グンゼは1月14日、信州大学と共同で、軽量で安全、かつ洗濯耐久性に優れた有機導電性繊維を使用したニット(編物)素材を開発したと発表した。このニット素材は、日産自動車と山梨大学、信州大学が共同開発した有機導電性繊維を使用し、ウェアラブル機器への対応を目指して開発されたもの。有機導電性繊維は、導電性のある高分子を繊維化したもので、金属煉り込み型や金属コーティング型の従来の導電性繊維に比べて、洗濯耐久性や人体への安全性に優れている他、軽量で装着型デバイスに適することが期待できる。さらに、ニット構造にすることにより伸縮性が付与でき、身体にフィットして動きやすく、ウェアラブルに適した特性も期待できるという。今後、2015年度中に肌着・ストッキング形状のスマートテキスタイル製品の開発を目指すとコメントしている。
2015年01月15日LG Electronicsは、4K対応の有機ELテレビ2015年モデル7タイプを、米・ラスベガスにて6日(現地時間)から開催される家電製品展示会「2015 International CES」で展示する。いずれもLG独自のスマートテレビ向けプラットフォームの最新バージョン「webOS 2.0」を搭載する。LGは有機ELテレビの一般家庭への普及を目指し、ラインナップを拡充。このたびのCES 2015で展示するのはフレキシブルパネルを採用した77型の「EG9900」や、曲面パネルを採用した65型の「EG9600」など7モデル。いずれも直感的な操作が可能な独自プラットフォーム「webOS 2.0」を採用し、ユーザーは好みに応じてカスタマイズできるようになっている。また、音響はオーディオ機器メーカーのHarman/Kardonと提携して開発した「マルチチャンネルウルトラサラウンドシステム」を採用している。本体をスリムに見せる「アートスリムデザイン」を用いて、映像への没入感を向上させた。テレビが宙に浮いているような印象を与える透明なスタンドを使用している。
2015年01月06日仕事や家庭など、様々な場面で活躍する女性達を紹介するインタビュー企画「輝く女性の秘密」。第12回目は、11月1日から3日の3日間に渡り伊勢丹新宿店本館屋上アイ・ガーデンにて開催されたイベント「イセタン“スタイリング マルシェ”」に出展した5名の農業女子メンバー(長沼由紀さん、菜穂子さん、貫井香織さん、高博子さん、高橋佳奈さん)が登場。農業女子の農業への夢や情熱を聞いていると、思わず農業っていいな!なんて気持ちが沸いてくるものの、気になるのは日々のスケジュールだ。高橋さんは「夏季は、朝の4時から19時頃まで毎日畑にいます。休みですか?休んだら畑が気になって気になって(笑)。2年後には畑のそばにレストランを開業するという目標があるので、休みがなくても頑張れますね」と話す。さくらんぼの収穫時期は、慢性寝不足という長沼さんは「朝採りなので4時から収穫。事務仕事は夜になるので気がつけば23時、それを繰り返す日々です。休みは冠婚葬祭や家の行事、こんな風にイベントに参加している時だけ……」と笑う。人間都合ではなくすべてのスケジュールは農作物のためにある。繁忙期は早朝から深夜まで、もちろん休みはないのが現実だ。■植物に良いものは人にも良い、ナチュラルコスメ「ソザイローレル(sozai LAUREL )」に注目しかし日々、畑で過ごしていると思えないほど、5人の農業女子メンバーは肌がツルツルで健康的。何か特別なスキンケア方法があるのか気になる。高橋さんは「日焼け止めも汗でドロドロになるので塗らない」とキッパリ。その言葉に頷く高さんや貫井さん。しかし女性スタッフを率いる菜穂子さんは「うちはお化粧をすること!が会社の決まりごと。実は、会社でスイカとシラカバエキスで化粧水を作っています。これを使っているから肌の調子がいいのかも(笑)。農家が作るから、口に入っても安全なものを目指して作りました」と話す。そこでスタイリングマルシェでも販売していた国産素材にこだわったナチュラルコスメ「ソザイローレル(sozai LAUREL)」を試してもらう。保湿の“酒かすの化粧水”には、「甘い酒粕の香りやつけた感じも自然でいい」や「潤う感じがする」と好評。そしてとろみ成分の強い“がごめ昆布の美容液”を手に取り「コンブのアミノ酸は、農産物の肥料成分にも使われているんです。人にいいものは植物にもいい」と長沼さん。仕事後の肌ケアはもちろん、常に手荒れに悩まされるのでハンドケアにも人一倍気を使っていると話す農業女子。スキンケアアイテムから口に入れても安全なハンドクリームやバームなどの美容情報交換に花が咲いた。■機能優先ながらも個々にこだわりがあるワークスタイルおしゃれな農業女子メンバーだが、普段のワークスタイルは?「バンダナを頭に巻いて、長袖、デニムに長靴。つなぎの時もあります」と普段着もカジュアル派というオシャレな菜穂子さん。「帽子に長袖、野菜を収穫する際に便利なのでエプロンもつけます。でも仕事以外は、必ずスカートで外出。なかなか履けません(笑)」とプライベートでは女子的スタイルを楽しむ高さん。頭は帽子かバンダナ・手拭、シャツは長袖か半袖にアームカバー、パンツはデニムやつなぎにジャージなど…、仕事着は機能優先と言いつつも、個々にこだわりのスタイルがあるようだ。そこでマルシェでも販売していたワークブランド「ナプロン(NAPRON)」の帽子や手袋やエプロン、またセルビアの農夫用防水シューズから始まった「オパナック(The OPANAK)」のスリッポンを見てもらう。「ツバが広い帽子はいいけど風で飛ぶから紐が必須」や「肘まである長い軍手でカジュアルなものがないのでコレはステキですね」、「畑では長靴必須だけど、このスリッポンは出荷作業時などにいい」など、実情に即した様々な意見が飛び交った。■人を繋ぎ、アイデアを広げ、魅力的な農業へ、農業女子プロジェクトに注目彼女達が農業女子プロジェクトにかかわって得たものは何だろうか?プロジェクト準備段階からかかわってきた貫井さんは「全国の農業女子と知り会えたこと、そしてスタイリング マルシェも含めていろんなことがカタチになっていること、でしょうか。今後も活動が根付いていくように頑張りたい」との言葉に女子達が頷く。長沼さんも「いろんな人と出会うことで新たな発想も沸いてくる。西洋梨の新たな食べ方を提案したいと思えるようになるなど、プロジェクトに参加することで刺激になったことは多い」と話す。また「農業女子プロジェクトが世代や地域を超えて、タテにもヨコにも広がっていけばと思っています。女性の就農者が増えていけばいい」と菜穂子さん。人と人を繋ぎ(生産者同士、生産者と消費者)、新たなアイデアや可能性を広げ、更に魅力的な農業へと高めていく。100名からスタートして1年、参加数が既に200名を超えたという農業女子プロジェクトの今後に注目して行きたい。【農業女子メンバープロフィール】■菜穂子さん山形県村山市で女性スタッフだけの「山形ガールズ農場」の代表。五種のお米、完熟果実のジュースや焼き菓子などの加工品を作る。大学の教育実習に行った際、「子供たちが健康に成長することに携わるなら、学校より畑から!」と思ったことが農業をスタートすることになったきっかけ。■長沼由紀さん山形上山市で家族とともに「四季の果実 長沼果樹園」を営む。西洋梨、さくらんぼ、果実のジュースを作る。会計事務に勤務の後、果樹農家で半年間研修し、その後実家に後継者として就農。■貫井香織さん埼玉県入間市で代々続く「貫井園」を営む。原木しいたけ、緑茶を栽培する。採用コンサルティング会社、PR会社を経て父が経営する貫井園に就農。■高博子さん石川県七尾市で夫と「NOTO高農園」を営む。300種類以上もの野菜(伝統野菜、西洋野菜、有機野菜)やハーブを栽培。「農業の時代が来る」という言葉を聞いたことをきっかけに2000年、「能登島」で夫と就農を決めた。■高橋佳奈さん滋賀県高島市で夫と「みのり農園」を営む。様々な野菜を手掛ける。農業を一生の仕事にすることを誓い、サラリーマンだった夫を口説き、自分の出身地である滋賀県で農園を開業。
2014年11月29日仕事や家庭など、様々な場面で活躍する女性達を紹介するインタビュー企画「輝く女性の秘密」。第12回目は、農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」から、5名の女性達が登場。この農業女子プロジェクトは、女性農業者が日々の生活や仕事、自然とのかかわりの中で培った知恵を様々な企業と結び付け、新たな商品サービス、情報を社会に広く発信することを目的に2013年にスタート。三越伊勢丹ホールディングスも今年から同プロジェクトに参画し、11月1日から3日の3日間、伊勢丹新宿店本館屋上では農業女子が手掛けた農作物などを販売する「イセタン“スタイリング マルシェ”」が開催された。このイベントを盛り上げた全国各地から集結したのが今回登場する5名の農業女子メンバー。山形県からは、西洋梨やさくらんぼなどの果樹農家を営む「四季の果実 長沼果樹園」の長沼由紀さん、女性だけの農業会社「山形ガールズ農場」代表・菜穂子さん。埼玉県でお茶としいたけ栽培を手掛ける「貫井園」の貫井香織さん。石川県からは、300種類もの野菜やハーブを栽培する「NOTO高農園」の高博子さん。琵琶湖のほとり滋賀県で自然薯や西洋野菜を作る「みのり農園」の高橋佳奈さんだ。農業女子と一言で言っても、手掛ける農作物や規模や業態も全く違う彼女達。そんな彼女達に就農へのきっかけや仕事の魅力、農業女子プロジェクトへの思いを伺った。■家業、会社の新事業、彼の一言など、就農きっかけは様々長引く景気の低迷だけではなくものづくりへの強い関心から、就農を始める若い男性が増えていると聞くが、農業女子メンバーの就農へのきっかけは一体何だったのだろうか。別の仕事をしていたけれども、代々の家業であった農家を受け継いだと話すのは、貫井さんと長沼さん。また教職を目指すうちに子供への「食の重要性」を強く感じ、地元に戻り家業の農業を手伝いながら自ら農業会社を作った菜穂子さん。農家の娘である、貫井さんや長沼さんや菜穂子さん、の3人は同じように「親から農業を継ぐように言われたことは一切ない」と話し、家業ではあっても自身のチャレンジの場として農業へと飛び込んだそう。農業とは縁もゆかりもないのに「勤めていた企業が、新事業としてはじめた農業ビジネスの担当となったことがきっかけ。それでのめり込んでしまいました。彼(現在の夫)に仕事を辞めてもらい一緒に農家として独立」と笑う高橋さん。また彼の一言で農家へ飛び込んだ高さんは「付き合っていた彼(現在の夫)が農業を始めたいと言い出しまして、それも良いかなと(笑)。そして、ご縁もあり風景に一目惚れした現在の場所で始めることに」と福岡から夫婦でIターンした。そんな風に就農のきっかけは、メンバーそれぞれだけれども、新たなチャレンジの場として農業を選んだことは共通していた。■農産物を通して得た人との繋がりがパワーの源農業の魅力や続ける理由について、どう考えているのだろうか。果樹農家の長沼さんは「生産物を通じた、お客様との繋がりでしょうか。雹被害で大きな影響が出た時、大勢のお客さまから『大丈夫?』という声と共に全国からお米などが届いて…状況問わず応援してくれるお客様の存在は、続ける上での力になります」と話す。独立して2年目の高橋さんは「作物が育っていくことが面白いです。土地や肥料など、条件一つでトマトが全く違う味になる。そして作る品種から出荷先まで自由度が広い」のも魅力だとか。また「うちはレストランや百貨店との取引が主。同世代のシェフからあと10年は野菜を作ってください、と言われるようにもなり、野菜を通して人との信頼関係が深まるのが楽しい」と高さん。日々畑に向き合う仕事とはいえ、生産物を媒介にいろんな出会いがあるのが農業の魅力であり、それがやりがいへと繋がるとメンバーは口をそろえる。今、力を入れて取り組んでいることを聞いてみると、「作るだけではなく届けることも大事にしたい。今回のようなイベントで農の魅力とともに貫井園のこだわりを伝えることも、その一つです」と貫井さん。今回、様々な加工品も販売した菜穂子さんは「加工品をブランド化していくこと。また子供から大人まで食の重要性を考えてもらいたくて、年7回ほどの農業体験にも力を入れています」と話す。安全や安心にこだわったおいしい農作物を作るのは当然。その上で、作ったものをどう届けるのか、作り手の情熱や農業を身近に感じてもらうためにどうするのかを、農業女子はそれぞれの場所で実践中だ。後半では、日々キラキラと輝く太陽の光の下でアクティブに活動を行う彼女達のファッションや美容という観点から農業女子的ライフスタイルについて聞く。
2014年11月29日美容や健康のことを考え、野菜を中心とした食生活をしている女性も多いのではないでしょうか。ただ、野菜の作り方にまでこだわって選んでいますか? 有機農業の写真や料理を体感できるイベント「SHARE THE LOVE for JAPAN Presents『土』~有機農業という生き方~」が11月24~26日、代官山ヒルサイドテラスC棟ギャラリーで開催されました。「SHARE THE LOVE for JAPAN」とは、“大地にやさしい農業”に取り組む農家の想いを伝えるべく、サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンが支援している活動のこと。この活動は2011年に起こった東日本大震災で移住を余儀なくされた有機農家の方を支援することから始まりました。そして2014年は、これまでの支援活動を継続しつつ、有機農業に挑戦する若手農家への支援活動や有機農業の第一線で活躍する先駆者たちを紹介してきました。ちなみに有機農業とは、野菜を農薬や化学肥料を使わず、有機資材で作ること。有機野菜といえば、美容や健康によく、安全というイメージはありませんか。しかし、「有機野菜といっても、作り方はさまざま。味などの特長に個性が強くでますし、有機野菜だから必ずしも安全ということはありません」と先駆者の一人で、高知県の有機農家の山下一穂さんは言います。そこで必要なのが、消費者としての目利き。「認証、素材の香りや質感など、自分の感性・責任で選ぶ人たちが増えてきました。能動的に、情報を調べていく消費者が、本当に良い物と出会えていますよ」とも。今回のイベントでは、写真家の公文健太郎さんが撮影した先駆者&挑戦者の写真を展示。さらに、土のレストラン「ヌキテパ」の田辺シェフ監修のもと、先駆者たちが育てた有機野菜を使った料理を、無料で試食することができました。ここでは「土」を使った土粥、土ドレッシングなど、珍しい料理も提供。そのほか、パクチーなどを使ったサラダなども。来場者は、「試食してみて、今までいかに味つけの濃いものを食べていたかに気付かされました。土も食べることができるんですね。また苦手だと思っていたパクチーも、おいしい、と思うことができました」とコメントしました。「有機野菜かどうかではなく、“おいしい”という基準で野菜を選ぶことが大切。ただ、そうやって選んでいくと、自然と有機野菜になっていくのかも」と山下さん。普段は忙しく、なかなか素材までこだわることができない人も、一週間に1回は素材にこだわって選んでみるなど、少しずつでも行動を変えてみるのがいいそうです。そのほか「SHARE THE LOVE for JAPAN」のホームページでは、先駆者&挑戦者のインタビュー・コラム記事や、ワークショップやマーケットの情報も公開。ぜひご覧いただき、有機野菜についての知識を増やしてみませんか。そして、食や健康についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。・SHARE THE LOVE for JAPAN 公式サイト
2014年11月28日“大地にやさしい農業”をコンセプトとして有機農業を支援する活動「SHARE THE LOVE for JAPAN」は、11月24~26日にかけて、「土~有機農業という生き方~」と題したイベントを東京・渋谷区にあるヒルサイドテラスC棟ギャラリーで開催した。2014年の活動の集大成として、写真展示や試食会などが行われた。今回のイベントのメインは、本プロジェクトを象徴する有機農業の先駆者や挑戦者が真摯に大地と向き合いながら誇り高く生きる姿を撮影した写真家・公文健太郎氏の作品を展示。有機農業に奮闘する2人の挑戦者や、立ちはだかる壁を様々な知恵と努力で乗り越えてきた有機農業の先駆者たちの力強い生き方が写真を通して紹介された。有機野菜に関心の高い方々はもちろん、代官山にショッピングに訪れた若者たちも多数来場。先駆者、挑戦者らの手により育てられた野菜の提供や、“土のレストラン”で有名な「ヌキテパ」の田辺シェフ監修によるそれらの農作物を使った土粥の試食なども行われた。来場者からは「今までこんなに美味しい野菜を食べたことはない!1つ1つの野菜の味がそれぞれ違っていて感動した」、「土のお粥と聞いて食べる瞬間はドキドキしたが、食べてびっくり。お米と野菜の旨みでコク深くとっても美味しかった」といった声が寄せられ、大地の力強さと有機農業の豊かさが視覚と味覚で感じられるイベントとなった。写真家の公文健太郎氏は「たくさんの人に来場いただきありがとうございます。今回、写真だけでなく展示や料理などSHARE THE LOVEの世界を五感感で体感できるイベントとなっています。来場者の皆さんから有機農業に関する期待や魅力をお聞きできとても楽しかったです」と感想を語った。
2014年11月26日東北大学と中央大学、岡山理科大学、名古屋大学は11月24日、有機金属中の電子の動きをレーザ光の照射によって凍結・秩序化することに成功したと発表した。同成果は、東北大学 大学院理学研究科の岩井伸一郎教授、石原純夫教授、中央大学 理工学部の米満賢治教授、岡山理科大学 大学院理学研究科の山本薫准教授、名古屋大学 大学院工学研究科の岸田英夫教授、東北大学 金属材料研究所の佐々木孝彦教授らによるもの。詳細は、英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。一般に、光の照射は固体物質を加熱する。これは、物質を構成する電子や原子が光から運動エネルギーを得て、動きやすくなるためである。一方、真空中の孤立原子では、レーザ光の照射によって原子が"止まる"という現象(レーザ冷却)が知られている。レーザ冷却は、気相の原子に特有の仕組み(ドップラー冷却)によるものである。このため、光によって固体中の電子の運動を止めるためには全く異なる原理が必要となる。この固体中の電子を"止める"方法は、30年以上前に提案されていた。金属に電場を印加すれば、電子は加速され、電場の向きを反転させれば電子もそれに追随して向きを変える。また、電子が追いつけないほど素早く電場の向きを変え続けると、電子はどちらの方向へ動いたらよいのかわからなくなって、結局止まってしまうと考えられていた。電子の動きが追随できないほど素早く電場の向きを変えるためには、1秒間に百~千兆(1014~1015)回のスイッチングが必要となるが、この周波数はちょうど光の振動数に相当する。つまり、物質に光を照射すれば、電子に高周波数の交流電場をかけることができる。しかし、理論計算によればこうした高周波の電場によって電子を止めるためには、物質の破壊限界をはるかに超える強い光が必要となる。このため、物質を壊さずに電子を止めることは現実的には不可能だった。そこで、研究グループは7フェムト秒(fs)という極めて短いパルス幅の赤外(中心波長1.7μm)レーザ光を開発した。この波長の光において、7fsという時間は電場の振動の1.5周期しか含まない。また、7fsは原子が動く時間スケールよりも短いので、物質が原子の熱振動によって温度が上がったり、原子移動によって物質が壊れる暇もない。この短パルスを用いることによって、試料を壊したり、極端な高温にすることなく10MV/cmの大きな電場を印加することが可能になった。そして、典型的な有機金属の1つであり、BEDT-TTF分子とI3分子が層状に積層した電荷移動錯体である2次元有機金属(α-(BEDT-TTF)2I3)中の電子の動きをこのフェムト秒レーザ光を照射して凍結、秩序化することに成功したという。研究グループでは、より強度が大きく、よりパルス幅の短い光の開発を行っている。この新しい光によって、将来、物質の中の多数の電子を止めるだけでなく、好きな方向に動かしたり、並び方を変えたりすることによって、物質の色、電気抵抗、磁性を瞬時に自在にデザインすることが可能になることが期待できるとコメントしている。
2014年11月26日ソニーは11月19日、4,096×2,160ドットの有機ELパネルを搭載した30型マスターモニター「BVM-X300」を発表した。2015年2月の発売予定で、希望小売価格は3,880,000円。BVM-X300は放送局や映像制作プロダクションに向けた業務用モニター。業界で初めて、4K対応の30型有機ELパネルを搭載し、より忠実な黒の再現性や100万:1以上の高コントラスト、優れた応答性を提供する。表示可能な色域は、デジタルシネマ要求仕様の「DCI-P」を完全に包含するほか、次世代放送の映像制作規格「ITU-R BT.2020」のほとんどをカバーする。
2014年11月19日大阪大学(阪大)は11月10日、有機半導体の表面では結晶内部と大きく異なる構造が実現していることを明らかにしたと発表した。同成果は、同大大学院 基礎工学研究科の若林裕助准教授らによるもの。東京大学の竹谷純一教授、堀田知佐准教授、理化学研究所の是常隆上級研究員らと共同で行われた。詳細は、「Nature Communications」に掲載された。有機半導体は安価、軽量なデバイス素材として、有機ELディスプレイなどで、すでに実用化されている。通常のシリコンの代わりに有機半導体を使ってトランジスタを作った場合、有機半導体の表面近傍数ナノメートルを電気が流れるが、このような表面付近の狭い領域で分子がどのように並んでいるかはほとんど知られていなかった。研究グループでは、高エネルギー加速器研究機構(KEK) 放射光科学研究施設 フォトンファクトリー(PF)の放射光を用い、ホログラフィの考え方を応用した特殊な解析法によって、表面付近の分子の並び方が結晶内部と大きく異なる例を発見した。さらに、この変化によって電気伝導性も表面と内部で差が出ることを理論計算によって確認したという。今回発見されたような自発的に生じる表面構造は、自己修復機能を持つ極薄膜が半導体表面に形成されることを示している。このため、利用する分子を選び、分子一層レベルで伝導性を制御することで、精密かつ安定な微細デバイス製造技術に繋がることが期待されるとコメントしている。
2014年11月13日富士通は10月28日、ベトナムでの農業の普及、発展に向けて同国のFPT Corporationと協業し、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai(Akisai)」を活用した実証実験を開始すると発表した。「Akisai」は、これま経験に頼ってきた農業経営に、ICT技術を導入することで、農作物の品質向上、生産性の向上、コスト削減に貢献するクラウドサービス。農業生産者や関連団体などに向けて富士通が2012年より提供してきた。今回の実証実験では、「Akisai」を2015年から2016年の1年間、ベトナムで試行する。具体的には、ハノイにITを活用した温室を建設し、農作物の施設栽培を行う。施設栽培を行う温室は、政府機関をはじめ、農業分野に関心を持つベトナムの関連企業に農業技術を紹介するショールーム的な役割も果たすという。ベトナムは、900万ヘクタール以上の農地を有し、農業開発に適してた環境をもつだけでなく、3200kmにおよぶ海岸線と広範囲な水資源があり、農業のみならず水産業など、第一次産業の開発資源を豊富に抱えている。富士通とFPTは「今回の実証実験を通じて、富士通のICTを活用した農業技術をグローバルに普及させるとともに、ベトナムでの農業技術の発達と農業分野のさらなる発展に貢献していく」とコメントしている。
2014年10月28日NECとオランダのIT企業であるDacomは10月24日、共同でDacomの農業ICTソリューションを活用した実証実験をルーマニアのじゃがいも農場で行ったと発表した。同ソリューションは、農場の温湿度や風向・風速などを測定、収集する環境センサーと、収集したビッグデータを分析するソフトウェアで構成されている。具体的には、Dacomの気象センサー(気温、湿度、風速、風向き、降雨量、日照時間)と土壌センサー(水分量、地温)を農場に設置し、24時間365日にわたって計測した環境データ、現地の気象予報、過去数年の栽培履歴などを、インターネットを通じてコンピュータ上に集約する。これらのデータは、現地の農作物成長率や肥料・殺虫剤・吸水などのモデルと照合・分析されて、農作物の植え付け時期、肥料・農薬・殺虫剤など化学薬品の使用量、農業用水量、気象災害からの保護方法、収穫時期などのアドバイスとして、農家に提示される。今回、ルーマニア中央部に位置するブラショフのじゃがいも農場において、実証実験が行われた。実験の結果、同ソリューションを導入しない農場と比べ、農薬・殺虫剤などの化学薬品の使用量を1ヘクタール当たり最大40%削減したという。また、形状が左右対称など、高品質なじゃがいもが栽培可能なことも確認された。NECは今後、同社のビッグデータ分析技術を活用して、Dacomの収集した多種多様なデータを解析し隠れたパターンを発見することで、農業生産に必要な資源の使用量をより抑えコストを低減するなど、同ソリューションを改善する取り組みを進める。また、農業投資を検討する銀行の意思決定支援や、食品取引所への正確な農作物情報提供などを目的に、農作物生産量データサービスについても提供を検討する。
2014年10月24日三越伊勢丹ホールディングスは、11月1日から3日の3日間、農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」の趣旨に賛同し、プロジェクトの取組みの一つとしてイベント「イセタン“スタイリング マルシェ”」を伊勢丹新宿店本館屋上アイ・ガーデンで開催する。農業女子プロジェクトとは、女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を様々な企業と結び付け、新たな商品サービス、情報を社会に広く発信することを目的に2013年にスタートした企画。三越伊勢丹ホールディングスでは、「想いを“伝えたい・学びたい・届けたい”プロジェクト」をテーマとして掲げ、食や暮らしと深く結びつく百貨店だからこそ出来る提案に取り組み、農水省・他企業との協業で日本の農業が抱える問題解決の一助になることを目的に、今年から参画している。本イベントでは、農産物を販売するだけではなく、ライフスタイルを基軸に顧客に様々なな『農業』の価値をアピールしていく。農業女子メンバーには作り上げた農産物(クリエーション)の紹介・表現の場が提供され、消費者には、農業をより身近に、深くスタイリッシュなものとして知っていく“きっかけ”になるような企画が用意された。食品以外では、婦人、婦人雑貨、ベビー子供、リビングが対象となっており、ウエアや雑貨、キッチン用品、コスメ、家庭菜園セットなどを販売。農業女子達による接客や、農業女子の野菜や果物を使用したフードメニューの提供、ワークショップやトークイベントなども予定されている。マルシェ参加の農業女子メンバーは、山形ガールズ農場の菜穂子さん、四季の果実 長沼果樹園の長沼由紀さん、貫井園の貫井香織さん、NOTO高農園の高博子さん、みのり農園の高橋佳奈さんの5人。山形県上山市で洋梨を中心とした果物を生産している長沼さんは、「マルシェは農業にご縁がないような人たちへもアプローチが出来、足を運んで下さった方々とのお話も楽しめる。その場で直に反応や意見を得られるのもとても貴重な経験。出店者の輪も広げられるのも魅力」と話す。また、埼玉県入間市で原木椎茸や緑茶の生産を行う貫井さんは、「伊勢丹は東京で最も有名な百貨店であり様々なコラボレーションもしているので、きっと楽しいイベントになると思い参加を希望した。買い物だけでなく食べて寛いでといった今までにないマルシェを楽しんでいってほしい」と語る。初日の11月1日13時からは開催セレモニーも実施。農業女子メンバーの紹介やプロジェクトの説明なども行われる予定。
2014年10月22日反町隆史が、2015年1月から放送予定のNHK土曜ドラマ「限界集落株式会社」で、NHKドラマ初主演を務めることが発表された。舞台は山深い村、テーマは農業だ。これまでの出演作の中でも異色の一作となりそうだが、このほど、反町さんからコメントが到着した。本作は、寂れた集落の農家たちや、都会のコンサルタント、ワーキングプアの若者ら寄せ集めのポンコツチームが、村唯一の産業“農業”で一丸となって山深い限界集落の村を再建していく――という物語。舞台となるのは、関東地方の奥、山深く囲まれた小さな集落・止村。人口50人ほどの小さなこの村は、市町村合併後、病院・バスも廃止に向かい、消滅寸前の“限界集落”と化していた。そんな本作で反町さんが演じるのは、農家を営む主人公・大内正登。かつて20代の頃、有機農業に挑戦したが失敗。多額の借金をつくり、両親と娘を置いて東京に逃げていたという役どころだ。それから13年が経ち、父・一男が亡くなり、父の畑を継ぐと言い出した娘・美穂(松岡茉優)と年老いた母・弥生を助けるため故郷に戻ることに。しかし、そこに待っていたのは“農業”をとりかこむ低収入の壁。そんな中、彼らの前に謎の経営コンサルタント・多岐川(谷原章介)が現れ、あの手この手を使って農業の活性化を計っていくのが…。本作への出演について、反町さん自身「僕自身、農家の男を演じるのは初めてのことで、農業をテーマにしたこのドラマに参加する機会をいただいたことを嬉しく思っています。このドラマが、普段自分たちの口に入る野菜がどうやって作られているのか、また日本の農業が抱える後継者問題をはじめとした様々な現状の課題、それらを少しでも多くの人に知ってもらえるような骨太な作品になればいいなと思います」といい、新境地への意気込みを寄せる。さらに「今回演じさせてもらう正登という役は、無口で不器用で生真面目で自己表現が苦手で、まさに職人気質というような主人公です。生真面目であるがゆえに様々な出来事に巻き込まれ振り回されていく正登を主軸に描くことで、農家の現実を分かりやすく知ってもらえるのではないかと思います」と役柄についても明かしてくれた。「撮影現場では、普段の生活では接することのない様々な農作業の機器に触れられることも男心がくすぐられ、楽しみの一つになっています」と、非日常を楽しみながら演じているようだ。ドラマ「限界集落株式会社」は2015年1月31日~スタート/ 毎週土曜21:00~NHK総合テレビにて放送(連続5回)。(text:cinemacafe.net)
2014年10月16日NECとネポンは10月15日、農業ICTクラウドサービスのハウス内機器制御機能を強化すると発表した。スマートフォンやタブレット端末を活用してハウス内機器の稼働状況を把握、操作できる制御機能の画面を改良。遠隔地でもハウス内にいるような感覚で機器を操作できるビジュアル画面とした。加えて、低価格な複合環境制御盤の販売を開始し、新機能の導入を容易にするという。M2M技術を利用したソリューション「CONNEXIVE(コネクシブ)」を提供しているNECと、温室用温風暖房機のトップメーカーであるネポンは、センサーネットワークなどを利用して農地データの見える化やコミュニケーションを実現する農業ICTクラウドサービスを提供している。同サービスは、2012年5月の提供開始から現在までに500以上の農家への提供実績があるという。両社は今後、強化したハウス内機器の制御機能を拡販し、今後2年間で1000以上の農家へ提供を目指すとしている。新しいビジュアル画面と制御盤の提供・出荷開始は2015年3月を予定している。
2014年10月15日カネカは10月9日、約5万時間の寿命と色変化の小さい有機EL照明デバイスを開発したと発表した。有機得EL照明デバイスにおいて世界最高水準の寿命になるという。一般的なLED照明の推定寿命は約4万時間とされているのに対し、これまでの同社の有機EL照明デバイスは推定寿命が約1万7000時間で、寿命の短さが課題となっていた。今回、白色を構成する数種類の異なる波長の発光層の劣化挙動に着目し、材料や積層構成などのデバイス構造や厚みなどの製膜条件を最適化することで、寿命の大幅な延長を実現したと共に、色の変化量を抑制することに成功した。同社は今回開発したデバイスを美術館・博物館、レストランなどの商業店舗、ホテルや病室用照明、高級住宅用のデザイン照明など、有機EL照明の特長がいきる国内および欧米の市場へ積極的に販促展開することにより、2020年には売り上げ500億円を目指すという。
2014年10月09日日本サブウェイは8日~22日の期間、農林水産省「農業女子プロジェクト」の一環として、農業女子とのコラボレーションランチバック「畑からの贈り物」を限定販売している。○女性就農者と企業のコラボレーション農林水産省の「農業女子プロジェクト」は、女性就農者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を様々な企業のシーズと結びつけ、新たな商品やサービス、情報を社会に発信していくというもの。現在プロジェクトメンバーは農業女子196名、コラボレーション企業13社、サポーター235名で構成されている。日本サブウェイは「日本の農業を活性化する」という企業理念や「野菜のサブウェイ」というブランドメッセージとの親和性の高さから、同プロジェクトに参加。4人の農業女子とともに、「農業女子的 野菜が喜ぶメニュー開発プロジェクト」をスタートさせた。なお、企業と農業女子が直接関わり商品を発売するのは、2013年のプロジェクト開始以来初の試みとなる。このたび発売される限定ランチバック「畑からの贈り物」は、農業女子メンバーの農産物を使用した新商品で、メニュー開発プロジェクトの成果の1つ。8日には、東京都港区赤坂の赤坂アークヒルズ店で商品発表会を実施。会場にはコラボレーションに参加した農業女子の4名及び農林水産副大臣 あべ俊子氏、日本サブウェイ 代表取締役社長 伊藤彰氏が参加し、プロジェクトへの取り組みや新商品の試食を行った。○「畑からの贈り物」の中身は?プロジェクトに参加したのは、原木しいたけを生産販売する貫井香織さん、梅の生産加工を手がける山口由美さん、年間約100種類の野菜を生産している長谷川恵理子さん、若手農家5件を束ね、販売を担当している早川ナナさんの4名。会場には、ランチバック「畑からの贈り物」が用意され、それぞれが製品の紹介と、プロジェクトの感想をのべた。「農業女子プロジェクトに参加して、企業の方と商品開発をできたことは、畑にいる私たちにとって企業とのつながりはめったにないことだと思います。このような機会を農林水産省の方から与えていただいてとても感謝しています」(早川さん)「昨年の秋冬にプロジェクトが立ち上がり、実際にハム工房を見学して手作り体験もさせていただきました。その際の試食で『すごくおいしい』と思ったので、そのハムソーセージの中に自分の育てた干ししいたけを使ってもらえるというとてもいい機会をさせていただきました。たくさんの方に召し上がっていただきたいと思います」(貫井さん)「皆さんの笑顔を思い浮かべながら梅ジャムを作りました。このような機会をいただけたことは本当に有り難いことです。これからどんどん女性だけでなく男性も農家に興味を持っていただければと思います」(山口さん)「乾燥野菜にはおいしさが詰まっています。そのまま食べたり、サンドイッチに挟んだりといろいろな楽しみ方をしてもらえればと思います。今回はサブウェイさんと一緒にお仕事をするという貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました」(長谷川さん)○来賓のあべ農林水産副大臣も「美味しい」と太鼓判来賓の農林水産副大臣 あべ俊子氏は「日本サブウェイには『農業女子プロジェクト』に参画されまして、農業女子の意見を取り入れた商品を完成させていただいたことに心よりお礼申し上げます。また、今後も企業の皆さまと農業女子のお力をお借りしつつ、ますます活発にプロジェクトを展開して参りたいと思っております」と挨拶。試食として提供されたサンドイッチを頬張り、「美味しい!」と太鼓判を押していた。同社 代表取締役社長 伊藤彰氏は、「女性のかたの力を発揮していただいたので、それを前面に出した商品を、と思い作りました。野菜の生産量が確保できれば他のチェーン店でも販売したいですね。農業で活躍する女性たちということですが、おしゃれな方ばかりです。こうした(農業の)新しい側面を是非宣伝していただければ思います」とコメントしている。日本サブウェイと農業女子はイベント後、各省庁を表敬訪問し、最後には首相官邸を訪れて安倍晋三総理夫人の昭恵氏にランチバック「畑からの贈り物」を届ける予定。同プロジェクトが女性や農業を応援していることから派生したもので、同社はこの活動が女性支援の輪の広がりにつながれば、としている。ランチバック「畑からの贈り物」は税込800円、販売店舗は赤坂アークヒルズ店、野菜ラボ丸ビル店、経済産業省本省庁舎店の3店のみとなっている。販売期間は10月8日~22日までで、販売数は午前11時より各店10食限定(売り切れ次第終了)。
2014年10月09日日本サブウェイが展開するサンドイッチ・チェーン「サブウェイ」は10月8日、「農業女子」とコラボレーションして開発したランチバッグ「畑からの贈り物」を発売する。10月22日までの期間限定での販売となる。「農業女子」とは、女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を、さまざまな企業のシーズ(※)と結びつけ、新たな商品やサービス、情報を社会に広く発信していくためのプロジェクト「農業女子プロジェクト」に参画している女性のこと。今回は早川ナナさん、貫井香織さん、山口由美さん、長谷川恵理子さんの4名が、メニュー開発に携わった。同商品は、早川さんら4名の農業女子が育てた旬の作物と、季節を表す方式である古来二十四節季の「寒露」という季節にふさわしい食材を組み合わせて作った。夏から秋の疲れを癒やす効能があるといわれるビタミンやカルシウムを含む、きのこや野菜を盛り込み、シンプルに素材を生かした味わいに仕上げている。メニューは、干し椎茸入り厚切りソーセージサンド(貫井園)、梅ジャムとマスカルポーネのデザートサンド(山口農園)、かぼちゃ、白なす、ミニトマトの乾燥ベジチップス(長谷川農園)、季節のきのこサラダ、緑茶(静岡トップハット大関農家)。メニューは11時より各店10食限定で販売し、売り切れ次第終了となる。価格は800円(税込)。販売店舗は、赤坂アークヒルズ店、野菜ラボ丸ビル店、経済産業省本省庁舎店。※シーズとは、研究開発や新規事業創出を推進していく上で必要となる発明(技術)や能力、人材、設備などのこと
2014年10月07日京都大学は7月14日、不斉有機分子触媒の新技術として、ラジカル反応を促進・制御する不斉有機硫黄ラジカル触媒を実現したと発表した。同成果は、同大 理学研究科の橋本卓也助教、川又優博士課程学生、丸岡啓二教授らによるもの。詳細は、英国化学誌「Nature Chemistry」に掲載された。農薬や医薬品などに使われる分子は、実際には立体的な構造をしており、その空間的な広がり方が薬としての作用に決定的な役割を果たす。構造が単純で安価な分子から医薬品などに使えるような、複雑で付加価値の高い分子を作るには、そのような空間的配置をコントロールしながら、分子と分子を繋げることのできる不斉触媒を用いることが効果的である。このような触媒としては、金属を活性中心に持つものが多用されているが、資源量・環境毒性などが懸念されている。そこで、持続型・環境調和型の不斉触媒として、炭素・窒素・酸素といった地球上どこにでもある元素を巧みに利用したメタルフリー有機分子触媒が注目され、目覚ましい発展を遂げている。しかし、この十数年、盛んに研究されてきた不斉有機分子触媒は簡単なイオン反応という形式でしか分子を繋ぐことができず、原料に使える分子・作られる分子(成物)ともに金属触媒の汎用性には遠くおよんでいない。今回、研究グループでは、この現状を打開する手段として、従来の不斉有機分子触媒では利用されてこなかった、ラジカルという化学種を使うことに着目した。具体的には、有機分子である有機硫黄ラジカルに、不斉触媒としての機能を持たせラジカル反応をコントロールしながら、分子を繋ぐという技術の開発である。ラジカル反応は、イオン反応と相補性のある反応形式で、アクリル樹脂のような日用品に含まれる高分子を作る際に使われている。また、ラジカルは元来高い反応性を示す化学種であることから、医薬品など複雑な立体を持つ低分子の合成に使う研究はほとんど行われていなかった。中でも、有機硫黄ラジカルは不安定な化学種であり、安定なジスルフィドという分子に光(紫外線)を当てて、硫黄と硫黄の結合を均一開裂させることで発生させる。しかし、光の照射を止めると、ジスルフィドに戻ってしまうため、この有機硫黄ラジカルを触媒として使うには反応を行っている間、光を当て続ける必要がある。通常の実験では光源として水銀ランプを用いているが、環境調和の観点から太陽光を利用することもできるという。将来的には、この研究を拡張していくことで、不斉有機分子触媒がより汎用性の高い有機合成ツールになると期待される。しかし、現状では未熟な技術であるので、触媒の単純化、触媒量の低減、触媒概念の一般化を検討し、さまざまな化合物の効率的供給ができる技術になるよう、研究を推し進める。また、今回の研究で得られた知見を基に、有機分子触媒と太陽光を組み合わせた新しい環境調和型不斉触媒の発展にも努めていきたいとコメントしている。
2014年07月15日(画像はプレスリリースより)女性農業者の美と健康を外からも内からもサポート株式会社コーセーは、“健康総合企業”を掲げる株式会社タニタと共同で、農業女子の健康と美を支援する「農業女子ブリリアントボディー化計画」を7月13日よりスタートする。「農業女子ブリリアントボディー化計画」では、タニタは、見た目は細いが、体脂肪率21%以上で、筋肉量は平均的な細マッチョタイプの体のラインが美しい体形をブリリアントボディーと呼んでいる。(画像はプレスリリースより)そのタニタとともに、「健康と美」をテーマに、肌も髪も健康でトラブルのない適度な脂肪と筋肉のバランスがとれた“ブリリアントボディー”を3カ月間で目指すプログラムを実践していく。キックオフミーティングは7月13日丸の内タニタ食堂から農業女性者の屋外作業時における紫外線や乾燥などの肌トラブルから守るスキンケアやヘアケアに関するセミナーを実施し、7月14日から10月13日の期間中は同社の商品を用いて、美容と健康に欠かせない健やかな肌や髪を維持するノウハウを提供しサポートする。タニタから貸与された、通信機能を備えた体組成計や活動量計を使い、タニタの管理栄養士が食事や運動などをサポートしながら、内側からの健康づくりにも取り組んでもらう。優秀者を表彰するアワードをプログラム終了後の11月5日に開催する予定だ。本アワードではブリリアントボディーになった健康的な肌や体を、より輝かせるため、受賞者がプロのメイクアップアーティストによりさらに変身を遂げるイベントも予定している。農林水産省による官民連携の農業女子プロジェクトアベノミクスの成長戦略である「女性の活躍」を実現する施策のひとつで、2013年に農業女子プロジェクトを開始、同社は当初よりその趣旨に賛同し、女性農業者の紫外線や乾燥対策のスキンケアや、メイクアップ商品を提供し、生活環境から肌を守り、美しくなる楽しさを提案してきた。これからも、化粧品の原材料に農産物の恵みを活かし、より豊かな生活のために、安心で安全な化粧品を使用してもらいながら、農業女性者の美容と健康に役立てるとともに、農業への理解を深め興味をもってもらうことを目的とし、全国各地の農業女性者に対するさまざまなサポートをしていく。【参考】・株式会社コーセープレスリリース・「農業女子ブリリアントボディー化計画」サイト
2014年07月07日東京工業大学(東工大)は6月19日、有機結晶が光で融解するメカニズムを放射光X線による結晶構造観察で突き止めたと発表した。同成果は、同大大学院 理工学研究科の星野学研究員、腰原伸也教授らによるもの。産業技術総合研究所(産総研)の則包恭央主任研究員、阿澄玲子グループ長、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の足立伸一教授と共同で行われた。詳細は、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載された。今回、対象とした長鎖アルキル基を有したアゾベンゼン誘導体が、"アゾベンゼンが整列した領域"と"長鎖アルキル基が結晶内で激しく運動している領域"の2領域が共存した特異な結晶構造をしていることを明らかにした。さらに、この結晶に紫外光を照射すると、アゾベンゼンが光異性化反応を起こして整列が壊れ、結晶中にもかかわらず液体のように激しく運動している長鎖アルキル基の領域と均一化されることで、融解が起こることを解明した。この結晶構造観察は、放射光X線を利用した単結晶X線構造解析であり、実験室系では得られないX線回折データを高精度に集めることによって実現したという。通常、結晶を融解させるには室温以上に加熱する必要があるが、光照射という簡便な手段で結晶融解を実現できる技術を利用すれば、有機材料の成形・加工の生産コストを大幅に削減できる。今回の研究は、光照射による融解技術を産業化するための分子材料設計方針を提供するものであると説明している。
2014年06月23日三菱化学は3月24日、大成建設と共同で、有機薄膜太陽電池を用いた発電する建物外壁ユニットを開発し、大成建設が都市型ゼロエネルギービル(Zero Energy Building:ZEB)の実現に向け、建設を進めている建物へ導入し、実証試験を開始すると発表した。近年、建物の省エネや災害時における機能維持に関する要求が高まっており、快適性を損なわずに消費エネルギー量を削減し、その上で必要なエネルギーを再生可能エネルギーなどで賄うことで年間の消費エネルギーを限りなくゼロにするZEBの実現へ向けた取り組みが加速している。太陽光発電は、その要素技術において重要な再生可能エネルギーだが、パネルの設置面積が限られる都市部の建物においては、より多くの発電量を確保するために、屋根や屋上面への設置に加え、壁や窓などの側面を有効活用することが必須となる。しかし、建物の外壁へ設置するためには、サイズや色など建物に求められるデザインに対応できるフレキシブル性や軽量性、また、建物の長寿命化に伴う機器更新の容易さなどが必要となり、本格的な建物の外壁対応型太陽光発電パネルは今まで実用化されていなかった。今回、両社が開発した有機薄膜太陽電池外壁ユニットは、薄くて軽く、色の自由度を持ち合わせ意匠性が高い三菱化学の有機薄膜太陽電池を使用し、建物外装に関する設計・施工において多くの実績とノウハウを有する大成建設の技術を用いることで、クリーンで持続可能なエネルギーを供給しつつ、建物の多様な階高やスパンへの適応、多様な色の選定が可能な意匠性、軽量性、将来の機器更新の容易性などを併せ持つ本格的な発電する外壁ユニットとなっている。今後、大成建設の技術センター(横浜市戸塚区)内に建設中のZEB実証棟へ、同有機薄膜太陽電池外壁ユニットを導入し、実用化に向けた実証を進めていくとしている。
2014年03月25日有機や特別栽培の農産物などの食品宅配をインターネットで提供する「Oisix」を運営するオイシックスはこのほど、コネクシオおよび凸版印刷との協業のもと、法人企業向けに旬の野菜セットなどのさまざまなセットから自由に商品を選べる「Oisixギフトカード」の販売を開始した。今回発行するOisixギフトカードは、法人企業向けのノベルティとして販売され、3800円のエクセレントと5500円のプレミアムの2種類がある(いずれも非課税) 。これまでも「Oisix」の商品を法人企業がノベルティとして活用するケースがあったが、届け日の確認や、不在・転居に対する対応など、企業に煩雑な手間が発生していたという。Oisixギフトカードは、「Oisix」のWebサイト上で好きなセットと届け日を選択することができ、従来の手間が省ける。同サービスにおいて、コネクシオはカード発行者となり、カード発送業務、販売促進業務などを担当する。また、コネクシオは凸版印刷が富士通エフ・アイ・ピーと提供する「ギフトカード ASP サービス」を利用するとともに、凸版印刷との協業により、ギフトカード発行拡大施策などの提案も行うという。
2014年02月28日同成果は、山形大 有機エレクトロニクス研究センターの時任卓越研究教授、宇部興産 有機機能材料研究所のグループによるもの。詳細は、3月14日に山形県米沢市で開催される「高分子学会 有機エレクトロニクス研究会 第3回異業種交流会」、および3月17日~20日に青山学院大学 相模原キャンパスで開催される「第61回応用物理学会春季学術講演会」にて発表される。プラスチックフィルム上に回路を印刷して電子デバイスを作製するプリンテッドエレクトロニクス技術は、タッチパネルの配線などで実用化が始まりつつある。今後は、より複雑な電子デバイスである半導体集積回路に同技術を応用することが期待されており、高性能な導電インク、絶縁樹脂、半導体インクなどの材料開発が活発に行われている。半導体は、p型半導体とn型半導体を組み合わせることで電気の流れをコントロールすることができ、集積回路にはこれら2種類の半導体が使われている。これまで、有機溶媒に溶かすことができ、印刷法に適用可能な、移動度が高いp型有機半導体は数多く報告されてきたが、n型有機半導体はほとんど報告がなかった。これは、n型有機半導体が、大気中の水や酸素に対して化学的に弱いことが原因で、電子デバイスに用いても高い電気特性を維持することが難しかったためである。今回、課題となっていたn型有機半導体の安定性を大幅に改善し、有機溶媒に溶けやすい性質と、高い電気特性を両立することに成功した。同材料を用いることでp型、n型両方の半導体が揃い、低価格で低消費電力な有機集積回路の実現が可能となり、ウェアラブル、モバイル、フレキシブルといった用途に使われる新しい電子デバイスの開発への寄与が期待できるとしている。具体的には、山形大学の高性能半導体に関する材料設計の知見、および印刷法による電子デバイス作製・評価技術と、宇部興産の有機合成に関する知見と技術を活かし、共同で大気中での安定性と溶解性、高い電気特性を兼ね備える有機半導体の分子設計の検討を進め、材料合成、高純度化、トランジスタ素子作製、素子性能評価およびトランジスタ素子構造の最適化を行った。これにより、3cm2/Vs以上の高い電子移動度が得られた。さらに、従来のn型有機半導体では、大気中の水、酸素によって有機半導体層の中での電子移動が妨げられやすいことが問題となっていたが、水、酸素による電子伝導への影響を大きく低減することを目的に、分子全体に強い電子受容性(電子の受け取り易さ)を付与することで、従来のn型有機半導体では実現が困難だった高い安定性を実現している。現在、同材料を有機集積回路に応用するためのトランジスタ素子の構造の最適化と、CMOS回路などの試作の検討と並行して、さらに移動度と溶解性を改善するなど、より使いやすい有機半導体とする目的で分子構造の改良を進めている。加えて、この有機半導体を用いたインクジェット印刷などによる印刷集積回路の試作に取り組み、同技術を応用して、有機トランジスタを用いたRFIDタグ、フレキシブル生体センサやフレキシブルディスプレイなどの開発を進めていくとしている。なお、宇部興産は、同n型有機半導体材料のサンプル提供を開始する。
2014年02月19日静岡県菊川市は、石川県七尾市で開催されている世界農業遺産(GIAHS)国際会議において、「静岡の茶草場(ちゃぐさば)農法」が世界農業遺産に認定されたことを発表した。「茶草場農法」とは、秋冬期に茶園周辺のススキやササなどの草を刈り取り茶畑に有機物として敷く、昔から続けられてきた伝統農法。同市では昨年、この「茶草場」の存在が確認された掛川市、島田市、牧之原市、川根本町と協力し「静岡の茶草場(ちゃぐさば)農法」世界農業遺産推進協議会を設立し、国際連合食糧農業機関(FAO)が行っている「世界農業遺産」への登録をめざして活動してきた。また、9月27日には世界農業遺産「静岡の茶草場農法」実践者認定委員会を掛川市役所で開催。4市1町(菊川・掛川・島田・牧之原市、川根本町)に在住する生産者9団体から提出された申請書により審査が行われ、9つの団体、個人が実践者に認定された。同市からは、倉沢の山本哲さんと堀延弘さんの2人が、認定区分の最高位(三つ葉)として認定され、認定証書を受け取ったとのこと。なお、「世界農業遺産」はこれまで世界で19の地域が登録済み。日本では「能登の里山里海」と「トキと共生する佐渡の里山」が認定されている。詳細は同市公式ホームページ(を参照のこと。
2013年12月11日阪神電気鉄道は16日、はちみつの生産と商品化を手がける「阪神電車みつばちプロジェクト」の商品化第二弾として、有機野菜宅配を手がける大阪愛農食品センターと共同開発した有機JAS認定のドレッシング「六甲山アカシアはちみつと有機野菜の魔法のドレッシング 颪(おろし)」を阪神梅田本店及び「颪」特設webサイトで発売を開始した。この「颪」ドレッシングは、「お客さまの食卓に魔法を」をコンセプトに、「美味しく」「安心に」「楽しく」の三つのキーワードで開発したドレッシングで、天然はちみつの甘さと有機野菜が持つ力強い味を絶妙なバランスで引き出しているという。使用しているはちみつ、農産物等は天然由来の素材のみを使用し、添加物や保存料は一切使用していない。農林水産省の有機JAS認証において「有機加工食品」の認証を受けており、安心して食べられるほか、サラダはもちろん、肉料理、魚料理及びパスタのソースとしても使えるなど使い勝手が良く、「第二の塩麹」とも言える一品とのこと。同プロジェクトで商品化した製品は、昨年10月6日に六甲山上で発売を開始した「六甲山ミツバチ やまみつ」瓶詰め商品が発売後約1か月で完売するなど、高い人気を集めているという。同社では、今後も遊休地を活用したはちみつの生産を行い、採取したはちみつを使った新しい商品を考案・販売していくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年01月18日農場で、作物の収穫や種まきを体験しながら婚活をする「農業合コン」。自然の中で土に触れながら婚活を楽しめるという。今回は、農業婚活「つくしんぼ畑」のイベントに参加した。「つくしんぼ」は千葉県にあるレンタルファーム。普段農業をすることが難しい人に、気軽に農作業を楽しんでもらうことを目的に運営されている貸し農場だ。ここで、「若い世代に、農業に親しんでもらいながら婚活をしてほしい」と婚活のイベントが開催されている。「つくしんぼ」のホームページから参加を申し込み、天気を心配しながら、当日を迎えた。当日は、次のようなスケジュールでイベントが行われた。■12時45分つくしんぼ農園に現地集合。身分証確認やプロフィール名札の記入をして受付を済ませる。■13時00分農作業体験。2人1組になり種まき、野菜の収穫等の畑作業を行う。■15時00分2人1組になってピザ焼き体験。■16時00分トークタイム。農作業、ピザ焼きでペアを組まなかった人と、2人1組でトーク。最後にアプローチカードを記入し、回収。■17時00分イベント終了。現地解散。この日の天気は曇り。参加者は9(男性)対10(女性)の合計19名。年齢層は20歳から40歳ぐらい。この日は30代半ばの参加者が多かった。婚活イベントは、簡単な自己紹介からスタートした。ほとんどの人が一人で参加しており、埼玉、神奈川などの遠方からやってきた人も多い。番号の書かれた名札をつけて、早速最初のペアを組む。指導員の方の説明を受けて、鍬(くわ)を持ち、畝(うね)(土を盛り上げた状態のこと)を作ることがから始める。慣れない鍬(くわ)を扱うのに苦戦しながら、無事に畝(うね)を作り、作物の種をまく。作業中、ペアの男性がアシストしてくれるのでありがたい。次に、作物の収穫体験が行われる。ペアを変えて、イモ、ニンジン、ネギを掘り起こす。作物はかなり大量で、総勢19名がいくら引っこ抜いてもまだまだ残っているので驚いた。野菜はすべて無農薬栽培で育てられたもので、収穫した分は、自宅に持ち帰ることができる。その後、ペアを変えてナスや小松菜なども収穫する。作物の収穫という共同作業を行うため、より気軽にペアとの会話を楽しむことができた。農作業で一汗かいたあとは、石釜でピアを作る。生地を伸ばし、トマトソースとバジル、チーズを載せて、メラメラと炎のゆれる石釜の中へ。焼き目をじっくりと観察しながら、3分ほどで釜から出して完成。冷めないうちに、ペアの2人でテーブルにつき、できたてのピザを楽しむ。残りの時間は、農作業やピザ作りでペアにならなかった人とのトークタイム。必ず全員が一対一で話ができるように配慮されている。農作業の後なので、「野菜、たくさん採れましたか?」などと、話のきっかけがつかみやすい。最後は、全員にアプローチカードが配られ、気になる人の番号と自分の連絡先を書き込む。参加者のプライバシーが守られているので、自分の連絡先は他の人に知られない。裏をかえせば、自分にアプローチが来なければ、相手の連絡先がわからないということ。カードを書き込む姿は皆真剣そのものだった。ここですべてのプログラムが終了。封筒を手渡され、自分あてのアプローチがあれば、カードが同封されているとのこと。収穫した大量の野菜を手に帰路につく。出会いもありつつ、都会ではなかなか体験できない農作業も経験し、焼きたてのピザを食べることができて大満足だ。主催者の高橋さんによると、わかっているだけで、今まで「つくしんぼ畑」から1組が結婚、1組が婚約とのこと。問い合わせなどはホームページから。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月27日福島県いわき市は30日、同市内の農業従事者を対象に実施した「農業風評被害に関する生産者アンケート調査」の結果を発表した。同調査は10月1日~26日の期間に記入式アンケートにより行われ、農業従事者110名から有効回答を得た。同市は、東日本大震災からの復興と、東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴う農作物などの風評被害対策を目的として、2011年10月から「いわき見える化プロジェクト”見せます!いわき”」を実施している。今回の調査は同プロジェクトの一環として行われたもの。同調査で、震災前と比べて自身の農業の規模はどのように変わったかと尋ねたところ、ほぼ半数の49.1%が「農業の規模が縮小」(「かなり縮小」15.5%、「やや縮小」33.6%)したと回答。それに対して、「変わらない」は43.6%、「やや拡大した」は6.4%、「拡大した」は0.9%だった。風評被害は昨年の同時期と比べてどのように変化したかと聞くと、「縮小した」と答えた人は60.0%(「かなり縮小した」15.5%、「やや縮小した」44.5%)。一方、「変わらない」は30.0%、「やや拡大した」は8.2%、「拡大した」は1.8%で、これらの合計は4割に達し、依然として風評被害が根強く残っていることが浮き彫りになった。風評被害が自身の農業経営におよぼす影響はどの程度との質問に対しては、65.5%が「深刻」と回答(「かなり深刻」19.1%、「やや深刻」46.4%)。一方、「どちらともいえない」は21.8%、「あまり深刻ではない」は9.1%、「深刻ではない」は3.6%だった。また、震災直前を100%とした場合の農業収入の回復度は平均69.9%と7割を切っており、状況の深刻さを裏付ける結果となった。風評被害対策として取り組むべきことや伝えたい意見などを聞いたところ、風評被害全般については「数値上は安全であっても、『福島産』というだけで敬遠される」「契約栽培はゼロのまま」「息子に農業を継がせることをあきらめた」などのコメントが寄せられた。また、モニタリングについては「モニタリング検査の傾向を分かりやすく発信して欲しい」「全量検査しかないと思う」など、情報発信については「テレビやラジオなど、様々な広報媒体を活用して、いわき野菜の安全をもっとPRして欲しい」「若い世代を対象に、もっと放射能を理解できるセミナー等を開催して欲しい」などの意見が挙がったほか、「風評被害への東電補償が十分にされていない」「生産者に対する保護政策を検討すべき」といった考えも寄せられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月31日中国銀行は10日、農業向け金融の取組強化の一環として、農業従事者を対象にした「香川県農業近代化資金」の取扱いを開始した。同制度は、農業従事者の幅広い資金ニーズの支援ならびに利便性を高めるため、(1)香川県の利子補給、(2)国・各市町の利子助成、(3)「香川県農業信用基金協会の信用補完制度」を活用した制度となっている。香川県の利子補給、国・市町の利子助成を活用した制度のため、顧客は低利な資金調達(実質金利年0.0%~年1.1%程度)が可能。使いみちは、農業経営に必要な設備資金。借入れ金額は、法人・農業を営む任意団体などの場合は2億円以内、個人事業主の場合は18,000千円以内。借入れ期間は原則、最長15年以内で、「使いみち」および「融資金額」により異なる。返済方法は年1回返済(12月10日)。同行では、今後とも、農業ビジネスへのサポート体制強化を通じて、農業分野への投資意欲を促し地元経済の活性化に努めていくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月12日エコソリューションズは、有機EL照明デバイス(パネル・モジュール)において、従来の電球色(3,000K)に加え、昼白色(5,000K)と白色(4,000K)を追加発売する。厚さ約2mmの薄型「有機EL照明パネル」は、出光興産との合弁会社であるパナソニック出光OLED照明社が、7月20日より発売。パネルに制御回路を内蔵した使いやすい「有機EL照明モジュール」は、エコソリューションズが8月中旬より発売する。寿命は1万時間(光束維持率70%)。パネルは厚さ約2mm、モジュールは厚さ約9mm、最大枠幅約11mm機器に組みやすい薄型・狭枠設計であるほか、「スライドイン」構造により、パネル交換が容易となっている。効率は、白熱電球を超えるパネル単体で26~30lm/W、モジュールで17lm/W。日本市場でニーズの高い昼白色を含む3色(昼白色、白色、電球色)での展開により、用途に応じた選択が可能になる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月20日会社に勤めても人生安泰というわけにはいかないご時世です。そんなご時世ですから、食べるのに困らないというイメージからか、農業に目を向ける人が増えています。来るべき食料不足の時代を見越して、農耕に適した土地を買い増す投資家がいるぐらいです。では、門外漢が農業を始めるとしたら、一体いくらぐらいかかるのでしょうか? 調べてみました。農業を始めるとひと言で言っても作物はさまざまですが、日本人ならまず米作り。食糧難の時代がやって来ても、自分が作ってるのであれば食うに困りません。というわけで「ゼロから米作りをするなら……」を、新潟県、長岡市で農機具販売を手がけている大島健さんにお話を伺いました。――お米作りをゼロから始めるとするといくらかかるかを知りたいのですが。米を作る工程ごとにかかるコストが違いますので、まずこの工程を理解してください。実際にはもっと細かな工程があったり、各農家・地区によって異なりますが大まかにはこの通りです。土づくり(耕耘作業、土ならし、除草作業、肥料散布)田植え(苗購入、苗植え)管理(除草作業、追加肥料)収穫(稲刈、乾燥調製)保管――なるほど。耕作地はどうすればいいでしょうか?基本的には各地域の農業委員会の許可を得なければ田畑の取引はできませんが、今回は親戚縁者から借り受けるという形にして話をしましょう。――田んぼを借りるにはいくらぐらいかかるのでしょうか?田んぼの借り賃は、1反(10a)あたり9,000円~25,000円です。もちろん所在場所・用水の利用などで変わります。山の中などの不便な場所になるほど安くなります。――イメージとしてはそんなに高くない感じですね。田んぼ1反でどのくらいお米が収穫できるのでしょうか?収穫量は約500~600㎏になりますね。ちなみに1人あたりの米の年間消費量は約60㎏です。――そうすると、1反の田んぼからの収穫で1人なら十分ご飯が食べられるということですね!――各工程ごとのコストはどうなるでしょうか?そうですね、作業の機械化の度合いによってコストに大きく開きがあるので「A」、「B」、「C」の3パターンに分類しましょう。まったくお金をかけずに手作業で行う場合を「A 」、ややお金をかけある程度機械に頼るものを「B」、お金をかけてとにかく楽に作業するのを「C」とします。(※以下で提示しているのは定価、あるいは平均的な価格なので注意してください)Aパターン:耕すための鍬(12,000円)+土ならし用のレーキ(3,000円)+雑草取りのための草刈鎌(800円)+有機肥料代(400円×15袋)=21,800円Bパターン:耕すための耕耘機(140,000円)+耕耘機用土ならしレーキ(12,000円)+除草剤(3,000円)+人力肥料散布機(15,000円)+有機肥料代(400円×15袋)=176,000円人力肥料散布機耕耘機参照パターン:耕すためのトラクター(980,000円)+トラクター用土ならしロータリ(280,000円)+除草剤噴霧機(48,000円)+除草剤(3,000円)+肥料用動力散布機(85,000円)+有機肥料代(400円×15袋)=1,402,000円トラクタ参照 噴霧機参照動力散布機参照※「レーキ」とは熊手のことです)自分でも苗を作れますが、今回は農協でコシヒカリの苗を買った計算です。Aパターン:手植えのため苗代のみです。苗代(700円×20セット)=14,000円Bパターン:苗代(700円×20セット)+歩行用田植機(208,000円)=222,000円歩行用田植機参照パターン:苗代(700円×20セット)+乗用田植え機(690,000円)=704,000円乗用田植機参照パターン:除草作業は土作りの時の鎌または素手で手作業。追加有機肥料代(400円×5袋)=2,000円Bパターン:田んぼ周辺の除草作業に刈払機(55,000円)+水田用除草剤(3,500円)+追加有機肥料代(400円×5袋)=60,500円刈払機参照パターン:除草剤噴霧機(購入済み)+除草剤(3,000円)+水田用除草剤(3,500円)+肥料用動力散布機(購入済み)+追加有機肥料代(400円×5袋)=8,500円Aパターン:稲刈用の鎌(800円)+稲を束ねる紐(200円)+モミの乾燥は天日干し+手作業で脱穀作業+道具がないので籾摺り調整作業を農家に委託(8,000円)+米袋(100円×20袋)+コイン精米所での精米作業(300円×20回)=17,000円Bパターン:歩行型稲刈バインダー(400,000円)+稲を束ねる紐(200円)+モミの乾燥は天日干し+手作業で脱穀作業+道具がないので籾摺り調整作業委託(8,000円)+米袋(100円×20袋)+家庭用精米機(38,000円)=440,200円バインダ参照家庭用精米機パターン:乗用型稲刈コンバイン(1,460,000円)+穀物乾燥機(810,000円)+米のモミすり機(400,000円)+選別計量機(230,000円)+米袋(100円×20袋)+家庭用精米機(38,000円)=2,940,000円コンバイン参照穀物乾燥調製機器参照パターン:自分の家にて温度湿度に気を付けながら保管=0円Bパターン:ネズミ・虫除けのための米保管庫=36,000円保管庫参照パターン:ネズミ・虫・湿気を防ぐための玄米低温貯蔵庫=170,000円貯蔵庫参照以上を3パターンごとに合計して、田んぼの賃料9,000円を加えると……。まったくお金をかけずに手作業で行うAパターン:合計63,800円ややお金をかけて、ある程度機械に頼るBバターン:合計943,700円お金をかけてとにかく楽に作業するCパターン:5,233,500円――やはり、かなりコストが違いますね。大まかな作業ごとのコストは以上ですが、実際は割引や中古販売などがあるので機械に関してはもっと安く済みます。――どのくらい安くなりますか?平均して約3割引程度でしょうか。この他に機械・道具の保管場所や、燃料代や機械の整備費、田んぼまでの移動手段などが必要になることも考えなければなりませんね。――この3つのパターンの実現可能性というのは?まず何もかも人力でやるAパターンですが……お金はかかりませんが、まず体がもたないと思います。毎週土日は山の田んぼで過ごす覚悟が必要です。一つ一つの作業に時間がとられるため天候が崩れた際の予定変更も容易ではありませんね。――なるほど。Bパターンはどうでしょうか?Bパターンでは、Aパターンよりお金はかかりますが格段に仕事量を減らすことが可能です。定年退職や休日ファーマーになって中山間地でこだわった栽培をしている方に多い形態ですね。――これは実際に実行している人がいるわけですね。Cパターンはどうでしょうか?Cパターンでは格段に仕事が楽になりますが、コストも桁違いです。今回の面積では元が取れるまで大変苦労すると思います。もう少し耕地面積を確保するのが現実的です。――では現実を考えると……。現実的なコストのかけ方としてはBパターンが一番妥当だと思います。――ということは、合計943,700円のパターンですね。これ以外にやり方はありますでしょうか?その地区の農業組合・農家に作業委託をするというやり方もあります。委託先や田んぼの条件にもよりますが、お米を作るまでの一通りの作業を1反あたり約100,000円で委託が可能です。――なるほど。ただ、その場合は「農業始めました」とは言いにくいかもしれませんね。実際に商売として農業を行う若い人のほとんどは各地区の農業生産組合の求人から就職するか、各自治体の就農者向け教育機関などで知識と技術を学んでから新規就農者となります。今年の農林水産省の予算に「新規就農総合支援事業」というものがあります。これによって国・県・市それぞれから新規就農者向けの融資などの補助事業が例年よりも盛りだくさんです。個人にしても就職にしても新規就農はしやすいかと思います。大変具体的でわかりやすい大島さんのお話でした。国の未来を考えると、みんながもっと農業に興味を持つ必要があるかと思います。みなさん、就農について考えてみませんか?(谷門太@dcp)【
2012年06月01日