女優の山野海を中心に設立された劇団「ふくふくや」の新作は、“おばさん”ふたりを中心に巡る、おかしくも切ない人間ドラマ。そこで山野と客演の熊谷真実に、作品にかける想いを聞いた。【チケット情報はこちら】ふくふくやに熊谷が参加するのは今回が初だが、「私たち両思いなんです」と声を合わせるほど、ふたりの息はすでにぴったり。山野が「上手ささえも隠す上手さがある、本当に上手い女優さん」と熊谷を絶賛すれば、熊谷は役者としてはもちろん、“竹田新”名義で書き下ろす山野の作家としての才能にも惚れ込み、「もうどのように調理していただいても構いません!」と言い切るほど、全幅の信頼を寄せる。ふくふくやの“おばさん3部作”の、第2作に当たる本作。山野と熊谷が演じるのは、幼いころからの親友であり、今では同じ熟女バーで働く春子と日向子。山野は「熊谷さんが出てくださることが決まり、年齢も近いですし、熟女バーのおばさんふたりが、『肋間神経痛が痛い』だのぶつぶつ言いながら(笑)、控室にいるのは面白いなと思って」と、創作の出発点を明かす。するとすかさず熊谷が、「でもそこからここまで書けますか!?」とラストへの展開について触れ、「ただの愚痴なら私だっていくらでも書けますよ。でもそれだとトークショーになっちゃう」と笑いつつ、改めて竹田こと山野の筆力の高さに驚きを見せる。物語は熟女バーから始まり、彼女たちの中学生時代へと遡っていく。15歳の春子も日向子もそのままふたりが演じるのだが、役に対してどうアプローチしているのか熊谷に聞くと、「いや、私何にも考えていない!(笑)」とひと言。すると山野が「天才はこういうこと言うんですよ」とニヤリ。「いや、もともと私が“こどものおばさん”なので(笑)。ただ実は15歳も50歳も同じ。ただ経験値が増えただけなんですよね」と熊谷が言うと、山野も「本当にそう。まぁおばさんになるとちょっと“雑さ”が出てきますけどね」と、自らを振り返るように笑う。すでに稽古から10日ほど。ふたりのシーンを重ねる中で、お互いがお互いを「漫才の相方みたい」と思うようになったそう。「私たち本当に漫才出来るかもね」と熊谷が言うと、「しかも熟練の漫才師ね(笑)」と山野。さらに「これからもふたりの芝居づくりは続けていきたい」と語り、山野は本作を「そのはじめの一歩」と位置づける。ふくふくやと熊谷の幸福な出会い。その“はじめの一歩”を、ぜひ劇場で目撃して欲しい。取材・文:野上瑠美子
2019年09月20日お笑いコンビ・ガリットチュウの福島善成と熊谷茶が29日、都内で行われた映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』(11月8日公開)の“審判の日”イベント に登場し、終了後に報道陣の囲み取材にも対応。福島は、反社会的勢力との闇営業問題による謹慎処分から復帰後、初の芸能イベント出演となった。シリーズの中で重要な設定となっている人工知能が人類に反乱を起こす人類滅亡の日=“審判の日”である8月29日に開催された同イベント。イベントには、「ターミネーター」シリーズの熱狂的なファンというガリットチュウの福島がアーノルド・シュワルツェネッガー演じるターミネーター・T-800に、熊谷がサラ・コナーに扮して登場した。19日に謹慎処分を解除された福島は、20日に新宿・ルミネtheよしもとで劇場復帰。この日は、初の芸能イベント登場となり、「いろんな意味で『I’ll be back!』です」と名ゼリフを用いてあいさつした。熊谷も「新たなガリットチュウとして…」と自虐発言。観客からは「お帰りなさい」と声をかけられた。囲み取材でも、報道陣から「お帰りなさい」と声をかけられ、福島は「ただいまです。ありがとうございます」とあいさつ。そして、「お騒がせして本当にすみませんでした。ターミネーターのように『I’ll be back』また元気にやらせてください」と伝えた。相方・熊谷とのチームワークについて福島は「やっぱり息が合わないですね」と話すも、熊谷は「それが逆に息が合ったみたいな。普段通りの感じがよかったね」とアピール。また、熊谷は「僕は1人じゃ何もできないので。福島君がいると…」と福島の復帰を喜ぶも、福島は「そんなことないよ。1人でも全然できてたよ」と優しい言葉をかけてから、「解散しよ」とまさかの解散提案。熊谷は「何言ってんだバカヤロー! 隣にいてくれて僕はよかったです」と慌てながら返した。また、福島は「リンダ・ハミルトンの懸垂シーンとかめちゃくちゃいい。僕の謹慎期間中を思い出しますよ。腕立て伏せをずっとやっていたんで」と、謹慎期間の自身のエピソードを披露。さらに、「不死身のイメージのあるターミネーターですが、誰に見てほしい?」と聞かれると、「吉本の芸人さん全員に見てほしい」と笑いを誘い、1カ月前は戻ってこられるという思いだったか聞かれると、「まったくなかったです。1カ月前は心がボロボロだった」と打ち明けた。
2019年08月29日日本一の暑さを誇る埼玉県熊谷市ーー。強い日差しを照り返す道路に、黄色い菊の花だけが、くっきりと浮かび上がる。供花したのは、’09年、この場所で自動車にひき逃げされ、亡くなった小関孝徳くん(享年10)の母・代里子さんだ。「命日の9月30日を迎えるたび、“事件は風化し、逮捕が遠のいているのでは”と、不安を感じます」事故から10年を迎える今年の命日は、特別な意味を持つ。「自動車運転過失致死罪の時効が成立してしまいます。しかし、いまだに犯人につながる物証や目撃情報はありません」こう着状態とも思われる捜査。事故の際、息子は泣いていたのか、助けを求めていたのかーー。「孝徳は、すごく気遣いのできる子でした。4歳のときに夫を亡くし、母子家庭だったこともあって、あんまりわがままを言わないんです。口ぐせは『うん、いいよ』で」小1から始めたいと言っていたサッカーも、代里子さんが、送迎できるようになるまで我慢した。「孝徳が小3になったとき、ようやく中古車を買えて、サッカーを始めることができたんですね」小4の誕生日には、自分で生活を管理できるようにと、代里子さんは、プレゼントは腕時計でいいか、孝徳くんに相談。いつものように「うん、いいよ」と答えた。「一緒に買いに行ったんですけど、私が近くにいると選びにくいと思って、離れたところから見ていて。それで孝徳が選んだのが、グレーのデジタル腕時計です」母から大人扱いされはじめたことを、誇らしく感じていたのかもしれない。出かけるときはいつも腕時計を身につけていた。しかし、突然、親子の時間は止まってしまう。「その日は、孝徳が放課後、塾と書道教室に行く日でした。教室までの送り迎えはいつも車だったのですが、その日はたまたま自転車を利用することになって。朝、孝徳が登校するときは『いってらっしゃい。気をつけてね』とふだんどおり、送り出したと思います」週末には一緒にJリーグ観戦に行くことになっており、孝徳くんはとても楽しみにしていた。仕事が終わり、試合を見ながら食べるお弁当の材料を買って、代里子さんが帰宅するとーー。「孝徳の自転車が見つからないんです。いつもは帰っている時間なのに。ハッとして携帯電話を見ると、知らない番号から着信履歴がありました。その番号に電話すると『すぐに病院に行ってください』『1人で来ないでください』と言われて……」病院に到着すると、入口には警官が。孝徳くんがすでに警察に搬入されていることを聞かされ、その意味を感じ取った。「そのときのことは、よく覚えていません。ただ、地べたに座り込んで、同行してくれた同僚と警察官に抱え上げられたと思います」警察署で、孝徳くんがひき逃げに遭い、亡くなったことを聞かされた代里子さん。曇り空のなか、自転車のライトはしっかりと点灯していたという。それでも、自分を責める姿に、警察官は「絶対に見つける。これは殺人です」と、はっきり告げたという。遺体の確認は孝徳くんの通う小学校の校長先生や担任がしてくれた。「後頭部の損傷が激しく、『対面したらお母さんが一生傷ついてしまうので、見ないほうがいいのではないか』と、何時間も話し合われたようで。私は身につけていたもので確認しました。すると、腕時計が、プレゼントした腕時計と同じで。それで、孝徳で間違いないということになったんです」代里子さんは犯人に呼びかける。「生きているなら、自首して、社会的な罪を償って、人生を歩んでほしい。あのとき、孝徳は生きていたのか、泣いていなかったのか、助けを求めていたのか、私には知る権利があります。(警察から)逃げ切ったとしても、真実を聞くまで、私は犯人を捜し続けます」たとえ時効を迎えても、事件は消えない。10歳の子どもと母親の未来の時間を奪った犯人は、罪を償わなければならないのだ。
2019年08月29日日本一の暑さを誇る埼玉県熊谷市ーー。強い日差しを照り返す道路に、黄色い菊の花だけが、くっきりと浮かび上がる。供花したのは、’09年、この場所で自動車にひき逃げされ、亡くなった小関孝徳くん(享年10)の母・代里子さんだ。「命日の9月30日を迎えるたび、“事件は風化し、逮捕が遠のいているのでは”と、不安を感じます」事故から10年を迎える今年の命日は、特別な意味を持つ。「自動車運転過失致死罪の時効が成立してしまいます。しかし、いまだに犯人につながる物証や目撃情報はありません」こう着状態とも思われる捜査。事故の際、息子は泣いていたのか、助けを求めていたのかーー。「その日は、孝徳が放課後、塾と書道教室に行く日でした。教室までの送り迎えはいつも車だったのですが、その日はたまたま自転車を利用することになって。朝、孝徳が登校するときは『いってらっしゃい。気をつけてね』とふだんどおり、送り出したと思います」週末には一緒にJリーグ観戦に行くことになっており、孝徳くんはとても楽しみにしていた。仕事が終わり、試合を見ながら食べるお弁当の材料を買って、代里子さんが帰宅するとーー。「孝徳の自転車が見つからないんです。いつもは帰っている時間なのに。ハッとして携帯電話を見ると、知らない番号から着信履歴がありました。その番号に電話すると『すぐに病院に行ってください』『1人で来ないでください』と言われて……」病院に到着すると、入口には警官が。孝徳くんがすでに警察に搬入されていることを聞かされ、その意味を感じ取った。「そのときのことは、よく覚えていません。ただ、地べたに座り込んで、同行してくれた同僚と警察官に抱え上げられたと思います」遺体の確認は孝徳くんの通う小学校の校長先生や担任がしてくれた。「後頭部の損傷が激しく、『対面したらお母さんが一生傷ついてしまうので、見ないほうがいいのではないか』と、何時間も話し合われたようで。私は身につけていたもので確認しました。すると、腕時計が、プレゼントした腕時計と同じで。それで、孝徳で間違いないということになったんです」自宅には報道陣が取材に訪れた。しかし、事件のことを口にする気持ちにはなれない。「20日くらい家から出られませんでした。事故の詳細も警察からは聞かされず、目撃者がいないこと、物証が少ないことなどを知ったのは報道からです」そんななか、“自分も、何かの手がかりが見つけられれば”という母の思いが現場に足を運ばせた。「ここに立てば何かがわかるのではないかと。事故から3週間たった10月21日に、初めて事故現場で、通る車のナンバープレートを調べました。“あの道は、地元以外の人は通らない”と思っていたけれど、実際は熊谷以外の地域や他県の車も通るんです。立って見ているだけではダメだと、翌日にはメモ帳を持って、通行車のナンバーを記録しはじめました」1人で立ってメモを取っている代里子さんを見て、およそ30人のお母さん友達が手伝ってくれた。「3カ月間、毎日、事故があった時間帯の夕方6時30分から7時10分まで路上に立って、ナンバー、ドライバーの性別、どちらに曲がるかを調査しました」雨の日も、風の日も。そして季節が初秋から冬に移り変わったある日は、青年が、温かいお茶を差し入れてくれたこともあった。定期的に現場に立ち続け、のべ10万台の通行車を記録した。「協力してくれる人が多いときは、事故現場の道を通る車が向かう先を16のルートに分かれて調べ、熊谷市や近隣の行田市、深谷市などを中心に、目撃情報を募るチラシを配る場所も決めました」わが子を亡くした苦しみに向き合うため、犯罪被害者の会に出席したこともある。「そこでは検挙された犯人への憎しみや思いが話されていました。でも、うちのケースは犯人が捕まっていない。犯人が近所の人なのか遠方の人なのか、若いのか高齢なのか、男性なのか女性なのかもわからない。犯人を憎むスタートラインにも立っていないんです。よく『犯人に対して、どう思われますか』と聞かれますが、『逮捕されたら答えられます』としかいえなくて……」こう着状態が続くなか、時効まで1年を切った昨年10月、警察が、証拠品であり大事な形見でもある孝徳くんの腕時計を紛失していることが発覚。「思わず、『え?何でですか』と聞きましたが、『捜したけど、ないです』という返答だけでした」責任者は、いまだに処分をされていないという。「形見をなくされた憤りがあったし、“本当は初動捜査もちゃんとしていなかったんじゃないか”という不信感も生まれました。でも、逮捕できるのは警察しかいません。全力で捜査してほしい」代里子さんは、今年1月にブログを開設して、情報提供を呼びかけている。「どんなささいな情報でも寄せてください。事故が発生して10年、犯人は遠く離れた他県で生活しているかもしれない。はっきりした事情もなくいきなり引っ越しをした人、運転していた車を廃車した人を知っている方は教えてください。事故について以前警察に話をしたことがある方も、再度、お聞かせください」
2019年08月29日Zoff(ゾフ)は、スタイリスト・カメラマンの熊谷隆志と初のコラボレーション。「Zoff×takashi kumagai」のアイウェアを、2019年4月26日(金)に、アウトレットを除くZoff全店舗で発売する。「Zoff×takashi kumagai」は、男女の枠にとらわれず、着る服も選ばない、自由なスタイリングを楽しめるサングラスシリーズ。7型全24種類を展開する。明るいレンズカラーに軽やかな透明感のプラスチックフレームを組み合わせたラインと、レンズにさりげなくミラーコートを採用したメタルのライン、マグネットでカラーレンズ部分を簡単に取り外すことができ、メガネとサングラスの2WAYで1日中使用できる「NIGHT&DAY」ラインを揃える。80年代を彷彿とさせるフレームシェイプや、モダンにアレンジしたボストンシェイプ、額から流れる汗が目に入りにくいようにスウェットバーを施したモデルなど、アメリカンヴィンテージを都会的にアレンジしたデザインの、バリエーション豊かなラインナップを展開する。【詳細】「Zoff×takashi kumagai」サングラス発売日:2019年4月26日(金) ※発売日は型により異なる。取扱店舗:Zoff全店舗(アウトレット除く)、Zoffオンラインストア価格:7,500円~9,500円+税(Zoff NIGHT&DAY仕様は標準レンズ代込み)種類:7型全24種類【問い合わせ先】ゾフ・カスタマーサポートTEL:0120-013-883(平日10:00〜18:00)
2019年03月25日被写体をストレートに捉える写真が心をつかむ、写真家の熊谷直子。初の本格作品集『赤い河』(TISSUE PAPERS刊)の刊行を記念した展示が、12月4日まで吉祥寺のブックオブスキュラ(book obscura)にて開催中。「これは私の人生だけど、誰かの人生でもある」作品集『赤い河』は、愛、肉、死、光、命--遠く離れて暮らす母親を定期的に撮影しながら、生まれては消え、出会っては別れてゆく私たちを確かに繋ぐもののことを考えた、東日本大震災以降の6年間の記録。数々のアーティスト、俳優のポートレートで活躍してきた写真家・熊谷直子の、完全にパーソナルな初の本格作品集だ。「2011年東北での震災をきっかけに気仙沼に足を運ぶようになった。同年、11月離れて一人で暮らす母がクモ膜下で倒れ認知症になり施設で暮らし始める。毎日泣き崩れていた私に『自分の人生を生きなさい』と優しく声をかけてくれたのは気仙沼のお母さんだった。その言葉はまるで実母が私に語りかけているかのようにすっと私の身体に染み渡り、そしてこんな感情が私の中に生まれてきた。『生まれてきて死んでゆくそれは誰しもに与えられた平等なこと過去は変えられないしましてや未来のことなんてわからない だとしたら目の前にあるこの人生をとことん生きてやろう』過去6年間のそんな思いを、すっと掬い取り出来たのがこの写真集『赤い河』です。ぜひゆっくりとした時間の中で見て欲しいです。できれば朝の光の中で」(熊谷直子氏コメント)流れゆく先にある風景、因果の奔流に弄ばれる我々がそれでも自ら選びとり、繋げてゆく風景を見てみたい--、熊谷のそんな思いを込めた展示が並ぶ。11月26日にはオープニングレセプション、12月2日には熊谷が「作品から濃厚な生の匂いがする」と敬愛する写真家・野村恵子をトークゲストに迎え、「生と死、そして女性であること」などお互いの表現に通底するテーマについて語るトークイベントも開催。トークイベントはメールにて事前予約制(申込先:bookobscura@indoorbooks.jp 担当:黒﨑)。「熊谷トークイベント」と題し、参加者名、人数、ご連絡先を明記の上、申し込み。 参加費は当日支払い。【イベント情報】つむぐ会期:11月20日~12月4日時間:11:00~20:00会場:book obscura ブックオブスキュラ住所:三鷹市井の頭4-21-5 #103定休日:火曜日*12月2日はトークイベントのため、17時クローズオープニング レセプション会期:11月26日時間:15:00~20:00入場無料、予約不要熊谷直子 × 野村恵子(写真家) トークイベント会期:12月2日時間:18:00~20:00定員:30名参加費:1,000円(ドリンク代込み)【書籍情報】『赤い河』写真:熊谷直子刊行:TISSUE PAPERS80ページ/257×182mm発売:2017年4月価格:3,000円
2017年11月24日熊谷守一没後40年の大回顧展が、2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)の期間、東京国立近代美術館で開催されます。スケッチや日記まで含めて200点を超える展示品が集められ、97年の人生をひたすらに生き、描き続けた熊谷の人生と、その創作の秘密に迫ります。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家、クマガイモリカズ花や鳥や虫、何気ない庭の一角。明快な線と色で身近なものを描く作品で広く知られる熊谷守一。一見おだやかに見える作品の背後には、科学者のような観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠れています。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家の軌跡を存分に紹介する――それがこの、没後40年の大回顧展です。●熊谷守一とは1800(明治13)年、岐阜県恵那郡付知村に生まれた熊谷は、1897(明治30)年に上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らに師事しました。一時帰郷して材木運搬などの仕事に就くも、再上京。二科会を中心に発表を続け、二科技塾の講師も務めます。戦争を挟んで次々と家族の死に見舞われた熊谷。戦後、明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立し、97歳で没するまで制作をおこないました。熊谷は、こんな言葉を残しています。「みんなはわたしのことをすぐ仙人、仙人と呼びますが、わたしは仙人なんかじゃない、当たり前の人間です……」熊谷守一の実直な人柄が偲ばれる言葉ですね。●展覧会の構成※章のタイトルは全て仮題です●1章 画業の始まり(1910-1920年代)1900年、熊谷は東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、黒田清輝らの指導を受けました。授業で人体のデッサンを学び、1920年代以降の裸婦像の基礎を作ります。また、闇の中でのものの見え方を追究するなど、早くから独自のテーマにも取り組みました。1910年、故郷岐阜に戻り、材木を扱う仕事に就いたのち、再上京。山仕事の経験は生涯、作品や生活態度に影響を与えました。●2章 さまざまな模索(1930-1940年代)この時期の熊谷は、絵の具を厚く塗り重ねる技法を用いて多くの裸婦像を描きました。また、山や海に出かけて風景画を制作してもいます。こうした裸婦像や風景画の中から、くっきりした輪郭線と色に特徴付けられる戦後の作風が、次第にかたち作られていきました。この頃に描かれた膨大な数のスケッチは、戦後の作品にも繰り返し使用され、熊谷作品の土台を成すものとなりました。油彩以外に書や水墨画を手がけるようになったのも、この頃です。●3章 線と色の完成(1940-1970年代)戦中から戦後にかけ、くっきりした輪郭線と色を特徴とする、もっともよく知られた画風が完成しました。熊谷は76歳の時に体を壊し、それ以後は自宅から滅多に出ず、庭の花や虫、鳥といった身近なものを描くようになります。しかしながら実は、こうしたモチーフのいくつかは、1940年代に描かれたスケッチに登場しています。そのことからも、長期にわたってねばり強く関心を持ち続ける熊谷の制作の特徴がうかがえます。【展覧会概要】名称:「没後40年熊谷守一生きるよろこび」会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:千代田区北の丸公園3-1URL:
2017年09月01日楽しみ方はそれぞれ! お風呂もグランピングもボルダリングも満喫2016年9月に埼玉県・熊谷市にオープンした「おふろcafé bivouac」は、お風呂でポカポカのまま、ほっこりのんびり贅沢な休息時間を過ごせる、新しいスタイルのグランピング温浴施設です。メインとなるお風呂は、露天風呂や高濃度炭酸泉、薬湯など8種あるほかフィンランド式オートロウリュ完備のサウナがあり、男女共に無料で泥パックもできます。館内では館内着のまま、赤々と燃える暖炉を囲んだグランピングゾーンでハンモックやテント、ツリーハウスに寝そべって雑誌を読んだり、池をかたどったポンドソファや山小屋風ソファで木の幹形のクッションを背にうたた寝したり、無料の挽きたてコーヒーを味わいながらモノポリーに興じたり、ボルダリングウォールに挑戦することもできます。館内には10,000冊のコミック・雑誌や、無料PCスペースを設けたコワーキングエリア、マッサージ機、フリーWi-Fiなど、無料アイテムが充実。ボディメンテナンスで日頃の疲れも癒すまたフットケアやオイルマッサージなどの有料リラクゼーション&エステメニューも豊富なので、ボディメンテナンスして日常から解放されるもよし。館内に流れる音楽も専任の音楽セレクターが時間帯によってテンポやムードを変えているため心地よく、リラックス度は満点。おなかが空いたら、本格グリル料理がいただけるキャンピングレストランへ。日本全国の名酒を取り揃えたカフェバーもあり、心身を解き放って贅沢な時間を過ごせます。取材・文/武位教子スポット情報スポット名:おふろcafé bivouac住所:埼玉県熊谷市久保島939電話番号:048-533-2614
2016年11月01日2016年9月10日(土)、埼玉の熊谷にグランピングをコンセプトにした新感覚の温泉施設「おふろcafe bivouac(カフェビバーク)」がグランドオープンします。営業時間は10時から翌朝9時の23時間。温泉と一緒に優雅な屋内キャンプや漫画・雑誌、音楽などをゆったりと楽しめます。都内から車でわずか90分と、ドライブと温泉を日帰りで楽しみたい方にぴったりのスポットです。コンセプトはグランピング!「おふろcafe bivouac(カフェビバーク)」が9月オープン「おふろカフェビバーク」は、ユニークな日帰り温泉の運営で知られる株式会社 温泉道場が手掛ける新たな温泉施設です。「北欧のゲストハウス×トラベルカフェ」がコンセプトの温浴施設、「おふろcafe utatane(カフェ ウタタネ)」の姉妹店として2016年9月10日(土)にオープンします。場所は6月末に閉店したサイタマ健康ランド跡地です。おふろカフェビバークのテーマは、「おふろ×cafe×グランピング」。ここ数年で人気急上昇中のラグジュアリーなアウトドアスタイルが体験できる、新感覚の温泉施設です。グランピング気分が楽しめる温泉施設!館内には約5mのボルダリングウォールやテント、ハンモックが設置されており、まるでキャンプに来たような楽しい雰囲気が広がります。また、飲食ゾーンでは自分で淹れられる本格ドリップコーヒーや厚切りステーキ、コロダッチサーモンなどキャンプで定番のメニューを提供。さらにアウトドアメーカーの食器の使用やテント席の設置も予定されています。ほぼ1日中営業!暖炉の炎を見ながらリラックスおふろカフェビバークの営業時間は午前10時から翌朝9時の23時間と、ほぼ1日中です。無料スペースでは暖炉の炎を眺めながら、挽きたてコーヒーとマッサージチェアを堪能したり、1万冊の漫画と雑誌を読んだり、さらにはDJ ブースから流れてくる音楽を聴いたりと思い思いの時間が過ごせます。さらに、Free wifiとFreeコンセント、仮眠スペースも設置。温泉には高濃度炭酸泉や無料の泥パック、毎時自動ロウリュが用意されています。煩わしい日常生活をしばし忘れて、思う存分リラックスできる大人の隠れ家的スポットです。新施設詳細施設名:おふろ café bivouac(カフェビバーク)住所:埼玉県熊谷市久保島 939(旧:サイタマ健康ランド)グランドオープン:2016年9月10日(土)10:00~※9:30 よりオープニングセレモニーを実施営業時間:10:00〜翌9:00定休日:無休公式サイト:
2016年09月02日ハイアールアジアは3月19日、埼玉県熊谷市に新たなR&D(研究開発)拠点となる「ハイアールアジアR&D」の開所式を行った。このたび開所したR&D施設は、ハイアールアジアの100%子会社であるハイアールアジアR&Dが利用する。冷蔵庫、エアコンを中心とした白物家電の基礎研究や企画、デザイン、設計、製品の品質保証に関わる業務を行う拠点という位置付けだ。産学連携など外部機関との共同研究・開発を行うオープンイノベーションの場としても機能させていくという。ハイアールアジアR&Dは、グローバルに展開するハイアールグループのR&D拠点で5カ所目にあたり、敷地面積は約12,426平方m、延床面積は約14,930平方mと、世界でも最大規模を誇る。2012年に三洋電機の白物家電事業を買収し、日本法人を設立したハイアール。今回の新施設は群馬県大泉町にあった旧三洋電機時代の製作所を移転するかたちで、2013年7月に着工、2015年1月に竣工した。大泉町の施設と比較して、約1.4倍の規模となる。敷地内には、6階建ての事務棟のほか、5階建ての実験棟、2棟の別棟を有する。土地、建物、研究開発にまつわる設備機器などを含めた投資額は約70億円だ。現時点での従業員数は約200人だが、年内には300人に増員する方針でいる。○熊谷の地で、イノベーティブな製品をハイアールアジア 代表取締役社長兼CEOで、ハイアールアジアR&D 代表取締役会長兼CEOを兼務する伊藤嘉明氏が、新施設のお披露目となる開所式に登壇した。伊藤氏は「2012年に、日本の技術を世界に向けて発信するR&D拠点を埼玉県熊谷市に設置するプロジェクトがスタートした。1月14日に開催した戦略発表会では、"世界初"のプロダクトを複数発表したが、そういった製品を生み出していくというのがこの場所のコンセプト。例えば、戦略発表会で披露した一つ、液晶ディスプレイ付き冷蔵庫は、"冷蔵庫付き液晶ディスプレイ"ともいえる。このように、白物家電・黒物家電という境目はなくなっていくだろう」と述べた。また、伊藤氏は"家電"という枠組みすらなくなっていくと説明。「先述の液晶ディスプレイ付き冷蔵庫は、モノのインターネット化と呼ばれる"IoT"(Internet of Things)デバイスの一つともいえる。将来的には家電業界とその他の業界の差すらなくなっていくと考えている。こうしたイノベーティブな製品群の開発を、この地でさらに加速していく。地域に根ざしながら、グローバルカンパニーとして製品を開発し、熊谷から世界へ発信していきたい」と所信を表明した。○熊谷から世界へ発信できることを誇りに思うそのほか、開所式には自治体関係者も参列した。上田清司・埼玉県知事は来賓として挨拶。上田氏は「100カ国以上に展開するグローバル企業のハイアールが埼玉県へ進出したことに、県民を代表して歓迎の意を表明したい。技術やネットワークがこの地に結集し、新しい製品がここから生まれて、世界的に貢献していくことを期待したい」とコメントした。富岡清・熊谷市長は「ここから世界に向けて素晴らしい製品が発信されていくことを、市民として誇りに思う。産学連携をはじめ、市民との連携を深める企業として地元の中でも存在感を高めていただけるのでは。自治体としても最大限に支援をしていきたい」と語った。新拠点の開所に先立ち、ハイアールアジアは今春からプロ野球独立リーグに加盟した、熊谷市を拠点とするBCリーグ所属の球団「武蔵ヒートベアーズ」と1年間のスポンサー契約を結んだと3月9日に発表している。ハイアールアジアR&D 代表取締役社長に就任した時振玉氏も「地元の経済発展にも貢献していきたい」と述べるなど、グローバル企業ながら地域に密着した発展を目指している意向を改めて強調した。
2015年03月20日ペット可物件を紹介するポータルサイト「しっぽ不動産」では、埼玉県熊谷市の「猫付きマンション」を案内している。○猫付きマンションとは「しっぽ不動産」は、飼い主のいない猫の保護や飼育希望者への譲渡などの活動を行う「東京キャットガーディアン」がプロデュースする、ペット可物件を紹介するポータルサイト。同サイトでは、通常のペット可の物件のほか、「猫付きマンション」も案内している。猫付きマンション」とは、保護されている猫たちを、保護猫カフェから預かり、一緒に暮らすことができるマンションのこと。猫を飼うのはもちろん強制ではなく、入居者の自由。猫を希望した入居者は、キャットガーディアンが運営する保護猫カフェから、一時預かりの形で、猫(1歳以上の成猫)を引き取ることができるのだ。猫を預かっている際の食事代や医療費などは入居者負担となる。そして、もし引っ越しをした際など猫と暮らすことができなくなった際は、キャットガーディアンに猫を返すことができる(もちろん、猫をそのまま引き取ることを選ぶ人もいる)。○スーパーやコンビニにも近い今回、案内する猫付きマンションは、JR高崎線「熊谷駅」から歩いて25分の1DK。スーパーやコンビニが近く、生活しやすい。さらに、猫飼育時も礼金・敷金は必要ないので、何かと出費の多い新生活には嬉しい限りだ。押入れが付いているので、猫砂やキャットフードなど、かさばるものも収納できる。床はクッションフロア。樹脂製なので、猫がそそうをしてもシミになりにくく、拭き取りやすい。賃料は月額3万円、共益費は賃料に含まれている。礼金・敷金はなし。現在募集しているのは、2階の物件。猫との暮らしがスタートするのは、物件に入居してから。入居後、一緒に暮らしたい猫(成猫)を東京キャットガーディアンのシェルターで選ぶという流れとなっている。物件詳細は、「しっぽ不動産」で案内している。○レポート記事実際の猫マンションでの暮らしぶりについては、東京都・目黒区のマンション、東京都・中野区のマンションで、それぞれレポート記事を公開している。
2014年11月26日伊勢丹新宿店本館7階催事場にて、「ザ・ブラックセンス・マーケット・イン・イセタン(THE BLACK SENSE MARKET in ISETAN)」がオープンした。同期間限定ショップは雑誌『センス(SENSE)』が手掛ける特別受注企画「ザ・ブラックセンス・マーケット(THE BLACK SENSE MARKET)」と伊勢丹メンズ館とのコラボレーションによって誕生したリアル店舗で、2月に続いて2度目となる。期間は9月1日まで。今回のテーマは「The Riders Creation」。男の艶や嗜みを表現するエレガントなライダーススタイルがドラマチックに紹介され、総計60ブランド以上のアイテムが一堂に会す。会場には、「ファブリック」「レザー」「ビンテージ」「ミニマム」「デコラティブ」などのキーワードごとに集められたライダースが所狭しと並ぶ中「ハーレーダビッドソン(HARLEY DAVIDSON)」のバイクも展示され、着用して街を駆け抜けるシーンをも彷彿させる。また、イタリアバイク「ドゥカティ(DUCATI)」の横に並ぶのは、同ブランドと「ジョルジオブラット(GIORGIO BRATO)」とのコラボレーションによって誕生したアイテムの数々。日本初お披露目となるコラボレートアイテムは全16型で、イベント期間中に受注オーダーが出来る。価格帯は20万円台から60万円台。更に、会場奥に設えられた「THE BLACK SENSE LOUNGE」では、「タリスカー ストーム スパイシー ハイボール(TALISKER STORM Spicy Highball)」「アードバッグ 10年 ジンジャーハイボール(ARDBER TEN Ginger Highball)」「ロン サカパ モヒート(Ron Zacapa Mojito)」(各800円)に加え、「ヘネシーソーダ(THE Hennessy Soda)」(600円)などのプレミアムハイボールを楽しむことも出来る。8月31日の15時から17時には、『センス(SENSE)』編集長の守谷聡と、今回の企画に賛同した8名のデザイナー・ディレクターによるスペシャルトークショーが開催される。参加者は、「ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理、「ホワイトマウンテニアリング(White Moutaineering)」の相澤陽介、「ユリウス(JULIUS)」の堀川達郎、「バックボーン(BACK BONE)」の北原哲夫、「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」の三原康裕、「ファクトタム(FACTOTUM)」の有働幸司、「ベドウィン&ザ・ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEATBREAKERS)」の渡辺真史、「アタッチメント(ATTACHMENT )」の熊谷和幸。トークは1名につき10分程度で入場無料。
2014年08月28日4人目の登壇は、守谷がとても身近な存在と語る「バックボーン(BACKBONE)」の北原哲夫。2月23日に国立代々木体育館で開催されたSENSEフェス内でのランウエイショーのスタイリングも北原が主に手掛けたという。バックボーンについて守谷は「以前は無骨なイメージもあったが、年を重ねるに連れ着心地も重視している」と語り、北原は「スタイリストとして数多くの服に触れてきたからではないか」と答える。そして北原は、ブランド開始から10年を迎え、今後バックボーンでは誰でも袖を通していいと感じてもらえるリアルクローズを追求していきたいと語った。5人目のゲストは今回が初めてのトークイベントだという「アタッチメント(ATTACHMENT)」の熊谷和幸。自身のブランド設立前に勤めていたイッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)について「僕にとって素材を開発して、作品を考えていくデザイン学校だった」とコメント。同企画の限定品として青を基調にしたジャケットとショート丈のパンツをデザイン。「SENSEだったら黒。というところを伊勢丹とのトリプルコラボということで、あえて表地は青、裏地を黒にしてみた」とコメントした。6人目の登壇は、ほぼ人前に出て語ることはないという「ユリウス(JULIUS)」の堀川達郎。自身のブランドとコラボレーションした「クボラム(KUBORAUM)」のサングラスを掛けて登場。パリでコレクション発表を続ける堀川は「ここ数回のコレクションは、前回のシーズンを引き裂いて、更地からスタートさせている。新しいことしかしたくない」とコメント。堀川の「黒はカラフル。黒だけどトーンは様々」という言葉に守谷が感銘を受けるシーンも。同企画限定品として、14-15AWのコレクションアイテムを素材を変えて提案。構築的なシルエットのブルゾンやパンツも、ポリウレタンを入れるなどして着心地の良さも備えていると話した。3/3に続く。
2014年03月05日桐谷健太が映画俳優になることを決意したのは、保育園の頃だったという。夢が叶ったのは20代前半。井筒和幸監督がメガホンを握った『ゲロッパ!』で銀幕デビューを飾る。井筒監督について尋ねたとき、真っ先に出てきた言葉は「確実に自分の人生を変えてくれた人」。それは決して大げさではない。続いて出演した井筒作品『パッチギ!』ではエキセントリックな不良学生役で存在感を発揮。この作品での爆発に誘発されるかのようにその後、『ROOKIES』や『BECK ベック』などハマり役とも言えるハジけた役柄を次々と好演し、着実に若手人気俳優としての道を歩み始めた。そして2012年、井筒監督が三度、桐谷さんを変える!まもなく公開となる『黄金を抱いて翔べ』で桐谷さんはメガバンクの地下に眠る黄金強奪を目論む一味に加わっている。本作で桐谷さんが自らに感じた変化、成長とは――?公開を前に熱く語ってくれた。「井筒さんが『映画を撮る』、『健太をメインどころで使いたい』と言っていると聞いて、内容も何も全然聞かずに『はい、やります!』と言ってました(笑)」と明かす桐谷さん。原作は人気サスペンス作家・高村薫のデビュー小説で、井筒監督が長年、映画化を切望してきた作品でもある。大阪のメガバンク本店から240億円相当の黄金を盗もうとする6人の男たちの姿を描く。『ゲロッパ!』に始まり、『パッチギ』シリーズ2本を経て、井筒作品への参加は本作が4作目。「抽象的な言い方しかできないけど…」と前置きしつつ、井筒組に漂う独特なムードをこう表現する。「空気の粒子が細かいというか、クッキリしている気がします。あの空気に触れると『うわぁ、始まるんだ』って感じがして、撮影中も『オレはいま、映画を撮っているんだ』というのを強く感じます。緊張感とみんなが一つの方向を向いている一体感がある。それができるのは監督の中で自分がやりたいこと、撮りたいものがはっきりとあるからだと思います」。ちなみに過去3作品で桐谷さんは、監督からの罵倒あり、ムチャぶりありという厳しさの中で鍛えられたという。「メチャクチャに怒鳴られてましたよ。『このシロウトがっ!』とか平気で言ってきますし、『健太、なんか面白いことやれ。はい、本番!』みたいな指示も出るし(笑)。こっちは考える間もなく直感でやってました。やってみたら『面白いやんけ。それでええんや』って。そのおかげでテストからどんどん自分のやりたいことをアピールするようになりました。直接、そういう言葉を掛けられたわけじゃないけど『やりたいことを全力でやってみたらええんや』ってことを教わったと思います。そこからブッ飛んだ役やテンションの高いキャラクターのオファーがどんどん来るようになりましたね」。黄金強奪を企てるチームのメンバーを演じる共演陣には妻夫木聡に浅野忠信、溝端淳平、チャンミン(東方神起)に西田敏行と錚々たる顔ぶれが並ぶ。井筒監督が、この俳優たちとならできると確信を持って撮影に臨んだということもあってか「監督が現場で大声を出すことはほとんどなかった」と桐谷さんはこれまでの現場との違いを証言する。そしてもう一つ、これまでと何より大きく違うのが桐谷さんに与えられたキャラクター。井筒作品で、しかもこの面々の中に桐谷さんの名が並んでいると、どうしても桐谷さんが演じた野田という男に対し、ハジケっぷりのよいイケイケのムードメーカーの男を想像してしまうが、意外にも野田はクールなシステムエンジニア(!)。黄金強奪に向けてブレーキをかけることを知らない“肉食系”、“野獣系”の男たちの中にあって、逃げ腰でビビリ気味の一面を覗かせる。「こういう役を井筒監督からいただけたというのが何より嬉しかったです。最初に話を聞いたときは『またブッ飛んだ役かな?』と思ったので、システムエンジニアと聞いて一瞬『マジで!?』って(笑)。このメンバーの中で野田がどういう存在かと考えたら、映画を観ている人の感覚に一番近い男だと思うんですよね。逆にほかの連中は『なんで?』って言いたくなるくらい飛んでるから(笑)。その意味で、観る人にこの物語をありそうな話だと感じてもらう上でキーになる男。一方で、すごく奇妙さを感じさせる男でもあるんです。しかも第一印象で『こいつおかしいよね』と思わせるのではなく、じわじわと胡散臭さがにじみ出てくる。そこは意識しましたし、演じていて楽しかったです」。また新たな一面を井筒監督に引き出してもらった形だが、桐谷さん自身、20代から30代と年齢を重ねていく中での自身の変化に“必然”を感じていたとも明かす。「なかなか言葉にはできないけど、日常を含めてあらゆる面で自分が変わっていっていることを感じてます。そういう内面的なところでの変化がない限り、入ってくる役柄も変わらないんじゃないか?という思いもありました。芝居って結局、自分以上のものはできない、全ては自分の中から出てくるものだと思ってます」。冒頭でも述べたように映画俳優になることは保育園のときからの夢であり、20代前半でその夢を叶えたが、桐谷さんはそこから一度として立ち止まったことはない。常に演じることへの飢餓感をもって10年もの年月を疾走してきた。「もうガムシャラですよね。思い返せばいろいろな作品をやってきたけど、その一つ一つで瞬間を生きてきたというか、あまり意識的じゃなかった。ようやく30歳を超えたあたりで、俯瞰で物語を見られるようになってきたかなと思います。でも、変わらないのは喜びも幸福も一瞬だということ。夢が叶ったときであれ、芝居がうまくいった瞬間であれ、幸福感はあるけどほんの一瞬で、すぐにフラットに戻るんです。だからこそ常に何かに挑戦したいし、変化し続けたいです」。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:BECK ベック 2010年9月4日より全国にて公開© 2010『BECK』製作委員会/© ハロルド作石/講談社ROOKIES−卒業− 2009年5月30日より全国東宝系にて公開© 2009 映画「ROOKIES」製作委員会黄金を抱いて翔べ 2012年11月3日より全国にて公開© 2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会
2012年11月01日ベストセラー作家・高村薫のデビュー作であり、日本推理サスペンス大賞を受賞した最高峰のミステリー小説を、鬼才・井筒和幸監督指揮の下、妻夫木聡を始め浅野忠信ら豪華キャストを迎えて実写映画化した『黄金を抱いて翔べ』。このたび、本作の主題歌に決定した安室奈美恵の楽曲「Damage(ダメージ)」の井筒監督自らが手がけた映画バージョンのミュージックビデオが公開となった。過激派や犯罪者相手の調達屋として生計を立てる幸田はある日、大学時代の友人・北川から240億円の“金塊”強奪計画を持ちかけられる。最初は渋る幸田だったが、北川の計画に渋々乗ることに。さらに、銀行システムエンジニアの野田や自称“工学部留学生で国家スパイ”という裏の顔をもつモモら4人の男が仲間に加わり、大阪の街を舞台に大胆不敵な奪取作戦が始める――。今回、公開となった井筒監督演出による「Damage」の映画版ミュージックビデオは、映画本編映像で綴るスペシャル・バージョン。曲のタイトルや歌詞に連動させた映像が盛り込まれているなど井筒監督の遊び心満載の仕上がりになっている。これまでの安室さんの楽曲イメージとはまた違うハードなロックナンバーに合わせて展開する、疾走感あふれる映像が何とも言えずカッコいい。今回、使用された安室さんの楽曲は配信限定リリースとなり、着うたは10月24日(水)より、着うたフル・PCでの配信は10月31日(水)よりスタートする。まずはこちら動画から、安室さんの最新楽曲と本作のスペシャルコラボレーション映像をご堪能あれ。『黄金を抱いて翔べ』は11月3日(土)より全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:黄金を抱いて翔べ 2012年11月3日より全国にて公開© 2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会
2012年10月22日井筒和幸監督の最新作でお笑いコンビ、ジャルジャルの後藤淳平、福徳秀介が映画初出演にして初主演した『ヒーローショー』が3月26日(金)、開催中の第2回沖縄国際映画祭の「Peace部門」出品作として一般客向けに初お披露目された。舞台挨拶に出席した井筒監督は「5〜6年後くらいに続きの物語をやってもいいかも」と続編の構想を口にした。芸人志望の青年・ユウキ(福徳さん)と自衛隊上がりの不器用な青年・勇気(後藤さん)が無意味にエスカレートしていく抗争に巻き込まれる姿を描く青春ドラマ。ブレイク中の2人とあって、約1,000席の会場内には女性ファンが目立ち、2人が発言するたびに「キャー!」の黄色い大声援。2人の俳優ぶりに井筒監督は「思ったより上手かったよ。やれイケメンとかアイドルとか歌うたいと違って、お笑いの人は1つ持っているところからのスタートやから挑戦ができる」と太鼓判。「(ジャルジャルの)やつらが30歳くらいになって、この業界を辞めてなかったら続きの物語をやってもいいかも、という気がしてきた。5〜6年後くらいにね」と話した。一方、後藤さんは「観終わった後、ズンとくる映画。みなさんの観終わった後の顔が見たい」と反応が気になる様子。24日(水)のオープニング・セレモニーに、先輩芸人のお笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村淳と熱愛中と報道されている歌手、安室奈美恵がサプライズ参加したことを引き合いに、「安室奈美恵さんが来て話題になっていますが、それを超えるほどすごい映画です」と軽妙な調子でPR。福徳さんは「僕らが芸人ということは忘れて観てください」と呼びかけた。『ヒーローショー』は5月29日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)沖縄国際映画祭現地レポート■関連作品:第2回沖縄国際映画祭 [映画祭] 2010年3月20日よりカウントダウンイベント開始、24日から28日まで映画祭開催ヒーローショー 2010年5月29日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2010「ヒーローショー」製作委員会■関連記事:【沖縄国際映画祭】ロンブー淳、キム兄から安室ネタでいじられ大テレ【沖縄国際映画祭】椿鬼奴は「アンニュイで絵になる」【沖縄国際映画祭】哀川翔『ゼブラーマン』続編初公開に拍手【沖縄国際映画祭】破局の松雪泰子、結婚の話題に「機会があれば」【沖縄国際映画祭】パンク黒瀬、“セクシー”谷村美月に「ヤキモチ焼いています」
2010年03月26日