今、仮想現実空間を提供するオンラインゲームの「セカンドライフ」が、いっときの異常なほどの加熱期を過ぎ、本来立つべき静かな地平で、ひそやかにその世界を拡大させているらしい。かつて参入した日本企業の多くは撤退をしてしまったものの、ゲーム内に残ったユーザーは純粋なクリエイターとして、さまざまなオブジェクト制作(ゲーム内で着用する衣服や建造物などを作ること)に心血を注いでいるというのだ。そこで今回、セカンドライフ内のバーチャルワールドガイドブックシリーズ『セカンドライフの作り方』の著者である西真由さんにお話を聞きつつ、コブス横丁もなにかできないか考えてみることにした。――個人的には当サイトのマスコットでもあるコブス君をゲームの中に登場させてみたいのですが。西「考えられる手段としては、次の三つの方法があります。まずひとつ目としては【オブジェクトにコブス君の画像をテクスチャーとして張り付ける】こと。もしくは【キャラクターのパーツをオブジェクトで作成する】こと。コブス君を動かしたいのなら【「着ぐるみ」を作成して、アバター(自分のキャラクター)に装着させる】のがよいでしょう」――実際にやってみないと想像がわきませんが、要は「着ぐるみ」とうものを作って着用すれば、僕がコブス君の風ぼうになって、街を練り歩けるということですね?西「そうです。その格好でいろいろな場所に出没すれば、ほかのユーザーの目に触れるとは思います。とはいうものの、ただ歩くだけでコブス君を広めるというのはあまり現実的ではないかもしれません。なぜなら、セカンドライフ内のさまざまな場所へ行くとわかると思いますが、個性的な着ぐるみで変身している方は数多くいらっしゃるので、埋もれてしまう可能性があるからです」――コブス君を埋もれさせたくはないです。どうしたらいいですか?西「お金はかかりますが、一番手っ取り早いのが、土地を購入して人がたくさん集まるような仕組みにする。そして土地にはコブス君を認知させるための何かを置く(たとえば地面をコブス君のイラストで敷き詰めるとか、コブス君の大きな看板を置くとか)。コブス君の着ぐるみを無料で配るというのもアリかもしれません。ただ、着てもらえるかどうかは分かりませんが」――うーん、なんだかむずかしそうですね……。西「とりあえず、私が試験的に作ってみたものがあるのでご覧ください」西「これがいわゆるアバターに着ぐるみを着せた状態です。とはいっても時間がなかったので頭部しか制作していません。本当は腕や足、そのほか、腰回りの剣とかもあれば完璧なのですが、今回はこれでご了承ください(ちなみに、着ぐるみをはじめとするアバターの容姿作成については、『セカンドライフの作り方』の第3章で解説しています)。――おお!なんだかシュールですが、たしかにコブス君です!(身長伸びたなあ)西「次の画像は、プリムと呼ばれる、オブジェクトを形成するパーツにコブス君の画像を張り、周りを透明化させることでメタバース(セカンドライフの世界)に違和感なく存在させてみました(ちなみに、このテクニックについては、「セカンドライフの作り方」の第2章-05で解説しています)。ありがとうございます!なるほど、画像を見ると実感がわきますね。セカンドライフユーザーは諸外国を含め、まだまだ増加傾向にあるようです。世界に向けてまず第一歩を踏み出したコブス君ですが、肝心の僕がけん引役なので苦労をかけそう。もうちょっと勉強してみます!(根岸達朗/プレスラボ)【関連リンク】テクニカルライター西真由さんのホームページコンピュータ関連のさまざまな書籍や雑誌で幅広くライティングを手掛ける西真由さんのホームページですSECOND LIFE:3Dオンライン仮想世界のオフィシャルサイトページ左上の「日本語ベータ版のダウンロードはこちらから」で、アカウントの作成ができます
2009年07月08日