みなさま、こんにちは。紅子です。気が付いたら夏もあっさり終わり、秋を告げるコンビニに並ぶさつまいもとかカボチャ味のお菓子にワクワクしてます。さて今回の連載では、日常生活でトラブルに遭った時の自分の守り方について書きます。具体的にいうと、ストーカーや痴漢に遭った時、家庭内・恋人間でのDV、職場でのセクハラ、パワハラ、長時間労働なんかについて。正直私にとってそういう「法絡みの問題」は、テレビやニュース、人づてに聞くことはよくあるけれど、幸運なのか自分が鈍いだけなのか、あんまり当事者として悩んだりしたことはなかったんです。数ヶ月前までは。盗撮されているのに気付いたら、あなたならどうする?数日後、犯人側の弁護士から電話がかかってきて、示談交渉のため会うことになった。示談なんてドラマではよく聞くけど、実際には何をするのか全く分からない。たぶんお金を払うことで解決させる、みたいなことなんだろうけど、その金額の相場とか、いくらなら妥当で、弁護士と話すときに言うべきこと、気をつけること、何にも分からない。そもそも犯人を弁護する側だけが専門知識を持っていて、一方的にお金の交渉なんて言われても納得がいかなかった。幸い私には弁護士をしている知り合いが何人かいたため、事の経緯を一から説明し、通常の示談のパターンや、交渉のしかた、示談金の設定のし方など、一通りアドバイスをもらうことができた。おかげでざっくりとこういうケースにおける示談交渉のしかたを踏まえた上で話し合うことができたので、よく分からないまま示談書にサインをせずに済み、納得のいかない部分はしっかりと変更してもらえるよう要求し、この件はわだかまりを残さず解決することができた。法絡みの問題を弁護士に聞いてみた。専門的なアドバイスが欲しいとき、わたしたちはどうすればいい?この一件を通して、たまたま私には知り合いに弁護士がいたから助けを借りることができたけれど、もしそうではなかった場合どうしたらいいのだろうか、とふと考えるようになった。テレビで目にする弁護士のイメージは、何か重大犯罪ばかりを扱っている印象が強いけれど、小さなことでも法的な相談が必要になる事は私に起きたように、いつでも誰にでも起こり得る。専門知識のある人がいればすぐに解決できることも、動き方が分からず泣き寝入りしてしまう人は少なくないのではないだろうか。そう思うとなんだか居た堪れない気持ちになったので、あのとき相談に乗ってくれた太田弁護士に色々と質問してみた内容をみなさんと共有したい。Be inspired!の読者のみなさまが、何か「法絡みな問題」の当時者になった時のためになると嬉しい。太田伊早子(神奈川県弁護士会所属)2008年 慶應義塾大学大学院法務研究科卒業2009年 弁護士登録労働事件(労働者側)、刑事・少年事件、消費者事件を中心に、離婚・相続等の家事や一般民事事件も幅広く取り扱う。 些細なことでもまずは相談してみて紅子:太田さん、先日はありがとうございました。私は太田さんのおかげであの件を解決することができたけど、ああいう問題って誰にでも起こり得るにも関わらず、気軽に相談できる相手がいなくて、しかも弁護士に相談とかってなると身構えてしまう人も多いと思います。太田さんは普段、どういった相談を受けることが多いですか?太田先生(以下:先生):普段受ける相談の内容は本当に色々で、セクハラ、パワハラ、DV、労働問題、それから最近だとネットのコンテンツを利用した架空請求とかもあるかな。本来、「これどうなってるの?」って悩んだことについてはとりあえず全部相談してもらって、それが法的な問題になり得るかどうかっていう振り分けを弁護士と行うんだけど、実際のところは、やっぱりみんな弁護士と精神的にすごく距離がある。だから、「自分の今の問題は法律の問題なんだ」って思えた人しか相談に来ていないのが現状。紅子:なるほど。その、「まずは相談したい」と思った時の“駆け込み寺”として弁護士事務所があるんでしょうか?先生:そうだね。まずは弁護士事務所に来てもらって、法律の問題なのかどうか、振り分けてみるっていうのが方法の一つとしていいと思います。紅子:おそらく、多くの人が何かトラブルがあった時にすぐ弁護士に相談しないのって、法と絡めて考えていないことだけではなく、弁護士に相談するとすごくお金がかかるって思っている部分もあると思うんです。実際のところ、その相談にかかる費用はどのくらいなんですか?相談にかかる費用はどれくらい?無料で頼める方法はある?先生:基本的には弁護士によって違いますが「法律相談料」っていうのを取っています。初回は無料でやっているところも結構あったり、テーマによっては無料というところもあります。費用がかかる場合はだいたい神奈川県内とか都内とかだと30分5000円(税抜)くらいが多いかな。みんな勘違いしていることの1つとして、弁護士のところに来たらいきなり弁護を頼まなきゃいけないと思ってるんだけど、まずは相談してみて、それから弁護士に依頼するかどうか決めるのが普通の段取りです。それから、直接弁護士事務所に行く以外の選択肢として、弁護士会に相談してみる方法もあります。弁護士会は各都道府県に必ず存在していて、あらゆるテーマの枠が設けられているので、そこで自分の相談にマッチした弁護士を紹介してもらえるというメリットがあります。市役所や区役所にも交代で弁護士会の弁護士が居たりするので、そこに行って相談することもできますよ。あとは、3回まで無料で相談できる「法テラス」っていう機関もあります。法テラスは法律相談を無料でできるのに加えて、実際に弁護を依頼する際にも一番低い価格で頼めるというメリットがあります。先生:少し余談にはなっちゃうんだけど、例えばセクハラをはじめハラスメントに対して、日本の裁判所はすごく遅れてるなって私は思っていて。なんでかっていうと、例えば「ちょっと触られただけ」とか「すれ違いざまにほんの少し触られる」とか。あるいは(私を指して)いまペンを持ってるよね。それを貸してって言うときに、触らなくていいのにわざわざ手を握ってくるとか。そういうのが職場で毎日あったとして、嫌じゃん。「嫌だと思う権利」は当然あるわけだけど、狭い職場なんかだと、そういうのをされてる側が適応障害(その場にいるだけで、その人がいるだけで怖くなるなど)みたいになっちゃって辞めざるを得なかったりする。それに対して「でも、そんなに大したことはされてないですよね」って言われがちなんですよ。もっというと、性行為にまで及んでいた場合とかもある。そういう場合「女性は好きでもない相手と性行為をしないでしょう」なんて言われがち。まずこれが迷信ね。さらには「メールとかラインも楽しそうだし、付き合ってたんじゃないですか」なんて言われたりする。でも、職場が同じだった場合、普通揉め事を避けようとするでしょ。そういう場合何をするかっていうと、「またまた〜」みたいな感じであしらうんだよね。明確に辞めてくださいとか言えないんです。特にシングルマザーであったり、辞めるわけにいかない事情がある人は尚更。それで断れないまま性行為にまで及んでしまうと。でもその後、その人が精神的に破綻してしまった理由なんかを考えれば、その状況に耐え切れなかったからだって分かるはずなんだけど。そういう認識がまだまだ甘いから、ちょっと触られるくらい、そんな深刻じゃないでしょう、みたいなことを言われたりして、もうレイプくらいまで行かないと問題化されなかったり、そういうのがまだまだ司法の課題だなあと思ってます。そういう意味で、若い子たちから弁護士が遠いもう一つの理由として「自分が悩んでいることは弁護士に相談するほどのことなのか」って思ってる部分も多いような気がしているんだよね。どうしたらそう思わずに来てもらえるかなって、こちらとしてはいつも思っていることです。労働問題とかも、若い人の方が変な条件で働かされてることって多いから、そうなってくると忙しくて相談にも来れなかったりするんだよね。そういうときは労働弁護団っていって、決まった時間、電話で相談を受け付けてるところもあるから、そこを使ってもらってもいいと思う。匿名でもOKなので。これは結構よく電話かかってくるよ。電話一本で色々な選択肢を提案することができるので、無駄だって思わないでぜひ若い人にも利用してほしいなと思う。
2017年09月14日日本の映画黄金期より、第一線で活躍を続けてきた女優・岸惠子。パリ生活を綴ったエッセイや中東へのハードなルポ、近年では小説『わりなき恋』のヒットで作家としても知られる岸が、秘蔵写真と共にトークを繰り広げるのが本作だ。1932年に横浜で生まれた岸は、映画『君の名は』の真知子役で国民的スターとなりながらも、その進取の気性としなやかな感性によって、自らの人生を選び取ってきた。8月9日、全国ツアーの幕開けとなった東京・なかのZERO大ホールに足を運んだ。岸惠子スペシャルトークショー~夢のあとさき~ チケット情報スクリーンに懐かしい写真が次々と映し出され、岸のナレーションが重なってトークショーがスタート。ほどなくして登場した岸は、「50年前にあつらえた」というゴールドのドレスで登場。“スター岸惠子”の変わらぬあでやかさに、満員の客席からはため息が漏れる。第1部は、岸が12歳の時に被災した横浜大空襲の話から。「この日、自分の意思で動くという意味で“大人”になったのだと思います」というエピソードが、聞く者の胸に迫る。続いて、出演作の中でも岸が大好きだという映画『雪国』(豊田四郎監督、1957年)と、『おとうと』(市川崑監督、1960年)の紹介と、監督や共演者との逸話を。それぞれ「(役作りに)苦労したから好きなんです」というのがいかにも気骨のある岸らしく、当時の映画界の裏話も興味深い。一方、当時のハリウッドで行われたという岸のお披露目パーティーには、ウィリアム・ホールデンやジョン・ウェインなど名だたる映画スターが登場。ケーリー・グラントの名前をゲイリー・クーパーと間違えるなど、岸自身が「そそっかしいの」と認めるエピソードには、客席からも笑いが起こった。休憩を挟んだ第2部では、鮮やかな赤いジャケットに衣装替え、トークは作家・岸惠子の本懐へと触れてゆく。「たくましさの中のお茶目なユーモアが素晴らしいと思った」というユダヤ人の友人との話。1980年代に、すんでのところで暗殺事件に遭遇しそうになり、「イスラムってなんだろう」と思うようになったという話。どれも過去の出来事ではなく、現在の世界と日本につながっていると語る岸の姿が印象的だ。初日の前に行われた囲み会見では、「来てくださった方に“こんな人生もあるんだ”と思っていただければ」と話していた岸。ちょうど初日直後の8月11日に85歳の誕生日を迎えるとあって、変わらぬ美しさとバイタリティについて問われると、岸は「元気に見えるとしたら“苦労が多いこと”ね。いろんな“事件”に対処するため、普通の優しいおばあさんにはなれないのかもしれません」と笑顔で語った。過去を振り返るだけでなく、そこから未来への眼差しも感じられた本作。公演地によって内容も変わるというから、今後の上演も楽しみに待ちたい。「岸惠子スペシャルトークショー~夢のあとさき~」は8月から11月まで日本全国全19会場にて開催。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2017年08月21日こんにちは。紅子です。今回は、最近自分が体験したことについて書きます。たぶん、同じようなこと思った人も多いんじゃないかな。多くの人が日常的に使う公共交通機関についてです。見た目では分からない体調不良そんなわけで優先席から距離のある場所へ行き、運良く座れると私はすぐにスマホに目をやり下を向く。その間に、自分の前に立っていた誰かが降りていき、また誰かが乗ってくる。視界に入る下半身のシルエットや靴なんかで性別くらいは認識できるが、その人の顔や表情は見えないままだし、わざわざ見もしない。それが普段の自分だった。しかし、それは時にすごく残酷な不注意になるということに気がついた。私は生理痛が重い。寝込んで外出できないほどではないが、長時間立っていると冷や汗がぼたぼた垂れてきて、 痛みと酸欠で吐きそうになる。同じような人は周りにも多く、その日ばかりは仕事を休むか、どうにかこうにか耐えながら過ごしている人がほとんどだ。しかし、生理痛は見た目で分からない。今にもうずくまってしまうほど辛かった時、車内は満員で、つり革に全体重を委ねながら「マタニティマークがあるなら“生理痛マーク”もあればいいのに」と思ったほどだ。でも、女性の誰もが経験することにも関わらずまだまだ生理に対する認識は「恥ずかしい」とか「男性の前ではタブーな話題」で、オープンに話すどころか生理中・生理痛であることすら隠しがちである。そんな空気の中「生理痛マーク」なるものが作られたとしても、みんなが進んで着けられるほど普及するには時間がかかるだろう。生理痛マークがあるとしたらこんな感じ?Illusted by Beniko Hashimoto嫌がらせに怯えて隠したマタニティマーク似たような体験談として、悪阻(つわり)真っ最中の友人が四六時中吐き気やめまいと闘いながら移動しなければならなかった時、「マタニティマークをつけてると嫌がらせに遭うこともあるから気をつけなさいね」と母から言われたことを思い出し、一番辛い時期に怖くてマタニティマークを着けることが出来なかったそうだ。お腹も大きくなる前なので気付いてもらえず、移動が本当に大変だったと言っていた。だいたい何がどうして妊婦への嫌がらせなんてものが頻発するのかと思って調べてみると、「幸せアピールのようで配慮に欠けている」だとか「妊婦だから優先されて当たり前だと勘違いしている」だとか、配慮に欠けて勘違いしているのは一体どちらなのかと言いたくなるような意見が散見された。不妊に悩む人の嫉妬のようなものもあるそうなので難しいが、自分が誰から生まれたのかを考えてみてほしい。しかし、マタニティマークを着けている時は着けている時で、マークの存在自体を気付いてもらえないことも多いそうだ。スマホに夢中になっていた自分を始め、人は他人をそこまでよく見ていないことが多い。妊婦の場合、出産が近付くにつれてお腹も大きくなるのでまだ目に付くかも知れないが、これが持病や見えない場所の怪我の場合はどうだろうか。高齢者でもなく、杖をついているわけでもない若者が優先席に座っていて、お年寄りが立っているのに席を譲らなかったら、なんとなく気まずい空気が流れそうだから避けてしまうという人は意外と多いのではないだろうか。酷い貧血になって優先席に座っていたら、知らないおじいさんに怒られた友人もいる。もちろんそんなことを言う人ばかりではないが、少ないわけでもない。そういうわけで、優先席というのは必ずしも必要としている人が誰でも気軽に使える場所でもないようだ。「マイノリティのための優先席」でも「マジョリティのための普通席」でもないだからこそ、それ以外の場所に座る私たちほど意識しておいた方が良い。誰もが例外なく、体調を崩したり、病気や怪我をするということを。そしてその人たちは一見わかりづらいからこそ、いつでもどこにでも居る可能性があるということを。確かな解決策は無いが、ほんの少しそれを頭の片隅で意識しているだけで、見落としがちなものに気がつける機会が増えるのではないだろうか。おまけ最後に知っておきたい福祉マークを紹介したい。1.マタニティマークPhoto by 東京都福祉保健局義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、または妊娠初期の人など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせることができるマーク。3.ハート・プラスマークPhoto by 一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークでもある。BENIKO HASHIMOTO(橋本 紅子)神奈川県出身。音楽大学卒業後、アパレル販売をしながらシンガーソングライターとして活動を続ける。2015年5月に結成されたSEALDs(=自由と民主主義のための学生緊急行動)に参加しSNSやデモ活動を通して同世代に社会問題について問い掛けるようになる。Instagram: by Beniko HashimotoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#002 打たれ弱いし、協調性がない?「ゆとり教育」の欠陥から生まれた世代が、“理不尽”に批判される理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。 みなさま、こんにちは。紅子です。今回は、私も含め若い世代が大人たちから頻繁に“ゆとり”と呼ばれることについて思ったことをまとめてみました。▶前回の連載記事...
2017年08月14日みなさま、こんにちは。紅子です。今回は、私も含め若い世代が大人たちから頻繁に“ゆとり”と呼ばれることについて思ったことをまとめてみました。▶前回の連載記事はこちら現在の20代を中心とした若者を指してしばしば使われる言葉「ゆとり」。どちらかというとややネガティブなニュアンスを込めて使われることの多い「ゆとり」だが、そもそもゆとり世代とは具体的にどういった世代のことを指し、そうでない世代と何がどのように違うのだろうか。今回、一般的に「ゆとり世代」に対しどういった場面でゆとりだと感じるのか、また、なぜそう感じるのかを、ゆとり世代本人たちとそれ以外の世代とに分けて、前回の記事でアンケートを実施した。その結果に基づいて、この実体のあるようでない「ゆとり」とは何なのか、ゆとり世代本人たちは「ゆとり」に対し何を思うのか等々、少し掘り下げてみた。そもそも「ゆとり世代」の定義とは「打たれ弱い」「協調性がない」「野心がない」等、なんとなく甲斐性のない若者をざっくりと指して使われることの多い「ゆとり」という言葉だが、これにはきちんと該当する世代と定義がある。いわゆる「ゆとり世代」とは、1999年に改正され、2002年より実施された学習指導要領に基づく「ゆとり教育」を受けた世代のことで、これに該当するのが1987年4月2日〜2004年4月1日生まれの現在13歳〜29歳*となっている。(*2017年7月時点)ゆとり教育が実施された背景には、それまで行われていた暗記中心の詰め込み教育や過度な受験戦争、偏差値重視の教育が、いじめや不登校、非行を誘発しているという批判を受け、無理のない学習環境で自ら学び考える力を育成することを目指し実施したという流れがある。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)具体的にゆとり教育の実施によってそれまでと変わった事は以下の4つなど。・完全週5日制・絶対評価の導入・教科にとらわれない「総合的な学習の時間」の新設・各教科の学習内容を3割程度削減私自身も1990年生まれのゆとり教育直撃世代なので、小学校のある時期から、それまで隔週であったはずの土曜の半日授業がなくなり、「総合的な学習の時間」という、授業内容が毎回バラバラな(ある時は道徳の授業と似た内容を、ある時は自習の時間、ある時は体育館でドッジボールをし、運動会の前はその準備に充てられたりする)謎の時間が突如時間割に組み込まれたのは覚えている。でも何より一番よく覚えているのは、学年が上がるたびに配られる教科書がペラペラになっていたことだ。特に算数の教科書は70数ページまでしかなく、それなりに重量感のあった低学年の頃と比べ中3の頃には夏の暑い日にうちわ代わりに扇ぐ事が出来るくらいに薄くなっていた。また、私の代は円周率3.14で習ったが、次の年から円周率は3にされるのだと塾の講師が嘆いていた記憶もある(実際に翌年実施されたのかは定かでないが、周りの同世代に聞いて回ると円周率3で習った人とそうでない人がいるのは事実のようだ)。「ゆとり教育」をざっとまとめるとこんな感じだが、ではこれらが世間の持つ「ゆとり」のイメージに、一体どう結びついているのだろうか。どういう時「ゆとり」だと感じるの?前回の記事の最後に、この記事を書くにあたってのアンケートを「ゆとり世代(65人)」と「ゆとり世代以外(126人)」とに分けて、『どういう場面で「ゆとり」って言われる?』と聞いてみた。その結果がこちら。※訂正:こちらのアンケートを実施した際、「感じたことがない」という項目を入れていなかったため、ゆとりだと感じたことがない人が「その他」の項目に記載してくれたものをここでは新たに分けてグラフにしている。(ゆとり世代として、自覚もなしに「当然ゆとりだと思われているのだろう」という思い込みでもあったのだろうか…)ゆとり世代・それ以外の世代共に、少々差はあれどやはり「仕事中」に何かしらのギャップを感じる人が多いようだ。具体的な事例として挙げられた回答はこちら。 ゆとり世代の回答・新入社員時代の時に、営業で成績が出せず、周りの先輩とも馴染めず、胃腸炎や鬱っぽくなって会社にいけなくなったときに言われた。同じように後輩も、精神的に病んで会社に来れなくなったときに言われていた。 「弱い人間」「我慢できない人間」「従順に会社のルールに従えない人間」のことを指していたように思う。・強いて言えば、仕事に求めるものって何?ってバイトしている企業の店長よりも偉いエリアマネージャーの方に聞かれた時に、僕が「福利厚生や…」と答えた際、最近の子っぽいねと言われた。・私はきっちりと休み時間をとり、残業をなるべくせずに帰るようにしていますし、会社の飲み会でも自分の意見を通すように発言します。たとえ目上の人と反対の意見でも。それをゆとりと茶化されます。・私もアパレル関係の仕事をしているのですが、仕事柄労働時間が非常に長いです。先輩やベテランの方は自分の時間を全て捨てて仕事や仕事の勉強をするべきだと教えられてきました。 もちろんそれはプロ意識であり素晴らしく尊敬することだとは思うのですが、自分の時間も欲しいと思う時は「これがゆとり世代の考え方なのか」と感じます。 ゆとり世代以外の回答・仕事で、人と比べられること(営業成績等)に対して、とてもネガティブになる所・以前の勤務先に学生インターンが来た時、社長が雑用を頼んだら、そんな事をする為に来たんじゃない、とすぐ辞めてしまった。・会社を学校だと思っているフシがある。新入社員が仕事の知識を自主的に身に付けようとしなくなっており、業務上、基本中の基本の知識を尋ねると「教えてもらってないんで!」と半ばキレ気味…。会社にいる以上はお客様からしてみればプロなわけで、1から10までをすべて研修プログラムのように教わるつもりでいたらしい。ちなみに営業職です…。・私も音大出、仕事柄新しく会った若い人に「連絡下さいね!」と頼んでも返信さえしてくれない。礼儀も何もあったもんじゃないです。仕事を頼みたいのに! ゆとり世代の回答を見ると、定時上がりや福利厚生などのライフワークバランスを重視し、自分の体調や、自分の意見を大切にしたいといった、「個」を尊重する考えを「ゆとり」と結び付けられた経験が多いようだ。一方、ゆとり世代以外の回答を見ると、仕事の場面で感じることとしてやや共通しているのは「必要最低限に留まろうとするところ」だろうか。「教えてもらっていないからわからない」「目的以外のことに時間を費やさない」「必要に駆られないと連絡を返さない」等、少々受け身で消極的な姿勢や、他者と比べられる事への嫌悪感などは「野心がない」などと揶揄される所以でもあるのかもしれない。私が注目する「ゆとり教育」の欠陥。では、これらの「ゆとり」に対する見方は、その名の通り「ゆとり教育」と関係している事なのだろうか。ゆとり教育の実施に伴い変更された主な内容をもう一度見てみよう。・完全週5日制・絶対評価の導入・「総合的な学習の時間」の新設・各教科の学習内容を3割程度削減個人的な感想としては、この項目だけ見ると先程挙げられた「ゆとりたちの言動」がこれに直結しているとは少々考え難く、どちらかというとゆとり教育を受けたからではなく、単に誰もが通る若さ故の責任感や余裕が持てるまでの段階を彼らは踏んでいるに過ぎず、たまたまその「若い世代」に該当するのが今のゆとり教育を受けた世代であることから「ゆとり」と呼ばれるようになったのではないだろうか、とも思う。ただ、我々ゆとり世代の人格形成にゆとり教育が全く無関係かというとそうでもないと思っている。もしも一般的に言われる「ゆとり」像がゆとり教育と関係しているとすれば、上記4項目のうち私の考える注目すべき点は「絶対評価の導入」だ。絶対評価とは、それまで採用されていた相対評価が文字通り“学級や学年など、全体の中でどのくらいの位置にいるのかという評価基準”であったのに対し、“全体の出来に対してどうかではなく、あらかじめ設定された指導目標を基準に評価する”というものである。この絶対評価が何故ゆとり世代の人格形成に影響しているように感じたかというと、絶対評価は相対評価に比べ、教師の主観による判断の傾向が強くなり、客観性に欠けるという指摘が導入当時から数多く寄せられていたから。また、ゆとり教育導入以降、評価の観点において「関心・意欲・態度」が重要視されるようになったことで、内申点は実質テストの点数が50%、残りの50%は授業態度等で決まるようになった。つまり、苦手な教科でも授業態度を良くすることで半分はカバー出来、逆に得意な科目でも授業態度が悪ければ5段階評価をつけるにあたって減点対象となるわけである。当然、受験を控えた生徒達は内申点を上げるためにその評価基準に則って良い成績をつけてもらえるよう努めるわけだが、関心や意欲の強さというのは一概に人の目で見て判断出来るものではない。そうなると、内申点を上げたい生徒としてはより模範的な生徒として振る舞おうと意識するだろう。学校側から言われた事に従い、規則からはみ出ることをしないよう、より気を遣うようになるのではないだろうか。私が中2・中3の頃のことを思い出しても、苦手な教科ほど得点稼ぎができるよう、「全然分かんないけどとりあえず挙手!(笑)」と言いながらやる気をアピールする生徒や(無論それが悪いことではないが)、通知表の他に内申書に書いてもらえる項目を増やすべく「やりたくねー」と言いながら嫌々ボランティアや役員業務に立候補するクラスメイトは少なくなかったように思う。覚えている限りのこれらの言動から、私たちゆとり世代は、求められた人物像に近付くべく「自分の意思よりも言われた事に従う方が賢明である」という、悪く言えば見え方を優先、質は後というような価値観を、絶対評価を通した教育を経て少なからず持つことになったのではないだろうか。そしてこれが、「言われた事しかやらない」「自分の意思がない(消極的)」などと言われる要因の一つになっているとは考えられないだろうか。もしそうだとしたら、自ら学び考える力を育成することを目指し実施したというゆとり教育本来の目的とは逆を行ったことになる。そして世代の性格として自然発生的に根付いたものではなく、少なからずこれらの教育が影響しているとしたら、やはり「これだからゆとり世代は」などとゆとり世代本人たちを責めるのは少々理不尽なのではないかとも思う。ちなみにゆとり教育が始まった2002年、私は小学校6年に上がった年だった。本当は当時中学生だった兄の通知表を参考にしたかったのだが、所在が分からずじまいの為、参考程度に小学校の通知表を比較してみた。こちらは2001年、ゆとり教育導入前年(小学5年)の通知表である。ぜんぶできている。素晴らしい。各項目を見てみると、授業に関する具体的な内容について出来たか出来ていなかったかが評価されているのがわかる。続いて2002年。ここで「ゆとり教育」が導入される。学校教育目標にも「よく考え進んで実行する子」と表記されるようになる。各項目の前に「関心・意欲・態度」「技能・表現」などのカテゴリーが加わっている。小6の私は我が国の歴史がさまざまな人々の働きによってつくられていることを分かっていなかったらしい。では中学の頃はどうなっていたかというと、こちらは2005年度、中3の時の通知表である。4ばっかり!それまでオール5だった英語はオール4になり(満点近く採って4だったのでものすごく不服だったのだが、2年の終わりまでいた教師が異動になってから後任の教師にめちゃくちゃ嫌われていたのは覚えている。前期なんて全部Aなのに4だし)、体育に至ってはオール2。ひどい。運動能力の無さは今も健在である。授業態度は軒並み微妙だったらしい。小学校と違い具体的な項目はなく、全て統一された観点にABCで評価が付いていることがわかる。久しぶりに見てみた感想としては、英語の評価の不当性を思い出して今更腹が立ってきたということである。あれは完全に教師の主観だったと思う…。ご家庭に通知表の残っている人は読み返してみて欲しい。ゆとり世代だって悪い面ばかりではない!しかし、ゆとり世代も悪い面ばかりではない。アンケートの回答を見て行くと、ゆとり世代の回答は「仕事」に次いで「知識(学力)」だったが、ゆとり世代以外の回答と合わせて見てみると「言われたことがない・感じたことがない」という回答や、ゆとり世代に対しての肯定的な意見も多い。具体的な事例は以下にまとめた。 ゆとり世代の回答・どちらかといえば自虐的な冗談で言う事が多い ゆとり世代以外の回答・世間で言われるほどゆとり世代なんて感じたことはない。おっさんにだって所謂『ゆとり』的な人はいる。結局はその人次第だと思うよ・全く気にしたことがないし、「ゆとり世代」と一括りにすることは失礼だと思う・僕は経営者で若い子も雇っていますが、感じる事は無いですね。この『ゆとり』という言葉を良い意味で使う事は無いでしょうから、その解釈から言えば、いつの時代も良い奴も出来ない奴もいます。 僕が思うに上に立つ人間の人材不足なのではと思います。部下を上手く操れないから、『ゆとり』という概念で整理すると対外的にも自分的にも楽だし共感を持って貰えるからその言葉を使うのではと思っています。(一部抜粋)・塾講師をしています。 いわゆる「ゆとり世代」もそれ以外の世代も教えていますが、特に学力面、社会常識等で違いを感じたことはありません。 もちろん、教える内容の変化はありましたが。 個人的には「ゆとり世代」というのは都市伝説のような類の意味のないものだと捉えています。(一部抜粋)・私の娘がゆとり世代ですが、この世代の人達は、差こそあれ、大体において想像力豊かで、ディベートもでき、発想が柔軟です。 指摘されて以来お付き合いの途絶えてしまう大人もたくさんいるけれど、この世代の人々は概して指摘にも耐え、反論も出てきます。 知識は確かにそう詰め込まれなかったかも知れませんが、調べる自主性、考える力、組み立てる能力、つまり生きる力に富んでいると感じます。 授業も興味深いものでした。うらやましいことがよくあります。・いい意味で意見を持っていると思う。会社でも創造的な提案を聞きます。個性的だし自分らしく生きることを私たちより自然体でできているように感じます。・ゆとり世代に対する批判は、各年代共通する年寄りの若い世代に対する批判と考えています彼らは「いい子」ですが、社会情勢に翻弄されている中、それでも努力していると思っています・彼らはすばらしい!この世代は文武両道で成功している子が多い。柔らかいものの見方ができ、創造的な子も多く、伸びようとする力もある。学力や知識が足りないうえに、型にはめたがるバブル世代のほうが問題だと思う。・1960年生まれです。90年代生まれの子供がふたりいます。彼らやその友人と会話していると、発想の柔軟さ、多角的な思考、周囲への強烈な配慮に驚かされます。 仕事のシーンにおいて打たれ弱くすぐ辞めてしまうとか、自発的に食らいついていかない受け身な姿勢などが嘆かれているのは、裏を返せば一歩引いて冷静に世界を見ていることや、スマホやSNSの普及によって昔に比べ圧倒的に情報量が増え、多様な価値観を目にする機会も増えたことで選択肢がたくさんあるということを知っているため、どこか一箇所にとらわれるのではなくより自分に合ったものを見つけたいという気持ちが強いからではないだろうか。また、ゆとり世代の回答にあった「自分の体調を優先する」「休みはきっちり取る」「ワークライフバランスを重視する」ことによってゆとりと関連付けられたという事例に関しては、ゆとり世代の判断は何も間違ってはいないように思う。電通の一件で特に大きな注目を浴びたが、近年は絶えない過労自殺などによって働き方を見直されている時代でもある。もちろん欠勤はしないに越したことはないし仕事を残さないよう頑張れるだけ頑張るというのは素晴らしい事だが、自分の生活や体調を犠牲にして根性だけで乗り切ろうとすることは時に人生を大きく狂わせる。それをゆとり世代はよく知っているのではないだろうか。社会の中では歯車として働いていてる身体でも、個人の人生においてはエンジンそのものである。「世代」ではなく、「個人」で人間を見ることが大事。今回実施したアンケートで「ゆとり世代」についてわかったことを以下の4つにまとめた。①「打たれ弱い」「協調性がない」などいわゆる今の若者に上の世代が抱いているとされる「ゆとり」イメージは確かに存在する②しかしそれを「ゆとり」という名で括る根拠については曖昧、もしくは一定ではない③「ゆとり」という括り方に疑問を持つ人も同じくらい多い④「ライフワークバランスを大切にする」「柔軟なものの見方ができる」等、嘆かれる面ばかりではない教育も社会も人を造る。時代が変われば価値観も変わり、一人一人は歳を重ねることで変わっていく。価値観はたぶん確立されないし、統一させることも不可能だ。確立されないものをカテゴライズすることで見えなくなるものは多いし、危険だ。「ゆとり世代」は確かに存在するが、ゆとり世代の中の「個人」であること、バブル世代の、団塊世代の「個人」であることを忘れないように他者を見つめ、受け入れて行く社会であって欲しい。 BENIKO HASHIMOTO(橋本 紅子)神奈川県出身。音楽大学卒業後、アパレル販売をしながらシンガーソングライターとして活動を続ける。2015年5月に結成されたSEALDs(=自由と民主主義のための学生緊急行動)に参加しSNSやデモ活動を通して同世代に社会問題について問い掛けるようになる。Instagram: by Beniko HashimotoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#001 「ミュージシャンは政治的発言とかしない方がいいって言うよね」。私が“日本の常識”を疑い始めた理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。 ヴォーカリストになりたくて、音大に通った。卒業してからはアパレルのバイトをしながらライブをしてきた。 音楽とファッション、みんながごく当たり前に好きなことを私も好きで、...
2017年07月23日ヴォーカリストになりたくて、音大に通った。卒業してからはアパレルのバイトをしながらライブをしてきた。 音楽とファッション、みんながごく当たり前に好きなことを私も好きで、政治とか社会問題とか、そういう果てしなく複雑そうなことに興味なんてなかった。“そういうこと”は、興味のある人たちの専門分野で、自分とは遠く離れたところの誰かが勝手に進めてくれる話だと思ってた。 だけどある時ぼんやりニュースを見てて、流れている映像がなんとなく気になって、なんとなく、疑問を持ちかけた。でも、ニュースのコメンテーターの話にも政治家の話にもついていけなくて、「賛成」も「反対」も言えない自分がそこにいた。 このまま30歳とか、40歳になっていいんだろうか。そもそも、こういうのって何かしら自分たちに関係があるから公共の電波でニュースになってるんだよね?たとえば自分に子供ができたとき、その子の生きる社会で何が起きているのか、何もわからない親になっていいんだろうか。漠然とそう思って、検索窓にカーソルを運んだ。きっかけは偶然目にした“ある日のあるニュース”大学を卒業して一年くらいしたある日、アパレルのアルバイトをしながらライブや制作活動をしていた私は、バイトの休憩中にたまたまテレビで流れてきたあるニュースに目が留まった。 それは「『集団的自衛権』を日本で容認するか否かの議論が国会で白熱している」という内容のニュースで、街行く人へのインタビュー映像なんかも流れていた。しかし、どの人も「賛成」とか「反対」とかはっきり意見する人は少なくて、どちらかというと「よくわからないけどなんとなく…」とか「え、全然わかんない」とか笑いながら答えている人の方が多かった。私はテレビの中の人たちをバカにできる訳ではなく、彼らと同じで、それについてどう思うかなんてよくわからなかった。 いつもの私ならそこで聞き流して終わっている。でも、気になってしまった。それはその時にテレビで流れてきた、銃を構えて戦闘訓練をしている自衛隊員たちの映像と共に「行けと言われたら行くしかないですね」「やられる前に自分がやらないと…」と話す彼らの張り詰めた言葉と表情がやけにリアルだったからだ。何かすごく不穏な空気を感じて、今この国で何が起きているのかきちんと確認した方が良い気がして、バイト帰りにスマホで調べ始めた。「一般的にミュージシャンは政治的発言とかしないほうが良いって言うよね」音大卒業後、同期や後輩ら大人数で飲みに行ったことがあった。その頃私は、集団的自衛権のニュースから派生して既に色々な社会問題に関心を持つようになっていて、SNSで頻繁にそんな投稿をするようになっていた。それを見ていた友人の一人が「最近紅子の投稿読んでると色々考えさせられるよ」と声を掛けてくれたのをきっかけに政治の話は始まった。 すると、その場にいた一人の男の子が「でも、一般的にミュージシャンは政治的発言とかしないほうが良いって言うよね(笑)。大丈夫なの?(笑)」と私に言ってきた。彼は私を心配して忠告してくれたのかもしれない。だけど私はその一言に失望し、無性に腹が立った。彼自身に腹が立ったというよりも、「公の場で意見は言わない方が身のためだ」という理論が日本で「一般的(=常識、当たり前)」と認識されていて、それが疑問視されるどころか丁寧に遵守されている現実に失望し、腹が立ったのだ。「常識」と「パンク」の狭間で想像力を働かせることが、自由を生み出すヒント。別に、みんなが世の中で起きている全ての出来事を専門家みたいに語れる必要なんてない。社会問題って、思っているほど堅い話なんかじゃなくて、身の回りの至る所に存在している。 それは何も政治や社会問題という枠に限ったことではなく、日常のちょっとした出来事や、流行や価値観に対する疑問だってそうだ。というか、政治や社会問題というのは拡大すれば、そういう事を指すのだ。 例えば私たちは気が付いたら“ゆとり世代”とか“女子力”とか、誰かが作ったステレオタイプな物差しの上に生きていて、そんな基準はどこかで歪(ひず)みを作って時に自分たちを苦しめる。 この社会は、常識は、誰のためにあるんだっけ? 少しだけ興味を持って想像してみることで、思っている以上に自分たちの生きる土壌(社会)は自分たちで耕すことができるし、それは紛れもなく自分たち自身を自由にする。「社会問題」なんて漠然と言われると想像しにくいけれど、知らない間に常識化していた身近なことを手に取って、1つ1つ紐解いていみることで、“本当にそれでいいのかな?”とか“そんなに囚われなくていいのかも”とか、自分に合った答えや選択肢を探していけるようになるかもしれない。次回予告 次回の連載は「ゆとり世代」について、世の中の人々の感じることをもとに書いていこうと思います。そのためのアンケートを作ったので、ご回答いただけると嬉しいです! ゆとり世代(1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれ*)の方は1つ目の質問に、ゆとり世代以外の方は2つ目の質問にお答えください。 (*1)ゆとり世代の該当範囲には諸説ありますが、ここでは1998年に改訂され、2002年から施行された学習指導要領の教育を受けた世代を指しています。*ゆとり世代(1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれ*)の方読み込んでいます…*ゆとり世代以外の方読み込んでいます…
2017年06月21日日本を代表する女優であり、また、作家としても多くのエッセイや小説を発表している岸惠子。昨年と一昨年は、小説『わりなき恋』を自ら脚色した朗読劇であでやかな姿を見せつけた彼女が、2017年は『スペシャルトークショー夢のあとさき』と題したツアーで全国を回る。公演では貴重な秘蔵写真とエピソードトークで改めて岸の半生が語られるほか、未来へ向けた彼女自身の想いも発信してゆく予定だ。内容について、岸に聞いた。岸惠子 スペシャルトークショー チケット情報映画『君の名は』(1953年)で国民的な女優となった岸は、1956年の日仏合作映画への出演がきっかけで、映画監督イヴ・シァンピと結婚、24歳で渡仏する。その後は離婚を経験しながらも、小津安二郎や市川崑ら名匠の映画に出演を重ね、1980年代に入るとパリの日常を綴った『巴里の空はあかね雲』、中東と南アフリカでの取材経験をもとにした『ベラルーシの林檎』など作家としても活動を開始。2013年には69歳のドキュメンタリー作家の女性と、大企業に勤める58歳の男性との関係を描いた『わりなき恋』を発表、大きな話題を集めた。「どういう内容にしようかと考え始めたら、今このトークショーをやっておくことは、確かに意味のあることかもしれないと思いました」と岸。「横浜大空襲を経験したのは12歳なんですが、家の周りが焦土と化したあのにおいは、今でも鮮明に記憶に残っているほど。そんな具体的なお話も含めて、戦争を知らない世代に伝えられることがあるかもしれないということがひとつ。それに映画の現場での思い出はもちろん、渡仏生活やイスラエルでの取材など、この世代の日本人としては珍しい経験を積んできたという気持ちもあります。私もウソの“芸能ニュース”には苦労しましたし(笑)、そろそろ自分のことを自分の言葉でお伝えするのもいいかなと思って」と岸は話す。一方で、日本人とヨーロッパ人との文化的差異も、常に岸の心を占めてきたテーマだ。「日本人って、人がいいんです。繊細で優しいということなんですけど、ヨーロッパ人から見れば、外交や政治に関して“どうしてそうなるの”と思うこともしばしば」と岸は言う。「ただその性質は私の中にもあるもので、今の“岸惠子”はパリで鍛えられたからこそ出来上がったもの。困難や苦労もいろいろありますが、どうせなら単なる苦労話にはしたくないですね。トークショーでは面白おかしくお話しするつもりですので、気軽に楽しんでいただければ」と話す岸。シリアスな話題も軽やかな筆致で読者を魅了するのが岸の著書の魅力。今回も同様に、お楽しみが満載のステージとなりそうだ。8月9日(水)東京・なかのZERO 大ホール公演を皮切りに全国を巡演。取材・文佐藤さくら
2017年05月24日昨年、好評を博した岸惠子の一人芝居『わりなき恋』が、9月に再演される。【チケット情報はこちら】本作は、3年前に発表しベストセラーとなった同名恋愛小説を、著者である岸みずからが脚本、朗読、さらには衣裳も手掛け、舞台化した意欲作。海外で活躍するドキュメンタリー作家・笙子(69歳)が、パリに向かう機内で大手企業に勤める兼太(58歳)と隣り合ったことをきっかけに惹かれ合い、「最後の恋」を自覚しながらも逢瀬を重ねていく、というストーリーを、岸の朗読で届ける。今回の再演について岸に話を聞いた。「やってよかったと思っています。自分で書いて自分でやるんですから、想いも特別ですし」と初演を振り返る岸。「舞台でやってみないかという提案に、最初はとてもダメだと思ったんです。私、舞台慣れしてないから。舞台は3回しか経験がなかったので。でも、4年かけて思う存分書いた作品ですから、やってみようかって。舞台は、座って読んだらみんな退屈しちゃうと思って立って、衣裳も6回変えて、シナリオも十数回書き直してうんと凝縮して出来上がったものです。だから、1回だけで終わってしまうのがちょっと惜しいなと、再び上演することにしました。新しい発見があるといいなと思います」84歳を迎えた今、恋の話を届ける理由を聞いてみると「私は高齢者をみじめに扱わないでほしい、モノのように扱わないでほしいんです。その極端な例として、高齢者にも恋はあるよ、ということを(小説で)書いてみたかったんですね。それが一番手っ取り早かった。人生の終わりに虹が立つような、それは消えるものではあるけれども、一瞬の輝きがあってもいいんだよということを絶対に書きたかったんです」初演に続き、衣裳も自身が手掛ける。「この長い物語でみなさんが退屈しちゃうといけないから、せめて衣装でちゃんと見せようと思って。それで6回も(衣裳を変えて)、大変でしたけど(笑)。衣裳というのはまるごとその人があらわれるでしょう?なので凝りました」「主人公は私自身の性格そのものかもしれません」と話す岸。そんな主人公の美しい恋を描いた渾身の作品を、本人の身体を通して表現される贅沢な約1時間30分だ。原作未読でも十分に楽しめる作品。成熟した男女の“最後の恋”をぜひ体感してほしい。公演は9月24日(土)神奈川・神奈川県立音楽堂(木のホール)、28日(水)東京・新宿文化センター大ホール、10月1日(土)埼玉・さいたま市民会館おおみや大ホール、4日(火)兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール、8日(土)千葉・千葉市民会館大ホール、12日(水)東京・町田市民ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2016年08月15日先月より公開されている、門脇麦単独初主演作『二重生活』。この度、7月12日に新宿ピカデリーにて、大ヒット御礼トークイベントが行われ、門脇さんと岸善幸監督が登壇した。大学院の哲学科に通う珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まった――。キャストには、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくヒロイン・珠役の門脇さんを始め、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキーなど、豪華俳優陣が競演。いままでの日本映画にはない、新感覚の心理エンターテイメント映画となっている。この日のトークイベントには、主演の門脇さんと岸監督が登壇。監督はSNSなどで多数の感想が寄せられているのを見ているようで、「褒められると嬉しい、そして厳しい評価も真摯に受け止めて、励みにしていかないといけないと思いました。いずれの意見も、自分の糧にして進まねばという思いです」と謙虚な姿勢で御礼を述べていた。一方、門脇さんは両親と3人で劇場に観に行ったそうで、「お客さんもみんな集中してスクリーンに映る珠の尾行を目で追っていて、なんだか幸せでした」と語った。イベントの後半では、観客からのティーチインが行われ、様々な質問が飛び交っていた。「あまりにも演技が自然で、居酒屋でだんだんと酔っ払っているシーンなんて本当に酔っているのかと思いました」という感想に門脇さんは、「あれたしか朝の8時頃だったんですよね」と笑って解答。監督も「10テイク、カメラの動きなんかも調整すると13テイクくらい撮ったシーンだね」と撮影での様子も明かした。さらに、「尾行している感覚で見られておもしろい」という口コミについては、「視線を大切に作った映画です。麦ちゃんが観ている視線と、映画の情報を伝える、いわば説明のような視線。この2つの視線を1セットとして撮り進めました。同じ芝居、同じ動きを麦ちゃん以外のキャストにも記憶して何度も演じてもらって」と監督が撮影方法を語る。また、共演の長谷川さんなどから、岸監督はサディストだと言われたそうで、門脇さんは「人当たりがいいのに、ニコニコしつつ腹黒いところもちゃんとある。毒舌ですしね(笑)サディステックというか、1シーン1カットこだわりと愛情を持って撮っているのに、それを編集でばっさりカットする精神がすごい!」と監督についてコメントした。「尾行シーンでの役作りの苦労は?」という問いには、「ジッと見ていればいいので、楽しいんですよ」と話すも、「卓也との生活は初日と、その次の日の2日くらいで撮ったんですけど、自分の役が嫌な女にしか見えなくてもやもやして。でも、監督と何か明確な言葉で共有してしまうと逆に枠のようなものにはまってしまうようでそれも嫌で。1カット終わったあとの『OK』という言葉と、1日撮影が終わったあとの『大丈夫でした?』『うん、大丈夫』という確認の一言で、だんだんと役を理解して、積み上げていった感じです」と語り、言葉では共有しない信頼関係を築き上げていったようだ。『二重生活』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年07月13日グラビアアイドルの岸明日香が5日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD『ADあすぽん』(発売中 4,104円税込 発売元:ワニブックス)の発売記念イベントを行った。2012年にグラドルとしてデビュー以降、Gカップバストとグラマラスボディーで人気を博している岸明日香。最近は映画やドラマ、バラエティー番組などに出演するなど、グラビア以外での活躍も目立つ。そんな彼女の通算14枚目となる同DVDは、今年3月にバリで撮影。ADに扮した岸が、視聴者を見立てたプロデューサーと禁断の恋をするというドラマ仕立てで、Gカップバストとグラマラスボディーを惜しげもなく披露している。事務所の後輩に当る橘凛花の水着を着用して会場に登場した岸は「今回は私がADさんになり、小芝居が盛り込まれながらいつもとは違う楽しみがあると思います」と最新作を紹介。具体的な衣装を「超ホットパンツにTシャツ姿で"パイスラ"をしたりしてADさんぽく頑張っています。それにネグリジェとか背中がガッツリ開いたワンピースドレス、リアルパジャマも着ました」と挙げながら、ポロリなどのハプニングは「それは毎度あります(笑)。私は気づかないタイプで、いつもスタイリストさんとかが注意してくれます(笑)」と巨乳ならではの悩みも明かした。プロデューサーと禁断の恋に落ちるという内容にちなみ、「リアルなテレビ関係者とは?」という報道陣の問いに「リアルでは全然ないです。何で口説かれないんやろ? と疑問ですよ」と不満顔。昨年には、お笑いコンビ・ロッチのコカドケンタロウとお泊りデートが報じられたが、「相当前なのでよく分かんなくなっています(笑)」と上手く流しながら「新しいアモーレは現れてないですよ(笑)」と独り身を強調していた。岸明日香(きし あすか)1991年4月11日生まれ。大阪府出身。B型。身長158cm。スリーサイズはB90・W58・H88。2012年3月発売の『週刊プレイボーイ』の撮り下ろしグラビアでグラビアアイドルとしてデビュー。同年4月リリースの1stDVD『恋ゆらら』で注目を集め、ケータイYOUNG JUMPの『ぷるるんサバイバル2012 6月度』を勝ち抜いた。2013年4月にはグリコ乳業『ドロリッチ』のイメージガール"ドロリッチガール"の2代目に選ばれた。7月にはトレーディングカード第2弾が発売される。特技は歌、書道、えびぞり。趣味は人間観察、ジョギング、料理。
2016年06月11日門脇麦が単独初主演に挑む『二重生活』。監督には、本作で映画監督デビューとなった岸善幸が務めているが、そんな本作への出演を熱望した門脇さんらが監督へ熱い想いを語るメッセージが到着した。大学院の哲学科に通う珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まった――。本作は、NHK「ラジオ」(文化庁・芸術祭大賞受賞、国際エミー賞にノミネート)など、大きの記憶に残るドラマを手掛けた映像作家・岸氏が直木賞作家・小池真理子の同名小説に大胆脚色を施し、映画化に挑んだ。キャストには、見ず知らずの他人を尾行しいつしか禁断の行為にはまっていくヒロイン・珠役の門脇さんをはじめ、尾行される男に長谷川博己、珠の恋人・卓也役に菅田将暉、 尾行を勧める謎多き教授にリリー・フランキーなど、多彩なキャストが揃い、「尾行を哲学する」新しい心理エンターテインメントを創り出している。国内外で多くの受賞歴を持ち、俳優からの信頼も厚い岸監督。そんな彼の作品とあって、本作の出演を熱望した上記4人のキャストは、岸監督についてこう語る。主演の門脇さんは、これまでの岸氏の作品を見ていつか一緒に仕事がしたいと思っていたそうで「岸監督の素晴らしいところは、優しさの中にきっちりと残酷さがあるところだと思います」と絶賛。また長谷川さんも「静かなサディストです(笑)」と話すも、「作家としてとても懐が深く、ご自身が書かれた脚本に手を加えることを厭わず、役者の意見にもしっかり耳を傾けてくださいました」と撮影を振り返った。「監督の中には悪魔が宿っています」と語る菅田さんは、「モテると思います。かっこいいなと思いました。声もいいですし、皆が監督のことを好きになるんです。女優さんだったらやばいかもしれない」と、男性の目からも魅力的な存在に映るようだ。一方のリリーさんは、「撮影中、岸さんは頭の中にあるものを映像化しようと、試行錯誤しながら撮っていたと思います。街中で撮っていても、ミニマムなダイナミズムがありますよね」と語り、「人間の視点の画角で撮られている映画になっていました。密度がすごくて、ありそうでない日本映画だと思います」と、まるで尾行しているかのような臨場感あふれるカメラワークに、さすがだと話した。役者の“生”の存在感を引き出す演出術で時代の空気を切り取る岸監督と、人気の俳優陣で贈る本作。ますます本作の公開が待ち遠しい。『二重生活』は6月25日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月28日今も未来も、自分らしく、美しく、健康でありたいと願う全ての女性に、そのためのメソッドを提案する「WOMAN’S BEAUTY FESTIBAL」が伊勢丹新宿店のビューティアポセカリーで3月21日に行われる。当イベントを共催するNPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事の岸紅子さんに、内からも外からも、凛として美しい女性であるためのメソッドを聞いた。■ホリスティックビューティとは、心と身体のセルフマネジメント「ホリスティック」とは、全体の・包括的なという意味を持つ。大学時代に祖父母の闘病生活から、ホリスティック医療と出合った岸さん。ホリスティック医療は、体と精神は一体であり、体のどこか一部ではなく全体を見るという考えからきている。その治療の多くは自然治癒力を高める自然療法で、アロマやリフレ、生薬や漢方、ハーブなどその土地にある自然にあるものを生かしながら、体の免疫力や自然治癒力を高めましょうという治療法だ。当時、女性誌の読者モデルをやっていた岸さん。「美しさは外側だけじゃなく、中から生み出されるもの」という思いがホリスティックと結びつき「心と体のバランスを保ち、体が本来持つ自然治癒力を機能させながら内側から美しさをつくりだそう」というホリスティックビューティにたどり着いたという。大学の卒論のテーマもずばり「ホリスティックビューティ」だったというから驚きだ。現在も早寝早起き、食べるものにも気を使い、薬にはなるべく頼らないという“ホリスティックな生活”を実践する岸さんだが、2006年にNPO法人日本ホリスティックビューティ協会を立ち上げるまでには一つの転機があった。■多忙で倒れた20代。一度リセットして身体や心と向き合うことに大学卒業後、美容関連のマーケティング会社を起業した岸さんは仕事にのめりこんでいったという。「すごく忙しくて、会社の経営をやりながらメディアで連載を持ったり、化粧品の開発コンセプトに携わったり、本当に頑張ったんですよ。でも倒れたんです。20代後半から30代前半まで、ストレス性の喘息と子宮内膜症に相次いでかかってしまいました。ステロイドの吸入剤やホルモン剤など薬漬けになって、結婚はしたけれど子供は無理っていわれてしまいました。目指していたホリスティックからは程遠い生活。あの卒論は何だったの!?って(笑)。このままでは死んでしまうと思い、いったんリセットして体や心を見直すところから元に戻そう、素になろうって」。そこから朝型の生活をし、きちんとした食事をとることで心にも体にも健康が戻り、無理だといわれた妊娠・出産もできた。「心や体の声を無視しないことが大切。ちょっと呼吸が浅いな、苦しいなと感じたら大きく深呼吸してみるとか、ちょこちょこしたメンテナンスをして大きな歪みにしないこと。私が経験したストレス性、女性ホルモン系の病気って普通に暮らしていても、どの女性にも起こりうることなんです」■実は、おばあちゃんからもらっている私たちの体「実は私たちの体って半分はおばあちゃんからもらっているんですよ。母親が胎児の時に、すでに私たちの元となる“原始卵胞”が作られているのです。だから、おばあちゃんのプログラムで作られた体は、現代の生活にびっくりしている。添加物だらけのものを食べたり、電磁波にさらされたり、仕事でイライラしたり、子供を生まないから卵巣がお休みする期間もなかったりするということに体がついていけてないんですね。そういう、自分の体のことをよく知らないで過ごしてしまい、後で後悔する女性がいるのはとても不幸なことで、プライベートのためにも、長く仕事を続けるためにもメンテナンスは大事だよ、と早く教えてあげたいんです」■健康的な美しさを保つ秘訣とは健康な美しさを保つ岸さんの美の秘訣を聞いたところ、毎日の生活は普通の人と同じだという。「ちょっとしたことに気をつけることかな。今日は食べ過ぎたなと思ったら、座って話している時も腹筋を締めておく。電車に乗っても爪先立ちとか、椅子やソファに座っても背もたれに身を預けないで背筋を伸ばして座るとか。小さいことでいい、無理はしないことです」。それから、口に入れるものや肌につけるものには気を使っており、「オーガニックから自然を感じることは都会の生活でとても大切なこと」だという。「オーガニックなもの、ナチュラルなものを常に生活の傍らに置いておくことを意識してほしいですね。人間も動物だから、自然と切り離された状態は大きなストレスになってしまうんです。植物でも、アロマ精油でもいいし、オーガニックシャンプーを使うとかドライフルーツを食べるのでも、何でもいいから植物や自然の恵みを身近にしておくことが大事なんです」21日のイベントではMCを務める岸さん。オーガニックを取り入れたナチュラルな生活についてのヒントや提案を、ゲストとのトークの中で行っていければと抱負を語る。「自分自身をケアしたり、自分を磨くための知識を得たり。いつもは忙しい女性の皆さんがこの日は自分のために時間を使う、そんなイベントになればと思います」【イベント詳細】「ビューティアポセカリー WOMAN'S BEAUTY FESTIVAL」開催日:2016年3月21日(月・振替休日)開催時間:11時30分~20時会場:伊勢丹新宿店本館地下2階=ビューティアポセカリー・パーク/プロモーション・7階=バンケットルーム【Profile】岸 紅子(きし べにこ)NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事。大学時代にホリスティック医療と出合い多くの代替療法を研究。起業を経て自身の闘病経験からホリスティック生活に立ち返る。2006年NPO法人日本ホリスティックビューティ協会を設立。2010年「ホリスティックビューティ検定」開始。国内外で検定やセミナーを通じて自然治癒力の高め方やセルフケアを伝えるほか、雑誌やWEB・新聞・テレビ・ラジオなど多彩なメディアで活躍中。ここ数年、腸内環境を整える発酵食を「菌活」として推進しブームとなる。自らも麹菌、乳酸菌、酵母菌などを培養し様々な発酵食品を手作りしている。
2016年03月18日ソニー損害保険は1月5日、新成人のカーライフ意識調査の結果を発表した。調査は2015年11月21日~30日、今年の新成人(1995年4月2日~1996年4月1日生まれ)1,000人を対象にインターネットで行われた。○「免許を持っている」は54.8%普通自動車運転免許の保有状況を聞いたところ、「普通自動車免許を持っている(オートマ限定)」が32.3%、「普通自動車免許を持っている(マニュアル)」が22.5%、合計で運転免許の保有率は54.8%となった。男女別に運転免許保有率をみると、男性は58.8%で女性(50.8%)に比べて高くなった。居住地別では、都市部では44.1%、地方では58.2%となっている。「同年代で車を所有している人はカッコイイと思う」の項目では、「あてはまる」と回答した割合は、都市部は昨年比で6.9ポイントの上昇(2015年38.0%→2016年44.9%)がみられた。○「軽自動車でデート」アリ派は73.7%また、軽自動車の利用シーンごとに「アリ」だと思うか「ナシ」だと思うか聞いたところ、「軽自動車で買い物」については「アリ」が73.0%、「どちらかといえばアリ」が19.2%となり、合計でアリ派が9割以上(92.2%)となった。同様に、「軽自動車でデート」について聞いたところ、アリ派が73.7%となった。男女別では、女性はアリ派が80.4%と、男性(67.0%)より高くなった。ドライブデートをする際に、軽自動車で問題ないと考えている新成人の女性が多いようだ。また、「軽自動車でアウトドア」でも「アリ派」が6割半(64.3%)で多数派となった。○新成人同士で一緒にドライブに行きたい有名人は?今年の新成人が一緒にドライブに行きたい有名人を複数回答で聞いたところ、総合1位女優、歌手の「大原櫻子」(18.2%)、2位は女優の「橋本愛」(10.0%)、3位は声優の「小倉唯」(8.2%)、4位はAKB48の「入山杏奈」(7.7%)、5位はももいろクローバーZの「玉井詩織」(7.1%)となり、上位10名中9名が女性という結果になった。男女別にみると、男性が一緒にドライブに行きたい相手のトップ3は、1位「大原櫻子」(15.2%)、2位「小倉唯」(12.2%)、3位「橋本愛」(12.0%)となった。そのほか、AKB48の「木崎ゆりあ」(5位、7.0%)やプロ野球選手の「森友哉」(9位、6.2%)が上位にランクインした。女性が一緒にドライブに行きたい相手のトップ3は、1位「大原櫻子」(21.2%)、2位「橋本愛」(8.0%)、3位は「小松菜奈」(7.4%)となった。そのほか、ジャニーズJr.の「岸優太」(5位、6.6%)やGENERATIONS from EXILE TRIBEの「佐野玲於」(6位、5.6%)が上位にランクインした。
2016年01月07日「Sexy Zone」の中島健人と千葉雄大、小松菜奈が出演することで話題の映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』。この度追加キャストに高月彩良、「ジャニーズJr.」の岸優太らが出演することが決定した。高校生のヒロイン由宇は、いままでの地味で暗い自分を変えるため、転校して寮生活をすることに。学園のスター“白王子”こと白河くんもいる寮で、ひとつ屋根の下で同居!?と浮かれるも、そこには“黒悪魔”と皆に恐れられる悪魔級ドS男子黒崎くんも住んでいた!副寮長でもある黒崎くんに逆らった由宇は罰として、いきなりファーストキスを奪われ、それからは黒崎くんに“絶対服従”する破目になるのだが…。原作は、昨年より「別冊フレンド」(講談社)にて現在も大人気連載中のマキノによる同名コミック。本作は、「男の子にこんなことしてほしい!」という女子の妄想を赤裸々に、かつ楽しく描き、ティーンを中心に話題を呼んでいるラブストーリー。強引でドSな“黒王子・黒崎晴人”には、「Sexy Zone」の中島健人。「俺に絶対服従しろ」というセリフを言って、ヒロインを困らせるのだ。そんな黒悪魔に変わって、優しい“白王子・白河タクミ”役には、『アオハライド』で世の女性を魅了し、まさに王子の名がふさわしい、千葉雄大が演じる。そして、二人の王子の間で揺れ動くヒロイン・赤羽由宇には『近キョリ恋愛』で主演を務めた、小松菜奈が好演する。そして今回、発表された新キャストには黒崎に想いを寄せる同級生・芦川芽衣子役に、『思い出のマーニー』で杏奈の声を担当していた高月彩良、由宇が黒崎に“絶対服従”のきっかけを作ってしまう梶祐介役には、「お兄ちゃん、ガチャ」(日本テレビ)で主人公トイ役を演じた、ジャニーズJr.の岸優太が抜擢された。さらに、川津明日香、鈴木裕乃、北村優衣、長谷川里桃、黒崎レイナ、山崎あみ、鈴木美羽らフレッシュな若手キャスト陣らも出演する。強烈でインパクトのある刺激的なキャラクターたちが繰り広げる本作。いま、最旬の若手実力派俳優が織りなす夢のようなラブストーリーを目撃して。『黒崎くんの言いなりになんてならない』は2016年2月27日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年10月12日「野菜には免疫力を高めたり、肌の調子や腸内環境を整えてくれるなど、キレイでいるために必要な栄養分がたくさん含まれています」と、栄養管理士の岸村康代さん。ただ、闇雲に野菜を食べても効果が出にくいこともあるんだとか。そこで、今回は岸村さんにパターン別に摂るべき野菜とポイントを伺いました。Q1.健康の要、腸活のお供は?■サツマイモサツマイモにしか含まれないヤラピンは、腸のぜん動を促進し、腸内環境を整えてくれる。「焼くのがベスト。水に養分が流れるので、茹でるよりフライパン蒸しやリゾットに入れるほうが◎」。保存は新聞に包んで常温放置か、加熱して冷凍も。■タマネギオリゴ糖を多く含み、腸内環境を整える。「スライスして冷凍保存が便利。加熱する場合は、切ってから30分ほどおいて。切断面の成分が固まって栄養損失を防げます。本当は、切りたてを生でいただくのがベスト。水にさらすなら短時間で」Q2.肝臓の働きを促進してデトックスするなら?■ブロッコリースプラウト抗酸化、解毒機能に優れた健康成分スルフォラファンが豊富。「ポイントは2つ、生食でよく噛んで食べること。生ハムやサ ーモンで巻いてまとめると噛みやすい。シャキシャキとした食感を楽しみながら、肝臓の働きをよくしてあげて」Q3.むくみに悩んでいるなら?■水菜むくみの原因は塩分の過剰摂取のことも。気になる日には、血液に含まれる塩分を処理し、血圧の上昇を抑えてくれるカリウムが多い水菜を。「生で食べても、汁物やパスタのアクセントとしても活躍の幅はさまざま」■春菊春菊もカリウムを多く含み、むくみ解消にはもってこいの野菜。葉が青く張りのあるものを選んで。「生で食べてもよいですし、寒さが本格化する秋冬には、お鍋との相性も最高。水溶性のカリウムは、お鍋なら汁と一緒に食べられます」◇きしむら・やすよ管理栄養士、シニア野菜ソムリエ。目的別に効率よく栄養を摂る“パワーフードスタイル”を提唱。メディア出演、講師としても多方面で活躍中。※『anan』2015年10月14日号より。写真・土佐麻理子文・中村朝紗子
2015年10月10日岸恵子が、朗読劇に挑戦している。朗読するのは、2年前、自身が上梓した小説『わりなき恋』。人生の終盤に差し掛かった女と男がどうしようもなく落ちてしまった恋の物語は、自身の姿と声で、どのように立ち上がるのか。脚色と衣装も務めて臨んだその舞台の初日、明治座での公演に足を運んだ。岸惠子朗読劇『わりなき恋』 チケット情報駅の雑踏音のなか、小説冒頭のシーンを読む声に合わせて岸恵子が登場し、舞台の真ん中に立った。そのまま朗読の世界に入るのかと思いきや、「みなさまようこそ」と客席に声をかける。ファンにとって嬉しく心憎い演出である。と同時に、「心を開いてお聞きくださいませ」という言葉に、上品な恥じらいも感じさせる。何しろ、朗読とはいえ、自分が生み出した人物たちを演じるのである。面映ゆさがあるのは当然だろう。しかしながら、一度作品世界に入ると、岸の女優魂は一気にスパークした。主人公は、国際的に活躍するドキュメンタリー作家の伊奈笙子、69歳。パリ行きのファーストクラスで隣り合った58歳の男・九鬼の間に生まれた道ならぬ恋に、心が揺らぎはじめる。原作では、世界を駆けめぐる笙子の目線で世界情勢が語られたりもするが、劇化するにあたって岸は大幅にカット。笙子と九鬼の心情に焦点を絞った脚色が功を奏し、いくつになろうが恋とは苦しく切ないものなのだと訴えかけてくる。それでも恋に溺れることが見苦しくないのは、笙子が凛と自立しているからだ。そして、その生き方に説得力があるのは、笙子そのものにしか見えない岸が、その台詞を声にしてくれているからにほかならない。老いの性愛にまで踏み込んで今の高齢者の扱いに一石を投じた原作同様、舞台でも岸は、笙子に託した自らの思いをそのまま自由に、全身から放出する。ピアノ・バーのシーンに、音楽家の細井豊が奏でる生演奏が響くなど、音楽が印象的。そのときどきで笙子のいる場所をイメージした映像が映し出されるのも効果的だった。なかでも、人生の悲哀と愛しさにあふれたラストシーンは、舞台でしか味わえない余韻に浸れるだろう。また、上演後に行われる「岸恵子トークショー」もぜひ聞いてほしい。これまでの女優人生を振り返りながら語られる、この小説と朗読劇への思いを知ることで、今観た世界がより深く豊かになるのは間違いない。公演は7月に大阪、北海道、福岡の各地で上演。9月に上演する東京、神奈川、埼玉の各公演は6月20日(土)午前10時よりチケット一般発売開始。取材・文:大内弓子
2015年06月19日綾瀬はるか主演のNHK大河ドラマ「八重の桜」(’13)で主人公・新島八重の幼少期を演じ注目を集めた弱冠9歳の実力派女優・鈴木梨央が、ジャニーズJr.の岸優太と初共演にしてW主演を務めるドラマ「お兄ちゃん、ガチャ」(日本テレビ)で2015年1月より深夜枠でスタートすることが発表された。「ひとつ屋根の下」シリーズや「理想の息子」「明日、ママがいない」などで知られる野島伸司が脚本を担当。誰もが一度は願ったことがあるであろう、“理想のお兄ちゃん”をガチャで選ぶという斬新なファンタジー設定のもと、家族愛や兄妹愛、男女の友情を少女の目線で描き出す。本作の主人公となるのは、母・姉・弟・妹から家事全般を任され、冴えない毎日をおくる小学生の少女・ミコ(鈴木梨央)。ハードな現実から逃げ出したいミコはある日、“お兄ちゃん”を召喚できるガチャを手にする。その日からミコの世界は一変。ドSなお兄ちゃん、いつも笑顔なお兄ちゃん、イケメンなお兄ちゃん、ちょっぴり見た目は怖いけどいつも私を守ってくれるお兄ちゃん…そんな夢のような“お兄ちゃん”が次々と目の前に現れる――というもの。鈴木さんとW主演を務める岸さんは、ミコがガチャで引いたSランクの“お兄ちゃん”という役どころ。そのほかの“お兄ちゃん”たちにも松倉海斗を始め、深澤辰哉、阿部顕嵐、森田美勇人、京本大我、松田元太、岩本照、玉元風海人らジャニーズJr.のイケメンたちがずらり。女子垂涎のドラマとなること必至だ。鈴木さんも「みんな個性的でカッコいいです」といいつつ、やはり「その中でもし私が選ぶなら、トイ(岸さん)がいいです。すごくカッコよくて、面白くて、優しくて、本当のお兄ちゃんになってほしいです。私にはお姉ちゃんがいるんですけど、お兄ちゃんもほしいです!守ってくれたり、しょんぼりしたとき励ましてくれたりしたら嬉しいなと思います!」と主人公・ミコさながらのコメントを寄せている。一方の岸さんは、「(鈴木さんと)初めて会ったとき、自分よりきちんと挨拶ができていて驚きました。今でもあの時の自分の挨拶に悔いが残っています(笑)。一緒に演技をして圧倒されることもありますね。普段は子供っぽいところもあるのに、スイッチが入ると女優になってすごいなと思います。僕にもとてもいい刺激になります。負けていられないです」と良きライバルの出現に気合い十分といった様子だ。ドラマ「お兄ちゃん、ガチャ」は2015年1月スタート/毎週土曜深夜~日本テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年11月12日グラビアアイドルの岸明日香が、『PEACH JOHN Beauty』秋号で可憐な下着姿を披露。バスト90cmの“美胸”とグラマラスなボディで、純白のランジェリーを着こなしている。スクラブでマッサージケアしているというヒップも披露フリルがあしらわれた下着や大きなリボンがデザインされたものなど、かわいらしい下着姿で誌面に登場する岸は、女性が羨むほどの豊満なボディで大胆にポージング。同誌が「色気ボディの作り方」をテーマにしていることもあり、セクシーな表情で誌面を飾る。そのほかにも、美胸をキープする秘訣や、男心をくすぐる“つるすべボディ”を作る方法なども紹介している。同誌表紙にはタレントの紗栄子がカバーガールとして登場。思わず触れたくなるような柔肌のセクシーボディを披露している。
2014年08月20日