日本HPは1月5日、2015年1月1日付で、代表取締役 社長執行役員 エンタープライズグループ事業統括に吉田仁志(よしだ ひとし)氏が就任したと発表した。同社では、小出 伸一氏(現セールスフォース・ドットコム 代表取締役会長 兼 CEO)が退任後、2014年4月より、米HP シニアバイスプレジデント エンタープライズグループ & マネージングディレクター アジアパシフィック&ジャパン担当のJim Merritt(ジム・メリット)氏が、日本HP 社長執行役員を兼任していた。吉田仁志氏は、2014年12月まで米SAS Institute副社長 兼 SAS Institute Japan 代表取締役社長を務めていた。なお、吉田氏の略歴は以下のとおり。1983年 伊藤忠グループ事業会社へ入社、伊藤忠商事を経て一貫して同社グループの日米両地域における情報産業分野での業務拡大に従事1995年 米ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズへ入社1997年 日本法人であるケンブリッジ・テクノロジーパートナーズ株式会社を開設し、代表取締役社長に就任2001年 ケンブリッジ・テクノロジーパートナーズ米本社と米ノベルが合併したことに伴い、ノベル株式会社代表取締役社長及び米ノベル社上級副社長を兼任2006年 SAS Institute Japan 株式会社代表取締役社長に就任。 2011年より2014年まで SAS Institute Inc.副社長 北アジア地域統括として、日本を含む韓国、中国、香港、台湾における事業責任者として経営に従事、SAS Institute Japan 代表取締役社長を兼務
2015年01月05日日本IBMは1月5日、社長のマーティン・イェッター氏が取締役会長に退き、 取締役副社長のポール 与那嶺氏が代表取締役社長に昇格する人事を発表した。ポール 与那嶺氏は東京都出身の57歳。マーティン・イェッター氏は、2012年5月15日から社長を務めていた。1月5日付の人事は以下のとおり。カッコ内は前職。代表取締役社長執行役員 ポール 与那嶺氏(取締役副社長執行役員 成長戦略担当)取締役会長 マーティン・イェッター氏(代表取締役社長執行役員)なお、ポール与那嶺氏の略歴は以下の通り。2010年 5月 日本IBM株式会社入社取締役専務執行役員 営業担当-インダストリアル・通信・メディア・公益事業2010年 7月 取締役専務執行役員 営業担当-インダストリアル・通信・メディア・公益事業 兼 ゼネラル・ビジネス担当2011年 9月 取締役専務執行役員 営業担当2012年 7月 取締役専務執行役員 インダストリー営業統括本部長2013年 3月 取締役副社長執行役員 インダストリー営業統括本部長2014年 1月 取締役副社長執行役員 インダストリー事業本部長 兼 バリュー・クリエーション担当2014年 8月 取締役副社長執行役員 成長戦略担当2015年 1月 代表取締役 社長執行役員*日本IBM入社以前の職歴1979年 6月 KPMGピートマーウィック入社(公認会計士)1999年 4月 KPMGコンサルティング株式会社* 代表取締役社長2001年 4月 米国KPMGコンサルティングインク 上席副社長 兼 アジア太平洋地区総責任者2001年 8月 KPMGコンサルティング株式会社* 代表取締役会長2005年 1月 ホノルル市長特別顧問2006年 4月 株式会社日立コンサルティング代表取締役社長 兼 CEO
2015年01月05日手塚治虫タッチのパロディー漫画『神罰』で知られ、著名作家の絵柄をまねたシモネタギャグを得意とする漫画家の田中圭一氏。デビュー当時からサラリーマンを兼業する"二足のわらじ漫画家"としても有名で、現在はBookLiveに勤務する一方で、京都精華大学の講師も務める。そのほか、「田中圭一のペンと箸-漫画家の好物-」(ぐるなび)、「うつヌケ~うつトンネルを抜けた人たち~」(文芸カドカワ/note)、「ハピラジ!」(ニコニコ生放送)など、インターネットを中心に幅広く活動している田中氏。今回、紙からインターネットへ移行した経緯や、インターネットの魅力、漫画家としての今後の展開などをインタビューした。――田中先生はインターネットを積極的に活用されていて、2013年に漫画発表の場を紙媒体からインターネットに移されたとのことですが、どういった経緯だったのでしょうか。ちょうどその少し前から僕の紙の本が売れなくなってきていて、世間でも、雑誌も売れない単行本も売れないという傾向が顕著になってきてますよね。だから、これから先、漫画家で食べていくのに希望的な状況じゃないなと思ったんです。そんな時に、電車で周りを見渡すとみんなスマホをいじっていたんですね。新聞や漫画雑誌を読んでる人はずいぶん減ったけどスマホは見ている。だったらスマホの中で自分の存在感を大きくすることが生き残りの1つの手だなと感じたんです。当初は、特にマネタイズは考えていなかったんですが、Twitterで面白いネタをつぶやいたり面白い画像を載せるとフォロワーが増えるし、これから先スマホやインターネットでみんなもっと情報を得るようになっていくだろうから、その中で生き残るための第1歩と考えたんです。――編集者で漫画原作者の竹熊健太郎さんにも後押しされたとか。竹熊さんが2010年くらいから、これからは「街のパン屋さんのような漫画家を目指せ」とおっしゃっていて。彼が紙の本からの仕事がなくなってスランプになっていた時期に、周りから勧められて『たけくまメモ』というブログを立ち上げたんですよ。そうしたら一気に固定ファンが数万人できて。これからの漫画家は、大手のメジャー雑誌に載ってミリオンセラーを出して豪邸を建ててというのが年々難しくなってくるから、数万人でもいいから固定ファンを捕まえてその人たちが欲しいもの、望むものを提供することでマネタイズをしていくのが良いと。それはすごく正しいなぁと思っていて。それを見ていたから、最初は自分も興味本位でおもしろ画像などを上げている内に、リツイートが増えて、フォロワーが増えて、「あー、これはメディアなんだ」とわかったです。――実際にSNSを始められて実感したんですね。当時、前の会社で「コミPo!」という漫画制作ソフトを発表する際に、プロモーションムービーを作って発売前に一部の関係者用にWEBにアップしたんですよ。その時にアルファブロガーの小飼弾さんにも見てもらったんだけど、「発表会が来週ありますよ」という告知をした時に、「ようやく発表ですね」と一部の関係者しか公開していなかったムービーのURLをうっかりTwitterに載せてしまって…。そしたら一気にダーッとリツイートされてサーバーもパンクして、その時にツイートをエゴサーチするとドンドン話題が増えていくのがリアルタイムで見れて、「バズられるってこういうことなんだ」とわかったんです。それまでもバズるとかバイラルっていう言葉は知っていたんだけど、1秒に何十人もリツイートされるという経験を初めてしたんですよ。――個人がすごい影響力を持つ、と。「コミPo!」でコンテストをした時、中に1人すごく面白い漫画を作ってくる人がいて、それがダ・ヴィンチ・恐山さんでした。彼は芸能人でもない普通の人なんだけど、彼のツイートはものすごく面白くて、それがドンドンとバズられて多くのフォロワーが付いたんです。その時、「Twitterって、有名人でなくてもバズられればフォロワーが集められるんだ」とあらためて思ったんですよ。僕も初めは、なにげなくおもしろ画像を投稿していたら、ついっぷるの人気画像ランキングに入って、僕のフォロワーじゃない人の目にも触れてドンドンとリツイートされて、フォロワーも増えたので、「これは面白いな」と思いました。ツイートや画像を何時ごろに上げればバズられやすいかとか、どんなネタが受けるのかとか、Twitterを使って、個人でのマーケティングリサーチをできることに気付いたんですね。――ご自身でマーケティングリサーチまでされているなんて驚きです。私はこれまで雑誌のアンケート結果ってあまり教えてもらえなかったんですよ。ギャグ漫画でページが少ないとアンケート上位に行くことは難しくて、編集さんも気を遣ってくれて「一部では好評みたいですよ」くらいしか教えてくれなかった。ただ、個人的には、今回こういうネタだからこういう反響があった、というデータが欲しかったんですね。この時間にこのタイミングでこのネタを上げたらリツイートされた、勝因は何だろう、自信満々のネタが全然ウケなかった、敗因は何だろう、みたいな。こんなことを繰り返し、ずーっと自分のデータとして蓄積していったんです。そこから、もちろんマネタイズは無視して、「ウケたいという気持ちだけで、いかに多くの人を笑わせられるか?」ということをやり始めたんです。――ファンの方と直接的な交流が生まれたんですね。そんなことをしているうちに、僕のネタ画像を見た編集者からWEBでの連載依頼が来て、そこに載った作品をTwitterやFacebookで情報発信してバズられて…という良いスパイラルになった。紙の雑誌に固執していたら、世の中に作品を発表できなかったかもしれない。これによって、「田中圭一をフォローしておくと面白いものが色々とくるぞ」というフォロワーとの信頼関係ができたっていうのは、これから電子化が進むという時期に、うまくSNSの波に乗れたなと思いますね。――そうしてインターネットの影響力を実感される中で、電子書籍の可能性と課題についてもお聞かせください。日本の家電メーカーにぜひ言いたいのは、日本って世界的に珍しく国民がすごく本を読む国だということ。日本人は知識欲が旺盛で、本を読むことが好きですよね。にもかかわらず、なんで電子書籍デバイスを日本人に合う形で作らないのかと思うんですよ。スマホはアメリカ製か韓国製で、手帳サイズで、さすがに漫画を読むにはきついですよね。タブレットは、サイズはちょうどいいですけど重い。だったら、もっと薄くて軽くてペラペラで、筒から巻物のように液晶画面がひゅっと出せて、雑誌の見開きサイズで読めるような端末ができるといいですよね。日本のメーカーが本気出せば簡単にできそうなもんじゃないですか。それによって電子書籍の市場ってもっと広がりそうなのに、やらないでしょ、どこも。電子書籍の漫画が読みづらいという人もいますが、新しいデバイスなら解決できる。ガラパゴスでもいい。日本市場って本に関しては大きいはずなので。――デバイスの進化には期待ですね。コンテンツ側で電子書籍に期待することはありますか。たくさん言いたいことはありますね。昔、ケータイコミックなどで音が出るものがありましたが、あまり流行らなかった。デジタルならではの面白い仕組みはあったんですが、それを最大限に使う作品・キラーコンテンツがなかった。やはりこういったものを普及させるのはキラーコンテンツありきですよ。例えば、デジタルデータなんだから、1ページ目からラストまで1本道である必要はないですよね。ゲームが得意としているストーリーの分岐とか、最初に自分の名前を登録すると、漫画の主人公の名前が自分の名前になるとか。分岐に関しても、アドベンチャーのように選ばせるのもあれば、ランダムに変わるというのもあるとか。そういった仕様も技術的には難しくない。問題は、そういう面白い仕組みを活かしたキラーコンテンツがあるかどうか。器を作ったら、器に見合う料理を考えなきゃいけなくて、漫画家さんなりクリエイターさんが、新しい仕組みに見合う作品を作って、1作品でもヒットが出れば、「この手法があるなら俺ならこう活用するぜ」という人が続々と出てくる。それが電子デバイスで本を読む新しい形にならないかなと思っています。――田中先生もそういう作品を作ってみたいですか。作りたいですね。たとえば、(主人公が複数存在し物語が並行して進む)ザッピングの作品ができないか、とか。とある夫婦が登場する作品で、奥さん目線では幸せなストーリーなんだけど、旦那さん目線では悲劇だとか。他には、最初のページで「あなたはどの漫画家が好きですか」というアンケートがついていて、手塚治虫とか松本零士とか選択肢を選んでもらって、ストーリーは同じでも、選んだ作家の絵柄に変わるとか。手塚治虫の絵で読んだ後に松本零士の絵に切り替えると微妙に違っていて、「こう違うんだ」というようなところを楽しむとか。デジタルの時代の表現方法の1つだと思います。――いろんな可能性がまだまだあるんですね。あるんですよ。誰かがキラーコンテンツを出して、そればブレイクした時こそ、新時代が来ると思います。僕も実験的に、なにかやってみたいと思うんですよね。ホラー漫画は僕の絵じゃ合わないかもしれないけど、じつはやりたいんですよ。例えば作品の中に、"読んだら死んじゃう漫画"というものが登場して、登場人物がその漫画を読んで次々に死んでいくというストーリー。これは、当然フィクションなので、実際にこのデジタル漫画を読んだ読者が死ぬわけじゃない。でも、ストーリーを読み進めていくと、最後に「この漫画は絶対に読み返してはいけない」と書いてあるページが開かれて、作品は終わる。それを、たまたま2回目に読んだ読者がいたとしたら、冒頭に「なぜ読み返すなと言ったのに読んだのか!」と書いてあって、つまり1回目に読んだときと中身が変わってしまっている。この恐怖ってハンパないと思います。これで読者が作品の中にイッキに引き込まれていくとか。――田中先生は現在、電子書籍の「BookLive!」にお勤めですが、最近話題の漫画家さんへのインタビューコーナー「わが生涯に一片のコマあり」についても教えてください。どういった経緯で始まった企画なんですか。BookLiveの社員の方から、以前に私が実施した藤田和日郎先生のインタビューがすごく好評だったので、ああいうものを定期的にできないかという依頼があったんです。コーナー化するにあたっては、ネットで読ませるための文字数の上限やテーマ設定など、いろいろと改良が必要な点がありました。そうした時にある方から、「"作者の渾身の1コマ"に絞ってはどうですか」というアイデアが出た。それならワンテーマだし文章も短くて済むし、焦点もはっきりする。他でもやっていないと。そして別の方が「わが生涯に一片のコマあり」というぴったりのタイトルを考えてくれた。そうしてこのインタビュー企画が始まりました。第1回ゲストの新條まゆ先生が、こちらが望んでいたとおりのお話をしてくれましてね。新條先生の連載が打ち切りになりそうだった時期に、「渾身の1コマ」を描くことで盛り返して人気が回復して行った、というような。そこで弾みがついてコーナーが続いています。――このコーナーはTwitterなどでもすごく評判なのですが、インタビュー時にこういうことを聞こうというのは何かあるのでしょうか。そうですね。僕も漫画家なので、この作品のここはすごく苦労して描いててるなっていうのがわかるんです。例えば東村アキコさんの場合は、『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ/秋田書店)や岡田あーみんさんの漫画が大好きで、それが引き出しになっていて今の作品を描いているとおっしゃっていて。自分もギャグ漫画家として、小さい頃好きだった漫画はあれとこれとこれで、それが組み合わさって今の漫画になっているというのがあるので、すごくわかるというか、お互い「そうだよね」というのがあるのは作家同士ならではだと思いますね。――なるほど。漫画家同士だからこそわかる世界観が、あのインタビューを生んでいるんですね。そうした幅広い活動をされている田中先生ですが、今年から京都精華大学で「ギャグマンガコース」の講師もされています。そのお話もぜひ聞かせてください。本当は竹熊健太郎さんの助手で入る予定だったんだけど、急きょ竹熊さんが休学されるということになって、あとは任せたと(笑)。経験もないし、忙しくて準備もできてないしで、バタバタとしたスタートでした。始めてみて思ったのは、生徒に教えるためにはロジックを自分で整理して伝えなきゃいけないということ。今まで直感で、つまり右脳でやっていたものをロジカルに整理することで自分にも気づきがあったんです。例えば、読者に「こっちだよ」とわざと思考をミスリードさせておいて、実はこっちだったみたいな意外性というかギャップが笑いを生むんだ…とかね。――教えることを通じて、田中先生ご自身も表現の理論を改めて整理できたんですね。どうしてこれは面白いんだろう、と常に分析しながら見るという視点も持つようになって、他の仕事にも良い効果が生まれましたね。先ほどのインタビューコーナーも、この作品はどうして泣けるんだろう、とか分析しながら作品を読んでいますし、今ぐるなびで連載している『ペンと箸』も、事実をそのままの順番で漫画にするのではなく、話の順番を入れ替えることでより感動が伝わるな、とか。いろいろと並行してやっている仕事がそれぞれ役に立っているんです。――これまで若い漫画家志望の方に教える機会はあったのでしょうか。今まで何人か、漫画家志望の若いアシスタントが来たことはあったけど、あまりギャグ漫画家になりたいという人はいなかったから、教えられることがあまりなかったですね。でも今は、大学でギャグ漫画家になりたいという人に教える訳だからやりがいもあります。京都精華大には「ストーリーマンガコース」と「ギャグマンガコース」があって、ストーリーマンガコースに落ちたからギャグマンガコースに来た人もいるんだけど、そうした中にもすごくギャグセンスのある学生もいる。プロになろうと思ってなくてもポテンシャルがあったり、センスを秘めている人はいっぱいいて、そういう人には「君はギャグに向いているから磨いていこうよ」という話もできますよね。――違う道を目指そうとしていた人が、ギャグ漫画家になって良い作品を生み出して、読者を楽しませていくというのは素晴らしいですね。本人もたぶん、ストーリーマンガコースに行ってたら生徒数も多くて競争率が高かったりで挫折してしまったかもしれないけど、ギャグマンガコースは人数も少ないから、その中で「イケてるぞ」となれば、自信もつくんじゃないでしょうか。竹熊健太郎さんが「電脳マヴォ」っていう無料の漫画サイトをやってるんですが、ギャグマンガコースで才能を持った人はそこでも紹介していきたいと言っていて、生徒さんが納得してくれればそこに作品をアップして世の中の多くの人に見てもらう機会を持つというのも、ありかなと思っています。そこで編集者の目に止まって商業誌デビューを果たす、という道もあるかもしれないですし。――インターネットならではの作品の見せ方ですよね。「note」っていうSNSで人気の『岡崎に捧ぐ』という漫画がものすごく読まれていて、作者の山本さほさんは、現在いろんなところから引っ張りになっているんですよ。内容は「ちびまる子ちゃん」的な作品なんですが、「ちびまる子ちゃん」よりももう20才くらい下の世代にすごくささっていて。ちびまる子って10年ごとに、つまり年代ごとに作ればいいんじゃないかと思ったりね(笑)。とにかくその漫画、面白いんですよ。ネットで人気を博して商業誌に行くっていうのもあるんですよね。こういう言い方はよくないんだけど、漫画家志望って編集さんとそりが合わなくて、デビューはしたものの連載を取れないまま何年かの時間をすり減らしてしまうこともある。でもネットに上げると、支持してくれる人が何人いるかが数字でわかるので、結果が悪ければすべて自分の責任です。冷酷ではあるものの非常に平等な発表の仕方ですよね。そういう方法でのデビューもあると思ってまして、竹熊さんの「電脳マヴォ」などからデビューするというのもあると思うんですね。――このようにファンの方と直接つながれる時代に、出版社の役割とは何だとお考えでしょうか。やっぱり大手の出版社の編集さんって、すごく特殊なノウハウを貯めている方がいて、新人が持ち込みしてきてから一人前にして世に送り出すまでのトレーナーとして一流な人もたくさんいるんですよ。それを分っていない人は編集者を軽視する発言をしがちですよね。WEBとかブログで人気になった漫画家さんが10年、20年と食べていけるかというのは、トレーナーの力量も大きいと思います。あとはアシスタントに入ってそこの先生に学ぶとかね。そういう道のメリットもたくさんあると思いますよ。ネットはそういう工程をすっとばせるから便利だと言われがちですけど、最初はビギナーズラックでヒットを打てても、2打席目から打てない人もいて、とにかく編集者や師匠から教えや、漫画家としての基礎体力作りを軽視してはいけないと思いますね。――ある作家エージェントの方がおっしゃっていたんですが、「0を1まで売るのはエージェントの役割だけど、1を100にするのはやはり出版社さんが強い」と。どちらが良いではなくて、それぞれ役割があるということでしょうか。大手の出版社さんって編集者が優秀だからミリオンセラーが出ると思われていますが、それに加えて営業の方のスキルも高いからだと思いますよ。僕も営業やっていたからわかるんですが、良いものを良いと伝えて書店さんを説得するのは営業さんの力なんですよね。だから1万部を100万部にするのは、販促やキャンペーンも含めた営業力だと思うんですよ。ネットで作品を出した人がそこまで行けるかというと、営業さんが後押ししてくれないとなかなか難しいですよね。ネットでヒットした『きょうの猫村さん』(ほしよりこ/マガジンハウス)とか、『となりの801ちゃん』(小鳥アジコ/宙出版)とかは、紙の本になって初めて大きくマネタイズができたわけじゃないですか。ネットだとただの人気者で終わってたかもしれない。だから、出版社が今も作家さんにお金をもたらす重要な役割を担っているのは確かですよね。今後は電子書籍ストアとか先ほどの「note」とかで作家が直接売るというの時代が来るかもしれませんが、それはそれで作家自身の営業力が必要だと思いますよ。ネット上には様々なコンテンツがものすごくたくさんあるので。――田中先生が先日から参加されている「ハピラジ!」についても教えてください。ニコ生(ニコニコ生放送)で「ハピラジ!」というWEBラジオを始めることになりまして。この番組というかシリーズは、声優さんを中心にやってきて、漫画家は僕が初かもしれません。番組としては、企画の担当者が面白いコーナーとかを考えてくれていて、ニコ生を使うので、音だけじゃなくて時々絵を描いたり大喜利のようなこともやっていきます。僕が描いた絵に声優さんが声を当てたり、4コマ漫画の3コマまでを僕が描いて4コマ目を募集とか。ラジオなんだけど、ところどころ絵も入っている感じで今の時代ならではの番組ですね。――田中先生はTwitterやFacebookも活用されていますが、ニコ生をやろうと思ったのはなぜですか。もともとニコ生は個人でもやりたかったんですが忙しくて手をつけられていなかったところに、ハピラジ!のお話をいただいてぜひやらせてくださいと。一人で全部やるのは大変ですからね。FacebookとTwitterとニコ生は個人で出来るプロモーションとして、3つでセットと考えています。Twitterは瞬発力、バイラル力はあるけど、すぐタイムラインが流れてしまう。Facebookはもう少し滞留しますし、もう少しお友達限定というクローズドな部分がある。音声は生放送でリアルタイム性がある。この3つを組み合わせるのが1番効果的だと思っていたんです。だから、ニコ生を始めたのはちょうどいいタイミングでした。今後、以前に勤めていたソフト会社で企画していた『ライブアニメ』という、音声に反応してアニメのキャラが操作できるソフトを使った放送などもやってみたいなと思っています。アニメキャラによる生放送です。――次々と新しい取り組みをされている田中先生ですが、最後に、漫画家・田中圭一としての今後の展開について教えてください。僕が今52歳だから、健康にペンが握れるのはあと20年なんですよね。土日しか描いてないから、計算するとあと単行本15冊しか死ぬまでに出せないな、と最近考えています。つまり、残された時間と描ける作品数は限られています。なので、山のようにある「やりたい企画や作品」の中から「何を諦めて、何をやるか」を考えなきゃいけない歳なんですよね、52歳って。これまで温めて実現できていない企画の中で早めに着手しないとダメなものを、優先的にやっていきたいと思っています。ここ2、3年はそこに力を注ぎたいなと。さっき言ったインタラクティブな漫画もその1つなのでぜひ実現したいですね。
2014年12月26日ソフトバンクモバイルと提携を結んだ米Beats Electronicsの代表・Luke Wood(ルーク・ウッド)氏が、都内にて開催されたイベント「サウンド・シンポジウム」にあわせて来日。マイナビニュースでは、その後、ルーク氏の単独インタビューの機会に恵まれた。本稿ではその模様をお届けする。東京では以前より街中でBeatsのヘッドフォンをかけている人を多く見かけるが、日本のBeatsファンはどんな音楽を聴いて、普段どんな生活を送っていると思うか、早速、質問をぶつけてみた。ルーク いい質問だね、一番良い質問から始めるのかい?(笑)。 Beatsはあらゆるジャンルの音楽を愛しているんだ。ヒップ・ホップやロック、さまざまな音楽があるけど、Beatsにはすべてが重要なのさ。ライフスタイルの観点から言うと、僕らの一番大きなミッションとしては、よりクオリティの高い音を、より多くの人に楽しんで欲しいというのがある。ただ、Beatsのブランドが根付いているという点では、カルチャーに鋭敏な人、デザインにこだわりを持っている人に刺さっているとは思うよ。──開口一番「いい質問だ」と評してくれたが、アルバムの1曲目にキラーチューンを持ってくるのは常套だ。こちらは「捨て曲」無しの、全部シングルカットできる質問を用意している。続けて、Beatsが今後アプローチしたいユーザー層、マーケットについて訊いてみた。Beatsはストリートカルチャーとの結びつきが強いイメージがあるが。ルーク さっきも言ったとおり、すべての音楽を愛しているから、特定のジャンルやマーケットにフォーカスした製品ということは考えていない。オールジャンルに良い音を届けたいんだ。音楽の「質」は、どのジャンルでも欠かせないので、そこだけは絶対に譲れないね。音楽を聴くとき以外、例えば映画やビデオゲームをプレイするときにも、一体感を高める上で音質は重要だし、そういったコンテンツのよきパートナーでありたいとも思っているよ。──Beatsは創業から10年も経っていないのに、市場で急成長し、トップブランドまで登りつめた。事業の成功のカギとなったファクターはどのようなものだと捉えているのだろう。ルーク 2つあると考えていて、1つはパッションだ。創業者でもあるジミー・アイオヴィンと、Dr.Dreのことは良く知っているんじゃないかと思うけど、ジミーは、レコードプロデューサーとして、ジョン・レノン、ブルース・スプリングスティーン、トム・ぺティ、U2を手がけてきている。Dr.Dreはラッパーとしてキャリアをスタートさせ、プロデューサーにもなっているが、彼はサウンドのパイオニアとして認識しているんだ。世の中に「音」を広め変革していった人だったと思う。二人とも本当に情熱的な人物だよ。もう1つの要因は音楽の質を根本的に変えていったところにある。この10年、15年というのは、安価でポータブルなデジタルプレイヤーが登場したことで、音楽には接しやすくなったけど、一方でクオリティは失われてきた。そこは改善すべきポイントだと思って真摯に取り組んできた。そのあくなき追求の結果、良い音を提供できるようになったし、そこを評価してもらえたんじゃないのかな。──音質というと、日本ではハイレゾ音源が流行りだが、Beats製品との相性はどうなのか気になるところだ。ルーク FLACやRed Bookオーディオのことだよね? Beatsとの相性はもちろん最高だよ。製品のチューニングには当然、AIFFファイルを使っているし。Beatsとしては、高解像度の音源がどんな品質なのか知っている人だけでなく、それ以外のリスナーにも良い再生環境を提供したいんだ。オーディオは圧縮することで、どんどん原音が失われていくから、形式はAACが一番良いって認識なんだけど、Beats製品はあらゆるソースを最良の状態で聴くことができるはずさ。──とは言え、音楽体験として、ティーンエイジャーは最初からMP3だったりして、良い音をあまり享受できなかったという側面がある。そういった世代に、Beatsはどんなアプローチができているのだろうか?ルーク プロダクトして、高音質であるというのは大前提だとして、優れたプロダクトでも存在を誰も知らなかったら意味がないよね? そういう点では、やはりデザインとマーケティングは大事だと考えているんだ。品質とデザインに、マーケティング──ちゃんとしたメッセージを発信していく──の3つが揃ってはじめてプロダクトを送り出せるようになるって。プロダクトのベネフィットとしては、オーセンティックな面を重要視しているんだけど、それはアーティストをプロデュースするのと同じ感覚かな。例えば、エミネムのアルバムが出るとして、音楽だけでなく、アートワークとかファッションなども込みでひとつのアイディアとして成り立つのであって、どこを切り取ってもそのアイディアの一部であるってことが大切だよね。ただ、Beatsとして、リスナーにメッセージが届いた、意図が伝わったと感じる瞬間は、やはり「音」を聴いて頂いた時だと思う。それで、良いものに慣れていたとして、ある時、そうでもないものに接したとき、ああ、自分は良い環境で音を聴けていたんだなという気づきがあるはずなんだ。反対に良くない音を聴いていた人がBeatsの音を聴いた時にも、自分は良くない製品を使っていたんだと分かってもらえると思うよ。──そもそも、これまでのヘッドフォンやイヤホンに不満があって、Beatsを起ち上げたという側面もあるのかもしれない。ルーク その通りだ。85年から95年の間に、デジタルレコーディングやサンプリングなどの技術が出てきて、制作環境が大幅に変化したのに、プレイバックの環境はあまり進化がなかったんだ。ミュージシャンとして、拘って作った音なのに、市場に出回って2、3週間後、そこらのスピーカーで聴いた時の裏切られた感っていうのに耐えられなくて(苦笑)。その時の絶望的な気持ちは忘れられないさ。──ルーク氏にしても、Dr.Dreにしても、ジミー・アイオヴィンにしても、音楽制作の現場の人だ。ミュージシャンが集まった企業というのは創業時、周りからどう受け取られていたのだろうか?ルーク 周りってことで言うと、アーティストのリアクションが即、良かったな。これを狙っていたんだ、これこそ自分たちが求めていた音なんだって評価してくれたよ。予想外の反応としては、プロアスリートからの評価だね。Beatsのヘッドフォンつけてトレーニングに励むことでインスパイアされることがあったってことなんだ。単にワークアウトが捗ったっていうだけじゃなくて。これも凄く嬉しかったよ。──ルーク氏は、ソニックユースのドラマーであるスティーヴ・シェリーのレコードレーベル、スメルズ・ライク・レコードからデビューしたSammyのギタリストとしても知られている。Sammyはローファイなサウンドをベースにフックの効いたメロディが印象的なオルタナティブロックバンドだ。ルーク氏自身の最近の音楽活動はどんな感じなんだろうか。ルーク ギターは毎日弾いているよ(笑)。そうそう先日、Fenderの役員に就任したんだ。レコーディングスタジオも持っているんだけど、もうちょっとそこで長く過ごしたいかな。楽器を弾くだけじゃなくて、作曲するのも大好きなんだ。曲を書きたいから楽器を弾くって言ったほうがいいのかもしれないね。ただ、最近作った曲が良い曲かどうかはわからないけど(笑)。多分、自分がミュージャンであるからかもしれないけど、音楽を聴くときは3Dで曲の構造が見えるんだ。コーラスでヴォーカルがダブルになるんだなとか、スネアがセンターより少し左に定位してるなとか、リバーブで奥行きをつけてるか、といった感じで。頭の中では本当にいろいろなことが起こっているんだ。こういう聴き方がプロダクトにも反映されているのさ。──ギターキッズに戻った答えが返ってきた。最近はどんな音楽がお気に入りなのか訊いてみた。ルーク 繰り返しになるけど、あらゆる音楽が好きだからね(笑)。ただ、今までになかったようなエッジィなものとか、ちょっと変わったことをやってる連中のことは気になってるよ、そういう人たちが新しい音を創っていくんだからね。今って、音楽にとってはとてもエキサイティングな時期だって認識なんだよ。さまざまなジャンルの音楽が入り交ざって、面白い音楽が生まれてきているし。──それでは、音楽の制作と、企業の経営とで、共通してると感じていることは何なのだろう? 反対にここは違うなと感じていることはあるのだろうか?ルーク 僕は、バンドの中でも飲まない、素面でいるタイプなんだ。機材車のドライバー役だよね。ライブが終わったら、クラブのオーナーとやりとりしたり、Tシャツ売ったり、機材を積み込んだりとかね。その時点で、経営者とミュージシャンとの間でバランスをとっていたんじゃないかな。クリエイターとしての面と、それを支えるビジネスマンとしての面だ。Beatsにいつも持ち込みたいのは「魔法」なんだ。ニルヴァーナのカート・コバーンと一緒に仕事してた頃から思っているのだけど、彼がスタジオに入ってヴォーカルを録音しているときは、とても心に響くものがあって、悲しみや苦しみがそのまま強く伝わってくるって言ったらいいのかな、とにかく「魔法」だって感じられる瞬間があって。それで僕は、そういう「魔法」だと感じられるものを詰め込みたいって気持ちになっていったのさ。Beatsで忘れたくないことはアーティストのエモーションを瞬間的に移動できるパワーを持っていたいということだ。それで、リスナーの皆とも彼らの気持ちを共有したいって。──そう、Beatsはオーディエンスやリスナーにとって、媒介となる存在なのだ。今後、日本において、Beatsはどんな役割を果たしてくれるのだろう?ルーク 僕らのブランドの骨組みがカチッとしたものになっているとは感じてはいるんだけど、今、日本でやらなきゃいけないと考えているのが、熱心なリスナー、オーディエンスを探し当てることだ。次のカルチャーを発掘してくれるようなインフルエンサーとコラボレーションしたりね。──そこで、逆に「何かいいアイディアはない?」と訊かれたので、ロックフェスへの参加や、Beats主催のクラブイベントはどうだ?と返答すると……。Fuji Rock FestivalやSummerSonicなどの主要なロックフェステイバルにも未だ足を踏み入れていないという現状があるけど、これから真剣に参加を検討して進めていくつもりだよ。──と、なんとも楽しみな答えが返ってきた。Beatsとしては、ユーザーとのインタラクションを期待していて、そのために今後、「場」の提供を考えているらしい。もしかしたら、ロックフェステイバルでブースができたり、それこそDr.Dreプレゼンツのイベントが来年あたり開催されるかもしれない。そういった期待も含めつつ、最後にソフトバンクとの提携について訊いてみた。ソフトバンクモバイルはBeats製品の限定モデルのほか、Hello Kittyの40周年記念コラボモデルをApple Store以外で国内唯一取り扱っている。ルーク これまでの業績については素晴らしいものがあるよね。iPhoneを広めたってこともそうだし、アップルとのリレーションシップを深めていったってことは言うに及ばずだけど、とてもクリエイティブで恐れのないチャレンジャーな企業だってところを評価したいな。だけど、一番高く買っているのは、多くの方々に製品を届けられるような販売チャンネルを持っているという点だ。最終的に僕らのゴールは実際に使ってもらえるということで、それが成果であるからね。
2014年12月24日前編に引き続き、電子黒板機能付きプロジェクター"CP-TW3003J"の開発を担当した小野寺氏と、プロトラブズ社長トーマス・パン氏との対談をお届けする。後編では、実際の利用シーンと将来の活用方法について話が発展した。○これ一つですべての授業が可能にトーマス・パン氏(以下パン氏):電子黒板機能付きプロジェクターを使いこなせば、これだけで学校の授業を完結させることができますね。単に補佐するものではなく、こうした製品であるのは、どのような理由からでしょうか。小野寺信二氏(以下小野寺氏):黒板に書くような手書きと、デジタル機器として教材を呼び出したり書いたものを保存したりといったことの両方を、画面内の操作だけでシームレスかつ直観的に行えることをめざしたいと思い、開発しました。パン氏:それは学校への導入に際して、従来の考え方では難しい点があったということでしょうか。小野寺氏:機能を増やすと、先生方が使いこなすにはどうしてもトレーニングが必要になります。PCが動かないというだけで混乱してしまう。とはいえ、そのハードルは2年前と比べるとだいぶ下がってきました。スマホやタブレットが普及したおかげで、フラットパネル上での指やペンでの操作が身近になりました。パン氏:確かに、触って操作することに多くの人が慣れてきましたね。そうした教育の現場以外で、注目されている分野はどこでしょうか。小野寺氏:まずはビジネスユースです。書いた画像を保存できるので、会議の情報を容易に共有できますから。企業のお客さまからは、マーカーに近い書き心地や小さい字を書きたいという要望もあります。また、そのほかに美術館や展示会での利用も考えられると思います。双方向性を活かして絵画の関連情報を知ることができる、そんな利用方法も面白いのではないでしょうか。○双方向が創る未来パン氏:ハードウェアとアプリケーションが複雑に関係し合っているこのプロジェクターですが、新しいマーケットを見据えて、ソフトウェアを飛躍させることによりハードを売るという流れも見えてきますね。小野寺氏:一つお伝えできるのは、デジタル教科書です。今、教科書業界で次世代デジタル教科書の共通プラットフォーム開発に取り組んでいるという話もあります。例えば歴史の時間には「関ヶ原の戦い」が動画で見られるなど、電子黒板の上に教科書の内容に関連した動画などのデジタル教材が出せるようになります。このとき、操作やインタフェースがある程度共通化されると、先生方にとっても使い勝手が向上するのではないでしょうか。そのような環境が整い、先生方がアナログ・デジタルを意識せず、双方向のツールとして電子黒板を使い、子どもたちと向き合える、そんな授業のお手伝いができればと思っていますし、こういった進化に、プロジェクターもどんどん対応していきたいと思っています。パン氏:なるほど。教材を共有すれば、どんな先生であっても教え方を標準化することができますね。ここには非常に大きな夢があるように感じます。ものづくりの会社をやっている身としては、社内のトレーニングに使いたいですね。適切なガイドをすることで、誰が作っても高い品質のものができるようになる。そういった教育が、インタラクティブ機能を持ったこのスクリーン上で可能になりますね。小野寺氏:「表示するだけ」のプロジェクターにとどまらず、「双方向」というキーワードのもと、より広い用途で使っていただきたいですね。○アナログとデジタルをなめらかにつなぐパン氏:こちらの製品は2014年7月に発売されたばかりですが、反響はいかがですか?小野寺氏:主に教育関係の方に使っていただき、おおむね好評を得ています。しかし、課題もあります。今までマーカーでホワイトボードに書かれていたというお客さまからは、応答性をもっとあげてほしいという声がありました。人は字を書くとき、書いた軌跡を瞬時に判断し、次に書き始める位置を決めていきますが、電子黒板への指や電子ペンでの入力は、どうしても遅延が発生してしまうので、自分がいつも書いている文字と少し違ってきます。センサーのレスポンスやセンシティビティをさらに上げるのが今後の課題です。パン氏:もっと細かく、素早く反応してほしいというわけですね。ただ、解像度も処理速度も上げるとなると、コストとの兼ね合いが難しくなるのではないでしょうか。小野寺氏:確かにそうですが、お客さまからの要望でもあり、理想としては、アナログペンと同じような感覚でデジタルを使えるというところまで持っていきたいと考えています。また、今は平らな面に限られていますが、将来的には曲面や凹凸面など、さまざまな場所で操作可能な「投写する表示装置ならではの機能」を開発したいと思っています。○製品づくりで忘れないことパン氏:お話をうかがっていく中で、この電子黒板機能付きプロジェクターは単なるツールではなく、一つの文化になっていく可能性を秘めた製品だと感じました。また、ものづくりをしている者として品質へのこだわりと苦労にはとても共感できます。日立さんはパートナーさんとの関係をきちんと構築し、最後までやり抜いて日立の高品質な商品として市場に送り出している。この点はとても印象的でした。小野寺氏:ありがとうございます。「品質を守る」は、入社以来ずっと言われてきたことです。今後も品質を守りながら、パートナーの皆さんと一緒にものづくりを進めていきたいと思っています。「製品はお客さまのためにある」のだとわれわれは考えています。
2014年12月24日LINEは22日、同社COOの出澤剛氏(いでざわ たけし)が新社長に内定したと発表した。22日開催の取締役会で新社長の内定を決議した。現社長の森川亮氏は顧問に就任する予定。なお、一連の人事は、2015年3月下旬に開催する定時株主総会、取締役会を経て正式に決定する。出澤剛氏は1973年生まれの41歳。1996年に早稲田大学卒業後、朝日生命保険会社に入社。2001年にはライブドアの前身となるオン・ザ・エッジに入社し、2003年に同社の執行役員副社長に就任。2007年にはライブドア代表となり、経営再建を果たす。以後2012年に、傘下であったNHN Japanグループ3社の経営統合にともない、NHN Japanの取締役に就任。翌年2013年には、同社の商号がLINEに変更されたことに伴い、LINEの取締役となった。2014年1月には、同社のCOOとなり、同年4月に現職のCOOに就任した。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年12月22日LINEは12月22日、同日に開催された取締役会で、代表取締役社長 CEOの森川 亮氏の退任とCOOである出澤 剛氏のCEO就任を内定したと発表した。2015年3月下旬に開催する定時株主総会と取締役会で正式に決定する。森川氏の退任は、2015年3月下旬の任期満了にともなうもの。森川氏は2007年にLINEの前身であるNHN Japan、ネイバージャパンの代表取締役社長に就任以来、無料通話・メッセージアプリ「LINE」のサービス開始など、大きく会社を成長させてきた。2012年6月には、NHN Japanとネイバージャパン、ライブドアの3社を経営統合し、2013年4月には代表サービスである「LINE」への商号変更も行った。後任の出澤 剛氏は森川氏と同じく、2007年にライブドア 代表取締役社長に就任し、2014年1月から取締役 最高執行責任者 COOとなった。4月より代表取締役となっており、森川氏とともに経営と事業統括の業務を分担することで「経営・事業展開のスピード化」を図っていた。退任にあたっては「森川が任期満了に伴う退任の意向」(LINE)があったとしているが、引き続き同社には関与するとのことで「顧問として新代表取締役社長をサポートする」としている。
2014年12月22日企業向けSNSを提供するビートコミュニケーションは12月17日、「ビジネス環境と我々の働き方の変化」に関する慶應義塾大学 総合政策学部教授 竹中 平蔵氏のインタビューを公開した。竹中 平蔵氏は著書の中で「これから世界はフラットな世界とスパイキーな世界に分かれていく」と語っており、今回のインタビューではこの発言を中心に、これからのビジネス環境がどのように変化し、働き方もそれに連れてどのように変わるかについて尋ねている。同氏によると、モバイル通信やクラウド技術を始めとするデジタル技術の革新によって「課長・部長などの管理職が不要になり始めている」という。これは、デジタル技術の活用で「一部の意思決定者と作業担当者がいれば事足りる」ことによるもので、働き方が大きく変わり、職場へ行くことなく仕事ができるようになっていくとのことだ。これは、時間による労働管理の終焉に繋がり、「成果で労働を計る必要が出てくる」と竹中氏。テクノロジーの変化だけではなく、それに伴う価値観の変化が働き方をも変えて行く未来がやって来る。ビートコミュニケーションによると、2025年頃にはホワイトカラーに就く社会人の1/3がオンラインワーカーになるといい、個人の置かれている状況や価値観に合わせて働き方が選べる時代になる可能性がある。そうした時代の変化に合わせるには、様々な働き方をサポートするコミュニケーションのプラットフォームとして、社内SNSが効果的のようだ。
2014年12月22日2012年7月、現社長のマーティン・イェッター氏は、地域に根ざした活動を推進する目的で、支社制度を復活。地域を統括する東北・北海道(仙台)、中部(名古屋)、関西(大阪)、西日本(福岡)の4つ支社を誕生させた。支社復活から2年半が経過し、地方におけるIBMの事業はどうなっているのか? 理事で中部支社長の福田弘氏に聞いた。Q:IBMはなぜ支社制度を復活させたのか?福田氏:日本は国土的には狭いですが、地域ごとに特徴があります。中部地区でいえば、製造業が多く、世界的な自動車メーカーがあり、バリューチェーンを形成しています。こういった違いは、その地域に居ないとなかなか捉えることができませんし、受け入れてもらえません。支社長に任命されたときに社長から『支社長がリーダーシップを発揮し、地域のリーダーとの交流も深めてほしいと』いわれました。また、どのようなお客様に、IBMとしてどのような協力ができるのか、IBMのどのソリューションが最適なのか、戦略をよく考えてほしいとも指示されました。12月9日にはリーダーフォーラム中部というイベントを名古屋で開催しましたが、このイベントも今回で5回目で、地域のみなさんに、IBMの本気度がアピールできたと思っています。Q:過去2年半の中部支社長の実績を自己評価すると何点か?福田氏:少し甘いと思われるかもしれませんが、自己評価すれば90点だと思っています。自分では、IBMのわかりにくかった部分をわかりやすくできたという成果はあったと思います。一般的に、大企業は本社の営業が担当し、支社や支店はもう少し規模の小さなお客様を担当するというイメージがあると思いますが、IBMは2年半前、企業規模にかかわらず、その企業の本社のある地域が責任を持って担当することになりました。この2年半で、それがお客様にも浸透しており、信頼されるようになってきたと思います。私はIBMに在籍する26年のうち、22年間を名古屋で過ごして来ましたので、地元との結びつきは社内で一番強いと思っています。Q:過去2年半で、具体的にどうのような点に注力してきたのか?福田氏:私が中部支社長に配属された当時は、海外に進出するお客様が多く、グローバル対応のITや人事、M&Aの部分でお手伝いして来ました。具体的には、ITにおいてはグローバルデータを収集し、経営を見える化する点において、IBMがこれまで蓄積したノウハウを提供し、人事ではその地域に合った人材管理をアドバイスしました。また、M&Aでは、世界のIBMコンサルティングや現地のシンクタンクの情報を活用しながら、M&Aすべき企業を紹介したりしてきました。Q:今後やっていきたいことは?福田氏:この2年半で、ITのテクノロジーも大きく変化し、IBMも「クラウド」「アナリティクス」、「モバイル」、「ソーシャル」、「セキュリティ」(IBMではそれぞれの頭文字をとってCAMSSと呼ぶ)といったテクノロジーに注力しています。そこで、今後はこういった新しいテクノロジーでお客様に貢献することを目指したいと思っています。また、地元企業とタイアップして地産地消を推進し、Watsonといった新しいテクノロジーを使った新たなソリューションを生み出していきたいと思います。Q:CAMSSで特に注力する分野は?福田氏:お客様からはCAMSSのすべてにおいて引き合いが強いですが、中部地区は製造業が多いため、アナリティクスのニーズは高いと思います。これは、単に経営データを見える化するだけでなく、工作機械などのセンサーデータを集めて、故障の防止や品質の維持に貢献できると思います。こういったデータの解析や予測は、原価に直結しますので、引き合いが強い分野です。営業もこれまで同様、企業のIT部門のほか、生産管理や品質管理の部門にもお邪魔してディスカッションを重ねており、営業のやり方も変わりつつあり、大きな成果も出ています。Q:地方では国内ベンダーも強いが・・・福田氏:既存の国内ベンダーさんがやられていた部分の置き換えをやろうとは思っていません。IBMには買収したSoftLayerという素晴らしいインフラがありますので、この良さを生かし、地域のビジネスパートナー様と一緒に新たなビジネスの商流やスキームを作っていくことが我々の大きな役割だと思っています。また、今年の7月、AppleさんとIBMとの提携を発表しましたが、これについても非常に興味を持たれているパートナーやお客様もいらっしゃるので、こういったことを利用した新しい仕組みを作っていきたいと思っています。Q:IBMはx86サーバ事業を売却したが、これによりお客様との接点が減るのではないか?福田氏:過去を思い返せば、パソコンやプリンタもそういう時期があり、営業も危惧していましたが、思ったほど、影響はありませんでした。私の地域では、レノボさんと一緒に営業が動いていますので、心配はしていません。今後もレノボさんとの協業関係を強めていきたいと思っています。Q:今後、IBMの強みをどう発揮していくのか?福田氏:差別化するポイントで大きいのはWatsonだと思います。Watsonはすでに実用化に向け動き出していますが、こういった新しい概念を利用すると、ITの用途が広がり、新しいIBMの世界ができると思います。これまでのコンピュータは、正しい情報を入れて、正しい答えを出すというSystems of Recordの役割でしたが、今は新しい組み合わせによる新たな発見というSystems of Engagementという役割が求められており、この部分で強みを発見するのがWatsonだと思います。
2014年12月15日Microsoft MVP受賞者でフリープログラマーのIchiGeki氏が、自身の制作した無料通話アプリ「SkyPhone」の10,000ダウンロードを記念し、iOSからWindowsパソコンを遠隔操作できるリモートデスクトップアプリ「KeroRemote」の無料キャンペーンを実施する。期間は12月5日~7日までの3日間限定。今回、無料キャンペーンとなるKeroRemoteは、iOSからWindowsパソコンを遠隔操作するアプリ。画面転送、音声伝送、遠隔操作、マルチモニターに対応。Windowsパソコンで再生中の音楽や動画などを、高画質・高音質でiOS端末にて視聴できる。転送の遅延は最小限に抑えられており、映像と音声のズレが少ない。なお、Windowsパソコンでは同氏の開発したリモートデスクトップソフトのWindows版Brynhildr、またはWindows版Siegfriedを別途導入して、起動させておく必要がある。KeroRemoteアプリは通常600円で販売し、ダウンロードはAppStoreから。対応OSはiOS 5.1.1以降。Windowsパソコンとの接続にはWi-Fiが必要となる。
2014年12月04日今年の「Seymour Cray Computer Engineering Award」はGordon Bell氏に贈られた。Gordon Bell氏はDEC(Digital Equipment Corp.)のエンジニアとして「PDP-6」などの設計を行い、後には開発担当のVPとして、同社の「VAX11-780スーパーミニコン」の開発などを指揮した。DECのミニコンピュータは手頃な価格で使い勝手が良く、1つの時代を作ったと言える。このようなコンピュータの開発に対する重要な貢献が今回の授賞の理由である。また、この講演では触れられていないが、Bell氏は、約10年に1度の割合で、半導体やストレージ、ネットワークなどの技術革新で、より低価格な新しいクラスのコンピュータが作られるという「Bellの法則」の提唱者としても知られている。そして、シリコンバレーにあるComputer History Museumは、Bell氏が寄贈した個人のコレクションを基にして始まっており、歴史の保存という分野でも重要な貢献を行っている。Gordon Bell氏は現在80歳であるが、現役で、マイクロソフト社のシリコンバレー研究所の研究員を務めている。Seymour Cray賞の受賞者は記念講演を行うのが恒例となっており、SC14においてBell氏の講演が行われた。講演のタイトルは「半世紀のスーパーコンピューティングの歴史の個人的回想」というもので、「驚くべきレースのエンジニア、研究者、官僚、サポーター、投資家、批評家、そして、歴史家として」という注釈がついている。スパコンの発展は、1965年から1995年に掛けてのCrayの単一メモリコンピュータの時代、1984年以降のマルチコンピュータ、別名、クラスタの時代があり、その中に1984年から1994年に掛けてのKiller Micro(マイクロプロセサ)への移行の時期があった。理想的なスパコンの進化は、速度、メモリ量、並列性などが時間とともにスケールして行くべきであるが、初期には可能であったクロックの向上と単一メモリのマルチプロセサの大型化はできなくなり、現在では多数のコンピュータをつなぐスケールアウトだけになってしまった。なお、これらの写真に写っているのは、IEEEの授賞委員会のSeymour Cray賞選考担当のローレンスバークレイ国立研究所副所長のHorst Simon氏と、招待講演セッション議長の議長のヒューストン大のBarbara Chapman教授である。振り返ってみると、Univacの「LARC」とIBMの「Stretch」、そしてManchester大学の「Atlas」が科学技術計算用のスーパーコンピュータというクラスのマシンを作り上げた。次の1960年のLARCの写真は貴重なもので、Sidney Fernbach賞のFernbach、当時はローレンスリバモア研究所の所長ではなかったかと思われるが、後に国防長官になったHarold Brown、水爆の父と呼ばれるEdward Tellerが並んで写っている。そして、LARCに対抗してIBMが作ったのが、次の写真のStretch(IBM 7030)である。その次はManchester大のAtlasで、Ferrantiが製造し、毎秒100万命令を実行できる素晴らしマシンであったとBell氏は回想している。そしてプログラミングには「FORTRAN」が作られた。FORTRANは1957年にIBM 704用のコンパイラがリリースされ、1960年の仕様化から、最近ではFORTRAN 2008が作られており、現在も現役の言語である。そして、CDC(Control Data Corp.)が「CDC6600」と「CDC7600」を作った。スーパーコンピュータというマシンクラスを確立したマシンと言える。しかし、1964年当時、CDC6600の話を聞き、Bell氏は「なんてこった。どうやってこんなものを作ったんだ」と思ったという。CDC6600と比べると、Bell氏が開発中のPDP-6は、30万ドルと1/10の価格、5000トランジスタと1/120のトランジスタ数でクロックも5MHzと半分であったという。さらに高い性能を目指して、Amdahlの法則の制約の中で並列性を探すという努力が行われた。64並列SIMDの「Illiac IV」、メモリ上にベクトルを置く「CDC STAR」や「ETA10」、TIの「ASC」などであるが、これらはうまく行かず、最終的に成功したのは「Cray 1」のベクトルアーキテクチャであった。Cray 1は、スカラ性能はCDC7600の2倍でしかなかったが、160MFlopsとCDC7600の4~5倍の演算性能を持ち、スーパーコンピュータと言えばCray 1を指すようになった。左の図はLSIチップのトランジスタ数の増加を示すもので、使用できるトランジスタが増加するにつれて最初の4bitプロセサから8bit、16bit、32bit、64bitとデータ幅を増加させ、さらに1チップに集積する64bitコアの数を増やしている。右の図は、TTL、ECLとCMOSロジックの性能の推移を示すもので、TTL、ECLの性能改善は14%/年であるのに対してCMOSの性能改善のペースは速く、1996年にはTTLを抜き、1997~1998年にはECLも抜いた。その結果、TTLやECLの中小規模の集積度のSSI、MSIを並べて作るミニコンピュータやワークステーションは競争力を失い死滅することになった。これにより"Killer Micro"の時代となった。しかし、並列化できる部分は限られており、並列化による性能向上には困難があることがAmdahlの法則で示された。このため、1985年にAlan Karpが、1995年までに並列化により200倍の性能向上を達成すれば100ドルの賞金を提供するという賞を作ったが応募が無く、Bell氏は、200倍は難しすぎると考え、1992年までに10倍、1997年までに100倍を実現するという目標を提示し、毎年ベストの結果に1000ドルの賞金を出すことにした。これが1987年のGordon Bell賞の始まりである。1994年にJim Grayと話し合って、スケーラブルなネットワークこそがプラットフォームであるという結論に達した。なぜなら、ムーアの法則で使えるトランジスタは指数関数で増え、標準化された部品があふれ、インタフェースの標準化で競争が激化し、進歩が加速されるからである。この方向に向かう経済的な圧力は巨大で、ネットワーク接続は急速に進むと考えられることから、我々は共有メモリのコンピュータを諦めることにしたという。そして、1994年には分散メモリのコンピュータ間でメッセージのやり取りを行うMPI(Message Passing Interface)1.0仕様が公開され、分散メモリのシステムの採用が急速に進んでいく。その結果、今日では、日本の京コンピュータ、米国のSequoiaやTitan、中国のTianhe-2など巨大なネットワーク接続のスパコンが作られるようになっている。そして、Tianhe-2を開発した中国の国防科技大は2015年に100PFlops、2018年には1ExaFlopsというプランを掲げており、SGIも2018年までに500倍に性能を向上させ、1ExaFlopsを実現する計画を持っている。また、現在の性能向上の傾向を見ると、2018-2020年に1ExaFlopsに達すると予想される。今後、HPCの世界で必要となるチャレンジは、1994年から20年間続いてきた指数関数の性能向上をいかにして継続するか。2007年にJim Grayが述べた科学の第4のパラダイムの実現大量の実験データの解析によって科学を行うモデルのシミュレーションで得られた大量データの解析によって科学を行うデータ科学と計算科学の融合HPCをサポートするクラウドの進化であると述べて、ビッグデータ処理と計算科学の融合とクラウドでのHPCサポートの重要性を強調して、Bell氏は講演を締めくくった。
2014年12月01日EMCジャパンは11月25日、12月8日付けで、代表取締役社長に大塚俊彦氏が就任することを発表した。現在、代表取締役社長を務める山野修氏はエグゼクティブ アドバイザーに就任する。大塚氏は、東京都出身の1962年12月24日生まれの51歳。1985年に日本アイ・ビー・エムに入社、2004年1月に同社 理事 公共システム事業部長、2005年4月に同社 執行役員 公共事業担当に就任。2006年にシスコシステムズに執行役員エンタープライズ営業担当として入社し、2008年には専務執行役員経営企画・オペレーションズ担当に就任。2010年4月に日本オラクルに入社し、専務執行役員システム事業統括兼事業推進統括、副社長執行役員 ソフトウエアライセンス事業統括、副社長執行役員アライアンス事業統括を歴任し、2014年10月に退社していた。
2014年11月26日アメリカンコミックのアーティストとして知られるジム・リー氏のライブペインティング&トークショーが22日、東京・コトブキヤ秋葉原館にて開催され、ジム・リー氏のほか、アメコミファンであるタレントのダンテ・カーヴァーが出席した。ジム・リー氏は、北米で人気を誇るコミックアーティストで、スタイリッシュでダイナミックな構図、細部までこだわるキャラクター造形で人気を博し、現在はマーベル・コミックと並ぶ2大アメコミ出版社のひとつ「DCコミック」の共同発行人として『バットマン』などのアーティストとしてファンを魅了し続けている。11月には、イラスト集『ICONS:DCコミックス&ワイルドストーム アート・オブ・ジム・リー』を発売。また、『ICONS』に収録された描き下ろしイラストをもとに、1/6スケールのフィギュアとして『ワンダーウーマン』も立体化されている。さらに、11月23日には「海外マンガフェスタ2014」に出演し、『アイシールド21』で知られる漫画家・村田雄介氏との対談イベントも行われた。この日の「アメコミnight ジム・リーSPECIAL」には、タレントのダンテ・カーヴァーや、コトブキヤのフィギュア「ARTFX」シリーズを多く手がけている原型師の松本江永氏、「ARTFX」シリーズのペイントマスターである腐乱犬氏がゲストとして登場。アメコミ翻訳家の柳亨英氏もジム・リーの通訳として出席した。今回4度目の来日となるジム・リー氏は、会場に詰めかけた多くのファンを前に「来日のたびにアメコミファンが増え、きちんとアメコミというものの足跡を残せているようだ」と実感。ジム・リー氏が影響を受けた作品は『スーパーマン』で、5歳まで韓国でフライシャー兄弟の白黒アニメ『スーパーマン』を見て育ち、アメリカに移住後はコミックを読んで英語を覚えたという。そして、共に仕事をしたライターからストーリーや流れの組み方を覚え、様々なインスピレーションを受けたと述懐。また「描くためのスーパーパワーが身についたのはいつ?」という質問には、「絶え間ない努力とうまくなりたいという意思。そして常に描き続けること」と明かしている。今回のライブペインティングの実演のテーマは、「ARTFX」シリーズの新作『ARTFX フラッシュ』のコンセプトアート。ジム・リー氏は拍手喝采の中で、30分のうちにコンセプトアートに加え、ジョーカー(骨格Ver.)やハルクなども描き、神の手から繰り出される魔法のようなスケッチにゲストとファンを魅了した。そのほか、先日発売された『ワンダーウーマン』を手に取ったジム・リーは「フィギュア化すると何か足りない部分も出てくるが、このフィギュアはそれがない。細かいディテールもうまく表現され、コミックから飛び出したようだ」と太鼓判を押している。ライブペインティング後にはサイン会も行われ、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。なお、コトブキヤの公式サイトでは、本イベントのダイジェスト動画の配信を予定している。
2014年11月24日元プロ野球選手の東尾修氏と娘でプロゴルファーの東尾理子が19日、都内で行われたクリストファー・ノーラン監督最新作『インターステラー』(11月22日公開)の公開直前イベントに出席し、父娘の愛と絆を描いた本作にちなんで父娘トークを繰り広げ、2人とも理子の夫で俳優の石田純一の父親ぶりをたたえた。本作は、地球滅亡のカウントダウンが迫る中、人類の存亡を懸け、そして愛する家族の未来を守るため、居住可能な新しい惑星を探すという重大な使命を任された人間たちのドラマを描く感動作。マシュー・マコノヒー演じる主人公クーパーが、愛するわが子を残して宇宙に旅立つ際、娘マーフに「必ず、帰ってくる」と約束する。イベント直前に一緒に本作を鑑賞したという2人は、感動して大号泣したという。今まで娘の前で涙を見せたことがないという修氏は、「我慢してたんですけど、ばれちゃって」と恥ずかしそうに話し、理子も「目を開けるのが大変なくらい涙しました」と語った。修氏は「もう少し早く、10年、20年前に見たかった。もっと娘に対して違った形というか…」と、野球選手時代に娘と会う機会が少なかった過去への後悔も見せた。そして、2010年度の第4回ベスト・ファーザー in 関西で、修氏が特別賞のベスト・ファーザー オブ ザ ブライド(花嫁の父)に輝いたという話題から、理子の夫である石田の話に移り、修氏は「今の石田は全国区のベストファーザーにおすすめ。太鼓判を押します」と父親ぶりを絶賛。理子も「お願いすることはないくらい。今の主人は、私と理汰郎にとっては、ベストファーザーです」と力強くコメントした。また、父・修氏がすごい点について、理子が「デッドボールの数!」と日本記録を持つデッドボール数を挙げ、笑いが沸き起こる場面も。「私にとっては、父の誇りなんで。頑張って働いた証ですから」と理子が説明し、修氏も「外国人選手が乱闘で来ますよー! 怖がらずに我慢して、家族のために」と続けると、さらに盛り上がった。その後、理子から修氏へ、手紙をサプライズ披露。本作の"宇宙を超えた父娘の固い約束"にちなんで、守ってほしい約束を伝えた。「子供のころにできなかった旅行に行けるように、長生きしてください。そして、いつか一緒に宇宙旅行に行きましょう」という理子からのお願いに、修氏は「ありがたい」と感激し、「長生きして、娘の後押しも孫の後押しもしたいし、石田頑張れよと肩もたたきたい。旅行は早速行きます」と誓った。(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2014年11月19日ソリッドワークスは11月11日、CEOのBertrand Sicot氏とユーザーコミュニティの責任者であるRichard Doyle氏が来日し、同ブランドの現状やユーザーコミュニティについて説明した。まず、製品ポートフォリオについてSicot氏は、2014年「Mechanical Conceptual」をリリースしたことで「概念設計から製造フェーズまで製品ライフサイクルを網羅した製品ポートフォリオが構築された」とコメント。現在、概念設計に向けた「Industrial Conceptual」がベータテスト中だという。今後、クラウドを活用した事業を展開していくとのことで、「ゆくゆくはすべてのアプリケーションをクラウドでつなぐ」とした。「SOLID WORKS 2015」ではクラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームへ接続できるオプションが提供されている。さらに「SOLID WORKS 2015」では、STL形式のサポートが実装され、作成したデータを簡単に3Dプリンタで出力することができるという。Sicot氏は3Dプリンタに注目が集まっている最近の状況を「一般消費者がCGについて知るすばらしい機会になっている」と語り、3Dスキャンを含む3Dプリント関連分野において同社の技術をさらに活用する方法を検討しているという。また、「発表する新機能のうち9割以上がユーザーからの要望に応えることで実現したもの。年間5000回以上お客さまと直接顔を合わせてお話を伺う機会を設けている」と語り、ユーザーの声を重視する姿勢を強調した。同社の満足度調査では2011年から4年連続で90%を超す結果を得ているという。ユーザーコミュニティの強化にも力を注いでおり、2014年だけで世界各地で15のグループが設立され、2年以内に計300グループまで拡大する見込みとのこと。ユーザーコミュニティ担当のDoyle氏は日本のユーザーコミュニティについて「非常にすばらしい組織に仕上がっている。これからはよりローカルな単位での活動を強化していきたい」と語った。
2014年11月12日交際まもなく破局が伝えられたジェニファー・ローレンスとクリス・マーティンだが、実はまだ関係は続いているのでは?と言われている。10月27日(現地時間)に破局が報じられた2人。31日のハロウィーンは、クリスは別居している妻のグウィネスと娘と息子のもとを訪れ、ジェニファーは第1子懐妊が発表されたジャスティン・ティンバーレイク&ジェシカ・ビール夫妻宅のパーティに参加し、別々に過ごしたが、先週はマリブにあるクリスの家にジェニファーがいたことが確認されている。関係者は「People」誌に、クリスはまだジェニファーに夢中で2人は会い続けていると語った。また「Daily Mail」電子版では別の関係者が、2人はクリスの家やジェニファーがロサンゼルスでよく利用する高級ホテル「シャトー・マーモント」で一緒に過ごしていると話している。この人物の話によると、ジェニファーが主演する『ハンガー・ゲーム』シリーズ最新作『The Hunger Games: Mockingjay Part 1』(原題)のワールド・プレミアにクリスが出席を予定しているそうだ。ワールド・プレミアは10日(現地時間)にロンドンで行なわれるが、混乱を避けるためにレッド・カーペットを一緒に歩く可能性は低そうだという。(text:Yuki Tominaga)
2014年11月07日サイバーエージェントとグリーの合弁会社であるグリフォンは、11月1日付で新任取締役として、川村 猛氏、本橋 直樹氏、笹川 龍太氏が就任したことを発表した。新任取締役となった3名は、いずれも2010年~2012年に入社。川村氏(2010年10月サイバーエージェント入社)は、グリフォン創業期より技術部門の責任者を務めてきた。「この度頂いた取締役という大役に対し、組織の成長に貢献する覚悟を新たに全力で向き合っていきます」とコメントしている。本橋氏は、2010年4月に新卒でサイバーエージェントに入社した。今回の取締役就任という大抜擢に対して「身の引き締まる思いです。新規タイトルの担当役員として、必ずヒットタイトルを生み出し、グリフォンの更なる成長に寄与していきます」と語っている。笹川氏は、グリーに2012年4月に新卒入社した。2013年2月にグリフォンに出向し、2作目となる「ミリオンブレイブ」ではプランナーとして会社を黒字化へと導いた実績を持つ。「大役を任せていただきその責任の重大さを強く実感しています。自らが先頭に立ち、若手の活躍を促進していくと共に、組織の成長を力強くけん引していきます」と述べている。
2014年11月06日現在スマートフォンOSとして世界最大のシェアを誇る「Android」を開発した中心人物のAndy Rubin氏がGoogleを退社したと米Wall Street Journalのオンライン版が10月30日(現地時間)に報じている。昨年2013年3月に内部組織変更でAndroidチームを離れ、ロボティクスの新規分野開拓担当になった同氏だが、Google退社後はITハードウェア製品の開発に興味を示すスタートアップ企業を支援するインキュベータ事業を始める予定とのこと。WSJによれば、GoogleはRubin氏退社後も引き続きロボティクスや関連分野への投資継続を公約しており、同氏の抜けた部門長にはGoogleのリサーチサイエンティストで同部門のメンバーの1人だったJames Kuffner氏が就任するという。Rubin氏が退社した背景は不明だが、1ついえるのはGoogleのロボティクス分野での今後の展開にマイナス面での評価がつくのは避けられないだろうということだ。実際、昨年末までに買収したBoston Dynamics、Schaft、Meka Roboticsといった企業の取引に同氏が関わっているとみられ、製品としての形は出ていないものの、積極投資を行っていた分野のトップの辞職は、内部的な理由はあれ、対外的な印象はあまりよくないだろう。Rubin氏は、かつてユニークなモバイルデバイス開発で知られていたDangerという企業(後にMicrosoftによって買収)の立ち上げに関わり、その後はAndroidという企業を立ち上げ、モバイルデバイス向けプラットフォームの開発を行っていた。同社は2005年にGoogleに買収されるが、これが後のAndroidの原型となり、世界的に最も利用されるプラットフォームとなった。プロジェクトの難航と、AppleのiPhoneでのモバイル市場参入を受け、製品としては後発となったAndroidだが、2008年に初のAndroid OS搭載デバイスとして「T-Mobile G1 (HTC Dream)」が発表され、その後2年ほどの期間を経て徐々にシェアを伸ばし、現在のポジションを築いている。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年10月31日ソニーは10月30日、ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木国正代表取締役社長兼CEOが11月16日付で退任し、十時裕樹氏が新社長に就任すると発表した。鈴木氏は2012年5月にソニーモバイルコミュニケーションズの代表取締役社長兼CEOに就任。約2年半に渡り同社を指揮してきた。ソニーは代表執行役兼取締役CEOである平井一夫社長の号令の下、モバイルを中核事業の1つに据えてきたが、販路やラインナップ拡大の費用などがのしかかり、2014年度第1四半期(2013年4月1日~6月30日)におけるモバイル・コミュニケーション(MC)分野の営業損益は△27億円の赤字となっていた。加えて、スマートフォンの競争激化により、2014年度通期(2014年4月1日~2015年3月31日)での年間出荷計画を当初の5,000万台から4,300万台へ下方修正。これに伴い、従来の想定より将来キャッシュフローが低く見積もられる形となり、2012年のソニー・エリクソン子会社化時に計上されたMC分野の営業権1,800億円全額を減損処理することが9月17日に発表されていた。これによる影響で、2014年度通期での連結最終損益は、当初見通しの△500億円(損失)から△2,300億円(損失)へと下方修正される見込みだ。ソニーの2014年度第2四半期(2013年4月1日~9月30日)連結業績発表は、10月31日に行われる。
2014年10月30日テニスのショットを可視化する「Smart Tennis Sensor」の企画開発を担当したソニーの中西吉洋氏と、プロトラブズ社長トーマス・パン氏との対談。後編となる今回は、製品のデザインに込めた想いと、将来の展望について話が弾んだ。○機能でなく体験をデザインするためにトーマス・パン氏(以下パン氏):「Smart Tennis Sensor」のスイッチは丸みがかった四角で、微妙に非対称ですね。こういったところに、デザインのこだわりを感じます。中西吉洋氏(以下中西氏):そこは何度もプロトタイプを作って、工夫した部分です。機能的にも間違って押してはいけませんし、押し込み感も必要ですから。三本の突起の「つら」が少し高いのは、誤押し防止のためで、コンマ数ミリの単位で実験を繰り返しました。パン氏:そういった工夫の積み重ねが生んだ妙なのでしょうか。センサー本体に、「ゆるキャラ」のような独特の可愛らしさがありますね。中西氏:今後はこの製品を中高生や女性にも訴求していくつもりですので、インタビュー調査で「可愛い」という意見が出るデザインをプラス評価しています。カラーリングもデザイナーがこだわって、テニスを尊重できる色を探しました。楽しさのある色で、我々は「アクティブオレンジ」と呼んでいます。みんながこのセンサーを付けて元気にプレイできるように、という想いを込めています。パン氏:パステル調の蛍光オレンジでしょうか。明るくてきれいな色ですね。御社は昔からデザインに対して大きなこだわりをお持ちだったと思いますが、「ソニーらしい意匠を生む」という文化は全社的に共有されているのでしょうか?中西氏:クリエイティブセンターという部門がありまして、そこがデザインを管理しています。例えば、デザイン側から「この線はこのアールで頼む」というスケッチが来て、「うわ、どうしよう……でもやってやる!」とメカ屋が応えるようになっています。ですから、デザインの思いや考え方を反映させることに関しての風土は、全体に染み渡っていると思います。パン氏:そういった文化が、製品を手に持った時に「ソニーだ」と感じることに繋がるわけですね。○「分からなかったことが分かる」ということパン氏:今年の5月末にSmart Tennis Sensorが発売されてから、今日までにどのようなフィードバックがありましたか?中西氏:発売直後としては、予測を上回る結果が出ています。「ソニーがこういう物を出してきた。良くやった」という声を頂けました。パン氏:それは嬉しいですね。ラケットのどこにどう当てたのか、このセンサーでほぼリアルタイムで具体的に分かるようになれば、自分では気がつかなかった癖を直せるようになると思います。中西氏:「分からなかったことが分かる」ことが、ひとつの階段だと考えています。そもそも、テニスは上達が見えにくいんですよ。試合をして勝っても、相手が悪かったのか、こちらが上達したのか、いまいち分からない。しかし、データを貯めていけば、スイング速度が増してきた、スピンがかかるようになったというように、プレイヤーが自分の上達を振り返ることができるようになります。これはコーチの方々にも好評頂いているポイントの一つですね。パン氏:ということは、一人でもデータを見ながら自己分析できるのですね。それでは、すでに外から見ているコーチにとってはどうなのでしょう。この製品に対するコーチのコメントは、プレイヤー自身のそれとは異なるのでしょうか?中西氏:面白いことに全然違います。コーチの方は、教えるときの裏付けになると言っています。これまでは「真ん中に当たっていない気がするよ」「いや当たってますよ」「そうかなあ」という、抽象的な会話だったのが、数値を見せれば、それだけでパッと伝わるわけです。このように製品を評価していただく一方で、精度の向上や今後の改善点についてのご指摘もあります。「データで見えるようになった。では次は、どうすれば上手になるの?」というわけです。ですから今後は、選手やコーチを巻き込みながら、上達するためのアドバイスが表示されたり、比較や競争といった楽しみ方ができるようにしたいですね。そう思いながら、日々アプリの改善・精度の改善・機能の追加に取り組んでいます。パン氏:ハード単体で完結していて進化できない昔の商品と、製品発表・発売後にアプリなどで新機能などをアップデートできるかが、昔の商品と現代的な商品の大きな違いですね。中西氏:そうですね。既に2回ほど小さな機能を追加していまして、この半年で大きい機能を入れていく予定です。パン氏:そういえば、「Smart Tennis Sensor」は国際テニス連盟(ITF)の公認を受けたそうですね。おめでとうございます。中西氏:ありがとうございます。もともとITFには「デジタルを使ってテニスをもっと楽しい方向に」という考えがあったのですが、我々の製品をチェックしてくれて、公式試合でも使って良いというお墨付きをいただけたのは、やはり大きいですね。○2つのイノベーションとたくさんの未来パン氏:御社として、「Smart Tennis Sensor」のイノベーションはどこにあったとお考えですか?中西氏:我々が持っている技術的バックボーンを他のカテゴリに活かすという着眼点から始まって、知見を集約して、実際に新しいものができたというのは大きいですね。もうひとつは、新しい分野への進出・ビジネス開拓ができたことが、イノベーションだと思っています。パン氏:新しい分野ということで、今後が本当に楽しみです。このセンサーを使えば、動くもの、変化するものはなんでも測定できますよね。中西氏:おっしゃる通りです。身体を動かすアスリートとインターネットは別のものではなく、近づくことで楽しい世界が生まれる。その時代がもう来ていると思います。パン氏:この製品から始まる将来の展望は、どのようなものでしょうか?中西氏:「生活体験を豊かにする」というコンセプトを、より具体化することです。スポーツ系の商品群やサービス群はもちろん、アクションカムやミュージックカムといった、体験に即した商品の開発は、将来的にぜひやっていきたいですし、至上命題ですね。パン氏:そういった世界が夢物語ではなく、本当にすぐそばにあるように感じています。中西氏:「実現させてなんぼ」ですので、2、3年後には、また大きな結果が言えると思いますよ。パン氏:ぜひとも、期待しております。未来が非常に楽しみになるお話をありがとうございました。
2014年10月22日米ロッキード・マーティンは10月15日(現地時間)、10年以内に小型核融合炉を実用化すると発表した。核融合炉は、ウランやプルトニウムなどの重い原子の核分裂反応を利用する従来の原子力発電などに用いられている核分裂炉と異なり、水素やヘリウムなどの軽い原子による核融合反応を利用してエネルギーを発生させる装置。原子力発電で問題となる放射性廃棄物が比較的少ない、炉心融解リスクがなく、安全性がより高いなどのメリットがあるとされ、各国で研究が進められている。一方、核融合炉内で1億度を超す超高温を維持し続ける必要があるなどの条件から、実現には巨大な施設と莫大な予算が必要となるなど、課題も多い。同社によれば、複数の磁場閉じ込め方式を組み合わせる新しい手法を用いることで、従来のものに比べて90%のサイズダウンを実現するとのこと。開発チームのTom McGuire氏は「小型化に成功したことで、開発からテストまで1年以内に到達できる」とコメントし、開発とテストを何度か繰り返した後、5年後には試作機を製造可能になる見込みだという。
2014年10月16日米Googleの会長を務めるエリック・シュミット氏は10月13日、独ベルリンで起業家向けにスピーチを行い、同社のイノベーションについて語った。Googleの強さの秘密を明かすとともに、検索広告での独占やプライバシーなど多方面で目を光らせる欧州連合(EU)に対し間接的ながら自社の立場を主張した。シュミット氏がスピーチを行ったのは、音楽・DJアプリを開発するNative Instrumentsのベルリン本社。ベルリンは欧州から起業家が集まるベンチャーの中心となりつつあり、会場には起業家、科学者や経済学者が約100人集まったという。スピーチのテーマは「発明」「発明によって創出された産業」の2つ。発明については、「発明とは夢を追いかけること」とし、不可能に見えることを可能にすること、一笑されるようなアイディアを現実のものにすることは決して楽ではないと述べた。Googleもそうだ。Larry Page氏が「インターネットのリンクをすべてダウンロードできたら、便利なものができないか」と思いついたところから始まったが、その当時本人ですら「検索エンジン」を開発するという意識はなかったという。「便利さ」はGoogleのキーワードのようだ。テキスト検索で始まったGoogleは、「Jennifer Lopezがグラミー賞のときに着ていたグリーンのドレス」を探す人が多いことから、イメージ検索を思いついた。Google Newsは、9・11事件の際にユーザーが「world trade center」と入力して最新情報を求めたことから生まれたという。このように、シュミット氏はさまざまな検索サービス、広告、モバイルと、ユーザーが便利なものを中心に開発してきたGoogle製品を並べた。しかし、「検索はすでに解決済みと思ったら大間違い」とも続ける。例えば、「12月でも暖かくてシュノーケルができる場所に行ける300ドル以下のフライト」といったクエリにはまだ複雑な処理が要求される。「われわれはまだこの問題を解決していないが、作業を進めている」と続けた。一方、「このように直接回答を出すというGoogleの能力」がEUでは独占禁止法問題になっていることにも触れた。TripAdvisorなどがGoogleからトラフィックを奪われていると不満を提出しているが、「実のところ、(TripAdvisorなどへの)Googleからのトラフィックは大きく増えている」とも述べた。しかし、「他のサービスへのトラフィックがGoogleの成功の尺度であるべきではない。なぜなら検索エンジンの目標は、ユーザーが探している情報を迅速に提供することだからだ」とSchmidt氏、「われわれはユーザーのために検索を作成したのだ。企業のWebサイトのためではない」と自社の立場を明らかにした。2つ目の産業は、発明により創出される。シュミット氏は例として、カール・ベンツ氏が発明したガソリンを動力とする自動車が現在の自動車業界を作り、ティム・バーナーズ.リー 氏が考案したWWWがWeb業界をもたらしたことなどを挙げる。産業も動的に動いている。インターネットにおけるGoogleの役割の重要さを認めながらも、ユーザーはニュースを求めているなら直接ニュースサイトへ、ショッピングなら直接ECサイトを訪問しているとし、「現実として、ユーザーには選択肢があり、いつも選択をしている」と、EUの批判に対してやんわりと同社を正当化した。さらには、栄枯盛衰にも触れる。現時点では、同社をはじめ、Apple、Facebook、Amazonなどは「競合から勝ち目がないと思われているような企業」かもしれないが、そうではない可能性もあると述べた。これらの企業は競合関係にあり、Googleにとって「検索での競合はBingやYahooではなく、Amazon」と明かした。AmazonはECサイトだが、「Googleと同様に(ECに関する)質問や検索に回答している」からだ。さらには、もっと手強いのはまだ登場していないベンチャーとシュミット氏。「変化は予想していないところから起きるものだ」と述べる。こうした環境においてGoogleのとる道は、発明を継続することだ。「Googleが利便性と関連性を維持するにあたって、プロセスの中心となっているのは継続的に発明と再発明を繰り返すこと」と、強さを維持するために開発を続けていることを示した。
2014年10月15日マーティン・スコセッシが監督を務めた、アメリカを代表する老舗文芸誌の創刊50年の歴史と歴代編集者たちの信念に迫るドキュメンタリー『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス50年の挑戦』。第27回東京国際映画祭でも上映される本作の日本語版ナレーターに、ハリウッドでも活躍する渡辺謙が決定した。本作は、スコセッシ監督自身も創刊当初からの定期購読者という文芸雑誌「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」の魅力を、ゴア・ヴィダル、スーザン・ソンタグ、ノーマン・メイラーなどの文化的アイコンの過去インタビュー映像とともに描き出し、歴代の編集者やいまなおエネルギッシュな名物編集長と共にこれからの50年の挑戦にも迫ったドキュメンタリー。WOWOWオリジナルドキュメンタリー国際共同制作プロジェクトの初作品で、「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」など良質ドラマを輩出するアメリカの大手ケーブルTV局HBOと、イギリスの公共放送局BBCが参加。来週10月23日(木)より開幕の第27回東京国際映画祭の特別招待作品ともなっている。名だたる文豪が寄稿してきた「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」は、1963年に創刊。編集者のロバート・シルヴァースが興味を持つ題材を、書評の枠を超えて取り上げてきており、ほかのメディアの論調に流されず、“真実”を発信する雑誌として定評がある。いち早く本作を観た「The New York Times」紙は、「あまりビジュアル的ではない文芸雑誌のドキュメンタリーを作るのは大変だっただろうが、戦争やデモなど歴史的な映像をテンポよく挟み込む演出のおかげでまとまっている」と、スコセッシ監督の演出意図の成功を評価。スコセッシ監督は、今回、日本語版のナレーションを務めることになった渡辺さんに対し、「彼は存在感があり、動作が美しく的確で繊細。声もいいですよね」と絶賛のコメント。「彼の声はこの作品の日本語版ナレーションにぴったりで、引き受けてくれたことを嬉しく思っています」と期待を表明している。また、渡辺さんもナレーション収録後に「スコセッシ監督とは、映画『ラストサムライ』以来十数年、一緒に作品を作りたいと話しており、今回ナレーションでの参加が実現できたことを嬉しく思います」と喜びを語った。「克明に淡々と主張を抑えて作っている作風に敬意を表すと共に、日本もこのようなインテリジェンスを失ってはいけないと感じました。痛みも含めて真実を伝えることは大切なことであり、いまの時代の日本にも必要なことではないでしょうか」とコメントを寄せている。『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス50年の挑戦』は、第27回東京国際映画祭特別招待作品として10月25日(土)17:45からTOHOシネマズ六本木ヒルズにて上映。12月13日(土)13:00よりWOWOWプライムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年10月15日米AMDは8日(現地時間)、同社の社長兼CEO(chief executive officer:最高経営責任者)にLisa Su(リサ・スー)氏を任命したと発表した。マサチューセッツ工科大学で博士号を取得したLisa Su氏は、IBMやFreescale Semiconductorといった企業で要職を歴任。その後、2012年にAMDに入社し、これまでグローバル事業部のシニアバイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーや、COO(chief operating officer:最高執行責任者)を担当してきた。また、これまで社長兼CEOを務めてきたRory Read(ロリー・リード)氏は退任後も顧問として2014年末までAMDにとどまり、AMDをサポートするという。
2014年10月09日スマートニュースは10月8日、米Flipboard(フリップボード)でプロダクトデザインを担当していたクレイグ・モド(Craig Mod)氏が、スマートニュースのUIデザイン アドバイザーに就任したと発表した。モド氏はすでに、2日(日本時間)に公開した「SmartNews(スマートニュース) 2.0」米国版のUIデザインに取り組んでいるという。世界的に知られたFlipboardアプリのプロダクトデザイナー、さらにブックデザイナー(装丁家)などとしての幅広い経験を持つ同氏が、才能を生かし、引き続きSmartNewsのUIデザインの進化に貢献していくとしている。また、モド氏がこれまで培ってきた米国の技術者コミュニティやデザインコミュニティの人脈を生かした、人材採用や交流面における貢献についても期待している。
2014年10月09日森永乳業は10月14日、「サー・トーマス・リプトン」シリーズから「アールグレイミルクティー チルドカップ」を全国で発売する。価格は160円(税別)。紅茶業界における功績により「サー(Sir)」の爵位を授かった、リプトンの創始者トーマス・リプトンの名を掲げる同シリーズ。ティーエキスパート(お茶の専門家たちの総称)が厳選した茶葉を使用し、ワンランク上の香りや味わいを楽しめる。同シリーズは、30年近く高級ホテルや高級レストランなどで業務用として展開してきたが、今年8月、家庭用として「ダージリンストレートティー チルドカップ」が発売となった。第2弾となる「アールグレイミルクティー チルドカップ」は、スリランカのヌワラエリア地方で作られる茶葉を100%使用。この茶葉自体が柑橘系の香りを持つことに注目したとのこと。
2014年10月08日ゲーミングデバイスやソフトウェアを手がける米Razerは、日本のイラストレーターである月神るな氏とのコラボキャンペーン「Razer Girls feat. Adaro」を開催中だ。公式サイトから応募することで、Razer製のAdaroシリーズヘッドセットなどが抽選で当たる。開催期間は2014年10月27日まで。月神るな氏による「The Razer Girls feat. Adaro by LunaticJoker」のキャラクターと、各キャラクターがチョイスするAdaroシリーズは以下の通り。キャンペーンの詳細は公式サイトを参照いただきたい。
2014年10月08日早稲田大学は10月7日、都内で会見を開き、小保方晴子氏の博士認定論文に関する研究不正問題について、同氏および関係者への処分を発表した。会見には同大学の鎌田薫 総長、橋本周二 副総長・学事統括、大野高裕 教務部長の3名が出席した。この問題は2011年に小保方氏が博士認定論文として提出した論文において、他の論文からの盗用など、数々の致命的な問題があったにもかかわらず、同氏に博士号が授与されてしまったというもの。小保方氏だけでなく、論文の問題を見抜けなかった大学側の責任も問われていた。小保方氏に対しては、7月17日に提出された調査委員会による調査報告書などに基づいて、10月3日の早稲田大学研究科長会を経て、10月6日付けで、同氏に授与された博士論文の取り消しを決定した。しかし、同大学は自分たちの側にも多大なるミスがあったことを理由に1年間程度の猶予期間を設け、その間に論文指導と研究倫理の再教育を行い、適切に論文が修正された場合は学位を維持できるものとし、これがなされなかった場合に学位を取り消すとのこと。また、関係職員に対しては、小保方氏の指導および論文の主査を担当した教員に定職1カ月、副査を担当した同大学職員に訓戒処分を下し、総長は役職手当の20%を5カ月分返上するとした。なお、同大学では現在も不適切な博士学位論文の調査を継続しており、これまでに約700件の確認が終了し、研究の本質的な部分以外での不適切とみなされる箇所のある論文を複数発見した。何年前までの論文を対象としているかと、対象論文の総数については明言を避けた。鎌田総長によれば、今回の決定は10月6日に弁護士を通して小保方氏に伝えたが、同氏からは現時点で何も聞いていないという。調査委員会は今回の問題は学位取り消しには当たらないとの見解を7月に発表していたが、同大学はこれを覆す結論を出したことになる。
2014年10月07日現在ジェニファー・ローレンスと交際中のクリス・マーティンが、破局した妻のグウィネス・パルトロウの誕生パーティを開いた。3月にクリスとの結婚生活解消を発表したグウィネスは9月27日に42歳の誕生日を迎えたが、10歳の娘と8歳の息子がいる2人はまだ正式には離婚しておらず、いまも一緒に食事に出かけたり、友好的な関係を続けている。「New York Post」紙によると、クリスはグウィネスが主宰するライフスタイル・サイト「Goop」のスタッフや子どもたちの同級生の父兄を招待し、カクテル・パーティのホスト役を務めたという。パーティにはニコール・リッチーやケイト・ハドソンとマシュー・ベラミー、ジェニファー・アニストンらも出席。グウィネスとクリスはとても仲良さそうで、親友同士に見えたという。さすがにジェニファー・ローレンスは現われなかったが、クリスとは一緒にラスベガス旅行に出かけたり、交際は順調のようだ。(text:Yuki Tominaga)
2014年10月02日セイコーウオッチは1日、イタリアのカー&インダスアトリアル・デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が手がけた腕時計「<セイコー スピリット>SEIKO×GIUGIARO DESIGN 限定モデル」を発表した。全5モデルでそれぞれ2,500本の限定生産となる。税別価格は28,000円より。今回の新モデルは、1983年に発売されたアナログクオーツのクロノグラフを、当時のモデルをベースとして現代的なカラーリングに一新した復刻版だ。左腕に着けた状態での操作性を向上させるため、時計の中心とバンドの中心をオフセットした独特な造形の左右非対称デザインとなっている。また、2時位置と4時位置に配置された大型ボタンなど、自然な流れで操作できるように細やかな配慮を積み重ね、斬新な造形が生み出された。1983年当時も、機能美を追求したデザインとして注目を集めた。ラインナップと税別価格は、ブラック×グレー「SCED017」と「SCED019」が32,000円、グレー×ブルーの「SCED021」およびグレー×シルバーの「SCED023」が28,000円、ゴールド×シルバーの「SCED025」が30,000円。各モデルともステンレスケースで、ケースサイズは外径40.8×厚さ11.2mm、両回転ベゼル、10気圧の日常生活用強化防水を備え、裏ぶたにはシリアルナンバーが刻印される。キャリバーNoは7T12、平均月差は±15秒、ストップウオッチ機能は1/5秒計測(60分計)、電池寿命は約5年。
2014年10月02日