石川県珠洲市にて第1回の「奥能登国際芸術祭」が開催される。会期は2017年9月3日(日)から10月22日(土)まで。北陸・能登半島の先端に位置する珠洲市。かつて寄港地として栄えたこの街は、数十年前から過疎化が進んでおり、日本列島のさいはての土地と思われることもしばしば。その一方で珠洲には、独特の地勢から豊かな自然が根付き、古来から伝わる祭りや風習といった日本の伝統文化が今もなお生き続けている。奥能登国際芸術祭では、この神秘的な魅力に溢れた珠洲に、世界各地からアーティストが集結。約50点の作品やプロジェクトを通し、土地・生活・人々の魅力を再発見する。日本の現代アーティスト、鴻池朋子も参加。人間の人体や、おとぎ話、神話などに興味を持つ彼女は、絵画や彫刻を使い空間全体を作品としたトータルインスタレーションを行っている。天井からカーテンのように垂れ下がる、人間の臓器を思わせるモチーフが鮮やかな色彩で描かれた巨大な絵画。ミラーボールのように輝く赤ん坊の頭と部屋全体に張り巡らせれた樹木の根。彼女の作り出す空間に一歩足を踏み入れると、私たちは日常的な知覚や常識から解放され、その独特な世界観に引き込まれてしまう。フランス出身のアーティスト、アデル・アブデスメッドは、現代社会をテーマにした彫刻作品を手がける。ベトナム戦争で撮影された写真を思わせる、泣き叫ぶ裸の少女や、爆弾を背負う鳩。さらに、ワールドカップでの事件をもとにした彫刻も。現代アートと言えば難解で分かりにくいものと思われがちだが、彼の作品は、誰もが知っている身近な事実を非常に分かりやすく、直接的に観る者に訴えかける。四国・豊島で開催された瀬戸内国際芸術祭にも参加したトビアス・レーベルガーも参加。デザインの立場をアートに取り入れる彼は、視覚効果を意識した作品を多く発表している。瀬戸内国際芸術祭で彼が手がけたレストラン「あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする」では、迷彩柄やストライプ、水玉などの模様が天井や床、壁、テーブルまで、空間を隙間なく埋め尽くすことで、観る者の視覚を揺さぶり、日常的なオブジェを変質させた。作家、建築家、数学博士として多くの分野で活躍するアレクサンドル・コンスタンチーノフ。第2アヴァンギャルド世代、ソ連アンダーグラウンド世代として、1990年以降、オーストリア、ドイツ、アメリカなどで50以上の個展を開催してきた。彼の作品は、古い家屋や作品のために新しく建てた家屋を様々な素材で「包みこみ」、その場所に新しい意味を与え、再生することをテーマとしている。なお、2017年9月の開催に向けて、今後も参加アーティストが増えていく予定だ。【詳細】奥能登国際芸術祭 2017会期:2017年9月3日(日)〜10月22日(土)開催場所:石川県珠洲市全域作品・プロジェクト数:約50点参加アーティスト例:アレクサンドル・コンスタンチーノフ / アデル・アブデスメッド / 浅葉克己 / アローラ&カルサディージャ / EAT&ART TARO / 石川直樹 / 岩崎貴宏 / エコ・ヌグロホ / Ongoing Collective / 河口龍夫 / キジマ真紀 / 角文平 / 金沢美術工芸大学アートプロジェクトチーム[スズプロ] / ギム・ホンソック / 鴻池朋子 / 小山真徳 / さわひらき / 塩田千春 / 田中信行 / トビアス・レーベルガー / 中瀬康志 / 眞壁陸二 / ひびのこづえ / 深澤孝史 / ラックス・メディア・コレクティブ / リュウ・ジャンファ / 吉野央子 / 力五山 他【作品鑑賞パスポート詳細】前売券:一般 2000円、高校生800円、小中学生 300円当日券:一般 2500円、高校生 1000円、小中学生 500円(全て税込)※作品鑑賞チケットは、2017年5月下旬より前売券を発売。(取り扱い場所:各種プレイガイドほか)。チケットの提示により、飲食店、宿泊施設、イベント割引など各種優待有り。
2016年12月10日石川県珠洲市を舞台に17年9月3日から10月22日まで開催される第1回「奥能登国際芸術祭2017」の参加アーティスト第2弾が発表された。能登半島の先端に位置する周囲を日本海に囲まれた農山漁村、石川県珠洲市を舞台に開催される「奥能登国際芸術祭2017」は、アーティストや地元の人、地域外からのサポーターなどが今までにない新しい芸術祭を目指して作り上げる芸術祭。アートを媒介とした多ジャンルのネットワークによって、土地に眠るポテンシャルを掘り起し、“さいはて”から“最先端”の文化を創造する。この度は、新たに8名の参加アーティストが決定した。今回発表されたのは、アルジェリア出身のアデル・アブデスメッド、韓国出身のギム・ホンソック、ドイツ出身のトビアス・レーベルガー、インドを拠点に活動するラックス・メディア・コレクティブなど。日本からは岩崎貴宏、河口龍夫、鴻池朋子、さわひらきの4名の参加も発表された。なお、第1弾では、浅葉克己、EAT & ART TARO、石川直樹、エコ・ヌグロホ、塩田千春、中瀬康志、ひびのこづえ、深澤孝史、リュウ・ジャンファらの参加が発表されていた。【イベント情報】「奥能登国際芸術祭2017」会場:石川県珠洲市会期:17年9月3日~10月22日
2016年10月25日セイコーネクステージは、「ISSEY MIYAKE ウオッチ」プロジェクトの新商品として、岩崎一郎氏デザインによる新シリーズ「C」(シィ)を発売する。販売開始は6月10日を予定。バンド素材やカラーの異なる6つのラインナップ(基本カラーはブラックとホワイトの2色)での展開となる。価格は3万6,000円~(税別)。同製品は、各界で活躍するデザイナーとのコラボにより独創的なウオッチを生み出してきた「ISSEY MIYAKE WATCH」プロジェクト第14作目として発売される腕時計。デザインは、日本を代表するプロダクト・デザイナー岩崎一郎氏が手がけ、ウオッチ(クロノグラフ)デザインそのものに真正面から向き合い、馴染みある時計らしさと美しい文字板にこだわり、精緻な数字と目盛りが生み出す自然な視認性を追求した上質なウオッチを目指した「"線と数字"のクロノグラフ」となっている。また、デザインコンセプトに「DAY」というキーワードを盛り込み、時計の文字板色を象徴するブラックとホワイトの2色を基本カラーに、さまざまなバンドと交換しながら使い続ける中で愛着が育まれるように仕上がっている。主な仕様は、ケース外径42.4mmで厚さ12.2mm。全モデルともケース素材はステンレススチールを採用、時刻表示(時/分/秒)、ストップウオッチ機能(1/10秒計測60分間計)、常生活用強化防水(5気圧)、時間精度は平均月差±20秒(気温5℃~35℃において腕につけた場合)。価格は、バンド素材がステンレススチール(色はブラック/ホワイト)がともに4万3,000円、牛ヌメ革・黒(色はブラック)と牛ヌメ革・ブラウン(色はホワイト)がともに3万8,000円、そしてナイロン・グレー(色はブラック)とナイロン・濃ブラウン(色はホワイト)がともに3万6,000円(価格はいずれも税別)となっている。なお、岩崎一郎氏は1965年東京生まれ。ソニーデザインセンター勤務の後、渡伊。ミラノのデザイン事務所を経て帰国後、1995年にイワサキデザインスタジオ設立。国内外の企業と協働し、テーブルウェアや照明器具、家具などのインテリア用品から、デジタルカメラ、携帯電話などの精密電子機器まで、プロダクト全般のデザインを手がけている。グッドデザイン賞・金賞、iFデザイン賞・金賞、ドイツデザイン賞・Winner賞など、主要国際デザイン賞を多数受賞。東京藝術大学及び、多摩美術大学非常勤講師。同氏は、今回の「C」について「クロノグラフはクロノグラフに徹すれば徹するほど、美しくなるんじゃないかと考えた。他の要素をどんどん取り除いていって、純粋なクロノグラフを抽出したら、楽譜や数式のように、線や数字が際立ってきた。時代、地域、性別を超えて存在する、純粋な線と数字。 私が探していたクロノグラフ像、『線と数字のクロノグラフ:C 』」と述べている。
2016年03月22日日産自動車による「日産アートアワード2015」の展覧会が、11月14日から12月27日まで神奈川県・横浜のBankART Studio NYKにて開催される。「日産アートアワード」は、日産自動車が創業80年を迎えた13年に、現代美術における優れた日本人アーティストの活動の支援と、次世代に続く日本の文化発展の助力を目的としてスタートしたもの。第2回となる今回は、キュレーターや研究者、アートスペース運営者、レジデンスプログラム従事者、NPOなどのアートプロフェッショナルが候補となるアーティストをノミネート。今年6月に、選ばれた33名の候補者の中から、世界を拠点に活動する5名の国際審査委員会の書類審査によって7名のファイナリストが決定された。今回開催される展覧会では、この7名のアーティストが、インスタレーションや彫刻、映像、写真など様々な分野で新作を発表する。様々な土地で生活し、そこでの体験をもとに“時間のあしあと”を1針1針縫いつけた作品を制作する秋山さやかは、横浜で2ヶ月半に渡り滞在した記憶を表現した作品を出展。鉄塔や工事現場などの日常風景や、厳島神社や金閣寺などの歴史建築物を彫刻作品として再構成する岩崎貴宏は、日用品や桧を用いて緻密な建築風景をつくりだした。また、国籍や人種、アイデンティティなどを主題とした写真や映像、オブジェ、テキストなどを発表するミヤギフトシは、12年から取り組んでいる「American Boyfriend」プロジェクトを展開し、沖縄とアメリカで撮影した映像などを展示する。その他、久門剛史による会場であるBankARTの空間や音、光を作品に取り入れたインスタレーションや、石田尚志の絵画と映像が融合したダイナミックな空間作品、毛利悠子による日用品や機械を用いたインスタレーション、米田知子のイギリスと日本で行った綿密なフィールドワークをもとにその歴史の痕跡を収めた写真作品などが出展。また、11月14日、21日、22日には、ファイナリストによるアーティストトークを実施。11月28日はグランプリ受賞者によるトークショーも行われる。なお、グランプリは同展の作品展示と最終審査を経て11月24日に決定。グランプリ受賞者には、賞金300万円に加え、ロンドンの歴史あるアートセンターであるカムデン・アーツ・センターの協力を得ながら2ヶ月間に渡るロンドン滞在の機会が提供される。【イベント情報】「日産アートアワード2015」会場:BankART Studio NYK 2階住所:神奈川県横浜市中区海岸通3-9会期:11月14日~12月27日(11月24日はイベントのため一般入場不可)時間:11:00~19:00入場無料
2015年11月13日東京都台東区の「旧岩崎邸庭園」は10月11日~13日の期間中、同庭園の洋館のライトアップを行う。あわせて、同期間中はコンサートも開催される。同施設は、三菱財閥創設者・岩崎彌太郎の長男で、第3代社長の岩崎久彌の邸宅として、明治29(1896)年に完成した。園内の歴史的建造物は、国の重要文化財に指定されている。往時は、1万5,000坪の敷地に20棟以上の建物が立ち並んでいたが、現在はジョサイア・コンドル設計の洋館と撞球室(どうきゅうしつ/ビリヤード場のこと)、名棟梁(とうりょう)と呼ばれた大河喜十郎が手がけた和館大広間の3棟が残っている。同施設の洋館のライトアップは、2年ぶりのこととなる。期間中は日没~21時まで実施する。また、11日・12日には、コンサート「上野学園大学 若き演奏家たちによる音楽の庭Vol.3」を開催する。時間は13時、15時30分、18時。会場は、11日は洋館1F大食堂・客室・婦人客室、12日は芝庭(荒天時は洋館1F大食堂・客室・婦人客室)。参加費は無料(入園料は別途必要)。13日には芝庭にて、「午後のミニコンサート」を開催する。出演は、吉成文乃氏(メゾソプラノ)、畠山正成氏(ピアノ)。13時・15時30分の2回実施する。荒天時は洋館1F大食堂・客室・婦人客室で開催。参加費は無料(入園料は別途必要)。また、13日の夜には芝庭で「ジャズピアニスト 羽仁知治が贈る~Autumn Night Concert in 旧岩崎邸」を行う。時間は、18時30分~19時30分(開場は18時)。なお、事前申し込みで座席は完売しているため、当日は立ち見のみ可能。参加費は500円(入園料別途)。雨天決行。その他、館内には岩崎家時代の華やかな生活ぶりを感じられるよう、期間中は季節の花々が飾られる。花の装飾は、フラワーデザイナーの小幡昌広氏が担当する。同施設の入園料は一般400円、65歳以上200円(小学生以下および都内在住、在学の中学生は無料)。開園時間は9時~17時。
2014年10月08日