世の中ちょっとした起業ブームだ。書店に行くと起業を勧める書籍がコーナーになって多数置かれている。だが、それほど多くの人が実際に起業をしているとは思えない。
「いつかは」って夢を持っている人は多いかもしれないが、いざ本気でトライしようと思えばハードルは高いし、本当に取り組む人は多くないはずだ。
企業に入社した時には誰しも少なからず何か「この会社に入ったら○な仕事をしてみたい」という思いを持っているものだ。けれど実際にはその通りのミッションにつけないことの方が多いのが現実だ。そうすると「他の会社に行けばできるんじゃないか」と考えて転職を検討することになる。
そんな、なかなか自分の思いを実現できていない企業人に向けて、筆者は独立起業や転職を考える前に「自分が今勤めている会社の中で起業にトライしてみれば?」と勧めている。
それが「社内起業」だ。
ただ、「起業」というと新会社を設立するなど大袈裟なものに映るが、ここで対象にしているのは「新たな販路を開拓する」とか「異なる顧客層に広げる」とか「新たな製品ラインナップを増やす」といった言わば企業活動として日常的に繰り返されていることも対象にしている。