エムティーアイはこのほど、同社が運営するスマートフォン向けサービス「ルナルナ」のファミリーコースで、より精度の高い妊娠可能日予測が可能になったことを発表した。「ルナルナ」は、妊娠・出産・育児までをサポートするスマートフォン向けサービス。同サービス調査によると、8割以上のユーザーが「基礎体温の計測」を行っているが、計測しても基礎体温を活用できていない人も多いことがわかったという。これまでも同サービスでは、生理日データから算出した独自ロジックによって、一人ひとりにあわせた排卵日と妊娠可能日予測を行ってきた(特許取得済み)。今回は新ロジック採用により、計測した基礎体温を活用することができるよう、ユーザーが入力した基礎体温から、妊娠確率の高い日を計測できるようになったという。ユーザーの過去の生理日に加え、基礎体温データと実際の妊娠記録のビッグデータから妊娠可能日を算出する。そのため、常に不安定な生理周期の人にも、精度の高い予測が可能となったとのこと。体調の変化や計測方法などにより、基礎体温の推移が乱れた場合でも、実際に入力されたデータを元に算出するため、一人ひとりに応じて妊娠確率の高い日を通知できるという。「ルナルナ」ファミリーコースにおいて、基礎体温を入力すると「基礎体温仲良し日(妊娠確率の高い日)」が算出される。妊娠確率の高い期間5日間は「仲良しタイミング」として通知。その中でもより妊娠確率が高いと予測される日を「最もおすすめの日」として表示する。生理開始日から続けて基礎体温を入力することで、より精度の高い予測を行えるとのこと。
2016年12月08日ロート製薬は12月21日、尿中LH(黄体形成ホルモン)を捉える排卵日予測検査薬「ドゥーテスト LHa」(7回分2,700円、12回分3,800円・各税別)を、OTC医薬品(第一類医薬品)として、全国の薬局・薬店にて発売する。同商品は、尿中に分泌されているLH(黄体形成ホルモン)を検出することで、もっとも妊娠しやすい時期である排卵日を約1日前に予測する検査薬。LHは、普段から少量分泌されているホルモンだが、排卵前に分泌量が急激に増加し、排卵の引き金になるという。同商品では、30mIU/mLのLH濃度から検出ができる。形状は、使いやすいスティック状を採用。採尿部に尿を2秒かけるだけで検査できる(判定時間は5分)。採尿部は広くなっているため、尿ハネせずにしっかりキャッチできるとのこと。見やすく分かりやすい判定窓と、正しく検査できたか知らせる尿量確認サイン付きで簡単にチェックできるという。
2016年12月05日一般社団法人「日本スーパーフード協会」では、昨年に引き続き、2017年春夏の日本におけるスーパフードのトレンド予測として「2017S/Sトレンド予測スーパーフードランキングTOP10」を発表した。近年、美容や健康を意識する人々を中心に注目が高まっているスーパーフード。今回は日本市場の今年の流れと擦り合わせたうえで、2017年に日本でブームとなる可能性が高いスーパーフード10品目を予測してランキング形式で発表した。美肌・美白・アンチエイジングを目的としたスーパーフードが上位に2016年は「チアシード」や「ココナッツオイル」など、ダイエットや生活習慣病に効果的とされるヘルシー系のスーパーフードに人気が集まった。それに対して2017年は、美肌・美白・アンチエイジングといった、美容を目的とした“攻め”のビューティー系スーパーフードに注目が集まる結果となった。1位に輝いたのは、レッドフルーツ<アセロラ、ゴジベリー>。“攻め”のビューティー系スーパーフードの代表格ともいえるのが、レモンの34倍のビタミンCを含む「アセロラ」や、海外の人気モデルも愛用している「ゴジベリー」などのレッドフルーツ。レッドフルーツに含まれる赤い成分・ポリフェノールは高い抗酸化作用で知られており、ビタミンCとのW効果でアンチエイジングに貢献してくれるスーパーフードだ。2位には青いスーパーフード<進化系スピルリナ>、第3位には酸化しないスーパーオイル<米ぬか油>などがランクインした。【2017S/Sトレンド予測 スーパーフードランキング TOP10】第1位 レッドフルーツ<アセロラ、ゴジベリー>第2位 青いスーパーフード<進化系スピルリナ>第3位 酸化しないスーパーオイル<米ぬか油>第4位 MUGIGOHAN<大麦(もち麦)>第5位 プラントウォーター<メープルウォーター、バーチウォーター>第6位 カカオニブ第7位 シーバックソーン第8位 進化系チアシード<ローストチア>第9位 ビーポーレン第10位スプラウテッド・アーモンドレッドフルーツの代表格「アセロラ」「ゴジベリー」のパワーとは?レッドフルーツの代表格とも言えるアセロラは、南国の強い太陽を浴びた果実に、レモン果汁の約34倍のビタミンCや抗酸化作用に優れたポリフェノールを豊富に含んでいる。最近はスムージーや料理に使いやすいパウダータイプが誕生したこともあり、ますます人気が高まっている。日本では中華料理や杏仁豆腐の添え物として愛用されているクコの実は、アメリカでモデルたちがおやつとして持ち歩く姿が広まったことをきっかけに、「ゴジベリー」として一躍人気のスローフードに。美肌に効果的なβ‐カロテンや、ゼアキサンチンなどを豊富に含んでいるのが特徴。アセロラ、ゴジベリー、ザクロ、クランベリー…。レッドフルーツはその美容効果とキュートなルックスで、人気が高まっていくことが予想される。2017年、美しさと健康に磨きをかけたいという方はぜひ生活の中に取り入れてみては?
2016年11月21日今季はフリンジアイテムが様々な形で登場。小物にも、楽しげな動きのある新作がずらり。動くたび揺れるフリンジでいつもの着こなしに、遊びを加えて春のトレンドを先取りしてみては?■ウエストマークで個性を出して。ウエストマークで個性を出して。クリアベルトにスエードフリンジが付いた斬新な一品。シンプルなワンピースにさらり巻いたり、デニムスタイルに使ってトップスの裾からちらりと覗かせても。¥12,000(ポンティ/CPR TOKYO TEL:03・6438・0178)■足元から旬感を出すのにぴったりなアイテムを発見。イタリアのシューズブランドへの別注カラーは金×茶で、意外とシックに決まる一足に。ヒール高1cm¥17,000(マウロ デ バーリ フォー ジュエルチェンジズ/ジュエルチェンジズ 横浜店TEL:045・444・5235)■織りで描かれた幾何学模様とフリンジの取り合わせが魅力。フランスの老舗メーカー、マリア・ケント社のフリンジジャカード生地を使ったタイトスカート。まずは白トップスと合わせて。¥23,000(ノーリーズソフィー/ノーリーズソフィー品川店TEL:03・5422・9045)■レイヤードの楽しい季節に、ローゲージのニットベストを。グレーがかった水色で、明暗どちらのトーンの服とも相性よし。モックネックやタートルネックをインして、春の始まりを満喫して。¥62,000(エム パトモス/ザ・ウォール ショールームTEL:03・5774・4001)※『anan』2016年3月16日号より。写真・多田 寛(DOUBLE ONE)
2016年03月15日TISは3月10日、IoT(Internet of Things)向け予測分析ソリューション「メンテりてぃくす」が、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のIoTプラットフォーム「AWS IoT」とデータ連携が可能になったことを発表した。同社は今回、AWS IoTに蓄積したセンサーデータを「メンテりてぃくす」に連携させて予測分析できることを確認する稼働実証を行った。「メンテりてぃくす」は、産業機械から収集・蓄積した稼働データを、SAPのBIツール「SAP BusinessObjects BI Solutions」と予測分析ツール「SAP Predictive Analytics」で分析・解析することで、「蓄積データから業務に影響を与える要因を特定する故障発生パターン導出」「生産品の不良原因分析」など、稼働データの予測分析を可能にするIoTソリューション。「メンテりてぃくす」の導入により、自社で設備を保有する企業は保全コストの削減、生産性の向上、設備の稼働率の改善による歩留まりを実現できるという。産業機械メーカーは、製品導入後のアフターサービス領域での効率化や収益性の向上を実現できるとしている。AWS IoTでは、接続されたデバイスが簡単かつ安全にクラウド・アプリケーションやその他のデバイスとやり取りでき、AWSが提供するマネージド型クラウドプラットフォームで、数十億個のデバイスとそこから収集される数兆件のデータを確実かつ安全に処理する。AWS IoT上で収集・蓄積したセンサーデータを「メンテりてぃくす」に連携させてスムーズに分析・解析を可能にすることで、需要が急速に高まり今後の大規模化が予想されるIoTシステムへの容易な適応と、導入のトータルコスト削減を実現する。TISは、新たなプラットフォームに対応した「メンテりてぃくす」を、稼働データの「見える化」やデータをもとにした業務改善を行いたいというニーズを持つ組立製造業や生産設備メーカー、化学製造業、特殊車両メーカーなどを中心に展開していき、2020年までに約20億円のビジネス規模とすることを目指す。
2016年03月11日App Annieは2月10日、2015年から2020年までの世界のアプリ市場に関する市場予測をまとめた「モバイルアプリ市場予測レポート」を発表した。同社はこれまで多くのレポートを発表してきたが、将来の予測レポートは今回が初だという。それによると、アプリの年間総収益は、2016年に2015年比で24%増の509億ドルとなり、2020年には1,011億ドルに達するという。なお、ここでいう収益は、対象アプリストアにおけるユーザーの総支出を評価したもので、アプリ内課金、サブスクリプション、有料DLなどによる収益が対象。日本と韓国のカントリーディレクターを務める滝澤琢人氏は、モバイルアプリ市場の成長の要因を、「今後モバイルアプリはますまず重要なインタフェースとなり、すべてのサービスの入り口になっていく。これまではWebが情報収集する手段であったが、それがアプリに置き換わっていき、生活者にとって一番重要なインタフェースになっていく」と指摘した。アプリのダウンロード数については、2016年に2015年比で33%増の1.473億件となり、2020年には2,843億件に達すると予測。とくに中国は最もダウンロード数の多い国で、世界のダウンロード数のおよそ3分の1を占め、2020年もダウンロードの最大の牽引役であり続けるという。滝澤氏は「ダウンロード数ではとくにAPACの伸びが期待される。背景としては、Android端末の低価格が進み、パソコンと同様なことができるため、モバイル中心の生活になっていくためだ」と説明した。アプリストア別のダウンロード数では、インド、メキシコ、ブラジル、インドネシアのような、まだスマートフォンの普及率が低い新興市場での普及率の急上昇が引き金となり、2020年もGoogle Playがトップとなると予測されるが、滝澤氏によれば、Apple StoreとGoogle Playの2大ストア以外に、サードパーティのAndroidストアの伸びも期待できるという。これは、中国ではGoogleが展開していないため、隠れたマーケットが存在し、無視できない数字になるためだという。ダウンロード数はGoogleがトップだが、アプリ収益に関しては、iOSがトップになると予測。これは決済のしやすさもあるが、iOS端末が比較的価格が高く、可処分所得の多い層に普及していることも影響しているという。そのほか、現在はアプリ収益のうち8-9割をゲームが締めているが、収益のドライバーになっているが、2020年にはゲームの比率が下がると予測。滝澤氏は伸びが予想されるアプリとして動画、音楽、マッチングアプリを挙げた。
2016年02月11日トレンドExpressは、 日本訪問を予定している中国人のクチコミを分析し、中国の正月である「春節」(2016年2月8日)の時期の訪日中国人の消費動向予測と、 春節に売れそうな注目アイテムを発表した。調査は新浪微博上で2016年春節に日本へ旅行する予定があると思われる書き込みを行っているユーザーを対象に、「日本で何を買いたいですか?」というアンケートを実施して行った。それによると、トップは「医薬品」で、以下「化粧品」、「服飾」と続く。同社によると、注目は「服飾」が第3位にランクインしている点で、今年の春節の時期に、冬物のクリアランスセールが行われることを訪日を予定している多くの中国人が知っており、このタイミングで品質の良い日本の服飾をお手頃値段で手に入れたいと考えていることがうかがえるという。春節ならではの商品としては、普段のランキングではそれほど上位にあがってこない「ブランド品」も、1年で一番の高額消費のタイミングでもあるためか、 日本を旅行した際に購入したいと考える人が多いという。また、「魔法瓶」も多数の回答が見られ、かつて訪日中国人の定番お土産として「四宝」と呼ばれた温水洗浄便座、 炊飯器、 魔法瓶、 セラミック包丁のうち、 魔法瓶は自分用、プレゼント用と使い勝手が良いほか、大量購入が容易ということもあり、 2016年春節も人気の商品として売れる可能性が高いという。そのほか、同社は2016年春節にヒットしそうな注目のアイテムを予想しており、パンティーストッキング、ダイエットサプリ、スケジュール帳、プラモデルを挙げている。
2016年01月28日米GoogleがGoogle Mapsのモバイルアプリ向けの新サービス「Driving」を発表した。スマートフォンユーザーの情報や状況から行き先を予測し、渋滞や事故、最短時間で到着できるルート、到着までの時間、周辺のガソリン価格といった情報を賢く提供する。ドライブ向けのGoogle Nowと呼べるようなサービスだ。DrivingはGoogle Mapsアプリのサイドバー・メニューの「Start Driving」から呼び出せるが、Androidウイジェットも用意されている。ホーム画面にDrivingウイジェットを追加しておけば、いつでもワンタップでアクセスできるようになる。行き先の指定などが面倒で、車を運転する前にトラフィック情報などを確認していなかった人でも、Drivingなら簡単にアクセスでき、事故など突然の渋滞に巻き込まれるのを避けられる。Drivingは、スマートフォンユーザーのプロフィール情報、ロケーション、日時(時刻、曜日、祝祭日など)、検索履歴などからアシストをカスタマイズする。利用者がGoogle Mapsに自宅や会社などを設定していたら、それらを行き先とした情報を表示し、ロケーション履歴を有効にしていたら、ユーザーの状況に応じて、ユーザーがよく行く場所や過去に検索した場所に関する情報を表示する。たとえばウィークデーの午後6時にDrivingにアクセスしたら帰宅するための情報が優先的に表示されるが、土曜日の同じ時刻なら過去の検索に基づいた情報がより取り入れられる可能性が高い。Drivingは、まずAndroid用のGoogle Mapsアプリで提供開始になる。VentureBeatによると、米国、英国、アイルランド、アラブ首長国連邦、マレーシア、シンガポール、ニュージーランドなど7カ国において英語設定のユーザーからロールアウトが始まる。
2016年01月14日モバイルアイアンは12月24日、「スター・ウォーズ」が公開されたことに合わせ、同シリーズにちなんだ2016年のエンタープライズモバイル市場の予測を公表した。これによると「モバイルフォース」が覚醒した今、それに伴うITディスラプション(ITによる既存モデルの破壊)によって以下の6点の摩擦が生じるという。○反乱軍と権力者との戦いWindows 10をきっかけとして、組織はエンタープライズモバイル管理(EMM)ソリューションを導入し、次世代のラップトップやデスクトップのセキュリティを確保できるようになる。これは、従来のシステムイメージよりも、セキュリティ、アジリティ(機敏性)、コストパフォーマンスの点で優れているので今後はこのアプローチへの移行が進むという。しかしこれは、既存のデスクトップ運用を混乱させることにもなるため、「反乱軍」と「権力者」の間に技術面や予算面、また組織的に摩擦が生じるとしている。○エンドユーザーのアイデンティティをつかむための戦いSWファンの間では、ルーク・スカイウォーカーのアイデンティティの変化について賛否両論あるが、エンタープライズでも多くのベンダーやアプローチを巻き込んで、アイデンティティの戦いが勃発している。主なプレイヤーはMicrosoftとGoogleで、2016年には両社の対立がより鮮明になるという。両社ともに、ID管理がユーザーコミュニティに参加するサービスの基盤となると信じ、自社のプラットフォームがID管理における信頼できるソースであれば、他社よりも良いサービスを提供できる可能性が高い。ID管理に関する対立は、MicrosoftとGoogleによるエンドユーザーのアイデンティティをつかむための戦いと言える。○OSとハッカーの戦いオリジナルのSW3部作では、暗い過去を持つ登場人物が、ハン・ソロのように善人になるケースと、ボバ・フェットのようになるケースがあったが、モバイル分野でも悪者が増え、2015年にはStagefright、KeyRaider、XcodeGhost、YiSpecterといったエクスプロイトに代表されるような、モバイルマルウェアの被害がかつてないほど増加するという懸念を語っている。2016年もハッカーはさらに巧妙化し、Appleがデバイスへのアプリ配信に関する信頼性を高めるためにプライベートAPIの利用を非常に厳格化することが予想されるという。これはOSとハッカーの戦いとなる。○発明と惰性の戦いSWでは、フォースは銀河系を1つにつなぐもので、その習得は難しいとされている。技術の世界でこれに相当するのは、モノのインターネット、IoTだという。IoTのほとんどは2016年もしばらくは引き続き実験段階にとどまるだろうが、2016年末までには付加価値の高いIoTの導入事例が登場し、2017年に入るとベンダー各社が便利なソリューションを商品化し始める。IoTの一種であるスマートウォッチが、シンプルで手頃な価格で入手できる拡張アプリの第1世代として、2016年に潜在力を発揮し始め、その後に第2世代が台頭するという。エンタープライズにおけるIoTイノベーションによって、開発者は既存のアプリを新しいプラットフォームに移植するだけでなく、ビジネスプロセスの再考を要求されることになると予測され、同社はこれを「発明と惰性の戦い」と描写している。○規模と統治権の戦いオリジナルのSW2作目『帝国の逆襲』の大半はクラウドシティを舞台にしているが、このクラウドシティは「クラウドコンピューティング」と似ているという。2016年には、クラウドデータへの詮索や監視がさらに厳しくなることが予想され、規制当局は対応を検討し、その動きによっては、クラウドベンダーのスケーラビリティやイノベーション力に影響する可能性もあり、「規模と統治権の戦い」となるだろう。○ベストオブブリードと同一ベンダーの戦いSWでは、心の平穏に達していない者は、真の意味でフォースを活用できないが、2016年にモバイルコミュニティ全体で、このような心の平穏に達することは難しそうだ。技術の急激な変化、ユーザーニーズの進化、アプリの断片化が今後も続くだろう。CIOはモバイル管理において中立性を維持することが重要ポイントだと理解し、エンドユーザーに対して、選択肢を提示し、ベストオブブリード(分野ごとの最適なベンダー)のソリューションを提供する必要がある。選択肢を限定してしまうと、ユーザーコミュニティは独自にソリューションを模索することになり、シャドーITを促進する要因となりかねない。概して、2016年はITにとって厳しい年になると予測される。モバイルとクラウドの普及により、CIOは情報セキュリティ、ポリシーの設計、技術評価、ライフスタイル管理の点でアジリティの高いモデルを採用せざるを得ないが、先進的な組織であっても、長年培ってきたプロセスとマインドを変えるのは容易ではない。しかし同社では、勇気を出してこの進化に取り組み、新たなアプローチをオープンに検討することを推奨している。
2015年12月25日ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンは12月22日、2016年情報セキュリティ動向予測10項目を発表した。今回のセキュリティ調査では、高度化したランサムウェアの攻撃対象が他のプラットフォームに拡大することや、身元詐称に利用する情報取得のための新たな攻撃対象など、これまでに見られなかった脅威の傾向の概要を10項目にまとめている。1点目はランサムウェアだ。これまでのランサムウェアの主な標的はWindowsだったが、2016年にはAndroid端末やAppleのラップトップ製品などのプラットフォームでも動作するランサムウェアがサイバー攻撃に使われると予測している。2点目はソーシャルエンジニアリングだ。最近発生した攻撃について見られる共通点は、サイバー犯罪者が標的に対し、ソーシャルエンジニアリングを利用してアプローチするというもの。標的のアクセス権に関する情報を搾取する、いわゆる「スピアフィッシング」をキッカケに攻撃を拡大する手口であることから、社員に対する、最新のソーシャルエンジニアリングを活用したテクニックなどの攻撃手法も含めた、セキュリティに関する知識を高めるトレーニングの実施とそのための予算確保を推奨している。3点目は中堅・中小企業だ。この規模の企業のセキュリティ・インシデントは、依然として基本的なセキュリティ対策不足が原因となっている。そのため、攻撃によるリスクを大幅に軽減するには、まず基本的な対策を見直すことが重要としている。4点目はiOSだ。これまで、AppleのiOSデバイスよりもAndroid端末のほうが、脅威リスクが大きいと見られていたが、2015年はAppleの開発プラットフォームに対するサイバー攻撃が発生した。Appleの公式マーケットプレイス上にマルウェアを感染させるために、犯罪者がより多くのiOSデバイスを標的に攻撃を行うことが考えられるという。5点目は、悪意ある広告で、マルウェアとアドバタイジング(広告)を組み合わせた造語である「マルバタイジング(悪意ある広告)」が増加した。これは、アドバタイジングネットワーク経由で信頼されているWebサイトに悪意あるコードを送り込むことで正規であるかのように装う攻撃となっている。ウォッチガードは具体的な予測も立てており、2016年は、このマルバタイジングが3倍に増えると見立てている。HTTPSの使用が拡大することでマルウェア感染の成功率が上昇することが予想されており、HTTPSを検査できないセキュリティ機能を使用している場合は、早期に対策を検討する必要がある。6点目は新たなセキュリティ製品だ。セキュリティアナリストによる人力で、疑わしい挙動を監視して新たな脅威を特定することも可能だが、それでは追従できない大量の新たな脅威が送り込まれる状況が広がっている。これに対しては、マルウェアの挙動を自動的に認識できる人工知能(AI)と機械学習が解決の鍵となるとして、プロアクティブ型のパターンマッチングの防御方法と、マルウェアの挙動に基づいて脅威を自動識別できる、標的型攻撃対策製品が推奨されている。7点目はサイバー犯罪の傾向だ。大学では医療情報などを含む大量のデータが収集されるが、現状ではそのような個人情報が教育機関のオープンネットワーク環境上で管理されているため、2016年はこうした学生の個人情報を狙うサイバー犯罪が増加すると予想している。これに対し、教育機関で個人情報を管理する担当者は、学生のデータに関連するデータベース・セキュリティを強化するとともに、Webアプリケーションを再検証する必要があるとしている。8点目はIoTだ。2016年には、IoTデバイスのファームウェアを完全に書き換えて乗っ取る、POC(Proof of Concept)型攻撃が発生すると予想されている。ベンダーは、これへの対抗策として、IoTデバイスのファームウェア書き換えを困難にするセキュアブートのメカニズムを実装してセキュリティの強化を図るようになるだろうという。IoTデバイスの開発関係者は、この動向を調査していち早く対応することが重要となる。9点目はWi-Fiだ。Wi-Fiの「簡単接続」機能で、深刻な脆弱性が見つかることが予想されている。例えば、WPS(Wi-Fi Protected Setup)標準を使用すれば、新規ユーザーが複雑なパスワードを入力せずに、簡単にセキュアなワイヤレスネットワークに参加できる。ただし、これは便利である一方で、攻撃者がワイヤレスネットワークに簡単に侵入できるという脆弱性がある。10点目はハクティビストだ。彼らは人目につかずに悪巧みをするサイバー犯罪者とは異なり、大げさなメッセージを大々的に発表して注目を集めたいと考えている「ハクティビスト」と呼ばれる人々によるサイバー活動の本質は、「最も効果的な方法と場所を使って、できるだけ多くの人にメッセージが伝わるようにする」ということ。来年は、ハクティビストによる全世界に向けた大掛かりなライブ映像が公開されると予測されている。
2015年12月24日ファイア・アイは12月21日、2016年のセキュリティ予測を発表した。記者説明会にはファイア・アイ 執行役副社長の岩間 優仁氏が登壇し、詳細な説明を行った。予測の多くはここのところ、盛んに言われている「経営と情報セキュリティ」に関するもの。会社が保有する個人情報や重要情報が漏えいし、それが報道されることで会社の信用が低下し、回復するための費用も大きくかかってしまう。つまり、インシデントが発生することによってバランスシートに影響を与えかねないという。このため、情報セキュリティはIT部門だけが関わるものではなく、「CISO(Chief Information Security Officer:最高情報責任者)を通じて経営課題として検討しなければならない」という経営リスクになりつつある。一方で、CISOやIT部門がただ存在するだけでなく、彼らの説明能力やIT部門が「どれほどの事態になったら、経営層に対してどのようにわかりやすく情報を説明するか」といったことを事前に検討する必要があるとしている。また、セキュリティ関連の人材不足から、自社で人員を抱える事ができず、必然的に専門家に頼ることになるため、Security as a Serviceのニーズが高まるという。特に日本ではセキュリティ人材の不足が取り沙汰されており、2020年の一大イベントも控えているため、大きな問題になるとのことだ。当初に指摘したインシデント関連の問題としては、「サイバー保険」がある。この保険に加入することで、インシデント発生時の追加負担を抑えられるようになる。単に復旧費用だけでなく、顧客や広報対策費用や裁判のための証拠集めの費用などがかさむため、保険の認知度は上がりつつあるという。さらに、最近多いM&Aとセキュリティ侵害にも話は及んだ。M&Aは相手が抱える知財を取得する手段として有効だが、重要知財が流出していれば価値が落ちる。このため、買収前に対象会社のセキュリティ状況を確認する必要性を説いていた。○攻撃手法が"移り変わり"?具体的な攻撃の話では"パターン"が変わりつつあるという。比較的セキュリティレベルが高いとされるiOS/OS Xデバイスも、シェアが高まってきたことや、「(重要情報を持っている)エグゼクティブが使っている」ことで攻撃の対象になりつつある。さらに、IoT機器の普及が進みつつある現状だが、現在のIoT機器は"非統一な開発下"にあることから、セキュリティ上の危険性があるという。一方で、セキュリティが担保された統一環境を用意する動きもあることから、「杞憂に終わるかもしれない」という観測も示している。また、「クラウド時代」というキーワードを引き合いに出し、攻撃グループが1カ所に集まって攻撃用機材を用意していた過去とは異なり、ソーシャルメディアを使ってチームを地理的に分散し、攻撃機材も盗んだVM管理キーを悪用してパブリッククラウドサービスを使う可能性もあると指摘していた。
2015年12月22日IDC Japanは12月18日、2015年の国内IT市場予測、および2015年~2019年における国内ITの産業分野別市場規模予測について発表した。2015年は金融機関などの大型案件とPC更新需要でIT支出を伸ばした2014年の反動を受け、全体で14兆7,837億円と前年比0.1%の成長に落ち着く予測となるが、産業分野別では、通信/メディアおよび消費者を除いたすべての分野でプラス成長を見込んでいる。特に銀行、製造業、小売業、運輸業、サービス業が堅調なIT支出を維持することが見込まれ、国内IT市場の2016年の前年比成長率を2.7%、2017年を2.0%と予測。産業分野別では、金融セクターにおける大手都市銀行や、ゆうちょ銀行での大型案件、地方銀行の再編によるシステム統合などの案件、大手金融機関を中心にFinTechやコグニティブなどITによるビジネス/サービス革新を進める動きが国内IT投資をけん引するとしている。また、製造業では基幹システムの刷新を終えた企業がグローバルサプライチェーンの最適化や、生産ラインの自動化、設計/開発領域でのデジタル化、標準化を見据えた環境整備へ進む動きが見られるという。小売業ではチャネル推進が加速し、それを実現するプラットフォーム構築やデジタルマーケティング領域での投資が後押しするとみている。さらに、ユーザー企業調査結果からは第3のプラットフォーム、IoTといったイノベーションアクセラレーターの取り組みが経営層からIT部門に出される指示に含まれていたという。一方、IT部門の課題にはビッグデータなど「新たなIT戦略を検討する人材の不足」や「ITを活用する事業に関する知識不足」が上位に挙がり、IT部門に経営層から課せられたミッションと、それを実行するためのIT部門の体制にギャップがあることが判明。IDC Japan ITスペンディングマーケットアナリストの岩本 直子氏は「ITベンダーはIT部門の役割が変化していく中、IT部門の課題解決の支援を踏まえた提案をし、IT部門のミッション達成に向けて伴走する役割を担うべきである」と分析している。
2015年12月18日●2016年のサイバーセキュリティ動向予測と特殊なサイバー攻撃カスペルスキーは、アジア/日本におけるサイバー脅威の最新動向に関するプレスセミナーを開催した。また、同時に「2016年のサイバーセキュリティ動向予測:APTは新たな形態へ」も発表した。本稿では、これらの概略について、レポートしたい。○2016年のサイバーセキュリティ動向予測と特殊なサイバー攻撃最初に登壇したのは、株式会社カスペルスキー代表取締役社長の川合林太郎氏である。まず、紹介したのは「2016年のサイバーセキュリティ動向予測:APTは新たな形態へ」である。今回のプレスセミナーは、アジア/日本地域における脅威分析を行ったものである。それに対して、こちらは、グローバルな視点から2016年の脅威予測を行うものだ。川合氏は、大きく変化する、これまでにはないような脅威が登場するといったことはないとまず紹介した。そして、もっとも注目しているのは、今後もAPT攻撃は継続する。しかし、その内容を少しずつ変貌させていくとのことである。そして、川合氏も注目したのが、暗号の終焉である。動向予測では、『現在の暗号化標準に対する信頼性の崩壊と、「ポスト量子暗号」の設計および実装の必要性を示唆しています』と解説している。このあたりも興味深いところだ。そして、日本にはセキュリティベンダーやそれに関わる人間が触れないような脅威が存在すると述べる。ネット世論と呼ばれるものだ(ここで、川合氏は「よろん : 輿論」と厳密に区別していた)。ネット上に存在する感情的な共通意識、心情とでもいうべきか(それに対し輿論は、パブリックオピニオン、理性的な議論による合意)。具体的には、東京オリンピックのロゴの盗用疑惑である。この一件の特徴は、心情的なねたみなども重なり、類似デザインの検索や個人的な正義感に基づいたさまざまな発言がなされた。俗に炎上とよばれる現象である。川合氏は、このような事例が広がっていく、増加していくと予想した。海外では、あまり類を見ない。厳しい言葉になるが、自身に正義があると思ったとき(つまり、輿論と思い込み)のネットユーザーの反応が過敏気味であり、これもサイバー攻撃の一種と考えられるのではないかと思うと語った。そして、IoTという言葉に代表されるように、リアルとサイバーの境界がなくなってきた。攻撃者も同じであり、リアルの犯罪者がますますインターネット(サイバー)の世界に移ってきている。さらに、サイバーをたんなるツールとして、犯罪に使ってくる。となると、犯罪者にも自然淘汰が発生する。技術を磨き、利益をあげることができない攻撃者は、淘汰される。同じことが、セキュリティベンダーにもいえる。守るための技術、調査・分析にきちんとコストをかけるベンダーが生き残っていく。当然、カスペルスキーもそうであると自負としているとのことである。今日のセミナーも、どんな活動を行い、どういったことを調査しているか、そして、それをいかに製品などに反映していっているかを紹介したいといって、挨拶を終えた。●アジア・パシフィック地域におけるサイバー脅威の現状○アジア・パシフィック地域におけるサイバー脅威の現状続いて登壇したのは、Kaspersky Labグローバル調査分析チームでAPACディレクターのヴィタリー・カムリュク氏である。ヴィタリー氏は、カスペルスキーのGReAT(Global Reserch and Analysis Team)について紹介した。脅威調査グループの中核部門で、APTなどの情報収集・調査研究を行う。そして、インターポールとの協力体制についても紹介した。ヴィタリー氏も2014年に設立されたシンガポールのInterpol Global Complex for Innovation(IGCI)に出向し、マルウェアの解析やトレーニングなどを担当する。その中で、印象的であったのは、インターポールのような法執行機関と協力することで、これまで以上に迅速に脅威対策が可能になるという点である。そして、2016年の予測を紹介した。最初の項目に、ファイルレスやメモリー型とあるが、少しなじみのないものだ。従来のマルウェアは、HDDやUSBメモリなどの記憶媒体に保存され、あるタイミングで起動し、さまざまな活動を行う。これに対し、HDDなどはいっさい使わず、メモリ内にのみ存在するマルウェアである。当然、PCを再起動すればメモリはクリアされ、マルウェアも消滅する。一見するとあまり脅威に感じられない。しかし、見方を変えれば、攻撃者はいつでもマルウェアに感染させることができるということになる。APT攻撃の特徴の1つに持続型がある。しかし、攻撃者は持続型を放棄しても、目に見えない存在になることを目指しているといえる。これまでのマルウェアと比較すると、大きな違いといえるだろう。これらを検知するには、システム上の挙動を探るしかない。これは、Duqu 2.0というAPT攻撃で実際に使われた手口である。ランサムウェアについては、サーバーやウェアラブル端末なども標的となる。ホワイトリストは、信用できるサイトやネットワークのことだ。従来は、安全とされていたその信用を逆手にとった攻撃が行われるようになるだろうと語った。具体的には、サードパーティが作ったカレンダーやスケジューラなどが狙われることになる。最後に、ヴィタリー氏はアジアにおける予測を紹介した。この中で興味を引いたのは、APT攻撃に限らず攻撃の手法・技術の成熟化である。そして、国外からの攻撃の増加である。国外からの攻撃が増加することで、国内の攻撃も活性化する危険性を指摘する。ビットコインのような暗号通貨(クリプトカレンシー)も脅威と関連していくと指摘した。ヴィタリー氏は、5年前に1年ほど東京に滞在した経験もあるとのことだ。その当時は、標的型攻撃で調査の対象となるようなものはまったく存在していなかった。それが大きく様変わりしている。年金機構を対象にしたBlue Termiteは有名だが、これ以外にも調査中の標的型攻撃が複数あり、今後も増加が懸念されるとのことである。●2015年、日本におけるサイバー脅威の現状○2015年、日本におけるサイバー脅威の現状3人目は、株式会社カスペルスキー、情報セキュリティラボ所長のミヒャエル・モルスナー氏が登壇した。ミヒャエル氏は、2004年に株式会社カスペルスキーに入社し、日本の情報セキュリティラボを統括し、脅威動向の監視を行う。同時に、GReATのメンバーでもある。また、フィッシングサイト情報を扱うPhishTankのモデレーターも務める。PhishTankは誰でも投稿可能で、投稿されたURLをコミュニティが判定をし、情報活用される。ミヒャエル氏は、その1つ1つを手動で確認しているとのことだ。エコノミストの調査によって、日本はデジタル的にもっとも安全な国といわれるが、ミヒャエル氏はこの結果に逆に驚いたという。その理由は、つねに国内の脅威を調査しているからであろう。そのような脅威の多くは、基本的には昔から存在している。たとえば乗っ取られたサイトの多くには、悪意を持ったコードが挿入されている。そして、サイトのオーナーは今なお気づいていない。このような事例が、頻繁に発生している。また、ISPのサポートの問題もある。何か問題があり、通知しても返事すらない。結果、悪意あるコードは存在し続けることになり、誰かが対応しない限り、なくなることはない。危殆化した場合でも、企業側からユーザーへ警告などが発せられることもない。ハッキングされたことをみずから公表することは、なかなかやりたがらない行為である。図8は実際に、ハッキングされ悪意あるコードが挿入された事例である。ちょうど、真ん中の「」が、悪意を持ったコードである。ミヒャエル氏が確認したのは、このセミナーの前日である(図8の「Date」で確認できる)。その下に、このWebサイトの最後の修正日(Last-Modified)があるが、「2014年11月22日」となっている。つまり、1年以上、悪意を持ったコードが提供されていたのである。ミヒャエル氏によれば、このような例は非常に多いとのことだ。このようなサイトを発見すると、ISPやWebサイトの所有者などに警告メールを送る。しかし、JPCERT以外の対応はあまりよくはない。ミヒャエル氏も本来の業務の合間にやっているので、当然だが十分な対応を行う余裕がなく、この現状を問題視していた。図10は、ミヒャエル氏が送った警告メールの集計である。赤が、日本宛てである。ミヒャエル氏は、2015年だけで、941通のメールを送信したとのことだ。カスペルスキーは、セキュリティ対策ソフトのベンダーであり、このような作業にはあまり傾注できない。しかし、Safe the Worldの一環として、脅威に対し戦い続けると講演を締めくくった。
2015年12月11日海洋研究開発機構(JAMSTEC)は12月3日、オオミズナギドリの位置情報と内航貨物船の航行記録を利用することによって海流予測の制度が向上することを示したと発表した。同成果は、JAMSTECプリケーションラボの宮澤泰正グループリーダーら、名古屋大学、東京大学大気海洋研究所、海上技術安全研究所の研究グループによるもので、12月3日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。今回の研究では、JAMSTECで開発・運用している海流予測モデル「JCOPE2」を利用。JCOPE2では、海流分布の海洋観測データを主に人工衛星から取得していたが、今回オオミズナギドリのGPSログに記録された海上休息位置の変動データおよび内航貨物船の航行データをこれに同化した。この結果、海洋生物や内航貨物船から取得できるデータと海流モデルを連携することによって、海流分布の海洋観測データが劇的に強化される可能性が示唆されたという。特に内航貨物船から取得するデータによるデータ同化で海流予測の精度が向上することは、その結果が内航貨物船の効率的な運航にフィードバックされるという仕組みが機能するようになるため、持続可能な高密度の海流観測網の出現が期待できる。
2015年12月04日富士通クオリティ・ラボは11月17日、ソフトウェア開発プロセスのコンサルティングで培ったノウハウと経験を基に、ソフトウェアの開発組織に向けた品質予測によるプロセス改善サービスの提供を開始すると発表した。同サービスは、同社の過去の開発実績データを基に統計手法を用いてソフトウェア品質の見える化を行い、利用者のソフトウェア品質向上と開発プロセス改善による組織体力強化を実現するもの。高品質なソフトウェア開発を行うには、高度な定量的分析と高成熟度な開発プロセスが必要であり、品質予測によるプロセス改善サービスでは、開発実績データを活用してソフトウェアの品質予測モデルを作成する品質予測診断と開発組織プロセスの診断により、問題解決支援を行うプロセス改善支援を提供する。同社では、先進的な統計的手法と、豊富な経験と実績を有したスペシャリスト集団のサポートにより、顧客の高品質なソフトウェア開発の実現に貢献するとしている。また、過去の開発実績データを活用し、利用者の開発組織のモデル化を行ったうえで、現状の開発プロジェクト工程ごとのデータから最終品質を予測して見える化(グラフ表示)も行う。品質目標を下回ることが予測される場合、レビュー時間、回数など、品質を確保するためのパラメータを変更して最終品質のシミュレーションを実行することで、目標達成の精度を高めることが可能となる。さらに、プロジェクト終了後には、その開発実績データを使って開発組織モデルの更新を行うことで、予測精度を向上させることができる。なお、プロセス改善支援として、プロジェクト開始前に、顧客の要望に応じて開発組織プロセスを診断し、プロセス改善のための各種支援も行うほか、プロジェクト実施中は、利用企業の運用時の問題解決支援を実施。プロジェクト終了後は、ギャップ診断やアセスメントを通じて、企業の組織体力の強化を支援するとしている。
2015年11月18日半導体市場予測会社の米IC Insightsは11月10日(米国時間)、2015年の世界半導体市場における売上高トップ20の予測を発表した。これは2015年の第1~3四半期の実績値に第4四半期の予測値を合計した"速報版"である。各社の10月時点での受注計画や生産計画から年末までの売り上げをかなり正確に予測できるため、例年、翌年春に発表されている"確定版"とはさほど数値のかい離や順位変動が生ずることなく予測できているものとなっている。IC Insightsは、例年、売上高ランキングをドル基準で発表しているが、2015年は、ドルがユーロ、円、ウォン、台湾ドルすべてに対して13~4%高くなり(表1)、結果として米国以外の企業のドル建ての売上高が昨年より小さめに換算されてしまうことになる。例えば、日本企業が、円建てで昨年と同じ売上高だったとして、これをドル換算すると、今年の売り上げは、昨年より13%減少と言うことになってしまう。このため、今年は、昨年の換算レートを使って今年の売上高をドル換算した値(その場合の前年比成長率は、自国通貨建ての成長率に相当)も併記している。世界の半導体市場における半導体(集積回路だけではなく、OSDの略号で知られるオプトエレクトロニクス・センサ・ディスクリ―ト(個別半導体素子)を含む)売上高トップ20社のリストを図2に示す。トップ20社には、米国に本社を置く企業が8社、日本、台湾、欧州が各3社、韓国が2社、シンガポールが1社という内訳となっている。また、このトップ20には、ファウンドリ専業3社(TSMC、GLOBALFOUNDRIES、UMC)ならびにファブレス5社を含まれたものとなっており、もしファウンドリ専業3社をリストから除外した場合は、それらの代わりに、18位にシャープ、19位にAMD、20位に中国のファブレスHiSilicon Technologyがそれぞれ入ってくる。ファウンドリを含むこのランキング表は、トップサプライヤ20社の売り上げ規模を示すリストであって、各社の世界市場におけるマーケットシェを示してはいない。なぜなら、ファウンドリの売り上げの多くが顧客であるファブレスやIDMの売り上げとダブルカウントされているからだ。Samsung Electronicsもファウンドリ事業を兼業しているが、こちらの主な顧客はAppleやその他の電子システムサプライヤであり、これらの顧客はSamsungに製造委託した半導体素子の再販売はしていないので、ダブルカウントはほとんど無視できるレベルだ。IC Insightsの顧客の多くは、 投資家のほか、半導体製造装置、ガス、薬液、純水、付帯設備メーカーであり、ファウンドリを含む半導体製造企業の売り上げに関心があるから、あえてファウンドリをリストに含めている。一方、他の市場調査会社のようにリストからファウンドリを除外してしまうと、ダブルカウントという問題は解決するが、今度は、ファウンドリへ直接製造委託している非半導体企業(例えば、自動車部品メーカーや精密機械メーカー)の売り上げがすべて消えてしまうことになる。この表で注目すべき点は以下のとおりである。トップ20社の2015年の売上高合計は、ドル基準では、昨年とほぼ同額で、成長率もほぼゼロである。全半導体企業の総売上高(IC Insightsより未公開)は、ドル基準では、昨年比-1%である。2014年のユーロ、円、ウォン、台湾ドル、中国元の対ドル換算レートを2015年にも適用して計算しなおすと(つまり各国通貨建てでは)、トップ20社の2015年の売上高合計は、昨年比4%増加する。なお、シンガポールAvago Technology、STMicroelectronics、NXP Semiconductorsは、売上高をドル基準で発表しているので、換算をしていない。最高の成長率を示したAvago(+23%)と最悪の下落率を示したルネサス(ドル換算では-22%、日本円基準では-11%)との間には45ポイントもの差がある。後述するが、トップ20の枠外へ転落するAMDはPC不振の影響で-28%。これらの大きく勝ち越した企業と大きく負け越した企業の総計で、結果として、昨年比成長率がゼロになっているわけで、成長率ゼロおよび近辺の企業は2社しかない。もはや自社業績を平均値と比較しても意味はない。トップのIntelの売り上げはここ数年停滞している一方、Samsungの売り上げは大きく増加してきている。2014年、Intelの売り上げはSamsungより36%多かったが、2015年には21%にまで縮まるだろう。ウォン基準だとその差は11%しかない。IntelはいよいよSamsungの射程距離に入ってきた。2015年ランキング・トップ20に新規参入する企業は、台湾の専業ファウンドリUMCである。AMDと入れ替わる。AMDの売り上げは今年28%も下落し、およそ40億ドルと予測している。換算調整後に最高の成長率を示すのは、独Infineon Technologiesで、2015年はユーロベースでは実に39%も成長すると予測している。これは、今年1月に買収を完了した米国International Rectifier(IR)の売り上げを含むためだけではなく、旧IRの今年の売上分11億ドルを除いた旧Infineon分だけでもユーロベースでは20%もの高い成長を示しているためである。今年の本物のスタープレ―ヤーはソニーだ。日本円はドルに対して弱まったにもかかわらず、今年、ソニーの半導体ビジネスはドル基準でも11%成長するだろう。円基準では27%も成長する。同社はイメージセンサの販売で成功をおさめ、今年は前年比3倍以上の設備投資を実施中である。さらには、東芝大分工場の一部も買収し、勢力を着実に広げている。2016年AvagoによるBroadcom買収とNXPのFreescale買収が完了予定だが、これらの合併は、今後のランキングに大きなインパクトを与えるだろう。AvagoとBroadcomの2015年の売上高の合計(154億ドル)は、TI、東芝、Micronを抜き去り6位相当である。NXPとFreescaleの合計(102億ドル)は東芝を抜きさり、8位相当だ。今後数年に渡って続くことが予測される業界再編の合併・買収で、ランキングは大きく変動するだろう。企業買収により、東芝を追い抜く企業が次々現れてきている。NAND型フラッシュメモリ開発・製造パートナーSanDiskがWestern Digitalに売却されてしまった東芝の今後動きが注目される。かつてトップ10の過半を日本の半導体企業が占めていたが、いまや日本企業として唯一東芝が今後もトップ10に留まれるか否かの瀬戸際である。
2015年11月13日NSW(日本システムウエア)は11月4日、IoT向けビッグデータ分析・予測サービス「Toami Analytics(トアミ アナリティクス)」の提供を同日より開始すると発表した。同サービスはは、同社IoTクラウドプラットフォーム「Toami」と連携し、センサー、機械、人、インターネット情報などから収集した情報を逸脱度分析、相関分析、傾向分析、原因分析、予測分析など行う。さらに、過去データと実測データの差異を統計・分析する機械学習により予測が可能で、その結果に基づく未来予測までを行うという。同社ではこれにより、製造業における機器故障の予兆検知や品質管理、小売業におけるプロモーション分析や需要予測などの分野においてビッグデータのビジネス活用を推進するとしている。また、業種に特化したテンプレートのラインナップの拡充も予定しており、第一弾として、太陽光発電事業者向け発電予測「Toami Analytics for Solar」の提供を同日開始した。
2015年11月04日日本電気(NEC)は11月2日、ビッグデータ分析を高度化する人工知能技術の1つとして、予測に基づいた判断や計画をソフトウェアが最適に行う「予測型意思決定最適化技術」を開発したと発表した。新技術は、同社が開発したビッグデータに混在する多数の規則性を発見する「異種混合学習技術」などを用いた予測結果に基づき、従来は人間が行っていた戦略や計画の立案といったより高度な判断をソフトウェアで実現するもの。同技術には、予測誤差に対してリスクが低く効果の高い計画の生成及び、大量の予測式の関係を考慮した最適な計画を超高速で生成といった特長があるという。例えば、水の運用管理に同技術を適用することで、最大で電力コストを20%削減し、需要の過小評価による計画変更回数を1/10に削減することが可能との試算が得られたとのこと。また、小売店舗の商品価格戦略(ある商品と競合商品の価格と売上の関係など)において、従来法(混合整数計画法)では数時間から数日かかるところを、1秒未満で店舗の売上を約11%(試算値)増加できる価格戦略を算出できたとのこと。さらに、従来法と比較して最適化の精度(店舗の売上増加の試算値)が約20%高い(約9%→約11%)という結果が得られたとしている。同社は同技術及び異種混合学習を利用して、ビッグデータによる実世界への新たな価値創出に貢献するという。
2015年11月04日NECは11月2日、ビッグデータ分析を高度化する人工知能技術の1つとして、予測に基づいた判断や計画をソフトウェアが最適に行う「予測型意思決定最適化技術」を開発したと発表した。「予測型意思決定最適化技術」は、同社が開発したビッグデータに混在する多数の規則性を発見する「異種混合学習技術」などを用いた予測結果に基づいて、従来は人間が行っていた戦略や計画の立案といったより高度な判断をソフトウェアで実現するもの。同技術を実際のデータに適用したところ、水需要予測に基づく配水計画では、浄水・配水電力を20%削減する高精度な配水計画を生成でき、商品需要予測に基づく価格最適化では店舗の売上を11%向上する商品価格戦略を1秒未満で瞬時かつ自動的に生成できたという。新技術の特徴の1つは「予測誤差に対してリスクが低く効果の高い計画を生成」する点。予測の「典型的な外れ方」(予測誤差)のパターンを独自のアルゴリズムで分析し、その結果を数理最適化技術と融合することで、「外れ方」を勘案したうえで最適化することで、予測が外れても損失が発生するリスクが低く、安定して高い効果がでる計画を算出できる。もう1つの特徴は「大量の予測式の関係を考慮した最適な計画を超高速に生成」できる点。独自の組合せ最適化アルゴリズムによって、予測式の関係を考慮した大規模な組み合わせを効率的に探索し、超高速に最適な戦略・計画を導出することができる。
2015年11月03日日立製作所(日立)は10月8日、ビルの空調機など、複数のコンポーネントからなる社会インフラ製品の性能を高精度かつ短時間で予測する技術として、マルチフィデリティ解析技術を開発した。フィデリティとは、事象を表現する忠実度・詳細度のこと。同解析技術は、従来1次元解析や3次元解析などを個別に用いて、コンポーネント、サブシステム、製品全体といったグループごとに行っていた解析を一括で解析することを可能にする。同解析技術を空調機のCOP(Coefficient Of Performance)予測に適用したところ、従来約2.5日要していた解析時間を約10分まで短縮することに成功し、COP変化の予測誤差を従来の約3%から1%以内に改善し、高精度な解析の実現を確認したという。同解析技術を社会インフラ製品の設計時に適用することで、製品の稼働データを用いて解析を高精度化し、ビッグデータ分析手法や統計手法を活用した解析の高速化することで、高信頼な製品の開発を手戻りなく短時間で行うことが期待される。同解析技術は、ビックデータ分析手法であるニューラルネットワーク、および統計手法のクリギングモデルを応用し、3次元解析と同レベルの高精度を保ちながら高速化を実現する。具体的には、3次元解析で得た詳細情報を極力失わずに関数化し、1次元解析のモデルに変換。これにより、コンポーネント間の影響を考慮した製品を高精度・短時間で予測可能にする。同社は今後、自動車機器、建設機械などの製品開発にも同解析技術を活用するとともに、顧客のニーズに対応した高信頼な社会インフラ製品の提供に向けて、技術の高度化を進めていく。
2015年10月09日キリンとWHITEは9月29日、音楽や人の動きに合わせてペットボトル全体をカラフルに発光させるキャップ型デバイス「Illumicap(イルミキャップ)」を開発したと発表した。Illumicapは、キリンとWHITEによって共同開発されたペットボトルキャップ型のデバイス。Bluetoothでスマートフォンと接続し、専用アプリから光をコントロールできる。アプリには、カラーパネルから光の色や明るさを変えられる「Color sync」、スマートフォン内の音楽に合わせて光の色や明滅を変えられる「Music sync」、加速度センサーで検知したユーザーの動きに合わせて光の色を変えられる「Motion sync」を用意。そのほか、長時間露光撮影機能により、光で文字や絵を描ける「Camera sync」も備える。撮影した静止画は直接SNSへ投稿可能だ。今後はIllumicapの3DCADデータ、設計図面を無料で提供し、新しい遊び方や機能、デザインなどを考案する「Illumicap Open source Project」を行うとしている。
2015年09月30日電通の海外子会社でメディア・コミュニケーション・エージェンシーとなるCaratは9月24日、2015年3月に公表した「世界の広告費成長率予測」における2015年と2016年の成長率について改定したほか、全世界59地域と主要地域/国に関する推計値を公開した。これによると、2015年の世界広告市場は、2015年3月予測の4.6%増からわずかに下方修正され、前年比4.0%増の5,290億ドル。この下方修正は、昨今の中国とロシアにおける経済の減速が主な要因だという。2016年にはUEFA欧州サッカー選手権やリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック、米国大統領選などの大型イベントが続くことから、4.7%の成長で約250億ドル増加することが見込まれる。また、テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・映画館広告・屋外/交通広告・デジタルといった計7媒体で算出される世界広告市場は、テレビが最大のシェアを占め、2015年に42.0%(前回予測42.2%)、2016年に41.3%(同41.7%)と予測。加えて、モバイルやオンラインビデオの支出増加などにより、デジタル広告費の構成比率は、2015年に24.3%(前回予測23.9%)、2016年に26.5%(同25.9%)と伸びるという。地域別では、2015年の世界広告市場は、北米が4.2%増、西ヨーロッパが2.6%増、アジアパシフィックが4.1%増、ラテンアメリカが12.7%増で、世界的に前向きな傾向が見られるほか、2016年には、中央および東ヨーロッパを含むすべての地域でプラス成長が予想される。2015年の西ヨーロッパでは、ギリシャこそ政治的混乱により成長率12%減となる見込みだが、市場規模の大きい英国やスペインが堅調なため、ギリシャのマイナスを打ち消す状況。アジアパシフィックでは、中国の景気減速の影響はあるものの、インド市場の高い成長や堅調なオーストラリア市場に支えられ、全体は順調に拡大する見込みだ。2016年の地域別広告市場は、北米が前回予測から微減したものの4.5%の高い成長が見込まれ、西ヨーロッパ全体が2.9%増と予測される。また、中央および東ヨーロッパでは引き続き厳しい経済環境が続くとみられることから、前回予測を下方修正した1.6%増へ。アジアパシフィックは、世界第2位の広告市場となる中国の伸びが前回予測を下回ることから、地域全体では前回の5.8%増から4.7%増へと下方修正された。
2015年09月25日JSOLとトップリバーは9月10日、レタスの収穫予測モデルの検定と改善を重ねることにより、精度向上と安定化に成功したと発表した。両社は今後、予測日以降の大幅な気候変動リスクやデータ蓄積の少ない新品種の精度向上を進めることで、研究成果の普及を目指す。葉物野菜は収穫適期を見誤ると膨大なロスにつながりやすく、生育見通しの管理は生産者の経営安定化を達成する上で大きな課題の一つになっていた。これまで生産者は、勘や経験に基づく予測を行っており、1カ月前に概ね前後1週間の誤差で計画調整を行うことは可能だったが、この精度では廃棄ロスを抑えることは不可能だったという。また、初歩的な統計手法である有効積算温度法を利用している生産者もいるが、気温以外の変数を考慮しないため、植物の生育に影響を与える他の環境変化に対応できなかった。両社は連携して、複数圃場・品種のデータや生育予測を行う上で変数の重み付け、相関を解析し、1カ月前に概ね2日程度以内の誤差での適期予想を可能にした。また、両社は関係各社と連携して、収穫予測(生産計画)の調整を起点とする経営管理の高度化を進め、儲かる農業の新しいモデルを開発している。
2015年09月11日テクノスデータサイエンス・マーケティング(TDSM)は9月3日、日本マイクロソフトとIoT分野で協業し、Microsoft Azureを利用した故障予測分析ソリューションを提供すると発表した。TDSMが発表した故障予測分析ソリューションは、IoTデータを分析することで機器などの異常を検知し故障を事前に予測するというもの。分析結果だけでなく、分析に必要なデータを収集・蓄積、加工およびその結果がレポートして提供される。これにより、稼働率の向上、物流/保守要因の効率化、マーケティング活動の改善などさまざまな効果を得ることができるとしている。同ソリューションにおいてAzureを利用することで、大量のデータをリアルタイムに処理することが可能となるほか、各種サービスが従量制で課金されるため利用量に応じた拡張・縮小を迅速に行うことができるというメリットがある。また、最新の機械学習アルゴリズムを利用可能なMachine Learningや、Data LakeやSQL Date Warehouseなどさまざまな分析シナリオに対応できるサービスを今後用意する予定で、顧客の課題や状況応じて組み合わせて利用することができるという。さらに、オンプレミスとクラウドの連携が可能なため、クラウドに向かない種類のデータに対してはオンプレミスとクラウドのハイブリッド型で対応する。今後はテクノスグループが得意とするERPや人員リソースと、Microsoft Power BIを組み合わせた「故障予測ダッシュボード」の提供も行い、故障予測分析PDCAをサポートするソリューションとして提供していく予定で、初年度10社以上の導入を目標としている。
2015年09月03日IDC Japanは8月12日、国内ビッグデータソフトウェア市場の2014年の実績と2019年までの予測を発表した。これによると2014年の国内ビッグデータソフトウェア市場規模は、前年比39.3%増の110億9,100万円。さらに、国内ビッグデータソフトウェア市場は極めて高い成長を継続し続け、2019年の同市場規模は470億6,100万円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は33.5%になると同社は予測している。ビッグデータソフトウェア市場を、「Data Organization & Management」「Analytics & Discovery」「Decision Support & Automation Applications」の3つの市場セグメントに分類し行ったこの市場規模調査によると、2014年の国内ビッグデータテクノロジー市場規模は、「Data Organization & Management」では前年比成長率40.5%の57億5,000万円、「Analytics & Discovery」では同30.0%の20億1,800万円だった。ビッグデータテクノロジーを採用する企業はネット系企業などから一般企業に拡大しており、商用ソフトウェアやクラウドサービスの採用が増加しているが、このような市場の質的転換が今後も継続する一方、IoT(Internet of Things)の普及やデジタルエコノミーの拡大によるデータソースの増大、企業の競争力強化のためのデータ活用の拡大などから、市場は中期的に高い成長を遂げると同社は予測している。
2015年08月13日SCSKは8月7日、コールセンターにおいて音声認識されたテキスト文章などをもとに、苦情の発見、離反、成約をリアルタイムに予測するシステム「VOiC for SAP HANA」を9月から提供すると発表した。「VOiC for SAP HANA」では、音声認識技術を用いて問い合わせ相手とオペレーターの会話を瞬時にテキスト化し、会話内容から苦情の発生や満足度の向上・低下の確率をリアルタイムに算出する機械学習モデルを構築している。モデルによる判定は、単なるキーワードのマッチングでなく、表現の組み合わせ、回数、会話スピード、会話比率など100以上の特徴からスコア付けを行い、最適な予測を行うモデルを生成。これにより、オペレーターや分析者などがあらかじめ単語を設定するなどの手間をかけずに、精度の高い判定ができるようになっている。今回、SAPジャパンの「SAP Predictive Analytics」を活用し、これまで数カ月かかっていた機械学習モデルの作成期間を数時間に短縮したという。また、平均2秒に1回発生するコールセンターの発話データに対処するため、データを高速で処理するプラットフォームとして、SAPジャパンの「SAP HANA」を採用している。リアルタイムで音声認識テキストを取得する仕組みは、アドバンスト・メディアの「AmiVoice Communication Suite2」と連携しており、精度の高い音声認識テキストの生成もできる。
2015年08月07日ブレインズテクノロジーは7月31日、データ分析基盤として提供している「Impulse」を機能強化し、リアルタイム予測分析プラットフォームとしてリリースしたことを発表した。Impulseの基盤は、ログ収集や、高速なデータ分析の分散処理フレームワーク、全文検索エンジンといった各種オープンソース(fluentd、Apache Spark、elasticsearchなど)と、それらを企業用途で利用するための同社独自の拡張モジュールやプラグインによって、各種コンポーネントの連携と最適化を実現している。最新版では、これまで提供してきた大規模データのバッチ分析機能に加え、機械学習エンジンによる予測・異常検知のリアルタイム処理や、アドホックな分析に対応するためのOLAPなどの分析機能を強化することにより、さまざまなビジネスシーンに活用可能な「リアルタイム予測分析プラットフォーム」として提供する。さらに、オンプレミス環境への導入に加え、AWS環境への導入にも対応。Amazon Kinesisを利用したデータストリーミング処理、Amazon DynamoDBやAmazon S3といったストレージへのデータ蓄積、Amazon EMRによる大規模データ分散処理など、データ分析基盤に求められるスケーラビリティと高速処理をAWSの各種サービスを利用して実現している。AWS環境に対応することで、AWSの各種サービスのログデータ(Amazon CloudWatch、AWS CloudTrail、その他各種サービスのログ:Amazon S3、Amazon EMRなど)を分析対象として扱うことが容易となり、システムリソースの最適化やセキュリティ、パフォーマンス改善を目的としたデータ分析が可能となる。
2015年07月31日ボーイングは7月20日、「2015年版パイロットと技術者予測」を発表した。同予測では、今後20年間で世界の航空会社が3万8,000機を保有機材に加えるのに伴い、2015年から2034年までの間に世界の航空会社で55万8,000人の新規パイロットと、60万9,000人の新規技術者が必要になるとしている。同予測は毎年発表され、航空業界に影響を及ぼす市場要因の変化を考慮に入れて考察している。2015年版予測ではパイロットの需要が引き続き増加するとみており、2014年の予測と比較して4%以上、整備技術者については約5%多い人材需要を見込んでいる。熟練した人材に対する世界的な需要増は継続的な経済発展によるものと予測され、その結果、今後20年間にわたる人材需要は年平均で新規パイロットが約2万8,000人、新規技術者が3万人以上に上るという。今後20年間にわたる新規パイロットと技術者の地域別需要予測は、アジア太平洋でパイロットが22万6,000人・技術者が23万8,000人、ヨーロッパでパイロットが9万5,000人・技術者が10万1,000人、北アメリカでパイロットが9万5,000人・技術者が11万3,000人、ラテンアメリカでパイロットが4万7,000人・技術者が4万7,000人、中東でパイロットが6万人・技術者が6万6,000人、アフリカでパイロットが1万8,000人・技術者が2万2,000人、ロシア/バルト3国でパイロットが1万7,000人・技術者が2万2,000人としている。ボーイング・フライト・サービスのバイス・プレジデントであるシェリー カーバリー氏は、「航空会社のプロフェッショナルに対する世界的な需要を満たすという課題は、一社だけで解決できるものではありません。パイロットと技術者の訓練と資格取得に対する需要増に応えるために、航空機メーカー、航空会社、トレーニング機器メーカー、トレーニング提供団体、規制当局、そして教育機関が一緒になって課題に取り組んでいます」とコメントしている。※写真はイメージ
2015年07月21日ZMPは、人間の動作と作業対象の動きを同時に計測可能なモーションキャプチャシステム「ZMP IMU-Z Body Motionセンサパッケージ」を開発、販売を開始したと発表した。同システムは、3軸加速度・3軸ジャイロ・3軸地磁気センサを搭載した小型モーションセンサを17個と、任意の対象物に取付可能なセンサ1個(最大3個)、専用全身スーツ、計測用機器、およびソフトウェア開発環境から構成されたもの。例えば、自動車分野では、ドライバーの全身とステアリングにセンサを取り付けることで、ドライバーの運転動作とステアリングの動きを同期して計測することを可能とするという。また、各センサにIDが付与されているため、計測点の取り違いが発生しないほか、17個のセンサから取得した姿勢データと運動学を組み合わせ、各部位の位置を特定して表示することができる。さらに、モーションキャプチャシステム構築に必要な機能(3D表示、信号フィルタリング、姿勢推定器、運動学、行列、クォータニオン演算)がソフトウェア開発環境として提供されており、任意のモデルの構築も可能となっている。価格は、センサ17個、電源・ケーブル、開発環境(IMU-Z SDK)、全身スーツ、計測機器(Windows PC)をセットにしたバージョンで、一般が250万円(税別)、アカデミックが200万円(同)、センサ18個(全身用17個+任意取付用1個)、電源・ケーブル、開発環境(IMU-Z SDK)、全身スーツ、計測機器(Windows PC)をセットにしたバージョンで、一般が259万8000円(同)、アカデミックが207万8000円(同)としている。また、上半身モデルや下半身モデルのセット販売も行っているという。
2015年07月10日現在、六本木の東京ミッドタウン・ガーデン内にある21_21 DESIGN SIGHTで、『動きのカガク展』が開かれています。「動き」がテーマとなっている展覧会って、珍しいですよね。展示されている作品は実に多彩。あのベンツがつくった世界初のガソリン自動車《ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン(レプリカ)》のように仕組みを「見る」作品もあれば、体験型の作品も多くあります。(ちなみに、ベンツの自動車は会期中に試乗会があるそうです!)体験型作品のなかでもオススメは、岸 遼が手がけた《アトムズ》。白い球がふわふわと浮遊している作品で、球はまるで生き物のように動いています。会場では実際に白い球を自由に触って遊べますよ。ほかにも、国内外のアーティストの作品や、学生と企業が協働して制作した作品が紹介され、「動く」作品がどんな仕組みになっているのかを解き明かしていきます。本展のディレクター菱川勢一は、子どもや学生たちに、先輩たちの作品が置いてある図工室に遊びにきたような感覚でこの展覧会を見てほしい、と語っています。会場では、展示物の制作の流れもオープンになっているので、作品がどうやってつくられているのか、興味がどんどん湧いてきます。子どものころ図工が苦手だった人でも、久しぶりに何かつくりたくなってしまうかもしれませんね。身近な素材でつくられた「動く」作品を通して、ものづくりの楽しさを体感できる展覧会です。ぜひ足を運んでみてくださいね!イベントデータ:『動きのカガク展』会期:2015年6月19日(金)~9月27日(日)※休館日は火曜日。9月22日(火・祝)は開館。時間:10:00~19:00※入館は閉館の30分前まで会場:21_21 DESIGN SIGHT(ミッドタウン・ガーデン内)料金:一般 1,100円/大学生 800円/高校生 500円/中学生以下無料画像クレジット:展覧会ポスター (アートディレクション&デザイン: 古平正義)岸 遼『アトムズ』(Photo: 木奥惠三)
2015年07月08日