CYBERDYNE(サイバーダイン)は11月25日、同社のロボットスーツ「HAL医療用下肢タイプ(HAL医療用)」が、同日付で厚生労働省(厚労省)より医療機器の製造販売承認を取得したと発表した。HAL医療用は患者に装着して生体電位信号に基づき下肢の動作補助を行い歩行運動を繰り返すことで、歩行機能を改善することを目的としたロボット治療機器で、今回、治験によって筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーといった緩徐進行性の神経・筋疾患患者への安全性と進行抑制効果とが認められたことから、承認を得たという。また、HAL医療用は、同社代表取締役で筑波大学大学院 教授でもある山海嘉之氏が開発した動作原理を搭載することで、患者の症状や身体機能、使用環境などに応じた細やかな対応が可能であることが技術的な特徴となっている。今後、同社はHAL医療用を用いた治療に対して保険適用を受けるための申請手続きを行う予定としていくほか、HAL医療用については、今回承認された神経・筋難病疾患から脊髄疾患への適応拡大を目指した取り組みとして、すでに2014年9月よりHTLV-1関連脊髄症(HAM)などの主に痙性のある対麻痺症に対する治験も進めているという。
2015年11月26日Beat Communicationは11月24日、社内表彰制度システム「BEAT AWARD」の提供を開始した。従来の社内表彰制度は、Eメールやポータルサイトを利用したものが多く、現場からアイデアがうまく集まらなかったり、制度自体を活用する社員に偏りがあったりすることから、うまく機能しないという問題点があったという。このような課題を解決するために開発された「BEAT AWARD」は、全社員からアイデアを募集して成功している企業の、カスタマイズ要望から生まれた社内表彰用のパッケージサービスとなっている。本サービスは、「金銭」よりも従業員への「感謝」や「認知」というモチベーションをアップさせる仕組みを「見える化」することで、個人の潜在能力を引き出し、会社の全体的な底力を増し、強い企業作りの役に立つことを目的としたものだとしている。また、同社のコンサルティングのノウハウと、社内向けに実施してきた表彰制度実施プログラムを体系化し、これまで社内システム上で数多くの表彰制度を実施してきた実績や知見をプログラム化した、システムとリアルが一体となったサービスだという。同社は、システム提供だけを主眼に置くのではなく、企業風土を育成していくために、ソフト面からの支援も行い、さらに、経営層に対するコンサルティングサービスもオプションとして提供することで、システム以外でのサービスも実施していくとしている。
2015年11月25日FiNCは11月20日、ストレスチェック制度に対応した法人向け新ウェルネス経営サービスを提供開始した。同社では、医師による面接指導など同制度に対応したサービスを幅広く提供できるよう、全国37都道府県に1,000人以上の産業医/医師のネットワークもあわせて構築したとしている。同社のストレスチェックでは、厚生労働省準拠の57項目もしくは同社によって充実させた110項目の質問により、従業員のメンタルの状況を計測し、従業員にフィードバックする。また、高ストレス者への医師面談の勧奨から、医師面談の設定、意見書の取得などすべて同社のシステム上で完結させることができるほか、集団分析についても各社の要望に合致したものが提供されるという。スマートフォンや紙による受検にも対応しており、改善ソリューションとしてスマートフォンなどを通じたセルフケアや相談センターなどのサポートも提供される。さらに、産業医/医師のネットワーク構築により、産業医の選任支援や医師面談が必要な高ストレス従業員に対する産業医のスポット紹介なども提供される。
2015年11月24日高度成長期と比べて、日本は大きく変化してきた。少子高齢化時代となり、年金や医療費が高騰するなど、財政状態が危機的な状況となっている。また、企業の年功序列制度は崩壊しつつあり、経営自体も持続的な成長が難しい状況だ。このような状況下で、夫婦共働きは当たり前の時代となっており、これまでの日本の働き方では、さまざまなひずみが生まれてきている。こうしたさまざまな問題を抱える日本で、これからどのような働き方をしていけばよいのだろうか? 11月6日に開催された「cybozu.comカンファレンス2015」で、サイボウズ 社長室 フェローの野水克也氏は、これからのワークスタイルについて講演を行った。○なぜワークスタイルの見直しが必要なのか?まず、野水氏は"いい会社"の定義を3つ挙げた。1つめは、持続的に成長している会社。2つめは、働き続けたいと社員が思える会社。3つめは、地域や業界の模範となる会社。この"いい会社"になるためには、3つの要素が必要だという。要素の1つめは、オンリーワンであること。2つめは、働く社員が幸せな環境が整っていること。3つめは、社員が自発的に働いていること。これらの3つの要素を支えるものが、チームワークとなってくるという。野水氏は、現在の日本が抱える課題について次のように指摘した。「もはや日本は、儲けるモデルが変わってきている。昔は同じ価値観の人たちに同じ行動をさせ、長時間労働をさせればよかったが、これは低所得時代の働き方。若い人材が不足し、低所得でもない今の日本では、付加価値で勝負しなければいけない。しかし、『皆で同じ視点で、同じことをやろう』という姿勢のまま『個性を出せ』と言っており、矛盾が生じている。皆で同じことを一斉にやるチームワークは日本のよいところではあったが、もはや限界だ」(野水氏)○クラウドが実現するチームワーク野水氏は、これからのチームワークのつくり方について、クラウドの活用を推奨する。「クラウドを使えば、情報を共有することができ、労働を分配することもできる。また、いつでもどこでも取引することができる。これによって、日本が抱える課題を解決することができる」(野水氏)「ITが発達する前の時代では、働き方が固定化されるさまざまな障害があった」と野水氏は述べる。例として、朝の出勤が挙げられた。「いつでもどこでも仕事ができれば、朝9時に皆が会社へ出勤する必要はないはず。全員が朝9時に出社することによって、電車の本数などにも無駄が生じている」また、人材活用の面での課題にも触れられた。フルタイマーは知識労働者、パートタイム労働は単純労働、といった概念がつくられていることに対し、「1日3時間だけ働く有能な人を見たことがない。しかしそれは、3時間の労働時間に、有能な仕事が与えられていないことが課題。スキルの高さと働ける稼働時間には関係ない」と野水氏は語る。そして、年功序列制度の"最大の弊害"として、野水氏は「一度落ちたら上がれないこと」と指摘した。「一度会社をやめたりすると元のランクに戻れなくなるから、無理をして働き続ける。これが自殺につながっている。これからは夫婦交代交代で働いていけばよいのではないか? そうすることによって、成長しながら収入を確保していく道が開けていく」(野水氏)では、どうすればそのような働き方ができるのか? サイボウズでは、自分の働き方について選択できるようになっているという。クラウドで業務の見える化を行い、年間計画で誰がどのくらい働くのかを決めていく。また、クラウドでコミュニケーションが取れることから、場所や時間を選ばない働き方ができるようになっている。さらに、育児休暇・介護休暇が6年ずつ取得できる。"育自分休暇"という自分に対して取得できる制度も用意されている。「当社の社長は『ワークスタイルはスキルではなく、覚悟。決意すれば誰でもできる』と話している。やるかやらないか。ただし、チームワークでカバーする仕組みが重要。ワークスタイルの改革とは、会社のチームワークをリデザインすることだ」(野水氏)
2015年11月17日ビデオ会議システムや音声会議システムなど、世界中で40万以上のユーザーがソリューションを利用しているポリコム。その日本法人であるポリコムジャパンでは、制度改革やオフィスの効率化などをふまえて自社製品を活用したテレワークを実践している。テレワークを支援するソリューションの提供を本業とする同社の取り組みについて取材した。○震災後、テレワークを全社員対象に自社の製品自体がテレワークを可能とするものだけに、ポリコムジャパンでは以前から海外とのやり取りや、営業スタッフ、地方にいるスタッフなどとはテレビ会議をはじめとする自社のユニファイド・コミュニケーション製品を用いてテレワークを行っていた。しかし同社が全社員規模にまでテレワークを拡大したきっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。震災の直後、社員全員が自宅に待機することとなったが、そうした状況下で各社員は自主的に自分のパソコンに入っているビデオ会議アプリケーションや内線を受けられるIPフォンなどを駆使して業務を継続させていった。一週間、一人も出社することなく事業を継続できたことで、テレワークの意義を改めて認識した同社では、翌4月には全社的にテレワークが行える環境を整えたのである。ポリコムジャパン ビジネスオペレーションズのシニアマネージャー、藤井浩美氏は「震災以前からテレワークを拡大したいという意向はあったのですが、オフィスにいない社員との連絡のとり方や人事面での評価をどうするのかなど課題もあってなかなか全社員を対象にするまでには踏み込めませんでした。それが震災後にいざ実践してみると、業務の滞りもなく、またオフィスにいなくても社員のプレゼンスやステータスが確認できるため、全員が“見えている”状態にできることが実感できたことから、全社展開が決まりました」と言う。社員のスケジュールはOutlookのカレンダーで社内に公開されているため、お互いに確認しながら動きを同期させることも容易に行えたという。○テレワークのための制度改革を実施ポリコムジャパンでは、全社員がテレワークを行うための制度改革として、テレワーク・フレックス制度や育児サポート関連、介護サポート関連といった3つの制度を新たに整えた。このうちテレワーク・フレックス制度は、以前から実施していたフレックス制度にテレワークに必要な要素を盛り込んだもの。全社員を対象にテレワークを許可し、上長の許可を得ることで誰でも利用が可能(総務・特定技術職は状況に応じて)としている。またコアタイム(11時~15時)以外の時間は、開始時間と終了時間について8時間の間で自由に設定可能とした。育児サポート関連の制度としては、最長1年間、育児休業を取得可能とするとともに、産前・産後の休暇や子どもの看護のための休暇も実施。このうち育児休暇と子どもの看護のための休暇は男性でも取得することが可能だ。こうした整備の拡充により、現在、育児休業からの復帰率は100%となっている。そして介護サポート関連の制度では、まず最大93日まで介護休業の期間を設け、配偶者や父母、子ども、配偶者の父母、その他会社が認めた人への介護に対して申請可能とした。これと合わせて別途時短勤務制度も整えている。○オフィススペースも50%削減ポリコムジャパンにおける、こうしたテレワークを軸とした多様な働き方の実践は、同社の「ダイバーシティ推進戦略」に基づいたものだ。「生産性の向上と業務の効率化、事業継続・リスクマネジメント、経費の削減をきっかけに、テレワーク活用を中心戦略とした柔軟な職場環境の構築を目指すのがダイバーシティ推進戦略です」と藤井氏は説明する。また同戦略に基づきテレワークを推進するための3つの柱として、先に挙げた制度改革と合わせて、インフラ・運用ルールの整備、オフィスの最適化を掲げている。このうち運用ルールとしては、Microsoft Lyncによる労働時間中のプレゼンス表示、Outlook利用でのスケジュール開示、セキュリティに関する社員の意識向上など6項目が必須として定められている。そしてオフィス最適化を象徴するのが、2014年6月9日に移転した東京・東新宿の新オフィスである。新オフィスでは、必要時のみオフィスに出勤する「テレワーク特化型」の仕事環境へとシフトするべく、フリーアドレス型のオフィスとして個々の固定デスクを廃止(技術職などの専門職を除く)。また資料など私物保管用のロッカーを設け、社員のニーズに対応しながら、仕切りのある席やオープンスペースなど用途に合わせて利用できる設計とした。「さまざまなライフステージにいる社員の自由な働き方を支援するために、これまで当社で培われてきたノウハウをベースにしながら新たなオフィス環境を構築しました」(藤井氏)社長室についても、社長が不在の際は会議室として利用可能とするなど、徹底的なオフィススペースの最適化を図った結果、前オフィス比で約50%ものスペースを削減することができた。そうして、顧客やパートナーへのサポートを強化するための「東京カスタマーエクスペリエンスセンター(TCEC)」を同オフィス内に新設することができたという。○テレワークが自然と可能になる技術の提供をポリコムジャパンの代表執行役社長、三ッ森隆司氏は、自社でのテレワークの取り組みについて次のような見解を示す。「われわれ自身が離れた場所にあるPCやモバイルからでもコミュニケーションを行うための技術手段を提供しているわけですが、それがあることで自然とテレワークやモバイルワークが実践可能なのだといった効果や意義を実感することができました。それとともに、テレワークを活用する社員自身のプロフェッショナルな業務遂行と高い意識も、テレワークを成功させるポイントであることも再認識しました」「お客さまを見渡すと、出張旅費の削減など、最初は目に見える効果を動機として当社の製品を導入いただき、その後、効果を実感しながらワークスタイル変革へと広げていくケースが多いようです。自社でテレワークを実践することで、ワークスタイルの部分に拡大していく際のサポートも充実できればと思っています」(藤井氏)今後ポリコムジャパンでは、さまざまな場所で働くことができるワークスタイルを普及していくというミッションのもと、自ら製品を活用し実践しつつ、自然とそうした働き方が浸透していくような展開を目指していくという。
2015年11月05日電通の機能性表示制度専門チームはこのたび、2015年4月にスタートした機能性表示食品制度に関する消費者の意識やニーズを探るため、20~60代の全国の男女1,000人を対象に「機能性表示食品に関する消費者意識調査 2015」を実施し、その結果を発表した。機能性表示食品とは、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られたもの。スタートから約半年の10月26日現在で、既に116品の届出情報が公開されている。特定保健用食品(以下、トクホ)が、2015年2月時点で1,144品目承認され、6,250億円の市場規模を形成している現状と比較しても、同制度によって新たな市場が急速に形成されていることが分かるという。同調査では、男性36%女性44%が機能性表示食品制度や表示のある商品への関心を示す結果に。トクホへの興味・関心が全体の51.7%であることから、ある程度の興味・関心が集まっているといえる。「実際に表示のある商品を食べた(飲んだ)ことがある」と認識しているのは全体の7.3%。興味はあるが実際の購入はまだこれからという人が多く、今後のユーザー拡大が期待される。また、実際に機能性表示食品を摂っていると認識している人のうち、トクホ表示のある商品を飲んだり食べたりしている人の割合は65%を超える。もともとトクホを摂っている人が、機能性表示食品についても試していることがうかがえる結果となった。また、現在何らかの健康機能がある食品を摂取している層は月平均4,671円を支出してもよいと回答。健康に良いとされる食品を摂取していない層においても、月平均1,567円の支出はしてもよいとする。これに対し電通は、多くの商品が出回り、安全性・効果・信頼感が高まれば、市場拡大も期待できると分析する。なお、健康機能のある食品によって"得られる効能効果"として関心が高いものは、男性が内臓脂肪・体脂肪・疲労で、女性が疲労・免疫・骨という結果に。これまでトクホとしてはうたわれてこなかった「疲労回復」や「免疫」などの健康機能に関心が集まっており、機能性表示食品を新規開発する際にはヒントになりそうだ。
2015年10月30日アフラック(アメリカンファミリー生命保険)と日本郵便は26日、高齢者向け現況確認サービスなどの新顧客サービスの取り組みについて合意に至ったことを発表した。○住所変更のサービスも同取り組みは、2013年7月に締結したアフラックと日本郵政との包括業務提携の理念に基づくもの。アフラック及び日本郵政グループの企業価値の向上と、顧客サービスレベルの向上を目指す。今後実施を目指すサービスは2つ。「高齢のお客さま向け現況確認サービス」では、日本郵便が有する各家庭への配達ネットワークの強みを生かし、高齢者に対する現況確認に取り組む。サービス提供開始は2016年下期を目指す。「住所変更案内サービス」は、契約に関する各種案内送付の不着を事前に防ぐ取り組み。引越し等によりアフラックへの住所変更が終了していない場合に、日本郵便が提供する「住所変更案内サービス」を利用して、アフラックへの住所変更に関する案内を日本郵便から転居先へ送付し、住所変更手続きを促す。同サービスは2016年上期の導入を目指している。
2015年10月28日実利用者研究機構(ジツケン)は10月26日、ユニバーサルデザインをうたう商品・施設・サービスに対し「実際の利用者による検証」と「ユニバーサルデザインの根拠の明確化」を求める実利用者ユニバーサルデザイン認証制度をスタートした。同認証制度は、ジツケンの「関わる人全員のためになる、現実的で効果的な方法」というのコンセプトの普及・促進のもとに行われている。第1号認証は、かんぽ生命保険の「ご契約ハンドブック」が取得した。ハンドブックは、契約者約2000万人に対して、契約内容の確認や請求漏れ防止のために毎年「ご契約内容のお知らせ」とともに送付している。「実利用者ユニバーサルデザイン認証制度(通称:実利用者 UD マーク制度)」の認証基準は2点あり、1点は、 制作時に盲点になりがちな『利用者の実際の行動と思考』について、提供者(依頼主、制作会社)が一連のすべての作業を同一空間で一緒に観察体験し、盲点となっていた利用者行動を発見、共有されていること。もう1点は、「制作側の意図や制約についての理解」と「リードユーザーとなる実利用者側の身体的・心理的・機能的側面についての理解」を併せ持つ2級UDコーディネーター資格を有する専門家がすべてのプロセスに関わり、サポートを行うこととなっている。また、認証基準として行う「実利用者行動観察」では、企業側のプロジェクトの制作チームにリアルなユーザーの様子を目の当たりにしてもらうため、実利用者に詳しいジツケンが調査を実施する。観察では、高齢者や女性、身体が不自由な方や外国人などの一般より高いニーズを持つ利用者をリードユーザーとして設定する事で、より多くの利用者にとっての利便性に繋げる手法を採用している。
2015年10月27日女性向け医療保険とは、女性特有の疾病(保険会社によって、女性に多い病気も含まれます)に対して保障のある保険で、女性専用の保険商品や、医療保険に特約でつけるタイプのものがあります。女性向け保険の仕組み女性保険の一般的な形は、基本の入院保障額に女性特有の疾病に対して保障額を上乗せする形の保険商品になっています。例えば、入院保障が日額10,000円の基本保障に、女性特有の疾病に対しては5,000円上乗せで給付を受けられるというもので、女性特有の疾病として保障対象になる乳がんに罹患して入院した場合は、15,000円給付されることになります。また、保険商品によっては、手術給付金に対して、上乗せしている保険もあります。女性保険の保険料は、保障内容が付加される分、一般的に通常の医療保険より高めとなります。保障される女性特有の疾病とは?保険会社により、保障対象になる女性特有の疾病の種類が異なります。代表的なものは、がんでいえば、乳がん、子宮がん、卵巣がん等で、子宮の病気でいえば、子宮内膜症、子宮筋腫等となります。その他にもリウマチやバセドウ病等も保障している商品があります。さらに、妊娠・出産時のリスクに対する保障も受けられます。妊娠期間中は早産等で入院することがあります。出産時においても異常分娩や帝王切開などで通常の出産よりも長く入院をすることがあります。妊娠中の契約は保険会社によって制限がありますので、確認する必要があります。例えば、妊娠中に契約ができたとしても、妊娠出産に関する疾病は保障対象外となることがあります。医療保険の保障に上乗せして保障を手厚くするので、毎月の保険料負担は、長期間にわたると大きな差が出てきます。ライフイベントの変化に応じて、保険加入を合理的に考えることは大切なことです。女性は、結婚してから高齢期に至るまで、さまざまな体の変化があり、ライフステージによりかかる疾病も変化します。女性が入院することは、家族のいる人にとっては、子育てや家事に影響が出て、費用も掛かります。そのようなことを踏まえ、保障と保険料のバランスを考えて、女性保険を選びましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月27日先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養等で、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとされた医療行為です。先進医療は、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されています。また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症・実施する医療機関は随時見直されます。医療技術の進歩や、より良い治療を受けたいという患者の要望により、承認される先進医療はここ数年は100種類前後で推移しています。先進医療の数現在、厚生労働省が公表している先進医療の技術は107種類です。このうち、第2項先進医療技術(先進医療A)と呼ばれるものが62種類、第3項先進医療技術(先進医療B)と呼ばれるものが45種類です。また、先進医療は治療を受けられる医療機関が限定されています。がんの重粒子線治療が受けられる病院は全国で4カ所しかありません。(平成27年9月1日現在)先進医療の費用負担先進医療には、がん治療に関するものが数多くあります。代表的なものとして、陽子線治療や重粒子線治療があります。重粒子線治療の費用は、約300万円かかり高額となります。先進医療にかかる費用は、患者が全額自己負担することになります。また、先進医療にかかる費用は、医療の種類や病院によって異なります。先進医療にかかる費用以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。つまり、一般の保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。医療保険での保障お金のかかる先進医療の備えとしては、医療保険やがん保険に特約を付ける形で備えられます。がん保険のがん先進医療特約は、がん治療に関する先進医療しか保障しないのに対し、医療保険の先進医療特約は全ての先進医療が対象になりますので、先進医療特約は医療保険に付与したほうが保障範囲は広がります。保障は、ほとんどの商品が実際にかかった先進医療の技術料と同額となっていて、限度額は各保険会社によって異なりますが、1,000万円や2,000万円が多くなっています。先進医療特約の保険料は、月額100円程度となっており、加入しやすくなっています。先進医療は、今後健康保険が適用される可能性があります。また、新しい医療技術も次々と開発されることから、先進医療の数は常に変化し、その内容も変わっていきます。先進医療特約は、満足のいく治療を受けるための備えとして有効です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月27日キヤノンは10月22日、さまざまな医療画像を患者情報と関連付けて統合的に管理・共有できるクラウドソリューション「統合医療画像管理システム」を開発し、医療施設を中心に2016年3月上旬より提供開始すると発表した。新サービスは、主に「画像俯瞰機能」」「帳票スキャン機能」「画像取り込み機能」の3つの機能を提供する。画像俯瞰機能はさまざまな医療画像の統合表示が可能で、X線やCT、MRIなどの医療画像だけでなく、デジタルカメラで撮影した静止画や動画、帳票などを、画像ポータル内で患者ごとに統合的に管理・閲覧することを可能にする。帳票スキャン機能は文字認識技術による医療帳票の簡単登録を実現し、非定形医療帳票をスキャナーで読み取ると、患者情報(患者ID、診療科、帳票種別)を自動的に認識し、病院内の患者情報と関連付けてクラウドサーバーへアップロードする。これにより、院内外を問わず、患者のIDや診療科、帳票種別をもとにした検索やファイリングが可能になる。画像取り込み機能はデジタルカメラやスマートフォンの画像を自動アップロードし、院内外で撮影した画像を病院内のデータベースと連携し、患者ごとに瞬時に登録して安全に管理する。これにより、インターネット環境さえあれば、ポータル画面を通じてどこからでも画像を参照することが可能になるため、在宅医療や介護などの現場での活用が実現される。
2015年10月23日高齢出産をすると、周りのママの年齢が気になってくる。でも、東京だとアラフォーママもそこそこいて自分の年齢を気にすることも忘れてしまうくらい。それが夫の地元に帰ると事情は違って……。イラスト: まろ子
2015年10月21日●日本が抱える課題世間ではマイナンバー制度に関するニュースが多数報道されているが、今年の12月から施行される重要な法律があることも忘れてはいけない。改正労働安全衛生法に基づく、ストレスチェック制度である。従業員50人以上の事業場では、今後年に1回全従業員へストレスチェックを実施し、従業員のストレスの状況について検査を行わなければならない。マイナンバー制度への対応に向けて、業務も費用も企業にとって負担が生じるなか、この法律も重荷に感じている企業も少なくないだろう。しかし、この法律の背景には、日本の経済力を高めることを目的とした政府の考えがある。10月13日、メンタルヘルス関連サービスを展開するアドバンテッジ リスク マネジメントは、ストレスチェック制度に関するセミナーを開催した。当日は同社の代表取締役社長である鳥越慎二氏が講演。当日の講演内容についてお届けしよう。○職場におけるメンタルヘルスの状況警察庁による自殺者数の調査では、総数は減少傾向にあるものの、「被雇用者・勤め人」にあたる労働者の自殺者数は横ばいで推移している。平成26年度では、総数が25,427人に対し、労働者の自殺者数は7,164人で、全体のおよそ28.2%を占める高い割合となっている。自殺の理由はさまざまであるが、「その多くが鬱状態ではないか」と鳥越氏は推測する。ちなみに、交通事故による死亡者数は平成26年度で4,113人となっている。比較すると、労働者の自殺者数は交通事故死者数の1.7倍となっていることがわかる。また、厚生労働省による精神障害などの労災補償の調査では、平成26年度の労災請求件数は1,456件、認定件数は497件、うち自殺件数は99件となっており、いずれの件数も過去最多となっている。従業員がメンタル不調などで休職・退職することによって、実は大きなコストがかかっている。休職前後の周囲の従業員が手伝う残業代や、休職中の本人への手当、周囲の業務調整、事務対応など、さまざまな場面で人件費が発生し、内閣府によると一人の従業員(年収約600万円想定)が6カ月間休職した場合に発生するコストは、422万円にのぼるという。さらに、その従業員が退職し、新たな人材を採用するためのコストは、約180万円(年収×30%で試算)だと言われている。これらの状況を受けて、政府は企業の健康経営の推奨やブラック企業の是正など、さまざまな施策を実施・検討している。●ストレスチェック制度のポイント○ストレスチェック制度の目的は?鳥越氏は、ストレスチェック制度のポイントとして次の3点を挙げた。50名以上の事業場について、医師・保健師などによる全従業員へストレスチェックを実施し、実施した医師・保健師より従業員へ直接チェック結果を返却高ストレス状態かつ申し出を行った従業員への医師による面接指導の実施面接指導の結果に基づき、医師の意見をふまえて必要に応じた就業上の措置これは、法律で定められている基本的なポイントとなる。しかし、鳥越氏も参加していたという法案公布後の審議会では、法律で触れられていない点に対して付け加えを行ったという。鳥越氏は「ストレスチェックを実施するだけでなく、ストレス問題を改善することが重要」とし、さらに3つのポイントについて説明した。まず、「企業の集団分析」である。ストレスチェックの結果を部署ごとに分析し、企業は職場環境改善のために活用するよう求められている。集団分析は努力義務とされているが、鳥越氏は「"努力義務"とは、"努力することが義務"なので、これはほぼ義務ということ。ストレスチェックを行っただけでは、改善されない。改善するためにはストレスチェックの結果を利用し、企業が努力することが必要」と説明した。2つめは、「相談窓口の案内」である。ストレスチェックを行った結果、高ストレス判定を受けた従業員は、その後会社に対して医師による面接指導の申し出を行う必要がある。「高ストレス状態の人が、果たして自分で申し出をするものか?」と鳥越氏は疑問を投じる。そこで、医師面談とは別にカウンセリングなどが受けられるような環境の整備をすることが、推奨されている。3つめは、「労働基準監督署への報告」である。企業はストレスチェックの実施日・チェックを受けた人数・フォロー状況を、労働基準監督署に報告することが義務付けされている。「この報告内容によって規制や取り締まりは行わないとされているが、十分に注意した方がよい。政府はこの報告内容をブラック企業対策の参考にすると考えられる」と鳥越氏は促す。「ストレスチェック義務化の目的は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的であって、ストレスチェックをすることが目的ではない。この目的のために、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが、企業が求められている対応である」(鳥越氏)●ストレスチェック制度で求められる対策○企業と従業員、双方に求められる対策ストレスチェック制度の実施にあたり、企業が行わなければならないこととして、まず、衛生委員会などで調査審議を行い、社内規定を定め、従業員に周知する必要がある。また、実施する医師は誰にするのか、帳票の回収やデータ入力など、ストレスチェック結果を出力するまでの情報を扱う実施事務従事者を誰にするのかなど、体制を決めていく必要もある。鳥越氏は「事業者はストレスチェック制度に対する基本方針を決める必要がある。それによって、対応の仕方が変わってくるからだ」と話す。今回の法令に遵守するレベルで考えるのであれば、ストレスチェックの実施と医師面接の実施を行えばよい。しかし、メンタル不調者の未然予防も考えるのであれば、前出の外部相談窓口の設置についても検討する必要が出てくる。さらに、メンタルヘルス対策にとどまらず、組織改善や活性化をはかり、企業の生産性を向上させようと考えるのであれば、しっかりとした組織分析・改善施策の実行が必要となってくる。また「企業だけでなく、従業員も意識を変える必要がある」と鳥越氏は話す。「政府が推奨するストレスチェックに関する57の質問項目はNIOSH職業性ストレスモデルを参考にしてつくられている。しかし、このモデルにあって、ストレスチェック推奨項目に欠けているのが、『個人的要因』に関するチェックだ。個人の性格などを抜きにしてストレス対策を進めても、効果が出ないケースがある。ストレスは客観的には存在しないもの。個人の受け止め方によってストレスに変わる。従業員も刺激に強くなるために努力する必要がある」(鳥越氏)鳥越氏は、ストレスチェック制度の実施にあたって「自分の会社がどういった対応をするのか、従業員は会社を判断するきっかけになる」と言う。きちんと運用できる体制で、従業員の期待に応える制度運用を行うことが、望まれる。
2015年10月21日健康保険組合連合会はこのほど、健康保険制度についての理解や認識の度合いをはかるべく、「健康保険に関する調査」を実施し、その結果を発表した。それによると、少子高齢化の進行による高齢者医療費を支える健康保険料の負担や、日本の健康保険制度への不安を強く感じている人が多いという現状が浮かび上がったという。まず、健康保険料についての印象を尋ねたところ、最も多かったのが「健康保険料は高いと思う」の69.6%(「そう思う」「ややそう思う」の合算。以下同様)で、次いで「最近、毎年健康保険料が増え続けている気がする」が63.1%。一方、「勝手に天引きされる(控除)から気にしても仕方ない」という人も4人に1人程度(25.3%)存在していた。続いて、日本の健康保険制度についての印象を尋ねたところ、「高齢化による医療費の増大を考えると、将来的に制度が維持できるか不安」が80.8%、「将来、自分も制度の恩恵を受けられるか不安」が74.9%と、不安に感じる人が多いようだ。少子高齢化については、「少ない人数で高齢者を支えられるか心配」が88.7%、「漠然と将来に不安を感じる」が87.4%と、9割近い人が不安に感じていることがわかった。一方で、高齢化により影響を受ける健康保険制度について、全体では70%以上(「関心がある」「やや関心がある」の合算。以下、同様)が関心を示しているものの、20代・30代では60%前後となり、若い世代ほど関心が低いことが判明した。同調査は、9月に全国の20~70代の男女を対象とし、性別ごと年齢階層別にスクリーニング調査で抽出して実施。各カテゴリの設定数を100人とし(年齢階層ごとに男性100人、女性100人)、合計1,200人を回収した。集計の際は、日本の性別・年代の人口推計比率に応じたウェイトバック集計を行っている。
2015年10月19日高齢者住宅新聞社は10月22日と11月25日に、参加無料セミナーを開催する。10月22日には、「自立支援とスタッフ定着で報酬減を乗り切る」を開催する。第1部のテーマは、「自立支援ケアが介護保険を救う」。おむつゼロ特養で生活相談員として多くの支援を行ってきた社会福祉法人 正吉福祉会「杜の風・上原」の施設長 齊藤貴也氏を迎え、おむつゼロ・在宅復帰の取り組みと施設経営にもたらす効果について解説する。第2部は「スタッフが辞める組織・ 辞めない組織」、第3部は「自立支援介護が人を呼ぶ」。時間は13時~17時30分、会場はシアター1010(北千住マルイ10階)。定員は350名。11月25日には、「2018年ダブル改定を見据えて事業者が取るべき対策」を開催。第1部は、改正・改定・市場を踏まえ、同社の代表網谷敏数氏が「生き残る介護事業者になるためには」を講義する。第2部は「小規模デイだからこそできる先端介護サービスの提供」、第3部は「介護事業所の稼働率UP&人材確保の方法」をテーマに、営業や採用、業務改善での人材定着までを解説。さらに介護事業者の生き残り経営戦略として、「経営者のためのM&A活用法」についても解説する。時間は14時30分~17時30分。会場は、TKP東京駅大手町カンファレンスセンター ホール16A。定員は150名。
2015年10月16日日立製作所は、企業などの事業者に対して12月から義務化される「ストレスチェック制度」に基づく業務を支援する「従業員健康管理クラウドサービス/ストレスチェック」を、10月15日から販売開始することを発表した。新サービスは、ストレスチェックの実施や面接指導、ストレスチェック結果の集計・分析など、ストレスチェック制度に基づく一連の業務を支援するクラウドサービス。従業員によるストレスチェックの質問票への回答だけでなく、未回答者の把握や催促、回答結果に基づく面談実施の推奨をクラウド上で行うことができるようになっている。また、従業員が面談希望や検査結果の開示に関する同意の有無を登録することも可能としている。問診項目は厚生労働省が推奨する項目以外の質問を追加できるほか、事業者の情報セキュリティポリシーに合わせてデータの保管場所を変更できるなど、ニーズに応じて柔軟な設定を行うことができるという。さらに、新サービスは企業の定期健診向けの「従業員健康管理クラウドサービス」のオプション機能としても利用することができ、「従業員健康管理クラウドサービス」の基本機能である健診管理・面接管理・就業制限管理の各機能と組み合わせることで、心と体の両面から従業員の健康管理を行うことを可能としている。価格は基本月額費用が10万円~、従量月額費用が一人あたり20円で、いずれも税別価格。初期導入費用が別途必要となる。サービス提供開始時期は12月1日となっている。
2015年10月14日いよいよマイナンバーの通知カードの送付が始まります。また、マイナンバー制度のもうひとつの番号、法人番号の通知、公表も始まり、ここからマイナンバー制度がスタートします。その一方で、内閣府が9月に公表した世論調査では、マイナンバー制度について「内容まで知っていた」と答えた人の割合が43.5%と5割にも満たない現状が明らかになっています。そのほか民間企業などの調査結果では、マイナンバーの取り扱いが必須となる中小企業の取り組みの遅れも明らかになってきており、平成28年1月から利用が開始されるマイナンバー制度がスムーズにスタートできるのか懸念の声もあがっています。今回は、最新の情報を整理、確認してみましょう。○通知カードの送付および個人番号カードの交付申請最新情報整理総務省のお知らせ「個人番号の通知に係るスケジュールについて」によると、マイナンバー通知カードの「お届けの時期」について「概ね10月中旬~11月中を予定」としています。住民票を有するすべての個人(約1億2,800万人)にマイナンバーを付番した後、世帯単位(約5,600万世帯)に簡易書留で送付するわけですが、これだけの数の簡易書留が送付されること自体、前代未聞のことですので、さすがに一時期に集中して送付することは難しく、1カ月以上の時間をかけての送付となってしまいます。また、簡易書留での送付ですので、届け時本人不在の場合は再配達が必要となったり、土日に地区の郵便本局へ引き取りにくる人が殺到したり、受取人不在のまま市区町村まで返送されるものも多数でることが想定されています。返送されたマイナンバーの通知カードは再送付が行われることになっているようですが、住民票を有するすべての個人がマイナンバーを受け取るまでには相当の混乱が起きてしまうことが予想されます。送られてくる通知カードですが、図1のように、マイナンバーの通知カードと個人番号カードの交付申請書が一体となった様式で送られてきます。通知カードは氏名、住所、生年月日、性別の個人4情報とともにマイナンバーが記載されています。顔写真が掲載されていないため身元確認には使用できませんが、番号確認が必要なシーンでは個人番号カードを取得するまで、この通知カードを使用することになりますので、大事に保管しておく必要があります。また、個人番号カードを申請する場合は、この交付申請書書に顔写真を添付して書面で申請するのが基本ですが、パソコンから指定のWebサイトに進み、申請書に記載されている「申請書ID」を入力して申請する方法や、申請書下部のQRコードをスマートフォンで読み取ってWebサイトへ進み申請する方法なども用意されています。○法人番号の通知・公開法人番号の通知・公開のスケジュールも法人番号の付番機関である国税庁より、図2のとおり公表されています。こちらも10月下旬から11月中くらいの期間に通知書が発送されるとともに、国税庁の法人番号公表サイトに法人名称・所在地・法人番号の基本3情報が公表される予定です。法人番号は公表される番号ですから、いつでも入手可能ではありますが、取引先などの法人番号を記載しなければならない書類の提出時期までには、確実に入手できるように段取りだけはつけておく必要があります。○今年中にマイナンバーを収集するために考慮しておくことこの連載では、中小企業のマイナンバー取り扱いの入り口となる従業員などからのマイナンバーの収集を、マイナンバーが送付される10月から11月にかけての期間で行うことを提案してきました。それは、来年の年末調整時期以前にもマイナンバーの利用が必要となるケースもあること、また来年のこの時期に収集しようとすると必ず通知カードを失くした従業員や扶養親族が出てくることが想定されることを考慮した提案でした。先に見たとおり、市区町村によっては送付時期が11月下旬までかかってしまうことや、最初の送付で受け取れず再送付を待たなければならない従業員も出てくることを想定すると、従業員などからの収集に12月までかかることは想定の上で、収集スケジュールを組み直す必要があります。すでに、従業員へのマイナンバー提供依頼の案内や収集したマイナンバーの安全管理措置など必要な準備を整えている場合は、通知カードが手元に届いた従業員から順次収集していくほうが、一斉に収集することにくらべると非効率のようでも実際的な対応方法といえます。また、現時点でマイナンバー制度への対応準備が充分にできていない中小企業の場合は、あわてて従業員などからのマイナンバーの収集を始めるのではなく、マイナンバーの利用分野である税や社会保障の専門家である税理士や社会保険労務士に相談して、まず制度への理解を深めるとともに、自らの企業規模に応じた方法として、これら外部の専門家にマイナンバーの取り扱いも委託する方向で相談していくことが、対応準備の近道となります。そのうえで、信頼できる税理士などにマイナンバーが必要となる源泉徴収票作成業務とあわせてマイナンバーの取り扱いを委託する場合は、税理士事務所と企業との役割分担を決め、企業がうけもつ役割に応じて安全管理措置を講じてから、従業員などからのマイナンバーの収集を開始しても、遅くはないのではないでしょうか。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年10月13日ESETは9月29日(現地時間)、「Vulnerable medical equipment details disclosed online」において、医療システムの多くが攻撃者によってデータ窃取などを引き起こされる可能性がある脆弱性を抱えていると伝えた。主にScott Erven氏およびMark Collao氏の発表を引用した内容になっており、データ漏洩と患者のプライバシーに関する懸念が示されている。具体的に問題を抱えている医療関連企業や組織は情報の重要度の高さから明らかにされていないほか、脆弱性の詳細も明らかにされていない。ただし、問題の多くはそうした医療システムがすでにサポートの終了した古いオペレーティングシステムを使用していることに原因があると指摘しており、その一例としてWindows XPが引き合いに出されている。医療システムのみならず、Windows XPなどセキュリティサポートの終了したオペレーティングシステムを搭載したシステムは相当数に上ると見られる。特に、ITに精通していないユーザが使用しているシステムにはこうした懸念が残る。今後、セキュリティファームや当局の発表に注目するとともに、アドバイザリに従った対処が期待される。
2015年10月01日日本では国民全員がなんらかの公的医療保険に加入していますので、入院や手術をした場合でも、実際の治療費の負担はかかった医療費の3割(小学校入学以後70歳未満の場合)になります。しかし、3割負担といっても重い病気にかかったり、長期入院したりして、まとまった治療費が必要になると、家計の負担はどうしても重くなります。そのようなとき、非常に頼りになる制度が「高額療養費制度」です。高額療養費制度とは、医療機関や薬局で支払う1カ月の医療費が一定額を超えた場合、その超えた分が還付される制度です。ただし、食事代や、自分から希望して個室に入院したときの差額ベッド代、先進医療等健康保険適用外の治療費は対象外になります。高額療養費制度具体例高額療養費制度の計算式は、所得によって5段階に分かれています。例えば、70歳未満で年収500万円の方が、医療費総額100万円の支払いが必要になった場合、下表の計算式にあてはめると「80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円」となり、実際の自己負担額は87,430円です。このように、健康保険適用内での治療であれば多額の医療費の支払いが必要になることはありません。また、高額療養費制度には、さらに負担が軽減される仕組みが2つ設けられています。1つ目は、直近1年間に高額療養費の支給を受けている月が3回以上あると、4回目以降は別扱いになり、負担の上限額がさらに引き下げられる「多数回該当」という仕組みです。2つ目は、1人では一定額を超えない場合でも、同じ世帯の方と合算して一定額を超える場合には、「世帯合算」として計算し、その合算額が一定額を超えた場合、超えた分が高額療養費として還付される仕組みです。申請手続き高額療養費制度は基本的に申請しないと適用されませんので、手続きの仕方をみてみましょう。まず、医療機関の窓口で3割負担の治療費を支払い、負担額が一定額を超える場合は、健康保険組合や共済組合および市町村等、自分が加入している公的医療保険に支給申請書を提出し還付を受けます。公的医療保険によっては自動的に振り込まれるところもあります。また、支給申請をしても還付されるまで数カ月程度かかることもあり、3割負担の治療費を支払うのが難しいケースがあります。そのようなとき、70歳未満の方が、「限度額適用認定証」を事前に申請し受け取って、医療機関の窓口で「限度額適用認定証」を保険証と併せて提示しておくと、支払いが自己負担限度額までで済みます。今後の医療保険制度日本は少子高齢化が進んでおり、現在の医療保険制度を維持できるかどうか不安があります。現に、医療費の自己負担は以前、2割や1割だった頃もありましたが、現在は3割負担に引き上げられましたし、高額療養費制度も少しずつ負担が増える方向で改正されています。このような現状を踏まえると、将来を見据えた自助努力が必要と考えられますので、医療保険への加入を検討されることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月25日医療保険にはさまざまな種類があります。ここでは保障期間の違いについてみていきましょう。医療保険には、保障期間が一生涯続く終身型医療保険と、一定の期間だけ保障される定期型医療保険があります。終身型医療保険終身型医療保険は、保障期間が一生涯続く医療保険です。加入時の保険料は払込満了まで変わりません。図1 終身型医療保険のイメージ保障期間が一生涯ですので、特に高齢期の医療費が心配な場合の備えとして向いています。保険料の払い込みを、一般的に収入が少なくなる65歳までなどに終わらせれば、保険料の負担なく老後の病気やケガの備えができ、家計的にも精神的にも安心でしょう。なお、払込期間が終身の商品もあります。保険料は、払込満了まで変わりませんので、定期型のように更新ごとに上がるようなことはありません。商品によっては、解約時に解約返戻金が戻ってくるものもあります。終身型医療保険は一生涯の医療保障がほしい方におすすめの医療保険です。定期型医療保険定期型医療保険は、ある一定期間の保障を得られる医療保険です。更新時に保障内容を見直すことができるため、家族環境や経済環境の変化に対応できます。同額の保障の場合、保険料は終身型医療保険より割安ですが、更新のたびに保険料は上がっていきます。図2 定期型医療保険のイメージ定期型医療保険の場合、保障期間満了後も引き続き保障を得たい場合は、更新することになります。保険料は更新時の年齢によって算出されますので、それまでの保険料より高くなりますが、一定の年齢までは健康状態にかかわらず更新することができます。また、更新時には保障内容を見直すことができます。家族環境や経済環境の変化に応じて、保障を減らしたり、増やしたりすることができます。保険商品も医療技術の進歩などに合わせた、より使いやすい新しいものが出てきますので、更新時期にはより良い医療保険を選択できます。結婚したばかりの頃は、貯蓄も収入も少ないという方が多いのではないでしょうか。そのような時に病気やケガによるまとまった支出が必要になると、生活に支障が出ることになりますので、収入や貯蓄が安定するまでの期間を定期型医療保険で備える、という使い方もあります。定期型医療保険は、手頃な保険料である一定期間の医療保障がほしい方におすすめの医療保険です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月25日オービックビジネスコンサルタント(OBC)は9月18日、企業が行う初めてのストレスチェック制度の準備に対応したオールインワンサービス「OMSS+ストレスチェックサービス」を同月24日から同社の販売パートナーを通じて発売すると発表した。同サービスはOBCの業務サービスとして年間利用型で提供し、価格は税別でProfessionalタイプ(実施者・相談センターIT受検/分析)は9万5000円(社員数100名まで、人事奉行所有のOMSSユーザーの場合)~。同サービスは厚生労働省のガイドラインに則ったサービス設計をしており、法令完全準拠。専用導入運用ガイドでは企業に必要な体制構築の手順や準備書式を提供し、IT受検サービスでは「職業性ストレス診断簡易票」をベースに、57問・23問・80問の設定が可能。努力義務となっているストレス状況の組織分析は厚生労働省が提唱する「仕事のストレス判定図」に沿って、企業全体、組織のストレス状態を把握でき、努力義務となっている職場環境改善の指標として利用できる。また、メンタルヘルスに精通した専門医を実施者として提供し、実施者はITによって収集された診断結果を総合的に判断し、高ストレス対象者と面接勧奨などを適切に判定。実施結果に対して、実施者は企業の状況を適切に分析し、改善ポイントやアドバイスをレポート。さらに、利用企業の総合的なサポートするために相談センターを設置し、対応するスタッフは産業保健に精通した事務スタッフ・産業カウンセラー・社会保険労務士などのプロ集団が総合的に対応。相談は体制構築・書面作成・ストレス実施・分析など多岐に渡る内容に対応し、初めての制度対応・ストレスという未経験な内容に対し相談することが可能で従業員からのストレス診断結果に関する直接のお問い合わせに対応する。
2015年09月18日現在、各保険会社から多種多様な医療保険が販売されていますので、いざ加入を検討し始めても、どう選べばいいのかと悩まれる方が少なくありません。今回は医療保険の選び方のポイントをみていきましょう。入院給付金日額入院した時、1日あたりいくらの給付金を受け取るのかを決める必要があります。日額1万円や日額5千円のタイプに加入される方が多いですが、7,000円や8,000円等の日額を選択することも可能です。最近は昔に比べ入院日数は短期化の傾向ですが、経営者や自営業の方は入院して仕事を休むと収入が減少しますし、消耗品等や、個室を希望して入院した場合の差額ベッド代は自己負担になります。これらのことやライフスタイルも含めて入院給付金日額を検討しましょう。保険期間10年や20年等期間を限定して保障を得る定期タイプにするか、一生涯の保障を得る終身タイプにするかを決める必要があります。保障期間が限定される場合は一生涯の保障に比べ当面の保険料は安くなりますが、老後への不安が残ることになります。現役時代は安い保険料で保障を得たいと希望するのであれば、一定期間の保障を選択し、保険料が少し高くなっても老後の保障を早くから確保しておきたいというのであれば一生涯を選択するのもよいでしょう。払込期間一生涯保障の終身タイプの医療保険に加入する場合、保険料の払込期間を決める必要があります。90歳や100歳になっても保険料を支払い続ける終身払と、60歳や65歳等で支払いを終える短期払とがあります。保険で損得を判断するのは難しいので、当面の保険料を抑えたい方は終身払、老後の保険料の支払いが不安という方は短期払がよいでしょう。入院限度日数入院給付金は、1入院で受け取れる日数が決まっていて、60日や120日等さまざまなタイプがありますので、何日にするかを決める必要があります。最近は昔に比べ入院日数は短期化の方向ですが、入院が長期化する病気もありますので、長期入院が不安という場合は長めの限度日数を選択したほうが安心できるでしょう。先進医療特約先進医療特約をつけると、一般的な入院や手術での保障にプラスして、先進医療を受けた場合の保障を得ることができます。先進医療とは、最新の医療技術のうち厚生労働大臣が定める医療行為のことで、治療費は「高額療養費制度」の対象外で全額自己負担になります。先進医療による治療を受けた場合の治療費の負担を抑えるために、医療保険に先進医療特約をつけることを検討してもよいのではないでしょうか?まとめ上記のポイントを検討した上で、医療保険の商品選択を行うとスムーズに加入することができます。ただ、年代、家計の状況、預貯金、働き方、医療保険以外の保険の加入状況等によっても選び方は変わりますので、これらの項目も考慮に入れて検討するとさらによいでしょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日アクサダイレクト生命保険(以下アクサダイレクト生命)は16日、一生涯の医療保障ニーズに応え、終身型の医療保険「アクサダイレクトの終身医療」の販売を開始した。○特約の組み合わせによってきめ細かく保障内容を設定できる「アクサダイレクトの終身医療」は、特約の組み合わせによってきめ細かく保障内容を設定でき、また解約返戻金を無くすことによって割安な保険料とし、多くの条件において業界最安レベル(※1)の保険料を実現したという。また、このたびの発売を記念して、9月16日から11月30日までキャンペーンを実施する。資料請求または見積もり保存で、Dyson V6 Motorheadなどの賞品を抽選で合計100名にプレゼントするとしている。○アクサダイレクトの終身医療の主な特長一生涯の医療保障を業界最安レベルの保険料(※1)で受けられる3大疾病、生活習慣病を含む病気・ケガに対して、一生涯総合的に保障を受けられる短期の入院から長期の入院まで備えられる先進医療への保障は、技術料の実費だけでなく、一時金として10万円を受け取れる女性特有の病気に手厚く対応した女性プランも選択できる3年ごとに基本保障の給付金の支払事由などが生じなかったとき5万円の健康祝金を受け取れる(※1)「アクサダイレクトの終身医療」の保険料と、他の生命保険会社の医療保険で「入院および手術に対する保障が設定されている、保険期間が終身、1入院の支払限度日数が60日」である医療保険の保険料とを比較し、年齢・性別・保険金額の設定において複数のケースで保険料が最安と認められ、且つ、その他の設定においても最安の保険料から大きく乖離していないことから、「業界最安レベル」と表記しているという(8月、アクサダイレクト生命調べ)。なお医療保険は、商品によって保障内容に差異があるため、正確な比較はできない、また保険料のみをもって商品の優劣を判断することはできないとしている。○商品付帯サービスこのたびの新商品をはじめ、契約した全ての保険商品について、無料で付帯サービスを提供する。契約した顧客には、24時間365日電話で医師や看護師などが健康相談に応える。また日本の名医(総合相談医)や優秀専門臨床医を紹介する。アクサダイレクト生命は、今後も顧客のニーズに応じて、手頃な保険料と合理的な保険商品の開発を行うと同時に利便性が高いサービスとわかりやすい情報の提供を継続し、契約後のアフターケアサービスの進化にも努めていくとしている。
2015年09月16日NECは9月16日、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の開始に伴い、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から、全国の地方公共団体(7月時点で1743団体)の個人番号カード(ICカード)交付窓口で、本人確認に利用される「個人番号カード交付窓口用顔認証システム」を受注したことを発表した。同社によると、顔認証システムが全国の地方公共団体において統一的に導入されるのは、今回が初めての事例となるという。本システムは、地方公共団体の窓口において個人番号カードの交付を希望する住民に対し、来庁者と個人番号カードの顔写真を照合、もしくは、来庁者と個人番号カード交付申請書の顔写真を照合するもの。これにより、地方公共団体における個人番号カード交付時のなりすまし対策などに対して有効だとしている。同社によると、採用されたシステムには、同社の顔認証エンジン「NeoFace」を活用しているという。
2015年09月16日NECは9月14日、山梨県甲州市から、社会保障・税番号制度(以下、マイナンバー制度)を扱うすべての住民基本台帳システム端末約160台のセキュリティ強化に向け、顔認証セキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor V2」を受注したと発表した。甲州市は2016年1月のマイナンバー制度運用開始に合わせ、同ソフトウェアの利用を開始する予定。「NeoFace Monitor V2」は、顔認証エンジンをベースに、顔認証によるPCログオン、ログオン中の利用者の常時監視を可能とするソフトウェア。端末を複数の職員で共有する場合でも、利用者を個人単位で認証し、いつ誰がアクセスしたという利用履歴が確実に残るため、職員の不正利用への心理的な抑止効果も期待できる。常時監視機能により、端末利用者の離席をすぐに検知して自動で画面をロックするとともに、ログオン中に未登録ユーザーが着席した場合も検知して画面をロックする。これにより、未登録ユーザによる不正利用を確実に防ぐ。
2015年09月15日株価が乱高下する中、上場各社が長期株主確保のために充実させているのが「株主優待制度」だ。だが、これまで株式を保有したことのない人にとっては、株の購入はハードルが高いかもしれない。そこで今回は、投資情報会社のフィスコ 情報配信部 株式アナリストの小林大純氏に、株主優待を受けるための株式購入の方法など、「株主優待制度」の基本についてインタビューした。○「株主優待制度」、利用できる条件とは?――株主優待の基本について、株を持てば受けられるというのはわかるのですが、何株持てばいいのかなど、その辺りから教えていただけますでしょうか。株主優待というのは、上場企業が株主に長期的に株を保有してもらいたいとか、そういった目的のために、自社の商品をプレゼントしたり、あるいはサービスを提供したりといった、文字通り贈呈する仕組みです。受けるためには幾つかの条件があります。1つ目が、1年の決まった時に株式を保有している必要があることです。おおむね、企業には1年のうちで決算期があり、大抵の場合は3月ですが、2月、1月というところもあります。決算の期末であるとか、3月期末の決算企業であれば9月など中間期ですね。多いのは年に1回期末のとき、あるいは期末と中間の年に2回、その時時点の株主さんに株主優待をするというケースです。ですので、株主優待を受けるには、その企業が、いつ時点の株主さんに株主優待するかを確認する必要があります。――なるほど。企業ごとに決まった時点でその企業の株を持っているかどうかが株主優待を受ける第一の条件なんですね。それはどうやって調べればいいのですか?企業のホームページを見ますと、IRサイト、つまり株主向けページに、株主優待のコーナーを設けている企業が多く、「基準日」といいますが、いつ時点で株主である必要があるかということが記載されています。――たとえば、3月期末の会社は、3月31日に持っていればいいということですか。そこが注意点です。初めて株をする人は間違いやすいことなので、ぜひ注意してほしいのですが、3月期末の会社は3月31日時点で株主であることが必要であることが多いのですが、証券会社さんで株を買いますと、発注して即日それが自分のものになるわけではないのです。たとえば31日の3営業日前までに買う必要があると、決済が終了して自分の名義になるのが3営業日後になります。3営業日前が「権利付の最終売買日」となります。権利を取得するためにその日までに買っておく必要があるのです。――最終売買日は、3月31日の3営業日前になるということですね。そうです。その時点で買っておく必要があります。3月末が株主優待の「権利確定日」である場合は、その3営業日前が「権利付の最終売買日」です。具体的にいいますと、今年の3月は、31日が火曜日、この時点で証券会社さんで株を買いますと言ってもだめです。3月27日までに買っておく必要がありました。この3月27日が「権利付の最終売買日」です。企業のホームページを見ると、「権利確定日」は3月末時点の株主様と書いてあったりしますが、これを3月末に買えばいいという誤解をしてしまうと、31日に買っても優待は受けられないのです。――なるほど。「権利付の最終売買日」が重要なんですね。もう一つ注意してほしいのは、保有株数の条件が設定されています。大抵の場合は、売買するための最小単位、「単元」といいますが、100株、1000株の企業が多いです。今は大抵100株ですね。最低の売買単位が100株の企業ですと、100株持っている株主から優待を提供しますよという企業が多くありますが、たまに300株以上の株主とか、500株以上の株主いう条件がある場合もあるので、何株以上からの株主が対象かということを確認する必要があります。また、100株以上が対象の企業でも、500株以上の株主さんになると贈呈品が倍になるとか、段階的に優待のボリュームがアップするケースが多くあるので、これも確認しておきたい点です。――よく条件を確認しておく必要がありますね。株主優待を受けるためには1単元以上という企業が多いのでしょうか。そうですね。そもそも、株式投資は1単元以上から可能ですので、最低投資金額以上であれば優待対象という企業さんが多いです。まれに、「1単元」が100株でも、500株以上でないと株主優待の対象にならないというような企業もあるので気をつけたほうがいいですね。○企業は何のために株主優待をやっている?――最初の話に戻るかもしれませんが、企業は何のために株主優待をやっているのでしょう?自社の商品を提供してファンになっていただいて、直接株を保有してもらう。BtoCの企業ですと、優良顧客にもなり得るわけです。そういった意味で、長期株主を定着させたり、消費者としてのターゲットとして自社の商品のファンになってもらう、そういう狙いで株主優待を提供している企業が多いですね。また、最近出てきた動きですが、保有している期間によって優待内容に差をつける企業が出てきています。たとえば、100株以上を3年以上保有していると、今までの優待が1000円分だったのが2000円分になります、など。長く持っている株主さんに手厚くする傾向が最近徐々に出てきていまして、これも注目すべき動きです。――それはどういった理由からですか。ファンになってもらうことや、株価の安定でしょうか。そうですね。株価の安定や、安定株主をつくるということですね。企業同士の株の持合いの解消ということもあり、個人投資家に安定株主になってもらおうと。――なぜ持合いの解消が必要なのでしょう。「コーポレートガバナンス・コード」で、極力持ち合いはやめましょう、やる場合は説明しましょう、という制限がついてきました。○株主優待のリスクはある?――中国の問題で株が下がったりしています。個人の投資家にとっての株主優待のメリットは、商品・サービスが受けられるということだと思いますが、リスクはどうでしょうか。当然、株式ですので、投資した原資が100%返ってくるというわけではなく、場合によっては100万円投資したものが50万円になってしまうとか、ほとんどないですが、倒産してゼロ円になってしまうとか、そういうケースもあります。ですので、優待の商品の中身も大切ですが、その企業がどういったビジョンで経営していて、どういった成長戦略を持っているのかとか、そういった見極めも大事になってくるのです。――企業がどうなるか予測するのは個人投資家にとって、経済の勉強にもなると思いますが、どのあたりを見ればいいですか。ファンドマネージャーでもなく、アナリストでもなくという場合に、企業の株を買う買わないという、どの辺に判断の基準はありますか。1つは業績のトレンドです。決算短信、東証の適時開示システム(TDnet)など、企業の業績を開示する資料はたくさんありますので、そういったところをごらんになっていただいたらいいと思います。赤字か黒字かだけではなく、直近2期、3期ぐらいの利益の増勢、トレンドが出ているかとか、そういったところは簡単に見ることができると思います。また、財務情報を見るのは一般の投資家には難しいと思いますが、企業の決算を監査する監査法人が、企業が継続していくことに対して注意すべきところがあるのかどうか意見を付している、継続疑義の注記というのがあります。これは、企業が継続していく際に、たとえば何期赤字になっているので、このまま赤字が続くと資本を食いつぶして危ないとか、負債が増えていて危ないとか、注意点があれば投資家さんに知らしめるための注記を付しています。継続疑義の注記がついている、ついていないとかを見るだけでも参考になります。短信自体に継続疑義の注記が付されているのですが、たとえばネット証券会社のWebサイトでは、継続疑義の注記がついている企業の一覧が載っているケースが多いです。投資情報の一環としてそういうリストがあったりします。投資したいと思っている企業がそこに該当するかどうかのチェックは簡単にできます。○「配当」も考慮すべき?――株式を持っていると配当もあるかと思うのですが、株主優待目的で株を購入する場合でも、配当は気にするべきですか。配当も株主への還元という意味で、個人投資家にメリットがあります。配当は機関投資家も含めてメリットがありますが、株主優待は機関投資家にはあまり人気がありません。機関投資家は大量のロットで株を持っていても、優待が要らない人たちですので。個人の投資家さんにしてみれば、投資していることで得られるリターン・メリットの考え方として、優待と配当を合わせた総還元利回りというものがあります。たとえば100万円投資したら3万円の配当がもらえて、同時に優待が1万円分もらえるとします。100万円の投資に対して1年間で4万円、4%のリターンが得られるわけです。両方合わせてどのくらいのリターンが得られるのかという、総還元利回りという考え方で投資先を検討している投資家も増えています。――配当額はどうやってわかるのですか。企業さんの決算短信に記載されています。1株あたりで記載されています。100株持っていたら×100すればいいのです。自分がいくら投資したかによって、何%のリターンかというのがわかります。――優待もそうですが、配当もうれしいですね。個人投資家がひかれるのはワクワク感ですので、配当も考慮することで、その企業がどんなことをやっているのか理解する助けになると思います。○おすすめの銘柄は?――小林さんから見ておすすめの銘柄はありますか。外食系だと、食事券、割引券がもらえることが多いですが、注目して見ているのは、アスラポートダイニングです。牛角など多業態でレストランを経営しています。ダイヤモンドダイニングも多業態で展開しています。最近、多業態で展開している企業も多いので、優待の使い道がいろいろあるので注目しています。――なるほど。外食産業にそういう傾向があるのですね。注意点の1つになってくると思うのですが、外食企業などサービス系の企業全般にいえると思うのですが、近くに使える店舗があるかどうか確認していただきたいですね。首都圏で展開している企業で、大阪在住の投資家は店舗利用券をもらっても使えないということになりますので、実際に使える店舗が近くにあるかどうかが大事になってきます。一方、そういう株主に配慮しようということで、最近、サービス系とか外食系含めて、自社店舗での利用券または商品を発送しますという企業も増えてきている。そうすると、使える店舗が近くになくても、その企業の商品を取り寄せて楽しむことができます。――外食系以外におすすめの企業はありますか。皆さんのご趣味だとか、それぞれ違ってくると思うのですが、会社のサービスなどが目に見えるというのが株主優待を受ける楽しみでもありますので、サービス系がいいと思います。たとえば、カラオケをよくされるのであればシダックスですと利用券がもらえます。また、ネットカフェをよく利用する人にとっては、「自遊空間」を展開しているランシステムもいいかもしれません。身近でこういうサービスがいいなと気づいたときに、そこが上場されている企業であれば優待がないかと調べてみるのも楽しみの一つだと思います。自分の普段の生活から探してみるということです。――あらためて自分の生活を振返ってみるのもいいかもしれませんね。最近検索エンジンも進化していまして、FISCOウェブでもキーワード検索といって、「自遊空間」と入れるとランシステムが出てきます。弊社の投資情報アプリである「FISCOアプリ」は、投資家向けに提供させていただいているのですが、こちらでもキーワード検索ができますので、たとえば店名と会社名が違うというケースはあるのですが、店名検索していただければ、運営されている会社にたどり着くということはできます。○手元にいくらあれば、株主優待目的の投資を行える?――手元にいくらぐらいあれば、株主優待目的の投資を行えますか?最近は東証の指導がありまして、投資のために必要な最小単元を広く投資家に持ってもらうために引き下げましょうという動きがありまして、最小限の投資単位で持とうとすると安くてすむようになってきています。単元の株数が少ない会社ですと数万円から投資できますし、多いところでも数十万円、50万円未満にしましょうという指導されています。この範囲内に収まる企業さんが大抵です。――50万円未満でできるということですね。ボーナス1回分ぐらいでしょうか。10万円未満で買える株特集なども雑誌で組まれていますので、あきらめずに探せば、余裕資金が10万未満しかないという人でも投資できます。弊社でも特集をやっています。――フィスコさんで特集を組むというのはホームページ上でということですか。先ほどのFISCOアプリや、アプリがPCのWeb画面でも利用できる「FISCOウェブ」でも見ることができます。――「株主優待制度」を利用するだけで、いろいろな知識が身につきそうですね。本日はありがとうございました。
2015年09月15日民間の医療保険に加入すると、公的医療保険ではカバーできない支出を補うことができます。多くの医療保険は、入院給付金と手術給付金が基本保障となっています。医療保険のメリット、デメリットについてみていきます。医療保険のメリット1. 経済的精神的な安心が得られる医療保険に加入していると、病気やケガで入院や手術をした際には、給付金が受け取れます。入院や手術を伴う治療には、まとまったお金が必要なこともあります。思いがけない病気やケガが急な出費を招き、戸惑うものです。保険で備えておけば、経済面だけでなく、精神的にも安心を得ることができます。終身タイプの医療保険に加入し、保険料の払い込みを60歳や65歳で終わらせれば、病気やケガをしやすい上に、収入の減る60歳や65歳以降の高齢期を安心して過ごすことができます。また、結婚したばかりで貯蓄が少ない場合でも、生活が安定するまでの一定期間を、保険料が手頃な定期型医療保険に加入するという方法で備えることができます。ただし、定期型の場合は更新時の年齢に応じて更新のたびに基本的に保険料が上がります。日本の公的医療保険は、充実しているといわれていますが、高齢化に伴い医療費が増え続けていることから、現在の公的医療保険の水準を維持していけるかどうかわからない状態です。将来自己負担が増えることも考えられ、医療保険に加入していると安心といえるでしょう。 2. 生命保険料控除による税金の優遇 生命保険の保険料は、支払った金額に応じて一定額を課税所得から差し引くことができます。生命保険料控除と呼ばれているものです。所得控除が多ければ、課税対象となる収入が少なくなるので、所得税や住民税が減ることになるのです。医療保険に加入していると、介護医療保険料控除を受けることができ、他の死亡保障等の生命保険料控除とは別に控除を受けることができます(平成24年1月1日以後に加入した場合)。医療保険のデメリット1. 告知の影響を受けやすい医療保険も生命保険と同様に健康告知があります。告知に際しては、現在および過去における病歴の確認があります。医療保険では、現在または過去において病歴のある部位に関して、数年間は保険給付の対象外(部位不担保)という条件がつけられるケースがあります。生命保険の場合は、保険金の額が減額されたり、保険料を割り増ししたりして対応しますが、医療保険は、細かい部分に給付制限があり、加入していても病気によっては給付を受けられないこともあります。2. 入院日数すべてをカバーできるとは限らない 医療保険は、入院給付金が基本保障ですが、病気によっては、入院日数のすべてをカバーできないことがあります。給付される入院日数に上限が定められていますので、例えば長期間にわたる入院や、入院期間が短くても、同じ病気でたびたび入院すれば上限を超えることもあります。入院給付金は、入院限度日数を超えた部分には給付されません。 3. 貯蓄で賄えることもある公的医療保険には、1カ月の医療費が一定額を超えると超えた部分が戻ってくる「高額療養費制度」があります。この制度により、医療費が極めて高額になることはあまりない(注)ので、収入や資産状況によっては、貯蓄等で賄えます。貯蓄等であれば、すぐにお金を用意できますが、医療保険では給付金を受けるために保険会社に請求をする必要があり、給付金を受け取るまで時間がかかる場合もあります。(注)ただし、先進医療を受けた場合は技術料が全額自己負担になり、医療費が高額になることもあります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月10日「引受基準緩和型医療保険」とは、加入時の条件を通常の医療保険よりも緩くした保険です。健康告知の内容もシンプルで3つ~5つの項目をクリアすると加入できます。持病があったり、入院履歴があったりした場合でも医療保険に加入しやすくなります。保障内容引受基準緩和型医療保険の保障内容は、通常の医療保険と同じく入院給付金と手術給付金が基本保障となります。加入前の持病や既往症により、入院や手術を受けた場合でも保障されます。保険商品によっては、契約後の一定期間は入院給付金が半額となり、一定期間後は満額の給付金が受けられるという仕組みになっています。その一定期間を支払削減期間といいます。引受基準緩和型医療保険 支払削減期間の仕組み図(例)支払削減期間が1年の場合加入の条件引受基準緩和型医療保険の加入の条件は、保険会社により異なりますが、いくつかの健康告知項目の全てにあてはまらないことです。主な項目は、以下のようになります。最近3カ月以内に受けた医師による検査または診察で、入院または手術をすすめられたことがある。過去1年以内に、病気やケガで入院したこと、または手術を受けたことがある。過去5年以内に、がん(悪性新生物および上皮内新生物)や肝硬変で、入院したこと、または手術を受けたことがある。注意点として、「過去○カ月」や「過去○年」という年数等や病気の種類は、保険会社によって異なります。また、引受基準緩和型医療保険の他に、加入条件のない「無選択型医療保険」という保険商品もあり、この保険はだれでも加入できますが保険料は高くなります。保険料通常の医療保険に比べて「引受基準緩和型」の医療保険は、保険料が高く設定されています。そのため、保障額と保険料のバランスを考えて加入を検討しましょう。高い保険料を支払っていて保障が少ないのであれば、同じ額の預貯金をするという選択肢もあります。また、持病や入院歴があっても、保険会社により通常の医療保険でも条件付きで加入できるケースもありますので、あきらめずに、まず通常の医療保険からトライしてみましょう。医療保険に加入する際は、保険料をなるべく抑えて、安心を得るようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月10日医療保険への加入を検討し始めても、各保険会社からさまざまな医療保険が発売されており、どの商品を選んだらよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?このような場合、まずは保険商品から離れ、医療保険の種類について確認してみましょう。定期型と終身型医療保険は、一定期間だけの保障が得られる「定期型」と、一生涯の保障が得られる「終身型」があります。定期型は、保障期間が定められているため、定期的に見直しを行うことができ、終身型に比べれば保険料を安く抑えることができますが、更新時には年齢を重ねていることもあり、保険料が高くなっていきます。終身型は、一度加入すると一生涯の保障が確保でき、保険料は一定ですが、加入後すぐの保険料は定期型に比べると高くなります。定期型はお手頃な保険料で一定期間の保障を得たい方、終身型は老後資金等に不安をお持ちの方に向いているといえるでしょう。引受基準緩和型と無選択型医療保険へ加入する際は、持病や健康状態等を保険会社へ告知する必要がありますので、健康状態によっては、医療保険へ加入したくても加入できないことがあります。このようなケースで考えられる保険として、「引受基準緩和型」と「無選択型」があります。引受基準緩和型は、一般的な医療保険に比べ告知事項が少ないため加入しやすく、無選択型は健康状態にかかわらず、基本的には誰でも加入することができます。しかし、一般的な医療保険よりも保険料が割高ですし、給付金支払い時に条件が設けられている場合もありますので、まずは一般的な医療保険への加入を検討し、加入が難しいようであれば引受基準緩和型・無選択型の医療保険を選択しましょう。女性保険女性専用の保険で、女性特有の病気に対して手厚く保障されているのが特長です。女性特有の病気とは、乳房や子宮および卵巣にかかわるもので、乳がんや子宮筋腫・卵巣機能障害等が該当します。このような病気の場合、給付金が上乗せされますので、女性特有の病気が心配という方には向いているといえるでしょう。ただ、一般的な医療保険でも女性特有の病気は保障されますので、女性特有の病気に対する上乗せの保障が必要かどうかを考えてみるようにしましょう。まとめ上記以外にも、保険料の掛け捨て型と貯蓄型の種類分けができます。掛け捨て型は、解約時や満期時に戻ってくるお金がありませんので、貯蓄型に比べ保険料が安く、貯蓄型は、戻ってくるお金が保険料に加味されていますので、保険料が高めになります。また、保険料の支払方法として、終身医療保険の場合、何歳になっても保険料を支払う「終身払い」と、例えば65歳迄で支払いを終わらせる等の「短期払い」の2つがあります。短期間での保険料の払い込みとなるため、短期払いのほうが終身払いより保険料は高くなります。損得を判断することは難しいですから、家族構成やライフスタイル、および家計の状況等から選択するのがよいでしょう。医療保険といってもさまざまな種類がありますので、商品選択の前に、どの型の医療保険に加入するのかを慎重に検討するようにしましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月10日すでに報じられている通り、2016年(平成28年)1月から「マイナンバー制度」がスタートします。正式名称は、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年5月31日法律第27号、通称「番号法」)に基づいた「社会保障・税番号制度」。社会保障と税に関する行政手続きで利用するため、日本に住民票を持つ個人全員に対し、12桁の「個人番号」が付与されるというものです。結果として各個人の所得を正確に把握できるようになり、公平な税負担、社会保障の的確な提供などの効果が期待できるとか。また、行政機関・自治体等のさまざまな確認作業の負担も軽減されることになるといいます。とはいえ、私たちにとっては不安なことだらけ。そこで基礎知識を得るために読んでおきたいのが、『これ1冊でできるわかる 小さな会社のマイナンバー制度やるべきこと、気をつけること』(村阪浩司著、あさ出版)です。「Part 1 マイナンバー制度の基本を押さえる」から、「これだけは知っておきたいキーワード4つ」に焦点を当ててみます。■1:「個人番号」先に触れたように、マイナンバー制度においては住民票を持つ全国民に12桁の個人番号が指定されることになります。そして原則的に、一度指定された個人番号は生涯変わらないのだといいます。間もなく2015年10月以降に通知カードが配布され、さらに希望者には2016年1月以降、個人番号カードが交付されるそうです。ちなみにこれは写真つきなので、申請者の個人番号の確認だけでなく、身元確認にも有効。■2:「法人番号」法人番号とは、「国の機関、地方公共団体、会社法その他の法令の規定により設立の登記をした法人」、あるいは労働組合やマンションの管理組合などの「上記以外の法人又は人格のない社団等であって、法人税・消費税の申告納税義務または給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有することとなる団体」に指定されるもの。難しい表現ですが、つまりは各種法人や団体のための番号です。■3:「特定個人情報」特定個人情報とは、個人番号や、「個人番号に対応する符号」を含む個人情報のこと。ちなみに「個人番号に対応する符号」というのは、個人番号に対応し、個人番号に代わって用いられる番号や記号などで、しかも住民票コード以外のものを指すのだといいます。■4:「特定個人情報ファイル」特定個人情報ファイルは、「個人番号や個人番号に対応する符号」をその内容に含む個人情報ファイル。民間の企業の場合は、個人情報保護法に定める「個人情報データベース等」と同じ意味だそうです。*これが、マイナンバー制度の基本的な部分。これを踏まえたうえで、会社の仕事がどう変わるのかを、本書ではわかりやすく解説しています。なんらかのかたちで自分自身にも関わってくる問題ではあるので、本書でしっかりと知識をつけておきたいところです。(文/印南敦史)【参考】※村阪浩司(2015)『これ1冊でできるわかる 小さな会社のマイナンバー制度やるべきこと、気をつけること』あさ出版
2015年09月07日