『ハリー・ポッター』の原作者であるJ・K・ローリングのお気に入りのキャラクターは、ダンブルドアだという。11日にファンとソーシャルメディアで対話をしていたローリングは、同作の中でハリーを除いて一番のお気に入りのキャラクターは何かと尋ねられた際、ホグワーツ魔法魔術学校の校長であるアルバス・ダンブルドアだと回答した。ダンブルドアはハリーが最大の敵ヴォルデモートと戦うにあたって指南を与えてくれる存在であり、不死鳥の騎士団の一員でもある。映画の中ではリチャード・ハリスとマイケル・ガンボンが演じたが、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の終盤で命を落とした際にはファンが悲しみに暮れた。しかし、エディ・レッドメインが主役のニュート・スキャマンダーを演じるシリーズ前日章『幻の動物とその生息地』の予告編では、ダンブルドアの姿をまた見ることができる。(C)BANG Media International
2016年04月18日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。本日は洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『Hibi』深瀬昌久 「ヒビ」は深瀬昌久の最終作のひとつである。1990年から1992年にかけて日々の道すがら地面の亀裂を撮影したものをプリントに焼き、自ら一枚一枚を着色した。そして1992年2月、ニコンサロンにて開催された個展「私景’92」にて、このほかの作品シリーズ「私景」「ブクブク」「ベロベロ」と共に公開。その4ヶ月後、新宿ゴールデン街の階段から転落、脳に障害を受けたことから作家人生を閉じた。そして2012年に他界したが、遺したものは今もなお褪せることのない魅力を放つ。【書籍情報】『Hibi』著者:深瀬昌久出版社:MACK言語:英語ハードカバー/240ページ/160x260mm発刊:2016年価格:8,300円
2016年04月02日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は愛知・名古屋の支店・ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)です。■『ピカソ、天才の秘密』本書は、愛知県美術館(名古屋市東区)で開催中の同名展覧会の公式図録。パブロ・ピカソは、91年の長い生涯の中で何度も画風を変えたこと、20世紀のキュビスム創始者のひとりであること、10万点以上の作品を生み出したことなど、突出したイメージと共に語られる画家。56歳の時にスペインの内乱を描いた作品「ゲルニカ」(1937年)が主な代表作として知られる中、本展覧会は幼少期や青年期の作品にスポットを当てており、美術教師の父を持ち、言葉を覚えるよりも先に絵を覚えたというピカソが13歳の時に描いた早熟な作品から始まる。「青の時代」「バラ色の時代」といった画風に至った背景を紐解き、1907年以降にキュビスムの探求を深めていく様子を、年齢順に鑑賞できる構成となっている。ナディッフ愛知では、ピカソに関連する書籍や雑貨とともに、1930年代にピカソが担当した書籍の挿絵(銅版画)を額装したものなど、希少なアイテムも展開している。【書籍情報】『ピカソ、天才の秘密』執筆:ローラン・ル・ボン(パリ国立ピカソ美術館館長)、ステファニー・モラン(同・館長補佐)、大島徹也(広島大学大学院准教授)、塩津青夏(愛知県美術館学芸員)ほか編集:愛知県美術館、あべのハルカス美術館、中日新聞社言語:日本語・英語表紙デザイン2種(「扇子を持つ女」ver.、ポートレートver.※後者は数量限定)/180ページ/280×226mm発刊:2016年価格:2,037円【展覧会情報】「ピカソ、天才の秘密」会場:愛知県立美術館住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター10階会期:1月3日~3月21日開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,500円、高大生 1,200円、中学生以下無料休館日:月曜日(ただし3月21日は開館)
2016年02月18日Airbnbは1月15日、世界中のAirbnbユーザーの"お気に入り"(ウィッシュリスト)に入っている、人気の旅の住まいとエリアのランキングを発表。全世界を対象としたお気に入り地域トップ10には、2位に沖縄、6位に京都がランクインした。同社の"お気に入り"とは、いつか泊まってみたい場所を保存して参照やシェアできる機能。同社は世界190カ国以上に約200万件の旅の住まいを抱えており、"お気に入り"として保存されている旅の住まいを見てみると、冒険心をかきたてるようなファンタジー志向のものが多い傾向があるという。"お気に入り"の種別では、屋外の「ツリーハウス」が"群を抜いて人気が高く、2位には雪でできた「かまくら」が選ばれている。その他、「バン」や「灯台」、「洞窟」といったユニークな体験ができるものが続いている。"お気に入り"に保存されている種別トップ101位 ツリーハウス2位 かまくら3位 バン4位 灯台5位 洞窟6位 島7位 ゲル(モンゴルの移動式住居)8位 列車9位 ロフト10位 ログハウス具体的な旅の住まいでは、1位には「街中の隠れ家ツリーハウス」(ジョージア)、2位にゴージャスで真っ白な「貝殻の家 ~ カサ カラコル」(メキシコ)、3位に「ツリーハウス/カーサバルテル」(トスカーナ)がランクイン。そのほかには、カナダの「ユニークなコブハウス」やローマの「まったく新しいミニロフト」などユニークかつコンパクトな場所や、カリフォルニアの「カリブの海賊風隠れ家(テント)」など変わったコンセプトの場所も選ばれている。"お気に入り"に保存されている旅の住まいトップ101位 街中の隠れ家ツリーハウス(ジョージア州アトランタ)2位 貝殻の家 ~ カサ カラコル(メキシコ)3位 ツリーハウス/カーサバルテル(トスカーナ/イタリア)4位 ユニークなコブハウス(ブリティッシュコロンビア州メイン島/カナダ)5位 アロマ薫るロマンチック・ツリーハウス(サン・サルヴァトーレ・モンフェッラート、アレッサンドリア/イタリア)6位 マッシュルーム型キャビン(カリフォルニア州アプトス)7位 カリブの海賊風隠れ家(テント)(カリフォルニア州トパンガキャニオン)8位 貸し切りプール付きのバリ島ツリーハウス(バリ島)9位 まったく新しいミニロフト(ローマ/イタリア)10位 エコなお家(カルフォルニア州パイオニアタウンス)"お気に入り"の地域に関しては、「ベリーズシティ」(ベリーズ)や「沖縄」(日本)、「タークス・カイコス諸島」などの暖かな気候で知られる地域が上位に挙がっている。日本だけを見てみると、太陽と海の近い「沖縄」はトップとなっており、あとに和の歴史に触れられる「京都」やパウダースノーが楽しめる「札幌」が続いている。"お気に入り"に保存されている地域トップ101位 ベリーズシティ(ベリーズ)2位 沖縄(日本)3位 ジョージア州サバンナ4位 タークス・カイコス諸島5位 カリフォルニア州メンドシーノ6位 京都(日本)7位 サンフアン(プエルトリコ)8位 マーガレット・リバー(オーストラリア)9位 ジャービス・ベイ(オーストラリア)10位 タマリンド(コスタリカ)"お気に入り"に保存されている日本の地域トップ101位 沖縄2位 京都3位 札幌4位 東京5位 名古屋
2016年01月19日電子書店・パピレスが運営する電子貸本サービス「Renta!」は、会員でなくても100冊の漫画を無料で読むことができる「100冊無料キャンペーン」を25日、開始した。期間は1月11日まで(一部作品により期間・巻数は異なる)。今回のキャンペーンでは、『お水の花道』『ミナミの帝王』『ピース オブ ケイク』などの映像化された作品も登場。さらに、『やるっきゃ騎士』『きまぐれオレンジ☆ロード』といった80年代の名作漫画も、計127作品が最大3巻まで無料で読むことができる。なお、同期間中には「入会したら1チケットプレゼント」も併せて実施。1月11日までに「Renta!」に入会すれば、108円相当のチケットがプレゼントされる。
2015年12月25日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店・ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。■『Elephants,Whales&Kangaroos』トミー・ウンゲラー(Tomi Ungerer)フランス生まれ、各地を放浪したのちに、現在は主にアメリカを拠点として活躍しているデザイナー、イラストレーター、絵本作家のトミー・ウンゲラー。日本でも『すてきな三にんぐみ』や『キスなんてだいきらい』などの絵本は人気があり、彼の絵に記憶のある方は多いだろう。あるいは、情報過多の現代社会の中で半ば、機械化されてしまったセクシュアリティーを、シニカルな目線で描いたエロティックなイラストレーションをまとめた『フォーニコン』の印象が強い方もいるかもしれない。名誉あるアンデルセン賞を受賞した絵本作家でありながら、現代社会における人間の営みを風刺的に描いたようなイラストレーションを描き続けることも、自身の重要なテーマの一つだそうだ。本作は、彼がニューヨークで主に広告の仕事をしていた60年代に、スケッチブックにたくさん描いていた動物のイラストレーションの中から、「ゾウ」「クジラ」「カンガルー」を集め、それぞれを1冊にまとめたもの。人間の行動や性格を冷静に観察し、動物に置き換えたような、シニカルでありながらもユーモラスで温かみのあるイラストレーションは心を和ませるものがある。薄い3冊の作品集がスリップケースに収められているシンプルで美しい装丁で、ギフトにもおすすめ。【書籍情報】『Elephants,Whales&Kangaroos』著者:Tomi Ungerer出版社:Nieves言語:日本語3冊セット/スリップケース入り/195×260mm発刊:2015年価格:2,600円
2015年12月24日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・新宿の支店、ギャラリー5(新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー3階)です。■『ZWARTE BEERTJES Book Cover Designs by Dick Bruna』オランダが生んだ世界的絵本作家ディック・ブルーナ。誰もが知っているキャラクター「ミッフィー」の生みの親として有名だが、彼のグラフィックデザイナーとしての創作活動についてはご存知だろうか。本書には、若き日のブルーナが28歳からの20年間で手がけた「ZWARTE BEERTJES(ブラック・ベア)」と呼ばれるオランダの書籍シリーズ2,000タイトル分の表紙デザイン・装丁が収録されている。収録作品にはブルーナお馴染みのあたたかみ溢れるものだけでなく、毒のあるものもあり、作品に垣間見られるブルーナの意外な一面が興味深い。ペーパーバックという性質上、読み終えたのちに捨てられることが多いため、デザインの分野において貴重な資料とも言える。絵本作家としてのブルーナのファンも、デザイナーとしてのブルーナのファンも、共に楽しむことのできる総頁400を超えるフルカラーの豪華本である。【書籍情報】『ZWARTE BEERTJES Book Cover Designs by Dick Bruna』出版社:フリーライド言語:日本語、英語布製ハードカバー/444ページ/218mm×218mm発刊:2015年10月価格:6,800円
2015年12月17日神奈川県・箱根のポーラ美術館は、企画展「自然と都市」の作品から、来館者がお気に入りの作品を選んで写真やコメントとともに投票するイベント「ポーラ美術館・P-1 グランプリ」を開催する。投票期間は12月1日~2016年1月10日。開館時間は9:00~17:00。入館料は大人1,800円、65歳以上1,600円、高校・大学生1,300円、小・中学生700円(小・中学生は土曜日入館無料)。同イベントは、モネ、ルソー、シャガール、デュフィなどの作家の作品が多く展示されている企画展「自然と都市―印象派からエコール・ド・パリまで」の出品作品(約70点)の中から、来館者がお気に入りの作品を選んで写真とコメントをつけて投票するもの。投票期間中は、展示室での撮影も可能(著作権有効作品は除く)となるが、展示室内の撮影については、撮影希望者に配布される「撮影許可シール」をつけている必要があるとのこと。投票形式は、会場の投票用紙に直接記入、またはSNS上での投票の2通り。SNSでの投票は、Facebook、Twitter、Instagramを通して、お気に入りの作品名(もしくは作品写真)とコメントにハッシュタグ #polamuseump1gp をつけて投稿する。なお、投票結果は2016年1月24日~3月13日の期間、ウェブおよび館内ロビーにて掲示され、参加者のコメントの一部が展示室にてパネルで掲出されるということだ。また、関連イベントとして、30分のギャラリートークを10回連続で行なう「第4回ギャラリートーク駅伝」が開催される。このイベントでは、企画展「自然と都市」と常設展の中から、モネやデュフィなど代表的な作家を10人選び、各回ひとりずつとりあげる形式でトークが行われる。開催日時は2016年1月10日10:00~16:00。なお、各回の詳細は決まり次第、同館Webサイトにて掲載される。参加費は無料だが、当日入館券が必要となる。そのほか、同館では来館者全員に、ポーラ美術館ミュージアムグッズや館内付帯施設の利用券などが当たる「新春福引会」が開催される。開催日時は2016年1月1日9:00~(賞品がなくなり次第終了)。
2015年11月25日大人になってくると、ちょっとした体の不調から忍び寄る “老い” におののいたり、いつもの自分らしさに迷いが出て、とてもネガティブな気持ちになってしまうことがあるかもしれません。「いまの衣・食・住も、自分の取る態度や発言も、このままでいいのかな?」そんなふうに思ったら、“生きること” の根源に語りかけてくれる本を読んで、生きる勇気を得ることをおすすめします。まずは体調面。表面的な部分だけに惑わされず、それこそ10年後のいい状態を意識して、よりナチュラルに、より本質的に、自分の日常を見直したいもの。健康あってこそ地に足の着いた衣食住、ライフスタイルは、さらに美しく磨かれるに違いありません。「冷えとり健康法」を生き方の根幹に置くと楽になれる▼冷えとり健康法 マーマーマガジン別冊 body&soul服部みれい(株式会社エムエム・ブックス)知られてきたとはいえ、ご存じない方もいらっしゃるかもしれません。進藤義晴医師の名著「万病を治す冷えとり健康法」(農文協)が基本となった健康法で、大ざっぱにいうと、頭寒足熱をキープし、心臓への血流をよどみなく巡らせてデトックスする方法です。具体的には、足先のほうが体温が低いので、シルク×コットンの靴下の重ね履きと半身浴で、冷えも毒も取る。食べ過ぎない、自己本位な考え方をやめる、などなど。ゆる~くこのメンテナンスを始めてから7年目を迎えます。様々な健康法、美容法、エステなど一通り体験した後、地味でシンプルなこの方法に行き着きました。何より精神的に安定したのが嬉しいです。高いものを買い続けなくていい。何が正しいか基本を知っていると、過剰に不安を募らせなくていい。私が冷えとりを知るきっかけになった、マーマーマガジンから発刊された本書は、おしゃれで楽しい実践編。必ずお役に立つはずです。「ホーム スイート ホーム」でライフスタイルを美しく彩る▼ホームスイートホーム 暮らしを彩るかれんな物がたり桐島かれん(アノニマ・スタジオ)桐島かれんさんのお店、ハウス・オブ・ロータスに最初に取材に伺った時、置いてある物だけでなく飾り方や楽しみ方が小粋で、その物にまわるストーリーが映画のワンシーンのように次から次へと浮かんできて、わくわくとエキサイティングな気持ちになったことを覚えています。生活を楽しむって、まさにこういうことなんだな、と。それがそのまま本になり、かれんさんのピュアで気取らない言葉とともに、深くこちらに響いてくるのが本書です。パリの蚤の市で見つけたという古いバカラのショット・グラスも、花柄に惹かれたというチベットのキャビネットも、1950年代のデッドストックのビーズ刺繍のカーディガンも、みんな彼女の息吹とともに日常生活の中で生きていて、そこが素敵! ご主人の写真家、上田義彦さんの美しい写真が楽しめるのも眼福です。基本にして最強のスタイリングバイブル「『好き』を超えたら『似合う』がある」▼『好き』を超えたら『似合う』があるパーソナルスタイリストが教えるおしゃれリアルルール政近準子(集英社)パーソナルスタイリストとして14年のキャリアを持ち、政治家やビジネスウーマン、専業主婦の方など、様々な職種、年齢の女性たちに絶大な人気を誇る、政近準子さんの新著。多くの女性が、ある年齢に差しかかると「何を着たらいいのかわからない」「着たい服がない」と惑う。そんなファッション迷子たちの窮状を、Q&A方式で具体的に救ってくれるのが本書です。イタい服装にならないよう、大人のおしゃれセンスを養いたいですね。特にキレイスタイル読者に向けて、政近さんにインタビューをお願いしました。――アラフォー女性が、一番美しく見える着こなしについて教えてください。「まず、美しく『見える』服から、美しく『魅せる』服、という意識に変えて欲しいなと思います。また、美しく見せようとするだけでは、自己満足に陥ることもあります。この差はちょっとしたことなのに、大きな人生の差を生むことでしょう」――それは大変! 『魅せる』といいますと?「華やかで特別に思えるかもしれませんが、魅せる服装には、今日からできることがたくさんあります。なぜなら、新しい服が絶対必要ということではないからです。意識を変えるだけで一歩前進できるのです。ワードローブを整然とするだけで、最後に差がつく着こなしになりますよ。繊細さや気品が生まれ、たとえカジュアルな服装でもエレガンスが漂ってくると思います」――何を着るか、いつも迷ってしまうのですが…。「購入する時に『とりあえず選ぶ』のではなく、『吟味し、選びきる』ことが大切です。これにはまた、自身のワードローブが把握できていないと、本当に何が必要で活用しきれるのかがわかりません。選びきるには、現状にきちんと向き合うことが重要です」――お洒落に魅せたい気持ちはあるのですけれど…。「周囲と比べて張り合うのではなく、周囲と自分の違いは何か、その違いこそを心から受け入れ、もう『ないものねだり』からは卒業することです。それには、自分のかけがえのない持ち味を愛し、自分では欠点だと思っていたことにも目を向けてみてください。身の丈に合った、それでいて最高のパフォーマンスができることが大切です」――自己最高のパフォーマンスとは?「わかりやすく言えば、人生の質を上げるように、服装の質もできる範囲で上げること。高価なものにする、というだけのことではありません。同じ金額でも、その価値をどう自分で立証できるのか。こんなもんかなと、いつもと同じ自分に甘んじないこと。そうやって選び抜いた服は、あなたをきっと美しく輝かせるはずです」いかがですか? 着ることはまさに生きること。決しておろそかにできません。本書には写真がないのですが、キレイスタイル読者のために特別にお願いして、目次にある二つの項目から写真つきでアドバイスをいただきました。「ミニスカートって何歳まではけますか?」と「帽子のおしゃれ」についてです。ぜひ参考になさってみてください。Q.ミニスカートって何歳まではけますか?左)大人のミニスカートは、シャープにクールなイメージで、あくまでも「格好よい」を目指すか、「エレガント」に徹するかの二択だそう。年齢の出やすい脚は、タイツやブーツでカバーし、シンプルな台形デザインで張りのある生地なら、すっきりシャープに。中央)黒いチュール付きの台形ミニスカートでエレガントに。「甘いですが、黒でギャザーではないので、大人が履いてもいけます。インナーには、抜け感のあるロゴTを」。右)「ツイードのスーツは、スカートがミニだとかえって若々しく履けますよ」。今期流行のカーディガンっぽい羽織を合わせて。Q.帽子のおしゃれについて左)「中折れ帽は、基本マニッシュなのでクールな物との相性は良いのですが、アラフォー女性には、ハードよりソフトな印象が加わったほうが良いでしょう。カラーも黒より茶かグレー、写真のように思い切って少し明るい色を被ると、顔が明るく優しい印象になります」。ファーと合わせてシックな着こなし。中央) これからのパーティーシーズンにお薦めのクロッシェ。初心者も被りやすいそう。「クロッシェタイプは、ポイントになるデザインの位置をいろいろ変えてみると、似合う位置や新鮮な被り方を発見できます」。右) ニットと中折れ帽。「よく、深く被らず後頭部に引っ掛けるようにしている人がいますが、若い人の流行の被り方ですね。大人は基本的に深めに被るほうが、洗練されて見えます」と、政近さん。
2015年11月24日電子書店パピレスが運営する電子貸本サービス「Renta!」は、会員でなくても100冊の漫画を無料で読むことができる「100冊無料キャンペーン」を10月30日から実施している。期間は11月9日まで(一部作品により期間・巻数は異なる)。今回のキャンペーンでは、『花咲舞が黙ってない プチキス』『ライフ』『新装版 うさぎドロップ』といった映像化された作品も登場。『イタズラなKiss』『サプリ』などの名作漫画も、最大3巻まで無料で読むことができる。なお、同期間中には「入会したら1チケットプレゼント」も併せて実施。11月9日までに「Renta!」に入会すれば、108円相当のチケットがプレゼントされる。
2015年10月30日小学館は10月23日、モデル・タレントとして活躍中の紗栄子さんが一冊丸ごとモデルを務める雑誌『this is me! #02 紗栄子×デニム着回し100』(税込500円)を発売した。1本のデニムで100パターン着回したコーディネートを紹介。女性なら誰もが憧れてしまうような、見ているだけで楽しくなるようなハイブランドのアイテムから、お財布に優しく、取り入れやすいカジュアルなブランドのアイテムまで幅広く掲載されている。ハイブランドな服は大人っぽく、カジュアルな服もどこか女らしく、かわいらしく着こなし、モデルを務める紗栄子さんのシーン別、シチュエーション別の様々な表情を見ることができるという。『this is me!』は、ひとりのモデルがひとつのアイテムを着回す"ワンコイン・ワンモデル・ワンアイテムマガジン"で、小学館から新たに創刊されたファッション誌。10月16日に『this is me!#01 知花くらら×ユニクロのニット着回し100』(税込500円)も発売されている。
2015年10月28日日本手帖の会(にほんてちょうのかい)は、イベント「第4回・手帳100冊!書き比べ総選挙!!」を開始した。同イベントは、国内で発売される手帳の中から同会が選定した100冊の展示を行うというもので、2012年に初開催した。参加者は展示する手帳を自由に手に取って試し書きができる。フォーマット・デザインや書き心地の点から気に入った手帳に投票。国内3会場での投票結果を集計してランキング発表を行う。昨年は東京、神戸、大阪、横浜の4会場で、のべ1,200人以上が来場した。会場では同会会員をはじめ、多くの手帳ユーザーが交流を図り、情報交換の場にもなったという。昨年特別開催した台湾(台北市)でも、多くの台湾ユーザーが来場し、日本の手帳文化に触れた。今年も台湾側からの強い要望により、昨年に引き続き開催することが決定した。同イベントは、10月31日~11月1日に横浜会場(横浜市なか区民活動センター)、11月27日~29日に台北会場(台北市・金石堂書店 城中店)で開催。東京・神戸会場での実施は終了している。参加費は無料。また、12月5日には、国内3会場での投票結果を集計して順位を決定する「感謝祭」を、東京都お台場の東京カルチャーカルチャーで開催する。
2015年10月16日「今年こそたくさん本を読もう!」と決意しても、実践するのはなかなか難しいもの。慣れないうちは、1冊読むのに膨大な時間がかかってしまい、イライラすることも少なくありません。日本人の平均的な読書スピードは毎分400~600字だといわれていますが、だとすると10万字の文庫本1冊を読み終わるのには250時間もかかることになります。憧れの年100冊を達成するために、『Enterpreneur』が紹介する読書のコツ5つをチェックしてみましょう。■1:速読法に挑戦するまずお勧めなのが、速読についてのセミナーや本を利用して、速読法をマスターすること。インターネットにも、速読法の情報はたくさん載っています。たとえば必要な情報以外を省いて読む「スキミング」や、スピードを下げる原因となる音読を止めることなどが有名な方法。自己流でスピードを上げるより、多くの人が利用している速読法を利用した方が、効率的に読書のスピードをアップさせることができます。■2:一字一句読まないほとんどの本のなかには、大切な考えは1つか2つしか含まれていません。本当に読まなければならないのは20ページほどであるといえます。名著といわれる本は一字一句読む価値がありますが、その本の主要な考えだけを知りたいと思うときは、1周目は全体をざっと見渡して大事なところに印をつけ、2周目に入るのがお勧めです。その本がまた読みたいと思える本だったら、3周目に入って少しじっくり読みましょう。1冊から得られる情報よりも、10冊から得られる情報の方が大事だと考えることが大切です。■3:時間制限を決めるその本を読むための時間制限を決めると、集中して読書ができます。たとえば200~300ページの本なら、制限時間は4時間程度。本の大切な部分を抜き出すことは、集中して取り組めば4時間で可能なのです。逆に同じ本を1ヶ月読んでいたとしても、集中していなければまったく頭に入ってきません。知らないことや知らない単語を調べるときもさっと済ませ、本を読むときは本に集中しましょう。■4:簡単な本から読む最初から1000ページを超える学術書を読もうとしたら、読むスピードは遅くなって当然です。さまざまなジャンルの100~150ページ程度の短めの本を集めてみて、そのなかから毎週1~2冊を読んでいきましょう。そうすれば、読むことがだんだん苦にならなくなってきて、「読めた」という自信につながっていきます。小さなことからはじめることが、大きな結果につながるのです。■5:よい本だけを読む本を読むときにまず考えなければいけないのは、その本は本当に読むに価する本なのかということです。「自分が抱えている問題の解決策をこの本は与えてくれるのだろうか」と自分に問いかけ、最初の10分でその本を読むべきかを決めましょう。毎月10~20冊ほどの本を並べて、その中から数冊だけ選び出しましょう。ダメな本に当たったら、迷わず読むのを止めます。その本に当てる時間が無駄ですし、あなたの記憶力を無益な情報に使うべきでもありません。*世界では毎分15冊の本が出版されているといわれていますが、だとすればこの世には人の一生では読みつくせないほどの本があることになります。この世に存在するすべての本を読めなくても、悩みを解決してくれるパワーを持った本が必ず見つかります。ぜひ読書の世界を楽しんでください。(文/スケルトンワークス)【参考】※5 Tips to Read 100 Books a Year-Entrepreneur
2015年09月29日エムディーエスは、同社が取り扱うステーショナリーブランド「モレスキン」より、月ごとに新しい1冊を使用するユニークなダイアリー「12カ月カラーダイアリーボックス」を発売する。発売日は2015年8月19日。価格は5,280円(税別)。本製品は、鮮やかなカラーリングが特徴のノートブック「ヴォランシリーズ」のダイアリー版となるもので、全12冊のカラフルな冊子で構成。それぞれ表紙には月を表す数字が印刷されており、1カ月ごとに新たな1冊を使用する点が特徴となっている。それぞれの冊子は全64ページ/約5mmのポケットサイズで、持ち運びにも便利だ。レイアウトは1日1ページのデイリーダイアリーで、8時~20時の時間軸に加え、メモやタスク管理、スケッチなどに便利な横罫ノートも設けられている。また、日曜日のページにはあえて時間軸を設けず、趣味のページとしても使えるようにした。巻頭ページには、時差表、旅行計画リスト・メモ、飛行機滞空時間表、度量換算表といった情報を掲載する。なお、各月のダイアリーは、付属の専用ハードカバー内にまとめ、1冊のノートブックのように収納が可能。専用カバーには拡張ポケットが備わっており、資料や思い出の物などをダイアリーとまとめて保存可能という。
2015年08月06日電子貸本サービス「Renta!」を運営するパピレスは、会員でなくても100冊の漫画を無料で読むことができる「100冊無料キャンペーン」を7月17日から実施している。期間は7月27日まで(一部作品に前後あり)。本キャンペーンでは、『ヤマノススメ』『おとめ妖怪ざくろ』『L・DK』など映像化された漫画や、同サービスの2015年上半期レンタル数ランキング・少女漫画部門で1位に輝いた『毒姫』などの話題作が登場。また、『イタズラなKiss』『ベルサイユのばら』といった名作漫画も含まれたラインナップになっている(無料で読める巻数は作品によって異なる)。なお、同期間中には「入会したら1チケットプレゼント」も実施。7月27日までに「Renta!」に入会すれば、108円相当のチケットをもらうことができる。
2015年07月17日富士山マガジンサービスが運営する「Fujisan.co.jp」はこのほど、無料で雑誌が読み放題となるサービス「タダ読み」の雑誌数を2000冊から5000冊以上に拡充した。同サービスには、ほぼ全ページを無料で閲覧できる「タダ読み/まるごと1冊」、当日発売された雑誌や最近発売された雑誌の一部を無料で読める「タダ読み/今日のちら見」がある。まるごと1冊読み放題の雑誌は800冊以上に上るとしている。同サービスはPCほか、iOS/Android対応の「FujisanReader」アプリから利用可能。
2015年06月24日●「お気に入り」登録で何ができるかDropboxのモバイルアプリには「お気に入り」という項目があります。Dropboxでお気に入り登録してどんなメリットがあるのか、と気になっていた方もいるのではないでしょうか。「お気に入り」はブラウザで言うところのブックマーク的な役割はもちろん、実はオフラインで役立つ便利な機能です。では、「お気に入り」の機能内容と登録方法について説明します。○「お気に入り」に登録したファイルはオフラインでも利用可能クラウド上にファイルを保存して利用できるのがDropboxの魅力ですが、クラウドゆえにネットに接続できない状況では同期できないのはもちろん、場合によってはファイルやフォルダが開けないことも。ただし、Dropboxでは「お気に入り」に登録することでクラウド上のファイルは端末にダウンロードされるので、オフラインでも開くことができるようになります。ネットにつながっているときはクラウド上のファイルと同期され、最新のバージョンのファイルが利用可能です。通常のDropbox上のファイル同様に閲覧ができ、対応アプリがインストールされている場合は編集もできます。スマートフォンの電波が届かないところや機内モードでちょっと作業をしたい時は、あらかじめファイルをお気に入りにしておくと安全です。●「お気に入り」機能を使う○「お気に入り」に登録するにはこの「お気に入り」が利用できるのはモバイルアプリのみ。iOS版でファイルをお気に入りとして登録するには、まずファイルをタップして開きます。続いて画面右上の3×1アイコンをタップしてメニューを出し、その中の「お気に入り」をタップすれば完了。Android版の場合は、ファイルの脇にある「▼」ボタンをタップし、出てきたメニューの中の「お気に入り」をタップします。○「お気に入り」に保存されるのは保存した端末のみお気に入りにしたファイルは、アプリ内の「お気に入り」コーナーで一覧が表示可能です。「お気に入り」コーナーを開くには、モバイルアプリ版Dropboxのメニュー内にある「☆」ボタンをタップ。ただし、「お気に入り」機能を使う点で留意しておきたいのは、ファイルが保存できる端末について。Dropboxの機能ということで自分のアカウントで使える端末すべてに同期してくれるのではと考えそうですが、ファイルがダウンロードされるのはあくまで「お気に入り」をつけた端末のみ。あくまでローカルに保存する機能、と考えておくと失敗することが少ないでしょう。今回紹介した「お気に入り」機能は、出先でも使いたい重要なファイルの保存をしておいてオフラインで開く使い方はもちろんできますが、大容量のデータを扱いたいときにも役立ちます。たとえば、まとめると大容量になる複数のファイルがある場合は、あらかじめWi-Fi環境でお気に入りにしてダウンロードしておけば、モバイルデータ通信の環境でもデータ通信の容量に負担をかけずに閲覧や編集が可能でしょう。ぜひ、自分なりの使いこなし方を考えてみてはいかがでしょうか。
2015年06月14日見た目のバランス、冷めてもおいしい味付けなど、普通のごはんとは違った手間と知恵をぎゅっと詰めこむお弁当。最近では、ガラス瓶に野菜をきれいに詰めたおしゃれな“ジャーサラダ”や、おにぎりをにぎらずに巻いて作る“おにぎらず”など、非常に多様化しています。今回は、普段のお弁当づくりがちょっぴり変わりそうな、ひと味違う「お弁当本」3冊をご紹介します。彩り鮮やか、たっぷり満足できるお弁当▼『チオベン 見たことのない味 チオベンのお弁当』山本千織(マガジンハウス)撮影現場やケータリングなどを中心に活動するお弁当屋さん「chioben(チオベン)」。彩り豊か、具だくさんで食べ応えのあるお弁当は、一度食べたら忘れられないと評判です。そんなチオベンの魅力がわかる本書では、12個のお弁当に入った72種類のおかずを紹介しています。揚げ物のおかず3種と野菜のおかずが入った「あげあげあげ弁」、サンドイッチとおにぎりそれぞれ3種を詰めた「おにサンド」など、中身も名前もユニークです。チオベンの定番メニューである春巻とたこめしは、「料理教室」ページで詳しく紹介。特に、生ハムと洋梨とバジル、アボカドとれんこんとバジルなど意外な組み合わせ、二度巻きにするのが特徴の春巻は、想像以上に簡単でおいしいので、おもてなしのメニューとしても重宝しそう。こんなおかずが6種類も詰まった贅沢なお弁当なら、ランチタイムが楽しみになりそう。パリ発、おしゃれでヘルシーな”ベントー“レシピ▼『NanashiのBENTO』遠藤カホリ(アノニマ・スタジオ)パリでも人気のある「ベントー」の火付け役となった、著者・遠藤カホリさんによるパリのレストラン「Nanashi(ナナシ)」初のレシピブック。野菜をふんだんに使ったメニューで、日本でも人気のベーカリーカフェ「ローズベーカリー」のシェフを経た遠藤さんのお弁当は、ひとつの器に2〜4種類の雑穀や豆類のミックスした上に、魚もしくは肉、野菜をのせ、もう一方の器に季節の野菜を使ったサラダを3種類と、とてもヘルシー。お店では日替わりで出されているお弁当の中から、季節ごとに肉、魚、野菜の計12種類のレシピを紹介しています。使われている食材は日本では手に入りにくいものも多いですが、代用できる食材がきちんと書かれているので安心。豚の角煮やサバの唐揚げなども入れた、日本とフランスを融合したようなおしゃれな“ベントー”は、食から美を考えるアラフォー女性にもおすすめです。お弁当について、さまざまな角度から見ることができる1冊▼『日々』伊藤まさこ責任編集 「お弁当」特集最後にご紹介するのは、レシピブックではなく、リトルプレスのお弁当特集号。人気スタイリストの伊藤まさこさんが責任編集をされています。伊藤さんが娘さんのために作る愛情のこもったお弁当、「かえる食堂」と「ごはんやパロル」によるお弁当のおかずレシピのほか、陶芸家の河井寛次郎のために作られたお弁当箱、さまざまなジャンルで活躍される4人の方に聞いた、市販されているお気に入りのお弁当も紹介。なかでも興味深いのは「作家のお弁当」。向田邦子や武田百合子など、昔の作家たちのエッセイに出てくるお弁当についての記述も紹介されています。”お弁当”についてさまざまな角度から考える、面白い1冊です。時間をかけず、とにかく簡単でおいしいレシピもいいですが、たまにはお弁当について考えたり、手間暇かけて作ってみるのも楽しい、そう思わせてくれる3冊。忙しい朝、毎日こんなに手の込んだお弁当を作るのは難しいですが、ときどきじっくりお弁当作りに取り組んでみてはいかがでしょう。・ 『チオベン 見たことのない味 チオベンのお弁当』(マガジンハウス)山本千織 ・ 『NanashiのBENTO』(アノニマ・スタジオ)遠藤カホリ ・ 『日々』伊藤まさこ責任編集 「お弁当」特集
2015年06月10日写真家で映画監督の蜷川実花にフィーチャーした書籍2冊が、クリエイティブジャーナル誌『クォーテーション(QUOTATION)』の特別版として、5月20日に同時発売される。蜷川実花の20年の活動を総括した『QUOTATION BOOKS:couleur「蜷川実花の20年を知る」』(1,600円)では、新作を含めた写真作品を46ページに渡って掲載。さらに、様々な業界で活動する10人のスペシャリストとの特別対談も収録される。ラインアップは作詞家の秋元康、「チームラボ(teamLab)」代表の猪子寿之、三越伊勢丹ホールディングス代表の大西洋、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」デザイナーの高橋盾、漫画『かくかくしかじか』で第8回マンガ大賞を受賞した漫画家・東村アキコなど。一方、『QUOTATION SPECIAL ISSUE:noir一冊、エッジな蜷川実花』(1,200円)は、蜷川実花が監督を務めた映画『さくらん』で音楽を担当した、シンガーソングライターの椎名林檎とのロング対談を収録。さらに、原美術館で好評を博した作品を中心に、未発表のものも含めた写真作品を40ページに渡り掲載する。
2015年05月21日5月5日(火・祝)、東京中央区銀座一丁目に建つ鈴木ビル1階に、「一冊の本を売る書店」をコンセプトにした新しい本屋「森岡書店銀座店」がオープンした。同店を運営する株式会社森岡書店は、茅場町で10年来書店を営んできた森岡督行氏と、「Soup Stock Tokyo」や「PASS THE BATON」などを運営する株式会社スマイルズ代表の遠山正道氏の参画によって実現した新しい店舗だ。「森岡書店銀座店」は、ある会期、一種類の本を中心に運営される。会期中は、一冊の本から派生する展覧会が行われる。森岡氏は、茅場町店で出版記念展を繰り返し開催してきた中で「筆者と読者のあいだに幸福な会話が生まれる現場」に立ち会い、こうしたイベントを継続して行う書店を運営したと考えるようになったという。「森岡書店銀座店」がグランドオープンとなった5月5日(火)には、第一弾の企画として「沖潤子展「PUNK」at 森岡書店銀座店」が開催されている。会期は、5月18日(月)まで。また第二弾は、5月19日(火)~31日(日)で湯沢薫の初の写真集「幻夢 Day Dream」を取り上げる。(5月25日は休業)「森岡書店銀座店」がオープンした鈴木ビルは昭和4年竣工の近代建築であり、東京都歴史的建造物に指定されている歴史ある建物だ。戦中期には名取洋之助が主催する「日本工房」が入居していたことでも知られている。「日本工房」は日本の文化や近代化を海外に伝えるグラフ誌「NIPPON」の刊行するなどし、写真家では土門拳や藤本四八が参加し、デザイナーでは山名文夫、河野鷹思、亀倉雄策、熊田五郎(後の熊田千佳慕)らが参加。日本写真界やグラフィック・デザイン界を牽引する先駆者を多く輩出した。森岡氏は、この場所で出版記念展を行うに写真史、デザイン史の面から意義を感じているという。ロゴデザインは、「takram design engineering」の渡邉康太郎氏と山口幸太郎氏が手掛け、フルサポートとして、ビー・エヌ・エヌ新社 吉田知哉氏も関わっている。また茅場町にある森岡書店の店舗は、これまで通り「森岡書店茅場町店」として運営される。新生した「森岡書店銀座店」は、今後の企画展やイベントの開催など、新しい本屋として、作者、読者の出会いの場になると期待が寄せられている。(text:Miwa Ogata)
2015年05月18日肩ヒジ張らずに読めて、爽快な読後感を味わえる秀逸なエッセイに出会った時の歓びは、ささくれた心を、洒脱なユーモアで包み込んでくれる親友を得たようなもの。そのおもしろさに快哉を叫びながら、大きく深呼吸できるような気分になれるから不思議です。著者がアラフォー、あるいは、アラフォーの頃に書かれたエッセイ集で、クスリと笑えるのにジンとくる、味わい深い珠玉の3冊をご紹介しましょう。類まれなるセンス。片桐はいりさんの文才にハマる!▼『わたしのマトカ』片桐はいり(幻冬舎文庫)片桐はいりさんという俳優をもともと好きだったのですが、2006年に出版された彼女の初エッセイ集「わたしのマトカ」を読んだとき、あまりのおもしろさと類まれな文章センスにぶっ飛びました。2005年、映画「かもめ食堂」の撮影のため、フィンランドに1カ月間滞在したことをきっかけに、書き下ろされたエッセイが本書。マトカは、フィンランド語で「旅」という意味だそうです。撮影の待ち時間、フィンランド人の若手俳優と「ヤッチマイナ!」と「キル・ビル」ごっこをしたり、フィンランドの鬼才、アキ・カウリスマキ監督映画の常連俳優との共演に胸ときめかせたり、サルミアッキという甘塩っぱいゴムみたいなお菓子に驚いたり、「大根おろしが食べたい」と発作のように思ったり、フィンランドの魅力のみならず、片桐さんの役者人生と世界各地への旅がレイヤーで描かれ、息もつかせぬおもしろさ。映画好き、芝居好きという芳醇な愛情が根底にピシッと1本通っており、生き方にも感銘を受けずにおれません。この後に出た『グアテマラの弟』(幻冬舎)、『もぎりよ今夜も有難う』(キネマ旬報社)も間違いなくおもしろいので、心から一読をお勧めします。電車で読んだら危険!? 報復絶倒のエッセイ『ワタシは最高にツイている』小林聡美(幻冬舎文庫)女優の小林聡美さんが、30代から40代にかけての3年間に書いたエッセイがまとめられ、2007年に出版されたもの。「かもめ食堂」つながりというわけではないのですが、主演された映画の撮影期間はこの3年間に含まれるので、ヘルシンキ滞在中のエッセイも2編。もちろん映画を観ていない人にも楽しめる内容で、笑いなしには読めません。長期滞在者向けのアパート型ホテルで、鉢植えの花を窓辺に飾って愛で、ささやかな幸せを満喫しながらも、控えめそうな国民性なのになぜか目立つ若者の尻出し率(パンツの位置が下過ぎ)を憂う。また、フィンランドと日本のスタッフが双方の言葉を覚えて、互いに「ホンバンイキマ~ス」「ウスコマトンタ(信じられない)!」などとやりとりする現場の雰囲気を活写。それ以外にも、3年分のリアルアラフォー感が味わえます。かつて夫であった三谷幸喜さんが、原稿が書けなくて七転八倒し、リビングルームで気分転換に彼女の本を手に取ったら、おもしろ過ぎてかえって自信をなくした…というエピソードが残っているくらいの名文家。同じく幻冬舎から出ている『マダム小林の優雅な生活』『マダムだもの』なども、報復絶倒なので電車の中では読まないほうがいいかもしれません。一切ハンパなし! 妄想炸裂の爆笑エッセイ『お友だちからお願いします』三浦しをん(大和書房)作家の三浦しをんさんは、もちろん小説も素晴らしいですが、エッセイの絶品さは他の追随を許さないものが。脳内で妄想が炸裂し、血中濃度の臨界点を振り切った描写は、一切ハンパなし。とはいえ、これは、様々な新聞や雑誌に書かれたものが1冊にまとめられ、2012年に刊行されたエッセイ集。帯に「よそゆき仕様・自社比」とある通り、初心者の方にも非常に入りやすく、食わず嫌いの方にも読みやすい内容となっています。「私はふだん、『アホ』としか言いようのないエッセイを書いているのだが、本書においてはちがう!(自社比) よそゆき仕様である!(あくまで自社比)」という前書きから始まり、個々のタイトルからして、「オヤジギャグのマナー」「加齢の初心者」「ヴィゴ・モーテンセンと妄想旅行」「町田も東京だったんだ」など、妙にそそられるものばかり。また、後書きで「いかがでしたでしょうか。お友だち以上になっていただけそうですか? 『なれるわけないだろ、ごるぁ!』という怒声が聞こえてくるようだ。精一杯よそゆきの姿勢を装ってみたつもりなのだが、ほうぼうで本性が表れてしまってるもんなあ……。今回読み返して、自分のあまりのダメぶりに、『お友だちですらご免です』と思った」としをんさん。いえいえ、もうお友だちですってば。よそゆきじゃないほうをお望みなら、新潮文庫の『しをんのしおり』『人生激場』『乙女なげやり』をぜひ!この3冊は、すべて“旅”が通底しています。それも魅力のひとつかもしれません。笑ったりジワッとしたりスカッとしたり…脳内の果てしない旅をどうぞお楽しみください。・ 『わたしのマトカ』(幻冬舎文庫) 片桐はいり ・ 『ワタシは最高にツイている』(幻冬舎文庫) 小林聡美 ・ 『お友だちからお願いします』(大和書房) 三浦しをん
2015年05月18日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週金曜日は、代官山蔦屋書店(東京都渋谷区猿楽町17-5)が選ぶ書籍を紹介します。■「世界で見つけた これなぁに? I found it ! Little treasures of the world」神林千夏JALグループの機内誌『スカイワード』で4年間続いた、インテリアスタイリストの神林千夏手掛ける人気連載“世界の国で、み~つけた!”シリーズを再編集した1冊。神林が世界中で集めたユニークなアイテム達を、ちょっとしたエピソードとともに収録。世界にまだ見ぬ面白いものがたくさんあるんだと、改めて再確認でき、思わずこの目で実際に見るため、世界へ飛び出したくなってしまう。【書籍情報】「世界で見つけた これなぁに? I found it ! Little treasures of the world」著者:神林千夏出版社:スペースシャワーネットワーク言語:日本語160ページ/178x150x 15mm発刊:2013年価格:税込1,836円
2015年05月15日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週火曜日は、東京・南青山に店舗を構えるビジュアル洋書店、嶋田洋書(東京都港区南青山5-5-25T-PLACE1階A103)がオススメする書籍を紹介します。■「DRAINSPOTTING: JAPANESE MANHOLE COVERS」レモ・カメロタ(REMO CAMEROTA)各都道府県や地域のオリジナリティがあふれる、日本のマンホールデザインを集めた写真集。当初グラフィティーを撮影するために来日したオーストラリア出身のアーティスト、レモ・カメロタが、多彩なマンホールのデザインにも魅了されて撮影を開始。関東から九州まで、目を引くマンホール蓋の数々を撮りため、厳選したものを収録している。静岡では富士山、京都ではモミジなど、色付けされたカラフルなデザインが満載。いつも気に留めていなかった道や足元に目を向けてみたくなる。国内で唯一のマンホール鉄蓋専業メーカーであり、毎日400枚のマンホール蓋を製造しているという長島鋳物株式会社へのインタビューも紹介した、マンホールについての興味深い知識も得られる1冊。(※版元品切れ中、在庫限り)【書籍情報】「DRAINSPOTTING: JAPANESE MANHOLE COVERS」著者:REMO CAMEROTA出版社:MARK BATTY社言語:英語ハードカバー/96ページ/165×165×15mm発刊:2010年価格:2,100円
2015年05月05日電子書籍レンタルサイト「Renta!」を運営するパピレスは28日、ゴールデンウィーク限定企画として「入会したら1チケットプレゼント」と、「100冊無料!キャンペーン」を行うことを発表した。「入会したら1チケットプレゼント」は、キャンペーン期間中に入会すると、108円相当のチケットをもらうことができるキャンペーン。「100冊無料!キャンペーン」は会員でなくても100冊の漫画を無料で読むことができるキャンペーン。対象商品には「ちはやふる」や「3月のライオン」など、有名作品の1巻なども対象。2つのキャンペーンはどちらも5月11日までとなっている。さらに、今年1月に放映していた同サイトのCMも現在再放映中。このCMは、少女マンガ好きがバレたOLが勘違い上司に壁ドンされてしまい「やってらRenta!」とシャウトするストーリーとなっている。
2015年04月30日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。■「bjork:archives」ビョーク(bjork)世界的に人気のアーティスト、ビョークが93年に発表したアルバム『debut』からのソロ活動をまとめた作品集で、5冊のブックレットとビョークのアルバムやシングルのジャケットをデザインしたポスターが封入された豪華なアーカイブ集。3月8日からスタートしたニューヨーク近代美術館(MoMA)での回顧展に合わせて発刊された。ブックデザインは、エムエムパリス(M/M Paris)によるもの。ミシェル・ゴンドリーや、スパイク・ジョーンズ、クリス・カニンガムによるミュージックビデオの写真や、長年コラボレーションをしていたアイスランドの詩人ショーン(Sjon)の詩的な文章に加え、アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)やフセインチャラヤン(Hussein Chalayan)による息をのむような衣装をまとったビョークの写真が収められている。カメラマンはナン・ゴールディン、ユルゲン・テラー、荒木経惟らによるもので、世界的に活躍するアーティストとビョークが作り上げてきた世界観を堪能できる。【書籍情報】「bjork:archives」著者:bjork出版社:Thames&Hudson言語:英語函入り(4冊+ポスター)/305×241mm発刊:2015年価格:9,350円
2015年03月12日ハイブリッド書店サービス「honto」を運営するトゥ・ディファクトは、20代~30代の男性400名(月に1冊以上本を読む男性と、1冊以下の男性各200名)を対象に実施した、「読書と恋愛傾向」に関するアンケート結果を発表した。調査期間は2014年12月8日~10日。○男性に最も読まれているジャンルは「小説・文学」調査ではまず、毎月一冊以上の本を読む男性を対象に、どんなジャンルの本を読んでいるのか質問したところ、「小説・文学(66.5%)」が断トツ1位となった。次いで「経済・ビジネス(29.5%)」「趣味(18.0%)」と続いたものの、仕事のためのビジネス書よりも、趣味の小説を読む人のほうが圧倒的に多いことがわかった。○好きな作家1位は「東野圭吾」、2位「村上春樹」続いて、「好きな作家」を教えてもらったところ、最も人気が高かったのは、ベストセラー作家「東野圭吾」だった。彼の推理ミステリー作品は、テレビドラマ化や映画化された作品も多いため、そのことが影響しているとも言えそうだ。次いで人気が高かったのは、ノーベル文学賞候補として世界にも名を馳せる「村上春樹」で、文学好きに根強い人気があるよう。また、本屋大賞の受賞などで注目を集めた「百田尚樹」や、『半沢直樹』のドラマで社会現象を起こした「池井戸潤」の作品も読者に支持されていた。○読書男子は、「ロマンチック」で「1人の人を長く愛せる」本を読む男性と読まない男性の恋愛傾向について比較してみた結果、「本を読む男性」は、読まない男性と比べて「1人の人を長く愛せる」「ロマンチックな方だ」「デート代の支払いは奢る方だ」「レディファーストを心掛けている」と回答した人の割合が多く、彼氏や結婚相手に向いていると言える結果となった。また、「どんなに好きな人がいても1人になる時間が必要だ」という項目でも「本を読む男性」のほうが多く、本を読まない男性よりも一人の時間を大切にしたい傾向があることが伺えた。同調査ではほかにも、さまざまな項目で本を読む男性と読まない男性の比較を行っており、調査の詳細は「honto」の専用ページで見ることができる。
2015年03月09日BookLiveが運営する総合電子書籍ストア「BookLive!」で6日、KADOKAWAのマイクロコンテンツ168冊が半額となる「カドカワ・ミニッツブック サンクスフェア」がスタートした。同キャンペーンは、「カドカワ・ミニッツブック」の168冊を通常価格の半額で配信する企画で、2月12日まで開催。期間中は、『ミニッツブック版100円のコーラを1000円で売る方法30分で身につけるマーケティング戦略』(永井孝尚)、『フィギュアスケート男子最強日本の軌跡~ロミオ 火の鳥 イン・マイ・ライフ~』(青嶋ひろの)、『体脂肪40%腐女子、 妄想力と粘着力で痩せました。』(桂)など、さまざまなジャンルの作品を手軽に楽しむことができる。マイクロコンテンツとは、すぐに読み終わる分量を手ごろな価格帯で提供している電子書籍のジャンル。マイクロコンテンツ用に、1から制作するものや、雑誌や新聞などの人気記事をテーマごとに再編集したものなど、さまざまな種類がある。「BookLive!」では、ワンコイン程度の価格で楽しめるマイクロコンテンツ作品が、多くのユーザーから支持されており、「カドカワ・ミニッツブック」の売り上げも過去1年で倍増。配信作品数も約4倍に拡大している。
2015年02月06日●「なんでこの道はこんなに回り道しているんだろう?」道路にはいろいろ謎が多い一冊まるごと「国道」について書かれた新書があると聞いたら、驚くだろうか。『ふしぎな国道』は、国道マニアであるサイエンスライターの佐藤健太郎氏が、国道のおもしろさと国道マニアの世界を紹介している1冊だ。新書とは文庫本よりも少し大きな新書版(173mm×108mm)の判型をした本のことで、教養やハウツーなどのノンフィクションを主に扱っている。入門的に読みやすいことに加え、ハードカバーの単行本などに比べると持ち運びもしやすく、未知の分野でも通勤時間や昼休みなどを使って気軽に読み進めることができる。そんな新書の棚でひときわ目を引いたタイトルの『ふしぎな国道』。新書とともに電子書籍版も販売されている本書に魅力について、今回は著者の佐藤健太郎氏にうかがった。○最初は科学の本を書く予定だった――そもそも、なぜ国道の本を書かれたのでしょうか。本当に国道が好きだったんです。例えば"鉄道マニア"は、ジャンルが確立していてファンも多いですよね。それに隠れて実は道路趣味の人も一定数いて、いろいろなジャンルがあるんですよ。実際に国道を最初から最後まで走ってみる「国道完走」趣味の人もいますし、歴史研究に打ち込む人もいます。最大派閥は、国道らしからぬ細くて荒れた道、"酷道"を走るというジャンルで、mixiのコミュニティは1万人を超えています。それに最近は、廃道を探検するカリスマみたいな方がいて、廃道も一大ジャンルになりつつあります。僕は酷道も行きますけれども、かつて国道であった道、「旧道」の経路を探るのも好きですね。――どうして国道に興味を持たれたんですか。ドライブが好きというのが大きなところです。それから説明が難しいのですが「数字が1から順番についているもの」に惹かれるというのもあります。僕の本業は化学の分野ですが、周期表を1から順に記憶していたり、プロ野球選手の背番号だけやたら覚えていたり。数字が並んでいるものが好きだから、道路の中でも高速道路や林道にはあまり興味がないのかもしれません。(番号がついている)国道を全部見たくなる、マニアックなところがあるんです。道路も探っていくと結構謎があるんですよ。たとえば、国道には欠番があり59~100号が抜けています。地図を見ながら、「なんでこの道はこんなに回り道しているんだろう?」と考えるだけでも楽しくなります。この近所を通っている「国道294号」という道は、見た目上は茨城県の取手市で終わっていますが、法律上は「国道6号」と重複して千葉県の柏市まで走っています。この重複区間が何のためにあるのかよくわからない。道路にはいろいろ謎が多いので、それを探っていくとついついおもしろくなってしまいます。――あとがきで、「最初は科学の本を書いてほしいと言われていたのが国道の本になった」というエピソードがありましたね。「こういう本を書いてくれ」といろいろな出版社の方が来られますが、その時に「サイエンスも良いんですけど、実は国道という趣味もあって……」といつも話していました。でも、「ああそうですか、おもしろいですね。で、本題ですけど」という感じでスルーされて(笑)。今回、講談社の方が国道でいってみようかと思われて、それで執筆にいたりました。――国道の本を書きたいという思いはもともとあったのですね。そうですね。今までに国道の本もいくつか出版されていて、例えば酷道専門の本はあります。でも、国道趣味全体を網羅するような本はなく、自分ならおもしろおかしく書けるのではないか、と思っていました。――国道のおもしろさはあまり知らなかったのですが、読んでいて国道マニアの姿が見えてきました。『ふしぎな国道』は、マニアの視点から一般読者に紹介する構成になっていると感じたのですが、そのあたりはいかがでしょう。僕の本業であるサイエンスの本での「知られていない世界のことを伝えていく」というノウハウが役に立ったのかもしれません。例えば、「階段国道」(※青森県にある階段の国道)というのは、マニアの人にとっては今さら聞くまでもない、聞き飽きた場所ですが、それを知らない人はたくさんいます。マニアの世界の本ですが、マニアックに走り過ぎないよう、読者との距離感をはかりつつ、興味を持ってもらえるよう心がけていました。自分自身のマニアとしての姿と、マニアを外から見た感じの視点を考えながら書きましたね。○「なんでこんな国道があるの」から紐解く内容に――『ふしぎな国道』を執筆するにあたり、構成やレイアウトなど工夫した点はありますか?本来なら国道の歴史から書くべきかもしれませんが、読者が頭からそれを読むのはつらいだろうということで、まずは導入をわかりやすく、「階段国道」の話など興味をひきやすいところから始めています。それらの話で引っ張り込みつつ、歴史に触れるという流れにして、最後は道路標識グッズなど、ちょっとアホなこともやっています。この流れは、編集者さんと話し合って決めました。●良い本の定義は「本を読んだ後に世界の見方が変わる」こと――特に写真が充実していますよね。なるべく写真を多く入れようということで、カラー写真も入れてぜいたくに仕上げていますね。ビジュアルについては、自分の地元の写真があると、「なるほど、この道はこういうのだったんだ」という親しみを持ってもらえる、というのもありました。――話の中で地元の国道が出てくると身近に感じられました。帯の絵も「国道246号線」の標識にしましたが、別バージョンとして「1号線」「2号線」「4号線」も作ってもらいました。東北地区の書店には「4号線」の表紙の本を置くなど、地区によって地元の番号を全面に押し出しています。――確かに東京の人が「246」って聞くと、「ああ、246ね」と思いますね。関西の人に「246」って言うと、「それどこ?」となったりもするんですけどね。帯の番号を何号にするかは散々迷って、3桁の方が見栄えがする。で、3桁国道で一番メジャーなのは「246」かなと。地元である茨城の友達には、「なんでカッコつけて246なんだ」「6号にしろ」とかいろいろ言われましたが(笑)。――タイトルも目に止まりやすいです。これはずいぶん悩みました。最初は『国道入門』というタイトルを考えてました。シュールでいいかなと思ったんですが、目に止まりにくいかもということでボツ。他に、『国道党宣言』とかも考えたんですけど、「変な思想の本と思われるから絶対やめてください」と言われて却下されました(笑)。最後『ふしぎな国道』に決まったのは、『ふしぎなキリスト教』という本が講談社新書にあって、それとの連想で出てきました。もちろん内容は全く関係ありませんが。この本については、タイトルもありますが、表紙(帯)が良かったのかなという気はします。書店で平積みにしてあると、すごく目を引く表紙かと思います。○鉄道に乗らない人はいても、道路を使わない人はいない――『ふしぎな国道』出版後、読者の反応はいかがでしょうか。読者の方におもしろく読んでいただいているようで、それはうれしいことですね。非常に読書量の多い書評家の方にも、早い段階で絶賛をいただきました。彼らはたいていのことは読んで知っていますから、こういう全く知らない変なジャンルというのは新鮮だったのかもしれません。良い本の定義は、「本を読んだ後に世界の見方が変わる」ことだと僕は思っています。この本は、そういう視点が届けられたのかもしれません。道路というのは、普通はただの手段でしかないけど、マニアにとっては目的です。このように、視点をぐっと変えてもらえたということですね。――手段が目的になっているんですね。国道マニアの合言葉で「手段のためなら目的を選ばない」という言葉があります。道を走るという手段のためなら、目的は別に何でもいいから走ってみたいという人達が確かにいて。家族をドライブに連れて行くと称して国道を走るということができるので、趣味としては有意義――かと思っているんですけど(笑)。ちょっと気をつけて見ているだけでも、「ここにこの道ができている」とか発見がありますから。○新書は表紙を見ているだけでも情報が得られる――今回のインタビューでは新書の魅力についてもお聞きしたいのですが、著者として、ずばり新書についてどう考えておられますか?著者としては、正直つらいですね(笑)。こんなにがんばって書いたのに、一冊あたり数十円の収入か、と。しかし裏を返せば、買う方にとっては大変にありがたいということでもあります。僕も本を書く時に、新書を資料として読むことがあるのですが、よくできた本なら一冊で知らないジャンルについて概観できます。700~800円で1ジャンル知ることができるという意味では、これほどありがたいものはありません。もちろん深い情報への入口としても、すごく役に立ちます。本屋に行った時は新書の棚に行き、タイトル見ないでスッと一冊抜いてみるんです。そして読んでみると「ああ、こういう世界があったんだ」と思うこともあるので、ランダムに新書を眺めてみるだけでもおもしろいですよ。『ふしぎな国道』もそうですが、書く立場としては、専門家でない人にもジャンルを概観し、かつある程度踏み込んで知っていただけるように意識しています。専門家やマニアでも「ほう」と思ってもらえる部分があるよう、初心者にもスムーズに頭に入ってくるよう、さじ加減に最も気を使います。――新書で国道の本はメジャーな分野ではないですよね。書くときにそこは意識されましたか?国道の本も2冊くらいはあるのですが、一般の方は国道について全く知らないでしょう。そういう方たちに届けるためには、どうしたら良いかを考えました。カラー写真も入れたのは、編集者さんの意見です。単価は高くなりますが、そのほうがよいだろうと。――知られていないノウハウを伝えるサイエンス系の本の経験が生かされているというお話がありましたが、新書でもそれは同様ですか。生かされたと思います。僕がブログを書き始めたときは、読者を大学1年生くらいに想定して書いていたのですが、絞ったのが良かったと思うんです。理系の大学1年生くらいに向けて書くと、がんばれば高校生も読めるし、専門の研究者には「そういうこともあるのか」というふうに受け取ってもらえる。そこを狙ったのはあります。ブログだと、以前はブックマークで常連の方もいたんですけど、最近はTwitterとfacebookを通じて見に来る人もいて、ブログのエントリーごとに読者が違いますし、「この話題だったらこういう人が来るんだろうな」と、エントリーごとに考えて書いています。●道路を利用するすべての人に読んで欲しい――ブログでの反応は実際に本の執筆にも影響していますか。すごく影響しています。特に、距離の測り方みたいなところでしょうか。世の中には"伝わらない悲劇"がたくさんありますが、伝わらない原因の8割方は相手との距離を測り間違っているだけだと思うんです。相手がどれくらいの意識を持ち、どれくらいのことを知りたいのかというのを測りそこねて伝えてしいまい、とんちんかんなことになるケースがすごく多いだろうと。その距離感を間違えないために、ブログなどで「こういうことを説明しなきゃいけなかったのか」とか、「こういうことを知りたいのか」とかいう、反響を見られたというのはすごく勉強になりました。意外なものがウケたりもしますし。――新書の内容がおもしろくても、読者になかなか届かないということもあると思うのですが、読者に手にとってもらう方法についてはどうでしょう?一時期は新書からベストセラーがたくさん出て、それまでなかった芸能人やスポーツ選手の本が新書で出るようになりました。でも最近では、ベストセラーはそこまで出なくなってしまったというのはありますね。ブログだとリンクを張って、「これに対してこういう反論がある」とか「この人がこういうコメントしている」みたいなのが見られますけれども、本だと1冊読んだだけで終わりになりがちです。でもそうではなく、「こういうものもあるんだよ」、「こういう意見もあるんだよ」とつなげて調べられるようになると良いとは思います。具体的には、書店さんのフェアなどもそうですし、書評のサイトなり、そういうところで1つのジャンルからつながっていくような仕組みが発達するといいですね。○将来は地図や動画との連動に期待――電子書籍で読む方も増えてきていると思いますが、著者としては違いを感じますか。この本だったら、本当なら電子書籍の文章が動画にリンクしたり、地図と連動して「ここにありますよ」と示したりすることができれば良かったですね。道路関係の面白い動画も公開されているので、そちらにリンクしたりということも将来的にできるとよいのですけれど。――電子書籍と新書の相性は良い部分はありますか。僕のように資料として読む人間にとっては、場所をとらず検索もしやすい電子書籍は、大変に便利です。論文なども、場所や検索性の問題から今やほとんどPDFで読みますし、今後は専門書もそうなっていくと思います。動画を使いたい分野や、アップデートが必要な専門書には、電子書籍が向くのではないでしょうか。今後は、漫画と専門書の両端から普及が始まっていくのではないかと思っています。――最後に、改めて『ふしぎな国道』をどのような人たちに読んでもらいたいですか?道路を使っているすべての人に、です。普段、空気のように思っている道路にも、それぞれの歴史があります。この間、奈良県の住宅街にある細い路地みたいな国道に行ってきました。これは飛鳥時代からある「竹内街道」という道で、日本が国家として初めて管理した、いわば元祖国道でした。ただ、今はもう誰もそんなこと知らないし、来歴も知らないでみんな利用している。でも知ってみると「ああ、そういういわれがある道なんだ」と、道路の見方が変わります。というわけで、ぜひ道路を利用するすべての方に、「ふしぎな国道」を読んでいただければと思います。そうすると、1億部くらいのベストセラーになりますしね(笑)。今回うかがった『ふしぎな国道』以外にも、幅広いジャンルの入門書が新書として出版されている。佐藤健太郎氏のように、タイトルを見ないでランダムに新書を選ぶのも1つの手だが、自分の好奇心をそそるようなタイトルから、読みたい本を選ぶのも面白い。馴染みのない読者には、なかなか手に取り辛い新書だが、特定のジャンルを集めた書店のフェアなど、新書の読書層を広げようとする動きもある。直近では、電子書籍を扱うブックリスタが新書をテーマにしたフェア「BOOKFESTA 2015 winter」を開催しており、今回の『ふしぎな国道』をはじめ、電子書籍で配信中の新書6,800冊の中から、タイトルがユニークな作品をピックアップして紹介している。今回のインタビューを機に、これまで新書を読んだことがない方も、気になる新書を探してみてはいかがだろうか。雑学をまとめた本から、ビジネスに役立つ本まで、幅広いジャンルの入門書を扱っている新書。普段触れることのできないような、新しいジャンルへの入門書が見つかるかもしれない。
2015年02月02日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週火曜日は、東京・南青山に店舗を構えるビジュアル洋書店、嶋田洋書(東京都港区南青山5-5-25 T-PLACE1階 A103)が2014年発行の書籍から、最もオススメしたい一冊を紹介します。■「The Outsiders -New Outdoor Creativity」ジェフリー・バウマン、スヴェン・エーマン他登山にサーフィン、サイクリング、カヌー、キャンプ、スキー、モーターサイクルなど、世界の最新アウトドアライフカルチャーをビジュアル豊富に紹介した書籍。美しい大自然と人々の写真、デザイン性の高いグッズの紹介に加え、登山家を始めとする各分野のキーパーソンたちのインタビューも掲載されている。序文は、地球上の三大極限地点に世界で初めて到達したノルウェーの冒険家、アーリング・カッゲによるエッセイ。人間誰もが持っているという冒険スピリットをかき立てられる。続けて、木の上に張るテントや軽量バッグ、機能性ウェア、USB接続で充電できるキャンプストーブのような便利グッズなど、人の技術と自然が融合した、現代のクリエイティブなアウトドアライフスタイルが紹介されている。欧州では今年5月に発売され注目を集めた本書。デザイン・アートの観点から見る"アウトドア"というテーマが面白く、美しい写真も見ごたえたっぷり。現在日本では輸入版しか出回っていないが、多くの人に手に取ってもらいたい完成度の高い1冊だ。【書籍情報】「The Outsiders -New Outdoor Creativity」著者:ジェフリー・バウマン、スヴェン・エーマン他出版社:GESTALTEN言語:英語ハードカバー/274ページ/285×250mm発刊:2014年価格:7,380円
2014年12月30日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週火曜日は、東京・南青山に店舗を構えるビジュアル洋書店、嶋田洋書(東京都港区南青山5-5-25 T-PLACE1階 A103)がオススメする書籍を紹介します。■「THE CRAFT AND THE MAKERS」ダンカン・キャンベル、シャルロット・レイ、スヴェン・エーマン他家具や時計、カバン、帽子、宝飾品から石鹸、パイプオルガン、地球儀に至るまで…魂を込めたものづくりと熱いクラフトマンシップに焦点を当てた1冊。それぞれの伝統を受け継ぎ、今もなお活躍している世界中の製造会社を40以上取り上げ、その歴史や製品、職人たちの姿勢、工房での作業風景などを豊富な写真と共に紹介している。日本からは「中川木工芸」の桶やおひつ作り、「開化堂」の茶筒、京都の朝日焼などが掲載されている。本書を手掛けたのは、ドイツ・ベルリンを拠点としたアート&デザイン書籍の出版社「ゲシュタルテン」の編集者たち。同出版社ではイラストレーション、グラフィックデザイン、建築、アートなど、あらゆる視覚的メディアの先鋭的才能やトレンドを発見し、積極的に紹介している。現在はロンドン、ニューヨーク、東京にもオフィスを構えている。【書籍情報】「THE CRAFT AND THE MAKERS」著者:ダンカン・キャンベル、シャルロット・レイ、スヴェン・エーマン他出版社:GESTALTEN言語:英語ハードカバー/272ページ/305×250mm発刊:2014年価格:8,140円
2014年12月23日