松たか子、木村佳乃、岡田将生らが5月19日(水)、都内ホテルで行われた映画『告白』(中島哲也監督)の完成報告会見に出席した。全国の書店員が一番売りたい本を選出する「本屋大賞」(2009年)受賞小説の映画化で、中学校教師・森口悠子(松さん)の「生徒に娘を殺された」という告白から始まり、関係者の告白が続き、事件の真相を浮き彫りにしていくサスペンス。本作のイベントでは、配給元の東宝の宣伝方針で毎回、出席者による“衝撃の告白コーナー”を設けており、4月に行われたトークショーに続いてこの日も、松さんを始め中島監督、原作者の湊かなえさんらが配られたボードに書く形で秘密をナマ告白。松さんは「出血2」と書き、「湊さんがこの小説を書いているときに鼻血を出したっていう話を聞いてましたが、私も教室のシーンの撮影中に鼻血が出ちゃったんです。でも、ちょこっとだからごまかしてごまかして」と明かし、共演陣らの笑いを誘った。岡田さんは「納豆」で、「1日1回必ず食べるほど好きですが、あまり言ったことがないので言っとこう、と思って」。湊さんは「衣装」で「今日は赤のボードに合わせて黒の洋服で来るようにと言われ、ちゃんとした服がないので買いに行きました。私、中島監督が大好きで、中島監督リスペクト、『下妻物語』リスペクト。なのでジャスコで買ってまいりました!」とジャスコネタ満載の同作の大ファンぶりを炸裂。共演陣、取材陣を大爆笑させた。ほかに、木村さんは「血糊。とある事情で劇中で浴びた、監督特製の血糊が落ちない落ちない。顔に半分つけて家に帰りました。赤鬼のようでした」。中島監督は「名犬。今回一番NGが少なかったのは犬のムクを演じた犬。『吠えろ』と言えばずっと吠えているし『切なく佇め』と言えば切なそうに佇む。犬ってすごい」と笑わせた。一方、中島監督は初タッグのキャスト3人に「よくこの作品に出てくれた。イメージダウンにしかならない。ちょっと利口ならこの仕事は受けない。CMの仕事が減ることはあっても増えることはないのに。好感度を気にしない女優たちに支えられた」と洒落の効いた言葉で労っていた。『告白』は6月5日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:告白 2010年6月5日より全国東宝系にて公開© 映画「告白」フィルムパートナーズ■関連記事:「担任の先生になってほしい俳優」ランキング男女とも混戦…1位はやはり、この人!ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5担任の先生になってほしい俳優といえば?2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年05月19日『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』の日本語吹き替え版で、ギリシャ神話の女怪物・メドゥーサの声を演じた木村佳乃からシネマカフェへの動画メッセージが届いた。海神・ポセイドンの血を引く少年・パーシーの冒険を描いた本作。原作小説、ならびにコミックは日本国内だけで、260万部超を売り上げている。『ハリー・ポッター』シリーズの監督として知られるクリス・コロンバスが同シリーズのとき以上に“やりたい放題にやった”と言われており、世界中でヒットを記録している。木村さんが今回担当したメドゥーサは、ユマ・サーマンが演じている役柄で、頭髪が蛇でできており、目が合った者を石に変えてしまうという怪物。メッセージと併せて本作の特別映像が到着したが、ここにもチラリと登場するので注目!なお、特別映像ではパーシーたちの前に立ちはだかる屈強な5人の男たちが、5つの首を持つ怪物“ヒドラ”に変身し襲いかかってくるさまが映し出され、パーシーたちがそれに防戦、パーシーは自らの持つポセイドンの血を引く能力を垣間見せる。早くも長編シリーズ化を期待する声も挙がっているが、まずは第1作をチェック!『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は全国にて公開中。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 2010年2月26日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:『パーシー・ジャクソン』ローガン・ラーマン インタビュー若きイケメンは監督志望木村佳乃がクリス・コロンバス監督次回作に熱烈逆出演オファー!注目イケメン俳優来日!『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』ジャパン・プレミアに10組20名様ご招待新生ジュノンボーイ、初仕事でアフレコ挑戦バレンタインチョコもしっかりアピールギリシャ神話が現代に!『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』試写会に15組30名様ご招待
2010年03月01日女優の木村佳乃が2月22日(月)、東京ドームシティ内で行われた日本語吹き替え版で声優を務めた映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のジャパン・プレミアで、来日中のクリス・コロンバス監督に逆出演オファーした。本作は、神と人間との間に生まれた“半神半人”の高校生の少年・パーシーの冒険を描くファンタジーで、木村さんはユマ・サーマン演じる、頭が毒蛇に覆われ目を見た者を石に変えるギリシャ神話の女怪物・メデューサの声を担当。舞台挨拶でコロンバス監督へ「初めてお会いしました」と笑顔を向けた木村さんは「作品を観させていただきましたが、(続編が)ナンバー2、ナンバー3と続く印象でした。そのとき、東洋人の役があったらぜひオーディションを受けさせてください!」と逆出演オファー。「お会いしたから、ぜひ出演してもらいたいです。メデューサは3姉妹であと2人いるから、チャンスがありますよ」とコロンバス監督から好反応&好条件を示され、「東洋人でもいいんですか?」と瞳をキラキラ。「もちろん!」と歓迎され、喜んでいた。この日のファッションは「メデューサを意識して、強そうな洋服を選んでみました」と高級ブランド、ジバンシーのゴールドの飾りが施された黒ドレス。先に行われたレッドカーペット・イベントでは、取材陣から交際中の少年隊・東山紀之について「例の方は観にいらっしゃる?」と聞かれ、無言ながら笑顔を見せていた。一方で、約1,500年続いているという宮城県・櫻田山神社の神主の息子としても知られ、“神”つながりで宣伝隊長に任命されたお笑いタレントの狩野英孝が、神主の格好で来場。プロデューサーのマイケル・パーナサン氏は物珍しそうにカメラを手に夢中で撮影し、コロンバス監督も大受けだったが、「パーシー、楽しい、僕セクシー」の持ちネタをアレンジした即興ギャグで来日陣をきょとんとさせた。コロンバス監督は意外にも初来日。「これまで何度も来たいと思ってきたけど、いつもプロモーション期間には次回作の準備をしていてスケジュールの都合がつかなかった。来日して数日過ごしましたが、東京は本当に美しい街。ニホン、ダイスキ!」と覚えたての日本語を披露しながら、印象を語った。同じく初来日したパーシー役のローガン・ラーマンは、本作の日本語吹き替え版の声優が芸能界の初仕事となった第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストグランプリの稲葉友と奇しくも1歳違い(※ローガンの方が年上)。俳優の先輩として「鍛練、忍耐が必要でやり続けることが大事。情熱を持ってやりたいことを追いかけて」とアドバイスを送っていた。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は2月26日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 2010年2月26日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:注目イケメン俳優来日!『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』ジャパン・プレミアに10組20名様ご招待新生ジュノンボーイ、初仕事でアフレコ挑戦バレンタインチョコもしっかりアピールギリシャ神話が現代に!『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』試写会に15組30名様ご招待木村佳乃、ヒガシとの結婚猛攻質問かわす実写初アフレコ現場で会見
2010年02月22日全米でベストセラーとなった、ギリシャ神話を基にしたファンタジー・シリーズを実写映画化した『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』。先日行われた、メドゥーサ役(ユマ・サーマン)の日本語吹き替えを演じた木村佳乃のアフレコ収録に続き1月26日(火)、新生ジュノンボーイ、稲葉友が初仕事として本作のアフレコ収録に臨んだ。主人公パーシー・ジャクソンは17歳の高校生で、神と人間の間に生まれた“デミゴッド”という設定。昨年行われた、第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで応募総数1万5,491人の中からグランプリに輝いた、まさに旬の17歳である稲葉さんに、配給元の20世紀フォックス映画より直々にオファーがあり、声優デビューが実現。今回、稲葉さんは、パーシーが神々に仕掛けられた罠から抜け出すポイントとなる人物を演じた。初仕事を終えた稲葉さんは、「初めてのことでとても不安が大きかったんですが、周りのスタッフのみなさんに熱心に教えていただいて、楽しんで演じることができました」とコメント。初仕事にしてハリウッド大作に関わる大仕事については「TVのCMとかをたくさん見て、“この作品の声優をやるんだ”とドキドキしていました。家で映像を見たり台本を読んで練習しましたが、実際にやるととても難しかったです」と初々しさを垣間見せた。また、グランプリに輝いたいまもアルバイトを続けているという稲葉さんだが、「今日は初仕事なのでバイトはお休みしました」とのこと。さらに報道陣から、迫るバレンタインについて質問が及ぶと、「去年はお母さんと友達の妹からもらったくらいで…。今年も同じような感じだとさすがに寂しいです」と語り、ファンに向けて「チョコ大好きなので、バレンタインデー待ってます!!」と笑顔でアピールをした。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は2月26日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。■関連作品:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 2010年2月26日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:ギリシャ神話が現代に!『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』試写会に15組30名様ご招待木村佳乃、ヒガシとの結婚猛攻質問かわす実写初アフレコ現場で会見
2010年01月27日女優の木村佳乃が1月21日(木)、東京・中央区のスタジオで行われた、日本語吹き替え版でユマ・サーマンの声を務める映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』の会見に出席。交際中の少年隊・東山紀之との結婚に関するレポーターの質問攻めをかわした。前列にズラリと陣取ったレポーター3人が順番に質問。1人目から劇中、頭が毒蛇に覆われ目を見た者を石に変えるギリシア神話の女怪物・メデューサの声を担当することに引っ掛け、石にしたい人は?と聞かれ「自分が石になりたいと思うときはあります。失敗したときや恥ずかしいとき。最近ではいま、ドラマの収録中ですが、違う日の台詞を覚えていってしまい…おっちょこちょいなので。人に対してはないですね」とお茶目なエピソードを披露。2人目から、石のように“身を固める”予定は今年ありそう?と結婚について問われると「あ、ありがとうございます」とひと呼吸おき「それはまた後ほど」と満面の笑み。報告するということ?と確認されると頷いてみせた。3人目の、神殿と寺院なら結婚式をどちらでやりたい?との問いには、司会者から「映画に関する質問のみで」と遮る声が飛び、雰囲気が張りつめたが、「劇中で出ましたが、テネシーのナッシュビルって神殿があるんですか?ナッシュビルには中学生のとき、行ったことがありますけど。アテネのパルテノン神殿にも行ったことがあります」と話題を変え、場を和ませた。途中、マイクの音声トラブルがあったときにも「メデューサの呪いですね」と機転のきいた言葉で関係者の笑いを誘った。同作は、神と人間との間に生まれた半神半人の17歳の少年の冒険を描くファンタジー。木村さんは『カンフー・パンダ』などアニメの吹き替えは経験済みだが、実写は初挑戦。「ファンタジーは大好きでユマという大好きな女優さんの声をやらせていただき、すごく光栄。今日を含めて数回、収録があるんですが、ユマの芝居と私の声で吹き替えじゃないみたいと思ってもらえるところまでいくのが目標です」と女優魂を燃やしていた。『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は2月26日(金)より全国にて公開。■関連作品:パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 2010年2月26日よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開© TWENTIETH CENTURY FOX
2010年01月21日先月、10月20日の新聞を見て、びっくりした方も多いのでは?経済欄の向かいに、どーんと、ファッションデザイナー、トム・フォードの大きな写真。そこには、「MEET TOM FORD TODAY OCTOBER 20TH 6PM to 7PM TOKYO ISETAN」の文字。そう、この日、トム・フォード自身が新宿の伊勢丹にある自らのショップに、新しい香水の発売記念イベントのためにやってきたのです。相変わらず、麗しい。今回の来日は実に4年ぶり。実は、この時期に開催されていた第22回東京国際映画祭での初監督映画の上映のために日本を訪れていたのです。トム・フォードをかの有名なファッションデザイナーだと気づかずに見かけた映画ファンは、さぞびっくりしたことでしょう。「俳優さん?」、「こんなカッコいい人が監督?」と。そんなトム・フォードが手掛けたのは、『A Single man』(原題)。英国人の教授・ジョージが、長くパートナーだったジムの死後、自らの人生の意味を問い直すという物語。60年代を背景に、悲恋物語が美しく綴られます。1964年発表された劇作家、クリストファー・イシャウッドによる同名小説が原作で、80年代に原作を読んだトムはそれ以来、シンプルで誠実な物語に魅了され続けてきたのだそうです。作品のテーマは「過去でなく、現在を生きることの重要性、そして、人生における些細な出来事こそが、実は人生において大きな意味を持つことを理解すること」と語るトム・フォード。自らもゲイであることをカミングアウトしている彼ですが、ジェンダーに関係なく生きていく上で気づかされる大切な個人的な想いや情熱を、ファッションとはまた別の、映画というメディアを通し、美しい2次元の映像で表現しています。主演は、コリン・ファース。今年のヴェネチア国際映画祭で本作がコンペティション部門に出品された際には、主演男優賞も受賞しています。「コリンが凄いのは、表情を変えず、もちろん一言のセリフを発さずとも、目の動きだけで感情を伝えてしまうことだ」とトムもコリンを絶賛しています。実は、監督にも、主演俳優にも、そしてもちろん物語にも、話題いっぱいの本作は、映画祭でももの凄い人気だったため、残念ながら上映に参加できなかった私。海外同様、国内で初上映となった東京国際映画祭での評価も高く、観るのが待ちきれません。来春には、私たちも劇場で楽しめそうなので、そのときを一緒に待つことといたしましょう!(text:June Makiguchi)■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:ファッション小噺vol.116カーペットの上の人間模様〜東京国際映画祭〜【TIFFレポート】杏がミニスカで美脚披露!木村佳乃は…写真でふり返る閉幕式【TIFFレポート】『イースタン・プレイ』グランプリ含む3冠!亡き男優にも男優賞【TIFFレポート】台湾の名匠お墨付きの新鋭監督は、草食系&星座占い好き?【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!
2009年11月13日9日間に及んだ映画の祭典も25日(日)、ついに閉幕。最終日に開催されたクロージング・セレモニー&授賞式にも、9日前の開幕のグリーンカーペットと同じようにきらびやかな衣裳に身を包んだ女優陣やスーツで決めたイケメン俳優たちが登場!授賞式の様子と共に写真でふり返ってみよう。映画祭のグリーンアンバサダーを務めるモデルの杏は、9日前のオープニング時とはまた趣きの違う、濃い青系のミニスカートのワンピース姿で現れ、美しい脚を惜しみなく披露!映画祭大使の木村佳乃は、セクシーさと大人っぽさを備えたドレスで杏と共に来場した。雰囲気は異なるものの、黒でキメていたのは、審査員特別賞に輝いた『激情』の主演女優、マルチナ・ガルシア(上写真・左端)と見事、最優秀女優賞に輝いた『エイト・タイムズ・アップ』のジュリー・ガイエ(右端)。ジュリーは授賞の場で満面の笑みで「ドウモアリガトウ!」と日本語で喜びを語り、審査員のユ・ジテと抱きあって感謝の気持ちを表していた。この日、真っ赤なドレスでひと際目を引いていたのが、『永遠の天』に出演する中国のリウ・ドン。細〜い肩&脚をしっかりと出してクールにカーペットを歩く姿に、カメラマン席から「ちょっと待って!こっち向いて!」としきりにコールがかかっていた。男性陣に目を向けると、審査員の中で特に大きな声援を受けていたのは韓国の人気俳優、ユ・ジテ。シャツもジャケットも黒で決め、笑顔で声援に応えていた。そして、見事に3冠を達成した『イースタン・プレイ』のカメン・カレフ監督は……まさかの普段着?自分が受賞するとは思わなかったのか?気さくなのか?はたまた、これが彼の正装なのか?普段と変わらない(であろう)格好で、3たび壇上に上がり、感謝と喜びを語った。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:【TIFFレポート】『イースタン・プレイ』グランプリ含む3冠!亡き男優にも男優賞【TIFFレポート】台湾の名匠お墨付きの新鋭監督は、草食系&星座占い好き?【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分
2009年10月25日9日間にわたって数々の映画作品を上映してきた第22回東京国際映画祭(TIFF)が25日(日)にクロージングを迎え、最高賞の「東京 サクラ グランプリ」には、カメン・カレフ監督による『イースタン・プレイ』(ブルガリア)が選ばれた。『イースタン・プレイ』は東京 サクラ グランプリに加え、最優秀監督賞(カレフ監督)と最優秀男優賞(フリスト・フリストフ)も受賞し3冠を達成!ちなみに、フリストフはこの映画の撮影直後に事故で亡くなっており、壇上に立ったカレフ監督は、感謝の言葉と共に亡きフリストフを偲び、冥福を祈った。本作は、音信不通だった兄弟の再会を描いたドラマ。久々に再会してみると、2人は人種差別を巡って正反対の立場に立っていることが判明する。それぞれに苦悩を抱えた兄弟が、再会をきっかけに自らを見つめ直し、希望を取り戻そうとする姿が描き出される。男優賞の代理受賞、自らへの監督賞、そしてサクラ グランプリと3度にわたって壇上に上がったカレフ監督は「いろんなトロフィーを受け取って、帰りの飛行機でチャージを取られないか心配です」とおどけながら喜びを語った。このほか最優秀女優賞は、苦境に立たされても負けじと立ち上がり、戦い続ける女性の姿を描いたフランス映画『エイト・タイムズ・アップ』主演のジュリー・ガイエが、審査委員特別賞は、人を殺してしまい、屋根裏部屋に隠れて暮らすことになった男と、その家で家政婦をするガールフレンドの奇妙な“遠距離恋愛”を映し出した『激情』が受賞した。またコンペティション部門以外では最優秀アジア映画賞を『旅人』(韓国=フランス合作)、アジア映画賞 スペシャル・メンションを『私は太陽を見た』(トルコ)が受賞、また、この7月に51歳の若さで逝去したマレーシアのヤスミン・アスマド監督にアジア映画賞特別功労賞が贈られた。第6回を数える「日本映画・ある視点」部門の作品賞には、松江哲郎監督が今年の元旦に、1シーン・1カットのみで撮影した74分のドキュメンタリー『ライブテープ』が輝いた。松江監督は「テープ1本で撮ったという、この映画際の趣旨に合った、非常にエコな作品でして…」と笑いつつ、スタッフや映画祭関係者への感謝を述べた。今年の審査委員長を務め、自身、『アモーレス・ペロス』にて第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞しているアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は「(グランプリは)ほとんど満場一致で決まりました。“現実”と“真実”とは異なるものですが、我々は映画の中に真実を発見した」とコメント。続けて、この映画祭で上映された作品が一作でも多く、今後、劇場公開されることを切望した。受賞結果は以下の通り【東京 サクラ グランプリ】:『イースタン・プレイ』【最優秀監督賞】:カメン・カレフ監督(『イースタン・プレイ』)【最優秀男優賞】:フリスト・フリストフ(『イースタン・プレイ』)【最優秀女優賞】:ジュリー・ガイエ(『エイト・タイムズ・アップ』)【審査員特別賞】:『激情』【観客賞】:『少年トロツキー』【アジアの風部門 最優秀アジア映画賞】:『旅人』【アジアの風部門 スペシャル・メンション】:『私は太陽を見た』【アジアの風部門 アジア映画賞 特別功労賞】:ヤスミン・アフマド監督【TOYOTA Earth グランプリ】:『Wolf 狼』【日本映画 ある視点 作品賞】:『ライブテープ』東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:【TIFFレポート】杏がミニスカで美脚披露!木村佳乃は…写真でふり返る閉幕式【TIFFレポート】台湾の名匠お墨付きの新鋭監督は、草食系&星座占い好き?【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分
2009年10月25日アジア各国から厳選された作品を集めた、東京国際映画祭の人気部門「アジアの風」。毎年多くの映画ファンが注目する本部門だが、映画祭終盤となる10月24日(土)、台湾の若手注目監督チェン・ヨウチェが新作青春映画『ヤンヤン』(『陽陽』)を引っさげ来場。出演のホワン・チェンウェイと共に観客とのティーチインを行い賑わいを見せた。チェンウェイのデビュー作でもある『シーディンの夏』、『一年之初』に続き、同映画祭への出品はこれで3回目となるチェン監督は、「こんなに緊張感がなくていいのかな(笑)」と堪能な日本語で挨拶。本作は台湾の名匠アン・リーと弟のカン・リーによる若手映画監督支援プロジェクトの全面バックアックを受けているが、「カン・リーには自分が良いと思うものを徹底的にやってくれと言われた」と話す。映画『ヤンヤン』は、台湾の人気女優サンドリーナ・ピナを主演に迎え、陸上に打ち込む高校生たちのほろ苦い青春を描く。陸上部という設定については「最後に(主人公)ヤンヤンが走るシーンが頭に浮かんだので、そこから物語を膨らませた。人が走ってる姿が好きなんです」と話す監督だったが、「自身も走るのか?」と聞かれると「自分は草食系なので(笑)」と照れながら否定した。また、観客から変幻自在なカメラワークについて質問を受けた監督は、撮影監督のジェイク・ポロックについて「彼はしし座で、個性的で自由奔放な方なのですが」と星座好きな一面も披露しつつ「良いところも悪いところも全部含めて彼の美学なので、自由に撮らせました。一人の女性を愛するのと同じです」とのロマンティックな答えで観客を和ませた。一方、監督のお気に入り俳優であるチェンウェイは、本作では“いい人”を演じているが、「見た目のせいで悪いやつの役が多いが、今回は監督にいい人にしてもらえて良かった。私自身も良い人です(笑)」と冗談交じりに答え観客を魅了した。なお、チェンウェイは本作で台湾のアカデミー賞とも称される、本年度の金馬奨最優秀助演男優にノミネート。ほか主演女優のサンドリーナ・ピナを始め、本作は合計6部門にノミネートされている。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催■関連記事:【TIFFレポート】杏がミニスカで美脚披露!木村佳乃は…写真でふり返る閉幕式【TIFFレポート】『イースタン・プレイ』グランプリ含む3冠!亡き男優にも男優賞【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分
2009年10月25日世界各国の良質の映画を集め、多くの映画人やファンが一堂に会する、年に一度の祭典、東京国際映画祭。第22回を迎える今年も昨年に続いて“エコロジー”をテーマに、10月17日(土)より9日間にわたり六本木を中心に開催される。開幕を1か月後に控え、9月16日(水)に記者会見が行われ、本年度のラインナップが発表された。会見には、映画祭大使を務める木村佳乃、グリーンアンバサダーを務めるモデルの杏、さらにコンペティション部門出品作品『ACACIA』より監督の辻仁成と主演のアントニオ猪木が出席した。昨年、新たに映画祭チェアマンに就任した依田巽氏の言によると「今年はホップ、ステップ、ジャンプのステップの年」を目指すという本年度の映画祭。オープニングとクロージング作品には、それぞれネイチャー・ドキュメンタリー『オーシャンズ』とディズニー/ピクサー最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』と、“海”と“空”を舞台にした作品を配すなど、エコロジー色も健在だ。昨年に続き、グリーンアンバサダーを務める杏さんは、「映画祭を通して、多くの人に楽しみながら地球環境問題を考えていただければ」と意気込みを語った。杏さん同様、2年連続で映画祭大使に任命された木村さんも、「私も映画産業に携わる人間として映画祭が成功することを祈りつつ、お力になれれば」と挨拶した。目玉となるコンペティション部門には、本年度は各国から選りすぐりの15作品が集結。日本から唯一の出品となった『ACACIA』は、辻監督の6年ぶりの監督作であるとともに、猪木さんの初主演映画である。前妻の南果歩さんとの間に生まれた自身の息子への思いを映画にしたという辻監督は、「いま一緒に暮らすことは出来ないのですが、(いま一緒に暮らしている)2人目の子供と過ごしていると思い出します。会えないけど毎日思っている、この思いを100年残ると言われる映画で届けたいと思った」と映画化のきっかけを語った。そんな中で“日本の父性がある、男のいい皺のある人”として主演に抜擢したのが猪木さんだった。「ホテルのロビーで打ち合わせしてたときに、『例えばアントニオ猪木さん…』って話してたら目の前を猪木さんが通り過ぎて…。飛んでいって出演のお願いをしました」とその経緯を話す監督。実際の撮影を通して、「泣くシーンでは朝から役作りをしていて、誰も近寄れませんでした。いつもは気迫というものを闘魂でしか表してませんが、実は内側に強い思いを秘めていて、自分の命や魂を削ってでも何かに向かう姿には本当に頭が下がります」と“奇跡のタッグ”を組んだ主演俳優に敬意を表した。素顔を明かされ、やり場のない表情を見せる猪木さんだが、曰く「不安もありましたが、とにかく一歩踏み出す気持ちでやった。とてもいい人生の体験をさせてもらいました」とのこと。「人生は一寸先が“闇”じゃなくて、“ハプニング”。何か起こればおもしろいなという気持ちで生きています」。そう話す猪木さんが演じるのは、ある少年との出会いを通して、過去の痛みを乗り越えていく、元レスラー。改めてふり返り、「人生が出ているような映画は感動します。私自身、8歳の子供を飛行機の中で亡くしまして、ある部分が重なり、ふと涙が込み上げることがありました。人生には苦しみもありますが、それぞれの心の中にしまったものをふと開けたときに、その人の人間らしさが見えてくる。そんな思いで撮影に挑んだ」と重みのあるコメント。加えて、監督からは「自信がなく大作ではないですが、そこにある何かを感じとっていただければ嬉しいです」との渾身のメッセージが残された。2人の言葉から早くも期待がかかる。映画祭開幕まであと1か月。本年度はどんな盛り上がりを見せるのか?第22回東京国際映画祭期間:2009年10月17日(土)〜25日(日)場所:六本木ヒルズをメイン会場に都内劇場および施設・ホール公式サイト:■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催ACACIA© 2008 "ACACIA" Film Partners■関連記事:還暦を迎えた永ちゃんが東京国際映画祭に出現!素顔が映るプレミアチケットも発売闘魂・猪木が東京国際映画祭に殴りこみ!辻仁成とタッグで『ACACIA』コンペ出品東京国際映画祭、今年の審査委員長に『バベル』イニャリトゥ監督が就任!辻仁成の最新作にアントニオ猪木主演!高齢化社会に闘魂注入!
2009年09月17日映画『キラー・ヴァージンロード』の初日舞台挨拶が9月12日(土)、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われ、初監督となった岸谷五朗とW主演の上野樹里と木村佳乃、共演の寺脇康文、小出恵介らがコミカルなトークを展開した。本作は、結婚式前日にアパートの大家を誤って殺害してしまったひろ子(上野さん)が、偶然知り合った自殺願望を抱く福子(木村さん)と共に逃避行を繰り広げるブラックコメディ。満場の観客に迎えられた岸谷監督は「ようやく産声をあげ、映画が幸せな思いをしています。今回、自分は出なかったんですが、役者ってすごいっていうことを改めて目の当たりにしました」と感慨深げ。だがキャスト陣について語り出すとトーンが一転し、「樹里と佳乃は振り切り過ぎ。振り切る女優の凄さを見せつけられました」とツッコミ口調に。すかさず木村さんは「振り切ったつもりはないです」、上野さんも「普通だよね」と切り返し。初共演の木村さんについて「現場では2人で行動していたんです。2人で成長した感じ。とにかくニヤニヤしているんですよ。あたしが普通にしていてもおかしいみたいで…」と天然キャラ全開で語る上野さんに、岸谷さんは「そりゃみんな、おかしいと思っているよ。なんか楽屋の会話みたいになっちゃってすみません」と主演女優のトークにやんわりダメ出ししてみせ、観客の笑いを誘った。さらに、小出さんが「監督から『物語のキーを握る役だから』と言われ、意気込んで行ったら撮影は1日だけでした」とトボケ気味に話すと、岸谷さんは「この小出のイメージが欲しかった」とニヤリ。岸谷さんと25年来の付き合いのある気心の知れた仲で、今回、カツラをかぶり怪演を見せている寺脇さんには「『相棒』で間違った(かっこいいイメージの)方向に行っていたので、それを修正しようと。本気で寺脇の凄さを表せるのは俺しかいない」といたずらっ気たっぷり。寺脇さんは「五朗の映画じゃなかったらここまでやらない。(岸谷さんの)愛情というより暴力です。出なきゃ殴られるって感じでした」と仲の良さ(?)をうかがわせた。一方、この日は岸谷さんらの所属事務所アミューズの新人タレントで、30日間かけて47都道府県を回る本作の宣伝行脚をしてきた福田彩乃も来場。ボロボロになったキャリーケースを引きながら「チケットを727枚売りました」と達成感から笑顔ながら大粒の涙をこぼす一幕も。その福田さんに対して岸谷さんは、本作のビジュアルがプリントされた新品キャリーケースをプレゼントし、苦労をねぎらうと思いきや「もう1回行っといで。そうしたらまた727枚ね、フフ」と鬼監督ぶりを発揮していた。『キラー・ヴァージンロード』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:キラー・ヴァージンロード 2009年9月12日より全国東宝系にて公開© 2009 「キラー・ヴァージンロード」製作委員会■関連記事:岸谷五朗、上野樹里を「役の言葉で喋れる女優」仲良し寺脇は“脇役賞”?上野樹里、先輩・木村佳乃の結婚願望にツッコミ!「人並みにって何ですか?」
2009年09月12日“結婚したい女”と“死にたい女”の奇妙な逃亡劇を描いた、俳優・岸谷五朗の初監督作品『キラー・ヴァージンロード』。9月12日(土)の公開を控え、同1日(火)、本作の試写会が開催され、上映前に岸谷監督に主演の上野樹里、寺脇康文を交えて絶妙なトークが繰り広げられた。「あなたの街の宣伝マン募集!試写会」と銘打たれた、一風変わったこの試写会には、1,500人もの応募から選ばれた観客が、一般の宣伝マンとして集結。宣伝用の映画のポスターやパンフレットなどが配布され、さらに観客は配られたハチマキを巻いて上野さんら登壇者を迎えた。この光景に岸谷監督が「ほんの少し恥ずかしいです。一生懸命作ったので観て感動してください!」と言うと、上野さんは「観てないのに宣伝するなんてすごいです」、寺脇さんも「観てたら宣伝しようと思いませんよ」と割って入り、会場を笑いに包んだ。キャスティングに話が及ぶと、10代の頃から上野さんを知る岸谷監督は、「とてつもない魅力のある、がむしゃらな子で、たくさんの力をつけていい女優になって輝き出したので“今だ”と思った。役に乗り移る、役の言葉で喋れる女優」と大絶賛。これに対し、上野さんは監督の演出について「役者さんでもあるので、お芝居でやって演出してくれるので本番は一発で撮れました。“楽しくてしょうがない”という五朗ワールドを感じ取れると思います」と笑顔で返した。一方、カツラにメガネの変装姿で撮影に挑んだ寺脇さんは「この役で僕の役者人生は終わりました。ヅラ・オン・ヅラの特殊メイクは3時間もかかりました。僕のところだけディレクターズカットしてほしいです」と、25年もの付き合いになる岸谷さんの作品を一貫して否定。これに対し、監督は「康文くんは、『相棒』で随分かっこいい役をやってて世間が勘違いしてると思ったので、本当の寺脇康文のすごさを出そうと思いました。“脇役賞”を受賞しますね」と反撃を見せ、2人の絶妙な掛け合いに会場は沸いた。また、トークショーに続き、事前に観客から募った本作のおもしろ宣伝プランが披露され、その中からグッドアイディア賞2つが岸谷監督と上野さんから発表された。その内容とは、“ウェディングドレスを着てポスターを掲げ、街を歩く”と“ウェディングドレスを着てバイクに乗りながら、旗を立てて宣伝する”とのこと。実際にこの奇抜なアイディアを実行してもらうべく、考案者には映画ののぼりと本物のウェディングドレスがプレゼントされ、この太っ腹な贈り物に会場から歓声が起こった。なお現在、本作のプロモーション活動として、上野さん扮する、ウェディングドレス姿で逃亡する花嫁・沼尻ひろ子に因んで、タレントの福田彩乃がウェディングドレス姿で30日間、30万円で全国47都道府県を回る「どん尻ビリ子の30日間逃亡日記」を実施中。既に、映画鑑賞券500枚を売り健闘を見せており、9月12日(土)の公開初日にゴールインを予定している。『キラー・ヴァージンロード』は9月12日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:キラー・ヴァージンロード 2009年9月12日より全国東宝系にて公開© 2009 「キラー・ヴァージンロード」製作委員会■関連記事:上野樹里、先輩・木村佳乃の結婚願望にツッコミ!「人並みにって何ですか?」
2009年09月02日誰かに守られ、誰かを守っていくこと――。大ヒット刑事ドラマ「踊る大捜査線」の生みの親、君塚良一が、“容疑者家族の保護”をテーマに、現代社会に一石を投じた社会派エンターテイメント『誰も守ってくれない』。昨年のモントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を獲得するなど、国内外で大きな反響を呼んだ。本作で、ある日突然“容疑者の妹”として社会の渦に巻き込まれるヒロイン・沙織を演じたのが、弱冠16歳にして大人顔負けの表現者として、名実共に若手女優のトップをひた走る志田未来。DVDの発売を前に話を聞いた。現場で感じたままを表現することへの戸惑い「最初はやっぱり、いままでと違うことに戸惑いはありました」。そう語るのも無理はない。本作では、リアルな人間ドラマを追究すべく、リハーサルからカメラを回しっぱなしという“セミドキュメンタリー撮影”という手法がとられた。「最初に君塚さんにお会いしたときに、『役作りをしないで、現場に来たときに感じたことをそのまま表現してくれればいいから』と言ってくださったので、役作りはしなかったです。現場でも『好きに動いていいよ』って言われました。でも、正直どう動いていいのか分からなかったですね。何回も本番を撮るんですが、『もう1回』と言われてもどこがダメだったかとか、気になってちょっと落ち着かなかったりもしました。特にここが大変ということはなかったですけど、慣れるまで大変でした」。兄の犯した殺人事件により社会から追われる状況に陥る中学生の沙織。そんな彼女の目に宿るのは、大人に対する並々ならぬ不信感だ。彼女の保護にあたる刑事・勝浦(佐藤浩市)に対しても同様。壁に阻まれた2人の関係が変化していくさまこそが、本作の見どころとなる。「(撮影現場で)浩市さんは敢えて、私に話しかけなかったと後で聞きました。いま思うと、全然話してなかったですね。一人でいることが多かったので、正直ちょっと寂しかったです(笑)。でも監督からも、撮影の本番で、台詞を間違えても突然変な動きをしても浩市さんがフォローしてくれるからと言われていたので、安心してお芝居はできました」。「家族が大好きなところは似ている」という等身大の中学生を演じた志田さんだが、本作も「やっぱり同世代の方に一番、家族と一緒に観てもらいたい」と話す。「沙織みたいな普通に過ごしていた女の子が、突然いろんな人から中傷されたり、映像を流されたりというのはやっぱり怖いし、ひどいなと思いました。そういうインターネットの怖さも含めて、『守る』ということを考えさせてくれる映画なので、そこを観てもらいたいです」。志田さんが言うように、本作の重要なテーマとして横たわるのが、利便性の裏返しにあるネット社会の恐怖だ。そのシンボルとして、印象的なのが、劇中で沙織が片時も離さず握りしめている、携帯電話。沙織と同世代の志田さんも「電話はよくします。今回もメールで『すごく目が綺麗だった』と言ってくれた友達がいて、すごくうれしかったです。(携帯は)無くなったら困ります(笑)」と語る。16歳を迎えていま、挑戦してみたいもの本作を撮影したのは中学2年のとき、今年高校にあがったばかりの志田さん。劇中よりも一回り大人びた様子で語る彼女だが、プライベートについて尋ねると、ふとした瞬間にあどけない笑顔がこぼれる。「高校に入って、電車通学も初めてだし、中学の頃の友達もいないので、(生活が)ガラッと変わりました。部活はヒップホップ同好会に入りました。仲の良い友達と集まって好きにやってる感じなんですけど。(プライベートでは)買い物に行ったりカラオケに行ったりして遊んでます。この前は『余命1ヶ月の花嫁』を友達と一緒に観に行きました。瑛太さんが演じていた太郎さんがすごく優しくて、ああいう男性がいいなと思いました(照)」。本作を通して、「お芝居の面でも成長したというか、新しい引き出しが増えた」。そうふり返る志田さん。本作に続き、10月からは不朽の名作のドラマ化「小公女セイラ」のヒロインという大役が控えている。最後に今後の目標について聞いた。「自分の個性を出してやっていけたらいいなと思っているので、こういう人になりたいという目標は特にないんです。(やってみたい役は)ギャルとか、すごくひねくれた役をやってみたいですね。やっぱり、いままでやったことのない役をやってみたいですし、いろんなことに挑戦してみたいです」。曇りのないたくましさをたたえる、まっすぐな瞳。その中に見据える未来を、これからも楽しみに待ちたい。『誰も守ってくれないプレミアム・エディション<初回限定生産>』価格:5,985円(税込)『誰も守ってくれないスタンダード・エディション』価格:3,990円(税込)発売元:フジテレビジョン/販売元:ポニーキャニオン発売日:9月2日(水)※同日レンタル開始© 2009 フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝■関連作品:誰も守ってくれない 2009年1月24日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン 日本映画衛星放送 東宝■関連記事:佐藤浩市「松田龍平って面白い!」&木村佳乃からは“癒やし系”扱いも当人は困惑顔蔵之介だけは撮り直し免除?本物の演技に迫った『誰も守ってくれない』佐藤浩市主演『誰も守ってくれない』モントリオール映画祭にて数多くの絶賛の声
2009年09月01日