ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「イギリスのフェムケア事情」です。現在イギリスに留学中のそわんわんさんに、気になる日本との文化の違いや生理用品事情を伺いました。種類豊富でおしゃれな生理用品の使い心地は?ananフェムケア委員会のメンバー・そわんわんさんが現在イギリス留学中ということで、現地のフェムケア事情やカルチャーの違いについて教えてもらいました。「留学経験がある人から“日本からたくさん生理用品を持っていったほうがいい”とアドバイスされたので、愛用しているソフィのショーツ型ナプキンとおりものシートを持ってきました。手持ちがなくなってからはこっちで調達していますが、やはり最初のうちは環境の変化で知らないうちに心身に負担がかかるし、体調も不安定になりがちだから、使い慣れたものを持っておくのは安心感がありましたね。あとは生理痛でつらい思いをしないためにも、絶対に痛み止めなどのお薬は持っていったほうがいいです。かさばりますが、想像の“倍”の量は持っていってほしい。言葉の壁もあるし、体質に合うかどうかもわからないので、自分が飲み慣れているものは必須です」イギリスの生理用品にもトライ中。「こちらは、生理用品が非課税対象なんです。ただ円安の影響もあって、日本よりもかなり高いですね。羽つきタイプがあったり、オーガニックタイプがあったりと種類は豊富ですが、どれを使っても一緒というか、そこまで差別化されていない印象。ナプキンはどれも大体、肌に触れる部分がメッシュ素材で、厚みも薄いから漏れそうな不安が。そういう点では日本のほうが質は高いかなと思います。デザインに関しては、イギリスはシンプルでおしゃれなものが多くて素敵。ショーツ型のナプキンは、日本だとオムツっぽい見た目ですが、こちらは普通のショーツに見えるデザインで、カラバリも豊富に展開されています。ただこれも、吸水部分に厚みはあるけれど、ウエスト部分などはかなり薄くて心配な形状…。またイギリスの方の体型に合わせているので、サイズ感も日本人には少し大きい印象です」またメンタルケアへの配慮や男女間のコミュニケーションのとり方など、違いを感じることは多いそう。「レディファーストの国だから、見知らぬ人がドアを開けて待っていてくれるのが普通だし、男性はみなさん紳士的。下心があるわけじゃなく、人としてのやさしさを感じます。そして性的なことははっきりと言葉でYES、NOを伝えるのが当たり前なんだそう。日本ではそこが曖昧になりがちだけれど、本来これが普通だよなって思います。ほかに驚いたのが、様々な場所のトイレに“鬱っぽくなってませんか?”というメッセージポスターが掲示されていること。心が疲れたときに、人に相談しやすい環境が整っているなと思いました。このあたりが、日本はイギリスと比べて遅れているから取り入れていくべきだと感じています」スーパー&ドラッグストアで見つけたフェムケア用品。A生理用品は日本と同じようにスーパーやドラッグストアに行けば手に入れられる。「日本ではナプキン派が多いのに対して、海外ではタンポンが主流。ナプキンもタンポンも半々くらいで棚に並べられています」。Bイギリスで人気の生理用品メーカー〈always〉。「種類豊富で、ショーツ型ナプキンもあります。見た目はおしゃれですが、クオリティは日本のほうが上だと感じます」。C使い捨てナプキン。「表面はメッシュ素材でさらっとしていますが、日本のものに比べてかなり薄いので吸収力に正直不安があります」そわんわんさん1999年2月19日生まれ、和歌山県出身。YouTuber、モデル。長年の夢だったイギリスに語学留学中。ananフェムケア委員会のメンバーとして、誌面にも度々登場している。※『anan』2024年2月28日号より。取材、文・岡井美絹子(by anan編集部)
2024年02月26日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「おりものシート使ってる?」。生理用ナプキンと並べて販売されることの多い、おりものシート。使用率や使用時の困りごとと、その解決策について考えます。おりものシートで毎日をもっと快適に。使用することで下着の汚れや傷みを防ぐことができるおりものシート。メリットも多く使用している女性が多い一方で、つけ替えの面倒さやムレ、金銭面などを理由に使用をためらうという人も。また生理時の経血と違い、おりものはそのままやり過ごせなくもないものなので、気に留めないという人も多いのでは?使い捨ての布製おりものシートを共同開発した2人の女性に、よりQOLを上げるためのおりものシートとの付き合い方について伺いました。Q、おりものシートを使っていますか?使っている…48%、以前は使っていた…28%、使っていない…24%約半数が、現在使っていると回答。「生活に欠かせないもの」という人もいる一方で、ムレなどを理由に使用をやめてしまったという人も3割近くいることが判明。Q、自分のおりものが正常か不安に感じることはありますか?ある…80%、ない…20%8割が自分のおりものの状態に不安を感じていると回答。シートをつけることで、自分のおりものの量や色が分かりやすくなるので使用しているという声もありました。Q、おりものシートの1日の交換頻度は?1~2回…50%、3~4回…17%、交換しない…25%、トイレに行くたびに…8%交換は1~2回、もしくは一日つけたままで過ごしているという人を合計すると全体の75%。おりものシートは生理用ナプキンに比べ、交換頻度は格段に低いよう。Q、おりものシートを使っていないor以前は使っていた方に質問。使用しない理由はなんですか?1位…つけ替えが面倒、2位…ムレるのが嫌、3位…お金がかかるQOLを上げるアイテムと分かっているものの、つけ替えの面倒さやムレなど理由は様々。とくに敏感肌の人はムレによって使用を断念したという人が多くいました。※20~30代のanan総研メンバー150名にアンケート。そわんわんさんはどうしてる?おりものシートは基本毎日使用、1日に3~4回ほど交換しています。おりものシートは毎日使うものだから生理用ナプキン以上に肌にやさしいものにしたくて、オーガニックコットンのタイプを選んでいます。使用していてとくに不便はないけれど、もっと体や肌、経済的にも負担のないものがあったらいいのになぁと思います。そわんそわん1999年2月19日生まれ、和歌山県出身。「お友達系YouTuber」として女性の支持を集めている。最近は、プラスサイズモデルとして雑誌や広告でも活躍中。ブラウス¥7,700(リーバイス/リーバイ・ストラウス ジャパン TEL:0120・099501)中に着けたブラ※ショーツとセット¥11,880(ニーミー/ニーミーカスタマーセンターec@shop-neemee.com)パンツ¥14,000(ノーク バイ ザ ライン/ノーク TEL:03・3669・5205)ピアス¥39,600(バージュエリー/ジェムプロジェクター TEL:03・6418・7910)おすすめ解決アイテムはコレ!【アミーライナー】[使い捨て]布おりものシート・布ナプキン肌にやさしい布製の使い捨ておりものシート。紙製おりものシートの176倍以上の通気性を誇り、デリケートゾーンのムレやかゆみを防ぐ。使い終わったらはがして捨てられるので、洗濯の手間もかからないのがうれしい。おりものの量や汚れ具合などにもよるが、1日3回程度を目安に交換することを推奨。1点購入するごとに、5円が途上国の少女の衛生環境や教育改善支援に取り組む団体に寄付される仕組みになっている。より環境に配慮し、お米プラスチックを用いた新パッケージ(左)が登場。プレーンタイプ10枚入り¥704、32枚入り¥1,980。定期便を利用すると5%オフに。(アミー)開発者の悩みが誕生のきっかけ。抜群の通気性でデリケートゾーンを快適に。365日、体の中で一番デリケートな部分に触れるものだからこそ、肌にやさしい素材が理想的。しかも、忙しい毎日の中で手間をかけずに便利に使えたら…。その願いを叶えてくれるのが、使い捨ての布おりものシート「アミーライナー」。誕生のきっかけになったのは、開発者自身の悩みだったという。「私は敏感肌で、紙のおりものシートやナプキンだとかゆくなってしまって…。長年、デリケートゾーンの肌トラブルに悩まされてきました」(取締役・松原輝衣さん)一方、代表取締役の渡部雪絵さんは知人から布ナプキンを勧められ、肌触りは魅力的だったものの、洗濯の手間がネックだと感じていた。「布ナプキンは繰り返し使える代わりに、汚れを落とすために大量の水を消費するという点も気になりました。布ナプキンの心地よさはそのままに、もっと気軽に使えるものが欲しいと感じたんです」(渡部さん)大学の同級生だった渡部さんと松原さんは、共通の課題を持ったことで意気投合。2人とも別の仕事をしていたが、会社を設立し、2019年春にアミーライナーの開発に着手。翌年2月に本格的な販売にこぎつけた。「こだわったのは、肌へのやさしさ。肌に触れる部分の生地は、無漂白のコットン100%を使用。肌触りを重視して起毛生地を採用していますが、起毛量が多すぎると敏感肌の人はかぶれにつながる可能性があり、オリジナル加工を施し、起毛量を調整しています」(渡部さん)長年、肌トラブルに悩まされてきた松原さんも、アミーライナーをつけるようになってからは、毎日が本当に快適だという。「布一枚で吸収体や防水布がないので、紙のおりものシートの176倍以上の通気性があり、ムレやかゆみを防いでくれるんです」(松原さん)紙製のおりものシートに比べるとやや値段は張るが、それでも肌トラブルに悩んでいたユーザーからは、「手放せない」と絶賛する声が相次いでいるそう。「ショーツに貼り付けるテープの粘着度合いについても試行錯誤を繰り返しました。粘着度が弱いと、めくれてテープ部分がデリケートゾーンに触れ、かゆみの原因になってしまう。かといって強すぎると下着を傷めてしまったり、はがすのが大変だったり。テープが直接肌に触れないように、テープの位置にもこだわっています」(松原さん)地球環境にやさしいのもアミーライナーの特徴の一つだ。「綿とテープ、剥離紙というシンプルな作りなので、使用後にゴミとして焼却する際に有毒ガスを排出しません。また、綿は植物としての成長過程で二酸化炭素と水から酸素を作り出し、大気を浄化しています。そのサイクルが、二酸化炭素の排出削減につながっているといえます」(渡部さん)おりものシートとしてだけでなく、生理用ナプキンとして使用することも可能。経血量が少ない時にはこれ一枚でもOK。「デリケートゾーンまわりの快適さは、心身の状態に直結すること。QOL向上のために、ぜひ多くの方に使ってみてほしいと思っています」(渡部さん)※『anan』2022年9月14日号より。写真・北尾 渉(そわんわんさん)スタイリスト・石川美久ヘア&メイク・加藤志穂(PEACE MONKEY)イラスト・REDFISH取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2022年09月13日バービーとそわんわんと考える“自分らしさ”との向き合い方とは?そわんわん:バービーさん、初めまして!いつも色んな活動を拝見して、素敵だなと思っているんですが、なかでも『ピーチ・ジョン』と一緒に作られたランジェリーと、その取り組みがとても好きで。芸人さんだと色んなことを言われると思うんですが、その中で“自分自身”を発信しているのが、すごいと思ってます。バービー:わー!そんなふうに思ってくれること、ちゃんと伝わってることがとても嬉しいです。最近やっと、「芸人さんの中でも、こんなことを言ったり、やったりする人がいるんだね」と思ってもらえる実感があるので、そう言ってもらえるの、ありがたいです。そわんわん:バービーさんが、芸人の活動以外の顔を見せようと思ったきっかけってあるんですか?バービー:う~ん…、強いて言えば、アキレス腱を切ったこと?そわんわん:え?!バービー:30歳くらいから変わりたいなとモヤモヤ考えてはいたのですが、仕事も比較的順調だったので、特段何かを変えようと思うタイミングもなく…。でも35歳のときにアキレス腱を切ったことで、いわゆる体を張った仕事が一時期できなくなったんです。それでちょっと考え直したほうがいいのかな、と思ったのはあるかも。そろそろ本名の“笹森花菜”としてやりたいことや、それこそ素の顔を出しても…と。そわんわん:アキレス腱を切るという大事件を、“いい転機”に持っていけるところがすごい。バービー:そのあたりから前向きな意味で“どうでもいいや”って思えるようになって。そこからですね、〈“別にとやかく言われる筋合いはないか”精神〉で生きられるようになった。そわんわん:なるほどー。バービー:そういう意味で言うと、私は芸人の“バービー”と、“笹森花菜”、あとSNSの裏アカもあったりして(笑)、自分のことは多面的だと思ってるんです。そわんわんさんは、職業がYouTuberで、ずーっと“自分自身”を配信してるわけですよね?そわんわん:そうですね。そういう意味では、ウチはどの場面でも常に“素”なんだと思います。配信を始めたばっかりのころは、“動画なんだから、おしゃれしてメイクして、かわいくして撮らなあかん!”って思ってたんですが。あるとき化粧するのがダルいなぁと思って、寝起き10分くらいで、すっぴんで撮った動画をアップしたら、300万再生くらいいっちゃって。そのときに「素でいいんだ、そのほうがウケるんだ」と学び、それ以来ずっと素でやってます。24時間常にオフモード。バービー:すごい!そわんわん:でも色々言われることも多いですよ。友達との2ショット写真をツイッターに上げただけで、「そんな見た目でそんなことするな」とか言われたり。バービー:えええ?!そわんわん:「え、ただ写真を撮ってそれをアップしただけなのに、なんでそんなに厳しいの?」って思いますよね(笑)。でも、自分のことが好きとか、セルフラブとかそういう気持ちが強いわけでもなくて…。なんていうのかな、自分のことを好きでも嫌いでも、楽しかったらよくない?って感じです。あんまり深く考えたことがないかもしれないです。“これが自分やな”って感じというか。バービー:でも分かります。その感覚、めっちゃいいと思う。そわんわん:バービーさんは、ご自分を多面的と言ってましたが、そのへんの切り替えってどんな感じなんですか?バービー:私にとっては“素に戻る”ことでストレスを解消しているところがあるんですが、戻る方法を色々用意してるんです。軽めなことだと、料理、一人カラオケ、水の音を聞く、土に触る、とか。最も深いものだと、やっぱり一人旅かなぁ。でも今は旅行ができないので、最近の休日は、もっぱらキッチンに立ってます。それこそ水の音も聞けるし、野菜を扱えば自然に触れることにもつながるから。なんか、自分の本能に近づく感じというのかな…。そわんわん:ウチも一人旅は好きです。今はできないので、最近は一人で散歩をしたり、パン屋さん巡りをしてます…って、いま話していて思い出したんですが、私たまに、意図的にスマホの電源を切って、情報を遮断するかも。色んな意見を聞きすぎちゃうと自分らしさがなくなっちゃう気がするので、たまに現実に戻るというか。バービー:もしかしたらそれと近いことかもしれないですが、私はリアルな世界に自分の素を肯定してくれる人が数人いればいいやって思っているんですよね。そわんわん:分かります。自分を否定してくる人に対して、わざわざ分かってもらう必要ってない気がする。人が私に対してどう思うかは、ウチはコントロールできないわけですし。だから肯定してくれる人がいる場所を持って、そこで楽しく過ごせることが一番だと。みんな世間の声に、もっと鈍感になっていいんじゃないかなぁ。バービー:うん。みんな、誰だか分からない、知らない人の言葉に傷ついてしまうの、もったいないですよ。そんなの気にしなくていいよって思います、私も。自分はこうだって決めつけないで、色んな面があることを許容して、直感的に生きると楽しいですよ。私はスピリチュアル好きなところがあるから、直感で生きてます(笑)。そわんわん:ウチもどっちかというと流されて生きてますが、それがラクで楽しいし、マイペースでいたい。“おもしろそうだな”って思ったことはなんでもやりたい。バービー:じゃあ〈赤まむし〉とのコラボの話が来たらやります?そわんわん:(爆笑)。その会社の方と会ってみて、友達になれそうな感じがしたらやります(笑)。バービー(写真左)お笑い芸人。1984年生まれ、北海道出身。毎週火曜日『ひるおび!』(TBS系)、『週末ノオト』(TBSラジオ)などにレギュラー出演中。著書に『本音の置き場所』(講談社)が。そわんわん(写真右)YouTuber。1999年生まれ、和歌山県出身。友達に語りかけるような動画が話題になり、YouTuberとして活躍。la farfa専属モデル。スタイルブック『wancobaby』(文友舎ムック)が発売中。※『anan』2021年10月13日号より。写真・角田 航撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY(by anan編集部)
2021年10月07日