映画『GONIN サーガ』が9月26日(土)公開初日を迎え、主演の東出昌大、共演の桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人、石井隆監督が都内劇場で舞台挨拶を行った。佐藤浩市、本木雅弘ら豪華キャスト出演の傑作ハードボイルド映画『GONIN』(1995)、約19年ぶりの続編。前作で死に絶えた男たちの遺児が、宿命的再会によって血で血を洗う抗争に身を捧げていく様を“石井ワールド”全開で描き出す。前作で元刑事・氷頭役を務めた根津甚八が、病を押して同役で約11年ぶりにスクリーン復帰した事も話題になった。壇上では、この日の舞台挨拶への出席は叶わなかった根津さんから、キャストへのサプライズの手紙が届いた。「タスキを受け取ったと言ってくれた東出くん、その言葉で、演じたいのに演じる事のできない無念を断ち切ることができました」「若い俳優たちの姿を見て、自分の思いを次の世代が背負ってくれる、自分はできる精一杯をしたんだという気持ちで俳優人生を締めくくることができました」などの根津さんの思いを代読した東出さんは「僕は根津甚八さんという役者さんが好きだし、映画の中の根津さんは考えられないくらい魅力的。今後も心血を注いで僕らも映画を撮り続けて、役者を頑張っていきたい」と目を真っ赤に腫らしながら決意を新たにしていた。桐谷さんも「お体を悪くされた根津さんが、石井作品だったらという事でその姿を見せて芝居をする役者魂に震えた。僕がいる世界は、現実を超える瞬間がある。本当に素晴らし世界にいることを嬉しく思うし、先輩方のタスキを受け取って、全身全霊でいい作品を作っていきたい」とシミジミ。何作もの石井監督作で根津さんと共演した竹中さんは「根津さんには全然敵わない色気があって、たまらなく素敵な人。尊敬すべき俳優だと思った」と気持ちを込めた。一方、前作の大ファンで劇場に3度足を運んだという安藤さんは念願の封切りに「やっとクランクアップしたような気分」と語り出すも、声が小さすぎて柄本さんから「マイク!マイク!」とのツッコミが。安藤さんは「シラフじゃ来られないと思って、朝3時くらいまで飲んでいました。でも酒飲んでいると上手く喋れないなぁ」と苦笑い。さらに「石井監督、この映画に誘ってくれてありがとうございます。僕が言うのは、これだけでいいです」と緊張を隠さず「今日は4回も舞台挨拶があって……。大好きな作品なんだけど、4回は多い。1回で帰りたい」と自由奔放にぶっちゃけていた。『GONIN サーガ』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年09月26日映画『GONIN サーガ』の完成報告会見が8月7日(金)東京都内で行われ、主演の東出昌大、共演の桐谷健太、土屋アンナ、安藤政信、竹中直人、そして石井隆監督が出席した。佐藤浩市、本木雅弘らオールスターキャスト出演のハードボイルド映画『GONIN』、19年ぶりの続編。指定暴力団五誠会系大越組襲撃から19年後を舞台に、襲撃事件で殺された大越組の若頭・久松の遺児・勇人(東出さん)、その幼馴染で大越組長の遺児・大輔(桐谷さん)、襲撃事件を追う富田と名乗るルポライター(柄本佑)、そして五誠会に囲われる元アイドルの麻美(土屋さん)らが、尊厳と復讐のために血の雨を降らせる。人気作の待望の続編で主演を務めた東出さんは「前作が超大作で大好きな映画でした。プレッシャーよりも、根津(甚八)さんが事務所の先輩だった事もあって、当時から携わった関係者の話を聞いて、これは“タスキ”なんだと思った。次に伝えるために引き継ぐことが出来ればと思った」と新生『GONIN』に意気込み十分。『GONIN』ファンという桐谷さんも「何回も観ている作品。5人の中に…まあ、前作も入れると10人なんですが、そこに入れた喜びが未だにある」と喜色満面だった。2010年に俳優引退宣言をした、石井組常連俳優の名優・根津甚八も石井監督のラブコールによって、限定復帰した。東出さんは「気迫が凄いし、最後の場面では込み上げるものをグッと抑えるのに苦労したくらいで、根津さんが帰る車を送った後は一言も喋れなかった」と共演を回想し、桐谷さんも「役者という道を選んでこの世界に入れたことが素晴らしいと思えた。セリフを投げかけられた時に、役者の世界に入れて良かったと思えた」と感動の瞬間をふり返った。一方の石井監督は「病魔が襲ってくる原因を作ったのは自分のように思う。根津さんは真面目なので、これまで苦しくても必死にやってくれた。その溜まったものが、今の病気になっているのかと思うと辛い」としながらも「現場で培った言葉で誘って、『やる!』と言われた時は感慨深いものがあった。現場に入ったら病気の根津さんじゃなくて、俳優としての根津甚八として組み合った。業が深いですね…」とつぶやくように語った。メンバーの中で紅一点の土屋さんは「男性だらけの方が嬉しく思います」とイケメン俳優に囲まれて嬉しそうで「凄く優しい人たちだったし、男臭い方が性格上好き。だって女の人って色々あるじゃないですか。だから逆にやりやすかった。それが本心」と笑わせた。また対峙する敵役的ポジションを務めた安藤さんは「父親の存在が大きくて、そこからはみ出せずにもがいている様な役どころ」とキャラクターを分析しながら「プライベートでいうと、自分の親父は近所でベロベロになるような陽気なおっさんです。だから自分としてはもう超えています」とぶっちゃけていた。『GONIN サーガ』は、9月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月07日ドラマや映画での活躍目覚ましい東出昌大が初めて舞台に挑戦する。原作はイギリスの文学界における最高の栄誉といわれるブッカー賞、さらに大英帝国勲章を獲得し、日本での人気も高い作家、カズオ・イシグロが初めて手掛けた短篇集。独立しながらもテーマと状況がつながる5篇のうちから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇をひとつに組み立て直して舞台の上に描き出す。脚本はてがみ座の長田育恵。演出を手掛けるのは、ここ数年立て続けに良作を手掛け、3度の読売演劇大賞優秀演出家賞を獲得する小川絵梨子だ。本番を2週間後に控えたなかで行われた公開稽古を覗いた。舞台『夜想曲集』チケット情報稽古場には二階建てのセットが組み上げられ、ところどころに椅子が置かれている。稽古場に入ってきた東出は、報道陣が稽古場を埋め尽くさんばかりの様子を見て「すっごい空気!」と笑う。キャスト同士、いい空気ができあがっているようで、通常とは明らかに違うこの状況に対しても過剰に意識することなく、笑い合いながら稽古開始を待っている。やがて稽古がスタート。東出演じる旧共産圏出身のヤンが、彼の亡き母がかつて大ファンだった往年の歌手、トニー・ガードナー(中嶋しゅう)とカフェで遭遇するシーン。静謐な空気の中で言葉がやり取りされる。その静けさを破るように登場したのが安田成美演じるトニーの妻リンディ。ロングコートに幅広のハットをかぶり、意識的か無意識か、やや無礼なところもあるマダムをそのしゃべり方と空気感で見事に体現。素朴な青年の雰囲気をまとった東出との対比が鮮明に見える。稽古の切れ目で緊張がほどけたような笑い声がセットの裏から聞こえてくる。長身の東出はチェロを構える姿、青いギターを構える姿が実にしっくりくる。稽古の中ではギターを持った東出がベネツィアのゴンドラに揺られるシーンや、近藤芳正によるサックスプレイが披露されるシーンもあり、物語の断片を観ただけでも幻想と現実の合間をたゆたうような、不思議な世界がそこに広がる。初舞台ながらこの物語の空気の中にすっと溶け込んでいる東出。彼が本番でどんな姿を披露するのか、期待が募る。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文/釣木文恵
2015年04月28日東出昌大が、『夜想曲集』で舞台に初挑戦する。原作は、英国の作家、カズオ・イシグロの短篇集。演出を、気鋭の小川恵理子が担う。俳優の仕事を始めてから、いつかは立ちたいと思っていたというその場所で、東出はどんな姿を見せるのだろうか。「夜想曲集」チケット情報舞台には興味があった。出演作が相次ぐなか、「数えてみたらこの3年で30本位観ていた」のだという。やってみたかったのは、「映像と違う何かが求められる場所」だと思ったからだ。「舞台を経験したことのある方からよく聞いていたんです。舞台をやると自由に動けるようになるよと。それはたぶん、何回も同じ芝居を繰り返すことで、想像力とか演技の説得力というようなものがつくからだろうと思ったので。自分がどれくらい柔軟に自由に動けるようになるのか、怖くもあり、楽しみでもあるというところなんです」。実際、初舞台として挑むのは、想像力も説得力も大いに求められる作品となった。原作は、人生の晩年を迎えて心を揺らす人々の音楽をめぐる5篇の物語。そこから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇がひとつの戯曲に再構築され、そのうち2篇に登場する若者を、東出はひとりの人物として演じることになる。すでにチェロの練習も開始。「弦に対して垂直に弓を引くだけで5年かかると言われたんですけど(笑)、だからといってあきらめるのではなく、ちゃんとお見せできるものにしたい」と意気込む。また、演じる人物には“旧共産圏の生まれのヤン”といった限られた情報しかないが、「ちゃんと生きている人間として演じられるようにその人物の背景を勉強したい」と下調べも始めている。「さらに難題だなと思うのが、どの人物もみんなストレートな感情表現をしないこと。言葉の裏にあるものをしっかり読み取って表現しないと伝わらないと思うので、課題は多いです」。舞台に立つまでに越えなければならない壁はいくつもある。それでも怯まないのは、「いい役者になりたい」という思いがあるからだ。「ありがたいことに、役者を始めてからいろんな新人賞もいただきました。でも、それで喜んでいられないというか。やり続けること、観てよかったと思っていただける役者になっていくことが大事だと思うんです。とくに舞台は、チケット代を払っていただいて足を運んでいただくんですから、緊張感を持って臨みたいと思います」。覚悟した役者は強い。東出昌大の初舞台、期待していい。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2015年04月17日本田翼と東出昌大は、青春映画の似合う俳優、原作漫画をリアルにする力のある俳優だ。人気少女コミック「アオハライド」を映像化するにあたって、俳優たちがぶつかるであろう難関は、累計930万部(2014年12月現在)を越える漫画の世界感を、紙面上ですでに出来上がっているキャラクターを、どう現実世界に落とし込むか──。恋にも友情にも真っ直ぐな“双葉”に息を吹き込んだ本田さん、真面目に無器用に悩みながら“洸”に寄り添った東出さん。2人が映画『アオハライド』で感じて表現した“リアル”な感情とはどんなものだったのか?本田さんの演じるヒロイン・吉岡双葉、東出さんの演じる双葉の初恋の相手・馬渕洸。『アオハライド』は、彼らを中心に恋や友情が描かれる、いわゆる学園ものだ。少女コミックということで「そういうシチュエーションありえないでしょ…っていうのもあるかもしれないけれど、登場人物の性格が細やかで、本当に“いる”って共感する。私自身、思考回路が勝手に双葉ちゃんと同じように行き着いたというか、双葉ちゃんと自分自身の呼吸がすごく重なり合っているのを感じました」と語るのは本田さん。主演という大きなプレッシャーを感じつつも「考えていても仕方ないので、切り替えて、本田翼の演じる吉岡双葉を頑張っていこうと思ったんです」。その前向きさ、真っ直ぐさは、やはり双葉に通じるものがある。「双葉も本田翼も裏表がないんですよね。全世界が“本田翼”だったら戦争は起きないと思う」と、ヒロインに最大の賛辞を贈るのは東出さん。闇を抱えながらも、そのなかにそこはかとない優しさのある洸は「難しいと思った」という本人の言葉とおり、チャレンジングな役となった。「洸は自分が幸せになってはいけない…と、がんじ絡めになって、本当の自分を隠して、芝居をして生きている子なんです。そんな芝居をしている人間を演じるというのは難しいし、洸の心境を考えるとつらかった。気をつけたのは、その場その場を一生懸命生きるということ。僕自身は台本を読んでストーリーは知っているけれど、洸として毎回ショックを受けたり、驚いたりすることで、リアルな感情が伝わるんじゃないかなって思ったんです」。現在、22歳の本田さん、26歳の東出さん。20代の彼らが違和感なく学生服を着こなす、というのも演じる上での必須項目だった。東出さんは今年公開の映画『クローズEXPLODE』で高校生を演じているけれど、学ランとブレザーはまた別もの。「スタイリッシュさを損なってはいけないと思ったので、着こなし方も気を遣いました」と、撮影時のある工夫を明かす。「出演者はみんな20歳を超えていたんですけど、俳優に合わせるために学生のエキストラの年齢が高めに設定してあったりするんです」。また、スタッフ・キャストは約1か月間、富山に滞在し合宿状態で撮影をこなしていった。“同じ釜の飯”を食べて撮影したことで、三木監督を筆頭にチームは一致団結。キャスト同士もまるで本当の同級生のように「仲がよかった」と、撮影当時をふり返る本田さん。「実は私、すごく人見知りなんです。最初の頃は相手の目を見て話せなかったほど。なかなかみんなと仲良くなるきっかけを作れずにいたら、東出くんが連絡先を聞いてまとめてくれたんですよね。…それにしても、双葉と洸を含めたあの5人の関係、友情って羨ましいです。本音でぶつかってこそ本当の友情が築けるんですよね」。上辺だけではない関係を役としても役者としても築けたからこそ「撮影中は洸を演じるのが苦しくて、東京に帰りたいと思ったこともあるけれど、ふり返ってみると、濃くて楽しい1か月ちょっとでした。青春、でしたね」と、東出さんの瞳の奥はキラリと輝いていた。その5人が繰り広げる、“青春だなぁ”というシーンが映画にはいくつも登場する。なかでも本田さんと東出さんの記憶に鮮明に残っているのは、朝日を一緒に見るシーン。限られたわずかな時間のなかで最高のシーンをカメラに収めなくてはならない、チームワークの見せどころでもあるが、その“青春”な太陽を見て本田さんが発したひと言は──「鮮やかなオレンジ色だったので、つい、『イクラみたい』って言っちゃったんですよね(笑)」。この“らしさ”がチームをまとめていたんだろうと想像がつく。5人の友情にジーンと心打たれ、そして双葉と洸の恋のゆくえにキュンと心奪われる。キュンとくるセリフ、キュンとくるしぐさ、もしも自分がその立場だったらどうするんだろう…そんなふうにキャラクターの心情が自然と自分自身と重なっていくのもこの映画の魅力だ。本田さんのお気に入りのキュンとするシーンは、あまりにも好きすぎて“ハンド to ハンド”と命名したのだそう。「窓越しに双葉と洸が手を重ねているセリフのないシーンです。あのシーン、双葉は洸の気持ちをぜんぜん分からない設定なので、私自身もそういう気持ちで演じています。だから演じているときは、なんで洸はあんなに切なそうな顔をしているんだろうって思っていたんです。でも、完成した映画を観客として観ると、うわぁ、切ないよぉ…って、ものすごく切ないシーンでした」。そんな切なさを2人から引き出したのは、三木監督。『僕等がいた』『陽だまりの彼女』『ホットロード』など、青春映画、恋愛映画を数多く手がけてきた監督の手腕が今回も存分に発揮されている。「監督は絶妙なキュンキュンポイントを誰よりも知っている」「2人の恋にやきもきする!」「じれったい!」と、本田さんと東出さんが語るように、恋愛特有の感情──タイミングがほんの少しズレてしまうがゆえのやきもき感、じれったさ、ドキドキ感、胸キュンのすべてが『アオハライド』には詰まっている。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年12月12日映画『アオハライド』の公開を前に、主演の本田翼、新川優愛、東出昌大が出席し、女子高生150名を集めてのファンミーティングが開催された。咲坂伊緒の人気漫画を『ソラニン』『陽だまりの彼女』の三木孝浩監督が実写化。中学時代、淡い思いを抱きつつも気持ちを伝えられないまま離れ離れになった男女が高校で再会し、再び惹かれ合っていくさまを描く。当初、イベントには本田さんと新川さんが出席することが伝えられていたが、さらにサプライズで東出さんも加わり、会場は興奮の渦に包まれた。三木監督を加えた4人は、会場のファンから事前に集められた質問に回答。劇中に登場する男子3人――洸(東出さん)、小湊(吉沢亮)、冬馬(千葉雄大)のうち、付き合うなら?という問いに、本田さんはノリノリで「東出ちゃんは誰と付き合いたいの?」と東出さんに質問。東出さんは「洸は大変だから…(苦笑)。冬馬かな?」と自身が演じた洸ではなく、冬馬を選択する。本田さんも「私もトゥーマ(=冬馬)かな(笑)?気持ちをストレートに伝えてくれるし」とニッコリ。一方、新川さんは「コミー(=小湊)だね。なんだかんだ言って、ぶつかって来てくれるのがいい!」と語る。ちなみに、会場の女子高生に挙手してもらうと、最も数が多かったのは洸!これには東出さんも嬉しそうに笑みを浮かべていた。また、ある女子高生からは、“友達”として仲の良い異性に、どうやったら恋心を気づいてもらえるか?という恋愛相談が寄せられた。本田さんはここでも「男の子はどういう時に『このコ、女の子だな』と感じるの?」と東出さんに質問。東出さんは「(男は)鈍感だから…(苦笑)、クリスマスとかバレンタインで『あれ?これ本命?』というプレゼントをもらうと気になると思う」と語る。新川さんは、普段のグループではなく、あえて2人きりでクリスマスに『アオハライド』を見に行くことを提案。さらに「手を繋いでみたり!」とノリノリで提案するが、本田さんらから「むずかしいよ、それは!」とツッコまれ、「すいません、いま調子に乗ってました…(笑)」と反省し、会場は笑いに包まれる。本田さんは、みんなでグループでいる時なども「常に横にいるようにする。『こいつ、いつもオレの隣にいるな…』と思ってもらえる」とアドバイスし、恋がうまくいくようにとエールを送っていた。この日はイベントの最後にキャスト陣とのハイタッチ会も行われ、150人がキャスト陣ひとりひとりと満面の笑みでハイタッチを交わした。『アオハライド』は12月13日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年12月01日女優の本田翼、俳優の東出昌大が9日、東京・江東区のお台場ヴィーナスフォートで行われた、映画『アオハライド』イルミネーション点灯式に出席した。12月13日に全国公開される本作は、咲坂伊緒の同名漫画(集英社『別冊マーガレット』連載中)を実写化した青春ラブストーリー。高校生の双葉(本田)は、中学時代の初恋の人・恍(東出)と再会して恋心を抱く。しかし、クールで人が変わってしまったような恍には、隠された秘密があった――というストーリーで、『僕等がいた』や『ホットロード』を手掛けた三木孝浩が監督を務めている。イルミネーション点灯式に登場した本田は、「ワクワクしますね!」と初めての体験にハイテンション。カウントダウンと共にイルミネーションを点灯させると、「綺麗ですね~!」と大興奮で、東出も「クリスマスに来たいですね。いいな~」と意味深に胸を膨らませていた。そんな2人は、本作で共演した印象を聞かれると、「真面目な方。真っ直ぐで妥協をしない」(本田)、「色んな顔が見れたけど、いい子です。すごく真っ直ぐで現場のみんなに好かれていました」(東出)と話し、東出は「自分たちも青春しながら撮ったスカッとする作品」と笑顔でアピールした。また、イベントでは高校生カップルたちからの質問コーナーも設けられ、理想のクリスマスデートについて、東出は「サプライズを準備する時に喜びを感じる。サンタさんの格好で待っていたい」とお茶目な一面を披露。続けて、理想の告白シチュエーションを聞かれた本田が、「最近流行ってる"壁ドン"告白はいいですね~」とニヤけ顔を浮かべると、東出は「日常の中で普通に『好きです』って言いたい」と照れ笑いしていた。最後は、東出が本田に対してデートプランを提案。「大きな本屋さんに行って、『好きな漫画を買っていいよ』って言う。家に帰ったら、こたつに入れてあげて、ピザを食べさせる。理想でしょ!?」と微笑むと、本田は「つかんでますね~!とても満足です」と喜んでいた。
2014年11月10日女優でモデルの本田翼が11月5日に都内で開催された主演作『アオハライド』の完成披露試写会に共演した東出昌大、新川優愛、吉沢亮、藤本泉、千葉雄大、高畑充希、三木孝浩監督(『陽だまりの彼女』『ホットロード』)とともに出席し、「青春のキラキラする恋愛に、ついついキュンキュンしちゃう“キラキュン”映画。年齢を問わず、たくさんの人の心に響くはず」と本作をアピールした。その他の写真お互いに想いを寄せるも、離ればなれになってしまった本田演じるヒロイン吉岡双葉と、東出演じる馬渕洸が、高校で再会したことから始まる恋模様を描く青春(アオハル)ストーリー。双葉は4年ぶりに出会った中学時代の初恋相手・洸の変化に戸惑いを覚えながら、次第に心惹かれあっていく。別冊マーガレットで連載中の咲坂伊緒の大人気コミックを映画化した。この日はキャスト全員が劇中衣装の学生服で登場し、客席の女性ファンからは大歓声。「似合っている!」の声援を浴びた東出は、「よせやい…」と照れ笑いを浮かべていた。本作については「ここにいるメンバー一同が、仲良く青春しながら撮った映画。ぜひアオハルに乗って(ライド)してください」と語りかけていた。舞台あいさつでは登壇者がそれぞれ、劇中のお気に入りシーンを明かし、大盛り上がり。また、劇中で洸が放つ“キラキュン”台詞「お前さあ、俺のこと好きなの?」を東出ら男性陣が生披露し、会場のボルテージは最高潮に達した。『アオハライド』12月13日(土)全国東宝系にてロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年11月05日今年も残り数か月。かねてより交際が伝えられている話題のカップル・女優の杏さんと俳優の東出昌大さんですが、年内に電撃結婚の可能性はあるのでしょうか?ふたりの結婚の可能性について、占いサイト『前世からの約束』監修の占い師・波木星龍氏に占っていただきました!噂のお二人ですが、ホロスコープから見る限り、愛情面に関しては特別“強烈な運命”が作用する形ではなく、ごく自然な流れの中で“恋愛や結婚を考えるタイプ”なのではないか、と考えられます。それぞれの性格を見ていきましょう。■杏さん(1986年4月14日生まれ)のホロスコープ太陽と天王星、土星の位置関係から、杏さんは、働き者で自立心が強く、しっかりとした人生観を持ち、“流される”ということの無い人。ある意味で「マイペース型」と言えるでしょう。もともと「仲間」を大切にするタイプで、サービス精神旺盛でもあり、身近な人の中から“パートナーを選んでいく”のが特徴です。金星は「牡牛座」にあって、月や木星との位置関係からみると、愛情豊かで家庭的な趣味の持ち主なのでしょう。母親との絆が強いようにうかがわれます。ただ、水星をみると、会話で相手を理解するタイプではなく、“感覚で理解し合える”と思っているような点が感じられます。■東出昌大さん(1988年2月1日生まれ)のホロスコープ一方で東出さんは、月と木星、金星の位置関係から、気持ちが優しく包容力があり、家庭・家族を大切にするタイプのようです。また、先天的に「引き立て運」「援助運」が与えられていて、困ったときでも必ず誰かが助けてくれるでしょう。専門技術者に多く見かける星の配置があり、探求心が旺盛で、正確さへのこだわりが強い性質を秘めていそうです。考え方は慎重で、仕事面では少し考えすぎる点もあります。■互いにプラスとなる相性二人のホロスコープを重ね合わせると、杏さんの太陽と東出さんの木星がピッタリ重なり、杏さんにとって東出さんは「心豊かにしてくれる相手」なのに違いありません。一方、東出さんにとっての杏さんは「個性と輝きを与えてくれる相手」で、互いにプラスとして作用するのは間違いないでしょう。ただ二人とも男女間の恋愛に欠かせない金星・火星の繋がりが少ないタイプで、相性は良いのに“燃え上がる恋愛”という感じにはならないのかもしれません。杏さんの金星と東出さんの火星の位置関係から、仕事の状態によっては男女関係が微妙な緊張やストレスをもたらす可能性もあります。■プロポーズには今年の12月が最良?運勢的には2013年10月頃から愛情が深まっていったものと推定されます。けれども今年2014年8~9月頃には、一時的に愛の苦悩を感じる出来事が生じていた可能性が大きいです。もっとも、それを乗り越えた今、ふたりの関係は安定しているものと思われます。2014年12月には現在進行中の木星が、杏さんの太陽、そして東出さんの木星に120度の位置に移動し、“プロポーズに最良”の惑星配置を作ります。もっとも、結婚にとって重要な金星があまり関係してこないので、すぐ結婚という形をとるかどうかは疑問です。あるいは、2016年の天王星の移動まで大きな変化とはならないかもしれません。【無料占い】現世で出逢ったこの恋の運命度は?~古今あらゆる占いに精通し、確かな実績と実力を持つ本格占い師~波木星龍(なみきせいりゅう)鑑定暦30年以上、延べ5万人以上の鑑定実績をもつ本格占い師。古今東西のあらゆる占術に精通している。対面鑑定のほかに「正統占い教室」という占い教室を主宰し、数多くの有名占い師を生み出している。モバイルサイト「前世からの約束」
2014年10月31日バイオレンス・アクション大作『GONIN』の続編となる『GONIN サーガ』がクランクアップを迎え、劇中写真と主演を務めた東出昌大らキャスト陣のコメントが公開された。その他の写真1995年に公開された鬼才・石井隆監督の『GONIN』は、佐藤浩市、根津甚八、ビートたけし、木村一八、本木雅弘らが出演し、カルト的な人気を集めたアクション大作。バブル経済が崩壊し、指定暴力団五誠会系大越組から巨額の借金返済を迫られた男が、五人の男たちを集め、暴力団を襲撃したことを機に壮絶な殺し合いを繰り広げた。『GONIN サーガ』はそれから19年後の2014年を舞台に、男達が遺したそれぞれの家族たちの血と宿命に彩られた新たな物語が展開される。東出は、前作で五人に襲撃を受け、命を落とした大越組若頭・久松(鶴見辰吾)の息子・勇人を演じ、桐谷健太は、同じく前作で命を落とした久松の組長・大越(永島敏行)の息子・大輔を演じる。土屋アンナは、五誠会の2代目に秘密を握られ、今は3代目の愛人に成り下がっている元グラビアアイドル・麻美役。柄本佑は、19年前の事件の真相を追うルポライターの森澤役。そして安藤政信は、本作の五人の敵役で、前作の五誠会会長・式根(室田日出男)の孫であり、麻美を愛人として囲う、五誠会三代目・誠司を演じる。監督の意見で主演に抜擢されたという東出は、「石井組という素晴らしい組で約一カ月演じさせていただいたのは、今まで経験したことのないような現場で、貴重な経験になりました」と振り返り、「自分自身の反省点もありますがみんなで作った現場なので今は作品の完成が待ち遠しいです」とコメント。安藤は「誠司は人間の悪の部分を徹底して背負い、それを貫かなければいけない役だったので石井監督とも何度もディスカッションしながら撮影をしていきました」と話し、「僕も、自分のためでもあるけれど、何より監督が喜ぶような僕を選んでよかったと絶対思ってもらえるようにと考えながら最後までやり切りました」と語っている。本作の五人目のキャスティングはまだ発表されていないが、「ファンがあっと驚くキャスティングを予定しております」とアナウンスされている。『GONIN サーガ』2015年 秋 全国ロードショー
2014年10月22日バイオレンスアクションの傑作として、国内のみならず海外での評価も高い石井隆監督の『GONIN』(’95)。このほど、東出昌大・主演で新たに立ち上がった待望の続編となる『GONIN サーガ』が、遂にクランクアップ。東出さんを始め、桐谷健太、土屋アンナら出演者の初公開の劇中ビジュアルとともに、喜びのコメントが到着した。1995年、バブル経済崩壊の余波が続くころ。指定暴力団の五誠会系大越組から巨額の借金返済を迫られたディスコホール経営者の万代(佐藤浩市)は、同じく時代に弾かれた5人の男たちを集め大越組を襲撃、現金強奪に成功する。それが引き金となり、五誠会は2人のヒットマン・京谷(ビートたけし)と一馬(木村一八)を仕向け彼らを抹消。5人のうち氷頭(根津甚八)と三屋(本木雅弘)は大越組を逆襲し、組員全員と一馬を殲滅させるものの、京谷の手によって撃たれ、事件は終わりを迎えたはずだった。だが、あれから19年たった2014年。奇しくも五誠会に恨みを持つ者たちが出会い、物語は再び動き出す――。本作は、『ヌードの夜』から『フィギュアなあなた』『甘い鞭』まで、国内外で多くのファンを惹きつける日本映画界傑出の鬼才・石井隆が、伝説といわれた前作『GONIN』から繋がる壮大な物語に再び着手し、自らの集大成と位置付ける渾身のバイオレンス・アクション。前作に登場した大越組若頭・久松茂(鶴見辰吾)の息子で、ある事件から大越組へ復讐を誓う主人公・久松勇人を演じるのは、今後『寄生獣』『アオハライド』の公開を控え、来年NHK大河ドラマ「花燃ゆ」にも抜擢された東出さん。初公開された劇中ビジュアルでは、ハードボイルドにキメた姿を披露しており、ハマり役であることを証明。東出さん演じる勇人は、組の再興を望む大越の息子・大輔(桐谷健太)、五誠会に出生の秘密を握られ愛人に成り下がっている元グラビアアイドル・麻美(土屋アンナ)、19年前の事件を追うルポライター森澤(柄本佑)と出会い、復讐劇を遂げていくことになる。その4人の前に立ちはだかるのは、五誠会3代目で芸能事務所社長の式根誠司(安藤政信)。麻美を愛人としてる彼は、乗っ取ったディスコの跡地で結婚披露パーティを計画しているのだが…。場面写真からも分かるように、ただならぬ気迫を醸し出している個性派キャストたちからは、クランクアップにあたりコメントが到着している。■東出昌大「石井組という素晴らしい組で約1か月演じさせていただいたのは、いままで経験したことのないような現場で、貴重な経験になりました。自分自身の反省点もありますがみんなで作った現場なので、いまは作品の完成が待ち遠しいです。撮影が終わってしまった寂しさはありますが、お客さんの手に渡って初めて映画は完成すると思っているので、その日を楽しみにしてます」。■桐谷健太「大変なこともあったけれど、しっかり撮り切った!というのはやはり監督の強い思いであり、人柄であり、だからこそ役者もついていけたと思います。スタッフ、キャストのみんなとも本当に気持ち良く撮影ができたし、何より自分自身も楽しんで撮影に臨めました。この現場に参加できて本当に良かったです」。■土屋アンナ「撮影中も監督の、あのつぶらな瞳に、やられてました。あの瞳は、すべてを語ります。キャスト、スタッフのみんなから本当に色々なパワーをもらった現場でした。みんな本当に頑張った!」。■柄本佑「今回は覚える台詞の分量も多くて大変でしたが、『GONIN』という自分の大好きな作品に参加できて作品の出来上がりが本当に楽しみです。石井監督の世界の中で演じ切れて、本当に幸せな時間でした。ありがとうございました」。■安藤政信「誠司は人間の悪の部分を徹底して背負い、それを貫かなければいけない役だったので石井監督とも何度もディスカッションしながら撮影をしていきました。僕も、自分のためでもあるけれど、何より監督が喜ぶような僕を選んでよかったと絶対思ってもらえるようにと考えながら最後までやり切りました」。ただ、安藤さん演じる誠司は敵役。復讐を掲げる新たな“GONIN”の、最後のひとりはいまだ明らかにされていない。前作で死闘を繰り広げた男たちが遺した、それぞれの家族のサーガは、今後の続報にも期待が持てそうだ。『GONIN サーガ』は2015年秋より全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2014年10月22日玉木宏、本田翼、東出昌大、木村文乃、高梨凛ら総勢10人の男女が、クリスマスの東京駅を舞台に繰り広げるラブストーリーを描いた映画『すべては君に逢えたから』。本作は、クリスマスという特別な日をきっかけにそれぞれの男女が想いを大切な人へと告白するシーンが魅力の一つとなっているが、中でも東出さんと木村さんが登場するストーリーで描かれる“遠距離恋愛”は多くの人が「あるある」と共感できるはず。過日、本作の公開を記念して「クリスマスだから、大切な人に伝えたい想いを手紙にしよう!」キャンペーンが実施された。およそ3か月間にわたって行われ、600通もの応募の中から、見事「ロマンティック賞」に輝いたのは、約25年前に遠距離恋愛を経験し、その後、結婚したというご夫婦。この2人のためだけに、『すべては君に逢えたから』プライベート試写会がプレゼントされたが、そんな彼らの“遠恋あるある”は?映画を鑑賞した2人は、東出さん演じる津村拓実と、木村さん扮する山口雪奈の東京~仙台間の遠距離恋愛でのすれ違いや、久しぶりに逢えるひと時のときめきを思わず思い出したと語る。東京~大阪間で遠距離恋愛を育んだご夫婦は、もともと大学時代の友人で、奥様は大阪の会社へ、旦那様は東京の会社へ就職。奥様が出張のため、偶然乗った新幹線で旦那様と再会したことがきっかけで交際がスタート。そして出張の度に、当時の最終新幹線“シンデレラエクスプレス”を利用して東京と大阪を行き来きしていたという。久しぶりに逢った後はいつも別れがたく、時には、見送るだけのはずが実際に帰り際の新幹線に乗り込んでしまい、翌日の始発で一人戻ってきたことも…。そんなエピソードは本作で描かれるシーンとも重なり、「新幹線を利用する遠距離恋愛中のカップルにとって、新幹線で相手を連れて帰ってしまうって、“遠距離恋愛あるある”なんですね!」と少し恥ずかしそうに語っていた。また木村さん演じる雪奈は、離れている相手のことが分からなくなり、すれ違いが生じて、東出さん演じる拓実とぶつかってしまうのだが、奥様は「離れているから相手のことが分からなくて不安になったことはない」と断言する。「相手(夫)はあんまり喋らないタイプで、私の話を聞くだけだったので疑うこともなかったんです。自分が忙しくて余裕がなかったので、待っている時間がなかったからかも(笑)」とも。そんな2人は、木村さんと東出さんが演じるカップルが決まり事にしている「モーニングコールを欠かさずする」ということはなかったそうだが…代わりに、毎晩のように電話をしていたそう。25年前は携帯もメールもなく、電話だけが唯一の連絡手段。だからこそ、雪奈と拓実のカップルが久しぶりに逢うシーンの高揚感や幸せはすごく共感できたと語り、キラキラと目を輝かせながら語る姿が印象的だった。離れている分、久々に逢えたときの喜びはひとしお。きっと、いつも一緒に過ごせるカップルにも負けない幸せなひとときを過ごしていたに違いない。その後、交際が1年を過ぎた頃に、2人は結婚を決めたそうだ。久しぶりに逢える嬉しさは、いつの時代も、どんな状況でも変わらない。遠距離恋愛中の人はもちろん、すべての恋人たちの胸をキュンとさせる本作で、遠距離恋愛ならではの“あるある”を見つけてみては?『すべては君に逢えたから』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。(松雪範子(cinema名義))■関連作品:すべては君に逢えたから 2013年11月22日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013 「すべては君に逢えたから」製作委員会
2013年11月25日「クランクアップを迎えて『おつかれさまでした』って声をかけられたとき、思わずワンワン泣いちゃったんですよ」――。それは東出昌大というひとりの俳優が誕生した瞬間だった。10代の頃からモデルとして活躍し、3度にわたってパリコレのランウェイを歩くなど世界の舞台で戦ってきた。そんな彼が23歳にして俳優に転身し、初めて臨んだのが映画『桐島、部活やめるってよ』である。初めての演技の中で24歳のルーキーは何を感じ、何を手にしたのか?映画の公開を前に胸の内を語ってくれた。俳優としての道、その“覚悟”「小説すばる新人賞」を受賞した朝井リョウのデビュー小説を映画化した本作。学校の人気者・桐島がバレー部を退部したといううわさが校内を駆け巡り、友人、カノジョ、果ては桐島と全く接点のなかった者まで様々な視点で青春が切り取られていく。東出さんが演じたのは桐島の親友の宏樹。多くの役がオーディションとワークショップで決まったが、中でも宏樹は最も多くの候補者が集められた役でもあった。そんなこととはつゆ知らず、当時まだモデル事務所に所属していた東出さんは軽い気持ちでオーディションに足を運んだという。「最初からあきらめていたというのも変ですが、『まさか自分が役者なんて』という気持ちが強かったんです。マネージャーが先方に『東出は芝居をしたことないし、できないですよ』と伝えていたくらいで、そんなやりとりがあった後だったので興味を持っていただけるとも思ってなかったんです」。1次選考で吉田大八監督と初めて顔を合わせ「すごく面白い方で、この人と仕事ができたらいいなぁと思った」と言うが、それでもまだ「まさか」という気持ちの方が勝っていた。だが選考が進むにつれて自身の中での気持ちが変化していくのをひしひしと感じていた。「モデルの場合、オーディションはあっても2次までなんです。だから3次選考に呼ばれたと聞いて『マジで?これはもしかするかも…いやいやいや!』って感じでしたが(笑)、だんだん躍起になっていき、その次になると『ここまで来たからには絶対に受かりたい』という気持ちになってました。そこで、また次があることを聞かされて、その頃にはほかの俳優のみなさんとのセリフのやりとりもあったりして、ハードルがどんどん上がっていくんです。意地もあったし、やりがいも感じたし、できないことも増えていったけどそれを面白いって感じるようになってましたね」。最終選考が終わったとき、吉田監督に改めて「これから役者一本で腹を括れるか?」と俳優の道に進む“覚悟”を問われたという。「別室に呼ばれて監督に『どうだった?』と聞かれて素直に『精一杯でした』と答えたんです。『いま、宏樹役を東出くんで考えてる』と言われたんですが、宏樹は原作でも中心人物の一人だったし出番も多い。現場に入ってから心が折れて『やっぱりできません』というわけにはいかないので、あのとき監督は覚悟を決めて『できます』と言える人にしか役は与えられないと最後に確認したんだ思います」。その言葉通り、“元パリコレのモデル”という肩書もプライドもかなぐり捨てて、撮影を通じて「とにかくできることは全てやろうという気持ち」で喰らいついていった。「監督からは『(宏樹がつるむ)帰宅部のみんなで一緒にご飯に行ってこい』と指令が出されたんですが、そういうところで『俺、今回が本当に初めてで』と最初から自分を全てさらけ出したんです。みんな年下ですが、本当にしっかりしてるし『いいものを作ろう』っていう情熱が伝わってくるんです。だから恥ずかしいとかそういう気持ちを抱くことなく『芝居ってどうしたらいいの?どういう風に考えてどう役作りしていくの?』ってどんどん聞いて、台本の読み方を教えてもらうところから始まり、勧められたことは全てやりました」。宏樹はかわいい彼女と陽気なクラスメイトに囲まれた“上”のグループの学生。放課後は帰宅部の仲間とバスケに興じるなどワイワイと高校生活を過ごしつつも、心のどこかに自分でもよく分からない不安やいら立ちを募らせている。それは映画のクライマックスでの映画部の前田(神木隆之介)とのシーンへと帰結していく――。東出さんはかつて高校時代に自身が感じた感情を引き出しつつ、宏樹の内面を作り上げていったと明かす。「僕自身、どちらかというとうるさいグループで『お前なんて悩みないだろ』って思われてたかもしれないけど、確実にモヤモヤした気持ちは抱えてました。モデルの仕事をしてはいたけどそれで一生とは思ってなくて、漠然と大学行くのかなとか。そういうときに美術部や軽音部の連中から『美大に行く』『音楽で生きていく』なんて話を聞かされると雷に打たれたような衝撃を受けたり。それはまさに宏樹と前田のやりとりですよね。限界に近づいていた宏樹が、カッコつけつつも最後の最後で心の声に正直になった結果があのシーンなのかな、と思うとすごく理解できました」。俳優業は「マイペース」、女性には「甘えさせてほしい」オーディションで覚悟を固めた東出さんだが撮影、そしてクランクアップ時の“号泣”を経て、俳優を一生の仕事とするという思いはますます強くなっているようだ。「これまで仕事のことで泣いたことなんてなかったし、ましてや23歳(当時)にもなって自分がそんな反応を示すなんて思ってなかったんですが…(苦笑)。その後、ロケ地の高知から東京に戻って年が明けてもふと『あぁ、もう『桐島』の撮影はないんだな』という思いがよぎってポカンとしてしまうこともあって…。それだけこの仕事にのめり込んでたんだなというのを改めて強く感じました。理想の役者像ですか?人間性を伴った俳優でありたいと思っています。身近なところでいいから幸せになって、それが反映されるような役者になれたらいいですね」。最後に映画ともこれまでの話とも全く関係のない自身の恋愛観についての質問を投げかけると、少しだけ頬を緩めつつこんな答えを返してくれた。「俳優の仕事って“勉強”という一言で片づけちゃうけど、釣りに行ったり慣れないボウリングをやったり、寄席や演劇に行くことも読書も全てが仕事なんですよね。だからそういう部分を理解してもらえないと付き合えないかなと思います。あと良くも悪くもマイペースでないとやっていけない部分もあると思うので柔軟に甘えさせてくださる方がいいですね(笑)」。(photo/text:Naoki Kurozu)特集:年下のカレ■関連作品:桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社
2012年08月06日