2022年9月に亡くなったジャン=リュック・ゴダールが手掛けた最後の作品『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』が2024年2月23日(金・祝)より緊急公開されることが決定。日本版ポスタービジュアルが解禁された。映画界から永遠に去る直前まで、ジャン=リュック・ゴダールはこの短編映画に手を加え続けた。その手で書き、色を付け、紙や文章をコラージュした。さらに音楽とサウンドトラックの切れ目には、彼自身の老いた、穏やかな、そして激しく震える声を聴くことができる。自身をして「最高傑作だ」と言わしめた作品の全貌がついにスクリーンで明かされる。本作は手書きの文字、絵、写真そして映像がコラージュされ、音楽やナレーションが一つになった、彼の芸術の集大成とも言える作品。比類なき独創性とインパクトとともに、その不在をより大きく感じさせる一作となっている。本作の撮影、編集を手掛け、ゴダールに最も近いスタッフだったファブリス・アラーニョは「ジャン=リュックは紙に付箋を付けて映画のリズムをイメージし、映像と音を指示していたのです。私の目の前に映像が広がるのが見えました。今、この瞬間に存在する映画でした。驚くほどシンプルながら、映像と音が整っていくさまは、とても力強いと感じました。ジャン=リュックはこの映画を見て、”これが私の最高傑作だ”と言いました」と語っている。フランスのメゾン、サンローランが立ち上げた映画会社、サンローランプロダクションの製作による本作は、ペドロ・アルモドバル監督、イーサン・ホークとペドロ・パスカル出演の『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』に続く短編作品。サンローランのクリエイティブディレクターであるアンソニー・ヴァカレロは「本作を通じて、ジャン=リュック・ゴダールの類を見ない創作の過程のあらましが明らかになる」と述べ、「そして同時に、決して日の目を見ることのない映画について、芸術家が思い浮かべたアイデアや参照元、イメージなどを示す草案でもある」と紹介した。『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』は2024年2月23日(金・祝)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開。(シネマカフェ編集部)
2023年12月19日ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)がジャン=リュック・ゴダールなど仏ヌーベルバーグの映画からインスピレーションされた23/24AWルックの動画とビジュアルをリリースした。lucien pellat-finet AUTUMN_WINTER 2023-2024from lucien pellat-finet on Vimeo.
2023年11月13日ジャン=リュック・ゴダールの作家人生を紐解くドキュメンタリー映画『ジャン=リュック・ゴダール反逆の映画作家(シネアスト)』が2023年9月22日(金)より全国で順次公開される。ジャン=リュック・ゴダールとは?ジャン=リュック・ゴダールは、フランス映画界で革新的なヌーヴェル・ヴァーグを先導し、20世紀で最も重要な映画作家の一人と称された人物だ。映画批評家として出発したゴダールは、数本の短編を撮ったのち、1960年に『勝手にしやがれ』で長編デビュー。1960年代は『女は女である』『女と男のいる舗道』などアンナ・カリーナを起用した作品を発表し、1965年にはヌーヴェル・ヴァーグの最高傑作と評される『気狂いピエロ』を製作した。91年の生涯で製作した映画の本数は140本以上にもなる。ゴダールの作家人生を紐解くドキュメンタリー映画映画『ジャン=リュック・ゴダール反逆の映画作家(シネアスト)』は、そんなゴダールが、2022年9月13日に自らこの世を去る直前に第79回ヴェネツィア国際映画祭のノンフィクション・クラシック部門で上映された作品。彼の謎に包まれた作家人生を紐解くドキュメンタリーだ。『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』などゴダール作品が登場監督・編集を務めたのは、ドキュメンタリーの編集を数多く手掛けてきたフランスの映画監督シリル・ルティ。本編には、『勝手にしやがれ』『女と男のいる舗道』『気狂いピエロ』『彼女について私が知っている二、三の出来事』『中国女』をはじめ、「ジガ・ヴェルトフ集団」時代から『ゴダールの映画史』まで多彩なゴダール作品が登場する。「ヌーヴェル・ヴァーグ」の旗手として、時代を熱狂させた1960年代にはじまり、その華々しさに自ら背を向けるようにして突進した、68年の五月革命を起点とする政治の季節、70年代の内省と再生。そしてキャリアの劇的な復活を遂げた80年代と、ゴダールの功績の数々を網羅的に紹介する。ゴダールの活動の全貌をとらえると同時に、ゴダール作品に初めて触れる人にとってもわかりやすい内容となっているため“ゴダール入門”としても楽しめる。ゴダールの素顔に迫るインタビューも収録また、家族や友人、元パートナーたちによる証言をはじめ、女優マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイやハンナ・シグラ、映画監督ロマン・グーピル、批評家ティエリー・ジュスら豪華な出演陣による新たなインタビューも収録。貴重な映像によって、伝説の作家ジャン=リュック・ゴダールの素顔を辿っていく。なお、ゴダールに関するドキュメンタリー『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』と、『中国女』を巡るゴダールのドキュメント『ニューヨークの中国女』といったゴダール関連作品も続々と公開されている。あわせて要チェックだ。【作品詳細】ドキュメンタリー映画『ジャン=リュック・ゴダール反逆の映画作家(シネアスト)』公開日:2023年9月22日(金)~新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開監督:シリル・ルティ出演:マーシャ・メリル、ティエリー・ジュス、アラン・ベルガラ、マリナ・ヴラディ、ロマン・グーピル、ダヴィッド・ファルー 、ジュリー・デルピー、ダニエル・コーン=ベンディット、ジェラール・マルタン、ナタリー・バイ、ハンナ・シグラ、ドミニク・パイーニ配給:ミモザフィルムズ
2023年04月30日ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠ジャン=リュック・ゴダールに迫るドキュメンタリー『GODARD CINEMA(英題)』が9月22日(金)より公開されることが決定した。フランス映画界で革新的なヌーヴェル・ヴァーグを先導し、20世紀で最も重要な映画作家の一人と称されたジャン=リュック・ゴダール。本作は、2022年9月13日に91歳で自らこの世を去る直前、第79回ヴェネチア国際映画祭のノンフィクション・クラシック部門で上映されたドキュメンタリー。監督・編集には、ドキュメンタリーの編集を数多く手掛けてきたフランスの映画監督シリル・ルティ。本編には、『勝手にしやがれ』(60)、『女と男のいる舗道』(62)、『気狂いピエロ』(65)、『彼女について私が知っている二、三の事柄』(67)や『中国女』(67)をはじめ、「ジガ・ヴェルトフ集団」時代から『ゴダールの映画史』(88-98)まで、ゴダールの作品の豊富な映像の数々が登場。『気狂いピエロ』家族や友人、元パートナーたちによる証言をはじめ、女優マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイやハンナ・シグラ、映画監督ロマン・グーピル、批評家ティエリー・ジュスら豪華な出演陣による新たなインタビューまで、貴重な映像で構成される。『勝手にしやがれ』ジャン=リュック・ゴダールは1930年、フランス、パリ生まれ。映画批評家として出発し、数本の短編を撮ったのち、『勝手にしやがれ』(60)で長編デビューし、91年の生涯で140本以上の映画を製作した。「映画の革命」と呼ばれ、世界の映画界に衝撃を与えた監督のその人生に迫っていく。『中国女』また、4月22日より、ゴダールに関するドキュメンタリー『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』と『中国女』を巡るゴダールのドキュメント『ニューヨークの中国女』が公開。さらに、『中国女』もリバイバル限定上映が予定されており、4月28日(金)からはゴダール監督の特集上映「追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭」が開催される。『GODARD CINEMA(英題)』は9月22日(金)より新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年04月27日2022年9月13日に死去したジャン=リュック・ゴダール(享年91歳)が1968年に渡米し、映画撮影した様子を記録したドキュメンタリー『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』と『中国女』を巡るゴダールのドキュメント『ニューヨークの中国女』より予告編が解禁された。激動の1968年の秋、ゴダールは『1AM』(『ワン・アメリカン・ムービー』)なる企画のため、アメリカ合衆国の反体制的な政治と文化の状況に目を向ける。カメラを回すのは、ダイレクト・シネマの旗手リーコックとペネベイカーである。だが、ヌーヴェル・ヴァーグを牽引した末にいまや商業映画と訣別するに至ったゴダールと、ドキュメンタリー映画界の革命児たちの夢の共同作業は編集段階で頓挫してしまう。『1PM』は、ゴダールが放棄したフッテージをペネベイカーが繋ぎ合わせて作った映画である。この度、解禁された予告編ではゴダールが映画の構想を話すシーンや、実際に撮影されたシーンの断片が映し出される。また黒豹(ブラックパンサー)党のエルドリッジ・クリーヴァーも登場しインタビューに答えている。そして、この映画のラストを飾るのは、「ザ・ビートルズ」の映画『レット・イット・ビー』でも一部収録された“ルーフトップ・コンサート”を彷彿とさせる「ジェファーソン・エアプレイン」がビルの屋上でライブを行っているシーン。予告編でもその様子を垣間見ることができる。『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』そして、同時上映される『ニューヨークの中国女』は、ゴダールが、ニューヨーク大学の学生たちと『中国女』をめぐって、流暢な英語で当意即妙の議論を交わす1968年4月4日の映画作家の姿を収めた作品だ。予告編でも熱気あふれる若者たちの前で話すゴダールの姿が映しだされ、当時のアメリカでゴダールが若者にどれほど強い関心を引き起こしていたのかを生き生きと伝える貴重なドキュメントである。『中国女』また『ニューヨークの中国女』にあわせて、68年の五月革命を予見したゴダールの問題作『中国女』も特別上映されることが決定している。『1PM-ワン・アメリカン・ムービー』『ニューヨークの中国女』『中国女』は4月22日(土)より新宿・K’s cinemaほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2023年04月09日2022年9月13日に亡くなったジャン=リュック・ゴダールの特集上映「追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭」が4月28日(金)より開催、メインビジュアル、上映作品とともに予告編が解禁された。『勝手にしやがれ』で世界を驚愕させて以降、“ヌーヴェル・ヴァーグ”の旗手として作品を発表するごとに注目を浴びると同時に、そんなカテゴライズを嘲笑うかのごとく観る者を挑発し、煙に巻き、固定観念に唾を吐き続けた映画監督。今回の映画祭では、1960年代と80年代を中心に、滅多にスクリーンでは観ることのできない全9作品をラインアップ。ビビッドな赤が目をひくメインビジュアルには、アンナ・カリーナが初めて出演したゴダール映画でもある『小さな兵隊』や各国で物議を醸した『ゴダールのマリア』はじめ全作品のスチールがデザインされている。また、予告編では『カルメンという名の女』での使用曲で印象深いベートーヴェン「弦楽四重奏曲」にのせたオープニングに始まり、『小さな兵隊』からアイコニックな『はなればなれに』のダンスシーン、「最も美しいゴダール映画の一本」とも評される『ゴダールの決別』まで上映作品を名シーンごとに紹介。時や国を超えて多くの映画作家に影響を与え、観客を驚かせてきたゴダールは何が革新的だったのか。何が称賛され、何が人々を熱狂させたのか。彼のいない映画はどうなっていくのか。“映画”を見つめる機会となりそうだ。『小さな兵隊』1960年極右のOAS(秘密軍事組織)およびこれと対立する組織FLN(アルジェリア民族解放戦線)の間で翻弄される男女のスパイを描いた長編第2作。60年に完成していたが、アルジェリア戦争を主題とし、両組織による拷問を批判的に描いたことで63年まで公開されなかったいわくつきの作品。アンナ・カリーナが初めて出演したゴダール映画で、2人は本作完成後に結婚した。『カラビニエ』1963年題名は「歩兵たち」の意。イタリア人作家ヨッポロの同名舞台劇に基づく寓話的反戦・反帝国主義風刺劇。前年に同劇を演出したロッセリーニが、脚本家の1人として名を連ねている。架空の国の貧しく学のない若者2人が、世界の富をわがものにできるとの甘言に釣られて「王様」からの徴兵に応じ出征、破壊と略奪の限りを尽くすが…。作品はジャン・ヴィゴに捧げられている。『はなればなれに』1964年先頃邦訳が刊行されたアメリカ人作家ヒッチェンズの小説に基づく作品。若者2人組とナイーヴな娘が織りなす三角関係と彼らの犯罪計画を軸とした、奔放な悲喜劇。物語の内と外を自在に出入りする、ゴダール自身の声によるナレーションもユニーク。タランティーノ、ベルトルッチ、ハートリーら本作への偏愛を隠さない映画作家やミュージシャンは数多い。『ウイークエンド』1967年各々愛人がいて、密かに互いを殺す機会をうかがうプチブル夫婦。2人は遺産相続のため妻の実家へと車を走らせるが、この長旅はトラブルや奇妙な人物たちを通じて次第に混沌とした非現実的なものへと変貌していく…性と政治の季節に作られたポストモダン的黒い喜劇。交通渋滞を描いたくだりの移動撮影にも注目。『パッション』1982年欧州古典絵画の数々を活人画として再現した芸術映画製作に取り組む野心的ポーランド人監督。国際的製作班による「(完成しない)映画作りを描いた映画」としての側面を備える本作は、夏の陽光に満たされたかつてのゴダール映画『軽蔑』を冬の光の中で再創造する。ここでも物語は芸術(創造行為)と生活(性や金銭を巡る諸問題)の間を往還する。『カルメンという名の女』1983年テロリストと思しき集団と共に銀行を襲撃する美貌の娘カルメンと、彼女と恋に落ちた警備員ジョゼフがたどる数奇な運命。そこにカルメンのおじで精神病院に入院中の元映画監督ジャン(ゴダール自身が演じている)およびベートヴェンの弦楽四重奏曲を練習する演奏家集団が交差しつつ、悲喜劇的なラストで全てが合流するゴダール流“カルメン映画”。『ゴダールのマリア』1985年聖母マリアをスイスの女子学生マリー(ミリアム・ルーセル)へと変換し、イエスの処女生誕の物語を現代に置き換えて語り直した挑発的な作品。カトリックの教義に言及しつつも、全裸シーンがあるためヨハネ・パウロ二世に批判され、上映禁止措置がとられた国もある。また抗議活動や爆破予告の対象となった劇場もあり、各国で物議を醸した。『ゴダールの探偵』1985年探偵と刑事、ボクシング関係者、飛行士夫妻、老いたマフィアらが滞在中のホテルで交差する姿を、スター俳優を起用して描いた犯罪群像悲喜劇。上記『マリア』の完成資金を稼ぐためにゴダールが引き受けた企画で、カサヴェテス、イーストウッド、ウルマーに捧げられているのも、それぞれ商業的要請の中で見事な犯罪劇を撮った彼らへのオマージュと受け取れる。『ゴダールの決別』1993年ある男がスイスの小村で数年前に起こった出来事を調査する。一連の回想を通じて明らかになるのは、夫が出張中、妻のもとに夫の姿を借りた神が訪れた、という摩訶不思議な話。ギリシャ神話中のゼウス神が夫に化けて人妻と時を過ごす伝説に着想を得た。カロリーヌ・シャンプティエの撮影と相まって、最も美しいゴダール映画の1本とも評される。「追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭」は4月28日(金)~5月18日(木)までヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町にて開催。(text:cinemacafe.net)
2023年03月28日『勝手にしやがれ』『女は女である』『気狂いピエロ』のジャン=リュック・ゴダール監督が13日(現地時間)に亡くなったことがわかった。ゴダールの顧問弁護士が「ニューヨーク・タイムズ」紙に語ったところによると、ゴダールは生活に支障をきたすほどの複数の疾患を抱えており、自殺ほう助による死を選択したとのこと。1950年代から60年代のフランスの映画界に起きたムーブメント「ヌーヴェルバーグ」(新しい波)の旗手と知られるゴダール。その影響力は大きく、多くの映画人や映画賞の主催団体などから、お悔やみのメッセージが寄せられている。『気狂いピエロ』 (C) APOLLOエドガー・ライト監督は、「安らかにお眠りください。ジャン=リュック・ゴダールは大変影響力があり、因習打破した映画製作者の一人でした」、ジェームズ・ガン監督は「映画界の巨匠、ヌーベルバーグの始祖の一人であるジャン=リュック・ゴダール。どうか安らかに。彼の映画は必ずしも理解しやすいわけではありませんが、今日のほとんどの映画監督に影響を与えています。彼らがそれに気づいているかどうかは別として。私の好きな彼の映画は栄光の『勝手にしやがれ』ですね」、BAFTA(英国アカデミー賞)は「映画監督、脚本家、映画評論家として名高く、影響力を持つジャン=リュック・ゴダールが91歳で亡くなったと聞き、大変悲しいです」とツイート。その他にもアントニオ・バンデラス、スコット・デリクソン監督、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭などもゴダールを追悼している。(賀来比呂美)
2022年09月14日映画『勝手にしやがれ』4K レストア版と『気狂いピエロ』2K レストア版が、2022年4月15日(金)より全国の劇場で順次公開される。ジャン=リュック・ゴダールの名作映画を劇場で映画『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』は、1960年代に公開されたジャン=リュック・ゴダール監督による作品。1950年代後半にフランスで始まった“新しい波”を意味する映画運動ヌーヴェル・ヴァーグを世界に知らしめた『勝手にしやがれ』、そしてヌーヴェル・ヴァーグの最高到達点ともされる『気狂いピエロ』は、共にジャン=リュック・ゴダールを代表する作品だ。ジャン=ポール・ベルモンドを追悼『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』の両作品に出演し、鮮烈な存在感を放ったのが、フランスの国民的スターとなったジャン=ポール・ベルモンド。今回は、2021年9月6日、88歳でこの世を去ったジャン=ポール・ベルモンドに哀悼を込めて、2作品を日本の劇場で公開する。『勝手にしやがれ』4K レストア版は日本初公開2020年の公開60周年を記念して作られた映画『勝手にしやがれ』4Kレストア版は、日本初公開。色味は撮影の故ラウル・クタールが監修した2009年のレストア版を模範し、サウンドもオリジナルネガから起こした、レストアの“決定版”だ。28歳のジャン=リュック・ゴダール、26歳のジャン=ポール・ベルモンド、20歳のジーン・セバーグが作り上げたヌーヴェル・ヴァーグ不滅の金字塔が、現代に蘇る。<映画『勝手にしやがれ』あらすじ>自動車泥棒でマルセイユからパリへの逃走中警官を殺した男。かつて南仏でベッドを共にした新聞記者志望のアメリカ人留学生のアパートへ転がり込む。金を調達し二人でイタリアへ逃れようとする男と夢をかなえようとする女の行く末は…。『気狂いピエロ』は2Kレストア版で蘇る映画『気狂いピエロ』2Kレストア版は、鮮やかな色と音を、可能な限り蘇らせた2015年の2Kレストア版。35歳のゴダールが、長編10作目で到達したヌーヴェル・ヴァーグの頂点とも評されている。『勝手にしやがれ』以来の盟友である撮影のラウル・クタール、ゴダールのミューズでありながら、ゴダールと離婚したばかりのアンナ・カリーナ、『勝手にしやがれ』でスターとなり、この映画でゴダールと決別することになるベルモンド。各自がキャリアの岐路に立ちながら、それぞれの才能を惜しみなく発揮した。<映画『気狂いピエロ』あらすじ>パリで金持ちの妻との生活に辟易している男。偶然ベビーシッターにやって来たかつての恋人。彼女を家に送り一夜を共にするも、翌朝知らない男の死体が転がっていた。事情の分からぬまま、彼女の兄がいるという南仏に向かう…。マリアンヌの衣装を再現したドレスを販売なお、映画の公開を記念し、スローブ イエナ(SLOBE IENA)、シャルル シャトン(Charles Chaton)、オペークドットクリップ(OPAQUE.CLIP)では、『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』をモチーフにしたウェアやグッズを販売。中でも注目は、シャルル シャトンが展開する『気狂いピエロ』のワンピースだ。アンナ・カリーナ演じるマリアンヌの衣装を、忠実に再現している。【詳細】映画『勝手にしやがれ』4K レストア版映画『気狂いピエロ』2K レストア版公開日:2022年4月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋他全国順次公開後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本応援:スローブ イエナ『勝手にしやがれ』、シャルル シャトン『気狂いピエロ』、オペークドットクリップ『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』配給:オンリー・ハーツ
2022年04月17日映画監督ジャン=リュック・ゴダールの最新作『イメージの本』が、2019年のゴールデンウィーク期間に公開される。齢88にして現役、ジャン=リュック・ゴダール最新作『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』『はなればなれに』など、数々の名作を世に送り出してきたヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール。前作『さらば、愛の言葉よ』で新感覚の3D技法に挑戦し観客を驚かせたゴダールだが、本作でも枯渇することのないイメージと音を多用し、想像力を刺激する84分間のアート体験を作り上げた。齢88で米寿を迎えてもなお現役、エネルギッシュに映画を作り続けるゴダールは本作で、新撮シーンにこれまでの絵画(TABLEAUX)、映画(FILMS)、テキスト(TEXTES)、音楽(MUSIQUE)を巧みにコラージュ。現代における暴力、戦争、不和といった世界に対する彼の怒りを乗せて、この世界が向かおうとする未来を指し示す、全5章からなる物語を描いた。パルムドールを上回る特別なパルムドールを受賞2018年5月に開催されたカンヌ国際映画祭では、最高賞の「パルムドール」を超越する賞として、同映画祭史上初めて設けられた「スペシャル・パルムドール」を受賞した。作品情報映画『イメージの本』公開時期:2019年ゴールデンウィーク監督・編集・ナレーション:ジャン=リュック・ゴダール撮影・編集:ファブリス・アラーニョ音楽:ECM出演:ジャン=リュック・ゴダール、ディミトリ・バジル2018年/スイス・フランス合作/84分(予定)/原題:LE LIVRE D’IMAGE(英題:THE IMAGE BOOK)© Casa Azul Films - Ecran Noir Productions – 2018
2018年12月07日世界中から注目される巨匠ジャン=リュック・ゴダールの2番目の妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化した『グッバイ・ゴダール!』。この度、劇中でアンヌを演じたステイシー・マーティンの梅雨も吹っ飛ぶ(?)場面写真をシネマカフェが入手した。本作は、ゴダール監督作『中国女』の主演女優であり、彼と10代で出会い、共に時代を駆け抜けたアンヌの知られざる日々を描いた注目作。そんなアンヌを演じるのは、『ニンフォマニアック』で主人公の若き日を演じスクリーンデビュー、「MiuMiu(ミュウミュウ)」の広告塔なども務めるステイシー・マーティン。主演抜擢にゴダールからのプロポーズと、刺激的な日々を送っていたアンヌだが、時代は1968年。街では5月革命の気運が高まり、ゴダールは映画製作よりも革命に傾倒していく…。今回到着した彼女のビキニ姿の場面写真は、友人に誘われカンヌでバカンスを過ごす姿を捉えたもの。実は同じ頃、ド・ゴール政権下での映画製作を批判するゴダールは、トリュフォーやアラン・レネたちとカンヌ映画祭に乗り込み、中止に追い込んでいるのだが、しかし彼女はそんな騒動を気にもとめていないようだ。さらに、ビーチでパラソルの下くつろぐ、笑顔がまぶしい爽やかな彼女を捉えた写真も併せて公開。60年代の設定ながら、シンプルなビキニとサングラスを身につけたステイシーの姿は、この夏ビーチで真似したくなるほどキュートだ。なおゴダール役には、 ゴダールが牽引したヌーヴェルヴァーグから多大な影響を受けたとされるフィリップ・ガレルの息子ルイ・ガレル。本作では、自身もゴダールを敬愛するという彼の“ゴダールの再来”と評された脅威の役作りも必見だ。『グッバイ・ゴダール!』は7月13日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2018年06月01日ジャン=リュック・ゴダール監督、アンナ・カリーナ主演による映画『はなればなれに』が、2017年1月21日(土)より、新宿シネマカリテほかにて順次公開される。本作は、ゴダールがアメリカの犯罪小説をもとに製作した、型破りな3人組による恋と犯罪の物語。日本では長らく劇場公開が実現せず、1998年に初めて上映された作品で、初期ゴダールのなかでも特に人気の高い1作として知られる。ある日偶然出会った小悪党の男ふたりと、無垢な女。パリ郊外にある女の叔母の家から大金を盗む計画を立てる3人だが、予期せぬハプニングから計画は殺人事件へと発展する。強欲なアルチュールに惹かれる奥手なオディールと、彼女をひたむきに愛する優しいフランツ。アマチュア強盗団3人のバランスは、逃亡生活のなかで徐々に崩壊していく…。数多くある印象的なシーンの中でも特に、インストゥルメンタル・ナンバーと共に3人がカフェでマディソン・ダンスを踊るシーンと、実際のルーブル美術館でゲリラ撮影された3人の全力疾走シーンは、映画ファンの間で現在も語り継がれる名シーン。ベルナルド・ベルトルッチ監督『ドリーマーズ』(2003)、ロジャー・ミッシェル監督『ウィークエンドはパリで』(2013)でも、同シーンへのオマージュが捧げられている。また、本作の大ファンである映画監督のクエンティン・タランティーノが、自らの製作会社の名前に仏題の「Bande à part」と付けたのも有名な話で、スコット・スタンバーグが手掛けていたファッションブランド、バンド オブ アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)も本作の英題から名付けられたものだ.女優アンナ・カリーナの輝くような魅力がたっぷりと描かれ、50年以上たった今も色褪せることのない名作犯罪メロドラマ。この機会に是非、劇場の大スクリーンで鑑賞してみてはいかがだろう。【上映情報】映画『はなればなれに』レイトショー上映公開日:2017年1月21日(土)場所:新宿シネマカリテ※仙台市・桜井薬局セントラルホール、横浜市・シネマ・ジャック&ベティ、名古屋市・名古屋シネマテーク、大阪市・シネ・ヌーヴォ、京都市・京都みなみ会館、神戸市・神戸アートビレッジセンターでも上映予定。【作品情報】映画『はなればなれに』監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール原作:ドロレス・ヒチェンズ『愚か者たちの黄金』撮影:ラウル・クタール音楽:ミシェル・ルグラン出演:アンナ・カリーナ、クロード・ブラッスール、サミ・フレ、ルイザ・コルペイン1964年/原題 Bande à part/フランス/96 分/モノクロ/デジタル ©1964 Gaumont ‒ Orsay Films
2016年12月23日フランスの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール監督の名作『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』が、デジタル・リマスター、寺尾次郎の新訳となって生まれ変わり、公開されることが決定。さらに、公開に併せポスタービジュアルも一新し、そして今回シネマカフェに予告編が到着した。『勝手にしやがれ』は、28歳のゴダール、26歳のジャン=ポール・ベルモンド、20歳のジーン・セバーグが、映画に革命を起こした名作。「ベルリン国際映画祭」銀熊賞、イタリア・ゴールデングローブ賞などを受賞しており、圧倒的な影響を及ぼし続けるヌーヴェルヴァーグの金字塔が、デジタル・リマスターで蘇る。自動車泥棒の常習犯ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)は、マルセイユで車を盗み、追ってきた白バイ警官を射殺してしまう。パリに着いた彼は、アントニオ(ジャック・ユエ)から約束の金を受け取るために旅行会社を訪ねるが、渡されたのは小切手で、ベリュッティという男が現金化してくれるという。そうこうするうちにヴィダル刑事(ダニエル・ブーランジェ)の尾行が。まいたミシェルは、パトリシア(ジーン・セバーグ)と行動を共にする。彼女はアメリカ人の留学生で、2人は南仏の海岸で出会いベッドを共にした仲。けれど、記者志望の彼女はミシェルの誘いをけり、新聞社の男に会いに行ってしまう…。そして同時に公開される『気狂いピエロ』は、35歳のゴダールが、長編10作目で到達したヌーヴェル・ヴァーグ波高の頂点。『勝手にしやがれ』以来の盟友である撮影のクタール、ゴダールのミューズでありながらゴダールと離婚したばかりのカリーナ、『勝手にしやがれ』で大スターになりこの映画でゴダールと決別することになるベルモンド。各自がキャリアの臨界点で燃焼しつくした奇跡的傑作だ。本作は、マスターポジ消失のため、今回撮影ネガをデジタル化、新たな音ネガも復元したデジタル・リストア版となっている。フェルディナン(ジャン=ポール・ベルモンド)は、金持ちの妻との生活に退屈し、逃げ出したい衝動に駆られていた。そんなある夜、夫婦がパーティに出かけるため、幼い娘のベビーシッターがやって来る。彼女はなんと、かつての恋人マリアンヌ(アンナ・カリーナ)だった。パーティを抜け出し、ひとりで帰宅したフェルディナンは、彼女を車で送り、そのまま一夜を共にする。翌朝目覚めると、彼女の部屋に、首にハサミを突き立てられた男の死体が。驚く彼とは裏腹に、平然と朝食を作り歌うマリアンヌ。フェルディナンは、わけは後で話すという彼女と一緒に、着の身着のままでパリを後にし、マリアンヌの兄がいる南仏へ向かう。お金のない2人は、ガソリン代を踏み倒したり、物語を語ってチップをもらったり…。フェルディナンは大満足だったが、マリアンヌは欲求不満を募らせ街に飛び出す。そこで出会った小男がまたもハサミで殺され、マリアンヌは姿を消す。フェルディナンはギャング2人組に捕まって、彼女の居場所を教えろと拷問されるが、何も知らないと分かり解放される。マリアンヌを探し歩いたフェルディナンは、ようやく彼女を見つけるが…。今回、公開に合わせてこの2本の予告編が解禁。『勝手にしやがれ』に関しては、当時の彼らが、28歳、26歳、20歳であった点も強調し、一新されたポスターとも基調色を統一している。そして、『気狂いピエロ』に関しては、ヌーヴェルヴァーグの最高峰の本作でさえゴダールは 35歳でつくっていることを強調し、青・赤・黄色といった原色をモンドリアンの絵のように見立て、自由な感じのするフリージャズのような音楽も加えている。2作品共に、フランス語字幕の第一人者寺尾氏の新訳であることを強調しつつ、ストーリー説明ではなく作品の雰囲気や奔放さに重点を置いて作成。ゴダールファンのみならず、若者にも共感してもらえるようなつくりになおされているようだ。そして今回は、両作品共に「ARUTA SOUP」によるデザインのオリジナルTシャツ・トートバッグが各数種類が作成されるなど、アートワークにも力を入れ、そのほか、『気狂いピエロ』ではアンナ・カリーナが着用していた水色のバスローブも、バスローブ専門店「affett」よりオリジナルで再現されるという。『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』は7月23日(土)より新宿 K’s cinemaにて公開。(cinemacafe.net)
2016年05月23日ジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』が、約60人から成る全米映画批評家協会のベスト作品賞を受賞した。次点は、リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』。『さらば、愛の言葉よ』は、3Dで撮影された、実験的かつ野心的な69分の映画。昨年のカンヌ映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別賞を受賞している。その他の画像主演男優賞は『ミスター・ターナー(原題)』のティモシー・スポール、主演女優賞は『Two Days, One Night(英題)』のマリオン・コティヤールが受賞。助演男優賞は『ウィプラッシュ(原題)』のJ・K・シモンズ、助演女優賞は『6才のボク~』のパトリシア・アークエットが獲得した。監督賞には『6才のボク~』のリンクレイター、脚本賞には『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンが輝いた。文:猿渡由紀
2015年01月05日