『トゥルー・グリット』『エンダーのゲーム』のヘイリー・スタインフェルドが、若者向け恋愛小説の映画化『The Statistical Probability of Love at First Sight(原題)』に主演することになった。監督と脚色を手がけるのは、『ミルク』のダスティン・ランス・ブラック。その他の情報スタインフェルド演じる主人公は、父の二度目の結婚式のためロンドンに向かう途中、ニューヨークの空港で、イギリス人の青年に出会う。ふたりが乗るのは同じ便で、偶然にも隣の席。ふたりの間にはロマンスが芽生えていく。スタインフェルドの最新作は、来月北米公開となるトミー・リー・ジョーンズ監督作『The Homesman(原題)』。来年は、ドラマ『Ten Thousand Saints(原題)』、アクションコメディ『Barely Lethal(原題)』などが控えている。文:猿渡由紀
2014年10月30日芝浦工業大学は、同学・情報工学科の米村俊一教授と、同学・工業経営学科の卒業生で作家の中村航氏が、小説執筆の支援ソフト「ものがたりソフト」を共同開発したことを発表した。「ものがたりソフト」は、芝浦工大と中村航氏が共同で開発を始めた小説執筆の支援ソフト。2012年から二者による共同研究がスタートし、のちに小説家・中田永一氏も参画した。開発にあたり、米村教授が認知心理学で用いられる「プロトコル解析法」という手法を用い、中村氏の発話内容を書き出して思考の規則性を整理。こうした手順により、小説家の思考をシステム化した。また、このソフトは書き手の頭の中にある断片的な思考をつないで、ひとつのあらすじを作る過程をサポートする機能を持つもので、画面に出る質問項目に沿って答えを入力していくと、小説を全く書いたことのない人でもあらすじを作ることができる仕組みとなっている。ヘルプボタンを使えば、あらかじめソフト中にデータベース化されている文言がランダムで表示され、書き手の発想を広げる役割を果たすという。なお、同ソフトは現在も改良中で、公開予定は未定。今後、インターネットとの連携により、時代背景の調査を補助する機能の追加などを検討しており、最終的には小説本体の執筆までサポート可能なものを目指していくとのことだ。ちなみに、ソフトの公開に先駆け、11月1日、同ソフトで作成したプロット(小説の設計図)をもとに執筆された、中村航氏と中田永一氏の合作青春小説「僕は小説が書けない」が発売される。
2014年10月28日1986年にフランスで発表され話題を呼び、40以上の言語に翻訳されるに至った小説『悪童日記』。日本でもベストセラーとなった同小説は、トマス・ヴィンターベアら名だたる監督による映画化の話が幾度も浮上しながら消えるなど、様々な要因が重なり、いつからかこういわれていた。“映像化不可能”と。その難題といえる映画化をハンガリーのヤーノシュ・サース監督がやり遂げた。その他の写真映画化が頓挫してきた原作への挑戦。まず、この試みに臨んだ理由を監督はこう明かす。「とにかく僕はリスキーなテーマや題材に挑むことが好きなんだ。また、両親がユダヤ人強制収容所からの生還者で。一度、戦争にきちんと向き合いたかった。『悪童日記』はそのふたつのテーマにトライできる。だから、いつか自分にチャンスが巡って来ると信じていたんだ」ハンガリー出身の亡命作家、アゴタ・クリストフの原作は舞台となる町の名も主人公の出身地も特定されていない。その中で、監督はハンガリーが舞台のハンガリー人の物語として描いた。「アゴタが自身の体験が基になっていることは明確。だから、アゴタ本人に会ったとき、僕はこう切り出した。『これはあなたの記憶と体験を綴った物語。ですから、ハンガリー語でハンガリーを舞台に描きます』と。そのとき、彼女は『そのとおりよ』といってね、すごく喜んでくれたよ」物語の主人公は第二次大戦末期、首都ブタペストから田舎町の祖母宅に疎開した双子の兄弟。ナチスの侵攻、ユダヤ人差別、貧困など、国が混迷を極める中、彼らが身を持って体験する過酷な現実が描かれる。中で鮮烈な印象を残すのが双子を演じた子役の二人。実は演技経験のない素人を起用した。「死と隣り合わせの戦時下を生き抜く兄弟を体現できる子役を現代から探し出すのは至難の業で。ハンガリーのすべての学校に電話して、奇跡的に出会ったのがアンドラーシュとラースローのジェーマント兄弟だった。実際に彼らは貧しい村の出身で。劇中の兄弟同様に肉体労働の経験もあった。ありのままでいてほしかったからあえて演技指導はしなかったよ」作品はチェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でグランプリを獲得など世界各国で高い評価を得ている。「各国ともに若い人たちがこの映画を支持してくれね。“この兄弟の境遇は他人事ではない”と現代の社会に重ねて語る若者がすごく多い。僕は受賞よりもそのことがうれしい。日本の若者にもぜひ観てもらいたいね」『悪童日記』10月3日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほかにて公開取材・文・写真:水上賢治
2014年10月02日ライフィートはこのほど、小説付きレトルトカレー「華麗なる小説」を発売した。○東京の文化流行を取り入れた"小説付き"ご当地カレー同商品は、有数の古書店街・神田神保町の「カレーと本」の文化流行をパッケージした商品。味へのこだわりはもちろん、付属小説やパッケージにも気を配り、東京の新しいご当地カレーとして、お土産や贈答品として活用できるよう、また幅広い年齢層が楽しめるように開発したという。カレーは、180g。日本人になじみのあるルウカレーと、幅広い世代に人気のあるキーマカレーの良さをバランスよく配合、鶏ひき肉を多く使って旨みを引き出し、あらゆる年齢層が楽しめるように適度にスパイスを効かせた中辛味とした。また、本を読みながら食べることをイメージし、冷めてもおいしく食べられるように風味にもこだわったという。付属の小説は、夏目漱石(夢十夜)、宮沢賢治(注文の多い料理店、他1編)、芥川龍之介(羅生門、他2編)、太宰治(走れメロス、他1編)など、日本を代表する文豪の短編小説を中心に収録。いつでもどこでもすぐに読めるよう、持ち運びにも便利な、市販の文庫と同サイズとした。小説は現在4種類あり、作家/作品は今後も追加予定となっている。販売価格は、648円。現在、Webサイトほかにて購入することが可能となっている。
2014年04月09日最近、小説を読んでいますか?読んでいる方は、どんなジャンルを読んでいますか?実は、恋愛運を上げるアクションに、「恋愛小説を読む」というのがあるんです!■1.恋愛小説を選ぶことから始めましょう恋愛したいと思っているのに、「どうせ私には縁がないから・・・・・・」などといって、恋愛モードを自ら下げている人がいます。恋愛に関するものに触れると切なくなる、辛くなるなどの理由から、意識的に恋愛に関するものから遠ざかっている人もいるのではないでしょうか?でも、“恋愛をしたい!“と本気で思っているなら、やはり恋愛に関するものに多く触れたほうが吉。恋愛モードは断然高まります。恋愛ドラマや恋愛映画はもちろんおすすめですが、今回ぜひ取り入れていただきたいのは、「恋愛小説」です。まずは、書店に入って、気になる恋愛小説を探しましょう!■2.恋愛小説は水曜日に読む!恋愛小説を手に入れたら、ぜひ、読んで欲しい曜日があります。それは、「水曜日」!なにげなく接しているもの、使われているものが、実は占いの大事な要素になっていることはよくあります。「曜日」もそのひとつだといえるでしょう。「水曜日」は、「水星」と密接につながっているため、本を読んだり、なにかを書いたりすると、運を高めることが出来るのです。■3.小説が苦手なら、漫画を手にとっても◎「恋愛モードが低い」「恋愛がうまくいかない」と感じている人はもちろん、「彼とうまくいかないなぁ」「恋がマンネリ化してきちゃった・・・・・・」など、恋愛について悩んでいるなら、ぜひ水曜日に本を読みましょう。もともと好きな恋愛小説があるなら、それを読み返してもいいですし、あんまり知らないなら、話題になっている恋愛小説を探すのもおすすめです。どうしても小説が苦手なら、漫画でも大丈夫!とにかく、「水曜日に本を読む」ということが大切なのです。そうすれば、自然と恋愛力が高まってきますから、ぜひ試してみてくださいね。■4.水曜日にコミュニケーションをとろう気になる人がいるなら、水曜日にメールや手紙を送るのも効果的。「読む」だけでなく、「書く」ことも水星が象徴しているものの一つ。水星は、コミュニケーションを司る惑星でもあるんです。もし、メールすることをためらっているなら、ぜひ水星が味方してくれる水曜日にアクションを。他の曜日よりも、想いが伝わりやすいはずです。■おわりにメールを送る前に、恋愛小説を読んでから、送る内容を考えてみましょう。たくさんの小説を読めば、それだけ表現力も身につきますから、想いを伝える方法にバリエーションが出てきます。恋愛というデリケートな問題では、相手の心を捉えるのも、不快にさせるのも、ちょっとした言い方次第。つまり、伝え方を工夫するだけで、相手の心に刺さるメールを送れるかもしれません。水曜日には恋愛小説を読んで、ぜひ恋愛モードを高めましょう!(水谷奏音/ハウコレ)
2013年12月18日突然ですが、官能小説を書いてみたことがありますか?おそらくですが、ありませんよね。「どんなセリフや服装、仕草よりも、女性の書く官能小説ほど男性をムラムラさせるものはありません」こう語るのは、元人気グラビアアイドルでありながら、今月『キレイになりたくて』(双葉文庫)を発売し、官能小説家デビューを果たした小阪由佳さん(写真)。今回は小阪さんに、初心者でも簡単に実践できる、官能小説の書き方を伺います。みなさんも実際に官能小説を書いて、彼氏や気になる男性に見せてみてください。突然現れたあなたの壇密顔負けの色気に、きっとカレはボルテージが一気にMAXになってしまいますよ。■1.まずはお勉強「まずは官能小説なるものが一体どういうものなのかを知らなくてはいけません。そのために、本屋さんで、官能小説を一冊選び、恥ずかしがらずに購入しましょう。一通り読めば、“官能小説ってこういうものなんだ!”という雰囲気が掴めます。どうしても手にとって購入するのが恥ずかしい場合、アマゾンなどのネットショッピングを使うのもよいかもしれませんね」これは実に大切なステップ。官能小説を書く前に、まずは読んで、カラダの奥底から溢れる性欲を感じましょう。これが官能小説を書く際のエネルギーになりますから。■2.経験を元にし過ぎない「エッチな場面を書くとなると、初心者がついやってしまいがちなのが、自分の経験を元にノンフィクション風に書いてしまうことだと思いますこれではリアリティがある反面、ファンタジーに欠け、イマイチ読んでムラムラきません」それに、変にリアリティがあると、カレに見せた場合“お前ってこんな体験したことあるんだな・・・・・・”とドン引きされてしまい兼ねませんしね。■3.想像力をフル活用する「自分の経験を頼りにしないとなると、当てにできるのは想像力のみです。是非、頭の中のムラムラ・スイッチをONにして、想像力を働かせましょう。自分がやってみたいプレイを自由に書けることが官能小説の醍醐味です」これは非常に大切なステップ。カレに読ませれば、“こいつはこんなプレイに興味があるんだな。フムフム・・・・・・ムフフ・・・・・・”と、こっそりカレに、挑戦してみたいプレイを伝えることができますよ。■4.読み返して恥ずかしいくらい大胆に書く「官能小説を書くのは、人前で水着姿になっていたグラビアアイドルの私でも、恥ずかしいものがあります。外見より内面を出す方が恥ずかしいですからね。だからといって、中途半端な表現では読んでもムラムラこないのが官能小説。喘ぎ声や体位もはっきりと大げさなくらいに描写しましょう!」これも官能小説を書くときには重要なことです。あとから読み返して恥ずかしいくらいの表現が、官能小説には丁度いいのです。■おわりにいかがでしたか?カレのために書く官能小説は、いわば少しピンクなラブレター。恥ずかしいのは百も承知で、それでも勇気を出して素直に書いてみてくださいね。きっとベッドの中でのカレに大きな変化があるはずですよ。(小川沙耶/ハウコレ)※取材協力小阪由佳85年生まれ。元グラビアアイドル。2009年にグラビア界を引退後、美容専門家に。現在は、『(株)リバイバルミーティング』の代表を務めている。オフィシャルブログ「recovery」。2013年8月『キレイになりたくて』(双葉社)で官能小説家デビュー。二十歳のグラビアアイドルの女の子が、とにかく売れたい、と無我夢中になって業界に染められ、色々な男性と交わる話が話題を呼んでいる。
2013年08月27日初の小説執筆で注目集まるモデルブームの先駆者的存在であり、現在もなお人気ファッションモデルの1人として、多岐にわたる活動を展開している押切もえ。彼女が、現役のモデルとしては初めてとなる、小説家デビューを果たすことが8日、明らかとなった。押切は、ヒット作となったエッセイ「モデル失格~幸せになるためのアティチュード~」(小学館)などの著書はすでにあるが、小説を発表するのは初めてだ。タイトルは「浅き夢見し」で、小学館より、8月7日に発売されるという。苦悩するモデルの姿には、美しさへの問いも小説は、25歳の売れないモデルを主人公とし、苦悩しながらも有名モデルへの道を目指して、夢を追い求めていく、前向きに一歩を踏み出していこうとする姿が描かれたもの。モデルとして第一線を走ってきた彼女ならではの視点から、その世界の裏側も含め、自分なりの美しさへの問い、輝き続けるとはどういうことかという生き方に関わる普遍的な問いが、小説というかたちを通して、語られるものとなるとみられる。モデル世界の小説ではあるけれど、そこから発せられるメッセージは、すべての人に向けられているものといえるだろう。押切が構想3年という年月をかけ、新たなチャレンジをみせた作品だ。自分を変えていきたい人、本当に美しく生きることを考える人にぜひ。なお、イベントなどを含む最新情報は「AneCan.TV」で、順次公開されていくとのことなので、こちらもチェックを。【参考】▼Moe mode (押切もえオフィシャルブログ)▼AneCan.TV該当ページ黄色じゃイヤよ!白くないと「男性がすごくイヤがる」女性の●●●3選(7月8日)あの大手企業が自然界の美成分をコスメに凝縮!あなたの肌も一生枯れない?(7月6日)哀しく燃え尽きる夏の恋にならないために「脇をウエットにするべき」理由 とは?(7月6日)恋のから騒ぎに「白黒はっきりつける」男性必殺アイテムとは?(6月29日)元の記事を読む
2013年07月09日ケータイ、スマホ、電子書籍端末などでも小説が読める時代になりました。文字だけで私たちを楽しませてくれる「小説」は最もお手軽で、しかし深みもあるエンターテインメントではないでしょうか。今までにあなたを感動させた小説はありますか?その小説は何でしょうか? マイナビニュース会員に聞いてみました。調査期間:2012/10/25~2012/10/28アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 916件(ウェブログイン式)■あなたは今までに読んで感動した小説はありますか?はい232人25.3%いいえ684人74.7%まず「感動した小説があるか」を聞いてみました。約25%、1/4が小説で感動した経験があるとのこと。一番感動させてくれた小説は何か、またどんな点に感動したかを聞きました。結果、票が大変に割れました。一番票数を集めた小説でも6票でした。小説に関しては好みが非常に分かれるようです。代表的な意見と共にご紹介します。●『ノルウェイの森』著者:村上春樹別れようと思っていた恋人となぜかやり直してもいいかなと思ったきっかけになった。(京都府/女性/29歳)同回答が合計6人。今やノーベル文学賞の本命となっている村上春樹さんの代表作。ファンが多い作品として知られています。●『西の魔女が死んだ』著者:梨木香歩子供向けの小説ながら奥が深く、主人公とおばあちゃんの言葉が心に響くから。(栃木県/女性/28歳)同回答が合計6人。日本児童文学者協会新人賞を受賞しています。児童文学の新しい傑作です。●『塩狩峠』著者:三浦綾子利己的に生きるのではなく、利他的に生きるところ。(東京都/男性/29歳)同回答は合計5人。実際に起こった鉄道事故を元に、クリスチャンである三浦綾子さんが「自己犠牲」をテーマに描いた古典的な名作です。●『いま、会いにゆきます』著者:市川拓司純粋で温かい物語だったところ。(兵庫県/女性/27歳)同回答は合計5人。メディアミックス展開で大成功を収めた小説。映画は2004年に公開されています。●『手紙』著者:東野圭吾人間同士の温かいきずなに触れた。(東京都/男性/42歳)同回答は合計4人。毎日新聞に連載され、単行本になるや第129回直木賞候補になったベストセラー。●『容疑者Xの献身』著者:東野圭吾見返りを求めない、こんなに深い愛があるものかと感動しました。(広島県/女性/29歳)同回答は合計4人。ミステリー小説です。映画化もされて大々的に宣伝されたので、読んでなくても知っている人が多いのでは。それにしても東野圭吾さんの小説は人気がありますね。●『白夜行』著者:東野圭吾読んだ後の余韻を残すうまさ。(大阪府/女性/30歳)同回答は合計4人。これまたベストセラーになった東野圭吾さんのミステリー。2006年にはテレビドラマ化。2011年には映画化されました。●『恋空』著者:美嘉まだ若い自分が好きな人をおいて死んでしまう。(富山県/男性/31歳)同回答は合計3人。元はケータイ小説で、美嘉さんのデビュー作でもあります。2006年に書籍化されてベストセラーになりました。●『星の王子様』著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ読んでいて純粋な気持ちになった。(大阪府/女性/23歳)同回答は合計3人。児童文学史に残る永遠の名作。大人になってから読むと、また別の感動が心に広がります。●『アルジャーノンに花束を』著者:ダニエル・キイス人間にとっての幸せってなんだろうと考えさせられるところ。(栃木県/男性/39歳)同回答は合計3人。SF小説の傑作です。映画化された際の邦題『まごころを君に』は、あの『エヴァンゲリオン』に引用されています。●『罪と罰』著者:フョードル・ドストエフスキー主人公が殺人を犯してもその男を愛した女が彼の送られるシベリアまでついて行って彼をずっと見守っていたところ。(熊本県/男性/29歳)同回答は合計3人。長いことでも有名なロシア文学の古典です。ロシア文学は登場人物の名前を覚えるのも大変なんです。長いので。●『おおつごもり』著者:樋口一葉人間の業を見事に描いているから。それも24歳の女性の作品であるから。(東京都/男性/45歳)樋口一葉と言えば今や5千円札の人。彼女は夭折しましたが偉大な文学者でした。今読んでみるとみずみずしい筆致に驚かされます。●宮部みゆきさんの小説全般人物描写の匠(たくみ)さと、目に浮かぶような情景描写のテクニックには嫉妬(しっと)心さえ浮かびます。(東京都/男性/37歳)宮部みゆき作品で「これ」という票をたくさん集めたものは残念ながらありませんでした。しかし、「全部好き」という回答がこの人以外にも。さすがベストセラー作家ですね。熱い支持者がいます。この記事を読んでいるあなたが感動した小説は何でしょうか?(高橋モータース@dcp)
2013年01月13日“女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1”として若者を中心に熱狂的な支持を集める越谷オサムの小説「陽だまりの彼女」(新潮文庫刊)を、「嵐」の松本潤と上野樹里を迎え、映画化されることが決定!このほど、初共演となる2人から喜びのコメントが到着した。新人営業マンの浩介は、仕事の取引相手として中学時代の幼なじみ・真緒と偶然再会する。かつて“学年有数のバカ”と呼ばれていた冴えないイジメられっ子だった彼女は、当時とは見違えるほど魅力的な女性に変身していた。十年ぶりの運命的な再会。幼いころの純粋な想いを取り戻した2人は、恋に落ち、やがて結婚を決心する。しかし真緒は、誰にも知られてはいけない、“ありえない秘密”を抱えていた…。『ソラニン』、『僕等がいた』の青春ラブストーリーの名手・三木孝浩監督が描き出すのは、湘南を舞台にある男女の一世一代の恋が巻き起こす“二つの奇跡”。その一つは、真緒が浩介を慕う一途さが起こす奇跡の再会。そして、真緒を愛する浩介の想いが起こす、もう一つの奇跡。このファンタジック・ラブストーリーの主人公・奥田浩介役には、大ヒット作『花より男子 ファイナル』以来5年ぶりの映画出演となる松本潤、そしてヒロイン・渡来真緒役には、昨年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」での主演、そして映画出演は『のだめカンタービレ 最終楽章』以来3年ぶりとなる上野樹里が演じることとなった。今回のオファーを受け、2人からは「2人の恋愛描写だけでなく、世界観やストーリーの面白さに感動しました。優しくて温かいファンタジーを上野さんと一緒にお届けできたらと思っています。1日も早く撮影に入れることを、楽しみにしております」(松本さん)、「約3年ぶりの映画出演、とても嬉しいです!原作を読ませていただいたのですが、心温まる、読み終わった後に優しい気持ちになれるこの作品をみなさんに感じてもらえるように精一杯頑張ります」(上野さん)と、早く撮影に入りたくてうずうずしているようだ。原作にも度々登場する「ビーチ・ボーイズ」の名曲「素敵じゃないか」をテーマソングに、かつてない奇跡の愛が奏でられる。『陽だまりの彼女』は2013年1月中旬よりクランクイン、2013年10月、全国東宝系にて公開される予定だ。■関連作品:陽だまりの彼女 2013年10月、全国東宝系にて公開© 2013『陽だまりの彼女』製作委員会
2012年12月03日推理小説を執筆する際に、守らないといけないルールというのが実は存在します。「推理小説が大好き!」という人なら知っていると思いますが、、たまに読む人やあまり読まないという人はもしかするとそんなのがあることさえ知らないかもしれません。今回は、そんな推理小説のルールを紹介します。とはいえ、そのルールを絶対に守らないといけない!という訳ではありませんし、推理小説を書く際の入門的なものだと考えてもらえると幸いです。まずは『ノックスの十戒』から紹介しましょう。ノックスの十戒とは、1928年に推理小説家のロナルド・ノックスが発表した推理小説を書く際の入門的なルールです。1.犯人は物語の最初の部分から登場している人物でなくてはならない。いきなり最終局面で「実は私が真犯人なのだフハハハハ!」などといきなり知らない人物が登場したらダメですもんね(笑)。2.探偵方法に超自然的な能力を用いてはいけない。時間を巻き戻せたりしちゃうと簡単に犯人が分かってしまいますし……。3.犯行現場に秘密の抜け穴や秘密の通路が2つ以上あってはならない。1つだけあるのはOKだそうです。4.未発見の毒薬や難解な科学的説明が必要になるような器具を用いてはならない。読者が推理できないような空想上の薬物や、ドラえもんの秘密道具などのトンでもアイテムが登場してはいけない、ということですね。5.中国人を登場させてはならないこのルールが発表された当時は、中国人は神秘的、または超常現象的な力が使えると考えられていたそうです。6.偶然や第六感によって事件を解決してはならない。適当に犯人の名前を挙げたら正解でした、めでたしめでたし。という展開は確かに寒いですよね(笑)。7.探偵自身が犯人であってはならない。そりゃそうだ(笑)。ただし、探偵が事件を解決に導くために犯人を装うというのはアリだとか。8.事件を読者がわからないような手がかりによって解決してはならない。読者に推理できる証拠はすべて明らかにしないといけない、ということでしょうね。9.ワトソン役(物語の語り部)は自分の判断や見解をすべて読者に伝えないといけない。これも9番目と同じく、推理の判断材料をちゃんと提示せよ、ということのようです。10.双子の登場人物、または一人二役の変装などは予め読者に知らされなければならない。出すならちゃんと読者にも知らせろ、とそういうことですね。ノックスの十戒は以上です。次に、ノックスの十戒と並んで有名な推理小説を書く際のルールが、『ヴァン・ダインの二十則』です。これは推理作家のS・S・ヴァン=ダインがノックスの十戒と同じ1928年に発表したもの。少し長いですが、おつき合いください。1.事件の謎を解く手がかりは明白に記述されていなくてはならない。読者に謎の手がかりなどはあってはいけないということで。これはノックスの十戒と同じですね。2.作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者を騙すような記述をしてはいけない。読者のミスリードを誘ういわゆる「叙述トリック」というものですが、ヴァン・ダインはこの叙述トリックがあまり好ましくなかったそうで、こういったルールを入れたそうです。3.余計なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない。ミステリーの課題は、犯人を正義の庭に引き出すことであり、恋に悩む男女を結婚の祭壇に導くことではない。確かに推理小説を読んでいるつもりがいつの間にか恋愛小説になってたら驚きますよね(笑)。4.探偵自身や捜査員の1人を突然犯人にしてはいけない。これは恥知らずのペテンである。これはノックスの十戒にもありましたよね。5.犯人は論理的な推理によってしなければならない。偶然や暗合、動機のない自供によって解決してはいけない。これもノックスの十戒にありました。テキトーな推理で偶然犯人が分かる、などは持っての他ということですね。6.探偵小説には必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。誰も推理しなかったら物語は進みません。非常に基本的なことですね。7.長編推理小説には死体が絶対に必要である。殺人より軽い犯罪では読者の興味を持続できない。殺人と窃盗で比べると、解決することの重要性などが違ってきますね。8.占いとか心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。ちゃんと自分の頭で推理しろってことでしょうか。9.探偵役は1人が望ましい。1つの事件に複数の探偵が協力し合って解決するのは推理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。それはまるで読者をリレーチームと競争させるようなものである。読んでいる人も1人の探偵の目線の方が読みやすいかもしれませんね。10.犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。最後の章でひょっこり登場した人物に罪を着せるのは、その作者の無能を告白するようなものである。仰るとおりで(笑)。11.端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどの事はない。要するに犯人役にはちゃんとした重要性を持たせろということですね。12.作中にいくつもの殺人事件があっても、真の犯人は1人でなければならない。ただし端役の共犯者がいてもよい。真犯人が何人もいるのは推理する読者も困惑してしまうかもしれませんね。でもグループ犯などもありますし、今はこの限りではないのでしょうね。13.冒険小説やスパイ小説なら構わないが、探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織に属する人物を犯人にしてはいけない。非合法な組織の保護を受けられるのでアンフェアである。あまりにも強大な力がバックにあると、探偵側が手も足も出なくなっちゃうからでしょうか。14.殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的かつ科学的であること。空想科学的であってはいけない。毒殺の場合なら、未知の毒物を使ってはいけない。これもノックスの十戒にありましたね。15.事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。ノックスの十戒にあるように、推理の手がかりはちゃんと読者に明かしなさい、ということです。16.よけいな情景描写や、わき道にそれた文学的な饒舌は省くべきである。物語の筋と関係ない余計なパートは入れるな、ということのようです。17.プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。それらは警察が日頃取り扱う仕事である。真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。13番目と同じように、探偵役が手も足も出ないような人物を犯人にしてはいけない、ということですね。18.事件の結末を事故死とか自殺で片付けてはいけない。こんな結末は読者をペテンにかけるようなものだ。そんなオチだったら読者は「今までの推理はなんだったんだ!?」と唖然となりますね。19.犯罪の動機は個人的なものがよい。国際的な陰謀とか政治的な動機はスパイ小説に属する。要するに、探偵役の手に負える範囲で……ということですね。20.自尊心のある作家なら、次のような手法は避けるべきである。これらは既に使い古されたものである。・犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を決める方法・インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる・指紋の偽造トリック・替え玉によるアリバイ工作・番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みのあるものだったとわかる・双子の替え玉トリック・皮下注射や即死する毒薬の使用・警官が踏み込んだ後での密室殺人・言葉の連想テストで犯人を指摘すること・土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法簡単に言うと、ありきたりなものは使うな、ということのようで(笑)。以上が、推理小説を書く際のルールと呼ばれているものです。1928年に発表されたものですので、今では「ちょっと意味がわからないです」と思ってしまうものもありますね。ただ、本当に基本的なルールも含まれているので、「推理小説を書いてみたい!」という人は、まずこれらを参考にしてみるのもいいかもしれませんね。(貫井康徳@dcp)
2012年11月17日ダグ・リーマン監督が、推理小説家オレン・スタインハウアー原作の「ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ」(ハヤカワ文庫NV刊)を映画化することとなった。マット・デイモン主演の『ボーン』シリーズや『Mr.&Mrs.スミス』などを手がけてきたヒットメーカーのリーマン監督だが、今回の同スパイ小説の映画化で監督とプロデューサーを兼任する契約を結んだという。本作は、CIA諜報員ミロ・ウィーバーが世界的な犯罪に挑む中で、雇われ暗殺者を追っていくうちに深みに陥ってしまうというスリラー作品だ。同原作の原題が、ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリー共演作『ツーリスト』の原題と同じ「ザ・ツーリスト」であることから、映画化では別のタイトルが採用されることになる模様。リーマン監督は現在、日本のライトノベルを原作に、トム・クルーズ主演で贈る『All You Need Is Kill』(原題)の撮影中だ。
2012年09月12日「見つめられる淑女たち」、「告白する紳士たち」という2つのテーマのもと、日本映画界を牽引する若手俳優6名と文豪の恋愛短編小説が織りなすオムニバス映画『BUNGO~ささやかな欲望~』がこの秋、全国にて公開されることが決定した。先述の2つのテーマで各3話ずつ全6話の短編から構成される本作。「見つめられる淑女たち」の原作となるのは、宮沢賢治の名作「注文の多い料理店」、三浦哲郎の「乳房」、永井荷風「人妻」の3作。誰もが知る名作古典を冨永昌敬監督(『乱暴と待機』)が男女のラブストーリーにアレンジした『注文の多い料理店』では石原さとみと宮迫博之が共演。さらに、思春期の少年の悩みと夫を戦争にとられた人妻の悶々とした心情を描いた『乳房』には水崎綾女、永井荷風の傑作小説を熊切和嘉監督(『莫逆家族バクギャクファミーリア』)がちょっぴりセクシーなコメディタッチで蘇らせる『人妻』には谷村美月、『CATERPILLARキャタピラー』で手足を失った帰還兵を演じ高い評価を得た大西信満が出演する。一方、「告白する紳士たち」は天才芸術家・岡本太郎の実母、岡本かの子の隠れた名作を原作にした『鮨』、坂口安吾原作『握った手』、林芙美子原作『幸福の彼方』の3編から構成される。鮨屋の看板娘・ともよと常連の中年紳士・湊を主人公にした感動作『鮨』では、『アナザー』など話題作への出演が続く橋本愛とリリー・フランキーが異色の共演を果たす。「堕落論」で知られる坂口安吾が“ある革命”のてん末を描いた悲喜劇『握った手』でメガホンを握ったのは『苦役列車』の山下敦弘監督。山田孝之と成海璃子を迎え、恋に奥手な男子大学生の一世一代の“革命”をユーモアを交えて描く。『シグナル~月曜日のルカ~』で新進女優・三根梓を見出した谷口正晃監督が手がける『幸福の彼方』は、女性の生き方や夫婦のあり方を問う感動作。同作では波瑠(『グッドカミング ~トオルとネコ、たまに猫~』)と三浦貴大(『大奥[右衛門佐・綱吉篇]』)と話題作への出演が相次ぐ2人が共演を果たす。何十年も前に発表されながら、色褪せることなく多くの人々に読まれ、愛され続ける文豪の名作。時代を超えて読み継がれる物語が、日本映画界を背負う若手俳優たちと監督たちとのコラボレーションにより、どのように生まれ変わるのか楽しみである。『BUNGO~ささやかな欲望~』は9月29日(土)より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開。■関連作品:アナザーAnother 2012年8月4日より全国東宝系にて公開© 2012 映画『Another アナザー』製作委員会莫逆家族バクギャクファミーリア 2012年9月8日より全国にて公開© 2011「莫逆家族」製作委員会BUNGO~ささやかな欲望~ 2012年9月29日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 「BUNGO ささやかな欲望」製作委員会その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会大奥[右衛門佐・綱吉篇] 2012年12月22日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012男女逆転『大奥[右衛門佐・綱吉編]』製作委員会
2012年08月07日だめだけど、気になる!誰しも、危険だと分かりつつ「アブナイ関係」にちょっとあこがれてしまうものです。ドラマや小説などで見かける、あんな恋愛やこんな恋愛。あなたが経験してみたいものは?ということで、男性のマイナビニュース会員308名にお聞きしました。1位になったのは、男なら多少は夢みてしまう?!この恋愛パターンです>>女性編も見るQ.あなたが経験してみたい禁断の恋愛パターンを教えてください(複数回答)1位二また以上28.5%2位社内恋愛24.5%3位仕事関係の相手17.0%4位不倫14.6%5位義理の姉妹7.7%■二また以上「単なる夢です。あくまで夢です。実際やったら最悪です」(25歳/情報・IT/技術職「器用にやれば、一挙両得のような気がするから」(31歳/金融・証券/営業職)「一度でいいから色恋ざたでもめてみたいです!女性経験がなさすぎる僕がいうのはなんですが……」(29歳/医療・福祉/事務系専門職)■社内恋愛「同じ会社内で付き合うとどういう感じなのか試してみたいから」(25歳/情報・IT/技術職)「毎日の仕事が楽しくなりそうだから」(37歳/その他)「実際にやっていました。現在の妻です」(29歳/マスコミ・広報/営業)■仕事関係の相手「あまり禁断の恋はしたくないが、これくらいならありえるパターンだと思うので」(25歳/小売店/営業職)「禁断とはいっても、法律に触れない」(笑)から、いい意味のドキドキ感がある(32歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)「現在、取引先の会社に好きな人がいるから」(27歳/教育関連/事務系専門職)■不倫「同じ会社内で不倫のお付き合いをするとどういう感じなのか試してみたいから」(25歳/情報・IT/技術職)「社会的道徳に逆らってみたいからです」(25歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)「若いというだけでかわいくみえるし、実際にできそうなイメージが強いので」(32歳/機械・精密機器/営業職)■義理の姉妹「妹がほしかったので、そういうのもありかなと」(29歳/運輸・倉庫/販売職・サービス系)「絶対にばれてはいけないというハラハラ・ドキドキ感がたまらない気がする」(24歳/情報・IT・/営業職)総評堂々の1位は、二また以上でした。人によってさまざまな意見があり、「やってみたいけどやらない」という人が多いようでした。中には、いけるところまでいってみたい、なんて人もいましたが。2位以下でも、やはり「気になるが、法律は犯したくない」という人が大多数でした。ドラマのようにはいかないものですね。今交際している人がこのパターンなので、という意見も多くみかけました。いかがでしたか?あくまで「気になる恋愛パターン」なので、くれぐれも注意してくださいね!(文・OFFICE-SANGA鈴木彩夏)調査時期:2011年12月28日~2012年1月4日調査対象:マイナビニュース会員調査数:男性583名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【男性編】異性からの相談でめんどうだと思うことランキング【男性編】恋愛映画でありがちだなと思ってしまう展開ランキング【男性編】本気の恋だと感じる瞬間ランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年03月24日江國香織の人気恋愛小説を原作に、中谷美紀&大森南朋扮する夫婦の心の揺れを描いたラブストーリー『スイートリトルライズ』。公開に先駆けて、3月1日(月)、女性限定の試写会を開催、映画のテーマに因んで「大人の恋愛トークショー」と題して、本作の脚本を務めた狗飼恭子さんと、以前から狗飼さんの友人であり、数々のヒット作の脚本を務める大森美香さんを迎えてのトークショーが行われた。本作のメガホンを取った矢崎仁司監督とは『ストロベリーショートケイクス』(’06)でもタッグを組んでいる狗飼さん。大森さんは前作の大ファンだということで、本作を誰よりも楽しみにしてたそうだが、「『ストロベリーショートケイクス』よりも一段階“大人”な映画になっていて、とても興味深かったです」と大絶賛。「観た後に良かったかと思うかどうかはそれぞれの恋愛観によると思いますが、すごく充実した気持ちになれます」と評した。これを受け狗飼さんも、前作と本作を比べて「この映画は、恋愛を維持することについて描いてます。前作は1人で生きていく女性たちの映画で、今回描くのは“2人”で生きていくことについて。1人で生きていくか、2人で生きていくか、どちらを気に入っていただけるかすごく楽しみです」と観客に問いかけた。本作は、結婚3年目、予期せぬ“スキ”によって生まれる、夫と妻、それぞれの恋愛を描くが、実は未婚というおふたりはこの物語を通じて結婚に対して多少の絶望感も味わったようで、狗飼さん自身も「脚本を書いている間も、結婚してこうなるんだったらどこに幸せがあるんだとずっと考えてましたね」とのこと。大森さんも「本当に結婚が怖くなりましたね」と頷きつつ、「でもすごく恋愛がしたくなりました」と笑顔を見せた。劇中の瑠璃子(中谷さん)のように2人の男性を同時に愛することについては「才能が要ること」と共に瑠璃子を仰ぎ見る(?)ふたりだが、男性のタイプは少々異なるようで、大森さんは「(聡役の)大森南朋さんが本当に素敵で、男性の弱い部分を垣間見せるところに弱いんです」と照れれば、狗飼さんは「俗に言うダメ男の春夫が大好き。だからダメなんだと言われ…」と自嘲気味。さて、本作のテーマにある、夫婦の間に生まれる小さな“ウソ”。ずばり、愛する者同士にはウソは必要?との質問には、「ウソをつけるくらいならとっくに結婚してます」と即答の狗飼さん。一方、大森さんも「私は好きでもない人にウソをつくのは罪を感じないけど、好きな人には上手にウソをつけないんです。だから私の恋愛はダメなんだな…」と思わずため息?数々の恋愛作品を手がけてきたふたりが見せる乙女な素顔に、女性で満たされた会場はすっかり和やかなムードに。最後に、狗飼さんは“大人の恋愛”について「“やっぱり”と思える恋愛」と表し、観客に「この映画で何かを感じてください」と呼びかけた。『スイートリトルライズ』は3月13日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。シネマカフェSweet「大人な恋愛映画ガイド特集」■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:『スイートリトルライズ』中谷美紀インタビュー夫以外の人に心奪われていく気持ち…『スイートリトルライズ』矢崎監督インタビュー「映画は理解するのではなく感じる物」中尾彬夫妻、30年前の結婚3年目をふり返り「仕事してた記憶しかない…」狗飼恭子×大森美香トークショー付き『スイートリトルライズ』女性限定試写会に30組60名様ご招待『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント
2010年03月02日面白いミステリー小説って読んでいるとグングン引き込まれていきますよね。ストーリーや謎解きの魅力ももちろんですが、やはりそこには人を惹き付ける“文章の魅力”があると思わざるをえません。そこで、映画化も決定した『チャイルド44』 (新潮文庫) を始め、これまで数々のミステリー小説を翻訳してきた翻訳家の田口俊樹さんに、優れた文章の書き方やミステリー小説の魅力についてお話を伺いました。ちなみに田口さんは今年もっとも面白かった海外のミステリー小説を決める「翻訳ミステリー大賞」を創設した方です。--いい文章ってなんですかね?「簡単に言えるのは、簡潔で明解であることです。自分が言わんとすることが相手にきちんと伝わる文章が美しいと思います。難解な文章の持つ美しさもありますが、分かりにくいものを伝えるというのであれば、分かりにくさをきちんと伝える明解さが必要です。良くないのは自分の考えていることがハッキリしないままに綴られた不明瞭な文章です。とはいっても、いきなり全体像や意見をハッキリさせた状態から書き始めるというのは、むしろ稀なことで、書きながら考えをコンクリートする、その過程で何かを発見する、というのが本来のプロセスですが」--翻訳するときもそのあたりを考えますか?「そうですね。ただ、翻訳に限って言えば100%を伝えようと思ったらうまくいかない。それを文章に起こせば当然込み入ったものになる。言葉選びこそ翻訳者のセンス。その積み重ねで一冊の本ができます。また、翻訳者の仕事としておもしろいのは、自分では絶対こんな文は書けないという文が結果的に書けてしまうというところにあります」--気がついたらすごいものになってた、みたいな?「もちろん原作があるからこそできることなのですが、日本語になれば自分のものという気持ちはあります。外国の作家ならではのスケールの大きさはなかなか日本人の感覚では描けなかったりするものです。そこがミステリー小説を翻訳する醍醐味です。今年から書店員が選考する『本屋大賞』に対抗するような形で、翻訳者が選ぶ『翻訳ミステリー大賞』というものを始めました。今年はスウェーデンの新人作家、スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』(早川書房)や、ドン・ウィンズロウの『犬の力』(角川文庫)など、重厚な世界観を描いた優れた作品が多かったと思います。翻訳ミステリー小説をもっとたくさんの人に読んでもらいたいですね」--ありがとうございました。田口さんの訳書はこれまで、『夢で殺した少女』 (ヴィレッジブックス) 、『マンハッタン物語』(二見書房)、『消せない炎』(理論社)、『きみの遠い故郷へ』(文藝春秋)など多数。今注目の「翻訳ミステリー大賞」の選考作と合わせてチェックしておきたいですね。(根岸達朗/プレスラボ)【関連リンク】翻訳学校 フェロー・アカデミー田口さんが講師をされている翻訳の専門学校です先輩の体験談で分かるフェロー・アカデミー実際に受講した先輩の体験談やこぼれ話が満載です読書の秋だけど……。あなたが読めなかった分厚い本は?気持ちだけが先行してしまうことはありますよね
2009年12月17日今年、デビュー20周年を迎えた漫画家・西原理恵子。彼女の手による絵本で、文芸界を始め各界の著名人の中にも多くのファンを持つ感動作「いけちゃんとぼく」(角川書店刊)がこのたび実写映画化された。少年時代への郷愁、家族、そして最愛のひとへの想いと様々な感情を描き出す本作。小説家の方々に、その魅力を語ってもらう特別連載企画の第2弾には、エッセイ『愛人の掟』シリーズ(角川文庫刊)のほか、「お水の花道」、「よい子の味方」などのドラマの脚本も手がける梅田みかさんが登場。梅田さんの目にいけちゃんや主人公のヨシオ、そして彼らを取り巻く物語はどのように映ったのだろうか?自らの子供時代を重ね合わせながら、映画について、そして“いけちゃん”という存在について、こう語ってくれた。「(映画を観て)子供の頃の懐かしい記憶が蘇ってきましたね。毎日の中に小さな冒険があって…。ヨシオのそばにいけちゃんがいるように、そのときのことを思い出してみると、一人だったはずなのに、なぜか“誰か”がそばにいて、話しかけていたような、そんな気がするんです」。その一方で、“少年”と“少女”の違いについてもこう言及する。「男の人はいつまで経っても少年っぽくて、子供が真っ直ぐそのまま大きくなったようなところがありますよね。でも女の子は、いろんな現実が押し寄せてきて、そのままではいられない、どこかで“大人”にならなくてはいけないんですね。少年が体験するものとは別の、ある種の“残酷さ”の中で生きているような…。私の娘が11歳なんですが、いま、娘を通してもう一回、子供時代を追体験しているような感覚ですよ。いろんな人間関係や感情があって『もう嫌だ、聞きたくない!』って思いつつ(笑)」。梅田さんは、TVドラマ「よい子の味方」、「あした天気になあれ。」など子供たちを描いた作品を世に送り出しているが、そこには母親たちへのメッセージが込められているという。映画もまた、原作では描かれない、ヨシオの母親・美津子(ともさかりえ)の視点から、母の複雑な感情を映し出している。「子育てって幸せで、楽しいこともたくさんあるんですが、やっぱりすごく大変。自分よりも大切な存在が出来たということへの責任、それを失うことへの不安、恐怖がのしかかってきます。映画の中のヨシオのお母さんも、夫を亡くして、がんばらなくちゃと一人で背負ってしまう。子供はかわいいし、意地もあるし…。私自身、シングルマザーなので、このお母さんの気持ちはすごくよく分かります。でもその結果、余裕がなくて子供の前で笑わなくなってしまう。でもそこで少し心を開けば、周りに助けてくれる人は必ずいるんです。映画の終盤で、美津子が空に向かって笑いかけるシーンはすごく印象的です。絶対に出口があるってことを教えてくれます」。さらに、梅田さんはこの映画が持つ“壮大なラブストーリー”としての側面について、男女の恋愛観の違いを踏まえつつ、こう語る。「男の人は、女性の最初の恋人になりたくて、女は、愛する男の最後の恋人になりたいものなんです。そういう意味で、人間だった頃のいけちゃんは、すごく短かったかもしれないけど、幸せな恋をしたんだろうな、と。愛する人の過去、自分と出会う前の姿を見たいっていうのは、多くの人が願うことですよね。そういう意味で、すごく普遍的な愛、願望を描き出していると思います。うちの娘も言うんです、『将来付き合うことになる“運命の人”と実はもうどこかで出会っているのかな?』って」。梅田みか(うめだ みか)東京にて、作家・故梅田晴夫の長女として生まれる。慶應義塾大学文学部卒業後、執筆活動に入る。現在は、エッセイ、小説、脚本など、幅広い分野で活躍中。「anan」などの人気雑誌にも数多く登場し、若い女性たちの“恋愛のカリスマ”として絶大な人気を博している。著書に、小説『書店員の恋』『年下恋愛』(マガジンハウス刊)、『別れの十二か月』『愛された娘』、エッセイ『愛人の掟』シリーズ、『思いどおりの恋をする80の方法』(いずれも角川文庫刊)、他多数。テレビドラマの脚本に「お水の花道」「よい子の味方」「あした天気になあれ。」「CAとお呼びっ!」等がある。特別連載「いけちゃんと恋愛小説家」・vol.1 小川洋子・vol.3 角田光代 coming 6/22『いけちゃんとぼく』蒼井優インタビュー 西原理恵子、角川書店、 2009「いけちゃんとぼく」製作委員会■関連作品:いけちゃんとぼく 2009年6月20日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2009「いけちゃんとぼく」製作委員会■関連記事:悩める母・ともさかりえいまでもいけちゃんが見える?「逃走癖があるので(笑)」いけちゃんと恋愛小説家 vol.1 小川洋子寂しさと共に息子の成長を見つめる母「胸が苦しくなった」 蒼井優が明かす“いけちゃん”と“ぼく”をつなぐ心の会話
2009年06月19日シンプルで力強く、思わずクスリと微笑んでしまうような画風と、強烈な笑いと優しさ、そして人生の哀しさを織り交ぜた叙情的な物語で唯一無二の世界を構築する漫画家・西原理恵子。彼女が初めて手がけた絵本「いけちゃんとぼく」がこのたび実写映画化された。これを記念し、原作絵本の大ファンである小説家の方々にその魅力を語ってもらう特別インタビュー企画を3回にわたりお届け!第1回目に登場するのは「博士の愛した数式」、「ミーナの行進」など、その美しく繊細に紡がれる物語が多くの読者を魅了する小川洋子さん。海辺の街に暮らす少年・ヨシオと、いつも彼に優しく寄り添う不思議ないきもの“いけちゃん”の交流を通して、少年が少しずつ大人へと成長していく姿が綴られる本作。小川さんにまず、映画を観ての感想を尋ねると「原作に忠実で、絵本と映画、その境界線を感じることなくすんなりと物語に入っていくことが出来ました」という答えが返ってきた。「実際に動いているいけちゃんにも、全く違和感を感じなかったです。映画ならではの魅力として感じたのは、原作では描かれていない親子の関係、特に父親が戦艦・長戸が大好きで、その魅力を息子に語って聞かせる姿は父と息子の繋がりが描かれていていいな、と思いました」。子供たちが生きる世界も決して楽しいことばかりではない。時に過酷すぎる運命が少年を襲うが、ヨシオはたくましく成長を遂げていく。子供時代の記憶、家族の絆、愛する人を思う気持ち――映画を観ると、心の奥の様々な感情を刺激されずにはいられない。小川さんの心にあふれたのは“母”としての感情だった。「私も一人息子がいまして。もしかしたらうちの息子もいけちゃんのような存在を持っていたのかもしれないな、と思いましたね。映画の中でヨシオが成長して、大学に進学するシーンがありますが、ちょうどうちの息子と同じ年の頃なんです。あの子もこうやって子供時代を終えて、大人になっていくのかな…と」。夫亡き後、女手一つでヨシオを育てる母親(ともさかりえ)は、ヨシオの成長に励まされつつも、どこか寂しさをも感じさせる。見えないはずのいけちゃんの存在を感じ、語りかけるシーンは母の内なる感情を優しく浮かび上がらせる。そんな母の心情を小川さんはこう代弁する。「案外、母親のできる役割なんて少ないんですよね。子供は、母親が見てやれない部分をいけちゃんのような存在に救われてるのかもしれない。本当は、母親にもいけちゃんが必要なんです(苦笑)。でも、大人になってしまった母親にはもういけちゃんは見えない。そんな母親の寂しさや、ある種の無力感を感じさせられました」。力強さにあふれた西原ワールドと、小川さんの作品群の中で展開される静謐な世界観。一見、対照的に見えるが、日常のある瞬間にスッと差し込まれる残酷さや生と死、喪失といった描写にはどこか共通する部分も感じられるが…。「私には、“いけちゃん”は見えなかったんですよ。やはり、どこかで女の子の方が男の子よりも現実的な世界を見て生きているのかもしれませんね。だからこそ、私は“物語”を描くときに少年を選んでしまうんですね(笑)。生きている者と死んでいる者、目に見えるものと見えないものを隔てる、ぼんやりとした境界線の上を歩いている――危うさと、どこか愛おしさを感じさせる1〜2年が少年にはあるんです。西原さんはそういう世界を描くのが、本当にうまいですよね」。そう語る小川さんの声もまた、映画の中でいけちゃんや母が感じさせるのと同じ、力強い愛にあふれていた。小川洋子1962年、岡山県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。88年、「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。2004年、「博士の愛した数式」が第55回読売文学賞、第1回本屋大賞を受賞。ほかの著書に「ミーナの行進」、「猫を抱いて象と泳ぐ」などがある。特別連載「いけちゃんと恋愛小説家」・vol.2 梅田みか coming 6/18・vol.3 角田光代 coming 6/22『いけちゃんとぼく』蒼井優インタビュー 西原理恵子、角川書店、 2009「いけちゃんとぼく」製作委員会■関連作品:いけちゃんとぼく 2009年6月20日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2009「いけちゃんとぼく」製作委員会■関連記事:「胸が苦しくなった」 蒼井優が明かす“いけちゃん”と“ぼく”をつなぐ心の会話
2009年06月11日