ウーマンエキサイトをご覧のみなさま、はじめましての方も、そうでない方もこんにちは! ありまと申します。今回は、かかりつけの先生についてのエピソードです。■生後2週間頃から乳児湿疹が出始めた新米ママのほとんどがぶつかる壁であろう「乳児湿疹」。私も例にもれず、とても悩みました。ぶつぶつだけではなく、乾燥で顔がひび割れ、赤く腫れ、粉をふき…さらに、血が出ていることに気がついたときは、あまりにもかわいそうで思わず泣いてしまいました。■病院へ行った! けれど、不安がなくならない…「病院でもらえる保湿剤がよい」との情報を得た私は、さっそく娘を出産した大きな病院の小児科へ。しかし大きな病院だったためか、診察時間が短く、ぶっきらぼうな印象でした。あの先生、むすめっこの顔をチラッて見ただけだった。触りもしなかった…頂いた保湿剤で、少し改善したように見えましたが、先生に対する不信感でいっぱいになった私は病院を変えることにしました。■友人に教えてもらった小さな小児科へ「優しくて丁寧な先生がやっているクリニックがあるよ」と友人に教えてもらい、さっそくそこへ行きました。むすめっこの目をしっかり見て、あいさつをしてくれた先生。「こどもが大好きな先生」といううわさは本当のようでした。そして、保湿剤の塗り方だけではなく、お風呂の入れ方まで丁寧に教えてくださいました。■このクリニックをかかりつけにしようと決めた日数日ですっかりよくなり、経過を見せに再度クリニックへ。その一言を聞いて、思わず涙ぐんでしまいました。湿疹が出てからずっと「私のせいで」という気持ちがあったので、心がふっと軽くなったのを覚えています。あのまま、最初に行った病院でもらった保湿剤を使い続けていても、もしかしたらよくなっていたのかもしれません。しかし、娘を治してくださっただけではなく、私の心のケアもしてくださった先生に、これからもついていこうと決めたのでした。
2019年10月04日もともと潔癖症だった私は、育児においても除菌ウェットティッシュを欠かさず持ち歩き、オムツ替えの前後には、台をピッカピカにしなければ気が済まないタイプでした。久しぶりの赤ん坊だった息子には人一倍神経を使い、仕事から帰ってきた夫が近づいてくることにも抵抗があったくらいです。落ちた食べ物は即処分、哺乳瓶を落とせば中身を捨て、即洗い直し。乳児湿疹がひどかったこともあり、息子を怖いウイルスや細菌にさらしてはいけないと、必死でした。しかし、そんな潔癖女の価値観を一変させる出来事が起こります。…起こりますというか、それは当たり前の日常の一部でした。“お姉ちゃんの保育園の送迎”です。産後1か月間の実母の助けが終わり、家族四人での新生活が始まったことで、そこからまた私の、娘の送迎が始まりました。(夫は出勤が早すぎるので、私の役目でした)もちろん息子を家に置いていくわけにもいかず、私は抱っこ紐、もしくはベビーカーで息子を連れていきます。むらがる子どもたち。それはもう、エサにむらがる金魚のように、さまざまな子が息子に興味を持ってやってきます。「なんさい?」「おとこのこ?」「だっこしたい!」妊娠中から「いつ産まれるの~?」と楽しみにしてくれていた子も、息子とのご対面に大喜び。その様子には思わず顔がほころびます…しかし、同時にべたべたと触られている息子。泥だらけの手で。ベビーカーにおもちゃをつけようものなら、一瞬で泥だらけ。そして時に、目を離した隙に唇を奪われる息子。あぁ…と思いながらも、そんな毎日を繰り返しているうちに、思うようになりました。なぁに、かえって免疫がつく。保育園ですから、たまに怖い風邪がはやっていたりもします。そんな時はひやひやしつつも、兄弟が園に通っている限りは…というか、育児している限りは、感染症は避けられませんよね。それよりも、送迎のたびに笑顔で迎え入れてくれる園のお友だちが、息子に与えてくれる良い影響は、かけがえのないものです。みんなとのスキンシップのおかげか、息子はすっかり丈夫に、それでいて人懐っこく育っています。そして潔癖症だった私も、息子の落としたものを平気で食べられるようになりました。三秒も十秒も変わりません。母は強くなりますね。(ものすごく風邪もらってます。マネしないでね!)
2019年10月01日里帰り出産をした私は、産後は両親のもとで生活していました。そして生後1カ月を過ぎたころ、息子に出始めた乳児湿疹。両親は湿疹を見るたびに、「こんなになってかわいそうねぇ」と特に深い意味もなく言うので、その言葉を聞くたびに悲しい気持ちになりました。子どものことについて言われる何気ない言葉で、こんなに悲しい気持ちになるのかと自分でもびっくりした体験談です。 乳児湿疹ができた息子息子も無事生まれ、特にトラブルもなく1カ月健診を終えたころでした。息子の顔に赤くプツプツとニキビのような湿疹が出始め、あっという間におでこ全体から頭皮、頬にも広がっていったのです。念のため小児科で見てもらいましたが、乳児湿疹ということで塗り薬をもらって様子をみることになりました。育児書にもよくあることだと書いてあったし、おそらく一時期的なものだろうと思い、小児科で聞いたケアをしっかりしながらなるべく気にしないように息子に接していました。 「かわいそう」という両親の言葉がつらい息子の乳児湿疹はなかなかよくなりません。両親は「こんなになっちゃってかわいそうねぇ」「かわいそうに。早くよくなったらいいのにねぇ」と何気なく息子に声をかけます。それを毎日聞いていると、私はだんだん気持ちが沈んでいき……。別に深い意味もないし、つい言ってしまうんだろうとわかっていました。確かに湿疹が出てかわいそうと感じる気持ちは自然なのかもしれません。それはわかっているのですが、私の気持ちはどんどん悲しくなっていきました。そしてついに「かわいそうって言わないで!」と両親に怒鳴ってしまったのです。 息子への言葉は何十倍もつらく感じた両親は「ごめんね。もう言わないようにするね」と気をつけて言葉を選んでくれるようになりました。「かわいそう」という言葉を聞かなくなると、私のつらく沈んだ心もだんだん軽くなり、乳児湿疹をひどく気にすることはないなという気持ちになっていったのです。息子に向けられる「かわいそう」という言葉は、私にとって本当に悲しくつらい言葉でした。自分に直接向けられる言葉よりも、何十倍も心にグサッと刺さったのです。何気ない言葉だと理解していても、こんなに悲しい気持ちになるのかと自分でもびっくりしました。 初めての育児で手探り状態だったなか、乳児湿疹が出て困惑していたところに、息子に向けられた「かわいそう」というネガティブな言葉。それがこんなにも心を乱して悲しくなるなんて思いもしませんでした。子どもに向けられる言葉によって、これほど親が動揺するなんて……と初めて知ったできごとでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:山下 ひいこ一児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。
2019年09月23日こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。乳児湿疹に出会ってしまったママ達は、きっと大変な思いをしているでしょう。かわいい我が子に湿疹が出ていると、何とも言えない悲しさ・やるせなさを感じてしまうかもしれません。そこで正確な情報とその心配を取り除くために、小児科医の先生にお話を伺ってきました。今回お話を伺ったのは、青森県六戸町で沼田医院の医院長で、小児科・内科医の沼田知明先生。先生は、長年にわたって乳幼児検診や町の学校保健会長をしておられます。乳児湿疹ができてしまう原因5つ産後1週目あたりから3ヶ月までに出ている肌のトラブルを総称して『乳児湿疹』と呼びます。アトピー性の皮膚炎や、蕁麻疹等もこれに含まれます。この乳児湿疹が出てしまう理由を聞いてみました。「赤ちゃんの肌は、大人の肌と違って敏感で弱いです。脂漏性や肌のバリアの機能が弱いなどの理由があります。」とのことでした。先生の話から原因は大きく分けて5つあることがわかりました。●アレルギー赤ちゃんの体や肌は非常に敏感です。卵や乳製品等の食物アレルギーはわかりやすいですが、それ以外にもベビーオイル、クリームに含まれる成分により、肌に赤みやポツポツと湿疹が現れたりとアレルギー反応が起きる可能性もあります。お子様のために事前の診断を受け、しっかりと身体に合った製品を届けてあげると良いですね。●ママのホルモンの影響で脂分が多く出てしまって毛穴を塞ぎやすくなっている生後1ヶ月までは、ママの助成ホルモンの影響を受け、皮脂の量が増えています。そのため、皮脂が毛穴をふさいでしまって、毛穴に汗や老廃物の分泌を妨げてしまっています。これにより、顔ににきびができてきたり、肌に赤みが出たり、小さな水ぶくれや、ブツブツと鱗のようなかさぶたができたりと湿疹が起きてしまいます。●肌に触れた物が合わない上に書いたように赤ちゃんの肌はとても敏感で刺激を受けやすいです。そのため、衣服や触れるものに含まれる化学薬品や、肌と服がこすれあうだけで、影響を受けてしまいます。よだれを拭いたりするタオルの肌触りや洗剤にも気をつけてあげましょう。例えば、おしりや腰の周りに湿疹が見られる場合だと、おむつかぶれが起きている場合があります。大人の肌には何気ないことでも、湿疹の原因となってしまっているものがあります。●汚れ・よだれなど外で泥だらけになったり、目に見えるような汚れは少ないものの、よだれや汗により赤ちゃんの肌には汚れている場合が多々あります。汚れが溜まってしまった場合、あせもができて、かゆみや肌トラブルにつながってしまう場合があります。頭皮や背中、耳の裏など汗の溜まりやすい部位に限らず、背中やお腹などの部位にもこまめにきれいにしてあげましょう。●皮膚のバリア機能が弱い大人の肌ですと、皮膚のバリア機能が一定の外部の刺激から守ってくれます。しかし、新生児期や乳児期はバリア機能が弱く、肌に悪いものも吸収してしまいます。そのためウイルスの感染等の危険もあり、湿疹の原因となってしまいます。●母乳は乳児湿疹に関係があるのか?先生から時に、母乳やミルクに原因があるのではないかと考える方がいると聞きました。赤ちゃんの体内に入っていく栄養ですし、ママとしても非常にきになるところです。「母乳やミルクが悪いのではないかと考える方がいるようですが、ほぼないと考えていいでしょう。持病などで薬を飲んでいる場合は、薬によって変わってきます。その際は、医師の判断を仰ぎましょう。」とのことでした。お母さんの体の状態によって、母乳が影響を受けてしまうことはあるので、妊娠時はもちろんですが、授乳時も食べ物や服用するお薬には十分に注意する必要がありそうです。発疹の対応と予防方法発疹が出てしまってからの対応と予防策について教えていただきました。大切なポイントは2つとのことでした。●清潔にする「発疹は、おでこ・頬・関節のあたりなどに出やすいです。ですから、清潔を保つことが一番大切です。赤ちゃん用の石鹸などを使って、しっかり泡立てて優しく、汚れや脂分などを洗ってあげましょう。清潔にしてあげることが大切なんです。洗うことで、ちょっとしたものであれば、たいがい良くなります。」●洗った後は速やかに保湿する洗うだけでは不十分なようで、「皮膚を乾燥から守っていかないといけません。赤ちゃんの肌は、バリア機能が弱いです。乾燥することで、水分も飛んでいってしまいます。洗った後は、皮膚のコンディションを整えるために保湿をしてあげましょう。入浴後は乾燥しやすいので、できるだけ早めに塗ってあげます。入浴後10分以内に保湿クリームやローションをした方が良いとされています。」とのことでした。乾燥がひどいお子さんの場合は、保湿クリームだけでは足りないことがあるそうです。その時の対処法も教えていただきました。「乾燥肌で、慢性的にひどい場合や湿疹が出やすい子の場合は、ワセリンを使うのがおすすめです。白色ワセリンと呼ばれているのが一般的で、よだれや汚れなどで起こりやすい皮膚トラブルからも守ってくれます。べたついたり子どもが舐めてしまったりという心配をする人もいるかと思いますが、万が一、口に入っても大丈夫です。」発疹が出ているからと、入浴を控えることは逆効果だとも教えてくださいました。お風呂に入れてあげて、お肌を綺麗に保ち続けてあげましょう。皮膚トラブルは、清潔にすることが一番大切だからだそうです。●ライター/パピマミ編集部
2019年05月28日生まれたばかりの赤ちゃんを、お風呂に入れるのってドキドキしますよね。ただでさえ赤ちゃんの扱いに慣れないなか、お風呂の温度やケアの仕方など、私も疑問ばかりでした。今回は、新生児期のお風呂で特に悩んだエピソードをお伝えします。 大人が思う以上に赤ちゃんは汗っかき!わが子が生まれたのは、季候のいい10月でした。暑さも和らぎ、過ごしやすい時期だったのですが、わが子の顔を見ると汗をかいています。赤ちゃんは汗っかきと聞いたことがありましたが本当なんだなと思いました。 そこで大切なのが赤ちゃんのお風呂。ただ、なんとか体は洗えても顔が難しい……。せっけんを使うと顔をうまく洗えなかったので、ガーゼで拭くだけにしていました。ところが、それがいけなかったのか、「乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)」を発症してしまったんです。 赤ちゃんの顔もせっけんで洗うことに!産院に相談したところ、やはり顔もせっけんで洗ったほうがいいとのこと。新生児期は新陳代謝が盛んなうえに、ママの女性ホルモンの影響が残っているといいます。そのため、生後3カ月ごろまでは皮脂分泌が盛んだと教わりました。ただ、赤ちゃんによく見られる症状なので過剰に心配する必要はないと聞き、安心しました。 その日から私はわが子の顔をせっけんで洗ったあと、しっかり洗い流すように心がけました。数日すると症状が緩和されていって、ひと安心。ケアの重要性を痛感したできごとでした。 健康な肌を守るために必ず保湿を顔をせっけんで洗うほかに、赤ちゃんの保湿をつい怠ってしまうこともありました。すると、肌はカサカサ、おしりには湿疹ができたことも。赤ちゃんのデリケートな肌を守るために、保湿は欠かせないことを実感しました。たびたび排泄する新生児期。特におしりは、お風呂に入ったあとに必ず保湿。日中もカサカサしている箇所を保湿してあげると肌トラブルが少なくなりました。 せっけんは無添加で刺激の少ないものを、お風呂の温度は38~39度くらいなど、赤ちゃんのお風呂で気を付けることってたくさん! 悩んでいる間に子どもはどんどん成長していきました。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月19日専門家・プロ:野﨑誠第4回風邪をひいたら湿疹が悪くなるってホント?さて、秋の湿疹のお話は最終回の4回目になりました。今回は風邪のお話です。もちろん、皮膚科では直接風邪の治療はしませんよ。でも皮膚科は風邪に振り回される所ではあるのです。今回はそんなお話をしていきます。風邪と湿疹の関係性風邪をひくと湿疹が悪くなる。そんなことを聞いたことはありますか?教科書や本を見てもそのような文章にはなかなかお目にかかれません。が、外来で患者さんをみているとそのように実感することが多々あります。とくに秋など変わりゆく季節には結構な頻度で見られます。風邪をひきやすい季節は、湿疹が悪くなりやすい季節?どうも両者には関係がありそうです。このように湿疹と風邪の間には、教科書に載っているような「証明された関係」はありません。「医者の直感としては関係があるよ、でもなぜかははっきりしないよ」という「なんとなくな関係」です。「なんとなくな関係」止まりではあるものの、両者が関係していることをにおわせる理由がいくつか考えられるのです。そのあたりから話を進めていきましょう。風邪という「炎症」が湿疹を悪くする?どこかに感染が起きたとき、そこは外からやってきた微生物たちとの戦いの場となります。その反応をまとめて「炎症」と呼びます。炎症が起きているとき、体はいろいろな化学物質を出して、微生物からの攻撃を押さえ、自分たちの体を守ろうとしています。けれども体を守るための化学物質が、湿疹を悪化させている可能性があります。そう考えられる理由はいくつかあります。のどの風邪や鼻の風邪をひいたときは、お腹の風邪をひいたときに比べて顔に湿疹ができるようにみえること予防接種(人為的に病原体を体に入れて抗体をつくるため、その過程で炎症が起こります)のあとには湿疹ができやすいこと予防接種のあとの湿疹と風邪をひいたあとの湿疹の形が似ていること。などです鼻水、よだれで湿疹が悪化する鼻風邪をひいたあとには鼻と口の間に湿疹ができることがよくあります。同様によだれのせいで口の周り、とくにあごにかけて湿疹ができることもよくあります。これは鼻水・よだれそのものの刺激に伴い皮膚が炎症を起こすためでしょう。もちろん、それらを洋服でこすったり、ティッシュでかんだりするという子どもたちの行為も皮膚への刺激になって、湿疹を悪化させる場合もあるでしょう。涙によって目の周りに湿疹ができることもあります。ひょっとすると鼻水、よだれ、涙の成分は外に排出されることで、皮膚に対して刺激の強いものに変化している可能性もあります。風邪をひくとスキンケアの量と質が変わってしまうから、湿疹が悪化する風邪に伴うスキンケア、とくにシャワーや入浴習慣の変化は湿疹を悪化させることになるでしょう。とくに熱を出したとき、日本人は入浴やシャワーの回数を減らします。すると、汗などの刺激物が皮膚に対して、より長時間接触することになり、結果として湿疹を悪化させることになってしまいます。熱が上がれば当然発汗の量が増えますので、皮膚科の立場で言えば、発熱があまり強くなくて本人に元気があれば短時間で良いので入浴したり、シャワーでざっと汗を流したりしてほしいところです。石鹸は使わなくてかまいません。保湿剤についても、熱を出している子に元気なときと同じ回数塗ることは難しいですから、湿疹悪化の一因といえそうです。ストレス・寝不足も湿疹を悪化させる最後に体調を悪化させるような生活の変化そのものも湿疹を悪化させるというお話をします。たとえば夜、よく眠れないだけでも湿疹がひどくなるというのは、大人のアトピー性皮膚炎では頻繁に起きる話です。大人の湿疹もこの季節に悪化することが多いのですが、これは気候の変化によるものだけではなく、お盆に休んで溜まった仕事をなんとかしようと無理をしてしまうのことも1つの原因です。子どもたちも同様に、風邪のためによく眠れない、ずっと体調が悪くてストレスをためてしまうというのも湿疹を悪化させる1つの原因となってしまうのでしょう。このように細かく考えると、風邪と湿疹との密接な関係が十分に考えられるのです。ではなぜ知られていないのか。それは証明が非常に難しいから。証明するためには風邪をひいた子どもたちを集めて、いろいろと調査し、条件を変えて研究をして・・・さすがに難しいですよね。難しいことはいろいろありますが、知っておくべきことは1つだけ。「風邪をひくと湿疹が悪化する可(・)能(・)性(・)が(・)あ(・)る(・)」――それさえ押さえておけば十分に対処できます。子どもが風邪をひいたときには湿疹が悪くなることを想定して、いつもよりもしっかりと薬や保湿剤を塗ってあげる、体調の良い時間を見計らってシャワーをしてあげる、こまめに体を拭いて洋服を替えてあげる。そんなちょっとしたケアで湿疹をしっかりと抑えてあげることができるのです。子どもが風邪をひいたとき、このお話をぜひ思い出してくださいね。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年10月23日■子どもが生まれて主婦湿疹(手湿疹)がひどく…もともと手荒れする体質でしたが、子どもが生まれて水仕事がグッと増えたら…このありさまです。ハンドクリームは使っていましたが、それじゃケアしきれなかったらしく湿疹(しっしん)がかゆくてかゆくて…特に夜はかゆくて寝られない!!市販の湿疹薬を使ってましたが効き目が薄く…病院にかけこみました。■主婦湿疹(手湿疹)対策、続けてみると…先生いわく、私の皮膚は乾燥しやすいらしく「保湿を! とにかく保湿を!! 」といわれました。薬でかゆみや皮膚を修復しても保湿しないとまたぶり返す…といわれたのでモノグサな私でしたが先生のいった通りにやってみたら、きれ~~~~に治りました!レジでお金を受け渡すとき、あまりの荒れ様で手を見せるのがイヤだった日々ともサヨナラです。保湿大事って身にしみました。私はこの方法で治りましたが個人差ありますので、もし疑問などありましたら最寄りの皮膚科にご相談くださいね。【お知らせ】第14話 「『食べない』問題は解決したけれど…離乳食の“後ろめたさ”に悩む日々」 の記事下アンケート「Q1.離乳食期に市販のベビーフードをあげることに抵抗がありましたか?」のアンケート結果はこちら↓≫ 離乳食、ベビーフードばかりに抵抗がある…罪悪感からママを救うには =========================================本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。=========================================
2018年10月05日専門家・プロ:野﨑誠第1回夏の戻りが湿疹を呼ぶ楽しかった夏休みも終わり、秋がやってきました。しかし、今年の夏は少し変でしたね。梅雨はあっという間に終わり、その直後から熱波が襲来。8月には毎週のように台風がやってくるという慌ただしい夏休みでした。そして待ちに待った秋があっという間にやってきた印象がありますね。道端の朝顔が今頃になって咲いているのを見るとなんともはや。過ごしやすく活動的になる秋ですが、一般に湿疹が悪化する傾向があるとされています。実際に外来でも湿疹が悪くなって受診される患者さんが結構いるのも事実です。一体なぜでしょうか。今回はそのお話を数回に分けてしていきたいと思います。1回目は夏の戻りについての話です。夏が戻ってきた?要注意だ!三寒四温というように、日々の温度の変化が大きいのも秋の季節の特徴です。まず気をつけたいのが、しばらく涼しかったのがある日突然暑くなる、いわゆる夏の戻りです。もう少し先の季節だと小春日和のときも同じことがいえるでしょう。そのあとに湿疹が悪化する子が非常に多くなります。どちらかというと男の子が多いような気がします。なぜでしょう。原因は・・・汗?その原因は汗です。涼しくなって徐々に厚着をしていく途中にやってきた暑い日。そのときに前の日と同じような格好で外に出たら、当然汗をかきますよね。その汗が原因となり湿疹を作ることが十分に予想されるのです。そうです、夏のあせもや汗かぶれの再来です。そのまわりを引っ掻いているうちに、だんだん湿疹の範囲が広がってしまう。そして湿疹の季節の冬に突入というパターンが秋に多く見られる特徴です。そう考えると、男の子に多く発生するのもうなずけます。だって彼ら、どんなに暑くっても洋服をぬがないんですもの。横着というかなんというか・・・そういう女の子もときには見かけますが。だからシャワーは必要なんだ対策はどのようにすればよいのでしょうか。最も良い対策方法はしっかりとシャワーを浴びることです。学校帰り、外出帰りにはしっかりと浴びたいところですし、できれば朝にもしっかりと浴びたいです。学校が始まってなんとなく朝のシャワーの習慣がなくなった。その後、湿疹が悪くなったということはありませんか?夏の湿疹の、しっかり洗う、しっかり流すという原則はこの時期も有効です。できれば最高気温が20度を下回るくらいまではしっかりと流してあげたいところですね。湿疹の治療もお早めにそんなわけで冬になる前から湿疹を作ってしまう子が増えてくるのがこの季節です。予防はスキンケア・シャワーで汗や汚れを上手に落とせばなんとかなりますが、痒みが出てしまうともうそれだけでは抑えることはできません。早めに薬を使って湿疹を抑えていきたいところですね。子どもがひっかく動作をするようだったら皮膚科・小児科の受診を考えたいです。今回は秋の最初のお話ということで夏の残り香について話を進めていきました。次は冬の先触れをテーマにお話をすることにしましょう。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月27日現在日本では製造や販売はされてない乳児用液体ミルク。震災のとき、救援物資としてフィンランドから届けられたことで、その必要性が注目されました。多くのママたちの声を受け、厚生労働省が初めての衛生基準の案をまとめ、普及に向けて一歩を踏み出しました。Q.乳児用液体ミルク、あったらいいなと思う状況は?1.災害時の備蓄 52.4%2.外出するとき 16.5%3.保護者が体調不良などのとき 8.4%4.保護者が多忙で時間がないとき 1.8%5.夜中の授乳時 6.1%6.粉ミルクの調乳になれない人がミルクを与えるとき 3.3%7.普段から粉ミルクの代用として 3.3%8.母乳の出が悪くなったときの備え 1.5%9.飲酒をしたとき 0.4%10.液体ミルクを使う必要はない 4.6%11.その他 1.6%もっとも多いのはやはり災害時の備蓄としてというものでした。保存期間も長く、調乳する手間もないため普段外出するときに利用したいという意見もありました。販売されれば多くのママたちが利用するのではないでしょうか。■いざというときのために備えておきたい!災害時に粉ミルクが使えない理由として、粉ミルクを溶かすお湯は一度沸騰させた70℃以上のものとされているからです。水も十分になく、電気やガスが使えない状態ではなかなか難しいですよね。液体ミルクならすぐに赤ちゃんにあげることができます。「災害のときに使えそうですね。でも、赤ちゃんの味覚はデリケートなので、普段から慣らしておかないといざというとき飲んでくれないかもしれないですね」(滋賀県 30代女性)「我が子が授乳中のときには、防災バッグに粉ミルク・水・簡易的な哺乳瓶・水を温める加熱パック・授乳ケープなど大量に用意していました。賞味期限が1年弱だったとしても、あれば便利です。災害時はストレスで母乳も出なくなるかもしれないし」(神奈川県 30代女性)「被災地に住んでいます。妊娠中に震災があったのですが、産まれてからだったら本当に大変だったと思います。母乳が止まってしまうお母さんもいたし、電気やガスもストップして、粉ミルクがあっても作れない人も多かったです」(宮城県 40代女性)「災害時ライフラインがなくなったときには助かると思います」(愛知県 40代女性)「災害の備蓄として、あったらいいなと思います。いつどこで起こるかわからない今だからこそ、必要だと思います」(愛媛県 40代女性)「災害時に絶対必要だと思う。母乳が出ているお母さんも出なくなるかもしれないし、水の確保も難しいと思うので」(東京都 40代女性)■普段の育児の手助けとしても活躍しそう夜中の授乳やパパにお留守番を頼むとき、車で帰省するときなどにも液体ミルクは活躍しそうという声もありました。海外では普通に売られているだけに、日本でも望む声があるのは当たり前かもしれません。「夜中のミルクは下準備をして寝ても、毎日となると大変でした。また、出先や外泊のときを考えたら、役に立つのは一目瞭然ですよ」(栃木県 40代男性)「持病があり、子どもたちは粉ミルクで育てました。日常生活では不便を感じたことはありませんが、長時間の外出では、熱湯を入れた水筒、煮沸消毒した市販の水、粉ミルクを持ち歩き荷物が大量で大変でした。もっと早く解禁してほしかったです」(千葉県 40代女性)「3人育てましたが、夜中の授乳がなくなりようやく眠れるようになったのは10年目。愛情とは関係なく、負担軽減として使うのはありだと思います」(神奈川県 40代女性)「夜中にお湯で粉ミルクを溶かしたり、覚ましたり、その間も子どもが泣くとあたふたしちゃうから、便利だと思います」(千葉県 40代女性)「もちろん災害時にも必須ですが、普段使いにも便利そう。必要になるかどうかわからないくらいの抱っこひもでのお出かけに、身軽に持ち歩けるのはとても助かります」(東京都 40代女性)■すでに使ったことがある人も海外生活で液体ミルクを使ったことがあるという人が、その便利さを教えてくれました。日本で子育てするママにとってはうらやましい限りです。「海外生活で大活躍しました。非常に便利です。我が子は常温でも飲んでくれました。こればかりをあげ続けるわけではないので、味覚の発達とかも気になりませんでした。離乳食が始まったら、いろんな味を覚えられるし。普及したら利用する方はたくさんいらっしゃる気がします」(東京都 30代女性)Q.乳児用液体ミルク、あったらいいなと思う状況は?アンケート回答数:4865件(2018年3月28日時点) ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月06日アレルギーにより湿疹が引き起こされる場合、どのようなメカニズムで発症するのかを理解しておくと、いざというときに対処ができます。ここでは、湿疹とアレルギーについて見てみましょう。アレルギーによる湿疹とは湿疹を発症させるアレルギーには以下のものがあります。食物アレルギーアレルギーによる湿疹でよく見られるのが、食物アレルギーです。アレルゲンとされる特定の食べ物で、湿疹が発症されるとされています。アレルゲンとなる可能性がある食べ物は非常に数が多いので、どれが自分にとってアレルゲンになるのか問うのがわからないことが多いです。また、食物アレルギーの場合は、皮膚症状として湿疹だけにとどまらないことも多く、じんましんや血管性浮腫、発赤などの症状がでたり、目やのど、呼吸器系などの異常が引き起こされたりすることがあります。接触アレルギー接触アレルギーの場合は、主に皮膚に現れるアレルギーとして知られています。皮膚にアレルゲンが接触することによって、皮膚に湿疹などの異常が引き起こされることがあります。軽い接触アレルギーの場合、触れた部分だけに異常が起こりますが、アレルギーの反応によっては、接触した部分以外にも症状が進行してしまうこともあるため注意が必要です。アレルギーによる湿疹のメカニズムアレルギーが引き起こされるメカニズムについて解説します。防御反応人の身体は、外部からの異物に対しての防御機構を有しています。異物が体内に侵入すると、血液中の白血球などの細胞がその異物を除去しようと活動を始めます。このため、なにか異物がはいりこんだとしても、すぐに異常をきたすというわけではありません。そして、一度異物を排除すると、その異物に対して記憶しており、次回侵入したときには、最初の侵入に比べてより早く対処できるようになっています。これを免疫と呼びます。アレルギーというのは、この免疫反応に異常が起こったときに引き起こされるといわれています。抗体が過剰に反応するアレルギーは、異物に対して必要以上に反応を起こしてしまうことが原因で引き起こされるようです。アレルギーの原因であるアレルゲンが体内に入ると、特異的IgEを経由してアレルギー反応が引き起こされます。さらに、アナフィラキシーショック症状が引き起こされた場合は、一度症状が現れなくなった後に、再び発症するといわれています。アレルギー反応はあくまでも、異物が入ったときだけに反応するので、アレルゲンを体内に取り込んだり、皮膚に触れたりしない限りは、アレルギー症状は発症しないとされています。アレルギーによる湿疹の治療アレルギーによる湿疹の治療法を見ていきましょう。アレルゲンを特定するアレルギーに対する治療を行っていくためには、アレルギーを引き起こしているアレルゲンを特定する必要があります。アレルゲンを特定するためには、血液検査によって血中の特異的IgE抗体がどれくらいあるのかを調べるという方法が行われます。そのほかの方法としては、実際に食べ物で検査を行う食物検査や、皮膚にアレルゲンの可能性のある物質を付着させるパッチテストなどによって、アレルゲンを見極めていきます。ただし、これらの検査は、あくまでもアレルゲンを探す検査です。見極めたアレルゲンが、必ず湿疹の原因だという事は決めつけることができません。アレルゲンを同定してからさらに検査をしていくことで原因を特定できるとされています。できるだけアレルゲンを避けるアレルギーを根本的に治療するのは非常に難しいことです。そのため、対症療法がメインの治療となります。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを投与して、アレルギーによる症状を緩和させていく薬物療法を行っていくことが多いです。そして、症状が緩和された後は、できるかぎりアレルゲンを摂取したり、触れないように予防したりしていくことが重要だとされています。日ごろから気をつけたいこと検査や治療によって、自身の湿疹の原因となっているアレルゲンが同定されているのであれば、そのアレルゲンからできるだけ避けて生活していくことによって、症状を予防することができます。たとえば、軽度の食物アレルギーであり、それが普段から食べたり飲んだりしているものであれば、徐々に摂取量を減らしていって、症状が出ない摂取量を見極めることも必要かもしれません。また、生活や仕事に支障をきたすレベルであるのであれば、アレルギーの出ないような生活、および仕事に変えていく必要があります。家族や職場での理解が必要になるため、しっかりと相談をしてよい方法を探していくようにしましょう。監修:大利昌久
2017年10月24日皮膚の表面が刺激を受けると、「湿疹」とよばれるできものが現れます。形状は、赤い斑点状であったり、ポツポツしたものだったりとさまざまです。原因として、金属や食物アレルギー、免疫機能の低下、ストレスなどがあげられますが、ここでは、ストレスが原因となっている湿疹に注目して見てみましょう。湿疹とストレスの関係皮膚の表面にさまざまな刺激が加わると湿疹ができるとされます。花粉や金属に対するアレルギーがある人の場合、そうしたものに触れるとアレルギー反応として湿疹が現れますが、汗や衣服と皮膚の摩擦も湿疹を引き起こす刺激になることがあります。特に、アレルギー体質でもないのに急に湿疹が現れた場合、皮膚が本来持っているバリア機能が低下している可能性があります。ストレスがその原因となっていることがあるため注意が必要です。強い不安や緊張といったストレスが脳に伝わると、脳はストレスを和らげようとして「ストレスホルモン」を分泌するよう指令を出すと考えられています。ストレスホルモンの一種であるコルチゾールは、血糖値を上昇させ、脳の働きをよくする働きがあるといわれています。しかし、つねにストレスがかかっている状態が続くと、ストレスホルモンが過剰に分泌されます。実は、コルチゾールには、免疫力を低下する働きもあり、分泌量が増えると身体にとってマイナスとなってしまうのです。コルチゾールが作られるときにはビタミンCが使われます。皮膚をつくる組織のコラーゲンには、ビタミンCが欠かせないため、コルチゾールの過剰な分泌はコラーゲンの生成にも影響を与えるとされます。さらに、コルチゾールは男性ホルモンの分泌を促して皮脂を出やすくしたり、成長ホルモンの分泌を抑制して、皮膚をはじめとする身体のさまざまな組織の再生を阻害したりします。つまり、コルチゾールが過剰に分泌されると皮膚の状態が悪化する可能性があるのです。本来は、血糖値を上げ、脳の働きを活性化させる働きを担うコルチゾールですが、大きなストレスが原因となり、皮膚のコンディションを乱す方向に働いてしまうことがあります。弱っている皮膚に刺激が加わることで、湿疹が現れます。また、ストレスによるホルモンバランスの乱れにより、過剰に分泌されるホルモンとしてヒスタミンがあげられます。このホルモンも皮膚に大きく影響を及ぼします。皮膚が刺激を受けると、肥満細胞からヒスタミンが分泌されて知覚神経に働きかけ、「かゆみ」というかたちで皮膚の刺激が脳に伝えられます。一方、知覚神経の末端からは神経ペプチドという神経伝達物質が放出され、神経ペプチドが肥満細胞を刺激します。肥満細胞は、ヒスタミンをさらに分泌してかゆさを増幅させ、「かゆさを感じてかきむしると、さらにかゆくなる」という悪循環に陥ってしまいます。アトピー性皮膚炎とストレスの関係と症状化粧品や衣類、金属など皮膚に接触したものが原因で現れる接触性湿疹、皮脂の分泌が進み皮膚を刺激することで起きる脂漏性湿疹、首やひじ、ひざなどにでき、かゆみをともなうアトピー性皮膚炎など、湿疹にはいくつかタイプがあります。なかでも、アトピー性皮膚炎は原因のひとつにストレスがあげられます。ここでは、アトピー性皮膚炎とストレスについて解説します。アトピー性皮膚炎は、顔や首、手足の関節などにかゆみをともなった赤い湿疹が現れる皮膚疾患です。湿疹ができると、かゆさから引っ掻き、また湿疹ができるということをくりかえして、慢性化すると皮膚が硬くなってしまいます。原因がアレルギーである場合と、そうでない場合があり、非アレルギーの原因にストレスも含まれます。ストレスは、皮膚のコンディションを悪化させて刺激への反応を敏感にするとされています。薬によって皮膚の機能を回復させる治療と並行し、ストレスを溜めない生活を送る工夫をすることも大切です。湿疹に強い皮膚を作るためのストレス解消法心身ともに健康でいるために、ストレスを溜めないことはとても重要なことです。また、皮膚のコンディションを整えるうえでも、ストレスの解消は有効と考えられています。気分や体調に合わせて取り組めるストレス発散法をいくつか持っておくといいでしょう。ストレスを解消したいと思ったときに参考になる解消法をご紹介します。運動ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。軽く汗をかく程度の運動を習慣づけましょう。人との交流友人や家族と食事をしたり、お酒を飲んだりして、楽しい時間を持つのもよいでしょう。話をすることでストレス発散の効果が期待できるでしょう。休息ぐっすり眠り、休養を取って疲れをとるほか、ヨガをしたり自然の中でリラックスしたりするのもよいでしょう。気持ちの切り替え今の環境から離れることで、気持ちを切り替えることも大切です。旅行はもちろん、部屋の模様替えをすることも気分を一新することにつながるでしょう。娯楽テレビや映画、カラオケに行くなど、自分自身が楽しいと思えることを、思う存分に満喫するのもおすすめです。創作楽器を演奏する、絵を描くなど創造的な作業に没頭することもストレス解消につながるでしょう。監修:田中奏多
2017年09月15日乳児(赤ちゃん)の肌はデリケートで、それに向けたスキンケアが必要です。乳児の肌の構造とそのスキンケアの方法を解説していきます。乳児の肌はデリケート乳児の肌は大人の肌と違って未発達のためデリケートです。紫外線など外からの刺激に対するバリア機能が不十分で、大人より皮膚疾患が現れやすいと考えられます。乳児にみられる皮膚疾患は数多くあり、また、乳児特有の疾患もあります。その皮膚疾患とは、乳児脂漏性湿疹、おむつ皮膚炎、アタマジラミ症などがあげられます。皮膚のバリア機能の低下によって、ウイルスや細菌などによる感染の確率が極めて高いとされています。感染症では、とびひや水イボなどです。全身に現れる疾患では、はしかや風疹、水痘などがあげられます。デリケートな分、さまざまな皮膚病が起きやすく、感染の可能性が高いとされています。これらの症状がみられたり、兆候が現れたりした場合は、小児科または皮膚科を受診することをおすすめします。アタマジラミ症について皮膚疾患のひとつであるアタマジラミ症は、文字どおり頭皮に疾患がある症状です。実はシラミとは昆虫の一種で、頭髪に寄生して頭皮から吸血します。それにともなって、頭皮にかゆみなどが現れると考えられます。毛に産卵することによって、シラミは繁殖します。シラミそのものは小さな昆虫ですが、肉眼でみられないことはありません。目の細かいくしなどで、卵とともに取り除くことが可能です。駆除の方法についてですが、まずは毎日しっかりと洗髪をしましょう。成虫や幼虫を洗い流すことが可能とされています。また、目の細かいくしで髪をとかすことも有効と考えられています。頭皮が触れる枕カバーやシーツ、帽子なども使用後は毎回洗濯することも大切です。感染拡大の予防に効果があるとされています。アタマジラミ症は感染症のひとつで、上にも触れましたが子供に多くみられ、集団感染が起きることがあります。乳児の肌の構造まずは皮膚の構造について説明いたします。皮膚は三層に分かれています。上から順に、表皮、真皮、そして皮下組織です。表皮は外部からの刺激を抑えるバリア機能としての働きを持ち、真皮の役割は表皮を下から支えてサポートする働きを持つとされています。乳児の場合も肌の構造自体は成人と変わりませんが、成人と比べて皮膚がやや薄くなっています。真皮についても、それに含まれるエラスチンとコラーゲンも未発達で、その強度と弾力性は成人に劣るとされています。表皮にある皮脂腺の分泌は新生児からすでに始まっているうえに活発になっています。生後3か月くらいになると分泌はほとんど停止し、皮脂腺そのものも縮小しますが、思春期に成長したら皮脂腺が再び活発になり、皮脂腺そのものが大きくなります。乳児の肌の表面実は乳児や小児の皮膚にみられる特徴があります。それは「乾燥しやすい」という特徴です。乾燥しやすい肌を乾燥肌(ドライスキン)といいます。乾燥肌とは、皮脂の分泌量が低下し、角質細胞間脂質や天然保湿因子などによって減少し、それにともなって角質層の水分量が低下している状態です。乾燥肌の特徴として、皮膚のカサカサ、柔軟性の低下、硬くもろいなどがみられます。通常、人間の皮膚は皮脂と角質細胞間脂質と天然保湿因子によって保湿し、角質内の水分が逃げないようにしています。上にも解説したように、生後3か月くらいになると皮脂の分泌は減少します。また、乳児の肌は保湿機能も未発達のため、水分量も少なくなっています。その結果、乾燥肌になりやすいと考えられます。乳児のスキンケアについて乳児の肌はデリケートだけでなく、乾燥肌になりやすいので、それに向けたスキンケアが求められます。スキンケアの基本は、洗浄と保湿、紫外線対策を心がけることです。洗浄洗浄は皮膚の清潔を常に保つことです。シャワーだと手軽に洗えますが、1日1回は湯船に浸かって入浴しましょう。乳児向けのベビーシャンプーとベビーソープを使って、素手で洗うのが望ましいです。泡立てた状態で洗うのがコツです。保湿保湿剤は基本、油性成分と吸水性・吸湿性の2つを持っています。油性には、ベビーオイルやワセリン、オリーブ油などがあげられる一方、吸水性・吸湿性にはベビーローションなどがあります。入浴後だと角質に対する浸透力が高くなっているので、そのタイミングでの使用をおすすめします。単に塗るのでなく、ムラなくスピーディーに、ハンドマッサージを行いながら塗るとよいでしょう。紫外線対策外出するときは、乳児用の日焼け止めクリームを使うことをおすすめします。ベビーカーはなるべく屋根付きのタイプを使用しましょう。屋根付きだと日除けになるからです。薄い生地の長袖服や帽子の着用も、紫外線対策には有効と考えられています。特に、4〜9月の時期の日中(10時〜14時頃)は日差しが強くなって紫外線が多くなっています。この時間帯での外出は控えたほうがいいでしょう。長時間、日に当たらないことも重要で、日焼けという域を飛び越えて、やけどにまで発展する可能性があるからです。監修:神林由香
2017年04月30日先日、1歳未満の乳児が定期的にハチミツを摂取したことによる死亡事故が報道されました。乳児ボツリヌス症の発症は36例目で、死亡事例は今回が初めてとのことです。このような悲しい事故を起こさないためにも、改めて乳児にとって危険もしくは注意する食材を確認しましょう。乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性のある食品今回の事故に至った原因は、ハチミツに含まれているボツリヌス菌により「乳児ボツリヌス症」を発症したためと言われています。ボツリヌス菌は自然界に広く存在しており、腸内で繁殖すると嘔吐や呼吸困難などを引き起こすことがあります。大人は腸内細菌の働きで繁殖を抑えられますが、1歳未満だと働きが弱く菌の繁殖によって発症する危険があります。ボツリヌス菌の可能性がある食材はハチミツだけではありません。コーンシロップや缶詰、野菜スープ、井戸水なども危険がありますので、1歳未満の乳児には与えないようにしましょう。食中毒やアレルギーを起こしやすい食材食中毒やアレルギーを起こす可能性がある食材について知っておきましょう。アレルギーで特に気を付けたいのは、小麦、そば、卵、牛乳、落花生です。他にも健康被害などが報告されているものとしては、あわび、いか、いくら、えび、かに、さけ、さば、牛肉、鶏肉、豚肉、大豆、やまいも、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、バナナ、くるみ、まつたけ、ゼラチンなどがあります(厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」より)。食中毒を起こしやすい食材は、生魚やお刺身、レバー、アサリ・ハマグリなどの二枚貝などです。白身魚は生後半年から、青魚や赤身魚は1歳以降与えることができます。新鮮なものをしっかり加熱してから与えましょう。直接与えていなくても、食器やふきん、手などから雑菌が移る可能性もあります。乳児が触れるものや使用するものは除菌や煮沸をしましょう。こういった食材に限らず、初めて与える時には注意が必要です。「1日に1種類ずつ・少量ずつ・症状が出てもすぐ受診できる日の午前中に」が鉄則です。過度に身構える必要はありませんが、少しずつ与えて注意深く様子を観察するとよいですね。ネットの情報を鵜呑みにしない、正しい情報を得るハチミツには「1歳未満の乳児には与えないでください」と記載されているものが多いですが、表示義務はないとのことです(ハチミツ製造業界「日本養蜂協会」では今後表示を徹底していくとの方針)。インターネットのレシピ紹介サイトでは、誰でも投稿ができることから離乳食の作り方にハチミツを使っている例もあります。インターネットには無数の情報があり、残念ながら全てが正しい情報とは限りません。間違った情報も多くあります。何でも便利に調べることができる時代ですが、その中から正しい情報を選んで取得することはどんどん難しくなっているのかもしれません。国や消費者センターなどでは正しい情報が随時発信されていますので定期的に確認するとよいですね。今は乳児がいない方でも、心に留めることで今後乳児を育てる際の参考になると思います。毎日の食事であるからこそ、正しい情報を持って安全に楽しんでいきたいですね。
2017年04月27日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。先日、乳児がハチミツを摂取したことで死亡するという痛ましい事件がありました。この事件は記憶に新しいと思います。乳児の母親は「ハチミツを食べさせてはいけないことを知らなかった」という話ですから、乳児を子育て中のママはもちろん、 これから出産して子どもを持つ方にも、乳児に食べさせてはいけない食品について、ぜひとも知っておいていただきたいと思います。そこで今回、青森県にある『沼田医院』の医院長である小児科・内科医の沼田知明先生にお話を伺ってきました。沼田先生は、長年にわたって乳幼児検診に携わっておられる先生です。沼田先生のお話と共に、乳児の食事について詳しく見ていきましょう。●離乳食に注意をしなくてはいけない理由生後5か月ごろから始まる離乳食。スープ状のものからスタートし、すりつぶし、少しずつの固形と状態を変化させながら、慎重に進めていきます。なぜ離乳食は形状に注意しなくてはいけないのでしょうか。沼田先生は、このように話されています。『乳児は、大きく分けて2つの機能が大人と違います。それが、「機能の未発達さ 」と「免疫力の低さ 」という点です。「機能の未発達さ」は、消化器官もそうですが、飲み込むという部分も未発達なために、“喉につまる”ということが起きるわけです。「免疫力の低さ」の面では、今回のボツリヌス菌もそうですが、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎などに感染することも怖いですから』「機能の未発達さ」と「免疫力の低さ」という2つは、乳児と大人では違うのだということをしっかり理解しておかなければいけませんね。●感染性胃腸炎はワクチンで防げる!乳児は、感染性胃腸炎にかかると本当にかわいそうな状態で苦しみます。それを防ぐことができるワクチンがあるとのことを教えていただきました。『ロタウイルス胃腸炎は、ワクチンを接種することで防ぐことができます。予防接種は、生後2か月から接種が可能 です。お金がかかりますが、自治体によっては補助をしてくれるところがあります』親は大変かもしれませんが、子どもの命のことを考えたら、ワクチン接種は大切だと感じました。●乳児に食べさせてはいけない食品とは?一昔前であれば、親から子へと伝わったものですが、核家族化が進み、情報が伝わっていないということも大いに考えられます。絶対に知っておいて欲しい「乳児に食べさせてはいけない食品」を沼田先生に伺いました。【乳児に食べさせてはいけない食品】・生食の魚介類や肉類(生の物には雑菌がついている)・ハチミツ(ボツリヌス菌が含まれていることがある)・塩分や油分が強いもの(味が濃いのは胃腸に良くない)・水道水(塩素が多く、雑菌が含まれていることがある:白湯はOK)・えびやカニなどの甲殻類(アレルギー反応を起こすことがある)・豆やナッツ類(喉に詰まってしまうことが考えられるのとアレルギー反応も)・自家製の生野菜ジュースなど(野菜に雑菌がついていることがある)『その他に、今はあまりないかもしれないが、井戸水もボツリヌス菌が含まれていることがあるのでよくありません』とのことです。上記の食品類は、どれも「機能の未発達さ」と「免疫力の低さ」という2つの部分が大きく関わってきています。だから注意が必要なのです。●アレルギーの心配はどう対処すればいい?アレルギーの心配はありますよね。食べさせて良いものかどうかで迷います。対処の仕方も沼田先生に教えていただきました。『乳児湿疹などの湿疹が治りにくいお子さんや、アトピーっぽい症状が見られるお子さんは、離乳食を始める前に、大きな病院でおこなっている血液検査を受ける ことです。それ以外のお子さんは、少しずつ食べさせて様子を見るようにするといいです』大きな病院の小児科では、アレルギーを調べる血液検査をやってくれるそうです。血液検査をおこなえば、小麦や卵など、何にアレルギー反応が出るかがわかるので食べさせてはいけないものがハッキリとわかります。【アレルギーの出やすい食材】・小麦・甲殻類(えび・カニなど)・頭足類(いか・たこなど)・ピーナッツ・そば・キウイフルーツ・桃・パイナップル・りんご(希に反応する人がいるとのこと)・ゼラチン・生卵(白身の部分が特に良くない)果物でもアレルギーを持っている人がいるという話でした。最初は少しずつ様子を見ながら与えるようにするべきだということがよくわかります。●情報を得るために離乳食に関する情報などは、乳幼児検診で正しい情報を得ることができます 。栄養士や保健師が、実際の離乳食の状態を見せてくれたり、相談に乗ってくれたりしますので、参加することがとても大切です。乳幼児検診は、身長や体重を計るだけではなく、たくさんの有益な情報を得ることのできる場です。ぜひ参加して話を聞いてきましょう。●おわりにわが子を守ることができるのは、親しかいません!ですから、親は自分の子を守るための知識を持っておく必要があります。特に食に関する知識は大切です。離乳食は、食べることの始めの段階です。大事にしてあげたいものです。そのための知識はしっかり身につけましょう。【取材協力・監修/沼田医院・医院長:沼田知明先生(小児科・内科医)】・沼田医院ホームページ●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/杉村智子(まさとくん)
2017年04月26日さむ〜い冬は、まだまだ続きます。乾燥も特に目立つようになり、ママ自身はもとより、赤ちゃんのお肌のケア方法も気になるところ。そこで、よくある新生児期の肌トラブルとそのケアについて、経験談を交えてご紹介します。赤ちゃんの肌に突然赤いポチポチ……それって乳児脂漏性湿疹かも?新生児がよくかかる、皮膚のトラブル「乳児脂漏性湿疹」。我が家の9月生まれの娘も、生後1~6ヵ月にわたって発症しました。生まれたときはつるっと丸っとかわいい赤ちゃんのやわ肌。それが突然湿疹に覆われて、その範囲はどんどん広がって、産毛のようなポヤポヤの髪しかない頭皮にまで。毎日の沐浴が悪かったのか、石鹸が合わないのか、それとも何かの疾患か……インターネットで検索してはハラハラドキドキしていました。生後1ヵ月の母子健診で診察してもらうと、それは「乳児脂漏性湿疹」とのこと。これは、生後間もない赤ちゃんによくある症状で、皮脂コントロールがうまくできなくて起こるものなのだそうです。しっかりとした洗浄とクリーンなタオル、そして保湿!我が子の場合、チューブに入った軟膏と液体軟膏をその健診後に処方してもらい、そのおかげで症状が悪化することはありませんでした。が、耳の付け根の裏側がジュクジュクしだしたりと、なかなかその後も綺麗さっぱりなくなることはなく、3ヵ月になって四種混合の接種で小児科へ。その際、医師に言われたのが「しっかり石鹸で洗う」「拭くときは清潔なタオルで」「保湿で蓋をする」の3点でした。体を洗うときには、泡で出るタイプのものより、固形石鹸をふんわりと泡立てたもののほうが洗浄力が高い、と教わりました。泡立てネットなどでしっかり泡立てて、指の腹でなでるように洗うと良いそう。また、お風呂からあがったら、清潔なタオルで体を拭く。汚れと皮脂がきれいさっぱり洗い落ちた状態のところに、うっかり患部からバイ菌が入ったら大変!お洗濯日和が続く時期はいいですが、悪天候が続いて室内干しにする際には雑菌が増えないようにするなど、クリーンなタオルを心がけましょう。やっぱり大事なのは、保湿!そして、保湿。皮膚から水分が過剰に逃げるのを防ぎ、外からの刺激からお肌を守ってくれます。娘のときは病院でプロペトユベラ軟膏を処方されましたが、切れたら市販のワセリンでもいい、とも言われました。ただ、軟膏は洋服にくっつきやすいので、ティッシュを1枚のせてあげるとベター。ちなみに、よく処方される保湿薬「ヒルドイドソフト」は、美容ママの間ではママにも美肌効果絶大という話も聞きます。処方してもらったら、ママもちょこっと試してみては。そんな指導があったおかげで、6ヵ月を過ぎた頃にはようやく耳のジュクジュクも落ち着き、お肌の湿疹もすーっと消えていきました。実に6ヵ月にわたった乳児性湿疹との長い戦いも、ついに終止符が打たれたのでした。意外な盲点、おしりふき…!基本的には、大人より皮脂の分泌量が多い赤ちゃんの肌には、特別にクリーム等の保湿を施す必要はありません。その一方、実はママのほうがトラブルを起こしやすくなっています。しかも特定の部位が。――そう、「指」です。1日何回もするおむつ替えやオムツの汚れのお洗濯で、ただでさえ乾燥した空気のところに、水分の揮発が加速して、ガサガサになりやすいのです。特に、おしりふきウォーマーを使っている方は、要注意。カサカサの指先で赤ちゃんに触れるのは、なんだか赤ちゃんも痛そう……。おむつ替えの直後には、こまめにハンドクリームを塗ったり、馬油を指になじませるなどして対策を。さらに、お気に入りのオイルでベビーマッサージを楽しめば、子どもとのスキンシップを図りつつ、赤ちゃんの発達を促せて、さらにママの指先のケアもできたりの一石三鳥です!うるおいたっぷりでニコニコの冬を♡記事を書くにあたって、娘の新生児期の写真を見返してみたのですが、湿疹がひどかった頃の写真が明らかに少なく、無意識にも控えていたのかなぁ〜と今となっては思います。親子共々、しっとり潤い肌でいれば、自然とスキンシップやその思い出がきっと増えるはず。笑顔いっぱいの楽しい冬を、健やかにお過ごしくださいね。
2017年01月18日小学校受験のための「お受験」が幼児の受験すべてではありません。実はお受験が乳児期から始まっているという事実が、最近の専門家分析であるそうです。乳児期からの受験勉強って? いったい何を見るの? というママへ、英才教育への将来展望を踏まえて情報をお伝えします。■乳幼児の脳トレーニングは、有名幼稚園受験にも対応できる?京都大学名誉教授の久保田競さんの著書『赤ちゃんの脳を育む本』でも、赤ちゃんの頃から脳に刺激を与えることは、脳の発達=お受験脳に役立つとされています。乳幼児期に脳のトレーニングをしていくと、お受験体制に入りやすくなるというわけです。また、『赤ちゃんの頭がよくなる育てかた』(主婦と生活社)の著者であり東京大学を卒業した櫻井正孝氏も、まず0歳から3歳時は脳を活発にするトレーニング、知能のトレーニングが大切ということで、ご自身も幼児教育のトレーニング所を開設しています。(参考)東京知育研究所 同書によれば、五感活用の「親子あそび」をすることで、乳幼児の才能がグングン伸び、丈夫に育つという理論が展開されています。このころは知識を養うというトレーニングよりも、五感を活用することに尽力すると、その後の幼児期に形成される脳が受験にも役立つということになります。 ■日常生活の中で、「考える力」の準備を乳幼児に養いたいのは、思考力・推理力・想像力・集中力・発見力です。好奇心をどんどん養って、脳を活発にする、右脳を使うなどのトレーニングで子どもはグングン発達していきます。速読の先生にインタビューをしたときに、「利き手ではないほうで字を書く練習をする、歯磨きをする」「画をさかさまから描く」などで右脳が刺激され、記憶力や集中力がアップすると聞きました。乳幼児の場合ですと、日常生活の中で「毎日同じことをする、くり返す」という刺激を与えるだけでも、神経回路の定着、脳の発達を促すことになります。たとえば赤ちゃんの時の座り方。首が座ってきたら、きれいに座らせたり、立たせたりする運動。はいはいも、正しい姿勢できれいにさせると、骨や筋肉の発達も兼ねて脳をうまく働かせることにつながります。■うまくできたらほめてあげる、スキンシップするいろいろなことができたら、ほめてあげることもトレーニングの一つです。ほめられると赤ちゃんでも脳が反応し、次はもっとうまくやろうとポシティブな気分になるものです。ほめることは赤ちゃんのモチベーションをアップします。また、ママとのスキンシップが多ければ安心感を持ち、落ち着いた子になるといわれています。授乳が親子のスキンシップに良いと産科で言われるのはそのためでしょう。乳幼児のお受験前のトレーニングといっても、数式を解いたり漢字を書いたりするわけではありません。日常の動作をメインに、きちっとした姿勢や動きを身に着けることは、後々のお受験キッズを形成する上でも役立ちます。また、お受験をしない場合でも、元気で頭の回転が良い子を作る基盤に。健やかな子どもの成長のために、乳幼児期から脳に刺激を与えて、適応能力が高い子の発展を目指しましょう。(高城あすか)
2016年07月26日わらにもすがりたい母親の心境Upload By かなしろにゃんこ。息子は、家事をしていて少しでも音を立てるとすぐに昼寝から目覚めてしまう子でした。起きたとたん大声で泣きだし、足を激しくバタバタします。息子の鳴き声がヒステリックに感じてイヤだった私は、毎日音を立てずに家事をしていたのですが、それがとても疲れました。この大泣きは私が息子の側から離れるときも、抱っこから降ろすときもあり、「この子は一生抱っこしていなきゃならないのかも…」と思ったくらいです。今考えると、抱っこから降ろすと泣くのは、乳児期に自分で好きな場所に移動できないため、つまらなかったのが原因なのではないかと思います。夫は「疳の虫が強いんだよ、漢方を飲ませて様子をみよう」と言うので市販の漢方を与えてみましたが、息子の育てにくさは変わらず、なんとか楽にならないものか?という悩みは消えませんでした。よそのお宅の育児が楽しそうで輝いて見え、「あのお宅の育児は楽なのかな?幸せなのかな?」とぼんやり考えることも。義母の時代にあった、民間療法の話。あるとき、義母から「疳の虫が強い子の虫封じ」の話を聞きました。「昔は民間療法で疳の虫の強い子は虫封じをしてもらったりしたのよ」と義母は笑いながら話すのです。夫も育てにくい乳幼児だったようで、義母は困って地域に住んでいる、あるお婆さんを訪ねたそうです。「そのお婆さんは息子の身体から虫を本当に出したのよ!私ね、この目で見たの!にゅる~ってなんか出てきたんだから」本当かな〜と疑う私に義母は「でも、お婆さんは亡くなってるかも、30年前の話だから!でもね、そのあと気性の荒い息子が少しだけマシになったのよ!」と教えてくれました。精神的にも追い詰められていた時期、あのころの育児が1番キツかった。育てにくい子が少しでも穏やかになってくれるのならば眉唾な話ではありますが、民間療法だってなんだってすがりたくなる気持ちになるものです。それほど発達障害がある子の母親は、心もくたびれてしまうのですね…。さて、その「虫封じ」ですが…いったいどんな内容だったのだろう?とちょっぴり気になります。(笑)
2016年07月17日母乳の代わりに赤ちゃんに与えるものといえば、日本では粉ミルクが一般的ですが、海外では「乳児用液体ミルク」の普及が進んでいることをご存じでしょうか? 日本ではまだ販売に至っていないものの、「販売してほしい!」というママたちの声が高まり、署名活動も行われています。将来的には日本でも普及が進むかもしれない「乳児用液体ミルク」について、詳しく紹介します。■乳児用液体ミルクって?乳児用液体ミルクは、紙パックやペットボトルに乳児用のミルクが詰められたもので、開封するだけですぐに赤ちゃんに飲ませることができます。無菌状態で密閉されているため、常温での保存が可能。持ち運びにも適しています。哺乳瓶を消毒したり、ミルクを冷ましたり、粉ミルクを計量したりする手間が必要ないため、ママの時間が節約できることはもちろん、パパに育児を手伝ってもらいやすくなるというメリットも期待できます。■災害時にも活躍粉ミルクをつくるためには清潔な水が必要で、さらにお湯を沸かせる環境も整っていないといけません。災害が起きてたくさんの人が避難生活を送るなか、こういった粉ミルクをつくるのに適した状況を確保するのは非常に難しいこと。そこで、水も火も必要としない乳児用液体ミルクが、日本でも注目を集めています。実際に、2016年4月の熊本を中心とした一連の地震と自然災害に対して、フィンランドの乳製品メーカーから乳児用液体ミルクが無償提供され、「日本フィンランド友好議員連盟」を通じて被災地へと届けられました。■日本では手に入らない?乳児用液体ミルクは衛生・安全に関するデータが少ないこともあり、厚生労働省による規制で国内での製造販売は行われていません。ただ、通販や個人輸入で海外メーカー製の乳児用粉ミルクを購入することは可能。乳児用液体ミルクに魅力を感じ、なんとか自分で入手しているママもいるようです。このように、多くのメリットを持つ「乳児用液体ミルク」。相次ぐ地震の影響もあり、国内での製造販売を求める声はどんどん高まっています。まだ日本では情報が少ないため、衛生・安全面を気にする声ももちろんありますが、これらがきちんと確認され、日本でも製造販売がはじまれば、育児に悩むママたちを大いにサポートしてくれるアイテムとなりそうです。
2016年07月06日ニキビといえば思春期頃にできるものというイメージがありますが、実は新生児期にもニキビはできます。「新生児ニキビ」「乳児湿疹」「脂漏性湿疹」と、いくつか呼び方のある、新生児の湿疹について詳しく知っていきましょう。■いつごろから乳児湿疹ができる? 乳児湿疹(新生児ニキビ)ができるのは、生後数週間~3ヵ月の間頃。特徴としては、頬やおでこなどに白、または赤色のプツプツとしたできものが見られます。生後すぐに湿疹ができると「アトピー性皮膚炎なのかも…」と心配するママもいるようですが、アトピーと乳児湿疹は異なるもの。不安なら、一度専門家で診てもらうとよいでしょう。■乳児湿疹ができる原因は? 乳児湿疹ができる原因はさまざまですが、毛穴が発達していないため毛穴に汚れが詰まりやすく、新生児とはいえニキビ状の湿疹ができてしまう、というケースが多いようです。ただ、この場合は赤ちゃんが成長することで毛穴の詰まりも解消され、きれいなお肌になっていくので、心配はいらないでしょう。そのほか、寝具の汚れが顔につき、それが肌の負担になって乳児湿疹が発症するケースや、沐浴時に石鹸カスや汚れをしっかりと落とせていないことが原因で湿疹が出てしまうケースもあります。■乳児湿疹の対策方法は? 乳児湿疹の対策方法として大切なのは、常に赤ちゃんの肌の清潔を保つことです。お風呂に毎日入れるのはもちろん、洗い残し、すすぎ残しのないように気をつけること、寝具やミトンは小まめに洗濯をしておくことを心がけましょう。そして、清潔にしたら必ず保湿を。大人でも肌が乾燥してニキビができることがあるように、新生児にも湿疹ができる場合があります。沐浴後の保湿は徹底しておきたいですね。加えて、爪を短く切っておくことも忘れてはいけません。手を顔の周りに持っていった時、爪で肌をひっかいて、そこから菌が入り感染してしまうというケースもあります。抵抗力のない赤ちゃんは、傷が化膿するだけでも大変なことになってしまうので、フリーエッジ(爪の先端の、指先からはみ出した部分)が伸びてきたら、すぐにカットしてあげましょう。なお、ケアや対策をしても、乳児湿疹が治らなかったり、悪化したり、また湿疹の範囲がだんだん広がってきたという場合は、すみやかに皮膚科や小児科を受診してくださいね。
2015年04月06日国立成育医療研究センター(NCCHD)は10月1日、乳児期に保湿剤を塗布することでアトピー性皮膚炎の発症率を低下させることに成功したと発表した。同成果は、同センターの斎藤博久 副研究所所長と大矢幸弘 生体防御系内科部アレルギー科医長らの研究グループによるもので、10月1日付けの米アレルギー臨床免疫学会雑誌に掲載された。これまでの研究成果から、乳児期にアトピー性皮膚炎を発症した子供は食物アレルギーなど他のアレルギーを発症する確率が高いことが示唆されている。また、アトピー性皮膚炎の皮膚では免疫細胞が表皮を貫いて突起を伸ばしてアレルゲンを取り込むことも判明している。同研究グループは、皮膚が乾燥すると表皮のバリア機能が低下し、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなるのではないかという仮説のもと研究を進めたところ、新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することを確認。そして、アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連することもわかったという。この結果は乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギー疾患などの発症誘因となることを示唆しており、同研究チームは今後、アトピー性皮膚炎の発症率をさらに減少させ、食物アレルギーの発症予防を実現することを目指しさらなる臨床研究を実施するとのこと。
2014年10月02日