「大事なものをどんどん失ってしまう。何か、すがるものを探しているというか、生きるためのたくましさがあったのでは……」4月11日、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で八重役を演じる新垣結衣(33)はスポーツ紙各紙のインタビューで、八重の心境をそう推察していた。17日の放送回では、小栗旬(39)演じる主役・北条義時と八重が晴れて夫婦に。さらに2人の間に、義時の次の第3代執権となる泰時が誕生するシーンが描かれた。大河のロケが行われている伊豆の国市には八重ゆかりの眞珠院がある。まさに“ガッキー効果”で参拝者が急増しているという。「コロナ禍で中止が続いていた年に1度の『八重姫まつり』ですが、今年は4月10日に4年ぶりに開催できました。非常に多くの方々がお参りに来ていただきました」そう喜ぶのは稲井弘純住職だ。「大河が始まってからは、もうすごい反響です。以前とは比べものにならないほど、御朱印なども求める方が多くなり、土日は駐車場が満車で駐車待ちの状態です」だが実は、八重は悲劇的な末路をたどる伝承が残っていた――。「頼朝が伊豆に流され、伊東祐親の娘・八重姫と知り合い、やがて息子・千鶴丸をもうけます。平家との関係悪化を恐れた祐親は幼児を殺害し、八重姫を自分の館に幽閉してしまいます」(稲井住職)『鎌倉殿』でも大泉洋(49)扮する源頼朝との子が殺されるなどの悲劇は描かれていたのだが……。「八重は1180年7月16日、館を抜け出し頼朝に会いに行きますが、すでに北条政子と結ばれていたのです。ショックのあまり八重は館に帰る途中、『私自身の身を犠牲にして、今後こんな悲しい女性が現れないように守護神になりましょう』と言って、この眞珠院近くの真珠ヶ淵に身を投げたんです。これは、資料などに残っているわけではなく口伝され、眞珠院にずっと伝わっているものです」史実としての八重の生涯について、東京大学史料編纂所の本郷和人教授はこう語る。「八重については歴史上の資料はほとんどありません。伊東祐親の娘で頼朝との間に1児をもうける。そして祐親に2人の仲を裂かれ子供を殺された。史実として確かなのはここまでです」■専門家は「義時と八重の結婚は歴史学的には完全にフィクション」と断言大河では、八重がその後、義時と夫婦になり泰時を出産しているが、本郷教授は「歴史学的には完全にフィクション」と断言する。「史実では、義時との間に泰時を産んだのは阿波局という側室です。この阿波局が八重と同一人物という可能性はゼロですね。阿波局は、頼朝の御所で働いていました。ですから主人は頼朝の妻・政子になります。あれだけ激しい政子が、夫の元妻を同じ空間に置くとは考えられません」大河では八重が御所に行き、一時期、政子(小池栄子)のもとで働くシーンが描かれていた。これは脚本を務める三谷幸喜(60)オリジナルの八重ということになる。NHK関係者はこう語る。「歴史好きの三谷さんは原則として史実を忠実に再現することを心掛けています。そのうえでドラマを面白くするために登場人物をどう膨らませるかを常に考えています。従来、悲劇の女性として描かれてきた八重に関心を持った三谷さんは『新垣さんに演じてほしい』と熱心にオファーしたといいます」大泉と新垣の過去の共演作が起用のきっかけの一つだったという。「’14年公開の新垣さん主演映画『トワイライトささらさや』で彼女は大泉洋さんの妻、そして自身初となる母親役を演じました。この映画のポスターを、三谷さんの監督作『ラヂオの時間』や『みんなのいえ』を手掛けたイラストレーターが描いており、三谷さんもこの映画を見ていたといいます。『鎌倉殿』でも頼朝と八重との間に子供が生まれることから、新垣さんに白羽の矢が立ったそうです。意外なことに三谷さんは新垣さんと仕事をするのが今回が初めて。撮影に入る前に15分会っただけでした」(前出・NHK関係者)制作関係者もこう語る。「かねて新垣さんの演技を高く評価していた三谷さんは今作で『逃げ恥』の、みくり役のイメージを塗り替えたいと強く思っていたそうです。八重は意志が強く、自分の思いに忠実に行動できる女性。実際に会った新垣さん本人と重なる部分が多々あり、新たな八重像が広がったと聞いています」■三谷は《新垣さんは稀有な女優さんだと思う》と絶賛三谷は今年初め、『朝日新聞』の連載エッセイでこうつづっていた。《僕は当て書きの脚本家。俳優さんありきで、その人にどんな役を演じてもらったら面白いか、どんなセリフを喋ってもらったら楽しいか。そこから物語を作っていく》《新垣さんは稀有な女優さんだと思う。(略)ほんの小さな眉の動き、固く結んだ唇が少しだけ緩む瞬間。そういった細かい表情で気持ちを表現する。これってとんでもなく難易度が高いこと》《きっと信じられないほど台本を読み込み、役を自分に落とし込んでいるのだろう》(「三谷幸喜のありふれた生活」’22年1月27日付)前出のNHK関係者が続ける。「三谷さんはもちろん八重が身投げしたという伝承をご存じでした。とはいえ、八重が江間次郎という男性に嫁いだという別な説もあり、江間の領地が伊豆の北条館の目と鼻の先だったことから、義時と結婚するという今回のシナリオが誕生したといいます。三谷さんは新垣さんを2人の英雄と結婚する美女“クレオパトラ”と評し、撮影後も『自分が思い描いていた以上の八重さんでした』とベタ褒め。難役にプレッシャーを感じていたという新垣さんは『全部報われました』と安堵していました」前出の稲井住職も“三谷版”八重についてこう語る。「三谷さんはいろいろな伝承をつなぎ合わせて義時が結婚した女性が八重姫だったということにしているんでしょう。それはそれで、物語的には楽しいですけどね(笑)」史実を超越した、義時と八重の新たなラブストーリーには三谷の“ガッキー愛”が詰まっていた。
2022年04月19日「三谷さんにはMCの経験がありません。それでも今回抜擢された背景には、“相棒”安住アナの意向があるんです」(TBS関係者)4月2日の放送から『情報7daysニュースキャスター』(TBS系)のMCを務めている三谷幸喜氏(60)。前任のビートたけし(75)の後を継ぎ、安住紳一郎アナ(48)と共に番組の進行を担う。現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)も手掛けている人気脚本家の三谷氏と、TBSを代表するアナウンサーの安住アナ。異業種の2人だが、実は親交が深いようだ。「2人は’13年の『ぴったんこカン・カン』(TBS系)で初めて共演しました。以来、プライベートでも連絡を取り合う仲になったそうです」(前出・TBS関係者)交流を重ねるにつれ、「信頼関係が生まれていった」と前出のTBS関係者は続ける。「’19年7月放送の『ぴったんこカン・カン』で番組冒頭から“重大発表がある”と言い、後半までその内容を隠して煽っていました。視聴者は安住アナの結婚や退社を予想しましたが、重大発表とは“安住アナが東京五輪のキャスターに就任した”ということ。当時、視聴者として見ていた三谷さんは『ああいう演出はよくない』と安住アナに“クレーム”を送ったそうです。安住アナはそんな本音を包み隠さず言ってくれる三谷さんを頼もしく感じており、MC起用の決め手になったと聞いています」いっぽうの三谷氏がMCのオファーを引き受けたのには、“打算”があると芸能関係者は明かす。「三谷さんの『Nキャス』1本のギャラは80万円だそうです。前任のたけしさんのギャラは180万円から200万円ほどといわれているので、たけしさんの半額以下。それでも、MC初挑戦の文化人枠としては異例の高額なんです。大河の脚本のギャラは約2千万円で、映画は1本800万円から1千万円。大河は約2年間拘束される大仕事なので、三谷さんは収入減を心配していました。そんななか『Nキャス』のオファーは“渡りに船”だったそうです」三谷氏がギャラを重要視するのには、理由があるようだ。「三谷さんは’13年7月、19歳下の一般女性と結婚。そしてその翌年6月、52歳で初めてお子さんが生まれました。その後、前立腺がんが見つかり、’16年に手術することに。改めて『家族をなんとしても守っていかなくては』という気持ちが強くなったといいます」(前出・芸能関係者)『週刊文春』’21年12月30日号で、《(家庭をもつまで)ギャラが幾らかなんて考えたこともなかった。でも今は違う。三谷家のため、仕事を選ぶ基準はまずそこですから》と語っていた三谷氏。『Nキャス』での活躍次第では、“MC転身”で荒稼ぎする日が来るかも!?
2022年04月08日三谷幸喜1月19日、脚本家の三谷幸喜がTBS系の報道番組『新・情報7daysニュースキャスター』(以下、Nキャス)の総合司会を4月から務めることが報じられた。「『Nキャス』は’08年のスタート当初から安住紳一郎アナとビートたけしさんがメインMCを務める番組。時事ニュースを取り上げながら、ジョークを飛ばすたけしさんと、それをなだめる安住さんの2人の掛け合いが魅力でした。その後任がまさか三谷さんとは……」(スポーツ紙記者)■人見知りで口下手三谷といえば『古畑任三郎』シリーズや、現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本家として知られている。「大学在学中に小劇団『東京サンシャインボーイズ』を立ち上げ、人気劇作家として名が知られました。その後、テレビドラマの脚本を手がけるようになり、現在では映画監督や俳優などマルチに活躍しています」(舞台関係者)活動の幅広さはたけしに引けを取らないが、司会業は初挑戦。今回のサプライズ起用に、一部からは不安視する声も。「三谷さんは自身の性格を“人見知りで口ベタ”と称しており、そんな性格の克服を兼ねて’00年に『気まずい二人』という女優との対談集を出したほどです。それに加えてクリエイター的な独特の感性やこだわりの持ち主ですからね。司会が務まるのかまったく未知数です」(放送作家)■唯一の危惧はメンタル一方で、芸能レポーターの川内天子さんは、彼の起用に期待を膨らませているようだ。「昨年末に行われた『紅白歌合戦』にゲスト審査員として登場したときは、マイクを向けられると“審査委員長の三谷幸喜です”とギャグを織り交ぜて挨拶。もともと“人を楽しませたい”という思いが強い方ですからね。面白いニュース番組になると思います」三谷とたけしには、豊富な肩書以外にも、喜劇出身という共通点がある。「三谷さんの狙いは、ニュースと喜劇の融合を見せたいんだと思いますよ。大がかりなセットを作れないかとか、コント風に解説できないかなど新しい『Nキャス』のアイデアを考えているようです」(制作会社関係者)唯一、危惧するとすれば、それは“メンタル”だという。「三谷さんは神経質なところがありますからね。センシティブなニュースや視聴者の批判に対してどう向き合うかが心配です。しかし、暴走しがちだったたけしさんをコントロールしていた安住さんなら、うまくフォローできるでしょう」(川内さん)“コウキ”心が旺盛な三谷だけに、視聴者を楽しませてくれそうだ。
2022年01月25日「非常に今後が楽しみになる義時像でした」1月9日にスタートしたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。脚本の三谷幸喜(60)は、主演の小栗旬(39)にこのようにメールしたという。視聴率は17.3%と、同時間帯ではトップの数字を記録し、順調な滑り出しとなった今作。その撮影の裏側では、こんな出来事がーー。【1】出演者が困惑する三谷幸喜の「醜聞禁止令」「三谷さんのこだわりが強く、特に北条義時を演じる小栗さんへの注文は多々あります。脚本家が現場に来ることは珍しくはないですが、三谷さんは本当によく顔を出して制作陣や出演者と細かい打ち合わせを重ねています。現場で脚本を変えることもあり、小栗さんは“今まででいちばんしんどい役”と冗談交じりにこぼしていました」(NHK関係者)並々ならぬ熱意で今作に臨む三谷。クランクイン当初には、出演者にある“お願い”をしたという。「三谷さんは出演者たちに“マスコミに撮られないように私生活も注意してください”と、スキャンダル封印指令を出したそうです。昨今は撮影期間中に出演者のスキャンダルが報じられて降板になり、撮影の進行に支障をきたす事例が増えています。それまでの現場の雰囲気もガラッと変わり、作品のクオリティが下がってしまうこともあるんです。“作品が純粋に話題になってほしい”という三谷さんは、スキャンダルを危惧しているようでした」(前出・NHK関係者)’20年の記者会見で三谷は、出演者について「『脛に傷持ってるかな』と思う方は、ぜひ断ってください」と冗談めかして呼びかけていたが、警戒心は本物だったようだ。「今作は小栗さんをはじめ、兄・北条宗時役を演じる片岡愛之助さん(49)など大物俳優がズラリ。皆さん、三谷さんのあまりの真剣さに怯えながら、どこか困惑している感もありました」(制作関係者)【2】兄弟愛の秘密は阪神愛阪神ファンとしても有名な小栗。ある会見では「兄と親父が熱狂的な阪神ファン。負けると家の空気が悪くなる」と語っていたことも。「昨年6月に大河がクランクインしたときは、阪神が首位を独走しており、2位と最大8ゲーム差をつける絶好調の時期でした。実は愛之助さんも同じく阪神ファンで喜び合っていたそうです。後白河法皇役の西田敏行さん(74)も大の阪神ファンで上機嫌だったとか」(前出・NHK関係者)【3】小栗の大親友・松潤が撮影現場をサプライズ訪問コロナ禍での撮影では、マスクが必須アイテム。「小栗さんはマスクに毎日メッセージを書き、スタッフや出演者を和ませていました。その一日のなかで印象的なセリフを書いていたり、最後の現場となるスタッフがいる日には、その方の名前と《お疲れさまでした》と添えたマスクをしてねぎらっていました」(前出・NHK関係者)そんな和気あいあいとした撮影現場に、ある人物が訪れたという。「松本潤さん(38)です。小栗さんとは’05年の『花より男子』(TBS系)以来の大親友。小栗さんを激励していました。小栗さんは松本さんに『乗馬に行こう!』と誘っていました」(制作関係者)『鎌倉殿〜』の次の大河ドラマ『どうする家康』で主演を務める松本。小栗は親友同士の主演リレーに「感慨深い」と明かしていた。実際、小栗は最近のインタビューでこう語っている。《彼(松本)は彼で準備を進めているみたい。『大河の現場どう?』なんて言われて、楽しくやってるよと。『そうか、俺も楽しくできたらいいんだけどな』みたいな。自分もクランクインするまではどこか不安を感じていたので、その気持ちは分かるなと》(『日刊スポーツ』1月9日付)大親友&大河主演同士のエール交換で演技が一層磨かれたようだ。【4】菅田将暉新妻手作り「解毒(秘)スープ」愛飲中!源義経役の菅田将暉(28)は、大河出演に加え「月9」主演と今年も飛ぶ鳥を落とす勢い。昨年11月に小松菜奈(25)と結婚し、大河の現場では祝福の嵐だったと、菅田を知る役者仲間は話す。「大河の現場では、やはりふだんから親しい小栗さんとよく話しています。『新婚生活は楽しいだろ?』と小栗さんに聞かれ、『楽しいです。胃袋もしっかりとつかまれています』とのろけていたとか。小栗さんは別の現場でも『あいつ、幸せオーラを隠せてなかった』と笑顔で言っていたそうです」多忙を極める菅田だが、今は新妻の小松が体調管理をサポートしてくれているそうだ。「現場で出るお弁当だけでは栄養が偏るということで、小松さんは野菜をたっぷり入れたデトックススープをよく作るとか。保温ポットに入れて、仕事場にも持たせているそうです。ベースはトマトなので具材を変えればアレンジがきくのもお気に入りのポイント。カレールーを加える日もあるとか。寒い時季だけに重宝しているようです」(前出・制作関係者)【5】大泉洋&小池栄子は私生活でも家族ぐるみの付き合い今作では大泉洋(48)が源頼朝、小池栄子(41)が北条政子に扮し夫婦役を演じている。実は私生活でも以前から2人は家族ぐるみの付き合いだという。「大泉さんと小池さんは以前から仲がよく、小池さんの夫の坂田亘さん(48)も交えて飲みに行くこともあるんです。無愛想な坂田さんは大泉さんのトークにほとんど笑わないそうで、大泉さんいわく“2人は当たり屋夫婦”だとか。あるとき飲みの席で、大泉さんと小池さんの間で冗談半分の“罵り合い”が始まり、大泉さんが小池さんに暴言を吐いてしまった。即座に小池さんが隣の坂田さんに『今のちゃんと回した?』と振り、スマホで動画を撮っていた坂田さんは『これを世に出したらコイツは終わりだな(笑)』とやり返したことが」(テレビ局関係者)「(大泉と)2人のシーンでは、コントのようになっていないか心配」と話していた小池。気心の知れた豪華キャスト同士が大河ドラマで魅せる壮大な人間ドラマから目が離せそうもない。
2022年01月20日脚本家の三谷幸喜氏(60)が情報番組『新・情報7days ニュースキャスター』(TBS系)の総合司会に就任すると1月19日に報じられた。3月いっぱいでビートたけし(75)が卒業予定の同番組。『スポニチアネックス』によると三谷氏は深く考えた結果、“60歳の新たな挑戦”として引き受けることを決断したという。還暦という節目に、新たなフィールドへと歩みを進める三谷氏。ネットでは《三谷さんを持って来るとは中々の変化球》《どのような発言するか楽しみ》《どうなるのか気になる》と期待の声が上がっている。いっぽう懸念点も浮上している。実は三谷氏は筆が遅いことで広く知られているため、「本業に影響が出るのでは?」との声が上がっているのだ。例えば’13年12月、三谷氏が脚本・監督を務めたドラマ『大空港 2013』(WOWOW)に出演した竹内結子さん(享年40)は当時の会見で「ホテルで泣きながら覚えた。俳優を代表して言わせてもらいますが、台本は早くください!」と注文。さらに大河ドラマ『真田丸』(NHK総合)の主演・堺雅人(48)も’16年11月、『おんな城主 直虎』(同局)へのバトンタッチセレモニーで「(三谷氏の脚本が遅れたため)撮影が終わる頃にはスタッフを『直虎』に奪われていた」と苦笑していた。三谷氏の遅筆ぶりは、同業者の間でも話題のようだ。脚本家の中園ミホ氏(62)は’20年6月、ラジオ番組『TOKYO SPEAKEASY』(TOKYO FM)でこう語っている。「私、日本で2番目に遅いって思っているんだけど。でもトップにはなれないんだよね」「『三谷幸喜さんには私、負けた』と思ったのは、フジテレビのある番組を書いているときに『遅い、中園さん遅い』ってみんなに怒られている最中に、隣の別のスタジオでは俳優さんが全部そろっているのに、台本が届かなくて(撮影を)バラしていたの。それで、『あっちのほうが遅いじゃないか!』って思って」■「ただでさえ遅筆で有名なのに大河の脚本遅れない?」そんな三谷氏は現在、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)が放送中だ。三谷氏は昨年12月26日、同ドラマの公式サイトにアップされたインタビューで「台本執筆半ばまできた」と明かしている。しかしネットでは『Nキャス』の司会就任について、『鎌倉殿の13人』への影響を心配する声がこう上がっている。《大丈夫?ただでさえ遅筆で有名なのに大河の脚本遅れない?》《三谷さん、大河は大丈夫なんですか?》《脱稿は流石にまだだと思うし、遅筆で有名な方なので少し心配》三谷氏本人は、“筆の遅さ”を指摘されることに不服な様子。’19年9月、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で、中井貴一(60)やディーン・フジオカ(41)から「台本が届くのがギリギリすぎる」とクレームを受けた三谷氏。「台本があればいい芝居ができるのか?」といい、さらに「台本がないと芝居ができないのでは」と問い詰められても「大体どんな感じか分かるじゃないですか?」とコメントしていた。『Nキャス』と並行して『鎌倉殿の13人』をやり遂げれば、汚名返上となるかもしれない。
2022年01月20日「今回の大河ドラマの脚本を務める三谷幸喜さんが小栗さんを主演に推したのは、『彼の演技は高倉健さんに通じる』と絶賛していたからなんです」(NHK関係者)9日から始まる大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。主演の小栗旬(39)は北条義時役を演じる。「鎌倉幕府を作り上げた源頼朝のもとには、源氏の家人や京都から新天地を求めてきた貴族など、さまざまな人が集いました。彼らは自らの主という意味を込め、頼朝を『鎌倉殿』と呼びました。頼朝の死後、継承した息子・頼家を支える存在として選ばれた重臣の一人が北条義時でした。義時は勢力争いの末、初代執権となった父・時政とも対立。姉・政子と一緒に幕府の実権を掌握して第2代執権にのぼりつめます」(地元紙記者)昨年6月9日のクランクイン時に小栗は北条義時役について、こうコメントしている。《「源氏とか平家とか、そういう人たちに気を遣いながら生きていきたくないんだ」という世の中を目指す義時の気持ちを、ブレずに持って演じていきます》三谷が小栗と最初に仕事をともにしたのは今から12年前の3夜連続スペシャルドラマ『わが家の歴史』(フジテレビ系)だった。平均視聴率20.3%を記録した。三谷は20年1月8日の大河制作・主演発表会見で実際に当時の思い出をこう振り返っている。「高倉健さんの若い頃を1シーンだけやっていただいたのですが、実際小栗さんは高倉健さんと似ても似つかないんだけども、映像を見たとき健さんにしか見えなくて。この人は本当に気持ちから入っていく人なんだ、物まねとかではなく、心から高倉健を演じたから高倉健に見えたんだと感じまして、この人と一緒にまた仕事したいなと思いました。(略)この義時という人物はただ強く優しくかっこいいヒーローではなく、すごく人間的なずるい部分とか、酸いも甘いもかみ砕いた男なので、それを小栗さんにやっていただくのは楽しみです」■高倉健さんは50代になって先祖が北條篤時だと知った前出のNHK関係者は言う。「実は三谷さんが今作に関して高倉健さんの名前を出したのは、誰もが知る国民的名優だからという理由だけではありませんでした。知る人ぞ知る話ですが、高倉さん自身が鎌倉幕府の歴代執権を務めた北条氏の末裔だからなのです。歴史に詳しい三谷さんが、その事実を知らないはずがありません。頭のどこかに北条氏=高倉健さんのイメージがあったのでしょう」実は、私生活をほとんど明かさなかった高倉さんが還暦時に刊行したエッセイ『あなたに褒められたくて』(集英社)で、自らのルーツを明らかにしている一節がある。「健さんは50代になって自分の先祖が北条篤時だと知ったというのです」(映画関係者)北条篤時は小栗演じる北条義時のひ孫にあたる。「1333年、篤時は鎌倉幕府滅亡の際、14代執権の高時とともに自害しました。篤時の子供たちは周防(現在の山口県)の大内氏に仕え、その子孫が北九州で両替商『小松屋』を営み財を成し、小田姓を名乗るようになったといいます。健さんの本名は小田剛一です。ちなみに篤時の父・実時が横浜市金沢区に設けた金沢文庫は歴史的に有名。健さんが読書家だったのもうなづけます」(地元紙記者)鎌倉幕府隆盛の礎を築いた豪将・義時と、鎌倉幕府滅亡時に自害した悲劇の武将・篤時ーー。北条氏滅亡後、その霊を弔うため足利尊氏が歴代執権の屋敷跡に建立した宝戒寺の法要には高倉さんの名前でお供え物が贈られていた。「鎌倉市にあるこの屋敷を建てたのが、小栗さん演じる義時だといわれています」(前出・地元紙記者)また、同寺から歩いて数分には、3代執権・泰時が建立し、高時と篤時らが自害した“北条氏終焉の場所”という東勝寺跡の「腹切やぐら」があり、高倉さんの名が記された塔婆が立っていた。■健さんが綴った《ぼくの血が平静ではいられなくなる》生前、高倉さんは盟友の小林稔侍(80)とともに何度も現地を訪れたとエッセイに綴っている。《宝戒寺は秋の白萩、また冬の椿が美しい寺だ。その花々にも北条一門の魂が宿っている気がする》《何度訪ねても、そこではぼくの血が平静ではいられなくなるらしい》(『あなたに褒められたくて』)地元関係者は言う。「ご住職も『高倉さんはいつも背筋を伸ばして決して姿勢を崩さない、礼儀の正しいご立派な方』とお話されていました」実は5年前、そこから車で10分ほどのお寺に、高倉健さんの慰霊碑も建立されていた。「こちらのお寺も、北条氏が開祖です。高倉さんは浄土宗と深いかかわりがあり、北条氏が自分のルーツという強い自覚もあり、ご遺族が慰霊の墓碑として建てられたといいます。墓碑の高さは高倉さんと同じ180cm。ご本人の映画人生の節目となる年に段差が作られています。今も毎月のように、ご遺族やファンの方々が定期的に献花されています」(前出・地元関係者)慰霊碑の建立と同じ年、高倉さんの魂を小栗が受け継ぐ一幕もあった。「健さんの遺作『あなたへ』など、数多くの主演映画を手掛けた降旗康男監督が、“健さんに捧げる作品”として最後にメガホンをとった『追憶』(17年)にも小栗さんが起用されています」(映画関係者)テレビウオッチャーの桧山珠美氏は小栗旬と高倉さんの共通項は「男気」「人望」だと断言する。「健さんは演技力だけでなく、高級腕時計を贈ったり、達筆な手紙を送るなど、人柄でも多くの共演者やスタッフに慕われていました。一方の小栗旬も同じ事務所の田中圭はじめ、松本潤、生田斗真、尾上松也、藤原竜也など“小栗会”と呼ばれるほど人脈が広い。さらに健さんは『ブラックレイン』、小栗は『ゴジラvsコング』でハリウッド進出も果たしています」北条氏末裔の高倉さんと700年を隔てて続く歴史的な縁。小栗がどんな北条義時を演じるのか期待大!
2022年01月06日写真左から滝菜月アナ、三谷紬アナ(ともに本人インスタグラムより)「最近、女子アナの交際報道がよく見られますよね」ワイドショーのスタッフからこんな質問を受けた。今年に入って、岡田将生と鈴木唯アナ(フジテレビ)に続き、テレビ朝日の三谷紬アナと山本雪乃アナが一般男性との交際が報じられた。また同局の斎藤ちはるアナはTBSの小林廣輝アナとの交際が話題になったばかり。そしてつい先日は『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)でお馴染みの滝菜月アナとイケメン会社員の交際がキャッチされている。たしかに女子アナの交際報道が例年より多い。その一因に「新型コロナウイルスの蔓延があるのは間違いない」と関係者はみな、口々に言う。「『緊急事態宣言』や『まん延防止等重点措置』が発令され、芸能人が外を出歩くことは少なくなりました。たとえ交際情報を入手しても、ふたりで外出することがないので、現場を押さえることは困難を極めます。また、最近のトレンドでもある“同じマンションの別部屋住む”といったことをされれば交際の確証も掴みにくい。そんな“撮れない芸能人”に代わり、ターゲットになったのが“女子アナ”というわけです」(写真週刊誌記者)■“自分が狙われている”という自覚に欠けるテレビやラジオといった放送に関わり、タレントと同じような役割を担い、場合によってはそれ以上に人気者になることもある。“準芸能人”といった扱いを受けて、世間の注目を浴びる存在だ。芸能人に比べて彼女たちは日々の仕事場とスケジュールがわかりやすく、マネージャーや送迎車が付いているわけでもないので移動も電車が多い。事務所が身元を守ってくれるわけでもない。「芸能人が撮れないなら、誰でもいいから女子アナを捜(さが)せ!」と編集長が記者にハッパをかけている週刊誌もあるという。彼女たちは“自分が有名人である”という自覚はあれど、“自分がマスコミに狙われる”存在だという自覚に欠けてるようで、警戒心も弱い。看板アナや人気アナでないキャリアの浅いアナならなおさら。週刊誌も狙いやすいわけだ。前述の鈴木唯アナのように、交際相手が芸能人なら口も堅くなるだろうが、一般人との交際であれば、さほど警戒はしないだろう。特にヘアメイクやスタイリストなど同僚ではない女性スタッフには気を許しがちで、「彼氏はいるの?」と聞かれたら躊躇せず「はい」と答えてしまうという。人によっては恋愛相談までしてしまうケースも。過去にもあったが、女子アナの交際情報はそのあたりから流れてくることが多いと聞く。■記者が本人から「交際相手のプロフィールを聞き出す」このように情報は簡単に手に入ったとしても、「お相手が一般人」の場合、その人物の特定が難しくなるという問題が浮上する。職業やプロフィール、ふたりの出会いなどの詳細について。何者かわからないまま記事にしてしまっては記者の沽券に関わってくるわけだが、どうにもならず詳細が分からないまま“一般人”とだけ記して記事にすることもあるし、取材に時間がかかりすぎて、ようやく記事にできるとなった時点ではすでに破局していたなんてこともあるほど。しかし、こちらの問題もコロナの影響で“特定が可能”なのだという。その手法はなかなか大胆で驚きのものであった。前出の写真誌記者が語る。「このご時世に打ち上げなど飲み会を開いていたテレビ局のスタッフが非難を浴び、処分されたことからわかるように、テレビ局としては社員・スタッフに不要不急の外出を厳しく禁じています。女子アナも例外ではありません。こんな時期に彼氏と外でデートしていたことがバレたら大目玉を食らうのは間違いないでしょう。しかし、我々はその様子を撮っている。本人に交際について直撃する際に、記事の詳細をボカしたり、おおっぴらなデートをしていると感じられない写真を使うといったかたちで『最大限の配慮をする』と申し出るんです。それを交換条件にして、交際相手の年齢や職業、馴れ初めなどの最低限の情報をこっそり教えてもらうときもありますね」コロナの陽性者数はようやく減少傾向にあるが、第6波の到来が懸念されている。女子アナの受難はまだまだ続きそうだ。<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。
2021年10月27日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは女優の草笛光子さん。第2回は、草笛さんの“笑い”を刺激するあの人についてのお話です。とにかく笑わせにくる、三谷幸喜さん。2016年に、NHKの大河ドラマ『真田丸』に出演し、主人公の祖母・とりを演じました。脚本は、ご存じ三谷幸喜さん。忘れられないのが、とりが家族の前で大往生するシーンです。今にも息を引き取りそうな状態なのに、「ちと、早すぎた」と言って立ち上がる、と脚本に書いてありまして、どう考えてもセリフも行動もおかしい。笑わせにきているとしか思えなかった。だって、今にも死にそうな人が立ち上がるって、あり得ないじゃない。どう演じたら見ている人が笑わないかを1週間考えに考えて演じたら、放送後、三谷さんから、「自分が書いておきながら、思わず泣いてしまいました」ってメールが来ました。とにかくそのときは、私はなんとか乗り越えることができました。しかし、またやってきたんです、三谷さんが。もうすぐ公開される映画『老後の資金がありません!』の、とあるシーンで共演することになり、そこでまた攻防戦が…(笑)。この映画の中で私が“異例の変身”をする場面がありまして、そこに三谷さんも出演されております。私は眠っている設定だったこともありますが、内心は三谷さんを見たら笑ってしまうので、“笑っちゃいけない”と目をギュッとつぶって演技をしていたところ、監督が「三谷さん、もっと近寄ってください。もっと近寄ってください」っておっしゃる声が聞こえるんです。しかも、何かが鼻に触れたから、“何ごと?”と思って薄目を開けたら…、目の前に三谷さんのお顔が!!しかも私に向かって、「死んだ父親にそっくりだ」って言うわけ。“父親に似ている”って言われる女優って、どういうこと??(笑)三谷さんが絡むと必ず笑ってしまうから、戦わなきゃいけない。脚本から、演技から、なんとか笑わせようとする必死さが伝わってきます。でもそれが三谷さんの良い作品につながっているんです。来年はまた大河ドラマでご一緒するので、今から心配ですよ…。くさぶえ・みつこ女優。1933年生まれ、神奈川県出身。松竹歌劇団を経て女優デビュー。以来映画、ドラマ、舞台、ミュージカルなど幅広く活躍。10/30より映画『老後の資金がありません!』が公開。衝撃の傑作コメディです!アクセサリー協力・ABISTE(TEL:03・3401・7124)その他はスタイリスト私物※『anan』2021年10月20日号より。写真・中島慶子スタイリスト・市原みちよヘア&メイク・中田マリ子(ヘアーベル)(by anan編集部)
2021年10月16日大泉洋来年1月からの放送スタートに向け、着々と準備が進んでいる2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。主人公は鎌倉幕府の開祖・源頼朝亡き後、幕府の実権を握り、その後数百年にわたって続く“武士の世”の礎を作り上げた“ダーク・ヒーロー”北条義時だ。大河初主演となる小栗旬が扮する。「撮影は6月から始まっています。静岡県内でコロナ禍では久しぶりとなる大規模ロケも行われて、プロデューサーは“大河らしい迫力が戻ってきた”と大喜び。脚本はヒットメーカーの三谷幸喜さんですし、現場も“コレはイケる!”という手ごたえですよ」(NHK関係者)その現場を盛り上げている人物がもうひとり─物語序盤のキーマン・源頼朝を演じる大泉洋だ。何かとお堅い大河の現場でも、ムードメーカーを買って出ているそう。「座長の小栗さんは、人一倍、お芝居だけでなく撮影環境にもこだわりが強い役者さんですからね。現場に入られると、やっぱりスタッフの間には緊張感が漂うんです。でも、大泉さんと一緒の撮影日は、必ずどこかで笑いが起きる……いや、笑いを起こしてくれるんです。大泉さん、これまでNHKのドラマには、大河が『龍馬伝』『真田丸』の2本、朝ドラの『まれ』『なつぞら』にも出演していて、顔なじみのスタッフも多いですから勝手がわかっているんでしょう」(ドラマ制作会社スタッフ)小栗とのコンビネーションもバッチリ。「小栗さんにイジられて大泉さんがキレる……という“お約束”をやってから撮影に入るというのは、もはやルーティン(苦笑)。現場の空気をそうやってほぐしてくれます」(同・スタッフ)■大泉が気にかける“芸人俳優”そんな大泉が、ひと際“心配”している俳優がいるという。お笑いトリオ『我が家』のリーダー・坪倉由幸だ。芸人活動の傍ら俳優業も並行し、これまで多数のドラマや映画に出演している。ただ、もちろん大河は初出演だ。「脚本家の三谷さん直々のオファーだったそうですよ。なんでも坪倉さんの“ちょっと影のあるお調子者”っぽい雰囲気が、外国の喜劇俳優のようで好みなんだそうで。今回は、頼朝の家臣、工藤祐経を演じるんですが、経験の少ない時代劇、それも大河ということでかなり緊張していましたね。周りを見ても大物俳優ばっかりですから。撮影の合間もスタジオの隅っこで所在なさげにしていて(苦笑)」(前出・NHK関係者)そこに救いの手を差しのべたのが、誰あろう大泉。「“坪倉君、ごめん!僕さぁ、このシーンのセリフが全然頭に入らなくてさぁ。ちょっと読み合わせ、付き合ってくれない?”って、ふたりで自主練を始めて。これ、大泉さんの気遣いなんです。大泉さん、絶対にきちんと台本を覚えてきているはずなのに、緊張している坪倉さんを少しでもリラックスさせようと、ね」(同・NHK関係者)大泉自身、かつてある撮影現場で“地方の芸人上がり”とバカにされ、悔しい思いをしたことがあったそう。「だから、自分と同じような立ち位置で役者として頑張っている坪倉さんを気にかけているんじゃないですかね」(同・NHK関係者)さすが、鎌倉殿。
2021年10月14日わらいぐまオフィス主催による 柳家さん生 独演会『落語版 笑の大学(原作:三谷幸喜)』が2021年12月1日 (水) ~12月2日 (木)になかの芸能小劇場(東京都中野区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて10月16日(土)より発売開始です。カンフェティにて10月16日(土)よりチケット発売! 公式ホームページ 笑いを憎んだ検閲官。笑いを愛した劇作家。こんな二人が出会うってえと、落語のほうの幕開きでございます。昭和初期。あらゆる娯楽は規制され、演劇も検閲を受けなければ上演できないご時世に、厳格な検閲官サキサカと、喜劇作家ツバキが取調室で出会う……。映画、演劇、ラジオドラマなどさまざまなかたちで発表されている三谷幸喜氏の傑作喜劇を、同じ日大芸術学部出身の柳家さん生がとくに許されて落語化。年末恒例の上演が今年も決定!■出演柳家さん生(落語版 笑の大学 ほか一席) / 開口一番: 古今亭まめ菊(1日)、入船亭扇ぽう(2日)◆柳家さん生(やなぎやさんしょう)昭和32年(1957年) 3月7日富山県富山市西町生まれ富山県立富山東高校卒業日本大学芸術学部中退昭和52年柳家小さん門下、柳家小満んに入門前座名・小勇昭和57年 3月小勇のまま二つ目昇進平成5年 9月真打昇進小勇改めさん生■スタッフ原作: 三谷幸喜■ タイムテーブル2021年12月1日(水)開演 19:002021年12月2日(木)開演 14:00※開場は、開演の20分前※上演時間:約2時間(予定)■チケット料金全席指定:3,000円(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年10月11日三谷幸喜が描く2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が、本日6月9日(水)に収録を開始したことが分かった。撮影がスタートしたことについて、主演の小栗旬から意気込みのコメントも到着した。本日撮影されたのは、小栗さん扮する北条義時が、京での任務を終え、北条の郷に帰った父・時政(坂東彌十郎)と共に、三浦義澄(佐藤B作)・義村(山本耕史)のあいさつを受けるなど、若き義時のシーン。片田舎の豪族の家に生まれた、野心とは無縁だった若者が、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか?そこから全ての物語が始まる――。昨日までは「『とうとう始まってしまうな』とか『始まったら後戻りできないな』という思いがありました」とふり返る小栗さんだが、「いざ現場に来てみたらすんなりと始まれたな、というのが正直なところです」と現在の心境を明かす。また、義時の周りには目立つ人物が多く登場するため、“このドラマ、誰が主役なんだっけ?”という形で進めていきたいと、演出陣と話しているそうで、「主役だからと気負うことなく“なんとなく”現場にいるという感じを大事にしています。徐々に浸透していって、あるときから義時が舵を切る瞬間にやっと『あ、この人が主役だったんだ』となれればと思っています」とコメント。そして「大河ドラマでもなければ、これほどのキャスティングの中に入れることもないですし、次から次へと”つわもの”が現れてきますので、それを僕自身も楽しみたいと思います」と意気込んでいる。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は2022年放送予定。(cinemacafe.net)
2021年06月09日老若男女問わず愛された田村正和さん(享年77)が鬼籍に入ってから約2カ月。田村さんのキャリアを代表する作品の一つが『古畑任三郎』(フジテレビ系)だ。「第2、第3シーズンの平均視聴率は25%超を記録するなど国民的ドラマに。’06年の『ファイナル』でひとまず完結となりましたが、実は第4シーズンを制作する計画がありました。田村さんもさらなる続編制作に前向きだったそうですが、体力的な理由もあって実現にはいたりませんでした。昨年には、キャストを一新した『2代目古畑』の制作をフジが計画しているという報道もあり、主演候補の一人としてオダギリジョーさん(45)の名前が挙がっていました」(テレビ局関係者)今も続編を望む声が絶えない『古畑』。フジテレビに『2代目古畑』計画について尋ねると、「そのような事実はございません」との回答が。しかし、あるフジテレビ関係者はこう語る。「田村さんの訃報から3日後に追悼番組として『古畑』が放送され、13%超えの高視聴率を記録。再放送としては異例の数字です。この結果を受けて、上層部でも『2代目古畑』の制作が水面下で本格的に検討され始めたと聞いています」『古畑』の脚本を手掛ける三谷幸喜(59)もかねて続編を熱望していた一人だ。昨年、三谷は田村さんにこう“ラブコール”を送っている。《条件が揃えば、僕はいつでも映像版「古畑」の新作を書く準備は出来ていますよ、田村さん》(’20年5月28日『朝日新聞』夕刊)田村さん主演での続編はかなわぬ夢となったが、「2代目古畑」として白羽の矢が立った俳優がいるという。阿部寛(56)だ。「阿部さんは’11年の映画『ステキな金縛り』で三谷作品に初参加。三谷さんならではの脚本と演出にほれ込み、“いつかまた参加したい”と考えていたそうです。三谷さんも法廷でタップダンスを踊る型破りな弁護士を完璧に演じきった阿部さんを『日本を代表するコメディアン』と絶賛。アドリブ力にもたけた阿部さん主演の作品を描きたいとずっと考えていたといいます。そんな関係性からフジ社内でも、“もし『2代目古畑』が実現するとしたら阿部さんを”と推す声が強いそうです」(前出・フジテレビ関係者)正統派の二枚目から三枚目まで演じてスターとなった田村さん。阿部にも通ずるだけに、古畑ファンとしては期待したいところだが。
2021年06月02日田村正和さんと妻の和枝さん「以前、和田誠さんが亡くなったときにね、いろいろなところからコメントを求められて、それがとてもつらかったんです。なので田村さんのことは、新聞で連載しているコラムでだけ、お伝えすることにしました。ごめんなさい」小雨降る中、わざわざ自転車を止めて言葉少なに語ってくれた脚本家・三谷幸喜。“田村さん”とは、言うまでもなく三谷脚本の人気ドラマ『古畑任三郎』シリーズでタッグを組んだ俳優・田村正和さんだ。5月18日、心不全のため亡くなっていたと公表された田村さん。名実ともに芸能界トップを走り続けてきた超大物俳優とは思えないほど、その最後はひっそりとしていた。「田村さんが都内の病院で息を引き取ったのは公表の1か月以上も前の4月3日。葬儀も近しい親族だけですませた、と」(スポーツ紙記者)■田村正和さんの“遺言”昭和を代表する銀幕スター“阪妻”こと阪東妻三郎の三男として生まれ、同じく俳優として活躍していた長兄の故・田村高廣さん、弟・田村亮とともに“田村3兄弟”と呼ばれた。『眠狂四郎』『うちの子にかぎって…』『パパはニュースキャスター』『ニューヨーク恋物語』そして『古畑任三郎』……と、数々のドラマを大ヒットに導いた名優である。芸能界には親しい知人や友人、関係者も数えきれないほどいたに違いないが、遺族はその死を、冒頭の三谷を含め誰にも知らせなかった。「すべて、田村さんご本人の“もう、静かに消えていきたいんだ”という意向……遺言だったと聞きました。田村さんはもともと心臓に持病があって50歳を過ぎたころ、手術も受けたと聞いています。3年前のスペシャルドラマ出演を最後に事実上、引退して都内のご自宅で“悠々自適の生活を送っている”なんて報じられていたので、落ち着いていらっしゃるとばかり……」(別のスポーツ紙記者)松竹の専属映画俳優としてデビューした田村さんの1年後輩にあたる女優・中村晃子も突然の訃報に驚いたという。「ただ、正和ちゃんは昔から“達観”しているようなところがあって。“引き際”っていうのが、わかっていたのかもしれませんね……」田村さんは、当時から輝いて見えたという。「昭和の垢抜けない時代なのに、正和ちゃんだけは洗練されていて。きれいで礼儀正しくて紳士で……。真っ赤なスポーツカーに乗っていたんですが、それで家まで送ってくれたりね。一時は兄妹のように仕事で一緒だったけれど、共演しなくなってからは連絡も取らなくなって。最後にお会いしたのは覚えていないくらい昔です。年賀状やお中元、お歳暮のやりとりをいっさいしない方でしたから」■役のイメージを壊したくないがゆえに『古畑任三郎』で“犯人”として刑事・古畑と対峙した田中美佐子にとっても、田村さんは特別だった。「現場では、ジョークを言っては静かに笑っていたりもする田村さんですが、リハーサルでも本番でも1発OKでNGは見たことがありません。台本を持っている姿すら見たことがないんです。私は共演というだけで緊張してしまって、お芝居以外ではひと言もお話しできませんでした。田村さんに話しかけられるのは芝居のときだけ。普段は話しかけてはいけないって」トレンディードラマで主演を務めた女優をして、そう言わしめてしまうほど、田村さんは俳優という“生き方”に強いこだわりを持っていた。彼と公私にわたって付き合いがあった数少ないドラマ関係者のひとりが振り返る。「食事をしている姿を他人に絶対見せなかったというのは有名な話。撮影の合間でも、食事はいつも控室か宿泊先のホテルの部屋でひとりでとっていましたから。そういうところを周りに見せて“俳優・田村正和”のイメージや、あるいは役のイメージを壊したくないと考えていたんでしょう。世の中の人に、いいドラマを見てもらうためにね。“1シーンごとにその場で映像チェック”とか“撮影は朝8時から夜10時まで厳守”も同じ理由です」(ドラマ関係者、以下同)夜10時きっかりにスタジオを後にすると、まっすぐ自宅に帰ることが常だった。「だから“気難し屋”なんて誤解されたりしていましたけど、正和さんはむしろ話し好きで人好き。誰に対しても気さくでしたし冗談も言う。だから仕事帰りに飲みに行けるような親しい仲間はもちろんいたけれど、でも、そうしないんですね、正和さんは」■海外ロケにも和枝さんを連れてスタッフや共演者、誰からも愛される存在だったが、彼らを連れ歩いたりはせず、仕事が終わるとパッと自分から離れていく─。「オフもほとんど自宅で過ごしていたから、どんなに親しくても俳優仲間と会ったりすることはなかったんじゃないか。仕事に“私”を持ち込まないのが彼の美学でした」それは逆に“私生活に仕事を持ち込まない”ためでもあった。’70年に結婚し50年以上連れ添った妻・和枝さんとの時間を何よりも大切にしていたからだという。東京・銀座の紳士服店の社長令嬢であり、カナダの大学への留学経験もあった和枝さんは結婚以来、専業主婦として家事はもちろんひとり娘の子育てまで、すべてをひとりでこなし、田村さんを支え続けた。私生活を仕事場に持ち込まない田村さんが唯一、彼女のことだけはしばしば自慢していたという。「“ウチの奥さんは100点満点”って。『ニューヨーク恋物語』の撮影でニューヨークに滞在したときは、和枝さんを日本から呼んで3か月間向こうで暮らしたんですから。家族の目もマスコミの目も届かない海外での長期ロケとなれば普通は羽を伸ばしたくなるでしょ?そこに奥さんを呼ぶ俳優なんて正和さん以外いませんよ。それだけいつもそばにいてほしい存在だったんでしょうね、和枝さんが」その田村さんが1度だけ、こんな問いかけを和枝さんにしたことがあった。結婚して3年ほどたったころのこと。「当時は正和さんも20代半ばで若かったから夜遅くまで遊び回っていたんです。何せ周りが放っておかないからねぇ(苦笑)。それで和枝さんとケンカになって。“俺が浮気してないとは思ってないだろ?”と言ったそう。もちろん本当に浮気していたわけじゃなくて、ちょっとした意地悪だったんですが、和枝さんは笑いながら“するなって言ったって無理なんだから、それは考えないようにしているの”って。正和さんは、その日以来、飲み歩くのをピタッとやめたそうなんです」最愛の女性に見送られ田村さんは旅立った。比翼連理の誓いは昔も今も永遠に。
2021年05月25日歌って踊って日本の歴史を駆け抜ける!? 三谷幸喜の作・演出、荻野清子の音楽によって誕生し、絶賛を博したオリジナル・ミュージカル『日本の歴史』が帰ってくる!卑弥呼の時代から太平洋戦争までの約1700年にわたる日本の歴史をギュギュっと詰め込み、そこにテキサスの家族の歴史物語も重ね合わせていく斬新な構成、耳に残るキャッチーなメロディと軽妙なダンス、それらをキャスト7人で華やかに、またしっとりと魅せていくゴージャスな舞台。始まりから終わりまで休みなし! の7人のひとり、三谷の熱き信頼を受けるこの人、シルビア・グラブに、再演に懸ける思いを聞いた。7人で60役以上を演じた初演時の舞台裏――大好評だった『日本の歴史』が再登場!シルビアさん扮する織田信長にまた会えることが嬉しいです。ええ、信長にも、西郷どんにも(笑)。再演の話は結構早い段階から出ていて、中井貴一さんなどもとても乗り気でいらしたんですよね。また皆が同じ気持ちでこの再演に挑める、それが一番嬉しいですね。――そもそも三谷さんが、シルビアさんの織田信長を切望したことから始まった舞台でもあると伺っています。『日本の歴史』をやる前から、「シルビーには信長をやってほしいんだよね!」ってずっと言われていたんです。この人は何を言っているんだろう……って思っていて(笑)。初演の時に三谷さんが「歴代一番の信長だ!」って言ってくれたんですけど、そんなわけないでしょ!? って思いながらやっていました(笑)。でもすごく楽しかったですね。――まずは初演を振り返っていただきましょう。とにかく、台本を最初に開いた時に……『日本の歴史』なのにテキサスかいっ!と(笑)。もうその瞬間からツッコミどころ満載でした。“テキサス編”と“日本の歴史編”、ふたつの内容が行ったり来たりする構成で、台本の頭に役名がたくさん書いてあるわけですよ。役者は7人しかいないのに、何だこりゃ!? と思いましたね。ひとり何役やることになるのかと……。私が演じる歴史上の人物は、卑弥呼以外、全員男ですし(笑)。実際に稽古でやってみると、とにかく休む場がない。舞台からハケてもすぐに着替えて、10秒とかで次の場面に出なきゃいけなかったりするので、あれ、今、私はどこで、誰をやっているんだっけ!? って(笑)。それに慣れるまで時間がかかりました。ただ、わりと稽古のスタートが早かったので、とにかく台詞、歌詞、振付を全部体に入れ込んで、通し稽古の時間をたくさんとったんです。衣装合わせも早い段階でやって、おかげでどうにか間に合った、という感じでしたね。本当に余裕はなかったんですけど、舞台稽古に入ってから、ほかのキャストの皆さんのメイクとカツラと衣装をつけた姿を見たら、最高に面白かったですね(笑)。(宮澤)エマの平清盛なんて最高! 何なの、あの可愛さは!って。中井さんの女装も、なかなか見られないですよね。また、今回の再演には残念ながら出演しませんが、川平慈英の女装がブサイクでね〜!(一同笑)こんなに女装が似合わない人がいるんだ!ってくらい面白かったです。――再演では、川平さんのポジションに瀬戸康史さんが入られますね。そう、だから絶対にキレイになっちゃう!誰よりもキレイになっちゃうかもしれません。瀬戸さんはずいぶん早くから歌稽古をやられているみたいで、すごくやる気を感じますよね。好印象です(笑)。今こそ深く響く「結局因果は繰り返されていく」というメッセージ――初演時の印象的なエピソードなどがあれば教えてください。やっぱり、中井さんが歌って踊るということですよね。一番最初の稽古の時、とても緊張されているのが伝わって来て。こんなにベテランの方でも緊張するんだ! と、ちょっとホッとしたことを覚えています(笑)。あと、“日本の歴史編”のほうで方言を喋らなくちゃいけないんだけれど、最初のうちはまだ指導も受けていないから、あまりに酷かったんです(笑)。だって鹿児島弁なんて喋ったこともないし〜と思いながら私もやっていて、慈英の京都弁も酷くて、それを中井さんが笑い転げながら見ていましたね。「皆、このまま舞台に立って欲しい」って(笑)。皆で大爆笑して、それで一気に打ち解けたような気がします。誰にも不得意なものはあるよ、というスタートですね。中井さんが「同志だから、皆で頑張っていこう」というオープンな空気を出してくださったので、とてもやりやすかったと思います。――中井さんも、客席から見て中井さんだか誰だかわからないようなお婆さんの役もされていました(笑)。そう、最高ですよ。性別も年齢も何も関係ない、そういう作り方も三谷さんのメッセージなのかもしれませんね。――本作は、荻野清子さんの音楽なくしては成り立たない舞台です。シルビアさんから見た荻野さんは、どんな方なのでしょうか。普段お会いしている時は、とても柔らかい、ホワンホワンした空気感をお持ちの方なんですけど、言う時は言う! という人です(笑)。ちゃんと芯があって、アイデアをたくさん持っていて、とにかく芝居が大好きで。だから三谷さんとの相性がよく、素晴らしい作品を作られるのだと思います。荻野さんと三谷さんがタッグを組んで、映画や舞台でさまざまな音楽を生み、『SHOW GIRL』を経て、こうしてオリジナル・ミュージカルを誕生させた。ふたりで徐々にステップアップしていって、この作品を生み出したんだな、という感慨があります。――本作の音楽に関しては、どのように感じていますか?再演をやるにあたって、サウンドトラックを聴き直したんです。それまでは、スタジオ録音じゃなくてライブ録音だし……と思ったり、なんとなく恥ずかしかったりして聴いてなかったんですよ。どうかな〜と思って聴いたら、楽しくて、ものすごく良かったんです。メチャメチャいい作品じゃない! とあらためて思ったのは、清子さんの音楽の力が大きいと思いますね。――再演には新曲があるという噂も。また台本も、三谷さんが新たに加えたり、変えたりしているのでしょうか?新曲、あるかもしれない(笑)。楽しみです。新しい台本もいただいていて、チョイチョイいじっているな、という感じですね。稽古に入ってからまた変わっていくんじゃないかと思います。――シルビアさんにとって、本作の一番心に響くポイントとは?いつの時代であろうと、世界のどこであろうと、結局人間は一緒なんだということ。救いようがないという意味じゃなく、結局因果は繰り返されていく……というところに、三谷さんのメッセージが込められていると思います。また今年のこの状況下で上演すると、そのメッセージがさらに深まっていく気がするんです。それこそ「人生で大事なものは、人生で大事じゃないもの〜♪」という歌なんて、エンタテインメントの意義について考えさせられて、もう今だからこそ伝わるのでは! なんて、やる側としては完全にそんなふうに考えますよね。――再演に向けての、ご自身の課題は?次は、もうちょっと余裕を持って出来るんじゃないかなと(笑)。三谷さんの作品の中では、わりと私、再演をやっているんです。『国民の映画』も、『SHOW GIRL』もそうで、明らかに2回目のほうが余裕を持って舞台に立てている。三谷さんの意向を分かったうえで稽古に入りますしね。だからなんとなく気が楽……、いや、この作品は全然楽じゃないですけど(笑)。絶対にレベルアップした舞台にしたいですね。『SHOW GIRL』初日の拍手で号泣・・・観客がいる前で舞台に立てる事の尊さ――劇場で、観客の皆さんの反応が楽しみですね。本当にそうです。お客様がいての演劇ですからね。やっぱり、お客様の目の前でやらないと意味がない、と思ってしまうんですよね。昨年はコロナ禍で、全公演中止となった作品をふたつ、経験しました。この一年ずっと不安の中にいて、やっと舞台に立てた時の喜びといったら……。昨夏の『SHOW GIRL』の初日、もう慈英とふたりで、舞台上でオジサンとオバサンがあんなに号泣して……(笑)。思い出しただけでも涙が出て来るんですけど、お客様の前で舞台に立てる、それが私にとってどれだけ大事なことだったのかを、あらためて知った日でした。演劇の灯を絶対に消したくない。だって、やる側も観る側も、舞台を好きな人がこれだけいるんですもの。あの時のお客様からいただいた拍手は、忘れられないですね。貴一さんからも連絡が来たんですよ。貴一さんも準備していた舞台が中止になってしまって(編集部注:インタビュー時、PARCO劇場オープニングシリーズ『月とシネマ』の東京公演中止が決定。その後、緊急事態宣言の延長により大阪公演も中止に)、「あとは幕が開くだけという状況まで来たのに、それをお客様に届けられなかったことが本当に辛い」と。新納(慎也)くんもやっぱり、公演(ミュージカル『スリル・ミー』)が途中で止まったり、大阪公演がなくなったり。皆そういったことを経験しているので、メチャメチャ熱い気持ちでこの『日本の歴史』に集まってくると思います。――お客様も「やっぱり劇場で観たい!」という気持ちでいらっしゃると思います。そう!去年の夏、その思いがすごく伝わって来て、感動したんですよ。この舞台も、たった7人でこれだけバラエティー豊かな役柄を見られる舞台はそうそうないと思います(笑)。楽しく観ながらも、とても考えさせられる作品でもあると思うので、ぜひぜひ多くの方に観に来ていただきたいですね。ミュージカルが苦手と思っている人も、絶対に大丈夫です(笑)!取材・文:上野紀子撮影:藤田亜弓公演情報『日本の歴史』作・演出:三谷幸喜音楽:荻野清子出演:中井貴一 / 香取慎吾 / 新納慎也 / 瀬戸康史 / シルビア・グラブ / 宮澤エマ / 秋元才加【東京公演】2021年7月6日(火)~2021年7月18日(日)会場:新国立劇場 中劇場【大阪公演】2021年7月23日(金)~2021年7月30日(金)会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ★5月23日(日)10:00より東京公演分のチケット一般発売開始!
2021年05月21日俳優の田村正和さんが亡くなっていたと5月18日に発表された。77歳だった。数々の作品で名演を残してきた田村さん。その中でも’94年から放送され、10年以上続いた主演ドラマ『古畑任三郎』(フジテレビ)は代表作の一つと言えるだろう。「同作は、田村さん演じる警部補・古畑任三郎が巧みに犯行を解明していくというストーリー。田村さんの存在感はもちろんのこと、犯人を追い詰めていく展開やユーモラスなやりとりも人気の秘訣でした。また犯人役に中森明菜さん(55)や明石家さんまさん(65)、さらにSMAPといった豪華キャストが登場したことも話題に。第3シリーズまで放送され、視聴率20%以上は当たり前。最高で34.4%を記録しました」(テレビ局関係者)そんな同作の脚本を務めたのが三谷幸喜(59)だ。昨年に三谷が『朝日新聞』で寄稿した小説『一瞬の過ち』に、古畑任三郎が刑事役で登場。大きな反響を呼び、いまだ根強いファンがいることを証明した。「三谷さんの書いた脚本を見て、田村さんは古畑任三郎のイメージを膨らましていったそうです。そのため三谷さんは『古畑任三郎は僕と田村さんの共作だ』と話していました。名キャラクターを一緒に編み出してくれて、感謝しきりともいいます」(前出・テレビ局関係者)いっぽう、田村さんは三谷をリスペクトしていたという。「田村さんのマネージャーは当初、刑事ものに難色を示していました。ところが脚本を読んだ田村さんは、『これは面白い!ぜひやりたい』と即答したんです。撮影中も『よくこんな面白い本が書けるな』と感心しきりでした。また『三谷くんが僕の新しい魅力を引き出してくれた』と喜んでいましたね」(前出・テレビ局関係者)名作を作り上げた“同志”である2人。その絆は永遠だ。
2021年05月20日田村正和さん(享年77)が4 月3日に心不全のため都内の病院で亡くなっていたと、5月18日に報じられた。田村さんの死を悼む声が広がっている。‘61年に映画『永遠の人』でデビューした田村さん。平成に入ってからは三谷幸喜氏(59)が脚本を手がけ、田村さんが刑事役を演じた『古畑任三郎』(フジテレビ系)が大ヒット。‘94年4月にシーズン1が放送され、10年以上続く人気長寿シリーズとなった。田村さんのクセのある口調や独特な仕草は瞬く間に人気を博し、社会現象になるほどだった。‘96年4月には木村拓哉(48)が『SMAP×SMAP』(関西テレビ、フジテレビ)で、「古畑拓三郎」としてパロディ化。そのことによって、作品や田村さんの役柄はいっそう知名度を上げた。そんな木村は‘96年1月に放送されたシーズン2で、犯人の爆弾魔としてドラマ初出演を果たしていた。この回で田村さんは、稚拙な犯行動機を挙げた木村の頬をスパーンと平手打ちしたのだ。田村さん演じる古畑は温厚なキャラクターなだけに、この演出は視聴者をあっと驚かせた。田村さんの訃報を受けて、SNSではこの“ビンタ回”を懐かしむ声が上がっている。《やっぱり古畑任三郎が好き。中でもキムタクに裏平手打ちした回はキャラ的にも展開的にもびっくりしたし最高でした。田村正和さん、安らかに…》《古畑任三郎シリーズ、大好きで見てましたキムタクが犯人役の時、普段温厚な古畑さんが、キムタクにビンタした回が特に印象に残ってます》そんな木村は‘15年12月放送の『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(TOKYO FM)で、田村さんと『古畑任三郎』で共演したことを振り返っている。“ビンタ回”は田村さんが唯一犯人に手を挙げた回だったと明かし、「僕は名誉に思っている」と述懐。そして田村さんについて、「僕大好きなんです」「またチャンスがあったらご一緒したい」と語っていた。■田村さんに学んだ“プロ魂”『HERO』(フジテレビ系)や『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)、『教場』(フジテレビ系)など数々の主演作品で活躍する木村だが、役者としての“プロ魂”は田村さんに触発されてきたようだ。「ほぼNGを出さない田村さんは、撮影現場に台本を持ち込まないことでも知られています。木村さんが’99年1月放送の『古畑任三郎スペシャル』にSMAP全員で参加した際も、田村さんは台本10ページ以上もあるシーンを滞りなく演じ切ったといいます。その様子を間近で見ていた木村さんは、『自分もこうなりたい!』と強く刺激を受けたそうです。様々な作品で座長を務める木村さんですが、“田村さんの教え”を受け継いでいるようです。『HERO』で木村さんと共演した吉田羊さんも、『木村さんは共演者のセリフだけでなく、動きも把握している』と感心していました。最近では映画『ハウルの動く城』で声優を務めた木村さんですが、鈴木敏夫プロデューサーは『アフレコで台本を持たずに最後まで演じ切っていた』と驚くほどです。影響を受けるほど、田村さんの存在は大きかったようですね」(テレビ局関係者)田村さんの教えを胸に抱き、木村は歩み続けるだろうーー。
2021年05月19日田村正和さん(2012年)俳優の田村正和さんが4月3日に都内の病院で心不全のため亡くなっていたことが明らかになった。葬儀、告別式は親族のみで行われたという。1967年のデビュー後、時代劇からトレンディードラマ、はたまたコメディーまで数多くの作品に出演し、独特の風貌と確かな演技力でお茶の間を楽しませていた田村さん。中でも代表作の一つとして、視聴者が毎週テレビの前で放送を待っていたのが『古畑任三郎』(フジテレビ系)だ。脚本家・三谷幸喜の名前を広く知らしめた同作は1994年4月の第1話から、田村さんが最後にメイン出演した2006年1月の『古畑任三郎ファイナル』まで10年以上にわたって放送された人気シリーズ。「視聴率も2シーズン目以降は20%は当たり前で、時に30%超えを記録する回もありました。放送翌日には“モノマネ古畑”がそこかしこにいたものです(笑)。ゲストの犯人役も第1回の中森明菜さんに始まり、菅原文太さん、明石家さんまさん、福山雅治さん、SMAPにイチローと各ジャンルの大物ばかりが登場。ほとんどの方が出演オファーを快諾、それだけやりがいのある、楽しみな現場だったと」(テレビ誌編集者)ファイナルから2年後の2008年に制作、放送された特別版『古畑中学生』では、古畑任三郎の中学生時代を山田涼介が演じ、オープニングには田村さん本人も出演。これが田村さんが演じる、最後の“古畑任三郎”の姿となったのだ。「フジ局内にもファンが多く、古畑に影響されて“ドラマを作りたい”と入社を志した局員も多かったと聞きます。そんなキラーコンテンツの終了を惜しむのは当然のことで、以後も三谷さんにシリーズ続編やスペシャル版の制作を打診したそうです。が、ドラマや映画、そして本業の舞台と多忙を極めていた三谷さんは、“もう終わったんですから”と新作を断り続けたと聞きます。一方の田村さんも60代半ばに差し掛かり、世間で言えば定年にあたる年だけに“いや、もうやらないよ(苦笑)”と。それからは主に単発のスペシャルドラマを選んで出演するようになりました」(テレビ局編成部スタッフ)そして2018年2月に放送された『眠狂四郎 The Final』(フジテレビ系)を最後に、静かに表舞台から姿を消していった田村さん。これが遺作となったわけだが、実は昨年に『古畑任三郎』再始動の動きがあったのだという。■三谷が「古畑」の新作を執筆きっかけは昨年4月、朝日新聞に掲載された三谷の短編小説『一瞬の過ち』だった。全4回からなる同作の主人公は《毛量が多くやけに襟足が長い》黒いスーツを着た細身の男。そう、古畑任三郎だ。そして犯人は「脚本家の三谷」と、ファンにはたまらない“掟破り”のストーリーだ。「突然の“古畑熱”の再燃に制作サイドも見過ごすわけにはいかず、“なんとかドラマ化を”と持ちかけられたようですが、三谷さんはというと“そんなつもりでは”と。三谷さんとしては、コロナ禍で舞台やイベントなどの中止が相次ぐ中で、少しでも明るい、楽しい話題を提供したい思いからペンをとったのだそう。それに近年、心臓に持病を抱えていた田村さんの容体は三谷さんもご存知だったはず。ならば主役を変更して、というリニューアルという声もあったみたいですが、今までも“古畑任三郎は絶対に田村さん”と譲らなかった三谷さんは了承しなかったでしょう。“たられば”になりますが、もしも田村さんがお元気だったならば、オファーを受けてくださったとしたら、三谷さんも喜んで『古畑任三郎』を復活させたのではないでしょうか」(前出・テレビ局編成部スタッフ)田村さんは「古畑任三郎」になれる唯一無二の俳優だった。
2021年05月19日瀬戸康史主演で、コピーライターの男性会社員の育休の6か月を、笑いと涙で綴るWOWOWオリジナルドラマ「男コピーライター、育休をとる。」。この度、本作の個性溢れる注目のキャストが明らかになった。主人公・魚返洋介を演じるのは、ドラマや映画、舞台と幅広く出演し、最近ではドラマ「ルパンの娘」や舞台「23階の笑い」(演出:三谷幸喜)など、俳優として新たな境地を見せている瀬戸さん。WOWOWドラマは初主演となる。そして、瀬戸さん演じる主人公の魚返と時に笑い、時にぶつかりながら“育休の壁”を乗り越えていく妻・愛子役を演じるのは、「大豆田とわ子と三人の元夫」や映画『由宇子の天秤』など話題作への出演が続く瀧内公美。そして、魚返の同期社員で育休のイロハを指南する通称“育休マイスター”のカマチ役に赤ペン瀧川、思ったことは空気を読まずに発言し、魚返を困惑させる“いまどき”の新入社員・今泉真理子役に福地桃子。アートディレクターで育休中の魚返を映画鑑賞の誘惑で惑わす梶原役に少路勇介、調子のいい世渡り上手の営業部長・千木良役に池田成志。そして直属の上司で魚返が意を決して育休取得を切り出すことになる「最初の難関」浜崎部長役に村上淳など、個性的な存在感を放つ実力派俳優たちが出演。脚本は、映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』で話題と共感を呼んだ細川徹が手掛け、監督は映画『ドロステのはてで僕ら』でも斬新な映像表現で話題をさらったコメディの鬼才・山口淳太(ヨーロッパ企画)。男性の育休取得促進が叫ばれ、働き方の見直しと模索が続くいま、各界の才能の融合によるアンサンブルに注目だ。WOWOWオリジナルドラマ「男コピーライター、育休をとる。」は7月9日(金)23時よりWOWOWプライムにて放送(全6回)、同日、第1回放送終了後よりWOWOWオンデマンドで全12話を一挙配信。※WOWOWオンデマンドでは6月25日(金)にいち早く第1話、第2話を配信。(text:cinemacafe.net)
2021年05月17日女優の天海祐希が主演を務める、映画『老後の資金がありません!』(10月30日公開)の主題歌、及び予告映像が13日に公開された。同作は垣谷美雨による26万部突破の同名ベストセラー小説の実写映画化作。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったのに普通の主婦・後藤篤子(天海)だが、娘の派手婚、舅の葬式と資産激減の中、夫婦そろって失職。独りになった姑と一緒に暮らすことになると、高級志向の暮らしの価値観にクラクラするなど、奮闘する篤子の様子を描く。主題歌には、氷川きよしの新曲「Happy!」が決定。デビュー22年目にして初の映画主題歌となり、サンバ調の楽曲で新境地を開く。新予告映像内で楽曲も初解禁された。予告では、天海祐希演じる普通の主婦・後藤篤子が、子供の結婚・夫の失業・浪費家の姑との同居など、人生の後半を生きる人間にとっては誰もが身に覚えのある様々なお金の問題に振りまわされる中、「なんとかなるから絶対!」と前向きに立ち向かっていく姿が描かれる。主題歌「Happy!」は、そんな主人公の背中を押して思わず踊りたくなるような明るい楽曲に仕上がっている。曲に乗り、コミカルな三谷幸喜や、毒蝮三太夫が刀を振り回して大暴れする姿も映し出され、映像の最後には草笛光子が演じる芳乃の美しすぎるヨガポーズに、篤子も驚きの表情を見せる。○氷川きよし コメント一言でいうと最高です!! 久しぶりにお腹を抱えて笑って、最後は感動できる。時間を感じないくらいあっという間で、こんなに楽しい映画があるんだと思いました。何度でも観たいです。天海さんは憧れの強い女性ですが、主婦役をやられるのは珍しかったので新鮮でしたし、展開も面白くて目が離せませんでした!映画主題歌は初なので、デビューして22年目で、新たなキャリアのスタートになりました。タイトルには、みんながハッピーになってほしい、色々なことに感謝して生きていればハッピーになれるよ、という想いを込めています。大変な世の中なので、自分を奮い立たせてハッピーに。暗い気持ちでも明るい気持ちに持っていけるように。希望がなければ希望を作ればいい。どこかには道がある。壁にぶつかっても道はある。悩みやピンチこそチャンスだったりするので、そんな気持ちで聴いてほしいと思います。○天海祐希 コメント完成した映画を試写室で観させて頂いた時に、エンドロールで流れた主題歌を、初めて聴いたんです。もう、心を鷲掴みにされました(笑)この作品の、ちょっと笑えて、悩んで、苦労しても頑張ろうって前向きになれるHAPPYさと、とても合っていて、何て素敵な曲! と感激しました。もうとっても嬉しくて、観終わって直ぐに氷川さんにお電話しちゃった程です(笑)この1年で大変な事が沢山ありましたよね。まだまだ乗り越えられてはいないけれど、だからこの曲を聴いた時に、泣きたくなる位の前向きな励ましを受けた気がしたんです。本作もやむを得ず公開が延期になりましたが、これから挽回していけたらいいなぁと思っています。この曲の様に「手を握ろうよ。肩を組もうよ。何もなくてもHappy」の精神で、生活も仕事も頑張る所存です!前奏を聴いただけで、きっと皆さん踊りたくなるんじゃないかなぁ。私は踊りたくなりました(笑)。氷川さんに、この曲を歌う時、バックで踊らせてーとお願いしているところです(笑)映画「老後の資金がありません!」も、氷川きよしさんの「Happy!」も、楽しみにして頂けると嬉しいです。
2021年05月13日4月中旬、東京都内の住宅街にある介護施設。その入口でワンボックスカーのスライドドアが開くと、グリーンのトレーナー姿の戸田恵子(63)が降りてきた。続いて奥からゆっくりと高齢の男性が現れた。戸田は慣れた様子ですぐさま手を貸し、転ぶことがないようしっかりと支えながら、彼が車から降りるのを手伝った。運転手から手荷物を受け取ると、男性の手を引き、一緒に施設の中へ入っていった――。「男性は戸田さんのお父さんです。彼女は50年間離れて暮らしていた90歳になるお父さんを昨夏、名古屋から東京に呼び寄せたんです。お父さんはふだんは施設で生活していますが、この日は病院に行くのを、戸田さんがサポートしていたようです」(戸田の知人)戸田は俳優・井上純一(62)と’06年に離婚。独身を貫いている。このコロナ禍、“ワンオペ”で実父の介護生活を送っていたのだ。「幼いころから名古屋の児童劇団に所属し、子役として活躍していた戸田さんですが、ご両親は、彼女が小学生のとき離婚しました。ひとりっ子の戸田さんは、父母のどちらと一緒に暮らすか選択する際、お母さんの涙を目の当たりにして、お母さんとの2人暮らしを決めたといいます。16歳のときに歌手デビューし、上京して以来は、お父さんとは年に1回会う程度だったと聞いています」(前出・戸田の知人)苦楽を共にした母親も16年前に74歳で他界。戸田はかつてインタビューで約4年におよぶ在宅介護生活についてこう語っている。《母は14年ほど肝臓を患って最後の4年はがんと認知症のダブルでした。撮影の合間に少しでも時間があったら家に戻って、食事の世話をしたり、母がつまずかないように部屋の掃除をしたり》《私は自宅で介護をしたけれど、母にはもっといろいろなことをしてあげられたんじゃないかなと、よく思います。一緒に暮らすとやっぱりイライラしちゃうし、怒りが湧いてくる》(ともに『婦人公論』?’16年4月26日号)■母の死後、今度は離別の父が脳梗塞に…彼女を知る舞台関係者は言う。「戸田さんが仕事のロケなどで数日外出する際は介護施設のショートステイを利用したこともありました。ただ、お母さまはもともと人と一緒にいるのが得意ではなかったそうで、施設に順応するのは難しかったと聞いています。ヘルパーさんにお願いするのもお母さんが気を使うからと最終的に在宅介護を決心したそうです」母親が亡くなった翌年、戸田は井上と離婚している。「当時、母親の介護による別居も、離婚の一因だったのではと報じられました」(スポーツ紙記者)母親の死を、戸田はなかなか受け入れられず、母親の遺品整理にかなりの時間を要したそうだ。《最近になってようやく、母の部屋にあった小さな冷蔵庫を処分しようかな、という気になりました。死後10年って、少しずつ受け入れられるようになったのでしょうね》(前出『婦人公論』より)母を亡くした心の傷が少しずつ癒え始めたころ、名古屋在住の父親が脳梗塞で倒れたという。「病気が再発したこともあり、視野狭窄で視界がかなり狭まってしまったそうなんです。お父さんはかつて料理の仕事をしていた時期もあり、家事全般を自らできる方だったのですが、ひとり暮らしを心配した戸田さんは、お父さんにケアハウスやサポート施設への入所を相談。地元のそうした施設へ頼ることを決めたそうです」(前出・戸田の知人)定期的に父親の様子を見に、地元に戻っていた戸田だったが、新型コロナの感染拡大により、父親と会えなくなってしまったという。戸田は4月14日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)でこう語っている。「そのうち“東京からの人とは接触してほしくない”ということになりまして。それもわかります、高齢者の施設なのでね。これはどうしたものかなと思って……。それで東京の施設で面会ができるところもあると知り、まさかとは思ったんですけど『東京に来る気はある?』と(父に)聞いたら『来る』って言ったんですよ!」■「母のことに関してはいつも後悔がたって…」冒頭の都内の介護施設には昨夏、入所したという。「週に2回は面会、月に1回は通院の付き添いをしています。心配なので、お父さんに会えない日は毎日電話をかけているそうです」(前出・戸田の知人)戸田は『徹子の部屋』でこうも語っている。「あのころ(母の介護時代)は私もいっぱいいっぱいの感じで。今だったらこうできたのになあって、母のことに関してはいつも後悔が先立ってしまって……。両親は別れた2人だから母は上(天国)からどう思って見てるかなと思います。今では母が別れた父を、私が見るという面白い図になってるなと。母にはおおらかに見ていてもらえればと思います」今度は実父の介護に奮闘する戸田。「株式会社ねこの手」代表で、介護コンサルタントの伊藤亜記さんも今回の彼女の決断を支持する。「お母さまを在宅介護でひとりで看取るのは肉体的にも精神的にもつらい思いをしたはずです。ただ、人の手を頼るからこそ優しくできる面もあります。戸田さんがその経験を生かしていて、お父さまとの向き合い方を考えて実行していることは非常に素晴らしいです」《家族は愛を、介護はプロに》の心構えを持つ勇気も大切だという。「コロナ禍で面会もままならず、『親に本当はこうしてあげたかった……』と嘆く人は多いです。コロナ禍は家族のあり方を改めて考える契機。悔いの残らない選択をすることが肝要です」(伊藤さん)戸田は、こんな“夢”を周囲に打ち明けているという。「3年前、彼女は三谷幸喜さんの脚本で一人芝居に挑戦した際、その重圧に『もう二度とできない』と思っていたそうです。ただ、最近になって“もう一度一人芝居を”という気持ちが芽生えてきたようです。お客さまの前で直接拍手をいただけるありがたさを、このコロナ禍で改めて感じたそうです」(前出・舞台関係者)仕事現場では太陽のように笑っているという彼女。天国の母親、そして呼び寄せた父親のためにも、戸田は前を向いて歩み続ける――。「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
2021年04月29日新垣結衣(32)が22年に放送されるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演すると明らかになった。大河初出演となる新垣が演じるのは、主演・小栗旬(38)演じる北条義時の初恋の人・八重だ。NHKの公式サイトによると、新垣は「辛い宿命を抱えながらも心に宿した愛を生涯失うことがなかった、ある意味では秘めた強さを持った女性なのではないかと想像します。諸説ある中、断片的ではありますが八重の人生を知ったとき微かに胸が震えるような気がしました」とコメント。また大河ドラマと脚本家・三谷幸喜氏(59)の作品に初出演することについて、「全て楽しみながら真摯に向き合っていけたらと思います」と意欲を見せている。今年1月2日に放送された『逃げるは恥だが役に立つガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBS系)でも、6年ぶりの“みくり”を演じて話題を集めた新垣。いっぽう出演ドラマが決定するたびに大々的に取り上げられる新垣だが、出演作品はそう多くはない。「新垣さんは18年放送の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)に出演して以来、ドラマから遠ざかっていました。しかし昨年、ムロツヨシさん(45)主演の『親バカ青春白書』(日本テレビ系)に登場。新垣さんは助演として、亡くなった妻役を好演しました。主演級である新垣さんですが、“充電期間”の間に『役者としてはマイペースにやっていきたい』と考えるようになったそうです。出演作品が少ないのも、そういった意向が反映されているのでしょう。しかしその希少性が、逆に彼女への注目度を高めることになっています」(芸能関係者)“充電期間”を経て、再び役者として動き始めた新垣。『テレビブロス』19年4月号では、方向性についてこう語っていた。《これまでありがたいことに主役とかヒロインばかりをやらせていただいていたので、今後は脇で支えるような役にももっと挑戦してみたいかも》「脇で支えるような役にももっと挑戦してみたい」ーー。そんな選択によって、むしろ注目度が増した新垣。その起用は、大河ドラマの制作サイドにも恩恵をもたらすことになりそうだ。「三谷さんは新垣さんの役柄について、『スリリングなキャラクターになっています』とほのめかしていました。すでにSNSでは、『大河はあまり見たことないけどガッキー出るならみたい』といった期待の声も上がっています。ただでさえ小栗さん主演で注目度が高いなかで、そこに助演として新垣さんのような主演級が起用できれば“鬼に金棒”。ニュースとして扱われる機会も倍増するので、話題性の面でも相乗効果をもたらしてくれます。特に新垣さんのドラマ出演は“レア”とされています。そのため、視聴率アップや新たな視聴者獲得も見込めるのではないでしょうか」(テレビ局関係者)“最強の助演”としてキャスティングされたガッキーが、作品を盛り立ててくれそうだ。
2021年04月15日新垣結衣が、2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で大河ドラマ初出演を果たすことが決定した。三谷幸喜作、小栗旬主演のタッグで贈る来年の大河ドラマは、華やかな源平合戦、その後の鎌倉幕府誕生を背景に権力の座を巡る男たち女たちの駆け引き、源頼朝に全てを学び、武士の世を盤石にした二代執権・北条義時を描く物語。菅田将暉、大泉洋、中川大志、小泉孝太郎、南沙良らに続き、第二次出演者として、今回新たに3名のキャストが発表。小栗さん扮する主人公・北条義時の初恋の人、八重役を演じるのは、大河ドラマ初出演となる新垣結衣。演じる人物について「辛い宿命を抱えながらも心に宿した愛を生涯失うことがなかった、ある意味では秘めた強さを持った女性なのではないかと想像します」と分析した新垣さんは、「大河ドラマ、そして三谷幸喜さん脚本の作品への出演は初めてになります。三谷さんが『新しい大河を作りたい』と会見でおっしゃっていて、どんなことになるのかますます予想もできません。それも全て楽しみながら真摯に向き合っていけたらと思います」と意気込みを語っている。また、坂東の巨頭 上総広常役を佐藤浩市。日本一の大天狗 後白河法皇役を西田敏行が演じることも明らかに。佐藤さんは「房総半島の豪族・上総広常といっても、ピンとくる方は多くないでしょう。私自身もそうでした。当時、それぞれの地で彼らのおかれていた立場、関東の豪族たちのヒエラルキーなど、そこにある面白さや悲哀をうまく見せられたらと思っています。特に今回は三谷さんが書かれているので、上総についても一筋縄ではいかない人物を書いてくれるはずです」と期待し、西田さんは「三谷さん流のアイディアと独特のユーモアセンス、歴史観、人生観が相まった脚本になってくると思います。役者としてフィールドを広げ、堂々と受けて立ちたい」と熱いコメントを寄せている。2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は2022年1月から12月放送予定。(cinemacafe.net)
2021年04月15日柳楽優弥と田中泯がW主演を務める映画『HOKUSAI』が5月28日(金)に公開となる。この度、本作が台湾でも今夏に公開されることが決定した。代表作『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』が2020年2月に新たに刷新された新パスポートや2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト葛飾北斎の生涯を描いた本作。19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となった、世界で最も有名な日本人で、米LIFE誌「この1000年で偉大な功績を残した100人」にも唯一の日本人として選ばれている北斎は表現者たちが自由を奪われていた時代に、ひたすら絵を描き続けていた。この映画では、抑圧に負けず自分の道を貫き、表現の自由を求めた北斎の姿を通して、今を生きる人々にメッセージを届ける。台湾では葛飾北斎の作品も扱われた展示「江戸風華-五大浮世絵師展」が2020年に1月から4月まで台北市で開催され、北斎の絵を一目見ようと10万人を超える来場者が訪れる大盛況を見せた。本作がどう受け入れられるのか注目したい。さらにアジアや中南米、ヨーロッパ、北米での公開も準備中ということで、ますますの広がりも期待できるだろう。今回の公開決定を受けた配給会社ifilmからのコメントは以下。配給会社ifilm・コメント弊社は今までたくさんの日本映画を配給させていただきました。是枝和裕監督や三谷幸喜監督の作品、また阿部寛さん主演の『テルマエロマエ』、アニメ映画に関しても新海誠監督の『君の名は。』をはじめ、細田守監督の『未来のミライ』、『バケモノの子』などを配給しました。今回の『HOKUSAI』に関しては、まず北斎という人と彼の作品は世界的に有名ですごく人気があります。台湾でも一番よく知られている日本人だと思います。昨年行われた台湾の北斎展覧会では、初めて彼の作品が台湾の人たちにお披露目となり、大変人気を博していました。『HOKUSAI』という映画はあまり知られてない北斎の生涯、また同じ江戸時代に活躍した絵師たちのことも描かれていますが、この映画を通じで台湾の人達に浮世絵だけではなく、その絵の裏にある背景をもっと深く理解してもらうことができると思います。これが私たちが配給したいと思った一番の理由です。また『HOKUSAI』は豪華なキャスティングで、柳楽優弥さん、田中泯さん、阿部寛さんをはじめ、台湾の観客によく知られている俳優さんたちばかりなので、とても期待しています。映画『HOKUSAI』5月28日(金)より公開
2021年04月13日昨年12月に再演決定が発表されたミュージカル「日本の歴史」の公演詳細が発表された。三谷幸喜が作・演出、荻野清子が音楽を手がける「日本の歴史」は、2018年から2019年にかけて上演されたオリジナルミュージカルで、卑弥呼の時代から太平洋戦争までの約1700年に渡る日本の歴史をある時は華やかに、ある時は重厚に、荻野が紡いだメロディに乗せて語られていく唯一無二の歴史ミュージカルだ。単なる歴史の出来事の羅列ではない骨太な人間ドラマを、キャッチーなメロディと親しみやすい歌詞と共に展開。物語を行き交うのは、歴史上の偉人たちから市井の人々までの60以上の登場人物たちだ。有名無名に関わらず、その一人ひとりに語られるべき物語があり、歴史があるのが人間の営み。それを中井貴一、香取慎吾をはじめ、新納慎也、シルビア・グラブ、宮澤エマ、秋元才加の初演メンバーと、新加入となる瀬戸康史の7名の俳優のみで演じ、歌い踊りながら、三谷幸喜渾身の壮大な大河ミュージカルを届ける。チケット販売は5月8日よりスタート。最新情報は随時、公演サイトで発表されるので、ぜひ期待してほしい。【公演詳細】ミュージカル「日本の歴史」東京公演:2021年7月6日(火)~18日(日)予定 / 新国立劇場 中劇場大阪公演:2021年7月23日(金)~30日(金)予定 / 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ作・演出:三谷幸喜 / 音楽:荻野清子出演:中井貴一、香取慎吾、新納慎也、瀬戸康史、シルビア・グラブ、宮澤エマ、秋元才加企画・製作・お問合せ:シス・カンパニー 03-5423-5906(営業時間 平日11:00~19:00)公演サイト:
2021年04月06日木村拓哉と「新しい地図」の草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾「俳優の」という肩書きが、この3人にはしっくりくるようになった。「新しい地図」の稲垣吾郎(47)、草なぎ剛(46)、香取慎吾(44)の“演技者”としての活躍が目覚ましい。つい先日発表された日本アカデミー賞では、映画『ミッドナイトスワン』に主演した草なぎが、最優秀主演男優賞を受賞した。「3人のすごさは、生の舞台によって鍛えられていると思います。SMAPが解散しジャニーズ事務所を退所して以降、地上波のドラマなどに出演する機会がジャニーズ時代のようになくなったことが、結果的にこの3人を“本物の俳優”、“本物の役者”にしたと考えます。そう考えればSMAP解散の功績がこの3人の今ですよ」そう語るのは演劇評論家だ。■舞台から20年以上離れている木村拓哉草なぎは昨年1月に上演された舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』の主演を務めたが、「草なぎのためのショー、舞台だった。歌と踊りとセリフで観客を鼓舞し、まるで希代のアジテーターでした」(前出・演劇評論家)。現在出演中のNHK大河ドラマの自身の撮影分終了後、今年11月の再演が決まっている。昨年12月に再演舞台『No.9ー不滅の旋律ー』でベートーヴェンを演じた稲垣は、4月23日には舞台『サンソン ールイ16世の首を刎ねた男ー』(東京・大阪・福岡公演)の初日を迎える。香取は、東京・明治座で1か月公演『さくら咲く歴史ある明治座で20200101にわにわわいわい香取慎吾四月特別公演』(4月9日~)が控えている。自ら演出も手掛ける熱のいれようで、それが終わると7月上旬に開幕するミュージカル『日本の歴史』(三谷幸喜作・演出。再演)の稽古(けいこ)に入るという。「ドラマや映画の撮影とは違う緊張感が役者を成長させるのが、舞台という空間なんです。今年度の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した岡本健一、役者で勝負することで退所を決断したV6の森田剛ら、ジャニーズ事務所所属のタレントの中には、若いころから舞台に魅了され、演技の才能を開花させている人もいます」とはスポーツ紙元ジャニーズ担当記者。こう続ける。「SMAP時代はテレビ・ラジオ、CM、コンサートなどがメインで、舞台に魅了されるメンバーはいなかった。みなさんご存知のように解散後の事情から、テレビではなく活躍の場所を舞台に求めたわけです。元SMAPの中居正広はあまり演技志向ではない。木村拓哉は、映画やドラマ出演ばかりで、生の舞台からは20年以上離れている。舞台で輝く3人と、映画やドラマで輝く木村が、今後どんな50代の役者になるのか。その違いが楽しみですね」SMAP解散から5年。日本アカデミー賞の受賞スピーチで草なぎは、「慎吾ちゃんとか吾郎さんとか、本当に近い人たちが支えてくれて、きょうこの舞台に立てたんだなと思ってうれしいです」と「新しい地図」の仲間、さらに彼らを支える「近い人」に感謝を伝えた。解散後、「新しい地図」はきちんと描けていたことになる。〈取材・文/薮入うらら〉
2021年04月01日●2人の子供とは「友達のような関係になれたら」「きかんしゃトーマス」シリーズの劇場版最新作『映画 きかんしゃトーマス おいでよ! 未来の発明ショー!』で、声優初挑戦を果たしたお笑いコンビ・ジャルジャルの後藤淳平。悪だくみに巻き込まれてしまう機関車・サニーの葛藤を、見事に演じている。2児の父親でもある後藤だが、本シリーズは「親子2世代にわたって観ている」そうで、「子供たちが喜ぶ仕事ができるのは、うれしいですね」とにっこり。「子供が生まれてからは特に、妻に感謝することばかり」という彼が、子育てのモットーを語った。■「子供たちが喜ぶ仕事ができるのは幸せ」未来の発明ショーのために、世界中の発明家たちがソドー島に大集合。トーマスがショーを盛り上げようと奮闘する中、思わぬ大騒動が巻き起こる様を描く本作。後藤は、発明品を盗み出そうとする2人組バズ&バーニーに連れられて、ソドー島にやってきた機関車・サニーを演じている。初声優のオファーを受けて、後藤は「僕も幼い頃は、学校行く前によく『きかんしゃトーマス』を観ていました。今回のお話をいただいて『ヨッシャー!』と思いながら、なんで僕を選んでくれたんやろうと意外にも感じました」と驚きもあった様子。「うちの子も観ていて、僕が『きかんしゃトーマス』の映画に出ることを話したら、ものすごく喜んでくれました。そういう仕事ができるのは、幸せですね。家には、トーマスのプラレールもありますよ! おもちゃ箱に入れておいたら、スイッチを切り忘れていたプラレールから、夜中に急に汽笛が鳴ってびっくりしたりして」と目尻を下げる。サニーは、悪だくみに巻き込まれながらも、本当は誰かの役に立ちたいと葛藤している機関車。後藤は「人間味があるなと思いました」とサニーの印象を吐露する。「サニーは“役に立ちたい、信頼してほしい”と思っているのに、その思いが先走ってしまって、逆に信用を失ってしまうようなところもあって。“自分のやっていることがうまく伝わらない”というもどかしさって、きっと誰もが経験しているものだと思います」と語り、「僕も芸人としてデビューして間もない頃は、なかなか結果を出せなくて。“こんなに面白いことをやっているのに、どうして気づいてくれないんだろう。なんで売れないんだろう”と、もどかしく思っていました。そういった気持ちとサニーの思いは、少し重なる部分があるなと思いました」と共感しきり。「僕の場合は、誰かと比べないことが大事なんだなと気づいてから、そのモヤモヤが少し晴れてきたような気がします。あとは、どんなに“しょうもない”と思えることでも、やり続けていたら、いつか形になるものなのかなと思っています」と継続の重みを噛み締める。■「子供がすくすくと育っているのは妻のおかげ」父親目線で観ると、改めて本シリーズの魅力を実感することもあったという。後藤は「“なにかを勉強しよう”と思わぬうちに、自然といろいろなことが学べるのが『トーマス』のいいところだと思います。子供と一緒に観るには、最高やなと思います」とコメント。「たとえば本作では、サニーが仲間の機関車を助ける場面があります。あそこは僕もすごく感動しました。また、悪いことをしてしまったら、きちんと謝る機関車もいる。普遍的なことや、大事にしたいことがたくさん描かれているなと思いました」としみじみと語る。2人の男の子の父親である後藤にとって、子育てのモットーにしていることはどんなことだろうか。すると、「2人とも男の子なので、友達のような関係になれたらいいなと思っています。威厳のある父親というよりは、同じ目線で話せる関係でいたいなと。次男はまだ5歳ですが、僕のことを『淳平』って呼ぶんですよ(笑)。僕も『今日は仕事行くの、面倒くさいな』とか、あえてダメな部分も見せるようにしています。そうすることで、思春期や反抗期になっても、なんでも相談してくれる関係になれたらいいなと思っています」と理想は“友達のような関係”だという。「僕も含めて、家に3人の男の子がいる感じかもしれないですね」とも明かし、「叱るときには、妻がきちんと子供を叱ってくれる。僕が友達のような立場でいられるのも、完全に妻のおかげですし、2人がすくすくと育っているのは、すべて妻のおかげ。家族にとって、絶対的な存在です。なかなか口に出して感謝を伝えられていないので、もっと『ありがとう』と言わないとダメですね」と照れくさそうに話す。●子供が誕生したタイミングで働き方を実行■「一つ一つのクオリティは確実に上がった」彼らにしかない独創的な発想力と世界観で、観客を魅了し続けているジャルジャル。子供が生まれた時期と同じくして、働き方にも変化があったという。「子供が生まれたからというわけでもないんですが、ちょうど同じくらいのタイミングで、健康的なスケジュールで働くことを心がけるようになりました。忙しくてバタバタしているよりも、なるべく夜中までは働かないようにして、休みもきちんと取る。相方の福徳(秀介)も同じ考え方なんですよ」。さらに「25、6歳くらいまでは、めちゃくちゃ忙しかった」と述懐。「1日を乗り越えるのがやっとというような、スケジュールで働いていましたね。明日のスケジュールもわからないような状態で、そうすると心の余裕もなくなってしまう。でもそういった経験があったからこそ、“これはちょっと考え方を変えなければいかんな”と気づくことができた。きちんと休みを取るようになってからは、もっとネタの細かいところまでこだわるようになったと思いますし、一つ一つのクオリティは確実に上がったような気がしています」と働き方改革をしたことで、「今すごく楽しいし、充実しています」と笑顔を見せる。演じたサニーは「誰かの役に立ちたい」と奮闘するが、後藤もお笑い道を邁進することで「いつの間にか誰かの役に立っていた」と思える瞬間があると、うれしそうに話す。「基本的には、“福徳と2人でなにかやる”ということが楽しくてやっているんですが、その結果、『YouTubeの配信、いつも楽しみにしています』とか、『これがあるから、毎日頑張れます』とコメントしてくれる方もいます。『ジャルジャルさんを知って、ライブに行ったことで救われた』というお手紙をもらったこともあります。めちゃくちゃうれしかったですし、本当にやっててよかったなと思いました」と“笑いの力”を実感し、「これから年齢を重ねても、“その年齢だからこそできるネタ”というのがあると思います。笑ってくれる人たちがいるということもやりがいに、これからも楽しんでいきたいです」と力強く語っていた。『映画 きかんしゃトーマス おいでよ! 未来の発明ショー!』は3月26日より公開。■後藤淳平1984 年3月20日生まれ、大阪府出身。2003年にお笑いコンビ・ジャルジャルを結成。2007年「NHK 新人演芸大賞演芸部門」大賞。2013年「ABC お笑いグランプリ」優勝、2020 年「キングオブコント2020」優勝。三谷幸喜監督の『記憶にございません』(19)に出演するなど、俳優としても活躍している。
2021年03月27日大泉洋撮影/廣瀬靖士 主演オファーが引きも切らない人気俳優だが、自身を主人公にあて書きされた小説の映画化では、意外な本音を吐露。週刊女性特写4年ぶり登場の大泉を直撃!■挫折あっての“今”「小説は僕にあて書きしているんだから、映像化にあたっては、これほど役作りのいらない役はないはずだって言っていたけど結果、今まででいちばん難しい役になってしまいました」主演映画『騙し絵の牙』(3月26日公開)は、原作者の塩田武士さんが俳優・大泉洋を主人公にあて書きしたことでも注目を集めたベストセラー小説を映像化した。大手出版社を舞台に、創業一族と次期社長をめぐる権力争いのなかで、廃刊危機の窮地に立たされた雑誌編集長の笑顔の裏に隠された“牙”が浮かび上がっていく。「今回の小説もそうですが、三谷幸喜さんも(僕に)あて書きをされる方で必ず二面性がある。三谷さんは裏でとんでもなく悪いことをしている人間に描かれるわけですが(僕自身は)決してそういう人間ではありません(笑)」あえて自身の二面性をあげるとすれば?「単純に暗いですね(笑)。ポジティブなところもあるけど、ネガティブな面もあるなぁ。紅白の司会のお話をいただいたときも“やったー”ではなく“マジか”と僕にできるかなと、悩みました」軽妙で話し上手な明るいキャラクターのパブリックイメージとは対照的。「ネガティブとポジティブが共存しているんです。2年浪人して希望した大学に行けなかったことは唯一の挫折。僕にとっては最低な出来事だけど、それがなかったら俳優の仕事は絶対できていないし、TEAM NACSにも出会ってなかった。そう思うとすべてをポジティブに考えられる。何があっても僕にとって絶対必要なことだと思える。ただ細かいことにネガティブになっちゃう。いろんな仕事をいただけてありがたいと思うけど、主役は結果を背負う部分もあって不安にもなりますね」演じる雑誌編集長の速水は“できる男”だ。「切れ者ですごく仕事もできて、部下への対処の仕方もカッコいい。うれしくもあり、僕自身はこんなにカッコよくないわと思いながら読んでいました」映画『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』『美しい星』などを手がけた吉田大八監督と初めてタッグを組んだ。「吉田監督からは“今のは大泉さんぽかった”と、何回もNGを出されまして。“僕をイメージして書いている小説の映画化なんだから、僕っぽくて何がいけないんだ!”と、監督に言って現場でウケてました(笑)。でも監督が、僕の素が出る芝居を採用しなかったことで映画を見たときに、今までの作品で、いちばん僕らしくない役になったと思います。監督から速水は“飄々としてつかみどころがない。何を考えているかわからない人”とずっと言われ、感情を抑える芝居を求められました。1回でOKが出ることはめったになく、最低3回はやりましたが、ワンカットワンカットに達成感があり充実していました」■もうすぐ48歳でも内面は「中2」4月3日の誕生日で48歳になる。「びっくりとしかいいようがないです。じわじわと焦りも出てきています。自分の精神年齢が48歳という押しも押されもせぬ大人の年齢に追いついていない焦り。まだ内面は中2みたいなのに年齢だけ48になった驚きと、役者として、できる役もあるだろうけど、だんだんできなくなっていく役もあるのかなという思いもあります。主演できる作品も狭き門になっていくのかな、と。でも、そのぶんオトナの恋愛とかやりたいです。恋愛モノは悪役と同じくらい演じていないですね。以前、マネージャーに悪役もやってみたいなぁと言ったら、1年に3本くらい殺人者の役を演じまして、これは向かないなと思いました(笑)。猟奇的な役柄だったせいか、悪人や人殺しの役は疲れましたね。今後の俳優像?具体的にはなくて自分が、どんな役やどういう作品に出会えるか、楽しみにワクワクして待っている感じ。完璧に面白いものに出会えることはそうないかもしれないと思うと宝くじを毎回、引いている気分です。今回の作品は、だましだまされるストーリー展開が面白い。女性がすっきりした気分になれる映画にもなっています」劇場に足を運んでみて!映画『騙し絵の牙』出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、中村倫也、國村隼、佐藤浩市ほか/3月26日(金)全国公開/配給:松竹スタイリスト/九(Yolken)ヘアメイク/西岡達也(ラインヴァント/Leinwand)
2021年03月25日A New Musical『ゆびさきと恋々』が6月4日(金)から13日(日)に渡り、本多劇場で上演される。この度、本作より豊原江理佳演じる主人公・雪と、前山剛久演じる先輩・逸臣のビジュアルが公開された。さらに両者以外のメインキャストからコメントも到着している。本作の原作は「第11回ananマンガ大賞」など数々のマンガ賞を受賞し、記録的重版で話題を呼んでいる漫画家ユニット・森下suu作の少女マンガ『ゆびさきと恋々』(講談社「デザート」連載)。累計100万部突破を目前に控える人気コミックスだ。物語は聴覚障がいのある女子大生・雪と世界を飛び回る先輩・逸臣のピュアなラブストーリー。脚本は、オリジナル作品から海外作品の翻案・上演台本まで幅広く手掛け、物語や人物を生き生きと丁寧に紡ぐ飯島早苗が務める。音楽は「日本アカデミー賞」優秀音楽賞受賞、『日本の歴史』や『ショーガール』等の三谷幸喜作品をはじめ、数々の舞台・映像で心躍り記憶に残る音楽に定評のある荻野清子。演出には『Shakespear’s R&J』、こまつ座『どうぶつ会議』等で劇場を特別な空間に変え、好評を博した新鋭・田中麻衣子があたり、胸キュン必至の新しいミュージカルを作り上げる。主人公・雪役には、1月上演の音楽劇『ピーター&ザ・スターキャッチャー』での天真爛漫な演技が注目を浴びた新進のミュージカル女優・豊原江理佳。逸臣役は『刀剣乱舞』、『ヒプノシスマイク』等の2.5次元作品で人気を誇り、『No.9』や8月にはミュージカル『王家の紋章』など大劇場への出演も控える前山剛久が演じる。さらにアンサンブルキャストや、オリジナルミュージカルを創り上げるオールスタッフも決定。演劇界の第一線で活躍するクリエイティブスタッフ陣に加え、手話をひとつの言語として活動する俳優の三浦剛、自身も聴覚障がいを有する女優の忍足亜希子が手話指導として参加する。さらに音楽はピアノ(森本夏生)とチェロ(白神あき絵)の生演奏に決定し、雪たちの世界に彩りを与えてくれるだろう。りん役・林愛夏少女漫画のミュージカル化とお聞きして、「ゆびさきと恋々」の繊細な内容をどのように表現出来るのかとても楽しみです!お客様に作品の魅力をお届け出来る様に頑張ります。りんとの共通点は友達には恋愛のアドバイスができるのに自分のことになると不器用なところだと思います。そんな友達想いのりんの恋も楽しみです。声の壁を超えて繋がる2人の幸せを願って、可愛いくてひたむきな雪を全力でサポートします!エマ役・青野紗穂今回エマ役で出させていただきます!本当にありがとうございます。今まで参加したことのないキュンキュン作品に今から緊張しています。雪と逸臣。逸臣に恋をするエマ。エマに片思いの心。日々の中で雪のような障害を持った子と接する事もあるとおもうのですが、実際どう接するのが正解なのかとか、相手はどう思ってるのかとか、キュンキュンなシーン以外でも沢山考えさせられる舞台になると思っています。「世界は広いですか?」と言う 1 話に出てきた雪の言葉が、沢山の意味に解釈できるような素敵な世界観を作れるよう頑張ります!人との繋がりや、コミュニケーションの取り方など、改めて大事にしようと思える作品だと思います!とっても楽しみです!皆様に会える日を心待ちにしています!桜志役・池岡亮介『ゆびさきと恋々』は、とても表情豊かで魅力溢れるキャラクターばかりです。気持ちを伝えることの難しさ、大切さを感じる日々...…。どんなに不器用だろうが、どれだけ拙かろうが懸命に想いを届けようとする登場人物たちに是非会いに来て下さい。大いにキュンキュンしていただけたら嬉しいです!心役・宮城紘大皆さま初めまして。心役の宮城紘大です。色んな言葉や想いが飛び交う今のこのご時世で、こんなにメッセージ性のある作品に出演出来ること。本当に幸せです。原作を読みましたが、繊細な描写、登場人物の心の中の想いが凄く素敵で僕自身この作品のファンになりました。素敵なキャストの方々と共演出来ること。そしてミュージカルに出演した経験がまだ少ない僕ですが精一杯この作品の一部になれるよう精進します。よろしくお願いします。京弥役・上山竜治コロナ禍で直接顔を合わすことが難しい中、大切な家族や友人とどうやって心を繋げることができるかを模索し続けました。原作では障害を抱えながらも言語を超え、想いを届けようと奮闘する登場人物達に共感し、とても感情移入しました。舞台上で懸命に生きる僕らをぜひ楽しみにしていてください。■舞台情報A New Musical『ゆびさきと恋々』6月4日(金)~13日(日)会場:本多劇場チケット:8,800円(全席指定・税込)※未就学児入場不可4月17日(土)一般発売開始3月24日(水)よりチケット先行予約受付開始
2021年03月24日斉藤由貴’80年代、アイドルとしてスターの階段を駆け上がった斉藤由貴(54)。そんな彼女も今年で35周年を迎えた。個性派女優として多くの作品に出演、私生活では3度の不倫騒動を起こしても不死鳥のように復活する、彼女の半生を振り返る──。斉藤由貴が、今年でデビュー35周年を迎えた。’17年には不倫相手が自分の下着をかぶった写真が流出、“パンツ不倫”をした女優というイメージが強いかもしれない。しかし彼女、’80年代を代表するアイドルのひとりなのだ。’84年に『ミスマガジン』でグランプリを獲得すると、翌年には『卒業』でアイドル歌手デビュー。その年に『スケバン刑事』でドラマ初主演、’86年には朝ドラ『はね駒』でヒロインを務めた。ドラマウォッチャーの吉田潮さんは斉藤について、「下積みなしで芸能界の階段を一気に駆け上がりましたよね。当時、事務所からの寵愛がすごいな、って思っていました」『スケバン刑事』のときから女優としての斉藤を見てきた吉田さん。彼女の出演したドラマで印象に残っているものを聞いてみると、「’93年の『同窓会』(日本テレビ系)ですね。このドラマ、当時としてはかなり冒険した作品で、ゲイを題材にしたドラマなんです。今に比べてカミングアウトが難しい時代に、ゲイをテーマとして扱い、西村和彦や山口達也といった男性出演陣の全裸シーンが、ほぼ毎回ありました」その1話目の斉藤の登場シーンが衝撃的で忘れられないという。「毛じらみに感染して、“痒い”と股間をボリボリかくんですよ(笑)。それまでは清純派というか、そこそこキレイな役ばかりやってきた彼女がこんな役をやるなんて……。驚きましたね」デビューしてから約10年間は、ほぼ途切れることなくドラマや映画に出演し、演じる役の幅をひろげてきた斉藤。その中で’91年には尾崎豊、’93年には川崎麻世を相手に不倫騒動を起こす。「私、実は初めて女性のアイドルで好きになったのが、斉藤由貴なんです。取り繕ったり、ぶりっ子したりというアイドルとはちょっと違う、今までにない“純粋さ”を嗅ぎ取ったはずだったんですけど、ふたを開けたら“魔性の女”だったんだと(笑)」(吉田さん、以下同)この騒動のあと、’94年に一般男性との結婚を発表。斉藤自身、この時期のことをインタビューで、《あのときはいろいろやんちゃしていまして(苦笑)。たぶんマネージャーさんも「由貴ちゃんはそろそろ結婚してもいいんじゃないか」と思っていたんじゃないでしょうか》と振り返っている。デビュー10年、まだ20代での結婚を許した事務所の接し方も、斉藤という女優を育てるのに合っていたのでは、と吉田さんは話す。■「斉藤由貴」という独自の立ち位置「彼女の所属事務所・東宝芸能は、沢口靖子や長澤まさみ、最近だと上白石萌音という、人気女優を途切れることなく輩出しています。その中でもスキャンダルが多く、いちばんの問題児が斉藤由貴だけど、女優として育てていくのがうまいんですよね」ほかの所属女優とは違う、女優としての“立ち位置”を用意してきたのではないか、とこう続ける。「初めのうちは主演作もありますけど、結婚してからはバイプレーヤーとしての魅力が出ていると思いませんか?ちょっと色気があったり、ワケありだったり。悪女まではいかないけれど、めんどくさそうなやっかいな女という役では、すごくしっくりくるんですよね。これは彼女独特の立ち位置だと思います」ただの美人女優ではない、いろいろな役を演じることにより今に至っていると吉田さんは分析する。「三谷幸喜監督の映画『記憶にございません!』では、ちょっと癖のある料理人、宮藤官九郎のドラマ『吾輩は主婦である』(TBS系)では、妄想癖のある主婦──。派手に目立ったりはしないけれど、彼女ならではの役を演じていますね」女優として独自の道を進む斉藤。プライベートでは不倫を繰り返すなど、自由奔放な生き方をしてきた。この生き方は女性の目にはどう映るのか?「インタビューの受け答えや、雰囲気を見ていると“不思議ちゃん”。これは私の主観ですが、男性をたぶらかすというより、彼女は自分自身がいちばん好きなんじゃないかな、って。自分自身がこんなに好きな“斉藤由貴”を男性が求めるのは当たり前でしょ、と(笑)」とはいえ、嫌いな人は本当に嫌いなんだろうと吉田さん。だが、最近の若い人は斉藤が“魔性の女”と呼ばれていることを知らないと思うと話し、「尾崎豊を知らないという人も増えてますから。彼女自身も20世紀の“やんちゃ時代”は、なかったことにするくらいの潔さでいるんじゃないかな」■“黒い部分”が魅力に……’17年の不倫騒動では、決まっていた大河ドラマ『西郷どん』の出演を降板するという事態にもなった。前回、前々回とは時代が違うから、としながらも、これで少しは学んだのではないだろうか。「降板は痛手ですよね。言葉が悪いかもしれないけれど、“たかが”不倫で仕事を奪われる時代になっちゃったから。彼女もちょっと考えたと思いますよ。でもスキャンダルが一切ない、吉永小百合とか沢口靖子とかに私は興味が湧かないんです。人間として真っ白な人より、少し黒い部分があったほうがおもしろいじゃない」35周年ということで、歌手として自身の曲をリアレンジ。セルフカバーアルバムをリリース。《歌手を自称するのもおこがましいほど、私には歌の技量がない》と、歌手としての自分を自嘲する斉藤。では、女優としての彼女にドラマウォッチャーとして望むことを吉田さんはこう語る。「ドラマには絶対に必要な人だと思っています。かわいらしさを残しながら、図々しさもある、主役という王道ではない部分を、ちゃんと担える人です。竹内結子さんの遺作となった『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(フジテレビ系)で、ふんわりとしながらも、突拍子もない過去の栄華を語る事務員を演じていましたが、これは斉藤由貴以外できない役でした。こういう役、もっと見たいですね」あと、どうしても演じてほしいキャラがあるという。「今後は色ボケしたおばあさんとか(笑)。3回の不祥事を乗り越えてきたんだから、ご本人が芸能界をやめると言わない限り女優を続けてくれると思います。作品を先頭に立ってリードしていく女優ではなく、気がつくとはびこっている、みたいな存在で楽しませてほしいですね」PROFILE●吉田 潮(よしだ・うしお)●コラムニスト、イラストレーター、テレビ評論家として『週刊新潮』で『TVふうーん録』を連載中。『幸せな離婚』(生活文化出版)『親の介護をしないとダメですか?』(KKベストセラーズ)など著書多数
2021年03月19日東欧ブルガリアにて約1か月にも及ぶ海外ロケを敢行した異例づくしの大規模な撮影を行った『太陽は動かない』。藤原竜也と竹内涼真による、思わず息を呑むほどのアクションシーンが大きな魅力である一方、主人公・鷹野の高校時代を描いたパートは、いかにして今日の鷹野が誕生したのかを繊細な心情描写を通じて映し出しており、現代パートの“絶体絶命”とのコントラストが印象的。この瑞々しい青春模様を見事に演じ切ったのは、いま最も活躍が期待されている3名の人気若手俳優だ。高校時代の鷹野を演じたのは、6,000名を超えるオーディションを勝ち抜き、本作がスクリーンデビューとなった日向亘。すでにSNSでも「アクションも凄かった。エラい新人が‥」など話題沸騰中の日向さん。藤原さん、竹内さんと同じ事務所の後輩であり、1997年から藤原さんが保持していた、ホリプロの最年少グランプリ記録(14歳11か月)を1か月更新するなど、デビュー当時から大きな注目を浴びていた。本作の撮影に臨むにあたっては、藤原さんの過去作品を何度も見直しながら、話し方やしぐさなどを自分なりに研究し、役に落とし込んでいったそうで、芝居への貪欲な姿勢も伺える。連続ドラマ初出演ながら「姉ちゃんの恋人」では、有村架純演じるヒロインの弟(次男)を見事に演じ、その端正なルックスや演技の幅などから話題を呼んだことも記憶に新しい。また、同じく鷹野の親友であり、共にエージェントの訓練をおこなっている柳勇次を演じたのは加藤清史郎。武田プロデューサーが「柳役には早熟の存在感と芝居の練度を求めました」と語る通り、加藤さんといえば1歳から俳優活動を開始し、これまで数々の作品に出演。2009年にCMで演じた「こども店長」で一躍全国に知られる存在となり、大河ドラマ「天地人」では主人公・直江兼続の幼少時代・樋口与六を熱演。劇中で放ったセリフは2009年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされたが、「こども店長」が同トップ10に選ばれた。以降も『忍たま乱太郎』で主演を務めるなど順調に俳優としての道を歩み、3年間の高校留学を経て、昨年公開の『#ハンド全力』では7年ぶりの映画主演を飾った。4月29日公開予定の『劇場版ポリス×戦士 ラブパトリーナ!~怪盗からの挑戦! ラブでパパッとタイホせよ!~』では、世界規模の事件を扱うインターポールの愛川警部役を演じるなど、俳優として新たな一面を開花させている。最後に紹介するのは、ワケあって転校生として鷹野の高校に入学した菊池詩織を演じる南沙良。映画初主演を務めた『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で高い演技力が評価され、4月2日に公開予定の『ゾッキ』や日曜劇場「ドラゴン桜」ほか、2022年には三谷幸喜が脚本を手掛け、小栗旬が主演を務める「鎌倉殿の13人」で大河デビューが決定。源頼朝の愛娘(大姫)役を演じるなど、いまや映画やドラマに引っ張りだこ。本作では心に傷を抱えながらも、鷹野と出会うことで少しずつ克服し、成長していく様子を見事に演じきり、鷹野にとって永遠のポートレイトになる瑞々しさと儚さを表現した。藤原さん、竹内さんの最強バディを筆頭に、脇を固める市原隼人や佐藤浩市など豪華キャストが活躍する本作。その中でも存在感ある輝きを放っている彼らは、全員がまだ10代と伸びしろも十分。未来の映画界を背負って立つであろう、3人の活躍をスクリーンで確かめてみてほしい。『太陽は動かない』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:太陽は動かない 2021年3月5日より全国にて公開©吉田修一/幻冬舎 ©2020 映画「太陽は動かない」製作委員会
2021年03月14日