小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星の名前が「Ryugu(リュウグウ)」に決定した。「リュウグウ」はこれまで、「1999 JU3」という仮符号で暫定的に呼ばれていた。「リュウグウ」は1995年5月10に米LINEARチームが発見。大きさはおよそ900mで、地球と火星に挟まれるかたちで太陽の周りを公転している。通常、小惑星の名称は発見者が国際天文学連合(IAU)に提案し、その後IAUでの審査を経て、IAUの下部組織である小惑星センターが発行する科学誌「マイナープラネットサーキュラー」に名称が掲載されることで正式な発表となる。今回はの場合はJAXAがLINEARチームに「はやぶさ2」プロジェクトから提案させて欲しいと申し入れ、了承された。○商標権トラブルなども考慮した選出「リュウグウ」という名称を選んだ理由について、名称案選考委員会の委員長を務めた多摩六都科学館の高柳雄一 館長は「(『リュウグウといえば』)日本では世代を超えて『浦島太郎』の物語が思い出される。浦島太郎は竜宮城から玉手箱を持ち帰ったが『はやぶさ2』もサンプルをカプセルに入れて持ち帰る。」と語るなど、サンプルリターンを目標としている「はやぶさ2」の姿が昔話の主人公と通じることを挙げた。また、「リュウグウ」が水を含むと考えられていることや、既存の小惑星と類似しておらず商標権のトラブルなどの心配がないこともポイントだったという。また、「リュウグウ」は地球接近小惑星(NEO)に分類されることから、神話から名前をとることが慣例となっており、今回もそれに従っている。この点について「はやぶさ2」プロジェクトチームの吉川真 ミッションマネージャーは「(『はやぶさ』の目的地だった)「イトカワ」のときは伝説的な人物だったが、今回は神話じゃなければ通らないのではという心配があった。一般名詞だと厳しいと思っていたので本当に良かった」とコメントした。(注:「イトカワ」は日本のロケットの生みの親である糸川英夫 博士にちなむ)○異例のスピード決定さらに、JAXAからLINEARチームに名称案を送ったのは9月中旬だったとのことで、通常3カ月以上かかるとされる審査をわずか数週間で終えたことは極めて異例だ。吉川ミッションマネージャーは「正確な理由はわからないが、通常は名前が適当かどうかという議論で決定が延びる。今回はそれがなかったのではないか。また、『はやぶさ2』のミッションターゲットのことは(IAU側の)審査委員も知っているので、早めに考えてくれたのだと思う。」と語り、「リュウグウ」という名前が適切であったことと、12月3日に地球スイングバイというイベントを控えている「はやぶさ2」のミッションスケジュールを考慮してのスピード決着だったのではと推測した。なお、何らかの理由で「マイナープラネットサーキュラー」が本来のタイミングで発行されていないため、正式な名称決定日は確定していないものの、IAUの他のwebサイトで「1999 JU3」が「リュウグウ」であるということは明記されており、名称決定は間違いないという。「浦島太郎」の物語といえば、玉手箱を開けた主人公が中から出てきた煙を浴びて老人になってしまうという決してハッピーエンドとは言えない結末を迎える。一方、「はやぶさ2」ではカプセル内のサンプルから出たガスを蓋を開ける前に採取し、分析にかけることになる。「はやぶさ2」プロジェクトの津田雄一 プロジェクトマネージャーは「『浦島太郎』にはさまざまな解釈があると思う。『はやぶさ2』の場合はサンプルを開けることで惑星科学、生命の歴史を紐解くという意味で、その時計を前にすすめることになる」と「はやぶさ2」がもたらすであろう科学的成果に期待を寄せた。ちなみに、「リュウグウ」のほかには「アマテラス」「ヤマト」などの名前が人気だったとのことで、前者はすでに天体の名前として使用されていること、後者は戦時中の戦艦を想起させることから選出が見送られた。
2015年10月06日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月5日、2014年12月3日に打ち上げられ、2020年に地球帰還を目指す小惑星探査機「はやぶさ2」の目標到着地である小惑星「1999 JU3」の名称を「Ryugu」に決定したと発表した。同小惑星の名称は2015年7月22日から8月31日までの期間、広く一般から案を募集。その案を多摩六都科学館の高柳雄一館長を委員長とした有識者による選考委員会の選考を経て、決定された。名称案の応募総数は7336件で、その内「Ryugu」は30件ほどの応募があったという(類似として「Ryugujo」5件、「Ryuuguu」5件、「Ryugujyo」1件、「Ryugujou」1件、「Ryugu-zyo」1件)。選考委員会では、以下の4点を選考理由として挙げており、それらを元に実際に名称提案権を持つ米国LINEARチームに提案。同チームより、国際天文学連合に提案され、太陽系内小惑星の名称を管理する「Minor Planet Centor」の小惑星リストに「Ryugu」の名称が掲載されるに至ったという。「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること小惑星「1999 JU3」は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であることすでに小惑星の名称として存在していない、神話由来の名称案の中で多くの提案があった名称であること「Ryugu」は「神話由来の名称が望ましい」とする国際天文学連合の定めたルールに合致し、また、第三者商標権などの観点でも大きな懸念はないためなお、はやぶさ2は2015年12月3日に、地球の引力を利用して軌道の変更とスピードアップを行う「地球スイングバイ」を実施する予定で、それにより、本格的に「Ryugu」への旅路に就くこととなる。
2015年10月05日女優の広瀬すずが主演を務める映画『ちはやふる』(「上の句」2016年3月/「下の句」4月2部作連続公開)のチラシ第1弾となるビジュアルが公開された。同チラシは、19日より全国の劇場にて掲出される。原作は、漫画家・末次由紀氏が漫画誌『BE・LOVE』(講談社)で連載中の同名漫画。2010年に「このマンガがすごい! オンナ編」第1位を獲得し、累計発行部数は1,300万部(2015年9月時点。既刊28巻)を超えるヒットを記録している。"畳の上の格闘技"とも呼ばれる「競技かるた」に懸ける高校生たちの友情・恋愛・成長を描く。このたび公開されたチラシは、広瀬演じる主人公・綾瀬千早の表情のアップと、千早が百人一首の中で最も大切にしている句「ちはやふる」の札を配したデザイン。原作者の末次氏が、撮影現場で広瀬を見て「千早がいる」と感激したことをきっかけに、"原作のイメージと広瀬すずが演じる千早の魅力を最も表現できるビジュアル"を考えた結果、原作2巻の表紙を踏襲することになった。「ちはやふる」は、千早にとって競技かるたの世界に出会った時の思い出の句。チラシでは、この句の札を持たせることで、原作へのオマージュを感じさせつつ、千早の競技かるたへの熱い思いを強調している。広瀬は、「こうして『千早』として撮って頂けて本当に光栄です。完全実写化という難しさも実感しましたが、出来上がったビジュアルを見て夢が叶った感じです」と感慨深げ。チラシの撮影時には、「ワンカット目からスタッフさんの間で『おおー!』という声が上がったことについ反応してしまいました」「『千早』なんだなって、改めて実感させてもらえた撮影でとても幸せでした」とうれしそうに語った。このところ、吉田秋生氏原作の『海街diary』(2015年)、新川直司氏原作の『四月は君の嘘』(2016年)と漫画実写化作品の出演が続いている広瀬だが、映画で主演を務めるのは本作が初。広瀬のほか、真島太一役は野村周平が、綿谷新役は松剣佑が務め、『タイヨウのうた』(2006年)や『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013年)など青春映画を多く手がけてきた小泉徳宏監督がメガホンを取る。(C)2016映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社
2015年09月16日映画やCMに引っ張りだこの女優・広瀬すずが映画初主演を務めることでも注目を集めている『ちはやふる』。コミックス累計発行部数1,300万部を超える末次由紀の大人気コミックスを実写映画化した本作から、原作へのオマージュを捧げた広瀬すず版千早のビジュアルが公開された。千早・太一・新の3人は幼なじみ。“競技かるた”でいつも一緒に遊んでいたが、小学校卒業を境に離ればなれになってしまう。千早はたった一人になってしまっても「かるたを教えてくれた新に“強くなったな”って言われたい」と純粋な想いで競技かるたを続けていた。高校生になった千早は、再会した太一と共に“競技かるた部”を作り、全国大会を目指す。「全国大会に行けば、新に会えるかもしれない!」千早の新への気持ちを知りながらも、かるた部の一員となる太一。千早・太一・新、そして瑞沢高校かるた部の、まぶしいほどに真っ直ぐな想いと情熱が交差する、熱い夏が来る――。来年3月に「-上の句-」、4月に「-下の句-」と二部作連続公開となる本作。“競技かるた=百人一首”に情熱を懸ける高校生達の友情・恋愛・成長を、瑞々しくも熱い青春模様として描くのは『タイヨウのうた』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』を手掛けた小泉徳宏監督。主人公・綾瀬千早を演じるのは『海街diary』『バケモノの子』『四月は君の嘘』『怒り』と話題作に出演、10代を代表する若手No.1女優として圧倒的な存在感を放つ広瀬さん。真島太一役には、月9「恋仲」(フジテレビ)で話題の俳優・野村周平。綿谷新役には、先日舞台「花より男子」に出演することが決定した真剣佑。そのほか、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、さらに松岡茉優、松田美由紀、國村隼という実力派キャストが集結している。今回公開されたビジュアルは、広瀬さん演じる千早の表情のアップと、千早が百人一首の中で最も大切にしている句「ちはやふる」の札を配したデザイン。原作者・末次氏が、撮影現場で広瀬さんを見て「千早がいる」と感激していたことをきっかけに「原作のイメージと広瀬すずが演じる千早の魅力を最も表現出来るビジュアル」、高校生へ成長した千早の物語がスタートする原作第2巻の表紙を踏襲したデザインとなったという。広瀬さんはこのデザインを気に入ったようで「こうして“千早”として撮って頂けて本当に光栄です。完全実写化という難しさも実感しましたが、出来上がったビジュアルを観て夢が叶った感じです」と喜びを語り、撮影についても「(チラシの撮影時には)ワンカット目からスタッフさんの間で『おおー!』という声が上がったことについ反応してしまいました。“千早”なんだって、改めて実感させてもらえた撮影でとても幸せでした」とコメントを寄せた。なお、今回公開されたビジュアルは、9月19日(土)より全国の劇場にて掲出されるとのこと。『ちはやふる』は2016年3月より<上の句>、4月より<下の句>二部作連続公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月13日女優の広瀬すずが初主演する映画『ちはやふる』(「上の句」2016年3月/「下の句」4月二部作連続公開)の劇中ビジュアルが21日、公開された。広瀬は人生初のロングヘアで、はかま姿を披露している。広瀬は髪型について、「(エクステを)毎日つけていると、(撮影現場では)ボブの方が『誰?』みたいになって、私自身もこっち(ロング)の方が見慣れて、ボブになると変な気分になるくらい身近になりました」と明かし、その印象について「ここまで伸ばしたことはなかったので、新鮮でした。お姉ちゃんに似てました(笑)」と語った。競技かるたに打ち込む主人公・綾瀬千早という役柄に関しては、「元気でパワフルで、ここまで明るいダイナミックな役は初めてだったので、まず振り切ろうと思いました。振り切る事が、彼女に一番近づく事になるかなと思いました」とコメント。競技かるたの撮影では、「ちはやちゃん(の動き)は大胆でダイナミックなので、何も考えないくらいバンッ、バンッ、って動いた方が彼女に近づけるかなと思い演じました」と振り返り、「みんな、足の甲やひざがすれて、皮がむけて、真っ黒になって。『ガムシャラにやってきた証だね』という会話をしていました。感覚がなくなるくらい痛かったんですけど、それでも負けずに(かるたを)とるという、みんなの熱やパワーを感じました」と撮影現場の模様を伝えた。原作では女子人気の高いキャラクター・真島太一を演じる野村周平も、「撮影は大変でした。スローモーションもあって、札を触ってないとばれるんです。試合のシーンは(1シーン100カット以上あり)何回も何回もやりました」と苦労もあった様子。さらに、広瀬をおんぶするシーンについては、「しんどかったです。坂道だったし、長回しで、セリフも言わなければいけなくて。乗ってる側もしんどかったと思います」としながらも、「でも、おんぶすることもあまりないので新鮮でした」と印象的な共演シーンに触れた。メガホンをとった小泉徳宏監督は、広瀬の演技について「(ビジュアルも含めて)地に足のついた千早が出来上がったと思います。びっくりするくらいはまりました。カメラが回ると、役がいきなりはねあがって、千早になりきるんです」と絶賛の言葉を送っている。漫画家の末次由紀氏が手がけたコミック『ちはやふる』は、2010年に「このマンガがすごい!オンナ編」第1位を獲得し、累計発行部数は1200万部(2015年6月時点。既刊27巻)を超えるヒットを記録。"畳の上の格闘技"とも呼ばれる「競技かるた」に懸ける高校生たちの友情・恋愛・成長を描いている。共演には、綿谷新役に真剣佑、大江奏役に上白石萌音、西田優征役に矢本悠馬、駒野勉役に森永悠希、須藤暁人役に清水尋也、木梨浩役に坂口涼太郎、若宮詩暢役に松岡茉優などフレッシュなキャストに加え、宮内妙子役の松田美由紀、原田秀雄役の國村隼らベテラン俳優陣が脇を固める。(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会(C)末次由紀/講談社
2015年07月21日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月21日、小惑星探査機「はやぶさ2」が目指している小惑星「1999 JU3」の名称案の募集について記者説明会を開催した。「1999 JU3」は1995年5月10日に米LINEARチームが発見した。大きさはおよそ900mで、地球と火星に挟まれるかたちで太陽の周りを公転している。この「1999 JU3」という呼称は正式名称ではなく、仮符号という暫定的なもので、「1999」が発見された年を、「J」が発見された月(頭文字ではなく、5月1日-15日に発見された事を表している)、「U3」は発見された順番を表している。小惑星の名称決定までにはいくつかのステップを踏む必要がある。今回の場合、まずJAXAが集まった名称案の中から最もふさわしいものを選出する。その後、選出した名称を説明文とともに発見者のLINEARチームに提出し、LINEARから国際天文学連合(IAU)に提案してもらうことになる。IAUでの審査を経て、IAUの下部組織である小惑星センターが発行する科学誌「マイナープラネットサーキュラー」に名称が掲載されることで正式な発表となる。スムーズに進めば今年末には名称が正式に決定する見込みだ。小惑星の名称を提案する権利は発見者が持つが、今回の場合はJAXAがLINEARチームに「はやぶさ2」プロジェクトから提案させて欲しいと申し入れをし、了承された。また、小惑星の名称を考えるにあたり、いくつかの注意点がある。「1999 JU3」が分類される地球接近小惑星(NEO)は、神話から名前をとるのが慣例となっている。神話が日本または海外のものであるかどうかは問われないが、NEOの場合、天地創造や死後の世界に関するものは避けることとされている。ただ、「はやぶさ」がサンプルリターンを行った「イトカワ(日本のロケットの生みの親である糸川英夫 博士にちなむ)」のように、特別な理由があれば神話以外から名付けられる可能性もあるという。このほかでは、以下のような規則がある。アルファベットで16文字以下でなければならない1語であることが望ましいラテン文字(英語のアルファベット)で表記できるものでなければならないOffensive(不快な、感情を害するような、攻撃的な)なものであってはならない既存の小惑星や天然の衛星と同じまたは似た名前であってはならない戦争や政治に関連した出来事や人物についての名称は、その出来事が起こってから、あるいはその人物が死亡してから100年を経過する必要があるペットの名称は認められない宣伝となる名称は認められないこうした規則の詳細については、7月22日13時30分より開設予定の名称案募集用の特設WEBページ内でも説明される予定。また、JAXAは、名称案が既存の小惑星や衛星と重複していないかIAUのホームページで確認することを勧めている。募集期間は2015年7月22日13時30分~8月31日10時(日本時間)。JAXAのWEBページ、ハガキのほか、7月24日・25日のJAXA相模原キャンパス特別公開での応募用紙から応募を受け付ける。
2015年07月21日女優の広瀬すずが、競技かるたをテーマにした人気コミック『ちはやふる』の実写化作品で映画初主演を務めることが24日、明らかになった。映画は二部作連続公開となっており、前編『上の句』は2016年3月、後編『下の句』は同年4月の公開となる。漫画家の末次由紀氏が手がけたコミック『ちはやふる』は、2010年に「このマンガがすごい!オンナ編」第1位を獲得し、累計発行部数は1200万部(2015年6月現在。既刊27巻)を超えるヒットを記録。"畳の上の格闘技"とも呼ばれる「競技かるた」に懸ける高校生たちの友情・恋愛・成長を描いている。広瀬が演じるのは、主人公の綾瀬千早。「家に百人一首があるくらい、家族全員で原作の大ファン」と語る広瀬は、「原作の千早は、身長が高くロングヘアーで、自分とは違うイメージかな」と初めのうちは不安もあったものの、「いろいろな作品を演じていく中で自分にも千早のような熱い部分があると感じました」と女優として経験を積む中で役柄との共通点を見つけることができたという。そして作品を通して「千早の熱をしっかり表現し、少しでも彼女のまっすぐさ、芯の強さに近づいていきたい」と語り、「"映画初主演"ということはあまり意識せずに、キャストのみんなと同じ場所で、小泉監督がつくる『ちはやふる』の世界でイキイキと一番輝いている千早として生きられるように頑張りたいと思います」と意気込みを述べた。メガホンをとる小泉徳宏監督は、現在歌手としても活躍する女優・大原櫻子を監督作『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013年)で発掘したことでも知られ、今回のオーディションに800人を超える若手俳優が参加するなど業界内の注目を集めていた。配役について小泉監督は、「素直で、無邪気で、情熱的で、周りの人間を魅了しながら前へ前へと突き進む。綾瀬千早という人物像を違和感なく演じきれる役者は、広瀬さんをおいて他に考えられません」と絶対の自信を持つ。普段の広瀬を「千早とは逆にとてもシャイでつつましい」と明かす一方で、「ひとたびカメラが回ると、途端に役に入り込んで千早のはじけるようなキャラクターへと豹変する」と女優としての実力を高く評価し、「皆さんにその変貌ぶりを早くご覧になっていただきたい」と見どころを語った。原作者の末次氏は、「ちはやふるの実写化の難しさを1番感じていたのは自分でした。でもこの題材に真正面から取り組んでくださってる小泉監督は、私よりも何歩も深く踏み込んで、空気ごと再構築してくださっています。今は小泉監督の作品としての仕上がりが楽しみでなりません!」と完成を心待ちにしている様子。実写映画化を祝してメッセージ入りのイラストを書き下ろし、「ロングヘアの広瀬すずさんは美しすぎて似合いすぎて、千早すぎますよ!」とコメントを寄せている。共演には、真島太一役に俳優の野村周平、綿谷新役に真剣佑、大江奏役に上白石萌音、西田優征役に矢本悠馬、駒野勉役に森永悠希、須藤暁人役に清水尋也、木梨浩役に坂口涼太郎、若宮詩暢役に松岡茉優などフレッシュなキャストに加え、宮内妙子役の松田美由紀、原田秀雄役の國村隼らベテラン俳優陣が脇を固める。(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会(C)末次由紀/講談社
2015年06月24日“競技かるた=百人一首”に情熱を懸ける高校生の青春を描いた大人気コミックスを二部作連続で実写映画化する『ちはやふる』。この度、映画、CM、ドラマなどに引っ張りだこの最旬女優・広瀬すずが本作で映画初主演を務めることが明らかになった。煌めく青春時代に“情熱”を追い求め走り続ける千早、太一、新の、眩しいほどに一途な想いが交差する青春群像劇。綾瀬千早が小学生のときに出会った、綿谷新。彼は、千早に“自分の夢”という意味を教えてくれた人。新の「競技かるた」に懸ける情熱が色鮮やかに光って見えた。それは、千早の初恋だった…そんな矢先、家庭の事情で、引っ越してしまう新。離ればなれになってしまった新にもう一度会いたいと願い続けた千早。高校生になった千早は、“競技かるた部”を作り、全国大会を目指す。新に会いたい一心で。千早の新への気持ちを知りながらも、かるた部創部を応援する幼馴染みの真島太一。彼もまた、新に勝たなければ前に進む事ができないでいた…。原作は2010年「このマンガがすごい!オンナ編」第1位を獲得、コミックス累計発行部数1,200万部(2015年6月現在)を超える末次由紀の大人気コミックス「ちはやふる」(講談社「BE・LOVE」連載)。監督を務めるのは、『タイヨウのうた』(’06)、『カノジョは嘘を愛しすぎている』(’13)を手掛ける小泉徳宏監督。本作では脚本も務め、高校生たちの友情・恋愛・成長をリアルに描いていく。主人公・綾瀬千早を演じるのは、『海街diary』やドラマ「学校のカイダン」(日本テレビ)と話題作に出演し、7月に公開を控える細田守監督の最新作『バケモノの子』では初の声優に挑戦するなどいま最も注目を集める広瀬すずだ。また、真島太一役には、映画『ビリギャル』『日々ロック』や、7月スタートのフジテレビ月9ドラマ「恋仲」などさまざまな役柄に挑戦する若手実力派俳優・野村周平。広瀬さんが想いを寄せることになる綿谷新役には、『劇場版仮面ライダードライブサプライズ・フューチャー』に出演が決定し、ブレイク必至の真剣佑が抜擢された。「家に百人一首があるくらい、家族全員で原作の大ファンです」と語る広瀬さんは、自身の演じる主人公について「原作の千早は、身長が高くロングヘアーで、自分とは違うイメージかなと不安もありましたが、色々な作品を演じていく中で自分にも千早のような熱い部分があると感じました。千早の熱をしっかり表現し、少しでも彼女のまっすぐさ、芯の強さに近づいていきたいと思います」「“映画初主演”ということはあまり意識せずに、キャストのみんなと同じ場所で、小泉監督がつくる『ちはやふる』の世界でイキイキと一番輝いている千早として生きられるように頑張りたいと思います」と意気込みを語った。小泉監督は、広瀬さんの起用について「素直で、無邪気で、情熱的で、周りの人間を魅了しながら前へ前へと突き進む。綾瀬千早という人物像を違和感なく演じきれる役者は、広瀬さんをおいてほかに考えられません。広瀬さん自身は、実は千早とは逆にとてもシャイで慎ましい方なのですが、そこはさすが役者。ひとたびカメラが回ると、途端に役に入り込んで千早の弾けるようなキャラクターへと豹変するのです。みなさんにその変貌ぶりを早くご覧になって頂きたいです」。本作には、広瀬さん、野村さん、真剣佑さんのほかにも、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也と次世代を担う若手俳優たちがオーディションを経て出演が決定。また、千早の永遠のライバル、最強のかるたクイーン・若宮詩暢役を、松岡茉優、千早が通う瑞沢高校教諭役を松田美由紀、千早の百人一首の師匠・原田役を國村隼が好演する。『ちはやふる』は2016年3月より<上の句>、4月より<下の句>二部作連続公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月24日京はやしやは7月1日、「京はやしや 抹茶葛ねり」を発売する。一部店舗では、5月1日よりすでに販売している。○希少な「本物の抹茶だけ」を使用したスイーツ同商品は、"お茶は飲むだけでなく、茶葉そのものを食することで、茶葉に含まれる豊富な栄養を丸ごと摂取できる"という五代目・林屋新一郎の信条が息づいた一品。菓子作りにおいてはめったに使用することができない、お茶席用の抹茶で作った菓子となる。茶葉の高級品種「あさひ」「さみどり」「ごこう」の一番茶のみずみずしい若葉だけを摘み取り、上品な苦味、深い香り、美しい色合いを最大限に引き出すため、1時間に40gほどしか挽けない石臼で丁寧に挽いた宇治抹茶「松の齢」を使用した。抹茶の上品なほろ苦さ、煉菓子の触感のどちらも楽しめるバランスにこだわり、菓子職人が繊細な火加減で丁寧に練り上げることで、もっちりと心地良い舌触りを生み出したという。和スイーツらしく、シズル感ある笹の葉で包んでいる。価格は390円(税込)。
2015年06月07日国立天文台のすばる望遠鏡は6月4日、小惑星探査機「はやぶさ2」の行き先として知られる小惑星「1993 JU3」の姿を捕らえた画像を公開した。公開された画像は5月20日に撮影されたもので、観測当時「1993 JU3」は地球から2億4000万kmの距離にあった。明るさは22.3等程度だったが、集光力に優れるすばる望遠鏡では30秒の露出時間で撮影に成功した。観測を行ったハワイ観測所の寺居剛氏は「観測時は明け方のうえ雲が多く、条件はあまり良くなかったのですが、『1999 JU3』が放つ微かな光をはっきり捉えることができました。」とコメントしている。
2015年06月05日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月27日、2015年3月3日~21日にかけて実施した小惑星探査機「はやぶさ2」の第1回イオンエンジン連続運転を実施、安定して深宇宙を航行中であること、ならびに6月に第2回イオンエンジン連続運転の実施、12月3日に地球スイングバイの実施をそれぞれ計画していることを明らかにした。はやぶさ2のイオンエンジン連続運転は、地球スイングバイに向けた軌道制御運転として行われるもので、2回に分けて合計約600時間が実施される計画。使用するイオンエンジンはAとDで、第1回目となる今回は409時間分の連続運転が行われたという。その結果、地球最接近距離が打ち上げ直後の軌道決定地314万kmから67万kmへ近づけることに成功したとするほか、6月上旬に地球スイングバイ時の最接近距離を1万km以下にすることを目指した第2回連続運転が実施される予定とする。なおJAXAでは、4月22日および24日にはESA(欧州宇宙機関)のMalargue局、DLR(ドイツ航空宇宙センター)のWeilheim局の2地上局の使用を想定した運用(通常は日本の臼田、クリティカル運用では米国航空宇宙局(NASA)のDeep Space Network(DSN)からも運用を計画)を実施したほか、今後8~9月にイオンエンジンによる軌道微調整期間、10月初旬以降に化学推進系による精密誘導の開始をそれぞれ予定しているという。
2015年04月27日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」を小惑星1999 JU3に向けた航行段階(巡航フェーズ)に移行すると発表した。「はやぶさ2」は2014年12月の打ち上げ以降、約3カ月間にわたり搭載機器の初期機能確認を行ってきた。今後は、2015年11-12月に予定されている地球スイングバイに向けた運用を実施していく。地球スイングバイまでの間でイオンエンジン2台による運転を期間中2回に分けて合計約600時間行い、航行速度を60m/秒増速する計画だ。スイングバイ以降のミッションスケジュールとしては、2018年6-7月に小惑星1999 JU3に到着、科学観測および試料採取を行った後、2020年11-12月に地球に帰還する予定となっている。
2015年03月03日●打ち上げ後、順調に航海を続ける「はやぶさ2」宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月28日、小惑星探査機「はやぶさ2」に関する記者会見を開催、これまでの運用状況について説明した。現在、探査機の状態は正常。4台のイオンエンジンの稼働を確認したほか、日本の探査機としては初となるKaバンド通信にも成功した。今後1カ月で残りの初期チェックを行い、定常運用に移行する計画だ。はやぶさ2は昨年12月3日に打ち上げられており、それからほぼ2カ月が経過した。2日間のクリティカル運用が完了した後、現在は搭載機器や地上システムの機能を確認する初期運用が実施されているところで、これまでに基本的なところはほぼ完了。國中均・はやぶさ2プロジェクトマネージャが「万全」というくらい、順調に進んでいるようだ。○イオンエンジンは4台とも正常まずイオンエンジンについてだが、12月23日から4日をかけて、スラスタA~D単独の試運転を実施。正常な推力が出ていることが確認できた。そして1月12日からは2台同時運転、16日にはA+C+Dの3台同時運転にも成功。このときの推力は約28mNで、ほぼ定格通りだった(イオンエンジン1台の推力は、初号機の8mNから10mNに向上している)。イオンエンジンは非常に燃費が良い反面、推力がとても小さいという特性がある。このため、小惑星に向かう巡航運転時には長時間の連続稼働が必要になるのだが、1月19日~20日に初めてスラスタA+Dによる24時間連続自律運転を行い、無事成功。3月からの巡航運転に目処が立った。はやぶさシリーズはイオンエンジンを4台搭載するが、同時に運転できるのは最大3台。1台は予備という位置付けだ。だが初号機では、初期運用中にスラスタAに問題が出て、いきなり予備が無い「危機的な状況」(國中プロマネ)になってしまった。かろうじて帰還できたものの、これは解決すべき大きな課題だった。はやぶさ2のイオンエンジンは、國中プロマネが「かなり粒が揃ったものを作ることができた」と胸を張る自信作だ。部品レベルでの国産度を高めたほか、キセノンガス(推進剤)の供給装置も改良。初号機よりも、きめ細かい流量制御ができるよう取り組み、安定した推力を実現したという。4台とも正常だったことで、「1台の予備」を維持することができた。國中プロマネは「厳しい航海が待っている」とし、今後について決して楽観視はしないものの、順調な初期運用の結果には、「機材としては十分な余裕を持って、小惑星への往復航海に乗り出せた」と素直に喜んだ。ところで12月19日~22日にイオンエンジンのベーキングを実施しているが、これは初号機では無かった手順だ。ベーキングというのは、温度をわざと上げることで、揮発性のガスを出し切る作業。特に打ち上げ直後、真空になったばかりというのは、機体からそうしたアウトガスが出やすい。ベーキングによって、機体を乾かすというわけだ。國中プロマネによれば、イオンエンジンは真空度が完全でないと、良いオペレーションができないという。初号機では、そうした知見が十分でなかったために、スラスタAの機能を落としてしまった。そのため、はやぶさ2では、ヒーターで50℃に温めたり、姿勢を変えて太陽光を当てたり、プラズマを点火するなどして、運転前にベーキングを行った。○スラスタBを使わないのはなぜ?2台同時運転、3台同時運転の組み合わせを見ると、スラスタBだけが外されていることが分かるが、これはスラスタBに問題があるわけではなく、バックアップとして取っておくためだという。当面はA/C/Dの3台のみを使って、軌道変換を行っていく計画だ。細かい話になるが、なぜスラスタBなのか、気になる人もいるだろう。「B」はバックアップのB - という理由ではもちろん無い。先ほど、同時に運転できるのは最大3台だと説明したが、じつはスラスタは4台あるのに、直流電源は3台しかない。はやぶさシリーズでは、リレーを電源とスラスタの間に入れることで、組み合わせを変えているのだ。ただ、4台のスラスタがすべて同じ条件ではない。スラスタAとDは繋ぐことができる電源が1つに決まっているが、スラスタBとCは2つの電源から選ぶことができる。こちらの方が自由度が高いので温存しておいて、なるべく先にスラスタAとDを使い倒したいというわけだ。一方、各スラスタの配置上、太陽側にあるスラスタAとBは温度が上がりやすい。しかし温度はなるべく上げたくないという事情があって、日陰側のスラスタCとDを使いたい。条件としては、ほんの僅かな違いであるものの、以上2つの明確な理由があって、A/C/Dの3台に決まったそうだ。ちなみに、リレーがあるのなら、一定時間ごとに切り替えて、4台を均等に使っていくことも考えられるが、そうしないのは、リレーが機械式だからだ。宇宙では、無駄な機械操作はしないのがセオリー。「必要がない限り、リレーの切り替えはさせたくない」(同)という判断により、使用する3台を固定化したわけだ。なお初号機では、復路で健全なスラスタが無くなり、帰還に黄信号が灯ったとき、異なるスラスタのイオン源と中和器を組み合わせるという、裏技に近い「クロス運転」で最大の危機を脱した。はやぶさ2にも「当然ながら初号機の機能はすべて入っている」わけだが、國中プロマネの「でも今回はそういう機能は使わないで帰れるようにしたい」というのは本音だろう。●「はやぶさ2」の最大の懸念点とは…○リアクションホイールのキモはZ軸探査機の姿勢制御に使うリアクションホイールも、初号機で大きなトラブルを起こした場所だ。初号機のリアクションホイールは、小惑星に向かう途中でX軸、小惑星到着直後にY軸が故障しており、それ以降、残るZ軸だけによる綱渡りの運用を強いられていた。リアクションホイールは、円盤の回転速度を上下することで、機体の回転を調整することができる装置。1台で1軸周りの回転しか制御できないため、3軸制御のためには最低3台が必要になるのだが、初号機は厳しい重量制限があったせいで、3台ちょうどしか搭載することができなかった。通常は、冗長のために4台を搭載する。初号機での故障は、初号機用に特別に変更した部分が原因だったと考えられており、標準品を使用したはやぶさ2で同じ現象が起きる可能性はないのだが、今回はセオリー通り4台を搭載。だが、セオリー通りでないのは配置の方法だ。4台が正四面体の位置関係になるスキュー配置ではなく、Z軸のみ2重(XYZZ)にした珍しい配置になっているのだ。このように非常に特殊な配置を採用したのは、初号機での知見があるからだ。もしリアクションホイールが壊れたとしても、探査機には姿勢制御スラスタ(RCS)もあるので、燃料がある限り、3軸制御は可能。だが、初号機はRCSも使用不能になったのに、Z軸のリアクションホイールだけで、地球に帰還することができた。この1台だけでは、Z軸周りの回転しか制御できない。では残りのX軸とY軸はどうしたのかというと、初号機では、太陽光圧により発生する微弱な回転力や、キセノンガスの直接噴射などを組み合わせて、姿勢制御する新しい方法を編み出した。Z軸さえ無事なら、初号機の方法で、姿勢制御は何とかなる。だからZ軸は特に手厚く、というわけだ。ちなみに初号機では、太陽光圧は非常時の姿勢制御として利用されたわけだが、はやぶさ2では、リアクションホイールを温存するために、むしろ積極的に活用する方針。國中プロマネによれば、「イオンエンジンなどの難しい運転がない場合は、XYZの3台のリアクションホイールを停止して、Z軸の1台だけで姿勢制御する」ことを狙うそうだ。○日本初の深宇宙Kaバンド通信を確立そのほか、ここまでの初期運用で大きなトピックスとしては、はやぶさ2で新たに搭載されたKaバンドアンテナによる通信の確立がある。深宇宙でのKaバンド通信に成功したのは、日本の探査機では初めて。Kaバンドは従来のXバンドに比べて4倍高速であり、より大量の観測データを小惑星から送ることができるようになる。しかし残念なことに、日本国内には、はやぶさ2とKaバンド通信ができる地上局がない。そのため今回は、NASAの深宇宙ネットワーク(DSN)各局の協力を得て通信を行った。日本国内にもKaバンド通信が可能な地上局はあるが、これらは地球を周回する衛星向けで、深宇宙通信の能力はない。探査機との通信には、もっと大きなアンテナが必要で、そのための施設として臼田と内之浦に直径64mと34mの大型アンテナがあるものの、対応しているのはXバンドで、Kaバンドは利用できない。日本の小惑星探査は世界最先端の成果を上げているが、こと深宇宙との通信設備に関して言えば、米国から遥かに遅れていると言わざるを得ない。臼田局は、ハレー彗星探査機「さきがけ」「すいせい」の時代に作られたアンテナで、すでに30年が経過している。今後も使い続けるのは「寿命の問題もあり難しい」(同)という状態だ。そこで、JAXAでは「我々は"臼田後継"と呼んでいるが、臼田局を作り替えることを計画している」(同)とのこと。具体的なスケジュールはまだ検討中だが、國中プロマネによれば、「XバンドとKaバンドの送受信が可能な設備を整えたい」そうだ。なお米国はDSN局として、世界3カ所にゴールドストーン局、キャンベラ局、マドリード局を整備。これにより、24時間の運用を可能としている。臼田後継が実現したとしても、日本から探査機が見えている時間だけの運用になり、小惑星近傍ではいずれにしてもNASAの協力を得なければならないが、それでも早急の整備を望みたいところだ。○ハードは大丈夫、では最大の懸念は…このようなプロジェクトでは、どうしても探査機本体に注目が集まりがちであるが、小惑星探査は探査機だけで行えるわけではない。國中プロマネは、「地上の設備、ネットワーク、人の技量」が必要だと指摘。いま一番心配しているのは、「ハードウェアではなく、いかに人間組織を作り上げるか」ということだという。はやぶさ2は小惑星1999 JU3に約1年半滞在し、この間に、小惑星の観測、表面物質の採取、インパクタの運用、ランダー/ローバーの投下などを実施する。探査機の運用で、もっとも忙しい時期だ。「24時間連続のオペレーション。8時間3交代くらいで1年半を乗り切る」(同)ということで、実力のあるスタッフが大勢必要になる。また、たくさんのデータを取得したら、その分析も必要となる。小惑星のどこに何がありそうか、科学的なデータを積み上げないと、着陸地点を決めることができない。大勢の科学者が必要で、大学や研究機関の協力が不可欠だ。小惑星に到着するまであと3年半。それまでに人を育て、協力体制を構築しなければならない。今後は、どれだけ強力な「チームはやぶさ2」を準備できるかがポイントだと國中プロマネは見ており、「万全の体制で他国に負けない小惑星探査がしたい」と改めて意気込みを述べた。
2015年02月04日ダイキンは1月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開している小惑星探査機「はやぶさ」発の技術を応用した電力ピークカット制御技術を、ルームエアコンへ適用する技術検証を開始すると発表した。同技術は、「はやぶさ」が宇宙空間で限られた電力を有効利用するために開発された技術を基に、それぞれの機器が独立して並列にピーク電力を下げる制御法を、家電機器の消費電力ピークカット制御に応用するものである。家庭内の照明、冷蔵庫やエアコンなどの機器に優先順位をつけ、同時に消費電力を制御することができる。具体的には、すでにリモコンなどで使われている赤外線通信の技術を利用し、電力消費を抑えるための制御信号を一斉送信するシンプルなシステムで、高速なデマンドレスポンスの実現が可能である。また、大掛かりな追加投資をせずに短期間で効果を出すことができるため、通信インフラに課題がある新興国においても、使用電力量の低減や電力の安定供給が期待できるという。現在、JAXAでは航空宇宙分野における研究開発成果の民間転用を進めている。その一環として、同技術に関連する技術的仕様を公開し、多くの企業や団体に採用を促している。ダイキンは、この技術公開の取り組みに協力し、製品に適用するための検証を進めていくとしている。
2015年01月27日ダイキン工業は1月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による「小惑星探査機『はやぶさ』発の技術を応用した電力ピークカット制御の技術」をルームエアコンへ適用する技術検証を開始した。電力需要が集中する時間帯の消費電力量を低く抑える効果が期待できる。JAXAは民生用家電機器への応用を促進することを目的として、「小惑星探査機『はやぶさ』発の技術を応用した電力ピークカット制御の技術」を1月13日に公開した。宇宙空間において「はやぶさ」が限られた電力を有効活用するための技術だ。家電機器に応用すれば、照明や冷蔵庫、エアコンなどの家電機器に優先順位を付けて、消費電力を制御できるようになる。このたびダイキン工業は、ルームエアコンのピークカットを目指して、同技術を適用する技術検証を開始した。すでにリモコンなどで採用されている赤外線通信の技術を利用したシンプルなシステムで、大掛かりな追加投資をせずに短期間で効果を出すことが可能だという。通信インフラに課題がある新興国などにおいても、使用電力量の低減や安定した電力供給が期待できる。また、1月28日から30日に東京ビッグサイトで開催される「新電力EXPO」において、同技術を搭載したルームエアコンのテストモデルを展示する。
2015年01月26日宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、小惑星探査機「はやぶさ」に端を発した電力制御技術を家電へ応用するための通信情報をオープンプラットフォームで公開した。「はやぶさ」では、イオンエンジンに一定の電力を供給する必要あり、搭載された計200個のヒーターのスイッチを、温度状況に合わせて切り替える必要があったため、電力のピークカット技術が採用された。このときの技術は、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building Energy Management System)などと同様に、コンピューターが各機器の電力使用量を監視し、一度サーバーに情報を集積して、各機器に電力を割り振る方式だった。この方式では、1個体とサーバーが双方向通信するため、個体の数が増えると、制御に時間がかかってしまう。今回の技術では、各機器に優先順位を設定することにより、制御装置から各機器へ、使用できる電力の総量のみを通信し、それぞれの機器が優先順位に応じて使用する電力を自分の判断で変更する。双方向で通信する必要が無いため、従来の制御方式とは違い、個体数が増えても制御速度が落ちることはない。各機器が独立分散の並列処理をするため、制御系統に機器を新たに追加、もしくは途中で離脱させる場合にも対応できる。制御システムの構築には配電盤・家電に小さな機器を取り付けた上で、家電機器側に設けられる並列処理のための論理を導入するだけで済む。既存設備を活用できるため、導入コストを抑えることができる。今回公開されたオープンプラットフォームは、同報発信する情報の記述方法にあたるもので、同方式を利用したいという家電機器メーカーに対しては、JAXAから並列処理のための論理を無償で提供する。JAXA宇宙科学研究所の川口淳一郎 教授によれば、同技術は電車の電力制御や、携帯電話での情報処理などへも応用可能で、電力事業に関する新たなビジネスモデル創出の鍵となり得るとのこと。なお、同技術は1月28日~30日に東京ビッグサイトで開催される「新電力EXPO2015」でデモンストレーションが実施される予定となっている。
2015年01月21日既報の通り、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は12月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」をH-IIAロケット26号機で打ち上げた。本レポートでは、打ち上げ後に開催された記者会見の内容をまとめてみたい。○連続成功は「自分たち自身との戦い」2001年より運用を開始したH-IIAロケットの打ち上げは、今号機で26回目。失敗は6号機の1回のみであり、今回の打ち上げで成功は20機連続、成功率は96.2%となった。兄弟機H-IIBも合わせると、24機連続で成功率は96.7%ということになる。唯一の失敗だった6号機の打ち上げは2003年9月だった。以来11年間、H-IIAは一度も失敗することなく運用を続けているが、MHIの阿部直彦宇宙事業部長は「1つ1つの部品を確実に作って、1つ1つの作業を確実に行ってきた結果」だと評価。今後、連続成功のさらなる継続には「慣れ、マンネリ、油断、奢りを自ら戒めることが重要」とし、「自分たち自身との戦いだと思っている」と気を引き締めた。成功を続けることで、商業打ち上げの受注に勢いを付けたい同社であるが、これまでのところ、受注実績は、韓国KARI、カナダTELESAT、スカパーJSATの3件にとどまる。商業打ち上げの受注では、信頼性、コスト、能力という3つの要素が重要だ。このうち、信頼性についてはすでに及第点であり、能力についても第2段の高度化で改善のめどが立っている。最後に残る大きな課題はコストの高さだった。しかし、これについては近年の円安が追い風になりつつある。阿部氏は「1ドル=80円台の時代はまったく歯が立たなかったが、今であれば、オンタイム打ち上げ率の高さやサービスなどとの組み合わせで、ある程度戦えるところまで来た感触を得ている」という。「来年のTELESATの打ち上げをしっかりやることで、我々の評価が上がる。世界標準でやれるということを世界に認めてもらう」と意気込みを述べた。また今回の打ち上げは、ウィンドウが10日間しかないという特殊なものだった。打ち上げ執行責任者を務めたMHI宇宙事業部の二村幸基技監・技師長は「基本的にはいつもと同じ気持ちだった」としつつも、「期限を切られているのに厳しい天候が続いていて、非常にプレッシャーを感じていた」と打ち明ける。「我々としては、最善を尽くし、打ち上げ可能な時期に確実に打ち上げるために準備をしてきた。今日というチャンスが訪れたので、それを必ずモノにするつもりで、作業者一同が打ち上げに臨んだ」と振り返る。天候不良により2回の延期はあったものの、世界が注目した「はやぶさ2」の打ち上げを無事完遂することができたとあって、安堵の表情を見せた。○今回も「厳しいオペレーション」を覚悟「まず報告したいのは、はやぶさ2の宇宙航海がようやく始まったということ。応援していただき、大変ありがとうございます」…会見の冒頭、JAXAの國中均・はやぶさ2プロジェクトマネージャが最初に口にしたのは感謝の言葉だった。「はやぶさ2」はなかなか予算が付かず、実施が危ぶまれた時期もあった。開発が正式に始まったのは2012年。小惑星1999 JU3に向け、探査機を2014年末に打ち上げるためには、本当にギリギリのタイミングであった。國中プロマネの発言は、実現の追い風となった国民からの高い支持の声に対するものだったのだろう。過去にはこんな話も…【レポート】「はやぶさ2」が危ない? 小惑星探査機の後継機、海外で打上げかしかし、なんとか実現に漕ぎ着けた「はやぶさ2」であるが、これでやっとスタートラインに立ったに過ぎない。探査機の場合、本当に大変なのはこれからだ。國中プロマネは会見では終始硬い表情で、ほとんど笑顔を見せることがなかったのだが、気持ちはすでに「これからの旅路」に向いているような印象を受けた。以下、國中プロマネの言葉を並べる。「これから6年間、深宇宙航海が続く。プロジェクト一同としては大変緊張している。宇宙航海は決して簡単ではない。初号機ができたからといって、同じ航海ができるとは考えていない。初号機の経験をもとに、良い探査機を作り込んだと自負しているが、はやぶさ2の総重量はたったの600kg。そんな"小舟"で宇宙の大海原に乗り出そうというわけだから、きっと厳しいオペレーションが待っているだろう」「はやぶさ2は、我々が望んで仕立てた新しい船。これを作り込むこともJAXAの仕事だが、その船を使いこなすこともJAXAの仕事である。新しい船で新しい目標に向かって、ようやく出帆したところ。必ずや6年後に地球に帰ってくることを目標に、いいオペレーションにしたいとチーム一同念じている」「もちろん成功することを目標として努力するが、成功は常に約束されているものではない。小惑星に辿り着いて、着実に観察し、それから着陸・離陸を行い、さらに地球に帰ってこなければならない。はやぶさ2は、これをシーケンシャルに行わなければならないという、大変難しいミッション。途中で1つでも装置を失えば航海は危うくなる」「そういうことがないように探査機を作り込んできたが、宇宙という大自然に小舟を放り込んだ以上、この後一体何が起こるかは分からない。気を引き締めて、慎重に、かつ挑戦的に、仕事をしなければ成功しない。この2つをうまく使い分け、往復探査を成功させるために、緊張感を持って作業に取りかかりたい」初号機での経験を反映させ、信頼性を高めたとは言え、小惑星探査の実績はまだその1回だけだ。「2回目だから前回よりは簡単に行くだろう」というのは楽観的に過ぎる。おそらく、今回も様々な困難が待ち構えているだろうと筆者も思う。だがそれでも、そうした苦難を乗り越えた上で、最後にはぜひとも成功をもたらして欲しい。なお、打ち上げ後の探査機の状態は健全であることが確認されている。2日間のクリティカル運用フェーズで太陽電池パドルの展開、サンプラーホーンの伸展、リアクションホイールによる3軸姿勢制御の確立などを実施し、その後2~3カ月の初期運用フェーズで搭載機器の初期チェックを行う予定。イオンエンジンの初点火も、この初期運用フェーズで実施される見込みだ。
2014年12月11日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は12月3日13時22分4秒、H-IIAロケット26号機で小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げを実施した。ロケットは正常に飛行し、打ち上げの約1時間47分後に「はやぶさ2」を分離。所定の軌道に投入することに成功した。同ロケットの打ち上げ成功はこれで20機連続。2回の延期のあとで迎えた打ち上げ当日。朝から曇ったり晴れたりの気まぐれな天気だったが、打ち上げの瞬間は青空が見えるまずまずのコンディションに。定刻通りに打ち上げられたロケットは飛行中、雲に隠れることもあったものの、竹崎展望台からはSRB-Aの分離まで見ることができた。しかし、地上から見えなくなってもロケットは働き続けている。搭載衛星を分離して、所定の軌道に投入することがロケットの仕事。これが確認できて初めて、ロケットの打ち上げは「成功」と言えるのだ。打ち上げを見届けた後、我々報道陣は竹崎展望台3階のプレスセンターで衛星分離の瞬間を待つことになるのだが、居合わせた広報担当のJAXA/MHI職員は終始リラックスした雰囲気で、飛行が順調であることをうかがわせた。そして15時10分ころ、分離の一報が届くと、プレスセンターでも拍手がわき起こった。分離が無事完了して、バトンはロケットから探査機へと手渡された。ここからが「はやぶさ2」の6年にわたる長き旅路の始まりである。決して簡単なミッションではないだろうが、人類に新たな小惑星のサンプルをもたらすことを期待したい。なお同日17時20分より記者会見が開催されたのだが、その内容については別途レポートする。
2014年12月04日NECは12月3日、宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから、H-IIAロケット26号機にて打ち上げが成功した小惑星探査機「はやぶさ2」において、システム設計・組み立て・試験・インテグレーション支援を担当しており、今後4カ月にわたる初期運用の支援に取り組んでいくと発表した。はやぶさ2を構成する主な機器には、「電気推進系(イオンエンジン)」「化学推進系(RCS:Reaction Control System)」「通信系(アンテナ)」「ターゲットマーカ」「再突入カプセル」などがある。また、同社は化学推進系を除くバス機器全般の設計・製造のほか、イオンエンジンやサンプラー、中間赤外カメラといった搭載機器の設計・製造も担当している。「はやぶさ2」のミッション機器データ処理装置では、一部機器との通信に小型科学衛星「ひさき」(2013年打ち上げ)により世界で初めて軌道上実証された、先進の人工衛星用データ通信インタフェース規格「SpaceWire/RMAP」を採用し、ロバスト性(強靭性)を一段と向上させているという。はやぶさ2のミッションを達成するために必要な機器としては、中間赤外カメラのほか、「光学航法カメラ」「近赤外分光」「レーザ高度計」「サンプリング装置」などがある。
2014年12月04日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は12月3日、午後1時22分4秒に種子島宇宙センターより小惑星探査機「はやぶさ2」を打ち上げた。当日の種子島宇宙センター近隣の天気は高気圧に覆われ、打ち上げ時の天候は晴れ、風速は北西の風4.3m/sで、気温は約16℃と、雲はあるものの穏やかな天気となった。打ち上げの107秒後にH-IIAロケット26号機の2本の固体ロケットブースター(SBR-A)が切り離され、4分10秒後に衛星フェアリングの分離が実施された。なお、はやぶさ2は打ち上げ1時間47分後に分離が行われる予定となっており、その後、相乗り衛星の「しんえん2」、「ARTSAT2-DETHPACH」、「PROCYON」が順次切り離される予定となってる。
2014年12月03日小惑星探査機「はやぶさ2」を打ち上げるH-IIAロケット26号機がついにその姿を現した。打ち上げが延期されている間、ロケットはVAB(大型ロケット組立棟)の中で出番を待っていたが、12月3日0時より、予定通り機体移動を開始。およそ25分で、500mほど離れた第1射点への移動を完了した。打ち上げは同日13時22分04秒に実施される予定だ。現在(10時半)の射場の天候は晴れ時々曇り。風はほとんど感じられず、非常に穏やかだ。すでに天候不良で2回の延期があった「はやぶさ2」の打ち上げであるが、今日は全く問題なさそうだ。さて、その26号機であるが、いつもとちょっと違うのは、第2段の塗装が白色になっていることだ。通常、この部分の色はオレンジ色。今回、塗装が白くなっているのは、「基幹ロケット高度化」プロジェクトで開発された技術が適用されたからである。このオレンジ色の正体は断熱材だ。H-IIAロケットの推進剤は第1段も第2段も液体水素と液体酸素の組み合わせであるが、これらの物質の沸点は極めて低く(水素はマイナス253℃、酸素はマイナス183℃)、蒸発を抑えるためには、極低温を維持する必要がある。断熱材は、そのためのものだ。しかし、液体水素は特に沸点が低くて蒸発しやすい。燃料タンクを断熱材で覆っていても蒸発してしまい、打ち上げの直前まで、蒸発した分を補充しているほどだ。第2段の場合、軌道上でも蒸発する分があるのだが、通常、搭載衛星を分離するまでの時間は30分間ほどと短いため、あまり大きな問題にならない。ところが26号機の場合、地球を1周してから2回目の燃焼を行うため、稼働時間が長い。そのため、白色塗装で太陽からの熱の入射を抑えて、蒸発量を下げる必要があるのだ。この白色塗装は21号機で実証実験が行われており、"本番"として適用したのは今回が初のケースとなる。白色塗装によって、水素の蒸発量を25%削減できるということだ。また、軌道上を飛行中にターボポンプを定期的に冷やす必要があるのだが、この冷却には液体酸素が使われる。冷却のために流した液体酸素は、第2段の推進には寄与しないので無駄になってしまうが、冷却の方式を変えたことで、この予冷で消費される液体酸素の量を60%削減できるそうだ。H-IIAロケットで静止衛星を打ち上げる場合、従来は、衛星側のエンジンを使って、頑張って軌道修正をする必要があった。しかし、商業打ち上げで競合する欧州のアリアン5ロケットは赤道上に射場があるため、衛星側の軌道修正の負担が小さい。これが、H-IIAで商業打ち上げを受注する際の大きな障壁となっていた。そこで考えられたのがH-IIAロケットの"高度化"だ。軌道面の修正は、遠地点側で行えば効率が良く、より衛星の負担を減らすことができるようになる。しかし、そのためには第2段の稼働時間を5時間程度にまで延ばす必要があり、推進剤の蒸発をなるべく抑えなければならない。この技術を今回適用したというわけだ。三菱重工業(MHI)は2013年、商業打ち上げで高度化を適用する初のケースとして、カナダTELESATより通信放送衛星「TELSTAR 12V」の打ち上げを受注した。今回の26号機の打ち上げは、その試金石にもなっているのだ。
2014年12月03日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は12月1日、11月30日、12月1日と打ち上げ日を延期してきた小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)/H-IIAロケット26号機(H-IIA・F26)の打ち上げ日程を、改めて12月3日とし、予定通りに実施する計画であると発表した。新たな打ち上げ時刻は12月3日の13時22分04秒(日本標準時)で、当日の射場周辺の天候は12月1日9時30分の種子島宇宙センター発表のものによると、くもりで西北西~北西の風が6~8m/s程度、気温は11℃~16℃程度とし、雨や打ち上げ時に制限がかかりそうな風速は生じないとの予測となっている。
2014年12月01日小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げが12月1日に決まった。平日になってしまったのはやや残念であるものの、延期が1日だけで済んで、引き続き現地に滞在している人も多いだろう。種子島ではどこでもロケットの打ち上げを見ることができるが、条件が良い場所となると、何カ所かに限られる。中でもオススメは「公式」の見学所である。この4カ所ではカウントダウンの音声も聞くことができて、みんなで盛り上がるには最適だ。ここで簡単に紹介するので、選択の際の参考にして欲しい。○長谷公園まず定番と言えるのは「長谷公園」だ。かなり広さがあり、駐車場のキャパシティも500台と最も多い。敷地が劇場のように前下がりになっているため、後方でも良く見えるのが嬉しいところだ。射点までの距離は6kmほどあるものの、心臓に響くような大音量が楽しめるのは現地ならではだ。ぜひ肉眼で見て、打ち上げのナマの迫力を体感して欲しい。1つだけ残念なのは、H-IIAを打ち上げる第1射点の場合、機体の一部が大型ロケット組立棟(VAB)の建物で隠されてしまうことだ。場所によって隠れ具合は違うので、長谷公園で見る場合には、なるべく左側にした方が良いだろう。なおH-IIBの第2射点の場合、隠れることはないので、どこから見ても大丈夫だ。○宇宙ヶ丘公園次に紹介したいのは「宇宙ヶ丘公園」。距離は長谷公園と同じくらいだが、キャンプ場も併設されており、野営しながら見る場合には特に便利だ。ロケットの下側が少し手前の山に隠されてしまうものの、第1射点も第2射点も遮るものがなく、打ち上げをよく見ることができる。駐車場は250台。○前之峯グランド「南種子町営陸上競技場(前之峯グランド)」は南種子町の市街地から近いのは便利であるが、射点がほとんど見えないので、せっかく種子島に来たのであれば、あえてここを狙う理由はない。特別な事情でもない限りは、他の3カ所の方が良いだろう。○恵美之江展望公園そして今年新しく整備されたばかりで注目なのが「恵美之江展望公園」だ。この場所の魅力は何と言っても距離の近さである。打ち上げ時は射点から3km以内が立ち入り禁止になり、プレスセンターがある竹崎展望台もその外側にあるわけだが、恵美之江展望公園は本当にギリギリ3km。北側から射点を見るため、今回のようにお昼頃の打ち上げだと逆光になってしまうものの、近いので撮影向きだ。長谷公園ほどではないものの、結構広さはあり、500人くらいは入れそうな印象。打ち上げ時には仮設トイレも用意されていて安心だ。ただし、この恵美之江展望公園は打ち上げ当日のみ解放されており、前日からクルマで乗り入れるようなことはできない。南種子町役場によれば、今回の開場時間は9時半を予定しているとのことなので注意して欲しい。他の見学所に比べて距離が半分という長所の反面、アクセスの悪さが難点。見学所までは未舗装の道路が1kmほど続いており、雨天時には路面状況が相当悪くなりそう。道幅も狭く、運転に慣れている人でなければ、避けた方が無難だろう。また駐車場は130台までと狭いので、入れない可能性もある。難易度はちょっと高めで、ハイリスク・ハイリターンな見学所と言えるかもしれない。なお、これら公式見学所については、以下のサイトにも情報があるので参考にすると良いだろう。今回、泣く泣く諦めた人も、機会があればぜひ来島して、現地で打ち上げを見ていただきたい。ファン!ファン!JAXA! 打ち上げ見学場所マップ南種子町役場 ロケット打ち上げ見学場宇宙航空研究開発機構(JAXA)
2014年11月30日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は11月29日、11月28日に打ち上げ延期を決定したH-IIAロケット26号機による小惑星探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)の新たな打ち上げ日を12月1日に決定したと発表した。同決定は29日に開催された臨時天候判断会議の結果によるもの。打ち上げ日時の詳細は12月1日の13時22分43秒(日本標準時)となっている。また、これに伴いJAXAでは12月1日の12時25分から、種子島宇宙センターでの打ち上げの様子をライブ中継する予定だとしている。なおJAXAでは、今後の天候状況などによっては、再延期の可能性もあるとしている。
2014年11月29日既報の通り、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げが延期された。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は11月28日、JAXA種子島宇宙センターで記者会見を開催し、打ち上げの延期について説明した。登壇者は、JAXAから國中均・はやぶさ2プロジェクトマネージャと長田弘幸・鹿児島宇宙センター射場技術開発室長、MHIから平嶋秀俊・宇宙事業部MILSET長。今回、延期の原因となったのは氷結層を含んだ雲だ。雲の中に微小な氷晶があるような状態のとき、そこにロケットが突っ込んでいくと、機体に落雷する恐れがある。H-IIAの場合、少しくらいの雨や風で打ち上げは中止にならないが、氷結層を含む厚い雲があると一発でアウトだ。新しい打ち上げ日については「12月1日以降」とされており、現時点では未定。JAXAが発表している天気予報を見る限り、ずっと天候不良が続きそうな見通しで、最短の12月1日に打ち上げられるかどうかは微妙な状況。打ち上げ時刻については、12月1日の場合13時22分43秒で、打ち上げが延期になると、毎日2分ほど前倒しになっていくようだ。事前に天候が悪そうなことは分かっていたものの、2日前のこのタイミングで延期の発表があるとは思っていなかったので、正直ちょっと驚いた。「はやぶさ2」は地球以外の天体に向かうため、軌道の都合で、打ち上げられるウィンドウは10日間しかない。延期するにしても、もっとギリギリまで粘ってから判断するかと思っていたのだ。これについて、平嶋MILSET長は「氷結層については3日くらい前から分かっていて、状況の変化を検討してきたが、予測の確度が上がってきて、もう変わりようがない」と説明。11月30日は見込みが全く無いということで延期を決めたという。國中プロマネは「天候の問題は仕方ない。しかし、はやぶさ2は6年間のミッション。1~2日延びたからといって大きな影響はない。気持ちを引き締めて準備を進めたい」とコメント。10日間というタイムリミットがあるが「種子島に入った当初、特に10月は台風の直撃を受けて、宇宙センターに入れないような状況もあった。射場作業が進められずに困ったが、もう台風の季節は過ぎている。冬の気候は安定しており、楽観視している」とした。今回の打ち上げは日曜ということもあって、各地でパブリックビューイングを予定していた。楽しみにしてたファンも多いだろうが、國中プロマネはファンに対し、「申し訳ないが数日待って欲しい。我々と一緒に打ち上げを見て、はやぶさ2の門出を応援していただければ」とメッセージを述べた。※さて、何の気休めにもならないが、ここで、天気が良かった本日午前の種子島宇宙センターの風景をご紹介しておこう。ああ、打ち上げが今日だったら……。
2014年11月28日エプソンでは10月末より、小型惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げを記念して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)監修の超精密ペーパクラフト「H-IIA:大型ロケット第1移動発射台」のデータを同社の会員向けサイト「Webプリワールド」で無料配布している。ロケット本体は、A4用紙各16枚の構成(別途説明書6枚)で、ロケット先端のフェアリング内には「はやぶさ2」を収納することができる。実物通り、固体ロケットブースターが2本のH2A202と4本のH2A204を再現することが可能で、「H-IIAロケット」の歴史を正確に辿れるように初期のJAXAロゴと後期の三菱重工ロゴのデータもそれぞれ用意されている。「H-IIAロケット」の打ち上げを行う第1移動発射台は、A4用紙35枚(別途説明書10枚)を使用する全高73cmにも及ぶ巨大モデル。「H-IIAロケット」と発射台を同時に射点へ移動するドーリー(ロケット専用運搬台車)が2台用意され、通常の写真や映像ではなかなか見る事ができないアンビリカルダクト(LOX系およびLH2系)のカバーも再現されている。「H-IIAロケット」「大型ロケット第1移動発射台」ともMyEPSON会員であれば誰でも無料でデータのダウンロードが可能。ただし、利用できる対応OSはWindowsに限定されている。また、「H-IIA:大型ロケット第1移動発射台」ペーパークラフトとのコラボ企画として11月15日にマイナビから発行された「ロケットコレクションVol.2 完全図解人工衛星のしくみ事典」は、小惑星探査機「はやぶさ2」を中心に私たちの日々の生活に欠かすことのできない気象衛星「ひまわり」や陸域観測衛星「だいち」といった人工衛星のしくみと働きを図と写真でわかりやすく解説している。2月に先行して発行された「ロケットコレクションVol.1 日の丸ロケット進化論」には、「H-IIAロケット」とほぼ同スケールの「イプシロンロケット」ペーパークラフトが付属しており、「H-IIAロケット」と並べてそのサイズの違いを確認することができる。「H-IIAロケット」と同様にJAXA監修の精密モデルで、発射台も付属し、初号機で搭載された惑星分光観測衛星「ひさき」をフェアリング内に収納している。マイナビではコラボ企画第2弾として、電子コミック「ろけが!-ROCKET & GIRLS STORY-1」を11月28日よりKindleストアにて販売を開始した。主人公の通う学校「愛差高校」(ISAS)とライバル校「奈須田高校」(NASDA)が、競技「ライジングサテライト」の大会で人工衛星や探査機の打ち上げを競うというストーリーで、3人の女子高生が自らロケットに扮して宇宙に飛び立つ擬人化コミックとなっている。マイナビでは同タイトルのスマホゲームのリリースも今後予定している。
2014年11月28日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は11月28日、11月30日に打ち上げを予定していた小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げを12月1日以降に延期することを決定したと発表した。この決定は、打ち上げ時間帯にかけて現地の天候が悪化する予測を受けてのもの。具体的には射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲の発生が予想されるためだとしている。なお、今後については天候状況などを踏まえ、打ち上げ日の判断を行っていく予定だという。
2014年11月28日宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げが、いよいよ今週末に迫った。日本中を元気づけたあの「はやぶさ」の後継機ということで、注目している人も大勢いるだろう。マイナビニュースでも現地から随時レポートをアップしていくので、どうぞご期待いただきたい。「はやぶさ2」とは…という説明は弊誌の読者には不要だろう。すでにミッションや機体構成などについて解説した記事があるので、詳しくはそちらを見て欲しい。小惑星探査機「はやぶさ2」の各部をチェック! - 初号機からはこう変わったJAXA、開発中の小惑星探査機「はやぶさ2」を初公開打ち上げの予定日時は11月30日(日)の13時24分48秒。きっちり秒数まで決められており、このタイミングを逃すと、打ち上げは翌日以降に延期となる。今回は日曜ということもあって、各地でパブリックビューイングが予定されている。今のところ、打ち上げ当日の天気予報はあまり良くないものの、できれば一発で打ち上がって欲しいところだ。これから遙か遠くの小惑星に向かう「はやぶさ2」であるが、まず注目したいのは打ち上げだ。「はやぶさ2」を打ち上げるH-IIAロケットは19機連続成功中であり、いま世界で最も信頼性の高いロケットの1つであるが、それでも現代のロケットというものは、失敗する可能性がゼロというわけではない。「失敗」のことなどあまり考えたくはないが、まずは予定通りの軌道に投入できるかどうかに注視したい。地球低軌道や静止軌道のミッションが主流のH-IIAにとって、「はやぶさ2」のような打ち上げは例外的な存在である。惑星間軌道への投入となると、金星探査機「あかつき」の17号機以来、2回目だ。特に今回は、第2段の2回目の燃焼開始が打ち上げの1時間39分後と遅く、H-IIAにとっては過去最長の"労働時間"となる。全く「いつも通り」の打ち上げというわけでもないのだ。そしてロケットから分離してすぐに、「はやぶさ2」は太陽電池パドルとサンプラーホーンの展開を行う。太陽電池は「はやぶさ2」の生死に直結するし、サンプラーホーンもサンプルリターンというミッションには欠かせない。こうした可動部もトラブルが起きやすい場所の1つであり、ミッション関係者にとっては緊張する時間帯だろう。これらのクリティカルなタスクが無事に終われば、まずは一安心だ。ここまで見届けたら、あとは心置きなく祝杯をあげることにしたい(いわゆる"打ち上げの打ち上げ")。
2014年11月28日12月20日に全国公開されるアニメーション映画『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』が、11月30日にJAXAが打ち上げる小惑星探査機「はやぶさ2」のオフィシャルサポーターに就任した。小惑星探査機「はやぶさ2」は、地球と火星間の軌道を周回する小惑星「1999JU3」の探求を目的としており、大昔の地球の姿といわれる「1999JU3」を調査。地球の誕生の謎に迫る取り組みとなる。今回の試みは『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』が過去へタイムスリップして「妖怪ウォッチ」誕生の秘密を探る物語であり、ともに"誕生の秘密を解き明かす旅をする"という共通の目的から、今回の企画が実現したという。オフィシャルサポーター就任を受けてJAXA東京事務所を訪れたジバニャンは、JAXA奥村直樹理事長から「はやぶさ2」プロジェクトの詳細を聞き、「はやぶさ2」の模型の前で記念撮影。奥村理事長はジバニャンに対して「全国の子供たちとみんなで今回のプロジェクトの成功を祈っていてください」と期待を寄せていた。「はやぶさ2」は、世界初の小惑星サンプルリターンに成功し、4本の映画化や数多くの書籍化などで大ブームを巻き起こした「はやぶさ」の後継機。本体の大きさは縦1.25m×横1m×奥行1.6mで、重さは約600kg。鉱物に加え水・有機物が存在すると考えられる小惑星「1999JU3」(C型小惑星)に向かい、地形・内部構造・重力他の科学観測と物質サンプルリターンにより、太陽系や地球、生命の起源と進化過程を紐解く人類の新たな知的財産を獲得することを目的としている。地球への帰還は2020年を予定。そして、現在小学生を中心にゲーム、アニメ、玩具と爆発的な人気を誇っている『妖怪ウォッチ』は、『イナズマイレブン』や『レイトン教授』、『ダンボール戦機』を手がけたレベルファイブによるゲームソフト。妖怪たちと友だちになれる腕時計「妖怪ウォッチ」を手に入れた主人公・天野ケータが、日常に潜む妖怪たちとともにさまざまな問題を解決していく。2014年7月に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』は累計260万本を突破し、現在4巻まで発売されている単行本は330万部を記録。2014年12月13日にはニンテンドー3DS用ソフト『妖怪ウォッチ2 真打』の発売、2014年12月20日にはアニメーション映画『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』が全国公開される。(C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト 2014(C)「はやぶさ2」応援キャンペーン実行委員会
2014年10月23日宇宙航空研究開発機構(JAXA)と電通は10月21日、11月30日に打ち上げを予定している小惑星探査機「はやぶさ2」応援キャンペーンの公式ロゴマークのデザインを発表した。この公式ロゴマークでは、円や丸みを多用することで、親しみやすさ、大人から子供、お年寄りや女性まで、幅広い層に対応する優しさを表現し、日本の未来に向けた「団結力」を意味する「NEXT JAPAN POWER」をキーワードとして組み込んでいるとのこと。今後、「はやぶさ2」応援キャンペーン事業は、この公式ロゴマークとともに展開されていく。また、「映画 妖怪ウォッチ誕生の秘密だニャン!」が「はやぶさ2」応援キャンペーンのオフィシャルサポーター第1号に決定したことも同時に発表された。今後もJAXAおよび電通は、さまざまな業種の企業や団体にオフィシャルサポーターとしての参画を呼びかけるとともに、産業界と連携してさまざまなキャンペーン事業を展開していく予定とコメントしている。
2014年10月21日