京都・花背の料理旅館『美山荘』で生まれ育った大原千鶴さん。女将の仕事で多忙だった母を支えて、小学校のころから料理の心得を学んできた。時には何十人もの食事を用意することもあったという。料理が大好き。三人の子どもを育てながら、何かできる仕事をしたいと思っていた時、たまたま雑誌で京都・錦市場を紹介する仕事を引き受けたことがきっかけで、料理家としての道を歩むことに。京の家庭料理を基本に、手間がからず、簡単にできて美味しいレシピを提案。愛らしさと明るさ、もの柔らかな京言葉で、多くのファンを魅了する大原さんに、食べること、料理のこと、元気の秘訣などについて伺った。ー毎日、飽きずに食べられるアイデア野菜レシピが人気ですが、大原さんも自ら、大原の里で畑を耕し、野菜を育てていたそうですね。野菜を育てていると、野菜にもいろんな個性があることが分かるんです。大根の間引き菜、まだ小さい人参....。そんな野菜たちが、だんだん大きくなってくる。それぞれの成長の度合いに合わせて、いろんな食べ方を考えて、一つの命も無駄にしいひんように、工夫するようになります。畑はほんまにいろんなことを教えてくれました。なにより、野菜は季節を教えてくれますよね。今ごろなら店先にかぶらや金時人参がお目見えすると、冬の到来を感じます。ー“美食と食べる事はちがう”というが大原さんの基本的なお考えだとか。料理は日々のこと、常のことです。まず、簡単にできて、毎日食べても飽きが来ないこと。昨日、何食べたかな?と、覚えていないくらいの味が家庭料理やと思います。よく皆さんに聞かれるのですが、うちのお台所にある調味料もごく普通のものしかありません。キッコーマンの濃口にヒガシマルの薄口、みりん、千鳥酢。ほんまにごく普通なんですよ。みなさん、なあんだというお顔をされますけど(笑)。私、無駄がキライなんです。料理もね、できるだけ道具を少なくして、お鍋ひとつ、フライパンひとつで出来るレシピを考えるようにしています。常備菜を用意したり、下ごしらえなど、“時短”アイデアを活用して、お料理はラクで簡単、楽しく、美味しくつくるのがモットーです。ー時短アイデアにはどんなものがありますか?まず、おだしは、冷蔵庫に常備しています。麦茶ポットのような容器に、お昆布とかつおを入れて、冷やしておくだけ。3時間ほどで美味しいおだしができますよ。あとね、野菜を買ってきたら、最初のお料理の時に、全部使いやすいサイズにカットしておくんです。そうすれば、炒めものや煮物にすぐ使えますから。お米も洗って水切りをして、プラスチック容器に入れておけば、帰宅してすぐに炊けるんです。私は炊きたてご飯が大好きなんで、なんとかラクに炊きたてご飯が食べられへんかなあと思いついたんです。ーこれがあると便利というおすすめの調味料はありますか?冬場は、よく西京味噌を使います。この季節、お鍋料理が増えるでしょう?お鍋のだしのベースに、西京味噌をちょっと加えるとコクと旨みがぐっと増しますよ。柚子の皮と果汁を少し入れて柚子味噌にしたり、お魚の西京焼も美味しいですけど、洋風料理のベースにも使えるんですよ。豆乳と西京味噌を合わせると、クリーミーでなめらかな西京味噌ソース(※)になるんです。旬のお野菜をたっぷり使った西京味噌シチューやグラタンなどおすすめです。(※)【西京味噌ソース】・基本の比率は「1:2」西京味噌200gに豆乳400cc・2つを泡立て器などでよく混ぜるだけで完成ー西京味噌のシチュー!美味しそうですね。作り方は簡単なんですよ。かぶと金時人参を適当な大きさに切って、ひたひたのおだしで茹でます。そこに、一口大の鶏もも肉に、塩こしょう、片栗粉をまぶしてゴマ油でこんがり焼いたものを入れて、最後に白味噌ソースを加えて、ひと煮立ちしたら出来上がりです。美味しくて体も温まるので、この季節にぜひつくってみてください。ー最後に、チャーミングな大原さんのファンがたくさんいますが、いつも美しく、若々しくいられる秘訣を教えてください。そんなん言われると照れます…!(笑)。“自分に正直に、人生楽しく、面白く生きる”ことかしら。自分で自分をしんどくしてしもたら、あかんと思うんです。お料理もそう。ラクして、美味しいお料理をつくって、笑顔で食卓を囲む。それが元気の秘訣かもしれませんね。無駄を省いて、ラクして、ご家族のためのご飯をつくってください。一人暮らしの方もね、家庭の味って決して面倒なものではないんです。簡単なレシピで、お料理をどんどん楽しんでみてくださいね。お友達にぜひ振舞ってみてほしいです。ーありがとうございました。
2016年01月05日女優で歌手の大原櫻子らが、人気アニメ『ちびまる子ちゃん』シリーズの23年ぶりの劇場作『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』(12月23日公開)にゲスト声優として出演することが27日、発表された。このたび発表されたのは、大原のほか、元東京事変のベーシストで音楽プロデューサーの亀田誠治とウルフルズ・ボーカルのトータス松本ら。大原は、亀田と挿入曲「キミを忘れないよ」を、松本とはエンディング曲「おーい!!」を共作している。挿入曲を手がけた2人は、劇中でまる子の家にホームステイする少年・アンドレアの父母を演じ、トータス松本は、アンドレアとまる子の祖父・友蔵一行が大阪旅行で出会うおっちゃん役を務める。声優初挑戦の大原は、アニメーションデビュー作が「大好きな『ちびまる子ちゃん』というのがうれしかった」と歓喜。「小学校の頃の授業参観に来ていたお母さんのように温かく迎えられたらな」という思いで演じたアフレコは、「楽しかったの一言です。終わった後に、もっともっとやりたいって思いました。"画(え)に声をのせる"って難しかったんですけど、すごく楽しかった」と、感慨を表す。「正直実感がまだない」としながら、「私の出番は後半なので、出てくるまで緊張しちゃいます!」とも語っている。亀田も「25年前にリアルタイムで見ていた作品、自分の人生の半分を一緒に歩んでいる作品に、音楽を作ることができたり、声優として参加することもできて、生きてるといいことがあるなって」と、自身と夫婦役を演じる大原同様に感激。加えて、「留学中の息子に会いに行った時に交わした会話とシンクロしてびっくりした」と明かした。本番一発OKで勘の良さを印象づけた松本は、「何回もテイクを重ねて、うまくなっていく2人(大原と亀田)を見て悔しかった!」と笑みを浮かべながら、「劇中と似た経験をしたことがありまして」と告白。「うろうろしていると全然知らないおじさんが、話しかけてくるっていう(笑)。大阪にはそういうおじさんがいっぱいいますよね」と思い出に触れた。本作の原作は、少女漫画誌『りぼん』(集英社)で連載され、累計発行部数3,200万部(2015年10月現在)を超えるさくらももこ氏の人気コミック。1990年のTVアニメ化から放送回数1,100回を超える国民的アニメ作品となっている。本作では、原作者・さくら氏自らが脚本を担当している。(C)2015さくらプロダクション/フジテレビジョン 日本アニメーション 東宝 博報堂DYメディアパートナーズ 読売広告社 FNS27社
2015年11月27日2013年に公開された映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』。この映画のヒロインはオーディションで決定したのですが、5,000人という応募者の中から、審査員が満場一致で選んだのが大原櫻子さんです。この映画の中のバンドでもあるMUSH&Co.のヴォーカリストとしてCDデビュー。女優として、そしてアーティストとしての道を歩み始めました。そして2014年には日本映画批評家大賞新人賞、日本レコード大賞新人賞という2つの新人賞を受賞、そのポテンシャルの高さが認められる形となりました。その大原さんの4枚目のシングルが『キミを忘れないよ』。大原櫻子名義では初となるラブバラードは、切ないメロディを抒情的に歌い上げるヴォーカルラインが印象的な1曲。ポップな曲だけでなく、バラードのような“聴かせる”楽曲でも存在感のある歌声を披露しています。ちなみにこの『キミを忘れないよ』は、12月末公開の『映画ちびまる子ちゃん』の挿入歌にも決定しています。リリース情報:『キミを忘れないよ/大原櫻子』(2015.11.4発売/¥1200(tax out)/VICL37123)※初回限定盤A(¥1500(tax out)/VIZL907/DVD付)、初回限定盤B(¥1500(tax out)/VIZL908/DVD付)も同時発売
2015年11月10日英国バレエを代表する振付家、ピーター・ダレルによる『ホフマン物語』。日本での上演機会が少ないこの作品を、新国立劇場バレエ団が今シーズンのオープニング作品に選んだ。昨年から新国立劇場の舞踊芸術監督に就任した大原永子は、ダレルが設立したスコティッシュ・バレエで長くプリンシパルを務め、「ダレルのミューズ」とも呼ばれたダンサー。今作に登場する3人の女性すべてを踊った経験もある。ダレルの薫陶を受けた彼女が、新国立劇場バレエ団にその踊りを直伝する。【チケット情報はこちら】『ホフマン物語』はバレエでは珍しい、男性が主役の物語。タイトルロールのホフマンを演じる男性ダンサーは、ひとりで20代から初老までの年代を演じることとなる。また、1幕では人形オリンピア、2幕では病弱なアントニア、3幕では魔性の女ジュリエッタと、それぞれの幕でホフマンがまったく違うタイプの女性に恋をするため、観客は幕ごとに変わる3人の女性ダンサーによる多彩な踊りを楽しむことができる。「3作のまったく違う演目を観ているような気分になるのが『ホフマン物語』の魅力。悲劇でありながらファンタジックな部分もあり、ビジュアル的な要素にも優れている作品です。今回は衣裳も装置も新制作で、すばらしい世界をお届けできると思います」と自信をのぞかせる大原。今回は大原はもちろん、ダレルの振付を世界中で教えているコレオロジストのジュリー・ヘイドンも参加する。ホフマンを踊る福岡雄大は「一幕ごとに違う女性に恋をしては振られる役。幕ごとに異なった表現ができれば」と意気込む。アントニア役のプリンシパル小野絢子は「先日、ジュリーさんがひとりひとりの役に関して時代背景や性格などを話してくださいました。アントニアはどんな性格か、理解して踊りたい。そして今この時期に、このバレエ団に『ホフマン物語』を持ってきてくださったことに感謝したい」と感慨深げ。同じくアントニアとジュリエッタの二役を踊るプリンシパルの米沢唯は一転、「ジュリエッタは自分の髪で演じることになるのですが、人生初のパーマをかけるのが楽しみです」と会場を笑わせた。「私はバレエに行き詰っていたときにダレルに出会い、“私が踊りたいバレエがここにあった!”と感じました。彼がいなければ今の私はありません。かつての私のように、今回のダンサーたちにも今作を通じて何かを見つけてほしいと思います」と語る大原。新しい「ホフマン物語」の歴史がいまはじまろうとしている。公演は10月30日(金)から11月3日(火・祝)まで東京・新国立劇場 オペラパレスにて上演。チケットは発売中。取材・文:釣木文恵
2015年09月11日(左)田房永子(右)まんしゅうきつこ――『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)で、人気ブロガーから一躍大ヒット漫画家になったまんしゅうきつこさんと、『男しか行けない場所に女が行ってみました』(イースト・プレス)、『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)などで女性をめぐる社会のありようを鋭く見つめる田房永子さん。一見、ジャンルも作風もまったく違う2人ですが、雑誌の対談で会って以来、意気投合し、今ではプライベートでも親交を深める仲だとか。そんな2人が、去る7月31日にトークイベント「きつこと永子の2人会~旦那と宇宙とダウジング~」を青山ブックセンターで開催しました。会場では、「苦手意識や嫌悪感のある人もいるから……」と、これまで人前やメディア取材では避けてきたというスピリチュアルの話を初披露。いかがわしい、うさんくさいと思われがちな精神世界と、適切な距離を保ちながらうまく付き合う2人の興味深いやりとりの一部を、前後編の2回にわたってお届けします。まんしゅうさんと会ったら田房さんのチャクラが開いた!?田房永子(以下、田房):まんしゅうさんとは、初めて会ったときから、“ずっと前から友達だった”みたいな感じがしたんですよね。まんしゅうきつこ(以下、まんしゅう):わたし、秋元さんっていう友達がいるんですけど、彼女と初めて会ったときも、あまりに話が合いすぎて5時間くらいずーっとしゃべってたんです。田房さんには、そのときと同じような感覚を感じました。田房:秋元さんって、あのまんしゅうさんのブログに出てくる「早くホヤを食いてえ~」の人ですよね。光栄です!まんしゅう:しゃべり方とか性格とか、ちょっと近いかも。(c)アル中ワンダーランドまんしゅうきつこ (著)田房:わたしは、まだまんしゅうさんと面識がないときに『アル中ワンダーランド』を読んで、宇宙人とかクリスタルチューナーの話が出てきたので、「あれ?そっち側の人なんだ!」と思ってうれしくなりました。ちょうど薔薇の季節で、周りの家の奥さんたちが庭先で花の手入れをしていたんですが、まんしゅうさんも庭いじりが趣味だと書いてあったから「近所に住んでたら楽しいだろうなあ」ってなんとなく思ったんです。そしたら、まさにその日の夜に「まんしゅうさんと対談しませんか」という打診のメールがきたから、びっくりしましたよ。まんしゅう:田房さんとは、そういうシンクロみたいな偶然がめちゃくちゃ起こるんですよね。田房さんがうちに遊びにきたとき、「わたし実は、モルダバイトって石を買おうかと思ってて」と話したら、「え、わたし今日、買おうかどうしようか迷って、ネットでずっと調べてたところ」って言われて。田房:モルダバイトっていうのは、知らない人はまったく知らなくていい石なんですが……。まんしゅう:あらゆるパワーストーンの中で、一番クセが強いと言われている石なんですよ。瞑想するときに、これを眉間にセロテープで貼っておくと、チャクラが開きやすくなるっていうのを聞いて、ずっと買おうと思ってたんです(笑)。田房:パワーストーン好きな人たちは、「石酔いする」とかよく言いますよね。石を「この子」って呼んだりもするんですけど、そういう人たちにとって、モルダバイトは「この子は手強い」っていう石みたいです。まんしゅう:わたしもずっとそう聞いていたので迷ってたんですけど、田房さんが「これは買えっていうメッセージかもしれないね」と言うので、その日の夜に買いました。田房:そんな話ばっかりしていたら、わたし、帰り道でチャクラが開くというか、頭頂部っていうか前頭葉のあたりがパッカパッカに開いてる感じがして、スースーする感覚になっちゃったんですよ。宇宙のことに詳しい人と話してると、たまにそうなることがあって。まんしゅう:帰ったあとに、田房さんからすごい長文のメールがきたんです。「たぶん私、少しチャクラが開いたかもしれない」って。その感覚を説明した絵が添付されてきて(笑)。田房:自分なんてチャクラが開くような人間じゃないって思ってたから、これまで何度かそういう状態になっても放置していたんですけど。あまりにバカバカ開いてるのでネットで調べてみたら、やっぱりチャクラが開いた人は、みんな「バカバカ」とか「スースー」とか、わたしの感じ方と同じ擬音で表現していて。仕方ないから、これはもうチャクラが開いたんだと認めることにしました。こんなこと、普段誰にも言わないんですけど(笑)。まんしゅう:わたしの周りの人も、こういう話が大嫌いなので普段は全然しません。ダメな人は本当にダメで、受け付けないので。とくに弟は、わたしがそういう話をすると「目を覚ませ!」ってビンタしてくるんですよ(笑)。「俺は一切信じないからな」って。田房:うちも、旦那がまったくそういうのに興味ないから、言うのは恥ずかしいですね。でも、そういう不思議なことって、普通に起こるんですよね。わたしは出産した後、人影みたいなのがめちゃくちゃ見える時期があって、視界を変えると必ず出てくるんです。そういうのに詳しい友人に聞いたら、それは霊だけど気にする必要はないって。人影が見える時期は、街を歩いていてもなぜかすごく人に絡まれるんですよ。おばあさんに「邪魔よ!」って怒鳴られたり。まんしゅう:妊婦のときは?田房:妊娠中は逆になかったんですけどね。そういう時期がこれまでに3回くらいあって、わたしの中でそれは“アセンション(次元上昇)”的な、自分の中の転換期なんだと思うようにしました。変なことがあっても、「ああ、今はその時期ね」みたいな。じゃないと怖いから(笑)。精霊のせいだと思ったら描けない悩みがなくなった(左)まんしゅうきつこ(右)田房永子まんしゅう:『アル中ワンダーランド』にも描いた通り、わたしはアルコール依存症がひどかった時期だけ、UFOが見えてました。当時は、お酒が足りなくなると夜中に自転車で買いに行ってたんですが、夜空に赤とか黄色の光がずっと後を付けてくるんです。「あ、見守ってくれてるな」と思って(笑)。田房:それは絶対UFOですよ。まんしゅう:田房さんはやさしいですね(笑)。でも、アル中の禁断症状とは言ってますけど、わたしも本当は、あの時期に見えていたUFOはすべて本物だったと思ってるんです。田房:完全にそうだと思いますよ。芸術家の中には、無意識に宇宙と交信したりチャネリング的なことができる人が多いって言いますよね。そうじゃなかったら、地球上にこんなにたくさんすごい作品ってできてないと思う。まんしゅう:わたしもその時期はチャネリングにハマっていました。天の声が聞こえてきて、自分はシリウス星人だって教えてもらったんです。(笑)。田房:すごい!でも、現実の世界だと、そういう人たちには何かしらの病名が付けられちゃうんですよね。日常生活には支障があるし、健康にも害があるから治療しなきゃいけない。だけどそれって「宇宙にアクセスできるような状態になった」って言い換えることもできる気がします。まんしゅう:一説によると、宇宙にアクセスして受け取った内容を、文章や絵画、歌に残すとすごくヒットすると言われているんですよね。谷村新司さんは、プレアデス星人たちが故郷の星を追われたという話をチャネリングで受信して、それを歌にしたのが『昴』らしいですよ(笑)。田房:楽しいからその説信じます!多かれ少なかれクリエイターの人は、そういう何か大きな力に引っ張られて創作している感覚があると思うんです。2年前くらいに、NHKの『スーパープレゼンテーション』という番組で、『食べて祈って恋をして』の原作者のエリザベス・ギルバートが、「作家がアイディアが出なくて苦しむことは無意味だ」みたいなこと言ってたんですよ。物を書くという行為は、精霊によって書かされているだけだから、書けなくても自分を責める必要はないって。「書けないときは、壁を叩いて『おい精霊、いいかげんにしろよ!お前がサボるから仕事が進まないだろ!』と怒ってみてください」とか全世界の作家に向かってアドバイスしていて、「超ヤバいなこの人!でもその通りだ!」と思ったんです(笑)。まんしゅう:なるほど~!田房:「自分は才能ないからやめよう」と思って、あきらめようとしても、どうしてもやってしまうことがあるときは、精霊がついてるんだと思う。プロじゃないのに絵を描いてしまう、とかもそうだし、突然描けなくなるとかも、精霊でしか説明がつかないっていうか。まんしゅう:ほんとですか?実はわたし、『アル中ワンダーランド』がそれなりに重版かかって安心しちゃった部分があって、今まったくなんにも描けない状態になっちゃったんですよ……。仕事はたくさんいただくんですけど、そういうのわたし断れなくて、ぜんぶ引き受けてたらいっぱいいっぱいになっちゃって。田房:本つくるのって全力疾走って感じですもんね。わたしにとって精霊は、“自分を責めないようにするための分身”って感じなんです。私も描きたくて描いてるんだけど、もう半分は誰かがわたしに描かせているっていう感じ。そう思ってたほうが、もし描くことがなくなったときにも気がラクかなと思ってます。まんしゅう:いいですね、わたしもそういう心の拠り所を作ろうと思います!――“自分を責めないようにする”ためのツールとして精霊の存在を信じているという田房さん。アル中時代には、まんしゅうさんも天の声から「あのラフはよくないから書き直せ」と仕事のアドバイスをもらったと言います。自分以外の目に見えない存在が、ストレスやプレッシャーを肩代わりしてくれる。人がスピリチュアルを必要とする理由のヒントが、ここにあるのかもしれません。【後編に続きます。お楽しみに!】Text/福田フクスケ(プロフィール)まんしゅうきつこ埼玉県生まれ。2012年に開設したブログ「オリモノわんだーらんど」で注目を集め、現在は漫画家・イラストレーターとして活躍。『アル中ワンダーランド』(扶桑社)、『ハルモヤさん』(新潮社)が好評発売中。WEBマガジン『ドアラジオ』に『まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド』を連載中。田房永子東京都生まれ。2012年に刊行された『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)が大きな話題となり、『ママだって、人間』(河出書房新社)、『男しか行けない場所に女が行ってきました』(イースト・プレス)など注目作を次々刊行。『本当にあった愉快な話』(竹書房)に『キレる私をやめたい』を連載中。
2015年09月11日新国立劇場2015/2016シーズンの主催公演ラインナップが発表された。演劇、バレエ、舞踊3部門の作品をお伝えする。新国立劇場バレエの公演情報まずは演劇8作品から。10月のシーズン開幕に中劇場で上演されるのは、スティーブン・ソンドハイム作曲の本邦初演ミュージカル「パッション」。新国立劇場は過去、「太平洋序曲」「INTO THE WOODS」と2本のソンドハイム作品を上演してきた。今回は芸術監督・宮田慶子の演出、井上芳雄、和音美桜、シルヴィア・グラブらの出演で、濃密な恋愛のドラマを舞台に刻む。続く11月の小劇場「桜の園」は、鵜山仁演出、田中裕子ほかの出演。王道のチェーホフ劇に期待しよう。12月の小劇場「バグダッド動物園のベンガルタイガー」は、気鋭・中津留章仁が演出する戦争テーマの硬質な米国ストレートプレイ。3月からの小劇場は鄭義信三部作の連続上演で、今回の目玉というべき企画だ。この作家が新国立劇場に書き下ろした「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」の名作3つを改めて堪能したい。6月の中劇場「あわれ彼女は娼婦」はシェイクスピアと同時代の演劇で、兄妹の禁じられた愛の物語。こちらは栗山民也演出で。シーズンのラストは、7月の小劇場、別役実の新作書き下ろし、宮田慶子演出による「竹取物語~よみがえり篇~」(仮題)のタイトルが挙がっている。バレエは6作品はすべてオペラパレス。10月の新制作「ホフマン物語」は、芸術監督・大原永子の英国へのこだわりが香るピーター・ダレル振付の逸品。12月のおなじみ「くるみ割り人形」、1月の祭典「ニューイヤ・バレエ」を挟み、2月の新制作「ラ・シルフィード/Men Y Men」にも注目だ。前者はオーギュスト・ブルノンヴィルの古典的振付に大原永子が演出で参加し、この作品に関する深い知見を注入する。後者は昨年の「眠れる森の美女」に続く、ウエイン・イーグリングの振付が話題。5月は鉄板「ドン・キホーテ」。6月の「アラジン」では、前芸術監督デヴィッド・ビントレーの振付作品を再演する。ダンスは、10月小劇場の「近松DANCE弐題」で幕開け。以降は中劇場での公演が3つ並ぶ。3月の新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2016」、3月の平山素子「Hybrid―Rhythm & Dance」、6月の高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA」と計4公演を揃えた。
2015年01月23日8月8日から20日まで、西武池袋本店別館2階の西武ギャラリーで、「攻殻機動隊25th Anniversary攻殻機動隊 大原画展」が開催される。同原画展は、士郎正宗のコミック『攻殻機動隊』の生誕25周年を記念して開催されるもので、『攻殻機動隊』全シリーズから選りすぐった漫画原稿やアニメーション原画、セル画、資料など約300点が展示される。また、同原画展のためにデザインされたオリジナルグッズや、歴代の『攻殻機動隊』シリーズから様々なクリエーターが手掛けたイラストの版画が発売される。版画は全14種類で、価格は4万円から12万円。同原画展のための図録(2,000円)の販売も行われる。原画展開催にあたって士郎は、「よくこんな読みづらいマイナー系の非文系型マンガが25年も生き続けられたと思う。出版社を始めアニメやゲーム、映画、コミカライズ関係者の努力の賜物であろうと思う」とコメント。また、Production I.G代表取締役 石川光久、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』監督の押井守など、作品関係者からのお祝いコメントも多数展示されている。合わせて、『ターミネーター』『タイタニック』『アバター』の監督としても知られるジェームズ・キャメロンからの「『攻殻機動隊』の映像表現は文学的ともいえる最高レベルに達した、真の意味での初めての大人向けアニメーション」との賛辞の言葉を綴った色紙の展示も興味深いところ。その他、S.A.C.の宣伝用に作製された「タチコマ」の模型展示など、入口から出口まで見どころ満載な内容だ。入場料は一般が800円、大学生・高校生が600円、中学生以下無料。また、特製缶バッジ付き入場料(1,200円)の用意もある。【イベント情報】「攻殻機動隊 大原画展」東京開催会場:西武池袋本店別館2階=西武ギャラリー住所:東京都豊島区南池袋1-28-1会期:8月8日から8月20日まで入場料:一般800円大高生600円大阪開催会場:阪神梅田本店8階催場住所:大阪府大阪市北区梅田1-13-13会期:8月27日から9月8日まで入場料:一般800円大高生600円
2014年08月07日「ハイアット リージェンシー 京都」では、親子で楽しめる夏休みスペシャル企画として、野外クッキングクラス「自然学校 in 大原」を開催する。今年で2回目の開催となるこの野外クッキングクラスは、まずホテルから参加者全員で大原大見町へ足をのばし、手付かずの自然が残る山の中にある藤井康裕さんの農地での有機野菜の収穫体験をした後に、同ホテル総料理長ショーン・キーナンさんの野外クッキングクラスで一緒にBBQを楽しむ、というスペシャルな企画。大原大見町は、京都市内から車でわずか1時間の場所にありながら、都会の喧噪や蒸し暑さを忘れるような悠久のふるさと。木陰に自然の涼しさを感じながら蝉の声に耳を傾けたり、清流の流れにオニヤンマを見つけたり…。普段の生活ではなかなか体験できないネイチャーエコを取り入れたこの特別なプログラムは、夏休みの家族の想い出づくりはもちろん、自由研究のテーマ探しにもぴったり。開催日程は8月8日(月)と差し迫っているので、まずは 下記までお問い合わせを。●クッキングクラス 特別講座「自然学校 in 大原」開催日:2011年8月8日(月)参加費:大人9,000円 子供(12歳以下)4,500円ご予約・お問い合せ:mail cookingclass.kyoto@hyatt.com (メールまたはFAXにて受付)fax. 075-541-3256取材/松浦明
2011年07月27日