子どもが10代になるとやってくるのが反抗期。言うことを聞かない子どもに対して、ついイラッとしてしまうこともありますよね。特に自分の更年期と重なってしまい毎日、家の中がバトル! なんていう人も。今日は実際に反抗期がいつから始まったのかを緊急調査しました。Q.お子さまの反抗期、いつから?1.小学校低学年 23.5%2.小学校高学年 29.1%3.中学生 20.2%4.高校生 1.7%5.まだ反抗期ではない・反抗期はなかった 25.4%一番多かったのは小学校高学年。やはり10代に入ると反抗期の兆しが見えて、「今までと違う!」とおどろく親が多いのかもしれません。そこで落ち着けばいいけど、中学生になりさらに知恵がつくと厄介なことに……。■更年期と重なると最悪の事態に子どもが反抗期になるのは10〜15歳ごろ。30代後半で出産するとちょうどその時期が更年期にさしかかる45〜55歳になってしまいます。子どもの反抗期と自分の更年期が重なるとダブルパンチに。「幼少期と高学年と1番ピークが中学2年生でした。3年生になると徐々に落ち着いてきました。私は反抗期だからしょうがないで済まさなかったです。つねに子どもと向き合いました」(千葉県 40代女性)「男の子ですが小6がピークでした。私に対する態度がかわいくなくて!中学校に入ってから落ち着き、現在中3ですが、仲のいい親子になっています」(茨城県 40代女性)「中学2年の娘ですが、今真っ只中です。ちょうど自分の更年期とも重なりバトルの日々。わかってはいるけどガミガミ言ってしまいあとから反省してています」(愛媛県 40代女性) ■なければないで心配してしまうのが親心反抗期がないとそれはそれで不安になってしまうのが親。自分の子どもが上手に気持ちを発散できているか、見守ってあげるようにしましょう。「現在高校の上の子2人は特に反抗期というのはありませんでした。反抗期は必要!とか、大人になれない!とか読んだり聞いたりすると不安になりましたが、態度に大きく出ないだけで、葛藤は見てとれました」(千葉県 40代女性)「中3の長男は反抗したっていいことないと悟りをひらいています。部活で疲れて反抗する暇もないのかも」(岩手県 40代女性)■まだ見ぬ反抗期に不安になる人も小学校低学年や幼稚園の子どもを持つ親は、これからくるであろう反抗期にかなりの心構えをしているようです。特に第一子がまだ小さい場合、反抗期を体験していないので、得体のしれないものとして考えているようです。「子どもが小2と年中です。思春期の反抗期はまだ未経験ですが、避けては通れないものと漠然と不安です」(宮城県 40代女性)「小3娘。言うことややることが大人びてきた。パパに対しても態度が変わってきた。今からドキドキ……」(徳島県 30代女性)Q.お子さまの反抗期、いつから?集計期間:2016.06.15〜2016.06.29アンケート回答数9160件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年10月17日反抗挑戦性障害(ODD)とは?出典 : 反抗挑戦性障害(ODD)とは、別名「反抗挑戦症」とも呼ばれ、親や教師など目上の人に対して拒絶的・反抗的な態度をとり、口論をしかけるなどの挑戦的な行動をおこしてしまう疾患です。症状の現れ方によって過興奮型、すね型、マイペース型に分類される場合があり、症状を発症する場面・相手が多いほど重度であると診断されます。反抗挑戦性障害が発達期を通じて何年間も続く場合、両親、教師、監督者などの目上の人だけではなく、同年代の友人、恋人ともトラブルを起こしてしまい日常生活に様々な障害が発生します。反抗挑戦性障害は捉え方によって特徴が異なる疾患です。とくにアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では診断基準などが違う場合があるので注意が必要です。反抗挑戦性障害の主な症状出典 : 反抗挑戦性障害の症状として大きく3つのパターンがあげられます。・怒りっぽくイライラする:周囲からの刺激に過剰に敏感になり、すぐにイライラしてしまいます。そのためしばしばかんしゃくを起こしたり、腹を立てて怒ったりしてしまいます。・周囲に挑発的な行動をする、口論がすき:権威のある目上の人物や、子どもの場合は大人から決められたルールに従うことに積極的に反抗し、口論をふっかけます。そしてわざと周囲の人をイライラさせ、自分の失敗、または失礼な行動の原因を他人のせいにしてしまいます。・意地悪で執念深い:周囲の人との間に起こった出来事を根に持ち続け、他人に対して優しくなれない状態が半年に少なくとも2回発生します。反抗挑戦性障害と反抗期の違い出典 : 通常子どもの健康な育成に反抗期は必要なものとされています。反抗期には誰でも親に反抗的な態度をとったり、いらいらしたりするものです。そのため反抗期と反抗挑戦性障害を見きわめることは難しい場合があります。見分けるためには反抗的な行動がどのくらい続いているのか、どのくらいの頻度で発症するのかを考えることが重要です。例えば第一次反抗期にあたる5歳未満の子どもの場合、周囲の人に対して怒ったり、乱暴な言葉をもちいて反抗したり、かんしゃくを起こしたりする行為が1週間に1回、少なくとも半年間続くことが条件となっています。しかし反抗挑戦性障害か見分けるためには、これらの条件だけではなく発達水準、性別、文化の基準などさまざまな条件を考慮する必要があります。これらすべての条件をふまえた上で発症頻度・症状の重さが通常の反抗期を超えている場合は、反抗挑戦性障害と診断されます。判断することが難しい場合は専門家に相談することをおすすめします。反抗挑戦性障害を発症しやすい人出典 : 反抗挑戦性障害は通常就学前に発症し、青年期初期以降の発症はあまり見られないといわれています。発症率の男女比は思春期以前は1.4:1となっており、男児のほうが発症率が約1.4倍高いです。しかし思春期以降は性別による発症率の差はあまり見られなくなります。2~5歳児を対象とした調査では反抗挑戦性障害を発症している人の割合は、それ以外の疾患を発症している人の割合より格段に多く、16.8%のという研究結果がでています。そのうちの半数は重い症状があると診断されました。参考文献: ロバート・ヘンドレン/著 『子どもと青年の破壊的行動障害―ADHDと素行障害・反抗挑戦性障害のある子どもたち』 2011年 明石書店/刊反抗挑戦性障害の主な原因出典 : 反抗挑戦性障害の要因として、育った環境が関わっている場合があるといわれています。その理由として、反抗挑戦性障害は、目上の人からの指示などに対して拒否する拒絶症状が症状の中核となっていることが挙げられます。拒絶症状は一日で現れるものではなく、反抗的な感情がだんだん積み重なって発症してしまうと考えられており、主に幼少期の環境に左右されやすいのです。保護者や周囲の人と対立してしまったときに、大人が次はこうしようかという改善策を提示せず、子どもをただ批判、非難することによって抑圧してしまうことはとても危険です。これにより、子どもは自分を守るため挑戦的で反抗的な感情をおこしたり、行動してしまう可能性が生まれるのです。しかし環境要因は決定的な要因ではなく、気性が荒い、我慢することを苦手などのもともとの気質要因、遺伝的要因なども関わり合うともいわれているため、はっきりとは原因が解明されていないのが現状です。反抗挑戦性障害の診断基準出典 : アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)による診断基準は以下の通りです。A. 怒りっぽく/易怒的な気分、口論好き/挑発的な行動、または執念深さなどの情緒・行動上の様式が少なくとも一人以上の人物とのやりとりにおいて示される。怒りっぽく/易怒的な気分:(1)しばしばかんしゃくをおこす(2)しばしば神経過敏またはいらいらさせられやすい(3)しばしば怒り、腹を立てる口論好き/挑発的行動:(4)しばしば権威のある人物や、または子供や青年の場合では大人と、口論する(5)しばしば権威のある人の要求、または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する(6)しばしば故意に人をいらだたせる(7)しばしば自分の失敗、または不作法を他人のせいにする執念深さ:(8)過去6ヶ月に少なくとも2回、意地悪で執念深かったことがある注:正常範囲の行動を症状とみなされる行動と区別するためには、これらの行動の持続性と頻度が用いられるべきである。5歳未満の子どもでは、ほかに特に記載がない場合、その行動は1週間に1回、少なくとも6ヶ月間にわたって起こっていなければならない(基準A8)。このような頻度の基準は、症状を定義する最小限の頻度を示す指針となるが、一方、その他の要因、たとえばその人の発達水準、性別、文化の基準に照らして、行動が、その頻度と強度で範囲を超えているかどうかについても考慮すべきである。B.その行動上の障害は、その人の身近な環境(例:家族、同世代集団、仕事仲間)で本人や他社の苦痛と関連しているか、または社会的、学業的、職業的、またはほかの重要な領域における機能に否定的な影響を与えている。C.その行動上の障害は、精神病性障害、物質使用障害、抑うつ障害、または双極性障害の経過中のみ起こるものではない。同様に重篤気分調整相の基準は満たされない。■現在の重症度は軽度:症状は一つの状況に限局している(例:家庭、学校、仕事、友人関係)中等度:いくつかの症状が少なくとも二つの状況でみられる重度:いくつかの症状が三つ以上の状況でみられる『DSM-5』では、反抗挑戦性障害と素行症を別の疾患として定義しています。素行症とは、周囲の人に反発して、学校のずる休みや繰り返しの嘘をつくなどの挑発的な行動をとったり、激しい喧嘩をしたりすることに加えて、放火や盗み、物に対しての破壊行為などの法律違反に当たる行動をとることを指します。一方、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では、反抗挑戦性障害は素行症という疾患の中に含まれて定義されます。ここでは、反抗挑戦性障害はおよそ9~10歳未満の子どもに発症する行為障害(素行症)の軽度の症状であると位置づけられます。参考文献: 『ICD-10』 2013年 中山書店/刊反抗挑戦性障害の合併症出典 : ■素行症反抗挑戦性障害の代表的な合併症として素行症が挙げられますが、これは小児期発症型のをもつ子どもによくみられる併存症です。合併してしまう主な原因は、自分より偉い人との間に挑戦的な感情をもってトラブルを起こしてしまうという、共通の症状があることと言われています。反抗挑戦性障害が重度になるにつれて素行症の症状もあらわれてきてしまうのです。しかし反抗挑戦性障害と違い、素行症には人や動物に向けた殴るなどの攻撃的な行動や、物の破壊、または盗みや詐欺など違反行為がみられるため、しっかりと区別することが重要です。■ADHD(注意欠陥・多動性障害)もう一つの代表的な合併症としてADHD(注意欠陥・多動性障害)があげられます。ADHDとは、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。 年齢や発達に不釣り合いな行動が社会的な活動や学業に支障をきたすことがある障害です。ADHDを発症している子どもの20~56%は二次障害として反抗挑戦性障害を発症するといわれており、発症する確率は3歳の子どもが一番高いと言われています。その他にも反抗挑戦性障害は不安症群やうつ病の合併のリスクも高いと言われています。その理由は怒りっぽい、気分の波が激しいなどの症状が一致している傾向にあるからです。発達障害に関連のある行動障害についてl 国立特別支援教育総合研究所ADHDの二次障害としての反抗挑戦性障害出典 : 反抗挑戦性障害とADHDは強い関わりがあるといわれており、年齢を重ねるとともに合併する可能性が高くなると言わています。そのときは、元々ADHDがある人が“人間不信的行動”という二次障害として反抗挑戦性障害を発症する場合が多いです。人間不信的行動とは、自尊心・自己肯定感が低下して自分はダメな人間かも知れないと思い、そんな自分のことを誰も理解してくれないという気持ちから、周囲の人を信じれなくなったときに起こしてしまう行動のことを指します。ADHDを発症している人は、自分自身がADHDであることを認識していないケースも多く、周りから理解が得られていない場合も多いです。そのため知らない間に人間不信になり、反抗挑戦性障害を発症しているということも少なくないのです。またADHDには主に、不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型、混合型の3つのタイプがあります。その中でも、不注意優勢型のADHDのほうが反抗挑戦性障害の症状が比較的軽い傾向にあります。ADHDのある子どもとその家族の間でおこる衝突の多くは、合併症としての反抗挑戦性障害が関与している場合があります。そこで衝突・喧嘩をする回数が過度に多いときはADHDではなく、反抗挑戦性障害が原因かもしれないと考えることが重要です。ADHDに反抗挑戦性障害が合併すると、対立や怒りの感情の発生、コミュニケーション障害によって、単なる衝突・喧嘩にとどまらない対人関係への悪影響の及ぼし合いが多く発生します。例として母親との関係を挙げると、ADHDと反抗挑戦性障害が合併している10代の子どもの多くで、その青年の症状に加えて母親の精神的苦悩が加わり、親子間の対立や悪影響の及ぼし合いが発生することが分かっています。反抗挑戦性障害が気になったときの相談先出典 : 反抗挑戦性障害は素行症(行為障害)やADHD、うつ病などの、様々な合併症と関わりあっている場合が多く、年をとるにつれて症状が複雑化しやすい傾向があります。また、年齢が上がってからの治療は、反抗挑戦性障害がある子どもが治療に対して抵抗することがあるため、早期に診察・治療することがおすすめとされています。明らかに感情の波が激しく怒りっぽかったり、口論が絶えなかったりする場合は以下の相談先に相談するか、医療機関の受診をおすすめします。■児童相談所:「子どもの養育に関する相談」、「障害に関する相談」、「性格や行動の問題に関する相談」などの育児に関する相談ができる機関となっています。全国児童相談所一覧l 厚生労働省■全国精神保健福祉センター:各県、政令市にはほぼ一か所ずつ設置されている窓口であり、精神保健福祉に関する相談をすることができます。相談については、予約制、健康保険の適応があるところがあります。詳細は、それぞれのセンターにお問い合わせください。全国精神保健福祉センター一覧l 厚生労働省■精神科・心療内科:心の症状、心の病気を扱う科です。心の症状とは具体的に不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などのことです。心療内科は心と体の不調だけではなく、ほてり、動悸などの身体的症状とその人の社会的背景、家庭環境なども考慮して治療を行います。反抗挑戦性障害の治療法出典 : 反抗挑戦性障害の治療は・症状の重さと発症する頻度を減らすこと・患者が社会生活を送る上で発生するトラブルを少なくすること・家族のストレスを軽減すること・行為障害へ進行することの予防を目的として実施されます。治療法として主に薬物療法、社会技能訓練、認知的技能訓練、ペアレント・トレーニングなどがあります。薬物療法に関しては、反抗挑戦性障害の原因に直接的に効果がある薬はまだ開発されていないため、興奮や衝動性などの症状を抑える薬が処方されます。社会技能訓練とは反抗挑戦性障害がある人が、大人や友だちがいる場で周囲の人のサポートを受けながら行う、社会の中での過ごし方を取得する訓練です。正しいコミュニケーション方法のとり方、怒りや拒絶の感情が発生したときの対処方、目上の人との適切なやり取りの仕方などの練習を行います。また、反抗挑戦性障害がある人が否定的な物事の捉え方や考え方を修正し、トラブルが起こらない意見の言い方を獲得するための治療を認知的技能訓練といいます。そこでは主に反抗挑戦性障害がある人がトラブルをおこさないように、自分で課題解決が行えることを目的としています。反抗挑戦性障害がある人を訓練するのではなく、その保護者の子どもとのかかわり方を訓練する、ペアレント・トレーニングという支援方法もあります。主に、保護者の子どもへの行動、対応方法を変えられるようになることを目的としています。親は子どもの反抗的な行動の動機、行動のパターンを理解・分析する訓練をすることによって、問題行動にたいして上手く対応し、子どもの反抗的な行動を減少させることを目指します。日本ではアメリカで開発されたペアレント・トレーニングをさらに日本向けに改良した治療法が実施されており、訓練を受けたトレーナーの指導の下で行われています。反抗性挑戦性障害がある子どもへの周囲の人の対応方法・接し方出典 : 反抗挑戦性障害には主に過興奮型、すね型、マイペース型の3つのタイプがあります。タイプ別の対応法を解説します。■反抗-過興奮型過興奮型の子どもは指示に素直に従えず、無視するか、返事はするものの結局やらない傾向があります。このような状態にも関わらず指示を繰り返すと、子どもが興奮して暴言を返してくるなど、売りことばに買いことばとなってしまいがちです。「指示に従うことは自分の負けだ」などと、誰に対しても、勝ち負けの気持ちが働いてしまうことが主な原因です。このような過興奮型には、前もって約束する方法が適切です。その場ですぐに「~しなさい」と命令するのではなく、前もって約束したことを思い出させるようにします。そうすることで子どもにとって親との戦いではなく、約束を守るかどうかという「自分との闘い」となるように誘導します。具体的なポイントとして、子どもが約束を思い出せないときは、「何を約束したっけ?」と内容を聞きだすのではなく、まず約束したという事実を伝え、「お風呂、遊ぶ、どっちかな?」と二択の質問にします。ことばだけでは伝わらないときには、絵カードを用いて選ばせることもおすすめです。■反抗-すね型すね型の子どもは衝動性が高く、思いついたら計画性なくすぐに行動してしまいます。しかし、自分の思い通りにならないことがあると、ちょっとした拍子ですねていじけてしまったり、ケンカをしてしまったりします。すねていじけてしまう原因として、数多くの失敗体験が心の中にたまり自信が持てなくなり、どうせやっても失敗してしまうとネガティブな思考が染み付いてしまったことが挙げられます。そのため、自分は上手になれる、上達できるという成功体験を実感してもらう必要があります。おすすめは、運動や料理などを通じて、成功体験を実感してもらうことです。例えば縄跳びでは、跳ぶ回数や跳び方でランクをつくり、徐々に上手くなっているという実感を体験してもらいます。ここで重要なポイントは、・何をやるべきかを明確にする・どこまで到達することができたか分かりやすくするために段階的な目標を示す・子どもの取り組みのモチベーションを維持するために結果のみではなく過程を評価することです。また子どもは。本当に自分にできるかと、心の中では不安を感じています。そのため、「本当に上手くなってきたね、こうやっていけばもっと上手くなるよ」と語りかけをしつつ、自信をつけてあげることが大切です。■反抗-マイペース型マイペース型の子どもは集団で遊ぶことや、他の子との共同作業を苦手とします。幼児期では集団に入るよう誘うとパニックを起こしてしまうことがあります。その後、小学校の半ばあたりになると、周りの子どもたちと興味やペースが合わないことがはっきりとしてきます。マイペース型は、じっとすることは苦手であるにも関わらず、好きなものには集中することができるといった子どもによく見られます。また、人の気持ちを理解することを苦手とする一面がある子もいます。このような子どもに対しては、本人の興味やペースなどを配慮して、周囲との距離感を調整してあげることが主な対応方法となります。子どもが嫌がっているような素振りや表情を見せた場合は、無理強いしないで合わせてあげることが重要です。出典 : と反抗挑戦性障害を合併している子どもと家族がうまく関わっていく上で、重要な4つのポイントを紹介します。1. 感情的に対応しない:子どもが感情的に話をする場合には「静かに話すこと」を促し、落ち着くまで相手をしないようにしましょう。ちょっとしたことでも感情的に反応してしまう傾向があり、周囲の人々がそれに対して感情的に接してしまうと状況が悪化してしまう恐れがあります。2. パパに理解してもらう多くの家庭は子どもと多くの時間を過ごすのはママである場合が多いです。そのため、たとえ子どもとママの関係が悪化してもパパはあまり状況をつかむことができず、子育てから離れるようになってしまうケースは少なくありません。一方、子どもは普段一緒に過ごす時間が少なく、あまり反抗する相手とはならないパパの話にはよく耳を傾けることも多いため、パパが話し合いに加わることでみんなで冷静な話し合いができるということも考えられます。思春期を乗り越えていくときのことも含めて子どもを上手に育てていくには、パパの理解を得てみんなで協力していくことが重要です。3.約束を守りきる経験を積ませる:ADHDと反抗挑戦性障害を合併している子どもは約束したことをなかなか守れないという傾向があります。しかしそのような傾向があるからといって諦めたり大目に見ることを続けたりすると、子どもはどんどん約束を守ろうとしなくなります。そのため子どもの特性を理解し守りきれる約束をすることが大切です。守れたらいっぱいほめる、破ったらなんで守れなかったのかきちんと話し合うとあらかじめ明確に決めておくことがポイントです。また約束を守れなかったときには簡単に許さず、譲らないようにしましょう。4. 子どもに期待し、ポジティブになる:過去のことを責めても子どもの自尊心が低下し、状況や症状が悪化する場合が多いです。これからの成長に期待しネガティブになりすぎないことが子どもの心の健康のために重要です。の理解と対応l 公益社団法人発達協会まとめ出典 : 反抗挑戦性障害とは、通常子どもが発症する障害であり、青年期早期以降の発症はあまりみられません。発症する症状として怒りっぽい、口論が絶えない、執念深く根に持つなどの症状が少なくとも半年続くことが挙げられますが、現れる症状は人それぞれです。通常、反抗期そのものは子どもの健康な成長には必要なものです。それゆえ、反抗期と反抗挑戦性障害の見極めが難しい場合があります。また反抗挑戦性障害はADHD・素行症などの他の障害とも合併・併存しやすい疾患であり、症状が複雑化しやすい傾向にあります。気になることがある場合は、専門家に相談しながら、症状の見極めや対応方法を検討すると良いでしょう。
2016年10月09日コーチ(COACH)2017年春コレクションが発表された。粗野なロカビリースタイルや反抗的なディテールが用いられた本コレクションは、エルヴィス・プレスリーに捧げられたかのようだ。トップバッタ―は、重みのあるブラックのライダースジャケットに、透けた赤いオーガンジーのワンピースを合わせた。ボトムに透け感のある素材を持ち込むコーディネートは、コレクション全体を通して見られた今季の特徴の一つだ。カントリー色の強い花柄プレーリードレスも、レザーやメタル素材とのミックスによって着崩されている。その姿は、ダウンタウンカルチャーに魅了され反抗的なスピリットに目覚める一人の少女のストーリーを想起させる。エルヴィスファンクラブ、反乱集団、ビートニクス…。それらムーブメントの集団に加わる人々は過剰すぎる装飾によって虚勢をはる反面、自らの個性も表現していた。一枚だけで目立つ真っ赤なシャークのニットには、スカートのように長いフリンジやベルトなど、装飾アイテムを多数合わせ、唯一無二のコーディネートを完成させている。エルヴィスを信奉する者たちのパーソナルなスタイルが表現されたようなルックだ。バッグはミニサイズが基本。その小さな本体にフリンジやスタッズ、チェーンなどを合わせてボリュームを出している。シューズも同様に、派手なスタッズやフリンジ使いが特徴となっている。なお、コーチは今回のコレクションの翌日、今季のアイコニックな特徴を用いた、エルヴィスへのオマージュ3アイテムをウェブサイトにて限定販売する試み「ショップ ザ ランウェイ」を行った。
2016年09月22日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。お子さんが思春期に反抗的になるのはある意味当然のことですが、ごく稀に“反抗期のない子 ”がいます。親や祖父母のことが大好きで、「パパやママ、おじいちゃん、おばあちゃんのことをとにかく悲しませたくない」という子どもたちです。脳科学を専門とする医学博士でタレントの中野信子さんは、そういった“反抗期のない子”について、『脳の前頭前野の背外側部(はいがいそくぶ)の機能が弱いため、ものごとを自分の脳で合理的に考えることができない という特徴があり、親や祖父母の価値観に洗脳されやすい 』と、おりにふれて指摘されてきました。今回はそのような“反抗期のない子どもたち”について一緒に考えてみましょう。●筆者の旧友N君は、お父様のことが大好きで議員を世襲し、挫折して自ら命を絶ちました筆者の中学・高校時代の友人で、N君(故人)という人がいました。故人の名誉のために実名は伏せさせていただきますが、N君は正真正銘のセレブリティーの家に生まれ育った御曹司で、お父様は巨大与党所属の元国務大臣でした。愛されて育ったN君は本当に“いいやつ”で、愛すべき好青年でした。N君がどれほどいいやつだったかを示すエピソードが一つあります。高校のとき、勉強が苦手な友人たちは試験前になると筆者の“鈴木ノート”を借りて一夜漬けの勉強をし、及第点ぎりぎりで進級・進学したのですが、みんな友達のよしみで“鈴木ノート”を借りられて当然といった感覚でした。それに対しN君だけは試験が近づくと、「鈴木、申し訳ない。俺にもノートを貸してもらえないかなあ」と、膝をついて頼みに来たのです。あのN君であれば思春期に親に反抗したとは到底考えられません。案の定N君は30代のはじめに衆議院議員だったお父様が亡くなられた際、自分の意思でやっていたテレビ局のキャスターの仕事を辞め、巨大与党から補欠選挙に擁立されて衆議院議員に当選したのでした。高校生のころに垣間聞いた話によると、N君は「男たるもの与党の政治家となって国を動かせ」というお父様の話を素直に「はい」と聞き、年齢相応に反抗するどころかむしろそんなお父様に憧れていた ようです。ところがそんなN君の素直さは、お父様のみならずお父様の“取り巻き”だった人たちへの素直さにも直結してしまいました。取り巻きの人たちからもすっかり洗脳されてしまったN君は、その後公職選挙法違反や受託収賄容疑などで3度にわたって逮捕され、失意のまま41歳で自ら命を絶ったのでした。●親を好きであることが生きるうえで合理的なケースもあるが、逆もあるN君のように、立派なお父様のことが大好きで、そのお父様から話を聞き、おじい様のことを心から尊敬する。そのこと自体はけっして悪いことではなく、素敵なことです。そして、中には大好きな親と同じ職業に就いて成功する人もあり、親を好きすぎることが合理的な生き方でもあるケースは確かにあります。ただ、N君のようにややもすると親の価値観に影響されすぎているうえに“思いやり”もありすぎる人の場合、他人とのタフな駆け引きを必要とする政治家のような仕事が果たして適職であったかというと疑問は残ります。●脳科学に造詣の深い精神科医は、思春期に複数の価値観にふれることをすすめている都内でメンタルクリニックを開業する精神科医のA先生は脳科学にも造詣の深い医学博士ですが、N君のようなケースについて次にようにおっしゃっています。『Nさんに反抗期があったかなかったか、直接面識のない自分には分かりようもありませんが、お話だけからも明らかなことは、Nさんが非常に“思いやり”の深い人であったということです。これは、前頭前野の中でも腹内側眼窩前頭皮質(ふくないそくがんかぜんとうひしつ)と呼ばれる部分が一般的なレベルよりも発達しているためで、Nさんはこのケースに該当すると思われます。思いやりが深いことは素晴らしいことなのですが、眼窩前頭皮質が発達していて背外側部の機能が弱い場合、「思いやりが深くて打算的にはなれない 」という、政治家には最も不向きな人格に育っていたおそれは否定できません』(50代女性/都内メンタルクリニック院長、精神科医)自分の脳は人間性に強く関与する前頭前野のどの部分が発達していてどの部分に弱さがあるのか。残念ながらそれを自分で計り知ることは難しいと言えます。しかし、偏りを最小限にとどめることはある程度は努力で可能になるのではないでしょうか。A先生は言います。『思春期には、できるだけ複数の価値観にふれる ことをおすすめします。自分の親、自分のおじいさん、自分の家族の価値観には親近感はあるでしょうが、この世の中は全然違う感性を持った人間が「共に暮らしている」のだということを意識して自覚した方がいいでしょう。特にますますグローバル化が進むこれからの時代は、その方がストレスに対してタフかつ安全に生きることができるのではないかと思います』(50代女性/前出・精神科医)----------最後に、今はなき愛すべき友N君が、これからも人間どうしの足の引っ張り合いのない天国で笑顔で過ごされますよう祈念しながら、締めくくらせていただきたいと思います。合掌。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年08月23日4歳になった娘。一度火が点くと話を聞かなくなり…Upload By SAKURAUpload By SAKURA広汎性発達障害のある娘。4歳になるとだんだんこだわりが強くなり、一度泣き出すとなかなか私の話を聞いてくれなくなりました。泣き続ける娘に私もイライラ…イライラ…泣く子を怒るとさらに泣く…火に油を注ぐとわかっていながら、ついつい怒鳴ってしまっていました。正直言ってもう疲れた…思い切って主治医の先生に相談するとUpload By SAKURAあの大人しかった2,3歳の頃の娘を考えると、反抗するのは成長の証…頭ではわかってはいても、日常の揉め事にうんざりして、だんだんと疲れてきます。ちょうどそんな時期、半年に一回の発達外来の検診がありました。「最近どうですか?」と聞かれた私は、「疲れました…」と正直に現状を話しました。先生がくれたアドバイスに衝撃!Upload By SAKURA娘との関係について相談すると、先生はこう言いました。「まずは気持ちを同調してから、話を進めてみてはどうですか?娘さんは、自分の気持ちを言葉にして表現することが苦手だから泣くんです。泣いている理由や嫌な理由を、お母さんがまず代弁してください。それから気持ちの同調をしてあげてください。お母さんが自分の気持ちをわかってくれていると思えれば、娘さんも落ち着くと思いますよ。この信頼関係の土台を作ると、だんだん話をしやすくなっていくはずです。」Upload By SAKURAそう言われて思い返してみると、私は娘の気持ちの代弁も、同調も全くしていなかったことに気づきました。娘は泣いて訴えていました。訴えていたのにその話を聞かずに私は怒っていたのです。気持ちが伝わっていない状態で怒られたら、誰だって話を聞きたくないはず…私はその助言に衝撃を受けました。「気持ちの代弁」「気持ちの同調」をやってみると…Upload By SAKURAUpload By SAKURAその日から私は、話をする前に「気持ちの代弁」と「気持ちの同調」をやることにしました。娘が泣き出したり、怒りだしたりしたときに、「そっか~○○だったんだ~○○したかったんだ~」と気持ちを代弁し、それに対して「わかるよ~ママもそうだよ~」と気持ちを同調します。その後、落ち着いてきたら「でもさ、○○したした方がいいと思うんだよね~どうかな~?」と言います。以前なら最初に言っていたこちら側の要求を、「気持ちの代弁」と「気持ちの同調」の後に話すようにしたのです。これを何度も繰り返していると、娘は私の話を最初から聞いてくれるようになりました。嬉しい気持ちのときも忘れずに!Upload By SAKURAUpload By SAKURAこの「気持ちの代弁」「気持ちの同調」は、トラブルが起きた時だけではなく、いつでもどこでも出来るコミュニケーション方法でした。他人から見れば、少し大げさ?と思われるくらいのコミュニケーションを繰り返していき、娘と「嬉しい!」「楽しい!」という気持ちを共有することで、私と娘のつながりは強くなっていきました。娘は泣いているときや怒っているときも私の話を落ち着いて聞けるようになり、娘と私との間に信頼関係が生まれたのが自分でもはっきりと分かりました。娘が話を聞けるようになった今でも、この「気持ちの代弁」「気持ちの同調」のコミュニケーション方法は続けています!
2016年08月10日【ママからのご相談】小6になる息子のことで相談なのですが……。ちょっとしたことで反抗的な態度を取ることが多くなってきました。それなのに甘えてくることもあって……。思春期ってこんな感じなのでしょうか。どう接すればいいですか。●A. 子どもの心を第一に考えて、大事なときに手を離さないことです。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。思春期に入りかけているお子さんがいらっしゃるということで、自立のときに見せる反抗と、依存である甘えの狭間で相談者様も迷いが生じることがあるかと思います。この2つは、大人になるための大切な成長課程なので、無理に押さえつけようとしたり、構い過ぎてしまったりすることはよくありません。お子さんの心の成長 を第一に考えて、依存(甘え)の面を見せたらしっかりと甘えさせましょう。自立(反抗)の面を見せたときは、無理に押さえつけるようなことをしないで、また構い過ぎないことも大切です。●思春期は心の大事な成長小学校高学年あたりから、反抗と甘えのあいだで行ったり来たりを繰り返す時期を『プレ思春期』 と呼びます。反抗したかと思っていたら、次は甘えてきたなんてことを繰り返して、自立と依存のあいだを行き来します。この年齢であれば、あって当然の心の動きだと思っていただければと思います。相談者様のお子さんは、心が健全に成長してきている のですから心配ありません。思春期は、自立しようとする心が反抗という形で表れます。大人になるためには自立は必要です。これを抑えようとしないようにしましょう。依存は、思春期の中で親から友達、そして異性へと向かっていきます。この時期は親から友達に移行していきます。その課程の中ではさまざまなことがあるため、傷つくこともあるでしょう。そんなときに安心して戻れる場所が必要です。それが家であり、親なのです。●親がしてはいけないこと・してあげること思春期は、子どもが多くの模索や心の葛藤などさまざまなことを学びます。その状況の中で親がしてはいけないことがあります。それが、“親の不安を解消するための過保護・過干渉”です。親だって不安になりますよね。この不安を解消するためにしてしまうのが、・先回りをして手を貸したり口を出したりすること・子どもに構い過ぎてしまうことなどです。これは一見、子どものために動いているように思えますが、実は自分の不安を和らげるため にしていることなのです。構うことは大切ですが、度が過ぎれば害になります。してあげなくてはいけないことは、“助けを求めてきたら必ず受け止める”です。学校や習い事などの中で生じる不安や問題を乗り越えるのに、助けが必要になることだってあります。そのときに、突き放すことが必要な場合もありますが、本当に助けが必要なときは必ず受け止めてあげることがお子さんの成長に役に立ちます。手を離してしまわないようにすることが心を救うことにつながります。●この時期の接し方反抗が生まれるのは、親と子がそれぞれに主張や意見があるからです。反抗が起こったら、子どもの意見をまず聞いてあげてください。話を聞いて譲れるところとそうでないところがあります。そんなときは、「なぜ譲れないのか」をきちんと説明してあげることが大切なポイントになります。相談者様が言ったことに対して、ご主人が話も聞かずに反対ばかりしたら反抗的な気持ちになりませんか?それと同じことです。甘えてくるのは、家の外で不安になるようなことなどがあったときだと思われます。親に甘えることで受け入れてもらって、安心をしたいのです。受け入れてあげて安心させてあげてほしいと思います。この年齢になれば、反抗と依存を繰り返します。大切なのは、親の不安な気持ちを優先させてしまわないこと です。そのせいで過剰に反応し過干渉になってしまったり、「もう勝手にしなさい!」と子どもの手を離してしまったりすれば、完全な思春期に入ったときに、親に頼れない・家に戻れないとなってしまうことが心配です。そうならないように、今の時期を大切にしていただければと思います。相談者様のお力になれたら幸いです。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『10代からの子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
2016年07月20日思春期に子どもから激しい反抗をされると、親は戸惑います。どうしたらよいのかと、うろたえます。脳科学から思春期の反抗について考えてみましょう。「なぜこんなに反抗するの?」という疑問が、すっきりと解消すること間違いなしです!■反抗の激しさは脳が求めていた!思春期は、第2反抗期が訪れるものとされています。ただし、反抗の度合いは人それぞれです。上の子は反抗期の訪れがはっきりしていてすぐわかったけど、下の子は「後から振り返ってみたら、あのときが反抗期だったのかな」という感じだったなど、同じ血を分けた兄弟でも反抗の度合いが違っていたということがあるのです。始まる時期についても同様です。ですから、「ほかの子に比べて反抗がひどすぎるのでは」「反抗期がいつになってもやってこない」といった親の心配は無用です。なぜなら、反抗の度合いや時期については、その子の脳が決定していることであり、脳は子どもによってみんな違うからです。親が心配してもどうにもなりません。反抗期が過ぎ去るのを、あるいはやってくるのを待つしかありません。親に「イヤだ」と反抗することをきっかけとして、前頭前野(※)は働き始めます。でも、前頭前野が働くのにどれだけ強い刺激、つまり反抗が必要なのかは、脳によって違います。逆に考えてみれば、反抗が強いということは、それだけ強い刺激を脳が求めているからにほかなりません。脳が求めた刺激が反抗というかたちで出ているなら、脳は正常に発達しているのです。反抗を続けていくうちに、言葉や態度による反抗をしなくても前頭前野が働いて、自分の力で何でもできるようになります。自分がそんな力を得たと脳が判断したとき、反抗期は終わります。なんでもそうですが、習得するには反復練習が必要です。脳が学習するにも、繰り返しが絶対に必要なのです。子どもの反抗は、脳が学習を終えるまで続きます。その終わりの時期も人によって違っていて、大学生でも、まだ反抗期にいると感じられる人もたくさんいます。(※)前頭前野とは、大脳の前頭葉の中に存在する領域で、「記憶」「思考」「創造性」「感情コントロール」などを、つかさどる脳内の最高中枢です。人間と他の動物の脳を比較した場合、大きく違うのが前頭前野で、人間の脳の部位でもっとも発達している部分です。従って、頭の良い人、発想が豊かな人、新しい物を造り出す人などは、前頭前野が発達していると考えられています。■長い反抗期、親が乗り越えるにはわが子への信頼と心の余裕が必要子どもの反抗は、脳が成長のために求めている刺激なのだ、それほど子どもの脳は成長してきているということなのだ、とわかってはいても、反抗期の子どもに毎日接していると本当に大変です。「ご飯できたよ」と声をかければ「食べない」と返される。「出かけるの?」と尋ねれば「ほっといてよ」と言われる…。まったく会話になりません。友だちとの電話中に親が通りかかれば、すっとその場からいなくなってしまう。これでは子どもが考えていることも、今置かれている状況もわかりません。そのような時親は、不安でいてもたってもいられなくなるのです。そんなとき、親はどうすればよいのでしょうか? 答えは、今まで育んできたはずの子どもとの信頼関係を信じて、ひたすら今のわが子を認めることです。何を考えているの、何をしているのと迫りたい気持ちを我慢することです。わが子を信用していればこそ、心の余裕が持てて、今の子どもの姿を受け入れられるのです。果てしなく続くように思われる思春期ですが、わが子を信じていれば、きっと乗り越えられるはずです。
2016年04月09日前編 では、脳が子どもから大人へと成長していく段階について説明しました。後編では、子どもが思春期の反抗期を迎えるとき、親としてどのような心構えをしておけばよいのかについて解説します。■思春期は親としての責任から解放される兆しあらゆることに反抗し、親も何かと悩む思春期ですが、この思春期にも必ず終わりが来ます。そうなってみると初めてわかることですが、思春期を通り過ぎたわが子は、もう「子ども」ではありません。ですから、思春期の終わりとともに子育てが終わると言ってもよいでしょう。とはいえ、日本では成人するのは20歳ですし、成人した後もしばらくは親元で学生を続けていることが多いでしょう。そうなると、実質は、子どもが自分の力でお金を稼げるようになるまでは、親は責任を持たなければなりません。でも、わが子がどんどん成長・発達していくに伴って、子ども自身が自分の行動に責任を持たなければならなくなってくるはずです。それと比例するように、親としての責任を少しずつ、子ども側へ移行していかなければなりません。言い換えてみれば、子どもの脳が大人になればなるほど、子育ての責任がなくなってくるということです。そう考えてみたら、思春期は親としての責任の終わりが近づいている時期とも言えますね。思春期真っただ中のわが子を見て思い悩むなんて、もうしなくていいのです! むしろ「もうすぐこの責任から解放されるのね!」と喜んでもいいくらいです。昔はよく、初潮を迎えた女の子のために赤飯を作り、みんなでお祝いをしたと言います。脳が最後の転機を迎える思春期は、まさに初潮を祝うように喜びたいものなのです。それほど、脳にとっては大切で、大きな転機だと言えます。思春期の反抗は、それまでの変化とは違って、夫婦ともにつらく感じることが多いでしょう。そんなとき、ぜひ思い出してほしいのです。「思春期が来るということは、もう子育てのゴールが近づいているということなのだ」と。きっと「思春期、反抗期が来てよかったね」という気持ちになれることでしょう。■子どもが思春期を迎える前に、見直すべきは夫婦関係余談ですが、この思春期の時期に夫婦間でトラブルが起こることも多いようです。「これまでお前は何をしてきたんだ!」と夫が妻を責めるわけですね。こうならないようにするためには、子どもが生まれたと同時に、夫を父親へと育てていく妻の努力が必要なのです。思春期にあるこのような夫婦のトラブルは、これまでの夫に対する教育がうまくいかなかったということを表しているのです。思春期には、子育てに関して夫婦がどうやって力を合わせていったかを問われる時期とも言えますね。世の中のお母さんたちにはぜひ、思春期の厳しいときになって夫に心外な言葉を言われないよう、子どもが幼いうちから、父親育てを頑張っていってもらいたいと思います。
2016年04月07日親の仕事はいつでも大変ですが、もっとも試練と感じられるのが思春期の反抗の時期でしょう。今までは素直だったのに、この頃は親のいうことになんでも反抗して、扱いづらい…そんな悩みを誰もが抱えています。ちょっと視点を変えて、脳科学から思春期に訪れる反抗を考えてみませんか? 理屈がわかれば、子どもの反抗に悩むことがなくなり、むしろ喜べるようになるかもしれません。■大人になるまでに脳は3回の転機を迎える子どもの脳は、生まれてからずっと休むことなく、大人の脳へと成長していきます。でも、ただ少しずつ成長していくだけでなく、周りから見ても「おや? 今までと違うぞ」と感じるような転機が訪れるときがあります。脳の転機と言われる時期は、以下の通りです。・反抗期と呼ばれる2歳頃・何となく不安定になる9歳~10歳頃・第2反抗期と呼ばれる思春期これら3回の転機を経て、脳は大人になるのです。つまり、脳の成長は一定速度ではなく、3回の転機には急激で大きな変化が現れるのです。脳の成長は、カニの脱皮に似ていると言われることがあります。カニは大きくなるために脱皮を繰り返しますが、脱皮中や脱皮したばかりのカニの味はあまりおいしくない、ということをご存じですか?カニは甲羅のまま大きく成長するのではなく、成長するときに脱皮して一回り大きくなります。従って、脱皮中や脱皮したばかりのときは、甲羅だけサイズが大きくなっているため、中身はスカスカ状態で、あまりおいしくないのです。子どもの脳の転機はちょうどこの脱皮に似ていて、脳が転機の真っただ中、あるいはその直後であるとき、子どもは大人にとって、ちょっと扱いづらくなるのです。■脳の転機を経て、心と体は大人へと近づいていくとはいっても、この転機は、脳にとっては必要不可欠です。カニの身がおいしくなるために脱皮が必要なように、脳にとっても転機は必要で、それを経て子どもの心と体は大人へと近づいていくのです。2歳の頃に起こる反抗期は、ほかの人と違う「自分」を自覚することができた証です。9~10歳頃に起こる不安定さは、脳が大人の脳へと移行していることを表しています。そして、思春期と同時に起こる反抗期は、心も体も大人になる時期になったことを意味しているのです。親にとってもそうですが、子どもにしてみてもこの3回の転機は、なかなかにハードなものです。それでも子どもは全力でそれにぶつかって、確実に大人に近づいていくのです。反抗期を含めた3回の脳の転機には子どもが扱いづらくなりがちで、親としてはイライラすることもあるでしょう。しかし、脳も体も心も成長しているシグナルであり、成長という視点で見ると喜ばしいことと言えます。< 後編 へ続く>
2016年04月07日【ママからのご相談】私には中学生の子どもがいるのですが、最近反抗期で言うことを聞かなくなってきたので、アダルトチルドレンになっていないか心配です。どのように子どもに接したらよいのでしょうか?●A. 思春期の反抗期は正常な反応です。安心してください。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。お子様が反抗期で言うことを聞かないとのこと、いろいろと心配されているとお察し致します。しかし、実は反抗期は正常な子どもの反応なので、心配することはありません。むしろ、反抗期のない子どものほうが、アダルトチルドレンになる可能性があります。●反抗期とアダルトチルドレンの関係性鹿児島の心療内科クリニックの院長先生(50代女性)のお話によると、『アダルトチルドレンになる人の特徴として、“反抗期がないこと”が挙げられる』そうです。反抗期がないということは、幼少期に親が子どもを抑圧し、子どもが親に本音が話せなくなる状態になっている と言えます。このような状態が続くと、思春期に反抗期がこなくなり、アダルトチルドレンになってしまう可能性が高くなってしまいます。アダルトチルドレンになってしまうと、精神疾病になりやすくなってしまい、また、ストレス耐性も弱くなってしまうことがあります。●子どもがアダルトチルドレンにならないように育てるには?子どもをアダルトチルドレンにならないように育てるには、子どもと真正面から向き合うことが大切 だと言えます。相談者様も子どもに十分愛情を持って育てているとは思いますが、子どもに過度の期待をしていないか、気を付ける必要があります。子どもに過度の期待をしてしまうと、無意識のうちに子どもの心を抑圧し、正常なコミュニケーションが取れなくなっていまいます。そうなると、子どもと親の間に軋轢(あつれき)が生まれ、アダルトチルドレンになる可能性が高くなってしまいます。●子どもと本音で話せる関係を正常なコミュニケーションとは、子どもと親がよい意味で本音を話せる関係にあること 。相談者様のお子様は大丈夫だとは思いますが、思春期の子どもはいろいろと気むずかしいものです。この大変な時期を乗り越えれば、子どもは正常に育っていきますので、反抗期だからといって過敏な反応は避けるよう、十分気を付けましょう。●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年03月04日子どもの反抗心には、2つの種類がある反抗期などに子どもが親に示す反抗的言動には、実は2つの種類があります。ひとつは「自立したい」という心からくるもの。もうひとつは、自立したい云々とはまったく関係なく、単純にわがままな思いから出てきているものです。自立心とは関係のない反抗=わがままを子どもが示したときには、まずもって親が子どもに本気になって相対するということが、大切です。わがままによる反抗は許さない、パパもママも本気だぞ、ということを、子どもにはっきりとわからせる必要があります。こうした点について、幼い頃に子どもに対してきちんと相対しておかないと、子どもは何歳になっても自立できなくなってしまいます。そもそも、こういった自立心とは関係のない反抗というのは、それまで子どもがわがままを言っても、親が見逃してきたからこそ発生するものなのです。思い当たる節がある方は、今まで子どもを甘やかし放題で育ててきていなかったかを振り返ってみてください。たとえば、子どもがおもちゃをしつこくねだってきた場合、「買わないとしつこいから」という安易な理由で、「値段も安いし、まぁ、いいか」と買ってあげてはいなかったでしょうか。そんなふうにして、子どもが欲しいといったものを言いなりになって与えていると、その子どもは何かを「我慢する」という考え方ができない子どもになってしまいがちです。何かをしたいと思った時、本来ならばそれを我慢して、やるべきことをやらねばならないような場面であっても自分のしたいと思う気持ちを制御することができなくなってしまうのです。何かをしたい、何かが欲しいという衝動を我慢するというのは、幼い頃から、日々の生活の中で実際に我慢をした経験がないと身につきません。しつけというのは、子どもを罰するということではなく、このような「我慢の経験を通して、感情のままに行動したり、衝動的に行動したりしないように教えていく」ということなのです。「体罰はしつけではない」と言われる理由とはいえ、厳しく子どもをしつける必要があるからといって体罰を使うのは良くないことです。しつけと称した体罰を日常的に受けて大きくなると、その子どもは「自分の意志を相手に通すには、暴力を使うと効果的」という間違ったメッセージを受け取ってしまいます。このため、しつけをしていて叱りつけた時に、子どもが言うことを聞きそうにない場合であっても、決して手を上げずに、落ち着いて言って聞かせるようにするべきです。そのようにするには親の側の根気や我慢も必要になりますが、本当の意味で自立した人間に育てたければ、避けては通れない対応だと言えます。子どもの自立心を育てるためには、体罰のほかにもしないほうがいいことがあります。たとえば、子どもに対して何かをさせようとする時に、命令形の言い方(「○○しなさい」「○○しちゃだめ」)を頻繁にするのはよくありません。こうした強い言い方でばかり行動を指示されていると、子どもは自分で何かを考えたり判断したりすることができなくなってしまう傾向があります。当然ながら、最初のうちはある程度は仕方ない部分もあります。子どもの判断力では、一から十まで任せきりにするのが心配なのは当然です。それでも命令のような言い方ではなく、子どもと話しながら、共同でどうしたら良いかを考えていくのが理想的なあり方です。また、子どものものの考え方は系統立っていなかったり、自己中心的であったり、幼稚で荒唐無稽だったりするかもしれません。だからといって、子どもが考えたことを完全に否定するような言動をしたり、馬鹿にしたりしてはいけません。子どもの考えた結果に問題があるのであれば、どうしてそんなふうに考えが進んでしまったのかということを、子どもと一緒になって話し合い、また、そうした考え方の何が問題なのかということをじっくりと話してあげることが大事なのです。(子育ての達人)次回は最終回、子どもをわがままに育てないための押さえるべきポイントを紹介します。
2015年11月20日子どもと同じレベルで対応したら、大人の負け反抗期に入った子どもに「イヤ!」「自分でやる!」を連発された時、忙しいとどうしてもイラッときてしまいがちです。しかし、ここで感情的になって、子どもと同じレベルで怒鳴りあったのでは、ますます反抗が長引いてしまいます。ここは、自分の子どもが「思いや感情を周りに言葉で伝え始めるほど成長したんだ」といった捉え方をして、少しおおらかに対応するように心がけたほうがよいでしょう。たとえば「お風呂に入る?」と聞いたところ、「イヤ!」と返されたとします。このまま入らなかったらどうしようと思うと、焦って叱りつけてしまいそうですが、実際のところ、1回ぐらいお風呂に入らなかったからといって、どうということはありません。「そう言うなら1回ぐらいお風呂抜きでもいいか」というように、一歩引いて考えてみることです。また、別に子どもはお風呂に入りたくなくて「イヤ!」と言っているわけではないので、「○○ちゃんは入らないんだよね?」と逆のことを言うと、「やっぱり入る!」などと手のひらを返したりします。それでも「入らないもん!」などと言うようであれば、「ふ~ん。お風呂はすっごく楽しいんだけどな~。お母さん、もう入っちゃうよ?」と言いながら、お風呂に入る素振りをすればいいのです。はじめのうちこそ「入らない!」などと言っていても、実際にお母さんがお風呂の用意をし始めれば、そのうちに「楽しいの?」などと尋ねてきたりします。そこを捉えて、「~ちゃんといっしょに入れれば、もっと楽しいんだけどな~」などと誘えば、ほとんどの場合、お風呂に入ろうとします。大切なのは、「イヤ!」と返された時に叱りつけないことです。子どもと同じレベルで対応したらこちらの負けだ、と考えるようにしましょう。同様に、「イヤ!」の後で感情的になって怒り出してしまったり、泣き出してしまったりするような場合にも、周囲の大人まで感情的にならないようにすることが大切です。叱りつけたりせずに、何か別のことに気持ちを向けさせるような工夫をすれば、そのうちに収まります。「だいっきらい!」と言われても、成長を喜ぼうここで注意したいのは、子どもが感情的になって、「お母さんなんかだいっきらい!」などと口走った時です。「そんなこと言う子はうちの子じゃありません!」などと言い返すような場面も時折目にしますが、これは一番やってはいけないことです。大人にとっては些細な売り言葉に買い言葉かもしれませんが、子どもはこうした言葉を真に受けて真剣にとらえてしまうからです。子どもにこういうことを言われて感情的になってしまうのは、親の側も子どもと同レベルで相手をしているからに、ほかなりません。子どもに「お母さんなんかだいっきらい!」と言われたら、「もう『嫌い』なんて言えるぐらい成長したんだなあ」と、逆に喜ぶぐらいでいいのです。それが大人というものです。基本的に、これぐらいの年齢の子どもがお母さんを嫌うなんてことはまずありません。これぐらいの子どもにとってお母さんは世界で一番好きで大事な人です。それでも「嫌い」と言うのは、お母さんがどう反応するか見たいだけだったり、「嫌い」という概念や言葉を理解したので、それをただ使ってみたかったりというだけのことなのです。子どもの「嫌い」に惑わされず、逆に「お母さんはあなたが大好きよ」と言えるぐらいの余裕を持ってください。子どもがそうしたお母さんの態度に安心すれば、反抗期も短く終わるものなのです。(子育ての達人)次回は、子どもをわがまま放題にさせないための方法について解説します。
2015年11月18日第1次反抗期になった子どもは「イヤ!」を連発しては親を困らせますが、子どもは別に反抗するために反抗的な言葉を発しているのではありません。この言葉は、子どもの「自律したい(※)」という気持ちの現れなのです。もしも、子どもが「パパ、ママ、私はこんなふうにやりたいの。私のやり方でやらせて」というふうに、きちんとした言葉で意志を示してくれれば、言われたほうも「じゃあ、やってごらん」と反応を返すことができるのではないでしょうか。ところが、第1次反抗期頃の子どもは、まだそういう表現のしかたをすることができません。そのため、口にするのは「イヤ!」や、「自分でする!」になってしまうのです。こういう表現で言われてしまうと、親にしても「反抗的」、「親の言うことに従わない」と感じてしまうわけです。反抗期は大きく2回ある子どもが大人になっていく過程で、そのようなかたちで親に対して「反抗」する時期というのは、大きく2回あるとされています。はじまりは2歳~4歳ぐらいの時期であり、この時期は第1次反抗期と呼ばれます。次は12歳~14歳ぐらいの時期で、この時期は第2次反抗期と呼ばれています。第1次反抗期の子どもの反抗心は「自律(※)」したいという思いによって起きるものであり、第二次反抗期の反抗心は「自立」したいという思いから起きるものです。(※)自律=自分で考えて(自分の意志で)行動する/自立=他者(親)からの支配・援助を受けずに存在する、行動する「たかがボタンかけ」でも、子どもには重要なこと第1次反抗期に入った子どもは、親がなにかお世話をしようとするとあらゆる局面で「イヤ!」を連発します。歯を磨かせようとしても「イヤ!」、服を着替えさせようとしても、「イヤ!」といった具合です。そして、たいていの場合「自分でする!」と言い出しますが、やってみてもうまくいきません。たとえば服の着替えですが、ボタンのかけはめというのは、かなり高度な動作を要求するものです。手の動きとしても複雑な上に、顔を下に向けてもなかなかボタンホールが見づらいことも動作の難易度を上げています。いつまでもモゾモゾとやっているのにしびれを切らして、親が脇から手伝おうなどとしようととすると、子どもはどんどん不機嫌になります。親が無理にボタンをかけてしまったりしようものならば真っ赤になって怒り出し、しまいには泣き出してしまうでしょう。親にしてみれば「ボタンかけの何がそんなに重要なのか?」といったところでしょうが、当の本人にしてみれば、ものすごく大切なことなのです。(子育ての達人)子どもが「イヤ!」と言い出した時、親はどう対処するのがよいのでしょう? 次回は、親の対処法を解説します。
2015年11月15日子どもが2歳にさしかかったころ、何に対しても「イヤ!」と駄々をこね、言うことを聞かなくなるようになります。これは「魔の2歳児」とか「第1次反抗期」などと呼ばれる現象で、たいていの子どもが示すものです。「反抗期」というと何か悪いことのように捉えがちですが、実際にはこれは子どもにとっては大事な成長のプロセスです。この第1次反抗期をはじめ、反抗的になった子どもにどう接していけばよいかについて見ていきましょう。「魔の2歳児」がやってくる子どもは2歳から3歳ぐらいの時期になると、それまで素直に言うことに従っていたのとは打って変わって、親が言うことに対していちいち反抗するようになります。この時期の子どもには以前よりも知恵がつき、自分のことを自分でしたいという意識、すなわち自我が表れ始めてきています。それによって、このような反抗をするようになるのです。ただでさえ育児や家事で大変なところに駄々をこねられたら、親は疲れてしまうものです。しかし、親からすればただの反抗的態度に見えるものも、子どもにとっては成長していくために欠かせないもの。子どもの反抗を「悪いこと」「やめさせるべきこと」ととらえずに、子どもと同じ次元でやりとりしてしまわないように注意したいものです。子どもの反抗に対して対応する際に注意したい点を3つほどあげてみましょう。反抗期が来たことをむしろ喜ぶ子どもが反抗するのは、覚えた言葉も増えて、知恵がついてきたからです。つまり、すくすくと成長してきた結果なのです。子どもの駄々を悪いものと捉えるのではなく、「無事にここまで成長したんだなあ」という思いを持って見るようにしてみてください。ただし、子どものわがままの言いなりになるような対応は後に禍根(かこん)を残しますので、「子どもがもっと成長していけるように」という点を考えて対応をすることが、大切になってきます。子どもと同じ次元で怒らない子どもの成長をより促すための対応として大事なのは、子どもが反抗した時に、親も一緒に感情的になって怒らないように気をつけることです。それでは子どもの駄々こねと同じ次元で怒っているだけのことになってしまいます。子どもとは違って、親は成熟した大人であるわけですから、子どもの反抗の理由や背景についても冷静に考えることができるはずです。どうして「イヤ!」なのかについてちゃんと理由を尋ね、子どもの主張にも一理あると感じたのであれば、子どもに共感を示してみせることも必要です。守らなければならない社会のルールがあるのであれば、共感を示すのとは別に、教え諭せばいいわけです。親子でよく考え、納得させる子どもがわがままを言い出した時に、頭ごなしに「ダメ!」とやってしまうのではなく、どうしてそういうわがままを言うのかをきちんと聞いた上で対応するというやり方です。たとえば、子どもが店頭でドーナツを食べたがって駄々をこねた時、「とにかくダメなものはダメ!」とはせずに、何故ドーナツを欲しがるのかの理由を尋ねるようにします。「今日は、おうちに帰ってからケーキを食べようって約束したはずだけど、今じゃないとダメなの?」であるとか、「さっきアイス食べたいって言ってたんじゃないの?」といったように、子どもにいろいろと尋ねながら、ドーナツを欲しがる理由を探っていくようにしてみてください。ただし、注意点として、矢継ぎ早に次から次へと質問をしたり、厳しい口調で問い詰めたりしてはいけません。また、何か1つの正しい結論を出すことが目的ではないので、そこそこの答えが見えてきたところで切り上げるようにするといいでしょう。そういったやりとりを通して、場合によって子どもの立場でものを見たり、親の気持ちを子どもに伝えたりすることが大事なのです。(子育ての達人)次回は、子どもの反抗期について、掘り下げていきます。
2015年11月14日大人になって、物事をはかるものさしや社会の常識を多く身につけた今。若かった反抗期の自分を振り返ると、「なんであんなことやっていたんだ?」と首をかしげてしまうエピソードが持っている人も少なくないはずです。マイナビニュース会員に「今考えると意味がわからなさすぎた反抗期の行動」についてアンケートしてみました。調査期間:2012/6/5~2012/6/10アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 1000件(ウェブログイン式)■せっかく作ってくれたご飯を食べない「学校から帰ってきてすごくおなかがすいているのに、なぜかイライラしていて食事を作ってくれていた親にいらないと言ってしまい、部屋でテレビを見ていた」(28歳/男性)「ご飯時に毎回でてくるおみそ汁の味にキレていた」(27歳/女性)たとえ親にでも、やってはいけない横暴な行為の数々。大人になった今では料理の手間を知っている分、反省している人も多いのではないでしょうか。■親と一緒にいたくない!「和英辞書で調べて『dont disturb me(入らないで)』という札を作って、ドアにぶら下げていた。旅行で泊まったホテルにも同じ物があって、思わずひとりで笑ってしまいました(笑)」(26歳/女性)「親が車で送ってあげると言ってくれたときに、天候がかなり悪くても自力で学校へ行っていた。今だったら、絶対送ってもらっているのに」(23歳/女性)「習い事の帰り、遅い時間で危ないからとわざわざ迎えに来てくれていた母に、『母親と一緒に並んで歩いて帰るなんていや!』と言って、私が10メートルほど前を歩き、母がその後ろをついて帰りました」(27歳/女性)一人部屋にこもったり並んで歩くことを拒んだりと、とにかく親から離れようとする……筆者にも心当たりがあります。自立心の芽生えなんでしょうけど、今思えば少しかわいそうだった気も。■若さゆえの破壊衝動!「イライラをぶつける対象がなくて、プラスチックの定規を折ったことがあります」(29歳/女性)「二段ベッドの上から天井をけって穴をあけていた」(26歳/女性)「口うるさく言われたときに、母が畳んだばかりの洗濯物をわざと散らかしてしまった」(28歳/女性)子どものころはストレスの発散方法も知らず、物にぶつかってしまうことって多いですよね。人さまに迷惑をかけないのなら、やけ酒・やけ食いなんて大人の発散方法はかわいいものかもしれません。■お父さんをいなかったことにする「父親が嫌で嫌でたまらなかったため存在を無視して、伝えたいことがあっても母親に伝言してもらったりしていた」(28歳/女性)「中学から大学にかけて、父を徹底的に無視していた。話しかけられても無愛想な相づちだけ、父がテレビを見ていてもいないかのように勝手にチャンネルを変えていた」(28歳/女性)父親になったら威厳を持ちたいものですが、現実には厳しそう。男性である筆者にとってはただただわが身を案じるばかりです……。■そのほか「エタノール消毒剤を振りまきながら親の後ろを歩いてました」(26歳/女性)「子どものころ、無性に自分の銀行口座を持ちたくなった」(22歳/男性)反抗の理由も方法も人それぞれのようですが、なかには個性的なものも。自分ではまともと思っていても、人から見たらおかしな反抗って探してみれば結構あるものです。ただ、エタノールを振りまくのは、いろいろ問題があるので止めてください。思い起こしてみると、訳がわからないなと笑ってしまったり、親の気持ちを考えずにひどいことをしたものだと反省してしまったり。反抗期ってかわいらしくもほろ苦くもある、なんとも憎めない時期ですよね。あのころの自分を客観視できる今、両親に謝りながら一緒に振りかえるのも、結構楽しいかもしれません。(黒木貴啓+プレスラボ)
2012年08月26日