そごう美術館(そごう横浜店6階)では、2023年11月18日(土)より、『111年目の中原淳一展』が開催される。戦前から戦後にかけて「ほんとうの美しさ、豊かさ」を追求し、女性たちから圧倒的に支持された中原淳一(1913ー1983)の生誕111年を記念して、彼が手掛けた雑誌の仕事に焦点を当てながら、人形、洋服、きものなど、中原が表現した美の全貌を紹介する展覧会だ。1913年(大正2)、香川県に生まれた中原は、上京後、19歳の時に開催した創作人形の個展が高く評価され、雑誌『少女の友』と専属挿絵画家の契約を結んだ。彼の描く大きな瞳と細長い手足を持った「新しい少女」像は、同世代の女性たちを魅了し、その後の少女漫画にも大きな影響を及ぼした。また終戦直後の1946年(昭和21)には、ファッション、美容、インテリア、手芸、文学、美術と、中原が考える美の本質を追求した雑誌『それいゆ』を、翌年には、戦争によって少女時代を奪われた女性たちのための雑誌『ひまわり』を創刊し、新しい時代の少女たちに夢を与えた。同展では、これらの雑誌で中原が描いた表紙原画やスタイル画はもちろんのこと、彼が10代の頃に作った詩画集や油絵、デビューのきっかけとなった人形作品など、アーティストとしての活動も紹介。“「いつまでも古くならないもの」―それこそがむしろもっとも「新しい」ものだとはいえないでしょうか。“そう本人が言ったように、111年たっても色あせることない作品から、現代にもつながる中原淳一の影響や価値観、さらに新しい魅力を発見できるかもしれない。なお12月9日(土)には、横浜ゆかりの演奏家たちが中原淳展にちなんだ曲などを演奏する「クラシック・ヨコハマ2023ミュージアムコンサート」(参加費無料)の公演も。詳細は美術館ホームページで確認を。<開催情報>『111年目の中原淳一展』会期:2023年11月18日(土)〜2024年1月10日(水)会場:そごう美術館時間:10:00~20:00、12月31日(日)、1月1日(月・祝)は18:00まで(入館は閉館30分前まで)※会期中無休料金:一般1,400円、大高1,200円公式サイト:
2023年10月26日興行通信社の発表するミニシアターランキング(小規模公開作品週末観客動員数)で2位にランクインし話題を呼んでいるダークファンタジー『ほんとうのピノッキオ』より、NGシーンを収めたメイキング映像が解禁となった。公開するやいなやネット上では「美しい映像に息を呑んだ」「衣装とメイクが素晴らしい」といった称賛の感想が挙がっている本作。本年度アカデミー賞2部門ノミネート<衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞>の美しくもダークな世界観が大きな話題となっている。この度、解禁されたのは、撮影時のNGカットを集めたメイキング映像。カタツムリが通った後のヌルヌルでおしゃべりコオロギが滑って転ぶシーンに、思わず笑ってしまう妖精とピノッキオを演じたフェデリコ・エラピの様子や、妖精とのシーンで垣間見えるフェデリコの機転が利いたリアクション、そしてキツネとネコの食事シーンでは机を強く叩き過ぎて食べ物が飛び散り、それに驚いたフェデリコが思わず椅子から転げ落ちてしまうというハプニングが収められている。すぐさま駆け寄り優しくフェデリコに語りかける大人たちの姿が微笑ましい。「この物語に登場するネコ、キツネ、カタツムリには“人間性”が備わっているんだ」と語るマッテオ・ガローネ監督は、「少し動物的で、少し人間的」なキャラクターをめざし、過度にCGに依存しない“擬人化したグリーチャー”を生み出した。まさに人が演じているからこそ生まれるNGカットは、奇妙なクリーチャーたちの人間味溢れる一面を見ることができる。“ダーク”な世界観の作品でありながらも、心温まる笑いで包まれていた撮影現場の舞台裏が垣間見えるメイキング映像となっている。『ほんとうのピノッキオ』はTOHOシネマズ シャンテほかにて全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年11月13日アカデミー賞2部門ノミネートのダークファンタジー『ほんとうのピノッキオ』より、ピノッキオが出会う奇妙なクリーチャー、カタツムリとマグロのメイキングを収めた本編映像が解禁された。100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学「ピノッキオの冒険」を『ゴモラ』『五日物語』の鬼才マッテオ・ガローネが原点に回帰して、斬新にビジュアライズした本作。絢爛にして驚きに満ちた、まさに大人のためのおとぎ話と呼ぶにふさわしい、神秘的で驚きに満ちたダークファンタジーを作り上げた。今回解禁されたメイキング映像は、ピノッキオがジェペット爺さんをひとり残し冒険を繰り広げる最中に出会う奇妙なクリーチャー、カタツムリとマグロの創作過程をおさめたもの。コンセプトアートから、演じる俳優の型を取って精巧に創られたスカルプチャーから、『グランド・ブダペスト・ホテル』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で過去2度のアカデミー賞を受賞している名アーティスト、マーク・クーリエによる特殊メイクといった貴重な工程が観察できる。森のお屋敷でターコイズ・ブルーの髪を持つ妖精とともに暮らすカタツムリは、背中の大きな殻とヌルヌルとした粘液をともないながらのっしりと巨体を揺らす動きが特徴的だ。なかでも、深く幾重にも刻まれたしわがリアルな皮膚の質感を生んでいる。ドレープがふんだんに施された、薄いピンクのドレスを纏った姿は、まるで絵画のように美し本作の世界においてもひときわ存在感を放っている。また、マッテオ・ガローネ監督が一番のお気に入りキャラクターと語るマグロについて、マーク・クーリエは「はじめ、マグロはCGで観せるんだろうと思っていたんだ。でもCGのチームに聞いたら、“いや、監督は特殊メイクで考えているはずだよ”と返されて、“どうやって人間をマグロにするんだ?”と戸惑ったのを覚えているよ」と、これまで数々の話題作を手掛けてきた彼にしても監督の構想には衝撃を受けたと明かしている。最終的に、俳優の頭部を模り、CGと特殊メイクを組み合わせて出来たマグロの登場シーン。マークも、「一風変わったメイクではあるけど、素敵なシーンに仕上がったと思う」と自信をのぞかせた。ほかにも劇中には、キツネやネコ、コオロギや鳥人間といったピノッキオの美しくも恐ろしいダークで魅力的な住人たちが数多く登場する。そんなインパクト大の造形美を大きなスクリーンで確かめて欲しい。現在、作品の公式Twitterではキャラクターの人気投票企画を実施中。公式アカウントをフォローし、“推し”のキャラクターを選んでリツイートすると、抽選で豪華プレゼントが当たる。応募は11月7日(日)23時59分まで。『ほんとうのピノッキオ』11月5日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年11月01日マッテオ・ガローネ監督による、神秘的で驚きに満ちたダークファンタジー映画『ほんとうのピノッキオ』のオフショットが公開された。映画では、自分のためを思い忠告をしてくれるコオロギに対し、「黙れ」と叫び木のハンマーを顔面に向けて放り投げ、甘い誘いがあると学校を抜け出したり、見ず知らずの男の馬車に乗って遊びに行ったりと、自由奔放な悪童ピノッキオ。ガローネ監督は、ピノッキオを演じたフェデリコ・エラピについて「フェデリコ本人はピノッキオと正反対!だから彼をキャスティングしたんだ」と語っている。4歳から子役として活躍し、映画のセットには常に家庭教師が付き、芝居と共に勉学に励んでいたフェデリコ。真面目な姿は監督の言う通りピノッキオとは正反対のように見えるが、公開されたオフショットでは、撮影中のカメラをのぞき込む、好奇心旺盛な姿が。ガローネ監督は「ピノッキオは努力や義務や責任から逃避するキャラクターだよね。フェデリコ自身はピノッキオを我々が考えていたものとはかけ離れたキャラクターだと解釈していたんだけど、それでいて彼はまだ8歳(撮影当時)の子どもなので、純粋にピノッキオに共感し、その感情を上手く汲み取って演じてくれました」と撮影をふり返っている。また、ジェペット爺さん役のロベルト・ベニーニとの共演についてフェデリコは「彼はすごく優しくて、親切で、ピノッキオみたいに優しい心の持ち主でした」と言い、ベニーニが自分と同じピノッキオ役を演じ、監督も務めた『ピノッキオ』(’02)についても「もちろん観ました。ロベルトのピノッキオは、キュートでした」と話した。一方のロベルトは、フェデリコをはじめ多くの子どもたちに囲まれる微笑ましい場面もあり、ガローネ監督は「ベニーニは原作者コッローディと近い場所の出身。ジェペットと同じ田舎生活を送り、自身も子供がいない。役に投影している部分があるのかも」と分析。休憩中のフェデリコに笑顔で話しかけたり、2人で毛布にくるまれてストーブにあたったり、本当の親子のような瞬間が公開された。『ほんとうのピノッキオ』は11月5日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年10月25日マッテオ・ガローネ監督のダークファンタジー『ほんとうのピノッキオ』より、丸太棒から生まれたピノッキオの特殊メイク完成までの過程を捉えたメイキング映像が解禁となった。本作の大きな見どころであるピノッキオやクリーチャーたちの特殊メイクは、『ハリー・ポッター』シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』など多くの話題作を手掛け、『グランド・ブダペスト・ホテル』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエが担当。本作も、アカデミー賞2部門ノミネート<衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞>、イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ)5部門受賞<美術賞/衣装デザイン賞/メイクアップ賞/ヘアスタイリスト賞/視覚効果賞>&10部門ノミネートされている。今回解禁となったメイキング映像では、マーク・クーリエやマッテオ・ガローネ監督が細部まで拘り尽くし、CGを用いずに特殊メイクによってつくられたピノッキオの制作過程の一部始終を切り取っている。初期段階の構想イラストから、粘土や彫刻などを使用して数えきれないほどブラッシュアップを重ねた後、ピノッキオを演じたフェデリコ・エラピの輪郭に合わせて調整。最終的な造形に辿り着くまでにはなんと約1年もの月日を要したという。デザインが固まった後は、ピノッキオを構成するパーツひとつひとつを制作していく。イメージしたピノッキオを忠実に表現すべく、木目の溝や年輪の一本一本など、その細かいニュアンスを驚くほど緻密に仕上げる。メイキング映像ではピノッキオの鼻や耳といったパーツがずらりと並んでいる様子も垣間見えるが、驚くべきことにそのマスクは一度しか使用ができない“使い捨て”のものなのだ。装着はもちろん、木目の色付けなど一回でも気の遠くなるような作業を毎回ゼロから実施。それを約3か月間の撮影期間中、毎日4時間以上かけて子役のフェデリコ・エラピへ特殊メイクを施したという。まさに“職人”と呼ぶにふさわしい、精密機械のようなメイク技術の高さはもちろん賞賛に値するが、そんな過酷な現場を駆け抜けた、撮影当時わずか8歳のエラピのプロ意識の高さはさらに驚愕である。ガローネ監督はエラピについて「彼はピノッキオという役を完璧に理解していた。本人の性格自体は(悪童である)ピノッキオとは正反対だったけど、一方でエラピの純粋な部分も生きていた。現場は大変だったけど愛情込めて演じきってくれたんだ!」と絶賛した。 さらに本作の特殊メイクに関して「観る人を驚かせ、新しい世界に引き込めるものにしたかった」と語るガローネ監督。唯一無二の世界観を作る上で最も重要と言っても過言ではない、ピノッキオの造形。その圧倒的なクオリティの高さにも注目だ。『ほんとうのピノッキオ』は11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年10月15日オスカー候補にも名を連ねた、神秘的で驚きに満ちたイタリアのダークファンタジー映画『ほんとうのピノッキオ』より、新たな場面写真が到着した。今回新たに公開された場面写真では、『ピノッキオ』(’02)にて監督兼ピノッキオ役で出演したロベルト・ベニーニ扮するジェペットが、1本の丸太からピノッキオを生み出す過程が写し出されている。さらに、命が吹き込まれたピノッキオの姿も。ディズニーアニメでは、すでに人形として完成され、星の女神がジェペットの願いを叶えるべく命を吹き込むが、本作ではジェペットが自らピノッキオを誕生させる。そんなピノッキオが、「パパ」と呼び動き出すシーンは必見。100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学「ピノッキオの冒険」。ウォルト・ディズニーのアニメーション映画をはじめ、これまで数々の映像化作品を生み出してきた。“嘘をつくと鼻が伸びる”というエピソードが真っ先に思いつくが、この名著の主人公の実像、無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす“悪童”だということを知る人は少ないだろう。映画では、丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を原点に回帰して、斬新にビジュアライズし、旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出している。多くの人が知っているパブリックイメージを大きく覆すことになる本作。マッテオ・ガローネ監督は「久しぶりに原作を読んでみた。自分がよく知っている物語だと思い込んでいたけど、驚いたことにまったく知らないストーリーで、覚えていないエピソードもかなりあった。この本を映画化するなら、観客が驚くような方法を見つける必要がある。この物語を知っていると思い込んでいるからね。だから私にとって皆を驚かせる最良の方法は、原作に立ち返ることだった」と語っている。『ほんとうのピノッキオ』は11月5日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年09月29日誰もが思い浮かべる“嘘をつくと鼻が伸びる”エピソードだけではない、“本当の”姿を描く『ほんとうのピノッキオ』。丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を、鬼才マッテオ・ガローネが映画化。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出した。知っているようで実は知らない童話で描かれる本当の姿、そして童話から派生した新たな物語の形。世界中で愛されてきた童話から、そんなスパイスが利いた映画化作品を集めてみた。ようこそ、美しくも残酷なダークファンタジーの森へ『ほんとうのピノッキオ』11月5日(金)より公開1883年に出版されたイタリアの作家カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学。その主人公は無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だった!?貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始めた。ピノッキオと名付けられたやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出して、森の奥深くへと誘われる。道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さない。なおも命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、はたして「人間の子どもになりたい」という願いを叶えられるのだろうか…。おとぎの国で、バトルが始まる――『白雪姫と鏡の女王』(2011)父を亡くし意地悪な継母の女王(ジュリア・ロバーツ)に国を牛耳られていた白雪姫(リリー・コリンズ)は、舞踏会で出会った王子と恋に落ちるが、財産目当てに王子との結婚を狙っていた女王は白雪姫を森に追放、惚れ薬で王子を強引にモノにしてしまう。白雪姫は、森で出会ったギャングや7人の小人たちの助けを借り、あくどい女王を打倒するため立ち上がる――。故・石岡瑛子による、絢爛豪華な衣装にも注目。2人の間で揺れる恋をした、大人になった赤ずきん『赤ずきん』(2011)赤ずきんことヴァレリー(アマンダ・セイフライド)は木こりのピーターと愛し合っていたが、ヘンリーとの婚約を親が勝手に決めてしまう。ある満月の夜、ヴァレリーの姉が何者かに惨殺され、魔物ハンターのソロモン神父は人オオカミのしわざだと宣告するが…。『トワイライト初恋』のキャサリン・ハードウィック監督がメガホンをとり、製作にはレオナルド・ディカプリオが名を連ねた。野獣の秘密、ベルのあやまち――『美女と野獣』(2014)ディズニーアニメ版でも広く知られるファンタジードラマの名作を、1740年に初めて書かれたビルヌーヴ夫人版を基に物語が生まれた場所、フランスで実写映画化。バラを盗んだ父の罪を背負い、野獣の城に閉じ込められた美しい娘ベル(レア・セドゥ)。しかし、城の主の野獣(ヴァンサン・カッセル)は毎夜ディナーを共にすること以外、何も強要してこない。やがてベルは野獣の恐ろしい姿の下にある、もうひとつの姿に気づきはじめ、野獣が犯した罪や城で過去に起こった出来事の真実が解き明かされていく。ボクを残して、君は大人になる『ピーター・パン』(2003)本国イギリスでの舞台初演以来100周年を記念し、原作に忠実に実写映像化。小説家を夢見る少女、ウェンディーは本当の恋も知らない13歳の女の子。でも、周囲の大人たちはそろそろレディになるための教育を始める頃合いだと感じている。いよいよ明日からのレディ教育を前にした、子どもとして過ごす最後の夜、彼女の前に不思議な少年ピーター・パンと小さな妖精ティンカー・ベルが現われる。ピーターは、ウェンディーが夜ごと弟たちに語るお話を聞きに何度も彼女たちの部屋へ訪れていたのだ。すぐに打ち解けた彼らは、海賊と妖精が住み、永遠に子どもでいられる島“ネバーランド”へ向けて一緒に飛び立つ――。新時代に生まれたミュージカル映画『シンデレラ』(2021)『ピッチ・パーフェクト』のケイ・キャノンが監督・脚本を手掛け、おとぎ話として誰もが知るシンデレラの物語を、1980年代から現代までの世界的大ヒットポップソングで彩りながら、新たに描いたミュージカル。王子との結婚、真実の愛を求めるだけでなく、ドレスデザイナーになるという自分の夢を実現させるために邁進する新たなシンデレラ像を描く。Amazon Primeのオリジナル映画。『ほんとうのピノッキオ』は11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:赤ずきん 2011年6月10日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.白雪姫と鏡の女王 2012年9月14日より丸ノ内ルーブルほか全国にて公開© 2011 Relativity Media, LLC. All Rights Reserved.美女と野獣 2014年11月1日よりTOHOシネマズスカラ座ほか全国にて公開© 2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTIONACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMSシンデレラ 2021年9月3日よりAmazonPrimeVideoにて配信ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年09月25日映画『ほんとうのピノッキオ』が、2021年11月5日(金)より全国公開される。ピノッキオの“実像”を描くダークファンタジー1883年に出版されたイタリアの作家カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学で、ディズニーによるアニメーションも有名。ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスによる新作の制作も進行中だ。ピノッキオといえば、誰しもが思い浮かべるのは、“嘘をつくと鼻が伸びる”というユニークなエピソード。しかしながら、この名著の主人公の実像を知る人は少ないのではないだろうか。実は、無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということをー。映画『ほんとうのピノッキオ』は、残酷な原作童話を忠実に描いたダークファンタジー。丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を、原点に立ち戻り、“大人のためのおとぎ話”と呼ぶべき神秘的で驚きに満ちた物語に仕上げている。圧倒的な映像美で描く“大人のおとぎ話”メガホンを取ったのは、『ゴモラ』のマッテオ・ガローネ。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出した。アカデミー賞2部門にノミネート映画『ほんとうのピノッキオ』は、本国イタリアで公開されるとヒットを飛ばし、その年公開のイタリア映画ではNo.1の動員数を記録。ショーレースでも高い評価を得て、第93回アカデミー賞の衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門にノミネートされた。特殊メイク&衣装デザインに注目特殊メイク&衣装デザインを手掛けたのは、ガローネ監督がイタリア国内外から招集した一流のスタッフたち。特殊メイクには、『ハリー・ポッター』シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』を手掛け、ウェス・アンダーソン監督『グランド・ブダペスト・ホテル』やメリル・ストリープ主演の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエが参加。衣装デザインは、ガローネ作品の常連であり、ガローネ監督がディレクションしたディオール 2020年秋冬オートクチュールコレクションの特別映像「LE MYTHE DIOR」でも衣装デザイナーを務めたマッシモ・カンティーニ・パリーニが担当している。“CGじゃない?!”ピノッキオの顔も特殊メイクガローネ監督が一番苦労したというのがピノッキオの特殊メイク。驚くほどリアルに再現したピノッキオの顔の木目は、CGと見間違うほどだ。撮影当時8歳だったピノッキオ役のフェデリコ・エラピは、3か月もの期間、毎日4時間この特殊メイクをこなして撮影に臨んだという。多くの作品で特殊メイクを手掛けてきたマーク・クーリエも、「1週間や2週間ならまだしも、3か月もなんて誰もやったことがない」と明かしている。登場人物&キャストピノッキオ/フェデリコ・エラピキツネ/マッシモ・チェッケリーニジェペット/ロベルト・ベニーニネコ/ロッコ・パパレオ人形劇一座の親方/ジジ・プロイエッティ妖精(幼少期)/アリーダ・バルダリ・カラブリア妖精/マリーヌ・ヴァクト【詳細】映画『ほんとうのピノッキオ』公開日:2021年11月5日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国公開監督・共同脚本:マッテオ・ガローネプロデューサー:ジェレミー・トーマス出演:ロベルト・ベニーニ、マリーヌ・ヴァクト、フェデリコ・エラピ後援:イタリア大使館/イタリア文化会館原題:PINOCCHIO│2019年│イタリア映画│シネマスコープ│上映時間:124分│映倫区分:G│日本語字幕:杉本あり配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ<『ほんとうのピノッキオ』あらすじ>あなたはまだ知らない、本当のピノッキオをー貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始めた。ピノッキオと名付けられたやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出して、森の奥深くへと誘われる。道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さない。なおも命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、はたして「人間の子どもになりたい」という願いを叶えられるのだろうか……。copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年09月10日現在、ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスによる新作も進行中の「ピノッキオの冒険」をイタリアの鬼才マッテオ・ガローネが原点回帰して映画化した『ほんとうのピノッキオ』。神秘的で驚きに満ちたダークファンタジーの予告編が完成した。解禁された予告編は、ロベルト・ベニーニ演じるジェペット爺さんがひとりでに動き出す不思議な丸太を細工し、人形を作りだすシーンから始まる。“ピノッキオ”と名付けられたその可愛らしい人形は、なんとウソをつくと鼻が長く伸びるようで…。と、ここまでは誰しもが知っている「ピノッキオ」の物語。だが、本作で描かれる真のピノッキオはここから始まっていく――。「あなたはまだ知らない」「美しくも残酷な原作童話を」という意味深なテロップと怪しげな音楽が鳴り、おとぎの国のさらに奥深くへと誘われていくピノッキオ。「人に従うのは嫌い」と、恐ろしく不思議な未知の世界へ飛び出し行く。冒険の中で次々に出会うのは、ターコイズブルーの髪を持つ妖精や、大きな殻と独創的なドレスを纏い、ゆっくりと歩くカタツムリといった奇々怪々なクリーチャーたち。映像の最後にある、「ようこそダークファンタジーの世界へ」というテロップと、水中で魚たちに取り囲まれながらゆっくりと回転するロバのカットも幻想的でダークな、驚きに満ちた本作を象徴している。本年度アカデミー賞にて衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞2部門ノミネートも納得の細部にまで拘られた造形美に圧倒され、これまで多くの人が持っていたパブリックイメージを覆す衝撃の予告編となっている。『ほんとうのピノッキオ』は11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年09月07日『ライフ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニとイタリアの鬼才マッテオ・ガローネ監督が組んだ、映画『ほんとうのピノッキオ』(原題:『PINOCCHIO』)が日本公開決定。併せて、本作のポスタービジュアルが解禁となった。100年以上にわたって世界中で読み継がれるイタリアの児童文学「ピノッキオの冒険」。一般的には往年のディズニー・アニメーションが広く親しまれ、ギレルモ・デル・トロによるストップモーション・アニメーション、ロバート・ゼメキスによる実写版といった新作も製作進行中だ。しかし、誰もが思い浮かべるのは“嘘をつくと鼻が伸びる”エピソードであり、この名著の主人公の実像を知る人は少ない。無邪気な操り人形に見せかけて、実は、行く先々でトラブルを巻き起こす“悪童”だということを――。そんな原作の世界観を、『五日物語 3つの王国と3人の女』『ドッグマン』などのマッテオ・ガローネ監督が美しくも残酷に実写映画化。父親ジェペット(ロベルト・ベニーニ)の家を飛び出し、おとぎの森の奥深くへと誘われたピノッキオ(フェデリコ・エラピ)が、数々の世にも奇妙な生き物に遭遇しながら、奇想天外な冒険を繰り広げる。旅の途上で描かれる社会風刺や示唆に富む物語は、大人にこそ鑑賞してほしいものとなっている。ロベルト・ベニーニ今回解禁されたポスタービジュアルは、小鳥がとまった長い鼻を、困惑気味に見つめるピノッキオの横顔が大きくデザインされている。多くの人がイメージするであろう、ある種トレードマークともいえる“嘘をつくと長く伸びる鼻”が印象的であるものの、その一方で、背景にはおどろおどろしい木々が並び、ダークな世界観が広がっている。キャッチコピーに添えられた“おとぎの国の奥深く”という言葉と相まって、陽気なパブリックイメージとはかけ離れた、知られざるピノッキオの一面を匂わせるビジュアルだ。先の米・第93回アカデミー賞で2部門(衣装デザイン賞/メイクアップ&ヘアスタイリング賞)にノミネートされ、イタリア映画No.1の動員数を誇った、絢爛にして驚きに満ちたダークファンタジーが上陸する。STORY貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始めた。ピノッキオと名付けられたやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出して、森の奥深くへと誘われる。道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さない。なおも命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、はたして「人間の子どもになりたい」という願いを叶えられるのだろうか…。『ほんとうのピノッキオ』は11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ほんとうのピノッキオ 2021年11月5日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開copyright 2019 ©ARCHIMEDE SRL - LE PACTE SAS
2021年08月26日戯曲『ほんとうのハウンド警部』が本日3月5日より、渋谷・Bunkamuna シアターコクーンで開幕する。本作は、英国演劇界の巨星トム・ストッパードが、若き日に放った戯曲。舞台は、まさに「劇場」そのもの。今、観客が実際に楽しんでいる芝居に加え、舞台上では、もうひとつの「劇中劇」が展開。その劇構造を巧妙に交錯させた、ストッパードならでは頭脳プレイが炸裂する斬新な内容だ。何が真実で何が虚構なのか?目の前で虚実が展開していくなか、笑いとともに演劇ならではの臨場感が堪能できる絶好の機会となるだろう。昨年末に上演決定のニュースが発表されて以来、何よりも大きな話題を集めたのは、その顔ぶれ。まず2017年に同じくストッパード作の戯曲『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(シス・カンパニー公演)以来、4年ぶり2度目のタッグとなる演出・小川絵梨子と生田斗真。そして吉原光夫、趣里、池谷のぶえ、鈴木浩介、峯村リエ、山崎一といった演劇巧者たちが集結した。ワクワク感が止まらなくなる7名の俳優陣が小川絵梨子演出のもと、1月末から稽古場に集い、スタッフも一丸となって感染予防対策を講じながら稽古を積み重ねてきた。本公演は、徹底した感染症拡大防止対策を実施 。加えて、観客同士の接触を極力防止するために、左右1席を空けて着席する対応が施されている。(予防対策の詳細は公演サイトにて)【演出: 小川絵梨子 コメント】演劇のおもちゃ箱のような世界を、毎日、素敵な役者さんたちと一緒に探検していた稽古場でした。劇構造の面白さを再認識できるような哲学的な脚本でありながら、実はシニカルで思いっきり笑えるコメディなんです。「ストッパード?難しそう・・・」とあまり構えずに、演劇ならではの面白さが詰まった不思議な世界をお楽しみください。生田斗真さんとは、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」以来4年ぶりです。前回、周りをすごく引っ張ってくださって、年下なのに「兄貴」という感じでした。前にどんどん進んでいく感じとか、まるで年上のように頼りになるところとか、当時と全く印象が変わっていません。今回も、やはり頼りがいのある「兄貴」ですね。【ムーン役:生田斗真 コメント】ストッパードらしさにあふれた構造で、どこまでが現実で、どこからが虚構なのか、、、その境界線が溶け合っていく感じは、まさに演劇でなければ表現できない世界です。小川絵梨子さんは何事にも妥協することなく、常に前向きにトライし続ける演出家。そんな小川さんや、まさに「演劇モンスター」と言える信頼する共演者の皆さんと一緒に、戯曲を掘り下げていく稽古場での作業は、とにかく充実していました。いよいよ開幕の日を迎えます。ご来場いただく皆さんにもいろいろとご不便な思いをさせてしまうことも多いのですが、だからこそより一層、お客様を含めた全員で一緒に舞台を作っているという実感があります。これまで以上にお客様との繋がりを感じながら、毎日の舞台を精一杯努めます。是非、皆さんも楽しんでください!お待ちしています!■舞台情報『ほんとうのハウンド警部』3月5日(金)から3月31日(水)まで上演会場:Bunkamura シアターコクーン公式サイト:
2021年03月05日とある舞台公演に足を運んだ若き演劇評論家を主人公に、現実と舞台の世界が交錯していく何とも不思議な世界を描き出す『ほんとうのハウンド警部』(作:トム・ストッパード)が3月、シアターコクーンにて開幕する。『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』に続き、英国が誇る現代演劇界の至宝・ストッパードの戯曲に小川絵梨子(演出)と生田斗真のコンビが挑む本作には共演陣も実力派が揃った。中でも、生田演じるムーンと同じ演劇評論家で、物語のカギを握るバードブートを演じる吉原、そして劇中で展開される推理劇において謎めいた登場人物を演じる山崎、鈴木の3人は、昨年末に上演された『23階の笑い』(ニール・サイモン作、三谷幸喜演出)に続いての共演となる。3人に本作の魅力、そして小川絵梨子演出のすごみについてじっくりと話を聞いた。最初のト書きで「ストッパード、おいっ!」って思いました(吉原)――舞台上と客席の間で物語が交錯していく本作ですが、最初に戯曲を読んだ感想は?吉原最初、徐(賀世子)さんの訳ではない旧訳の戯曲をいただいて、複雑で難しいと思ったんですけど、感覚的には「面白いな」と思いました。ただ、その後、新訳の台本を読んだら怖くなりましたね。――怖くなった?吉原情報が多くなったんですよね。旧訳は読み物として面白い感覚だったんですけど、新訳は、自分で頑張らないといけない本だなと思いました。――面白さはどういう部分に感じられましたか?吉原最初のト書きで、舞台設定の説明があって、そこから順番に状況説明が足されていって、そこにムーン(生田)が浮き出てくる――これをちゃんと見せられていれば大丈夫だろうということが書いてあって「ストッパード、おいっ!」って思いましたね(笑)。もうその最初の部分からゾクゾクしました。――山崎さんは最初に戯曲を読まれた時の印象は?山崎「難しい」という感じがあったんですけど、あ、これは不条理のコメディだなという印象で、別役(実)さんの作品のようなイメージを持ちましたね。こういう芝居があるんですよね、別役さんの作品にも。――山崎さんは、劇中で上演される芝居の登場人物であるマグナスを演じられますが……。山崎難しさはもちろん感じましたね。光夫から最初に「山崎さん、これどうやって演じられるんですか?」って言われたシーンがあるんだけど「俺もわかんないよ」って(苦笑)。面白い本ですね。ただ一番難しいのは(吉原を指して)こっちだよね(笑)。ムーンとバードブートが軸ですからね、この芝居は。そこが明確になってこないと面白くなってこないでしょうから……頑張って(笑)!吉原はい(笑)。――鈴木さんは、同じく劇中劇に登場するサイモンを演じられますが、戯曲を読んでの印象は?鈴木僕はまず「ト書きがすごく長いなぁ……」って印象と、そのト書きを読んでたらあまりに長いので眠くなっちゃって……(笑)。でも、読み込めば読み込むほど、印象が変わってきて、山崎さんから「浩介、この本、面白いよ。全然難しくないよ。別役さん的な世界観があるから浩介も絶対に好きだと思うよ」ってメールをいただいて、そこからスーッと入ってくるようになったんですよね。物語の構造も。これはネタバレになるので言えないんですけど、あるヒントを一さんにいただけて「そういう読み方をすればいいんだな」って。『ほんとうのハウンド警部』ポスター――主演の生田さんに趣里さん、池谷のぶえさん、峯村リエさんといった女優陣を加えたカンパニーとしての面白さや魅力について、実際に稽古が始まってからの様子なども含めてお聞かせください。吉原いや、もう最の高でしかないですね(笑)。一さん、浩介さんは『23階の笑い』に続いて、僕を優しく包み込んでくださって……。山崎あはは(笑)吉原いや、本当です。僕は本当に病気なんじゃないかってくらい、人とうまく接することができないんですけど、おふたりがいてくださるから、すごく楽です。本当に稽古場の空気がいいんですよね。小川絵梨子さんと合っているメンバーばかりで作っている感じがすごくあります。吉原光夫――先ほど、山崎さんからも話があったように、生田さん演じるムーンとの会話が軸になってくるかと思いますが、ここまで稽古をされていかがですか?吉原いかがですか?と訊かれて、「楽しい」とも「難しい」とも言えないくらい、ハマりこんでいまして……(苦笑)。いつか脱出できるようにしたいんですが、でも自分が好きか嫌いかというと、そういうものはすごく好きですね。いい感覚で細かい心理などをうまくキャッチできればいいなと思っています。山崎いや、もう猛者ですよ(笑)。この手の猛者たちが集められたカンパニーですからね。本当に他の人の稽古を見てるだけで面白いです。鈴木小川さんの演出が素晴らしくて、芝居しやすい空気を作ってくださるんですよね。僕にとって、この現場は、好きな人、尊敬している方ばかりなんです。生田さんとは初めてですが、生田さんの誠実なお芝居で、最初に生田さんと吉原さんが空気づくりをしてくれるんです。僕らが入っていく時は、また違う空気でやらなくてはいけないんですけど、その対比が、すごくクリアに見えるんですよね。やっていて楽しいし、稽古を観ていても楽しいんです。これは僕、自分がお客さんで観たい芝居だなって思います。物語を伝えることに命を懸ける小川絵梨子演出の魅力吉原光夫(右)、鈴木浩介(左)、山崎一――吉原さんは小川さんの演出作品の常連であり、山崎さん、鈴木さんは今回が初めてですが、小川さんの演出のすごさ、魅力はどういったところにあるのでしょう?吉原いつも驚かされますね、僕は。「あぁ、そこはそう読むのか」とか「そう持ってきたか」って。あとはこちらが読んでいる中でずっと引っかかっていた部分が、流れるように映し出されてくるような感覚はありますね。演出家にとっては普通の仕事なんでしょうけど、その普通を本当に普通にやってくれる感じに驚かされます。あと、「演出家が別に偉いわけじゃない」という考えが彼女にはあって、その状態で稽古場にいるんですよね。だから、演出の彼女がわからないものは、そのまま「わかんない」と言うし、イヤなことは「イヤ」と言う。「セクションが違うだけで、皆、同じ階にいる」ということを前から言っていて、演出家も役者も制作も同じで、演出だけが称えられるのはキライなんですよね。「先生」なんて呼ばれたら虫唾が走るんじゃないかな(笑)?山崎僕が最初に“小川絵梨子”という演出家の存在を認識したのは『スポケーンの左手』(マーティン・マクドナー作)という作品で、あれを観てものすごい衝撃を受けました。そこから「この人とやってみたいな」と思っていて、今回、実際にやってみた印象は、光夫も言いましたけど、絶対に“上”には立たないんですよね。同じ目線か、ひょっとしたら下から来るような感じで、だからこそこっちもいろいろ言えちゃう――そういう空気感を作れるのが素晴らしいなと。それでいて、自分の言いたいことはちゃんと言いますからね。鈴木口癖のように「ありがとう」って何度もおっしゃいますよね。海外暮らしが長かったからかもしれないけど、語尾に必ず「ありがとう」。あんなに感謝する方って徳が高いですよ(笑)。そう言われて気分が悪い人なんていませんし、その連鎖で稽古場がすごくいい空気なんですよ。僕は「すいません」が口癖なので、真逆の人間だなって(笑)。色んなタイプの演出家さんがいらっしゃいますが、小川さんはそれぞれの作品を見るたびに「あ、これ小川さんだったんだ」って驚かされる。色んな色に“化ける”演出家ですね。鈴木浩介――脚本の解釈という点で、稽古場で驚かされたりした部分はありましたか?吉原僕ら俳優が脚本を読んで感じたものを絵梨ちゃんが色付けし、カギかっこをつけて読み聞かせてくれたなという感じがしますね。何となく自分たちが思い描いたものが咀嚼できたって感覚です。浩介さんがいまおっしゃった通り「小川絵梨子の演出のテイスト」って実はあんまりないような気がしていて、それはなぜかというと「物語を伝える」ということが先に立つんですよ。僕自身、(小川に)ずっとコーチングされてきたのは、話がわからなくなるということをしないということ。物語を伝えるってことに命を懸けているから。例えば蜷川(幸雄)さんだったら、どんな作品であっても“蜷川テイスト”というものがあるし、なんだったら目隠しして入って、舞台装置を見ただけで「これ蜷川さんだ」ってわかっちゃう。(小川は)そうじゃなくて、自分の色は二の次なんだろうなって思います。以前、『オーファンズ~孤児たち~』だったかな? 「アクションのある演出だ」みたいな声に対して「私がじゃなくて、作品がそうだから!」って言ってました(笑)。――山崎さんは、稽古場に入ってから「この本をこう演出するのか!」といった驚きを感じることは?山崎うーん、基本的にはないんですよね。ふたりが話した通りという感じで……。吉原それは、絵梨ちゃんが完全に一さんを頼りにしてるところが大きいからだと思いますよ。作品の中でも(マグナスは)客観的に見ているような役でもあるし、絵梨ちゃんが稽古場で迷い犬のような目をして見るのはだいたい一さんですから(笑)。一さんと感覚、読み方が同じなんだと思います。だからないんじゃないかな?山崎「わかる」という感じはありますね。鈴木僕も同じですね。突拍子もないこと、意外性みたいなものは必要ないと思ってらっしゃるような気がします。当たり前のことを積み重ねていくことを大切にしているというか。山崎そうだね。逆に(不要なものを)“削いでる”という感じがするね。ずっと同じ役者さんの稽古を見られるのは幸せなこと(鈴木)山崎一――先ほどから話が出ていますが、みなさんは昨年末の『23階の笑い』の公演からずっと一緒で、そのまま続けて本作の稽古に入られています。偶然とはいえ、3人そろって次の作品にというのは珍しいことだと思いますが、こうした状況はプラスに作用しているんでしょうか?山崎劇団は別として、プロデュース公演で今回みたいな形は初めてなんですけど、そういう意味ではすごくフレッシュな経験ですね。ある種、劇団チックな連帯感は生まれますよね。鈴木光夫さんは『23階の笑い』で初めて会ったんですけど、本当に人見知りで……(笑)。山崎そう。全然しゃべらない(笑)。鈴木しゃべんないし、笑わないし。山崎「みんなから疎外されているとずっと思ってた」って(笑)。鈴木でも時間をかけて、一緒に1本のお芝居を作った後は、そういうわずらわしさはなく、ハードルがない状態で稽古場にいられるんで、それは幸せなことですね。一番楽しい状態で稽古には入れるって。一さんは、シス・カンパニーの公演でシス・カンパニー所属の俳優よりもシス・カンパニーですよ(笑)。一さんをずっと見ながら勉強させていただいている感じで……。山崎何を言ってんだ(笑)。でも確かに、『桜の園』(※2020年4月に上演予定だったが、緊急事態宣言を受けて公演中止)から一緒だったしね。あれがなくなって、『23階の笑い』でやっとできたね、嬉しいねって話をしてたら、今回も(笑)。鈴木ずっと同じ役者さんの稽古を見られるということで、山崎さんが役ごとにどういうアプローチ、どんな変化をしていくかを僕が日本で一番見れていると思います。本当に僕、ラッキーな男だなって。山崎いや、それは僕も同じだよ。鈴木役ごとに本当に全部違うから、それぞれ別人が現れてくるんですよ。こんなにもいろんな引き出しをお持ちなんだ……って。吉原僕はKERA版の『どん底』で一さんの存在を初めて認識したんですけど、そこから「あ、これも出てる」「また一さん出てる」って追いかけるようになって、他の俳優さんを通じても一さんのことを知って。その方と前回の『23階の笑い』でご一緒できて、しかも読売演劇大賞の最優秀男優賞を受賞されて……自分が客席で見ていた俳優さんと共演して、受賞されたことが本当に嬉しすぎて、無駄に「おめでとうございます」ってたくさん言っちゃいました(笑)。自分が嬉しくて。鈴木俺も嬉しかった! そんなに他人の賞って嬉しくないけど(笑)、山崎さんに関しては本当に嬉しかったですよね。吉原一さんも浩介さんも、僕にとってはすごく達者な俳優さんで、いろんなことを瞬発的にこなしたり、感覚的にやることができて、僕は器用な方ではないので、いろんなことをやるのに時間がかかるんですが、そんな時、おふたりのお芝居は情報量がものすごくあって、本当に勉強させてもらっています。取材・文・撮影:黒豆直樹『ほんとうのハウンド警部』作:トム・ストッパード翻訳:徐賀世子演出:小川絵梨子出演:生田斗真 / 吉原光夫 / 趣里 / 池谷のぶえ / 鈴木浩介 / 峯村リエ / 山崎一2021年3月5日(金)~2021年3月31日(水)会場:東京・Bunkamuraシアターコクーン2021年2月20日(土) 10:00より一般発売開始!
2021年02月19日シス・カンパニー公演が2021年第1弾の取り組みとして、英国演劇界の至宝トム・ストッパードの戯曲『ほんとうのハウンド警部(原題:The Real Inspector Hound)』をBunkamuraシアターコクーンで3月5日(金)~3月31日(水)に上演することが分かった。その荒唐無稽ともいえる発想の斬新さが生み出すカタルシスで、観客を劇空間の迷路へと誘い込み魅了する巨匠ストッパード。シス・カンパニーはこれまでも、『アルカディア』(2016年栗山民也演出)、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ(通称:ロズギル)』(2017年小川絵梨子演出)で、その世界観に迫ってきた。そしてこの度、『ロズギル』で互いに信頼を深め合った生田斗真と演出の小川絵梨子が、本舞台で再び顔を合わせる。出演は、その生田を筆頭に、吉原光夫、趣里、池谷のぶえ、鈴木浩介、峯村リエ、山崎一、7名の役者陣。『ほんとうのハウンド警部』は1968年にロンドン・クライテリオン劇場にて初演され、当時の観客の度肝を抜いた斬新な戯曲。推理劇仕立てで始まる舞台は、やがてひとつの「推理」にとどまらない人間心理の滑稽さを孕んだ複雑な谷間へと向かう。ほんとうのハウンド警部 原題:The Real Inspector Hound【作】トム・ストッパード【翻訳】徐賀世子【演出】小川絵梨子【出演】生田斗真、吉原光夫、趣里、池谷のぶえ、鈴木浩介、峯村リエ、山崎一【公演会場】Bunkamuraシアターコクーン(東京公演のみ)【公演期間】2021年3月5日(金)~3月31日(水)【一般前売開始日】2021年2月6日(土)
2020年12月07日子どもが言うことを聞いてくれないのは、子育てにおいて大きな悩みの一つ。でもよく考えて見てください。ほんとうに子どもは、お母さんの言うことを全部聞かないといけないのでしょうか。ほんとうに大人の言うことが、全て正しいのでしょうか。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ち第12回:「逆効果だらけ。親に口うるさく言われる子どもの気持ち」第13回:「すぐに『ごめんなさい』って言えないワケ」自分の目標達成より、ママの言いつけを守るのが正解?ママ:も~片付けてって言っても片付けないし、ご飯だよって言っても食べないし。何でママの言うことが聞けないの!?K:片付けてって言えば片付けて、ご飯だよって言えば食べる。ママはそういう子が好きなの?ママ:好きというか…ママの言うことをちゃんと聞いてすぐに行動してくれたら、ママが助かるのよ。K:ママのことは困らせたくないよ。でもさ、今いいところだったんだ。あと少しでブロックで家が出来上がるところだった。それなのに急にママが「早く片付けて、ご飯よ」って言ったんだ。ねぇママ、自分の目標の達成より、ママの言うことを聞くことを優先する。それでボクはほんとうにいいのかな?何だかモヤモヤするんだよ。ママ:それでは自分のことは犠牲にして、他人の目を気にする大人に育ってしまうわねぇ。自分というものが育たないわ。K:でもママに怒られるから、結局は自分を諦めることも多いんだよ。ママの言うことは全て正しいわけじゃないK:子どもは多かれ少なかれ、親の、特にママの顔色を伺うからさ。だから時々迷うんだ。自分の気持ちを守ればいいのか、ママの言うことを守ればいいのか。ママ:なるほどねぇ。ママは子どもの気持ちを聞かないで、自分の考えを押し付けていたかもしれないわね。K:あとさ、この前はママとおばあちゃんの言うことが違ったでしょ?ボクが車のオモチャで遊ぼうとしたら、弟が横取りしようとしたとき。ママはボクに向かって「お兄ちゃんなんだから貸してあげなさい」って言って、おばあちゃんは弟に向かって「お兄ちゃんはまだ遊んでないから、お兄ちゃんが遊んでから借りようね。順番だよ」って教えてた。ボクはおばあちゃんの言葉を聞いてモヤモヤが消えたんだ。いつもママの言うことを聞いてすぐに弟にオモチャを貸してたから、モヤモヤしてたんだよね。ママ:ごめんね、あれはママも勉強になったわ。結局おばあちゃんの意見を優先したわよね。K:でも、ちょっと不安にもなった。ボクにとってはいつでもママが1番だったけど、あのときはおばあちゃんの言うことが正しかったでしょ。ママの言うことは何でも正しいわけじゃない、って不安になった。ママ:そうね…。ママはね、いつも「子どものため」を思って、話しているつもりなのよ。でもね、100%そうかって言ったら違うわ。「ママが大変だから」「ママの体裁が悪いから」って「ママのため」を考えて自己都合を押し付けているときもあるし、「疲れて頭が回らなくて言ってしまったこと」もあるし、おばあちゃんのときみたいに「ママの考え自体が間違っていた」こともある。そう考えるとママの正しさは80、70、60%…って下がる。もちろん命やケガの危険については正しいことを言ってるって自信があるんだけどね。ママはこのことを知らなかったんだわ。「無知の知」って大切ね。反抗は自分で考えるはじめの一歩ママ:実は間違えるのってママだけじゃないのよ。パパも、おばあちゃんも、お友達も、学校の先生も、偉いって言われる人でも、誰でも間違えるの。それにね、「正しさ」って人によって変わるのよ。K:じゃあボクは誰の言うことを聞けばいいの?まだ知識や経験の少ない子どものボクは困るよ~。ママ:それはあなたが決めていかないといけないのね。「いま自分は誰の言うことを聞くべきかな?」「いまの自分には何が正しいのか?」ってね。そう考えると、Kが言うことを聞かなくなったのは、ある意味自立の一歩ね。K:自分で決めて間違えたら?ママ:間違えるのが当たり前なの。全て正しいということ自体が無理なのよ。むしろ子どものことほど多くの間違いを重ねることで、正しさを見極める力がつくの。だから落ち込みすぎないで、糧にしていってくれると嬉しいな。K:ママにもサポートをお願いしたいな。ママ:まずはKの気持ちを聞くことからね。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ち第12回:「逆効果だらけ。親に口うるさく言われる子どもの気持ち」第13回:「すぐに『ごめんなさい』って言えないワケ」ライター:宮野 茉莉子
2016年09月01日ほんとうはもっと言いたいことがあるのに、口から出てくる言葉はいつも同じ。「パパはいいよね」「疲れた」「もうしんどい」「自分の時間が欲しい」…こんなこと言ってて、楽しいわけじゃない。こんな言葉しか出ない自分が嫌になるし、それを聞いて何も答えないパパが、嫌な気持ちになっているのもわかってる。でも愚痴でも言わないと、とてもじゃないけれどやっていけない。5歳と1歳の兄弟を持つ筆者の、以前の心境です。愚痴を言い続けて気付いたのが、もっと他に言うべき言葉があるということでした。愚痴を言って夫が動いたら嬉しい?いつも同じ愚痴を口にし、夫は無言のまま、家庭内の空気はどんより。それを繰り返しながら、あるときふと気付いたのです。「こう言い続けることで、具体的に何がどう変わるの?」と。こんなことでも言わなきゃやってられないぐらい、毎日疲れ切っているのです。愚痴は言っても結局はママが動かなければ、家庭内はまわりませんから。でも愚痴を言ったところで、何も変わらないのも事実。せいぜい愚痴を聞く子どもやパパに、嫌な思いをさせるくらいでしょう。正直言えば、「他の言葉を思いつくヒマもないくらい疲れてる」のです。もっとうまい言い回しで、夫に協力を求められる人もいるでしょう。でもそんな心の余裕はないし、親として同じ立場なのに家事や育児に非協力な夫に、苛立ちばかりを感じる。「せめて愚痴や嫌味でも聞かせてやりたい」なんて嫌なことを考えちゃうほど、疲れているときもあります。それでも愚痴を言われても、人は動きません。愚痴を言って夫が動くとしても、それは気持ちの良いものではありませんよね。「私は愚痴を聞かせて他人を動かせたいの?そんな嫌な人間だったの?」そう真剣に考えるようになりました。恥ずかしがらずに第1次感情を伝えるそこで意識したのが、「第1次感情」(参考:怒りは二次感情だから。「子どもに怒る本当の理由」を探ってみた)を伝えることです。私たちは普段、第1次感情を伝えるのが得意ではありません。たとえば以下のような、複雑な心理を抱えるのが大人というものです。例)帰宅した夫が子どもの面倒も見ずスマホでゲームしているのを見た場合【第1次感情】「いいな。私なんかスマホを見るヒマもないし、子どもに悪いと思うから子どもの前では長い時間見れないわ。それどころかゆっくりご飯を食べたり、お茶を飲んだり、お風呂にだって入れないのに。ちょっとは休んだり、自分の時間がほしいよ。スマホでゲームするヒマがあったら、もっと協力してほしい」【第2次感情】「何でパパは帰ったら休めるのよ。育児も家事も私に押し付けて、ママは24時間365日休み無しなのよ。おかしいじゃない」(怒り)【第3次感情】「もう疲れた!パパはいいよね〜自分のことだけやってればよくて!」(愚痴や嫌味)上記の場合、口から出てくるのは第2か第3次感情です。素直に第1次感情を話し合えることが、大人の場合難しいのです。それは恥ずかしさや恐れがあったり、怒りが強過ぎるからでしょう。でもこのままでは、何も変わりません。夫の立場に立ってみよう逆に夫の立場に立ってみましょう。たとえ夫が悪いとしても、「怒り、愚痴、嫌味」でぶつかってこられると、心を閉ざして聞く耳を持ちません。いきなり怒られれば、怒られる原因よりも「その言いかたは何なの?」というほうに意識が向くものです。そう気付いてから、第1次感情を伝えるようにしました。そうするとそれまでは同じことを言っても変わらなかった夫が、少しずつ協力してくれるようになってきました。今思うのは、私は何て言葉のボキャブラリーが少なかったんだろう。何で怒りをぶつけるだけで満足して、現状を変える努力をしなかったのだろう、ということです。スムーズに協力を得られる、というわけでもありませんが、今を変えたいなら第1次感情を話し合うことをお勧めします。ライター:宮野 茉莉子
2016年06月01日株式会社主婦の友社は、2012年3月9日、『必ず来る!大震災を生き抜くための食事学 3.11東日本大震災 あのとき、ほんとうに食べたかったもの』定価1365円(税込み)を発売。3.11東日本大震災を仙台で身をもって体験した著者、宮城大学准教授、石川伸一氏が、食品研究者として、「イザという時」のために、どのように「心」を備え、具体的にどんな「食」を備蓄すればよいのかを説く。巻頭カラーでは、NPO法人20世紀アーカイブ仙台の写真協力のもと、3.11地震発生からの宮城大学構内・仙台市内・市民が食べた震災時のごはんの数々・棚が空っぽのコンビニ・スーパーなどを紹介。あの大震災を「都市と食」という観点で捉えなおした一冊だ。発売を記念して、著者 宮城大学准教授、食産業学部准教授、石川伸一氏に本書執筆の経緯、またご専門の卵の研究についてのインタビューサイトもオープンしている。 著者プロフィール:石川 伸一宮城大学食産業学部フードビジネス学科 食品分子栄養学研究室 准教授。1973年福島県生まれ。東北大学大学院農学研究科修了。専門は分子レベルの栄養学。『必ず来る!大震災を生き抜くための食事学3.11東日本大震災 あのとき、ほんとうに食べたかったもの』定価:1365円(税込み)ISBN:978-4-07- 282754 -3サイズ:四六判 208ページ発売日:2012/3/9※発行は主婦の友インフォス情報社プレスリリース提供元: PR TIMES
2012年03月09日