アメリカのシンガーソングライター、キャロル・キングの半生を彼女自身がつくった名曲とともに綴るミュージカル『ビューティフル』が2020年11月5日(木)から帝国劇場で開幕した。3年ぶりの再演だが、主演の水樹奈々と平原綾香をはじめ、メインキャストは日本初演のメンバーが全員揃った。舞台は、ニューヨークに住む16歳のキャロル(水樹奈々/平原綾香※Wキャスト)が、教師になることを勧める母のジニー(剣幸)の説得を振り切って、プロデューサーのドニー・カーシュナー(武田真治)に曲を売り込みに行くことから始まる。ドニーに認められて作曲家としての一歩を踏み出したキャロルは、カレッジで出会ったジェリー・ゴフィン(伊礼彼方)と恋に落ち、作曲家・作詞家としてコンビを組むことに。そして、妊娠、結婚。キャロルは、ヒット曲を作りながら、仕事と子育てに奮闘する日々を過ごす。2人は、ドニーがプロデュースする作曲家バリー・マン(中川晃教)と作詞家シンシア・ワイル(ソニン)のコンビと互いにしのぎを削り、1960年代のアメリカ・ヒットチャートの首位を争う。すべてが順調に思われたが、時代が変わり、ヒット曲を書き続けなければならないという焦燥感からジェリーが精神的に追い詰められて……。『A Natural Woman』や『The Locomotion』、『You’ve Got A Friend』などのヒット曲を作曲したキャロル・キング。本作は、60~70年代のアメリカのみならず、世界中でヒットした彼女の楽曲が散りばめられた、いわゆる「ジュークボックス・ミュージカル」だ。楽曲の素晴らしさはもちろんだが、キャロルの波乱の半生を軸に、作詞家・作曲家のクリエイターたちの音楽が生まれるまでの苦悩、当時の音楽業界の内情なども丹念に描かれており、芝居としても非常に見応えがある作品といえる。11月4日(水)夜に行われたゲネプロ(総通し舞台稽古)を観劇した。前回2017年の本作出演が初舞台だった水樹奈々は、再演となる今回、キャロル役が板につき、舞台を心から楽しんでいる様子が印象的。6日には第1子妊娠を公表したが、変わらず迫力ある歌声を披露していた。母になるということで、キャロル役をまた別角度から深めたような気もする。伊礼の演じるジェリーは、自身の才能の限界を感じながら、それを突破しようと刺激を求めて遊びに繰り出す。その焦りやどこか哀愁漂う芝居が特別いい。中川のバリーと、ソニンのシンシアのペアも、初演以上に息があっていて、作品を明るくする存在だった。上演時間は約2時間55分(休憩30分含む)。公演は28日(土)まで。取材・文:五月女菜穂
2020年11月09日エスティ ローダー(Estée Lauder)の名香「ビューティフル」が、アンディ ウォーホルとコラボレーション。限定フレグランス「ビューティフル アプソリュ オーデ パフューム スプレィ」が、2020年11月11日(水)より数量限定で発売される。“アンディ ウォーホルも愛した”花の香りエスティ ローダーの「ビューティフル」は“アンディ ウォーホルも愛した香り”として知られる、ブランドを代表するフレグランスだ。1,000本もの花々をブレンドした贅沢な仕上がりが特徴で、肌にのせると、リッチでエレガントな香りに魅了される。夜明けに摘んだチューベローズの花の香りを中心に、ミュゲ、ジャスミン、イランイランなど様々なフラワーノートをブレンド。白い花々のブーケを引き立てるように、フレッシュなオレンジ、みずみずしいマリーゴールドが香り立ち、豊かなベチバーやサンダルウッドのアンダートーンが複雑で奥深い余韻を残してくれる。カラフルフラワーの限定デザインに「ビューティフル」が初めて世に送り出されたのは1985年。花を愛するアーティスト、アンディ ウォーホルは、「私の新しい、お気に入りの香り」と宣言し、自ら身につけたという。それから35年。記念すべきアニバーサリーを迎える今年、アンディ ウォーホルとの究極のコラボレーションが実現した。エスティ ローダーとアンディ ウォーホルの花を愛する心を反映して、パッケージには、カラフルなフラワーモチーフをあしらった。1985年発売当時のボトルデザインから着想を得た、すっきりとしたシルエットのボトルには、花を想起させる現代彫刻のようなゴールドのキャップがコンビネーションされている。“忘れがたい”花の香り「プレジャーズ」そして、「ビューティフル」と並んで、いまエスティ ローダーの名香として注目を集めているのが「プレジャーズ」だ。「ビューティフル」同様に花々を主役にした「プレジャーズ」は、一度体感すると“忘れがたい香り”として人々を魅了する。イメージしたのは、春の雨に洗われた、花々の透明感。ホワイト リリーやホワイト ピオニー、ピンク ローズといった清らかなフラワーノートに、エキゾチックなベイローズでアクセントを加えた香りは、空気のようにやわらかく心地よい仕上がり。甘すぎず軽やかな「プレジャーズ」は、誰からも愛される好感度の高い香りとして、いま再び注目を集めている。【詳細】■エスティ ローダー x アンディ ウォーホル限定コラボレーション「ビューティフル アプソリュ オーデ パフューム スプレィ」50mL 15,000円+税発売日:2020年11月11日(水)三越伊勢丹グループ限定&数量限定品※2020年11月4日(水)より伊勢丹新宿店で先行発売(meeco取り扱い有り)■プレジャーズ オーデ パフューム スプレィ 15mL 4,800円+税、50mL 10,000円+税【問い合わせ先】エスティ ローダーTEL:0570-003-770
2020年11月08日キャロル・キングの半生を描くミュージカル『ビューティフル』が東京・帝国劇場にて11月5日(木)に開幕する。主演の平原綾香(水樹奈々とWキャスト)に話を聞いた。本作は、世界的に知られるアメリカのシンガーソングライター キャロル・キングの半生を、その名曲と共に綴るブロードウェイ発のミュージカル。日本では’17年に初演され、今回の再演では平原と水樹、中川晃教、伊礼彼方、ソニン、武田真治、剣幸という初演キャストが続投する。開幕を約一週間後に控え、平原は「初演よりもさらにパワーアップしています」と笑顔。「今回一番違うのは演出チームで、前回は本国からシェリー(・バトラー)が来日してくれて、海外ミュージカルらしさを大切につくりました。今回はコロナの影響もあって(上田)一豪さんが演出リステージされるので、日本の演出家ならではの、より内面に迫るお芝居になっている気がします」。さらに「前回は私にとっては2作目のミュージカルで大変なこともあったのですが、今回で『演じるってこんなに楽しいんだ』とすごく思えるようになりました。音楽で感じてきた“心のやり取り”が、お芝居でもあるんだってことを実感しましたし、稽古場では一豪さんと(キャロルのパートナー・ジェリーを演じる)伊礼さんと演技について奥深いところまで話し、追及できました。自分にそんな話ができるようになったことも嬉しいです」と充実した表情をみせる。コロナ禍という大変な状況での上演となるが、平原はそこに本作と重なるものを感じているという。「私自身もコンサートツアーは延期と中止になり、2日間だけ開催したのですが、あの時はこの状況でしかできないものができたし、歌が歌えたと思います。これはきっと、今に限らずみんなそうだと思うんです。だからこそ生まれる美しいものがある。この作品の冒頭で『人生の面白いところって、望みどおりになる時もあればならない時もある。だけど、望みどおりにならないとき、それでも人は何かを見つける』というキャロルの台詞があるのですが、それはこういうことなのかなって」平原が「キャロル・キングって、いつもニコニコしているイメージがあるし、順風満帆な人生だと思ってしまっていたのですが、実は壮絶だったことをこの作品で知りました。特にジェリーには本当に辛い目に遭わされますが、その彼を許して愛したからこそ『YOU’VE GOT A FRIEND』という曲は生まれたんだとも思う。この作品を観るとやさしくなれます」と語る本作は、11月5日(木)から28日(土)まで帝国劇場にて上演。今作ならではの“美しさ”をぜひ劇場で体感してください。文:中川實穂
2020年11月04日出産時、排便をしてしまうことがある、入院すると浣腸をする……。そんな話を聞いたことはありませんか? 産院によってもいろいろな方針があるようで、私の場合、第一子、第二子・第三子で対応が違いました。それぞれの産院での出産体験談をお話しします。 第一子出産では浣腸の処置があった私が第一子を出産した産院は、陣痛がきてから入院となった時点で浣腸の処置がありました。腸内の便をすべて出し切るために、浣腸後に便意がきても、しばらく我慢するように助産師さんから指示がありましたが、私はすぐにギブアップ! 浣腸後、すぐにものすごい便意の波がきて、即トイレへ行ってしまいました。 そして偶然かもしれませんが、排便後は急速に陣痛が強くなっていきました。 出産時の排便が不安…でも浣腸は嫌!出産時の排便が不安な反面、第一子出産時の浣腸後の「猛烈な便意」と「急激な陣痛の進み具合」から、私は浣腸がトラウマになってしまいました。 そのため、第二子、第三子の妊娠中も「また出産のときに浣腸をしたら嫌だな……」と不安に思っていました。かといって、夫の立ち会い出産を予定していたので、「いきんだときに便が出てしまうのも恥ずかしいし……」と、気持ちの葛藤があったことを覚えています。 第二子・第三子の出産では浣腸なし ところが、第二子、第三子のときはそれぞれ別の産院での出産となりましたが、どちらの産院も浣腸の処置がありませんでした。このとき、産院によって方針が違うことを初めて知りました。 そこでバースプランを伝える際、助産師さんに第一子出産時の浣腸で不安になったことを話したところ、「出産時の排便は自然なことだから、最近は浣腸をしない病院も増えているんだよ」と教えてくれました。便が赤ちゃんに触れる前に助産師さんがしっかり処置してくれるので心配ないとのことでした。 出産時の排便は自然なこと、さらに出産時はそれでころではない!とはいえ、排便したかどうか気になるものです。浣腸の処置があるかないかも含め、不安なときは医師や助産師さんに相談してみると不安が軽減しますよ。これから出産を迎えるママは、不安を取り除いてから出産に臨めるといいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー イラスト:imasaku監修/助産師REIKO著者:東 慶子三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。
2020年08月10日『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』シリーズの最新作となるアニメーションシリーズ「ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ」が、9月18日(金)より「Netflix」にて配信決定。予告編と、巨大な肉食恐竜がいまにも襲い掛かりそうなキービジュアルも到着した。イスラ・ヌブラル島にあるキャンプ場“サバイバル・キャンプ”を訪れたのは、6人のイマドキ少年少女たち。ひと夏の冒険として安全に楽しい恐竜たちの世界を体験するはずが一転、トラブル発生により島に取り残され孤立状態に。外界との連絡手段も閉ざされた中、ついに野放しとなった危険な恐竜たちが次々と襲いかかる――。巨匠スティーヴン・スピルバーグほか、ハリウッド最高峰の製作チームが手掛けてきた『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』シリーズの最新作となる本作は、映画『ジュラシック・ワールド』(’15)と同じ時間軸を舞台に描かれる物語。スピルバーグ監督はもちろん、彼と共にコリン・トレボロウらが製作総指揮を務め、実写版のクリエイターたちが製作総指揮として参加、アニメーションで新たに表現する。今回到着した予告編では、アニメでも迫力満点な恐竜たちが続々と登場し、少年少女たちに襲い掛かる様子が描かれる。また、『ジュラシック・パーク』に登場したジープや、『ジュラシック・ワールド』に登場した球体型の乗り物ジャイロスフィアなど、お馴染みのビークルの姿も確認することができる。Netflixオリジナルシリーズ「ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ」は9月18日(金)より全世界独占配信。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング
2020年07月29日pixivで人気の湯本もゆさんの出産記をご紹介します。壮絶な出産とその後に起こった気持ちの変化、そして突然の体調悪化は一体…!?壮絶な痛みに耐え、無事息子を出産。痛みや不安から解放されると思ったのですが…。次回に続きます。6/29(月)14時公開予定!\人気作家の動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年06月28日SCANDALが、今年3月から開催予定だったワールドツアー「SCANDAL WORLD TOUR 2020 “Kiss from the darkness”」の国内全公演中止を発表した。2月21日にリリースされたアルバム『Kiss from the darkness』を引っさげて、全国で開催される予定だったワールドツアー「SCANDAL WORLD TOUR 2020 “Kiss from the darkness”」は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、一時開催を見合わせ、延期の方向で調整していた。しかし、緊急事態宣言解除後も続く屋内イベントへの一部制限など、万全の状態での開催が困難であり、さらなる会場のスケジュール調整の見通しも立っていないことから、全公演中止の判断に至ったとのこと。チケットの払い戻しの詳細は後日発表となる。また、ツアー中止の発表に伴い、幻となってしまった本ツアーを再現したライブを、SCANDAL結成14周年の記念日である8月21日(金)に一夜限りの生配信ライブとして開催することが決定した。視聴方法などの詳細は、SCANDALオフィシャルサイトまで。なお、ライブは有料配信のため、申し込みが必要となる。「SCANDAL WORLD TOUR 2020 “Kiss from the darkness” Livestream」開催日時:2020年8月21日(金)19:00~(予定)チケット料金:3,000円申し込み日程:2020年5月27日(水) 22:00~申し込みURL:
2020年05月27日yonigeが、九州のライブハウス6箇所を回る“健全な社会ツアー 爽秋編” と、オリックス劇場と中野サンプラザを回るホールツアー“「正しい言葉」ツアー” の開催を発表した。yonigeワンマンでの九州ツアー、ホールツアーは自身のキャリア初となる。ツアースケジュールは以下の通り。健全な社会ツアー 爽秋編10月3日(土) 大分clubSPOT10月4日(日) 宮崎SR-BOX10月6日(火) 鹿児島SR-HALL10月8日(木) 熊本Django10月10日(土) ホンダ楽器アストロスペース10月11日(日) 佐賀GEILS「正しい言葉」ツアー11月1日(日) オリックス劇場11月13日(金) 中野サンプラザチケット封入先行受付URL()受付期間 : 5月20日(水)12:00〜6月4日(木)23:59リリース情報yonige 2ndフルアルバム『健全な社会』5月20日(水)発売¥2,364(税抜) / ¥2,600(税込)収録曲1. 11月24日 / 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)プロデュース2. 健全な朝 / 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)プロデュース3. ここじゃない場所4. Intro5. 往生際 / 福岡晃子(チャットモンチー済)プロデュース6. あかるいみらい / 福岡晃子(チャットモンチー済)プロデュース7. メリークリスマスイヴ8. 春一番9. みたいなこと / 映画「おいしい家族」主題歌10. ピオニーyonige LIVE DVD『日本武道館「一本」』5月20日(水)発売¥4,500(税抜) / ¥4,950(税込)収録曲1. リボルバー2. our time city3. 最終回4. 顔で虫が死ぬ5. 2月の水槽6. バッドエンド週末7. アボカド8. センチメンタルシスター9. 悲しみはいつもの中10. ワンルーム11. 往生際12. どうでもよくなる13. 沙希14. サイケデリックイエスタデイ15. ベランダ16. しがないふたり17. 最愛の恋人たち18. トラック19. さよならアイデンティティー20. 春の嵐EN1. さよならプリズナーEN2. さよならバイバイ特典映像武道館ドキュメンタリー映像yonige「健全な朝」配信サイト()
2020年04月22日『ブラック・スワン』でアカデミー賞を受賞したナタリー・ポートマンがかつてない役柄に挑む『ポップスター』。今回、トラウマを抱えた“スター”の壮絶な生き様を熱演するナタリーの場面写真が解禁された。銃乱射事件の生存者として、追悼式で歌を歌ったことをきっかけに新進ポップスターへと上り詰めるも、度重なるスキャンダルで失墜。再起をかけたステージを控えながらも、再び悲劇に直面するポップスターのセレステ。ナタリーは、スターとして華やかに活躍しながらも、メディアの暴力に脅え、アルコールやスキャンダルに飲み込まれるポップスターを体現する。マスコミには強気な姿勢でスターとしての威厳を感じさせる一方、姉のエレノア(ステイシー・マーティン)をストレスのはけ口にしたり、自身の存在価値に悩みながらエレノアの胸で号泣したりと、感情をさらけ出す様子が。また、母でもあるセレステは、仕事が忙しくなかなか会えていない娘のアルビー(ラフィー・キャシディー)に優しく寄り添う一面も見せる。オスカーに輝く女優が本作で魅せる圧巻のステージと、ポップスターとして生きる壮絶な生き様を映した熱演は見逃せない。『ポップスター』は4月3日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ポップスター 2020年4月3日よりTOHO シネマズ日比谷ほか全国にて順次公開© 2018 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC
2020年03月24日『ジュラシック・ワールド』3作目のタイトルが判明した。『Jurassic World:Dominion』で、『Dominion』とは統治、支配という意味。恐竜が土地を取り戻すという意味なのか、想像がふくらむ。このタイトルは、コリン・トレボロウが撮影初日の写真と一緒にツイートで発表したもの。2015年の『ジュラシック・ワールド』で監督と脚本家を兼任したトレボロウは、2018年の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』では脚本と製作総指揮にとどまったが、今回はまた監督に復帰する。北米公開は2021年6月11日。文=猿渡由紀
2020年02月26日俳優としてだけでなく音楽アーティストとしても活躍する星野源。星野さん初のワールドツアーの模様に迫る特別番組「星野源スペシャル ~ワールドツアー ライブ&インタビュー~」が、2月15日(土)NHK総合でオンエアされる。大ブームとなった「逃げるは恥だが役に立つ」に大河ドラマ「真田丸」などで俳優としての顔を見せる一方、昨年も大ヒットアルバム「POP VIRUS」を携え開催された5大ドームツアーに全楽曲ストリーミング解禁、国内外のアーティストとのコラボレーションで注目を集めたEP「Same Thing」をリリース。4年連続で出場した「紅白」では同曲を披露するなどアーティストとしても国内トップクラスの人気を誇る星野さん。今回の特番では星野さんが上海、ニューヨーク、横浜、台北と4都市を巡った初のワールドツアー「POP VIRUS World Tour」の模様をダイジェストで紹介しつつ、ツアー後の星野さんにロングインタビューを敢行。ツアーをふり返っていく。さらに、2014年に全世界で大ヒットを記録した「アップタウン・ファンク feat.ブルーノ・マーズ」や、作曲で参加した「シャロウ~『アリー/スター誕生』愛のうた」ではレディー・ガガらとともにアカデミー賞歌曲賞を受賞するなど、現代を代表する音楽プロデューサー・DJのひとりであるマーク・ロンソンが横浜公演に登場。「Week End」で星野さんとコラボした映像もオンエア。マークさんは2018年に星野さんとダブルヘッドライナーでライブを行って以来、交流を続けてきた。今回の星野さんのワールドツアーでも横浜公演にダブルヘッドライナーとして出演。互いのステージにゲスト出演し初共演を果たした。今回マークさんは番組の単独インタビューにも答え、星野さんの音楽の魅力を語るほか、マークさんが星野さんの音楽活動に与えた影響など知られざるエピソードも明かされるという。またBS8Kでは同ツアーよりニューヨーク・SONY HALLでの公演の模様をオンエア。「Pop Virus」「アイデア」「恋」など代表曲をはじめ、「Superorganism」のオロノとのコラボレーションも話題となった「Same Thing」まで存分に見せていく。「星野源スペシャル ~ワールドツアー ライブ&インタビュー~」は2月15日(土)23時~NHK総合テレビでオンエア。「星野源 LIVE in New York」は2月29日(土)16時~、3月8日(日)15時~NHK BS8Kでオンエア。(笠緒)
2020年02月15日日曜日(現地時間)、ワールドツアーを開催中のマドンナが、リスボンでの公演を開始45分前にキャンセルしたという。「BBC News」などが伝えた。20時30分から開始予定だった公演だが、19時45分に「残念ながら、マドンナは今夜パフォーマンスができないということをお知らせします」というメールがチケット所持者たちに送られたとのこと。マドンナ自身も「今夜はキャンセルしなきゃならなかったことに申し訳なく思う。でも、自分の身体の声に耳を傾け、休まないとね」とインスタグラムで謝罪した。今回のワールドツアーでマドンナが公演をキャンセルしたのは、これで8回目。ケガの痛みにより休養が必要とのことだが、具体的な内容については明らかにしていない。しかし昨年11月、サンフランシスコでの公演で、観客に「靱帯損傷と膝の痛み」と言っていたという情報もある。最近のコンサートでは、フラットシューズを履き、「見た目が本当にひどいというのはわかるけど、ブーツを履くか、ショーをキャンセルするかを選ぶなら…(フラットシューズを履く)」とコメントしていた。リスボンの公演は今週火曜日に振り替えが決定しているが、イギリスやスウェーデンなど他国から遠征予定だったファンの中には、「振り回さないで!」と怒りをあらわにする人も。「自分の評判を落としている。一度治療に専念して、完全に回復してからツアーに出た方がいい」と説くファンもいた。(Hiromi Kaku)
2020年01月21日マイケル・ジャクソン、ブライアン・ウィルソン、ニッキー・ミナージュといったレジェンドと呼ばれる超有名アーティストたち。彼らはみな子ども時代にトラウマになるような体験をしています。心の傷を抱えながら、彼らはいったいどうして多くの人を感動させるような創造性を開花していったのでしょうか。その鍵となる心理状態に入る方法は、なんと約800年前の日本ですでに説かれていました。そこにはうまくいかない日々でも、私たちが最善を尽くすためのヒントがありそうです。取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 19ジャジャジャジャーン! このイントロを文字で見るだけで、「『運命』?」とわかりましたか? それほどベートーヴェンが作曲した交響曲第5番はクラシック音楽のなかでも特に有名です。ところがそんな名作を生んだベートヴェンの幼少期は恵まれず、飲んだくれの父親にしばしば殴られていたと言われています。またTIME誌で最も影響力のある100人のひとりに選ばれたラッパーのニッキー・ミナージュも薬物中毒の父親を持ち、母とともに彼の暴力に怯えながら暮らしていたのだそうです。幼少期のトラウマから芸術を生む鍵、フロー状態。そんな子ども時代の心の傷を抱えながら、彼らはどうやって多くの人を感動させるような芸術を創造できたのでしょうか。科学者たちがトラウマ的な幼少期を経験した234人のアーティストたちを分析したところ、そこにはフロー(FLOW)という心理状態が鍵を握るようです(1)。フローが辛い実生活から逃れるための別の世界への入り口となり、芸術を生み出すプロセスになったというのです。彼らに共通していたのは創作の過程で完全に没頭し、我を忘れた状態になっていたということ。これがフロー状態です。フローという心の状態を提唱した心理学者、ミハイ・チクセントミハイ博士によればフローには8つの要素があります。フローに至る8つの条件。1. タスクに完全に集中している2. タスクのゴールとそれで得られる報いが明確で、すぐにフィードバックが得られる3. 時間を超えた感覚(時間が経つのが早かったり、遅かったり感じられる)4. やっていること自体に報い、やりがいがある5. ほとんど努力を要しない6. チャレンジがありつつも自分が持つスキルとの間の絶妙のバランスで行える7. 行為と意識が溶け込んで一体となり、忘我の境地になる8. 自分の力でコントロールしているという感じがある(PositivePsychology.comより抜粋翻訳)博士によると、人の神経系は毎秒110ビット以上の情報を処理できないといいます。例えば人の話を聞いて理解するには60ビットが必要とか(2)。簡単すぎるタスクに退屈しながら他のことが頭に浮かんでも、逆に難しすぎて110ビットのキャパシティオーバーになってもフロー状態には入れません。意識が処理できる情報量をフルで扱うような完全没頭状態に入ると、もはや空腹感や痛み、明日への不安、「わたし」という感覚でさえ処理する力が残っていません。そのため、それらを捉えることができなくなります。そこではトラウマを抱えたアーティストたちを苦しめる恥の意識や不安、落ち込みといった否定的な感情も薄れていくのでしょう。そこでフローは、創造性につながるだけではなく、幸福の鍵であるとも博士は考えています。得意のピアノを弾くなり、友達と夢中で過ごすなり、ジャンガをするなり、没頭できる仕事をするなり、どんな方法でも良いのですが、自分を感じられないほど集中することができるとそれはフロー状態になっています。800年前の日本で、”フロー”の秘伝は説かれていた。さてこのフローですが、実は約800年前の日本で「ある方法だと毎日の生活でキープできるよ」と教えた人がいます。鎌倉初期の禅僧 道元禅師です。お寺という狭い空間でたくさんの人たちが共同生活するためには、日常の動作は調和的なものでなければなりません。そこで道元は、顔の洗い方、食事の仕方、布団の敷き方に至るまで細かな作法をしっかりと定めました。道元が建立した永平寺で修行するお坊さんたちの生活の様子はこちらで少し垣間見ることができますが、そこではひとつひとつの動作に一心に心を傾けるお坊さんたちの姿が見られます。そして彼らが動作と自分が一体となるような完全没頭状態で勤めているのがわかります。今は効率的であることが良いとされる時代ですよね。1日にどれだけ企画書が書けるとか、電話しながらメールを返して調べ物をしてと、いろいろなことが同時に行える多動力こそが良いとか。でも、もしもそれであなたの心が疲れているとしたら、やることを少し減らしてみてはどうでしょう。そして我を無くすほどひとつの行為に全身全霊で没頭してみませんか。そうすることであのアーティストたちが到達したような創造性の扉が開いて、思わぬ解決法がハッとひらめくかもしれませんよ。土居彩編集者。東京の薪割り暮らしを綴るブログ『東京マキワリ日記、ときどき山伏つき。』。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を務める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にてダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)を翻訳中。参考(1)Thomson,P.& Jaque.V.S.(2018).Childhood Adversity and the Creative Experience in Adult Professional Performing Artists. frontiers in Psychology.doi:10.3389/fpsyg.2018.00111(2)
2020年01月12日国内最大級の陶磁器フェア「やきものワールド」がドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されている。本イベントは“ドームやきものワールド”のタイトルで過去に11回開催され、昨年に「やきものワールド」にタイトルを改めた。今年はドルフィンズアリーナが会場で、海外から名古屋を訪れた人たちにも日本のやきもの文化の魅力を発信する。会場では地元の瀬戸をはじめ、全国の有名陶磁器の産地のブースが登場。多種多様な陶磁器を購入できるほか、貴重な器の展示、作陶体験ができるワークショップ、銀粘土で自分だけのシルバーペンダントトップをつくることができるイベント、豪華ゲストを招いたステージイベントなどが予定されている。場内では販売だけでなく、個性豊かな器のテーブルコーディネートを提案するエリアも予定されており、見て、ふれて、購入して“やきもの世界”を深く楽しめる内容になっている。やきものワールド11月28日から12月4日(水)9時から17時までドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)一般(中学生以上)1000円※小学生以下無料※65歳以上の方、身体障害者の方及びその介護者は当日窓口にて購入の場合800円【関連リンク】 やきものワールド()
2019年11月29日『君の名前で僕を呼んで』以降も、Netflix映画『キング』をはじめ話題作への出演が続くティモシー・シャラメ主演作『マイ・ビューティフル・デイズ』。この度、ティモシー演じる高校生が、憧れの先生と70年代ソングを熱唱する本編映像が初解禁された。ティモシーが英語教師ミス・スティーヴンスに秘かに恋心を抱く、行動障害がある男子学生ビリーを演じる本作。スティーヴンス先生役のリリー・レーブは舞台で活躍し、トニー賞ノミネート経験もある実力派で、本作でサウス・バイ・サウスウエスト映画祭最優秀女優賞を見事獲得。さらに、演劇大会に同行する優等生のマーゴットを、全米で大人気のTVシリーズ「リバーデイル」や大ヒット中の『Hustlers』(原題)に出演するリリ・ラインハート、陽気なサムをインフルエンサー・ブロガーとしてアメリカで絶大な人気を誇るアンソニー・クインタルが演じる。この度解禁となったのは、彼ら4人でカリフォルニアの演劇大会に向かう車中の本編映像。「古い曲ばかりですね」と明らかに選曲が気に入らないマーゴット(リリ・ラインハート)、気を使って「変えるわ」とチャンネル変更しようとするスティーヴンス(リリー・レーブ)を止めるビリー(ティモシー・シャラメ)と、独特のノリで歌に没入しだすサム(アンソニー・クインタル)。何とも個性豊かなやりとりがほのかな笑いを誘う。先生の年齢についての質問で微妙になりつつあった空気を吹き飛ばすかのように、ビリーは音量を上げ、今年結成50周年となるバンド「アメリカ」の1975年の全米No.1ヒット曲「金色の髪の少女」のサビに合わせて歌いだす。つられて歌いだすスティーヴンスの横顔を見つめるビリー。「諦めようとしたけど無理だ気持ちは消せない」という意味深なフレーズでサビが終わる、この曲。果たして週末の演劇大会を経て、先生とビリーの関係はどのような変化を見せるのか、展開が気になるシーンとなっている。『マイ・ビューティフル・デイズ』は11月1日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月10日全米ですでに公開中の話題騒然作品から、日本でも今年の暮れにかけて公開予定の注目作品まで、選りすぐりの4作品をピックアップしてみた。トラウマ・ホラー『Midsommar』超常現象もの、モンスターもの、殺人鬼もの等々、ホラーにも色々種類があるが、本作『Midsommar』はトラウマ・ホラーとでも名付けるか。とにかく見ている側は、緊張と不安のあまり自分の精神状態がヤバくなるのではないかという究極の恐怖を感じる脳幹奇襲型(!?)ホラー映画である。本作の監督は、『ヘレディタリー/継承』の仕掛け人アリ・アスター監督。アスター監督の提供する恐怖は、「明かりを消すのが怖い」とか「ベッドの下に呪われた人形が隠れているのではないか」といった恐怖とはまったく異なる。監督の崇拝者たちは『ミッドソマー』の美しくもおぞましく不快な描写を賛美し、反アスター派は作品の「グロテスク」さと「行き過ぎ」な性・暴力描写を糾弾する。アスター流恐怖の演出は、異常に不快なシーンをこれでもかというほど見せつけ聞かせ、見ている側は脳みそが気持ち悪くなる状態にまで追い込まれる異常な怖さだ。ソーシャル・メディアでは、「美しく強烈なホラー」、「これまでにない新しい恐怖体験が出来る!」など、怖いもの見たさをそそるコメントが目につく。『Midsommar』の予告編は、一見すると美しく大して怖いシーンもなさそうな映画に見せている。だが2時間45分の『Midsommar』体験では脳みそに恐怖をねじ込まれるという凄い体験をさせられる。そしてこの「脳みそ拷問」が快感だというホラー・ファンが多いのである。ともすると数日で忘れてしまうような作品が溢れている昨今のハリウッド映画界で、アスター監督の作品は異彩を放っている。刺激的に不快な同監督の持ち味を、「興味深い」と受け取るか「不快」と感じるかで、『ミッドソマー』への意見は180度変わってくる。だが得てして、周囲の状況に敏感で繊細な方や精神的に不安定な気分の時は、この映画を観に行かない方が身のためである…と言うと、かえって怖いもの見たさで劇場に押しかけるホラーファンが目に見えるようだが。劇場版では物足りなくアスター監督の「不快の美」にもっとドップリ浸かりたい方は、4時間版のディレクター・カットがブルーレイで公開予定。10月9日更新:邦題『ミッドサマー』として2020年2月に日本公開決定。殺人ピエロ再び現る『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』2017年に大ヒットしたスティーヴン・キングのベストセラー小説を基にしたホラー作品、待望の完結編。続編ではグッと豪華になった出演陣が話題となっている。もちろんペニーワイズ役は前作同様ビル・スカルスガルドだが、赤毛の少女ビヴァリーの大人役をアカデミー賞主演女優賞候補経験者ジェシカ・チャステインが演じている。クールなエージェントのような役柄が多いいつものジェシカからは想像できない選択だ。そして弟をペニーワイズに殺された少年ビルの大人役は、映画『X-MEN』シリーズのプロフェッサーX役でお馴染みのジェームズ・マカヴォイ。また、口の悪いリッチー少年の大人役を、人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」の人気者のビル・ヘイダーが演じている。ソーシャルメディアでは、心を動かす彼の熱演が話題になっている。2作目は、恐ろしい連続子ども失踪事件から何年もの年月が経過したあの田舎町から始まる。町の子どもたちが再び姿を消し出した。「負け組」の中では、マイクだけが恐ろしい思い出と共に町に残っていたがほかの仲間たちは、それぞれが大都市に引っ越し個々が成功した生活を営んでおり、恐ろしい思い出も風化しつつあった。そんなある日、マイクから「負け組」メンバーそれぞれに「どうしても至急帰ってきてくれ」という電話が入る。スタンレー以外の5人が顔を合わせ楽しい思い出を語るうちに、恐ろしい殺人ピエロの影が見え隠れする。スタンレー欠席の理由が分かるとともに「負け組」とペニーワイズの最後の死闘が幕をあける。ネタバレを避けるために多くは語らないが、この作品で真の主人公は心理学の根幹に位置する子ども時代のトラウマだ。本作は、数あるキング作品の中で最も恐ろしく同時に奥の深い作品かもしれない。スーパーマンが“悪”だったら?『ブライトバーン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の人気監督ジェームズ・ガンが製作にまわり、これまでジェームズ・ガン監督のチームでショートを製作していた新人監督デヴィッド・ヤロヴェスキーがメガホンを取り注目を集めたホラーサスペンス。本作の脚本を手掛けたブライアン・ガンはジェームズ・ガンの兄弟でマーク・ガンは従兄弟。スーパー・ヒーロー映画だらけのハリウッドで、本作はもしもスーパーマンが正義の味方でなく、悪の権化だったらどうなるかという新鮮な角度から攻めていく。カンザス州にあるブライトバーンという田舎町に住むトリーとカイル夫妻は、不妊治療を重ねても子どもができずに悩んでいた。そんなある夜、夫婦の農場に轟音が響き隕石が落下。その中にはかわいい男の赤ちゃんが入っていた。天の贈り物だと信じて赤ん坊をブランドンと名付け、我が子として育て始める夫婦。だが12歳の誕生日を境に優しく穏やかだったブランドンの性格が急変する。ブランドンを戒めようとした人たち、疑問を抱いた人々が次々に無残な死を遂げるという事件がおこる。愛する息子だがブランドンを疑わざるを得なくなっていた夫婦の身にも危険が迫る。そして地球にも。マーベル・ヒーロー映画の監督として有名になったジェームズ・ガンが、ライバル社DCコミックの英雄スーパーマンをモチーフにしたアンチヒーローものを製作したところが興味深い。「伝説の要素が備わった興味深いストーリー」「怖くて残酷で新鮮なアイデアの映画!」と評価する映画ファンが目立った。エンド・クレジットを観終わってから劇場を出ることをオススメする。『シャイニング』の30年後が舞台『ドクター・スリープ』2013年の出版と同時にニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーとなったスティーヴン・キングのホラー小説の映画化。巨匠スタンリー・キューブリック監督により映画化された『シャイニング』の続編。舞台となるのはシャイニングから30年以上が経過した現代。ダニーは幼少期にルックアウト・ホテルで体験した恐ろしい経験からトラウマに苦しみ続け、大人になってからもアルコール依存に走り、定職にもつけない状態だった。しかし、地元のホスピスで自分の特殊能力が患者の穏やかな最期を手助けできることを知って献身的に働くようになる。やがて自分と同じ能力を持つ少女に出会い心理的な強い絆で結ばれるダニー。だが、少女との出会いが過ぎ去ったはずの恐怖を呼び戻し、彼らのシャイニングを付け狙う恐ろしい生き物の存在を呼び寄せることになるとは思いもよらないことだった。歴代に残る名作ホラーの続編であることや、主演にユアン・マクレガーが起用されたことなどから前評判の高い作品。ユアンが演じるのは『シャイニング』では幼かったダニーが成長した姿だ。全米でもまだ未公開のため一般映画ファンの反応は未知だが、本来の全米公開が来年の1月24日だったところを、配給会社の米ワーナーブラザーズ側で、「映画の出来がかなり良い!」ということで、全米公開日が今年の11月8日に繰り上げられた。(text: Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)■関連作品:IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 2019年11月1日より全国にて公開©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2019年10月07日出産時、排便をしてしまうことがある、入院すると浣腸をする……。そんな話を聞いたことはありませんか? 産院によってもいろいろな方針があるようで、私の場合、第一子、第二子・第三子で対応が違いました。それぞれの産院での出産体験談をお話しします。 第一子出産では浣腸の処置があった私が第一子を出産した産院は、陣痛が来てから入院となった時点で浣腸の処置がありました。腸内の便をすべて出し切るために、浣腸後に便意がきても、しばらく我慢するように助産師さんから指示がありましたが、私はすぐにギブアップ! 浣腸後、すぐにものすごい便意の波がきて、即トイレへ行ってしまいました。 そして偶然かもしれませんが、排便後は急速に陣痛が強くなっていきました。 出産時の排便が不安…でも浣腸は嫌!出産時の排便が不安な反面、第一子出産時の浣腸後の「猛烈な便意」と「急激な陣痛の進み具合」から、私は浣腸がトラウマになってしまいました。 そのため、第二子、第三子の妊娠中も「また出産のときに浣腸をしたら嫌だな……」と不安に思っていました。かといって、夫の立ち会い出産を予定していたので、「いきんだときに便が出てしまうのも恥ずかしいし……」と、気持ちの葛藤があったことを覚えています。 第二子・第三子の出産では浣腸なしところが、第二子、第三子のときはそれぞれ別の産院での出産となりましたが、どちらの産院も浣腸の処置がありませんでした。このとき、産院によって方針が違うことを初めて知りました。 そこでバースプランを伝える際、助産師さんに第一子出産時の浣腸で不安になったことを話したところ、「出産時の排便は自然なことだから、最近は浣腸をしない病院も増えているんだよ」と教えてくれました。便が赤ちゃんに触れる前に助産師さんがしっかり処置してくれるので心配ない、とのことでした。 出産時の排便は自然なこと、さらに出産時はそれでころではない! とはいえ、排便したかどうか気になるものですよね。浣腸の処置があるかないかも含め、不安なときは医師や助産師さんに相談してみると不安が軽減しますよ。これから出産を迎えるママは、不安を取り除いてから出産に臨めるといいですね。著者:東 慶子三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー
2019年08月25日映画『マイ・ビューティフル・デイズ』が、2019年11月1日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー。ティモシー・シャラメ主演作だ。男子学生×女性教師の恋の物語映画『マイ・ビューティフル・デイズ』は、男子学生と女性教師の恋の物語。“あの頃 不器用な恋をした”のコピーとともに紹介された予告動画では、名前を呼んだり、彼氏の有無を確かめたりする男子学生ビリーと、彼の“視線の先にいる”恋の相手、英語教師ミス・スティーヴンスの姿が映し出されている。行動障害があるビリーは、人づきあいが苦手で無口。そんなおとなしい青年が、金髪の美しい英語教師ミス・スティーヴンスに秘かに恋心を抱く。ティモシー・シャラメ主演作主人公ビリー役は、『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた俳優ティモシー・シャラメ。撮影時19歳だったティモシー・シャラメのピュアな表情が魅力だ。10代の溢れる衝動とやるせなさを閉じ込めたような繊細な演技に、目を奪われるだろう。スティーヴンス先生役には、トニー賞ノミネート経験もある実力派リリー・レーブ。本作でサウス・バイ・サウスウエスト映画祭最優秀女優賞を見事獲得している。ナンシー・シナトラの「I USED TO THINK IT WAS EASY」や1970年代のヒット曲「金色の髪の少女」などのサウンドとともに描かれるのは、演劇大会に挑んだ週末の出来事。先生と学生の4人で挑み、傷つき、笑い、恋をした忘れられない時間がドラマティックに描かれる。ストーリービリーは人づきあいが苦手で無口な高校生。彼が気になるのは英語教師でどこか憂いのあるスティーヴンス先生。ある週末、ビリーはクラスのリーダー的存在の女の子マーゴットに誘われ、陽気なサムと、引率を引き受けたスティーヴンス先生の4人で車に乗り<演劇大会>に参加することに。一方スティーヴンス先生は、出発前に校長から心配ごととして、ビリーには行動障害があり薬を飲んでいることを告げられる。生徒との関係には細心の注意を払いたいスティーヴンス先生だったが、真っ直ぐ感情をぶつけてくるビリーに翻ろうされ----。【作品情報】『マイ・ビューティフル・デイズ』公開日:2019年11月1日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかロードショー監督・脚本:ジュリア・ハート製作:ジョーダン・ホロウィッツ出演:ティモシー・シャラメ、リリー・レーブ、リリ・ラインハート
2019年08月19日ティモシー・シャラメが『君の名前で僕を呼んで』『レディ・バード』以前に主演した『マイ・ビューティフル・デイズ』(原題:Miss Stevens)が、11月1日(金)より公開決定。予告編とポスタービジュアルが解禁となった。ストーリービリーは人づきあいが苦手で無口な高校生。彼が気になるのは英語教師でどこか憂いのあるスティーヴンス先生。ある週末、ビリーはクラスのリーダー的存在の女の子マーゴットに誘われ、陽気なサムと、引率を引き受けたスティーヴンス先生の4人で車に乗り、演劇大会に参加することに。一方、スティーヴンス先生は、出発前に校長から心配ごととして、ビリーには行動障害があり薬を飲んでいることを告げられる。生徒との関係には細心の注意を払いたいスティーヴンス先生だったが、真っ直ぐ感情をぶつけてくるビリーに翻弄され――。撮影時19歳!10代最後のティモシーの煌めきがここに…『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、世界が最も期待する若手俳優となったティモシー。本作では、ブロンドの美しい英語教師ミス・スティーヴンスに秘かに恋心を抱く、行動障害がある男子学生を演じる。本作の撮影時は19歳。10代の溢れる衝動とやるせなさを閉じ込めたような繊細な演技は、今日の活躍ぶりを十分に予想させるものとなっている。スティーヴンス先生を演じるのは、トニー賞ノミネート経験もあり、人気シリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリー」に欠かせない存在である実力派リリー・レーブ。本作で「サウス・バイ・サウスウエスト映画祭」最優秀女優賞を見事獲得した。演劇大会に先生と学生の4人で挑み、傷つき、笑い、恋をした忘れられない週末が描かれる本作。カーラジオから流れる「アメリカ」の70年代のヒット曲「金色の髪の少女(Sister Golden Hair)」の歌詞がスティーヴンス先生を慕うビリーの心に寄り添い、切なさと感動を深め、ナンシー・シナトラの「I USED TO THINK IT WAS EASY」が個性豊かなキャラクターの心情を彩るなど、懐かしいヒット曲が10代のビリーと年上のスティーヴンス先生との距離を近づけていく。本作の世界観を作り出す大きな役割を担う挿入歌にも注目だ。「あなたのことばかり、考えている」密かで、熱烈な恋心今回解禁になった予告編では、「あの頃 不器用な恋をした」というコピーと共に、スティーヴンス先生を見つめるビリー、名前を呼んだり彼氏の有無を確かめたりするビリーと、彼の情熱に戸惑いながらも向き合おうとするスティーヴンス先生の姿が描かれる。わずか数日間の週末の出来事ながら、彼らの確かな痛みと成長に向き合う本編への期待が膨らむ。同時に解禁となったポスタービジュアルは、頬杖をついてどこかを見つめるビリーとスティーヴンス先生の姿があしらわれている。爽やかな黄色と落ち着いたネイビーの配色は2人のコントラストを描いているかのよう。「あなたのことばかり、考えている」というコピーも胸に迫る1枚となっている。『マイ・ビューティフル・デイズ』は11月1日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年08月16日パラレルワールド=2つの異なる世界に迷い込んでしまった男が、真実を追い求める謎解きミステリー『パラレルワールド・ラブストーリー』。近年は俳優としても目覚ましい活躍を見せている玉森裕太だが、本作では監督をも魅了してしまう大人の色気を見せているという。「Kis-My-Ft2」として歌やバラエティなど様々な場所で活躍し、今作では約4年ぶりの映画主演を務める玉森さん。愛する恋人の麻由子(吉岡里帆)と幸せな生活を送っていたが、ある日、目を覚ました世界では麻由子は親友・智彦(染谷将太)の恋人として存在。目を覚ますたびに入れ替わる世界を体験する主人公の崇史を演じている。本作の監督・森義隆は「彼は、どちらかというと感情の発散は苦手なんですけど、そのぶん、ひき込む力がかなり強い。何も語らずに立っているだけなのに、どうしても放っておけない感じというか、その中身を覗き込みたくなる感じというか、ブラックホールみたいな求心力がある」と玉森さんについて語る。そして「嫉妬とか混乱とか悶々としたものを心の内に抱えて、それでいながら作品の真ん中に立っていなければならない役で、そういう玉森くんの資質はすごくフィットしたと思います」とそんな“ひき込む力”は、崇史という役と非常に相性が良かったようだ。また、「この現場のどこかで『映画俳優・玉森裕太』という存在が誕生する瞬間を作り出せないと映画は失敗に終わるだろう。逆に言えば、その瞬間が作り出せれば映画は面白くなる」と確信していた森監督。ゆえに撮影中には玉森さんにかなりのプレッシャーをかけたそう。玉森さんも「撮影期間中はずっと自分の中のどこかに常に崇史がいるようにするため、友達と会うのもやめていました」と明かし、「日頃からずっと智彦と麻由子のことを考えていました。考え過ぎて訳がわからなくなることもありましたけど」とそのストイックな役作りを語る。さらに、撮影中盤に差し掛かると、大体のことが共有でき始め、監督と玉森さんの間でしか分からないニュアンスで演出が行われるまでになったという。玉森さんの中でも崇史像が出来上がってきており、森監督は「その男は確かにいやな奴なんだけど、それ以上に男としてかっこよくて色っぽいんですよね。撮っていてすごく楽しかったし、なんかドキドキして、最後は僕自身が彼の魅力にひき込まれてましたね(笑)」と玉森さん演じる色気炸裂の崇史に魅了されていたと話している。ルックスや知性に恵まれ、誰からも好かれる非の打ち所がない崇史が突如、パラレルワールドに迷い込むことで、混乱や恐怖、嫉妬に駆られる様子を、静かに、そして生き生きと演じている玉森さん。監督をもドキドキさせた“大人の色気”をぜひ、本作でご堪能あれ。『パラレルワールド・ラブストーリー』は5月31日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:パラレルワールド・ラブストーリー 2019年5月31日より全国にて公開©2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会©東野圭吾/講談社
2019年05月19日トラウマ・ホラーの代名詞『マーターズ』で監督を務め、ホラー・ファンに一躍その名を轟かせたフランスの鬼才パスカル・ロジェ監督が6年ぶりにメガホンをとった『GHOSTLAND』が邦題を『ゴーストランドの惨劇』とし、日本公開することが決定。併せて、メイン写真が解禁となった。■ストーリー人里離れた叔母の家を相続し、そこに移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。姉のヴェラは奔放で現代的な少女。一方、妹のベスはラヴクラフトを崇拝する内向的な少女で、双子の姉妹ながら性格は正反対だった。新居に到着したその日の夜、2人の暴漢が家に押し入り、突然の惨劇が一家を襲う。娘を守ろうとする母は必死に反撃。そして姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにしてしまう。惨劇から16年後、ベスは小説家として成功したが、ヴェラは精神を病み、いまもあの家で母と暮らしていた。久しぶりに実家に戻ったベスを母は迎え入れるが、ヴェラは地下室に閉じこもっていた。そして、ベスに向かって衝撃の言葉をつぶやく――。■トラウマ・ホラーの鬼才が仕掛ける“絶望のトリック”本作で監督を務めるのは、フランスの鬼才パスカル・ロジェ監督。2009年に渋谷の劇場で公開された作品『マーターズ』の壮絶な内容は、『サスペリア』のダリオ・アルジェント監督も絶賛。瞬く間にホラー・ファンの間で話題沸騰となり、公開から10年経った現在もトラウマ・ホラーの代名詞として名前が挙がるほど。本作は、2012年の『トールマン』を経て、6年ぶりにロジェ監督が撮り上げた待望の長編作品。主人公の姉妹が絶望的な惨劇に巻き込まれる様は、女性2人を主役に据えた『マーターズ』と通じるものがある。本作ではさらに全編に張り巡らせた伏線と罠に、観る者は巧みに翻弄され、ロジェ監督が作り上げた“狂気の迷宮”に迷い込んでいく。今回解禁となったメイン写真は、暗い部屋から覗く緊迫した表情の1人の女性が写し出されている。彼女の正体は?顔の傷と涙で潤んだ瞳が意味するものとは?好奇心を掻き立てられる1枚となっている。凄惨な恐怖描写は2度と見たくないが、罠にはまったあなたは必ず2回観たくなる――。映画史上最も不快なトラウマ映画に引き続き注目したい。『ゴーストランドの惨劇』は8月9日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年04月23日いま世界が最も期待する若手俳優ティモシー・シャラメが出演する『ビューティフル・ボーイ』がいよいよ4月12日(金)より公開。本作には、彼の名を一躍有名にした『君の名前で僕を呼んで』の長回しラストシーンにも匹敵する見どころが最後に用意されていることが分かった。8年という長い歳月をかけてドラッグ依存を克服し、いまやNetflix「13の理由」の脚本家として活躍する息子ニック・シェフと、彼を支え続けた父デヴィッドら家族の物語となる本作。今回、そのエンドロールに、5分15秒に渡るティモシーの声による詩の朗読があることが判明した。ティモシーといえば、アカデミー賞にノミネートされた『君の名前で僕を呼んで』のラストシーン、彼の切ない表情だけを映し続ける、3分30秒にも及ぶ超長回しラストショットで観客を釘付けにした。溢れる感情を押し殺し、静かに1点を見つめる彼の瞳が物語る雄弁さは観る者の心を揺り動かし、映画史に刻まれるラストシーンと話題となった。本作のエンドロールは、別撮りで音声の録音をしたというフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン監督こだわりのシーン。朗読しているのは、放浪と酒びたりの人生を過ごしたアメリカの作家・詩人であるチャールズ・ブコウスキー(1920-1994)の「Let It Enfold You」(※日本語訳の刊行なし)。ブコウスキーはティモシーが演じたニック自身のお気に入りの作家のひとりで、文壇の一匹狼的な存在であり、アウトサイダーな彼はかつて自分の読者を“負け犬、能なし、嫌われ者”と総括。毒気の効いたユーモアと反骨精神に溢れた作品で、当時の若者たちから絶大な人気を得た。劇中でも大学の講義中にニックが読み上げるシーンもあり、いかにニックが“酔いどれ詩人”といわれた作家ブコウスキーに惹きつけられていたのか分かるものとなっている。本編が終わっても急いで席を立たずに、ティモシーの“イケボ”による朗読を堪能してみて。『ビューティフル・ボーイ』は4月12日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ボーイ 2019年4月12日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
2019年04月10日『君の名前で僕を呼んで』で初主演ながらアカデミー賞主演男優賞候補となり、世界中から熱狂的な賛辞が贈られたティモシー・シャラメ。彼の最新作となる『ビューティフル・ボーイ』では一転、薬物依存と闘う青年を「自分を100%捧げた」というほどの役作りを重ねて演じ切った。彼の俳優人生でターニングポイントとなったのは、繊細で卓越した演技力が要求される“同性愛者”と“薬物依存者”という2つの役柄。映画史を紐解いていくと、輝かしいオスカー俳優たちも過去にこの2つの役柄を演じ、俳優としての才能を開花させ、注目を集めてきた。今回は、多くのビューティフル・ボーイたちが演じてきた2つの役柄に注目した。■レオナルド・ディカプリオ 『太陽と月に背いて』&『バスケットボール・ダイアリーズ』『レヴェナント:蘇えりし者』で念願のアカデミー主演男優賞を受賞した、世界的なスター俳優レオナルド・ディカプリオ。彼はキャリアの初期、『太陽と月に背いて』(95)において、フランス文学史上に残る詩人アルチュール・ランボーを演じ、同じく詩人であったポール・ヴェルレーヌとの破滅的な愛を全身で表現。また同年に公開された初主演作『バスケットボール・ダイアリーズ』は、バスケットボールに夢中な“不良少年”がドラッグに手を出したことがきっかけで破滅の道をたどる様を描いた青春ドラマ。ティモシー同様に美しく堕ちていく様を体現した。■キアヌ・リーブス 『マイ・プライベート・アイダホ』&『スキャナー・ダークリー』『スピード』『マトリックス』『ジョン・ウィック』などのシリーズでその人気を確かなものにしたキアヌ・リーブス。彼は『マイ・プライベート・アイダホ』(91)で、市長の息子として裕福な家庭に生まれながらも、見せかけの環境を飛び出し、男娼として生活をする主人公スコットを演じた。突然眠り込んでしまうナルコプシーという病を抱えながら彼に恋するマイクを演じたリヴァー・フェニックスは、将来を期待されながらも本作公開の2年後にドラッグの過剰摂取により急逝。その後、『マトリックス』後に出演した『スキャナー・ダークリー』(06)では“物質D”とよばれる強力な麻薬がはびこる近未来のアメリカを舞台に、潜入捜査官フレッドことボブ・アークターが自身もドラッグにおぼれ、現実と妄想が入り混じる旅を、実写映像をアニメーション化する手法で描いた。■ヒース・レジャー 『ブロークバック・マウンテン』&『キャンディ』アメリカ中世部を舞台に20年間に渡り惹かれ合う2人の男を描いた『ブロークバック・マウンテン』(05)にてアカデミー主演男優賞にノミネート。共演は徹底した役作りでカメレオン俳優といわれるジェイク・ギレンホール。「普遍的なラブストーリー」として同作品賞にノミネートされるも、受賞には至らず様々な憶測を呼んだ。一転、『キャンディ』(06)では詩人志望の青年を演じ、恋人の画家志望のキャンディと互いに愛し合いながらもドラッグに溺れて転落していく道のりが描かれた。ヒースは『ダークナイト』撮影直後に処方薬の併用摂取で亡くなり、死後にアカデミー賞を受賞した。■ユアン・マクレガー 『ベルベット・ゴールドマイン』『トレインスポッティング』デヴィッド・ボウイを意識して作られたといわれる『ベルベット・ゴールドマイン』(98)。70年代にカリスマ的人気を誇ったバイ・セクシャルのロックスター、ブライアン・スレイドをジョナサン・リース・マイヤーズが演じ、ユアン・マクレガーは彼の人生に多大なる影響を与えるヴォーカリスト、カート・ワイルドを熱演。美形俳優たちの耽美な共演に多くの人が熱狂した。ジャンキーの役で、彼の名を世界中に知らしめた作品といえば、スコットランドを舞台に、ヘロイン中毒の若者たちの日常を斬新な映像感覚で描いた『トレインスポッティング』(96)。2017年には20年ぶりの続編となる『T2 トレインスポッティング』も公開され、話題となった。■ルーカス・ヘッジズ 『レディ・バード』『ある少年の告白』『ベン・イズ・バック』ティモシーと『レディ・バード』(17)で共演し、プライベートでも仲がいいことで知られるルーカス・ヘッジズは、同作において自らが同性愛者であることを家族に言えない苦悩を抱えるダニーを演じた。その事実が発覚するシーンは主人公レディ・バード(シアーシャ・ローナン)同様に観る者を驚かせた。そして、NYタイムズ紙によるベストセラーに選ばれた実話を元にした『ある少年の告白』(18)では、両親によって同性愛を“治す”矯正セラピーに通わされるジャレッドを好演。さらに、ドラッグ依存症の療養施設から抜け出し、家族の元に戻ってきた息子ベンを演じるジュリア・ロバーツ共演『ベン・イズ・バック』と立て続けに出演作が控える。■ティモシー・シャラメ 『君の名前で僕を呼んで』&『ビューティフル・ボーイ』ティモシーを一躍世界的スターダムに押し上げた作品は、自身の主演男優賞を含むアカデミー賞4部門にノミネートされ、見事脚色賞を受賞した『君の名前で僕を呼んで』。17歳と24歳の青年の、初めての、そして生涯忘れられない恋の痛みと喜びを共演のアーミー・ハマーと見事に体現し、世界中から熱狂的な賛辞が贈られた。その後『ビューティフル・ボーイ』においては、8年という長い歳月をかけてドラッグ依存を克服し、いまやNetflixオリジナルシリーズ「13の理由」の脚本家として活躍するニックを繊細に演じ、再び世界中を魅了している。『ビューティフル・ボーイ』は4月12日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ボーイ 2019年4月12日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
2019年03月16日ティモシー・シャラメとスティーヴ・カレルが父子役で出演する『ビューティフル・ボーイ』。美貌と実力を兼ね備えた新世代のトップ俳優が薬物依存症と闘う青年を演じた本作の役作りについて明かした。本作は、“人生は長い道のり。毎日、あらゆることが少しずつ良くなっていくんだよ”と、名曲「Beautiful Boy」の中で優しく語りかけるジョン・レノンのメッセージが、薬物依存の息子ニックに向き合う父デヴィッドの心情とシンクロし、愛のちからで人は何度でもやり直すことができると力強く胸に迫る珠玉の人間ドラマ。製作は『ムーンライト』ほか、本年度も『ビール・ストリートの恋人たち』『バイス』などを世に送り出すブラッド・ピット率いるPLAN B エンターテインメントが手掛ける。依存症と闘う息子ニックを演じたティモシーは、その高い演技力を認められゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされた。今回の難しい役どころに挑むにあたり、依存症への理解を深めるとともに9キロの減量を行ったティモシー。「自分を100%捧げた」と言うように、心身ともにニックへの役作りを進めていったという。衣装デザイナーのエマ・ポッターによると、衣装合わせの際もティモシーは減量中で、撮影を通して彼の体重の増減にも対応する必要があったとか。また、本作のみならず、ティモシーが役作りの一環としていつも行っていることがプレイリストの作成。ティモシーにとって、音楽は役作りにおいて一番大切な部分であり、自分の気分を高めてくれるという。本作の場合は、「ニルヴァーナ」や「シガレッツ・アフター・セックス」などを聴いており、「この映画のサントラも、監督が素晴らしい曲を揃えてくれたと思うんだ」とティモシー。「ニルヴァーナ」に関してはバンドの伝説的フロントマン、カート・コバーンについてのドキュメンタリー映画『モンタージュ・オブ・ヘック』も観たそうで、「『ニルヴァーナ』は疎外感や絶望を引き出すのに役立った」と語っている。撮影に使用した大学キャンパス内では、彼らの楽曲である「ハート・シェイプト・ボックス」を大音量でかけながら歩いてセキュリティに怒鳴られそうになったというエピソードも。ティモシーは、彼を一躍世界的スターダムに押し上げた『君の名前で僕を呼んで』の撮影時にももちろん専用プレイリストを作成していたそうで、「今、それを聴くと、気持ちはすぐにあの時に戻っていくよ」と回想する。映画界を牽引する、いま最もホットな俳優ティモシーが徹底した役作りによって開拓した新境地を、最新作で確かめてみてほしい。『ビューティフル・ボーイ』は4月12日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ボーイ 2019年4月12日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
2019年02月28日ティモシー・シャラメが第76回ゴールデン・グローブ賞に続いて第72回英国アカデミー賞でも助演男優賞にノミネートされた最新作『ビューティフル・ボーイ』。この度、父と息子の抱擁に胸が熱くなる日本版オリジナル予告とポスタービジュアルが解禁となった。8年という歳月をかけてドラッグ依存を克服した、Netflixオリジナルの社会現象ドラマ「13の理由」の脚本家ニック・シェフの実体験をベースにした本作。音楽ジャーナリストの父親デヴィッドと、彼の息子であるニックがそれぞれの視点から描いた2冊のベストセラー回顧録を原作に、ブラッド・ピット率いる「PLAN B エンターテインメント」が製作を手掛けた。この度、解禁となった日本版予告映像は、作品タイトルにもなっているジョン・レノンが当時5歳の愛息ショーンに贈った名曲「ビューティフル・ボーイ」を父デヴィッド(スティーヴ・カレル)が子守歌として優しく口ずさむシーンから幕を開ける。そこから一転、成長した息子ニック(ティモシー・シャラメ)と、デヴィッドがダイナーで向き合うシーンに切り替わると、激しいやりとりが。乱れた姿で、「恥ずかしいんだろ!自慢の息子がこんな姿になって」と父に叫ぶニック。お気に入りの音楽を一緒に聞いたり、ビーチで遊んだり、鮮やかな時間を共有してきた父と息子が、やがてドラッグによって引き離されていく。もがき、闘う息子と彼を愛し信じ続ける父。海外版オリジナル予告編の良さを生かしながらも、堕ちていく姿さえも美しいティモシーと、無償の愛と慈しみを与えるスティーヴの演技が、観る者の胸を締め付ける。そして映像の最後は、本編で最も印象的な2人の抱擁と言葉で締めくくられる。愛を伝える際の言葉として「I love you more than ANYTHING.」(ほかの何よりも愛している)が一般的なところを、あえて「I love you more than EVERYTHING」(すべてをこえて愛してる)と表現する父と息子。そこから、「すべて(EVERYTHING)」というのが、いつしか2人の合い言葉となっていく様をニックの成長と共に見せる。父から息子へ贈る「すべてをこえて愛してる」というストレートな言葉は、胸に突き刺さる。また、冒頭のジョン・レノンの楽曲に加え「シガー・ロス」による音楽も印象的で、エモーショナルに予告編を彩っていく。ポスタービジュアルは、映画を象徴する父子の抱擁をそれぞれの表情から捉えたもの。2人に寄り添うように入る「すべてをこえて愛してる」というコピーが、温かな希望をも感じさせるビジュアルとなっている。『ビューティフル・ボーイ』4月12日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ボーイ 2019年4月12日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
2019年02月20日ハンティング・ワールド(HUNTING WORLD)が、1月13日、ミラノで、2019-20年秋冬メンズコレクションを発表。
2019年02月02日ティモシー・シャラメがドラッグ依存症の息子を演じ、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞にノミネートされた『ビューティフル・ボーイ』の日本公開日が4月12日(金)に決定。併せて、日本語字幕の付いた海外版ロング予告編が解禁された。製作は、『ムーンライト』『それでも夜は明ける』にオスカーをもたらしたブラッド・ピットが代表を務めるプランBエンターテインメント。ブラッド本人がプロデュースを手掛けた息子とその家族との愛と再生を描く物語で、ティモシーはドラッグ依存の息子を、『フォックスキャッチャー』のスティーヴ・カレルがその父親を熱演する。今回解禁された初の映像となる“日本語字幕付き海外版ロング予告編”はスティーヴ演じる父・デヴィッドと、ティモシー演じる息子・ニックが、ダイナーで向かい合うシーンからはじまる。ドラッグに堕ちていく息子を支える父親の苦悩がにじむ、胸が締め付けられる言葉とともに映し出されるのは、息子との美しく眩しい思い出の数々と、どんな父子よりも強い、と信じて疑わなかった絆。「I love you more than everything(すべてをこえて愛してる)」という父のセリフから、“Everything(すべて)”という2人だけの合い言葉と抱擁に、大きな愛と希望を感じさせるエモーショナルな予告編となっている。2018年のアカデミー賞授賞式でゲイリー・オールドマンに「君は絶対ここに戻ってくる」と言わしめたティモシーは、本作でもその才能をいかんなく発揮、本作でゴールデン・グローブ賞助演男優賞にノミネートされたほか今年も賞レースを牽引中。家族からの大きな愛を受けながらも、ドラッグに手を染めてしまう葛藤、心情の変化も細やかに表現した彼はアカデミー賞ノミネートも有力視されている。『ビューティフル・ボーイ』は4月12日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビューティフル・ボーイ 2019年4月12日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
2019年01月21日ホラー映画『へレディタリー/継承』が、2018年11月30日(金)に公開される。“トラウマ級”ホラー『へレディタリー/継承』は、トラウマ級の恐怖で全米を震撼させたホラー映画作品。グラハム家の祖母・エレンが亡くなるところからスタートする物語は、序盤から不穏な雰囲気に満ちている。祖母が家族に遺した“受け継いだら死ぬ何か”が、恐怖とともに家族に襲い掛かる。家の中の何でもない暗闇が映るだけで恐ろしく、じわじわと恐怖を観客の脳裏に刻んでいく。また、物語の全編にわたり、恐怖のフィナーレに至る伏線が張り巡らされており、周到に計画された本編の“謎”が見所となっている。監督はアリ・アスター監督・脚本を務めたのは、本作が長編映画監督デビュー作となるアリ・アスター。発想や演出、すべてのシーンが恐怖のラストへ繋がる計算し尽された脚本と、異常なまでの完成度は、ホラー映画の新たな到達点となったとの評価も受けている。主演は『シックス・センス』のトニ・コレット主演は『シックス・センス』『リトル・ミス・サンシャイン』のトニ・コレット。製作は、アカデミー賞作品賞に輝いた『ムーンライト』を生み出し、『レディ・バード』など、設立6年目にして話題作を次々と発表し、オスカー常連となった最注目の映画スタジオ・A24だ。ヒグチユウコ・政田武史などのイラストもグッチ(GUCCI)とのコラボレーションで知られる画家・絵本作家のヒグチユウコや、画家・現代美術作家の政田武史からは、作品をイメージしたイラストが寄せられた。想像力を掻き立てられるストーリーの世界観を表現している。ストーリーグラハム家の祖母・エレンが亡くなった。エレンは気難しく、謎の多い人物だった。エレンの遺品が入った箱には、「私を憎まないで」というメモが挟んであった。エレンの娘アニーは、過去の出来事がきっかけでエレンに愛憎入り交じる感情を抱いていた。自らの人生を精巧なミニチュアで表現するアーティストであるアニーは、エレンとの暗い思い出をミニチュアにし、セラピーにも通う。夫のスティーヴン、内気な高校生の息子ピーター、祖母に溺愛されていた対人恐怖症の娘チャーリーとともに、家族を亡くした哀しみを乗り越えようとしていたのだ。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでしまってことに気づかぬまま・・・。チャーリーの様子がおかしい。祖母が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめている。彼女の部屋を覗くと、アニーがミニチュアを作るように、チャーリーも自分の部屋でこっそりと人形を作り続けていた。それは、動物の生首とガラクタでできた狂気のオブジェだった。やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発する。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声が聞こえる、暗闇に誰かの気配がする・・・。そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺した“何か”とは一体?詳細映画『へレディタリー/継承』公開日:2018年11月30日(金)出演:トニ・コレット、ガブリエル・バーン、アレックス・ウォルフ、ミリー・シャピロ、アン・ダウド脚本・監督:アリ・アスター製作:ケビン・フレイクス、ラース・クヌードセン、バディ・パトリック原題:HEREDITARYPG-12
2018年12月02日長きに渡って私を苦しめることになる、トラウマを生んだ事故私にとっての一番古い記憶は、2歳の終わり、冬のできごと。家族で出かけようという際、何を思ったのか幼い私は「ちょっと待って、ストーブの上にあがりたい」と言い出した。両親と兄は、何の話なのか即座に理解できなかったという。そして私が石油ストーブによじのぼるやいなや、ストーブは傾き、火柱が上がった。炎が私の脚にまとわりついて、左右脚部に大やけどを追い、近くの病院に担ぎ込まれた。家族の慌てぶりが一切記憶にないのは、激しい痛みだけが頭の中を支配していたためだろう。思春期までは、脚に残ったケロイドの存在が忌まわしくてたまらなかったが、成長につれて膝の裏以外消えてしまったこともあり、成人するころには気にならなくなった。そして激痛に苦しんだという記憶はあるものの、リアルに思い出すことが不可能になり、今では「私、バカでしたよねぇ」とこの事故について笑って話すこともできる。ただし、こちらを目がけるように勢いよく立ち上ってきた火柱の様子は目に焼きつき、それに対する恐怖感は長い間消えることがなかった。天ぷら油火災の映像でフラッシュバック。事故の記憶がよみがえって…中学生のころ、報道番組であったか情報番組であったかは定かでないが、テレビ番組で防災に関する特集が組まれていた。不注意によって起こる事故、誤解されがちな防災の知識等が次々と流れてくる。それを何の気なしに眺めていた私は、ある瞬間に流れた映像を目にして凍りついた。食用油を加熱し過ぎた際に起こる、いわゆる天ぷら油火災を再現した火柱である。30年近く前の話なので、そのときの気持ちを正確に思い出すことはできない。ただ、当時家の手伝いや趣味として料理を始めていた私が、幼いころのおぞましい事故を思い出していたことはしっかり覚えている。油を使う料理、特に揚げ物は、ちょっと注意を怠るととんでもない事故になるのだと認識した。そして、怠るまいと思っていても注意力を保つことが難しい私のこと、いつこのような事故を起こすかわからない。「自分がやけどを負うだけでも怖いけど、家が火事になったり、近隣に火が及ぶなんてことがあったら取り返しがつかない!」と怯えた私は「揚げ物だけはつくるまい」と決心したのだった。22歳から一人暮らしを始めて自炊を行うようになり、その後は結婚して家事を主に担う役割も経験したが、私は一切揚げ物料理をつくらなかった。完全にトラウマというやつで、自分が揚げ物をする姿を想像しただけで、やけどをした記憶までもが蘇ってくるのだ。その度にいちいちフラッシュバックを起こして硬直していては、日常生活が成り立たない。結婚していた当時は配偶者に、後に生まれ、「とんかつであれば毎日でも食べられる」と豪語する息子にさえ、「まあそういうわけで、私にとって揚げ物ができるというのは特殊能力に等しい。外食または買って食べるものであると思ってほしい」と事情を伝え、理解してもらっていた。とはいえ周りから見たら、2歳のときのできごとなんて、とんでもなく昔の話である。人によれば、記憶に残っていなくてもおかしくはない。ゆえに私の実母は「息子の好物がとんかつなんだから、揚げ物ぐらいできるように頑張らないと」などと言う。しかし言われれば言われるほど私は頑なになった。「そんなに簡単なものではない」と。実際、わが子の好物なのだからと、自発的につくろうとしたことがあったのだが、手が震え、額に汗がにじみ、材料を並べるだけが精一杯だった。息子も特性に凸凹が…「頑張ってもできない」と「克服すべき」で揺れる心さて、わが家には学校へ行かず、自宅学習をしている9歳の息子がいる。自閉スペクトラム症(ASD)と診断され、注意欠如多動性障害(ADHD)の傾向も認められる彼は、その特性のためか、エネルギー出力に波がある。集中して大量の課題に取り組める日もあれば、充電が切れてしまったかのように何もできなくなっている日もある。タスクを後回しにしてしまうことも少なくないため、学校からいただいている課題が遅々として進まない。おまけに大好きな算数ばかりに取り組むものだから、他の教科、特に国語の漢字練習などは、まだまだ学年初めごろのページに取り組んだり取り組まなかったりといった状況だ。無論、それは「努力してもどうにもならない特性」であり、だからこそ学校生活が息苦しくなってしまったことは理解しているつもりだ。しかし、勉強につき合っているのは教育のプロでも何でもない、中卒の私。そして、私自身、家で仕事をしている身なので、きちんと見てあげられている自信が全くない。そういうときに限って「子どもが保護者の指導なくして、自分の意思で学習できるわけがない」というような、ネガティブな情報が入ってくる。やはり、毎日の学習を習慣づけるように、学ぶ教科に偏りを出さないようにと強く指導したほうがいいのかと悩んだ。息子より先に学校へ行かないという選択をしたお子さんを育てている友人に相談すると、「大丈夫だよ。うちの子も2年ぐらいは、私がいくら言っても勉強しなくて、最近ようやくフリースクールに行きたいって言い出したんだもん。放っておいても、やりたいことが見つかれば自分から勉強を始めるよ」と返ってきた。主治医の先生に聞いても、同様の答えだった。好きなことにはのめり込みやすい特性を踏まえたら、確かにそこから学習に繋がるように誘導したほうが良さそうだ。そして息子自身から「やらなくてはいけないと思っているのに、できない。これでも焦っている」という言葉を聞いている。トラウマと特性とでは少し意味合いは違うかもしれないが、私が「揚げ物ぐらいできるように頑張らないと」と発破をかけられてもできないように、息子だって、毎日の学習を習慣づけろと指導されても、「そんなに簡単なものではない」のかもしれない。何より学習をするのは息子なのだから、私がとやかく言うのはかえって悪手である可能性もある。とはいえ、積み上げた教科書やノートを枕にして寝転び、電卓をカタカタ叩きながら、焦点の合わない目で天井を見上げる息子の姿を眺めていると、果たして本当にこれで良いのかと不安が募った。突如、あっさりとトラウマを克服した私Upload By 鈴木希望話は揚げ物に戻る。つい先月、夕食の準備をしようと冷蔵庫を覗いていた私は「今夜は豚肉の野菜巻きフライをつくろう」と突如思い立ったのだ。息子にせがまれたなどといったきっかけは別段ない。ほんの1か月前の話なのに、そのときの気持ちを思い出すことができない。ただ、無性に「揚げ物をつくりたい!」という欲求に駆られたことはしっかり覚えている。揚げ物をつくる過程は、母が料理している様子を見ていたので知っている。不思議と恐怖感はなく、いつもそうであるように、淡々と調理していた。初めてのことなので、上手くできるかという不安はあったが…。生まれて初めて私がつくった揚げ物は、われながら上出来で、息子にも好評。「もしかして、これからは家でもとんかつが食べられる?」とはしゃぐような声で息子に問われ、「そうだね。頑張ってつくっていこうかな」と私は答えていた。つくろうとして材料を並べただけで、実際に火柱を見たわけでもないのにフラッシュバックに苦しみ、つくることができなかった揚げ物。「そんなに簡単なものではない」はずだったことが、実にあっさりこなせてしまった。驚きすぎて、感嘆の言葉さえ出てこなかったほどだ。トラウマについて、特別なセラピーを受けたわけでもない。無理をせず、フラッシュバックのトリガーになりそうな物事から距離を置いているうちに、時間が解決してくれたのだろう。そしてふと、「息子にも時間が必要なのかも。何かに興味を持って、意欲的に学習に取り組む日も、時間がある程度経過してから、こんなふうに突然来るのかもしれないな」と、われながら安易だが、思ったのだった。そうなる保証はどこにもないけれど、今だって息子は何もしていないわけじゃない。だったら、信じて待ってみようか。息子だって、自分の好物をつくることができない私を責めもせず、つくれるようになってほしいと催促もせず、何年も待ってくれたのだから、と。学習したい理由を、いつの間にか見つけていた息子Upload By 鈴木希望そしてその日は存外早くやってきた。とある平日、私が打ち合わせで外出をするため、息子は私の実家で過ごすことになった。準備の際、いつもだったら見向きもしない漢字ドリルを真っ先に手に取り、鞄にしまっていたのだ。おそらく私の顔に驚きの色が見られたのだろう、息子は「何をするにも読み書きって必要でしょ?あとさ、漫画を読んでいてもゲームをしていても、必ずふりがながついているわけじゃないから、漢字が読めないとそこで止まっちゃう。つまんないんだよね。自分にはそういう(読み書きの)障害はないんだから、もっと勉強しようと思った」と説明してくれた。そうか、漫画を読んだりゲームをしているとき、そんなことを思っていたのか。のめり込むものを見つけたわけではないが、私が知らないうちに学習を進めたくなるきっかけを自分から見つけていたのだ。「ふーん…そうだ、今日の晩ご飯、かつ丼にしようか。帰りに豚肉買ってくる」「やった!漢字ドリルしながら楽しみに待ってる!」以降、息子はコンスタントに偏りない学習をするようになったかというと、そんなことはない。エネルギー出力にムラがあるのはどうにもなるわけがないし、相変わらず、気がつけば算数の勉強ばかりしている。ただ、頻度は低いが、国語の学習に、自発的に手をつけるようになった。最近は学校から届いた理科の教材である電子工作を楽しむ姿も見られたし、なんとなく社会の教科書を眺めていることもある。「そういえば私も、国語辞典の書き写しばっかりしていた時期があったな」と、ふと自分が息子ぐらいの年だったころのことを思い出す。あれだって、自分が納得するまで終えられなかったし、そのためには時間が必要だった。息子にも私にも、「そんなに簡単なものではない」特性があるのだから、それぞれに見合った進み方をしていけばいい。また私がどこかからネガティブな情報を仕入れてきて、悩むことがないとは言えない。そのときはとんかつを揚げて2人で食べながら、楽しい話をしよう。そうしているうちにまた、時間が解決してくれたり、いい案が浮かぶかもしれないから。
2018年11月30日今年のサンダンス映画祭で発表され「ホラーの常識を覆した最高傑作」「現代ホラーの頂点」と批評家から絶賛され、トラウマ必須の恐怖で全米を震撼させたホラー映画『へレディタリー/継承』の予告映像が公開となった。本作の監督・脚本を務めたのは、これが長編映画監督デビュー作となるアリ・アスター。天才的な発想と演出、ラストへつながる恐怖の伏線をすべて回収する徹底した脚本と異常なまでの完成度は、ホラー映画の新たな到達点とまで言われている。主演は『シックス・センス』『リトル・ミス・サンシャイン』のトニ・コレット。本作で見せる鬼気迫る怪演で、すでに来年のオスカー主演女優賞ノミネートが確実視されているほど。製作は昨年アカデミー賞作品賞に輝いた『ムーンライト』をはじめ、今年も『レディ・バード』が賞レースを席巻したオスカー常連の映画スタジオ「A24」。設立6年目にして話題作を次々と発表し、本作でもB級扱いされがちなホラーというジャンルを、クオリティの高い作品へと仕上げた。この度公開された予告映像では、祖母・エレンの葬儀から始まり、「祖母が遺した“何か”を受け継いだら死ぬ」というおどろおどろしいテロップとともに、想像を絶する恐怖に襲われる家族を映し出す。暗闇に「誰か」の気配、部屋を走る不思議な光、ガラスに写った怪しく笑う自分…これは祖母が遺した“何か”を感じているからなのか?そして不気味な表情の孫・チャーリーが、鳥の死体から首を切り落とそうとしているシーンや、炎に包まれた“誰か”を見つめるトニ・コレットの姿も強烈だ。不穏すぎるシーンと、家族の絶叫から、いったいどんな恐怖が襲い掛かるのか?トラウマになる前に、恐怖体験の一部はこちらの映像から確認してみて。『へレディタリー/継承』は11月30日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:へレディタリー/継承 2018年11月30日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018 Hereditary Film Productions, LLC
2018年09月27日