資生堂が10月24日、ミス・シセイドウ誕生80周年を記念した特別公演「新 近代美容劇 ひとを美しくするひと―資生堂ビューティーコンサルタントものがたり―」を資生堂銀座ビルで開催した。ミス・シセイドウは、接客対応をする現在のビューティーコンサルタント(以下BC)の前身で1934年に誕生。社会で活躍する女性がまだ少なく化粧が一般的でなかった昭和初期に、7ヶ月にも及ぶ研修期間で彼女達は広い知識と教養を身につける。そしてテレビのなかった時代に正しい美容法を伝えるべく、生活の中の化粧シーンを切り取った「近代美容劇」の上演を全国で行ったという。本公演はミス・シセイドウ誕生から80年の節目を迎え、受け継がれた思いや未来の希望を綴り観客に体感させる“演劇形式のプレゼン・ショー”として、多くの現役BCが出演し1日限りで上演。研修中の新人BC「椿」(主演・マイコ)のもとに80年前のミス・シセイドウ(真行寺君枝)が現れ、資生堂の歴史と未来を共に辿るストーリーだ。放送作家・脚本家の小山薫堂が原作、舞台演出家・劇作家のG2が脚本・演出を務めた。劇中にはBC歴代の制服が登場するが、これまでに山本耀司や三宅一生といった日本を代表するデザイナーが手掛けており、今年に入ってからはベルギーのデザイナーヴェロニク・ブランキーノ(Veronique Branquinho)がデザインした制服も話題を呼んだ。また未来へ向けた取り組みなども披露し、世界初取得特許サービスとなるウェブを通じてカウンセリングを行う「おうちで美容相談」や、画面を通しバーチャルで新作メーキャップを体験できる「トゥルーミラー」、フェイスマッサージの手の動きを音に変えた、リラックス効果のある音楽ソフトなどを紹介した。
2014年10月25日恐怖漫画の第一人者・楳図かずおの初監督作『MOTHER マザー』が9月27日(土)に公開を迎え、楳図監督を始め、主演の片岡愛之助、舞羽美海、真行寺君枝が都内劇場で舞台挨拶に臨んだ。楳図作品の“原点”と言える楳図監督自身の母親の存在にスポットを当て、ホラー仕立てにした本作。漫画家・楳図かずお役を愛之助さんが、楳図の母の“謎”を調べる新人編集者を舞羽さん、そして楳図の母を真行寺さんが演じている。おなじみの赤白ボーダーシャツで登場した楳図監督は早速「グワシ!」で挨拶。登壇したキャスト陣を見やり「みなさんにしっかりとお芝居で表現していただき、いい映画になったと満足しています!」と自信満々に語る。楳図監督にとって本作の公開は初の監督作のお披露目であると同時に、1995年に連載を終了した漫画「14歳」以来、実に19年ぶりとなるオリジナル新作の発表となる。楳図監督は「漫画や映画というものを超えた、『14歳』と地続きの僕の中の新作。『14歳』以来、19年ぶりにみなさんに見ていただいてやっとひと息つけたなという感じです」と晴れ晴れとした表情を見せる。陽気な楳図監督の挨拶に愛之助さんもニッコリ。「いつも監督は現場でもこんな感じでホラー映画を撮ってる気がしませんでした」とふり返る。本作の楳図かずお役を始め、仮面ライダー、ドラマ「半沢直樹」のオネエの官僚など映像作品では“独特”の役柄を演じる機会が多いが、自らこの点に言及し「三谷幸喜さんに『普通の映画には出ないの?』と言われました(笑)」と告白。それでも、本作を観た三谷さんからは「普通の映画おめでとう」という祝福(?)メールが届いたそうで嬉しそうにニッコリ。また、楳図作品が自らの主戦場である歌舞伎と「共通するところが多い」とも。「女性が美しく“美”というものを意識しているところ。『グワシ』などの決めポーズは歌舞伎で言う見得(みえ)ですよね?本作にも随所に歌舞伎と共通するところがあり、すんなり入れました」と明かす。舞羽さんは、宝塚の娘役のトップから楳図作品のホラーヒロインへと華麗な(?)転身を遂げたが「まさかやるとは…(笑)」と苦笑しつつも、「現場に入るとアクションが多くて、走ったり転んだりでした」とふり返る。そして「妖しくて、美しくてスクリーンから“キレイ”がはみ出るよう!」(楳図監督)、「こんなお母さん、美しすぎませんか?」(愛之助さん)と監督&主演俳優をして言わしめるほどの妖艶な美を見せつけた真行寺さんは「子どもの頃から楳図作品のファンで、『へび少女』は19歳まで頭から離れずトラウマだった」と語り、「この映画は私にとっての先生へのリベンジです!」と不敵な笑みを浮かべていた。舞台挨拶の締めはやはり、監督、キャスト、そして観客で一斉に「グワシ」!愛之助さんの「先生はやり残したことがあるそうです」という言葉に、楳図監督は「かなり大きなシーンを(削った)。あのシーンがあったら200点だったんですが…」と少し残念そう。愛之助さんは「『MOTHER 2』でぜひやりたいと思います!」と早くも続編への意欲を口にし、会場は拍手に包まれた。『MOTHER マザー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マザー 2014年9月27日より全国にて公開(C) 2014「マザー」製作委員会
2014年09月27日日本を代表する鬼才漫画家・楳図かずおが27日に東京・新宿ピカデリーで行われた初監督作『マザー』の初日舞台あいさつに登壇した。映画は亡き母親をモチーフにした自伝的ホラーで「僕にとっては『14歳』から地続きになった、19年ぶりの新作。よくできた映画になった」と手応え十分だった。『マザー』初日舞台挨拶その他の写真本作は、鬼才漫画家・楳図と、彼の自叙伝を担当する女性編集者が、死んだはずの楳図の母の怨念が引き起こす怪奇現象に襲われるというホラー。楳図自身が脚本も手掛け、独特な作風に強い影響を与えたとされる実母との思い出を掘り下げた。舞台あいさつには楳図“監督”をはじめ、主人公である楳図を演じる歌舞伎役者の片岡愛之助、編集者を演じる元宝塚歌劇団雪組の舞羽美海、楳図の母親役を務めた真行寺君枝が出席した。初のホラー作品に挑んだ愛之助は「現場ではずっと笑いっぱなしで、まったくホラー感がなかった。『まことちゃん』世代なので、出演できて本当に嬉しい」と感激しきり。「歌舞伎と楳図先生の世界は、美の集大成という点で共通している。『グワシ!』は歌舞伎の見得と同じですし」と持論を展開し、「実は監督が、この映画でやり残したことがあると聞いている。ぜひ『マザー2』でそれが実現できたら」と続編に意欲を示した。宝塚退団後、初のヒロイン役に挑んだ舞羽は「映像作品は初心者。でも、監督がこと細かに描いてくださった絵コンテが演技の参考になった」。15年ぶりの映画出演を果たした真行寺は「若い頃に読んだ『へび少女』がトラウマになっている。今回は楳図先生へのリベンジのつもりで演技に臨んだ」と話していた。『マザー』公開中取材・文・写真:内田 涼
2014年09月27日