●レース競技も開催され、盛り上がった「第2回 科学の甲子園ジュニア」科学技術振興機構(JST)は12月5日(金)~7日(日)、都内で「第2回 科学の甲子園ジュニア」の全国大会を開催した。理科や数学など、理系分野の知識や応用力で挑む知的な競技会で、今年が2回目の開催。前回を上回る20,000名以上の中学生がエントリーし、各都道府県で選抜された47チーム、合計282名が全国大会に出場した。○初めてレース競技も開催「科学の甲子園ジュニア」は、高校生向けである「科学の甲子園」の中学生版として、昨年度(2013年度)初めて開催された競技会だ。団体戦になっており、1チームは6人で構成。代表の選考方法は各都道府県に一任されていて、メンバー全員が同じ中学校のチームもあれば、別々の学校の混成チームもある。競技は、筆記競技が1種類(300点)、実技競技が2種類(各300点)あって、その合計点で順位が決まる。この配点は前回と同じだが、大きな変更点は、今回、初めて実技で工作競技が導入されたことだ。高校生版の科学の甲子園には、「クリップモーターカーF1」(第1~2回大会)、「Mgホバーレース」(第3回大会)のような工作競技がある。順位をレースで決めるため、会場が最も盛り上がる看板イベントになっていたのだが、ジュニアの第1回大会にはこうしたレース競技が無く、どちらかといえばちょっと地味目な印象だった。今回、ジュニアで実施されたのは、自作のヘリウム飛行船を操縦して、的に当てながらゴールを目指すという新競技。前述の高校生版の工作競技では、予選で速い機体が大体決勝でも勝っていたが、ジュニアの場合、「人間の操縦」という不確実な要素が加わるため、決勝では大番狂わせも。生徒は大変だろうが、会場は大いに盛り上がった。筆記競技は非公開で進められたため、本レポートでは、2つの実技競技の様子を紹介しよう。●濃度が分からないアミラーゼ酵素水溶液の濃度比率をどう求めるのか?○実技競技1「酵素の濃度を決める」1つめの実技競技は化学実験だ。この実験では、アミラーゼ酵素水溶液、デンプン溶液、ヨウ素溶液などを使用する。濃度が分からないアミラーゼ酵素水溶液が3本用意されているので、マイクロピペットという特殊な器具も使いながら、この濃度の比率を求めるのが課題だ。デンプン溶液にヨウ素を入れると紫色に変色する。これがヨウ素デンプン反応だ。小学生のときに、ジャガイモなどで実験したことを覚えているだろうか。一方、アミラーゼ酵素は、デンプンを分解して糖に変える。この酵素は人間の唾液などに含まれているものだ。デンプン溶液とアミラーゼ酵素水溶液を混ぜた場合、酵素の濃度が高ければ、デンプンをたくさん分解するため、ヨウ素デンプン反応の色は薄くなる。色の濃淡から、濃度の違いが分かるわけだ。濃度の比率は、2:1、4:1、6:1、8:1、10:1のいずれかと決まっているので、濃い方のアミラーゼ酵素水溶液を2倍、4倍、6倍、8倍、10倍に希釈したものと比較すれば、そのどれかと紫色が同じになる。そこから、濃度の比率を求めることができる。この競技で難しいのは、自分たちで実験の計画を立て、結果を考察するところまで行うということだ。中学校の授業では普通、そこまではやらないそうなので、ちょっと苦労したかもしれない。濃度の比率を出すところまでは多くのチームができていたのだが、時間が足らず考察までやれなかったチームも多かったようだ。●###実技競技2「ヘリウム飛行船」2つめの実技競技は、前述のとおり工作競技だ。まずは、用意された材料と工具のみを使い、制限時間(30分)以内にヘリウム飛行船を作る。飛行船の形は自由だが、速さ、操作性、作りやすさなど、様々な要素を考える必要がある。同じ材料で作った飛行船なのに、チームごとに個性が出ていて面白い。飛行船には、プロペラモーターを2つ搭載することができる。それぞれに手回し発電機が付いており、これで飛行船を動かす。エンジンでもあり、ハンドルでもあるわけだ。コースの長さは15m。5m間隔に3つのターゲットが浮かんでいるので、1つ1つ飛行船でタッチしていき、最後のターゲットに当てることができたらゴールだ。ターゲットの高さは、スタート側から、120cm、80cm、200cm。最後のターゲットで急上昇する必要があり、ここで手間取ってしまうチームが多かった。ところで、この競技のポイントは、プロペラモーターが2つしか無いことだ。もし3つあれば、前後、左右、上下と、3次元的に自由に移動できるが、2つなので、どうしても平面的な動きになってしまう。これを解決するには、例えば、前進しながら上昇するように作っておいて、下降したいときは向きを変えて、バックで進むような工夫が必要になる。予選レースで最速を記録したのは茨城県チーム。全47チーム中、制限時間(2分)以内にゴールできたのはわずか9チームという難易度の高さだったが、同チームは唯一、1分を切ったタイムで、2位以下を30秒近くも引き離した。だが決勝レースでは、その茨城県チームにまさかのアクシデント。機体トラブルで出遅れてしまい、予選2位の山口県チームが1位……になるかと思われたのだが、最後のターゲットにギリギリでタッチできず、モタついた間に予選6位の岩手県チームがゴール、大逆転で1位となった。○激戦を制し優勝したのは…総合成績は以下の通り。全競技で安定して上位の成績を収めた茨城県チームが1位で、以下、福岡県チームと愛知県チームが続いた。総合成績1位 茨城県チーム(茨城県立並木中等教育学校)2位 福岡県チーム(久留米大学附設中学校、福岡教育大学附属福岡中学校)3位 愛知県チーム(海陽中等教育学校)ロボットの街、つくばの中学生らしく、茨城県チーム・キャプテンの菱田草平君は「小さい頃からロボットが好き。将来の夢はロボットの技術開発」だという。優勝という結果は「想像もしていなかった」そうだが、「本当に嬉しい」と喜びを爆発させた。記者会見では、主催者を代表し、JSTの中村道治理事長が挨拶。「ノーベル物理学賞の受賞、小惑星探査機はやぶさ2の打ち上げ成功など、日本の科学力は世界的にも高いレベルにある。このような国づくりをもっと強力に進めないといけない」とし、そのために「子供の頃から理科・数学に関心を持ち、大きな夢に向かってのびのびと育つような環境を作るのが我々のつとめ」とコメントした。ところで、ジュニアの優勝チームは、高校生の科学の甲子園に招待されるのだが(工作競技に出場)、今年度の開催地はなんと地元・つくば市(昨年度までは兵庫県西宮市だった)。会場は自転車でも行けるような距離なわけで、旅行にならないのは気の毒としか言いようがないが、ともかく、地元の利を活かして頑張ってもらいたいところだ。
2015年02月19日ブイキューブとパイオニアVCは2月16日、ドローン(小型無人飛行機)を活用した新たなコミュニケーションスタイルの実現を目指した実証実験をパートナー企業とともに開始すると発表した。ブイキューブは、ドローンの商用利用に必要な技術を開発するRapyuta Roboticsに出資し、鉄鋼所など高所や煙突があるプラントや設備の保守点検、橋やトンネルなど社会インフラの点検、市区町村における災害対策分野において、年内のサービス提供開始を目指し、共同でのサービス開発に取り組んでいる。ブイキューブは開発中のサービスを利用した実証実験を進めていくため、災害対策分野において国土交通省などをはじめとした官公庁での実績をもつパイオニアVCと連携した。今回、「鉄鋼所やプラントの設備保守点検における活用」「橋やトンネルなど社会インフラ点検における活用」「市区町村の緊急災害対策における活用」を実証実験する。実験を行うにあたり、国内に研究・活動拠点を有する法人、市区町村を対象に、パートナーを募集する。応募は、ブイキューブのWebサイトで行える。
2015年02月16日トッパン・フォームズは1月21日、ダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を国際医療福祉大学教授の中川雅文医学博士監修のもと実施し、その結果を発表した。実験では、DMに盛り込まれる要素を分解し、その技法の効果を検証。A4用紙にそれぞれ「こんにちは」と「山田さん(被験者の名前例) こんにちは」と書かれたものを被験者に別々に見せ、その反応を測定した。同社によると、一般的に印刷物の文面や内容などテキスト情報を読み込むとき、左側頭葉が活性化するという。一生懸命に読んでいる状態では、近赤外分光法(NIRS)で左側頭葉は活性化を意味する赤で表示され、テキストに興味や関心が向けられてない状態では、不活性化を意味する青で表示されるようだ。実験の結果では、名前入りは名前なしに比べ左前頭葉部位での強い活性化が生じていることが分かる。これにより、自分の名前のような「パーソナライズされた情報」が記載された印刷物を提示されると、「パーソナライズされていない情報」よりも高い「注意」を向けることが判明。人は、DMにおけるパーソナライズされた情報に、強く読み込むことなくごく自然に関心を持つということが、脳の生体反応レベルで証明されたという。
2015年01月22日ヴァル研究所と丸紅情報システムズ(MSYS)は1月15日、スマートフォンアプリ「駅すぱあと for Android」とBeaconの実証実験を名古屋と大阪で行うと発表した。名古屋市・大阪市共に3月1日まで実施する予定になっている。実証実験では、駅周辺案内看板に設置されたMSYS製のBeacon端末「RapiNAVI Air」から、Androidスマートフォン用アプリ「駅すぱあと for Android」最新版へ、各駅周辺のMAPや周辺に立地する店舗の情報を発信する。「駅すぱあと for Android」最新版は、「RapiNAVI Air」SDKを組み込んでおり、「RapiNAVI Air」からの駅周辺情報受信に対応する。実際の店舗にも「RapiNAVI Air」を設置することで、駅周辺案内看板から駅周辺情報を受信した人数および、実際の店舗の来店数を計測し、駅周辺情報受信者に対する周辺店舗への誘導効果を測定。実証実験の期間中には、同じく「RapiNAVI Air」からの駅周辺情報受信に対応したiPhone用アプリ「駅すぱあと for iPhone」最新版もリリースし、あわせて効果を測定する。名古屋市内の駅周辺案内看板に「RapiNAVI Air(ラピナビ エアー)」100台の取り付けを既に完了しており、大阪市内の駅周辺案内看板にも1月23日までに98台の取り付けを完了する予定。名古屋と大阪、双方で3月1日まで実施するという。今回の実証実験では、全国の公共施設(約500カ所)・駅周辺(約3000カ所)などにおいて、案内看板「NAVITA(ナビタ)」での広告事業を展開する表示灯による協力を得ている。
2015年01月16日ゼブラは1月8日、シャープペンの芯折れによる集中力への影響を調べることを目的とした脳波を計測する実験の調査結果を発表した。同実験では、どれだけ力を込めても芯が折れないシャープペン「デルガード」と従来のシャープペンを使って、集中力に違いが出るかどうかを、脳科学的に検証した。具体的には、高校3年生男子1名に脳波記録用電極を装着してもらった後、従来のシャープペンと「デルガード」を使って計算問題を解いてもらい、計算問題に取り組んでいる最中にランダムに短い雑音を聞かせ、脳がどれくらい反応(注意散漫)するか、を脳波で計測した。この実験では、集中していればしているほど「外界からの刺激(雑音)」に対して人間の脳が反応する度合いが小さくなることが予測されるという。問題は、マークシート式計算問題150問で、シャープペンシルは両条件とも、3回ノックして芯を出した状態で使用した。実験の結果、従来のシャープペンを使用して芯が複数回折れる状態では、雑音に対して脳が反応しやすく、集中力が大きく低下する様子が見られたのに対し、「デルガード」を使用して芯が折れない状態では、実験中の雑音に対する脳の反応が従来品と比べて、36%抑えられたという。
2015年01月09日ナビタイムジャパンは、阪神高速道路にて「安全、安心で快適な走行を支援する情報配信実験(プロジェクト名:Project Z NAVI de HANSHIN!)」を12月17日より実施すると発表した。Project Z NAVI de HANSHIN!は、ドライバーの"安全・安心"で"快適な"走行を支援するための情報をわかりやすく配信する取組み。ナビタイムジャパンが国土交通省国土技術政策総合研究所、ゼンリン、ゼンリンデータコム、一般財団法人日本デジタル道路地図協会、阪神高速道路、本田技研工業とともに実施するもの。本実験の第1弾として、平成24年度に、阪神高速道路に関する「交通事故多発地点情報」「分合流部における安全運転に関する情報」「工事予定情報」の3種類の情報を阪神高速道路の一部路線を対象にナビタイムが提供するスマートフォン向けのカーナビアプリケーションにより配信した。今回の実験では、実施エリアを阪神高速道路全路線に拡大して実施。平成24年度と同様の情報について、ナビタイムが提供するアプリケーションに加え、ゼンリンデータコムが用意するWebサイトを用いる。本実験を通じ、ドライバーの安全・安心、快適な走行をサポートする情報配信の効果、「道路の区間ID方式」の利用による情報流通効果を検証するとのこと。なおナビタイムジャパンでは、本実験にご協力いただける参加者(実験モニター)を随時募集している。詳細は本実験の案内ページで確認できる。
2014年12月19日クレディセゾンは12月9日、アクセンチュアとコイニーが復興庁の委託を受けて実施するスマートフォンやタブレット端末を使ったカード決済の実証実験に参加し、カード決済の導入支援と利用促進のキャンペーンを展開すると発表した。同実験は、スマートフォン等でのカード決済の導入を通じた地域経済活性化プロジェクトで「新しい東北」先導モデル事業の一環。スマートシティ推進協議会を設立しICTを活用した地域づくりに意欲的に取り組むなど、情報通信技術との親和性が高い福島県・会津若松市にて実施する。9月21日~23日まで鶴ヶ城にて開催された「會津十楽」においてスマートフォン決済端末「Coiney」を導入したことを皮切りに、今後も、事業者を対象とした導入支援セミナーなどの開催を行っていく。これにより、事業者側の初期費用を抑えることでカード決済可能店舗を増加させるほか、旅行者にとって便利な決済手段の提供により、消費者の旅行消費額の増加を図りたい考えだ。今回発表したクレディセゾンの参加では、実証実験に参加する店舗の拡大やクレジットカードの利用促進を目的に、「会津地域のセゾンカード加盟店を対象に実証実験への参加の呼びかけ」と、加盟店にてセゾンカードを利用すると「永久不滅ポイントが通常の5倍貯まる期間限定キャンペーン」を実施するという。
2014年12月10日●がっつり写真で紹介マイナビニュースでも幾度となく紹介している無料の科学イベント「世界一行きたい科学広場」。11月8日・9日の2日間、福岡市のホークスタウンモールを会場に開催された。数々のテレビ番組でもお馴染みの滝川先生によるサイエンスショーをはじめ、大学などの教育機関、協賛企業など、会場内のブースはどれも見応え十分。カシオ計算機も協賛企業として文教用のデジタルカメラ「EXILIM EX-SC100」を出展、多くの家族連れが会場を訪れ、楽しく不思議な最先端科学の世界と物作りの魅力に夢中になっていた。○興味をそそられる科学展示・体験が目白押し!同イベントはNHK「大科学実験」の監修などでお馴染みの滝川洋二先生率いるNPO法人ガリレオ工房と大学などの教育機関、そして市町村が共催する地域密着型科学イベント。2010年に福岡県・宗像市で開催した第1回を皮切りに、飯塚市、静岡市、浦安市などを毎年巡回開催して好評を博している。今年は熊本でも開催された。イベントが掲げるコンセプトは、「子供たちがモノ作りの楽しさ、科学や自然現象の不思議さを発見・体験する」だ。ロボット、昆虫、微生物、宇宙、気象、物理運動、化学反応など「誰もが興味を持つけれど、なんだか難しそう」なテーマについて、身近なものを利用しながら、子供でも分かりやすく、かつ楽しく(ココ重要!)触れることができるのだ。今回の展示や体験内容を一部紹介すると、「レモンやお酢で電池を作る」「スライムを作ろう」「電子顕微鏡でのぞく30,000倍の世界」「世界最先端の超電導技術」「最強金属VS超綱ドリル」「真空を体験しよう」「電気も火も使わない光とは?」などなど、我々大人も思わず興味をそそられてしまうものばかりだ。●水風船が割れる様子をハイスピード動画で撮ってみよう○水風船が割れる様子をハイスピード動画で撮ってみよう本イベントに立ち上げ当初から協賛し、多くの会場でブースを構えているカシオ計算機も出展。ハイスピード撮影が可能なEXILIMの文教モデル「EX-SC100」を使用した撮影体験が人気を集めていた。カシオブースのテーマは「時間を自在に操るカメラ」。480コマ/秒のハイスピードムービーで水風船が割れる瞬間を撮影したり、折り紙を折る間をタイムラプスで撮影して、(まるで早送り再生のように)一瞬で折り鶴やだまし船を完成させる動画を撮るというもの。普段、テレビ番組でしか見られない特殊な映像に目を輝かせる子供たち。しかも、それらは自分の手で撮影した映像なのだ。カシオ計算機の担当者「親子で気軽に参加できて、最先端の科学に分かりやすく触れられる、そのイベント趣旨と意義に賛同して出展しています。大学など研究・教育機関の方々からお話が聞けたり、そこから気付きを得られることにも価値を感じています。でもやっぱり、子供たちが喜んでくれるのを間近で見られるのが何よりいいですね。現場で見ていると、子供たちの関心って意外なところにあったりするんですよ。こういった生の現場で得たことを、EX-SC100のような文教製品の開発に反映させたりもしています。」知識欲を満たすツールとしてのデジタルカメラ。その視点は、日頃から同社が主張している「デジタルカメラだからできることの追求」に、まさしく合致しているといえそうだ。カシオ計算機の担当者「記念写真を撮るだけが、カメラの役割ではないですよね。何を撮るのか、撮った画像や映像をどう使うのか。そのひとつのアウトプットとして、こんな使い方も面白いと思うんです。EXILIMは、コンシューマ機器でありながら、ユニークな特長のあるカメラでありたいと考えています。」●世界一行きたい科学広場の名物「滝川先生のサイエンスショー」○爪楊枝の先に、爪楊枝を立たせられる!?センターステージでは、滝川先生のサイエンスショーが行われた。これは世界一行きたい科学広場の名物。今回のテーマは「バランス」だ。「爪楊枝の先に、爪楊枝を立たせることができると思いますか?」ステージ前に集まった子供たちに問いかける滝川先生。子供たちは、圧倒的に「できない」に手を挙げる。確かに、我々大人が考えても、とてもできるとは思えない。先生は続ける。「確かに、爪楊枝だけではできません。でも、このプラスチックのフォークを組み合わせるとね、できるようになるんです。」ステージ前に集まった子供たちに、先生お手製の実験キットが配布される。中には爪楊枝とプラスチックのフォークをはじめ、ステージショーで使用される道具が入っており、子供たちは滝川先生の実験を見て、その場で自分でも試してみることができるのだ。この実験キットの配布も、もちろん無料。楽しくためになるお土産として、親御さんにも喜ばれている。ステージではこのほか、バランスコマ(回すと自分で逆立ちして回転するコマ)が逆立ちする様子をEX-SC100のハイスピードムービーで撮影した様子を見せたり、缶コーヒーの缶を油性マジックのキャップ先端に斜めに立たせるなど、バランスの面白さを紹介。釘や接着剤を一切使わず、木材を組み合わせただけで大人が乗れるほどの強度を持つ「レオナルドの橋」の実物も展示した。世界一行きたい科学広場は、福岡では今回が初の開催だ。中心となって企画と運営を手がける滝川先生は「(福岡を)ゆくゆくは同イベントの九州における天王山的な位置付けに育てたい」と意気込む。滝川先生「宗像市で最初に開催したときは、来場者が約1,000人でした。それが、4年を経た今年、宗像会場では5,000人を超えました。少しづつでも、こういうイベントの良さ、科学の楽しさを理解してくれる人が着実に増えているというのはありがたいですね。」このイベントが順調に集客を増やしているのは、やはり滝川先生の為人(ひととなり)とビジョンだろう。それをしっかりと理解したサポートメンバーと団体・企業が「科学ってこんなに身近で楽しいんだ!」と感じさせる出展を行っているからこそ、毎年リピーターが増えていく。滝川先生「これはね、科学の遊園地なんです。でも、普通の遊園地みたいにただ楽しいだけで終わらない。子供がね、何かにチャレンジしてみたくなる、その動機付けになるんです。入場無料で、しかもあちこちのブースでいろいろなお土産や記念品が貰えて、さらに賢くなるんだから、親にとっても大歓迎ですよね(笑)。お近くで、世界一行きたい科学広場が開催されたら、ぜひお子さんと一緒に足を運んでみてください。」こうした意義あるイベントにより多くの企業、団体が賛同し、子供たちがひとりでも多く科学に魅力を感じてくれるよう、また彼らが技術立国日本の未来を力強く支えてくれることを願ってやまない。
2014年12月05日JR東日本は12月2日、iPhone向けアプリ「東京駅構内ナビ」を試験的に公開して、ナビゲーションサービスの実証実験を行うと発表した。同アプリは、Beaconを用いて利用者の現在位置を表示し、目的地までのルートを、案内サインを目印に案内する。アプリの対象端末は、iPhone(iOS 7.1.2以上)。実験期間は2014年12月18日から2015年2月28日までの予定で、案内対象はJR東京駅1階、地下1階 改札内コンコース。東京駅構内の1階、地下1階の約160カ所に位置検出用のBeaconが設置される。アプリは12月18日から提供が開始される予定で、App Storeでダウンロードできるほか、同社のアプリの「実験に参加する」、「東京駅構内ナビ」公式サイトからもダウンロードページにアクセスできる。同社は、利用者へのアンケートや利用状況の調査を通じてサービス内容を評価し、今後の実用化を目指す。
2014年12月03日東北大学は11月28日、アインシュタインとボーアの論争で思考実験として提案された2重スリット実験を、酸素分子の2個の酸素原子を2重スリットに置き換えることによって実現したと発表した。同成果は、同大 多元物質科学研究所の上田潔教授、フランスのソレイユシンクロトロン放射光施設のCatalin Miron研究員のグループ、スウェーデン王立工科大学のFaris Gel’mukhanov教授らによるもの。詳細は、英国の科学雑誌「Nature Photonics」のオンライン版に掲載される。アインシュタインとボーアは20世紀前半、光や電子があわせ持つ波としての性質と粒子としての性質の2重性の解釈について、論争を繰り広げた。彼らが論争の際に用いた手法は思考実験で、実際には実験を行うことなく、理論的思考によって実験結果を演繹するものだった。彼らの思考実験は、当時、実現できないものばかりだったが、のちの研究者の想像力を大いに掻き立てた。そして、現在もさまざまな実験的検証が行われている。今回、研究グループはアインシュタインとボーアの論争でも主要な位置を占める2重スリット実験を分子レベルで実現した。まず、フランスの中型高輝度放射光施設ソレイユの最先端の軟X線ビームラインにおいて、酸素分子を励起し、放出された電子と電子放出の結果生成されたイオンの運動量を同時に計測した。この実験の結果、酸素分子または解離生成した酸素原子と高速電子との間の運動量の交換を測定することに成功した。ここで、2つのシナリオが考えられたという。第1のシナリオは、高速電子の放出が酸素分子の解離の前に起きる場合で、このとき、2個の酸素原子、つまり2つのスリットはつながっている。この場合、2個の酸素原子が受ける反跳運動量は同じである。従って、どちらの原子が電子を放出したかは決定できない。第2のシナリオは、分子が解離してから高速電子が放出される場合で、この場合、一方の酸素原子が高速電子の反跳運動量を受け取るため、どちらの原子が電子を放出したかを決定できる。研究グループはこの2つのシナリオに相当する現象をそれぞれ観測し、第1のシナリオの場合には有名なヤングの2重スリット実験のように干渉縞が現れ、第2のシナリオの場合には干渉縞が消えることを実証したという。この結果は、ボーアの反論を支持するものだったとしている。
2014年12月02日すべての女性には美しさという本能がある。「ポーラ(POLA)」から新たに誕生した、スキンケアブランド「レッド ビー・エー(RED B.A)」のコンセプトだ。そのポーラが製作した動画が注目を集めている。日頃は夫や子供から「ママ」と呼ばれ、母親としての慌ただしい日常を送る女性達にとっては、自分の美容に手を掛けることは後回しになりがち。そんな毎日を送りながらも女性としての美の本能はきっと身体に息づいているはず。もしも母親達がふとしたきっかけにより、もっときれいになることができるなら?もう一度ファーストネームで呼ばれるようになれば、その本能はどのように変化するのだろうか。ポーラはその思いから、女性が持つ潜在的な美しさと可能性を証明するための実験を実施した。YouTubeで10月2日に公開された動画「Call Her Name」は、普段ママと呼ばれている女性達をもう一度、名前で呼ぶところから始まる。「もえ」「あい」「さやか」「あゆ」……。子供が生まれる前の呼び名で夫に呼ばれるたびに、驚いた表情、照れくさそうな表情、でも嬉しそうな笑顔を浮かべる女性達。その身体の中では、美のホルモンと呼ばれる“オキトシン”が増えていた。「Call Her Name」は公開以来、2ヶ月足らずで27万回以上再生されている。1人の女性として見られる、ママよりもっと前の自分を思い出すこと。そんな小さなきっかけで、人はもっと美しくなれるのかもしれない。
2014年11月25日ソフトバンクモバイルは11月14日、ウエアラブル端末を利用した実証実験を、2015年1月中旬に福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)で実施すると発表した。この実験は、ウエアラブル端末関連産業の育成を目的とする福井県の「ふくいe-オフィスプロジェクト補助金(ウエアラブル関連実証実験支援分)活用事業者募集」の公募に、同社の企画案が採択され実施するもの。メガネ型ウエアラブル端末「Google Glass」や腕時計型端末を用いて、AR(拡張現実)技術による恐竜の映像の表示(素材提供:セガトイズ)や、展示の解説、館内のナビゲーションなどを行い、今後普及が見込まれるウエアラブル端末が新しいサービスや付加価値を生み出す可能性について検証する。今回の実証実験には、ACCESSのiBeacon(アイビーコン)を用いた位置連動型コンテンツ配信ソリューション「ACCESS Beacon Framework」を開発したサービスプラットフォームを活用。また、ウエアラブル端末などで撮影した画像とクラウドや端末内に登録した画像データを照合して物体の名称や詳細情報を画面に表示する、NECが独自開発した世界最高水準の画像認識サービス「GAZIRU(ガジル)」も利用する。
2014年11月17日日本にはいろいろな研究施設があり、自分が知らないだけで、ある特定の分野を徹底的に研究している人達というのは確かに存在します。睡眠科学もその1つ。今回はこの組織がどのような活動をしているのか紹介したいと思います。日本睡眠科学研究所という組織がある「日本睡眠科学研究所」という組織をご存知ですか?知っている! という方はかなりの睡眠マニアに違いありません。ほとんどの人はまだご存知ないかと思いますが、この研究所を運営する母体であれば知っているという方はたくさんいると思います。その母体とは西川産業株式会社。そうです、あの「ふとんの西川」が1984年に設立したのが日本睡眠科学研究所だったのです。西川産業の「睡眠への質」へのこだわりは当時から凄まじく、「健康は睡眠から、快適な睡眠を提供するのが寝具業界の使命である」という考えのもと徹底的に快適な睡眠を求めていったと言われています。母体は「ふとんの西川」当時、「睡眠を科学する」という発想は非常に前衛的だったそうです。そこで社員だけでなく、大学教授など外部スタッフも招き入れ、業界初の取り組みとしてスタートしました。睡眠の質を上げるためであれば睡眠環境(部屋や寝具)を改良することが頭に浮かびますが、この研究所の凄いところはそこにとどまらず、「寝床内(しんしょうない)」と呼ばれる身体と寝具の間にできる空間をも科学で分析し、研究したというところかもしれません。本当に徹底していますよね。この研究所の結果をもとに西川の寝具は開発され、ユーザーの手元に届けられているのだそうです。4つの研究活動現在、日本睡眠科学研究所の研究活動は下記の4つに定めています。1. 睡眠整理の研究2. 寝室環境の研究3. 寝床内の研究4. 寝具の研究開発1は科学の観点から眠りを解明する研究のこと。どうしたら人はより良い眠りを得ることができるのかを解き明かしているのだそうです。2は快適な寝室環境を解明する研究です。寝室環境といっても、広さや色、照明、湿度など条件はさまざま。それら一つひとつを解析しています。3は身体と寝具の間の温度や湿度などのベストな数値を研究するというもの。4は新しい技術や素材を用いた寝具開発の研究です。今後どのような最新研究が進められていくのか、睡眠に興味のある方は注目してみては?Photo by Nic McPhee
2014年11月09日科学技術振興機構(JST)は10月28日、全国の中学生がチーム対抗で科学的思考力や技能を競う「第2回 科学の甲子園ジュニア全国大会」の47都道府県の各出場チームが決定したことを受け、2014年12月5日から7日までの期間で、東京・江東区にあるBumB東京スポーツ文化館で開催することを発表した。同大会は全国の中学性を対象に、6人で構成されたチーム内で役割を分担し、科学的な課題に対し、科学的思考力や技能をもとに工夫して挑戦し、解決の方法を探り、その得点を競うというもの。各地での代表選考会には、前回のエントリー数を5000名ほど上回る総計2万名を超す生徒のエントリーがあったという。全国大会に出場する生徒の数は合計282名(男子215名、女子67名)で、各チームともに中学校1、2年生6名で構成されている(複数の中学校の生徒で混成されたチームも複数ある)。競技内容は、筆記競技が1つ、実技競技が2つ予定されており、各300点の配点となっている。競技の概要としては、理科・数学などの複数分野において、実生活・実社会との関連・融合領域に配慮して出題され、生徒の修得済みの知識に加え、競技に新たに示された情報を活用して課題を解決するとしているほか、実技競技は、ものづくりの能力、コミュニケーション能力などを用いてチームで協働して課題解決するの能力を競うとしている。ちなみに実技競技2は事前公開競技として課題、仕様、コースが提示されている。競技名は「ヘリウム飛行船」で、自作の飛行船を自在に動かすことを課題としているが、操縦課題があるほか、飛行時間やコースの長さ・制限時間などは当日提示されるとのこと。仕様としては、動力は2個までで、バルーンとヘリウムガスの上限は大会当日に提示される予定だという。なお、参加47チームの構成は以下のとおり。混合チームが多いことから、チーム数は47だが、参加校数は80校となっている。また、女子のみチームや全員1年生のチームもあるという。
2014年10月28日(画像はプレスリリースより)わかさ生活の「世界の素材発見〜サプリメント素材図鑑〜」に『ローズ図鑑』が登場!株式会社わかさ生活は、10月からホームページ「世界の素材発見〜サプリメント素材図鑑〜」から『ローズ図鑑』の公開を始めた。このホームページは、世界にあるたくさんの健康素材や果実の魅力を分かりやすく、多くの方に伝えたいとの思いから公開され、ブルーベリー図鑑に続く、第2弾として公開された。「サプリメント業界品質No.1」という信念のもとにわかさ生活は、世界中から健康に良い素材を探し求めたり、その素材について研究・分析を進め、商品づくりを行っている。ローズのことを全て楽しく知ることができるこの『ローズ図鑑』は今、美容や健康に良いと注目を集めるバラの香りをとても詳しく知ることができるもので、サプリメント使用者の声を反映したものとなっている。2万もの種類が世界中にもあると言われているローズ(バラ)は、花びらの形や色も品種によってさまざまであり、このホームページには、ローズの種類だけでなく、ローズにまつわる歴史や、ローズの効能を知ることができる「香りレシピ」が紹介されている。他にもローズオイルの驚くべきパワー、全国のバラ園の紹介など、写真やイラストでローズのことを全て、楽しく知ることができるようになっている。【参考】株式会社わかさ生活のプレスリリース/PR TIMESローズ図鑑
2014年10月27日NECとオランダのIT企業であるDacomは10月24日、共同でDacomの農業ICTソリューションを活用した実証実験をルーマニアのじゃがいも農場で行ったと発表した。同ソリューションは、農場の温湿度や風向・風速などを測定、収集する環境センサーと、収集したビッグデータを分析するソフトウェアで構成されている。具体的には、Dacomの気象センサー(気温、湿度、風速、風向き、降雨量、日照時間)と土壌センサー(水分量、地温)を農場に設置し、24時間365日にわたって計測した環境データ、現地の気象予報、過去数年の栽培履歴などを、インターネットを通じてコンピュータ上に集約する。これらのデータは、現地の農作物成長率や肥料・殺虫剤・吸水などのモデルと照合・分析されて、農作物の植え付け時期、肥料・農薬・殺虫剤など化学薬品の使用量、農業用水量、気象災害からの保護方法、収穫時期などのアドバイスとして、農家に提示される。今回、ルーマニア中央部に位置するブラショフのじゃがいも農場において、実証実験が行われた。実験の結果、同ソリューションを導入しない農場と比べ、農薬・殺虫剤などの化学薬品の使用量を1ヘクタール当たり最大40%削減したという。また、形状が左右対称など、高品質なじゃがいもが栽培可能なことも確認された。NECは今後、同社のビッグデータ分析技術を活用して、Dacomの収集した多種多様なデータを解析し隠れたパターンを発見することで、農業生産に必要な資源の使用量をより抑えコストを低減するなど、同ソリューションを改善する取り組みを進める。また、農業投資を検討する銀行の意思決定支援や、食品取引所への正確な農作物情報提供などを目的に、農作物生産量データサービスについても提供を検討する。
2014年10月24日日産自動車は10月16日、電気自動車「日産リーフ」と電力供給システム「LEAF to Home」を活用したエネルギーマネジメントの実証実験を10月より開始したと発表した。この実証実験は、エナリスのインセンティブ型ディマンドリスポンス(DR)実証実験に、日産が参加するものである。日産は、神奈川日産自動車の店舗で「リーフ」と「LEAF to Home」を使い、実証実験に取り組み、エネルギーマネジメントにおけるEVバッテリの有効性を検証する。DRとは、エネルギーの供給状況に応じて、需要側の消費パターンを変化させることで、より効率的な電力システムを構築するための方策で、東日本大震災以降、電力のピーク時間帯の需給ひっ迫が顕在化したことにより、注目を集めている。具体的には、電力会社の依頼に基づき、アグリゲータが需要家に節電要請を行い、その対価としてインセンティブを支払う仕組みのことである。節電要請時にエアコンや照明の操作によって節電を行うことが一般的だが、V2H(Vehicle to Home)ではEVから建物に電力を供給すると照明などを消灯することなく、系統電力の負荷を低減することが可能であり、商業施設などの節電が困難な施設においても有効な手段になると考えられている。なお、実験ではV2Hを活用したピークカットの有用性、およびインセンティブ(報酬)による経済性の効果・検証・分析を行う。例えば、営業中に点灯している店舗ショールームなどの照明にV2Hを接続し、節電要請があった際にV2Hから照明に電力を供給することで、系統電力の負荷を低減し、その対価としてインセンティブを受け取る。今回の実証期間となる2014年10月~2015年1月では、平日8時~20時の間の3時間、月2~3回の節電要請を受ける予定という。今後、さらなる再生可能エネルギーの有効活用や、発電設備の効率化による、環境負荷を低減したエネルギーマネジメントが求められる。その中でも、EVが持つ大容量バッテリを活用したエネルギーマネジメントはグローバルに行われている実証実験により、その有効性が確認されつつある。また、節電行動に対するインセンティブによってEVオーナーの経済性向上も加われば、EVの普及がさらに促進され、社会全体の低炭素化にもつながるものと見込まれるとしている。
2014年10月17日NTTドコモは14日、安定的な通信サービスの提供などのメリットが見込まれる「ネットワーク仮想化技術」の実用化に向けた実証実験を成功させたと発表した。ソフトウェアと仮想的なハードウェアが異なるベンダーの組み合わせでも動作することを確認した。ネットワーク仮想化技術は、通常、特定のハードウェアでしか動作しないソフトウェアを仮想的なハードウェア上で動作させる技術のこと。同技術を用いることで、通信混雑時における通信のつながりやすさが向上、通信設備故障時の継続的なサービス提供が可能となる。また、新たな通信サービスの迅速な提供、設備投資の効率化も見込めるという。ネットワーク仮想化技術の実証実験は今年5月にも実施。その際、LTEのデータ通信機能を担うEPC(ソフトウェア)と仮想的なハードウェアが同一ベンダーにおいて動作することを確認していた。今回は、EPC(ソフトウェア)と仮想的なハードウェアが異なるベンダーにおいても動作することを確認している。同社では、今後、今年9月発足の「Open Platform for NFV」において、世界の主要通信事業者やベンダーと協力し、仮想化プラットフォーム作りを進め、2015年度の商用化を目指すという。なお。今回の実証実験では、NTTドコモほか、アルカテル・ルーセント、シスコシステムズ、エリクソン、ファーウェイ、日本電気、ノキアソリューションズ&ネットワークスが協力した。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年10月15日脳科学は今、もの凄い勢いで進んでいる。アメリカの著名な脳科学者が約20年前に「脳科学は物理学で言えば15~16世紀。まだまだ初歩的な段階」と言っていたのに、「これまで科学で答えられなかった領域に今、どんどん突っ込んでいる。非常に面白い段階」とジャーナリストの立花隆氏は興奮を隠さない。脳科学の中で今もっともホットな分野である「記憶」について、第一線の科学者らが最新の研究成果を一般向けに話す第17回自然科学研究機構シンポジウム「記憶の脳科学~私たちはどのようにして覚え忘れていくのか」が9月23日、東京で開催された。その内容を数回に分けて紹介しよう。○行動しながら記憶する - ワーキングメモリの容量は3つ!?多くの人が日常生活で不便を感じ、役立てられることがあるのでは? と感じたのが大阪大学・苧阪(おさか)満里子教授の「ワーキングメモリ:脳のメモ帳」の講演だ。記憶というと「暗記能力」を思い浮かべがちだが、日常生活で暗記に集中する場面はそれほど多くない。それよりもスーパーに買い物に向かいながら夕飯の材料を覚えておく、など何かをしながら短時間だけ記憶することのほうがずっと多い、と苧阪教授はいう。このように行動しながら記憶することを「ワーキングメモリ」と呼ぶ。たとえば普段の会話でもワーキングメモリを使っている。相手に聞かれた質問を覚えておくことで質問に答えられる。読書でも登場人物や、前の頁の場面を覚えていることで、文脈が理解できるのだ。ワーキングメモリがうまく働かない例には、「2階に本を取りに行ったのにベランダの洗濯物に気づいて取り込むうちに、何をしに来たか忘れる」、「買い物に行ったのにセール品に気をとられて目的の物を買い忘れる」などがあげられるが、誰でも似たような経験があるのではないだろうか?では、なぜ私たちは頻繁に目的を忘れるのか。苧阪教授によれば「ワーキングメモリには制約がある。一度に使える情報処理の量は3つぐらい」とのこと。人は同時に多くの物事を処理することはできないのだ。だが、ワーキングメモリを働かせるのが得意な人とそうでない人がいるらしい。いったいどこが違うのか?講演ではここで、来場者にワーキングメモリの容量をはかるテストが行われた。複数の文章を読みながら、文章中の1つの単語だけを覚えていくテスト(リーティングスパンテスト:RST)だ。以下の文章が1枚ずつスライドで投影され、来場者は声を出して読みながら、強調された単語(ターゲット語)だけを覚えるよう促された(実際のテスト場面では、ターゲット語には赤線でアンダーラインがついている)水泳をしているためか、母は最近とても元気である。その花は熱帯の植物なので、北国の寒さには弱い。雷のため、電車の切符の販売機が故障した読み終えた後、文章を見ずに記憶しているターゲット語(上の文章では元気、北国、電車)だけを列挙する。つまり、単に単語を覚えるだけでなく、文章を読みながら単語を覚えるという二重課題が課されているわけだ。3つの文章では正解できる人が多いようだが、5つの文章中の5単語まで増やすと難しくなる。苧阪教授の研究室では大学生50名を対象にRSTを行い、高得点者と低得点者を比べたところ、興味深いことがわかったという。○高得点者は「読解力」に長け、「注意」を正しく向け、「方略」をもつ大学生にはRSTの他に読解力テスト(大学入試センター試験に準じる長さ)も行っており、相関を調べたところ、高得点者は「高い読解力」があることがわかった。文中にこのような単語や文章が出ていたという記憶力よりも、文章全体で何が書いてあったかという「文脈をとらえる能力」に長けていることがわかったそうだ。またRSTを実施中の眼球運動を測定したところ、高得点者はターゲット語に視線が集中していたが、低得点の人は文の中の色々なところに目がいく。つまり何を覚えるべきか、何をおぼえなくていいか、注意が向けられるべき言葉に向けられていない。さらに文が4つ、5つと増え、覚える単語が増えると、何らかの「方略」を使わないと覚えられなくなるという。たとえばターゲット語を意味的につなげたり、イメージ化したりして覚えるのが方略の例だ。高得点者は、方略を何種類かもっていて1つの方略がうまくいかないと判断したら、途中で他の方略に変えることができる。つまり自分で自分のやり方が正しいかどうか「自己モニタリング」できるのだという。○ワーキングメモリで働くのは、脳のどの部分?ワーキングメモリを支えるのは、脳のどの部分のどんな働きによるのだろうか。RSTを実施中の実験参加者の脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像)などで調べると、脳のどの領域が活発に働いているかがわかる。苧阪教授が2003年の実験で「意外だった」というのは「ACC(前部帯状回)」が高得点群の人に顕著な活動が見られたことだ。その後の研究で、「DLPFC(背外側前頭前野)」、「SPL(上部頭頂小葉)」の3カ所がワーキングメモリの要となる中央実行形系のネットワークを作っていると考えられている。SPLは注意の焦点を特定の対象に向ける「注意の切り替え」を担い、DLPFCは「注意を保持」する。そしてACCは注意を向けるべき対象をうまくキャッチしてそうでない対象を「抑制する」働きをする。苧坂教授が強調するのは「注意の向け方」だ。ワーキングメモリの点数が低い人は決して覚えるのが苦手なのではない。「注意の移動」が苦手だということ。覚えなくていい対象に注意が向けられていたりして、覚えるべき対象に正しく注意が向けられていないようだ。○高齢者の特長 - ワーキングメモリを鍛える方法ワーキングメモリは20~30代がピークで年齢が上がるに従って機能が衰えていくという。高齢者にRSTを行うと、ターゲット語と違う単語を覚えてしまったり、ターゲット語だけ覚えればいいのに文章全部を覚えようとしたりする傾向が見られる。「つまり焦点化、覚えなくていいことに対する抑制制御がうまく働かないのです」と苧阪教授は指摘する。脳の働きを調べるとACCがほとんど活動を見せない。では、低下したワーキングメモリの機能は鍛えることができるのか?苧阪教授は「通常の日常生活を送っていれば、十分にワーキングメモリは鍛えられるので、むやみに鍛える必要はありません」という。会話したり、料理をしたり、買い物に出かけたりする行動のすべてでワーキングメモリを使っているのだと。しかし、加齢に伴って著しく低下しているときには「イメージング」が効果があるそうだ。覚えるべき単語をイメージして下さいと伝え、絵に描いてもらった。その後では脳内でACCの活動しているのが見られるようになった。イメージングするということは、「頭の中に表象を形成する訓練をする」ということ。その意味では本を読むのも効果的だ。またワーキングメモリで一度に情報処理できるのは3つと書いたが、その「3つ」はイメージ化によって充実させることが可能だ。たとえばカレーの材料をじゃがいも、にんじん、玉ねぎと1つずつ覚えて「3つ」でなく、カレーをイメージ化することですべての材料を「1つ」にまとめて思い出せるようにする。そして楽しい目的を持つときも、ドーパミンが出てDSPFCが活性化するという。日常生活を楽しく送り、時々は好きな本を読み、余計なことに気を向けず、注意をやるべきことに集中する。これがワーキングメモリを鍛える方法の1つかもしれない。写真出典苧阪満里子著 「もの忘れの脳科学」講談社ブルーバックス、2014.苧阪満里子著 「読書における文の理解とワーキングメモリー」苧阪直行編『小説を愉しむ脳』新曜社、2014
2014年10月08日睡眠不足だとなんだか風邪をひきやすい。そんなことってありませんか?それを証明するために、今から約35年前にラットを使ったある実験が行われました。果たして、睡眠と免疫の間には関係性があったのでしょうか?ラットの研究で判明したこと1980年代、アメリカの研究者がラットを使ってある実験を行いました。それは、餌は豊富に与え続ける反面、睡眠は一切断つというもの。この結果は、通常よりも餌をたくさん食べるものの、次第にやせこけていき、最後は体温が下がっていった結果、3週間足らずで死んでしまったのだそうです。この実験やその後の研究で、断眠は免疫力を低下させる、ということが明らかになったそうです。それだけ生物にとって睡眠は欠かせない大切なものだということですね。ここで突然ですが問題です。そもそも免疫とは何なのでしょうか?免疫ってなに?免疫とは簡単に言えば、病気や病原菌などから身体を守る仕組みのことです。感染症などで発熱を伴うのもこの仕組みのためで、免疫に関係するリンパ球や白血球が増加し、熱で病原菌を殺していると考えられています。私たちが眠くなるのは、白血球からつくられる免疫物質が増加するためと言われています。つまり、しっかり睡眠をとることでエネルギーを蓄えることができ、病気や病原菌と戦えるというわけですね。実験のラットが死んでしまったのは、健康な状態であれば免疫によって防げた病原菌が血液へ感染し、敗血症となったことが原因と考えられています。睡眠時間はしっかり確保が原則!私たち人間もラットと同様に、睡眠不足では免疫力が低下します。眠ることで自律神経のバランスもとっているため、できれば7~9時間は睡眠時間を確保したほうがよいと言われています。ただ、睡眠時間が長すぎてもリンパ球が過剰な状態になるなど、よくないと考えられているので、寝すぎには注意が必要です。夜更かしをすれば交感神経が優位になりすぎ、昼夜逆転のような生活では副交感神経が優位になりすぎるそうです。何事も大切なのは塩梅(あんばい)ということでしょうか。季節の変わり目は特に体調を崩しやすいので、しっかりと睡眠時間をとって、毎日健康的な生活を送るようにしたいですね!Photo by michibanban
2014年10月02日科学技術振興機構(JST)は12月3日、全国の中学生がチーム対抗で科学の知識・技能を競う「第1回 科学の甲子園ジュニア全国大会」の出場47チームのすべてが決定し、2013年12月21日、22日の2日間にわたって、東京・渋谷の国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催することを決定した。今回の大会に参加する47チームは、各都道府県の教育委員会が実施した代表選抜大会にて選出されたもので、各1チーム6名で構成され(中学1、2学年の生徒)、理科や数学などの複数分野にわたる筆記・実技競技による各自の得意分野を生かして協働で取り組み、総合点を競うというもの。各都道府県の代表選考には、実行委員会が把握しているだけで1万5000名を超す生徒のエントリーがあったとのことで(参加校数は1234校で、国立が41校、公立が1107校、私立が86校となっている)、選考を通過した6名が1チームとなって全国大会に参加することとなる(選考会には、6名1チームでの参加のほか、都道府県によっては、3名1チームや1名1チームで、上位チームの混合チームとして全国大会へと出場させる、としたところもある。ちなみに、全国大会に参加する人数は47チーム281名。男子が210名で女子が71名という内訳となっている)。同大会の目的は、「理科、数学などにおける複数分野の競技に協働して取り組むことを通じて、全国の中学生が科学の楽しさ、面白さを知り、科学と実生活・実社会との関連に気づき、科学を学ぶことの意義を実感できる場を提供することによって、科学好きのすそ野を広げるとともに、未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材を育成することを目的とする」というもの。競技の種類は、高校生対象の科学の甲子園と同様に「筆記競技」と「実技競技」を用意。筆記競技は1競技6題の問いを6人で70分以内に解くというもの。一方の実技競技は2競技開催され、それぞれ90分以内で最適解を導き出すものとなっている。実技競技の2つの問題のうち、1つは事前公開競技となっており、すでに参加チームに事前情報が渡されている。具体的には数学の問題で、和算の油分け算を行ってもらう「大江戸mathにて とりわけmass!?」というもので、江戸時代の和算家である吉田光由が執筆した「塵劫記」と1000mL、700mL、300mLの升を配布。これらを用いて、1000mLの升に入っている油を正確に半分ずつに分ける方法を考えるというもの。数学的には、3つの升に油を入れ替え、それを繰り返し、ということで何とかなるが、物理的に考えると、そこには表面張力が発生したりして、どの程度入れれば真に正確な量になるのか、といったことが問題になってくる。数学的な思考力と、正しく計量を行うための力、そして物体の特性について観察し、正確にそれを理解し、対策を施せるかどうか、という科学的なアプローチなどが求められる問題となっている。なお、同大会の推進委員会は「出題の方向性は、科学は楽しいものだ、ということを前提に、一生懸命勉強するものではなく、手と頭を使って、自由な発想のもと挑戦してもらう問題を考えた」としており、単なる知識や演算能力だけで対処できる問題でないことを強調しており、「中学で習ったことだけでなく、その先にある考える力を活用し、課題を解決して行ってもらいたい」とコメントしている。
2013年12月04日子供達が理科の実験を体験できる”「夢・化学-21」わくわく理科・実験教室”が、今年5月~来年1月にかけて計6回開催される。会場は北の丸公園(東京都千代田区)の科学技術館4F実験スタジアム。開催時間は、各回とも1回目13時30分~14時15分、2回目15時~15時45分。参加費は無料(入館料のみ必要)。この講座は実験や工作、観察を通じて子供達に化学の面白さや不思議さを伝え、科学的な見地や実験器具の扱い方を習得してもらうことを目的に開催される。指導するのは中学校や高校の教員で、小学校の授業ではなかなかできない実験が体験できるという。初回のテーマは「水圧を感じよう」。ペットボトルやゴム手袋を使って実験器具をつくり、水深による水圧の大きさの違い、水圧がかかる方向などを体験する。このほか写真ができる仕組みを知る実験や、色を変化させたり光らせたりする実験、空気に秘められた力を知る実験なども行う予定。身の回りにあるモノを使いながら、化学の魅力を継続的に体験・学習できる。対象は小学1年生~4年生(保護者同伴)で、初回5月18日開催分の参加者募集締め切りは4月30日。なお、今回の申込時に限り、2013年度開催の実験教室すべてに参加できる継続参加も募集するとのこと。■開催日、テーマ、実施教諭詳細・5月18日(土)「水圧を感じよう」高橋美由紀先生(文京区立第九中学校)・6月15日(土)「写真のしくみを知ろう」荘司隆一先生(筑波大学附属中学校)・7月6日(土)「色の不思議」宮本一弘先生(開成学園開成中学校・開成高等学校)・10月5日(土)「空気の力」樋口健太郎先生(北区立明桜中学校)・11月16日(土)「不思議なコップをつくろう」宮内卓也先生(東京学芸大学附属世田谷中学校)・1月18日(土)「音のふしぎ」牧野順子先生(品川区立小中一貫校八潮学園)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月05日Right-on(ライトオン)は、美少女図鑑とコラボレーションし、2013年3月22日(金)より全国7地方都市の女の子のデニムスタイルを集めたフリーペーパー「美少女デニム100」を配布、また、フリーペーパーと連動したWEBサイト「美少女デニム100+(プラス)」を開設する。”地元の女の子をかわいくする”をコンセプトに、ライトオンと美少女図鑑がコラボレーションし、北海道から九州までの全国7地方都市の普通の女の子100名がモデルとなり、100通り全て違うコーディネートスナップを紹介する。フリーペーパー「美少女デニム100」では、全国7地方都市(北海道、新潟県、群馬県、岐阜県、京都府、広島県、佐賀県)100人のデニムスタイルスナップを掲載。また、「デニムに絶対必要な20アイテム」と題し、使いやすいベーシックなアイテムを紹介するページや、デニムの着回しページ、デニムのカテゴリーに分けたスナップ特集なども展開している。WEBサイト「美少女デニム100+(プラス)」では、イメージチェンジの様子や動画など、フリーペーパーでは掲載しきれない情報を随時、アップロードしていく。サイト内では、全国7地方都市の女の子のデニムスナップと、デニムスタイルになる前の私服を掲載し、Before・Afterで、どれだけイメージチェンジできたかを閲覧する事ができ、地域や年齢、身長、イメチェン度数、テイスト別と、様々なカテゴリーから検索できるところもポイント。そのほかにも、WEBサイトでしか見る事のできない隠れスナップや、ミニ動画などWEB限定のコンテンツも展開している。第1弾は3月22日(金)、第2弾は4月中旬に公開し、全部で100人以上のスナップを掲載していく予定だ。【キャンペーン概要】タイトル: 全国の美少女100人がデニムスタイルに変身!!「美少女デニム100」開設時期:2013年3月22日(金)~キャンペーン内容・ フリーペーパー 「デニムコーデでもっとかわいく美少女デニム100」・ WEBサイト 「美少女デニム100+(プラス)」美少女デニム100+(プラス) のサイトはこちらから元の記事を読む
2013年03月22日EUでの禁止を受けて一気に世界へ2月25日、ニュージーランドのニュースサイト Scoop Politics では、化粧品などに関わる動物実験禁止についての記事を掲載した。EUでは3月11日より化粧品に関わる製品、原材料の動物実験禁止が実施される。実現を目の前に、動物実験全面禁止を一気に世界中へ行き渡らせようという動きが本格化している。動物実験禁止のために長年運動を続けている自然派化粧品メーカー、Lush(Lush Fresh Handmade Cosmetics)と、動物愛護団体 Humane Society International(HSI)の会長は、各国のメイクアップ用品、日用化粧品、香水産業協同組合に対して動物実験の禁止を要求する文書を提出した。対象となった国は、ニュージーランド、オーストラリア、インド、ブラジル、ロシア、韓国、日本、カナダ、アメリカ。両会長は、3月11日はコスメティック業界の歴史的分岐点となるはずだ。動物実験は消費者からも歓迎されていない。私たちはこの習慣を絶ち切り、新しい化粧品の開発を世界に広めなければならない。と語っている。動物実験は時代遅れ技術はもっと進んでいるはず記事では動物実験は時代遅れだと見解を示している。化粧品の毒性を試験するために動物を犠牲にする方法は数十年前の技術に頼った方法だ。安全で確実な方法を実施しないことは科学の遅れを証明することになるが、人類の技術はもっと進んでいるはずだ。動物の皮膚や眼を痛めつける実験を肯定する言い訳はもうたくさんだ。化粧品を使う私たちがこの件に無関心でいいはずがない。どれだけの動物がどんな目にあった結果その製品があるのか。自分の手元にある化粧品を見直してみたい。元の記事を読む
2013年02月27日延期を繰り返した全面禁止今後は医薬品以外の実験禁止を強制2月2日、examiner.com は、イスラエルにおける化粧品の動物実験禁止に関する記事を掲載した。来る3月11日、EUで動物実験を伴う化粧品と日用品の販売が全面禁止となることから、各国でそれに呼応する動きが明らかになっている。動物実験禁止の法案は2007年に発令、2010年に可決されていたが実施は延期を繰り返し、 本年1月1日よりようやく実質的に禁止されることとなった。イスラエルはEUをモデルとしてこの法を施行している。EUではすでに最終段階となっている動物実験禁止だが、イスラエルでは現段階では化粧品メーカーに強制はしていない。しかし、今後は化粧品、日用品の製造、販売、輸入において、動物実験を禁止する。ただし、医薬品については免除されている。動物にとっての幸せな環境をめざしてイスラエルでは動物愛護団体の活動も盛んで、動物の権利を非常に重く扱っている。動物虐待に反対するグループは、人間が犯した罪を鶏に乗り移らせたことにして処分する宗教的儀式についても改善するよう運動をしている。愛護団体の一人は、一つの製品に対して2~3,000もの実験が行われている場合もあった。その数だけ動物が死んでいる。法の実施までは本当に長い道のりだった。次はすべての動物実験廃止を望む。イスラエルを動物にとって幸せな環境にしたい。と語っている。世界的規模で活動する動物愛護団体 PETA では、ヨーロッパに続いて中国、インドにも全面禁止を勧めている。元の記事を読む
2013年02月13日活動20年を経て、ついに全面廃止へ動物実験を伴う化粧品の製造、販売、輸入がヨーロッパで全面禁止される。実現の日まで1か月である。ヨーロッパから動物実験を経た化粧品が姿を消す。EUは来る3月11日をもって、動物実験を伴う化粧品の製造はもちろんのこと、輸入することも禁止する。HAND.comは、動物実験全面禁止までの歴史を振り返る記事を掲載した。もう動物実験はされていないと思っている人もいるのではないだろうか。しかし、この問題はまだ終わっていないのだ。EU諸国では、化粧品製造に関わる動物実験の中止を求めるキャンペーンを20年以上前から行っており、一般にも広く認識されている。人体の安全優先のため即全面禁止という訳にはいかず、実現までには長い年月を必要とした。その時を目前にして感慨深い思いを抱く人は多いはずだ。イギリスから始まりヨーロッパ全域へ世界中が動物実験廃止の道を動物実験廃止運動の歴史は19世紀までさかのぼる。1898年、イギリスで動物実験廃止を訴える団体、英国動物実験廃止連盟(BUAV)が設立されたのが始まりだ。その後、活動はヨーロッパ全域に拡がり、1996年には400万人の署名を集めた。しかし、化粧品業界の抵抗があり、全面禁止は延期を繰り返した。その中で、化粧品メーカーとして画期的な活動をしたのが、現在世界中で動物実験廃止キャンペーンを続けているザ・ボディショップである。ザ・ボディショップは原料、製品ともに動物実験を一切行わず製品化し、BUAVの基準を満たした初めての化粧品メーカーとして高く評価された。長い道のりを経てようやく全面禁止が実現される。3月11日以降、動物実験を伴う製品はヨーロッパの地を踏むことはできない。対象は石けんや歯磨き粉なども含む化粧品一切だ。日本ではザ・ボディショップ、生活の木に続き、2011年3月には最大手の資生堂も自社での動物実験を廃止した。世界中が動物実験廃止に向けて、着実に進んでいる。元の記事を読む
2013年02月12日問題定義の第一歩自然派化粧品のLUSHから、「化粧品のための動物実験」に反対をしたメッセージを掲げたオーガニックコットン製のバッグ「FATバッグ」の販売が日本全国の店舗と通信販売でスタートした。「FAT」とは、「Fighting Animal Testing」の略。ウサギが戦っているイラストが描かれ、化粧品のために動物を犠牲にしない、という強い意志が込められたデザインになっている。まずは、動物実験が行われている実態を広く知ってもらい、問題として考えるきっかけとしての第一歩という考えだ。※画像は、FATバッグ現在も行われている動物実験化粧品自体の動物実験は行われていないが、現在も原材料に関しての安全実験は動物で行われている。アイメイクやリップに利用するものに関しての安全実験を動物ですることの意味はないとし、昔から安全に使われていた物を安全に利用していくべきだ、という意思表示をしている。「FATバッグ」の売り上げは、「化粧品のための動物実験」をなくすために活動している国内の3団体「NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)」「NPO法人アニマルライツセンター」「PEACE(Put an End to Animal Cruelty and Exploitation)」に消費税を除く全額が寄付される。元の記事を読む
2012年12月31日LIXIL住宅研究所は2月14日~24日と6月26日~7月6日にかけて、「住宅空間における照明の効果実験」を実施した。実験の結果、一般的な照明よりも暗くても、読み書きやリラックスに問題がないことを実証したという。同調査は、「日本の住宅照明の明るさは明るすぎるのではないか?」という疑問から、生活シーンに合わせた最適な照明空間とエコな照明の提案を検討するために実施したもの。東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授指導のもと、次世代スマートハウス「GURU GURU」のリビングダイニングにて、大人(35~46歳)40名、子ども(10~12歳)39名を対象に実施した。今回はJIS(日本工業規格)で読書・勉強に必要とされている500~1,000ルクスより暗い、250~350ルクスの明るさで、人の作業効率、気分の変化、自律神経系の指標を調査した。作業効率実験では、一桁の計算問題、認知テストを行ったが、大人・子どもとも明るさの違いにより効率が変化することはなかった。気分の変化の実験では、大人は明るい方が計算問題がやりやすく、字が読みやすいと感じている。250ルクスの明るさでは若干他の明るさより値が低いが、350~600ルクスでは大きな変化は見られなかった。子どもは250~600ルクスでの明るさでも、気分の違いは見られなかった。続いて自律神経系への影響だが、安静時、一桁の計算問題、認知テスト、記憶テストなどどの作業をしていても、大人・子どもとも明るさの違いによって、緊張・精神的ストレス・リラックス状態への有意な影響は見られなかった。今回の実験の指導教授川島隆太教授は、「感性の領域(気分)は明るさの影響を受けていたが、『知性』の領域である認知機能や、『身体』の領域である自律神経機能には全く影響を与えていないことは新しい発見」とコメントしている。同研究所はこの実験結果をふまえ、一般的な照明計画と実験計画を反映した少エネ照明計画を発表している(※)。それによると、年間照明ランニングコスト(電気代・交換ランプ代)は2万3,248円節約でき、年間CO2排出量も585kg削減できる計算となった(試算協力は大光電機)。※少エネ照明計画は、LED照明使用、リビングダイニング、居室の机上面は約250ルクス、部屋の端は100ルクス以下で計算【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月26日花の製作委員会は19日より、花図鑑サイト「みんなの花図鑑」において、新たに“花カレンダー”の提供を開始した。同サイトは3,000種以上の花が掲載された国内最大級の花図鑑サイト。新たに加わった“花カレンダー”は、毎月毎日の花の情報が一目でわかるコンテンツとなっている。カレンダーの中には、各テーマに沿った花の画像や花言葉などが表示され、季節の花の旬な情報をすぐに知ることができる。「誕生花カレンダー」では、毎日の誕生日の花(誕生花)がカレンダー上でチェックでき、自分や家族、友達などの誕生花や花言葉を知ることができる。また、花の画像をクリックすることで、その花の詳細な図鑑情報が表示される。「みんなの投稿カレンダー」は、その日に投稿された花の写真のうち、一番人気のあった投稿写真がカレンダー上に表示される。その日に撮影された花もリアルタイムに一覧表示され、当日どんな花が咲いていたのかを知ることができる。「旬の花カレンダー」では、その月に咲いている花をランダムに表示。今月咲いている旬の花をすぐに確認できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月20日吉野家ホールディングスは10月、「築地吉野家 極(きわみ)」という店名の実験店を東京都板橋区と江戸川区に2店舗出店した。同店では、提供するメニューは牛丼並盛(250円)と大盛(400円)のみ。吉野家の通常店舗では、並盛(380円)、大盛(480円)なので、並盛で130円、大盛で80円安いことになる。ライバルである「すき家」や「松屋」(並盛280円)と比較してもお得感のある価格だ。同社に築地吉野家「極」店の位置づけに関して聞いてみると、「ローコストオペレーションの為の実験店舗」とのこと。現在の価格も開店お試し価格であり、"定価"という意味合いではなく、今後の出店計画に関しても未定という。いち消費者としては、吉野家の牛丼が低価格で楽しめるのはうれしい限り。店舗数も増えていくことを願う。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月07日