新入社員時代を経て、20代の後半からやっと仕事の真価がわかり始めたアラサー世代。仕事も人生もこれからという過度期は、様々な悩みも生じる。企業で働く、企業内独立、経営者など、ワークスタイルが異なる4人に、スキルの磨き方、キャリアアップや人脈の作り方、部下や上司との人間関係など、アラサーならではの悩みや、仕事で工夫していることを語り尽くしてもらう。○モチベーションの大きなバックボーンは"人生を変える圧倒的な挫折感"――前回は、経営者、企業の中間管理職、企業内独立といったワークスタイルがそれぞれ異なる4人に上司や部下、女性社員やクライアントとの円滑な関係になるための工夫を語ってもらいました。第2回目のテーマは「モチベーションとスキル磨き」です。モチベーションを常に高めるというのは、時と場合によって、至難な業だったりします。皆さんはどのようにしていますか。まず佐久間さん。ホテルマンの仕事が身近に感じられたと言っていましたが、いかがでしょう佐久間:身近というのは、好きだからと言ってもいいでしょう。好きだからこそ、モチベーションがぶれないような気がします。反町:ぶれないというのは、言い得ていますね。スキル磨きや人脈作りの大きなバックボーンになります。小堀:私の場合はまず仲間ですね。新しい事業を立ち上げるに当たって、共に生きる仲間の存在が大きいです。目に見えないところで繋がっている。魂の次元で彼らと一緒に新しい文化を生み出していきたいです。大げさですが、一緒に生み出せるなら死んでもいい。渋谷:僕は、組織に属しながら、組織から外れて動いています。セールスマンは『泥を拾って販売できる』くらい、人間性が大事です。それには、ここまでに至る自分の歴史というか、背景からモチベーションの理由も見えてきます。――モチベーションの背景となるものは、何ですか渋谷:小さい頃養護施設に入れられ、それから祖父母に育てられましたが、中学で家を出て、住まいを転々としていました。いわゆる住所不定です。妄想の中で、自分を捨てた両親を何度も殺してしまったことがあります。でも17、18歳ぐらいの時に、家がない、仕事がない、スキルがない、知識もないと、自分には何もないことに、震えるほどの恐怖感が心底湧いてきました。セールスマンの仕事に欠かせない分数も、その頃はできなかったんです。何が何でも知識を身に着けようと思い立ちました。それでまず英語をやろうと。Appleぐらいしかわからなかった。友達を訪ねたら不在だったので、友達のお母さんに事情を話して『教科書をください』とお願いしたら探してくれ、中学3年の英語の教科書をもらいました。落書きが沢山あるボロボロの表紙だったけど、ありがたかった。それから小学校の算数を勉強し直なおすなど、死に物狂いで勉強して、半年後に大検の数学で100点を取りました。その後法律の勉強をしたくなって、司法試験を目指そうとしたけど、お金がないことに気づいて、断念しました。理容師の資格をとって、転職して、今に至ります小堀:私の場合とすごく似ています。20代初めにDJになりたかった。でもレコード代だけで一か月20~30万円の資金がかかるとわかって、断念した。その後キャバクラのスカウトマンを2年やって体を壊し、ビジネスに手を出したものの1,200~1,500万円ぐらいの借金を作ってしまった。返済のため自販機の商品交換の仕事だけで足りなかったので、寝ないでバイトをしていた。工場のバイトでは、寝不足のため歩きながら寝ていましたよ。やっと借金を返してから、仲間との出会いがありましたね反町:僕も高校卒業後にプロサッカー選手の道が開けていたはずでした。それまでひたすらサッカーだけの人生。でも19歳の時に怪我をしてから道が閉ざされ、友達のプロ入団を見送りながら、次に何をするかを探す日々でした。一浪をして大学に入り、そこで会計士志望の友達と出会い、二人で切磋琢磨して会計士の試験に臨みました。彼は最初の職場である新日本有限責任監査法人の仲間です――3人に共通するのは、20歳前後に大きな挫折があったことですね。そこから這い上がってくる過程で、成功への秘訣を掴みとったことでしょう○「知らないことが怖い」。だから知識を身につける――では次にスキルの磨き方です。佐久間さん、企業で求められるスキルを教えてください佐久間:語学力、国際感覚、そして笑顔だと僕は思っています。語学力、特に英語の力を高めることによって、情報交換だけでなく、様々な人との交流も生まれ、そこから成長のチャンスも増えます。また笑顔は、これはもう、ホテルマンという接客業の根底にあるものです渋谷:英語力も大事です。時間がない時は、イメージの中で英語を喋っています(笑)。セールスマンという仕事は、最小限の活動で単価を上げることが要です。お客さんの開拓も自分次第なので、心と技術と知識の3つが必要なスキルだと思っています。おつきあいしたいお客様が求めているものを積極的に情報発信して、広めていくことも非常に重要です反町:スキルアップを考える上で、『知らないことが怖い』を知っておくべきでしょう。あるテレビ番組で跳び箱を飛べない4年生の女の子に、プロのトレーナーが教えると、30分で6段を飛べるようになった。知ることによって、フィールドが広がるでしょう。僕は、会計、税務、金融、映画の知識を身に着けて、融合させ、跳び箱でいえば、10段、15段と飛べるようになりたいですね。そのために様々な知識を結実したいです。また思いついたらすぐに実行するタイプで、寝ないで企画書を書いてしまうこともあります小堀:寝ないでやるというのは、オタク体質だよね、基本的に(笑)。私もそうです。眠くならないくらい夢中になる、興奮するというのが、究極のスキルの取得方法。言葉を換えると、スキルの取得は狂気じみているってことかな。――集中してスキルをアップするのは、強烈な努力が必要ということですね。ありがとうございました次回は人脈作りのコツについてです。
2015年08月22日北野武監督最新作のバイオレンス映画『アウトレイジ』の女性限定試写会が6月7日(月)、東京・西新橋のワーナー・ブラザース試写室で行われ、MCを務めた北野監督と同じ所属事務所のタレント、山本モナとシネマカフェの女性読者26人がワルい男についてトークを繰り広げた。モナさんを含め20代から40代の27人が鑑賞。先の読めないストーリー展開と緊張感あふれる映像に、終始、全員がスクリーンに食い入るように見入っていた。話題のバイオレンス描写には、さすが目や口を覆う人が続出。とある場面では1人が途中退出するものの、気分を整えて数分後には席に戻った。座談会が始まると、「手がこわばった」、「怖くて薄目でしか観られなかった」などと緊張から解かれた様子で、堰を切ったように声が上がった。モナさんが「カンヌ(国際映画祭)では賛否両論という評判でしたが、実際に観てどうでした?」と問いかけると、「目を覆ってしまう映像はあったけど、ストーリー、内容が面白いと思った」、「ここまでやっちゃっていいの?と思ってドキドキした」と、ここでも熱い意見が飛び交った。本作は、やくざの縦社会で勃発した組同士の抗争の中で生き延びようとする男たちの姿を描く群像劇。一番トキめいたキャストを聞く質問には、3分の1が英語を話すインテリやくざ役の加瀬亮の名をあげた。真面目で人の良さそうな役のイメージが強い彼だが、本作では「渋くてかっこいい」という、これまで知らなかった一面を見たという声も。ほかには三浦友和、椎名桔平、小日向文世ら票が割れ、多彩なアンサンブル劇らしい結果に。内容については「組織という意味では、やくざ社会も普通の会社でも同じで、悪いのは上にいる人とか、裏で糸を引いている人なのかも」と一般社会の縮図と捉えた意見や、「これの女版があったらコワイ…」などの感想も。最後にモナさんが「ある種のイケメン映画ってことですかね」とまとめると、大半が頷いた。終了後、モナさんは「男性はやられたらやり返す。それは女性にはない部分。ここまで男が男らしさを出すことって最近ない気がする。肉食系の男臭さがすごく出ていて、草食系に辟易している女子なんかにはサイコーの映画」と肉食系にシビれた様子。草食系より肉食系が好み?の問いには、「あんばい、というかバランスですよね」と冷静だった。『アウトレイジ』は6月12日(土)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:アウトレイジ 2010年6月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010『アウトレイジ』製作委員会■関連記事:ランキング企画!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5社長になってほしい俳優といえば?【カンヌレポート 最終回】バルデム受賞にペネロペ涙!最高賞はタイ作品山本モナと“男たち”を語ろう!『アウトレイジ』女性限定試写会&座談会に10組20名様ご招待【カンヌレポート 04】たけし、批評家の採点は辛口も観客からは5分の拍手の嵐世界のキタノ、ヤクザ映画でカンヌへ殴りこみ!『アウトレイジ』コンペ出品決定
2010年06月08日