桜庭ななみが12月18日(土)、東京・有楽町の丸の内ピカデリー2で行われた、ヒロインを務める映画『最後の忠臣蔵』の初日舞台挨拶に、主演の役所広司、佐藤浩市らと出席。感極まって号泣した。赤穂浪士の中で死を許されず、生きて使命を受けた武士・瀬尾孫左衛門(役所さん)が、大石内蔵助の隠し子・可音(桜庭さん)を大切に育て上げていく歳月を描く物語。初日を祝って、サプライズでキャスト陣それぞれに宛てて手紙が読み上げられ、桜庭さんには「ある人から」としてメッセージが紹介された。現在18歳、撮影当時17歳で時代劇初挑戦となった桜庭さんの奮闘に「ずいぶんと年の離れた大人たちの中で、誰ひとり同年代の友達もなく、緊張と孤独に打ち震え、暗闇を手探りで進んでいこうとしている君の姿は…」と称える言葉が続くと、桜庭さんは大粒の涙をポロポロ。最後に手紙の差出人が、この日も同席している杉田成道監督から、と知ると、右手で顔を覆って号泣した。そのまま泣きじゃくりながら「オーディションのときは、ただ台本を読んで絶対落ちたと思った。撮影に入る前、1か月くらいリハーサルをやってくださり、1シーン、1シーン丁寧に教えていただきました。誕生日(10月17日)も夜中11時くらいまでやって『このヤロー』って思ったんですけど」。素直な言葉に、キャスト陣と杉田監督は爆笑。桜庭さんは「こうやって初日を迎えられて、拍手をいただけると、本当に監督のお陰だなって」と感謝の弁を述べた。杉田監督は「私はそういう立場なので、全員にどう思われても何とも思いません」と顔をくしゃくしゃにして苦笑い。役所さんは、桜庭さんに「鼻をフンとしなさい」と言ってハンカチを手渡し「こんなベタな演出が用意されているとは知らず、ビックリです。さすが杉田組だなぁ」と感心。会場の笑いを誘っていた。『最後の忠臣蔵』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:桜庭ななみクリスマスは「友達と集まろうとか話してます(笑)」『最後の忠臣蔵』役所広司インタビュー“生かされた男”の矜持を語る『最後の忠臣蔵』リアリティを追及し世界文化遺産でも撮影敢行!役所広司&佐藤浩市で描かれる“その後”『最後の忠臣蔵』試写会に50組100名様ご招待役所広司&桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』ハリウッド試写盛況で笑顔マシ・オカも出席
2010年12月18日よきパパにヤクザに刑事…と「ありとあらゆる」という言葉が決して大げさではないほど様々な役柄を演じてきた役所広司。現代劇のみならず、時代劇でも数多の時代の歴史上の人物を演じてきたが、不思議なことに「忠臣蔵」に関してはこれまでほとんど縁がなかったそう。以前、正月のドラマ(「大忠臣蔵」)で堀部安兵衛を演じたことがあったきり。そんな役所さんがついに映画で「忠臣蔵」に関わることになったが、今回の『最後の忠臣蔵』はただの「忠臣蔵」にあらず!赤穂浪士の討ち入りからから16年もの歳月が過ぎたのちの、いわゆる“後日談”を描いたものなのだ。誰もが知っている事件の誰も知らなかった真相――役所さんはどのようにこの物語、役柄に向き合ったのか?「足軽だったからこそ、“本物の侍”の心を持ち続けることができた」役所さんが演じるのは、討ち入りの前日に姿をくらました瀬尾孫左衛門。命惜しさに逃げ出した裏切り者という汚名を背負って生きる孫佐衛門だが、実は大石内蔵助から直々に、これから生まれてくる彼の娘を育て上げるという密命を受けていたのだ。役所さんは孫左衛門を「生かされてしまった男」と表現し、出演を決めたいきさつをこう説明する。「『忠臣蔵』に関してはもう十分やってるだろう、という気がしてましたが、その後にこんな話があったなんて知らなかったです。これだけ『忠臣蔵』が日本人に浸透し、誰もがその背景や、志士たちの苦労まで知っている。ならば、この“生かされた男たち”の物語も理解してくれるだろう、と思いました」。これまでに演じてきた信長や家康、信玄といった歴史上の人物とは全く異なる武士…いや、武士の身分さえも捨てて、遺された内蔵助の娘のために生きる男。役所さんはどのような思いで孫左衛門という男を演じたのだろうか?「元々、足軽の男ですからね。座敷にも上げてもらえない身分。討ち入りに参加して華々しく活躍して、来世は士分に生まれ変わろうと誓う。それなのに生かされてしまった…。かわいそうだなと思いつつも、そうやって来世での生まれ変わりを誓うような低い身分の男だったからこそ、侍の“心”を太平の世でも持ち続けられたんじゃないか、と。侍の端くれとして生きてきて、『もっといい侍になりたい』という思いを持っていた。それがかえってこの男を“武士”として生きさせた部分なのかと思いました」。使命を帯びて生き残ったのは孫左衛門だけではない。無二の親友で、華々しく討ち入りを果たすことを誓い合った寺坂吉右衛門もまた、生き証人として討ち入りの真実を後世に伝え、志士たちの遺族を援助するという命令を帯びて生き残った男であり、この2人の再会が物語を大きく動かしていく。この吉右衛門を演じるのは佐藤浩市。これまた意外なことに、本格的に共演するのは、これがほぼ初めてとなる。「佐藤さんが登場したときは頼もしかったですよ。『来た来た!』って感じで(笑)。映画を撮ってる、時代劇を撮ってるという感じがしましたね。討ち入りから16年を経て再会するわけですが…やはり、その間の苦労を一番分かるのは彼(吉右衛門)なんですよ。そのシーンで対峙した瞬間に『分かってくれる男がいま、目の前にいるんだ』というのを実際に強く感じましたね。まあ空き時間は(佐藤さんは)競馬の話しかしてないんだけど(笑)」。監督という立場を経験して変わったこと役所さん自身は昨年公開された『ガマの油』で、初めてメガホンを握った。“監督”という立場を一度経験して、その後、俳優として現場に立ったとき、心境や臨み方に変化はあったのだろうか?「はい。手を抜いちゃいけないなって(笑)。実際そうなんですよ。スタッフの側で初めて現場に立って、俳優さんが現場に来たとき、凄い期待するんですよ。自分たちが準備した場所をどう使ってどんな物語を語ってくれるのか?どんな芝居を見せてくれるんだろう?って。だから自分が俳優として呼ばれたときには、スタッフから期待されているんだから、下手でもいいから一生懸命やろう、それが大事なんだって思いましたね」。孫左衛門の生き方、彼が下す決断を「理解する、というよりも男にとっては憧れです」と役所さん。「まず、大石内蔵助という男には魅力があるんでしょうね。いまの時代、自分の会社の重役の愛人の子供を自分の人生を懸けて育てようとは思わないでしょう?この男の頼みだからこそ、この男の愛人への思いを知っているからこそ自分は討ち入らずに『分かりました』と言える。この関係を美しいと思うし、男として男らしさを感じます」。本物の侍ではないがゆえ、侍であろうと己を捨てて生きることを選んだ男。その姿は侍なき時代に生きる役所広司という俳優そのものなのかもしれない。■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:『最後の忠臣蔵』リアリティを追及し世界文化遺産でも撮影敢行!役所広司&佐藤浩市で描かれる“その後”『最後の忠臣蔵』試写会に50組100名様ご招待役所広司&桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』ハリウッド試写盛況で笑顔マシ・オカも出席岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?
2010年12月10日役所広司、佐藤浩市を主演に迎え、誰もが知っている「忠臣蔵」の知られざる“その後”を描いた『最後の忠臣蔵』。ドラマ「北の国から」の杉田成道がメガホンを握っている本作だが、杉田作品であるがゆえの見どころ――歴史的な建造物や景勝地、さらには世界文化遺産で行われた撮影、そのリアリティと映像の美しさが大きな話題を呼んでいる。そのいくつかのポイントをご紹介!赤穂浪士による吉良邸討ち入りから16年後。大石内蔵助の密命を受けて、討ち入りを果たした後、ひそかに生き延びた寺坂吉右衛門(佐藤さん)と、同じく大石の命で討ち入り直前に脱盟した瀬尾孫左衛門と(役所さん)、そして大石の隠し子・可音(桜庭ななみ)による後日談が展開される。「北の国から」シリーズで北海道の雄大な大自然をカメラに収めてきた杉田監督とあって、本作でも映像美は大きな見どころ。ほぼ全編が京都の撮影所および京都近辺で撮影された。嵐山・大覚寺孫左衛門の家へと至る美しい竹林は、撮影所に近い嵐山の大覚寺のもの。1,000本以上の竹の間から陽の光が差し込む、幻想的な光景がスクリーンに広がる。時に帰宅を急ぎ、時に呆然と立ちすくむ――竹林でのシーンは孫左衛門のその時々の微妙な心情を表現していると言える。香川県琴平町・金丸座京を離れて香川県の琴平町にある、1835年に建てられた現存する日本最古の芝居小屋「金丸座」では、天下の豪商・茶屋四郎次郎の息子が可音にひと目惚れするシーンが撮影された。国の重要文化財に指定されているこちらの芝居小屋だが、毎年「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の公演が行われる。これまでにも映画の撮影に使われたことはあるが、本格的に金丸座の中にカメラが入って撮影が行われるのは初めてのこと。約200人の地元の人々が参加し、江戸時代のにぎやかな芝居小屋「竹本座」に変身を遂げた。滋賀県・伊香保ここで撮影されたのは赤子の可音を抱いて孫左衛門が歩くシーン。監督の「どうしても本物の雪山で撮りたい!」という要望に応え、急遽、伊香保郡余呉町の雪山がロケ地に選ばれた。役所さんは太ももまで積もる雪の中を、可音を抱いて何度も歩いたという。東近江・五個荘、亀岡市・桂川沿い、京都市・下鴨神社可音の輿入れのシーンは多くの名所で撮影。近江商人発祥の地として知られる東近江の五個荘の街並みに、亀岡市宇津根町の桂川沿い。そして、京都市左京区の下鴨神社――正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)の境内、糺の森(ただすのもり)は、紀元前から祀られていたとあって、世界文化遺産としてユネスコにも登録されている。こうした名所を背景に、荘厳に輿入れが行われるさまは必見!ほかにもいくつもの名所、景勝地で撮影が!実力派の俳優たちの掛け合いはもちろん注目だが、シーンを彩る風景にも目を向けてみては?ちなみに「忠臣蔵」に関係するある場所についてのトリビアを最後にひとつ。本作の撮影とは関係ないが、討ち入り後の浪士たちのうち10名が元禄16年(1703年)の2月4日に切腹して果てたのが毛利家下屋敷。いま、この跡地に現在、建っているのが六本木ヒルズ。かつては赤穂浪士の切腹の碑が毛利庭園内の池の端にあったそうだが、いまは取り払われているとか。インターネット上では、このことと絡めて、“六本木ヒルズの祟り”として様々な憶測が飛び交っているとか…。『最後の忠臣蔵』は12月18日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:役所広司&佐藤浩市で描かれる“その後”『最後の忠臣蔵』試写会に50組100名様ご招待役所広司&桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』ハリウッド試写盛況で笑顔マシ・オカも出席岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?「社長になってほしい俳優」ランキング接戦を制したのは奮闘中のあの社長!
2010年11月27日ワーナー・ブラザース製作による時代劇『最後の忠臣蔵』のハリウッド・プレミア試写会が10月11日(現地時間)、L.A.のワーナー本社にある「スティーヴン・ジョン・ロス・シアター」にて行われ、主演の役所広司、共演の桜庭ななみがレッドカーペット・イベント、舞台挨拶に参加した。赤穂浪士の吉良邸討ち入りから16年後、討ち入りに参加した四十七士のうち、大石内蔵助の密命を受けて唯一生き残った寺坂吉右衛門(佐藤浩市)と討ち入り直前に一味から逃走したと思われていたが、実は同じく大石からある使命を授かっていた瀬尾孫左衛門(役所さん)が再会。名誉の死を許されなかった2人がそれぞれに使命を果たそうとする姿が描かれる。会場には「THE LAST RONIN U.S. PREMIERE」という看板が掲げられ、役所さんはスーツ、桜庭さんは赤い着物姿で登場。レッドカーペット上で報道陣の取材に対し「アメリカのお客様が日本の時代劇をどう観てくださるか、楽しんでくださるかが楽しみです」(役所さん)、「ずっとこの日を楽しみにしていました。どう反応してもらえるか知りたかったので楽しみです」(桜庭さん)とそれぞれ期待を口にした。今回のプレミア試写会にはハリウッドの映画関係者が多数訪れており、女優の桃井かおりやマシ・オカも来場。500席を超えるシアターがほぼ満席の状態となった。上映中には笑い声やすすり泣きがあちこちで聞こえ、終了と共に大きな拍手と共にスタンディングオベーションが起こった。本編上映後、役所さんは「一緒に製作に参加した身内(=ワーナー・ブラザースの関係者)に楽しんでいただけたので嬉しかったです。普通だったらエンドロールで帰ってもいいところで、最後まで観てもらってありがたいですね。今日の反応で日本の公開に向けて勇気が沸いてきました」と自信を深めた様子。桜庭さんも「自分の作品が海外で上映される現場に初めて立ち会えて、観客の反応がよくて嬉しかったです」と笑顔を見せた。『最後の忠臣蔵』は12月18日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?「社長になってほしい俳優」ランキング接戦を制したのは奮闘中のあの社長!役所&浩市『忠臣蔵』ヴェネチアのコンペ目指す役所広司×佐藤浩市“討ち入り後”を描いた『最後の忠臣蔵』で世界へ!
2010年10月15日映画『最後の忠臣蔵』の完成報告会見が6月17日(木)、東京・内幸町の帝国ホテルで行われ、主演の役所広司、共演の佐藤浩市が、開催中のFIFAワールドカップに参戦中の日本代表にエールを送った。本作は、赤穂浪士四十七士の討ち入りと切腹後、大石内蔵助の命により生き残った瀬尾孫左衛門(役所さん)、寺坂吉右衛門(佐藤さん)が葛藤を抱えながら使命を全うする年月を描く物語。大石の娘・可音(桜庭ななみ)を育てる使命を受けた孫左衛門の生きざまに、役所さんは「上司の娘を育てる使命をサムライとして全うしようとして、自分が育てた娘に女性を感じたかもしれない。男の強さと弱さを持っていたところが面白い」と感慨深げ。劇中、無二の親友となる4歳年上の役所さんへのライバル心を聞く質問に、佐藤さんは「4歳って結構デカいんですよ、僕からしたら役所さんは大先輩。これまで1シーン、2シーンご一緒させてもらったり、でしたが、今回ガッツリやらせていただけるのがとても嬉しくて楽しみに撮影に通っていました」と恐縮しきり。会場の笑いを誘った。一方、サムライ繋がりで、初戦を突破し19日(土)に第2戦のオランダ戦を迎えるサッカー日本代表の話題になると、役所さんは「(初戦は)もちろん見ました。次も期待しています。サムライジャパンに押されて『忠臣蔵』の記事が小さくなるんじゃないか不安もありますが。でもジャパン、ずっと応援していきます」と苦笑い交じり。佐藤さんは「僕は逆に、サムライジャパンのお陰で『忠臣蔵』の記事が大きくなるんじゃないかと期待しています。野球でもそうですが、こういうときにみんなが高揚して一体になる共有意識を持つっていいことだと思う。そういう意味でも次戦突破を期待しています」と先輩と上手く息を合わせて、エールを送った。本作は、ワーナー・ブラザース映画が製作委員会の幹事社として製作する作品の第1弾。製作総指揮を務める同社社長のウィリアム・アイアトン氏は「世界の映画祭への出品や海外の国への配給を考えている。いま、英語字幕版が完成したばかりの段階で、これから映画祭はまずヴェネチア、ローマにコンタクトをとります。ヴェネチアのコンペに持って行ければ」と明かした。ヴェネチアの審査委員長は今年、ジョン・ウー監督。男の美学を語る“巨匠”だけに、本作がコンペに選出されれば、快挙のひと波乱があるかも!?『最後の忠臣蔵』は12月18日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開(photo:O.NAOYA/text:Yoko Saito)■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:役所広司×佐藤浩市“討ち入り後”を描いた『最後の忠臣蔵』で世界へ!
2010年06月17日池宮彰一郎の小説「最後の忠臣蔵」が、役所広司と佐藤浩市を主演に迎え映画化されることが発表された。池宮作品ではすでに「四十七人の刺客」が1994年に高倉健、中井貴一、宮沢りえらを配して映画化されているが、本作は「四十七人の刺客」の後に出版された「四十七人目の浪士」(※のちに「最後の忠臣蔵」に改題)が原作。大石内蔵助を始めとする浪士たちが吉良邸に討ち入り主君に殉じて切腹したのち、密かに生き残った2人の男たちの姿を描いた物語となっている。役所さんが演じるのは、赤穂浪士・瀬尾左孫衛門(せのお・まござえもん)。討ち入りの直前に仲間たちの元から逃亡、討ち入り後に志士たちが英雄視される中で、“裏切り者”“臆病者”という罵り、蔑みを浴びながら生きる。一方の佐藤さんの演じる寺坂吉右衛門(てらさかきちえもん)は、討ち入りを果たした四十七士の一人であり、「忠臣蔵」ファンの間でも名の知られた人気の志士。討ち入りには参加したもののその直後、討ち入りの事実を後世に伝えることを目的に、大石内蔵助の命で隊から離脱した浪士であり、2人が吉良邸討ち入り後の時代を生きる姿、そして瀬尾の逃亡の真の理由が描かれる。これまで幾度となく時代劇で名演を見せてきた役所さんと佐藤さん。近年では、三谷幸喜監督作『THE 有頂天ホテル』に共に出演しているものの、本格的な共演は今回が初めて。果たしてどのような絡みを見せてくれるのか?メガホンを握るのは、長年にわたりTVドラマ「北の国から」シリーズの演出を担当してきた杉田成道。これまでに舞台で手塚治虫原作の「陽だまりの樹」やつかこうへい作の「幕末純情伝」といった時代劇の演出を手掛けている。共演者には安田成美、笈田ヨシ、山本耕史、伊武雅刀ら演技派の俳優陣が名を連ねる。『ラスト サムライ』、『硫黄島からの手紙』といったヒット作を世に送り出してきたワーナー・ブラザースが日本発の大作として日本人の心に深く刻まれた「忠臣蔵」で世界に勝負を賭ける!『最後の忠臣蔵』は2011年正月第二弾として全国公開予定。■関連作品:最後の忠臣蔵 2011年正月第2弾として全国公開
2009年11月04日