■前回のあらすじ実家に身を寄せると実母の暴言が再び開始。その後ライフラインが復旧し家に戻るも、母の言葉がじわじわと心を蝕んでいくことに…。■まさかの夫からの提案!なんの前触れもなく「ちょっとコンビニ行ってくる!」みたいなノリで家を買うと言い出した夫。当時は思考回路がショート寸前になりました。■翌月にはマイホームを購入!ひよこが小学生に上がる頃までには…と思っていましたが、予想外の早さで購入することになりました。そんな大きな決断をしたきっかけがGとは…人生って何が起こるかわからない。しかし思いがけない引越しがその後の私を苦しめることになるのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年02月02日■前回のあらすじ無事娘を出産したけど、繰り返す会陰裂傷や多量出血…。激しめの産後を乗り越えなんとか退院し、床上げまで実家でお世話になることに…。■翌日に豹変した実母快く受け入れてくれたと思いきや、翌日には暴言を吐き始めた実母。実は、子どもの頃から母には暴言を吐かれていました。早速、夫のちゃぼに電話すると…。自分のことならともかく娘に対して暴言を吐かれるのは許せない…。心ない実母を見かねて自宅に帰ることに決めたのでした。■自宅での新生活がスタート!この時期はとにかく便秘と切れ痔のコンボと会陰裂傷した部分の激痛がしんどかったです。日中はどうしても動き回らなければならず、「会陰の傷、ふさがらないんじゃないのこれ!?」と不安でした。そのため夫ちゃぼが夜間の授乳を手伝ってくれたのには本当に感謝しかありませんでした。しかし、そんな平和な日々(?)はわずか1週間で幕を閉じます。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月28日はじめまして。うずらと申します。娘のひよこ、夫のちゃぼと3人暮らしの主婦です。この物語は、私が産後に経験した育児ノイローゼについて綴っています。■育児ノイローゼになる前の私娘は無事誕生したものの、母親の私は…■壮絶な出産を経て…出産の際に出血量がかなり多く、さらに会陰がとんでもない裂け方をしたせいで、縫った部分が数時間で解けてしまったのでした。しかし娘のひよこは若干黄疸の数値が高かったものの、元気に産まれてきてくれました。そして、退院後実家へ。なんとなく嫌な予感はしていましたが、それが現実のものとなってしまうのでした。次回に続く!本記事はあくまで筆者の体験談で、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月27日産後に急速に夫婦仲が悪化する現象を「産後クライシス」と言います。仲が良かった夫婦が、産後不仲になってしまうのはなぜなのか、ウーマンエキサイトに寄せられたアンケートから考えてみましょう。■「なんで寝ていられるの!?」変わらない夫に怒り多く寄せられたのが、子どもが生まれても、父親としての自覚を持たない夫のエピソードです。「離乳食を開始して間もなく、夫が自分の食べているチャーハンを子どもに食べさせようとしたので止めたら、『僕の子どもにご飯を食べさせて、何が悪い』と怒り、食べさせてしまった。すると、子どもの口や顔が腫れ、卵アレルギーを起こした」「東日本大震災の前日に出産し、ただでさえ産後のつらさと地震の怖さと子どもを守らないといけない使命感で押しつぶされそうだったのに、『子どもの夜泣きがうるさいから』と別室で寝られ、夫は今までと何も変わらないような生活を続け、私が体調を崩して仕事を休んでほしいとお願いしても休んでくれず、とうとう私は病気で入院した」「『育児は女のすること』と言い、子どもが泣いても、夫は隣で熟睡していました。夫に数分間みてもらったことはありますが、膝の上にのせて、ゲームをしていました」「夫は単身赴任で、娘が生まれてしばらく完全ワンオペでした。毎日娘の世話と寝不足との闘いで、精神状態はギリギリ。最初は毎日テレビ電話をしていた夫ですが、次第に回数が減り、たまにこちらからかけると、飲み会中だったり、趣味のサッカーをしていたり、自分はやりたい放題。離婚を考えました」「出産後、出生届の提出を夫に頼んだら、市役所が混んでいることに腹を立てたり、ひどいことをメールしてきてすごくショックだった。出産したばかりで不安定だったので、幸せな気持ちになれなかった。夫も大変だったんだと自分に言い聞かせているが、今もモヤモヤしていて、夫婦の亀裂になっていると思っている」出産を終えた女性の体は、疲れ切っていて、サポートが必要な場合もあります。そんな中で新生児のお世話をするのは、並大抵のことではありませんよね。もし初産であれば、初めてのことばかりで戸惑ってしまうでしょうし、2人目以降だとしたら、上の子のお世話もあって、目が回るような日々が過ぎていきます。そうした日々の中で、一番支えてほしい相手である夫の態度や行動に傷ついているママが多くいるようです。■「夫がバイキンに見える…」変わってしまった妻たち一方で、産後、妻が変わってしまったという夫からのコメントや、妻自身が自分の変化について認識したというコメントも寄せられていました。「ずっと旦那に対してイライラしていました。外から帰ってくる旦那がなぜかバイキンに見え…。いろんなことに余裕がなくなって爆発していました」「産後、主人のイビキと歯ぎしりが我慢できなくなり、イライラして同じ部屋で寝られなくなった。帰る前の電話も、子どもが起きてしまいそうでイライラするし、勝手に帰ってこられると玄関を開ける音にイライラ。主人の音が全部嫌」「第1子の産後、赤ちゃんが神聖な存在すぎて、洗濯はもちろん別なのですが、干すのでさえ、大人のものとは距離をあけて干していました。今思うとピリピリしすぎてたなと思いますが、そういうのが態度に出て、不穏な空気でした」「産後寝不足、初めての育児の緊張感、でも家事はちゃんとやらないとと気を張りすぎて、たぶんノイローゼでした。旦那がスマホを触ってるのも、テレビをみて笑うのも、都合のいい時だけ子どもをかわいいとあやすのも、イビキをかいて寝てるのも全てにイライラして私が毎日けんか腰。この人はいない方がいいと思いました」「妻が出産後、産後うつというかガルガル期に入り、それが一年弱続いた。モラハラと感じられるような罵声を浴びせられ続け、夫である自分が突発性難聴、自律神経失調症にまでなり、限界を感じ別居に至りました」妻たちが産後、心の余裕をなくしている実情が伝わってきます。子どもを守りたいと言う気持ちが強くあるがために、夫に対して攻撃的になっている様子もうかがえます。自分自身が変わったと認識している人もいましたが、夫たちからの悲痛なコメントをみていると、いかなる理由があっても、夫の人格自体を否定するような言葉を発してはいけないと、改めて感じます。■なぜ夫婦間でズレが生じる?ここまで、夫と妻のそれぞれの産後の様子について、みてきました。多くの場合には、どちらか一方だけに原因があるわけではなく、お互いの認識のズレが原因となっていることが多いように感じます。「子どもができて関係性が悪化した。妊娠による体と心の変化にお互い勉強不足だった。私はねぎらってもらえないことに不満を募らせ、夫は私の変化についていけず、私以上にイライラし私に当たった。 出産後も赤ちゃんのお世話は夫の仕事ではないと言われ、孤立した」「旦那も子どものことを考えて行動してくれるのですが、今してほしいことと、後でしてほしいことの優先順位にズレがあって私がイラッとしてしまったり機嫌が悪くなることがありました」妻は母性が強まって夫より子どもを優先させる、対する夫は父親になった自覚がなかなか芽生えにくい場合もあり、それに伴い育児への参加も少ない、そこにギャップが生まれてしまい、放っておくとその溝はどんどん深くなっていくように感じます。産後クライシスを迎えた夫婦は、それからどのように歩んでいくのでしょうか?後編に続く 【同じテーマの連載はこちら】 夫婦の危機 この連載の全話を見る >> 旦那も、地獄の新生児編 この連載の全話を見る >>
2021年01月05日産後2カ月のころ、友人の結婚式に出席しました。打診があったのは妊娠中で、産後の様子は正直あまりイメージできませんでしたが、大切な友人だったので赤ちゃんを実母に預けて出席することに。しかし、いざ式が近付くと、出席の返事をしたときには想像しなかった問題がいくつか出てきました。 ※コロナ禍前の体験談です パーティードレスが入らない!産後思ったように体型が戻らず、着ようと思っていたパーティードレスが入りません。どうにもこうにも背中のファスナーを上げることができず、困ってしまいました。 赤ちゃんは連れて行かない予定だけど、授乳口の付いた産後ママ向けのドレスを買うべきか……と考えていたところ、妹が持っていた、ゆったりしたデザインのドレスを貸してもらえることに! ホッとしました。 溢れる母乳はどうしよう!産後すぐには出なかった母乳も、式のころには授乳間隔があくと溢れ出るようになっていました。 赤ちゃんと離れて過ごす間、母乳パッドはどのくらい必要? 借りものの服を濡らしてしまったら申し訳ないし、なにより恥ずかしい……と心配でした。結局、家を出てから帰宅までの間に母乳パッドを4〜5回交換し、そのほかに搾乳もしました。 久しぶりのヒールで足が痛い!妊娠中から1年以上ヒールのある靴を履いていなかったので、独身のころのような高いヒールで歩く自信がなく、低めのヒールの靴を選びました。それでもやはり歩きにくく、帰宅するころには靴擦れができ、ふくらはぎも筋肉痛になってしまいました。 せめて、行き帰りの移動の間は履き慣れたぺたんこ靴に履き替えればよかったなと、あとから思いました。 いろいろと思いがけない苦労もありましたが、大切な友人の花嫁姿を見られてうれしかったです。披露宴の最後の花嫁からの手紙は、生まれたばかりの娘がこんなふうに手紙を読む日もいつかくるのかなと想像して感動しました。 監修/助産師REIKO著者:奥田美紀二児の母。IT企業にてSE・プログラマーとしてシステム開発やWEBサイト運用等をおこなう。夫の転勤や子育てのために退職し、現在は妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年11月23日今回は、出産前にドラム型洗濯乾燥機を導入した体験談をお話しします。高い買い物ではありますが、その価値はありました! 家事に余裕ができると、気持ちに余裕ができて笑顔が増えました。 一番高価な出産準備品 わが家の出産前の一番高い買い物は、ベビー用品ではなく、ドラム型の洗濯乾燥機でした。出産前に15万円以上もする大きな出費は避けたいと渋っていたのですが、夫がぜひにと購入。結果的に大成功でした。 出産後の家事・育児は本当に大変で、洗濯機に入れるだけで大量のベビー服やタオルがふかふかに乾いて出てくる状態がどれだけ助かったことか! 冬の寒い日に外で干さなくて済み、購入する価値は十分ありました。いまだに夫に感謝しています。 実際に導入した洗濯乾燥機購入したのはパナソニックの「スピンDansing NA-VX3101L」です。電気代が比較的安いヒートポンプ型で、型落ちのセール品を購入しました。しかし性能は十分で、夜にセットしておけば、朝、乾燥した洗濯物が出てくるという夢のような状態! セットする毎に乾燥フィルターのほこりを取る手間はあるものの、ほんの30秒ほど。また、心配していた電気代はプラス5,000円になりましたが、電力会社を変更したため、購入前と変わらない水準です。 ラクできるところはどんどんラクをする子どもにとってママはひとりしかいません。そして、子どもが小さい時期は本当にあっという間です。家電は高い買い物ですが、子どもとの時間が増え、生活のなかで笑う余裕ができるなら、買う価値があると私は思いました。たとえるなら、家事のアシスタントがいつも家にいてくれるような感覚です。 ロボット掃除機や食器洗い乾燥機など、さまざまな家事に対応した家電、お手ごろ価格で購入できるものも増えてきました。苦手な家事のアシスタントとして、長い目で見ればお得かもしれません! イラスト/塩り監修/助産師REIKO著者:中浦明子一児(女の子)の母。結婚を機に書店員を退職。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。趣味は子どもと散歩、子どもと行けるカフェの開拓。
2020年11月17日子育てに対し、未経験者の中には『キラキラしていて楽しいもの』というイメージを持っている人は少なくないかもしれません。しかし、現実の子育ては心身ともに大変なことばかり。ストレスが蓄積した結果、産後うつや育児ノイローゼになってしまう親が数多く存在します。親も1人の人間であり、誰もが最初は子育て初心者です。いくら愛しい我が子とはいえ、夜泣きやイヤイヤ期、ワンオペ育児などが原因で疲れてしまうでしょう。産後うつや育児ノイローゼになってしまうと、従来のうつ病のように何もやる気が起きなくなってしまったり、常にイライラしてしまったり、突然泣き出してしまったりと情緒不安定な状態になってしまいます。『育児ノイローゼ気味だった時に描いた漫画』が話題に漫画家であり、2児の母親である、すがたひかる(@hen8996)さんも育児ノイローゼを経験した1人。3歳の長男が生まれたばかりの頃、初めての子育てに追われ、すがたさんは忙しい日々を送っていました。その頃を思い出すように、すがたさんは当時描いた漫画を2020年10月16日にTwitterへ投稿。すがたさん自身も「カオス」と評する内容に反響が上がっています。続き pic.twitter.com/9q3F5PJjWl — すがたひかる (@hen8996) October 16, 2020 生後11か月だった頃の長男は、元気すぎるほどだったそうです。常に叫び声や泣き声が家の中に響き渡り、すがたさんは我が子の甲高い声を聞き続けなければなりませんでした。そんな中、すがたさんに声をかけてきたのは…両耳の鼓膜!「お願いします、耳栓をしてください…このままではつらいのです…」と助けを求めてきたのです。鼓膜たちのSOSは、すがたさんの心の声だったのかもしれません。ユーモアたっぷりに描かれていますが、育児ノイローゼの恐ろしさが伝わる作品です…。漫画は拡散され、多くの子育て経験者から共感する声が寄せられています。・私も耳栓を着けたら落ち着きました!心に余裕もできた気がします。・ミギノミミコマクヌシのセンスがありすぎて笑えない話なのに笑った。・自分も子育て中はよく脳内の自分と会話してたな…。まさに今、我が子の声でストレスを溜めている人は、左耳の鼓膜さんのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。あなたの左耳の鼓膜さんとミギノミミコマクヌシも、助けを求めているかもしれません…。[文・構成/grape編集部]
2020年10月18日「子どもは好きだから」「1児を育てた経験があるから大丈夫」と思っていても、もしかしたら産後うつの一歩手前、さらには、すでに産後うつになっている可能性があります。他人事ではなく、少しでも辛いと思ったら周囲の人や専門家に頼ってほしいのが「産後うつ」です。 そもそも「産後うつ」とは?産後うつとは、出産後6〜8週の間に発症する「うつ病」のことをいいます。ここで間違えてはいけないのが、「出産後6〜8週の間に“発症する”うつ病」ということです。6〜8週の間に産後うつと“診断される”のが産後うつではありません。 疲れを感じていたとしても、育児をしているため仕方のないことだろうと頑張っているうちに病状が進み、重いうつ病になってしまうことは多々あります。もう産後から1年近く経っているから自分は産後うつではないだろうと思っていても、すでに発症しており、うつ病が進行している可能性もあるのです。 実際、2015〜16年に行われた国立成育医療研究センター調査では、産後1年未満に死亡した女性の死因で最も多いのが自殺という結果が出ており、要因が「産後うつ」であると考えられています。 誰でもなる可能性がある病気「うつ病」というのはよく聞く病気でありながらも、自分とは遠い存在であると思っている方も多いと思います。しかし誰でもなりうるのがこの病気です。今までの人生できっちりやってきたママが、赤ちゃんが思うように育児用ミルクを飲んでくれなかったり、夜泣きがひどかったりで困惑し、産後うつになってしまうこともよくあります。また、明るくくよくよしない性格だと自分も周囲も思っていた人がなってしまうこともあります。 「産後うつ」の恐ろしさとはうつ病の怖いところは、うつの状態かどうか本人はわからないことが多く、ただ頑張って疲れているだけと思っていたり、自分は思い込みやすい性格だと勘違いし、病気と認識せずに病いが進行してしまうところです。また、頑張り屋さんで、もともと前向きな性格な人ほど、周囲に自分の辛さを見せまいとし、また周囲もその人の変化に気づけず、うつを進行させてしまう場合もあります。 幸い「うつ病」であると気づくことができたとしても、非常に辛いのは、薬でラクになることはあっても完治しにくいこと、いつ治るか周りにも本人にもはっきりわからず、ただただ終わりの見えない辛い日々が続くことです。自分自身の存在価値をどうしても受け入れることができず命を絶ってしまうこともあります。 産後うつは、ホルモンのバランスや、こどもができたことによる大きな環境の変化によって起こります。繰り返しになりますが、誰にでもなりうる病気です。気分が沈む日が多い、疲労感・無気力感に囚われる、育児や家事に集中できない、望んだ赤ちゃんなのに愛おしく思えない、体が重く感じるなどがあれば、なるべく早く周囲や専門家に相談することをおすすめします。 【まずは相談してみてください】 ●よりそいホットライン(電話相談)0120-279-338(フリーダイヤル・無料)岩手県・宮城県・福島県からは0120-279-226(フリーダイヤル・無料) ●生きづらびっと(SNS 相談)LINEの友だち追加ID検索@yorisoi-chat(生きづらびっと)月曜日・火曜日・木曜日・金曜日・日曜日 17時から22時30分(22時まで受付)水曜日 11時から16時30分(16時まで受付) ●厚生労働省 相談先一覧 ●いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧) <参考>国立成育医療センター「人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状」著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年10月16日10代のころの経血モレの悩みが解決したと思ったら、産後、また経血モレをするように。友人に聞いても、産後の生理トラブルは多いようで、経血モレを経験した人は結構多かったです。子どものお世話などに追われ、「変えるタイミングがない」「漏れやすい」という悩みも聞きました。そんな私が、あるアイテムで産後の経血モレの心配なく過ごせるようになった体験談です。 経血モレで悩んだ10代初潮が来たときから、ずっと経血の量が多かった私。そのため、最初のころは夜用のナプキン2枚を直列に並べてショーツに使っていました。 それでも寝相が悪いとズレて漏れることもあり、10代のころはシーツの上にバスタオルを敷いて寝るほど。 それでもだんだんとコツをつかみ、経血モレの悩みはほぼゼロに!「やればできるじゃん!」と自信をもって日々を過ごしていました。 産後はまた経血モレで悩みが…そんな私も、26歳で第一子を出産。妊娠中から産後すぐは、憂鬱だった生理がないことがハッピーでした。 しかし、産後4ヵ月程で生理が再開。すると、再開後は、また経血モレをするようになってしまったのです……。 産後はこまめにナプキンの交換をしたいと思っても、日中はかまってちゃんな息子が容赦なく泣くし、夜はお世話に疲れ果ててしまい、朝までぐっすりで、夜中にナプキンを替える余裕もない……。そんな日々を送っていました。 そして見つけた、わたしなりの神アイテム!そこで活躍したのが、出産のときに使用した「産褥ショーツ」。私が使用しているものは、おしりの部分まで悪露を漏れにくくするような生地があり、万が一ナプキンから経血が漏れてしまっても、ズボンまで経血が漏れることはなかったのです! 産褥ショーツのおかげで、私は朝まで安心して眠れるようになり、経血モレで憂鬱になってしまう朝とも、サヨナラできました! 監修/助産師REIKO-----文/佐々木凛子さん
2020年10月08日今まで生理痛をほとんど経験したことがなかった私が、出産後動けなくなるほどの痛みを感じ、悩まされるようになりました。そして、あまりの痛みに心配になり、医師に相談することに……。そのときに言われたことやどういった痛みなのかをお伝えしたいと思います。 産後初めての生理出産後に産婦人科で受けた説明では、産後の生理はだいたい半年〜1年後に来る人が多いというものでした。「母乳をあげていると生理が再開するのが遅い場合が多い」という話も聞いていたので、完全母乳で育てている私は生理とはしばらくさよならなんだと思っていました。しかし、私の生理が再開したのはなんと産後1カ月……! 1カ月健診の際、悪露なのか生理なのか医師に聞いてみると、しっかり生理だと言われてしまいました……。 これが生理痛…!?私は出産前まで生理痛で苦しんだことはあまりなく、ネットで「産後は生理痛が軽くなった!」といったような記事をたくさん読んでいたので「もともと軽いしもっとラクちんになっちゃうのかぁ!」と楽観的に考えていました。実際に産後初めてきた生理では、これといった生理痛は感じなかったです。 しかし、その翌月にきた生理から様子が一変! まず、生理が来る前から頭痛や腹痛に悩まされ、生理中は一歩動くのもおっくうになるほどのだるさと腹痛が……。 初めて感じた生理痛でしたが、その痛みは陣痛の初期の痛みにとても似ていて、これから毎月この痛みを感じると思うと気持ちもブルーになりました。 たまたま感じたわけではなかった…産後2回目の生理でほぼ初めての生理痛を経験し、気持ちもかなり下がっていましたが、「産後すぐだったし、今回がたまたま重かっただけだよね」と、生理が終わってから考えるようになりました。 しかし、次の月に来た生理も「あと3日以内には生理が来る……」とわかるほどの腹痛が襲って来たのです。次の生理も、その次の生理も、症状に軽重はあれど耐え難いほどの生理痛を感じました。生理痛がつらすぎて、家事が手に負えないこともあったので、出産した産婦人科で診てもらうことに。すると、「産前と産後で体はまったく別のものになったと考えなさい。軽くなる人もいるってことは、その逆もあるってことだよ」と言われてしまいました。 診察の結果、病気ではないとわかりましたが、産前とは体質が変わったのだと医師に言われ、そりゃそうだよなぁ……と、自分の考えの甘さに気がつきました。 産前飲んでいた薬が飲めない…!私は子どもに母乳を与えていたので、今まで使っていた生理痛や頭痛の薬が飲めなくなってしまいました。授乳中でも使える薬もありますが、私には合わずあまり効かないので「もう気休めでもいいからちょっとはラクになってほしい!」というときしか使いません。ですが、薬も飲まずに耐えることはなかなか厳しいので、おなかを温めたり、いつもより睡眠を多くしたりなるべく体を休めるようにしています。 今まで生理痛を全然感じなかったので、こんなにもつらいことだとは知りませんでした。出産による体質の変化はさまざまなことに悩まされますが、生理もそのうちの1つだということを身をもって痛感しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 監修/助産師REIKO著者:橋本 楓0歳女児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年09月29日9月16日、Twitterにこんなツイートが投稿された。《もし奥様が「産後うつ」を言い訳にして家事や育児を怠ったら怒鳴りつけて躾けましょう。私は産後3ヶ月で衆議院議員選挙を全力で駆け抜けました。「産後うつ」は「甘え」です》これは、希望の党から17年10月の衆院選に出馬した橋本琴絵氏によるものだ。「産後うつは甘え」だとする彼女は続けて《「産後うつ」なる病気は地球上に存在しません。誰かが勝手にあると思い込んでいるだけ》《これからなる世界は、甘ったれた精神ではならんのです》といい、さらにこうつづっている。《「産後うつ」などと甘えたこといっているから男女平等は実現せず、性差別が横行することにまだ気付けないのでしょうか》橋本氏のツイートの影響で、Twitterでは「産後うつ」がトレンド入りを果たした。しかし彼女の考えに、こんな指摘が相次いでいる。《お産や体調は100人いれば100通りあるかと思います 自分の経験を基準に人を責め立てるのはとても適切ではないかと思います》《産後に大事にされることこそ、女性が尊重されている世の中と思います》《産後うつは決して「甘え」なんかではない》厚生労働省は、16年までの2年間で産後1年以内に自殺した妊産婦は全国で少なくとも102人いたと発表している。その多くは「産後うつ」のようにメンタルヘルスの悪化によって、自ら命を落とすケースだという。「日本の著名人では釈由美子さん(42)が産後うつを経験しています。釈さんは16年6月に第1子を出産しましたが、次第に育児への責任感で涙が止まらないように。睡眠時間や食欲が次第に減退していったと明かしています。また元日本テレビアナウンサーの山本真純さんは出産から2ヵ月で様子が変わり、『自信がない』と漏らすように。そして産後うつと医師から診断され、10年に34歳という若さで命を絶ったことが報じられました」(全国紙記者)アメリカでは産婦のうち9人に1人が産後うつを発症していると推測されており、女優のドリュー・バリモア(45)を筆頭に著名人たちもその苦しみを公表。同国では19年に産後うつのための薬「Zulresso」が世界で初めて販売されることになり、話題を呼んだ。「世界的に活躍するイギリス出身の歌手・アデル(32)も『産後うつだった』とインタビューで語っています。またカナダでは地域の看護師がお産を終えたママの家を訪問し、メンタルヘルスを定期的にチェックしてくれる州もあるそうです。ドイツでも『ヘバメ』と呼ばれる産後のケアをする助産師が同じ役割を果たしており、かかる費用は保険でカバーされるといいます。彼女たちに悩みを口にすることで、ママたちの気持ちはラクになるそうです」(前出・全国紙記者)国内外問わず産後うつに苦しむ女性はおり、なかには命を落とすママも。それでも“産後うつは甘え”といえるのだろうか。
2020年09月18日産後の女性に大人気・今村匡子院長の「産後ケア」7月21日、出産後に自宅で簡単にできる「産後ケア」により、産後太りを解消しようという新刊『産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる!』が発売された。著者は産後の女性に大人気となっているあさひ整骨院日本橋浜町院院長の今村匡子氏で、表紙も著者親子。A5判ソフトカバーで80ページ、価格は1430円(税込)であり、出版社は青春出版社である。育児の合間にできる「産後リセット体操」鍼灸師で柔道整復師の今村匡子氏の元を訪れる人のほとんどは30代、40代の女性で、「産後ケア」を目的としている。「産後ケア」は2児の母である今村氏が自身の体験を元に始めたもので、妊娠、出産により変化した体型を元に戻すためのケアである。その効果が口コミで広がり、ひと月のべ500人が来院するほどの大人気。しかし、スタッフとベッド数の都合で新規は12人しか受け入れられず、より多くの人に、産後太り解消の手助けができないかという思いで、この新刊は執筆された。産後に体型を戻そうと思えば、筋トレやジョギングなどの苦しいトレーニングを思い浮かべるが、新刊では育児の合間でも1日数分でできるメソッドを掲載。肩と腰の二大関節の稼働域を改善することで、筋力アップ、消費カロリーアップ。自宅でできるため、新型コロナの感染防止の観点からもおすすめである。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※産後リセット体操で妊娠前よりきれいにやせる! - 青春出版社
2020年07月28日「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになる親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?小児科医で2人のお子さんのお母さんでもある森戸やすみ先生は、そういった子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるお母さん・お父さんに向けて、SNSやさまざまな医療メディア、そして著書 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社)などで子育てが楽になるヒントやアドバイスを発信してきました。そんな森戸先生に、お母さん・お父さんが日頃感じている子育ての悩みやつらさはどうして起こるのか、それを軽減するにはどうしたらいいかなどお話をうかがいました。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二児の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■自分の子育てを自分で責める、あなたの中の「インナー姑」――子育ての悩みにはいろいろありますが、お母さん自身が自分を責めてしまっている、先回りして自分を制してストレスがたまっているケースはないでしょうか。森戸やすみ先生(以下、森戸先生):そうですね。私はそれをインナー姑と呼んでいます。現実に姑から注意されたわけでもないのに、自分の子育てを責める自分がいるんですよね。例えば、お母さんは出産後に美容室へ行くのも申し訳ない、誰に子どもを頼もうかと悩むでしょう。でも、想像してみて欲しいのが、夫も同じ理由で悩むでしょうか? 「子どもが生まれたばかりなのに申し訳ない」と思いながら理容室へ行くでしょうか?お母さんは育児に一生懸命で責任を感じているから、自分ばっかり背負ってしまうところがあります。でも、子どもの親はお母さんだけではありません。1人ですべてを背負いこむことはないのです。――そうですよね。どうしてお母さんの中にはインナー姑が存在してしまうのでしょうか?森戸先生:「子どもの頃から子育てはお母さんがするもの」と刷り込まれているため、そういった社会的イメージにとらわれてしまうのかもしれません。この前、取材で会った方の『子どもができたら以前のように夫にいろいろやってあげられないのが申し訳ない』の言葉に私、ポカンとしちゃって(笑)。家族が1人増えたんだから、今まで通りにはいきません。親になるのはお母さんだけではなくお父さんもなんですから、夫にも自分のことは自分でしてもらうのは当然で、今までのように受け身で待つのはおかしいですよね。――先生のおっしゃる「社会的イメージ」というのは、小さい時から蓄積されてきた良妻賢母のイメージだと思います。それはお父さんとお母さん両方が持っていると思いますが、どうやって切り替えていけばいいのでしょうか。森戸先生:女性は、将来こういう風に子育てをしたい、こういう家庭にしたいと具体的に考えている方が多いように感じますが、男性でそこまで考えている方は少ない印象です。そのため、お父さんは子育てをしながら自分の育児観をつくっていくのでしょうが、その過程で前の世代の刷り込みが出てきてしまうのでしょう。私の場合、小児科医として時短で働いていましたが、夫の衣類をクリーニングに出そうとしたとき、『これって私がしなければいけないこと?』とふと気づいた瞬間がありました。私は子どものために時短勤務をしているわけで、夫のためではない。どうして私だけが仕事をセーブしなければいけないの? これはおかしいと気づいたのです。――でも、お母さんは気づいてもお父さんのほとんどは「それはおかしい」とは気づいてくれませんよね(笑)。森戸先生:それは、誰からも言われないからでしょう。ずっと妻が不機嫌で口をきいてくれないのはどうしてだろう? とは感じることはあっても、それがワンオペ育児で疲れているから、不満があるからとは想像できないのです。だから、『家族が1人増えたのだから物理的に私1人でこなすのは無理です』と伝えた方がいいです。そういう夫へのアドバイスや指導を子どもが生まれる前にできるといいのですが、医療機関にそのインセンティブ(意欲を引き出すための外部からの働きがけ)は残念ながらありません。医療行為ではないから診療報酬につながらないため、ほとんどの両親学級や父親学級でそういった指導は行われていませんね。――「まだ大丈夫」と無理をして体調を崩してしまうお母さんもいますよね。そうなる前に、自分で限界ラインが判断できるポイントはありますか?森戸先生:例えば、食べられない・眠れない場合はかなりつらいい状態だと思います。でも、妻がそんな状態になっていたら、夫に先に気づいてほしいですね。夫がそれに気づかないのは、コミュニケーション不足。育児に大変そうな妻に『大丈夫?』の一言も声もかけられないのだとしたら、それは家族とは言えませんよね。■仕事で子どもに「ちょっと待って」と言う罪悪感――今回のコロナ禍で、保育園から「なるべく登園させないようにご協力ください」と要請されたという話も聞きました。森戸先生:そう言われてしまうと、真面目な保護者ほど『先生たちが大変だから行かせないようにしよう』と頑張ってしまいますよね。そういったときのためにも、預け先の選択肢はなるべく多く持っておくといいです。『預けようと思えばいつでも預けられるけど、まだ大丈夫だからうちで見る』という状態で子どもを見るのと、『私しか子どもを見る人がいないから見るしかないんだ』というのとでは心の余裕が大きく違いますから。――家で子どもを見ながらテレワークをしていたお母さんは「仕事だからちょっと待ってて」と子どもに言わなければいけなかった状況も多かったと思います。そうやってプライベートと仕事が混同する生活は、子どもに負担をかけることになるのでしょうか?森戸先生:それは、『ちょっと待ってて』と言う理由が仕事だから、お母さんが罪悪感を持ってしまっているだけではないでしょうか。どんな場合でも、緊急度の高い順からお母さんは対応せざるを得ないので、それは仕事に限りませんよね。例えば、下の子のお世話をする場合でも上の子に『ちょっと待ってて』と言っていると思います。上の子がいろいろお母さんに話しかけていても、下の子がお椀をひっくり返した、うんちがおむつからはみ出したなどの一大事だったら『ちょっと待ってて』と、そちらにかかりきりになりますよね。それは仕方のないことで、仕事だから特別子どもが傷つくということはないと思います。――確かにそうですよね。それでも罪悪感を持ってしまうお母さんは、自分の気持ちをどうコントロールしていけばいいでしょうか。森戸先生:先ほども言いましたが、『夫も同じように罪悪感を持つだろうか? どうして私はそう感じるんだろう?』と冷静に想像して、子どもや子育てに対して距離を置いてみて欲しいのです。テレワーク中の夫は、ウェブ会議だからと子どもを部屋から締め出しても、おそらく罪悪感は抱かないと思うのです。男性はそれができるのに、どうして私は罪悪感を抱えるのだろうと客観的にとらえるとイライラしなくなるのではないでしょうか。生きていくためにはお母さんも仕事をしなければいけないし、子どもにも協力してもらわなければ共倒れになってしまいます。子どもと仕事、どちらも大切で責任感を持っているからこそ罪悪感が生まれるのであって、一時的にどちらかを優先してしまうことは仕方のないことです。子どもが理解できる年齢かにもよりますが、お母さんもお父さんと同じくらい一生懸命仕事をしていること、だから協力して欲しいことを子どもに伝えるのはいいですね。子どもに説明することで、お母さんが自分で自分を納得させるという効果も期待できます。――コロナ禍のテレワークで、子育てをお母さん1人ですることがどれほど大変か理解できたというお父さんの声も耳にします。お父さんは次にどういった行動に移ればいいと思いますか?森戸先生:今回のことをきっかけに、また保育園が預かってくれなくなった場合はどうするか、もし親のどちらかが病気をしたらどうするか、もし勤務先が倒産したらどうするかなど、もしものときへの備えについてこの機会に話し合ってはいかがでしょうか。■「夜が来るのが怖い…」寝かし方が間違っていたかも!?――なかなか子どもが寝てくれない、夜泣きがひどいなどで「夜が来るのが怖い」というお母さんが多いようです。森戸先生:アジア全域では、子どもに添い寝して家族みんなで寝るのが一般的ですね。日本もしかりで、赤ちゃんが寝るまで親は寝かしつけをし、夜泣きをしたら抱っこしてあやすなどをお母さんはしているでしょう。しかし、寝つくまでに何時間もかかる、夜泣きで度々起きなければいけないなどで、お母さんの多くは「夜が怖い」と感じてしまいます。そういった生活が続き寝不足になるお母さんが陥りやすいのが「産後うつ」や「育児ノイローゼ」です。実は、このお母さんの行動こそが赤ちゃんが寝つきにくく、夜も頻繁に起きる原因ではないかといわれています。子どもとしたら、起きている限りお母さんはずっとそばにいてくれるし、泣けばずっと相手をしてくれるわけですから。なかなか寝なくなるのは当然かもしれません。日本流の寝かしつけや夜泣き対応をしていると、子どもは1人で寝る学習がなかなかできないわけです。――夜泣きについて、先生は著書で「消去法」を推奨されていますね。森戸先生:消去法というのは、欧米で取り入れられている子どもの睡眠方法。生まれて数日したら親子は別々の部屋で夜を過ごし、子どもは1人で寝る練習をするというものです。この消去法では、赤ちゃんが泣いてもなるべく手を出さないようにして様子を見ることが大事。まるっきり一人にする必要はなく、赤ちゃんの様子を観察しつつ、なるべく抱っこしないようにします。そうすることで、一人では眠れない、泣いたらママが来てくれるといった入眠の誤学習を防ぐ方法です。眠りのトレーニングを生まれてすぐすることで、こうやって眠ればいいんだと子どもは生後3〜4カ月までには習得するようです。――泣いても相手をしてあげないと、愛情を感じずサイレント・ベビー(無表情で言葉も遅い赤ちゃん)になってしまうのではないかと心配するお母さんもいるようです。森戸先生:このサイレント・ベビー説は日本で長年信じられてきた育児神話の一つですが、医学的根拠が大変薄いのです。一小児科医が提唱した考えなので科学的根拠もありませんし、その説が正しいとしたら、消去法を取り入れている欧米の子どもはみんなサイレント・ベビーになってしまいます(笑)。赤ちゃんが夜、長時間ぐっすり寝られるように、海外には、夜用の腹持ちのいいミルクもありますよ。日本では、母親が子どものために尽くすことが美徳のようにいわれますが、お母さんも人間なので睡眠はとても大事です。生活リズムを子どもに合わせていたら寝られないし働けないというのなら、そこは大人に合わせてもらうのでいいと思います。子どもの安全を確認しつつ、一人で寝かせてもいいのではないかと考えます。例えば、夜8時に寝かしつけを始めたけれど、結局10時まで寝ないというお母さんが相談に来られるんですけど、その2時間があったらお母さんはいろいろなことができますよね。夜8時に寝かせようと頑張る母親と絶対に寝ないと頑張る子どもの戦いが毎日(笑)。それなら、9時半に寝かしつけるようにしてもいいと思うのです。育児が思い通りにならないと、イライラしてキーっとお母さんもなってしまいますよね。それでは、お母さんも子どももお互いがつらくなってしまいます。それより、多少理想とは違う子育てになっても、お母さんと子どもの両方が楽でうれしい方を選んでいいと思います。例えば『完璧なおやつを手作りしたいからキッチンへ来ないで』と子どもを追い出すよりも、2人でスナック菓子でも食べていた方がお母さんも子どもも幸せではないでしょうか。インナー姑に従って自己満足のためにやる育児ではなく、子どもと親の両方が笑顔で過ごせる方法は? という観点で優先順位を考えた方がいいですね。■「叱った後はやさしく抱きしめる」は本当に正しいの?――子どもへのしつけですが、よく育児書に「子どもを叱った後はやさしく抱きしめてあげましょう」と書いてありますが、その通りなのでしょうか? それは、DV夫が暴力・暴言の後に「ごめんね」と妻にやさしくなるのと一緒ではないかとモヤモヤするお母さんもいるようです。森戸先生:そうですね、叱られてすぐに抱きしめられたら、子どもは混乱しそうですよね。さっきまで叱っていたお母さんが急に抱っこするので「どうして?」と子どもは思います。それに、最終的にやさしく抱っこされるのなら、子どもは何をしたら叱られるかという基準がわからなくなるかもしれません。それに、大きな声やきつい言葉で叱るなどはエスカレートしやすいですし、人前で恥をかかせる行為にもなるので、子どもには逆効果となります。好ましくない言動をしたらお母さんがかまってくれると子どもが誤解しないように、叱るのではなく目を合わせない、話しかけても答えないなど、「無視」が効果的だといわれています。また、タイムアウト法といって、子どもを別部屋に連れていくなど1人にして考える時間を与えるというのも保育園などで取り入れられています。ただし、ほかの人や物、自分自身にも害が及ぶような危険な言動を子どもがした場合には、直ちに止める必要があります。――叱らず相手にしないのが効果的とのことですが、おでかけ先で子どもが泣いたり暴れたりしたとき、親が叱らないと「何だあの親は」と周囲は思いますよね。森戸先生:日本では、周囲へのパフォーマンスとして親の強く怒ってる姿を見せなければいけないというのがあるかもしれませんね。周囲に迷惑をかけるようなら、乳幼児の場合は外に出る、あやすなどの対応をし、言い聞かせることができる年齢の子なら、繰り返し穏やかな声で「静かにしなさい」と短くわかりやすく指令を伝えるブロークンレコードという手法をおすすめします。ただし、周囲へのパフォーマンスとして大声で強く叱ったりする必要はありません。でも、そういった子連れに対して文句を言う人たちは、手を貸してくれるわけではないですし、何か起こったときに責任を取ってくれるわけでもありません。だから、お母さんはあまり気にしなくていいと思います。実は、そういった文句だけの人は少数派だと思います。多くの人が『子どもが泣いてお母さん大変そうだな』『元気な子どもでかわいいな』って思ってる人の方が多いけれど、『うるさいな』というマイノリティーの言葉の方が目立つだけではないでしょうか。だから、そういうお母さんに対する周りの圧力みたいなものは気にしなくていいと思います。――家ではいろいろできそうですが、外では見逃してしまいそうです。森戸先生:それをしてしまうと、子どもは『外なら泣いたり暴れたりしても大丈夫』と覚えてしまうので、お母さんは外でも一貫性を示す必要があるでしょう。場所がどこであっても『やってはいけないことはやってはいけません。お母さんはもう知りません』という態度を示せるといいですね。なかなか難しいとは思いますが…。■イヤイヤ期の子育てがつらい、限界だというお母さんへ――2、3歳のイヤイヤ期の子を持つお母さんで、子育てが楽しく思えない、子どもをかわいく思えないというのは少なくありません。でも、そう感じてしまう自分をまた責めるという悪循環が生まれています。森戸先生:そう思うのは当然ではないでしょうか。例えば、自分もお父さんやお母さんから、いつも100%好かれていたと思いますか? 逆に、自分も親のことはすごく大好きだけど、すごく嫌いなときもありますよね。親から怒られたことがない、親が嫌で家出したいと思ったことがない人の方が少ないのではないでしょうか。子どもだから、家族だから100%好きでなければいけないことはありません。好きだけど嫌いという感情があるのは自然だと思います。――確かにそうですね。でも、頭では納得していてもイヤイヤ期の子どもにはイライラしてしまいます。それをやり過ごすコツや、自分をコントロールする方法はありますか?森戸先生:子どもに尽くそうと思わないこと。人間ですから睡眠も必要ですし、1日に1つは子どものこと以外の楽しみがあるといいですね。イヤイヤ期の子どもは暴言もはきますし、たたいてくることもあるでしょう。親であってもムカッとするのは当然です。そういった楽しみがなければ子育ては続きません。――ときにはお母さんが感情的になってしまうこともあると思います。森戸先生:いつも冷静に大きな声を出さずに子どもを育てるのは無理な話です。それでお母さんが罪悪感を持つことはありません。叱っても子どもに悪いことをやめさせる効果はないかもしれませんが、思わず大きな声が出てしまうのは仕方のないことです。うちもイヤイヤ期は大変でしたけど、当時はタイムアウト法など知りませんでした。でも、子どもが好ましくない行動をしたら無視する、応じられないものには毅然とした態度で受け入れないなど、今から考えるとタイムアウト法に近いことをやっていました。――そうなんですね。先生が子育てで一番悩まれていたのはどんなことでしたか?森戸先生:私は当直があったので『お泊まりで仕事行かないで』と娘が泣くんですよ。うちで子どもが泣いてるのに、病気の子を診なければいけない自分にすごく罪悪感を持っていました。でも、病院には私をすごく必要としてくれる子がいるのに、行ってあげられないというのも嫌だったんです。ですから、2人目が生まれた時には育休を長めにとったり、時短勤務に切り替えたりと働き方を考えました。――ということは、お子さんは0歳から預けられていたんですか?森戸先生:母に預かってもらうこともあったし、職場の保育室へ連れて行ったり、認可保育園に空きがでたら保育園へ。第一子のときは『預けて働くなんてごめんなさい』と思っていましたが、保育園の方が常に複数の先生がいらっしゃるし、相手は子育ての専門家。かわいそうなことは何にもなく、誤解だと気づきました。知らなかったからそんな不安があったんですね。3歳まではお母さん1人で子育てした方がいいといういわゆる『3歳児神話』は厚生労働省によってすでに否定されています(厚生労働省 『厚生白書(平成10年版)』 )。母親だけが育児をするものではないし、むしろ弊害があるケースがあるとはっきり提言を出しているのです。人は社会の中で生きていくのですから、小さい頃から社会に触れるのは大事だと思いますし、むしろ良い面の方がたくさんあると思います。今は、仕事を持つお母さんの方が専業主婦の倍以上いるのですから(厚生労働省 『厚生白書(平成30年版)』 )、子どもを保育園などに預けることは普通のことですよね。■自分の中の「インナー姑」を追い出すには?――自分の中の「インナー姑」を追い出すにはどうしたらいいと思いますか?森戸先生:日本の絶対は、世界の絶対ではないことに気づくことですね。外国人のお母さんに『赤ちゃんは毎日お風呂に入れてますよね?』と聞いたら『いいえ』と言われたことがありました。へその緒が取れるまでお風呂に入れてはいけないという国もあれば、北欧など寒い国では体を冷やさないように毎日お風呂には入れないそうです。子どもは毎日お風呂に入れるものと私にも先入観がありましたが、首も座らない赤ちゃんをベビーバスへ毎日入れるのは大変ですよね。目的は清潔を保つことだから、拭くだけの日があってもいいわけです。『これが絶対』と思わず、いろいろな価値観を知ると、日本古来の『インナー姑』はいなくなるのではないでしょうか。そういった意味でTwitterなどのSNSを利用したり、ネットを活用して情報を収集するのは良いと思います。例えば、母乳をよく出すと言われる食材は国によってバラバラで、決まった食材はないのです。日本ではごはんを食べるように言われますが、じゃがいもとかかぼちゃは食べるけどごはんは食べない国もあります。離乳食も、ヨーロッパはみんなじゃがいもですが、東南アジアはタロイモ、日本はおかゆ。それぞれでいいのだと気づきます。SNSやネットには嘘か本当かわからない情報も氾濫していますが、真偽が怪しいと感じたものは、コメントで質問したりするといいと思います。それで返事がない、リプライがもらえないようなら、そのまま信じずに保留で。そして、同じような意見を持っている人がほかにもいないかリサーチして、総合的に信用できるかできないかを自分で判断するようにしたらいいでしょう。「小児科医はもちろん、産科の先生や看護師、保育園や幼稚園、学校の先生など、子どもに直接関わる仕事をしている人でも、未だに医学的・科学的に根拠のない『育児神話』を唱える人が後を絶ちません。そういったママを追い詰める日本特有の『育児はこうであるべき』が早くなくなればいいと考えています」と森戸先生。その歯に衣着せぬ「子どもを100%好きでいなくてもいいのよ」「お母さんだけが育児を背負いこむことはありません」「できないことは仕方がないから無理しないで」という言葉の数々に救われたお母さんも多いでしょう。森戸先生の著書のタイトルの通り、「子育てはだいたいで大丈夫」。子どもとお母さん、そしてお父さんみんなが幸せなことが、その家族の育児の形なのではないでしょうか。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 内外出版社/森戸やすみ著/1540円(税込)朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。<参考サイト>厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」 厚生労働省: 「厚生白書(平成30年版)」
2020年07月20日ベビーカレンダー編集部がおすすめの「妊娠・出産・育児マンガ」をご紹介♪ Instagramでフォロワー6千人を超える「HYPかなこ」さん。出産レポに続いて、産後レポ 入院編 をお届けします! ウ〇コネタ注意です!赤黒い袋状のものから、しばらく出血してた気がします。産褥パッドについたのは、悪露だけじゃなかったです(笑)。 会陰を縫合した時のネタ描いたように、こうじ氏に状態を見てもらったのですが(ホント良くない嫁だと思います)。「うわっ、いぼっていうか袋状になってる……これは手で押しても戻らないわ」と言われました。だらしない感じで垂れさがっていたようです(笑)。 産後1カ月の診察のときも、まだ痔は治っていなかったのですが「産後のものは手術までいくことは少ないんですがね……便をやわらかくして様子を見るのがいいと思います」と先生から言われました。その通りで、産後2カ月には無事引っ込んでくれました。産後は会陰の傷と合わせて、痔もかなりつらかったです……! HYPかなこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ この投稿をInstagramで見る HYPかなこさん(@hyp_kanako)がシェアした投稿 - 2019年10月月7日午前8時44分PDT 著者:イラストレーター HYPかなこ2018.5生まれのチビコーと夫のこうじ氏、セキセイインコのうなぎの3人+1羽の家族です。WEB制作(私は画像と写真担当)などを夫婦でしてます。婦人科通いの干物→婚活→結婚→不妊治療→ギリギリ35歳で出産→2人目不妊治療中なコミュ障新米母です。
2020年07月13日妻の産後、夫婦仲が悪化する現象を意味する言葉『産後クライシス』。言葉自体が生まれたのは2010年代初期と最近ですが、これまでに多くの夫婦がこの産後クライシスを経験してきたといわれています。ことり(@mamakyoja)さん夫婦もまた、この産後クライシスを経験していました。これは、産後に夫婦仲が急速に悪くなっていく過程と、産後クライシスを乗り越えた妻の『誓い』を描いた体験記。妻であることりさんが描く『夫を傷つけた後、私が誓ったこと』をご紹介します。心身ともに限界を迎えていた当時のことりさん。ある日の晩のこと、夫に不満をぶつけたことりさんは、ついに『いってはいけない言葉』を口にしてしまったのです…。夫「こんなこといわせんなよ…」産後クライシス⚡夫を傷つけた後、私が誓ったこと (1/4) pic.twitter.com/iw8pHvx25X — ことり (@mamakyoja) July 1, 2020 育児に追われる日々の中で、次第にことりさんは「仕方がないからここにいる」と自分自身にいい聞かせることで、心を守るようになっていました。もしもあの時、そうでもして自分を慰めていなければ、ことりさんの心はもっと早くに壊れていたかもしれません。しかし、誰かをいいわけの理由にしていたことで、大切なものが見えなくなっていたのも事実。産後クライシスを経て、「相手に伝わるまで、何度でも話をしよう」と心に誓った、ことりさんだったのでした。【ネットの声】・すごく共感します…。まるで自分のことのようでした。・当時のことりさんを、あそこまで追い詰めた社会の構造にも問題があると思います。・胸をえぐられる作品でした。似た経験があります。本当に、自分が愚か者であると痛感しています。この作品に出会えて身の引き締まる思いです。伝える前に「察してほしい」というのは、きっと誰もが抱く思い。しかし、相手は自分とは違う人間です。察することが得意な人もいれば苦手な人もいます。産後クライシスを乗り越える夫婦の絆を育むためには、どんなささいな気持ちでも相手に伝え合える関係性が大切なのだと思わされます。[文・構成/grape編集部]
2020年07月02日私の場合、出産から2カ月後に夫から誘われました。夫の気持ちもわかりましたが、「できればしたくない」という気持ちが私の本音。産後の夜の営みを嫌だと感じた理由や夫と話し合ったときのことなど、当時の私の体験をお話しします。 夜の営みの再開は産後1カ月ごろから産後1カ月健診で子宮の戻り具合や会陰切開の傷の様子、悪露の状態をチェックしてもらいました。特に異常は見つからず「性生活を再開しても大丈夫」とのこと。ただ、正直「夜の営みなんてできない」と思いました。 しばらく夫から誘われないことを願いながら過ごしていましたが、産後2カ月ごろにとうとうその日はやってきました。 したくない理由妊娠中は夜の営みを控えていたこともあり、夫の気持ちもわかります。だからこそ断ることができませんでした。しかし、会陰切開をした傷が気になって仕方がありません。気分は乗らず、痛みや違和感ばかりでした。 さらに赤ちゃんがいる身でと思うと、なぜか罪悪感さえ感じてしまいました。夫に申し訳ないけれど、「今は夜の営みをしたくない」というのが正直な気持ちだったのです。 夫に正直な気持ちを伝えてみた体の面は問題なくても、お互いの気持ちが一致しないと再開は難しいと感じました。 「しばらく夜の営みを控えたい……」。私は夫に今の正直な気持ちを伝えることにしました。男性には想像しにくいことかもしれない。だから話し合わないとと思ったのです。幸いなことに、夫は私の気持ちを受け止めてくれました。 体のことや自分の気持ちを夫に伝えてよかったと思っています。夫婦関係を見つめ直す良いきっかけにもなりました。 監修/助産師REIKO著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2020年06月28日感染症により、休園・休校の長期化、不要不急な外出の自粛要請で、子育て中のママやパパの負担やストレスは一層倍増しているでしょう。ちょっと気晴らしにお散歩やおでかけも難しい今、家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになることも。「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」と悩む親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるママやパパに向けて、内外出版社から新刊 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 が発売されました。著者は、小児科医で二人のママでもある、森戸やすみ先生。育児に悩むママやパパへ向けたこの本では、これまで信じられてきた育児神話の“本当のところ”や、とくにママがつらく感じる原因、自分らしくラクになれる子育てのヒントなどが、小児科医の視点でわかりやすく解説されています。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業予定。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二子の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■育児のトラブル・悩みはすべてママのせい?たとえば、おでかけ先や公共の乗り物の中で、子どもがなかなか泣きやまない。わが子がほかの子とうまく遊べなくて、つい手が出てしまう。せっかく離乳食を作っても、あまり食べてくれない。子育てではよくあることですが、そういう時になぜか決まって言われるのが「それって、愛情不足じゃない?」「もっと子どもには手をかけてあげないと」といった言葉です。とくに、子どもを保育園や学童に預けながら働いているママの多くは、家族だけではなくママ友や会社の同僚、よく知らない人にまで、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。実際、著者の森戸先生も、テーマパークで遊び疲れた娘さんが帰りの電車でグズったとき、たまたま乗り合わせた高齢のご婦人から「お母さん、もっと抱きしめてあげて」と諭された経験があるそうです。娘さんがグズったのは、森戸先生が抱きしめなかったからではなく、遊び疲れたからなのに。「それは本当に“親の愛情不足”が原因でしょうか?」と森戸先生は問いかけています。育児で何か問題や困ったことが起こったとき、人はどうしてなのかと原因を求めたくなるもの。しかし、子どもはそれぞれ個性がありますから、どの子にも当てはまる育児の定石はなく、大人の理屈では理解できないことも多いでしょう。一方、愛情というのも数値で測れるものではなく、親がどれほど子どもを愛しているかは目で確かめることはできません。そこで、「理解できない子どもの行動は、誰にも確かめられない親の愛情量に責任転嫁されているのではないか?」と、森戸先生は読み解きます。たしかに、親の愛情不足が原因としてしまえば、言った本人は間違いだと反論される心配もなく、自分に責任がないことも遠回しに主張できます。親に責任を押し付けることで、理屈の通らないことが解決できたと自己満足もできるわけです。しかし、子どもが泣いたりわめいたりすることと、親の愛情不足との因果関係は誰にもわかりません。子どもの数だけ個性もそれぞれで、グズってしまう原因もそれぞれ。それを、手っ取り早く原因を見つけたい大人が、こじつけているだけなのです。ところが、「小児科医をはじめ子どもに関わる専門家の中にも愛情の多寡(たか)の話をする人がいるのですから残念なことです」と森戸先生。たしかに、筆者もわが子を預けていた保育園の先生から同じようなことを言われたことがあったことを思い出しました。こういった周囲の「なんでもかんでも親の愛情不足が原因」というプレッシャーから、育児で何か困ったとき、「ほかの親ほど自分は愛情をかけてあげられていないのではないか」「もっと私がちゃんと子どもを見ていれば」と、無意識のうちに自分を責めてしまう方は少なくないでしょう。でも、それは周りからの勝手な押し付けであって、“親の愛情不足”と決めつけることは害でしかないと森戸先生は一刀両断。この言葉に、悪い夢からスッキリ目覚めたような清々しささえ感じます。■育児神話「根拠のないもの、気をつけたいもの」「子どもの問題は親の愛情不足が原因」と同じように、根拠なく信じられ続けている“育児神話”はたくさんあります。本書で紹介されているだけでも、以下のものが挙げられます。●3歳児神話「3歳までは家で母親の手で育てることが子どもの精神的な発育に一番良い」というイギリスの精神医学者ジョン・ボウルビィによる戦争孤児を対象とした調査報告(1951年)が元となっている考え●スマホ育児批判かつてはテレビやビデオ、パソコン、今はスマホといったメディアを使って子守りをしたり、親自身が夢中になることで、親子関係や子どもの心身の発育が阻害されるという日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』(※1)●子どもの夜ふかし子どもは夜9時までに寝ないと、成長ホルモンが分泌されないために発達が遅れ、しかもキレやすくなるというもの●母乳信仰ミルク(粉・液体)よりも母乳の方が優れていて、どんな状況においても絶対に母乳のみで育てる方が赤ちゃんのためには良いという考え●離乳食を遅らせてアレルギー予防離乳食の開始を遅らせ、なるべく母乳だけで長く育てた方が、食物アレルギーの発症を予防できるというものいずれも、日本で一般的に信仰されている“育児神話”です。おそらく多くのママやパパが、これらのほとんど、もしくは全部を正しいと信じ、厳守しながら育児をしているのではないでしょうか。しかし、森戸先生はこれらに「すべてが根拠のあることなのでしょうか?」と疑問を投げかけています。たとえば、「3歳児神話」。精神医学者ジョン・ボウルビィが提唱していたのは、「子どもが育つ過程で、信頼できる大人との愛着関係を築くことが大事だ」ということ。それが、なぜか日本では「3歳まで母親の手によって育てられることが大事だ」にすり替わって信じられてきました。この3歳児神話はすでに国内外では否定されている考え方で、1998年の「厚生白書(平成10年版)」(※2)では「少なくとも合理的な根拠は認められない」とされ、さらに「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」とされています。しかし、いまだにこの古い神話を信じている年配者は多く、「こんなに小さいのに保育園に行かせるなんて」「3歳までは家でお母さんが見た方がいい」といったことを言い、ママは根拠のない罪悪感を背負わされながら働くという事態がいまだに起こっているのです。それは、ほかの育児神話にも当てはまることだと本書は伝えています。たとえば、今のママはスマホから育児情報を得る機会が多く、小児科の予約をスマホでしたりお薬手帳のアプリを使ったりもします。スマホを使っているからといって育児をおろそかにしているわけではないし、息抜きにゲームをしたとしても一日中ではないのだから何も悪くないということ。子どもの夜ふかしがよくないのはたしかだけれど、その理由の一つとされてきた「成長ホルモンは夜10時〜翌2時に分泌される」というのは、今では間違いだとわかっていること。夜9時に寝るべき、早く寝ないとキレやすくなるという説に根拠はないということ。同様に、どんな状況でも母乳育児がいい、離乳食を遅らせたらアレルギーを予防できるという説も、間違っていることがいまでは明らかになっています。むしろ、離乳食に関しては、開始を遅らせることでかえってアレルギーのリスクが高くなることがわかっています。しかし、前述の「“親の愛情不足”ですべて片付ける問題」と同じように、小児科医や産婦人科医、看護師、保健師、保育園や幼稚園の先生といった普段から子どもと接している方でも、いまだにこれらの育児神話を唱える人は少なくありません。そういった専門家でさえ信じているのですから、夫や両親、兄弟、ママ友、会社の同僚が不用意に育児神話を持ち出してくるのも納得です。では、そんな古くさい育児神話とママはどう立ち向かえば良いのでしょうか?■今だから夫婦・家族と子育てについて考えようママが育児に不安を感じたり悩んだりするきっかけの一つに、ほかの人からの言葉かけがあります。たとえば「母乳なんでしょ?」「2人目は?」「こんな小さいのに連れ歩いて」「保育園に通わせるなんてかわいそう」など、挙げていけばきりがありません。子どもを生んでまず最初にびっくりするのは、こういった「余計なお世話」とも取れる不用意な言葉をかけてくる人が本当に多いことです。家族や友人ならまだしも、通りすがりの知らない年配者からも「今日は良いお天気ね」のノリで「私たちの頃はね…」と育児アドバイスが始まったりします。また、そういった言葉はほとんどの場合、お父さんではなくお母さんにだけ向けられるのも不思議です。それは、暗に「子育てのメインは当然、母親」という育児神話の押し付けが見え隠れしているようです。このようなママを悩ませる言葉や態度は、元をただせば前述した根拠のない育児神話がベースになっていることが多い印象です。森戸先生は、「そういった言葉はスルーしていい」と本書の「祖父母世代と親世代のギャップの埋め方とは」の章で解説しています。スルーしていい理由として、次の2つが挙げられています。 祖父母世代が育児をしていた頃の常識が、いまでは非常識となっていることが多い 育児はとてもナイーブで個人的な体験のため、各家庭で事情が違う大抵の場合、言葉をかけた側の問題ですが、相手が義両親や実両親の場合は、育児を手伝ってもらったり一生お付き合いを続けていく関係だからこそ、ことを荒立てられずにイライラ・モヤモヤしながら多くのお母さん、お父さんは我慢しているでしょう。そういった相手の言葉は聞き流す、適度に反論して距離をとるなどして、それでも改善が見られないなら、「育児で大変な時に、無理して会わなくてもいい」と森戸先生はバッサリ。育児の協力者は何も家族でなければいけないことはなく、幼稚園や保育園、保育ママ、ファミリーサポートなどの行政サービスを活用するなどで頼れる先をいくつも持っていた方が、子育てのストレスは軽減されることに気づかせてくれます。そういったことを夫婦で話すことも大切だと本書では伝えています。「育児は母親のもの」といった育児神話によって、これまでずっと子育てにおいて部外者扱い、戦力外通告をされてきたパパ。でも、いまはもうそんな考え方は古く、夫婦2人で子育てに関わっていく時代。パパも育児の当事者であり、同じ視点から、同じゴールに向かってどう子どもと関わっていくかを夫婦で話し合うことが、育児をもっとラクで楽しいものにしていくのでしょう。そのためにも「父親も育児参加できるよう排除しないで後押しを」と社会全体の意識改革も必要だと訴えています。■子育てでつらい、不安になったときは「子どもはかわいいし、初めてのことばかりで大変だけど、育児も毎日発見の連続で楽しい。でも、なぜかイライラ・モヤモヤしてしまうのはどうして…」そんな風にママやパパが悩み、「自分がおかしいと感じているのに『それは、おかしい!』と声を上げられない周囲からの育児プレッシャーが原因」と本書で読み解いてくれた森戸先生。そのほか、子どもの発達に関する疑問やお悩み、子育てメディアとの付き合い方、小児医療の正しい知識などを、小児科医として、また2人のお子さんのママとしての視点から、わかりやすく解説しています。読後は、心の中のモヤモヤがすっきりと晴れわたり、「子育てはだいたいで大丈夫よね!」と育児にたずさわるすべての人に安心と勇気を与えてくれる一冊となっています。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社 森戸やすみ著 1540円(税込))朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。●森戸やすみ先生1971年東京生まれ、埼玉育ち。1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。<参考サイト>※1 公益社団法人 日本小児科医会: 日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』) ※2 厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」
2020年05月17日ベビーカレンダー編集部がおすすめの「妊娠・出産・育児マンガ」をご紹介♪ Instagramでフォロワー5千人を超える「HYPかなこ」さん。出産レポに続いて、産後レポ 入院編 をお届けします! 産後のホルモンバランスってホントヤバいですよ。人間変わります。 体内の流れが一気に変わるんだもん、人間くらい変わるよなぁ……。 産後ハイから、一気に落ちてマタニティブルーズへ突入します。 HYPかなこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ この投稿をInstagramで見る HYPかなこさん(@hyp_kanako)がシェアした投稿 - 2019年10月月7日午前8時44分PDT
2020年04月30日ベビーカレンダー編集部がおすすめの「妊娠・出産・育児マンガ」をご紹介♪ Instagramでフォロワー5千人を超える「HYPかなこ」さん。出産レポに続いて、産後レポ 入院編 をお届けします! 産後あるあるだと思うのですが、あんまり寝ませんでした(笑)。スマホいじって色々調べたり、チビコーの顔を見に行ったり……。 鎮痛剤は飲んでいたものの、後陣痛はそこそこ痛かったです。でも初産だし重たい生理程度なので、ツライって程でもなかったかな?子宮がズンズンしてる感じはわかりました。前日もほとんど寝ていなかったので、もうちょっとちゃんと寝ればよかったです……。 HYPかなこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ この投稿をInstagramで見る HYPかなこさん(@hyp_kanako)がシェアした投稿 - 2019年10月月7日午前8時44分PDT
2020年04月29日ウーマンエキサイト読者の皆さま、こんにちは!今回のテーマは産後クライシス。これまでの生活と一変する、産後の生活。よく、夫婦の関係性が変わってしまう話も聞きますよね。私たち夫婦は、というと、もちろん娘たちが産まれて生活はガラリと変わりましたが、幸いなことに、夫と大きいケンカやこじれた話はなく、今日まで過ごしてきました。と思っていたのですが、今回、夫に産後の思い出を聞いてみたところ、予想外の答えが返ってきました。長女ムスメを出産後の話です。あ…! 言われてみれば…、お、覚えてる…!!夫のすることなすこと、全部が騒音に聞こえていたあの頃…!ムスメが敏感な子で、寝かしつけに苦労し、背中スイッチも激しかった頃の話です。「ムスメが起きてしまうのでは…」と24時間おびえていたあの日々。夫も私におびえていたんですね…。夫はかなり協力的なのに、その頃はイライラしてばかりでした。反省。今思えば、次女オコメのときは全く気にならなかったので、初めての育児にかなり疲れていたんだと思います。それでも夫婦間の仲が悪くならなかったのは、文句ひとつ言わずに受け止めてくれていた夫のおかげ。これまで一切の恨み言も言わずに…、で、できる夫だな…!(はい、堂々とのろけてみました)「産後クライシス」という言葉を知っていたわけではなかったようですが、産後の妻が余裕がなくなること、ピリピリしがちなことを事前に知っていたようで。予備知識があるかないかはやっぱり大事ですね。あらためて実感しました。そして何より出産育児に疲れ切っている私を理解してくれていた夫。感謝感謝です!
2020年04月04日産後、自然に体重が元に戻ると思っていたら大間違いでした。授乳による空腹から暴飲暴食、お祝いや差し入れで届く甘いお菓子など、産後は体重アップの要因がたくさんありました。そのような環境でも、私が減量に成功した方法をお伝えします。 出産直後に減った体重が2カ月で逆戻り!妊娠前の私の体重は54kgでした。出産前は62kgまで増えましたが、産後は58kgまで減りました。完全母乳だったこともあり、このまま自然に元の体重に戻ると軽く考えていたのですが、産後2カ月でまさかの62kgに逆戻りしてしまったのです。 要因は、完全母乳のせいか妊娠期以上に空腹を感じて食欲のままに食べていたこと。しかも食べたくなるのは甘いお菓子ばかりで、ありがたいことに親戚や友だちが親切心からお菓子を差し入れてくれていたのです。それでも家にお菓子がなくなると近くのコンビニまで買いに走り、毎日のようにお菓子を摂取していました。産後2カ月は真冬で外出も控えていたので、子どもと2人きりの室内でお菓子を食べるのが一番の息抜きでした。 家に入れる食べ物の量を制限!このままではまずいと思い、対策としてまずやってみたのが、家の中に置くお菓子を減らすことです。スーパーやコンビニに買い物に行くのをやめ、宅配業者に1週間分の必要な食料だけを頼むことにしました。お店に行くと必ずお菓子やお総菜を余分に買ってしまうからです。そして、お菓子を頂いたときはご近所に配ったり、夫に職場に持って行ってもらうようにもしました。手の届くところにお菓子を置かない、必要以上に食料を買いすぎないことでムダに食べる量を減らすようにしたのです。 しかし、甘いお菓子を食べることが習慣化していたため、食べないと口寂しく、毎日お菓子を食べたい欲求にかられていました。 三食、バランスよくしっかり食べる!基本的なことですが、食事は間食に頼らず3食しっかり食べました。それまでは、授乳間隔もバラバラ、家事と育児を一手におこなっているので、自分の食事は後回しになりがちでした。子どもを抱っこして過ごす日々なので、すぐ食べられるお菓子やインスタント食品に頼りがちだったのですが、なるべく朝昼晩、自分の食事時間を守るようにしました。そして自分のために栄養バランスのよい献立も考えるようにしました。手軽な食事でも、納豆・魚の缶詰・解凍したご飯・インスタント味噌汁といった献立なら、腹もちがよかったです。栄養ある母乳を出すためにも頑張った結果、産後半年で体重を52kgにまで減らすことができました。 産後ママは多忙すぎて自分のことが後回しになりがちです。でも食事の摂取量や内容が乱れると、途端に体重が増えてしまいます。「自分の食事をどう整えるか?」を考え直すことで、体重を落としていく好循環を生み出せたのだと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小林 晴子3歳男児と1歳女児の母。前職は営業、現在は主婦をメインに時々NPO法人活動。子どもたちと遊んだり食べたりする時間を楽しみながら、仕事復帰の道を模索中。
2020年02月21日■ 前回 のあらすじノイローゼのようなしんどい状態になっても「育児がつらい」と周りに言い出せないモチコさん。唯一、伝えられた夫は協力的だったのですが、そんな夫の優しさにすら追い詰められていき…。 「夫の想いすら重圧。母親失格におびえる日々… | 私、育児ノイローゼかも(2)」 ※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■「育児がつらい」毎日を乗り切るために大人と会っておしゃべりをする時間がほぼなくなり、娘と2人きりで過ごす毎日を過ごすうちに、育児がつらくなってしまった私。子ども好きだった私が、子どもとずーっと2人の生活が、本当にしんどい。その後、公園に行っても児童館に行っても、同じくらいの年齢の子を連れた親子には出会うことはできず、ママ友はできないままでした。でも大人と話したくて、私ができる範囲でした対策は…相手の負担にならない範囲で、大人と会う予定を入れました!それでも鬱々とした気持ちは晴れず…でもなんとか毎日しのいで過ごしていました。そして新しいママ友はなかなかできないまま、約半年が経ち…。その頃からイチコのプレ保育(親子で参加)が月一で始まったり、自治体の親子学級のようなものに参加したりして、少しずつ人と会う予定が増えていき、週2~3日ほどの頻度になりました。さらに二太郎を妊娠したことで、よく実家のお世話になるようになり、実家の家族と会うことが激増!そうなると、ノイローゼのような鬱々とした気持ちは少し軽くなりました。ただ軽くはなったもののなくなることはなく、やっぱりしんどさを感じながら過ごしていました。これがまったくなくなったのは…■育児のしんどさがなくなったきっかけは毎日送り迎えでママ友と会って話をする機会ができるようになってからです。話と言っても、立ち話をダラダラするのではなく、送り迎えの1日2回のタイミングでちょろっと話すだけ。それでも…二太郎はいるものの、イチコと離れる時間ができたのも良かったのだと思います。(当時二太郎は生まれたてホヤホヤ…。意思はないのでややこしさゼロでした!)こうして今まで感じていたような、鬱々とした気持ちも、強い育児のストレスを感じることもまったくなくなりました。むしろ…そしてそのまま今に至ります。育児、大変やけど楽しい!■同じように「育児がつらい」ママたちへ今、育児がつらいお母さん、たくさんいらっしゃると思います。私は「育児がつらい」と言うことができず、誰かに頼ることは上手くできませんでした。他のみんなはちゃんと育児できてる(ように見える)。さらに、母親って「常に子どもを受け入れる存在でなければいけない」といった見えない空気があるような気がしてしまうんですよね。そして「私より過酷な状況でがんばってる人だっているはず」と思うと、なかなか「つらい」と言いだせない…。「育児がつらい」と口に出すと、母親失格の烙印を押されてしまうような気がして。でも全然そんなことない! と思うんです。話が通じない相手と1日中一緒にいるなんて、普通に考えて大変!しかもその相手を育てなきゃいけないし、最低限の家事もしなきゃいけないし…体力的にも精神的にも疲れて当たり前だと思います。これが24時間365日…。「大変」「つらい」って言っていい!当時「育児がつらい」と感じていた私。今、同じように「育児がつらい」と思っている方に、私の体験から学んだことが少しでも役に立てば…と思います。●ひとつめ周りにはどんどん頼ってほしい実家、義実家、ママ友、自治体の相談機関、一時保育…。「育児の大変さ」は解決できないかもしれなくても、話を聞いてもらうだけ、共感してもらえるだけ、一緒に悩んでくれるだけでも気持ちは変わってくるかもしれません。●ふたつめ話相手となるママ友が欲しいときは、隣の校区の公園まで足を延ばしてみて!育児がつらかった当時はわかっていませんでしたが、校区によって子どもの数が全然違うんです! だから、当時隣の校区の公園まで足を伸ばしていたら、もしかしたらママ友が早くできていたかもしれない…と今となっては思います。●みっつめ自分を責めずに環境を変えてみてください私にとっては、大人の話し相手がいるだけで、育児は楽しいものに変わりました。つまり私は1人で育児をすることが合わなかったんだと思います。「育児そのもの」ではなく、「1人で育児すること」が。私は、大人の人やママ友と会話することで育児がつらくなくなりました。でも人と話すことにストレスを感じる人もいるでしょうし、一人になることや自然の中に身を置くことでストレスが発散される方もいるかと思います。また仕事に行く方がストレスが少なくなる場合もあると思います。人によって、ストレスを感じる環境、楽に感じる環境はきっと違うと思うのです。私がしてしまった「自分が悪い」、「私は育児向いてない」と自分を責めること。この自分を責めることをしないためにも、今いる環境のどこか1つでも変えて、少しでも明るく過ごせる時間を増やしてみてほしいなと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは \モチコさんの人気記事が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年02月10日産後3カ月のときに、私は初めて体調を崩しました。具合が悪くて横になりたいのに、授乳におむつ替え、抱っこと、赤ちゃんのお世話でまったく休めず、十分に療養できないつらさを思い知りました。聞くと、産後3カ月で体調を崩すのは「産後あるある」なのだそうです。私が産後に体調を崩し、つらかった体験と対処法についてお伝えします。 ついでに受けた予防接種がきっかけで産後3カ月、娘の予防接種に行った際に、私もインフルエンザの予防接種を一緒にしてもらえるとのことでお願いすることに。 すると、翌日から産後かつてないほどの風邪モードになってしまいました。熱とのどの痛み、頭痛、口内炎と体はボロボロ……。横になって休みたい! そう思いましたが、授乳やおむつ替えもあり、赤ちゃんが寝るまで抱っこをしてユラユラと動かねばならず、まったく休めません。母は具合が悪くても寝られないのか!と、子持ち風邪っぴきのつらさを初めて痛感しました。 初めての授乳中の抗生物質服用前日に行った病院で風邪薬をもらいましたが、授乳中でも飲める薬だからか、5日間飲み切ってもまったく治らず、別の内科で抗生物質を処方してもらいました。抗生物質を服用したあとは、4~5時間は授乳を控えるようにと指導されたので、夜間授乳を育児用ミルクに切り替えました。 赤ちゃんに育児用ミルクを飲ませる予定時間より30分前に起きて、搾乳をして捨て、育児用ミルクを作って飲ませて寝かせるという作業は重労働でしたが、なんとか5日間を乗り越えることができました。 完治まで2週間以上かかった風邪のピークは過ぎたものの、のどの痛みが長引き、市販ののど飴などをなめながら完治まで2週間以上かかりました。 先輩ママから聞いてあとからわかったことですが、産後3カ月で体調がガクッと崩れるのは、ママの「産後あるある」なのだそうです。たしかに出産からろくに眠れず、休みもなく、体の痛みに耐えながら慣れないことをして気を張っていたら体調を崩すのも納得です。素直に周りに甘えて、休ませてもらったほうが早く治ったかもしれません。 産後3カ月の風邪はとっても厄介! 夫や親など、頼れる人がいるなら遠慮なく頼って休ませてもらいたいところ。病院でも薬や治し方を相談し、とにかく体調を優先させて、早く治してしまうことをおすすめします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:桜井みお子育て中のママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年02月09日■ 前回 のあらすじ引っ越しを機に、しゃべる相手がいなくなったことで、イヤイヤ期の娘と2人きりの生活となったモチコさん。気が付いたら、娘と2人で過ごす時間が苦痛に…。 「子育てがつらい…子どもが好きだったはずなのに | 私、育児ノイローゼかも(1)」 ※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■どうして「子育てがつらい」と言えないのか?私は元々、人と会っておしゃべりをすることがとても好きでした。でもそれができない環境になることが、「つらい」ことだとはまったく想像もしていませんでした。引っ越しでママ友が誰もいなく、さらに大人と会っておしゃべりをする時間がなくなって、初めてそういった時間が、自分にとってどれだけ大切だったのかを知ったのです。そして大人としゃべらず子どもとだけ過ごすことが、ノイローゼのような状態に陥るほどしんどいとも思ってもいませんでした。しかし、私は「子育てがつらい」とは、なかなか人に打ち明けることができませんでした。なぜなら「子育てがつらい」と言う感情は、そのときの私にとっては、「母親失格なんじゃ…」と思わせるものだったからです。母親としての自分を否定されているような、母親失格と誰かに言われているような、ネガティブな気持ち。もちろん誰もそんなことは言っていません。ましてや、私ではない誰かが「子育てがつらい」と言っていてもそんなことは思いもしません。ただ当時の私は、そういったマイナス思考になっていました。■母にも言えない本音。唯一、話せた夫は…そういう思考になっていると、周りに頼るのも難しくなってしまいます。実の母にすら「ママ友や大人の人とおしゃべりできなくてしんどい」とは言えても、「子育てがつらい」とは伝えられませんでした。唯一「育児がしんどい」とちゃんと言えたのは夫のチチオだけ。でも、チチオは遅くまで仕事をしていたので、平日は少ししか話せませんでした。引っ越し前までママ友と仲良くおしゃべりしてきたことを知っていたチチオは、それがどれだけ私を救っていたかもわかっていました。ということで、夫婦の見解としては…で一致。そして夫は、職場の同期に「モチコが大人と話せなくて育児がしんどいみたいやから、今度家族で休みの日に集まろう」と提案してくれました。「そこからママ友になれたらいいね」と。ところが私は… ■夫が良かれと取った行動に、さらに追い詰められるとてもありがたいことなのですが…当時の私が1番に頭に浮かんだのは「なんで『育児つらい』って他の人に言っちゃうの」という気持ち。チチオは何も悪くないんです。私は口止めしていなかったし、悪い状況を少しでも好転させようと、私を思ってしてくれたこと。ただ当時の私はと思っていました。「子ども好き」だった私が、「育児がつらい」ことを他人に知られることはとても怖かったんです。それくらい「育児がつらい」という感情は私にとってプレッシャーで、マイナス思考に陥っていました。繰り返しますが、他の人に対してそんなことは当時も今もまったく思っていません。「母親はこうあるべし」という理想像が、自分への呪縛のようになっていたんだろうなと思います。…と書くと、すごい完璧育児を目指してたみたいですが、そんなことはまったくありません。笑イチコが生後1ヶ月のとき保健師さんに「育児、適当だね! いい意味で!」と言われたくらいの適当さ。そんな適当育児しかしていなくても、環境が変わるだけで育児がつらくなってしまうんです。むしろ適当だからこそ「適当育児なのにつらくなるなんて…」と自分を責めていたのかも。誰に言われたわけでもなく、やはり自分で自分にプレッシャーをかけてしまっていたのでしょう…。さて、ここから精神的にどう立て直したか…は、次回に続きます!次回は、「育児がつらい」というプレッシャーをモチコさんは克服していきます。更新は、2月10日(月)を予定しています。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは
2020年02月03日昨年おこなわれた第200回臨時国会において、いわゆる「産後ケア法案」が全会一致で可決成立し、令和元年12月6日付で公布されました。 切れ目ない支援をおこなうために…わが国では、妊婦健診、新生児訪問、乳幼児健診など、これまでさまざまな母子保健事業がおこなわれてきました。 しかし、少子・高齢社会、核家族化などに伴い、出産し、産院を退院した直後からひとりで育児に取り組まざるを得ないママも少なくなく、その影響もあってか、産後うつを発症し、自殺にまで追い込まれるケースも増えてきています。 このような現状から、妊娠・出産・育児期間に切れ目ない支援をおこなうために「妊娠・出産包括支援事業」が実施されるようになりました。 「産後ケア事業」って何?妊娠・出産包括支援事業のなかには産前・産後サポート事業と産後ケア事業があります。 産前・産後サポート事業は、子どもを産み育てているママたちの不安や心配事を軽減するために専門家とともに地域の人たちが支援するものです。これには、ママ同士の仲間づくりや悩み事相談などがあります。 一方、産後ケア事業は、産院退院直後のママが心身ともに回復し、少しでも不安なく育児ができるように支援するものです。これには、産後の身体的なケア、授乳をはじめとする育児指導や育児に必要な社会資源の紹介などがあり、専門的な知識や技術を持つ助産師などの看護職が中心となっておこなわれます。 今回可決成立した「産後ケア法案」とは?今回可決成立した産後ケア法案は、正しくは「母子保健法の一部を改正する法律」(令和元年法律第69号)と言います。今回の法案成立によってこれまで市町村の予算事業としておこなわれてきた産後ケア事業が母子保健法上に位置づけられました。 その結果、各各市町村では、・出産後1年以内の女性と赤ちゃんに対して、産後ケア事業をおこなうように努めなければならないこと・産後ケア事業をおこなう際には、厚生労働省令で定める基準に従っておこなわなければならないこと・関連機関や母子保健に関するその他の事業との連携を図り、妊産婦さんや赤ちゃんに対する支援の一体的な支援や措置をおこなうように努めなければならないことなどが規定されました。 この法律は、公布の日(令和元年12月6日)から2年を超えない範囲内で、政令で定める日から実際に法律をスタートするとされており、今のところ具体的な日時は明確にはなっていません。 ここ数年で「産後ケア」「産後ケア施設」という言葉をよく耳にするようになりましたが、認知度としてはまだまだ……といった印象も否めません。ですが、この法律によって育児支援事業がさらに充実し、少しでも多くのママたちが不安なく、妊娠・出産でき、赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなるといいなと思います。 ベビーカレンダー では、全国の産後ケア施設情報を掲載。産後ケア施設を利用した方の感想や口コミ情報を紹介。 あなたにぴったりの産後ケア施設が見つかります!監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年01月29日赤ちゃんが生まれると自然と物が増えてきます。さらに産後は育児が忙しく、なかなか部屋の片付けは後回しになってしまい、部屋が散らかっていくことがあります。そこで今回は、ストレスなく、時間をかけずにできる収納術をご紹介します。 赤ちゃんの洋服編赤ちゃんの洋服を「洗濯→干す→たたむ→たんすに収納」という手順で洗濯・収納すると、意外と時間と手間をとられます。たたむのをやめて「洗濯→ハンガーにかけて干す→吊るして収納」に変えることで手間は軽減されます。 吊るす場所は、クローゼットの下の空いたスペースなどにつっぱり棒などをして、乾いた洗濯物をかけていきます。どんな服があるのか把握しやすく、見つけやすいのもメリットです。年齢が上がってくると、自分で洋服を選びやすく、子どもも楽しんでくれます。パンツやスパッツ、下着などは種類別に分けて、たたまずカゴなどにそのまま、ポイポイ入れておきましょう。 赤ちゃんのおもちゃ編おもちゃ入れは、箱タイプよりも布タイプの洗濯物入れや大きめなトートバッグなどがおすすめです。これらを何個か用意して、おもちゃを種類別(ぬいぐるみ、ブロックなど)に入れていきましょう。使わないときはたたむことができ、かさばらず、子どもでも片付けやすいかと思います。バッグだと壁にフックなどをつけてかけておくこともできます。掃除機をかけるときも移動がラクになります。好きなキャラクターのバックなどにすると、子どもも楽しみながら片付けができると思います。 物を減らせば片付けやすい部屋が片付かない原因の1つに、根本的に物が多いということがあります。 子どもが1人増えただけでも、自然に物は増えていきます。使わなくなったもの、サイズアウトした服などは片付けていきましょう。お下がりとして友人や親戚に譲ったりするのは、よくある方法です。次の子どもの計画があり、洋服をとっておきたい場合は、洗濯後に圧縮袋に入れて保存すると収納スペースも小さく済みます。サイズ別にしておくと探しやすくなりますよ。そのほかには、リサイクルショップへ売りに行く、フリマアプリを利用するなどして、次に必要なものの資金にしても良いかと思います。 片付けで大事なことは、完璧を求めないことです。手間を省くことで、片付けやすくもなります。子どもの成長に合わせて、一緒に片付けをできるように工夫することも大切です。年末の大掃除もかねて、ぜひ試してみてくださいね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2019年12月17日産後に夫婦仲が悪くなる、という話を耳にしたことはないでしょうか? 出産を控えているママは、「なんだかピンとこないわ」と思うかもしれませんが、赤ちゃんを産んだとたん、「このことか!」と思うママは多いものです。それくらい、産後に夫婦の関係が良くない状況になってしまう家庭は多いのです。 産後クライシスとは産後、夫との間がギクシャクしている、夫の行動の一つひとつにイライラする、セックスするのはもちろんのこと夫に触られるのもイヤだ、というママは少なくありません。 これらの状況が悪化すると、子どもが生まれて幸せいっぱいのはずの産後に「離婚」という文字がチラツキ始めます。子どもの出産後に夫婦にさまざまなすれ違いが生じ、夫婦仲が急激に悪くなる状態を「産後クライシス」と言います。 産後のすれ違いはなぜ起こってしまうのか産後クライシスが起こってしまう原因はひとつではありません。 一般的には妻側からの視点で言うと、・ホルモンバランスの変化により、妻側がイライラしやすくなる・夫の育児やママに対する無理解などに不満がある・セックスする気分になれない、または、セックスが汚いもののように思えてしたくないなどが大きな要因となります。 しかし、夫からしてみれば、・なぜ、急にイライラして当たられるのかがわからない・自分は仕事を今まで通りしていて、育児にも協力しているつもりなのに怒られる・セックスを拒否されると理不尽な対応を迫られていると感じることが多くなります。 こうして書くと、産後クライシスになってしまうのは理解できるかと思いますが、実際に直面すると、赤ちゃんをお世話しなければならないという状況に追われ、精神面でも変化が起こっていることをママ自身がはっきりと自覚できるわけではないので、「なんだかイライラする」「夫はなんでちゃんと動いてくれないのか」と無自覚に夫に当たることになります。そのため、自分がなぜ夫に対してそのような対応をとるのか説明することもなく、夫もなぜ妻の態度が急変したのかを理解できない状況になります。 産後クライシスを防ぐ方法まずどれくらい、産後にママの負担が増えるのかをママだけでなく夫にも知っておいてもらうことが有効になります。とはいっても、事前に聞いていたことと実際に経験することとは雲泥の差です。事前に頭に知識を入れて理解していたつもりでも、お互いに実際その場になって「このことか」と理解し上手に対応ができるとはかぎりません。夫には、・ママがイライラする可能性が大いにあること・靴下を裏返しにしたまま部屋に放り投げておくなど、今まで許せていたことも許せなくなる可能性があること・育児が想像以上にママにとって大変なことを事前に知っておいてもらった上で、かつ、ママがイライラしたら、お互いの認識のズレを合わせに行くことが必要であることを伝えておきましょう。 たとえば、夫は妻に「あなたの担当は、赤ちゃんの沐浴ね」と言われた場合、赤ちゃんの沐浴だけをおこないます。赤ちゃんを拭いたタオルは床に放りっぱなし、沐浴に使ったバスタブはお湯がが入ったままで置き去りという状態のこともあるでしょう。ママも育児疲れで夫に説明するのを面倒に感じてしまうこともあると思います。気持ちはよくわかりますが、言わないと伝わらないこともあります。今後イライラしないためにも、沐浴であれば事前に2人で流れを確認しておくなど、コミュニケーションを心がけたいですね。 産後、精神面の変化も手伝って状況が大きく変わることがほとんどです。今まで阿吽の呼吸でできていたこともできなくなるということを念頭に、面倒だと思わず、コミュニケーションをしっかりとって産後クライシスを乗り越えましょう! 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年12月08日24時間フル稼働の育児に疲れたこともあり、第一子のときも第二子のときも産後はしばらくだるさが続いていました。ところが、産後にほとんど休めなかった第三子のときはまた様子が違っていました。産後の肥立ちの重要性を実感した、私の体験談を紹介します。 産後6カ月で急にダウン第三子出産後、6カ月が経過したころのことです。少し前まで子どもたちが鼻風邪をひいていて、頻繁に通院していたこともあり、私の疲労は心身ともにかなり蓄積していました。 その日は、次男の水ぼうそうの診断のために小児科に行っていたのですが、帰宅後、子どもたちと入浴していると、急に寒気を感じ、震えが止まらなくなってしまったのです。 つらくて涙しながらの家事・育児お風呂からあがり、フラつきながらなんとか着替え、熱を測ると40度超えの高熱でした。夫は出張中で翌々日まで帰宅しません。「病院に行きたいけれど、水ぼうそうの次男は今病院に連れて行けないし、どうしよう……」と、ぼーっとする頭でいろいろと考えました。 水ぼうそうの次男を抱え、休みたいのに休むことができず、つらくて涙しながら子どもたちの対応をしたことを覚えています。 ママ友で同じような経験をした人も幸いなことに、高熱は一晩で平熱に戻りました。その話をママ友にすると、偶然かもしれませんが、私と同じく産後半年ごろ、心身に不調をきたしてしまった人が多いようでした。そしてそれは、私と同じように、産後十分に養生することができなかったママたちばかりでした。 ママによって症状もさまざまでしたが、不調をきたすタイミングが産後半年ごろに集中していたので驚きました。 産後の肥立ちの重要性はわかっていても、休めない人が多いのかもしれません。細切れでも横になる時間を確保するなど、できるだけ休息をとるように心がける大切さを実感しました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:東 慶子三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。
2019年11月30日「子どもをかわいく思えない」「いつもイライラしている」「何もやる気が起きない」などの自覚症状はありませんか? それは、もしかしたら育児ノイローゼかもしれません。子どもとの生活は幸せなはずなのに、つらい、苦しい、逃げ出したい…。お母さんを追い詰める育児ノイローゼの症状や原因、予防法などをくわしくご紹介しましょう。【監修】イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。■育児ノイローゼとは育児ノイローゼって?ノイローゼとは、心の病気の中で神経症をさします。不安といったストレスによって発症するといわれていますが、その定義は曖昧(あいまい)です。出産・子育て中のお母さんが情緒不安定になったり、うつ、睡眠障害などの症状があることを育児ノイローゼといいます。主に、子育てに対する不安や悩みなどが原因といわれています。子育て学協会が6歳以下の子ども(未就学児)を持つ親に行った調査によると、育児の不安を感じるのは1位「いろいろ心配事がある(58.6%)」、2位「育児ノイローゼに共感できる(48.9%)」、3位「子育てに自信がもてない(48.4%)」と、いずれも半数前後が精神的なトラブルをことがわかりました。また、厚生労働省の研究によると、1年間に出産する約100万人のうち、その4%、約4万人が精神疾患の診断もしくは疑いがあり、ヘルスケアが必要とされるという結果も出ています。お母さんの多くが、育児ノイローゼに苦しんでいることが、こういった研究結果でもわかります。産後うつとの違い 診断する医師にもよりますが、育児ノイローゼと産後うつには医学上、はっきりと明確な区別はないようです。産後1カ月くらいからお母さんの約10%が感じる、気分の落ち込み、疲労、不安、焦り、不眠といった症状を産後うつといいます。数カ月から長い場合は数年間続くといわれています。かつては、出産後のホルモンバランスの崩れが原因といわれていました。しかし、産後うつが出る時期にはすでにホルモンの急激な変化は収まっていることから、今では産後の慣れない育児や体の不調が原因ではないかといわれています。一方、育児ノイローゼは、育児の不安や悩みによるストレスから、産後うつと同様な症状が出ます。例えば「子どもが癇癪を起こしていうことを聞いてくれない」「せっかく作ったごはんを子どもが食べない」「夜泣きがひどくて寝られない」といった悩みがストレスとなって、心や体に不調をきたすのです。産後の体の不調、違和感や、子どもとの生活に慣れていないことが原因の産後うつは一過性で長引くことは少ないのに対し、育児の不安が原因の育児ノイローゼは長期化する傾向にあります。そのため、2〜3歳のイヤイヤ期にも育児ノイローゼは発症する可能性があります。誰でも育児ノイローゼになる可能性はある!産後うつは、これまでにうつを患ったことがある人の発症が多いのに対し、育児ノイローゼはそういった傾向はありません。誰でも、発症する可能性があります。■育児ノイローゼ5つの症状育児ノイローゼの主な症状として、次の5つが挙げられます。一つでも当てはまるようなら、育児ノイローゼの可能性があります。育児ノイローゼの症状1: 子どもがかわいく思えない「母親は子どもを愛して当然」という母性愛神話が根強く残るなか、我が子がかわいく思えないとは口に出して言えないでしょう。しかし、毎日の子育てに悩みや不安があり、つらく感じているなら「子ども=ストレスの対象」となっても仕方ありません。そして、子どもをかわいく思えない自分を「母親失格」と感じ、さらに自分を追い詰めるという悪循環が生まれてしまうのです。育児ノイローゼの症状2: イライラが止まらない例えば、子どもが水の入ったコップを倒した、夫が帰宅して「晩ごはんは?」と聞いてきたなど、以前なら気にならなかったちょっとしたことでも、「余計な家事を増やして!」「晩ごはんの支度を急かされているようで嫌だ」とイライラしてしまう…。出産前なら気にならなかった些細なことや言葉に敏感に反応してイライラした気持ちになることはありませんか?。育児ノイローゼの症状3: よく眠れない、寝付きが悪い3時間起きの授乳や夜泣きの時期は、お母さんはあまり長い時間寝ることができませんよね。さらに、寝つきが悪い、寝てもすぐ目が覚めてしまうなどの症状で、一層、心身ともに疲れてしまうでしょう。育児ノイローゼの症状4: 家事がうまくできなくなってきた子どもの生活サイクルに合わせていると、なかなかこれまで通りに家事をこなすこと自体、難しいですよね。育児で心身ともにヘトヘトになっている中、家事へのモチベーションを上げるのは難しいでしょう。育児ノイローゼの症状5: 何に対してもやる気が起きない頭がボーッとして何に対してもやる気が起きない、外出も億くうになって1日、子どもと2人きりで家にこもっている、これまで好きだったことに興味がわかなくなるなど、気持ちの変化はありませんか?何に対しても無気力な生活を送ってしまうのも一つの症状です。■育児ノイローゼの原因育児ノイローゼの原因は、主に「育児に対する不安」が原因0歳代の育児ノイローゼの原因0歳でも、生まれて数カ月と、1歳間近では育児の悩みは大きく違うでしょう。生まれて数カ月は、赤ちゃんは寝ているか泣いているかなので意思の疎通ができず、おっぱい・ミルクも3時間おき。昼夜の区別もないことから、お母さんは24時間、赤ちゃんにつきっきりでしょう。それまでの生活とは180度変わり、どうして泣いているかもわからず、お母さんは戸惑いと不安でストレスを感じるでしょう。一方、0歳後半となると、ある程度表情や言葉で意思の疎通ができるようになり、夜も長く寝てくれるようになってきます。しかし、おすわり、ハイハイ、立っち、歩き始めと動き回れるようになって、危ないことも。さらに、赤ちゃんはお母さんとほかの人と区別できるようになり、後追いを始めます。生まれてすぐとは別の意味で目が離せなくなり、お母さんは一人の時間を持つのは難しいでしょう。1〜2歳代の育児ノイローゼの原因早い子どもなら、1歳後半から「イヤイヤ期」が始まります。なんでも自分でやりたがって、でもうまくできなくて、癇癪(かんしゃく)を起こし泣いて怒って暴れるの繰り返し…。言葉もある程度交わせるようになったとはいっても、通じるかどうか、子どもが理解できるかどうかはまた別の話。そのフラストレーションも合わさって、お母さんが一番、育児をつらく感じる時期かもしれません。3、4歳以降の育児ノイローゼの原因3歳、4歳となると、ほとんどの子どもが幼稚園、保育園に通うようになり、同年代の子どもと集団生活を送ります。子どもの世界が広がると同時に、子ども同士のトラブルも増えます。また、お母さんはほかの子どもと我が子を比較する機会も多くなり、言葉や行動の遅れなどがあると心配になりますよね。また、ほかのお母さんと自分を比べて「どうして私はうまくできないんだろう」「母親として失格かもしれない」と落ち込むこともあるかもしれません。「同じ年代の子どもを持つお母さん」としての世界が広がり、ママ友や相談する相手が増えるメリットがある反面、別のストレスや悩みが増える時期かもしれません。全年齢に共通する育児ノイローゼの原因子どもの年齢に関係なく、共通する育児ノイローゼの原因に、次の3つが挙げられるでしょう。▼ワンオペ育児核家族化で、さらに夫が仕事で忙しく帰りも遅いとなると、育児の負担はお母さんの肩にかかってしまいます。子育て学協会の調査によると、3人に1人が「父親母親どちらか一方に子育ての負担が偏っている」と答えているそうです。特に、仕事復帰前や専業主婦の場合、子どもと24時間一緒で息抜きもできず、いつも緊張した状態が続き、負担が大きいでしょう。▼身近に頼れる人がいない実家や義実家が遠方だと、身近に頼れる人がいないため、一層子育てのプレッシャーを感じることが多いでしょう。保育園や幼稚園に通うようになれば、子どもを通してママ友や園の先生など、相談できる人が増えますが、それ以前は、公園や児童館などで積極的にママ友作りをしない限り難しいといえます。子育ての悩みや不安を気軽に話せる相手がいないことがストレスとなるでしょう。▼完璧主義で手抜きが苦手育児ノイローゼになりやすい性格というのもあるようです。生真面目で完璧主義なタイプは、想定外のことばかりで自分の思い通りにならない子育ては精神的に追い詰められる傾向にあります。そういった人は頑張り屋でもあるため家事や育児に「ま、いいか」と手抜きができず、自覚がないまま育児ノイローゼになっているケースも少なくありません。■育児ノイローゼの予防・解消法育児ノイローゼには原因があります。それを一つ一つ解消していくことが、予防や解消につながるでしょう。育児ノイローゼの予防・解消法1: 誰かと話す育児ノイローゼの原因として、身近に「話し相手がいない」というのが大きいでしょう。まずは誰かと話すことから初めてみます。例えば、お店で店員さんと話す、宅配便の人にお礼を言うなど、一言、二言のあいさつくらいの言葉を交わすだけでも効果があります。また、自治体の子育て支援センターなどが開催している、親子で参加できるイベントに出かけてみるのもいいでしょう。育児ノイローゼの予防・解消法2: ワンオペ育児を解消する24時間365日、子育ての不安と責任がお母さんだけにのしかかる状況をまずは変えましょう。例えば、休みの日は夫に子どもを見て欲しいと相談しましょう。それが難しいようなら、一時保育を利用する、ベビーシッターを頼むなど、育児の分担を。育児ノイローゼの予防・解消法3: 一人の時間を作る子育て中、それも子どもが小さければ小さいほど、「自分一人の時間が欲しい」というのは自分勝手なわがままだと感じ、自分を責めてしまうお母さんは少なくありません。でも、育児ノイローゼの症状の一つ「我が子がかわいく思えない」というのは、ずっとべったり一緒にいるからではないでしょうか。時には夫に子どもを任せ、一人で出かけてみてはいかがでしょう。それが難しいようなら、あらかじめ子どもの安全を確認したうえで、しばらく隣の部屋に移動する、トイレにこもるなどで短時間でも一人になれる時間を作るようにしましょう。育児ノイローゼの予防・解消法4: 人に頼るクセをつける「子育ては母親の担当」という周囲の無言のプレッシャーから、なかなか「手伝って」「お願い」というのは言いにくいですよね。特に、育児ノイローゼになりやすい傾向のある「完璧主義タイプ」「頑張り屋タイプ」はなおさらでしょう。でも、心身ともに不調をきたすまでお母さん一人で抱え込む必要はありません。「子どもはみんなで育てるもの」と気持ちを切り替え、実家の両親やきょうだい、夫、ママ友などに相談して、頼れるところは頼りましょう。育児ノイローゼの予防・解消法5: 手を抜くことを覚える育児に完璧、100点を求めないことが肝心です。子どもとずっと一緒にいると一心同体のような感覚になりますが、どんなに小さくても別の人間で別人格を持っています。あなたがどれだけ完璧な子育て目指して用意周到しても、子どもは思う通りの反応や行動はしてくれませんよね。それならば、お母さんも気楽に「ほどほど」を目指せばいいのではないでしょうか。育児も家事も手を抜けるところは抜いて、お母さん自身が楽になれる着地点を見つけましょう。育児ノイローゼの予防・解消法6: 公的機関で相談する例えば、自治体の子育て支援センターでは、主に乳幼児の子どもを持つ家庭を対象に、公共施設や児童館などで地域に根ざした子育て支援サービスを行っています。自治体ごとに内容は異なりますが、育児講座や親子で参加するイベントの開催、遊び場スペースの提供、子育て相談、保育サービスの案内などを行っています。また、気軽に利用できるように、電話やインターネットで子育てに関する相談を受け付けている自治体もあります。まずは、お住まいの市区町村のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。育児ノイローゼの予防・解消法7:専門家に相談する産婦人科の多くが、産後フォローの一環として、子育て相談にものっています。産後や子どもの健診などで受診した際、相談してみてはいかがでしょうか。また、子育てがままならないほど気持ちが疲弊してしまっているようなら、心理カウンセリングの利用や、心療内科・精神科の受診をおすすめします。その際は、夫にも付き添ってもらいましょう。子育ての大変さや、お母さんが今どういった状態かを第三者である専門家から説明されることで、夫も状況が理解でき、その後の育児参加が期待できるからです。■まとめ育児ノイローゼと一言で言っても、お母さんの状態や置かれた状況、子どもの年齢、周囲の環境などで、その程度も症状もさまざま。ただ一貫して共通しているのは「育児に対する不安」がその原因であることです。「もしかして私、育児ノイローゼかも…」と感じたら、まずは、その原因を取り除くことから始めてみましょう。参考資料:・日本産科婦人科学会 「HUMAN+」 ・日本生活習慣病予防協会 「メンタルヘルスケアが必要な妊産婦は4万人 育児不安や虐待の原因に」 ・労働政策研究・研修機構 「育児と仕事の両立に関する調査」報告書(2003年9月) ・子育て学協会 「幼児期の子育てに関する悩み調査」(2014年)
2019年11月27日待ちに待った赤ちゃんに会えたはずなのに、わけもなく落ち込んだり、イライラしたり、想定外の自分の姿に戸惑いを感じるママたちも決して少なくないのでは?産後の育児がいかに大変なのかはある程度心得ていたつもりなのに、いざ産後を迎えてみると、わけのわからない苛立ちに心が支配され、もはや制御不能。「私の中で一体何が起きているの?」と自分を見失いそうなのが、まさに出産してまもないママのリアルな姿なのかもしれません。そんな産後のメンタル事情についてツイッターで発信したのが、自身も産後のイライラに悩まされた経験を持つ ヲポコさん 。 「産後に現る鬼の飼い方」 では、産後、母親たちの胸の奥に沸き起こる怒りの原因を環境的要因などからもわかりやすく解説してくれています。■産後の母になぜ鬼は現れるのか?「産後に現る鬼」と聞いてピンときたママは、すでにわが身に宿る鬼の存在に気づいているのかもしれませんね。作者であるヲポコさんもかれこれ6年ほど鬼を飼っているそうで、ようやく落ち着きを取り戻した現在、自身の経験をもとにママの産後事情についてツイッターで発信しています。そんなヲポコさんいわく、産後のママに「鬼が出てこない方法はない」のだそう。問題は、その鬼が強いか、弱いか、上手に飼えるかがポイントになるとのこと。しかし、残念ながら産後1年ほどは鬼を上手に飼うことはできないとも話します。だからといってイライラする自分を責めるのは意味のないこと…。イライラを引き起こす要因がさまざま重なり合っている状態のなかで、「優しい母親」「穏やかな妻」をずっと演じ続けること自体がそもそも無理な話なのです。では一体どうしたらよいのか?ヲポコさんは具体的な対処法をこう断定します!ママが一人の時間を持つことは、想像する以上に大切なこと。「なんか最近辛い…」と感じたら、一人時間の少なさや睡眠不足を疑ってみると自分でも納得するはず。しかし、ママが一人の時間を持つには周りの協力が必要になるため、「子育てにも休みが必要であること」を夫婦共に認識することが不可欠。夫婦が同じ方向を向いて育児に取り組めば、ママも再び笑顔を取り戻せるはずなのですが、やはりそこには一筋縄ではいかない現実がある…とヲポコさんは続けます。■育児は「母親がすること」から「夫婦ですること」へ「ママの一人時間」を阻む壁といえば、多くのママたちが感じているであろう夫への頼みづらさ。「パパ一人ではお世話ができないし…」「嫌な顔をされるなら我慢しちゃおう」「そもそも一人時間に使うお金もない…」など各家庭によってもちろん事情は異なります。しかしヲポコさんが「産後の一人時間」を確保することの壁として導き出したのは、あまりに明確で納得できる夫婦それぞれが抱える問題でした。それは…“パパの当事者意識の欠如とママの甘え下手と頑張り癖”。パパとママの育児にギャップが生まれるのは仕方ないことではあるけれど、問題はパパが「自分はちゃんとやっている」と満足して、ママの本心に気づいてあげられないこと。ママ側も「ここまでやって」と言いたくても気を使って言い出せないため、ますます一人で抱え込んで、ストレスがたまるばかり…。それなら思い切ってパパに頼むしかない、パパも覚悟を決めるしかない。なぜなら今この瞬間、夫婦関係の根幹を大きく揺るがす大事な局面を迎えているからなのです。さらに時代は移り変わり、育児がアップデートされるべき時を今、迎えています。しかし、今すぐ考え方を変えることは難しいかもしれませんが、例えば人生の“万が一”を考えた時、パパにだって自ずと危機感が生まれるのはないでしょうか?「これから続く未来において当たり前にママ(妻)がいてくれて、育児も家事も一生やってくれる保証はない…」そんな目をそらしたくなる“万が一”の事態が突然訪れることだってあるのです。だからこそパパの育児に対する当事者意識は、そんな“万が一”の状況におけるリスクヘッジとしても重要なことだと気付くべきなのかもしれません。さらにヲポコさんが育児における夫婦間のコミュニケーションにおいて強調するのが「妻が本当に必要としていることに耳を傾けること」。ネットの情報や誰かの体験談でわかったつもりになるだけでなく、「自分の妻」が本当に欲していることを理解し、逃げずに向き合う姿勢こそが産後の夫婦関係において重要であることを訴えます。■辛い時は「辛い」と言う!甘えることを良しとしよう夫婦の形は画一的でなくてもいいし、ママの物事への感じ方だってもっと自由であってもいいのです。しかし真面目系頑張り屋のママは辛い時に辛いと言えず、「みんなやってるし」、「もっとしんどい人もいるし」と呪いの言葉でますます自分のことを苦しめます。産後のママにとってまずは重要なのは「鬼」の存在を認識すること。そして「鬼」は余裕を失ったママには到底手に負えないことを理解することです。さらに「鬼の巨大化」を止めるためには、ママが周りに対してちゃんとヘルプを出すことも必要だと言います。鬼を飼いならすには、人として最低限の「睡眠」と「一人の時間」の確保が不可欠。逆にその2点が十分に満たせていない状況で自らの鬼をコントロールしようとすれば、うまくいかず、ますますイライラを助長させてしまうだけなのです。そして、ようやく鬼と対峙できる心の余裕を持てた時は、自分自身さえもわかり得なかった心の奥にある声を聞いてみるとよいのだそう。「怒りはどこから来るのか?」「ただ理解されたいだけなのだろうか?」「もっと労ってほしいのか?」それとも「甘えたいだけ?」本心を読み解き、冷静かつ的確に伝えるならどうしたらよいのか? 自分自身を振り返ってみる時間も大切。そして、自分の想いを吐き出す場を設けることがママにとっては何よりも心の救いになるのかもしれません。お友達と思い切りおしゃべりをしたり、一人カラオケで思う存分ストレス発散したり、ヲポコさんのように声にならない想いをツイッターで発信したり、できることはさまざま。辛いときは、ただ我慢をするのではなく、その辛さから解放されるための方法を自分なりに見つけて実践していくことが、多くのママたちにとって産後の鬼とうまく付き合っていくためのヒントになるかもしれませんね。ヲポコさん育児や日々の暮らしの中で感じるモヤモヤをツイッターで発信中。絶賛子育て中のワンオペオタ主婦、二児の母。●ブログ: ヲポポコめも ●Twitter: @wopocco ●note: ヲポコ
2019年11月09日