第43回菊田一夫演劇賞が4日発表となり、ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』が、舞台効果の高さを評価され大賞に選ばれた。日本では『リトル・ダンサー』として知られる映画『BILLY ELLIOT』を2006年にイギリスでミュージカル化した同作。世界でも数々の賞を受賞している。映画で同作の監督を務めたスティーヴン・ダルドリーが演出を務め、エルトン・ジョンが音楽を担当した。イギリス北部の町の少年・ビリーが、炭鉱労働者の父に反対されながらも、バレエダンサーとしての才能を開花させていく。1,346人から抜擢された5人の少年たちが主演を務めた。菊田一夫演劇賞には、『ブロードウェイと銃弾』でチーチ役を演じた城田優、『Sing a Song』三上あい子役の演技が評価された戸田恵子、『キューティ・ブロンド』エル・ウッズ役の神田沙也加、『ベルリン、わが愛』『ドクトル・ジバゴ』の脚本・演出を務めた原田諒が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は永年の作曲及び音楽活動の功績がたたえられ、甲斐正人が受賞した。
2018年04月04日全員40代のゴツゴツした男たちだけで熱い芝居をする――。開場と共に、本多劇場のロビーは老若男女であふれる。どうも男性率が高く、役者らと同世代か、上の年齢層で、ひとりで見に来ている人も多いようだ。と、思えば、若いカップルや子連れの家族、ゴツプロ!通らしい女性客も増えてきた。お目当ての役者があるらしく、壁に掲示された畳2畳分ほどの白い布に、「ゴツプロ!の演技が大好きです!」「大助くん、がんばって」などのメッセージがその場で書き込まれていく。芝居も熱いが、ファンも熱いのがゴツプロ!らしい。東京公演千秋楽のこの日の客席は満杯で、通路に補助席も出る盛況ぶり。客入れ音楽の津軽三味線を聞きながら開幕を待った。ゴツプロ!第三回公演『三の糸』公演情報2016年1月に東京・下北沢で旗揚げし、初回から追加公演に至ったほど評価が高いゴツプロ!。3回目にして本多劇場に進出し、大阪・近鉄アート館公演の後には台湾公演も決定している。第一回は豪華客船の乗組員、第二回は昭和期のグランドキャバレーを題材にしてきたが、このたびはガラリと趣向を変えて津軽三味線。いずれとも知れぬ深い山奥の苔むす大きな岩を舞台中央に据え、7人の男たちが猛烈な会話劇を始める。「オシャ」とか無理やりな現代若者言葉に苦笑してしまうが、言ってみたいおじさんの気持ちはわからないでもない、いや、わかる!しかもこれは後半へのひとつの布石であり、のちのちのギャップに拍車をかけてくれるのだ。構図としては、4人対3人。彼らは、三味線弾き「万沢家」の血脈を受け継ぐ者たち。会話する組み合わせは複層的に交錯し、瞬時に時を越え、記憶の底からえぐり出してくる感情でぶつかり合う。笑いあり、涙あり、というより、泣くところなんだけど笑っちゃう、笑いながらなぜか涙が出てくる感じで、ずっと言えず胸に秘めて来た想いを、舞台上の彼らの口を通し表現してもらったかのホッと感が起きてきた。ひとりひとりの生きざまを丁寧にさらけ出す緻密な脚本なのだ。日常に埋没し凝り固まっていた心を解放してくれる、それがゴツプロ!なのではないかと思った。ラストは役者全員による津軽三味線演奏。小山会という有名な団体に依頼し、一年間も稽古を積んできたという。全員がゼロから始めたらしいが、信じられない!懸命なバチさばきから放たれる情念のグルーヴは感動必至。自分もいまから何か始めてみたい!と刺激もされた。全員40代の安定感でありつつ、脂がピッチピチに乗り切った予測不能感も魅力。次は大阪・近鉄アート館で、本気のおじさんたちに刺激されてほしい。「ゴツプロ!第三回公演『三の糸』」は1月19日(金)から21日(日)まで大阪・近鉄アート館にて上演。
2018年01月16日第四十二回菊田一夫演劇賞授賞式が28日に東京・如水会館で行われ、菊田一夫演劇大賞を受賞した麻実れい、菊田一夫演劇賞の中川晃教・小池徹平・新橋耐子・藤田俊太郎、菊田一夫演劇賞特別賞の勝柴次朗が登壇した。大賞となった麻実は『8月の家族たちAugust:Osage County』『炎アンサンディ』の2作品で評価を受けた。「桜の咲く季節に宝塚で初舞台を踏み、47年目の春を迎えています」と気品を漂わせながら自身を振り返り、「この先どうなるかはわかりませんけども、いただいた勇気をもって、改めて歩き出したいと思います」と深く頭を下げた。『ジャージー・ボーイズ』フランキー・ヴァリ役が評価された中川は「最近、嬉しいことに、ミュージカルが本当に沢山の方々に求めていただく時代に入ってきたと感じている」と印象を語る。その実感ができているのは「僕達を牽引してきてくれた先輩たちがいたから」と感謝。「手取り足取り、時には姿勢で示してくださった一つ一つの瞬間が僕の中で学びになっている」と振り返った。さらに中川は、賞金の50万円を「語学学習に使いたい」と明かした。ブロードウェイへの意欲も見せ「ミュージカルシーンが日本の中でひとつもふたつも華やかになって世界に行けるように、今は頑張る時期だと思って、改めてやらねばという思いになりました」と新たな決意を示した。『1789-バスティーユの恋人たち-』『キンキーブーツ』で賞を受けた小池は、歌手、タレントと様々に活躍するが「自分が歩んでいた道が間違ってたわけじゃなかった」としみじみ。「今後のミュージカルの役者としても励みになる、力になる賞だと思って感謝しています」と喜びを表した。また、『ジャージー・ボーイズ』『手紙2017』の演出を評価された藤田は、師匠である故・蜷川幸雄さんに感謝。「『藤田、くれぐれも調子にのるなよ』と言われると思います」と笑いつつ、「蜷川さんの精神をきちんと引き継いでいこうと思います」と決意を改めた。
2017年04月28日第42回菊田一夫演劇賞が4日発表となり、女優の麻実れいが菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。大賞に選ばれた麻実は、『8月の家族たちAugust:Osage County』バイオレット役、『炎 アンサンディ』ナワル役の演技が高く評価された。菊田一夫演劇賞には、読売演劇大賞の最優秀作品賞も受賞した『ジャージー・ボーイズ』でフランキー・ヴァリ役を演じた中川晃教、『1789~バスティーユの恋人たち~』ロナン役&『キンキーブーツ』チャーリー・ブライス役の演技が評価された小池徹平、『食いしん坊万歳! ~正岡子規青春狂詩曲~』八重役の新橋耐子、『ジャージー・ボーイズ』『手紙2017』の演出を務めた藤田俊太郎が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は永年の舞台照明デザインにおける功績がたたえられ、勝柴次朗が受賞した。
2017年04月04日俳優・小栗旬が、映画『テラフォーマーズ』(4月29日公開)で演じる本多晃博士役のメイキング写真が6日、公開された。本作は、『あいうら』(2013年)などを手がけてきたLIDENFILMSの制作で2014年にTVアニメ化もされた同名コミックを原作として、準備に約2年を費やし実現したSFアクション。2599年の人口激増により貧富の差が激しくなった日本を舞台として、火星で人型に進化したゴキブリ「テラフォーマー」とそれらを駆除するために特殊能力の手術を受けた人々との戦いを描く。メガホンを取るのは三池崇史監督。重要な役割を担う宇宙船"バグス2号"のセット製作には約1億円を投じ、3カ月間をかけて原作の世界観を忠実に再現している。小栗が演じるのは、火星地球化(テラフォーミング)計画の鍵を握る本多晃博士。火星地球化計画とは、大量のコケとゴキブリを送り込むことで、平均気温マイナス58度の火星を温め上げるプロジェクトだ。その計画が遂行されてから500年後、小町小吉(伊藤英明)らが本多によって選ばれ、宇宙船に乗って火星へ向かうことになる。公開された写真は、スラムと化した日本の街に降り立ち、バグス2号の乗組員候補者を迎えに行く本多を捉えた1枚。すでに発表されているポスタービジュアルでも、ホログラムで火星に浮かぶ姿が話題になっていたが、今回のカットも中性的なメイクと特徴的なアシンメトリーのヘアスタイルで怪しい雰囲気を醸し出している。(C)貴家悠・橘賢一/集英社(C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会
2016年01月06日大衆演劇の舞台ですぐれた業績を上げた芸術家を表彰する「第37回菊田一夫演劇賞」の授賞式が4月20日、都内で行われた。菊田一夫演劇大賞は、『国民の映画』『ベッジ・パードン』『90ミニッツ』の作・演出が評価され、三谷幸喜が受賞。演劇賞には、今夏ミュージカル『シカゴ』で米国・ブロードウェーでのデビューが発表されたばかりの米倉涼子のほか、石丸幹二、瀬奈じゅん、宝塚歌劇団星組の柚希礼音が受賞。特別賞にはこまつ座と司葉子が受賞した。三谷幸喜のチケット情報受賞式後に行われた会見で三谷は、「いろんな賞をいただきましたが、この賞が一番嬉しいです。ほかの授賞式の時もそんなことを言った気がしますが」と笑いを誘いながらも「菊田先生はエンタテインメントとしての演劇に貢献され、僕自身も演劇を芸術というより、多くの人に楽しんでもらうことを目的に作っていますので、(思いが同じである分)とても嬉しい」とコメントした。また、「もらえるもの(賞)は全部もらいたい。ノーベル賞も欲しいし、ゆくゆくは“平成の菊田一夫”と言われて、最終的には菊田先生のように東宝の取締役になりたい」と野望も口にしていた。『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役の演技に対しての受賞となった米倉は「今回久しぶりに胸がドキドキしています。三谷さんが本当に嬉しいとおっしゃっていましたけど、私はそれ以上に嬉しいです」と喜びを爆発させていた。『シカゴ』の稽古については「今、特訓しています。インターネットのスカイプを使って、向こうのコンダクターともコミュニケーションを取ったりしてます」と順調に準備を進めている様子がうかがえた。なお、石丸、瀬奈、柚希、こまつ座は代表の井上麻矢、司はそれぞれ次のようにコメントした。「今までの自分のキャラクターではない、悪の香りがするダークな役で受賞できたので、やってきたことに自信を持つことができました」(石丸)。「宝塚歌劇団に入団して昨年で20年が経ちましたが、女優としてはやっと3年目です。これからもこの賞をいただいた誇りを胸に、この賞に恥じぬよう精進していきます」(瀬奈)。「この賞は、スタッフや一緒に舞台を作った星組のみんな、すべての関係者への賞だと思っております」(柚希)。「井上ひさしがいなくなりまして、2年間、必死の覚悟でやってきましたが、私たちのような小さな劇団に力を貸してくださった皆さまやスタッフに心から御礼を申し上げます」(井上)。「この賞は本当に欲しいと思っておりました。生前、菊田先生からお誘いいただいて舞台に出させていただきました。やっと舞台で賞をいただいて、私はこれから、舞台俳優としてスタートしたと思っております」(司)。受賞者には記念たてと、大賞は副賞として賞金100万円、演劇賞には50万円が進呈された。
2012年04月23日4月4日、第37回菊田一夫演劇賞と、第3回岩谷時子賞が発表された。菊田一夫演劇賞は、大衆演劇の中で優れた業績を残したスタッフ、キャストに贈られる、日本有数の演劇賞。今回は『国民の映画』『ベッジ・パードン』『90ミニッツ』の作・演出が認められ、三谷幸喜が演劇大賞に選ばれた。そのほか、演劇賞には米倉涼子、石丸幹二、瀬奈じゅん、宝塚星組の柚希礼音。演劇賞特別賞には、こまつ座、司葉子が選出された。また、岩谷時子賞は日本の音楽・演劇界の明日を担う人材や、その向上・発展に功労のあった人物・団体に授与されるもの。こちらは現在、世界的に注目が集まっている由紀さおりが受賞。また岩崎宏美、平幹二朗が特別賞を、瀬奈じゅんが奨励賞を受賞した。瀬奈じゅんは、菊田一夫演劇賞と岩谷時子賞をW受賞したことになる。
2012年04月04日