トリップアドバイザーでは、旅行に関するさまざまな情報をインフォグラフィックにして毎週公開する「トリップグラフィックス」の第34回として、「世界の登山鉄道勾配比較」を公開した。トリップグラフィックスでは、世界の登山鉄道がどのくらいの急坂を登っているのか、その最大勾配と路線総延長、坂を上るためのレールの方式などをまとめている。一般に利用される鉄道のレールは粘着式と呼ばれるものであるが、摩擦が少ないため坂道にはとても弱く、日本では最大勾配が35‰(角度では約2°)までと定められている(‰=パーミルとは、1,000分の1を1とする単位。1mを進むごとに1mmの高さを上るのが1‰)。そのため、今回紹介している登山鉄道では、ラック式と呼ばれる特殊な歯車式のレールが採用されている。同サイトによると、世界で最も急勾配の登山鉄道は、スイスにあるピラトゥス鉄道で、その最大勾配は480‰(25.6°)。1m進むと48cmも登ることになる。2位は世界最古のラック式登山鉄道である、アメリカのマウント・ワシントン・コグ鉄道(374‰・20.5°)、3位はオーストリア・シャーフベルク鉄道(255‰・14.3°)であった。なお、日本で最も急勾配の登山鉄道は、静岡にある「大井川鐡道井川線」で、傾斜は90‰。日本では有名な箱根登山鉄道は、最大勾配80‰で惜しくも欄外となったとのこと。今回紹介したグラフィックは、同サイトでみることができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月08日「山ガール」なんて言葉がはやりましたが、山ガールじゃなくても、初夏のさわやかな登山にトライしてみたいという方もいるのでは。今回は、必須アイテムである登山用のバックパックについて、登山用品の輸入・卸を行っている「株式会社ロストアロー」の広報の方にお聞きしました。■一般用とは違う、登山用ならではの性能とは?――登山用リュックサックはどういうところが特徴なのですか?「まず名称ですが、登山やアウトドアの世界では『リュックサック』ではなく、英語のバックパックまたはパック、あるいはドイツ語のルックザックを短くしてザックと呼ばれています。一般的なリュックサックは、デザイン性を重視して形や素材を決めると思います。例えばレトロなデザインにしたり、素材にキャンバスやレザーを用いてみたり。しかし、登山用パックは身体へのフィット感、機能性、軽さが最優先。素材はナイロンまたはポリエステルが主流で、厚さは420デニールクラスが多く、軽量化にこだわったものは210デニールの薄い生地を使う場合もあります。縫製や加工は一般的なリュックサックと大きく変わらないと思いますが、縫い目の裏側にシームテープを接着して防水性を高めたり、ポケットのジッパーには止水ジッパーを用いたりするなど、防水性を高めたモデルもあります。また、縫い目はもっとも傷みやすい所ですので、基本的に縫い目が外側に出ないように作られています」――名前からして違うとは知りませんでした!そんなにいろいろと工夫がされていれば、やはり、使い心地も違うんですか?「登山用パックは身体へぴったりとフィットさせますので、腰を中心として荷物の重さを均一に分散させパックのブレを防ぐことにより、疲労をなるべく抑えるように各社が工夫をこらして開発しています。こうしたつくりは、背面システム、フィッティングシステムなどと呼びます。ほかにも、ショルダーストラップとヒップベルトの厚さ・形状のこだわり、背中の長さに合わせてサイズ調整ができる背面長調整システム、背中と接する背面部分の形状や素材を工夫して汗蒸れを防ぐ、骨格の異なる男性用と女性用モデルに分ける……など、まずは背負い心地重視です。また、使い勝手については登山で用いるさまざまなツール(トレッキングポール、水筒、ヘッドランプなど)を取り出しやすいようにポケットやアタッチメントが装備されていますし、荷物が少ないときにパックが型くずれしないように、サイドにはコンプレッションストラップもあります。形状はシンプルな筒型の物から流線的な物までさまざまですが、共通しているのは、背負ったときに荷重がなるべく身体の重心に近づくよう、上部は細く、腰に近づくにつれてやや太くなる形状になっていること。後ろに垂れ下がったり、身体の横にはみ出したりするような形状のものはありません」■登山デビューの人におすすめのバックパックって?――まさか、骨格から考えられているなんて!自分にぴったりものを選ぶには、どうしたらいいでしょうか。「初心者は日帰りまたは1泊2日程度の山行が多いと思います。容量は30~40リットルでシンプルなデザインの物がよいでしょう。雨ブタと本体に分かれている物が使いやすいと思います。あまりごてごてとアウトポケットがついている物は一見便利そうですが、何をどこに入れたかわからず、意外と使いにくいものです。また、クライミング用や軽量化に特化した特別モデルなどは、用途が限定されたり、快適性や耐久性が犠牲にされていたりすることもあるので、初心者は避けた方が良いでしょう。購入の際には実際に背負って、違和感がないことを確かめてください。ショップによっては10kg程度の荷物を入れたパックを用意している場合もあります。パックは身体に正しくフィットさせないと効率よく背負えませんので、取扱説明書を読んだりしてフィッティング方法を学んでください」――おすすめのブランドなどがあれば教えてください!「当社の取扱商品では、アメリカの『オスプレー』というブランドがフィット感に徹底的にこだわったパックとして高い評価を受けています。背中を包み込むようなフィット感が、重い荷物を背負うつらさを軽減してくれます。オスプレーは長期登山用の大型パック、トレッキングパック、超軽量小型パック、豊富な女性モデルのラインアップ、キッズ用登山パックなど、すべての登山者のニーズに応えられる幅広いラインアップが特徴です」――パックの使用で、何か注意することはありますか?「パックは生地が薄いものが多く、岩角や木の枝などに引っかけたり、鋭利な物をそのまま入れたりすると簡単に裂けてしまうので気をつけてください。地面の上を引きずるのも禁物です。お手入れは、山行後は荷物をすべて取り出し、逆さにして中のゴミや土などを落とし、ぬれた場合は陰干ししてよく乾燥させてください。汚れがひどい場合は中性洗剤で手洗いをし、自然乾燥を。その後、すべてのストラップを緩めた状態で、乾燥した場所に日光や熱を避けて保管してください」――せっかく本格的なパックを買うなら、しっかり長持ちさせたいですもんね。ありがとうございました!株式会社ロストアロー登山、クライミング、バックカントリースキー、アウトドア用品の輸入・販売。登山先進国であるアメリカ、ヨーロッパの道具をクライマー視点で厳選し、日本国内でのメンテナンスなどの問い合わせにも対応している。(島田彩子)
2012年05月26日病院・福祉施設向けの「栄養サポート食」を開発・製造・販売するニュートリーは、標高8,027mの雪山・シシャパンマに挑戦する、登山家・栗城史多(くりき・のぶかず)氏の登山遠征を、栄養面からサポートしている。栗城氏はすでに日本を出発しており、5月下旬に登頂アタックの予定。今回、栗城氏が現地での栄養補給のために選んだのは、日本の医療・介護施設で広く利用されている「病院食(サプリメント)」。多くの栄養が配合されているのに少量であるという「携帯性」、病院食とは思えない「おいしさ」、栄養のプロも認める「ハイスペック」で、医療現場のみならず、8,000m超の雪山でも活躍する。標高8,000メートルを超える雪山登山は、肉体を酷使する過酷な環境。しかし、このような環境では、通常の食事を摂ること自体が難しく、また十分な栄養素を確保することも非常に困難。そこで、病院や介護施設で利用される、少量に多種・多量の栄養素を凝縮配合した「病院食」が登山時の栄養補給食品として選ばれたという。■栗城氏への提供製品 「ブイ・クレス」…ビタミン・ミネラルの補給飲料 「ブイ・クレス グルコサミン」…グルコサミンを追加配合 「アイオールソフト」…5大栄養素とカロリーを摂取 「アイオールソフト用ソース(全5種)」…専用ソース 「ブイ・クレス」は、1日1本で12種類のビタミン類と鉄・亜鉛などミネラル類を補給することが可能。1本125mlとコンパクトな設計になっている。キャロット、ピーチ、ラ・フランス、ブイ・クレスベリーズに、新製品「ブイ・クレス グルコサミン」が加わった。「アイオールソフト」は、人に必要不可欠なタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの「5大栄養素」と「カロリー」(130mlで200kcal)を補給できるバランス栄養食。豆乳ベースのプレーンな味で、専用ソース(リンゴ、みたらし、エスプレッソ、ピーナツ味噌、黒蜜)のほか、カレーやしょうゆなど好みの味付けで利用できる。価格は、「ブイ・クレス」が、1本(125ml)が30本入りで5,355円(税込み)、「アイオールソフト」は、130ml(他80ml、200ml)×24カップが 5,520円(税込み)。全国の病院・介護福祉施設に卸している販売代理店、通信販売で購入可能。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月11日箱根登山鉄道は3月17日、箱根登山鉄道線(小田原~強羅間)と箱根登山ケーブルカー(強羅~早雲山間)の全線でダイヤ改正を実施する。特急「メトロはこね」が毎日運転となるほか、小田原~箱根湯本間の各駅停車が赤色の車両に統一される。小田原~箱根湯本間は現在、小田急線から乗り入れる特急ロマンスカー以外は各駅停車のみの運転となっている。今回のダイヤ改正で、各駅停車は一部列車を除いて小田原~箱根湯本間の折り返し運転となり、小田原駅11番ホームが各駅停車の発着番線になる。車両は箱根登山電車のシンボルカラーである赤色をまとった小田急1000形車両に統一されるとのこと。また、これまで土休日のみ1日2往復運転していた東京メトロ千代田線との直通特急「メトロはこね」(北千住~箱根湯本間)が、平日にも1日1往復運転されることに。平日日中の特急ロマンスカー「はこね」が新設(下り・上りとも1本ずつ)される一方、平日夜間に運転されるロマンスカーのうち、下り・上り各2本に関して、箱根登山鉄道線内での運転が取りやめとなる。小田原~箱根湯本間でダイヤが変更されるのにともない、箱根登山電車の箱根湯本~強羅間と箱根登山ケーブルカーの発着時刻も変更される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月15日