河瀨直美による映画『Vision』が2018年6月8日(金)に全国で公開される。河瀨直美が奈良・吉野を舞台に描く河瀨直美が初めて手がけた映画『萌の朱雀』が、最年少でカンヌ映画祭の新人監督賞にあたるカメラ・ドールに選ばれたのが1997年。そこから約20年をへて、生まれ故郷である奈良県を舞台に映画を制作する。そのタイトルは『Vision』。2016年5月に開催されたカンヌ映画祭のディナーで、プロデューサーであるマリアン・スロットとたまたま河瀨と席を同じくし、“映画への愛"を共通語に話が盛り上がったそう。そのスロットが河瀨にジュリエット・ビノシュを引き合わせた。二人は意気投合し、ビノシュは出演に意欲を見せ、映画の出演が決定した。そこから河瀨は奈良・吉野を舞台にオリジナル脚本を執筆していく。杉、檜の植林地として500年の歴史を誇る土地だ。あらすじ『Vision』世界を旅しながら紀行文を執筆するフランス人の女性エッセイスト、ジャンヌ。彼女はアシスタントの花と共に奈良の吉野を訪れる。とあるリサーチが目的だ。杉の木立が連立する山間で生活をする山守の男・智(とも)は、ジャンヌと出会い、文化の壁を超え、次第に心を通わせていく。智と同様、山守の鈴(りん)、猟師である岳(がく)、源(げん)もまた、山に生き、山を守る。それぞれの運命は思いもよらぬ形で交錯していく。ジャンヌはなぜ自然豊かな神秘の地を訪れたのか。山とともに生きる智が見た未来とは…。主演ジュリエット・ビノシュ×永瀬正敏主人公はフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ。彼女は、とあるリサーチのために吉野を訪れる。物語はここから始まる。ジャンヌを演じるのはジュリエット・ビノシュ。カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンと世界三大映画祭のすべての女優賞を受賞したフランスの名女優だ。もう1人の主人公は、吉野の山間で生活している山守・智。杉の木立が連立する山間で生活をする。永瀬正敏が演じる。有名なのはジャームッシュ監督の『ミステリー・トレイン』だが、以降、役30年にわたって映画の重要なパートを担ってきた。主演2人に加え、劇中の登場人物には、豪華俳優勢の顔ぶれが揃う。鈴(リン)役‐岩田剛典岩田剛典が演じる鈴(リン)は、永瀬演じる智と同じ“山守"として山で生きている人。実際にケヤキの木に登るなど、危険な撮影にも自ら挑んだという。岩田はエグザイル/三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEで活躍しながらも。2016年公開の出演した『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』がヒットし、日本アカデミー新人賞までもを受賞。その後も映画、テレビドラマ、舞台と幅広い活動を続けている。河瀨監督作品に出演するのは初めて。撮影について次のように話す。「撮影期間中は、ずっと奈良・吉野の大自然に囲まれて住み込みで生活していたのですが、一度もホテルや民宿には泊まらず、撮影現場で寝泊まりしたり、民家の一部屋をお貸し頂いたりして過ごす経験は初めてでした。」花役- 美波美波が演じる花は、ジュリエット・ビノシュ演じるフランス人エッセイストのアシスタント。深作欣二監督作『バトルロワイヤル』デビューし、現在はフランスに拠点を置きながら、映画、テレビドラマ、舞台などで活躍。『Vision』では得意のフランス語も披露している。岳(ガク)役 - 森山未來森山未來が演じる岳(ガク)は猟師。山守とは違う形ながら彼もまた、山に生き、山を守る。森山未來は、2016年公開の『怒り』で日本アカデミー優秀助演男優賞を受賞。ダンサーとしての活動も幅広く、舞台「プルートゥ PLUTO」で主演を務めている。源(ゲン)役 - 田中泯田中泯が演じるのは猟師の源(ゲン)。田中泯はもともと舞踊家として活躍していたが、山田洋二の『たそがれ清兵衛』(2002年)に俳優として映画に出演したことがきっけで現在では映画&ドラマで大活躍。日本を代表する舞踊家の新たな挑戦は、期待せずにはいられない。作品詳細監督・脚本:河瀨直美エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIROプロデューサー:マリアン・スロット宮崎聡河瀨直美出演:ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、岩田剛典、美波、森山未來、田中泯、夏木マリ公開:2018年6月8日(金) 全国ロードショー配給:LDH PICTURES
2018年02月24日PARCO&CUBE 20th present『人間風車』が9月28日に開幕。それに先駆け公開ゲネプロと会見が行われ、会見には出演者の成河、ミムラ、加藤諒、矢崎広、松田凌、良知真次が登壇した。舞台『人間風車』チケット情報本作は、後藤ひろひとによって1997年に劇団「遊気舎」に書き下ろされ、2000年にパルコ版初演、2003年に再演された童話ホラー演劇。今回が14年ぶりの新版上演となり、後藤が脚本を改訂、演出を河原雅彦が手掛ける。会見で、主演の成河は「普遍的なテーマを持つ作品ですが、“現代劇”として14年のブランクをどう埋めるか、ということをずっと後藤ひろひとさんも含めて、改訂し、稽古してきました。そのうえで僕たちが思うのは、今の僕たちにとって嘘がないことが、今生きているお客さんにとって嘘がないということで。そうすればこの作品の普遍的な本質の部分に近付いていけるんじゃないかと思います」と今回の上演について語る。舞台は2作目となるミムラは「舞台は同じことを何回もできる楽しさがあります」と笑顔。稽古によって「体脂肪が5パーセント落ちて、5キロ体重が増えました!身体を使っていろいろできるのが非常に楽しいです」と全身で作品に挑んでいる様子。物語のキーとなるサムを演じる加藤は「僕は(成河演じる)平川さんが話す童話を聞くと、その主人公になるという役なんです。なので6役くらいあるのですが、それをどう演じ分けるか、どうやったらできるのか、ということを成河さんにも相談に乗っていただきました」と振り返った。矢崎が「この作品では僕も松田くんも良知くんも“若手”になるんですけど、河原さんの演出も先輩方の芝居も本当に勉強になって。若手にとってはこんな幸せな現場はない」と話すと、松田や良知も同じように感じていた様子。松田は「僕にとって刺激的な現場でした」、良知も「成河さんにずっと支えてもらいました。舞台上でお返しできるようにがんばります」と語った。売れない童話作家(成河)が公園で子供たちに聞かせる童話が軸となる本作。大きな回り舞台や童話の衣装など華やかな見所がありつつも、それ以上に印象的だったのは“想像の世界”。作家の語り口調、それに対する子供たちやサムの反応により、童話の描く世界が目に見えている以上の鮮やかさで飛び込んでくるのだ。その一方で、現実世界でみせる登場人物たちのリアルな感情や表情も強く心に残るもので、だからこそ、そのふたつの世界がみせる結末は強烈だ。成河が「演劇的な仕掛けが豊かで、劇場でこそ味わってほしい演劇の醍醐味が詰まってる作品です」と語る本作は、10月9日(月・祝)まで東京芸術劇場プレイハウスで上演後、高知、福岡、大阪、新潟、長野、仙台を巡演。撮影・取材・文:中川實穗
2017年09月29日俳優の成河、ミムラ、加藤諒が舞台『人間風車』に出演することが31日、わかった。同作は1997年に後藤ひろひとが劇団「遊気舎」に書き下ろした。2000年には、G2演出のもと、パルコ劇場で生瀬勝久、斉藤由貴、阿部サダヲ、八嶋智人、大倉孝二といった豪華キャストが集結。2003年には永作博美、入江雅人、河原雅彦らにより再演され、今回は14年ぶりの上演となる。一人の童話作家・平川が傑作童話を書いたことから話が展開し、”童話ホラー”と呼ばれた。主役の平川を演じる成河は、26日にミュージカル『わたしは真悟』を終え、3月からは『髑髏城の七人 Season花』を控えるなど、2017年も引っ張りだこ。成河は「この作品の持ち味である、人間本来の持つ弱さと醜さ、矛盾と葛藤をきちんと表現出来るよう、全身全霊、役と自分と向き合っていきたいと思います」と意気込みを語った。 ヒロイン・アキラを演じるミムラは「童話好きとして、その面白さと自由さ、そして時に怖さを感じておりましたので、これらをベースとした人間模様を演じるのが楽しみでなりません」と作品への意欲を示す。サム役の加藤諒は、「2000年と2003年に上演され、観劇された方々に笑いと恐怖と感動を与えた偉大な作品に出演させていただく事になりまして、大きなプレッシャーと共にとてもワクワクしております‼」とコメント。バラエティでもブレイク中だが、実力派キャストとの共演に「喰らい付いていけるように精一杯頑張らせて頂きます!!」と気合いを入れた。 東京公演は9月28日~10月9日、東京芸術劇場プレイハウスで行われる。また大阪他、各地での公演も予定されている。■演出・河原雅彦コメント 僕もかつて出演させてもらったファンタジーホラーの傑作『人間風車』を演出させてもらう日がくるとはなんとも感慨深いわけで、この作品が持つ行き場のない悲哀と苛立ちと恐怖を僕なりのタッチで増幅してみようと、後藤さんの想いも合わさって、ちょっとした変更を試みるわけで、ま、観た人の心に嫌というほどまとわりつくような爪痕を残せるよう、いっちょやってみます。
2017年01月31日●Wキャストの落とし穴大学時代より演劇活動を開始し、2008年には平成20年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞、2011年に『BLUE/ORANGE』および『春琴』の演技により第18回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞、そして先日はミュージカル『エリザベート』ルキーニ役で第24回読売演劇大賞上半期ベスト5に選ばれるなど、その実力が多方面から高く認められている俳優・成河(そんは)。現在は『エリザベート』東京公演を終え、福岡・博多座公演の真っ最中だが、帝国劇場での公演を振り返り、作品への思いを語る合同取材会が博多座主催で行われた。○会場に感じる違い今回、同作は東京・帝国劇場、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場での公演が行われるが、帝国劇場での公演を振り返った成河は「1,800人のお客さんはすごい」と振り返る。成河:1,800人のお客さんって重たいんだなって、初めて知りました。特にルキーニは狂言回しの役だったので、バスガイドみたいな役割ですよね。バスツアーで1,800人連れているんですよ。一言発するだけでものすごく疲弊するというか、汗だくになる経験がすごく新しかったです。痛烈に感じたのは、最初の一週間でしたね。「これじゃもたないかもしれない」と思ったくらいでした。ただ、公演を重ねるうちに少しずつ、変わっては行きました。腹がすわっていくということだと思うんですよ。香川照之さんが、はじめて歌舞伎の公演に出るときに「できるかできないか、じゃないんだよ。やるからやないかなんだよ」とおっしゃったのですが、まさしくその言葉を感じました。帝国劇場1,800人へストーリーを届ける時に、小手先ではなくて「やるんだ」と、腹がすわっていくことが大事なんだなと。帝劇はびっくりしました。(帝劇にむかって)帝劇はびっくりしたぞー! ここはやっぱり歌で伝えるべき場所、朗々と歌って初めて伝わるというところもある、大変な劇場ではありました。そういう意味では、博多座では1,500人にどれだけ、すみずみまで行き渡らせることができるかというのがチャレンジですね。あと、博多座は誰に聞いても評判が良いし、みんな大好きですよね(笑)。すごく期待値が上がっています。一番楽しみなのはやはり距離感で、どこまで客席と舞台が一体化できるか。井上芳雄さんの実家も泊まりにいきますよ。なんの約束もしてないけど、僕の中では決まっています(笑)。いっぱい教えてくれるんですよ、歌のこと。○Wキャストの功罪現在、ミュージカル界では当たり前にもなった「Wキャスト」。成河は今回、山崎育三郎とWキャストでルキーニを演じる。組み合わせの妙、また演者の負担軽減、興行的なメリットなどがあげられる制度だが、本格的なWキャストが初めてという成河は「正直慣れない」と言葉を濁す。そして、Wキャストが陥りがちな思考についても指摘する。成河:自分の出ているシーンを俯瞰的に観られる、Wキャストの相手と役について話す戦友になれる、というのはとてもいいことだと思いますが、どうしたって稽古時間が半分になるので……相手がどうとかではなく、僕にとっては稽古が全てなんだなと改めて感じました。稽古の時間がなくなるということは、とても深刻です。そして、どうもこれは落とし穴になるんだろうなと思うのは「もう一人はああやっているから、あえて違うことをしてやろう」という気持ちです。そうすると、どんどん作品と役の本質から離れていってしまいます。あくまでも劇の構造と自分の役割を理解すればいいのであって、もし同じことをしても、違う人間が演じれば違うものが出来上がります。小手先上のことで、違うアイディアを盛り込もうとは考えないようにしましたし、おそらくそれが正解だろうなと思います。●演劇界には"中の人"同士の混ざり合いが必要○『エリザベート』という作品の魅力『エリザベート』という作品を最初に見たとき、ファンタジーな世界観に驚いたという成河。自身が演じるにあたり、実は「唐十郎などのアングラ演劇が好き」だった小池修一郎と話が合い、多くの質問を投げかけながら作品についての理解を深めた。成河:小池先生は芸術としての本質を突き詰める点と、ショービジネスの上に立つ点と、水と油の二面性を抱えていて、その中で常に葛藤している方なんだなと、ものすごく愛せました。何よりもあの膨大な知識量、見てきたもの、考えてきたことを、尊敬することができました。『エリザベート』という作品は懐が深くて、いろいろな国で上演される際に振り付けや演出を自由に任せてくれていたんですよね。いろんな文化を取り込んで成長していくところが凄みなんだなと思いました。僕も勉強して日が浅いですけど、日本でのエリザベートは、すごくハイブリッドに進化しているんだと思います。本来、シニカルで退廃的な歴史劇であった作品に、日本人の持つ情緒と言いますか、少女漫画的、アニメ・コミック的、ファンタジー的な要素を加えて観客を引き付けた。そうすることで生まれた多面性が、何よりも魅力なのではないでしょうか。お姫様の話としてうっとりもできるし、見方を変えれば「もしかして私たちのお話?」と考えることもできる。自分の観たい場所から観られるように作られているんだと思うんです。さらに言えば、公演ごとにいろんな葛藤とパワーバランスがあり、今回は、少しずつ歴史劇としての要素を取り戻そうとしているのかなと思います。○ミュージカルとストレートプレイつかこうへい作品から始まり、多くの舞台に出演してきたが、『グランドホテル』『エリザベート』と、2016年はミュージカル作品への出演が続いた成河。しかし、他の音楽系大学出身などの俳優とは譜面と向き合ってきた年数が違うため、自分のことを「歌唱表現ができる俳優とは思っていない」と語る。成河:僕は今までの延長で演技をしていますし、ルキーニじゃなかったら、僕に話がくるわけないですから! フランツとか、合わないことこの上ないですよ(笑)。田代万里生くんやシュガーくん(佐藤隆紀)のような歌唱は、1年2年訓練してできるものではありません。ただ、ずっと羨ましいなとは思っていました。せりふ劇では2時間積み上げて積み上げて最後に泣かせようとしたりしますが、歌なら5秒くらいで泣けてしまう。僕だって、袖で泣いちゃいますよ(笑)。ついつい僕は言葉を捉えてしまうんですけど、言葉と理屈ではないものが、メロディーにはどうもあるらしいぞ、というのがブームです。これは井上芳雄先生から教えてもらいましたけど、歌はどんなに暗い深刻なものでもどこか陽の部分があり、浄化作用によって頭でっかちにならないですむというか。小池先生も「お芝居しながら歌になってくのもいいけど、最終的には音楽にどんどん乗ってくことで、もっともっと楽に表現できるようになっていくよ」と言ってくれました。ただ、観てくださっている方からは、ミュージカルと、ストレートプレイといわれる芝居の垣根はなくなっているように見えるかもしれませんが、中はまだまだ混ざっていないようにも感じます。もっと中の人間同士が関わらなければいけないし、やるべきことかなと思っています。
2016年08月12日'13年からミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でタキシード仮面を演じている大和悠河さん。「宝塚を退団してから男役も卒業したつもりでいました。でも、お話をいただいて、武内直子先生の漫画を見たとき、自分が宝塚で培ってきたものを使えて、女の私だからこそ作り上げられるものがあるんじゃないかと思ったんです」それまでは、若い男性俳優が演じてきた役。しかし、宝塚でトップスターとして男役を極めた大和さんの、こなれたタキシードの着こなしや美しいマント捌きは、まさにそのまま少女漫画の世界が舞台に現れたようだった。「宝塚では、メイクや衣装、髪型や立ち方ひとつにしても、自分のいいところと欠点の全部を把握して、どうしたら美しく見えるかを、誰もが自分で考えて、自分でプロデュースしていかなくちゃいけない。だから男役時代には、自分の体型に合ったカッコいいスーツのラインを必死に研究していました。タキシード仮面を演じるならば、武内先生の描く、あのカッコいいシルエットに近づけたいじゃないですか。そのためには、それこそ1ミリ2ミリの調整が重要で、そこにはこだわらせていただいています。幕が開いてから、お客様がどんどん作品にのめり込んできてくださるのがわかって、それがとても気持ちよかったですね」高い美意識を持ちながら、素顔は気さく。タキシード仮面も、カッコいいのに妙にチャーミングなのだ。「昔から、よく下級生から『悠河さんって、カッコかわいいです』って言われていたんです。自分ではわからないんですけど、それが味であるならば、大切にしていけたらなと思います」◇やまと・ゆうが1995年に宝塚歌劇団入団。早くから注目され、'07年に宙組トップスターに就任。'09年の退団後は舞台を中心に活躍。7月にはブロードウェイミュージカル『CHICAGO』に主演のロキシー役で出演、NYでの公演も決まっている。◇ミュージカル『美少女戦士セーラームーン‐Amour Eternal‐』高校生になった月野うさぎ。ある日、皆既日食が起き、デッド・ムーン・サーカス団を名乗る船が現れる。そんななか、地球を守護する聖地エリュシオンの祭司から、地球存亡の危機を知らされ、立ち上がる。10月15日(土)~23日(日)渋谷・AiiA 2.5 Theater Tokyo福岡、大阪公演あり原作/武内直子脚本・演出/平光琢也音楽/佐橋俊彦出演/野本ほたる、大和悠河ほかネルケプランニングTEL:03・3715・5624(祝日を除く月~金曜11:00~18:00)(C)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2016※『anan』2016年7月20日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2016年07月17日映画『彷徨える河』が2016年10月29日(土)より、シアター・イメージフォーラム他で全国順次公開される。本作は、20世紀初頭と中盤にアマゾンに足を踏み入れた2人の白人探検家の手記に触発されて作られた物語。神秘的な幻覚や呪術に彩られたマジックリアリズム的な世界観を、美しいモノクロームの映像と情感溢れる多層に重ねられた音によって描き出した作品だ。監督は、米エンタメ業界紙『Variety』にて、「2016年に注目すべき監督10人」に選出されるなど、 近年世界的な注目を受けているコロンビアの俊英、シーロ・ゲーラ。本作も2015年カンヌ国際映画祭監督週間芸術映画賞受賞、2016年アカデミー賞外国語映画賞ノミネートなど、数々の映画祭で高い評価を得ている。■ストーリーアマゾン流域の奥深いジャングル。侵略者によって滅ぼされた先住民族の村、唯一の生き残りとして、他者と交わることなく孤独に生きているシャーマンのカラマカテ。ある日、彼を頼って、重篤な病に侵されたドイツ人民族誌学者がやってくる。白人を忌み嫌うカラマカテは一度は治療を拒否するが、病を治す唯一の手段となる幻の聖なる植物ヤクルナを求めてカヌーを漕ぎ出す。数十年後、孤独によって記憶や感情を失ったカラマカテは、ヤクルナを求めるアメリカ人植物学者との出会いによって再び旅に出る。過去と現在、二つの時が交錯する中で、カラマカテたちは、狂気、幻影、混沌が蔓延するアマゾンの深部を遡上する。彼らが向かう闇の奥にあるものとは...。【概要】映画『彷徨える河』公開時期:2016年10月29日(土) シアター・イメージフォーラム他で全国順次公開監督・脚本:シーロ・ゲーラ出演:ヤン・ベイヴート、ブリオン・デイビス、アントニオ・ボリバル・サルバドール、ニルビオ・トーレス2015/コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン/B&W+color/2.35:1/124 / 原題:El abrazo de la serpiente©Ciudad Lunar Producciones
2016年07月07日『コードネームU.N.C.L.E.』のDVD&ブルーレイリリースを記念し、3月14日(月)、都内で特別イベントが開催。イベントには女優の遼河はるひ、タレントのGENKINGが登場した。遼河さん、GENKINGさんは、“史上最高にセクシーで、史上最悪の相性の、史上最強のスパイコンビ”ナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)、イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)さながらに登場。「久々の男装で決めてみました」という遼河さんだったが、さすがは元宝塚の男役。「スカートにヒールよりも、スーツを着た方が落ち着きます」と、優雅にポーズを決めてみせた。GENKINGさんについて「女性から見ても綺麗だし、男性から見ても綺麗だろうし、不思議な存在ですよね。これは負けると思って、今日はつけまつ毛を付けました」と会場の笑いを誘った。本作は、『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー監督が、1960年代に人気を博したTVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を映画化したスパイ・サスペンス。GENKINGさんは、「普段男っぽい映画はあまり見ないんですけど、この作品を見たらワクワクして、久々に男の血が騒ぎました」と明かすも、「クリヤキンの顔が好きだけど、中身はソロ」と、すぐさま乙女の一面を見せた。一方、遼河さんは「二人とも格好良さが違うんです。ソロは茶目っ気もあって素敵だし、クリヤキンはピアさも出てきて、女心をくすぐられるんです。切っても切っても格好良さが出てくるので、女性はキュンキュンすると思います。男性の方は少しでもセクシーさを勉強して欲しいです」と熱く語った。『コードネームU.N.C.L.E.』ブルーレイ&DVDは3月16日(水)発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:コードネーム U.N.C.L.E. 2015年11月14日より全国にて公開(C) 2015 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
2016年03月14日横河ディジタルコンピュータ(横河ディジタル)は11月10日、システムの動きと通信データの流れを同時に可視化・検証することができる、動的テスト/解析ツール「TRQerAM」を開発したと発表した。同ツールは、同社の既存製品である動的テスト/解析ツール「TRQerS」のソフトウェア(関数/スレッド)トレース機能に加え、通信データ2系統を同時記録できる機能を備えた機能強化モデルとなっている。組込み製品・組込み機器の最終評価・検証の現場、および最終製品形態での使用を考慮し、機器との接続や設置がしやすいようコンパクトな設計と2mのケーブルを採用。スタンドアロンで動作可能となっている。また、システム動作検証中に気になったタイミングをトレースデータにマークしておく機能もあり、8時間以上にわたるトレースデータの中からでも目的箇所を簡単に見つけ出すことができる。同社によると、カーナビなどの車載情報システムにおける本体システムと同期した音声信号/映像信号処理、車載制御システムにおけるECU間のCAN通信、複合機(MFP)におけるシリアル通信など、通信の流れとOSを含むシステム全体の動作検証・動作分析が必要になる実環境で効果を発揮するとしている。
2015年11月10日2015年7月のTOP500を含めて連続5回、1位を続けている中国のスパコン「天河二号(Tianhe-2)」であるが、このマシンに使用されているXeon CPUやXeon Phiアクセラレータは軍事目的には使用しないという条件で、米国からの輸出が許可されている。また、天河一号もIntelのCPUとNVIDIAのGPUを使用しており、同じ制約が課せられているという。しかし、今年の4月に、米国商務省は中国が天河一号と二号が軍事目的に使用されていると判断されるとして、IntelとNVIDIAに対して、スパコンの部品の禁輸を命令したと報じられている。元々、中国は、天河二号の「Xeon Phi 31S1Pアクセラレータ」を次世代のXeon Phiにアップグレードすることでピーク演算性能を100PFlopsに引き上げる計画と言われており、この禁輸にどのように対応するのかが注目されていた。フランクフルトで開催されているISC 2015において、天河一号、二号を開発した国防科学技術大学のYutong Lu教授が基調講演を行い、その中で、次世代のXeon Phiは使わず、自前のアクセラレータ(Chine Accelerator)を開発して使用する方針であることが明らかにされた。Tianhe-2のアップグレード版はTianhe-2Aと呼ばれており、ピーク演算性能は約2倍の~100PFlopsとなる。しかし、ノードの構成を見ると、CPUはXeon E5 2692のままで変わっておらず、アクセラレータだけがXeon PhiからChine Acceleratorに置き換わっている。つまり、アクセラレータ部だけを自前で開発して置き換えるという作戦である。Tianhe-2Aのノード数は~18,000となっており、Tianhe-2の16,000ノードから約2,000ノード増えているが、この程度の数であれば、CPUは輸入ができなくてもストックの部品で間に合わせられると思われる。そして、インタコネクトがTH-Express-2からTH-Express2+にアップグレードされているが、これは元々自主開発であるのでアップグレードに問題はない。China Acceleratorであるが、「Matrix2000」と呼ぶ汎用DSPであるという。クロックは1GHzで倍精度浮動小数点演算性能は約2.4TFlops、消費電力は約200Wという。18,000個の各ノードにこのアクセラレータが3個接続されるとすると全体では129.6PFlopsで、まあ、LINPACKで100PFlops程度という計算は妥当である。このChina Acceleratorの図には6個のコアが描かれているので、1コアあたり400GFlopsである。クロックが1GHzであるので、コアあたり400演算/サイクルと考えられる。国防科技大は、以前からDSPを研究開発しており、その技術を使うので、新規の開発に比べて短期間で開発できるという。そして、ソフトの面では、汎用DSP(GPDSP)用のコンパイラやOSを作り、 OpenMP4.0をサポートするコンパイラでアプリを並列化してGPDSPで走らせるようになるという。
2015年07月15日美しい日本語を使う人は、きまって美しい佇まいをしています。整った、凛とした、柔らかな、と美しさのありようはさまざまですが、ある人の言葉に不意を突かれ、その人の印象が一気に変わった経験を持つ人は多いはずです。女優の杏さんもそんな人の一人。歴史に鍛えられた言葉を身につけた彼女がなにか神聖なものに繋がっているような気配さえ感じます。杏さんに、美しい日本語について聞いてみました。女優のほかにも、ラジオのパーソナリティから執筆まで、才能を生かしてマルチに活躍する杏さん。大勢に向けて何かを表現する仕事だからこそ、“正しい日本語で話す、書く”ことには、人一倍気をつけているそう。「モデルをやっていた10代半ばの時に、朝の情報番組で流行のものを紹介するコーナーのレポーターを務めさせていただいたんです。その時に、自分で何かを伝えるなら、きちんとした言葉を使わないといけないなと思って、『アナウンサーの日本語講座』のような、語法関連の本を何冊か読んで勉強しました。でも実際に求められていたのは『きゃー!』とか『わ~』とかのリアクションだったので、私の努力の方向は間違っていたわけですが(笑)、それが結果的に自分の日本語を見つめ直すきっかけになりました」5年前、23歳の時の小誌インタビューでも「言葉を大事にしたい」と答えてくれていた杏さん。正しい言葉遣いを心がける意識は、常日頃から持っている。「どんなに気をつけていても、不意に口から出てきた言葉はどうしても繕えないもの。例えば、これから言葉を覚える赤ちゃんはそれを何気なく聞くだろうし、すぐに真似をしてしまう小さな子どもだっているはず。だから、日頃から正しい日本語に触れて、きれいな言葉遣いを自分の“身に沁みさせておく”ことも必要なのではないかと思っています」では、そんな杏さんのイメージする“美しい日本語”とは?「昔の方のインタビューを見たり、市井のおばあちゃんの話を聞いていると、とても上品な言葉で話されているので、憧れます。『~していらっしゃるの?』とか、『~してくださって嬉しいわ』なんて、どこか大正時代の女学生のような雰囲気が残っていて。身近な人でいうなら、黒柳徹子さんの言葉がそうです。徹子さん、メールもいつも通りの話し言葉でくださるんですよ。きっと年齢を重ねれば重ねるほど、言葉の魅力が輝いてくるんだなと思います。私も、年を重ねながら年齢相応の美しい日本語が使える女性になっていたいですね」本誌では、読書家としても知られる杏さんが、オススメの本をご紹介。読書を“言葉の筋トレ”と捉える杏さんのオススメを是非チェックしてみて下さい。◇あん’86年4月14日生まれ。東京都出身。大人気ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)の新シリーズが7月8日22時よりスタート。※『anan』2015年7月1日号より。写真・藤田一浩スタイリスト・河部菜津子(KiKi inc.)ヘア&メイク・平元敬一文・瀬尾麻美
2015年06月24日内野聖陽が伊右衛門、秋山菜津子がお岩を演じる魅惑の『東海道四谷怪談』が6月10日(水)に新国立劇場で幕を開ける。演出は同劇場で上演された『エドワード二世』などで昨年、読売演劇大賞に輝いた森新太郎。稽古が佳境を迎える中、森に話を聞くとともに、稽古場をのぞかせてもらった。舞台『東海道四谷怪談』チケット情報元来、多くの登場人物たちの因果や運命が交錯する群像劇の側面が強いが今回、大胆にいくつかのエピソードをカットし、あくまで伊右衛門とお岩のふたりの関係性に絞りこんだ。森は「人々の人生を削って短く薄く詰め込むのではなく、ふたりの男女を軸に濃密なドラマにしたかったし、そこで人間の抱える荒んだ心の闇を見せたい。やればやるほど『あぁ、男ってこうだよな』と思うし(笑)、現実に対する南北の冷徹なまなざしを感じます」と語る。広さも奥行きも高さもある中劇場での上演だが「広漠と横たわる暗闇を活かしたい。なるべく具体的なものを排して、ごくシンプルにしている。必要最低限の小道具と俳優の肉体、テキストがあればやれる」とも。足し算ではなく引き算で、人々の心情を文字通り「浮かび上がらせていく」意図が感じられるが、その最たる部分が、秋山が唯一の女性キャストであり、男性がお岩以外の女性の人物を演じるという点。「リアルな女性の繊細さ――こんな状況に置かれた女性がどういう声を上げ、どんな目をして死に、どんな心理で復讐しようとするのか?僕も男なので、そこは謎を解き明かすような気持ち。“お岩対社会”という構図が見えてくる」と説明する。脚本を読むとネズミや鬼火を使った表現などどう見せるのかと気になるシーンも多いが「それが何かと言えばお岩の激しい情念の表れなので“温度”をそこに残したい」。有名な戸板返しや仏壇返し、面体の崩れたお岩の化粧のシーンなども「いろいろ考えてます」と不敵に笑う。お岩の存在を色濃く浮かび上がらせる最重要人物は言うまでもなく伊右衛門である。森は内野を「伊右衛門をやるために生まれてきたような男!」とまで言うが、稽古場をのぞいてみてその言葉に納得させられた。序幕の伊右衛門がお岩の父・左門にお岩との復縁を求めるごく短いやり取りの中で、内野は伊右衛門の卑屈さ、尊大さ、瞬時にわき上がる怒りなどいくつもの感情を巧みに表現。幕が上がって数分で、伊右衛門という人間の性根、小悪党ぶりがまざまざと理解できる。伊右衛門をはじめとする小さな悪の積み重ねを一身に背負い、ひとりの女性がどのような変容を遂げていくのか、仕上がりが楽しみだ。6月10日(水)から28日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて。取材・文:黒豆直樹
2015年06月08日女優の樹木希林が主演を務める、河瀨直美監督の映画『あん』(5月30日公開)が第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門オープニングフィルムに正式出品されることが24日、明らかになった。河瀨監督の作品が同映画祭に出品されるのは、今回で7作目。初の劇場映画『萌の朱雀』(1997年)で同映画祭新人監督賞を史上最年少で受賞し、『沙羅双樹』(2003年)でコンペ部門に選出、『殯の森』(2007年)ではグランプリを受賞。2009年には『火垂』で監督週間に選出され、2011年の『朱花の月』はコンペ部門に。そして2014年に、『2つ目の窓』がコンペ部門に出品したのに続き、日本人としては史上最多の出品数となる。カンヌ国際映画祭 名誉会長のジル・ジャコブ氏は、「大変素晴らしい作品でした。河瀨作品は全て好きですが、本作は、非常に心に触れる謙虚さがあり、また物語の語りとしてはパーフェクトの高みへと洗練されていました」と絶賛。特に、映画で描かれる"あん"を作るシーンに触れ、「この年になってまで、甘露煮のお豆の作り方に興味が湧くなど思いもしませんでした。それは、多くの人が知らないある田舎町の特有の風習や習慣が、映画を通して魅了する。そういうもののひとつでした」とコメントした。河瀨監督は、「継続的に良質な作品を創り続けること。それはどんどん山が高くなることです。しかし、それでも、映画を創り続けることをまっとうし、その先に、今回の2年連続カンヌの公式招待を、しかも、オープニングという特別枠でいただけたことに、誇りを感じます」と喜びを語る。主演の樹木は、「こうして『あん』がカンヌ国際映画祭のオープニングを飾り、映画本来の"鑑賞"をしていただける特別枠に選ばれたことが喜ばしいです」と語り、河瀨監督について「日本人でこういう監督が出てくることがたくましくて頼もしい」とたたえた。共演する俳優の永瀬正敏は、「驚きました、心から光栄に思います。河瀨監督や樹木さん、すでに天国にいらっしゃる元ハンセン病患者さん方やたくさんの皆さんの想いが海を渡る…本当にうれしいです」とコメントを寄せ、主題歌を担当した秦基博は、「生きることの意味を問いかけるこの美しい映画が、国境も越え、たくさんの人の元へ届くことが今から楽しみでなりません。主題歌というかたちで、少しでも携わらせていただいたものとしても本当に幸せです」と作品の船出を祝福した。本作の原作は、作家、歌手、パーソナリティーとして幅広く活躍するドリアン助川氏の著書『あん』。小さなどら焼き屋「どら春」を舞台に、一人の老女とその周りの人間模様を通じて「人生とは」と問いかける物語。永瀬演じる「どら春」の雇われ店長・千太郎のもとに、求人募集を見た老女・徳江(樹木)が現れる。彼女の作る粒あんがきっかけで店は繁盛するが、かつてハンセン病を患っていたことが近所でうわさに。潔く店を去った徳江の足跡を、千太郎は徳江を慕っていた女子中学生・ワカナ(内田伽羅)と共に追う。(C)2015 映画『あん』製作委員会/COMME DES CINEMAS/TWENTY TWENTY VISION/ZDF-ARTE
2015年04月24日女優の市原悦子が、河瀨直美監督の映画『あん』(6月公開)で、主演の女優・樹木希林と初共演することが25日、明らかになった。原作は、作家、歌手、パーソナリティーとして幅広く活躍するドリアン助川氏の著書『あん』。初の劇場映画『萌の朱雀』(1997年)でカンヌ国際映画祭新人監督賞を史上最年少で受賞し、『殯の森』(2007年)で同映画祭にグランプリを受賞した河瀨直美監督がメガホンを取り、主演は、2008年に紫綬褒章を受賞し、2013年には『わが母の記』(2012年)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた、女優・樹木希林が務める。市原が演じるのは、元ハンセン病患者・徳江(樹木)が暮らす療養所内の喫茶店で働く"佳子"。徳江と佳子は親友であり、長い年月をともに療養所で過ごした間柄という設定だ。市原の映画出演は『バルトの楽園』(2006年)以来9年ぶりで、河瀨監督作は初出演となる。市原は、本作出演に至った経緯について、「河瀨監督が奈良から出て来られて、私の家の近くのホテルでお会いしました。その時、樹木さんから佳子役は市原でどうかとすすめられたとおっしゃっていました」と説明。樹木との共演を、「楽しかったです。お互いに50年以上役者の仕事をしてきたのにこれまで1度も御一緒しませんでした。希林さんは年を経たこと、またお体の具合も万全ではないことが、より魅力的にしているのかなと感じました。撮影を待つ間も楽しかったです」と振り返った。また、河瀨監督については「自然との共生について、監督は地に根を張っていらっしゃると感じました」という印象で、「優しく、竹のようにしなやかな女性の力が心強かったです」と人柄を絶賛。自身の役どころを、「とことん疎外されて生きてきた女性なのに、あの優しさはどこから来るのか考えました」と捉え、「あこがれる女性像です」と明かした。本作は、小さなどら焼き屋「どら春」を舞台に、一人の老女とその周りの人間模様を通じて「人生とは」と問いかける物語。永瀬正敏演じる「どら春」の雇われ店長・千太郎のもとに、求人募集を見た老女・徳江が現れる。彼女の作る粒あんがきっかけで店は繁盛するが、かつてハンセン病を患っていたことが近所で噂に。潔く店を去った徳江の足跡を、千太郎は徳江を慕っていた女子中学生・ワカナと共に追う。
2015年02月25日2014年2月にコンセプトイラストが発表され話題を集めていた、『超時空要塞マクロス』シリーズなどで知られる河森正治監督×グッドスマイルレーシングの変形ロボットフィギュア『GearTribe 初音ミクGTプロジェクト 2014ver.』の予約受付が、「GOOD SMILE ONLINESHOP」にてスタートしている。2015年4月発売予定で、価格は7,407円(税別)。『GearTribe 初音ミクGTプロジェクト 2014Ver.』は、グッドスマイルレーシングのレーシングチーム「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」が、日本最高峰の自動車レース「SUPER GT」にレーシングミクをデザインした「BMW Z4 GT3」で参戦し、昨日11月16日に「SUPER GT 2014」シリーズチャンピオンを獲得を記念して発表。グッドスマイルカンパニーが展開する新たなフィギュアシリーズ「ワンホビセレクション」のアイテムとして発売される。実際の商品では、車体はモデルカーと比べても遜色ない造形を実現し、実際のレースカーと同様のペイントも完全再現。24/1スケールの車体から変形させたとは思えないほど大きく、車体の全長は約170mmロボットの全高は約275mm。河森監督によって計算し尽くされた変形機構は、かつてないほどダイナミックな動きをするギミックを内臓しており、変形プロセスも必見の魅力的な構造に仕上がっているという。商品価格は7,407円(税別)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の受注締切は12月10日21:00。商品の発売および発送は、2015年4月を予定している。(c) おぐち/ Crypton Future Media, INC. www.piapro.net piapro costume designed by コヤマシゲト(c) Satelight Inc. /GOOD SMILE COMPANY, INC.
2014年11月17日横河ソリューションサービスは7月7日、搬送、加工・組立、包装などファクトリーオートメーション(FA)工程における、装置との情報連携に最適なフレキシブルファクトリーコントローラ「VC100」シリーズを発表した。製造業では、製造工程をコントロールするシステムのPCS(Process Control System)と、企業・工場全体を経営の視点で情報を管理するシステムのERP(Enterprise Resource Planning)との間の領域に、製造工程における製造スケジュール、品質、在庫などを管理するシステムのMES(Manufacturing Execution System)が導入されている。MESは、製造工程と経営情報を連携させるうえで、工場内では重要な役割を担っている。しかし、市場には製造工程制御と情報管理を連携させるための適切なコントローラが提供されておらず、この機能を汎用PCなどのオープンシステムで代替させているために、耐久性、安全性、長期保守などの課題を解決できていない状況にある。「VC100」シリーズは、堅牢性、連続運転性、耐ウィルス性に優れ、長期保守を実現したFA用コントローラとなっている。具体的には、ハードウェアは汎用PCとは異なり、ハードディスク装置などの機械機構を極力排除し、24時間連続運転を可能にするなど、耐環境性に優れている。さらに、生産現場のコンピュータは長期にわたって使用されることが多いことから、10年間の保守対応製品とした。この他、独自OSを搭載することにより、コンピュータウィルスに感染しにくいという特徴も有している。また、近年では、MESによる品質履歴追跡、設備稼働状況の把握といった領域でもリアルタイムに発生する現場データを漏れなく収集することが要求されるようになってきた。同社では、「VC100」シリーズの発売を弾みにして、現場のシステム構築に関する経験やノウハウを生かし、MESを中心にERPとPCSの情報を連携させた"現場と経営の直結"のトータルソリューションの提案を加速していくとしている。
2014年07月09日パナソニックは10月31日、同社の企業スポーツ活動のうち、バスケットボール部「パナソニック トライアンズ」およびバドミントン部「パナソニック バドミントンチーム」について、今シーズン終了後に休部することを決定したと発表した。同社は現在、業績回復に向けたさまざまな経営合理化の取り組みを進めており、企業スポーツの在り方についても、多面的に検討してきた。今後は、より一層「多くのファンから支持され、常にトップを目指す」スポーツに集中していくとしている。この決定により、同社の企業スポーツは、野球部、バレー部「パナソニック パンサーズ」、ラグビー部「パナソニック ワイルドナイツ」の3部体制となる。同社では、これからも、スポーツファンと感動を分かち合えるチームづくりに力を注ぐとともに、「パナソニック キッズスクール」などスポーツを通じた社会貢献活動を進めていく、と話している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月03日多部未華子、奥田瑛二、麻実れい、成河らが出演し、5月31日(木)に開幕する新国立劇場の舞台『サロメ』。宮本亜門が演出する本作の稽古場を、5月某日、訪ねた。『サロメ』は、演劇のみならずオペラでも知られるオスカー・ワイルドの名作戯曲。今回の舞台では作家の平野啓一郎が新たに翻訳を手がけた。平野の新訳により、遠まわしの比喩がわかりやすい表現に、また語尾なども徹底して現代にマッチした形に置き換えられており、戯曲全体がスッキリとした印象になっている。さらに宮本の演出で多部扮するサロメを、従来の官能的なイメージから無邪気さゆえに残酷さを持った人物像へとシフトチェンジ。多部の周りを囲む共演者もサロメに首ったけの養父ヘロデ王に奥田、元夫の弟であるヘロデと再婚した母ヘロディアに麻実、ヘロデに幽閉された預言者ヨカナーンに成河と経験豊富な面々を配し、総勢30名で新たなる『サロメ』を作り上げる。訪れたこの日は、サロメがヘロデ王に7つのヴェールを使った踊りを見せるまでの、実に台本の4分の3を通す長丁場。白を基調とした舞台上で、演出の宮本が大勢の出演者に細かい指示を出していく。いざ稽古が始まると、やはり目を惹いたのは主演の多部だった。母ヘロディアを中傷する預言者ヨカナーンに興味を抱いたサロメが、山口馬木也扮する護衛隊の隊長・ナラボートに困った顔をして預言者と会うことを懇願する。しかし、それが叶わぬと知ると「あなたは、わたしのためなら、やってくれるでしょう、ナラボート?」と連呼しながら山口の前に現れ、一歩も引かぬ頑固さで説き伏せてしまう様が、可愛い顔をして手段を選ばない残酷な少女を体現していた。また、「キスさせて、その口唇に」とサロメに欲望のままにじり寄られる預言者役の成河、預言者の雑言に耐えられず、撹乱するヘロディア役の麻実は芝居の要所を締めていた。自分のために踊りを踊ってくれるのなら「お前の欲するものは、何でもやろう、たとえ、わしの領土半分でも」と訴えかけるヘロデ王役の奥田。その奥田へ口元だけ笑って見つめている多部に、うすら寒さすら感じた。このシーンの後、ヘロデ王に預言者ヨカナーンの生首を要求するサロメが、どんな結末を見せてくれるのか大いに期待したい。公演は5月31日(木)から6月17日(日)まで、新国立劇場 中劇場にて。チケットは現在発売中。
2012年05月18日多部未華子が主演する舞台『サロメ』の製作発表が3月12日、新国立劇場で行われ、多部のほか共演の奥田瑛二、麻実れい、成河、演出の宮本亜門、翻訳を手がけた作家の平野啓一郎らが登壇した。本作は、新国立劇場の演劇シリーズ「JAPAN MEETS… ―現代劇の系譜をひもとく―」の第5弾。『サロメ』は言わずと知れたオスカー・ワイルドの名作戯曲で、演劇のみならずオペラでも知られる傑作だ。今回は新たに平野がフランス語からの翻訳を手がけ、現代の日本にマッチした瑞々しい台詞劇として生まれ変わらせた。そこに宮本の演出が加わることによって、これまでの官能的なサロメ像を廃し、新たに無邪気さゆえの残酷さをたたえた人物としてサロメ像を作り変える。サロメ役は多部、そしてサロメが対立する養父ヘロデ王に奥田、元夫の弟ヘロデと再婚した母ヘロディアスには麻実、ヘロデに幽閉されていた預言者ヨナカーンに成河を配する。演出の宮本は、この2月にNY凱旋公演を終えた自身演出の舞台『金閣寺』と今回の『サロメ』の世界観に近いものがあったと話す。「思春期の主役が社会的な犯罪行為に至る。ひとりは首を切り、ひとりは金閣を燃やす。その後彼らは成長し、発見をし、何かを知っていくとともに、大きな時代の変革が起きる。『サロメ』ではキリストが生まれる前の時代を治めていたヘロデ王が時代の不安感をどう感じ、サロメがそれをどう変えていくのか。それらが読み取れる象徴的な作品だと思う」。また、多部の起用については読売演劇大賞 杉村春子賞を受賞した初舞台作品『農業少女』を観たのがきっかけだそうで、「妖艶というより芯がある。僕にとってはオスカー・ワイルドの描きたかったものと多部さんの持っているものがピタっとくる」と期待を寄せる。一方、多部は作品へのプレッシャーからかかなり緊張気味。「こういう場で自信のあることを述べたいものなのですが、なにぶん舞台経験があまりに浅いもので皆さんについていきたいなと思う次第であり、今はネガティブな言葉しか出てこないのですが、本番初日には堂々と皆さまの前に立って演じられたら」とか細い声で決意表明。それが逆に場の笑いを誘い、皆の空気を和ませていた。公演は5月31日(木)から6月17日(日)まで、新国立劇場 中劇場にて。チケットは3月17日(土)より前売開始。なお、チケットぴあでは3月14日(水)11:00まで先行抽選販売「プレリザーブ」を受付中。
2012年03月13日