こんにちは。ママライターのamuです。自分では気づかないけど他人は気づくもの……それが家のにおい。“匂い”ならいいけれど、“臭い”になると問題です。そこで、正直者のママ友たちに、他人の家で気になること、引いてしまうことについて聞いてみることにしました。●(1)水回り『トイレの便座カバーとタオルは、少しでも汚れていると、いつ洗ったんだろうと気になる』(小4女の子のママ)『スリッパも、通気性が悪そうだと少し抵抗がある』(小4女の子のママ)『マットだけでスリッパなしのトイレが無理 。染みこんでいそうで』(小4男の子のママ)『浴槽がザラザラしていたのを経験してから、義実家のお風呂に入れない。カビも生えているから、タイルに足を付けるのも無理なレベル』(小4男の子のママ)浴槽につかれないとの声多数。トイレの多少の黒ずみも、自分の家なら許容範囲でも、よそだとダメとの声でした。水回りは完璧にキレイにしたいものですよね。●(2)食事『おにぎりは自分と母親以外のものは食べられない 。素手でぺたぺたと触ってるのを想像すると食欲をなくします。ただ、おにぎりを握っているのをそばで見ていると大丈夫なので、気持ちの問題かも』(小4女の子のママ)『汚いお皿やグラス』(小4男の子のママ)お皿の裏の部分がぬるっとしていてヒャーとした記憶があり、直接口に入るものだけに、食欲をなくすような食器はいけないと思います。●(3)毛『床の髪の毛は気になる』(小4男の子のママ)『動物の毛は、臭いとともに気になる。コロコロで頻繁に掃除する家はいいけど、服が毛だらけになるレベルだともう行きたくない 』(小5男の子のママ)わが家も犬がいるので、気を付けたいと思いました。自分の愛犬なら汚いという感覚はありませんが、人によっては犬に口の周りを舐められるのは嫌という人もいるので、来客がある場合は愛犬を抱っこしていたほうがよさそうです。----------また、よその家のこたつがNGという意見もありました。こたつは毎日洗えるものではないので、それが気になってしまうそうです。私は何でも大丈夫なズボラな性格なので、こたつもダメなのかと衝撃でしたが、こういう人もいるのだという参考になる意見でした。そして、やはり家に入った瞬間の“臭い”が気になるという声も多かったです。靴の臭い、食べ物の臭い、衣服や布にしみ込んだ臭いなど、住んでいる本人は気づいていなくても、訪問している側が異臭を感じることがあります 。消臭スプレーや換気、拭き掃除などで対策しつつ、自分でも帰宅直後に気をつけてみるといいかもしれません。●ライター/amu(ママライター)●モデル/神山みき(れんくん)、いちご姫(いちごショートくん)
2016年12月09日こんにちは。ママライターのあしださきです。子育てをしていると、子どもを通じて仲良くなったお友達の家に遊びに行くことがありますよね。そんなときに気になるのが、他所様の家にある“不思議な習慣”。当の本人にとっては「これがわが家の常識だけど?」という様子で全く気に留めていないのですが、客観的に見ると不思議な習慣を持っている家庭って結構多いんですよね。そこで今回は、20代から40代の子育て中のママたちにそのようなエピソードをリサーチしてきました。「それ、普通じゃないですから!」というツッコミを入れつつ、もしかしたらわが家にも同じような仰天ネタがあるかも?という再確認のキッカケにしてみてください。●(1)玄関のタイルが汚れるから“土足禁止”です『これは、幼稚園のお友だちの家に初めてお呼ばれしたときの出来事です。新築のキレイなマンションにお住まいで、ステキだなと思いながら玄関の前に立ったときにママ友が言ったのです。「うちは玄関の中に入る前に靴を脱ぐことになっているの 。だから扉を開けるけど、土足で入らないでもらえるかな?」って。「わかった、外で靴を脱げばいいのね」と答えたのですが、正直とても驚きました。実際扉が開いたら1人ずつ外で靴を脱ぎ、靴はママ友へパス。その靴は玄関内のシューズクローゼットに直行させ、玄関タイルには靴底を一切触れさせないよう細心の注意をしているようでした。そのおかげでしょう、本当に玄関タイルはホコリひとつなくピカピカでした。たとえ普段はいつもそうしていても、来客時は妥協してもいいことでは? と思う反面、あそこまで徹底できたら、むしろ気持ちがいいとも思いました。今までいろんなお宅にお邪魔しましたが、このおうちが1番印象に残っています』(30代/2人の子どものママ)●(2)近所の飲食店の駐車場を私物化!?『公園で仲良くなったお友だち4人で遊びに行きましょうということになった当日、雨になってしまいました。外で遊べないので急遽その中の1人が家に呼んでくれたのですが、家が少し遠いので各々車で行くことになったのです。車を停めておくのに、近所にコインパーキングがないということで指定されたのは、なんと飲食店の駐車場 。「広い駐車場で目立たないし、いつも友達が来るときはそこに停めている。数時間なら大丈夫だよ」というのですが……。明らかにお店にとっては迷惑行為。友人のモラルを疑いました 。気が小さいわたしは車を停めている間じゅう、通報されたらどうしようと気が気ではなく、本当に嫌でした。結局ママ友たちとはそれぞれが幼稚園にあがるころに疎遠になってしまいましたが、いつもあの駐車場を私物のように利用していた友人には、びっくりでしたね 』(20代/年長の男の子のママ)●(3)“開かずの間”の秘密『小学校のPTAをしていて知り合った友人はホームパーティをするのが好きで、よく子どもとその親まで家に招き、遊ばせてくれたうえ食事まで振舞ってくれます。ママ自身の性格は世話好きのしっかり者という感じで、ステキです。PTAの仕事でも人一倍頑張ってくれて、皆からの信頼も厚いという完璧なママ。おうちに呼んでもらうことが多くなり、気になっていることが1つだけあったのです。それは「玄関を入ってすぐの和室にだけは、入らないでね 」といつも言われていたこと。しかし、その日はなぜかふすまが開いていて、部屋の中が見えてしまったのです。そこには大量の洗濯物とみられる服の山が! 部屋の畳が全く見えないくらいの量で、びっくりしました。それを子どもが見つけて、騒いでしまったのです。すると、ママ友はきまりが悪そうに「うちはね、洗濯物は洗って干して、取り込んだらOK。終了ってことにしてるの。だから畳まない。子どもたちも主人も、必要なものはあの中から自分で探して着るの 。おかしいだろうけど、もうそこまで手がまわらないから諦めてもらったわ」というのです。それを聞いてからよけいにその友人が好きになりました。お世話好きのママでも、全て完璧を求めないで、手を抜くこともあると分かってホッとしてしまいました』(40代/小4の女の子のママ)----------いかがでしたか?家を行き来する友人とは、お互いにプライベートを垣間見る間柄ですから信頼関係も大切ですよね。家の中を見ることでそのママがどういう人物なのかが一気に分かってしまうこともあり、そのことで印象がさらに良くなる場合もあれば逆に信頼を失ってしまう可能性もあります。今回ご紹介した3つのエピソードを通して感じたのは、一般的な大人としてのモラルを逸脱していなければ、よほどの悪印象にはならないような気がするということでした。受け止め方は人それぞれなのですから、そのママと自分自身の関係性の問題ですよね。家庭の中にはそれぞれいろんな小ネタが隠れているものです。子育てをしていると、少しずつその隠れている部分を見せ合う機会が出てきて面白いものですね。皆さんのお宅にもそんな小ネタ、ありましたか?●ライター/あしださき(元モデル)●モデル/神山みき(れんくん)、いちご姫(いちごショートくん)
2016年11月07日9月に「4カ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ」というタイトルのブログ記事がネットでバズり、多くの反響を呼んでいました。内容としては、愛知県に住む(元)大学生の男性が退学と起業を公表したもの。数日間にわたって話題になり、しまいにはブロガーや起業家などの著名人が自身のブログで見解を述べるほどに。世間からは「卒業してから起業しても遅くないんじゃない?」「そんな考えは甘い」「頑張ってほしい、応援している!」など賛否両論の声が出ています。ところで、彼のように在学中から起業を志す若者は増えているのでしょうか?■若者企業家が増えている…わけではなかったネットで自分の情報を発信しやすくなっている現代。だからこそ若い企業家を目にし、「最近の大学生って、起業する人多くない?」なんて思いがちです。しかし総務省の「就業構造基本調査」によると、起業の希望者は97年以降から減少傾向に。決して大学生での起業家が増えているわけではありません。アメリカでは25歳以下で起業する若者が増えていますが、日本ではまだまだ少数。特に、産まれたときから不景気の時代を生きている現大学生にとって、起業は想像以上にリスクを背負うもの。安定的な雇用を求める意識が高いリスクに対する意識が強い起業に伴うコストや手続きが面倒くさいこんな理由から、容易に起業を目指す大学生は昔以上に少ないようです。特に日本は海外以上に、社会経験や実績のない人は認められにくい傾向があります。若者の発想は、新しい技術や面白いアイディアを生み出す一方で、それを実行するまでのハードルが高いもの。現実的に「起業」という形に辿りつくのは難しいのです。■一方で「将来的には独立したい」と思っている在学中に起業する!という人はごくまれですが、卒業後に何年か社会人をやり、そこで得たスキルやノウハウを活かしていずれは起業したい……。そんなふうに考える若者は多いです。年功序列と終身雇用がなくなりつつある時代だからこそ、「このままではいけない」といった気持ちが芽生えるのでしょう。若い人たちは安定的な雇用を求める一方で、「それって難しいかも」と気づきはじめているので、社会人経験を通して多様なスキルを身につける傾向があります。「パラレルキャリア」といって、本業を持ちながら、プライベートでも個人活動をする形で働いている人が増えているのもそのひとつ。最近では小学生に対して起業家教育を行うこともあり、起業塾も増えています。この先何があるかわからないという不安と、いろんな働き方ができるという希望。その両方をもちながら、今の若者たちは自分の生き方や働き方について向き合っているようです。アクションを起こすときは、何にせよ少なからずリスクを背負うもの。若いうちから、「この先自分がどう生きていきたいのか」に向き合い続けることが、将来の道につながるのかもしれません。
2016年11月03日『稼ぎたければ、捨てなさい。―起業3年目までに絶対知っておきたい秘密の裏ルール』(船ヶ山哲著、きずな出版)の著者については、その名を聞いたことがあるという人もいらっしゃるかと思います。心理を活用したマーケティング手法により「人脈なし、コネなし、実績なし」の状態から急成長を遂げた起業家。起業後3年にして、上場企業から町の小さな商店まで300社以上のクライアントを獲得したのだといいます。つまり、そんな実績をベースとして、「永続的にビジネスを成功させるための秘密」を明かしたのが本書だということ。■価値にフォーカスすれば失敗しないビジネスとは、「価値と価値の交換」で成り立っているもの。著者は本書で改めて、その点を確認しています。商品という価値をお客様に届け、お金という価値を対価として受け取る。それこそが、ビジネスの本質だということ。だから、もし手元に資産や貯金がないのだとしたら、それはこれまで価値を届けてこなかった証拠だというのです。そして、その価値にさえフォーカスしておけば、大きな間違いを犯すことはないともいいます。なぜなら、「商品=価値=お金」だから。いいかえれば、価値が商品とお金を生み出してくれるということです。■価値の量が最終的な価格に比例するお金儲けが下手な人は、一生懸命やることと、売り上げは比例すると信じているもの。しかし、それが勘違いなのだと著者は指摘します。ビジネスがお客様に価値を届けるものである以上、それは自分のエゴを満たすことではないはず。だからビジネスを行う際には、お客様の価値にフォーカスしなければいけないというのです。そして、そのお客様が期待する結果の大きさや価値の量が、最終的な価格に比例する。すなわち、大きな売り上げを目指すのであれば、労働に頼らない仕組みや考え方を取り入れていく必要があるのだそうです。なお、それを叶えてくれるもののひとつが、著者のいう「秘密」に隠されているのだとか。■話していいor話すべきでないことその真実とは、「『what to(なにをやるか)』は話してもいいが、『how to(どうやってやるか)』は話してはいけない」といことだといいます。さらに、もうひとつ気をつけなければならないポイントがあるといいます。それは、「what toを聞くと、知った気になってしまう」ということ。そうなってしまった人は、自分の能力を過信してしまうというのです。でも、それは仕方がないと。「平均以上効果」という心理が働いてしまうため、自分の能力を過信してしまうのが人間だから。多くの人はなにかを行う際、「自分は最低でも平均以下になることはない」と信じているもの。そして、そのような“錯覚する行為”が自分を過信させ、失敗に導いてしまうというのです。しかし、それはあくまで幻想でしかなく、本当の答えなどそこにはないと著者は指摘します。なぜなら大切なのは手段ではなく、本質だから。しかし多くの人は、そのことに気づいていないというのです。■どうやってやるかを説明しない理由では、販売者はなぜ「how to(どうやってやるか)」をいわないのでしょうか?それは、「目的の違い」なのだそうです。販売者の最終目的は、商品を売ること(how to)です。しかし購入者の目的は、お客様を増やすこと。だとすれば、商品の先にある結果がそもそも違うのですから、成果が出なくても当然。だからこそ、本気で成功を望むのであれば、その目的の違いに気づき、これらの手法を知ることが大切だと著者はいうのです。ビジネスですから、目的の違いがあるのは仕方がないこと。たとえば、デパ地下で試食を延々と続ける人はいないでしょう。試食はあくまでお試しであって、信用を得るための手段にすぎないからです。大切なのは、目の前に来た情報をチャンスと捉えるのではなく、お互いの目的の違いに気づくことだといいます。なぜなら現代のビジネスは昔と違い、「仕組み」が成否を分けるから。■仕組みの裏側に潜む本質を知るべしいい商品さえつくれば売れるという過去の時代とは違い、現代では「いわれたことしかできない人=使えない」ということになります。いわれたことだけをきちんとやっていても、勝てる時代ではないということ。逆にいえば、いまは個人であっても、気軽に仕組みを構築できてしまう時代であるわけです。そこで、目先のものだけにフォーカスするのではなく、裏側に潜む本質を知ることが重要。それを知ることで、販売者の真意や本当の目的を知ることができるのだと著者は主張します。*著者の言葉はときにシリアスですが、だからこそ訴えかけるものがあるのも事実。稼ぎたいという思いを持っているのなら、その糸口をつかむためにも読んでみて損はないかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※船ヶ山哲(2016)『稼ぎたければ、捨てなさい。―起業3年目までに絶対知っておきたい秘密の裏ルール』きずな出版
2016年09月24日【ママからのご相談】子どもが小さいので、特技を活かして自宅で起業しようと思います。ずっとフラワーアレンジを習っていて友だちの結婚式でブーケを作って喜ばれたことも多いです。主人に相談して一応は賛成してくれました。 起業するために、セミナーなどでまずは勉強しようと思います。何からやればいいでしょうか?●A. 覚悟も本気もなく、儲けていないのに“起業家”面して得るものはない。こんにちは。婚活・恋愛コンサルの菊乃です。ママ起業、プチ起業、はやっているみたいですね~。でも、起業セミナーに行って材料を仕入れてお金は出ていくのに、全くお客さんが来ない人も大勢いる。いや、こういう起業家気取りで赤字になっている人の方が多い ってご存じですか?今回は、サロン経営支援、ハンドメイド作品投稿サイト『シュミモ』を運営している工藤怜子さんに、ダメなママ起業家の事例をお聞きしました。●(1)旦那の給料でセミナー参加。売り上げもお小遣い程度旦那の給料でコンサルを受けに来たり、セミナーに参加したりする方もいます。本気で起業する方は、今が専業主婦で収入がないとしたら旦那さんからお金を借りて初期費用にあてて、売り上げからちゃんと返済しておりました 。旦那さんが毎月口座に振り込む生活費を起業資金にする方はほぼ稼げません。自己満足でサイトを作ってそこで終わり。●(2)人に頭を下げたくないもし自分が働くとしたらパートや中途採用。そういう働き方は嫌なのです。誰かに頭を下げるのは嫌いで、だから起業という方もいるそうです。ところが、起業すれば営業しなければなりません 。頭を下げて集客することはせず、お山の大将でいられるのですが、売り上げは上がりません。一方で軌道に乗る起業女性は、自分で作ったチラシをマンションにポスティングして回ったとか泥臭い営業をちゃんとやっているのです。●(3)「どうすれば確実に売り上げが上がりますか?」と起業家のくせに決断しない依存体質たとえばフラワーアレンジメントのECショップで起業をするとします。【Aさん】豪華さが売りで、本物志向の方やブライダルなどのハレの日用の商品を売るから、枯れやすいけれど生花を使う。【Bさん】手ごろに買える値段でお部屋にちょっと置けるプチギフト用商品を売るから、利益率の高い造花を使う。生花を使うAさんと利益率の高い造花を使うBさんはどちらが正しいか分かりますか?正解はどちらでもいいのです。お店の利益を出して続けていける なら、生花でも造花でも構いません。学校のテストと違い、“正解”があるわけじゃなく、その都度、自分の責任で決めなければならないのです。ところがママゴト感覚のママ起業家は、「利益率が高い方が良いって聞いたから」と断片的な情報に流されて、失敗さえも誰かのせいにしたがります。起業家と言うくせに依存体質で自分で決めないのが特徴。「確実に成功する方法はありますか?」と聞いてくる人もいるとか。だったらパートで働けばいいのに。●(4)娯楽を「仕事」と呼ぶため、きちんと働いている方が離れていく私も「今度無料Webセミナーをやるのでブログやメルマガで紹介してくれませんか?」って、主婦感覚が抜けない自称コーチングの起業支援をやっている女性から連絡をいただいたことがあります。そのWebセミナーのURLをクリックしたら、キレイに撮影した写真を使って“カリスマ講師”みたいに書いてあるの!カリスマ講師なら自分で集客しろと思いました。毎月オシャレなお店で自称起業家同士が、「素晴らしい皆さんとの出会いに感謝~」とポジティブキラキラメッセージの投稿を上げています。「セミナーに参加するから私のにも参加しませんか?」とかお中元のやり取り感覚で自分のスクール営業をする方も。「甘いよなぁ」って人からは、きちんと仕事をしている人が離れていく のです。●(5)偽起業コンサル、偽集客コンサル、ネットワークビジネスのカモになるそんな甘いプチ起業家の女性に優しく手を差し伸べてくれる方もいるのです。「すごいね。才能あるよ」と褒めちぎって。「もっとホームページをよくしたらいいんじゃないの。コンサルするよ」とお金を払ってホームページを作り、初期投資だけがどんどん出ていきます 。エステやネイルサロンなどの美容系の場合、サプリメントや化粧品、補正下着などのネットワークビジネスのカモになる場合も。なんちゃって起業家の方々はそもそも、起業をする理由があいまい。あなたは何が欲しいのでしょうか?・収入が欲しい・認められたい・「○○ちゃんのママ」「○○さんの奥さん」ではなく自分の名前で存在を確認したい・「先生」と呼ばれたい、ステータスが欲しいこの中でどれが一番近いですか?自分と向き合って本当の欲求に気が付きましょう。別に「先生」と呼ばれたいのも良いと思います。認められたいのも良いと思います。見栄を張りたいのは悪いことじゃないけれど、見栄っ張りに蓋をして格好つけるのはイタイです。工藤さんの生徒で成功されている、立川でアーユルヴェーダのサロンを経営している朝倉智美さんをご紹介しましょう。朝倉さんは、20代のころ原因がはっきりしない体調不良で悩み、病院では逆流性食道炎と診断される。アーユルヴェーダドクターから診療してもらったときに「胃の不調は便秘からきている」と言われ、生活習慣を変えてハーブと白湯で体調が良くなったそうです。体の不調は一部を直せば良いというものじゃないという自身の経験から、会社員を辞めてアーユルヴェーダサロン開業を目指すことに。こんなふうに起業のきっかけがしっかりしている のです。軽い気持ちで起業するのは、お金も時間も無駄になるだけでなく、人が離れていく可能性もあるのです。何がしたいのか、まずは自分と向き合いましょう。【取材協力/工藤怜子】成蹊大学卒。元銀行員。オフィスゼロイムズの代表。小さな事業の経営企画室として事業主の方をサポート。ハンドメイド作品投稿サイト『シュミモ』を運営。・shumi-mo●ライター/菊乃(婚活・恋愛コンサルタント)
2016年09月01日いま、誰でも起業できる時代と言われています。もしかすると、具体的なアイデアを持っていて、今すぐ事業を立ち上げたいと考えている人もいるかもしれません。しかし驚くべきことに、起業して10年後に生き残っている会社はたった5%しかないという残酷な現実があります。なぜこのような事態に陥ってしまうのでしょうか。『失敗をゼロにする 起業のバイブル』(中山匡著、かんき出版)は6,000人以上の起業支援を行っている著者が、起業で絶対に失敗しないための「方程式」を解説したもの。起業で成功するには能力や実力よりも、「何をテーマにするか」が何より大切であるといいます。今回は本書の中から、起業の失敗でよくある3つのパターンをご紹介します。■1:なかなか前に進まない「堂々巡りタイプ」「いいアイデアを思いついた!」と思って起業しようとしたのに、既に同じような事業をしている人がいた。どうしても諦めきれず考えていると、さらに良いアイデアが浮かぶ。しかし今度は友人に「それは無理じゃない?」と言われて落ち込む……。そんなことを繰り返しているうちに数年が経ってしまうというのはよくある起業の失敗パターンだといいます。考えが同じところを堂々巡りして、一向にゴールにたどり着かないのです。このようなパターンに陥りやすいのは、「自分のやりたいことを大切にしている人」や、「起業する際に理念をとても重要視している人」です。最初に理念を考えるところで停滞してしまうと、なかなか次の行動に移せません。そもそも理念は最初から決められるものではなく、起業活動が軌道に乗ってから自然に見えてくるものなのです。活動をしていないのに理念が明確になっているとしたら、それは独りよがりなものである可能性が高いでしょう。また、視点が「自分」に向いてしまっているため、競合の相手がたくさんいたり、需要のないマーケットで起業してしまったりすることにもなりがちです。起業において大切なのは、アイデアが素晴らしいかどうかではなく、そのアイデアで勝てるかどうか。しっかりと現実を見据えた上で、実現可能な戦略に落とし込んでいきましょう。■2:切り替えが早すぎる「放射型タイプ」「堂々巡り」のパターンとは反対に、とにかく行動が速いタイプ。勝てるマーケットを見抜く力も持っているのになぜか軌道にのりません。その理由は、競合に勝つための「強み」を持っていないから。そして、切り替えがとても早いので、少し手を出してはうまくいかず、また新しい分野にチャンレジするもののうまくいかず……というように「放射型」に様々なことに手を出しては失敗してしまうのです。表面だけを見ると簡単そうに見える事業も、現実には相当な強みが必要となります。例えばオシャレな焼肉屋がこれから流行りそうだと思っても、飲食店未経験の人が何のノウハウもなしに参入することは不可能です。それなのに、このタイプの人は「自分にできる」と勘違いして参入してしまうのです。チャンスがあっても、自分がそこで戦えるだけの強みを持ち合わせていない限り、それを活かすことはできません。またこのタイプの人は、うまい話に騙されやすい傾向にあります。「どうしても独立起業したい!」という思いが強すぎて資金を使い果たしてしまうというケースもあるので要注意です。絶対に失敗しないためには「一か八かのような決断」をともなう起業はやめましょう。■3:自信があだとなる「人脈依存型」新規事業ではなく、会社員として行っていた業務を独立して行うケースでも、失敗することはよくあるそう。それは円満退社となり、抱えていたクライアントを独立後もそのまま連れていった場合に起こります。このような方法で起業した場合は、1年目は安泰です。ゼロから起業した場合はなかなか顧客が増えず、軌道に乗るまでは最低1年はかかります。しかし、初めからクライアントがいる上での起業はこの心配がありません。独立1年目から食べていけるので、自分の自信にもつながります。しかしここが落とし穴。2年目以降に、少しずつ「顧客の流出」が始まります。例えば美容師なら、顧客は引っ越したり、転職して最寄り駅が変わったりするだけで、別の美容院へ行くようになります。税理士なら、相手の会社が廃業してしまうこともあります。少しずつであっても顧客が減ることは不安へとつながります。3年目以降、さらにこの流れが進むと、このまま顧客がいなくなるのではないかという恐怖心が出てきてしまうのです。そうなると目の前にある仕事にも出がつかなくなり、今いる顧客にも全力を尽くすことができなくなってしまいます。このような事態を防ぐには、1年目、2年目に新規開拓を行うこと。しかし、順風満帆な1年目は危機感がなく新しいことをやる気は起きません。そして2年目は日々の仕事が忙しいのに加え、いざ新規開拓をしようと思っても経験がないためやり方がわからないという事態に陥りがちです。ビジネスの原則として、新規開拓は広告費をしっかりかけることでうまくいくケースが多いもの。それを知らずに本やセミナーで学ぼうとしてもなかなか成果は出ないでしょう。*本書は全336ページとかなりのボリューム。勝てるマーケットの探し方から、強みを活かした「事業フォーマット」の選び方まで細かく解説されているので、これから起業を考えている人は参考にしてみてください。よくある失敗の罠に引っかかることなく、10年後も生き残れる5%を目指しましょう!(文/平野鞠) 【参考】※中山匡(2016)『失敗をゼロにする 起業のバイブル』かんき出版
2016年08月24日今、女性の起業がトレンドになっているのはご存知でしょうか。「起業」というと、とても大変なことで、従業員を雇って事務所を借りる……そんなイメージですが、それだけが「起業」ではないんです。今や、事務所がなくても一人でもノマドで開業できるやり方がトレンドになっているのだとか。何か特別なスキルを持っていなくても、自分の得意なところを伸ばして、ユニークな事業をしている人が多いのです。ここでは、そんなユニークな事業の内容に迫ってみました。■愛もビジネスの一環?「愛され女性になるためのコンサル」コンサルタントといえば、専門的な勉強を重ね、大企業を相手に高度な話をする……そんなイメージではないでしょうか。ですが、それだけがコンサルタントではないんです!世の中には「愛されるように女性をコンサルタントする」という事業があります。こんな内容をコンサルタントするとは、と驚く人も多いはず。モテるためのレッスンや、男性に長く愛されるためのコーチングがビジネスとして成立しているのです。しかも、月に100万円以上の売り上げが立つそう。それだけ、愛されたくてもどうしたらいいかわからなくてSOSを出している女性がたくさんいるということですね。モテる女性は、恋愛をテーマにした事業を考えてみては?■OL向け!「副業生活スタートをカウンセリング」こちらも大企業向けではなく、個人の女性をコンサルティングする起業。決まった時間に会社で仕事をしているけれど、現状に満足していない。環境を変えるために、まずは副業からはじめたい……。そんな女性のために、どんな副業がその人に合っているかをカウンセリングし、始め方をレクチャーしてくれるのです。一人ではなかなかきっかけが掴めず行動に移せなくても、自分をコンサルティングしてくれる人がいると、なんだか変われそうな気がしてきますよね。同じ女性ということで、気軽になんでも相談できるという点もウケているようです。■毎日がガラリと変わるかも?「時間管理のコーチング」時間は誰にでも等しく与えられているもの。しかし、有効活用できずに悩んでいる人は少なくないようです。そこで人気なのが、「時間管理をコーチングする」事業。社会人になって「周りの人より時間を使うのがうまいかも?」と気付いたのが創業のきっかけなのだそう。その長所を他の人にコーチできるまでに磨き上げ、ビジネスとして成り立たせたのだとか。時間の管理なんて人から習うものなのか、と思う人もいるかもしれませんが、自分では気づかなかった新しい視点を得られるかもしれません。時間をうまく使えるようになれば、毎日が劇的に変わりそうですよね。このように「一見ビジネスっぽくないけれど、一定の需要があるコト」を見つけるのが成功する事業の共通点といえるでしょう。上記の例はどれも、特別にものすごいスキルを持っている人が起業したものではありません。自分の長所をしっかり把握した上で、ビジネスにできるくらいに育てているのです。会社勤めの毎日はもう飽きた、何か自分で事業をしたい!そう思っている人は、こんな選択肢があることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
2016年08月14日母として妻として、仕事では責任ある立場として。朝から晩までフル稼働なはずなのに、なぜか魅力的に映る女性がいます。そんな気になるあのヒトの「きれいの裏舞台」に迫ります。第5回は、日本にココナッツオイルブームをもたらした、ママ起業家の荻野みどりさん。母乳育児の最中、子どもが湿疹、便秘になってしまったことをキッカケに、「人は食べ物でできている」ことを再認識。安心して食べられる食材として、有機ココナッツオイルを販売しはじめたところ大ヒット!今年は東京・神宮前にオーガニックスイーツ専門店「BROWN SUGAR 1ST.」を出店、ますます活躍の場を広げている荻野さんに、体にやさしく親子で使えるスキンケアアイテムを教えていただきました。荻野みどりさん2013年に、たったひとりで始めたココナッツオイル販売事業も、今では40名のスタッフを抱えるオーガニックフード販売企業に成長。一過性のブームに終わらず、発売する商品が次々と売れ続ける理由は、「わが子に食べさせたいかどうか」で商品をつくっているからだと、荻野さんは言います。家事や育児などに追われていても、商品をつくるときは必ず生産者を訪問。商品への想いや企業理念を伝え、共感しあえてはじめて、具体的な商品化へとコマを進めるそうです。BROWN SUGAR 1ST.: blog: Instagram: お子さん : 1人(5歳)運動など : 空き時間を見つけてジムに行く。普段から背筋を伸ばし下腹部にチカラを入れておくよう心がける食生活 : 食事は楽しく、おいしく! 「アレもだめ、コレもだめ」と制限を設けるのではなく、カラダが何を欲しているか、気にかけて食べるものを選ぶ。もし、カラダに良くないものを食べてもしっかり出せるカラダづくりをすることが大切お悩み : 満月が近づくと肌の調子が不安定になりがち。また食生活や睡眠時間が乱れると、カラダの疲れが取れにくくなってきたなと感じる。叔母に教わったスパイス白湯(クローブ3粒、カルダモン1粒、シナモン3cmくらいをいれて湧かしたお湯)をすこし冷ましてココナッツオイルを加えて目覚めに飲むと内蔵の調子が整う■荻野さんの一日(平日)7:00 : 起床・白湯づくり8:00 : 朝ごはん・身支度・掃除9:00 : 保育園へ送り9:30 : 出社・仕事12:00 : ランチ13:00 : 仕事18:30 : お迎え19:00 : 夕飯・片付け20:00 : お風呂・娘と遊ぶ21:00 : 娘就寝22:00 :ストレッチ・筋トレ・マッサージをして就寝安心や安全にこだわりすぎても窮屈。荻野さんの日々の暮らしや商品づくりには、体にやさしいことはもちろん、楽しく、おいしく、幸せになれる工夫がなされています。そんな荻野さんのお眼鏡にかなったスキンケアアイテム、かなり気になります。今回セレクトしてくださったコスメはすべて、お子さんと一緒に使っているのだとか。▼Takakura Pubicareデリケート コットン ワイプフローラルローズ 12枚入り「コットン、化粧水、保湿成分、どれもオーガニックにこだわっているデリケートゾーン専用シートです。海外へ出張に行く時など、お出かけの時にあると便利です。ほんのりと香るフローラルローズに癒やされます。Takakuraさんは経皮毒ケアにとても注力されているので、その点も共感が持てます」▼BROWN SUGAR 1ST.有機エキストラバージンココナッツオイル「もう皆さんご存知だとは思いますが、バージンココナッツオイルは、食べるだけでなく、スキンケアコスメとしても優秀です。私は主にマッサージクリームを兼ねたナイトクリームとして愛用しています。ココナッツオイルを使って、二の腕から脇を通って腕をやさしくマッサージ。拭き取り要らずなので、疲れている日も怠けずにケアできます。ココナッツシュガーと合わせたオイルスクラブは、あまりに使用感がいいので、なんとコスメキッチンさんにお願いして、コラボで商品化してしまいました!」▼Dr.Hauschkaエチケットロールオン ローズ 50mL「夜はしっかり保湿ケアしているから、朝はデオドラントローションでササッとスキンケア。配合されているダマスクローズオイルとホホバ種子オイルで保湿できるうえ、ダマスクローズの香りでニオイケアもしてくれるので、これからの季節はとくに手放せません」荻野さんに「ココナッツオイルの取り入れ方」を教えていただきました!「ココナッツオイルには、子どもの免疫力を高めるラウリン酸が40%以上入っています。まずは、トランス脂肪酸の摂取を減らすため、マーガリンやバターの代わりとして使ってみてください。出来上がった料理にプラスするより、加熱時に入れた方がおいしいですよ。食用もスキンケア用も必ず、混ざりけのないバージンオイルを選んでくださいね」・Takakura Pubicare ・BROWN SUGAR 1ST. ・Dr.Hauschka
2016年08月01日母として妻として、仕事では責任ある立場として。朝から晩までフル稼働なはずなのに、なぜか魅力的に映る女性がいます。そんな気になるあのヒトの「きれいの裏舞台」に迫ります。第4回は、「ママのための自然療法スクール こどもとアロマ」を主宰する、原亜紀子さん。自然療法を使った、安心、安全なケアをレクチャーする原さんご自身は、どのようなケアを行っているのでしょう?毎日の過ごし方や体調管理法、小さな子どもと一緒に使える、スキンケアアイテムのつくり方も教えていただきました。原亜紀子さん株式会社kiddy aroma代表。専業主婦だった30代後半からアロマセラピーの勉強をスタートし、その後、妊産婦専門の漢方アロマセラピーサロン・スクールに勤務。スクール講師と事務局を担当。退社後、2010年に千葉の自宅で 「ママのための自然療法スクール こどもとアロマ」 をスタートし、アロマセラピー・ハーブウォーター・クレイなどの自然療法を使った「アロマの薬箱講座」「皮膚を出口にしないためのスキンケア講座」など、ママのためのホームケアの講座を開催。忙しいママが自分のペースで学べる「メールセミナー」は、日本全国のみならず海外からの受講者も多く、これまで2,000名が受講。ちいさな子どもを持つ「ママ目線」で伝える内容が、多くのママたちに支持されている。また、現在はママが自分サイズのビジネスをしていくための「ママ起業サポート」も行っている。blog: Facebook: お子さん : 子ども一人、息子(15歳)運動など : 週1回の体幹トレーニング、朝の散歩、すきま時間の筋トレ食生活 : 水、食材、調味料は良質なものを選ぶ。できるだけ農薬や添加物など余計なものが入っていないものを使う。プロバイオティクスを毎日摂る。疲労時や風邪のとき、ビタミンCなど食事で補えない部分は、良質なサプリメントにも頼るお悩み : 肌のハリがなくなったこと、疲れがとれにくいお子さんは15歳になる男の子。受験が終わってひと段落し、この春から、日中は自分のために時間を使えるようになったといいます。「子どもは手をかけすぎてもいけない年頃ですが、ごはんを一緒に食べて、話す時間は大切にしたいと思っています」。お仕事はご自宅でのパソコン作業がほとんどだという原さんの、平均的な1日のスケジュールはこちら。■原さんの一日(平日)5:30 : 起床 / メールチェック6:00 : お弁当作り7:30 : 息子を送り出し、朝の散歩へ(寝不足の日はクレイバスやアロマバスで交感神経をオン)8:30 : 仕事に集中(SNS更新、執筆、打ち合わせなど) / 洗濯・掃除13:00 : 昼食 / 自分時間(寝不足のときには必ず少し寝ます)15:00 : パソコン作業 / スカイプで打ち合わせなど18:00 : 夕食準備19:00 : 夕食20:00 : パソコン作業23:00 : お風呂(1日のカラダとココロの疲れがリセットできるようなバスアイテムを使用)0:00 :読書・就寝ケアタイムは主に夜。できる限り、次の日に疲れを残さないようにしているという原さん。忙しいときほど心がけていることが、たくさんあるのだそう。「例えば掃除。散らかっていると動きが悪くなるので、大変になる前にこまめに片付けるのがモットー。また忙しいと外食が多くなりがちですが、続くと体調が悪くなってしまうので、焼くだけ蒸すだけで十分においしい、いい食材を選んだり、サプリも積極的に摂ります。また、締め切り前などは寝不足になりますが、夜はきちんと寝て仕事は朝にするなど、体に無理をするとかえって効率が悪いので、いかに全体のパフォーマンスが上がるかを考えるようにしています」 スキンケアでいちばん大事にしていることは、「肌をいじりすぎないこと」。洗いすぎ、塗りすぎはお肌自身の持つ保湿力を低下させてしまうため、スキンケアアイテムはナチュラルな素材なものを使っているそう。そこで、原さんが欠かせないと話す、子どもと一緒に安心して使えるもの3点をご紹介いただきました。▼手づくりのハーブウォーター化粧水は、ハーブウォーターを使った手づくり。「ハーブウォーターは買うこともできますが、自分で蒸留してつくるとお料理感覚で楽しいし、コストがあまりかからず、たっぷりと使うことができます。季節のハーブやフルーツを使うので、香りもいいんです。そのまま使っても化粧水になりますが、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を加えることで、リッチな保湿力のある化粧水に。口腔ケアや、赤ちゃんのお尻ふきなどにも使えて便利なので、ぜひハーブウォーターを使ってみてほしいです」▼アロマフランスクレイ「クレイは数種類ありますが、フェイシャルには、ホワイトカオリンやグリーンモンモリオナイトがおすすめ。洗顔、フェイスパック、ヘアパックなどに使うことができます。ヘアパックは、髪の毛をぬらし、ゆるめのペーストをつくって地肌にパック。カラーやパーマの前後に行うと、ダメージの修復を助けてくれます。これからの季節は、日焼けあとのケアにも。グリーンイライトというクレイが向いていて、ゆるいペーストをつくって肌に塗ったり、ハーブウォーターに少量加えてクレイローションにして使います。ひりひり感や炎症や赤みがおさまるので、夏のケアにはクレイは欠かせません。ケガや疲れ、吹き出物にも効果があります」▼シーオーツープラスの炭酸化粧水「炭酸美容家の高橋弘美さんのつくる、1gにつき1,000ppm以上の炭酸ガスが配合された炭酸化粧水。天然由来成分にこだわった、シンプルな処方なので安心。特に、期間限定のローズシリーズはすぐに売り切れてしまうので、見つけたら購入するようにしています。エアコンによる冷えには、炭酸を入れた足湯やお風呂が、温度が高くなくても血行が促進されるのでおすすめ。そこに、天然の植物のアロマ(精油)を入れば、香りの信号が脳へ伝わり、リラックスの副交感神経優位な状態に傾けてくれ、体も心も緩んで、ゆっくり眠れます」原さんに「化粧水」と「炭酸お風呂」の簡単レシピを教えていただきました!■ハーブウォーターを使った化粧水レシピ・ローズウォーター 45mL・グリセリン 小さじ1・ヒアルロン酸パウダー 耳かき2・セラミド 耳かき5これらを消毒した容器に入れてよく混ぜるだけ。冷蔵庫保存で3週間で使いきります。■炭酸お風呂のレシピ(1)180リットルの浴槽のお湯に対し、先に重層250gを入れてよくかき混ぜる。(2)さらにクエン酸を210gをまんべんなく入れる。クエン酸を入れた後は炭酸が抜けてしまうので、混ぜないようにするのがポイントです。※材料は食用グレード以上のものを使用すること。▼もっと詳しく知りたい方は…1年を通しての、アロマを使ったママのためのナチュラルホームケア講座「アロマの薬箱」が、8月下旬より募集開始予定! ・ママのための自然療法スクール こどもとアロマ ・シーオーツープラス ・日本アロマ蒸留協会
2016年07月01日平成28年4月から、女性活躍推進法がスタートしました。以前と比べると働くママへの理解が深まり、産後も会社に復帰しやすい環境が整いつつあります。そんななか、これまでの会社から離れ、あえて独立や起業を選んだママも。子育てをしながら独立へ一歩踏みだしたきっかけやその道のり、独立後の生活の変化までを先輩ママに伺いました。■独立を決めた理由。そこには大きなできごとが…お話を伺ったのは、カラーコンサルタントとして独立し、色彩専門オフィス「セレスティー」代表をつとめる鶴巻亜記さん。企業を対象としたカウンセリングやセミナー、講師業をされています。建築設計事務所で秘書として働いていた鶴巻さんは、29歳のときに長女を出産。その後は復帰し、仕事内容や人間関係への大きな不満もなく働いていたそうです。そんな鶴巻さんに転機が訪れたのが、32歳のとき。会社の人事異動で、これまでいた部署のメンバーが大きく入れかわることになったのをきっかけに、このまま会社員でいることに疑問を持ちはじめます。「あと30年間同じ仕事を続けたいかを考えてみると、そうではなかったんです。せっかくなら、20代のころから好きで、勉強を続けてきた“カラー”を仕事にしたいと思うようになりました。このとき長女は2歳。子育てにも慣れてきて、自分のことに目を向ける余裕が出てきたころでもありました」(鶴巻さん)とはいえ、子育てしながら働ける環境を手放すことには不安もあったといいます。迷いつつも、「独立」への気持ちを固めたのには、大きなきっかけがありました。それが、ふたり目のお子さんの妊娠と、流産。おなかに小さな命を宿してほどなくのお別れに、当時は本当に落ちこんだと鶴巻さんは言います。「言葉では言いあらわせないくらい、ショックでした。でも、いつまでも悲しみにとらわれていては先に進めません。気持ちを切りかえるためにも、何か夢中になれることをしようと、独立を決意しました」(鶴巻さん)気持ちをリセットして、一念発起。起業セミナーなどに通ううちに、子育てをしながらカラーの仕事で独立し、活躍しているロールモデルと出会い、独立後のビジョンがよりくっきり見えてきました。■開業資金は100万円以内! 子育て中だから、リスクは最小限に在職中から起業に向けたセミナーに通いながら、少しずつカラーの仕事をスタート。子育てしながらのWワークは体力的に大変ではありましたが、家族のサポートを得て何とか乗りきったそう。退職後まもなく独立し、念願のサロンを開業します。開業資金は、100万円足らず。「子育て中だから、お金は借りないと決めていました」と鶴巻さん。事務所探しからカラーの仕事に必要なもの、サイトの開設まですべてひとりで手配し、費用を最小限に抑えました。ビジネスプランを立て、満を持しての開業でしたが、最初は仕事がなかなか増えずやきもきする日々が続きます。軌道に乗りはじめたのは、開業から2年ほどたってから。「仕事がこないのは知識が足りないからだと思い、最初は勉強ばかりしていました。でも、あるとき方向性を変えて、積極的に外に出るようにしました。さまざまな人に『独立しました』と言ってまわったら、人づてで少しずつ仕事が増えはじめたんです。実際に顔を合わすことなくオンライン上でビジネスができたり、不特定多数に情報を発信できたりするいま、それらを上手に活用するのはもちろん大切なことです。でも、フェイスtoフェイスのやりとりやリアルでの人とのつながりは、それ以上に大切なんだな、と痛感しましたね」(鶴巻さん)■子育て中の独立・起業。生活はどう変わった?仕事が回るようになり、どんどん実績を伸ばしていった鶴巻さん。独立から3年がたつころには、新たな家族も増え、ほどなく個人経営から法人化をはたし、公私ともに充実した日々を送っています。「いま、あらためて振りかえってみると、子育て中だからこそ、独立を決意できたと思います。会社にしばられず、自分のペースで子育てと仕事を両立させたい、という気持ちももちろんありました。しかし、私の場合は、『自分が好きなことで、仕事をする』姿を子どもに見てほしいな、という気持ちのほうが強かったかもしれません。それが子どもたちに伝わっているかどうかは別ですが…」と鶴巻さん。実際に、仕事のスケジュールは子どもの用事を“先取り”してから組んでいるのだそう。自分で時間をつくれることで気持ちの面でも余裕ができ、子どもとのかかわりをより楽しめるようになったそうです。一方、仕事には波がつきものです。独立すれば、そのすべてを自分で受けとめ、コントロールする覚悟も必要です。「うまくいくときもあれば、うまくいかないときもあって当たり前です。うまくいかなくてやめてしまう人が多いのですが、そこでいかにふんばれるかどうか、ですね。長期的なビジョンを持って、うまくいかないときに備えて予防線をいくつも張っておき、長く続けていくことが大切なように思います。もうひとつ、自由なスケジュールを組めるということは、裏を返すと動かなければ何も生産できない、ということでもあります。自分のなかでの優先順位をはっきりさせて、管理できる人はきっとうまくいくと思います」(鶴巻さん)仕事に対する責任感や管理能力によって向き不向きはあります。しかし、ライフワークバランスを自分で調整でき、自分らしく働けることは、子育て中の女性にとって大きな魅力にうつるのではないでしょうか。「私もいずれ独立して好きなことをしたい!」と考えているママにとって、少しでもご参考になれば幸いです。 ・色彩専門オフィス セレスティー
2016年04月20日書店に足を運んでみれば、あるいはアマゾンでビジネス書をチェックしてみれば、「起業」に関する書籍はいくらでも見つかります。そしてそれらは、起業の素晴らしさをアピールし、読者をその気にさせようとやっきになっているようなものが大半。でも、起業したら本当に、その先にあるのはバラ色の未来なのでしょうか?そんなことはあり得ないと考えるほうがいいのではないでしょうか?そう思わずにはいられないからこそ強い説得力を感じさせるのが、きょうご紹介する『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(大賀康史、苅田明史著、ソシム)。著者は、「本の要約サイト」として知られる「フライヤー」の代表取締役と取締役。(1)「筆者の経験にもとづいた起業ノウハウ」、(2)「先輩起業家からの生々しいアドバイス」、(3)「起業家必読といえる名著の要約・紹介」という3つの要素で構成されています。■起業家は「天才」ばかりではない起業には特別な人にしかできないことのようなイメージがあり、最近の起業家は、ロックスターのようにも見えるもの。しかし、起業とはごく一部の天才だけが行えるものではないと 著者はいいます。起業家の世界に身を置いてみると、たしかに天才的な人もいるそうです。たとえば大学生時代に起業して、20代後半でベテラン社長としての風格を身につけ、特有のオーラを放つような人など。しかし決して、そのような人がすべてだというわけではないということ。起業家同士で話をしてみると、その多くは悩みを山ほど抱える普通の人間だというのです。数々のトラブルに直面しながら努力を重ねるなかで、名声を手に入れて行っているわけです。だからこそ、「遣り抜くという覚悟さえ決められるなら、起業家には誰でもなれる」と著者はいいます。■起業がしやすくなった3つの理由昔の起業のイメージは、「一世一代の大博打」というようなものだったかもしれません。しかしいま、起業環境は大きく前進したといいます。誰にとっても起業をすべきかどうかについては、もちろん簡単にいい切れない部分はあるでしょう。しかしそれでも、さまざまな要因から、起業にチャレンジしやすい環境へと変化しつつあるのは事実だというのです。そして最近の起業環境については、次の3つのポイントがあるのだとか。(1)借入金の融資の際に、必ずしも連帯保証を求められなくなってきたかつてスタートアップが借入をする際には、ほぼ例外なく社長の連帯保証が入り、万一資金が返せなくなった場合には、個人資産で返すか自己破産しか道がなかったそうです。もちろんいまでもその慣習は残っているものの、日本政策金融公庫の制度融資など、一部のローンは無担保・無保証(連帯保証人なし)で提供されるようになっているのです。(2)投資家に厚みが出てきており、資金の調達手段が広がってきた投資家は、数・質ともに、いままでになく充実してきているといいます。たとえば過去にベンチャーを成功させている「エンジェル投資家」、アイデアとメンバーだけの状態のスタートアップを育成する「ベンチャーアクセラレーター」、小規模から大規模のファンドを運営する「ベンチャーキャピタル」、新規事業の種を探してスタートアップへの投資に積極的な事業会社などがそれにあたるそうです。(3)スタートアップを支える支援組織が充実してきた最近はスタートアップと大企業をつなぐイベントが盛況。経済産業省も近年、『TOKYO イノベーションリーダーズサミット』というイベントで、スタートアップと大企業がマッチングできる機会を提供しているのだそうです。他にも、証券会社、監査法人の組織や、スタートアップと大企業のマッチングを担う企業が主催するイベントも増加傾向。大企業との事業提携の機会が得やすい環境になってきているというわけです。また、テレビや新聞などのメディアもスタートアップに注目しており、サービスの露出の機会も増加傾向にあるといいます。■起業家は金銭的な困難に直面するこのような企業環境のなか、誰もがうらやむような大企業から転じて企業したり、スタートアップに転職したりする人が増えているということ。そして著者は、こうもいいます。もしも起業のアイデアがあって、それは何度検証しても有効だと思え、自分がやり遂げたい「志」にも沿っている。そして、一緒に起業してくれそうな仲間もいる。だとすれば。起業に必要なのは、腹を決めて一歩を踏み出すことだと。ただし冒頭でも触れたとおり、本書ではやみくもに起業を勧めているわけではありません。それどころか、「起業すると、ほとんどの起業家は金銭的な困難に直面する」という、多くの人が触れたがらない現実にもしっかりと目を向けています。単なる机上の空論ではないからこそ、強い説得力が生まれているわけです。*起業を本気で考えている人にとって、とても意義ある内容。また「要約サイト」の著者であるだけに、読む価値のある多くのビジネス書も紹介しています。密度の濃い内容であるだけに、ぜひ読んでおきたい一冊だといえるでしょう。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※大賀康史、苅田明史(2015)『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』ソシム
2016年02月26日筑波大学出身経営者の会「筑波みらいの会」が支援する筑波フューチャーファンディング(TFF)は2月1日、各分野の企業6社と業務提携を結び、学生による起業を支援する「筑波大学・つくば研究所発イノベーションエコシステム3.0」を3月1日よりリリースすると発表した。TFFは、筑波大学と筑波みらいの会が連携して進める「筑波大学を、毎年多くの起業家を生み出す“日本のシリコンバレー”のような環境にする」活動の一環として大学系クラウドファンディングサービス「TFF」を2015年9月24日にリリースしている。今回の業務提携は、アイディアを発表して終わるサイクルの起業家候補を、発表時すぐに各種の経営資源を提供できる企業とつなぎ、サービス・製品をリリースするサイクルの起業家に変えていくことを目的としている。TFFと業務提携を結ぶのは、助成金取得支援サービスを運営するライトアップ、クラウドソーシングサービス企業でサービスづくりを支援するランサーズ、ハードウェア開発をトータルでサポートする総合型のモノづくり施設 DMM.make.AKIBA、プレスリリース配信サービス ValuePress!、「イノベーションセンターSYNQA」を会員に開放するイトーキ、会社設立支援などを行うアリベルタ共同会計事務所の6社。また、筑波大学 助教でPixie Dust Technologies 共同創業者 CEOの落合陽一氏がアドバイザーを担当する。第1弾として、筑波大学 亀田敏弘研究室に対して、通常製造に1~3億円かかる人工衛星を最低50万円で製造できる技術の支援および大企業とのコラボレーションをアレンジし、低価格な人工衛星開発・販売事業の立ち上げを行っていくとしている。また、イノベーションエコシステム3.0で生み出した製品・サービスを早い段階で世界市場に挑戦させるため、シリコンバレーに本社を構える企業と大学系ベンチャーキャピタルを準備中であるという。
2016年02月01日「メイクとコスメの違いすら知らない、そんな始まりでした」と苦笑するのはもちろん男性である。「改めて考えるとメイク=お化粧をすること、コスメ=化粧品だと認識はできますが、今までは聞き流していたなぁと思います」と、MAKEY 代表取締役 中村秀樹氏は振り返る。中村氏は、10代の女性をターゲットにしたメイクプロセスとコスメ共有アプリ「MAKEY(メイキー)」を開発・運営するため、決まっていた内定先を辞退し学生から起業家になった。ブルーを基調としたおしゃれなこのアプリは、女性チームが手がけていそうな洗練されたデザイン。それを20代半ばの若い男性3人でつくっている。一体なぜ、この分野のプロダクトを作ろうと決めたのか。そこにはどんな苦労や面白味があったのか。起業のきっかけから今後の展望まで、中村氏に話を聞いた。○会社買収が発表された衝撃の内定式中村氏 : 大学2年生のころからIT企業を中心に就活を始め、3年生の前半には就職先が決まりました。卒業まで2年近く残っていたので、就活中に出会った仲間とWebサービスを作ろうと思い立ったんです。昔からIT分野には興味があり、大学1年生のときからIT企業でインターンをしていました。そこで起業家の姿勢や考え方を間近で見ていたこともあり、自分でも何らかのサービスを作ってみたいなとはずっと思っていました。そうして2014年1月に完成したのが、MAKEYのプロトタイプです。4年生の夏ころにはサービスへの思い入れが強くなり、就職せずに起業してサービスを開発・運営していきたいなと決心しつつありました。2014年8月に法人化し、入社予定だった会社の担当者にもその旨を伝えていましたが、それでもズルズルと内定式には参加してしまい……(汗)。でも、そこで衝撃的なニュースを知ったんです。内定式と日を同じくして、内定先の企業が某ベンチャー数社を買収したことが発表されて……。しかも、そのうちの1つのベンチャーの社長が20代半ばと聞いて、気持ちが高まるのを感じました。そこで、失礼を承知で内定式後、改めて内定辞退したい旨を伝えました。―― それは野心をくすぐりますね。では、まず設立当時のことを伺ってもよいですか?はい。当初は代表2人体制でした。2014年1月時点で僕がアイデアを持っていて、のちに共同代表となるインターン先で知り合った友人と一緒に始めました。その後、サービスを作る上で必要なエンジニア2名がジョインしてくれました。当時は会社化していなかったので肩書はありませんでしたが、8月に法人化した際に初期メンバーだった僕と友人が共同代表になりました。ただ、昨年10月末にその彼が会社を離れることになり、現在は男性3名体制です。そのほか、外部の方にスポットで仕事をお願いしています。ミニマムな組織ですが、MAKEYのような「ユーザーに発信してもらうタイプのサービス(以下、CGM)」において、プラットフォーマーの一番の義務は「サービスを見守ること」「半分のっとられた状態にすること」だと思っていて。自社でコンテンツを制作する必要がないぶん、カスタマーサポート(CS)が大きなウエイトを占めてきます。今はエンジニアもCSを兼務してくれていますね。○女性向けコンテンツを作れないからプラットフォーマーに―― そもそも「10代向けのメイクハウツー」に絞った理由は何なのでしょう?そうですね。サービスの構想を練っている際に、ITならではの伝達力の強さと好相性の層は何だろう?――そう考えて浮かんだのが、影響力のある10代女性たちでした。ITに彼女たちの口コミ力が掛け合わされると、ものすごい拡散力があるのではと思ったんです。そのときから女性を対象としたサービスを作ろうと決めていました。とはいえ、作り手の僕たちは男性で、女性が興味関心を持つ情報を熱心にインプットしてきたわけではないため、僕たちが何かを発信するタイプのサービスは難しいのではと。そうなると、やはりCGMで勝負するのが合理的なやり方なのかなと思いました。「CGM×10代女性」の切り口で考えていると、彼女たちが気になるであろうテーマはファッション(アパレル、コーディネート)や料理、美容あたりではないかと思いました。でも、ファッションだとiQONやWEAR、料理だとクックパッドがあり、僕たちが新規参入して勝てる余地はありません。美容だと@cosmeがありますが、ユーザーは30代女性が高いボリュームを占めています。10代女性に向けたコスメ・メイクサービスを作れば、僕たちにも可能性はあるのではと思いました。―― 実際に需要があるかどうかは、かなりの数の女子大生にヒヤリングを行って判断したそうですね会社設立の8月から2カ月ほどかけて、およそ100人の女子校生・女子大生にヒヤリングしました。主な目的は「10代女性はメイクへの感度が高いのか?」「10代女性は一般人のメイク情報でも興味があるのか?」「10代女性は既存のメイクサービスで満足していないのか?」の3点をリサーチすることです。この3つの問いでイエスが少なければ、僕たちのサービスは始められません。でも、結果としてイエスが多かった。ほかにも出てきた意見としては、「多くの雑誌は、"ぱっちり二重のモデルさんありき"のメイクなので、奥二重や一重の自分には参考にならない」などがありました。アプリで十人十色の顔立ちの女性のメイクを掲載すれば、一般人のメイクにも価値が生まれますし、メイクの領域でCGMができると確信に変わりました。その後、2015年1月にMAKEYを正式にリリースしました。○女心は難しい―― デザインでこだわった点はどんなところでしたか?UI/UXはヒヤリング内容を踏まえ、男性目線を活かしつつ女性向けのサービスを作っていこうという方針でした。でも10月にリリースしたβ版では、あまり良い反響を得られず……具体的には、安易にピンクを使うのを避け、当時はクラブを想起させるようなパープルをベースカラーに採用したんです。座談会を開催してヒヤリングをしたり、周りの意見を聞いたところ、「清楚系の女の子だと使いづらい色合いかも」といった声がありました。結果、イエローかブルー、ホワイトが次の候補として出てきて、肌の色を映えさせることを考え、最初にイエローが選択肢から消えました。ホワイトは悪くなかったものの、10代には大人っぽいかなという印象があり、現在のブルーに落ち着きました。今後、さらにより良いUI/UXを作っていくためにデザイナーさんの採用も行っていきたいと思っています。―― 見せ方で工夫したのはどんなところですか?MAKEYは投稿者の女性の顔がずらりと並ぶ仕様になっています。メイクのやり方を説明するために、自身の顔写真を載せるのは避けられません。でも、顔の好みは個々のユーザーによってまったく異なります。パーツごとに見ると「参考になるかも」という画像があっても、パッと目に入った写真が気に入らないと、心理的な壁を作ってしまうこともある。そのせいで、自分に合ったコンテンツと出会えなくなるのはもったいないと思いました。そこで、ファーストビューに顔写真だけではなく、メイクに使ったコスメも表示させることで、閲覧者に「このコスメ使ってる!」「このコスメ気になっていた!」など、プラスの気持ちが生まれるような仕組みを作りました。○基礎的なふるまいこそ雑にしてはいけない―― 今後はどのような展開を考えているのでしょうか2つあります。1つ目は海外展開に挑戦することです。日本の若い女性たちは、台湾やタイなど東南アジアの同世代の女性たちから憧れられる存在で、現地では日本の女性誌がたくさん売られていると聞きます。MAKEYに掲載されているコンテンツは、彼女たちに必ず響くものになると思います。2つ目はネイルやヘアなどのコンテンツも追加配信すること。今は、美容師さんたちと水面下で動いています。それらのコンテンツを有料化するか、有料化するならどのタイミングで行うかは目下検討中ですね。ただ、これまで「CGMだからこそ、よりユーザーファーストで」と考え取り組んできて、その延長として「サービスは無料で提供すべきだ」という思考でしたが、考えが変わりました。尊敬するクックパッド創業者の佐野陽光さんから「ユーザーがお金を払わないサービスこそ、ユーザーのためになっていない」とアドバイスを受け、ハッとしたんです。今は、ユーザーにとって良質なコンテンツを届けるために、有料化しても成り立つくらいしっかりしたサービスを作ろうと思っています。―― 最後に、起業を目指す方にアドバイスをいただけますか?学生上がりの起業家に多いと思うのですが、契約締結方法や報連相などは認識していても、実際にはスムーズにアクションできないことがあるのではないでしょうか。たとえば、連絡の仕方一つで契約がパーになることもあります。そこで足元をすくわれるのは、非常にもったいないことだと痛感しています。もしメンターがいるなら、そういった基礎的なことも、恥ずかしがらずに素直に教えてもらう方がよいと思います。もう一つ。どんな仮説をもって検証してプロダクトを作ろうと、上手くいかないことの方が多いです。重要なのは、今は小さなユーザーでも、デファクト・スタンダードを獲得し続けて、マーケットが大きくなるまで生き残り続ける覚悟だと思います。必ず成功すると僕は信じています。
2016年01月22日弥生は1月15日、法人起業検討者を対象とした、起業の直前直後に役立つ情報をまとめたWebサイト「弥生の起業家応援プロジェクト」を公開した。同サイトでは、起業の準備・手続きから起業直後の経理・業務管理までの情報が紹介されている。コンテンツは大きくわけて「起業の基礎知識」「起業と経理」「起業に役立つ製品・サービス」の3つが用意されている。「起業の基礎知識」では、起業前後に必要な情報にフォーカスし、法人設立の検討時に役立つ「会社設立のメリット・デメリット」や「設立費用、法人設立後に必要な届出書類」、起業後にすぐ決めておくと後々のお金の管理が楽になるという「請求・支払の期日 決め方の原則」や「現金と預金の管理方法」などが紹介されている。「起業と経理」では、主に起業後の経理にフォーカスし、起業家アンケートから割り出した、「業界ごとの売上に対する理想比率」や「黒字化経営企業の経営状態」が紹介されており、業界ごとの健全経営を把握することができるという。また、日々の経理の流れや決算の説明も紹介されている。「起業に役立つ製品・サービス」では、起業時に、個人事業主としてスタートするか、最初から法人として会社を設立すべきか迷う場合に、事業の売上と経費、希望する年収などを入力することで、概算の税金(法人税・所得税)がわかる「かんたん税金計算シミュレーション」が用意されている。これにより、個人事業主と法人で納める税金の差額や売上の多寡による変動額を把握することができるようになっている。
2016年01月15日起業家と一口に言っても、実にさまざまなタイプがいる。若い頃から使命感に燃えていた人、虎視眈々と機会を狙っていた人などはイメージしやすいが、あるとき運命の歯車が回り、偶然にも起業家の道を歩むことになった人物もいる。グルメチャットアプリ「ペコッター」を開発・運営するブライトテーブル 代表取締役 松下勇作氏がその一人だ。大学院でバイオテクノロジーの研究に励んでいたものの中退し、金融機関向けシステムのコンサルティングや開発、保守・運用業務を行う会社に入社した。3年半ほど勤務したころ、転機が訪れた。インキュベイトファンドに転職した知人から、インキュベーションプログラム「Incubate Camp」(2011年)の存在を聞き、松下氏は「面白そうだから行ってみたい!」と伝えた。しかし知人からは、「ダメだ。ビジネスのアイディアを持った人だけが、Incubate Campに参加できるんだ」と告げられる。そこで松下氏は、A4用紙にWebサービス「テーブルシェア」のアイディアを書いて知人にプレゼンし、プログラムの面接に潜りこませてもらう。その後、早朝7時からのプラン改善ミーティングを重ねた結果、キャンプへの出場権を獲得。今も継続した支援のあるインキュベイトファンドの代表パートナー赤浦氏に見いだされ、投資対象に選出される。その後の準備期間を経て、2012年2月、同サービスを開発・運営する組織としてブライトテーブルを立ち上げた。○「どんなときでも明るいですね!と言われます」松下氏 : 2011年夏、僕がまだ会社員だったときのことです。当時はFacebookのイベント機能を使う人が増えていて、僕も頻繁に活用しつつ、社内外問わず食事会を開催していたんです。その食事会が「テーブルシェア」の原型になりました。そもそも、なぜ食事会を積極的にやっていたかというと、みんなで悩みを打ち明けたり、近況報告したりできるような場を作らなければと思ったんです。入社1年目は内定者同士でよく食事に行っていたのですが、2~3年くらい経つと、皆それぞれ役職に就いたこともあり同期との交流が減っていきました。そんな中、仕事が忙しく、同期と話したり相談したりする機会もなく、心が疲れてドロップアウトしてしまう人が出てきていました。食事会は、こういう人を助けることができる場になるのではと思ったんです。とはいえ、同期は60人ほどいたので、全員が一度に集合するのは無理ですし、半分程度でも厳しい。では、5~6人の小規模な集まりならどうかと考えてやってみると、密に交流できる良さがあると気づいたんです。―― 人力でやっていた食事会を仕組み化したのが、テーブルシェアだったというわけですね。立ち上げは順調にいきましたか?上手くいきませんでしたね。当初、僕はプログラミングができなくて、友人が組んでくれていました。何度も手直しを重ねてようやくリリースできたのは、開発に着手してから1年後です。時間を要した理由としては、友人が仕事仲間になったこともあり、何か不満があったとしてもあまり強く言えなかったり、隣で並んで開発していて、ついダラダラしてしまったりと、僕自身、甘えみたいなものもあったと思います。また、「世界中の食卓を明るくにぎやかにする」というサービスのコンセプトはあったものの、課題解決における具体的なアイディアがなかったんです。結果、1年半運営を続けたものの、2013年夏にサービスを終了しました。―― とはいえ、1年半で見切りをつけるには、相当な覚悟も必要だったのではないでしょうか投資いただいた資金が底をつき、私有財産をつぎ込んで、さらには借金をしたこともありました。周りの人に食事を奢ってもらったり、当時の恋人と一杯のラーメンを分け合ったりと、ギリギリの生活をしていた時期もあります。ですが、落ち込んだりはしなかったです。むしろ、新しい価値を創る仕事が楽しくて、ファンドとのミーティングの際にも「どんなときでも明るいですね」と言われていました(笑)。というのも、30代の僕がやりたいことの実現を目指して2~3年がんばって、最終的に失敗したところで、世界は微動だにしないと考えているんです。逆に、万に一つでも世の中に残るような仕組みを残せたらいい。自分が死ぬときに、後悔したくないという気持ちが強くあったんです。そんな中、ファンドの方が「新しいサービスを考えてみたら?」と言ってくださり、2014年1月にリリースした2つ目のサービスが「ファイブシート」でした。こちらも食をテーマにしたサービスで、コンセプトは「仕事帰りの新習慣」。見ず知らずの人が集まって、1時間でサクッと食事して解散できるサービスで、開始時間と場所(店)を選ぶと、その日の食事メンバーになる5人が集まり、コース料理をシェアします。1時間きっかりでタイマーが鳴って、会計・解散という仕組みです。テーブルシェア運営時に「誰かと食事はしたいけれど、幹事はやりたくない」と思う人が多いと気づき、ただボタンを押すだけで参加できる食事会として設計しました。ファイブシートの開発時は、起業してから2年間のプログラミング経験のおかげもあり、3週間でリリースできました。参加者のリピート率もとても高かったですね。ただ、「見ず知らずの他人同士で食事すること」にハードルの高さを感じた人も多かったようです。今度はサービス継続か否かの判断を早めにしようと思い、サービス開始5カ月ほどで開発を中断しました。○サービス公式キャラクターの被り物で「自分を広告化」―― その後生まれるのが現在のサービス「ペコッター」ですね2014年夏ころ、会社と家の行き帰りに人間観察をしながら、事業のヒントを探していました。そのころはスマホの普及率がぐんと上がり、駅のホームを歩くと、ほとんどの人がスマホをイジっているような状況で、そのときに気づいたのが、スマホでグルメ系のクチコミサイトを見て、複数の店舗から比較検討するのは意外と大変だなということ。多くの人が、スマホの画面の中で複数店舗のクチコミを並べて選ぶ、いわば「PCのころの探し方」を続けていたんです。スマホの小さな画面であれば、たとえば「銀座で蕎麦」と希望を打ち込むと、グルメに詳しい人から「◯◯が良いよ」と1店舗だけおすすめを教えてもらえる……そういうサービスが向いているのではと考えました。行けるお店は一度に1店舗ですからね。そこからiOSアプリの開発に向け勉強を開始し、2015年3月にサービスをリリースしました。―― 認知拡大のための施策は展開していますか?いろいろと実験的な取り組みもやっています。中でも独特なのがTwitter上で「渋谷 ごはん 教えて」などのキーワードで検索し、お店を探している人に向けて、ペコッター公式キャラクターの「はらぺこ君」から「それなら◯◯というお店が良いよ」と教えるというもの。完全に手作業です。Twitter上でお店を探している人のニーズと、ペコッターアプリ内で探している人のそれには、違いがありません。自ら検索するのが面倒で、教えてほしくて質問を投げかけているわけなので。彼らはペコッターのユーザーになり得るので、積極的に声をかけています。ほかにも、初期に最もユーザーを獲得できたのは、羊のかぶりものを身に着けてペコッターのパネルを持って移動するという、いわば「僕自身が広告化する」施策でした(写真参照)。その格好で電車に乗っていると話しかけられ、「写真に撮ってSNSに投稿して良いですか?」と聞かれるんです。5,000フォロワーほどいる方がつぶやいてくれたこともありました。○レッドオーシャンでも、軸をズラせば勝てる―― ビジネスモデルはどう作っていく予定ですか?ユーザー数を増やすことが先決ですから、今すぐマネタイズしようとは思っていません。が、可能性としては3種類のマネタイズを考えています。1つ目はとてもシンプルですが、アプリ内に広告を配信すること。2つ目は店舗へ課金、3つ目はユーザーへ課金することです。はじめの2つのマネタイズ方法は、サービスのスケールが必要になりますが、3つ目のユーザー課金は短期的にスタートできます。それが、今ユーザーに大好評な機能が「ペコッター予約」です。ペコッター予約とは、ユーザーから予約依頼を受けると、僕たちが店に架電して席を確保するというものです。たとえお店の席が空いていなくても「◯時からは空いていませんでした。△時なら空いているようです」では終わりません。そのお店と同じジャンル・金額感などの店を探し、空席の有無まで確認した上で、「こういう店もありますよ。ここなら◯時から△人で入れます」とユーザーに伝え、そこでOKであれば予約を入れます。コンシェルジュのようなものですね。―― ペコッター予約は無料で提供しているんですよね。相当大変なのでは?1日数十件以上の予約依頼をいただきますからね。もちろん、僕たちも人力での検索・電話予約ではスケールできないと考えています。実は、予約業務を行うなかで「そのお店がダメならここはどうか……と検索し何件も架電して、空席を探して……」といった一連のデータをすべて記録し続けていると、知見がたまります。たとえば「恵比寿で焼き肉、予算は一人5,000円」と依頼がくると、以前受けた相談と同じように紹介していけば良い。近い将来、予約依頼の受付や店への架電、ユーザーへの提案までプロセスを自動化し、スタッフ一人でも回せるようにするつもりです。今のまま人力を続けていると赤字ですが、自動化すると黒字転換できるでしょう。ですから、まず1年くらいは人力で検索・架電し、データを蓄積しつつ提案のクオリティーを上げていきます。ペコッター側から提案する店に加え、ユーザーが他のユーザーに店を提案することもあります。こういった生きたデータが膨大にたまっていけば、ほかのサービスは追随できなくなるはずです。いずれ、人工知能を用いて店を紹介するサービスも出てくるでしょうが、リアルなお店についてのデータがなければ意味を成しません。アルゴリズムを作れたとしても、それだけでは不十分なんです。「先んじてユーザーに価値を提供することで膨大かつ使えるデータを収集し、その後アルゴリズムを適応していく」というサービスの進化を2~3年のスパンで考えているんです。―― 最後に、起業家を目指す人へ、アドバイスをお願いしますよく「競合は多いけれど、どうしてその分野に挑戦したんですか?」といった質問を受けます。でも、僕たちとしては、ほかのグルメ系アプリ・サービスとは「共生関係・仲間関係にあって、ライバル関係ではない」と捉えています。情報の海で溺れそうになりながら、なんとか情報を持ち帰るという「検索」という行動をペコッターに置き換えていきたいんです。検索する代わりに「~な店を教えて」と悩めるユーザーに対し、グルメに詳しいユーザーが情報の海を上手く泳いで、適切な良い情報をピンポイントで提示してくれる ―― そんな世界を実現したいなと。その際に、ほかのグルメ系アプリ・サービスのリンクを紹介するわけです。繰り返しになりますが、やはり僕たちにとって彼らは仲間。たとえライバルが多い分野で挑戦する場合でも、戦い方を少しずらせば上手くいくと思います。僕たちが着目したのは、ユーザーは「店を探したいのではなく、店を決めたいと考えていること」。情報が多ければ多いほど、人は決められなくなります。その悩みをどう解決しようかと考えたときに、決めるためのサービスを作れば良いのだ、と気づいたんです。起業して新しい価値を生み出したいなら当然、時代に即したものを創り出す必要があります。変化の多い今の時代に起こる不自由なことや不便なことを見つけ出して、ソリューションを上手く提示できる起業家が、成功を手にすると信じています。
2016年01月15日「起業したい」と思ったことはありませんか?しかしその一方で、「私にはムリ」とあきらめている人、「どうすればいいか分からない」なんていう人も多いのではないでしょうか?そんな人の背中を「大丈夫だよ」って押してくれるのが、『1年目から無理なく年収1000万円稼ぐ「起業一年目の教科書」』(今井孝著、かんき出版)です。著者は、WEBセミナーだけでも延3万人以上にノウハウを伝える起業支援の専門家。自身が起業当初はセミナーを開催しても閑古鳥が鳴き、数百万円投資して制作した商品は、ほとんどが在庫の山に。ネット広告につぎこんだ資金は一瞬で消えるなど、胃の痛みと闘いながらの1年目で、散々なものだったといいます。そうした自らの経験を生かして考案したのが「段階思考」。一気に駆け上がるのではなく、一歩一歩、段階を踏みながら上がっていくという考え方です。起業し成功している人は、この段階思考を用いているのだそうです。本書では、起業し成功した人が持つ、段階思考「こんな時はこう考える」という事例63項目が紹介されています。いくつかを見てみましょう。■1:起業を思いついたら-「最初の1歩」を踏み出す起業しようと思っているけれど、「ビジネスのアイデアが思いつかない」「なにを商品にすればいいのかわからない」と悩んでいる人も多いはず。でも、悩むのは起業家として正しい姿勢で、もっともっと悩むほうがいいのだそうです。最初からやり方を知っていて、なにかを成し遂げた人はいません。考えて悩んで計画を立て、まずは最初の一歩を踏み出すのです。最初の一歩とは、本や雑誌を読んだり、ビジネスセミナーに参加したり、人に会ったりとなんでもいいようで、こうして情報と情報が結びついたとき、いままで見えなかった道が見えてくるのだといいます。■2:起業までの準備-時間の確保とお金の不安を最小化する「起業したいけど、5年ぐらいなにも進んでいない」という人に対しては、まず時間を確保することが大事だと著者はいいます。起業のための時間をつくれば、少しずつでも準備が進むもの。そのためには現在やっている仕事を8割の時間で終わらせ、起業の準備時間に当てればいいのだそうです。また、起業するうえでもっとも大きな不安は「お金」。まずは固定費、準備に必要な経費などの計算を明確にしましょう。「これだけは必要」だとお金を明確化すれば、現状の家計を考え、予算を組むことが可能。これで起業に対する不安の半分は解消するようです。■3:商品をつくるには-お金をかけずに試作してみる「ビジネスを始めるには、しっかりと商品をつくらなければ」と考える人は危険。逆に最初はしっかりした商品を作らないほうがよいことのほうが多いとか。著者は自身の苦い経験から、「テストせずにいきなり完成品をつくるな」と訴えています。つまり試作品を作ってスタートし、何度もやりなおしていけば、最後には必ず売れる商品が生まれるのだということです。■4:価格設定するには-自分の都合で価格を決める「安くないと買ってくれない」と、価格に対して弱気な人は少なくありません。価格に対する弱気を解消するには、「価格を上げられない2つの心理的要因」があることを知ることが大切。まずひとつは、売ったあとに「この値段で満足してもらえるだろうか?」という不安です。そしてもうひとつは、売る前に「この値段でこの商品が売れるだろうか?」という不安。しかし多くの人は、「売る前」と「売った後」の不安をごちゃまぜにしているので対処できないのだとか。売ったあとの不安を解消するには「お客様に満足してもらえるまで価値を提供しよう」と覚悟することが大切。クオリティーを上げ、価格を高く設定したほうがいいというわけです。売る前の不安も「この価格で商品を広めるために、価値を伝える。価値を感じてくれる人を見つけるぞ」という覚悟が大事なのだとか。■5:マーケティングとセールスを行うには-まず仲間を増やすビジネスをスタートしたものの「どうやってお客様を見つければいいのだろう?」と悩んでいる人がいます。解決法としては、最初は家族や友だちにお客になってもらうのがいいそうです。著者自身もビジネスをはじめたばかりのころは、ほとんど知り合いが買ってくれたとのだとか。つまり、どれだけ助けてくれる人が周りにいるか、ということが初期のマーケティングのカギ。営業力は知らない人を引っぱる力ではなく、応援される力なのだといいます。ビジネス系のセミナーや交流会などに参加して知り合いを増やし、仲間を広げていくことが重要。すると、やがて人や仕事の紹介につながることもあるそうです。*このように起業1年目で成功した人たちの段階思考を、「第1章起業を思いついたら」から「9章起業家のチームづくり」まで、9つのテーマに分けて紹介しています。本書を読んだからといって、すぐに年収1,000万円になるわけではないでしょうが、起業に際してのストレスや恐怖を軽減してくれるのは確か。起業しようという人、はじめたばかりの人が感じる悩みや不安を和らげ、問題解決へと導いてくれます。どの項目をからも読めるようになっているので、本棚に保管して、悩んだとき、迷ったときにページを開くことも可能。起業を考えている人は、一度は読んでおきたい一冊です。(文/森美奈)【参考】※今井孝(2015)『1年目から無理なく年収1000万円稼ぐ「起業一年目の教科書」』かんき出版
2015年12月18日世界各地の大学で「知的財産」と「起業」について講義を行っている、イタリアの靴メーカー、ジェオックス(GEOX)グループの会長、マリオ・モレッティ・ポレガート氏が早稲田大学での講演のために来日した。マリオ会長は北イタリア・トレヴィゾのワイン生産家の三代目として家業を継ぎながら、90年代初めにあることをきっかけにシューズブランドを創業。カジュアルシューズメーカーとしてまたたく間に売り上げを拡大。ベネトン、デロンギなどグローバルなブランドを生み出すトレヴィゾ特有のブランディング戦略にも注目が集まっている。ジェオックスグループは創業10年足らずの04年にミラノ証券取引所に上場を果たした。マリオ会長の起業力、急成長させたビジネスリーダーとしての資質が話題を集め、00年代に入ってさまざまな大学の客員教授として招聘。これまでに伊ヴェネツィアのカ・フォスカリ大、ボストンのMIT、ケンブリッジ大、コロンビア大、北京大、香港大、モスクワ大などで講義やカンファレンスを行っている。「そもそものきっかけは米国ネバダ州リノの砂漠。ワインの展示会でリノを訪れ、散歩していたときにゴム底のスニーカーが蒸れてあまりに暑くて不快だったので、持っていた旅行用のスイスのアーミーツールのナイフで靴底に穴を空けたんだ。それがすべての始まりさ」とマリオ会長は楽しそうに話し出す。その効果が快適でゴム底に通気口を空け、防水機能を持たせた“呼吸する靴”の特許を世界100ヶ国で登録。「その当時は靴を売ろうとは思っていなかった。アイデアを売ろうと思っていた」(マリオ会長)が、3年経ってもそのパテントに興味を持つ企業は現れず、それならと自らヴェニスにシューズメーカーを設立。5人の仲間と数人の大学生でスタートしたシューズメーカーは、現在イタリアのカジュアルシューズメーカーとしては業界トップの地位を確立。現在、世界115ヶ国で1,250店舗を展開しており、14年度の売上高は前年比109.6%で約1,200億円。世界中で約2,000万足を販売し、その内イタリア国内では700万足を販売し、イタリア国民の8人に1人が購入している計算になる。「我々の成功の要因はテクノロジー、イタリアンモード、コンフォータブル(快適さ)の3つ。コレクションのモードはアーバンスタイルだが、我々はデイリーなアーバンでの快適さを求めた結果だ。ゴム底シューズの国内シェアは95%に達しているが、今後は革底靴、ウェアへとテクノロジーを広げていく」とマリオ会長は意欲的。自身もルーマニアやイタリアで農業、獣医学、化学、経営学、経済学と次々に博士号を取得し、欧州の各大学の生徒との共同開発を進めており、最新テクノロジーを活用した生徒とのコラボ企画などにも意欲的。一方で、デザイナーラインとしてパトリック・コックスも展開し、ファッションアングルでの視野の広さや、イタリア、スペインでスタートしているダウン症児との協業など企業活動も、講師として認められる所以だ。家業のワイン農家は7つのブリュワリーを持ち、年間約3,000万本以上を販売しており、その盤石なる歴史があってのジェオックス成功秘話ながら、「一つのアイデアは一つの工場より価値がある。イノベーションに投資したい人は世界中に多数いる。日本のテクノロジー、企画力には世界中から注目が集まっており、若い世代のパワーに期待している」と同会長は話している。Text:野田達哉
2015年11月25日彩ファクトリーは12月1日、京都初となる起業家シェアハウス「Fespa京都」をオープンする。シェアハウス内では、起業家同士の質の高い情報交換やメンターとなる先輩経営者からの学び・経験・スキル・人脈のシェアを図り、互いの夢の実現を加速させていく環境を整えている。彩ファクトリーはすでに東京で2軒の起業家シェアハウスを運営し、3年間で8人名以上の起業家が住み、30以上の新規事業が立ち上がり、15人以上が新規に会社を設立している。年代は20代から50代までと幅広く、中には20年以上の経営経験で年商50億規模の会社経営をしているベテラン経営者や、起業家シェアハウス内で起業してから2年間で年商4,000万円を越える急成長を達成した若手起業家もいるという。Fespa京都での居住者は本気で成長したい人限定で、面談審査を通じて自身の達成したい目標が明確な人を募集する。また、日常的に気軽な相談をし合う入居者専用コミュニケーションツールとして先輩経営者からアドバイスを得る機会を提供し、毎月グループごとに「先月の目標を達成できたか。何で苦労したか。どんな支援がほしいか。来月の目標は何か」を発表し互いにアドバイスし合う場を提供する。また、定期的に先輩経営者によるビジネススキルセミナーや自分たちの事業アイデアをプレゼンしあうイベントも開催する。ほかにも、毎月外部の起業家仲間も参加歓迎の交流パーティーを開催することで、モチベーションの高い人材同士のつながりを増やす機会を提供し、24時間無料で使える共用ラウンジはコワーキングスペースとして仕事場や入居者主催の勉強会、イベントに活用できる。Fespa京都の所在地は京都府向日市寺戸町乾垣内5-2で、阪急電鉄「東向日駅」から徒歩13分(「河原町駅」から15分)または、JR「向日町駅」から徒歩20分(京都駅まで8分)。入居開始日は12月1日で、家賃は6万円~10万円、共益費は2万円(2LDK部屋は3万円)。共益費には水光熱費やインターネット、各種イベント・セミナー費用が含まれている。なお、初期費用として事務手数料5万円が必要となる。部屋は10平方メートル(1R/単身者向け)から60平方メートル(2LDK/家族、カップル向け)まで。全個室で家具あり部屋と家具なし部屋から選択できる。先行予約申込は彩ファクトリー公式サイトから。
2015年11月15日起業願望があってもベストなタイミングはいつだろうかと悩み、なかなか踏ん切りが付かない人は少なくないだろう。一方で、そもそも時期を遅らせる意味がないという理由で、決断してすばやく事業を興した起業家もいる。「30代か40代か……いずれは起業するものと思っていました。とはいえ、起業後に失敗が待っているかもしれない。もし失敗するなら、20代のできるだけ早いうちにしておきたかった」こう語るのは、企業がコミュニティに対して、直接サンプリングやモニタリング、販促などができるマッチングサービス「ナヲナス」を8月にリリースした京橋ファクトリー 代表取締役社長の八木太亮氏だ。ベンチャー創業者の中で、八木氏の経歴は一風変わっている。新卒でリコージャパンに入社し、法人営業の経験を3年半積んだのちに独立。「定年まで営業の仕事だけをすると考えたとき、物足りなさに似た気持ちを感じた」と八木氏は振り返る。○自分にしか作れないものを残したい八木氏 : 昔から、ものづくりや価値づくりに興味がありました。特に「価値を生みだすこと」を意識したのは中学時代にさかのぼります。実は僕、中二病だったんです(笑)。自分はどうして生きているのか、人や社会の役に立つにはどうすれば良いのか、みたいなことを真剣に考え続けていて。大人になってもそれを引きずっています。自分でなければ生み出せないものを世に残したいですし、それが人のため社会のためになれば、まわりまわって自分が生まれた意味があるかな、と思うんです。昔から抱いているこの気持ちは、起業を後押ししたひとつの要素でしょうね。また、2010年から約2年、ちょうど社会起業ムーブメントが起きた時期に、一般社団法人シブカサ(※1)の運営に携わった経験も、起業のきっかけになりました。動けば動くほど世の中に影響力を与えるものを生み出せるという実感が持てて、自分一人の動きがどんな形で社会の役に立てるかを考えるようになりました。そのときに営業ではなく、自分でゼロから何かを作る仕事をしたい、と思ったんです。退職から半年後の2012年6月に、1社目となるcaravina(カラヴィナ)を立ち上げました。※1 廃棄されたビニール傘の無料シェアリング事業を渋谷で行う一般社団法人。2007年に任意団体として設立された。何を事業としてやっていくか決めないまま起業したので、空白の半年間は、情報収集をしたり人と会ったりしていました。1カ月間、アメリカにも行きましたね。海外でも通用する事業をやりたいと考えるようになり、海外に住む人の生活を知るため東海岸と西海岸を巡ったんです。半月ほどニューヨークにいて、カウチサーフィン経由で見つけたホスト宅やゲストハウスに泊まって、現地の人のような暮らしをしていました。そのときに芽生えたのは普遍的なものを作りたい、という意識でした。○ニッチすぎるサービスで経験した "失敗"――― 帰国後、caravinaを起業したんですね。どんなサービスを作ったんですか?最初に作ったのは、左利き専用ギターを販売するECサイトです。左利きの人は10人に1人の割合でいるんですよ。僕が昔バンド活動をしていたとき、左利きのメンバーが「左利き専用ベースが手に入らない」という理由で、仕方なく右利きのベースを使っていたこともありました。大きな元手は不要で、かつ場所に囚われませんし、左利き専用ギターは非常にニッチなので、流通を補完するサービスであれば回していけるのでは、と期待しました。SEOの知識もサイト制作経験もない中、なんとかサイトを作ったところ、意外と売れたんです。半年ほど運営を続けましたが、結果として成功はしませんでした。単価は1本あたり約20万円と高いものの、ニッチすぎる商品なので、売れる本数が少ない。また、ギターは消費財ではないため、1本買うと次に買う機会はもうないかもしれないんですよね。ただし、狭い分野に特化することでニーズに応えられることや、ものが売れる感覚値などは、この事業を通じて得ることができました。失敗した経験と言えば、もう1つあります。ECサイトをたたんでから、クラウドファウンディングサービス「Kickstarter」に挑戦したんです。ものづくりをしたいと思い、アメリカでウケることを狙った「忍者PCバッグ」を作りました。なんとか目標金額の1万ドルを集めたまでは良かったんですが、量産体制や販売網を作れず、失敗に終わりました。PCバッグもギターと同じく、短期間にリピートされる消費財ではないですし、あらゆるリソースのないことが敗因でした。この後に2社目となる、京橋ファクトリーを設立しました。○「コミュニティマーケティング」を普及させたい――― 京橋ファクトリーとcaravinaの違いは、どのようなところでしょうか?caravinaは自分が好きなことを自分視点でやっていた会社です。でも、自分がただ楽しくて作るものって、エゴでしかないんじゃないかと、ふと思う瞬間があって。対して、京橋ファクトリーはチーム全員で大きな価値を作り、人や社会を幸せにすることを目指している会社です。目的や位置づけが全然違うんですよね。8月より提供を開始したサービス「ナヲナス」の構想は、2014年9月頃からありました。当時から、コミュニティを支援するサービスの市場規模は相当大きいぞ、とは思っていて。ちなみに最近きちんと算出したものだと、企業がイベントにかける販促費は約1兆2000億円だとか。ゲームやアニメの市場とほぼ同等です。2013年に京橋ファクトリーを創業後、大小問わず事業案を複数考えてリサーチしながら、コンパクトなサイトを作って仮説検証を繰り返していました。いくら良い企画案が生まれても、それをそのままスタートしてしまうと、机上の空論で終わってしまう可能性があります。過去2度の失敗でわかっていたことなので、本格始動する前に時間をかけました。――― その後、ナヲナスの開発は順調に進みましたか?いえ、けっこう紆余曲折がありました。最初はコミュニティと企業のタイアップという形ではなく、企業にイベント協賛してもらう形で実験していましたね。イベント協賛を何度か行った結果、イベントの上位概念である"集団"に価値があるのでは、という考えにシフトしたんです。今年の3~4月頃のことです。弊社が運営するメディア「ビール女子」事業で得た気づきも、ナヲナス開発に活かせたと思います。企業から広告やタイアップの発注をいただく中で、読者を集めたイベントや座談会の開催を期待されることが頻繁にありました。企業はビール女子に対し、メディア要素だけではなく、コミュニティ要素も期待していたんですね。確かに、ビール好きな女性が集まれば、商品のサンプリングやニーズ調査をすることもできるわけですから。また、企業と話をすると「マス広告よりもリアルなコミュニケーションに力を入れたい」といった声を多く聞くようになりました。情報過多の時代で、消費者はどんどん賢くなっています。ですから、一方通行の情報だと、商品の訴求ポイントがなかなか伝わらない。複数の小さなコミュニティに対して、商品をアプローチしていこうという流れがきているように感じます。この取り組みを僕たちは「コミュニティマーケティング」と名づけ、普及させていこうとしています。コミュニティを使ったマーケティングを実践し、大規模に成功できているところは目立っていないので、新しい文化として確立させていきたい。規模が大きくなっていったら、ナヲナスを「日本最大のコミュニティマーケティングサイト」と標榜したいですね(笑)。――― 最後に、年内に仕掛ける新サービスがあれば、教えてください有料老人ホームの紹介を高齢者向けにわかりやすく提供するサービスを9月中に公開予定です。生活をきちんと伝えている「ひつじ不動産」や「北欧、暮らしの道具店」などのサービスがイメージに近いかもしれません。高齢者事業の市場規模の大きさは、頭では理解していましたが、決して自分事にできていませんでした。でも、高齢者の方に話を聞いていると、皆さんの"暮らし"に課題があると気づいたんです。奥さまに先立たれてから一人暮らしとなり、栄養価の高い食生活ができなくなって、食が細ってしまった男性がいました。後に男性は施設に入ったんですが、バランスのとれた食生活に戻り、入居2カ月で体調が良くなったそうです。さらに、アクティビティやイベントで他の入居者と交流するようになり、人付き合いを楽しむようになったと聞きました。京橋ファクトリーの根底にある願いは「社会の課題を解決すること」ですから、お話をじっくり伺っていると、ハラオチ感があったんですよね。有料老人ホームは、高齢者のシェアハウスみたいなものだと思うんです。そこでの生活を丁寧に伝えられる、価値あるサービスサイトを目指していきます。
2015年09月24日世の中ちょっとした起業ブームだ。書店に行くと起業を勧める書籍がコーナーになって多数置かれている。だが、それほど多くの人が実際に起業をしているとは思えない。「いつかは」って夢を持っている人は多いかもしれないが、いざ本気でトライしようと思えばハードルは高いし、本当に取り組む人は多くないはずだ。企業に入社した時には誰しも少なからず何か「この会社に入ったら○な仕事をしてみたい」という思いを持っているものだ。けれど実際にはその通りのミッションにつけないことの方が多いのが現実だ。そうすると「他の会社に行けばできるんじゃないか」と考えて転職を検討することになる。そんな、なかなか自分の思いを実現できていない企業人に向けて、筆者は独立起業や転職を考える前に「自分が今勤めている会社の中で起業にトライしてみれば?」と勧めている。それが「社内起業」だ。ただ、「起業」というと新会社を設立するなど大袈裟なものに映るが、ここで対象にしているのは「新たな販路を開拓する」とか「異なる顧客層に広げる」とか「新たな製品ラインナップを増やす」といった言わば企業活動として日常的に繰り返されていることも対象にしている。「それがその会社にとって新たな取組みなのであれば、それも小さな起業の一つだ」と。そう考えると、企業人にとっても「起業」はもう少し身近なものに感じられる。しかし、やはり組織の中で何か新しい取組みを始めようというには、規模の大小はあるにしても、なんらかの準備は必要だ。自分の考えを何かにまとめ、社内で起案し、承認を取りながら進めなければいけない。しかし、意外とこういうHowToが書かれた本と言うのは少ない。とかく経営学の本というのは、「なるほど」と思うことはあっても、なかなか実践で活かせる場面がないというのは、多くの読者が経験してきていることだろう。大学の研究者にはイノベーションの理論を解説することは出来ても、企業の中で働いたことがない人にその組織の中での立ち居振る舞いを助言することは出来ない。プロジェクトに第三者として携わるいわゆる戦略系コンサルタントにしても同様だ。やはり、当事者として企業の中で経験を積んできた人だけが持つHowToが知りたくなる。独立起業しようという人向けには多数のHowTo本が出ている。会社設立の手続きから、資金調達、人材採用、製品・サービスの設計、販路開拓……、起業するためにしなければいけないことは沢山ある。起業家はこれらのことを一つ一つ学びながら実行していくことになる。しかしこれは社内起業においても同じことだ。何か新しい取組みを始めようとすれば社内で予算を確保しなければいけないし、上司や人事部とかけあって人の配属をお願いしなければいけない。製造部署や営業部署に協力を求めることも必要だろう。実は、こういう社内での動き方が一番大事だったりする。もちろんそんな「社内政治」だけで案は通せない。ちゃんとロジカルに企画案を検討し書面にまとめて起案しなければいけない。自分に経営学やマーケティングの専門知識がないことを不安を感じる人は多い。著者は、リクルート社の新規事業開発室のマネージャとして長く勤務してきた経験から編み出した「国語・算数・理科・社会」という思考フレームを紹介している。・事業は「算数」から考え始めてはいけない・まず大事なのは「国語」。人の気持ちを慮る・人が抱えている「不」を解消することこそが事業の本質・「不」が発生している理由を考える(理科)・「不」が解消されていない背景を洞察する(社会)で、骨太の魅力的な事業コンセプトを考えていくのだという。これまで3,000人の事業企画書を見てきた経験から、多くの企画は「国語」の掘り下げが甘く、「理科」の分析が弱いことが多いと言うのもわかる気がする。新規事業の検討でよく使われる「アンゾフの成長マトリックス」という思考フレームに筆者オリジナルの「5W2H思考」を組み合わせて発想の幅を広げるという手法も面白い。「誰に×何を」「どこで×どうやって」「いつ×いくらで」と軸の組み合わせを変えながら9種のマトリックスを使って発想を広げていく。これはかなり実践的でイメージが湧く。新規事業の担当者は、とかく企業の中で「金食い虫」と厳しい目で見られたり「遊んでるんじゃないか」と揶揄されたり、組織の中で孤軍奮闘になることが多い。実際、なかなか成果を出すことができず苦労している人も多い。けれど、入社間もない若いうちは「決められたことをちゃんとやる」だけで評価されても、年次を重ねていけばそれだけでは評価されなくなってくるし、役職者ともなれば今までと同じことをやっているだけでは更なる昇進は期待できなくなっている。そんな時代だ。企業に変革が求められているとと同じように、企業人にも働き方、仕事に取り組む姿勢を変えていくことが求められているのも自然な流れだ。そんな企業人にぜひお薦めしたい1冊だ。著者紹介リクルート社の新規事業開発室で長くマネージャを勤めた後、「社内起業」でオールアバウト社を創業(2005年JADAQ上場)。事業責任者等を務めた後、2010年に独立。社内起業の支援に特化し活動。早稲田大学ビジネススクール研究センター特別研究員。SBI大学院大学客員教授。著書に「はじめての社内起業」(ユーキャン刊価格:1,600円+税)がある。
2015年09月10日何気ない瞬間にちょっとした不都合を感じて、「こんなサービスがあれば良いのに!」と思う人は少なくないだろう。だが、それを形にする情熱を持った人は、どれくらいいるだろうか。さらに、それをユーザーから求められるサービスへと成長させられる人は、ごくわずかだ。電子機器(新品・中古品)の買取価格を比較し、希望に合った買取条件で開発業者を探せるサービス「ヒカカク!」を運営するジラフの代表取締役 麻生輝明氏はそんな人物の一人である。某VCからの内定を辞退し、現在は一橋大学商学部を休学しながらサービス開発・改善に勤しむ。起業のきっかけは、内定が出たのち時間に余裕が生まれ、ふとサービス開発を思い立ったことに遡る。ものづくりに夢中になる中で、麻生氏が思い出したのは2006年前後のネットバブル期だった。「当時、僕は中学生で、コミュニティサイトを運営していたんです。最初はHTMLがわからなくてもサイトを作れるツールを使っていましたが、独学で勉強して自分で一から作れるようにもなりました。自作サイトが成長していくタイミングでネットバブルが起こり、IT企業が続々と上場するニュースを目にして、起業やサービス開発に強い興味を持ったんです」(麻生氏)その頃の思いが蘇り、2014年10月にヒカカク!をローンチ。今や買取商品数は7万点を超え、サイトに書かれた口コミ件数は5,000点を超える。さらに2015年7月には、全国1,000店舗のiPhone修理業者から、画面割れ修理やバッテリー交換、水没修理などのメニューごとに費用比較を行えるサービス「最安修理ドットコム」もリリースし、好評を博している。「ヒカカク!も最安修理ドットコムも、商品を買うときではなく、使っているときに起こる課題を見据えている点に特徴があります。購入時は収益を上げるポイントになるので、展開されるサービスもありますが、それ以外の瞬間は見過ごされがちです。そこをサービス化することが求められていると思います」と語る麻生氏に、ヒカカク!開発の経緯や起業への思いを聞いた。○買取業者探しにかけるコストを下げたかった麻生氏 : ヒカカク!の起源は、2つの出来事にあります。1つは、大学3年の頃の体験で、使わず持て余していたタブレットを売りたいなと思ったんです。そこでまずオークションサイトを覗いてみたところ、面倒くさそうだと感じて断念しました(笑)。次に、買取業者に売ろうと思いましたが、安く買い叩かれるイメージがあって嫌だなと……。できるだけ手間をかけたくないし、高く買い取られたいとぼんやりしていたら、気づいたときには1年以上経っていたんですよね。不要なものがあっても、処理するアクションが面倒で放置しがちになりませんか。2つ目は、大学4年の頃のエピソードで、僕の友人に古着店や楽器店などで、よく不要品を売る人がいたんです。彼から「毎回何店舗かお店を回って、査定額を比較した上でなるべく高く売っている」と聞きました。でも、よく考えると1店舗ずつ回るのは大変ですよね。地方だとなおさら時間的コストがかかるでしょう。この2つのエピソードがきっかけとなって、買取価格の比較から買取までWeb上で完結すれば、かなりの効率化を図れることに気づき、ヒカカク!というサービスを想起しました。価格を知るという意味では、クルマのような高額商品を売る際に一括査定するサービスは昔からありました。でも、ああいったサービスは、査定申し込み後、結果が通知されるのを待たないと、いくらで売れるかわからないんですよね。あらかじめ買取価格が比較できるサービスがあれば良いのにと思いましたが、日本にはなかった。だから僕たちは、Webサイト上で買取価格を公開し、ユーザーが自らの意思で売り先を積極的に選べるサービスを作ることにしたんです。(2015年8月)現在は電子機器を中心に取り扱っていますが、実は当初、電子機器と楽器を取り扱うつもりでした。でも、楽器店に話をしにいくと、あまり良い反応を得られなかったんです。楽器業界は大手やチェーン店が大半で、トップ企業を取り込まない限り難しいなと。一方で、電子機器は小規模な買取業者が多く、楽器よりも事業として進めやすかったので、動き始めてから約2週間で、電子機器1本に絞ろうと決めました。○今すぐの課金やマネタイズは、考えていない――― ちなみに、サービスサイトを見ていると、高額な買取額が目立つのはなぜでしょうか?小規模な買取業者を中心に掲載しているからです。そもそも買取業者によって買取価格が違うのは、コスト構造が異なるから。多くの大手買取業者は駅前の一等地に店舗を構え、多大な広告費を投下しているぶん、買取価格を下げないと採算がとれなくなります。一方、広告費にあまりお金をかけていないため、大手と比べて買取価格を高く設定できるのが、小規模な買取業者の特徴です。ヒカカク!のようなプラットフォームビジネスの成否は、どれだけ多くのプレイヤーを集められるかにかかっていると思っています。短期的な利益を上げようとしても意味はありません。そのため、僕たちは(2015年8月)現在の状況を将来への投資として捉え、買取業者の掲載を基本的に無料としています(有料プランもある)。ユーザーの声に応えられるサイトを作るために、買取業者の掲載を無料にし、高額買取を行う小規模な買取業者をたくさん集めているんです。時期は未定ですが、いずれは買取業者に課金するビジネスモデルを想定しています。ヒカカク!に出稿してもらえば、自社サイトを一生懸命作って集客する必要がなくなり、ヒカカク!内で買取業務を完結できる ―― そんな状態を目指しています。――― ローンチから今に至るまで、サービスの認知拡大のためにどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。主にSEO施策とコンテンツの拡充です。SEO施策については、キュレーションメディア「MERY」のSEO担当の方からいただいたアドバイスを地道に実践してきました。サイト構造をテコ入れし、Googleから高い評価を得られやすくしたんです。コンテンツの拡充については、サイト内に買取をテーマにしたコラムを月10~15本制作し、現在200本以上(2015年8月26日時点)掲載しています。査定額を上げる方法や売るときの注意点など実践的な内容が多いです。初期の頃は僕たちが書くこともありましたが、今は外部のライターさんにお願いし、編集・掲載は社内でやっています。検索でヒットしたコラムから本体サイトへの流入も多いですね。メディアECなんて言葉もありますが、ヒカカク!でもその仕組みを取り入れています。コラム本数が増えて4カ月くらい経ったあたりから、SEO施策が効いてきたと感じています。まとめると、ユーザーにとって使いやすいサイト構造を追求し、ユーザーにとって有意義なコンテンツを作り続けるといった、あたりまえですが正しいことをやり続けることが大事だと思いますね。○「サービス立ち上げ時から仲間探しをすべきだった」という後悔――― ここからは起業にまつわるお話も伺います。起業前後を振り返ってみて、「やり直したい」と思うことはありますか?創業当初にもっとたくさんの人に会って、一緒にやっていくメンバーを早く見つければ良かった、と思っています。手伝ってくれる学生はいましたが、彼らは4月から就職し、事業の根幹に長期的に関わる人間は僕一人という状態が3~4カ月続きました。要は、自分が内定を辞退して起業しようと覚悟を決めた一番苦しい時期に、事業を運営していく体制が築けていなかったんですよね。そのため素早く事業を進めることができなかった。心が折れそうになったこともありましたよ(笑)。今は3月末頃から最近にかけて採用した、僕を含めて5人のメンバーで動いていますが、人を集めるのに相当苦労しました。僕はサービスができてからで良いやと採用を先送りしていましたが、それは間違いでした。現状として、外部資本を投下しながら、ヒカカク!というサービスの可能性を検証する時期に入っていると考えています。この状況で、成長・拡大中のサービスを一緒にやろうと誘うよりも、立ち上げから一緒にやってもらえないかと誘うほうが、人材を採用しやすかったなと。やはりゼロからプロダクトを作り出すのとそうでないのとでは、入ってくる人のマインドも全然違うと思うので。――― 最後に、起業して約1年経ちますが、創業期を経て感じたことを教えていただけますか?起業に興味を持つ人は多いですが、最初の一歩を踏み出せるかどうかで、大きな差が出てくると思います。一歩踏み出したら、話がどんどん大きくなっていくので、嫌でも進まざるを得ない状況になります。初めて挑戦することですから、怖いと感じる気持ちはわかります。最初は何をすれば良いかもわかりませんし。それでも、やらないといけない理由や使命のようなものがあるなら、チャレンジしないのはもったいないです。とくに、昔から作りたいサービスがあって、長期間考え続けてきたのであれば、挑戦すべきだと思います。十分に考え尽くしたものを形にすると、その過程で必ず得るものがあります。それに、実際にやってみないとわからないこと、見えてこないことはたくさんありますから。やってみて学ぶことに価値があるのではないか、と今は純粋に感じています。
2015年08月28日米Dellは6月30日、女性起業家に関するレポート「Global Women Entrepreneur Leaders Scorecard」を発表した。日本を含む31カ国における女性起業家の現状を分析・評価したレポートで、日本は100点満点中49点の10位となった(スペイン、ジャマイカと同順位)。10/31という数字は決して悪くなさそうに見えるが、その一方でスコアリングが満点の半分にも至らない事実もある。日本の課題は何か、Dell出資のもと、同レポートを作成したジョージ・メイソン大学で博士号を持ち、ACG創業者兼CEOのRuta Aidis氏に話を聞いた。○女性起業家のタイプは3つこのレポートはDellが3年前からAidis博士とともに年に一度作成しているレポート。女性起業家の現状をデータにより示すことで、各国の政府などの当局や産業界による課題の認知を促すことを目的とする。31カ国で世界の女性人口の70%をカバー、これらの国のGDP総額は世界のGDPの76%を占める。レポートは、毎年Dellが主催する女性起業家イベント「Dell Women’s Entrepreneur Network Summit 2015」で発表された。今年のイベント開催地となったドイツ・ベルリンの会場で、Aidis博士は3回目となるレポートのポイントを説明した。これまでは数値やスコアの提供にとどまってきたが、今回の特徴は「単なるアウェアネス(意識)の喚起から一歩踏み込み、この現状からどのようなアクションをとれるのかのアクションステップの提案も行なった」とAidis氏。女性起業家はヘルスケアのTheranosを立ち上げたElizabeth Holmes氏などの成功例が出てきているが、まだまだ課題は多い。例えば、Jessica Alba氏が立ち上げたベビー用品のECサイトThe Honest Companyなどもあるが、「セレブなのでリソースにアクセスできるものの、他の一般の女性にはこのようなメリットはない」(Aidis氏)。このような特権階級にある起業家(グループ1)のほかには、成長の可能性を追求し潜在性のある起業家(グループ2)が成長国で生まれつつある。そして最も多いのが、途上国で見られる女性起業家で、生活のために起業し、成長を考えず、そのノウハウを持たない消極的なビジネスオーナー(グループ3)の3種類に大別できるという。これらの問題をすぐに解決できる「万能薬」は存在しない。全体的なアプローチが必要とはAidis氏の弁。そこで、ビジネス環境リソースへのアクセス女性のリーダーシップと権利起業家パイプライン潜在的な起業家リーダーの5つのカテゴリから31カ国を評価した。その結果、総合トップは米国、次いでカナダとオーストラリアが2位となり、4位スウェーデン、5位イギリスとなった。日本は北アジアではトップの10位だが、課題が多い。○日本の問題点は?女性CEOの比率をみると、米国ではS&P500インデックスの企業で4.6%を女性が占めており、上級管理職は21%、取締役会の肩書きを持つ女性は19.2%となっている。また、総合15位の中国でもCEO比率は5.6%となっている(McKinsey データより)。翻って日本を見ると、日経225インデックス企業における女性CEOはゼロ。上級管理職についても日本は8%と他国(ロシアの40%、ポーランドの37%、ジャマイカの35%など)に比べると格段と少なく、取締役会も3.1%と韓国の1%の次に低い。日本がそれでも10位にランクインした理由は、1つ目に挙がった「ビジネス環境」で高い評価を受けているためだ。ビジネス環境は、研究開発への投資、イノベーションエコシステム、資本、競争を重視する市場などから割り出すものだが、日本はこのビジネス環境、高い教育レベルなど素地はそれなりに整っている。「ビジネスの成長が簡単で、新規事業参入障壁も低い。大学と企業の連携もあり、インターネットや教育へのアクセスが整っており、雇用均等法もある」とAidis氏は日本の状況を評価する。一方で、起業家創出につながる「起業のためのパイプライン」は、31位の最下位に。日本では女性の75%が就労しているが、上記のようにリーダー的立場にある女性となると少ない。また、起業マインドの低さも指摘されている。なお、これは女性だけの課題ではなく、「男性も起業するというマインドが少なく、ビジネスをスタートするチャンスをあまり見出していない」とレポートは日本を評価している。総合的に、「ビジネス環境は強いが、女性にスキルがないこととビジネス創出の機会を感じていないことが課題」とAidis氏は分析する。安倍政権になり女性の就労支援に関連したイニシアティブが取られつつあるが、女性が働く意識を損なわせるといわれる"税制の改革"も必要だとレポートでは指摘している。○日本のビジネス環境の改善に必要な要素とは?日本へのアクションステップとしてAidis氏が提案するのが、公共調達で女性がトップを務める企業の比率を設けることだ。「公共調達はGDPの10~15%を占める重要な市場だ。米国では女性企業の比率を設けており、これが企業の成長を支援している。政府が女性を支援しているというメッセージをもっと明確にすべきだろう」(Aidis氏)女性リーダーを増やすという点でも、英国ではじまった「30%Club(取締役会における女性の比率を30%にする)」など自発的な動きがあると紹介した。なお、Aidis氏がDWENの前である5月に来日した際、女性経営者のための一般社団法人エメラルド倶楽部代表理事の菅原智美氏ら4人の女性起業家や経営者が募ってラウンドテーブルが開催された。その際、集まった4人の中からは、「日本の女性は受け身」「学校教育にビジネススキルの獲得が含まれていない」「昇進すると叩かれる」「働いている女性が退社すると周囲が文句をいう。このようなコメントを聞くと未婚の女性は働くか家庭かしか選択するしかないと思うのでは」「転職をもっと簡単にすべきだ」といった課題が提起されたとしていた。
2015年07月09日モテる男子の本音って、気になりますよね。世の中にはいろんなイケメンがいますが、若手起業家はどんな恋愛観を持っているのでしょうか。大学生のインターン支援としてウェブ教育を手がける会社を経営する白澤 慶幸さんと、電子書籍の出版支援を行う会社を経営する梅田 憲嗣さんにお話を聞いてみました。■1.理想は里田まいさん!キャリアウーマンより家庭的な女性がいい若手起業家として賢明に仕事に取り組むふたりにとって、率先して家事をしてくれたり、忙しさを理解してくれる女性はありがたいようです。「バリバリのキャリアウーマンより、仕事はそこそこでも家庭的な人がいいですね。里田まいさんとか理想的。アスリートの夫を支えるために海外についてって専門の資格を取ったりして。それでいてちゃんと自分の人生を楽しんでる」(白澤さん)「たしかに。縁の下の力持ちでいてくれると嬉しいですね。うまくできなくても、理解しようとがんばってくれるだけで嬉しい」(梅田さん)■2.彼女のファッションやデート場所は、こだわる会社の顔である経営者。自分が社長だからこそ、彼女にも気をつけてほしいのが、人からの見られ方だと言います。「経営者として、いつ誰に見られても恥ずかしくないことって大事だと思う。だから彼女の服装も気になりますね。好きな服を着てほしい気持ちもあるけど、個性的すぎたり派手なのは困ります。カジュアルでも大人っぽいZARAとか、いいなと思う」(白澤さん)「服装以外にも、デートの場所もお互い気を使える人がいいですね。ファミレスデートとかはちょっとできないかな。きちんと経営者として恥ずかしくないカフェやレストランに行きます」(梅田さん)■3.ガールズトークは女の子だけのときにしてほしいふたりのような起業家に会ったとき、女の子が気をつけた方がいい言動についても聞いてみました。「女の子側が2人以上になったときって、女の子同士で盛り上がりますよね。プライベートでも仕事でも、女性ってガールズトークに走りがちだなって思う」(白澤さん)「ありますね。女の子だけで盛り上がられると印象が悪いです。男は2人以上になっても、女性がその場にいたらわからない話はあまりしないと思うんですよ。相手に楽しんでほしいと思うし、気を使います」(梅田さん)「たとえば人見知りで話しづらいんだとしても、せめてこっちが話を引き出そうとしてるのを察して、ちゃんと答えてほしいですね」(白澤さん)起業家やモテる男子といるときに限らず、ガールズトークは、女子だけの場にとどめておいた方がよさそうです。■4.大きなわがままも叶えてあげたいおどろいたことに、ふたりは女の子のわがままを積極的に聞きたいタイプだそうです。ちょっとムリなわがままも、がんばって稼ぐためのモチベーションになるんだとか。「僕は、わがままな子が好きですね。行きたいところや食べたいものはどんどん言ってほしい。自分1人だと仕事を優先しちゃうんで、提案してもらえると世界が広がるから嬉しいです」(梅田さん)「僕もわがまま聞きますね。喜んでほしいのと、ケンカになったら面倒くさいって気持ちがあって。プラダが欲しいとか、タワーマンションに住みたいっていう大きなわがままも、なるべく叶えてきました。それが仕事へのモチベーションにもなりますから」(白澤さん)「関係が深まる前でも、ガマンせずにわがままを言ってみるといいと思う。そのとき面倒くさがる男なのか、興味持ってくれる男なのか、早いうちに知れた方がいいじゃないですか」(梅田さん)気になる男性に気を使ってしまう女性は多いもの。でも、早くわがままを言ってみることで、付き合うべき男性を見極めるくらいでいいのかもしれませんね。■おわりに支えてくれる女性を好んだり、人からの見られ方を意識したり・・・若手起業家ならではの恋愛観が垣間見えましたね。起業家男子と恋愛したい女性は、参考にしてみてください。(かみむらゆい/ライター)
2015年07月09日日本や欧米を含む世界31カ国において、男女格差が女性起業家の経済力を制限しているという。デルがドイツ・ベルリンで開催した国際年次イベント「デル女性起業家ネットワークサミット」において6月30日(ベルリン時間)に発表した「グローバル女性起業家リーダーズスコアカード」の結果による。同スコアカードは同社がスポンサーとなっており、女性経営者の起業・事業拡大・雇用創出・業界構造の変革に関する課題と機会に焦点を当てた、同社によると初めての世界的な分析だという。リーダー・政策立案者・立法者に向けて、各国の状況の改善方法を提言すると共に、女性が設立した企業の成長を可能にするための診断ツールの提供を目的にしているとのこと。2015年の結果は、世界中の女性起業家の状況について包括的な見解を示し、ベスト・プラクティスを明示しているとしている。なお、調査対象となった31カ国は以下の通り(50音順)。インド、ウガンダ、英国、エジプト、オーストラリア、ガーナ、カナダ、韓国、ジャマイカ、スウェーデン、スペイン、タイ、中国、チュニジア、チリ、ドイツ、トルコ、ナイジェリア、日本、パキスタン、パナマ、バングラデシュ、ブラジル、フランス、米国、ペルー、ポーランド、マレーシア、南アフリカ、メキシコ、ロシア。これら31カ国で、世界GDPの76%を含むとしている。調査対象31カ国のうち7割以上でスコアが50%を下回り、女性が経営するビジネスと男性が経営するビジネスの成長の差が世界的に大きいことを示しているとのこと。同スコアカードでは、ビジネス環境が全体的に良好であることと民間部門における女性の人材の流動性が起因して米国が1位であるものの、その総合スコアは71%にとどまっている。米国で女性が男性と同じ割合で成長志向のビジネスを開始すると仮定した場合、2年間で1,500万人の雇用が創出されると同社は予測する。なお、日本は全体の10位ながら、スコアは49%だった。同スコアカードに関して同社は、公平なリソースの利用、成長資金およびイノベーション・エコシステムの利用、国により異なる具体的な長所と短所、リーダーの役割は依然として男性優位、重要な役割を担っているのは政府、起業家を阻む男女格差の各点を課題として挙げる。教育やインターネット、銀行口座、中小企業研修プログラムなど基本的なリソースの利用では、依然として国によって大きな差があるという。英国では複数のカテゴリーにおいて男女格差がほとんど無い半面、このカテゴリーの最低スコアだったパキスタンでは女性のインターネット利用・銀行口座の所持率とも低い値だった。ランキング上位の国はいずれもおおむね、安定したビジネス環境を提供しており、事業規制や汚職、市場独占が比較的少なく、研究開発投資、イノベーション・エコシステム、資本の利用可能性の各レベルにおいて高いスコアを取得しているという。ビジネスを始めるスキルがありビジネスチャンスを見いだしている女性の割合では、ナイジェリアが最も高かったとのこと。しかし、同国のビジネス環境が整っていないことが成長の妨げになっているとしている。半面、日本は安定したビジネス環境が整っているが、ビジネスチャンスを見いだしている、またはそのスキルがあると感じている女性はごくわずかだと指摘する。大手上場企業のCEOにおける女性の比率を見ると、中国、ブラジル、マレーシア、ナイジェリアの4カ国では5%にとどまり、6カ国では0%という結果だったという。女性が上級経営者の35%以上を占めているのは、ポーランド、ジャマイカ、ロシアの3カ国のみであり、またフランスは女性が取締役の30%を占める唯一の国だったという。公共調達は発展途上国のGDPにおいて30~40%以上、先進国のGDPでは10~15%を占めているが、世界的に見ると、女性が経営するビジネスに与えられている公共調達契約は、推定で1%とのこと。今回の調査対象である31カ国のうち、性別および公共調達に関する方針によって成長志向の女性起業家を積極的に支援しているのは、米国と南アフリカの2カ国のみだった。調査対象の全31カ国において、起業家の知人を持つ女性はほとんどいないという。これは、起業家の模範となる人物が周囲におらず、また起業家のコミュニティとのつながりが無いことを示しているとのこと。これは女性がビジネスを始める傾向に影響を及ぼしており、全31カ国の68%で女性は男性に比べて起業する機会が圧倒的に少ないと感じているが、それらの国のほぼすべてで、男女それぞれの起業能力は同等と考えているという。
2015年07月02日仕事と育児をどう両立させるか――これは、仕事を持つママにとって永遠の命題ともいえる課題です。妊娠~出産を経ると、女性はいやおうなしにライフスタイルが変わるわけですから、働き方もそれに合わせて変化させる必要が出てきます。多くの人が時短勤務という方法を取る中、フリーランスになる人や、いっそのこと起業してしまおうと考える人もいるでしょう。しかし、起業となると、特にお金の面でのハードルやリスクが高いように感じられ、二の足を踏む人も多いのでは。今回はそんな、女性の起業にまつわるお金の問題について、ママ起業家たちのリアルな数字を紹介します。人気のママ起業家たちが実際に起業した時、自己資金はいくら用意していたのでしょうか? 2015年5月23日~24日に開催された、働く女性がもっと活躍できる環境づくりを応援するイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2015」の中のトークセッション「働きかたNext Presents 女性の起業Q&A~7人の女性起業家がお答えします!~」でのトークの内容をまとめました。起業時の自己資金、もっとも多かったのは500万円、もっとも少なかったのは10万円トークセッションに登壇したのは、以下の7人のママ起業家たち。● Studio-navel (スタジオネーブル)代表 高田 奈付子さん ● Solace代官山 代表取締役/加圧インストラクター 山崎 麻央さん● 株式会社タイドハーツ 代表取締役/「 Glolea! 」編集部編集長 内海 裕子さん ● 株式会社ポーラスタァ 代表取締役社長/ママのための情報サイト「 Ca-sun 」編集長 高沖 清乃さん● 株式会社エグゼクティブコンシェルジュ 代表取締役 野原 千春さん ● SugarBaby 代表取締役/バイヤー 吉田 悠里さん● 株式会社ai 代表取締役 /「 東京こども★レストラン 」編集長 今西 敦子さん前列左から、高沖さん、野原さん、今西さん、山崎さん。後列左から、吉田さん、高田さん、内海さん。皆さん、ママ起業家としてさまざまなメディアに引っ張りだこな人たちばかり。なかでも今西さんは、Woman.excite ママで、 子連れで行けるレストラン や エステサロン の紹介記事も書いてくれています。そんな皆さんが、起業のきっかけや準備、家庭と仕事の両立、起業に対する家族の理解について、赤裸々に語ってくれていました。特に興味深かったのは、起業時に用意した自己資金の話。今は資本金1円から会社を起こすことができますが、そうは言っても、物事を始めるには何かと元手が必要になります。ママ起業家たちは、開業時、自己資金をいくら用意していたのでしょう。7人のママ起業家たちのうち、起業時の自己資金がもっとも多かったのは、加圧トレーニングのスタジオの代表で、みずからもインストラクターとして活躍中の山崎 麻央さん。スタジオを借りたり、マシンを用意したり、もろもろで500万円ほどかかったそうです。逆にもっとも自己資金が少なかったのは、個人向けの金融相談サービス会社の代表である、野原 千春さん。自己資金らしいものは、ファイナンシャルプランナー(FP)として独立するために、3ヵ月間FP養成の専門クラスに通ったお金、約10万円だけだったそうです。そのほか、マタニティヌード撮影の先駆け的フォトスタジオ「Studio-navel」の代表、高田さんと、オシャレな輸入ベビー服のネットショップ「SugarBaby」の代表兼バイヤーの吉田さんの、起業時の自己資金は30万円ほど。グローバル志向なママ&キッズのための情報サイト「Glolea!」編集長の内海さんと、「ニンプス」や「Ca-sun」といったママ向け情報サイトを運営している高沖さんは、起業時に用意した資金は約100万円だったと話していました。今ではしっかりと経営しているママ起業家たちも、起業当時はいろいろあったようで、PCが1台しか買えず、もう1人のスタッフと時間を区切って使ったり、旦那さんに反対されたり、さまざまな苦労があったことをうかがい知ることができました。会場ではたくさんの女性たちが、ママ起業家たちの話に聞き入っていました。1日のうち、仕事に費やす時間は平均9時間そんな起業家のママたちは、一体1日何時間くらい仕事をしているのでしょう? 気になるその話題にも、トークセッションでは触れられていました。仕事の時間が長めだったのは、山崎さん、野原さん、今西さん、高沖さんの4名。今西さん、高沖さんはそれぞれ、山梨と東京、長野と東京でデュアルライフを送っているため、「東京にいる時はずっと仕事をしているけれど、地元に帰るとほとんどしない」スタイルではありますが、大体1日12時間ほどお仕事。野原さんと山崎さんは約10時間とのことでした。一方、1日の仕事時間が比較的短かったのは、吉田さん、内海さん、高田さん。吉田さんは5時間ほど、内海さんと高田さんは大体7時間とのことで、7人の時間を平均すると、ママ起業家たちが仕事に費やす時間は、1日あたり9時間ということに。単純に時間だけを見ると長く感じられるかもしれませんが、自分で起業している分、調整はしやすいので、毎日仕事ばかりしているわけではないということは、皆さん口を揃えておっしゃっていました(もちろん、その逆の場合もあるわけですが)。トークセッションのなかではほかに、「起業することで、個人の時とは違う、規模感のある仕事をできるようになった」という、今西さんのコメントが印象に残りました。たしかに、フリーランスの場合は受注仕事がメインになってしまいますが、法人になると、受注だけではない取り組みも増えますよね。「起業」を働き方の1つとして選べるようになったいま、自分に本当にあった働き方は一体何なのか、あらためて考えてみてはいかがでしょう。
2015年06月25日コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)は6月15日、世界を変える革新的なソフトウェアを生み出し、シリコンバレーのような、起業家が起業家を育てる好循環を日本に創り出すことを目的に、「CSAJスタートアップ支援事業」を開始すると発表した。これにともない、支援先である「スタートアップ企業」ならびにファンドへの「一般投資家」を募集する。今回の募集では、CSAJがソフトウェアを中核とした技術系スタートアップを公募・選定し、出資を行う。あわせて、起業経験を持つ現役経営者による経営指導、メンタリング、教育・訓練などの支援体制で、革新的なソフトウェアを生み出すスタートアップ企業をバックアップする。また、同事業の運営開始に伴い、出資面で支援する「CSAJスタートアップファンド投資事業有限責任組合(CSAJファンド)」を新たに設置。「CSAJスタートアップ支援事業」で発掘・育成された起業家には、「CSAJファンド」から、シード期の少額出資と成長の期待できる企業への多額出資の2段階での投資を予定している。支援対象は、ソフトウェアを中核とした技術系スタートアップ企業またはチームとし、募集期間を2015年6月15日~7月31日(一次募集)、2015年9月1日~11月30日(二次募集)としている。一般投資家の募集期間は2015年6月10日~9月30日、出資規模の目標は10億円。投資企業の組成は豆蔵ホールディングス、フォーラムエイト、サイボウズ、コーエーテクモキャピタル、さくらインターネット、フリービットインベンスメント、キャピタル・パートナーズ証券、コンピュータソフトウェア協会(無限責任組合員)などとなっている。
2015年06月17日ブルックリン・ブルワリー創業者スティーブ・ヒンディ著『クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業』が、DU BOOKSより7月3日に刊行される。近年、”クラフトビール”と”ニューヨーク・ブルックリン界隈”が大きな注目を集めているが、本書では、全米で最も成功したと称されるブルックリン発のクラフトビールメーカー「ブルックリン・ブルワリー」の創業者スティーブ・ヒンディが、アメリカの地ビール醸造家らへ自ら取材を行い、それを基にクラフトビールの歴史を綴っている。少数派の地ビールメーカーらが有名ブランドに挑んでいく起業ものノンフィクションとしても、また食を通じた町おこしの実践例を示したビジネス書としても読みたい1冊だ。ヒンディはAP通信の元ジャーナリストで、記者時代にビール醸造に目覚めて同社を退社。1986年に設立した「ブルックリン・ブルワリー」がアメリカのクラフトビール市場で10位内に入る人気ブルワリーに成長し、現在ではニューヨーク・ブルックリンの観光名所ともなっている。【書籍情報】『クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業』著者:スティーブ・ヒンディ(ブルックリン・ブルワリー創業者)、訳/和田侑子出版社:DU BOOKS言語:日本語ソフトカバー/480ペー ジ/127×188mm発行:2015年7月3日価格:2,200円
2015年06月09日ドリコムとリブセンスは1月8日、共同で学生起業家向けビジネスディスカッション「STARTUP 50 for Students」を開始した。このプログラムは、2013年12月にリブセンスとクックパッドが共同で発足した起業家応援プログラム「STARTUP 50」の学生版。共に学生起業社長であるリブセンスの村上社長とドリコムの内藤社長が、自らの実体験をもとに起業中もしくは起業準備中の現役学生と直接ディスカッションすることで、事業の実現や成長を応援する。対象者は「起業中もしくは起業準備中の学生、国籍・年齢・性別・学歴等不問」としており、事業領域や規模などに制限はない。応募は専用サイトより2月1日までエントリーを受け付ける。両社は、「STARTUP 50 for Students」による学生起業サポートを通じ、これからの日本経済成長や新しい社会創りに貢献していくとしている。
2015年01月09日阪急電鉄は、大阪・梅田を舞台とした新産業創造・地域活力向上を目指し、起業家たちの新しいビジネスの立ち上げを支援する取り組みを開始する。○24時間利用可能なオフィス同社では、"オフィス提供""コミュニティ形成促進""ビジネスサポート""情報発信"といった4種の「スタートアップ支援メニュー」を展開する。その取り組みの第一歩として、起業を目指す人々が集い、新しいビジネスモデルの創造を実現させていくための拠点として、会員制オフィス「GVH #5」(ジー・ブイ・エイチ・ファイブ)を、11月下旬に開設する。同施設は、阪急梅田駅から徒歩約2分の「阪急ファイブアネックスビル」の11階および5階にオープン。11階は、共同オフィススペースおよび情報発信のためのイベントスペースとして使用するフロア、5階は個室ブース型のオフィススペースを設けたフロアとなる。24時間利用可能で、会議室、セミナールーム等の共用設備も整備する。オフィス空間の提供だけではなく、施設を拠点とした新たなビジネスパートナーとの出会いの場など、さまざまな支援サービスの提供を行う。今後、大学、企業、専門家、投資家、起業支援機関等とのコラボレーションを促進し、スタートアップ活動を支援するためにソフト・ハード両面でのビジネス環境整備に取り組む。
2014年10月28日不満買取センターは不満を新商品開発や業務改善や活用するためのヒントとして、経営者や開発担当者・起業家などを対象に「不満解決道場」を公開した。同社は登録会員から日常のあらゆる不満を買い取り、それらの不満を商品やサービスの開発、改善のヒントとして活用できる仕組みを同社サイトで提供している。「不満解決道場」は、経営者や開発担当者などから「不満活用の重要性は分かるが、具体的にどうしたらいいかヒントが欲しい」という要望が多く寄せられていることから、それに答える形で企画、公開したビジネスマン向けの啓蒙コンテンツとなっている。同コンテンツではまず、不満買取センターに寄せられた不満に対して、編集部員が知財開発の専門家の指導を元に「解決のヒント」を作成。さまざまな切り口で不満活用のヒントを提供している。また、柔軟な発想を促すために断定的な表現をできるだけ使わず、ユニークな視点を取り入れるように配慮。例えば「駅からだいぶ離れたところに住んでいるが、駅までのバスが一時間に一本しかない」という不満に対しては、「バスの本数を増やす」という直接的な解決方法以外に、「自習室やクイックマッサージ店を開きバス待ち割引を実施する」など、不満をビジネスチャンスとして活用するアイデアも提案しているという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月24日