チョン・ウソン×クァク・ドウォン×ユ・ヨンソク共演の軍事エンターテインメント『スティール・レイン』。登場する原子力潜水艦「白頭号」のシーンは徹底してリアリティにこだわって作り上げられている。本作は、脱出不可能な原子力潜水艦に監禁された韓国・北朝鮮・米国の首脳たちの激闘と葛藤を描く緊迫と迫真の軍事エンターテインメント超大作。南北に分断されたまま長く冷戦状態が続く朝鮮半島を舞台に、韓国・北朝鮮・アメリカの3か国の首脳たちが1人の北朝鮮高官の陰謀に巻き込まれたことから、歴史を揺るがす恐ろしい危機に直面する。監督は、 観客動員数1,100万人突破の大ヒットを記録した実話映画『弁護人』のヤン・ウソク。ウェブコミック作家でもある自身の原作「鋼鉄の雨」シリーズは累計6,000万回の閲覧を記録。自らメガホンを取り映画化した2018年の『鋼鉄の雨』(Netflixにて配信中)の主演チョン・ウソンとクァク・ドウォンを再び起用し、さらに世界観を広げた“全く新しい内容”となっている。韓・朝・米の首脳3人が監禁された原子力潜水艦「白頭号」のリアルな映像は、美術監督ヤン・ホンサムによって作られている。ヤンは1999年の韓国初の潜水艦映画『ユリョン』に特殊効果スタッフとして参加し、本作ではその時の経験を細部にわたりパワーアップさせ、迫力満点のリアルな映像を生み出すことに成功した。また、「白頭号」のリアルなセットは、「北朝鮮ならば、ロシアの潜水艦をモチーフに自主的な変形を加えて作ったであろう」という前提のもと、セット制作だけで丸々2か月が掛けられ、潜水艇のセットだけで約20億ウォン(=約2億円)の予算が費やされた。さらにセットの各種デバイスや内部デザインを原子力潜水艦の機能に見合ったものとするため、実際に韓国海軍に服務していたキム・ヨンウ前艦長が監修にあたり、プリプロダクションから撮影中も現場に常駐しながら、詳細にわたって正確なアドバイスを与え撮影が進められた。そのアドバイスは潜水艦の構造のみならず、乗組員役の俳優たちの行動やライフスタイルにまでおよび、ヨンウ艦長が「全員、今すぐにでも潜水艦乗組員として服務がこなせるほどだ」と合格点が与えられるほどの完成度の高さとなった。国家の威信と野心をかけた者たちの思惑が交戦する骨太なストーリーはもちろん、リアリティをとことん追求した「白頭号」での圧巻のシーンにも注目したい。『スティール・レイン』は12月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティール・レイン 2021年12月3日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2020 YWORKS ENTERTAINMENT & LOTTE ENTERTAINMENT & STUDIO GENIUS WOOJEUNG All Rights Reserved.
2021年11月16日三菱重工業は12月1日、日本原子力発電と共同で、原子力災害時などで作業員の力を補助するパワーアシストスーツ(PAS)を開発したと発表した。このPASは、装着することで約40kg分の重さを補助することができるほか、ベースとなる下半身パーツと目的に応じた上半身パーツを組み合わせることで多様な作業に対応できることが特徴。また、PASの制御に足裏の力センサ信号を利用し、腰部と足部のみで人間とPASを固定する構造を採用したことで、重労働でも汗の影響を受けない信頼性と容易な着脱を実現した。さらに、原子力向けロボットに用いる小型・高出力のモータと自社開発による小型基板の採用により、アシスト力と軽量・小型化を両立。また、足裏の力センサは、数・配置を最適化することで、作業員の動作を適切に読み取り、その動作を妨げないアシスト制御を提供するとしている。同PASは12月2日から5日開催される「2015国際ロボット展」に出品される予定だ。
2015年12月01日●どうせなら最前線どうせ働くなら被災地のためになる仕事がしたい、真実をこの目で見たいと、福島第一原子力発電所=通称"1F(いちえふ)"で働くことにした竜田一人さん。"1F"で働くということ、漫画『いちえふ』の反応や、原発作業員であり漫画家でもある竜田さんのこれからのことも聞きました。○この目で見たいという好奇心――働き出すと「なんか普通じゃん」と思うようになり、恐怖や警戒心も薄れていったようですね慣れちゃうってあまりいいことではないんですけど、そんなに怖いところじゃないんだなって自然と思うようになりました。行く前から、あの程度の放射線量なら心配するほどじゃないというのはわかっていましたけど、周りに心配しすぎる人がいたので、一応は警戒していた。でも行ってみたら地元の人たちが普通に暮らしていて、みんな普通に働いていた。不安はすぐになくなりましたよ。――現場を知るうちに、放射線量がより高い最前線の現場に行きたいという気持ちが大きくなっていったということですが、希望者はどのぐらいいるんでしょうさすがに多くはないです(笑)。みんなが希望しない理由は、放射線量が高いとそれだけ"1F"で働ける日数が短くなってしまうというのが一番。あとはやっぱり、ちょっと怖いというのもあるでしょうし。そこそこの線量のところで長く働いたほうが、トータルでは稼げる。僕は半分好奇心で"1F"に行ったものですから、どうせなら最前線を見たいと最初から思っていました。――深夜に出発して早朝に帰宅する仕事があることも興味深かったです。バラバラの生活リズムに臨機応変に対応できる人のほうがよさそうですねきっちりした性格の人は向かないかもしれないですね。元自衛官の人は大丈夫そうでしたし、夜勤に慣れている人がいいと思います。たまにいたんですが、あまりに心配性の人も向いていないんじゃないかな。チームワークが重要視されるので、自分勝手にならない、協調性を持っていることも大事。それはどこの職場でも同じですよね。――仕事以外で辛かったことはありましたか最初の関連会社で働いた時、寮に人が増えすぎたときはしんどかったですね。でも数人でアパートに越してからは、あまり不愉快なことはなかったです。不便なことというと、携帯の電波! 1Fの中は携帯の電波がそもそも入りにくいんですよ。『いちえふ』にも描きましたが、auの電波が一番入る。それ以外の電波は入りにくいので、改善されたら嬉しいですよね。職場環境が整っていることはこれから来る人にとっても大事ですから。○見たままを描く。見ていないものは描けない――ここからは漫画『いちえふ』のお話をお聞きします。最初に描いてみた時、これはヒットするだろうという確信はありましたかいえ、自分ではまったくわからなかったですね。"1F"の中を描いた漫画なんて今までないので、持ち込めばどこか買ってくれるだろう、載ったら話題にはなるだろうなとは思いましたが、面白いかはわからなかった。面白いかって言ったら、むしろつまんないですよねこれ。だってなんのドラマもないから。――確かに事故などもなく、竜田さんの毎日の仕事の様子や感想が描かれている漫画ですからね見たことだけを描くように心がけているんです。見ていないことは描かない。誰かの代弁をするようなこともしないようにする。これはあくまで僕の体験記だということです。●「正体はわかってるぞ」という電話も○見たことのない角度からは書けない――まるで撮影やスケッチしていたかのように、"1F"内の風景が細かく描写されているのも印象的です現場によってはメモすら持って行けない場所もありますし、防護服はポケットも何もないですから、覚えている中で描くしかないんです。メモといったら、その日の被ばく量を計ったレシートだけ。実際に見ていても絵に描けるかどうかは別問題だし、かといってうろ覚えで適当に描くのもよくない。たとえばみなさんもよく見る壊れた建屋の写真。担当さんに「同じアングルばかりでつまらないから別の角度から描いてくださいよ」って言われるんだけど、「そこからは見れないので描けないです」としか言えない。(担当編集S氏)「記録の漫画なので、『○月の時点で建屋はどうなってたか』をしっかり描かないといけないんです。たまにほかの漫画家さんに『どうしていつもこの角度からなんですか』って聞かれましたよ。『そっちの角度からは見れないんですよ』と答えたら納得されますけどね」「演出がヘタな漫画家だな」って思われてるかも(笑)。――そこが逆にリアリティありますよね。「この通路から見る月が美しい」なんていう描写は、まさに現場にいた人にしかわからない風景だなと思いました2号機と3号機の間の通路で、真正面に見える月がすごく綺麗だったんですよね。その頃はもう「この体験を漫画にするかもしれない」という思いがあったので、細かいところもよく見るようにしていました。――ということは、漫画にしようと考え始めたのは働いている途中から?もともと漫画家だったので、最初からその気がなかったというと嘘になります。でもマンガが目的で行ったわけじゃない。最初は「漫画にしたら面白いだろうな」ぐらいにしか思ってませんでした。ちゃんと描き始めたのは半年の"1F"での仕事を終えて、完全に関東の自宅に帰ってからでした。○みんなで早く片付けて、喜んでもらえたら――『いちえふ』を「モーニング」に発表したことでどんな反応がありましたか?(編集S氏)「一度知らない人から『竜田一人の正体はわかってるぞ』という電話がかかってきたぐらいですかね。でも別に悪いことをしているわけじゃないし、その後なにもない。ほかの編集部員が『外歩くとき気をつけろよ』なんて脅かしてきましたけど、それは考えすぎやろって思いました(笑)」――『いちえふ』を読んでいると、担当編集さんがどっしり構えてくれてるなという印象があります(編集S氏)「周りからなにか言われることよりも、作家さんに原稿を落とされることのほうが編集としてはずっと怖いので(笑)。それ以外のことはどうということはないです。一時期は福島で働きつつ原稿を描いてもらっていたので、2日前までは『大丈夫です』なんて言ってたのが、『急に("1F"での)仕事が入って描けなくなった』なんて言われたり。あとは竜田さんの車の運転も心配でした。昼夜逆転だったし、いつか事故を起こすんじゃないかという不安もありましたね」確かに毎日、高速で片道1時間の道を自動車通勤してましたからね。今は国道6号線が通れるようになって、工事用の車がいっぱい走ってるんです。こないだも事故があってしばらく通行止めになっていたので、みなさん交通安全でお願いします!(笑)――体験したことはほとんど描いてしまったということで、『いちえふ』はいったんお休みになります。また"1F"に行くのですか?そのつもりです。とはいえ現場を離れて1年近くたっているので、作業員気分も抜けちゃってはいるんです。『いちえふ』はこれで完結というわけではないので、また新しいネタがあったら描くかもしれません。――"1F"という職場に興味を持った人に言いたいことがあればもしも興味があるなら、普通の職場として働きに行ってみればいいと思います。ただし働いた分の日当をもらう形なので、行ってもしばらく待機しかできず収入がない可能性がある。1カ月分ぐらいの生活費はあったほうがいいですが、寮や宿舎がある会社なら最初だけ前借りできればなんとかなるかな(笑)。なにより福島は人が温かくて、食べ物もおいしくて、本当にいいところ。みんなで早く片付けて、結果的に地元の人にも喜んでもらえたら嬉しいかな。『いちえふ』(竜田一人/講談社)「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した「労働記」。
2015年11月16日●「現地にいって見てきてやる」福島第一原子力発電所(通称"1F")で作業員として実際に働いた経験をルポルタージュ作品として描いた漫画『いちえふ』。「週刊モーニング」掲載時から話題となり、「このマンガがすごい! 2015」オトコ編で第4位を獲得、国内外のメディアから注目されるなど、あらゆる方面で話題を読んだ作品である。作者は竜田一人さん。これはペンネームであり仮名。本名を明かさないのは、これからも"1F"で働くことを熱望しているからだ。そんな竜田さんに、「仕事場としての"1F"」について教えてもらった。○被災地のために何かしたいし仕事も変えたい="1F"へ――『いちえふ』が第3巻でいったんお休みになるとのことで、改めて竜田さんが福島第一原子力発電所="1F"に働きに行くことになった理由や、漫画にした経緯を教えていただければと思っています。竜田さんはもともとプロの漫画家として活動されていたそうですね漫画を描いてはいましたが、いわゆる売れない漫画家でした。会社勤めは向いていないタイプだったし、家で漫画を描いて暮らせるならそっちのほうがいいなぐらいの気持ちで描いてましたね。でもそんな程度の覚悟じゃやっぱり食えない。どうしようもなくなって、漫画以外の働き口を探そうと思っていたとき、あの東日本大震災が起きて。どうせ働くなら被災地に行って働こうと考えたんです。――転職先として被災地を選んだということですね。震災が起きてから"1F"に行こうと決心するまで、迷いはありませんでしたか決断したのは早かったですね。報道を見て、すぐに「ここで働こう」って思いました。そのときはもう漫画の仕事はなくて、ある会社で働いていたんです。仕事があるからボランティアすら行けないのがすごくもどかしかった。じゃあ思いきって向こうで働けばいいじゃないかと思って会社を辞め、"1F"での仕事を探すためハローワークに行きました。――作品中の「本当に怖いなら本気で勉強しろ」というセリフが印象的でした。竜田さんは福島に行く前まで、原発についてどのぐらいの知識がありましたか事故が起こる前までは何も知らない状態でしたね。チェルノブイリで同じような事故があったということぐらいの知識だったし、チェルノブイリについてもどのぐらいの被害があったのか、実際のところはどのようなものだったのかまではわからなかった。ただ怖いというイメージだけ。だけどこうして"1F"で事故があって、デマも増え、周りにも不安になっている人たちがいっぱいいた。子供を抱えている人が不安がっていたこともあり、個人的に調べるようになりました。こういう言い方をすると語弊がありますが、原子力や放射線に関して、今こういうことが起きているのはなぜなのかを知っていくのは面白かったんです。本やネットからの知識でも、人にちゃんと説明すると納得してもらえるということも実感しましたし、調べていくうちに、世間で言われていることと実際に起きていることがあまりに違うこともわかった。身近にもデマを流してる人がいたので、「それなら俺が現地に行って見てきてやるよ」って気分になったんですよね。●放射線量が高いほど、働ける日数は少なくなる○"1F"の第一印象は「普通の職場だな」――そしていざハローワークで仕事を探してみると、すぐに"1F"で働ける仕事がなかなか見つからない。仕事は多いかと思っていたので、これも意外でした当時はハローワークの人も仕事の内容がわかっていませんでしたからね。紹介しておきながら「大丈夫なの?」って心配してきたり(笑)。実際に"1F"で働き始めてみると、ハローワークを経由しているのは福島以外のところから来た人たち。基本的には地元の人、もともと原発で働いていた人が圧倒的に多かったです。やっぱり知識や技術がないとできない仕事ばかり。経験者が中核になって、我々のようにいろんなところから集まってきたやつらがサポートするという形でした。――下請け会社に採用されて福島に入っても仕事がいつ入るかはまったく見えない。なかなか"1F"に入れない時期が続いたというのも驚きましたそこがオススメしにくい理由なんですよ(笑)。特に僕はハローワーク経由で入ろうとしたからか、関係ない工事現場とかに回されちゃったりもしたし。何らかの形で現地の人と知り合ったほうが、早く入れると思いますね。――やっと"1F"に入って見ると、働く人たちは被ばく量を精密に計っているので、一日や一年の被ばく量には上限がある。いざ現場で働けることになっても、場所によっては短期間しか働けない。仕事先としては悩ましいところでしたね放射線量が高いほど日給は高いけど、その代わり働ける日数が限られている、決しておいしい職場とは言えない、というのは行ってみてわかったことですね。僕はとにかく現場を見たいという思いで行っていたので、そこは仕方ないと割り切っていました。――ところで"1F"にはどんな年齢の人たちが集まっているんでしょう若い人は少なくて、40代、50代の人が中心。それまでの職業は本当に様々ですよ。相手の過去を深くは聞かないのが暗黙のルール。肉体労働の職場ではよくあることです。あまりしつこく聞いてくるやつがいると、逆に「お前何なんだ」って煙たがられますね。――防護服を着るのでとにかく暑いということでしたが、ほかに驚いたことはありますか想像と一番違ったのは、「思っていたよりもずっと普通の職場だな」ということでした。普通のおじさんたちが普通に働いてる。ちょっと特殊な状況ではあるけど、印象としてはほかの職場とあまり変わらなかったです。僕が行っていた頃は厚生棟とか免振棟などは水洗トイレが復活していたし、しょっちゅう掃除の業者が来ていたので基本的に清潔。快適なところでしたね。もちろんただの原発ではなく、事故を起こした後の原発ですから、装備品などは見たことないものばかりです。だけどそれより、みんな普通に働いているんだなっていう印象が強かった。逆に言うと、世間から好奇な目で見られるほど変な雰囲気ではなかった。面白いことが特にない、それが逆に面白いなって思いました。――備品を搬入したり、定期的に掃除をしに来たりと様々な業者が関わっている。作中でも「良くも悪くも廃炉作業だって商売なのだ」と書かれてましたね商売にしないと続かないですからね。むしろ商売にするって、とても大事なことだと思います。――ちなみに男性ばかりのようですが、女性はいるんですか?毎年のように状況は変わっているので今はどうかわからないですが、いるとしても事務の人ぐらいかな。もともと発電所ってそんなに女性がいる職場ではないでしょうから。食堂ができたので、そこにはいるかもしれないですね。『いちえふ』(竜田一人/講談社)「メディアが報じない福島第一原発とそこで働く作業員の日常」、そして「この先何十年かかるともしれない廃炉作業の現実」を、あくまでも作業員の立場から描写。「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」働き続ける作業員たちの日々を記録した「労働記」。
2015年11月14日昨年9月に公開され、話題を呼んだドキュメンタリー映画「モンサントの不自然な食べもの」に続き、今年6月に再び遺伝子組み換え食品の実態に迫るドキュメンタリー映画が公開される。一瞬ドキリとなる、そのタイトルは「世界が食べられなくなる日」。監督は「未来の食卓」「セヴァンの地球のなおし方」などで知られる、フランス人のジャン=ポール・ジョー。彼は自らが結腸がんを患ったことをきっかけに、カメラを通して、食の重要性を強く訴え続けている監督だ。本作で扱う題材は遺伝子組み換え食品とさらにもう一つ、原子力である。いずれも20世紀に生まれたテクノロジーで、よく似た特徴を持っている。それは「後戻りができないこと、すでに世界中に拡散していること、そして生物の体内に蓄積されやすいこと」だ。驚くべきはこの2つを開発したのは米国を中心とする250の同じ企業グループで、世界の半分もの富を支配するのだという。カメラは、フランスのカーン大学教授による、あるラットの実験を追い続ける。米国モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ「NK603」と除草剤「ラウンドアップ」を組み合わせて、2年間ラットに与え続けるという実験だ。2年はラットの寿命に相当する。現在、遺伝子組み換え食品の安全基準は「ラットに遺伝子組み換え作物を3ヶ月与え続けても問題がないという実験結果」を元にしている。ラットの3ヶ月は、人間の寿命に置き換えると10年。つまり、人間が一生摂取した場合の安全基準には何の役にも立たないということだ。実験中、ラットは3ヶ月のうちは元気に生きている。ラットに異常が出始めるのは4ヶ月目からだ。そして月日を重ねるごとに、ラットの多くに腫瘍ができ始め、それがこぶのように肥大化していく…。カメラは、日本の福島県へと移る。奇しくも監督が本作を制作中に、東日本大震災が発生。私たちがまざまざと見てきた、福島第一原発事故が起きた。事故後も地元に残り続ける、農家や酪農家たちにインタビューする。「私たちは、安全が“担保”されていない状況で物を作っていいのだろうかと毎日揺れています」。「私たちはもっと不便な生活でも我慢しなくてはなりません。さもなければ、世界の終わりです」。とつとつと語る、彼らの言葉にいたたまれない気持ちに包まれる。あらゆる命の根幹を脅かすかもしれない2つのテクノロジーについて、もう一度じっくりと考える良い機会となるだろう。「世界が食べられなくなる日」2013年6月8日(土)より、渋谷・アップリンクほかにて全国順次公開監督:ジャン=ポール・ジョー製作:ベアトリス・カミュラ・ジョー2012年/フランス/118分/原題:Tous Cobayes?協力:大地を守る会、生活クラブ生協宣伝・配給:アップリンク 取材/杉江あこ
2013年05月17日格付投資情報センター(R&I)は12日、日本原子力発電の発行体格付を「A」から「BBB」に3段階格下げしたと発表した。R&Iによると、今回の格下げは、10日の原子力規制委員会の評価会合で、日本原子力発電・敦賀発電所(福井県)2号機の再稼働を認めない可能性が強まったことを受けたもの。「敦賀発電所の再稼働が困難になりつつあるだけでなく、耐用年数がまだかなり残っている2号機の廃炉も視野に入りつつあり、収支・財務に大きな影響が出る懸念がある」(R&I)。一方で、「受電各社による支援が見込めそうなことも織り込んでいる」(同)としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月13日原子力規制委員会の2012年度の第7回会議が24日、原子力規制委員会庁舎で開かれた。同会議では、全国16の原発で事故が起きた場合を想定した放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果が公表された。拡散シミュレーションは、道府県が、地域防災計画を策定するにあたり、防災対策を重点的に充実するべき地域の決定の参考とすべき情報を得るため(※)に、原子力発電所の事故により放出される放射性物質の量、放出継続時間などを仮定し、周辺地域における放射性物質の拡散の仕方を推定するもの。原子力規制委員会では、「シミュレーション上の限界があるので、あくまでも目安として参考にすべきデータであることに留意が必要である」としている。拡散シミュレーションマップは以下の通りとなっている。緑の線で結ばれている四角の点が、方位別のめやす線量を超える距離となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月25日