今年3月から休止活動中の「ワン・ダイレクション」。それぞれのソロ活動が順調で、もう再び「ワン・ダイレクション」としての4人を見られる機会はないのかもと不安に思っていたファンに朗報が!テレビのトークショー「The Graham Norton Show」に出演したナイル・ホーランが再結成について語ったのだ。現在ナイルはデビューシングル「This Town」のプロモーション活動やアルバム制作で忙しく、ハリーはクリストファー・ノーラン監督の映画『Dinkirk』(原題)の撮影中…と各メンバーが自分のことに取り組んでいるため、「(再結成の)確実な日にちは言えないけど、50年も先なんてことはない。遠くない未来だよ」とファンを安心させた。バンドが休止中でも、個々の人気は衰えるどころか高まるばかりで、ナイルは家族に会いにアイルランドへ帰る際のこんなエピソートを紹介した。クリスマス時期など、タクシーを捕まえられない時期は家まで歩くというナイル。するとファンに“包囲”されてしまうため、通りかかったパトカーがナイルを乗せて家まで送ってくれるのだそうだ。警察にエスコートされなければ家にたどり着けない人気ぶり。制作中というアルバムが発売されればさらなる人気を集め、もっと大変なことになるかも。(Hiromi Kaku)
2016年10月17日成年後見制度とは?出典 : 成年後見制度とは2000年4月より開始した制度で、知的障害や精神障害、認知症などにより判断能力が十分でない人の法律行為を支援する制度のことをいいます。例えば、銀行の手続きや遺産分割、不動産の売却などが挙げられます。成年後見制度には、家庭裁判所が成年後見人等を選任し既に判断能力が低下している人に対して支援する法定後見制度と、あらかじめ本人が任意後見人を選び近い将来に備え支援者と支援内容を決めておく任意後見制度の2つがあります。申立てには一般的に1~2ヶ月かかるといわれています。児島 明日美、村山 澄江/著 『今日から成年後見人になりました』2013年 自由国社/刊成年後見制度の活用例をご紹介します。精神障害のあるご家族をお持ちの方のケースです。精神障がいの場合~法定後見~Q 私の妹(21歳)は精神障がいで、日常会話は何とか分かりますが、時間の経過がわからず、また、お金を使って買い物をしたりすることもできません。最近、携帯電話を勝手に契約してきましたが、通話料が必要であることは理解できません。今後、勝手にクレジットカードを作って他人に使われたりしないか心配です。良いアドバイスをお願いします。A 精神上の障がいにより判断能力が不十分である方のために、家庭裁判所が適切な保護者を選び、本人を保護するための制度が成年後見(法定後見)制度です。本人の判断能力に応じて、家庭裁判所が適切な保護者(成年後見人・保佐人・補助人)を選びます。選ばれた保護者(成年後見人・保佐人・補助人)は、本人の希望を尊重しながら、財産管理や身の回りのお手伝いをします。妹さんの場合も、成年後見(法定後見)制度を利用することで、妹さんが勝手にしてしまった契約を取り消したり、契約の無効を主張することができるなど、妹さんを法的に保護することができるようになります。(成年後見Q&A | 公益財団法人成年後見センター・リーガルサポート大阪支部)本人の判断能力は人によりさまざまですので、成年後見制度では、一人ひとりにあったサポートを利用することができます。成年後見制度の目的出典 : 成年後見制度は判断能力が不十分な方々の権利を守り、法的に保護・支援することを目的とした制度です。近年は精神疾患のある人や1人暮らしの高齢者といった判断能力の乏しい方が、悪質な訪問販売員に騙されるような悪徳商法が後を絶ちません。 このような場合は成年後見制度を利用することによって契約を取り消し、被害を未然に防ぐことができます。認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度です。(「成年後見制度~成年後見登記制度~」 | 内務省)成年後見制度の背景出典 : 成年後見制度の成立には、「ノーマライゼーション」の考えと、「自己決定権の尊重・残存能力の活用」という考えが背景にあります。一体どのような考え方なのか、それぞれ見ていきましょう。■ノーマライゼーションノーマライゼーションとは、日常生活に必要な範囲の行為は本人が自由にするという考え方です。障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという考えが広がりを見せています。■自己決定権の尊重・残存能力の活用自己決定権の尊重・残存能力の活用とは、判断能力が乏しいとはいえ本人の意思を尊重し、その能力を最大限生かして生活を送ることができるよう支援する考え方のことをいいます。どのようなときに成年後見制度を使えるの?出典 : どういった場合に成年後見制度を利用することができるのでしょうか。成年後見制度を利用することに決めた、きっかけの上位5位をご紹介します。【きっかけベスト5】第1位預貯金等の管理・解約第2位施設入所等のための介護保険契約第3位身上監護第4位不動産の処分第5位相続手続き圧倒的に多いのが、本人の預貯金等の管理のためです。この他にも、保険金の受取や訴訟手続等のために成年後見制度を利用するケースが増えています。(成年後見関係事件の概況 -平成26年1月~12月- | 最高裁判所事務総局家庭局)成年後見制度は、金銭的なやりとりや契約の取り決めをきっかけに利用を検討する方が多いようです。成年後見制度には家庭裁判所が成年後見人などを選任し、すでに判断能力が低下している人に対して支援する法定後見制度と、あらかじめ本人が任意後見人を選び近い将来に備え支援者と支援内容を決めておく任意後見制度の2種類があります。違いとしては、後見人の選出方法、サポート内容、報酬、サポートの内容があります。両者には具体的にどのような違いがあるのか、どのような方を対象にしているのか、なにができるのかを詳しくご説明していきます。法定後見制度とは?出典 : 法定後見制度とは、現時点ですでに判断能力が低下している方を支援する制度です。認知症や精神疾患のある方といった現時点で判断能力が低下している方は生活を送る上で、色々な困難さがあります。お金を自分で管理することが難しい場合や悪徳商法に巻き込まれてしまうことが少なくありません。そういった支援を必要とする人を本人(それぞれを成年被後見人・被保佐人・被補助人という)、支援する人をそれぞれ成年後見人・保佐人・補助人と呼びます。本人の判断能力の度合いに応じて、後見、保佐、補助の3類型に分かれています。■後見: 自分ではほとんど物事を判断できない場合・家庭裁判所は本人のために成年後見人を選任します・成年後見人は本人の財産に関するすべての法律行為を本人に代わって行うことができます・成年後見人または本人は、自ら行った法律行為に関しては日常行為に関するものを除いて取り消すことができます■保佐: 判断力が著しく不十分な場合(簡単なことは自分でできますが、法律行為は全く判断できません)・家庭裁判所は本人のために保佐人を選任します・保佐人に対して当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権を与えることができます・保佐人または本人は本人が自ら行った重要な法律行為に関しては取り消すことがができます■補助: 判断力が不十分な場合(大体のことは自分で判断できますが、難しい事項については手伝いが必要です)・家庭裁判所は本人のために補助人を選任します・補助人には当事者が申し立てた特定の法律行為について代理権または同意権(取消権)を与えることができます支援を必要とする人(本人)を、それぞれ成年被後見人・被保佐人・被補助人といい、支援する人を成年後見人・保佐人・補助人と呼びます。成年後見人、保佐人、補助人とは家庭裁判所に選ばれ、本人に代わって法律行為など定められた行為を行う人をいいます。成年後見人は本人にどのような保護・支援が必要かといった事情に基づき、家庭裁判所が最も適任と判断する人物を選任します。ただし、希望通りになるとは限りません。そのような場合でも、申請を取り下げることはできないので、注意が必要です。成年後見人には、本人の子どもをはじめとする親族や、法律・社会福祉士の専門家、福祉関係の公益法人が選ばれる可能性があります。また、成年後見人は1人だけ選ばれるとは限りません。専門職の後見人を置きつつ、身の回りの法律行為については親族と役割分担する場合もあります。成年後見人、保佐人、補助人のすべてに共通する役割には、大きく分けて財産管理、身上監護、報告の3つがあります。■財産管理財産管理とは、証明書・契約書などの保管や法務手続きを行い、生活費を管理することです。一般的には多額の現金や預貯金は成年後見人が管理し、必要な分のみ本人が持つという形をとります。定期的に家庭裁判所にお金の動きを表す収支予定表を提出し、指示指導を受ける必要があります。これを後見監督といいます。このために領収書を常時管理し、金銭出納帳に記録することが求められます。■身上監護(しんじょうかんご)身上監護とは、本人の体調や環境を考慮の上で、適切な医療・看護を受けられるよう手配を行うことです。例えば住居・生活環境の確保や整備、介護や入院の手続きなどが挙げられます。ただし、成年後見人自身が本人を介護することは意味しません。専門職の方が後見人に選ばれた場合は親族が協力することがあります。■報告報告とは家庭裁判所から要請がある場合に、後見事務に関する報告書を家庭裁判所に提出することをいいます。これは義務付けられており、一般的に1年に1度行います。法定後見制度を利用するにはどのような手続きをしたらよいのか、ご説明します。1. 申し立ての予約をしましょう家庭裁判所に対して申し立ての予約をします。電話もしくは郵送で行うところがありますので、事前に確認しましょう。2. 申し立てをしましょうお住まいの地域の家庭裁判所にて申し立てを行います。申し立ては本人のほかに配偶者、四親等内の親族などができます。3. 面接を受けましょう家庭裁判所が関係者に事情を聴きます。面接に必要な書類は事前用意しておきましょう。また面接には本人、申し立て人、後見人候補などが出席する必要があります。医師による精神鑑定などの鑑定をする場合があります。その場合は別途、鑑定料がかかります。4. 家庭裁判所による審判が行われます主に後見人が必要かどうか、誰を後見人にするのかの2点を中心に協議されます。5. 審判の告知と通知裁判所から審判書が送られます。申立書に記載した成年後見人候補者がそのまま選任されることが多くあります。しかし家庭裁判所の判断により弁護士・司法書士などが選任される場合もあります。不服の場合は2週間以内に不服申し立てを行います。ご本人、配偶者、四親等内の親族のみが可能です。承認の場合は後見開始の審判が確定し、正式に後見人となります。手続きは自治体により異なる場合があります。詳しくは自治体のホームページをご確認ください。成年後見制度~成年後見登記制度~ | 法務省成年後見制度完全マニュアル | いなげ司法書士事務所法定後見制度の手続きには、いくつかの資料を準備する必要があります。東京家庭裁判所を一例にご紹介します。・申立書類・戸籍謄本・住民票(世帯全部、省略のないもの)・登記されていないことの証明書・診断書(成年後見用)、診断書付票・知的障害の場合、療育手帳(愛の手帳・みどりの手帳・愛護手帳)のコピー・総合判定の記載のあるページのコピーも必ず添付してください。上記の資料を提出する際には個人番号(マイナンバー)の記載がない書類を提出することが求められます。法定後見制度の申請には費用がかかります。なお,手続費用については,申立人が負担することが原則ですが,この手続を 行うことが本人の保護となりその利益になると考えられることから,東京家庭裁 判所では,申立手数料,後見登記手数料,送達・送付費用及び鑑定費用について, 本人負担とする裁判をする運用です。審判確定後,選任された後見人等に対し, 本人の財産の中から本人負担とされた手続費用の償還を求めることができます。【手続費用】・ 申立手数料(後見・保佐・補助共通) 800円 (代理権又は同意権の付与) 各800円・ 登記手数料 2,600円・ 送達・送付費用 3,200円又は4,100円・ 鑑定費用 実費(通常は裁判所に予納した金額(平成28年7月(電子版)成年後見申立ての手引 ~東京家庭裁判所に申立てをする方のために東京家庭裁判所東京家庭裁判所立川支部)鑑定を要する場合は別途、鑑定費用が5~10万円かかります。また申立てを弁護士や司法書士に依頼する場合、費用は自己負担となり別途お金がかかります。依頼する専門家により報酬は異なるので確認しましょう。成年後見制度の手続きの流れ | 成年後見制度完全マニュアル本人の財産や事情などに基づき、適当な額を家庭裁判所が決定し、本人の財産の中から報酬を受け取ることができます。申し立てがある場合は審判で決定されます。任意後見制度とは?出典 : 任意後見制度とは、本人十分な判断能力があるうちに、判断能力が不十分な状態になったときに備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人、公証人または任意後見人に代理権を譲渡し、契約を定める制度をいいます。これにより本人の意思に基づいて財産管理や支援を行うことができます。公証人の作成する公正証書によって契約を結びます。本人の判断能力が低下したら家庭裁判所に申し立てを行い、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで初めて効力が発生します。任意後見監督人のもと、任意後見人は本人を代理して契約などを行います。任意後見人とは、本人に判断能力があるうちに、契約内容をあらかじめ取り決めてお願いする人物をいいます。近い将来に判断能力が低下した時のことが不安な方におすすめです。任意後見監督人とは、任意後見人を監督する人物をいいます。任意後見人は大きな権限を与えられるため、成年後見制を悪用してしまう可能性が少なからずあります。そのため、任意後見人をチェックするという意味で任意後見監督人がいます。任意後見人には特に法律的な資格は要求されず、誰でもなることができます。家族、友人、弁護士、司法書士等の専門家など信頼できる人を選びましょう。ただし、任意後見人には大きな権限が与えられるので慎重に選びましょう。それに対し、任意後見監督人は家庭裁判所が選任します。一般的に、第3者である弁護士や司法書士、社会福祉士、税理士や法律、福祉に関わる法人などが選ばれることが多くなっています。任意後見制度の利用は本人の判断能力の状況により、3つのかたちにわけることができます。判断能力の増減に応じて支援内容を変更することができます。■将来型現在は元気で判断能力があることから、将来判断能力が不十分になったときに効力を発生させます■即効型現在、体力・判断能力ともに衰えがあることから、任意後見契約の直後に契約の効力を発生させます■移行型現在は体力の衰えがあるが判断能力はあることから、できる範囲は自分で管理を行います。しかし自己の判断能力の低下後は、任意後見監督人の監督の下で任意後見人に事務処理を行ってもらいます。任意後見制度の手続きをご紹介します。お住まいの自治体により手続きが異なることがあります。詳しくは自治体のホームページをご確認ください。1. 公正証書での任意後見契約の締結をします本人の判断能力が十分にあるうちに任意後見人と具体的な支援内容を話し合い、公正証書という文書の形で契約を締結します。2. 任意後見契約内容の登記契約内容は法務局で登記されます。その内容は法務局にて後見登記記事証明書で確認できます。3. 家庭裁判所への任意後見監督の選任申し立て本人の判断能力が低下したら、本人は家庭裁判所に申し立てを行います。申し立ては本人(任意後見契約の本人)もしくは配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者ができます。これにより、家庭裁判所が任意後見監督人の選任を行います。そして任意後見制度の効力が発生し、あらかじめ決められた契約内容に基づき任意後見監督人の監督のもと支援が開始されます。任意後見制度の手続きには、いくつかの資料を準備する必要があります。東京家庭裁判所を一例にご紹介します。・申立書類・戸籍謄本・住民票(世帯全部,省略のないもの)・後見登記事項証明書(任意後見)・後見登記されていないことの証明書・任意後見契約公正証書の写し・診断書(成年後見用)■任意後見制度の申請任意後見制度の申請には主に次のような費用がかかります。・公証役場の手数料・法務局に収める印紙代・法務局への登記委託料・郵送費・正本、謄本の作成手数料など■効力が発生するとき及び効力が発生したあと効力が発生したとき及び効力が発生したあとには主に次のような費用がかかります。・任意後見監督人の選任申立て費用・任意後見契約で定めた、任意後見人に対する報酬・任意後見監督人の報酬任意後見制度は必ず公証人役場で公正証書を作成する必要があります。公正証書を作成する費用は以下のとおりです。(1)公正証書作成の基本手数料⇒1万1,000円(2)登記嘱託手数料⇒1,400円(3)登記所に納付する印紙代⇒2,600円この他にも当事者に交付する正本等の証書代や登記嘱託書郵送代がかかりますが、詳しくは公証人役場に聞いてみるのがよいでしょう。(成年後見制度の手続きの流れ | 成年後見制度完全マニュアル)任意後見人に対する報酬は本人との話し合いで自由に報酬を決められます。請求があった場合、家庭裁判所の判断に基づき本人の財産から支払われます。任意後見監督人に対する報酬は家庭裁判所が決定します。弁護士もしくは司法書士などに依頼することができます出典 : 成年後見制度は大変複雑で、必要な書類を集めるだけでも一苦労です。そこで弁護士もしくは司法書士に成年後見制度の手続きを依頼することにより、提出書類の作成にかかる時間と手間を大幅に節約することができます。また専門家に相談することができ、本人の状況にあった支援内容を決めることができます。弁護士は本人に代わって申請を進めることができます。他方、司法書士は制度や申立手続きの相談などをおこなうことができます。目的に応じてどちらにお願いするか判断するとよいでしょう。依頼先により報酬は異なりますので、事前によく確認することが求められます。成年後見制度のメリット・デメリット出典 : これまで成年後見制度を法定後見制度と任意後見制度の2つにわけ、それぞれの制度の内容や手続きの流れをご紹介しました。では、成年後見制度を使うと、本人には具体的にどんなメリットやデメリットがあるのかご紹介します。■悪徳商法の被害を防止判断力不足により結んでしまった不利・不当な契約を、一方的に取り消すことができます。これにより悪質商法などの被害を防ぐことができます。■財産管理家庭裁判所が財産管理に関与する、親族や第三者などが本人の意思に反して本人の財産を使っている場合、それらを防ぐことができます。■財産管理の自由度の限定後見人が本人の代わりに財産管理をするため、本人が管理する自由度が減ります。■資格・役職の制限成年後見制度を利用すると判断能力がないと判断されることから、本人は会社の社長・役員や弁護士、医者など一部の資格を必要とする仕事に就くことができません(法定後見人の補助を除く)。また選挙権・被選挙権、会社の役員などに就くことができず、また印鑑登録ができなくなります。■財産の移転や相続に関わる行為の制限成年後見制度を利用すると、生前贈与や生命保険契約、養子縁組といった行為に制限がかかります。・生前贈与成年後見制度を利用すると、財産の移転は本人の財産を減らすことを意味するため、認められていません。財産の移動は家庭裁判所に定期的に報告し、そこで家庭裁判所の監督を受けます。・生命保険契約遺産相続が発生すると、場合によっては多額の相続税を納める必要があります。しかし、いきなり多額のお金を準備するのはたやすいことではありません。そうしたとき、亡くなった直後すぐに死亡保険金を現金で受け取ることのできる権利が生じる生命保険契約を活用することでスムーズに対応することができます。ただ成年後見制度を利用すると、生前贈与と同様に財産の移転は本人の財産を減らすことに当たり、生命保険契約は認められない可能性が高いです。・養子縁組養子縁組により相続税の基礎控除額の基礎控除枠を増やすことができます。しかし成年後見制度を利用すると、本人の意思を尊重することや家庭裁判所の監督がある点から、養子縁組での相続税対策はすることができません。■投資・貸し付けの禁止投資や親族に貸し付けるのは禁止されます。援助や冠婚葬祭費の利用を行う場合は家庭裁判所に相談しましょう。また住宅用不動産を処分する場合も同様です。後見人になったら気をつけたいポイント出典 : 成年後見人になるとき、いくつか気をつけたいことがあります。「財産の不正利用」と「成年後見制度が続く期間」、「成年後見人の解除方法」の3点をご説明します。■財産の不正利用万が一不正に財産を利用した場合は、民事上の責任として解任されます。さらに刑事上の責任として損害賠償請求・業務上の横領の罪に問われます。■成年後見制度が続く期間成年後見制度は原則的に判断能力が回復するもしくは、亡くなるまで続きます。なので後見人の業務が場合により長期間に及ぶことがあるので、後見人の仕事を長い間続けることができるか確認することが必要です。■成年後見人の解除方法不正な行為がある場合や後見人としての品位に欠けると判断される場合などは、本人の親族、検察官の申立てまたは職権により後見人を解除することができます。しかし後見人が気に入らないからといって簡単に解除できるわけではありません。解任後は家庭裁判所が新たな後見人を選任することになります。■後見人が遺産の相続をする場合後見人自身も遺産相続人である場合は、家庭裁判所で特別代理人を選定する必要があります。成年後見制度がよく分かる、おすすめ書籍出典 : これまで成年後見制度の目的や支援内容などを紹介してきましたが、さらに詳しい情報が必要な方は次のような書籍をおすすめします。出典 : 児島 明日美・ 村山 澄江/編著『今日から成年後見人になりました 』自由国民社 (2013)出典 : のん/編著『マンガでわかる 私は父の成年後見人です』(自由国民社, 2014年)まとめ出典 : 障害者や高齢者といった判断能力の乏しい人の法律行為や契約をサポートするのが成年後見制度です。悪質商法から本人を守ったり、不利益になる契約を締結してしまうリスクがなくなります。その一方サポートが長期間に及ぶことや定期的に家庭裁判所に報告することを考えると、後見人への負担は少なくありません。本人と相談し、必要性の有無を話し合いのうえ申請しましょう。”何かあったとき”のために、成年後見制度の利用を考えてはいかがでしょうか。児島 明日美、村山 澄江/著 『今日から成年後見人になりました』2013年 自由国社/刊成年後見制度~成年後見登記制度~ | 法務省成年後見制度詳しく知っていただくために | 家庭裁判所成年後見申立ての手引 ~東京家庭裁判所に申立てをする方のために~ | 東京家庭裁判 所東京家庭裁判所立川支部成年後見制度の手続きの流れ | 成年後見制度完全マニュアル成年後見制度の問題点&できないこと&解任方法 2016年度版 | 遺産相続 弁護士相談Cafeここが知りたい日常生活自立支援事業なるほど質問箱 | 社会福祉法人全国社会福祉協議会福祉サービス利用援助事業について | 厚生労働省社会・援護局 地域福祉課社会福祉リカレント講座「自立支援における権利擁護と成年後見制度」講演録 | 明治大学 法学部教授 星野 茂いざという時のために知って安心成年後見制度成年後見登記 | 法務省民事局
2016年09月18日障害年金とは?出典 : 「障害年金」とは、障害によって生活の安定が損なわれないように、働く上で、あるいは日常生活を送る上で困難がある人に支払われる公的年金の総称です。業務時や通勤時による障害を補償する労災保険の障害年金もありますが、今回は、国民年金法、厚生年金保険法等に基づき日本年金機構が運営業務を行っている障害年金について紹介します。障害年金の種類出典 : 日本年金機構の障害年金には2つの種類があります。1.障害基礎年金障害基礎年金とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)に、すでに国民年金に加入していた人が受給することができる障害年金です。また、国民年金に加入前、20歳未満で障害を受け、その状態が続いている人にも給付されます。2.障害厚生年金障害厚生年金とは、初診日にすでに厚生年金に加入していた人に支給され、障害基礎年金に上乗せするものとして給付される報酬比例の年金です。障害年金を受けるための条件出典 : 障害年金を受給するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことをいいます。病気やけがにおいての初診日であり、その病院での初診日ということではないので注意してください。障害年金の受給希望となったきっかけである病気やけがの初診日が、いつ、どこの病院だったかを特定する必要があります。その際、診断書などの裏付けができるものも必要です。ただし、知的障害に関しては先天的な障害とされているので、初診日の証明は必要はありません。アスペルガー症候群や自閉症にもこの例外は広がりつつありますが、まだ発達障害全般には保障されていません。初診日に国民年金や厚生年金保険などの年金制度に加入している必要があります。しかし、初診日に住所が日本国内にあったならば、初診日に20歳未満、あるいは60歳以上65歳未満でも国民年金に加入していたのと同じ扱いになります。20歳未満は国民年金に加入できないことから、20歳に達した時に障害等級に該当していれば加入要件は必要ありません。つまり、20歳未満で障害を受け、その状態が続いている人にも年金制度の対象となります。以下の2つのどちらかに当てはまっている必要があります。1.初診日の前々月までの年金加入月数の3分の2以上が保険料納付済みか免除されている月であるとき2.初診日の前々月までの年金加入月数の12カ月すべて保険料納付済みか免除を受けた月であるとき障害等級に該当している必要があります。障害等級とは、障害の状態を分けたもので、重いものから1級、2級、3級とされています。1~2級は国民年金法施行令で、3級および3級より軽度の障害状態は厚生年金保険法施行令で定められています。この場合の障害等級は労災保険の障害年金のものとは違うものです。厚生年金に加入している場合は1級~3級のいずれかに該当しているならば障害厚生年金を受給することができます。また、障害等級が3級に達していなくても条件に該当しているならば、障害手当金という一時金が支払われます。国民年金に加入している場合は、1級と2級に該当しているならば障害基礎年金を受給することができます。しかし、障害基礎年金には障害手当金はありません。障害年金を受けるための障害認定基準出典 : 障害年金に関わる(年金額の)等級も、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳などの障害者手帳も「1級、2級」と、等級の表し方は同じのため混同しやすいのですが、障害年金の障害認定基準は障害者手帳の障害認定基準と異なります。そのため障害者手帳で1級でも、障害年金では異なる場合があります。精神障害における障害認定基準は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて認定されていました。しかし、精神障害と知的障害の認定において、地域でその基準に違いがあるという状況が明らかになってきました。こうした、認定における地域差を改善するため、厚生労働省は新しいガイドライン(『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』)を作成し、2016年9月1日より実施しています。精神障害と知的障害においての等級は、「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の評価の平均をもとに認定されるようになりました。等級目安などの詳細は下記のリンク先にあります。ただし、てんかんにおいては、発作の重症度や頻度などを踏まえて等級判定を行うことを障害認定基準で規定しています。そのため、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて、等級認定を行います。『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』|日本年金機構身体障害の障害認定基準についても下記のリンク先でも紹介しています。平成28年6月1日に、障害基礎年金、障害厚生年金の障害認定基準の一部が改正されているので確認してみてください。国民年金・厚生年金保険|日本年金機構障害認定基準|横浜障害年金申請サポート不安なことやわからないことがあったら、お近くの年金事務所に問い合わせてみましょう。全国の相談・手続き窓口|日本年金機構障害年金はいくら支給されるの?出典 : 日本年金機構によると、障害年金は以下のように計算され毎月支給されますが、支給額はその年度の経済状況で変動があります。また、子どもの数による加算額は児童手当との兼ね合いで支給額が調整されます。下記は2016年度の金額です。現段階でいくら支給されるのか、目安として参考にしてください。1級の場合の年額:780,100円(老齢年金の満額)×1.25+子の加算2級の場合の年額:780,100円(老齢年金の満額)+子の加算※子の加算…第1子・2子は一人につき224,500円。第3子以降は一人につき74,800円。この時の子どもは下記の要件を満たしている必要があります。・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子・20歳未満で障害者1級または2級の障害がある子Upload By 発達障害のキホン障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構1級の場合:(自分の老齢年金) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕2級の場合:(自分の老齢年金) + 〔配偶者の加給年金額(224,500円)〕3級の場合:自分の老齢年金額または最低保障額 585,100円※1級・2級の場合障害基礎年金も加わるUpload By 発達障害のキホン障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構障害基礎年金と障害厚生年金を比較した図が以下のものになります。Upload By 発達障害のキホン障害年金の支給が停止する場合出典 : 障害年金は支給が停止する場合があります。たとえば、1年ごとや3年ごとなどに提出する診断書をもとに障害の状態が要件に当てはまらないとされたときなどがあります。一方、複数回診断を受けても障害の状態変化があまりなく、固定状態が証明されている身体障害においては、診断書の提出の必要がない場合もあります。障害厚生年金においては、業務上の病気やけがでも障害年金を請求することはできますが、労働基準法の規定による障害給付を受け取る権利があるときは、6年間障害厚生年金を受け取ることができません。また、労働者災害補償保険法の規定による障害給付を受け取るときは、労働者災害補償保険法の給付の一部が減額されます。1世帯(扶養親族なし)の所得額が360万4千円を超える場合には年金支給額の2分の1が支給停止となり、462万1千円を超えると年金支給額の全額が支給停止になることがあります。障害年金の申し込み方法出典 : 障害年金請求方法として主に以下の2つがあります。障害認定日とは障害の程度を認定する日で、初診日から1年6カ月経過した日、あるいはその病気やけがが治った場合は病状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を指します。何らかの理由で請求が遅れてしまっても、障害認定日の時点から3カ月以内の診断書の添付ができます。その際に症状が障害等級に該当するものだとしたら、さかのぼって過去の分の年金を請求することもできます。基本的に、障害年金受給の権利は条件を満たしてればいつでも得ることができますが、実際にさかのぼって請求できるのは過去5年分のみです。障害認定日時点の診断書の取得や当時の症状を証明できるものが必要なため、複雑に感じる人もいます。しかし、申請が受理されると、障害認定日の翌月分から障害年金を受給することができることは大きな利点であると言えます。Upload By 発達障害のキホン事後重症請求は、障害認定日の障害の程度が障害等級に該当していなくても、その後症状が悪化し、その症状が1級~3級に該当した場合に適用します。しかし、65歳までに障害認定基準に該当している必要があり、請求書は65歳前に提出しなければなりません。請求が受理されると、認定日の翌月分から受給できますが、障害認定日請求とは違い、さかのぼって過去の分を請求することはできないものになっています。Upload By 発達障害のキホン一人の人に複数の障害があった場合ですが、日本年金機構によると、特別、複数の障害があった場合の請求方法はないそうです。ただし、請求する際にはすべての障害に関する診断書が必要なため、手続き過程において複数の障害があることは確認されます。その人の障害の状態や重なりによって、その後の対応は変わるため、まずは窓口で相談するか、診断書を提出して審査をしてもらいましょう。障害年金の申請に必要な書類出典 : まずは、初診日や障害の状態を証明できる診断書や障害者手帳を持って年金事務所や市役所の国民年金窓口へ行くことをおすすめします。そこで必要な書類などの相談ができます。下記は参考として見てみてください。・年金請求書(居住地の市区町村役場、または近くの年金事務所または街角の年金総合センター窓口に備え付けられています)・年金手帳・戸籍抄本・医師の診断書・受診状況等診断書・病歴・就労状況等申立書・受取先の金融機関の通帳等・印鑑※18歳到達年度末までの子ども(20歳未満で障害のある子どもを含む)がいる場合・戸籍謄本・世帯全員の住民票・子の収入が確認できる書類・医師、または歯科医師の診断書障害基礎年金を受けられるとき|日本年金機構・年金請求書・年金手帳・戸籍抄本・医師の診断書・受診状況等診断書・病歴、就労状況等申立書・受取先金融機関の通帳等・印鑑※18歳到達年度末までの子ども(20歳未満で障害のある子どもを含む)がいる場合・戸籍謄本・世帯全員の住民票・配偶者の収入が確認できる書類(これは障害厚生年金のみです)・子の収入が確認できる書類・医師、または歯科医師の診断書障害厚生年金を受けられるとき|日本年金機構困ったら社労士に相談を出典 : 障害年金を利用したくても、申請などの手続きが大変なことから申請を諦めてしまう人もいます。その複雑さを軽減してくれる人が、社会保険労務士(通称、社労士)です。社労士とは、労働・社会保険に関する法律や人事・労務管理の専門家として、私たちの採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題、さらに年金の相談に応じる人のことです。障害年金についての無料相談や申請書作成の代行も行っています。まずは各地域の社労士会に無料相談をしてみましょう。社労士会リスト|全国社会保険労務士会連合会まとめ出典 : 以上、障害年金について制度の概要を解説しました。障害年金を受け取るためには、年金を納めていることが必要である点に注意してください。また、納めていても申請が複雑で面倒ということから申請を諦めてしまう方もいます。もし手続きに不安を抱えていたら社労士に早めに相談し、申請のサポートを受けることをおすすめします。
2016年09月08日こんにちは、イラストレーターの栗生です。赤ちゃんカルタもついに最終行である「わ」行に入りました。連載当初は生後9ヶ月の乳児だったわが子も、先月末に1歳6ヶ月になりました。マンマ、バッバ(バナナ)、トッド(トド)など、いくつかのものに反応し、言葉が出るようになりましたが、中でも犬には異様な反応を示します。散歩中の犬はもちろん、犬の写真のポスターや盲導犬の募金箱、絵本に小さく載っているぬいぐるみの犬など、とにかく犬らしき形を見つけるや「ワンワ! ワンワンワンワ!!」と激しく指差し、訴えてきます。どんなに小さなシルエットでも見逃さず「ワンワンワ!」猫や猿やライオンを見ても「ワンワ!ワンワ!!」と厳しく追求。動物はすべてワンワンなのでしょうか。一応、「これはニャンニャンだね~」と訂正していたら区別はついてきたようですが。ちなみに、Eテレでおなじみの犬のキャラクターにはそこまで反応しません。自治体で行う1歳半健診では犬や車、ボールなどの絵を見せて、指差しできるかチェックするそう。毎日毎日犬を指し示しまくっていたわが子にとっては、きっと朝飯前の所業でありましょう。…そして迎えた健診当日。赤子は保健師さんの質問を全部スルー。今まであれだけ「ワンワン」と言い続けたのを忘れてしまったかのようなノーリアクションに、一筋縄ではいかない、赤子の矜持を見た思いです。今日のカルタ「ワンワンは見逃さない」
2016年08月10日バランスセブンはこのほど、ジムに通わず自宅にてワンストップでダイエットができるサービス『BB7(ビービーセブン)』のパーソナルトレーニングのひとつとして、「ヨガ」の提供を開始した。「BB7(ビービーセブン)」では、スマートフォンのビデオ通話を利用して、リアルタイムでトレーニングのマンツーマン指導を行う。お互いのライブ映像を通して様子が確認できるので、体の動かし方や細かな意思疎通などもインタラクティブに行えるという。自宅のリビングのほか、自室や書斎などのパーソナルスペースでトレーニングを行うため、ジムに通う時間も不要。海外在住のパーソナルトレーナーも在籍しているため、日本時間での早朝、夜間のレッスンも可能とのこと。また、糖質を制限することにより中性脂肪が分解されやすくなる「ケトジェニックダイエット」の食事指導も実施する。毎食3食、食事の写真をアップロードすると、管理栄養士の指導に基づき、フードアドバイザーからライフスタイルや食事の傾向に合わせて、実践しやすいアドバイスを行う。このほど、同サービスにヨガのレッスンを追加。ヨガはグループレッスンのところが多いが、同サービスでは、ビデオ通話を利用して1対1のマンツーマンで受けることができる。周りのペースに無理に合わせる必要はなく、マンツーマンで正しいやり方を身につけられるため、効果が現れやすいとのこと。料金は、入会金が2万円。現在、入会金が0円になる期間限定無料キャンペーンを実施している。利用料金は10万円(2カ月契約総額)。※価格はすべて税別
2016年08月02日ダース・ベイダーが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場することが正式に発表された。ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長は、『スター・ウォーズ』のスピンオフ映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』にダース・ベイダーが少しだけ登場することを明かし、ジェームズ・アール・ジョーンズ(85)が再びその声を担当することをエンターテイメント・ウィークリーに明かした。「ベイダーのことを話してもいいと思うわ」「彼は少しだけ作品に登場するわよ。とはいえ、キーとなる重要な時に彼は大きな位置付けとなるの」ヘイデン・クリステンセン演じるアナキン・スカイウォーカーがユアン・マクレガー演じるオビ=ワン・ケノービとの戦いの末、酷い火傷を負い、一生涯に渡って鎧を身に着けなければならなくなるストーリーを描いた『スター・ウォーズエピソードIII/シスの復讐』から19年後の世界を舞台にした作品が『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』となる。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』でダース・ベイダーの声優を担当したジェームズは『スター・ウォーズエピソードIII/シスの復讐』でも声を担当したと噂されていたが、名前の表記はなかった。また、2014年に放送されたTVアニメシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』でもジェームズが声優を務めていた。今年12月16日公開を予定している『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』には、反乱軍の戦士ジン・アーソを演じるフェリシティ・ジョーンズをはじめ、ディエゴ・ルナ、ベン・メンデルソーン、ドニー・イェン、ジャン・ウェン、フォレスト・ウィテカー、マッツ・ミケルセン、アラン・テュディックらも出演する。(C)BANG Media International
2016年06月25日【動画】肉じゃがといえば日本人なら誰もが一度は食べた事がある定番家庭料理のひとつ。基本の作り方は同じでも地域や家庭によりアレンジは様々。今回はそんな「肉じゃが」の基本レシピをメインにポイントを交えてご紹介します!野菜の切り方やちょっとした下ごしらえ次第でいつもの定番料理がぐっとおいしくなりますよ♪基本レシピだからこそきちんと作りたいallowfullscreen via youtu.be今週のonedishmealsは日本の定番家庭料理シリーズ第一弾!「肉じゃがワンプレート」をご紹介します!基本の家庭料理だからこそしっかり作り方をおさえておきたいですよね!これから料理を始めようと思っている方にもオススメですよ!肉じゃがの材料(3~4人分)・じゃがいも:二個・人参:一本・玉葱:一個・牛肉こま:150g・白滝:1/2袋・絹さや:適量・出汁:300cc・みりん:大4・醤油:大3と1/2・酒:大3・砂糖:大1・ゴマ油:大1・塩:適量つくり方1.じゃがいもの皮をむいて乱切りにし水にさらす。人参は乱切り、玉葱は櫛形切りにする。白滝は下茹でして食べやすい大きさに切っておく。 2.フライパンにゴマ油を加え玉葱に軽く塩をまぶしてよく炒める。 3.牛肉を加え、色が変わったらじゃがいも、人参、白滝を入れ油をなじませる。出汁、酒、みりん、砂糖を加え落し蓋をして15分ほど中火で煮る。 4.醤油を加えて5分程煮たら、落し蓋をとり煮汁を飛ばす。器に盛り付け、塩茹でしておいた絹さやを飾る。 茄子の煮浸しの材料・茄子:2本・出汁:100cc・醤油:大2・みりん:大1と1/2・砂糖:大1・酒:大1・油:大1・みょうが:適量つくり方1.茄子を縦半分に切り、格子に切り込みを入れる。 2.油を引いたフライパンに1を皮目から入れ両面を焼く。 3.焼き色がついたら調味料を全ていれ10分程に煮詰める。 4.粗熱をとり冷蔵庫へ入れる。 お鍋で茶碗蒸しの材料(2人分)・卵:1個・出汁:150cc・薄口醬油:小1・みりん:小1/2・酒:小1/2・塩:ひとつまみ具材A・かまぼこ・えび・椎茸・ミツバつくり方1.菜箸をボウルの底につけながら卵を溶く。溶き卵に出汁、調味料を入れ混ぜ合わせる。 2.小さく切った具材Aを器にいれ、漉しながら卵液を入れる。 3.鍋にキッチンタオルを敷き2を並べ水を入れる。蓋に布巾を巻き、菜箸で隙間を空けておく。 4.中弱火で6分蒸す。火を止めて2~3分おく。ほうれん草の胡麻和えの材料・ほうれん草:4束・いりごま:大2・醤油:小11/2・砂糖:小3つくり方1.ほうれん草は塩茹でして冷水にさらし、5cm幅に切っておく。根本を持ち揃えて水分を搾る。 2.すり鉢でごまを潰し、醤油と砂糖を入れて和え衣をつくる。ほうれん草と和える。 料理と暮らしのレシピ動画【ビデリシャス】
2016年06月14日最近、大学生や若者の間から「ワンチャンあるで」「ワンチャン行くわ」などというワードをよく耳にしますよね。ワンチャンとは「One Chance」の略語ではありますが、元々は麻雀用語で「一回のチャンスをモノに出来れば、逆転できる」という意味なのだそう。そんな「ワンチャン」、なんとなくは使っているものの、実際はどういう意味合いで使われているのでしょうか?詳しく解説したいと思います。■「ワンチャン」の意味と使用例先ほども述べたように、元々は麻雀用語である「ワンチャン」。こちらでは「勝敗を賭けた一回のチャンス」という意味が強いのですが、最近の若者は少し違った意味で使っているようです。「ワンチャン」の使用例・「今日、カラオケいかない?」「授業あるけどワンチャン行ける」・「俺、日本一バカかも」「それワンチャンあるで」・「あの子、ワンチャンお前の事好きじゃね?」「ワンチャンね」このように「ワンチャン(もしかしたら)行ける」「ワンチャン(ひょっとしたら)あるで」など、「可能性がある」という意味で使われるそう。しかし、使う人によってその意味が違う事もあるので一概に「可能性がある」という意味には訳せないのが「ワンチャン」。ピンチなシーンで心を落ち着かせるために「神様、ワンチャンお願いします……」などと使う事もあり、なかなか定義づけが難しいワードでもあります。■下ネタでも使われる?気を付けなければいけないのは、下ネタで使われた場合の「ワンチャン」。こちらは「一晩だけの関係」という意味があり、そういった“本気でなく遊びの女子”の事を「ワンチャン女」などと呼んだりします。もし、周りから「あの子、ワンチャンやらせてくれるよ」などと言われている人がいたら、それは「簡単にやらせてくれる」と思われている可能性が。“ワンチャン”な関係は、誰しも1度は経験したことがあるかもしれませんが、「ワンチャン女」などといって周りから思われてしまうことのないようにしたいものです。■一部でブーム「ツーチャン」また、一部の間では「ツーチャン」というワードも使用されているのだとか。「ツーチャン」とは「ワンチャン」よりも可能性が高いこと、つまりチャンスが2回(以上)あるという意味なのだそう。「ワンチャンあるで!」「いや、ツーチャンあるでしょ!」という使用例からもわかるように、さらに強い可能性を示唆している「ツーチャン」。「ワンチャン」の応用として使ってみては?若者言葉とは、流行っては廃れ、そして意味も多様化してくるもの。前後の会話から、その意味を読み取る他ないのかもしれませんね。おすすめアプリ(sponsored)そろそろ本気の婚活、はじめてみませんか?「youbride( ユーブライド )アプリ」は、結婚したい本気の男女が集まる結婚紹介サイト「youbride( ユーブライド )」のアプリです。運営実績16年、会員数日本最大級、会員登録は無料です!mixi (ミクシィグループ)が運営しているサービスなので安心して利用できますよ。ぜひインストールしてみて下さい。 ダウンロードはこちら youbride[PR]
2016年06月06日こんにちは。教育ライターのyossyです。近年、奨学金制度に関する報道を新聞・ニュース等で見かけることが増えました。学生時代に学費が払えずに貸与型の奨学金を利用したけれど、卒業後も返済ができずに苦しむケースが増えているというのです。では、どうして困る若者が増えているのでしょうか。その背景や、検討中の新しい奨学金制度に関してご紹介します。●奨学金問題が起こっている背景に子どもの貧困&雇用の不安定日本の学費は世界的にみても比較的高い水準にあると言われています。しかし、平均給与は下がっており、子どもの貧困が問題になっている状態。「大学まで行って学びたい」と思うと、重い負担を強いられることになるのです。教育費に困ったときに、まず思い浮かべるのが「奨学金制度」ですよね。特に、日本学生支援機構の奨学金が有名です。文部科学省によれば、実に学生等の約4割が利用している とのこと。奨学金には一部に給付型(返済の必要がないもの)もありますが、多くの人は貸与型(返済する必要があるもの)を利用しています。しかし、近年非正規雇用者が増加していることも問題になり、雇用が不安定。誰もが「卒業して働き出せば返せる」という時代ではなくなってしまいました。日本学生支援機構によれば、平成26年度末時点で、1日以上返済を延滞している人は全体の約9%。延滞のきっかけが家計の収入低下や支出増加である場合が多く、継続して延滞している理由として“本人の低所得”を挙げる人が半数以上います。少しでも状況を打開するため、日本学生支援機構は大学別に未返済率を公表することも発表(2017年度より)。奨学金返済に関して物議を醸しているのです。●所得に連動して返済額が変わる? 新たに導入が検討される奨学金制度のポイントこういった状況をふまえて、国は新たな奨学金制度の創設を検討しています。マイナンバー制度が導入されたことも手伝って、いわゆる『新所得連動返還型奨学金制度 』に関する議論を重ねているのです。いったんは、平成29年度の無利子奨学金新規貸与者から導入することを目指しています。しかし、現在でも一定の条件を満たせば、・家計が厳しい世帯の無利子奨学金を受けている学生が、卒業後に一定収入を得るまでは返済期限を猶予する制度(所得連動返還型無利子奨学金制度)・返済額を減額して返済期間を延長する制度(減額返還制度)などの救済措置があります。これでは不十分なのでしょうか?『所得連動返還型無利子奨学金制度』と『新所得連動返還型奨学金制度』は名前が似ていますね。何が違うのか、ポイントをみていきましょう。●(1)『所得連動返還型無利子奨学金制度』(現行制度)・年収300万円を超えると、収入に関わらず一定額で返還開始(一部控除あり)・学生時代の世帯(主に父母)が低所得の場合のみ適用される●(2)『新所得連動返還型奨学金制度』(平成29年度より導入が検討されている制度)・学生時代の世帯の所得状況は関係しない・所得が一定額を超えるまでは最低返還月額の2,000円を返還・一定額を超えると、所得に応じた返還額とするこれまでは、世帯の収入(主に両親の経済状況)によってそもそも適用にならないという人もいました。新制度が開始すれば、本人の経済状況のみで返済額が決定される ようになります。また、年収300万円というラインを少し超えただけで、「家計が苦しいのに定額返済しなければいけない」という状況が改善されるというわけですね。----------新制度はまだ検討中で、解決しなければいけない問題も多くありますが、困っている学生や卒業後の若者たちが、少しでも楽になってほしいものです。【参考リンク】・新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について(第一次まとめ) | 文部科学省()・平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 | 日本学生支援機構()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年04月30日何かとお金がかかる子育て世帯には、自治体によるさまざまな支援制度が存在することをご存じでしょうか。児童手当や出産育児一時金だけではなく、不妊治療や資金贈与、独自の助成制度を設けている自治体もあります。けれども、あまり積極的なPRをしておらず、申請も必要なため「知っていれば利用したのに」と悔しい思いをすることも…。そうならないために今回は、知っておくと役に立つ「子育てお助け制度」についてご紹介しましょう。地域関係なし! 国が定める助成制度<特定不妊治療助成金>厚生労働省は不妊に悩んでいる人のため、「体外受精」「顕微授精」といった高度不妊治療の治療費助成制度を設けています。国がすすめている事業なので、日本に住んでいる人なら、全国どこでも対象です。ただし、所得や年齢制限、申請期限などがあるために事前確認が必要。自治体によっては国の制度で上限額を上回った分をさらに補助する制度のあるところも。住んでいる自治体の不妊治療制度についても事前にチェックをいれておくといいですね。・ 不妊に悩む夫婦への支援について|厚生労働省 <教育資金贈与の非課税制度>おじいちゃんやおばあちゃんが孫のために教育資金を提供したい…。そんなときに助かる制度が教育資金の非課税贈与です。通常お金を贈与すると贈与税という税金がかかってしまいますが、この制度を利用すれば教育費に限り、1,500万円まで非課税にすることができます。平成31年3月までと制度が期間限定であることや、贈与された子どもや孫は30歳になるまでに教育資金として使いきらなければいけないなどの点に注意が必要ですが、ムダな税金を抱えないという意味では検討の余地がありそうです。・ 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 : 財務省 あなたの住んでいる地域にもあるかも? 地方自治体独自の助成制度<引っ越し費用の助成金(東京都新宿区)>新宿区の「子育てファミリー世帯居住支援」では新宿区の内外から区内への引っ越し(ただし、民間賃貸住宅の利用に限る)で「契約時の礼金、仲介手数料の合計を最大36万円助成」「引っ越し代の実費最大20万円助成」などの制度を設けています。意外とかさんでしまう引っ越し費用を助成してくれるのはうれしいですね。・ 子育てファミリー世帯居住支援(転入転居助成):新宿区 <三世代同居の支援(千葉県千葉市)>千葉市の「三世代同居等支援事業」では「親と子と孫」を基本とする三世代家族の同居に必要な費用の一部を助成しています。貸家の場合は賃貸借契約に、持家の場合は新築・改築・購入に必要となる費用が対象です。・ 千葉市:千葉市三世代同居等支援事業 <子どもの通学費援助(東京都八王子市)>八王子市では通学区域内の学校を対象に、徒歩での通学が困難なケースや、身体的理由などでバスや電車などの交通機関を利用している小・中学生の保護者に対し、交通費を補助しています。通学定期運賃の3分の2までが補助され、対象者には学校から申請書が配付されます。学校配布の場合は申請忘れの心配がなくていいですね。・ 交通機関等利用児童・生徒通学費補助金|東京都八王子市Webサイト こうした制度の利用は申請のタイミングが事前・事後のどちらなのか、所得や家族状況が条件に見合っているかどうかなどをしっかりとチェックする必要があります。そのうえで条件を満たしていることを確認し、上手に制度を利用しましょう。
2016年03月19日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。介護保険制度というのは社会的にも定着してきている現代ですが、「そもそも介護保険制度って何なのか」ということがよくわからない人もいると思います。高齢者が増えてきている日本においては、 非常に重要な制度であることは理解しておくといいでしょう。介護保険制度を理解していく上で重要になるのが、“保険者 ”“被保険者 ”“制度を利用したサービス ”になります。保険者は、主に国や市町村と考えておいて問題はありません。被保険者は、第1号保険者(65歳以上の人)、第2号保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)になります。制度を利用したサービスというのは、特定の介護施設や介護サービスなどになります。被保険者と保険者の関係は、被保険者から保険者に向けての保険料の支払いや介護保険の申請になり、保険者から被保険者に向けて保険証の交付や申請に対する認定ということになります。被保険者と制度を利用したサービスの関係は、サービスの提供と利用料の支払いになります。そして保険者と制度を利用したサービスの関係性は、保険者から介護報酬の支払いを受けるという関係になります。この3つの関係が成り立つことで、介護保険制度は社会的に機能していることになります。●介護保険制度の複雑な面は“制度によるサービス”が影響介護保険制度を利用していく場合、被保険者と保険者の関係というのはわかりやすいことが多いのですが、“制度によるサービス”に対して理解が難しくなってしまうことがあります。それは、“制度によるサービス”に関する施設やサービスが多種多様にあり、似たような名前になってしまっていることが多いからです。これを理解していくためには、ある程度、専門的な知識が必要になります。“制度によるサービス”で迷ってしまった場合、頼りになるのがケアマネージャーであり、このケアマネージャーを探したいと思った場合、市区町村の窓口 に相談をするか、地域包括支援センター という場所に相談をすることになります。【参考リンク】・介護保険制度の概要 | 厚生労働省()●ライター/yoshi
2016年03月08日東京商工リサーチは2月26日、「社会保障・税番号(通称:マイナンバー)制度に関するアンケート調査」の結果を発表した。これによると、マイナンバー制度に対する認知は高まったが、利活用が進んでいない実態が明らかになった。同調査は、2016年1月19日から1月29日にかけてインターネットによるアンケートを実施し、有効回答を得た7887社の回答を集計・分析したもの。マイナンバー法の内容についてどの程度知っているかを聞いたところ、「概ね知っている、よく知っている」が5046社(構成比64.0%)で約6割を占めた。これに「少し知っている」(2513社。同31.9%)を合わせると、「知っている」と回答したのは7559社(同95.8%)あり、9割以上に認知されていることがわかった。続けて、自社にとってマイナンバー制度の一番のメリットは何かを聞いたところ、「メリットはない」が最多の5881社(構成比74.6%)で約7割を占めた。これに、「情報管理の利便性向上」が637社(同8.1%)、「公平性が徹底される」が552社(同7.0%)と続いた。「メリットなし」は前回調査(同65.9%)より8.7ポイント増加しており、マイナンバー制度の導入とともに、メリットなしと判断した企業の比率が高まっているという。一方、「その他」の中には「まだ(社内で運用されていないから)わからない」「始まったばかりで、わからない」といった回答が145社あり、一部ではまだ把握できていないことも垣間見えるようだ。逆に、マイナンバー制度の最大のデメリットを聞いたところ、「情報漏洩のリスク」が最多の3194社(構成比40.5%)で約4割を占めた。これに、「業務の煩雑化」が1809社(同22.9%)、「業務の増加」が1802社(同22.8%)、「コスト増加」が548社(同6.9%)、「デメリットはない」が344社(同4.4%)、「その他」が156社(同2.0%)、「公平性が解消できない」が34社(同0.4%)と続いた。前回調査でもデメリットは「情報漏洩のリスク」(同53.3%)が最多だったが、構成比は12.8ポイント下がった。この結果について、同社は企業がセキュリティ強化に努めたことや、行政による広報活動で安全性への認識が広がっていることがうかがえるとしている。
2016年02月29日ストレスチェックやマイナンバーなど、人事業務に大きく関わる制度の義務化が進められている。2016年上半期において人事担当者はどういった準備をし、どういった対応をしておくべきなのだろうか? 特定社会保険労務士の小岩和男氏に話を伺った。――昨年の12月から、ストレスチェック制度の実施が義務付けられるようになりました。従業員のメンタル不調を未然に防ぐための制度ですが、いま導入しようとしている企業からはどのような悩みが聞かれますか?この制度ができる前から先進的にストレス対策を講じていた企業に、混乱があるようです。例えば「これまでやっていた対策をストレスチェックに変更しなければならないのか?」といった質問をよく聞きます。ストレスチェック制度では、本人の同意を得なければ会社は結果を知ることはできません。また、ストレスチェックは従業員にとっては任意であり、強制はできません。こうしたことが、踏み込んだ対策をしたい会社にとっては悩みのタネになっているようです。ですが、ストレスチェック制度とは別の労働安全衛生法第69条第1項による任意の取り組み(トータルヘルスプロモーションプラン)であることを明確にすれば、従来実施していたメンタル調査などもストレスチェックとは別に実施することが可能です。――ストレスチェック制度では、医師などによる面接指導の実施が求められるようになります。こちらの準備については、どのような相談が寄せられていますか?「自社の産業医がメンタルの専門ではないのでどうしたらいいのか?」という相談を受けることがありますが、必ずしも産業医と面談しなければいけないわけではありません。別の専門医からも面接指導を受けることができます。ただし、その場合は自社の事業場の状況を把握していない場合も考えられますので、産業医からも就業上の配慮に関する意見聴取をしておきましょう。――これからストレスチェック制度の実施に向けて準備をしていく企業に、アドバイスをいただけないでしょうかストレスチェックをいつ・どのように実施していくか、具体的な導入手順については、企業の衛生委員会等で審議する必要があります。衛生委員会等は、従業員50人以上の事業場に設置が義務付けられているものです。今回のストレスチェック制度義務化を契機に、委員会をきちんと運用して労働環境改善に役立てていきましょう。――今年の1月からは、マイナンバー制度の運用もスタートしました。こちらはどのような状況でしょうか?マイナンバーは社会保障・税・災害対策の行政事務で必要となります。企業実務で一番早く運用されているのは雇用保険で、1月1日入社からマイナンバーが必要です。安全管理措置体制を整え適切に取得しましょう。――人事担当者以外の一般社員にも、マイナンバー制度の理解は浸透しているのでしょうか?全国民に必要になる重要な制度なのですが、まだまだ理解は薄いと思います。ですから、人事担当者のみなさんには説明会の実施をお勧めしています。内閣官房が運営しているマイナンバーのWebサイトに20分ほどの紹介動画がありますから、部内ミーティングなどのタイミングで見てもらうとよいでしょう。――マイナンバーの管理については、セキュリティが非常に重要だと思いますが、情報の取り扱いについてはどのようにしていくべきでしょうか?マイナンバーガイドラインに記載されている事業規模に応じた管理体制を取りましょう。いかに漏洩しない体制づくりをしていくかがポイントです。アナログ的ですが、従業員から番号を収集する際は、100人程度の規模でしたら書面を用いることを提案しています。従業員は所定書式に自身と扶養家族の番号を記載し封入して直接人事担当部門に持参。人事担当部門は書式を鍵のかかる書庫等へ収納。マイナンバー事務処理ごとに取り出し、終了後は定位置に戻す。またその事務処理ごとの記録をきちんと取っておく。これが最も漏洩リスクが少ないやり方でしょう。また、提出されたマイナンバーが正しいかどうかを確認するために「通知カードのコピーをとっていいのか」という質問が多いのですが、これは国がOKを出しています。ただし、コピーも厳重に管理することが必要です。会社によっては、人事担当部門で確認したのちに、コピーを当人に返却しているところもあります。また、書面で回収できないような大規模企業であれば、ITシステム会社へアウトソーシングという手もあります。マイナンバー法には委託する側に監督責任があると明記されていますので、安全管理措置が適切に記載されている契約書を交わしておきましょう。――2016年の上半期において、人事担当者はどのような点に注意して業務を進めるべきでしょうか?当面はストレスチェックとマイナンバーが主な取り組み課題になりますので、この二つを粛々と進めていきましょう。また、労働基準法や雇用保険法など、大きな制度改正の動きもありますから、こちらについても情報のアンテナを立てておくことが重要です。
2016年02月15日IoT検定制度準備委員会は2月5日、IoTの普及と知識スキルを可視化する策として検定制度を開始することを発表した。同検定は技術的な視点だけでなく、マーケティング担当、サービス提供者、ユーザーなどの視点から必要となるカテゴリー、スキル要件を網羅し、それぞれの立場でIoTのシステムを企画・開発するために必要な知識があることを証明できるものとなっている。主な受験対象者は、IoTを取り入れる組織の経営者および管理者、IoT化を推進するプロジェクトの企画担当者、IoTを活用しデータ分析などを行う利用者、IoTシステムの構築・保守運用に携わるエンジニア。検定分野は、企画推進・戦略立案のための基礎知識やプロジェクトマネジメントに関する知識を問う「戦略とマネジメント」、産業システム・スマート製品に関する知識やIoT関連の標準化に関する知識を問う「産業システムと標準化」、通信関連の法律に関する知識を問う「法律」、データ送信プロトコルやWAN、LANなどに関する知識を問う「ネットワーク」、電子工学やセンサ技術に関する知識を問う「IoTデバイス」、クラウド環境や分散処理システム利用に関する知識を問う「プラットフォーム」、データベースや機械学習に関する知識を問う「データ分析」、暗号化や攻撃対策に関する知識を問う「セキュリティ」を予定している。3月より希望者および有識者に対してベータ試験が実施される予定で、詳細については後日発表される。
2016年02月05日メルカリは2月1日、新人事制度「merci box(メルシーボックス)」の導入を発表した。2月1日に創業3周年を迎えた同社は、これまでも副業の推奨やフレックス制度の導入など、各種支援を行ってきたが、今後さらなるメンバーの採用や、出産・育児をはじめとしたライフイベントを迎えるメンバーへの支援をより拡充するため、同制度の導入を決定したという。新人事制度「merci box」の概要は以下の通り。社員の家族を含めた環境の支援産休・育休支援の拡充産休・育休期間中の給与を会社が100%保障する制度。女性は産前10週+産後約6カ月間の給与を100%保障、男性は産後8週の給与を100%保障。育児・介護休暇の有償化子どもの看護および家族の介護で休暇を取得する場合は、5日間を特別有給休暇とし最大で10日間まで休暇取得が可能(1年あたり)。万が一の時のセーフティライン病気やけがの時のサポート病気やけがにより仕事ができない期間、経済面も安心して入院や治療に専念できるよう支援。全社員の死亡保険加入メルカリで働く全社員に対して死亡保険に加入することで、万が一の時に社員の家族を最大限(数千万円~)支援する。ライフイベントのサポート結婚休暇&お祝い金結婚にあわせて、特別有給休暇(5日間)とお祝い金(5万円)を支給。出産休暇&お祝い金子どもの出産にあわせて、立会いに十分な特別有給休暇(3日間)とお祝い金(10万円)を支給。慶弔時の支援万が一の不幸があった場合には、特別有給休暇(3日~7日)や弔慰金(5~10万円)でサポート。
2016年02月02日寺田倉庫との提携で、貴重書のスキャンから倉庫保管までのワンストップサービス「T-Archive」をローンチした誠勝(関連記事:貴重書の電子化から保管・修復までワンストップで - 寺田倉庫と誠勝が新サービスで描く未来図とは?)。一般的なビジネス書類とは異なる貴重書のスキャン市場において、同社が成功を収めている理由はなにか。今回は誠勝 代表取締役の山本 大視氏に、同社のこれまでの歩みと、貴重書スキャンにまつわるスキャン業界の現状、そして今後の課題について話を聞いた。○高価なスキャナを使えばクオリティが上がるわけではない山本氏の個人事業からスタートした誠勝は、スキャニング業者の中でも早い時期から法人向けの貴重書のスキャンをターゲットに顧客を獲得してきた。立ち上げ当初はネットで「貴重書のスキャンニング」について調べても、出てくる情報はほぼ皆無。試行錯誤でノウハウを積み上げてきたという。そんな山本氏は、短い時間にどれだけ多くスキャンできるかという、スキャン事業に取り組む上でたどり着きがちな"効率重視"の姿勢に違和感を覚えていたと話す。「効率を重要視すると、時間のかかる補正やトリミングなどの作業は行わないのが当たり前となり、結果としてクオリティは後回しになってしまうわけです。果たしてこれで良いのだろうかと」(山本氏)そこで山本氏は、自分が見たいと思えるデータを作るところから事業をスタートした。「まずはPhotoshopで補正パターンを一から作り始めました。書籍を問わず、一律に適用するのは無理だとわかったので、現在は書籍1冊ごとに補正値を決め、1000ページなら1000ページに適用するという形を採っています」(山本氏)機材については、オーバーヘッド型の業務用スキャナに加えて、直角になったガラス面に本を押し当てて角までスキャンが行える「ブックエッジスキャナー」と呼ばれる機種を併用している。いずれも本を解体せずにスキャンが行える、非破壊タイプの製品だ。「個人事業の頃は市販の複合機を使っていましたが、これではさすがに難しいということで、次にブックエッジスキャナーを導入しました。その後、国立国会図書館のデジタルアーカイブのプロジェクトに関連してオーバーヘッド型のスキャナーの存在を知り、小社にもお客さまから問い合わせが相次ぐようになったため、それを導入して現在に至っています」(山本氏)ブックエッジスキャナーは十数万円、オーバーヘッド型のスキャナーは百万円以上する業務用の製品だが、高価な製品を使えば必ずしもクオリティが上がるわけではないと山本氏は言う。「例えばオーバーヘッドのスキャナーは、ノド(本が綴じてある部分のこと)に必ず歪みが出ます。逆にブックエッジスキャナーは、本のノドから1センチ前後は物理的に撮れない制約こそありますが、歪みが出ることはありません。例えば出版社で、過去の雑誌のバックナンバーをDVDに収録して付録につける場合、紙のバックナンバーをスキャンしてデータを作るわけですが、この場合はブックエッジスキャナーが適しているわけです」(山本氏)一方で、ノドの歪みが出るとされるオーバーヘッド型のスキャナにも強みはある。公文書館のデータなどは、補正をかけると原本を改変したと見なされてしまうため、「こうしたケースではページを開いた状態で上から撮るオーバーヘッドが一番優れています」と山本氏。クオリティを求める出版社の要求には歪みが出ないブックエッジスキャナーを、原本そのままであることが必須の公文書の場合はオーバーヘッドスキャナーを使うといったように、用途に応じてスキャナーを使うことで要望に応えているわけだ。○非破壊スキャンの隠れたメリットとは同社のスキャンは本を解体しない、いわゆる"非破壊"にこだわっているが、それゆえ副産物もあるという。aつは価格体系がシンプルになることだ。「非破壊のブックエッジスキャナーに関しては、カラー、モノクロに差はありませんので、見積もり時のパラメータは解像度だけです。そもそもカラーとモノクロを正確に分けて見積もりを出そうとすると、本のページをすべてチェックしなければならず、お客さまもわれわれもそれだけで疲れ切ってしまいます。書籍が重いと効率が下がるため、今は600ページ以上のみ単価を上げているのですが、将来的にはそこも取り払って、解像度だけで一元管理してしまえば、ページ数さえ教えてもらえれば見積もりを出せるようにしたいですね」(山本氏)そもそもカラーとモノクロで価格が分かれているのは、ADF(Auto Document Feeder=自動原稿送り装置)を装備したドキュメントスキャナー特有のルールなのだという。「ADFタイプのスキャナーだと、カラーでスキャンを行った際にほこりが原因のスジが入りやすいために再スキャンになる可能性が高く、それゆえカラーとグレースケールで値段を分けています。上から写真を撮る非破壊スキャンはスジの問題は発生しないため、値段も同じにできるというわけです」(山本氏)こうした非破壊スキャンだが、発注する側として気になるのは、スキャン中に元の原稿が破損しないだろうかということだ。万が一原稿が壊れてしまっては、非破壊スキャンではなくなってしまう。これについては危険性を判断した時点で、事前に知らせるようにしているそうだ。これをいかに正確に判断できるかは、ひとえに「経験」にかかっているという。「いくら非破壊スキャンといえども、オーバーヘッドスキャナーだと必ず180度は開かなくてはいけません。それによって壊れてしまう書籍に関しては、現状のスキャン技術では物理的に不可能ですので、お客さまから承った時点でこれは難しいという場合、スキャン前にお伝えするようにしています」(山本氏)なお、同社が寺田倉庫と組んで行う電子化のワンストップサービス「T-Archive」には劣化した原本の修復なども手掛けるメニューも用意されており、必要に応じてそちらに回すケースも出てくるとのことだ。○dpiが向上最近は、iPadをはじめとするデバイスの高解像度化が目覚ましい。デバイスの進化に合わせて、データ側、電子化データの高解像度化も進むのだろうか? これについて山本氏は、当然影響が「ある」と話す。具体的には、これまでは主流だった300dpiから、400dpiへ移行しつつあるそうだ。「300dpiと400dpiはモニター上で見てもそれほど大きな違いはありませんが、400dpiにするとOCRの認識精度が高くなります。それに加えて、最近のデバイスの高解像度化にも合わせ、400dpiが主流になりつつあります。ちなみにPOD(プリント・オン・デマンド)が前提の書籍では600dpiが標準です。どうしても600dpiで、というお客さまもいらっしゃいますが、印刷しないのであればあまり意味はなく、400dpiで十分ですね」(山本氏)○貴重書に含まれているさまざまな文字データを活用できる未来山本氏が今後の課題として挙げるのは、スキャンした貴重書に含まれている、さまざまな文字データの活用だ。もしあらゆる文字データが検索可能になれば「社会が変わるほどのインパクトがある」と山本氏は語るが、解決しなくてはいけない課題も多いという。なかでも校正にかかるコストは、大きなネックとのことだ。「スキャンした貴重書から得られた文字データの運用方法は2通りあります。1つはPDFに透明文字として埋め込んでしまう方法で、こちらはPDFと文字データが1つのファイルにまとまりますが、校正が非常に難しい。もう1つは抽出した文字データをデータベースで画像とつなぎ、テキスト検索でヒットすれば画像データが表示されるようにする方法。われわれはこちらの方法を採用し、なるべくローコストで校正が行えるようにしていますが、それでもまだ高価です」(山本氏)同社が手掛けた事例の中には、貴重書を画像化しただけではなく、文字データの活用まで踏み込んだ例も多い。「昨年、静岡県の臨済寺というお寺の住職さんが、お世話になった方々に電子データを配布したいということで、寺が所有している重要文化財『鉄山和尚語録』を電子化することになり、当社でスキャンを担当しました。ですが、いかんせん1600年代の本ということもあり、電子化しても何が書かれているかはまったく分からないわけです」(山本氏)そこで同社では大学教授の協力も仰ぎつつ、白文(※句読点を付ける前の漢文)に起こし、Word文書と電子データを合わせてDVDで配布したのだという。システムを組んでしまえば、白文化したテキストを、画像の上に重ねるなどの表現も可能になる。これは「帳票などのシステムとはまったく違った、芸術的な分野ならではのアプローチというわけです」と山本氏はその取り組みに胸を張る。画像化しただけでは読み取ることすら困難だったであろう文字がデータ化されることで、重要文化財を将来的に活用する第一歩につながる可能性は高く、その意義は極めて大きいと言える。寺田倉庫との提携による、貴重書のスキャンから倉庫保管までのワンストップサービス「T-Archive」がローンチして間もないが、同社の視線はすでにその先をも見据えている。単なる貴重書の電子化の枠に収まらない、世の中をアッと驚かせるプロジェクトの登場も、そう先の話ではなさそうだ。
2016年01月19日寺田倉庫と誠勝は12月22日、貴重書籍のスキャンから保管まで、電子化にまつわるあらゆる作業をワンストップで提供する新サービス「T-Archive」の提供を開始すると発表した。同サービスは、書籍を解体せずに電子化する、いわゆる「非破壊スキャン」を行ったのちに、原本をそのまま保管する。必要に応じて劣化した原本の修復なども手掛ける、オールインワンサービスとなる。創業から65年を迎える寺田倉庫は、美術品や映像・音楽媒体の保管事業を展開するほか、最近では個人向けのクラウド収納サービス「minikura」をリリースするなど、新機軸のサービスも打ち出している。いっぽうの誠勝は、スキャナを用いた書類の電子化サービスを手掛ける法人向けサービス事業者で、貴重書の非破壊スキャンにおいて強みを持つ。両社は11月に資本・業務提携の発表を行っており、今回の「T-Archive」が共同事業の第一弾という位置づけになる。今回は、寺田倉庫 保管事業グループ 東京支店 支店長の森下 正氏と、誠勝 代表取締役の山本 大視氏に、「T-Archive」の概要と、サービス誕生までの経緯、今後の展開について話を聞いた。○「電子化」と「倉庫保管」、さらに「修復」もワンストップで提供今回の「T-Archive」では、誠勝が貴重書籍のアーカイブ(電子化)を、寺田倉庫が原本およびアーカイブの保管を担当する。社内で保管するには場所を取る原本を預かりつつ、電子化したアーカイブデータも同社のクラウドサービスに保管し、外部からデータを閲覧するという仕組みになる。このサービスのポイントは「電子化」と「倉庫保管」……だけでなく、さらに「修復」までもがワンストップで行えることだ。「これまでは、電子化ならスキャニング業者に、現物を保存するなら倉庫会社に、さらに修復の必要があれば修復業者にと、個別に依頼する必要がありました。それらを一貫して行えるのが今回のT-Archiveです」(森下氏)電子化の対象となる文書が貴重な品だと、盗難や災害によって失われるリスクがあるほか、保管環境が悪ければ劣化の心配もある。そこで、T-Archiveによって、これらの不安を一掃できるというサービスに仕上げている。修復以外にも、メタデータの入力や、美術品、古文書など、展覧会などで現物を展示する場合のために、預かった品を必要な時に専用集配車で届ける「デリバリー機能」を用意している。○いつでもどこでも貴重書をデバイスでアーカイブデータがクラウドでの提供となるため、閲覧システムの開発費用がかからないのも特徴だ。「アーカイブしたデータはクラウド経由で、いつでも閲覧できるようにします。ビジネスでは、クラウドがあまり好かれていないように思いますが、こうしたアーカイブについてはクラウドサービスとして提供しても問題ないと考えています」(森下氏)。ユーザが自前のシステムを持っている場合には、クラウドを使わずに、データでの納品にも対応する。画像データを収めたクラウドは、社内からはもちろん、外部から閲覧できる仕組みも用意する。「基本的に、社内や組織内でIDとパスワードを使って閲覧する仕組みですが、必要に応じて対外的に公開できる仕組みも作っていきたいと考えています」(森下氏)。海外から閲覧してもらうための外国語版インタフェースや、閲覧するユーザーに対する課金システムについても検討するという。また、電子化するデータの量が多いと、費用の総額が膨らんでしまうほか、すべてのデータが電子化されるまでは公開しにくく、たとえ前述のような課金システムが導入されていても、なかなかペイしにくい問題がある。これに対応するため、定額料金のような価格体系を導入するアイデアもあるという。「最初に閲覧システムをお渡しする際には、アーカイブに入っているのが1000ページだけですが、それが翌月にはさらに1000ページが追加されて合計で2000ページになるというイメージです。現状はまだアイデアベースですが、そうしたプランも検討しています」(森下氏)○両社ともにアーカイブ事業のパートナーを探していた今回の「T-Archive」の誕生の背景には、図書館からの電子化の依頼が増えたことが一因だという。これには、最近の図書館によく見られる、カフェや共有スペースの増加が密接に関係しているという。「図書館は近年、人が快適に滞在できるよう、カフェを併設したり、共有スペースを作ったりと、リノベーションが頻繁に行われています。その結果、蔵書の設置スペースがどうしても少なくなるため、我々のような業者がバックヤードに入り、オーダーが入った時だけ届けるサービスを一部で行っています。その打ち合わせをしている時に、実はどのように扱うべきか困っている資料があるということで、眠っている貴重書の存在を知らされることが多いのです」(森下氏)寺田倉庫ではさまざまなスキャニング業者に電子化を依頼することで、こうした案件に対応してきたが、いまいちしっくり来ないことも多かったという。「スキャニング業者の多くは、品質がとりわけ高いわけではなく、専門知識が必ずしも豊富というわけではありませんでしたので、エンドユーザーに説得力のある話がなかなかできませんでした。その点、誠勝さんはスキャニングの仕方やデータの補正方法などにノウハウがあるほか、貴重な古い品を、どうやって劣化させずに保存するかという詳しい話もできるのがありがたかったですね」(森下氏)一方で誠勝も、非破壊スキャンの案件が増える中で、原本保管の必要性を強く感じていたのだという。「場所とスキャナがあればひとまず始められるスキャンとは異なり、書籍の保管だけは倉庫を立ち上げる必要があります。(パートナーとなる)倉庫会社を調べていて、寺田倉庫さんのような会社と一緒にできたらいいなと思っていたところ、偶然オーダーをいただきまして、今回のような話を打診したというわけです」(山本氏)貴重書の非破壊スキャン事業を手掛ける上で、両社ともにパートナーを欲しており、そこから生まれたのが今回のT-Archiveというわけだ。○アーカイブによる芸術作品の活用や、古文書の電子化による町興しもまだスタートしたばかりのT-Archiveだが、これまで手掛けた案件で得られたノウハウを活かし、さまざまなオプションプランの構想があるという。その一例が前述の課金サービスや、定額料金によるスキャンだが、中でも、デジタルデータの特性を活かした芸術作品の活用については「我々としても積極的に応援していくというポリシー」(森下氏)と、全面的に支援していきたいと語る。「芸術作品は普通のサイズで見るだけでなく、大きなスクリーンで見たいといった要望もあるでしょうし、古文書ではズームアップして文字のかすれ具合まで見たいという要望もありえます。ですので、そうした要望にきっちりと応えられる仕掛け作りをしたいと思っています。ほかにも(古文書の)草書を楷書に起こしたりと、元データに付加価値をつける方法は多く考えられます」と、森下氏は可能性の大きさを語る。また、山本氏は別の未来を描く。それは「古文書のアーカイブがゆくゆくは町興しになる」ということ。「(古文書を持つ寺社や自治体などが)それぞれ電子化を行った結果、各所にデータが点在している現状は、見る側にとっても不便ですし、非常にもったいない。それらをうまく統合できる方法を、将来的に考えていきたいですね。例えば、各地の寺院が持っている古文書は、国会図書館に行っても保管されていません。世に出ていないそういう古文書は日本各地に山のようにあり、それらを保管している寺院自身も、価値を把握できていないのが実情でしょう。それを何らかの形で電子化していきたい。当面のネックになるのは費用ですが、自治体と組んで町興しとして行ったり、あるいは(閲覧システムなどで)費用を回収できる仕組みを作るなど、お手伝いをしていきたいですね」(山本氏)。
2015年12月22日●ストレスチェック制度にどう対応していくか?いよいよ今月からストレスチェック制度が施行となった。とはいえ、すでにストレスチェックを実施したという企業は少ないだろう。むしろ、これから準備を進めていくという企業がほとんどかと思われる。従業員50人以上の事業場では、2015年12月1日から2016年11月30日までの間に、1回目のストレスチェックを実施するよう義務付けられたが、「まだ時間はある」と悠長に構えているほどの時間はない。もし、まだストレスチェック制度に対する対応方針や実施時期が決まっていないようであれば、すぐに取りかかった方がよいだろう。というのも、同制度は実施体制や運用フローが非常に複雑化しており、マイナンバー制度への対応よりも大変なように感じられる。まだ準備を進めていない企業は、これからどのように進めていけばよいのか? 11月にキーポート・ソリューションズ(KPS)は同制度に関するセミナーを開催。セミナーでは、ストレスチェック対策をより効果的にサポートする同社のソリューションと、産業医である三宅琢医師が「本音で教えるストレスチェック活用法」が紹介された。○ストレスチェック制度とは?まず、そもそも「ストレスチェック」とは何か? 厚生労働省によると、「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票(選択回答)に従業員が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査であるとしている。「労働安全衛生法」という法律が改正されて、従業員が50人以上いる事業場では、2015年12月から毎年1回、この検査を全ての従業員に対して実施することが義務付けられた。「企業としてやらなければいけないことは実施義務。従業員にアンケートに回答してもらうよう案内することが義務ということ。その結果、アンケートに回答してもらえなかったとしても、それは企業の義務ではない。そこが健康診断との違い。実施していない企業は罰則の対象となる」(三宅医師)ストレスチェック制度は従業員が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みである。三宅先生は同制度を「会社の元気度を測るもの」と述べた。同制度への実施手順として、厚生労働省からは以下の流れで進めていくように示されている。○どう運用すればよいのか?実施方法など社内ルールの策定から、ストレスチェックの実施、必要がある場合の医師による面接指導、集団分析など、やらなければいけないことはたくさんある。まず、ストレスチェック制度の導入前には事業所の衛生委員会で、ストレスチェック制度の実施方法などを決める必要がある。話し合う必要のある主な事項として、厚生労働省では下記の8点をあげている。ストレスチェックは誰に実施させるのかストレスチェックはいつ実施するのかどんな質問票を使ってストレスチェックを実施するのかどんな方法でストレスの高い人を選ぶのか面接指導の申し出は誰にすれば良いのか面接指導はどの医師に依頼して実施するのか集団分析はどんな方法で行うのかストレスチェックの結果は誰が、どこに保存するのかまた、実施体制や役割分担を決めることも必要だ。厚生労働省では実施体制の例として、下記をあげている。制度全体の担当者事業所において、ストレスチェック制度の計画づくりや進捗状況を把握・管理する者ストレスチェックの実施者ストレスチェックを実施する者。医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選ぶ必要がある。外部委託も可能。ストレスチェックの実施事務従事者実施者の補助をする者。質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務を担当。外部委託も可能。面接指導を担当する医師質問票に関しては、厚生労働省から57項目からなる職業性ストレス簡易調査票が公表されているが、「ストレッサー(ストレスの原因に関する質問項目)」「サポート(労働者の周囲のサポートに関する質問項目)」「ストレス反応(ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目)」の3つの要素があれば、この質問票以外のものを使用することが認められている。「簡単に説明すると、『ストレッサー』は過去、『ストレス反応』は現在、『サポート』は未来の評価に分けられている。この中で、国が一番重要視するように言っているのが、ストレス反応である。今、頭痛がしたり、食欲がないなど、現在の状態をハイスコアとして扱うように言われている」(三宅医師)高ストレス者の選出方法については、「何点以上の人は面接する」という基準を、企業が考えなければいけない。記入が終わった質問票は、医師などの実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が回収する必要がある。ここで注意すべき点は、実施事務従事者は、人事権を持つ職員が携わってはいけないということ。また、結果(ストレスの程度の評価結果、高ストレスか否か、医師の面接指導が必要か否か)は、実施者から直接本人に通知される。つまり、結果は企業には返ってこない。さらに、この結果は医師などの実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が第三者に閲覧されないように保存することになっている。「実施事務従事者は事業所の中から選ぶこともできるが、作業や管理などが多岐にわたり、さらに守秘義務を負うことになるため、実際にはなかなか難しいだろう。事務の担当が倒れることがないよう、外注を利用していくことがポイント」(三宅医師)また、実施事務従事者だけでなく、ストレスチェックの実施者を誰に依頼するかといった問題もある。通常であれば、自社の産業医に依頼するところであろうが、医師によっては断られるケースも想定される。これに対し三宅医師は、「いい産業医か、使えない産業医か、判断する機会になった」と言う。今回の法改正によって、産業医の職務は「労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査の実施ならびに面接指導の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること」が定められた。「ストレスチェックの実施をしぶるような医師は、職務を理解していないということ」と三宅医師は指摘した。これらのフローをふまえて、ストレスチェック結果で「医師による面接指導が必要」とされた従業員から面接の申し出があった場合は、企業は医師に依頼して面接指導を実施する流れとなる。では、そもそもストレスチェックは何のために実施されるのだろうか? その解について、三宅医師は次のように回答した。「従業員にとっては、自分の健康状態を知るため。しかし一番は、企業が組織診断を行って、職場改善を行うためだ」(三宅医師)ストレスチェック制度は年に1回以上実施することが求められているが、年1回だけの実施なのであれば、職場分析が非常に重要になってくるという。この職場分析は努力義務となっており、ストレスチェックの実施者に、ストレスチェック結果を一定規模の集団(部、課、グループなど原則10人以上の集団)ごとに集計・分析してもらい、その結果から職場環境の改善を行うことが推奨されている。職場分析の重要性について、三宅医師は次のように述べた。「欝病は移る。なぜかというと、一人の従業員が休むことによって周囲にそのしわ寄せが生じる。だから組織分析が重要」(三宅医師)●産業医が教える、ストレスチェック活用法三宅医師は「風邪と一緒で年に1回測っても、ストレスチェックの意味がない。いつ実施するのかで、値が変わってくるからだ」とストレスチェック制度の問題を指摘する。○今からできる、ストレスチェック対策「組織全体が沈んでいる部門は何かが起こっているということ。早くレスキューしないと一人の問題ではなく、全体に広がっていく」(三宅医師)また、企業はこれまで以上に安全配慮義務が必要になってくるという。「労災の対象となった従業員が訴訟の対象とするのは、社長と上司。この2本立てが法曹界では当たり前のパッケージ商品となっている。つまり、自分の部下の健康状態を把握していないと、民事裁判に巻き込まれるケースがあるということ。上司が部下にしなければいけない義務が安全配慮義務である。この義務は、予見義務・結果回避義務と言われていて、『そのまま働かせていたら倒れるのはわかりますよね?』という義務。こういう義務がある以上、企業は労働者の健康状態に配慮することが必要となってくる」(三宅医師)ところが、忙しいと部下のパフォーマンスを把握することはなかなか難しい。三宅医師は「今後メンタリティやモチベーションの見える化が必要。そうでないと、安全配慮義務を守れない」と言うが、では一体、どうすればよいのだろうか? 三宅医師は今からできる予見法として、次のようにアドバイスした。「ストレス不調を起こす人は必ず、当日の遅刻・欠勤の連絡が続く。また、個人スペースがすごく汚れていたり、逆にいつも汚れているのに急にきれいになったりする。そのほかにも気分の浮き沈みなどもチェックするポイントとしてあげられるが、これらを毎日チェックしていくことは難しい。そこで、今日から始められるストレスケアの一番簡単な方法は、あいさつ。毎日あいさつをすることによって、その人の変化に気付くことができる」(三宅医師)また三宅医師は、まわりを助けるよりも、まずは「自分が元気であることが大切」と話した。「私が産業面談で社員をケアする時に聞くポイントは、『食う』『寝る』『遊ぶ』の3つ。この3つの変化しか聞かない。この3つをチェックしていれば、ほとんどの人のメンタルケアができる。自分のストレスをケアする上で大事なことは、食事や睡眠に変化がないか、また趣味を持ってもらうこと。趣味はストレス発散にもなり、また趣味をしていても楽しいと感じない時は、ストレス値が高くなっているサインになる。年に1回ではなく、日頃から自分に問いていかないと、ストレスのレベルはわからない。自分が元気でいることが、一人でもストレス値の高い社員を出さないために一番大事なこと」(三宅医師)○メンタリティを可視化するには?三宅医師が推奨する「メンタリティやモチベーションの見える化」について、KPSでは8月に、個人と組織の「気持ち」を可視化・数値化する「Willysm(ウィリズム)」の提供を開始した。同ソリューションで従業員がすることは大きく分けて3つ。まず、毎日決められた時間に自分の気持ちを「Excellent」「Well Done」「Not So Good」の3つから選択し、その日にあった幸運・幸福な出来事を3つ記入、さらに同僚に感謝の気持ちを伝えるメッセージ・プレゼントをあげる、といった3つの行動から、従業員のモチベーションを可視化するだけでなく、気持ちを前向きにする仕組みとなっている。これにより、例えば「Not So Good」が続いている従業員がいれば、年1回のタイミングでなく、適宜ストレスチェックを促し、早期改善を図ることが可能となる。12月1日からは、同ソリューションにストレスチェック制度へ準拠した「ストレスチェックサービス」機能が追加された。KPS ビジネスイニシアティブユニットのシニアコンサルタントである稲田勇祐氏は、同ソリューションについて次のように説明した。「Willysmは前向きな改善の機会、健康経営による企業価値向上につなげる一つの有効な施策と位置付けている。健康で前向きな個人を増やしていくことによって、重大疾病予備軍を減らし、休業者も減らしていくことができると考えている」(稲田氏)***組織分析から職場改善まで実施するとなると、2016年11月まで時間の余裕がないことは感じてもらえただろう。今回のストレスチェック制度を、「義務だからやる」だけではなく、ぜひ前向きに経営戦略の一つとして、しっかり考えて取り組んでもらいたい。
2015年12月21日保健同人社とヒューマネージは12月5日、12月1日に施行した「ストレスチェック制度」(労働安全衛生法の一部を改正する法律)について、企業のメンタルヘルス担当者に実施したアンケート調査の結果を発表した。同調査は両社が10月22日と27日に企業のメンタルヘルス担当者を対象に実施したもので、有効回答者数は366人。調査によると、施行1カ月前の時点においても企業の準備は進んでおらず、3割強が具体的な実施時期を決めていという結果となった。ストレスチェック義務化が施行される1カ月前となる10月末の時点において、準備状況について「ほぼ完了している」と回答した担当者は2%未満だった一方、7割以上が「検討中/情報収集中」と回答している。ストレス・チェック義務化施行の直前でも、企業の準備はなかなか進んでいない実態が明らかになった。準備状況を従業員規模別に見ると、「検討中/情報収集中」の割合は、従業員1,001人以上の企業では60.2%、従業員301人以上1,000人以下の企業では73.8%、従業員300人以下の企業では81.6%であり、規模が小さくなるほど準備が進んでいないことが分かった。ストレスチェック義務化への対応で懸念している点については、ストレスチェック実施後のフォロー体制が42.3%で最多であり、以下、規程の整備(35.8%)、高ストレス者への対応(34.4%)、担当者の業務負荷増大(30.9%)、医師面談の実施(28.1%)と続く。法律が定める「やらなければならないこと」にどう対応するかという点とともに、義務化対応を担うメンタルヘルス担当者のマンパワーについても不安を抱いていることがうかがえると両社は見る。ストレスチェックを既に導入・実施しているまたは導入を検討中の企業の担当者に対して、実際にストレスチェックを実施する時期を尋ねると、具体的な時期では「2016年4月~6月」と「2016年7月~9月」が多かった。ただし、最多は33.5%の「未定/無回答」であり、スケジュールなどの実施に関する具体的な事項はまだ検討中の企業が多いようだと両社は推測する。ストレスチェック義務化対応で外部委託先を選ぶ際に重視する点を複数回答で尋ねたところ、費用が56.8%と最多であり、以下、運用サポートの充実(45.9%)、ストレス・チェックの信頼性(43.7%)、セキュリティ体制(38.5%)、システムの使い勝手(36.9%)の順だった。委託先を選ぶ際に費用を重視することに加えて、「実施する際のサポートがどれだけ充実しているか」「ストレスチェックは科学的に信頼できるものか」「セキュリティは万全か」「スムーズに実施できるシステムかどうか」など、多岐にわたるポイントでパートナーを選定していることが分かる結果となった。これらの結果を受けて、両社が提供する企業向けEAP(従業員支援プログラム)サービスである「TEAMS」のEAPコンサルタントは「マイナンバーや新卒採用スケジュールの変更などさまざまな対応が重なるなか、ストレスチェック義務化の制度を理解し、運用体制を整えるにあたって、企業のメンタルヘルス担当者が非常に苦労していることがうかがえる」とコメントとした。外部委託先を選ぶポイントとして「『ただストレスチェックを実施するだけ』の対応では、情報漏洩など、取り返しのつかない経営リスクに直結する。堅牢なセキュリティ、科学的に根拠のあるストレスチェックを提供できることに加え、コンサルティングから業務プロセスの企画・設計・遂行までトータルにサポートできる外部パートナーを戦略的に使いながら、ぜひ、今回のストレスチェック義務化対応を組織の生産性向上へつなげてもらいたい」としている。
2015年12月15日Beat Communicationは11月24日、社内表彰制度システム「BEAT AWARD」の提供を開始した。従来の社内表彰制度は、Eメールやポータルサイトを利用したものが多く、現場からアイデアがうまく集まらなかったり、制度自体を活用する社員に偏りがあったりすることから、うまく機能しないという問題点があったという。このような課題を解決するために開発された「BEAT AWARD」は、全社員からアイデアを募集して成功している企業の、カスタマイズ要望から生まれた社内表彰用のパッケージサービスとなっている。本サービスは、「金銭」よりも従業員への「感謝」や「認知」というモチベーションをアップさせる仕組みを「見える化」することで、個人の潜在能力を引き出し、会社の全体的な底力を増し、強い企業作りの役に立つことを目的としたものだとしている。また、同社のコンサルティングのノウハウと、社内向けに実施してきた表彰制度実施プログラムを体系化し、これまで社内システム上で数多くの表彰制度を実施してきた実績や知見をプログラム化した、システムとリアルが一体となったサービスだという。同社は、システム提供だけを主眼に置くのではなく、企業風土を育成していくために、ソフト面からの支援も行い、さらに、経営層に対するコンサルティングサービスもオプションとして提供することで、システム以外でのサービスも実施していくとしている。
2015年11月25日FiNCは11月20日、ストレスチェック制度に対応した法人向け新ウェルネス経営サービスを提供開始した。同社では、医師による面接指導など同制度に対応したサービスを幅広く提供できるよう、全国37都道府県に1,000人以上の産業医/医師のネットワークもあわせて構築したとしている。同社のストレスチェックでは、厚生労働省準拠の57項目もしくは同社によって充実させた110項目の質問により、従業員のメンタルの状況を計測し、従業員にフィードバックする。また、高ストレス者への医師面談の勧奨から、医師面談の設定、意見書の取得などすべて同社のシステム上で完結させることができるほか、集団分析についても各社の要望に合致したものが提供されるという。スマートフォンや紙による受検にも対応しており、改善ソリューションとしてスマートフォンなどを通じたセルフケアや相談センターなどのサポートも提供される。さらに、産業医/医師のネットワーク構築により、産業医の選任支援や医師面談が必要な高ストレス従業員に対する産業医のスポット紹介なども提供される。
2015年11月24日日立システムズは11月12日、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)への対応に必要な業務をワンストップで代行する、事業者向け「マイナンバー対応BPOサービス」の内容を拡充し、提供を開始した。価格は個別見積もり。具体的には、すでに提供している従業員などのマイナンバー収集・登録から廃棄までの管理や、関連書類の印刷処理、ヘルプデスクの各サービスに加え、今回、日立トリプルウィンとの協働により、給与計算や年末調整業務、および社会保険労務士が実施する社会保険関係帳票作成業務、税理士が行う税務関係帳票作成業務まで、それぞれ有資格者と連携の上提供できるようになった。同サービスを利用することで、事業者はマイナンバー管理・運用および給与計算・各種届出業務にリソースを割くことなく、本来業務に専念することが可能となる。例えば、源泉徴収票については、税理士連携・指示のもと、従業員の支払額の算出などを日立トリプルウィンが代行し、その後のマイナンバーの附番、各種関係書類の印刷、封入・封緘までの業務を事業者あるいは日立システムズが実施するという。社会保険関係書類については、提携先の社会保険労務士を通じて行政機関へ提出されるため、事業者の手を煩わすことなく手続きを済ませることができるとしている。また今回、日立グループ内で従業員向けに提供しているマイナンバー制度に関するeラーニングコンテンツも、必要な期間のみ月額課金制で利用可能なSaaS型のクラウドサービスとして提供される。
2015年11月12日ビデオ会議システムや音声会議システムなど、世界中で40万以上のユーザーがソリューションを利用しているポリコム。その日本法人であるポリコムジャパンでは、制度改革やオフィスの効率化などをふまえて自社製品を活用したテレワークを実践している。テレワークを支援するソリューションの提供を本業とする同社の取り組みについて取材した。○震災後、テレワークを全社員対象に自社の製品自体がテレワークを可能とするものだけに、ポリコムジャパンでは以前から海外とのやり取りや、営業スタッフ、地方にいるスタッフなどとはテレビ会議をはじめとする自社のユニファイド・コミュニケーション製品を用いてテレワークを行っていた。しかし同社が全社員規模にまでテレワークを拡大したきっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。震災の直後、社員全員が自宅に待機することとなったが、そうした状況下で各社員は自主的に自分のパソコンに入っているビデオ会議アプリケーションや内線を受けられるIPフォンなどを駆使して業務を継続させていった。一週間、一人も出社することなく事業を継続できたことで、テレワークの意義を改めて認識した同社では、翌4月には全社的にテレワークが行える環境を整えたのである。ポリコムジャパン ビジネスオペレーションズのシニアマネージャー、藤井浩美氏は「震災以前からテレワークを拡大したいという意向はあったのですが、オフィスにいない社員との連絡のとり方や人事面での評価をどうするのかなど課題もあってなかなか全社員を対象にするまでには踏み込めませんでした。それが震災後にいざ実践してみると、業務の滞りもなく、またオフィスにいなくても社員のプレゼンスやステータスが確認できるため、全員が“見えている”状態にできることが実感できたことから、全社展開が決まりました」と言う。社員のスケジュールはOutlookのカレンダーで社内に公開されているため、お互いに確認しながら動きを同期させることも容易に行えたという。○テレワークのための制度改革を実施ポリコムジャパンでは、全社員がテレワークを行うための制度改革として、テレワーク・フレックス制度や育児サポート関連、介護サポート関連といった3つの制度を新たに整えた。このうちテレワーク・フレックス制度は、以前から実施していたフレックス制度にテレワークに必要な要素を盛り込んだもの。全社員を対象にテレワークを許可し、上長の許可を得ることで誰でも利用が可能(総務・特定技術職は状況に応じて)としている。またコアタイム(11時~15時)以外の時間は、開始時間と終了時間について8時間の間で自由に設定可能とした。育児サポート関連の制度としては、最長1年間、育児休業を取得可能とするとともに、産前・産後の休暇や子どもの看護のための休暇も実施。このうち育児休暇と子どもの看護のための休暇は男性でも取得することが可能だ。こうした整備の拡充により、現在、育児休業からの復帰率は100%となっている。そして介護サポート関連の制度では、まず最大93日まで介護休業の期間を設け、配偶者や父母、子ども、配偶者の父母、その他会社が認めた人への介護に対して申請可能とした。これと合わせて別途時短勤務制度も整えている。○オフィススペースも50%削減ポリコムジャパンにおける、こうしたテレワークを軸とした多様な働き方の実践は、同社の「ダイバーシティ推進戦略」に基づいたものだ。「生産性の向上と業務の効率化、事業継続・リスクマネジメント、経費の削減をきっかけに、テレワーク活用を中心戦略とした柔軟な職場環境の構築を目指すのがダイバーシティ推進戦略です」と藤井氏は説明する。また同戦略に基づきテレワークを推進するための3つの柱として、先に挙げた制度改革と合わせて、インフラ・運用ルールの整備、オフィスの最適化を掲げている。このうち運用ルールとしては、Microsoft Lyncによる労働時間中のプレゼンス表示、Outlook利用でのスケジュール開示、セキュリティに関する社員の意識向上など6項目が必須として定められている。そしてオフィス最適化を象徴するのが、2014年6月9日に移転した東京・東新宿の新オフィスである。新オフィスでは、必要時のみオフィスに出勤する「テレワーク特化型」の仕事環境へとシフトするべく、フリーアドレス型のオフィスとして個々の固定デスクを廃止(技術職などの専門職を除く)。また資料など私物保管用のロッカーを設け、社員のニーズに対応しながら、仕切りのある席やオープンスペースなど用途に合わせて利用できる設計とした。「さまざまなライフステージにいる社員の自由な働き方を支援するために、これまで当社で培われてきたノウハウをベースにしながら新たなオフィス環境を構築しました」(藤井氏)社長室についても、社長が不在の際は会議室として利用可能とするなど、徹底的なオフィススペースの最適化を図った結果、前オフィス比で約50%ものスペースを削減することができた。そうして、顧客やパートナーへのサポートを強化するための「東京カスタマーエクスペリエンスセンター(TCEC)」を同オフィス内に新設することができたという。○テレワークが自然と可能になる技術の提供をポリコムジャパンの代表執行役社長、三ッ森隆司氏は、自社でのテレワークの取り組みについて次のような見解を示す。「われわれ自身が離れた場所にあるPCやモバイルからでもコミュニケーションを行うための技術手段を提供しているわけですが、それがあることで自然とテレワークやモバイルワークが実践可能なのだといった効果や意義を実感することができました。それとともに、テレワークを活用する社員自身のプロフェッショナルな業務遂行と高い意識も、テレワークを成功させるポイントであることも再認識しました」「お客さまを見渡すと、出張旅費の削減など、最初は目に見える効果を動機として当社の製品を導入いただき、その後、効果を実感しながらワークスタイル変革へと広げていくケースが多いようです。自社でテレワークを実践することで、ワークスタイルの部分に拡大していく際のサポートも充実できればと思っています」(藤井氏)今後ポリコムジャパンでは、さまざまな場所で働くことができるワークスタイルを普及していくというミッションのもと、自ら製品を活用し実践しつつ、自然とそうした働き方が浸透していくような展開を目指していくという。
2015年11月05日●日本が抱える課題世間ではマイナンバー制度に関するニュースが多数報道されているが、今年の12月から施行される重要な法律があることも忘れてはいけない。改正労働安全衛生法に基づく、ストレスチェック制度である。従業員50人以上の事業場では、今後年に1回全従業員へストレスチェックを実施し、従業員のストレスの状況について検査を行わなければならない。マイナンバー制度への対応に向けて、業務も費用も企業にとって負担が生じるなか、この法律も重荷に感じている企業も少なくないだろう。しかし、この法律の背景には、日本の経済力を高めることを目的とした政府の考えがある。10月13日、メンタルヘルス関連サービスを展開するアドバンテッジ リスク マネジメントは、ストレスチェック制度に関するセミナーを開催した。当日は同社の代表取締役社長である鳥越慎二氏が講演。当日の講演内容についてお届けしよう。○職場におけるメンタルヘルスの状況警察庁による自殺者数の調査では、総数は減少傾向にあるものの、「被雇用者・勤め人」にあたる労働者の自殺者数は横ばいで推移している。平成26年度では、総数が25,427人に対し、労働者の自殺者数は7,164人で、全体のおよそ28.2%を占める高い割合となっている。自殺の理由はさまざまであるが、「その多くが鬱状態ではないか」と鳥越氏は推測する。ちなみに、交通事故による死亡者数は平成26年度で4,113人となっている。比較すると、労働者の自殺者数は交通事故死者数の1.7倍となっていることがわかる。また、厚生労働省による精神障害などの労災補償の調査では、平成26年度の労災請求件数は1,456件、認定件数は497件、うち自殺件数は99件となっており、いずれの件数も過去最多となっている。従業員がメンタル不調などで休職・退職することによって、実は大きなコストがかかっている。休職前後の周囲の従業員が手伝う残業代や、休職中の本人への手当、周囲の業務調整、事務対応など、さまざまな場面で人件費が発生し、内閣府によると一人の従業員(年収約600万円想定)が6カ月間休職した場合に発生するコストは、422万円にのぼるという。さらに、その従業員が退職し、新たな人材を採用するためのコストは、約180万円(年収×30%で試算)だと言われている。これらの状況を受けて、政府は企業の健康経営の推奨やブラック企業の是正など、さまざまな施策を実施・検討している。●ストレスチェック制度のポイント○ストレスチェック制度の目的は?鳥越氏は、ストレスチェック制度のポイントとして次の3点を挙げた。50名以上の事業場について、医師・保健師などによる全従業員へストレスチェックを実施し、実施した医師・保健師より従業員へ直接チェック結果を返却高ストレス状態かつ申し出を行った従業員への医師による面接指導の実施面接指導の結果に基づき、医師の意見をふまえて必要に応じた就業上の措置これは、法律で定められている基本的なポイントとなる。しかし、鳥越氏も参加していたという法案公布後の審議会では、法律で触れられていない点に対して付け加えを行ったという。鳥越氏は「ストレスチェックを実施するだけでなく、ストレス問題を改善することが重要」とし、さらに3つのポイントについて説明した。まず、「企業の集団分析」である。ストレスチェックの結果を部署ごとに分析し、企業は職場環境改善のために活用するよう求められている。集団分析は努力義務とされているが、鳥越氏は「"努力義務"とは、"努力することが義務"なので、これはほぼ義務ということ。ストレスチェックを行っただけでは、改善されない。改善するためにはストレスチェックの結果を利用し、企業が努力することが必要」と説明した。2つめは、「相談窓口の案内」である。ストレスチェックを行った結果、高ストレス判定を受けた従業員は、その後会社に対して医師による面接指導の申し出を行う必要がある。「高ストレス状態の人が、果たして自分で申し出をするものか?」と鳥越氏は疑問を投じる。そこで、医師面談とは別にカウンセリングなどが受けられるような環境の整備をすることが、推奨されている。3つめは、「労働基準監督署への報告」である。企業はストレスチェックの実施日・チェックを受けた人数・フォロー状況を、労働基準監督署に報告することが義務付けされている。「この報告内容によって規制や取り締まりは行わないとされているが、十分に注意した方がよい。政府はこの報告内容をブラック企業対策の参考にすると考えられる」と鳥越氏は促す。「ストレスチェック義務化の目的は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的であって、ストレスチェックをすることが目的ではない。この目的のために、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが、企業が求められている対応である」(鳥越氏)●ストレスチェック制度で求められる対策○企業と従業員、双方に求められる対策ストレスチェック制度の実施にあたり、企業が行わなければならないこととして、まず、衛生委員会などで調査審議を行い、社内規定を定め、従業員に周知する必要がある。また、実施する医師は誰にするのか、帳票の回収やデータ入力など、ストレスチェック結果を出力するまでの情報を扱う実施事務従事者を誰にするのかなど、体制を決めていく必要もある。鳥越氏は「事業者はストレスチェック制度に対する基本方針を決める必要がある。それによって、対応の仕方が変わってくるからだ」と話す。今回の法令に遵守するレベルで考えるのであれば、ストレスチェックの実施と医師面接の実施を行えばよい。しかし、メンタル不調者の未然予防も考えるのであれば、前出の外部相談窓口の設置についても検討する必要が出てくる。さらに、メンタルヘルス対策にとどまらず、組織改善や活性化をはかり、企業の生産性を向上させようと考えるのであれば、しっかりとした組織分析・改善施策の実行が必要となってくる。また「企業だけでなく、従業員も意識を変える必要がある」と鳥越氏は話す。「政府が推奨するストレスチェックに関する57の質問項目はNIOSH職業性ストレスモデルを参考にしてつくられている。しかし、このモデルにあって、ストレスチェック推奨項目に欠けているのが、『個人的要因』に関するチェックだ。個人の性格などを抜きにしてストレス対策を進めても、効果が出ないケースがある。ストレスは客観的には存在しないもの。個人の受け止め方によってストレスに変わる。従業員も刺激に強くなるために努力する必要がある」(鳥越氏)鳥越氏は、ストレスチェック制度の実施にあたって「自分の会社がどういった対応をするのか、従業員は会社を判断するきっかけになる」と言う。きちんと運用できる体制で、従業員の期待に応える制度運用を行うことが、望まれる。
2015年10月21日いよいよマイナンバーの通知カードの送付が始まります。また、マイナンバー制度のもうひとつの番号、法人番号の通知、公表も始まり、ここからマイナンバー制度がスタートします。その一方で、内閣府が9月に公表した世論調査では、マイナンバー制度について「内容まで知っていた」と答えた人の割合が43.5%と5割にも満たない現状が明らかになっています。そのほか民間企業などの調査結果では、マイナンバーの取り扱いが必須となる中小企業の取り組みの遅れも明らかになってきており、平成28年1月から利用が開始されるマイナンバー制度がスムーズにスタートできるのか懸念の声もあがっています。今回は、最新の情報を整理、確認してみましょう。○通知カードの送付および個人番号カードの交付申請最新情報整理総務省のお知らせ「個人番号の通知に係るスケジュールについて」によると、マイナンバー通知カードの「お届けの時期」について「概ね10月中旬~11月中を予定」としています。住民票を有するすべての個人(約1億2,800万人)にマイナンバーを付番した後、世帯単位(約5,600万世帯)に簡易書留で送付するわけですが、これだけの数の簡易書留が送付されること自体、前代未聞のことですので、さすがに一時期に集中して送付することは難しく、1カ月以上の時間をかけての送付となってしまいます。また、簡易書留での送付ですので、届け時本人不在の場合は再配達が必要となったり、土日に地区の郵便本局へ引き取りにくる人が殺到したり、受取人不在のまま市区町村まで返送されるものも多数でることが想定されています。返送されたマイナンバーの通知カードは再送付が行われることになっているようですが、住民票を有するすべての個人がマイナンバーを受け取るまでには相当の混乱が起きてしまうことが予想されます。送られてくる通知カードですが、図1のように、マイナンバーの通知カードと個人番号カードの交付申請書が一体となった様式で送られてきます。通知カードは氏名、住所、生年月日、性別の個人4情報とともにマイナンバーが記載されています。顔写真が掲載されていないため身元確認には使用できませんが、番号確認が必要なシーンでは個人番号カードを取得するまで、この通知カードを使用することになりますので、大事に保管しておく必要があります。また、個人番号カードを申請する場合は、この交付申請書書に顔写真を添付して書面で申請するのが基本ですが、パソコンから指定のWebサイトに進み、申請書に記載されている「申請書ID」を入力して申請する方法や、申請書下部のQRコードをスマートフォンで読み取ってWebサイトへ進み申請する方法なども用意されています。○法人番号の通知・公開法人番号の通知・公開のスケジュールも法人番号の付番機関である国税庁より、図2のとおり公表されています。こちらも10月下旬から11月中くらいの期間に通知書が発送されるとともに、国税庁の法人番号公表サイトに法人名称・所在地・法人番号の基本3情報が公表される予定です。法人番号は公表される番号ですから、いつでも入手可能ではありますが、取引先などの法人番号を記載しなければならない書類の提出時期までには、確実に入手できるように段取りだけはつけておく必要があります。○今年中にマイナンバーを収集するために考慮しておくことこの連載では、中小企業のマイナンバー取り扱いの入り口となる従業員などからのマイナンバーの収集を、マイナンバーが送付される10月から11月にかけての期間で行うことを提案してきました。それは、来年の年末調整時期以前にもマイナンバーの利用が必要となるケースもあること、また来年のこの時期に収集しようとすると必ず通知カードを失くした従業員や扶養親族が出てくることが想定されることを考慮した提案でした。先に見たとおり、市区町村によっては送付時期が11月下旬までかかってしまうことや、最初の送付で受け取れず再送付を待たなければならない従業員も出てくることを想定すると、従業員などからの収集に12月までかかることは想定の上で、収集スケジュールを組み直す必要があります。すでに、従業員へのマイナンバー提供依頼の案内や収集したマイナンバーの安全管理措置など必要な準備を整えている場合は、通知カードが手元に届いた従業員から順次収集していくほうが、一斉に収集することにくらべると非効率のようでも実際的な対応方法といえます。また、現時点でマイナンバー制度への対応準備が充分にできていない中小企業の場合は、あわてて従業員などからのマイナンバーの収集を始めるのではなく、マイナンバーの利用分野である税や社会保障の専門家である税理士や社会保険労務士に相談して、まず制度への理解を深めるとともに、自らの企業規模に応じた方法として、これら外部の専門家にマイナンバーの取り扱いも委託する方向で相談していくことが、対応準備の近道となります。そのうえで、信頼できる税理士などにマイナンバーが必要となる源泉徴収票作成業務とあわせてマイナンバーの取り扱いを委託する場合は、税理士事務所と企業との役割分担を決め、企業がうけもつ役割に応じて安全管理措置を講じてから、従業員などからのマイナンバーの収集を開始しても、遅くはないのではないでしょうか。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年10月13日オービックビジネスコンサルタント(OBC)は9月18日、企業が行う初めてのストレスチェック制度の準備に対応したオールインワンサービス「OMSS+ストレスチェックサービス」を同月24日から同社の販売パートナーを通じて発売すると発表した。同サービスはOBCの業務サービスとして年間利用型で提供し、価格は税別でProfessionalタイプ(実施者・相談センターIT受検/分析)は9万5000円(社員数100名まで、人事奉行所有のOMSSユーザーの場合)~。同サービスは厚生労働省のガイドラインに則ったサービス設計をしており、法令完全準拠。専用導入運用ガイドでは企業に必要な体制構築の手順や準備書式を提供し、IT受検サービスでは「職業性ストレス診断簡易票」をベースに、57問・23問・80問の設定が可能。努力義務となっているストレス状況の組織分析は厚生労働省が提唱する「仕事のストレス判定図」に沿って、企業全体、組織のストレス状態を把握でき、努力義務となっている職場環境改善の指標として利用できる。また、メンタルヘルスに精通した専門医を実施者として提供し、実施者はITによって収集された診断結果を総合的に判断し、高ストレス対象者と面接勧奨などを適切に判定。実施結果に対して、実施者は企業の状況を適切に分析し、改善ポイントやアドバイスをレポート。さらに、利用企業の総合的なサポートするために相談センターを設置し、対応するスタッフは産業保健に精通した事務スタッフ・産業カウンセラー・社会保険労務士などのプロ集団が総合的に対応。相談は体制構築・書面作成・ストレス実施・分析など多岐に渡る内容に対応し、初めての制度対応・ストレスという未経験な内容に対し相談することが可能で従業員からのストレス診断結果に関する直接のお問い合わせに対応する。
2015年09月18日NECは9月16日、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の開始に伴い、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から、全国の地方公共団体(7月時点で1743団体)の個人番号カード(ICカード)交付窓口で、本人確認に利用される「個人番号カード交付窓口用顔認証システム」を受注したことを発表した。同社によると、顔認証システムが全国の地方公共団体において統一的に導入されるのは、今回が初めての事例となるという。本システムは、地方公共団体の窓口において個人番号カードの交付を希望する住民に対し、来庁者と個人番号カードの顔写真を照合、もしくは、来庁者と個人番号カード交付申請書の顔写真を照合するもの。これにより、地方公共団体における個人番号カード交付時のなりすまし対策などに対して有効だとしている。同社によると、採用されたシステムには、同社の顔認証エンジン「NeoFace」を活用しているという。
2015年09月16日NECは9月14日、山梨県甲州市から、社会保障・税番号制度(以下、マイナンバー制度)を扱うすべての住民基本台帳システム端末約160台のセキュリティ強化に向け、顔認証セキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor V2」を受注したと発表した。甲州市は2016年1月のマイナンバー制度運用開始に合わせ、同ソフトウェアの利用を開始する予定。「NeoFace Monitor V2」は、顔認証エンジンをベースに、顔認証によるPCログオン、ログオン中の利用者の常時監視を可能とするソフトウェア。端末を複数の職員で共有する場合でも、利用者を個人単位で認証し、いつ誰がアクセスしたという利用履歴が確実に残るため、職員の不正利用への心理的な抑止効果も期待できる。常時監視機能により、端末利用者の離席をすぐに検知して自動で画面をロックするとともに、ログオン中に未登録ユーザーが着席した場合も検知して画面をロックする。これにより、未登録ユーザによる不正利用を確実に防ぐ。
2015年09月15日すでに報じられている通り、2016年(平成28年)1月から「マイナンバー制度」がスタートします。正式名称は、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年5月31日法律第27号、通称「番号法」)に基づいた「社会保障・税番号制度」。社会保障と税に関する行政手続きで利用するため、日本に住民票を持つ個人全員に対し、12桁の「個人番号」が付与されるというものです。結果として各個人の所得を正確に把握できるようになり、公平な税負担、社会保障の的確な提供などの効果が期待できるとか。また、行政機関・自治体等のさまざまな確認作業の負担も軽減されることになるといいます。とはいえ、私たちにとっては不安なことだらけ。そこで基礎知識を得るために読んでおきたいのが、『これ1冊でできるわかる 小さな会社のマイナンバー制度やるべきこと、気をつけること』(村阪浩司著、あさ出版)です。「Part 1 マイナンバー制度の基本を押さえる」から、「これだけは知っておきたいキーワード4つ」に焦点を当ててみます。■1:「個人番号」先に触れたように、マイナンバー制度においては住民票を持つ全国民に12桁の個人番号が指定されることになります。そして原則的に、一度指定された個人番号は生涯変わらないのだといいます。間もなく2015年10月以降に通知カードが配布され、さらに希望者には2016年1月以降、個人番号カードが交付されるそうです。ちなみにこれは写真つきなので、申請者の個人番号の確認だけでなく、身元確認にも有効。■2:「法人番号」法人番号とは、「国の機関、地方公共団体、会社法その他の法令の規定により設立の登記をした法人」、あるいは労働組合やマンションの管理組合などの「上記以外の法人又は人格のない社団等であって、法人税・消費税の申告納税義務または給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有することとなる団体」に指定されるもの。難しい表現ですが、つまりは各種法人や団体のための番号です。■3:「特定個人情報」特定個人情報とは、個人番号や、「個人番号に対応する符号」を含む個人情報のこと。ちなみに「個人番号に対応する符号」というのは、個人番号に対応し、個人番号に代わって用いられる番号や記号などで、しかも住民票コード以外のものを指すのだといいます。■4:「特定個人情報ファイル」特定個人情報ファイルは、「個人番号や個人番号に対応する符号」をその内容に含む個人情報ファイル。民間の企業の場合は、個人情報保護法に定める「個人情報データベース等」と同じ意味だそうです。*これが、マイナンバー制度の基本的な部分。これを踏まえたうえで、会社の仕事がどう変わるのかを、本書ではわかりやすく解説しています。なんらかのかたちで自分自身にも関わってくる問題ではあるので、本書でしっかりと知識をつけておきたいところです。(文/印南敦史)【参考】※村阪浩司(2015)『これ1冊でできるわかる 小さな会社のマイナンバー制度やるべきこと、気をつけること』あさ出版
2015年09月07日富士通は9月2日、同社グループのマイナンバー制度に対する取り組み状況に関する説明会を開催した。冒頭、富士通 マーケティング戦略室 番号制度推進室長 木田順啓氏は、富士通グループのマイナンバーに対する取り組み方針を、「富士通では、マイナンバー制度を社会基盤の1つとして捕らえており、間近に迫ったマイナンバー制度施行に向けた対応と、将来の利活用についてICTの観点から支えたいと思っている」説明した。同社ではマイナンバー制度のビジネスを、政府・官庁向け、自治体向け、民間向けの3つの分野に分けており、政府・官庁向けでは市場規模1,000億の2割にあたる200億、自治体向けでは市場規模1,000~1,500億円弱のうち350億円、民間向けでは100億円の、計650億円の獲得を目標に設定しているという(2014年度~2016年度)。なお、これらにはマイナンバーの利活用の部分の金額は含まれていない。同社のマイナンバーに対応のスケジュールとしては、マイナンバーの通知が開始される2015年/10月、各種手続きの利用開始となる2016年/1月、新入社員への対応が必要な2016年/4月、2016年の年末調整への対応が必要な2016年/9月の4つボリュームゾーンを想定しているという。マイナンバー制度では、ガイドラインで示された安全管理措置が対応が大きな課題になっているため、同社では運用プロセスの見直しをシステムの改修とともにやっていくという。セキュリティ対策について木田氏は、「マイナンバーのためにセキュリティを強化するのではなく、内部統制、情報漏えい対策なども含め、マイナンバーを1つの契機にセキュリティ対策を見直してほしい」と語った。富士通のマイナンバー対応ソリューションには、コンサルティングサービス、システム対応、教育サービス、セキュリティサービスがあり、システム対応では、既存システムの改修、別システムとしてのアドオン、マイナンバー管理をアウトソーシングするBPOサービスが用意されている。同社によれば、現在はマイナンバーの配布が近いこともあり、ほとんどの顧客はマイナンバーの収集方法で悩んでおり、できるだけ手間がかからず、無理のない方法で、安全でセキュア、ミスのない収集方法を模索しているという。なお、マイナンバー対応では各省庁から出されているガイドラインに適合させる必要があるが、具体的なものが示されておらず、対応を迷う面がある。これに対して、富士通グループではSDN規格を決め、その中にアクセス制御、ログの消去など、マイナンバーに向けた基準を設け、それを満たさないと出荷できない仕組みになっているという。木田氏はこの点について、「ガイドラインをどう理解していくかについては、昨年の12月にガイドラインが出される以前から対応をを検討し、基準を定めてきた。また、富士通自身も大きな会社なので、どういった対応すべきかについては、社内にもPDCAサイクルをまわすような仕組がある。これら社内実践の経験もシステムに反映していきたい」と述べた。
2015年09月03日