては販売戸数を明示すること本広告を行うまで契約または予約に応じない旨、および申し込み順位の確保に関する措置を行わない旨また予告広告を掲載するには、以下2つの条件があります。予告広告を掲載する条件開発許可または建築確認が下りた時点で掲載予告広告を掲載した場合は、必ず本広告も掲載すること予告広告は先述したように、価格などは未定で行われる広告のことをいいます。そのため、予告広告では「未定」や「予定」といった用語が使われています。条件2の本広告において、予告広告では未掲載であった「販売価格」や「販売戸数」、「販売時期」などについて掲載する義務があるわけですね。予告広告を活用するメリットって?正式に販売を告知する本広告の前に掲載される予告広告を活用することで、私たち消費者には以下のメリットがあります。早期に販売前の物件を確認できるほかの物件と比較できるつまり、購入(賃貸)前までに時間的猶予があります。ここで物件探しのコツをご紹介しましょう!予告広告で気になる物件を発見したら、ぜひ資料請求をしてみてください。本広告が掲載された時点で請求先から連絡が入ると思うので、ほかの人よりいち早く情報収集やモデルルーム見学の予約ができます。
2018年02月10日まずは確認したい「不動産特定共同事業法」とは不動産特定共同事業法(以下、不特法)とは、投資家から資金を募って不動産を小口化したうえで、それを元に売買・賃貸し、その収益を投資額に応じて配当として投資家に分配する不動産事業のことをいいます。不特法は、事業主の適正な運営や投資家の利益の保護を図るために、この事業に対して「許可制」を設けているのが特徴的といえます。また不動産特定共同事業には主に2種類あります。出資者が所有権を持つことのできる「任意組合型」出資者は配当を受ける権利を持つが、所有権自体は事業者が持つ「匿名組合型」いずれにせよ、投資家が利益を得るには当然ながら事業主が重要となってきます。この事業主について説明していきます。法改正前の不動産特定共同事業を行うには?法改正前の不動産特定共同事業を行うには、主務大臣の許可を受ける必要があり、以下3つの条件が必要でした。宅建業の免許事務所ごとの業務管理者配置(自ら不動産特定共同事業の許可を得るために)資本金1億円以上が必要宅建業(大家業などの自ら賃貸業以外のこと)の免許が無いとなると、不動産会社でなければ事業主になることはできません。また仮に宅建免許を取得できたとしても、資本金1億円以上が必要ですので、多くの不動産会社はこれを行うことができずにいました。つまり分配利益を得る投資家の数は、そう多くはなかったといえます。これらの制度問題を解消するべく、本年度に法改正が行われました。不特法改正の背景と期待される効果とは現在、空き家の増加問題が社会的な問題として顕著となっています。また老築化の一途を辿る不動産を再生化し、市場に売り戻すことなどが喫緊の課題として認知されています。さらに当事業を行うには資本金1億円以上が必要であり、これでは中小企業である不動産会社が参入できず、結果、地方では良質な不動産ストックの形成が比較的難しいという問題がありました。これらの社会的背景を解消するために、不特法の改正が行われました。不特法を改正することで期待される効果は、以下のとおりです。空き家(空き店舗)の再生に伴う投資傾向の増加良質な不動産ストックの形成地方などの中小不動産企業事業参入不特法改正のポイントから、具体的にどのような効果(投資家にとってのメリット)が期待できるのかみてみましょう。新設:小規模不特定共同事業とは先述したように、従来の不動産特定共同事業は資本金1億円以上のある企業でないと当事業を行うことはできず、この条件によって、地方などの中小企業が参入しづらいといった問題がありました。これを解消すべく、今回の改正で小規模不特定事業を新設しました。業者が応募に必要となる要件を確認してみましょう。宅建業法の免許を受けており、資本金が1000万円以上で、かつ負債額が資産額の10%以下であり、主務大臣等による登録を受けた者(許可制から登録制に緩和)であること、などこれにより、不動産小口化商品で出資者を募ることのできる不動産会社が増えることが期待できます。つまりこれは、投資家目線でいえば「投資先がかなり増えた」「投資参入壁が低くなった」といえますまとめいかがでしたか。今までは資本金額や許可制などの厳しい条件があり、宅建業者は当事業に参入しにくく、また投資家もその影響で参戦しづらい状況でした。しかし今回の改正で、宅建業者の当事業への参入壁が低くなり、地方の業者でも参入しやすくなりました。伴って投資家が参入できる枠もかなり増えることが期待できます。
2018年01月28日指定流通機構(レインズ)とは指定流通機構(通称、レインズ)とは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構のことをいいます。不動産業者は、この指定流通機構に登録されたすべての物件を閲覧することができ、これにより買主に最適な物件を早急に見つけることが可能です。このような不動産流通の円滑化を目的に、全国に4法人(東日本、中部圏、近畿圏、西日本)の不動産流通機構が設立されています。指定流通機構の役割とは指定流通機構は不動産物件の情報を一元化しているコンピュータネットワークシステムですが、その役割は何でしょうか。不動産流通機構の役割として、以下の3つが挙げられます。不動産情報の交換不動産業者が売主の依頼により媒介契約を受けた場合、指定流通機構に物件情報などを登録する必要があります(一般媒介契約の場合は依頼者の任意)。上述したように指定流通機構は、登録された物件情報すべてを不動産業者が閲覧できるようにしています。こうすることで、迅速に買主を見つけることが可能となります。指定流通機構は、不動産流通の円滑化が促進される働きを担っているといえるでしょう。成約情報の集約登録した物件の売買契約が成立した場合、不動産業者は以下の項目を指定流通機構に通知する必要があります。『登録番号、売買契約の年月日、取引価格』不動産業者がいつまでも成約済みの物件情報を掲載していては紛らわしいので、成約したらすぐにその旨を指定流通機構に通知する義務があるのですね。ところで、物件価格はどのようにして決められているかご存知ですか。実は物件の販売価格などは、不動産業者が対象物件の近隣の成約価格(実際に販売された価格)を基にして決めています。指定流通機構は、この成約された物件情報を集約することで、不動産業者が次の取引を適切に行えるよう、その環境を提供しているのです。取引情報の提供近年インターネットが普及したことから、私たち消費者は不動産取引情報をスマートフォンなどで収集するようになりました。私たちは不動産に関しては素人なので、相場関係が分かりません。これでは不動産取引時に情報弱者となるといった懸念から、指定流通機構は不動産取引情報提供サイト「RMI(レインズ・マーケット・インフォメーション)」を公開しています。このサイトでは、指定流通機構が保有している成約物件の情報を、私たち消費者でも閲覧できるようになっています。こうすることで、私たち自身の目で取引の相場価格を把握することができ、安心して取引を行うことができます。まとめ不動産業界には、取引流通の円滑化や購入者の利益保護を図るべく、物件情報などを指定流通機構に一元化していることが分かりましたね。不動産業者は不動産取引のプロではありますが、常に正確な情報を提供しているとはいえません(しないと犯罪ですが、私たち素人ではわからない情報もあり隠そうとします)。不動産取引を行う際には、ぜひご自身の目で指定流通機構のRMIで取引相場を確認するようにしてみましょう。
2018年01月23日下がり天井ってなんですか?下がり天井とは、天井の一部分が下がっている状態のことをいいます。つまり、天井高が均一ではなく、一部分でも下がっていれば「下がり天井」となります。またそのためか、天井の隅に梁がむき出しになっているものも「下がり天井」といいます。しかしマンションの場合によくみられる、キッチンの天井が低いなどといった場合には「下がり天井」とはいわず、単に「天井が低い」といった表現となります。下がり天井は、実際に見れば一目瞭然ですが、不動産広告などにみられる間取りでは、その判別がしにくいのです。間取り図を見て、下がり天井であると見抜くポイントを紹介していきます。広告では「点線」で示している間取り図では、下がり天井を「点線」で示しています。たとえばマンションの間取り図を見たとしましょう。キッチン部分に点線はないが、リビングルームには点線が示されていたとします。それはつまり、リビングルームは下がり天井であることを意味しています。下がり天井の特徴として、先述したように梁がむき出しになっている状態などが挙げられます。マンションでは、大梁や小梁、排気ダクトの梁型が、リビングなどの居室を横切っている場合が少なくありません。内観的に見苦しいのは言うまでもありませんが、天井からの照明によって陰になりやすいといった問題が考えられるので、注意が必要です。またプラスして覚えておきたいことがあります。それは梁やダクトはリフォーム時に移動することはできない、ということです。間取りを変更するうえでも障害となるので、下がり天井のある物件は居住者への配慮に欠けているといえるでしょう。しかし高級マンションでは、上記のような問題を心配する必要はありません。なぜなら、天井板と上階住戸の床スラブとの間に梁やダクトを収めてしまうので、天井がフラットとなり、下がり天井ができないためです。まとめ最後に今回のポイントをまとめてみましょう。下がり天井は、天井の一部分が下がっていることである間取り図では「点線」で示されている梁やダクトがむき出しになっている場合があるリフォーム時には、この梁やダクトを移動することはできない高級マンションでは、下がり天井の心配はいらないマンションでの居住をご希望の方は、間取り図の「点線」に注意するようにしましょう。
2018年01月17日身近な法律家「司法書士」とは司法書士とは、一般的に不動産売買時や会社設立時に必要となる『不動産登記』を行うスペシャリストといった認識があります。司法書士の主要業務には、大きく分けて以下の5つが挙げられます。登記業務(不動産、会社設立など)成年後見に関する業務相続・遺言に関する業務債務整理に関する業務裁判業務私たち一般消費者が司法書士と関わる機会は少ないのですが、実は人生で重要な場面でお世話になっているのです。たとえば「1.登記業務」なんかは、その最たる例といえるでしょう。司法書士が私たちの生活をどのようにして支えてくれているのか、具体的にみていきましょう。司法書士の役割とは登記とは上記1で挙げた登記業務(不動産)は、私たちの生活を支えてくれている良い例といえるでしょう。不動産登記とは、土地や建物の「物理的な状況」や、その不動産が誰から誰に移ったかなどといった「権利の変更」を、法務局の登記簿に記録し、国民に広く知らせる制度のことをいいます。司法書士は上記でいうところの「権利の変更」に関する登記申請を、私たちの変わりに行ってくれます。なぜ代わりに申請してくれるのでしょうか。それは「登記の必要性」に答えがあります。登記の必要性とはそもそも登記とはなんぞや!?って感じですよね。登記とは、第三者に対して「これは私の権利だ!」と主張することのできる権利(対抗力)のことをいいます。たとえばあなたが、不動産をAさんから購入するとしましょう。しかしAさんは、あなたの他の人にもその不動産を売却したとしましょう(二重売買といい、実際にこのようなケースは多くあります)。これでは所有者が2人になってしまい、争いが起きてしまいますよね。この場合あなたならどのようにして権利を主張しますか?向こうも当然、自分が先だ!と主張してきます。こうなっては争いになってしまいますよね。法律に無知な私たちはどうすればよいのでしょうか。争いを避けながらも「これは私が先だ!」と主張するためにも、登記を行う必要があります。上記のように、民法など人との争いには法律が絡んできます。ご存知のように法律は複雑なため、私たちのような素人では到底太刀打ちできません。しかも一生に一度しか買い物をしない不動産なんて、なおさらですよね。そこで法律のプロである司法書士に、自身の財産を守ってもらうように登記申請を依頼するのですね。直接依頼しなくても良いから気楽!しかも、司法書士への依頼は“不動産屋さん”がやってくれます。不動産購入の費用の中に「司法書士への依頼報酬(約5万円ほど)」があるのですが、自分の財産を守ってくれるための費用と思えば、安いものですよね。まとめ司法書士は、私たちの財産を他人から守ってくれる身近な法律家です。直接関わることは少ないですが、いざという時には最も頼りになる存在です。これからマイホームを購入される方は、物件の引き渡し時に司法書士の先生と立ち会うこととなるでしょう。有事の際にはぜひ、その先生に頼ってみてはいかがでしょうか。しかし「なんだか敷居が高いな・・・・」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、不動産屋さんに相談してみるのもひとつの手です。不動産や金融に関する相談はもちろん、案件によっては司法書士の先生に繋いでくれるので、気軽に相談してみましょう。
2017年12月21日建築基準法とは建物を建てる際の敷地や構造、設備及び用途に関する守るべき最低基準を定めている法律のことをいいます。1950年に制定された建築基準法は、国民の生命、健康および財産を保護すべく、都市計画法、宅地造成等規正法、消防法などさまざまな法律の規制を受けます。このことから、建築基準法は建物を建築するうえで最も基本となる法律とされています。そのため、着工前の「建築確認」や工事中の「中間検査」、工事完成後の「完了検査」、違法建築物の「是正勧告」などについての規定も定められています。また建築基準法は以下の2種類に大別することができます。建物自体の安全性や構造・防災・衛生などについて定めた「単体規定」都市の防災や環境向上などの観点から定めた「集団規定」1の単体規定では、具体的には居室の採光(床面積の7分の1以上)や換気(20分の1以上の開口部を設ける)、トイレ、電気設備など、個々の建物を建築する際の基準がまとめられており、全国一律に規定されます。一方、2の集団規定では、敷地と道路に関する基準(接道義務など)、建物の用途や形態に関する基準(建ぺい率や容積率、高さ制限、各種斜線制限など)、都市再生特別地区等、防火地域、景観地区などが集団規定に当たります。また集団規定は、都市計画区域及び準都市計画区域に限ってその規定が適用されます。建築前に確認したい代表的な法令とは建物の建築には、実に多くの法令が絡んでいます。その代表例が、上記で述べた「建築基準法」といえます。建物建築時の基準となるこの法律ですが、そもそもほかの法令も理解していないと、これを理解することは難しいといえるでしょう。数ある法令の中でも、建築基準法と密接に絡んでいる都市計画法について確認してみましょう。都市計画法都市計画法とは、都市の将来あるべき姿(人口、土地の利用方法、主要施設等)を想定する都市計画に基づき、必要な事項を定めている法律のことをいいます。都市計画法では、計画的に街づくりを行う「都市計画区域」と、都市計画区域外の区域で放置すれば、将来、都市としての整備や開発、保全に支障が生じるおそれのある区域であるとして指定される「準都市計画区域」があります。また都市計画区域内では、積極的に市街化する「市街化区域」と、市街化を抑制する「市街化調整区域」とに線引きします。この市街化区域内では、異なる地域が混在しないよう、その地域ごとの用途や使用目的に合った建築物が建つよう、地域ごとに細かく分けられます(例:住宅地と工業地を分ける、など)。これを「用途規制」といいます。建物を建てるには、建築基準法に適しているかどうかを確認する前に、まず都市計画法に適しているかどうかを確認しなければならないといえるでしょう。
2017年11月30日イミュ株式会社が開催していた「わたし、まつげは、女優です。」広告キャストオーディションの結果、デジャヴュの新広告キャストが決定。インスタグラムとツイッターを通じた1,973件の応募投稿の中から、見事グランプリに輝いたシンデレラガールが発表された。グランプリ1名、デジャヴュ賞2名が発表「わたし、まつげは、女優です。」広告キャストオーディションは、デジャヴュの「塗るつけまつげ」で叶えられる、「女優まつげ」の広告キャストにふさわしい人材を探すため、人気女性誌『CanCam』とのコラボレーションで開催された。「女優まつげ」とは、前から見ても、横から見ても、360°隙がない、完璧な仕上がりのまつげのことだ。見事グランプリに輝いたのは、大学生の中村優花さん。まつげの美しさが際立つ印象的な目もとと、未来への可能性を感じる瞳の輝きが、“女優まつげ”グランプリにふさわしいと満場一致でグランプリに決定した。また、デジャヴュ賞に入選したのは、阪上エリさんと上原星南さんの2名。中村さんには、12月に発売される『CanCam』誌面への出演と、デジャヴュ プロモーションムービーへの出演権が、阪上さんと上原さんにはデジャヴュ プロモーションムービーへの出演権が贈られる。1次選考通過者だけに秘密の「美まつげレッスン」が開催1次選考を通過した9名だけを対象に行われた、秘密の「美まつげレッスン」の一部を、10月26日からWebページで公開中だ。講師を務めたのは、メイクアップアドバイザーであり、コスメインスタグラマーとしても人気の立花ゆうりさん。自撮りでも映える“まつげが主役”のアイメイクテクニックなどが動画内で紹介されている。美まつげ際立つ自撮りテクニックも紹介中なので、気になる方はぜひ動画をチェック!「女優まつげ」が手に入るデジャヴュの「塗るつけまつげ」【塗るつけまつげロング】どこまでも塗るほどに長く×自まつげが伸びたようにキレイ製品名:デジャヴュ ファイバーウィッグ ウルトラロングF(全2色)本体価格:1,500円(税抜)【塗るつけまつげボリューム】一本一本太くボリュームアップ×ダマなくつるんとキレイ製品名:デジャヴュ ラッシュノックアウト エクストラボリュームa(全1色)本体価格:1,500円(税抜)【参考】※デジャヴュ公式ホームページURL※美まつげレッスン動画
2017年11月20日東京・汐留にある日本唯一の広告ミュージアム「アドミュージアム東京」が、2017年12月1日(金)にリニューアルオープンする。日本で唯一の“広告博物館”30万点の収蔵資料を誇る「アドミュージアム東京」は、世界に例のない広告専門のミュージアム。2002年の開館以来、190万人を超える人々を動員した同館が、オープン15年を迎える2017年に初のリニューアルを実施した。マーケティングのルーツは江戸時代にあり?!「ニッポン広告史」常設展示となるのは、広告にまつわる歴史やさまざまな情報を学ぶ「ニッポン広告史」。かつて、現代経営学の父であるピーター・ドラッカーに「マーケティングの原点は日本の江戸にあり」と言わしめた江戸時代の広告は、現代のタレント広告やSNSの原点でもあるといわれている。そんな広告活動の原点といえる江戸時代から現代まで、時代と広告、そして人と広告の関わりの歴史を、同館のコレクションを中心に映像やデジタル展示も交えて紹介する。“気持ち”を揺さぶる広告に焦点を当てた常設展示も同じく常設展示として設置される「4つのきもち」と「デジタルコレクションテーブル」は、 広告に触れ、体験する視聴ブース。「きもち」ごとにキュレーションした「4つのきもち」は、圧倒的な共感を生んだ広告、深く考えさせられる広告など、気持ちを強く揺さぶる広告に焦点を当てた展示だ。一方の「デジタルコレクションテーブル」では、タッチ式のデジタルテーブルで思う存分広告作品を鑑賞出来る。1950年代から現在までのテレビCM、ポスターなど約2000点の広告資料を5台の大型タッチ式モニターで紹介。画面上に流れる数多の広告の中から、自分の興味や関心にあわせて、気になったものを自由に楽しめる。優れたアイデアの裏側に迫る企画展話題のヒット作や便利な日用品など、優れたアイデアの裏側には何があるのか。リニューアルオープンから2018年2月24日(土)まで開催される「『思いつく』を考える展」は、「思いつく」の過程に迫り、考えることの面白さを伝える企画展示。単なる才能や感性の産物ではなく、「思いつく方法を見つける」ための地道な努力の成果でもある様々なアイディアを集約した展示を見れば、明日からの仕事や生活を変えるヒントが見つけられるかもしれない。そのほか、28,000点もの図書資料を収蔵する、広告・マーケティング専門のライブラリーも設置。広告に関わる人もそうでない人も、様々な広告を通して新しい発見と出合うことが出来るようなオープンな施設となっている。施設情報「アドミュージアム東京」リニューアルオープン日:2017年12月1日(金)住所:東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留開館時間:火〜土 11:00〜18:00休館日:日曜、月曜入場料:無料
2017年11月16日