食物アレルギーの概念は今から約100年前、イギリス人医師が痛風や湿疹などのいくつかの症状と食物との関係性を発見したことから始まったといわれています。その関係性とは、問題となる食物を取り除くと最終的に症状が治るということでした。そして現在、食物アレルギーには、偏った食生活や不適切な食生活、ストレスなどに加え、腸内環境も密接に関係すると考えられています。今回は、その理由をお話ししたいと思います。○食物アレルギーと腸内環境の関係本来、腸の粘膜には全身の約70%の免疫細胞が配置され、病原体の体内への侵入を防ぐために常にパトロールをしています。一方で腸内環境が悪化し、腸に炎症が起きやすい状況では、免疫細胞が過敏になり、アレルギー症状が生じやすくなってしまうのです。したがって食物アレルギーの治療には、アレルギーの原因食物を避けると同時に、腸内環境の改善と腸粘膜の再生を行う必要があります。具体的には、次の4つの腸の機能を改善することが重要です。1. 消化吸収能2. 腸内細菌のバランスを保つ機能3. 腸管粘膜のバリア機能4. 腸管免疫能実際の治療では、採血によって即時型食物アレルギーや遅延型食物アレルギーの原因食物の特定を行い、その食物を一定期間除去します。また、血液検査で腸の粘膜の新陳代謝に必要な栄養素の過不足をはかり、足りない栄養素を補うことで、腸管粘膜の消化吸収能やバリア機能を再生します。ほかには便検査を行い、善玉菌や悪玉菌、日和見菌といった腸内細菌のバランスを調べます。バランスが悪い場合は、乳酸菌や発酵食材などのプロバイオティクス(善玉菌)や、オリゴ糖などのプレバイオティクス(プロバイオティクスを活性化させる物質)を補充するほか、悪玉菌のエサになるような精製された炭水化物を極力控えることも有用です。なお、便の状態を確認することも腸内環境を推測するうえで大変役に立つでしょう。このような治療を行うことで、食物アレルギーのほかに、じんましんやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患も改善する人が多く見られます。また、普段の生活でできる予防・改善法として、甘い物の摂(と)りすぎや暴飲暴食を控え、善玉菌を増やす発酵食品や食物繊維の摂取を心がけてみましょう。※画像は本文と関係ありません○著者プロフィール: 関由佳(せき・ゆか)内科医、misoドクター、Foodoctor、Medical Chef専門は内科、予防医学。研修医の頃に野菜ソムリエの資格を所得。同時期にアメリカのシアーズ博士のもとでZONEダイエットを学び、日本人に合わせた食事バランスガイドを作成。ダイエット外来や糖尿病治療にもそのメソッドを応用し独自の栄養指導を確立した後、レシピ本『ゆるゆる糖質オフダイエット』を出版。現在は薬ではなく食べもので予防するFoodoctorとして個人に合わせたオーダーメイドの栄養療法を行う傍ら、misoドクターとして味噌ファスティングの指導行うなど幅広く活動中。また2011年よりHappyAgingLabo会 を主宰し毎月さまざまなテーマでセミナー&料理教室を開催し、ブログ・Dr.Yukaのゆるゆるバランスダイエットでも情報を発信する。
2015年09月25日睡眠時無呼吸症候群を調べる方法に「睡眠ポリグラフ検査」というものがあります。日本睡眠学会は睡眠ポリグラフ検査を行うことの重要性を説く声明を発表しました。なぜ、そのような声明を発表する必要があったのでしょうか? その真相に迫ります。睡眠障害の評価方法日本睡眠学会は今年5月に「睡眠ポリグラフ検査の重要性について」という声明を発表しました。睡眠ポリグラフ検査とは、脳波や心電図、呼吸運動などを夜間の睡眠中に計測して、睡眠を評価するというもの。睡眠ポリグラフ検査を行うことで、睡眠時無呼吸症候群や睡眠行動障害、周期性四肢運動障害などの睡眠障害、睡眠中の不整脈などを調べることができると言われています。そして、もう少し簡単に睡眠を評価する方法としてOCST(out-of-center sleep testing)というものがあります。ですが、日本睡学会はOCSTでは睡眠の評価が十分にできないと述べています。それはなぜなのでしょうか?OCSTとは?日本睡眠学会によると、OCSTは脳波計測の機能がないため、睡眠を評価する装置ではなく、呼吸に伴ういくつかの指標を記録する「携帯型呼吸モニター」に過ぎないそうです。ところが、アメリカ睡眠医学会は睡眠障害国際分類(International Classification of Sleep Disorders 3rd version:IICSD-3)のなかで「睡眠時無呼吸症候群の診断にOCSTの使用を認める」と公表したと言われています。日本睡眠学会は、このIICSD-3の内容を受けて、日本の医療界が睡眠ポリグラフ検査よりも簡単に行えるOCSTを頻繁に取り入れる可能性が高まることに対して警鐘を鳴らしているというわけです。社会の安全を守ることに繋がるOCSTでは、呼吸の指標を中心に検査するため、睡眠時無呼吸症候群の病態の半分程度しか評価できないと日本睡眠学会は考えています。しかし、睡眠時無呼吸症候群を正しく評価するためには、呼吸だけでなく、脳波を計測し、覚醒反応や睡眠の質と量を調べることが欠かせないのだそう。発表された声明によると、睡眠時無呼吸症候群を正しく評価することは「社会の安全を守ること」にもつながるとされています。というのは、睡眠時無呼吸症候群の患者は深い睡眠を得られないため、日中に眠気を覚えることが多く、交通事故などを起こす確率が増えると言われているからです。検査方法は医療界だけのことではなく、私たちに深く関係した社会問題として捉えるべきかもしれませんね。photo by pixabay
2015年09月21日ぴあは9月17日、食物アレルギー対応飲食店情報を掲載したお出掛けガイド「食物アレルギーでも楽しくお出かけできる本」を発売する。食物アレルギーを持つ子どもは年々増加しており、幼児から学童の20人に1人が該当するとも言われている。加工食品ではアレルギー物質の表示が義務付けられているため、家庭での日常的な対策は比較的容易な状況になっている。しかし外出時は、遊びに行った先のどこで食事をすれば安全か、レストランでの食事にアレルギー物質が含まれていないかなど入念な下調べが必要で、食物アレルギーの人やその家族にとっては大きなストレスになっている。同書ではそのような悩みを抱える人たちが安心して外出できるよう、役に立つ情報を一冊にまとめた。同書では、東京ディズニーリゾートはじめ、全国50カ所程度のレジャースポットの飲食施設における食物アレルギー対応情報(メニュー、サービスなど)を掲載。各パークのアトラクション紹介などもあわせて紹介している。また、ファミリーレストラン、ファストフードなど、主要な外食チェーンのアレルギー対応情報とメニューを掲載。掲載店はデニーズ、COCO’S、ロイヤルホスト、ガスト、バーミヤン、ステーキハウスブロンコビリー、ビッグボーイ、フォルクス、ステーキのどん、ステーキ宮、すぎのや本陣、CoCo壱番屋、不二家レストランなど。そのほか、食物アレルギー対応の旅行ツアーも紹介。飛行機でのアレルギー対応の情報(日本航空の事例)、個人旅行の際の注意点などを掲載した。ニッポンハムグループ、辻安全食品の食物アレルギー対応食品の取り組み事例や、おすすめのウェブサイト、レシピ本など、食物アレルギーに役立つ生活情報も紹介している。あいち小児保健医療総合センター 副センター長が監修した、全国各地域で食物アレルギーの診療が受けられる病院・医院のリストも掲載。アレルギー専門医(小児科)の先生を中心として、病院・診療所を含め、「経口負荷試験を受けられる」ことを目安に、全国から約400施設をピックアップした。なお、同社では書内で紹介する「低アレルゲンメニュー」などの一切の情報は、「アレルギー症状を発生しないことを保証するものではない」としている。微量のアレルゲンでアナフィラキシーを発症するなど重篤な症状の人、およびその家族は、利用について自身による最終的な判断をお願いする、とのこと。A4判・116ページで、価格は税別1,200円。
2015年09月14日食物アレルギーになるのが心配だから、離乳食の開始を遅くして卵や牛乳は避けている。そんな方も多いかもしれません。でも、ちょっと待ってください。なんと最近、特定の食物の摂取を遅くしたり避けたりするほうが、食物アレルギーになりやすい可能性があることがわかってきました。さまざまな情報が飛び交っているからこそ、きちんと知りたい食物アレルギーのこと。予防の常識が大きく変わりつつある今、最新の研究で明らかになった意外な予防法についてご紹介します。食物アレルギーのある乳幼児の割合は5~10%「食物アレルギー」とは、食物を食べたり、触ったり、吸い込んだりした時に、免疫システムがはたらいて起こる有害な反応のこと。症状は、かゆみや発疹などが最も多く、中には呼吸困難、意識障害などの重い症状に苦しんでいる方もいます。日本では、乳幼児の5~10%に食物アレルギーがあるものの、年齢とともに減り、小学生以上では1.5~3%と推測されています。特に、卵、乳製品、小麦については、80~90%が就学前には自然に治っているというデータもあります。「念のため食べさせない」は食物アレルギーの予防にならない?これまで食物アレルギーの予防には、1.離乳食の開始を遅らせる2.アレルギーが心配な卵、乳製品、小麦などは、念のため避ける3.妊娠中や授乳中は、アレルギーが心配な食べ物は念のため避けるこの3つが有効と考えられてきました。しかし、それらの情報の信ぴょう性が、ここに来て大きく変わってきているようです。まず「1.離乳食の開始を遅らせる」ですが、離乳食の開始が遅めになっているのに、アレルギー患者が増えていることから、国立成育医療センターの大矢幸弘アレルギー科医長は、「食べ始めを遅らせても、アレルギーの予防にはならない」と見ています。(注1)また、「2.アレルギーが心配な卵、乳製品、小麦などは、念のため避ける」についても、気になる調査結果があります。今年(編集部注:2015年)、英国で行われた、子ども640人を対象にした調査では、乳幼児期からピーナツを食べ始めた子のほうが、5歳までピーナツを控えていた子より、ピーナツアレルギーになりにくいとの研究結果が発表されました。このことから、「食物アレルギーの頻度が高い食物も、除去するより早めに食べるほうがよい」可能性が高いという認識が広がりつつあるようです。それに伴い、現在世界中で、アレルゲンになりやすい卵、牛乳、小麦に関しても、早く食べるほうがいいのかどうかという研究が進行中です。ちなみに日本では、環境省が2010年度から行っている10万人規模の追跡調査において、生後6ヵ月以前に米を食べさせ始めた人が79%いるのに対し、牛乳は9%、鶏卵は10%に過ぎず、生後9ヵ月でも鶏卵は46%、牛乳は53%が与えていないという結果が出ています。(注2) この割合も、今後は変わる可能性があるかもしれませんね。なお、「3.妊娠中や授乳中は、アレルギーが心配な食べ物は念のため避ける」については、妊娠中や授乳中にママが食事制限をしたからといって、食物アレルギーの予防になるという科学的な根拠はありません。特定の食品を避けずに、ママは必要な食事をしっかり摂って、赤ちゃんに栄養を届けましょう。スキンケアで食物アレルギーが予防できる? 新しいアレルギーの予防法このように、食物アレルギーに関して、次々と新しいことがわかってきていますが、確実な予防法はまだ見つかっていないのが現状です。しかし、最近の研究では、「スキンケアをすることでアレルギーが予防できる可能性が高い」と考えられています。大矢医師(前出の国立成育医療センター・アレルギー科医長)は、「食物の成分は、ほこりにまじる形で比較的多くあり、皮膚の状態が悪いほど体内に入りやすいと考えられる」(注1)と話します。少し噛み砕いて解説すると、以下のようなことです。・食物の抗原(アレルゲン)は、空気中のほこりにも含まれていると考えられています・肌が炎症などを起こしてバリア機能が低下していると、バリアの弱まった皮膚の隙間からほこりに混じったアレルゲンが侵入します・アレルゲンの侵入によって、体内では免疫システムが反応して抗体を作り始め、アレルギーの原因物質に反応する準備ができている状態になります・この時点でアレルゲンとなる食物を摂取してしまうと、食物アレルギーになりやすくなります現在、このような仮説が有力なようです。ですが、皮膚から抗原が侵入しても、アレルギー反応を起こす準備が完全に整う前にその食べ物を食べれば、身体の中に受け入れようとする免疫が強くはたらくため、アレルギーにはなりにくいと考えられています。けれども、これまでのようにアレルギー予防のために特定の食品の摂取を避けたり遅らせたりすると、逆にアレルギー反応を起こす準備が整ってしまうため、食物アレルギーを起こしやすくなるというわけです。したがって現在、食物アレルギーを研究する医師の間では、「すでにアレルギー反応が出ている場合以外は、特定の食物を除去しないほうがよい」と考えられるようになっているそうです。つまり、最新の食物アレルギー予防策としては、・赤ちゃんの肌を清潔にし、保湿をして肌のバリア機能を高め、皮膚の保護機能を低下させないように気をつけること・離乳食は開始を遅らせず、特定の食品を避けずに進めること以上2点が大切といわれています。なお、アレルギー予防の常識は日々変わっている真っ最中。国立成育医療センターの成田雅美医師によれば、「私たちアレルギーの世界では主流となる考え方であっても、小児科医や産婦人科医、助産師や保育士など、現場に情報がいきわたっていないのが現状」(注3)とのこと。そのため、病院や保育園などで行われる指導と、ここに書かれていることは異なる可能性もあります。その場合、医師や保育士、栄養士などと相談しながら、現状で最善と思われる対応をとっていってください。(注1)東京新聞 2015年7月10日(注2)環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」の中間集計から(注3)「ちいさい・おおきい・つよい・よわい no.99 園で、学校で、給食で…食物アレルギーからいのちだけは守る」(株)ジャパンマシニスト社参考:食物アレルギーの専門家が最新情報を発信【アレルギーラボ】
2015年09月11日米国小児科学会(AAP)の公式査読ジャーナルである「PEDIATRICS」のオンライン版にこのほど、「早期のピーナツ摂取は、ピーナツアレルギーリスクから子どもを守る」という合意声明が掲載された。複数の専門家によるこの声明は、今年の「New England Journal of Medicine」に掲載された、イギリスの King’s College Londonの小児アレルギー部門に属するGideon Lack氏が小児とピーナツアレルギーについてまとめた論文に関するもの。ピーナツアレルギーを含むアレルギーは世界中で増え続けており、Lack氏は「ピーナツアレルギーの発症リスクが高い子どもに早期のうちにピーナツ(製品)を食べさせることは、ピーナツアレルギー保護の観点からよい」としている。同氏は、ピーナツアレルギーの発症リスクが高い生後4~11カ月の乳児640人で研究を実施。640人の乳児を、ピーナツを6g以上含む食品を週3回以上摂取する群(摂取群)と5歳までピーナツ製品を摂取しない群(非摂取群)に分けた。ピーナツ含有製品には、ピーナツバターやピーナツスープなどを使用した。研究の結果、5歳時点における摂取群のピーナツアレルギーの有病率は約3%だったが、非摂取群では17%を上回っていた。摂取群の有病率が非摂取群の約6分の1だったことを受け、同氏は「これはピーナツアレルギーのリスクを80%以上も低減させている」と話している。また、ピーナツアレルギーのリスクがある小児には生後4カ月時に皮膚テストを行い、問題がないようならば、5歳になるまでにピーナツ製品を定期的に与えるべきと推奨している。ただ、論文の共著者であるRebecca Gruchalla氏は、「ピーナツリスクが高い乳児にピーナツ製品を与えるのは、小児科医とアレルギーの専門家との相談が必要だ」と注意している。
2015年09月04日2015年7月に米国カリフォルニア州San Franciscoで開催された米国真空学会(American Vacuum Society:AVS)北カリフォルニア支部(Northern California Chapter)のCMP利用者グループ会合(CMP Users Group Meeting)において、450mm大口径化推進国際コンソーシアムGlobal 450mm Consortium(G450C)の450mmファブ・オペレーション・ディレクターであるChristopher Borst氏(図1:ニューヨーク州立大学準副学長(Associate VP)・準教授(Associate professor)を兼務)が450mm CMP装置・プロセス評価に関して口頭で報告したが、その詳細資料が8月中旬に公開された。G450Cは、去る7月にSan Franciscoで開催された半導体製造装置・材料展示会SEMICON WESTで、450mm化検討プログラムの最新進捗を総括的に報告したが、個々のプロセスに関してはリソグラフィを除き、詳細な情報開示はなかった(別途450mm関連記事参照)。CMPについては、AVS学会内にCMP関係者(デバイス・装置・材料メーカーや大学・研究機関のCMP技術開発従事者が一堂に会するCMPユーザーズ・グループが結成され、定期的にミーティングを重ねているので、G450Cは今回この場を利用して、450mm CMPに関する情報を開示し関係者の理解と協力を求めたようだ。過去には、Electrochemical Society(ECS:米国電気化学会)主催の半導体洗浄技術国際会議で450mm洗浄装置評価結果の詳細を発表している。○2台の450mm CMP装置の初期評価結果は良好G450Cによれば、同コンソーシアムの450mmクリーンルーム(ニューヨーク州Albany)には、最終的に2台のCMP装置(著者注:メーカー名は非公開だが、1台は荏原製作所製と思われる)が搬入されることになっており(図2)、それぞれの装置について、シリコン酸化膜、STI(素子分離のためのShallow Trench Isolation)、Cu配線、W配線の4種類のCMPプロセス評価を行うことになっている。その内の1台は、2015年6月に搬入・立ち上げが完了し、7月現在、最初の評価項目である酸化膜CMPのプロセス評価中である。その後STIおよびCuプロセス評価を行う予定である。2台目の装置は2015年第4四半期(10-12月)に納入される予定になっており、現在は、まだ装置メーカーのクリーンルームに設置されており、Cuプロセスのデモに使われている。W配線CMP評価は、2台の装置ともに2016年第2四半期(3~5月)にG450Cの450mmクリーンルーム内で始めることになるという。2台の450mm CMP装置(装置番号「GTC01」および「GTC02」)それぞれについて酸化膜CMPおよびCu CMPプロセスにおける被膜除去レートおよびウェハ面内付不均一性(With-In Wafer Non-Uniformity:WIWNU)のデータを図3、図4示す。いずれもそれぞれのサプライヤ(装置メーカー)のクリーンルーム内で取得された初期データであり、G450Cのクリーンルームに納入前のデータである。納入後、G450Cとして独自に同じ評価を実施することになっている。酸化膜CMPのWIWNUは、4%(3σの値、外周除外領域は2mm)前後、Cu配線CMPのWIWNUは6%前後の値が得られている。「初期データとしては、素晴らしい結果で、450mmCMP装置に本質的な問題はないと判断している」(Borst氏)としている。○世界初のCu/low-kダマシン構造パターン形成ウェハを作製図5に示すCu/low-kダマシンCMPプロセスを用いて、450mmウェハ上にBEOL配線構造(第1Cu配線層)を形成し、SEMICON WEST 2015の会場で、「世界初の450mm BEOL Cuダマシン構造パターン形成ウェハ」を展示した。ここで用いたBEOLプロセスは、次のような構成になっている(図5参照)。ILD積層およびパターニング:シリコン基板上にlow-k層間絶縁膜(Inter-Layer Dielectlic film:ILD)を積層堆積し、その上にハードマスクの役割を果たすTiN膜、 OPL(Organic Planarization Layer:有機平たん化膜)、SiARC(Silicon-containing Anti-Reflective Coating:シリコン含有反射防止膜)を順に堆積し、さらにその上にフォトレジスト膜をスピンコートする。MHMオープン:フォトレジストをパターニングして、それをマスクにしてTiN膜をエッチングしてパターン形成し、メタル・ハードマスク(MHM)を作製する。トレンチ・エッチング:パターン形成したMHMを用いてILD膜をエッチングしてトレンチを形成する。リニアおよびCu電気めっき:トレンチ内壁に薄いリニア膜を堆積してから、電気めっきでトレンチにCuを埋め込む。CMP:余剰のCuをCMP(化学機械研磨)で研磨して除去し、ウェハ表面を平たん化してCu/low-kダマシン構造を完成させる。完成した450mm BEOLウェハを7月のSEMICON WESTで展示するため、大慌てで間に合わせたと見えて、図5中の一部の断面TEM(透過型電子顕微鏡)写真が間に合っておらず、空欄のままになっている。CMPはサプライヤ・サイトに設置されているGCT01装置を用い, パターニングはニコン熊谷製作所の液浸ArF露光装置でおこなった。AlbanyのG450Cクリーンルームに設置された450mmプロセス装置とサプライヤ・サイトに設置された装置間を行き来しつつ、完成させたという。最近、450mmウェハの周辺除外領域(品質を保証しない領域)は、従来の2mm(外周から内側に向かって2mmのドーナツ状の領域)から1.5mmに変更され、ウェハ表面の有効面積を拡大することがSEMIスタンダードとして採用させることになった(450mm記事参照)。このため、CMPのウェハ面内均一性もこの範囲で保証しなければならなくなったので、今後のG450Cでのプロセス評価は、この点を考慮して行われることになっている。
2015年08月21日一般社団法人 日本時計学会は9月11日に、東京都・文京区の中央大学後楽園キャンパスにて、2015年度マイクロメカトロニクス学術講演会を開催する。多彩な学術講演と時計セッションが設けられ、一般でも聴講可能。費用(予稿集の代金を含む)は一般が4,000円、学生が1,000円。日本時計学会は時計産業界と大学が主体となり、 時計および時計応用技術の調査研究活動を行っている。2015年の学術講演では、研究成果の発表に加えて、2つの特別講演を実施。ひとつは、山崎光男氏(ノルディックセミコンダクター社)による「コネクテッドウオッチが切り拓く身近なIoT」。もうひとつは、国際的な独立時計師団体「独立時計師アカデミー」(AHCI)に、日本人として初めて正会員に認定された菊野昌宏氏による「独立時計師が考える機械式時計の価値と未来」。プログラムや講演者(敬称略)は以下の通り。詳細は日本時計学会のWebサイトで確認いただきたい。○第1セッション(9:00~10:20)1.)9:00- 9:20掃除ロボットを応用した見守りシステムのやりとり機能東京高専 ○多羅尾進,丸川拡,林丈晴2.)9:20- 9:40定荷重ばねの引き出し力特性に関する解析○吉村 靖夫,土屋 栄夫3.)9:40-10:00血圧脈派計測のためのバンド型無線計測デバイス中央大学 ○土肥 徹次,五嶋 亮祐4.)10:00-10:20放熱性を考慮した CFRP 製筐体の試作東京高専 ○第2セッション(10:35~11:55)5.)10:35-10:55高温圧電材料の機械的強度の検証シチズンホールディングス ○木下 嘉将6.)10:55-11:15衛星電波時計の針位置検出システムシチズン時計 ○加藤明,今村和也,和泉輝7.)11:15-11:35時計用 Bluetooth プロファイルカシオ計算機 ○道蔦 聡実8.)11:35-11:55低周波振動切削技術「LFV」の開発シチズンホールディングス ○第3セッション(13:05~14:25)9.)13:05-13:25GPSソーラーウオッチにおける小型化・薄型化技術の開発セイコーエプソン ○三谷 敏寛,田村 修一,馬場 教充10.)13:25-13:45近距離無線通信機能(NFC)搭載ランニングウオッチの開発セイコーインスツル ○土屋 忠士,野邉 哲也11.)13:45-14:05腕による活動量計測アコーズ ○原 稔12.)14:05-14:25アクティブマトリックスEPDを活用した新しいコンセプトのウエアラブル商品の開発セイコーエプソン ○時計製品紹介セッションA-1. 14:40-15:00 セイコーウオッチ(株) 小野由美A-2. 15:00-15:20 シチズン時計(株) 北川正人A-3. 15:20-15:40 カシオ計算機(株) 牛山和人A-4. 15:40-16:00 セイコークロック(株) 山口英樹○特別講演(1)16:15-17:00「コネクテッドウオッチが切り拓く身近なIoT」講師:ノルディック・セミコンダクター社 カントリー・マネジャー 山崎光男○特別講演(2)17:15-18:00「独立時計師が考える機械式時計の価値と未来」講師:独立時計師 菊野昌宏
2015年08月20日日本に留学経験があり、日本語や日本事情に精通したユンさん。36歳の若さで、韓国の国立大学建築学部の教授に就任したエリートで、現在は、韓国の建築学会のために日々奮闘しています。ユーモアたっぷりに、ご自身のキャリアについて語っていただきました。■これまでのキャリアの経緯を教えてください建築分野に進んだ理由は、私が学生だった当時、韓国では国家プロジェクトとして建築学が重要視されていたことがあります。また、幼いころから美術を習っていて、漠然と建築物に興味を持つようになりました。大学卒業後、ソウルの漢陽大学建築学部にて修士課程修了後、1995年より日本の国立T工業大学に留学し、工学博士号を取得しました。当時の研究テーマは、環境共生型の都市を実現するため、「息をする壁体」という建築素材の研究と開発に取り組んでいました。博士号取得後、そのまま同大学の研究室にてリサーチアソシエーターとして勤務。勤務中に、図らずも研究室の日本人の後輩に一目ぼれをし、縁あって国際結婚をしました。結婚後、日本建築研究所で研究員として3年間勤務の後、2005年に韓国の国立大学の建築学部の助教授に就任することになり、10年ぶりに韓国に帰国しました。以来、韓国の建築学会のために日々全力を尽くしています。■現在のお給料について教えてください国家機密…というのは冗談ですが、満足しています(笑)。韓国に来る前も日本でそれなりに貰っていたのですが、当時は円安だったので、退職して韓国に帰国する際には相当損をしてしまいました。■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?やはり、自分の研究が必要とされ、その成果が認められた時が一番うれしいですね。また、自分の教え子達が卒業後に活躍している姿を目にしたり、たまに研究室に訪ねてきてくれるのも楽しみです。■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?仕事自体に不満はありませんが、韓国では仕事絡みで飲み会をすることが多く、お酒があまり飲めない私は、飲み会はいつも大変です。■日本人のイメージは? あるいは理解しがたいところなどありますか?私が日本に留学する直前の1995年3月、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きました。当時の私は「日本とは一体どういう国なんだろう?」と衝撃と不安を抱えたまま日本に渡りました。しかし、いざ大学の研究室に入ってみたら、今まで出会ったこともないような実に個性豊かな面白い仲間たちに出会え、すぐに打ち解けることが出来ました。例えば、私が暮らししていたアパートは1階の部屋だったのですが、夏に窓を開け放して寝ていたら、夜中に仲間たちがこっそりやってきて、部屋にロケット花火を打ち込まれたり(良い子の皆さんは危ないので、絶対に真似しないでくださいね・笑)、今は立場上、公言出来ない事も多いですが、とにかく楽しい思い出がたくさんあります。また、日本はオタクの地位が高いのも自由で良いな、という印象です。オタクっぽい趣味や行動も評価され、一定の地位を得ている。研究室には個性の強い人も多数いましたが、皆それぞれが自分の研究分野に精を出し、認められていたと思います。■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?日韓関係のニュースは、あまり見ないようにしています。日本のスポーツ中継や報道番組、お笑い番組は面白いので、今でもYouTubeなどでチェックして楽しんで見ています。すこし古いですが、私が日本に留学していた頃は、久米宏さんのニュースステーションに衝撃を受けました。韓国にはあのような報道番組はありませんでしたから、「ニュースって、こんなに面白く放送できるものなんだ!」と非常に斬新でした。また、今は日本で活躍している韓国の野球選手の試合はいつも必ずチェックしていますね。特にソフトバンクの李大浩の活躍が気になりますね…って、すみません、全然最近のニュースではないですね。■ちなみに、今日のお昼ごはんは?今日は、出張先の大学でハンバーグ定食を食べました。普段は自分の大学の近くで同僚ととることが多いです。学生街ということもあって、食べるところには困りません。ランチの後は、必ずカフェでカプチーノを一杯飲むのが私の楽しみです。■休日の過ごし方を教えてください比較的、時間の自由の効く職業ではありますが、忙しい時は、土日や時間帯関係なく、韓国各地で会議などの重要な仕事が入ります。しかし、どんなに忙しくても1カ月に一回は、週末に時間をとって家族と過ごすようにしています。どうしても時間が取れない時は、出張先に家族を連れていくこともあります。体を動かすのが好きなので、ジムに通ったり、自然の中でキャンプをして過ごしたり、映画を見に行ったりもしますね。アウトドアは学生時代から好きで、日本でもテント一式を買ってキャンプに行っていました。日本には施設の整った良いキャンプ場がいっぱいあっていいですね。最近では韓国もアトドアブームで、いろんなキャンプ場が整備されてきたので、楽しみです。■将来の仕事や生活の展望は?日本の大学との共同研究を増やして、妻のためにも韓国と日本を行き来できる生活をしたいです。
2015年08月05日東京大学(東大)は7月10日、食物アレルギーを発症させたマウスを用いて、アレルギー反応の原因となる「マスト細胞」が細胞膜の脂質から産生する「プロスタグランジンD2(PGD2)」と呼ばれる生理活性物質に、マスト細胞自身の数の増加を抑える働きがあることを発見したと発表した。同成果は、同大 大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻の中村達朗 特任助教、同 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻の前田真吾 特任助教(研究当時:応用動物科学専攻)、同 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 博士課程2年の前原都有子氏、同大 大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻の村田幸久 准教授らによるもの。詳細は「NatureCommunications」に掲載された。食物アレルギーの患者数は全国で約120万人と言われているが、年々増加傾向にある。これまでの研究から、腸におけるマスト細胞の増加が、食物アレルギーの発症や進行に関与することが示唆されていたが、どのようにしてマスト細胞が増加するのか、そのメカニズムはよくわかっていなかった。そこで研究グループは、マウスに食物アレルギーを発症させ、その際の症状の悪化推移とマスト細胞の数の変化を調査。その結果、マスト細胞が造血器型のPGD2合成酵素(H-PGDS)を発現すること、H-PGDSを欠損させたマウスでは、マスト細胞の数が増加していることを確認。これにより、PGD2が、マスト細胞の増加を抑え、症状の悪化を防ぐ役割であることが示されたという。また、PGD2が産生できないマスト細胞などでは、血球細胞を強力に遊走させる生理活性物質「Stromal Derived Factor-1α(SDF-1α)」ならびに、細胞と細胞の隙間を埋めるコラーゲンなどを分解する酵素の1つで、炎症性生理活性物質を活性化する役割も持っている「Matrix metaroprotease-9(MMP-9)」の発現や活性が上昇していることが判明したほか、SDF-1αの受容体阻害剤や遺伝子欠損、MMP-9の活性阻害剤は、食物抗原に応答した消化管のマスト細胞増加と食物アレルギー症状を改善することが判明したとする。なお、今回の成果について研究グループは、SDF-1αやMMP-9といったマスト細胞の浸潤を促進する分子の発現を抑えることから、PGD2を標的とした食物アレルギーの根本治療への応用が期待されると説明しており、今後は、PGD2がどのようにマスト細胞の細胞内へ情報を伝達し、その浸潤を抑制するのか、その機序のさらなる解析を進めていく予定としている。
2015年07月13日情報処理学会は6月15日、2015年度認定技術者(CITP:Certified IT Professional)個人認証の申請日程を発表した。CITPは経済産業省の「ITスキル標準」が定義する情報技術者の7段階レベルに基づき、レベル4以上の上級技術者を対象としたもの。システムの設計・開発や、信頼性・生産性の高い運用の総括を行い、高信頼システムの実現や生産性の向上を担うソリューション系人材に焦点を当てている。申請日程は、下記のとおり。申請書配布期間:2015年6月15日~2015年7月13日申請受付期間:2015年6月22日~2015年7月13日面接実施日:2015年10月17日合格通知:2015年11月2日(予定)料金は、申請時の審査料が2万円、合格時の登録料が1万円(いずれも税抜)となっている。
2015年06月15日人間の中には、猫アレルギーの方がいます。逆に、猫は人間アレルギーになるのでしょうか? ここで言う「人間アレルギー」とは、「人間は嫌いだにゃ! 」と言う比ゆ表現としてのものではなく、人間が原因でクシャミや皮膚が痒くなってしまうアレルギーのことです。結論を先に言うと、人間アレルギーの猫は、います。猫アレルギーの犬もいますし、犬アレルギーの人間もいることを考えると、猫が人間に対してアレルギーを持っていてもおかしくないことが想像できるでしょう。○アレルギーとはアレルギーとは、本来無害なものに対して過敏に免疫が反応してしまうことで、アレルギーを引き起こす原因をアレルゲンと呼びます。アレルゲンにはハウスダスト、花粉、動物の鱗屑(フケ)、カビ、食事、薬などがあります。猫アレルギーの場合は、猫の唾液や皮脂腺から分泌されるタンパク質が原因で、鼻水や痒みが引き起こされます。人間にとって猫がアレルゲンになることがあるのと同様に、人間も動物なので、猫にとって人間がアレルゲンになることもあります。人間アレルギーの場合、皮膚からおちた鱗屑(フケ)が原因になります。○猫のアレルギー疾患猫に多いアレルギーの原因は、牛肉や小麦、乳製品などの食べ物、ノミ、そしてその他としてダニや花粉、カビなどが挙げられます。(1)食物アレルギー、(2)ノミアレルギー、そして(3)どちらにも当てはまらない非ノミ非食物アレルギーという3つに分けられます。診断のためには、除去試験といってアレルゲンになっているものと接触させないようにしなければいけません。食事を変更する、ノミ予防を徹底することで症状が改善するのを待ちます。猫も人間のように血液検査で抗体を測定することもできますが、残念ながら猫では信頼性が低く、確定診断にいたらないことが多々あります。その他に皮内試験という、少量のアレルゲンを実際に皮膚に注射する検査をすることもできます。アレルギー疾患の症状は、皮膚症状と消化器症状に分かれます。皮膚症状では痒み、脱毛、皮膚が赤くなる発赤、ぼつぼつができる粟粒性皮膚炎が、消化器症状では下痢、嘔吐、体重減少などが起こります。特に皮膚症状は、時に強い痒みを起こし生活の質を著しく低下させます。治療の基本はアレルゲンを取り除くことです。しかし、ハウスダストなど完全に取り除くことが難しい場合は、薬で痒みを抑える方法か少量のアレルゲンを注射し、体を慣れさせる減感作療法をとります。○まとめがん、糖尿病、認知症など、人間がかかる病気は、殆どの場合猫もかかります。どんなものでもアレルゲンになる可能性はあるので、猫が人間アレルギーになることはなんら不思議ではないことがわかるでしょう。ただし、猫アレルギーの人間に比べると、人間アレルギーの猫は非常に稀です。もし愛猫があなたと触れ合った後にクシャミをして逃げていっても、まずは他の原因を考えましょう。もしかしたら、ただ何か不満があるだけかもしれません。■著者プロフィール山本宗伸獣医師。Syu Syu CAT Clinicで副院長を務め、現在マンハッタン猫専門病院で研修中。2016年春、猫の病院 Tokyo Cat Specialistsを開院予定。猫に関する謎を掘り下げるブログnekopediaも時々更新。
2015年05月15日ほとんどの人にとって研究者の世界というのは未知の世界に思われます。でも、研究者の方々が新たな治療法を発見してくれて、その恩恵を私たちが受けていると考えると、じつは身近な存在なのかもしれませんね。日本睡眠歯科学会とは?日本には、さまざまな分野を研究する学会が存在します。睡眠に関する学会も多数あるなかで、今回ご紹介するのは「口の中」との関係から睡眠を研究する学会です。その名も「日本睡眠歯科学会」。睡眠と歯科ってどのような関係があるの? 虫歯が痛くて眠れない人を助ける学会? などと、すぐにはどのような団体なのかイメージできませんよね。ホームページを見てみたところ、睡眠呼吸障害を治療するための口腔内手術の研究をする団体のようです。これだけでもまだわかりにくいのでさらに見ていきたいと思います。睡眠専門医との協力日本睡眠歯科学会は、睡眠専門医や睡眠センターと協力し、睡眠呼吸障害の治療と研究を進めているそうです。その理由は、不眠の原因に歯並びやアゴが大きく関係しているからだとか。つまり、口腔の専門家である歯科医師が歯並びやアゴの問題に取り組み、治療法を確立することで、睡眠障害も解消できる可能性がある、ということですね。「睡眠歯科」という分野についてさらに調べてみたところ、睡眠時無呼吸症候群はもとより、いびきや歯ぎしり、口腔乾燥症、気道ケアなど、睡眠医学で歯科に特化した分野の治療・研究が行われているそうです。「いびき」にも3種類あるちなみに、ひと言で「いびき」と言っても、3つのタイプがあると考えられているそうです。それは、(1)単純いびき症(普通のいびき)、(2)上気道抵抗症候群、(3)睡眠時無呼吸症候群で、この順番で深刻度合いが増していくと言われています。このようなことも「睡眠歯科」の分野では、見分け方や治療法などを日々、研究し、治療に役立ているというわけですね。今後は、日本睡眠歯科学会から新たな治療法が生まれ、歯並びやアゴの問題によって睡眠に悩みを抱える人たちが救われることを期待したいですね!Photo by andrea
2015年05月11日リンクアンドコミュニケーションはこのほど、国立研究開発法人国立成育医療研究センターとの共同研究の一環として、食物アレルギーの最新情報を提供するWEBサイト「アレルギーラボ」を開設した。同サイトは、食物アレルギーに関する正しく新しい情報を、最前線の医療機関の協力のもとに発信していくことを目的にオープンした。食物アレルギーの人や、食物アレルギーの子どもをもつ家族を対象に、疾患治療やQOL(quality of life=生活の質)向上に役立つ情報を提供する。サイトでは、食物アレルギーに関する情報を、最新の診療ガイドラインやエビデンス(科学的根拠)に沿って解説する。最新の正しい情報を提供するため、出典と情報掲載日、監修者も明らかにしている。動画のコンテンツも取り入れ、スキンケアの方法を学べる動画などを公開する。また、食物除去をしながらも栄養バランスを考慮した食事の献立・レシピも掲載。安心して楽しく食べられる栄養バランスに優れた献立を紹介している。その他、食物アレルギー対応商品や、対応外食店、食物経口負荷試験が受けられる医療機関、患者セミナーなどの情報も掲載する。情報を公開するだけではなく、体験談などの投稿も受け付ける。食物アレルギーに関する"パパ・ママ体験談"や"ヒヤリハット体験談"、"これ食べられるんだ!"などを共有することができる。同社は同サイトを通じて、市販の食品・外食における食物アレルギーの情報を、医療機関や学校、企業がオープンに利用できる情報プラットフォームの構築を目指していくという。
2015年04月08日NHKは、4月5日21:00~21:49にNHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」を放送する。同番組では、「アレルギーを根本的に治す治療の鍵」として注目を集めている免疫細胞「Tレグ(制御性T細胞)」に着目。「Tレグ」のメカニズム解明によってアレルギー根治の可能性を探る。1960年代以降から患者数が増加し、予防も根本的な治療も不可能だと言われてきたアレルギー。国民病の花粉症や、重度の場合は死に至る危険性のある食物アレルギー、アトピー性皮膚炎や鼻炎、ぜんそくなど、先進国では今や3人に1人が何らかのアレルギーに苦しんでいるとも言われている。ところが、日本の研究者が発見した「Tレグ」と呼ばれる免疫細胞が、「アレルギーを根本的に治す治療の鍵」として注目を集め、アレルギーの予防・治療が大きく変わりはじめている。免疫の過剰な攻撃を押さえ込む役割を持つ「Tレグ」をコントロールすれば、免疫力を下げることなく、アレルギーを抑え込めることが明らかになったのだ。2014年10月から始まった花粉症の舌下免疫療法では、効果の差に「Tレグ」が関わっていることが分かっている。また、農水省が2020年に販売を目指している、花粉成分を含む遺伝子組み換え米「花粉症緩和米」を食べることで、「Tレグ」を増やし花粉症を根治させる試験も始まった。番組では、自身や家族がアレルギーに悩む当事者が出演。悩みや願いなどについて話しつつ、最新のアレルギー研究・予防や治療を見て、率直な感想や意見を交わしたり、専門家に対し疑問をぶつけていくアレルギー座談会も行われる。また、ピーナツオイル入りスキンクリームを使った赤ちゃんが、次々とピーナツアレルギーを発症したロンドンでの事件をレポート。「皮膚からアレルゲンが入ると、アレルギーが発症」というロンドン大学の研究と併せて、意外なアレルギー発症の原因が判明したことも紹介する。出演者は、MCに、マンゴーアレルギーの加藤浩次さんと、花粉症の鈴木奈穂子アナウンサー。ゲストに、娘が卵・ゴマアレルギーの松嶋尚美さん。専門家として、Tレグ発見者の大阪大学教授 坂口志文さん、国立成育医療研究センターからアレルギーの予防や治療が専門の大矢幸弘さんを迎える。NHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」は4月5日21:00~21:49に総合テレビにて放送する。
2015年04月03日花粉症シーズンまっただ中。花粉症は体質だからとあきらめがちですが、アレルギーが起きる原因や予防の最新情報はぜひ知っておきたいですよね。4月5日21時から放送されるNHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」では、最新の花粉症のメカニズムが紹介されます。花粉症をはじめアレルギーに悩まされている人は必見です。実はアレルギーの予防や治療法の発見には、研究の最前線でも苦戦を強いられてきたのだそう。その難しい発見に挑戦し、最近注目されているのが、日本人研究者が発見した「Tレグ」と呼ばれる免疫細胞。体内の「Tレグ」がアレルギーを抑え込むことがわかってきたそうなのです。けれども、現代日本のような衛生的で細菌の少ない環境では、「Tレグ」が増えないということも判明。最近ではアレルギーが急増していますが、その理由と、治療の鍵として研究が進む「Tレグ」について、ぜひ詳しい解説を聞いてみたいですね。また、命の危険の可能性もある食物アレルギーについても、これまでの常識を覆すような結果が発表されます。これまで子どものアレルギーを予防するために、妊娠期の女性や幼児はアレルゲンとなる食品を避けることが常識とされてきました。しかし、これを覆す実験の結果が発表されるのです。一方、皮膚からのアレルゲン侵入に関しては、アレルギーを抑え込む免疫細胞「Tレグ」ではなく、逆に攻撃する免疫細胞が作られ、アレルギー発症の大きな原因になることがわかっているというから、ややこしいですね。花粉症も、皮膚や気道の粘膜からの侵入が原因になっているそうです。番組では分かりやすく説明されているので、要チェックです。最新情報ということで、耳慣れない「Tレグ」といった免疫細胞の名前などが出てきますが、スタジオゲストとして、自身や子どもがアレルギー持ちという、加藤浩次さんと松嶋尚美さんが登場するので、アレルギーに苦しむ視聴者と同じ目線で番組を進めてくれそうです。専門家を交えたアレルギー座談会では、当事者だからこその率直な悩みや疑問をぶつけられ、これまで病院に行っても、なかなか聞くことができなかった悩みが解決できるかもしれません。アレルギーは治らないからとあきらめるのではなく、こういった番組で最新情報を入手して、少しでも快適な毎日が過ごせるようにしたいものです。アレルギーに悩んでいる人はもちろん、身近にアレルギーに苦しんでいる人がいるなら、ぜひチェックしたい番組です。・NHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」放送日時:2015年4月5日(日) 21:00~21:49(N H K総合) 公式サイト
2015年04月03日ドワンゴは、一般社団法人情報処理学会と提携し、同団体が持つ学術コンテンツを動画サービス「niconico」で配信していくこと発表した。日本学術協力団体と動画共有サイト運営企業が提携する初めての取り組みとなる。取り組み第一弾として、2015年3月17日~19日に京都大学で開催される「情報処理学会第77回全国大会」を「ニコニコ生放送」で生中継。また、同団体は公式ニコニコチャンネルを開設し、学術講演などの生中継を実施するとともに、永続的なアーカイブを行う。さらに今後は、学術論文をニコニコで閲覧可能にするなど、学術コンテンツの新たな流通プラットフォーム構築を目指していくという。ニコニコと情報処理学会は、IT技術を活用した学術研究のあり方や成果発表の方法などで先進的な取り組みを推進することで、学術・産業・文化・社会の発展や人材の育成に貢献していきたいとしている。番組名:「情報処理学会第77回全国大会」放送期間:2015年3月17日(火) ~ 3月19日(木)放送時間:各日9:30~内容:第一イベント会場の学術講演(IEEE-CS会長を始めとする招待講演や、若手研究者による登壇発表「IPSJ-ONE」)の模様を生中継公式チャンネルはこちら
2015年01月09日スーパーコンピュータ(スパコン)関係の最大の学会であるSC14が、開幕した。今年の開催地はNew Orleansで、ここでの開催は2010年から5年ぶりである。主催者側によると、事前登録した今年の参加者は約1万人で、昨年と同等のレベルであるという。SCではチュートリアルや特定分野のワークショップ、企業や研究機関の展示、本会議という大きく分けて3つのアクティビティが行われる。11月16日の日曜が開幕であるが、日曜と月曜はチュートリアルとワークショップという日程で、SC14本会議は18日の、主催者の挨拶と基調講演から始まる。そして展示は、17日の午後7時のOpening Galaからとなる。Opening Galaでは食べ物や飲み物が振る舞われ、ビールを片手に展示ブースを回るという姿が多く見られる。ここで、どのような展示があるかの目星をつけて、翌日から19日午後3時までの展示期間にどれを詳しく見るかという作戦を決めることになる。今年は、スパコン関係では日本の顔とも言える東京工業大学(東工大)の松岡聡 教授がSidney Fernbach賞を受賞し、記念講演を行うので、そのポスターが各所に立っている。なお、Cray賞は、元NECの渡辺氏、元富士通の三浦氏が過去に受賞しているが、学術的な業績を評価するSidney Fernbach賞の日本人の受賞はこれが初めてである。また、今年は、超弦理論などの宇宙論で最先端を走り、同時に、一般向けのベストセラーの解説書を多く書いているBrian Greene教授が、幕開けの基調講演を行う。SCの基調講演は、毎年、注目の人が行うが、今年も面白そうである。さらに、今年はCDC(Center for Decease Control and Prevention)が感染症の伝染を防ぐために、スパコンがどう使えるかという発表を行う。取り扱っているのは仮想的な感染症であるが、この手法は、エボラなど現実の脅威にも適用できるものであり、重要な研究である。基調講演や、論文発表も重要な最新情報を得るチャネルであり、SCに参加する理由であるが、SCのもう1つの見どころは、企業や研究機関、大学などの展示である。今年は360の展示ブースが並ぶ。今年も、HP、NVIDIA、DELL、Micronなどが中央の目貫の場所に大きなブースを構えている。そして若干離れてIntelの大きなブースがあるという具合である。また、小さなブースでも興味深い技術を展示しているところもあり、見逃せないが、すべてをじっくり見るには時間が足りないというジレンマがある。また、これまで何度か誌面で取り上げられてきたExaScaler/PEZYがTop500、Green500に挑戦する。小企業の挑戦がどこまで通用するのかも興味深い。マイナビニュースでは引き続き、SC14での発表、展示をカバーして行く予定である。
2014年11月17日食物アレルギーがある赤ちゃんや子どものパパママは、外食の際、アレルギー対応の食事メニューがあるかどうかに頭を悩ませることも多いでしょう。そこで今回は、東京ディズニーリゾートの食物アレルギー対応について紹介します。■公式ホームページには、食物アレルギーの対応情報が充実以前、東京ディズニーリゾートへ行く際には、事前に問い合わせをして、その都度新しい食物アレルギーの対応情報をファックスで送ってもらい、連れて行けるお店を探す計画を立てなくてはいけませんでした。しかし今は、東京ディズニーリゾートの公式ページに、レストランごとの低アレルゲンメニューの有無や、アレルゲン別に食べられるメニューが検索できるページがあります。これはとても心強い! アレルゲン検索 | 東京ディズニーリゾート アレルゲンについては、かなり詳細に分類されているので、アレルゲンが複数ある子どもも安心です。東京ディズニーリゾートでは、食物アレルギー以外の食事制限がある方へのサービスも充実していて、・レトルト食品の湯煎・電子レンジによるお弁当の加熱・ミキサー設置またはきざみ加工・ベジタリアン向けメニューの対応などの対応をしてくれます。詳しい対応については、必ずキャストへ確認してください。■丁寧な対応で安心! 東京ディズニーランドのアレルギー対応事前に情報が把握できることはわかりましたが、実際はどのように対応してくれるのでしょうか。先日、食物アレルギーの子どもを連れて、東京ディズニーランドに行った際の様子を紹介します。わが家の子どもには、卵と乳製品のアレルギーがあります。先日、東京ディズニーランドの「ポリネシアンテラス・レストラン」で行われる大人気のランチショー「リロのルアウ&ファン」に連れて行きました。このアトラクションは、子どもたちもステージに上がって踊れる、予約制のランチショー。子どもたちがディズニーキャラクターたちと踊る様子をビデオやカメラに収められたり、キャラクターたちがテーブルまで来て一緒に写真撮影ができたりするので、とても人気です。ショーの開演時間の1時間前(第1回目のショーの場合は30分前)までに、予約確認のためチケットを受け取りに行くのですが、その際に食物アレルギーがあることを伝えると、アレルギー担当の方が出て来て、子どものアレルギーについて話を聞いてくれました。わが家の場合は低アレルゲンプレートでOKだったので、それを勧めてくれました。アレルギーの状況ごとに食べてもOKなメニューを紹介してもらえるのは、とても助かりますよね。食事が提供される前には、シェフも確認しに来てくれるなど、丁寧な対応で安心できました。そのほか、ポップコーンを買う際もレストラン同様、お店の方がしっかりアレルゲンを調べてくれるので、安心して購入することができました。いつもは食物アレルギーの関係で、友だちと一緒にポップコーンをつまむことができないのですが、きちんと対応してくれたおかげで、貴重な経験ができました。(ちなみに、卵乳製品アレルギーの場合、塩味とキャラメル味のポップコーンであれば大丈夫だそうです。)食物アレルギーがあっても食べられるものがわかっていれば、東京ディズニーリゾードを思う存分楽しむことができますね! せっかくのディズニーの旅、子どもや家族と一緒に目一杯楽しんでください。
2014年11月15日(この画像はプレスリリースより)生活習慣病に対するケール青汁の効果を発表キューサイ株式会社は、2014年10月18日(土)に実施された「第37回日本高血圧学会総会」で、血圧、血糖値、脂質代謝などの生活習慣病に、ケール青汁(粉末タイプ)が有効であると発表した。ケール青汁の効果は、臨床試験で確認されたもので、キューサイは、九州大学大学院医学研究院循環器内科学の井手友美講師と、ヒュービットジェノミクス株式会社とともに、今回の発表をおこなった。ほとんどの項目において効果を発揮ケール青汁の効果について調査した研究は、健診結果が定められた項目の規定に一つでも当てはまる、30歳から74歳までの男女を対象に実施された。試験期間は、摂取前4週間と摂取期間8週間の全12週間。この期間中、血圧(検査時血圧、家庭血圧)、血中脂質(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)、空腹時血糖値、HbA1c(糖化ヘモグロビン)、胸囲、BMIの変化について調べられた。その結果、検査時血圧、家庭血圧ともに、ケール青汁摂取により有意に降下。さらに、その他の項目においては、中性脂肪とBMIは改善が見られなかったものの、空腹時血糖値、LDLコレステロール、胸囲に関しては、改善が見られる結果となった。井手友美講師による研究の考察今回の研修結果をもとに、九州大学大学院医学研究院循環器内科学の井手友美講師は、以下のように考察している。「キューサイのケール青汁(粉末タイプ)は試験対象者に対し、血圧、血糖値、脂質代謝のいずれにおいても有効であることを確認した。このため、生活習慣病に関して有効な食事療法の一手段として考えられる。」(プレスリリースより)【参考】キューサイ株式会社によるプレスリリース(PR TIMES)
2014年10月27日アレルギーを持っている妊婦さんなら、我が子にはできるだけアレルギーの苦しみを味わわせたくはない、と思うのではないでしょうか。そこで今回は、妊娠中から始められる、お腹の赤ちゃんのアレルギー対策についてまとめました。■妊娠中の食事で、赤ちゃんのアレルギーの発症は抑えられる?妊娠中の食生活に気をつけていれば、お腹の赤ちゃんのアレルギー体質は防げるのでしょうか? 残念ながら、答えはノー。アレルギー体質は遺伝的要素が強く、両親ともにアレルギーを持っている場合は、かなりの確率で子どもにアレルギー体質が遺伝してしまいます。とはいえ両親がアレルギー体質だからと言って、必ずアレルギーを発症するわけでもありません。「パパやママがアレルギー体質であること」と「赤ちゃんにアレルギーの症状が出ること」とは別問題なのです。■赤ちゃんのアレルギー抗体は、妊娠後期から作られ始めるアレルギーが発症するか否かは親から遺伝する体質のほか、子ども自身が育っていく生活環境や食べ物などが強く影響するといわれています。赤ちゃんにアレルギーの症状が出ないようにするには、まだお腹の中にいる、妊娠後期から徐々に気をつけ始めましょう。妊娠後期には、お腹の中の赤ちゃんにアレルギー抗体が作られ始めるからです。この時期、家系にアレルギー体質が多い人は、食事などに注意が必要です。■卵と牛乳は量を決めて卵、牛乳、大豆の3種類のたんぱく質を"3大アレルゲン"と呼んでいます。特に卵と牛乳は、比較的アレルギー症状への影響が出やすく、注意が必要な食材です。とは言え、「アレルギーが出やすいから、卵や牛乳を絶対に摂取してはいけない」というわけではありません。このことは医師の間でも賛否両論があり、難しい問題ではありますが、アレルゲンだからと言って摂取をやめるのではなく、1日の摂取量を考え、バランスよく摂取するほうが大切なようです。卵は1日1個以内、牛乳は1日1杯(200ml)以内に摂取量を抑えましょう。加熱することでアレルゲンの作用が大幅に弱まりますので、気になる人は必ず加熱したものを摂取してください。■ハウスダストやカビも取り除いておこう食べ物以外に、またハウスダストやカビなども、アレルギー発症の原因になります。ママが妊娠中にハウスダストを吸ったからといって、すぐに赤ちゃんがアレルギーを発症することはありませんが、出産直後は育児に追われ、掃除もなかなかできないことが多いものです。できれば、妊娠中の動けるうちに、小まめにお掃除を済ませておきましょう。アレルギーについていろいろご紹介してきましたが、あまり神経質になり過ぎても、ママのストレスが溜まってしまいます。ストレスを溜めない程度に、ほどほどに気を遣いながら、楽しく妊娠生活を送っていってください。
2014年10月24日(画像はイメージですNaoya Fujii)日本食品免疫学会で発表2014年10月9日、雪印メグミルクは、日本食品免疫学会 設立10周年記念大会(東京:10月16日・17日)で同社の乳酸菌SBT2055の経口投与によるインフルエンザの予防効果と作用機序を発表することを明らかにしました。雪印メグミルクは昨年の日本食品免疫学会で乳酸菌SBT2055の経口投与によるインフルエンザウイルスに対する感染予防効果を報告しています。研究概要マウスを使って、経口投与による肺組織と肺でウイルスを排除する役割を担っているマクロファージに対するSBT2055を経口投与の影響を検討しました。SBT2055を1週間経口投与した後に、インフルエンザウイルスを感染させたマウス肺組織では、ウイルス感染に抵抗するために必要な因子の遺伝子発現量の増加が認められました。シャーレで培養したマクロファージ様細胞株にSBT2055株を添加すると、SBT2055株のDNAがウイルス増殖抑制効果に関与していることが示唆されました。雪印メグミルクのスローガン雪印メグミルクのコーポレートスローガンは「未来は、ミルクの中にある。」です。このスローガンに基づいて「おいしさ」と「健康」を追求するための研究を行っています。今回はその研究の一つです。SBT2055株のインフルエンザ予防効果に関しては、タミフルのような効果ではありませんが、人が本来持つ免疫効果を維持あるいは増強して、インフルエンザの予防効果を示す可能性があることを示唆しています。【参考】・雪印メグミルクプレスリリース
2014年10月15日共同研究が優秀演題賞を受賞ナリス化粧品は、2014年7月12日と13日に開催された、第32回日本美容皮膚科学会・学術大会にて、同社と近畿大学医学部奈良病院皮膚科教授との共同研究結果について発表し、優秀演題賞を受賞しました。研究テーマは「共焦点レーザー顕微鏡により観察された真皮乳頭突起構造と皮膚性状の相関解析」です。この学会は皮膚科医を中心としておよそ1,900名が会員である大きな学会で、美容皮膚科全般に関係する研究およびその研究成果の普及を目的としたものです。(画像はプレスリリースより)今回発表された研究内容とはこの研究は真皮乳頭突起に関するもので、これは加齢によって平坦化するという特徴があります。この部分に関して、バリア機能・色・水分量・角層細胞面積などの様々な皮膚表面性状との関連を分析・評価したのがこの研究です。この研究を通じて、今まで皮膚表面性状と真皮乳頭突起との間の相関関係について明らかにし、新しいアンチエイジングの方法を創出することに貢献しました。具体的には、乳頭突起構造が角層細胞面積や角層の水分量、皮膚色と関係していることがわかりました。研究によれば、乳頭突起数が減少すると角層細胞面積が増加すること、乳頭突起上端の深さが大きくなればなるほど角層水分量が低下することが判明したのです。【参考】ナリス化粧品お知らせ
2014年08月20日食物アレルギーがあっても外食したい!世界の外食情報サイト有限会社ディー・エー・ティーは、2014年4月25日(金)、近年増加する食物アレルギーを持つ方々の情報提供・共有の場として、「ファミリーテーブル」ベータ版を開設した。(画像はプレスリリースより)開発の背景現在、国内では乳児の10%、幼児の5%が何らかの食物アレルギーを持っているといわれている。しかし、外出先でのアレルギー対応施設に関する情報について、色々なジャンルを網羅したサイトがなく、食物アレルギーを持つ子の家庭では、外出先での食事に苦労しているのが現状だ。同社では、食物アレルギーを持つ子の保護者が安心して外出できるよう、原材料表の有無やアレルギー対応メニューの有無などの条件でお店を検索することができる情報サイト「ファミリーテーブル」を開設した。サイトの内容同サイトでは、国内外の食物アレルギー患者数の推移やアレルゲン物質の割合といった食物アレルギーの最新情報を随時配信。また、国内や海外で何らかのアレルギー対応が可能なレストランや宿泊施設などを多数掲載している。掲載店舗にはユーザーが口コミを登録することができ、掲載されていない店舗の登録をリクエストすることもできる。さらに、英語やフランス語など複数の言語に対応した、レストランでアレルギーがあることを伝えるときに便利なアレルギーカードを用意。印刷して携帯することで海外旅行先でも安心だ。なお、サイトの情報が古かったり誤った内容が含まれたりする可能性もあるので、必ず保護者による確認の上摂取してほしいとしている。【参考リンク】▼プレスリリース
2014年05月01日日本ハムはこのほど、幻冬舎より「食物アレルギーのための大好物レシピ~美味しくて元気になるおやつとごはん~」を全国の主要書店にて発売した。○食物アレルギーの子供たちを笑顔にするレシピを提案近年、食物アレルギー患者の増加に伴い、食物アレルギーに対する社会的な関心が高まるなか、同社の中央研究所では、食物アレルギー対応の加工食品開発や、食物アレルゲン検出キットの研究開発などを行ってきた。同研究所はまた、Webページ「食物アレルギーねっと」での食物アレルギー対応食レシピなども提案。食物アレルギーの子供がいる家族は、食事内容のマンネリ化や栄養バランスへの不安・心配を感じていることが多く、これまで、特に子供向けのデザートやおやつなどに対する要望が多数寄せられていたという。同書は、同研究所が著した食物アレルギー対応食のレシピ本となる。同書には、日々の食事からおもてなし料理まで、"美味しくて元気になる"レシピ約80点を幅広く収載。また、調理時のポイントなども紹介する、わかりやすいレシピ本となっている。B5版104ページ・オールカラーで、価格は1,400円(税別)。
2014年02月28日ウィルモアはこのほど、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など皮膚に関する情報サイト「アレルギーチェッカー」をオープンした。同サイトでは、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患における栄養、食事に関するトピックス、レシピを中心に発信する。また、同社が運営する、自分の気になるアレルゲンを含む食品かどうかをチェックできるアプリ「アレルギーチェッカー」のリニューアル情報、今後のサービス展開についても、同サイト上で公開していくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月27日ブカンセムズ日本支社は11月2日~11月5日にかけて、20歳以上の男女1,090人を対象にアレルギーに関する意識調査を実施した。最初に、「あなたはアレルギーにかかっていますか?」と尋ねたところ、34%が「かかっている」と回答。同居する家族がアレルギーである人は16%で、日本の世帯当たりのアレルギー保有率は50%となることが分かった。続いて、アレルゲンの認知度について調査した。「花粉(スギ・ヒノキ等)」の認知度は9割以上、ハウスダストの認知度は6割以上だった。以下「卵(鶏卵)」「ダニ」「牛乳・乳製品」「ペット」「金属」などが続く。アレルゲンを除去する方法のひとつとして「掃除」が挙げられるが、今回は「大掃除」に関して質問した。「大掃除で掃除する場所」について尋ねたところ、「台所」「お風呂」「リビング」「トイレ」などを中心に掃除する人が多いことが分かった。アレルゲンの「ダニ」を除去するために、「寝具(布団、ベッド)」を掃除する人は3割強だった。ダニ研究の第一人者である、都市居住空間研究所代表の吉川翠氏によると、アレルギー症の原因物質であるアレルゲンのダニは、寝具類から頻繁に見つかるという。天日干しでダニ数を半分にするには、真夏の10時から16時まで毎日干して1カ月かかる。布団に付着したアレルゲンはそのまま布団表面に残っているので、布団干しの後は、掃除機をかけることが必要とのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月18日ニュートロジャパンはこのほど、ドッグフード「ニュートロ ナチュラル チョイス 穀物フリー」の新製品5種類を発売した。価格はオープン。同製品は、アレルギーになりにくいといわれる主原料、特に動物性タンパク源を限定して使用。米・麦・トウモロコシなどの穀物も不使用とした。代替として、アレルゲンとなりにくい植物性タンパク源であるポテトを使用することで、犬の食物アレルギーに配慮。また、主原料の素材数を9つに制限することで、犬のおなかに合わない素材が含まれる可能性を抑えているという。「超小型犬~小型犬用 成犬用」 は、ターキー&ポテト、フィッシュ&ポテトの2種、「中型犬~大型犬用 成犬用」は ターキー&ポテト、フィッシュ&ポテト、ラム&ポテトの3種、計5製品での展開となる。このうち、「超小型犬~小型犬用」製品は、小型犬の小さい口と顎に合わせた、食べやすい小粒サイズで提供される。また併せて、既存の「ナチュラル チョイスドッグフード」のレシピの一部リニューアルも行った。同シリーズのチキン製品すべてが、チキン「生肉」を第一主原料に使用した「ミート ファースト」となり、嗜好(しこう)性が向上。白米を使用していた製品は「玄米」使用となり、より多くのビタミン・ミネラルの摂取が可能となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月28日こんなときの言い方は、”I’m allergic to ~.”と”I have a[an] ~ allergy.”の2つ。たとえば、そばアレルギーなら、I’m allergic to buckwheat./I have a buckwheat allergy.猫アレルギーなら、I’m allergic to cats./I have a cat allergy.卵アレルギーなら、I’m allergic to eggs./I have an egg allergy.などのように。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月19日社団法人日本健康機構は、理事長の坂戸孝志氏が開発した、腰痛や肩こりなどの痛みを解消する「筋緩消法」の科学的な立証に成功。日本統合医療学会において、論文「筋緩消法が腰背部筋緊張および腰痛に及ぼす影響」を発表した。腰痛の悩みに関しては一般的に、骨格のゆがみが原因と考えられ、整骨院などでは圧迫やけん引により矯正し、痛みを和らげる施術が広く行われている。一方、この筋緩消法は、被施術者を立たせ、かつ運動をさせながら筋肉に圧力をかける施術法だ。筋肉の過度な緊張状態を軽減することにより、痛みを解消。そのため、骨格のゆがみを矯正する方法とはまったく異なる施術法となる。さらに、10分程度の施術で終了することも特徴だ。仕事帰りやランチタイムの合間など、ちょっとした時間を見つけて施術に通うことも可能になる。同論文では、この筋緩消法を科学的に立証。万人において適用可能で、かつ効果が期待できる施術法であると論じた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月09日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」にて、「学会の参加回数」調査を実施した。調査手法は、MedPeer会員医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチで、調査期間は3月23日~29日。有効回答数は2,738件だった。「学会の参加回数」について、1年に「1回~3回」参加しているという回答が最も多く、66%となった。2番目は「4回~6回」(19%)。参加する時間を確保するのが難しいためか、専門医、指導医更新のため、必要なものだけ出席している、といったコメントが目立つ。費用については、「年2~3回、発表する場合はそれ以上」病院からの補助がでるという回答が多い。「年間7~20万円」と金額で設定されている場合も。少数だが「全額自己負担」というコメントも見られる。「参加していない」は8%。「忙しくて時間がない」「代診の先生がいない」「開業している」といった理由が挙げられている。中には、「学会に入っていない」「専門医をとっていない」というコメントもあった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月01日