1人目を妊娠しているときから、「子どもは2人欲しいよね」と夫婦の意見は一致。ですが1人目を不妊治療で授かったので、「2人目不妊になるのでは?」と心配に……。なぜなら1人目ができるまでに、3年かかっていたからです。1人目が落ち着いたら……と、そのときの私はのんびり考えていられませんでした。そのような状況で2人目を授かり、私が感じたことをお伝えします。 2人目不妊を想定して早めに妊活を開始1人目は不妊専門の病院に3年通い続けて、妊娠した経験があります。そのため、子ども同士の年の差を気にしていられませんでした。2人目も不妊となると、1人目を連れて頻回に病院に通わなければいけません。薬の副作用で思うように体が動かないことも……。万が一の事を考えると、私は1日でも早く妊娠できる体に整える必要があると考え、30歳で2人目の妊活をスタート。産後6カ月目のとき生理が再開したので基礎体温の測定を開始して、安定するのを待ちました。そして1人目が生後10カ月のころに断乳をして、葉酸摂取を開始したのです。 予想に反して2人目はすぐに妊娠!結果、1人目を妊娠するまでに3年かかったのですが、2人目は妊活を開始して2カ月で妊娠しました。一番心配していた不妊問題もあっさり解決して、私たち夫婦は晴れて年子を授かることができました。年子は大変だな……と思いましたが、子育てが落ち着いたら早めに再就職をしなければいけなかったので、早々に子宝に恵まれてよかったと一安心! 不妊治療には高額な治療費がかかるため、その分を教育費に回せられると考えると安心できました。 1人目に対してフォローしたこと 子育てはひとりだけでも十分大変ですが、子ども同士の年齢が近ければより手がかかるかもしれないと感じていた私。早々に2人目を考えていたこともあり、1人目には自分でできることはなるべく自分でさせるようにしていました。 自分でごはんを食べる・簡単な脱ぎ着はもちろん、外では抱っこを極力せず「赤いボールまで歩こう!」「あっちにワンワンがいるよ! 見に行こう!」と声掛けをして、歩くことの楽しさを子どもに感じてもらえるよう工夫をしました。しかし1人目も1歳6カ月で、まだまだ甘えたい時期だったと思います。寂しい思いをさせないために、2人目の授乳中も1人目を一緒に抱っこをしたり、2人目が寝ているときは1人目との時間をたっぷりつくるよう意識しました。 私の場合は「不妊」の可能性があったため、2人目はかなり焦って妊活をしました。そのため子ども同士の年齢差も考慮できず、1歳6カ月差に……。ですが常にライバルであり心強い仲間になった子どもたちを見て、今は年子で本当によかったなと思っています。 イラスト/塩り監修/助産師REIKO著者:太田 いこ岡山県在住、年子姉妹の母。フルタイムで働きながらライターとしても活動中。主に、不妊・育児・ママ友などのテーマで記事を執筆している。
2020年11月04日不妊治療は、精神的にも時間的にも経済的にも大変なもの。私の場合、まずは地元の産婦人科に通い、そこから大きな病院に転院しました。通院自体も大変なうえに服薬に複数の検査……。しかし、その終わりが来たのは突然でした。そんな私の不妊治療体験談をお伝えします。 赤ちゃんはそのうち授かるものだと思っていた…結婚3年目にして赤ちゃんを授からない私に、母が「それは不妊だよ」と言いました。当時、恥ずかしながら私自身は焦ってもおらず、のんびりと構えていたのですが、このことを機に少し考えるようになりました。 そこで、地元の産婦人科へ行ったのが不妊治療の始まりでした。最初はタイミング療法で「問題がなければすぐにできる」と言われたものの、結局半年経っても赤ちゃんを授かりませんでした。そして、医師に「うちよりも検査が充実した病院に行ったほうがいいね」と、地元で一番大きな病院を紹介されたのです。 通院と検査と服薬の日々不妊治療専門の病院に毎月車で通い、タイミング療法に加えて、私と夫の生殖機能検査、毎月の服薬に卵巣の確認、人工授精……。これらを何度か実施しましたが、半年以上経っても、一向に赤ちゃんを授かる気配がなく、少し疲れてきたころでした。 医師から「子宮卵管造影検査をしてみないか」と打診を受けて、これを実施。しかし、その直後も妊娠はできず、ゴールの見えない治療にあきらめかけ、熱心に取り組めなくなってしまいました。 久しぶりの“治療をしなかった”月に通院している病院が諸事情で1週間ほど休診になったことがあるのですが、折しも私のスケジュールとぴったり合致してしまい、そこで久々の「服薬も検査も何もしない月」ができてしまいました。 次の通院のために記していた基礎体温がなかなか下がらず、まさかと思って妊娠検査薬を用いてみたところ、なんと陽性! そのときに宿ってくれた赤ちゃんは、結果、私たちの子どもとして生まれてきてくれることになったのです。 とはいえ、私としては治療が無意味だったわけでなく、服薬や基礎体温の管理で「妊娠しやすい体」になっていたのかもという印象でした。そして、久々の「服薬も検査も何もしない月」に、気負わずリラックスしていたこともよかったのかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:半田あきら一児の母で専業主婦。家事や子育てのかたわら、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2020年11月02日菅内閣が発足し、少子化対策の目玉として「不妊治療への助成拡大」を掲げています。現在、不妊治療のうち、公的な医療保険の対象となっているのは、タイミング法や排卵誘発法など、ごく一部。体外受精や顕微受精といった高度な不妊治療は、高額な治療費の一部を条件付きで国と地方で助成する制度がありますが、公的な医療保険の対象外となっています。子どもを持つことを希望する人たちにとって、重い費用負担の軽減につながる、支援の拡充は朗報と言えます。 不妊治療の種類って?そもそも、不妊治療にはどんなものがあるのでしょう? ●タイミング法(保険適用)超音波検査や尿検査などにより、排卵日を予測して性行為のタイミングを合わせる方法 ●排卵誘発法(保険適用)薬によって卵巣を刺激し、排卵を起こさせる方法 ●人工授精(保険適用外)採取した精液から精子を取り出し、排卵の時期に合わせて細いチューブで子宮内に注入することで妊娠を試みる方法 ●生殖補助医療(保険適用外)体外受精と顕微授精がある。体外受精は、培養器内で人為的に卵巣から取り出した卵子と精子を混ぜ合わせ、受精前に女性の卵管に戻す方法(GIFT)と人為的に卵巣から取り出した卵子と精子を培養器の中で受精させ、培養したあと順調に発育した良好な胚を子宮に戻す方法(IVF-ET)がある。顕微授精は人為的に卵巣から取り出した卵子の中に精子を顕微鏡下で注入して授精させ、受精卵を培養したあと順調に発育した良好な胚を子宮に戻す方法。(ICSI-ET) 下に行くほど高度な治療法となっており、選択した治療法で妊娠が得られない場合には、必要に応じて高度な治療へステップアップしていきます。 高度な不妊治療ほど費用も高額に。半数以上の人が100万円越え不妊治療にかかる費用は高度な治療になるにつれ高額となっています。2018年にNPO 法人 Fine(ファイン)が実施した「不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018」では、体外受精の1周期あたりの平均費用は30万~50万未満と回答した人(44%)が最も多かったのですが、50万円以上と回答した人(43%)と拮抗。50万円以上と回答した人は2010年の調査と比較して約2.5倍に増加しています。また、顕微授精についても50万以上と回答した人は2010年と比べて約2倍と、治療費が高額化しています。 出典:NPO法人Fine()「不妊治療と経済的負担に関するアンケート 2018」より さらに治療費の総額が100万円を超えていると回答した人は半数以上、最も多い回答は100万~200万円未満(24.1%)となりました。これも、近年は300万~500万未満、500万円未満と回答した人の割合が増えつつあります。出典:NPO法人Fine()「不妊治療と経済的負担に関するアンケート 2018」より なお、国は不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、不妊治療に要する費用の一部を助成しています。給付の内容は以下の通り。 ・対象者(1) 特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦 (2)治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦 ・対象となる治療体外受精及び顕微授精(以下「特定不妊治療」といいます) ・給付の内容(1) 特定不妊治療に要した費用に対して、1回の治療につき15万円(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等については7.5万円)まで助成する。 通算助成回数は、初めて助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときは6回(40歳以上であるときは通算3回)まで。ただし、平成25年度以前から本事業による特定不妊治療の助成を受けている夫婦で、平成27年度までに通算5年間助成を受けている場合には助成しない。(2) (1)のうち初回の治療に限り30万円まで助成。(凍結胚移植(採卵を伴わないもの)等は除く) (3) 特定不妊治療のうち精子を精巣又は精巣上体から採取するための手術をおこなった場合は、(1)及び(2)のほか、1回の治療につき15万円まで助成。(凍結杯移植(採卵を伴わないもの)は除く) (4)(3)のうち初回の治療に限り30万円まで助成。 所得制限 730万円(夫婦合算の所得ベース)※厚生労働省HPより引用 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年4月、日本生殖医学会より日本で新型コロナウイルス感染の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊婦さんが使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期を選択肢として患者さんに提示するよう推奨する旨の声明が出されました。その声明を受け、厚生労働省は新型コロナウイルス感染防止の観点から一定期間治療を延期した場合、時限的に、 年齢要件を緩和する方針を発表しています。 ①対象者について療期間初日の妻の年齢「43歳未満」↓「44歳未満」 ②通算助成回数について初回助成時の治療期間初日の妻の年齢「40歳未満」の場合は通算6回まで(40歳以上43歳未満の場合は通算3回まで)助成 ↓「41歳未満」の場合は通算6回まで(41歳以上44歳未満の場合は通算3回まで)助成 NPO 法人 Fine(ファイン)が実施した「不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018」では、助成を申請していないと回答した人が約6割に上り、申請しない理由は「所得制限を超えるから」が最も割合が高く41%(体外受精・顕微授精の経験がある人では約 65%)、次いで「受けている不妊治療が助成の対象ではないから」が 34%という結果となっています。 近年の助成延べ件数は14万~16万件となっていますが、平成27年度をピークに微減しています(表参照)。 出典:厚生労働省「不妊に悩む夫婦への支援について」より 菅政権の不妊治療拡充では保険適用・助成拡大を目指すそこで、厚生労働省では、今年9月に体外受精などの不妊治療を受ける夫婦への助成金の増額を求める方針を盛り込んだ2021年予算の概算要求をまとめました。そして、10月8日に行われた公明党の検討チームの初会合で、日本産婦人科学会に登録する600余りの医療機関などを対象におこなっている不妊治療の実施件数や費用に関する実態調査について、来月中に結果をまとめたいという考えを示しています。また、9月29日に行われた田村憲久厚生労働相の記者会見では、政府が調整する不妊治療の助成制度拡充の対象について「事実婚も含めて検討する」と表明しています。さらに、10月26日のNHK番組に出演した際には不妊治療の保険適用について男性も対象にするかという質問に対して「そうしたい」と述べ、「(適用までに)少し時間はかかる」「それまでの間は支援策を大幅に拡充したい」と説明しています。 2019年には1年間の出生者数が86万人台と過去最少となり、「86万ショック」と呼ばれました。少子化の原因として、未婚化、晩婚化だけでなく、有配偶出生率の低下も指摘されています。政府は今年5月に少子化社会対策大綱を改訂。希望出生率1.8を目指して、結婚前、結婚、妊娠、出産、子育て等、総合的な対策を打ち出しました。それを発展させる形で菅政権では、少子化対策の目玉として、不妊治療の保険適用・助成拡大を目指しています。 まとめ不妊治療の経済的な負担は大きく、現在の助成対象は限定的であるため、菅政権が掲げた不妊治療の保険適用と助成拡大は、少子化に歯止めをかける起爆剤となる可能性があります。次回は不妊治療のリアルについて、当事者のインタビューなどを交えて紹介します。
2020年10月29日不妊治療を選択する夫婦は、年々増加している。厚生労働省の統計によると、夫婦5.5組に1組が何かしらの不妊治療を経験。体外受精で生まれた子どもの数も増加しており、’18年には過去最多の5万6,979人となった(日本産科婦人科学会)。同年の総出生数は91万8,400人で、16人に1人が体外受精で生まれた計算になる。そんななか、菅義偉首相は2年後をめどに、不妊治療を保険適用の対象にする方針を明言した。妊活相談サービス「ファミワン」の不妊症看護認定看護師の西岡有可さんは現状をこう説明する。「現在、不妊治療のほとんどは保険適用されない自由診療。1回数十万円という治療費がかかることもあり、不妊に悩む夫婦の大きな負担となっています。助成金制度もありますが、所得や年齢などの制限があるため使える人は限定的。貯金を取り崩したり、親の援助を受けていたりする夫婦が大半です」不妊治療は保険適用の範囲が狭く、高額な治療費がかかる。妊娠までに何年も治療して、“家が建つ”ほどお金を使うケースも。保険適用化は子どもを望む多くの夫婦にとってうれしい改定だろう。西岡さんのところには、「これまでのような治療が受けられるのか」「保険適用されるまで治療を待ったほうがよいのか」などの相談が増えているという。「体外受精は医療の技術差が大きいだけに、どの病院でも同じレベルの治療が行われるようになるのを期待する声はあります。しかし、2年後の保険適用を期待して治療を先延ばしにするよりは、少しでも妊娠の可能性が高いうちから治療に取り組んだほうがいいでしょう」一方、日本産婦人科医会の宮崎亮一郎常務理事は「喜んでばかりもいられない」と懸念する。「現在、保険診療と自由診療を同時に行うこと(混合診療)は認められていません。保険診療で認められる治療は画一的なもの。自由診療なら可能な、一人ひとりに合った治療法を選ぶということはできなくなり、これまでより出生率が下がる可能性があります」「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月22日高額な治療費がかかる不妊治療。保険適用化は一見喜ばしく思えるが、実施にあたっての課題は山積みだ。見過ごせない懸念を、現場の専門医に聞いたーー。不妊治療を選択する夫婦は、年々増加している。厚生労働省の統計によると、夫婦5.5組に1組が何かしらの不妊治療を経験。体外受精で生まれた子どもの数も増加しており、’18年には過去最多の5万6,979人となった(日本産科婦人科学会)。同年の総出生数は91万8,400人で、16人に1人が体外受精で生まれた計算になる。そんななか、菅義偉首相は2年後をめどに、不妊治療を保険適用の対象にする方針を明言した。不妊治療は保険適用の範囲が狭く、高額な治療費がかかる。妊娠までに何年も治療して、“家が建つ”ほどお金を使うケースも。保険適用化は子どもを望む多くの夫婦にとってうれしい改定だろう。だが、年間5,000件以上の体外受精を行っている浅田レディースクリニックの浅田義正先生は、問題点をこう話す。「保険診療によって患者さんの費用負担が軽くなるのは喜ばしく、私も大賛成です。しかし“体外受精は一律でこの点数(金額)”と決められたらどうなるでしょうか。体外受精にも施設ごとにいろいろな方法があり、結果もピンキリ。それを一律何点、とすることは、高級料亭でも屋台でも、食事は1回いくらと決めるようなものです。そうすると、飲食店はおいしいもの、良質なものを提供するのではなく、その料金に合わせた料理をつくるようになります。クリニックにおいても、1回の治療の売り上げが同じなら、治療数を多く、原価を安くすることが利益につながる。その結果として、手間や費用をかけない“手抜き治療”が横行し、妊娠率の低い治療を繰り返し行い、何度も通わせるクリニックが増える可能性は否めません」保険適用によって、母体に危険な負担を強いることになるのだ。現在不妊治療に使われている薬剤が使えなくなってしまう可能性もあるそう。「あまり知られていないのですが、治療に使える薬剤にも制限がかかるかもしれません。保険適用になれば、体外受精で使用する培養液や機材などの適応認可も必要となります。そのための治験には莫大な費用と時間が必要です。すると、現在使用されている薬剤の適応認可が下りない、遅れるということも考えられ、保険適用範囲で治療している期間は使いたい薬剤が使用できなくなる可能性も出てきます。その結果、今までどおりの治療が受けられなくなる場合も」人材不足の問題も今以上に深刻になるという。「培養室は不妊治療の根幹ですが、胚培養士を育てる公的な育成機関はほとんど機能しておらず、院内で育てる必要があります。クリニックの収入は治療費しかないので、その教育費用は患者さんからいただく治療費から捻出することになります。しかし、その育成費用などを考慮しない点数設定をされてしまうと、スキルのある人材を育てる資金がなくなり、クリニックのレベルが大きく下がりかねません」保険診療では結果が出る治療が受けられないとなれば、結局、患者は自由診療での治療に頼らざるをえなくなる。だからといって、どのクリニックがよいのかなどの情報を得るのは、ますます難しくなるという。「保険制度の原則は“日本全国どの施設でも、同一料金で、同一レベルの治療ができる”。そのため、どこの病院がよい、悪いという情報は逆に出てこなくなります。たとえば、現在保険適用されている病気の治療について、医療機関ごとの成績が開示されているでしょうか?」国際生殖補助医療監視委員会が’16年に作成したレポートによると、日本における体外受精の実施数は世界1位。しかし、体外受精による出産率(1回の採卵あたり)は世界最低レベルだ。浅田先生はその理由を「効率の悪い体外受精が繰り返し行われているため」と説明する。「体外受精で妊娠に至る受精卵を得るには、35歳まででも平均14〜15個の卵子が必要です。そのため、海外ではホルモン剤を使用して1度の採卵で多数の卵子をとる方法が一般的。しかし、日本ではホルモン剤を使用せず、1度の採卵で卵子を1〜2個だけとる自然周期採卵が多く行われています。採卵は月1度しかできないので、15個集めるには1年以上かけて、何回も採卵をする必要が。この治療法なら医師の知識や技術、経験が浅くてもできるため、不慣れな医師を雇っても多数の患者さんを受け入れられる。だから今も多く行われているのです。こうした経営効率を重視した治療が保険適用の基準となることで、結果につながらない体外受精が増えるのではないかという点も、危惧しています」イギリスの国立医療技術評価機構(NICE)のガイドラインでは、《自然周期採卵はメリットがないので勧めてはいけない》と明記してある。「結果につながる治療に対して公的資金を投入するべきではないでしょうか。混合診療も視野に、同一料金で同一レベルの医療が受けられ、さらに高度な最新治療は患者さんの選択によって自由診療で受けられるようになるなど、保険と自費の線引きがうまくできればよいのですが……」不妊治療の保険適用、手放しでは喜べなさそうだ。「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月22日初潮が始まってから、ずっと順調だと思っていた生理。それが、アラサーになって、突然、生理周期が乱れるようになりました。そして結婚後、不妊検査をしてみたらある事実が判明したのです。 「ちょっと変?」でも大事だとは思っていなかった初潮からずっと周期通りに来ていた生理。しかし、28歳ぐらいから乱れることが多くなりました。 まず、経血量が極端に少なくなりました。ナプキンに「なんとなく血がついてる」ぐらいの量で、3日ほどで生理が終わることがありました。そして、生理が予定日から1カ月半ぐらい遅れることもあったのです。 それでも、なんとなく生理は来ていたし、もともと量も特に多いほうではなかったこともあり、私は重大な事とは考えず、放置していたのです。 不妊検査を受けてみたら、意外な病が判明…その後、私は結婚。そして、不妊検査をすることになりました。 検査後、婦人科医から説明されたのは、「ホルモン値が若干異常である」ということ、そして「その周期は排卵していない」ということ。その後は、再度婦人科を受診して、採血によるホルモン値検査、フーナーテスト、AMH検査、卵管造影など、ひと通りの不妊検査を行いました。 初めの卵胞検査で排卵していないことはわかっていましたが、その後の検査で、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の値の異状がわかり、排卵しにくいことが確定。つまり、「無排卵月経」だったということがわかったのです。 ※無排卵月経(無排卵周期症)とは正常な月経周期では、排卵が起こり、妊娠が成立しなかった場合、月経となります。これに対し、無排卵月経では、排卵が起きていないのに、月経のような出血がみられることが特徴。無排卵周期症においては、生理周期の長さが一定ではないことが多く、月経期間(日数)も短かったり長かったりしますが、正常な月経と区別できない場合も。なお、無排卵月経は不妊の原因にもなります。 無排卵月経だけど、赤ちゃんが欲しい!治療に通った結果…無排卵月経ということがわかってからは、約2週間に1度婦人科を受診し、排卵誘発剤の処方をしてもらいつつ、卵胞検査を行いました。 そして、治療開始から3カ月。私は、赤ちゃんを授かることができました。排卵誘発剤でちゃんと排卵できていたこと、卵管造影検査後で妊娠しやすくなっていたことにより早く結果が出たのかもしれません。もし、あのとき病院に行かなければ、子どもを授かれるようになるまでには、すごく時間がかかっていたと思います。 私は無排卵月経であったことが早くわかったおかげで、無事に妊娠することもできました。生理は「今まで順調だったから大丈夫」と慢心していてはダメ。女性の身体は歳とともに変化していくのだから、少しでもおかしいと思ったら、早めに婦人科を受診するべきだと思いました。 監修/助産師REIKO-----文/くまさん
2020年09月23日不妊治療をしている人にとって、仕事と治療の両立は大きな悩みになっています。精神面の負担が大きいことや、通院回数が多いことなどが両立を妨げる原因となり、結果として不妊治療を諦めてしまう人や、逆に会社を退職してしまう人も少なくありません。 そんななか厚生労働省から、不妊治療と仕事の両立のため、職場で不妊治療への理解を深めてもらうためのサポートハンドブックが発行されました。 不妊治療と仕事の両立サポートハンドブックを厚生労働省が発行日本では、不妊を心配したことのある夫婦は3組に1組、そして実際に不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は5.5組に1組にも及びます。(※1)これほど多くの人が治療をしていながら、職場では不妊治療について、あまり知られていないのが現状です。仕事と治療の両立に苦しみ、ある日突然会社を辞めてしまう「不妊退職」ということも起こっています。できれば仕事を続けたいと思いながら退職するのは、企業や社会にとっても大きな損失といえます。そこで厚生労働省では、2020年3月、働きながら不妊治療に取り組む人を支援するため、『不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック』を発行しました。このハンドブックのサブタイトルは「不妊治療を受ける方と職場で支える同僚の皆さんのために」。不妊治療に関して、不妊治療を受ける当事者はもちろん、職場の上司や同僚などが知っておくべき情報が、わかりやすくまとめられています。 (※1)国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」より <参考リンク>厚生労働省:『不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック』 仕事をしながら不妊治療をすることの難しさ厚生労働省の調査によると、不妊治療をしたことがある(予定している)働く人のうち、仕事と治療を両立している(両立を考えている)人の割合は53.2%ですが、仕事と不妊治療の「両立できずに仕事を辞めた」「両立できずに不妊治療をやめた」「両立できずに雇用形態を変えた」という人は34.7%にも及びました。(※2) 仕事と治療が両立できなかった理由では、「精神面で負担が大きいため」「通院回数が多いため」「体調、体力で負担が大きいため」などのほか、「待ち時間など通院にかかる時間が読めない、医師から告げられた通院日に外せない仕事が入るなど、仕事の日程調整が難しいため」といった切実な悩みが挙げられています。 (※2)厚生労働省「平成29年度『不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査』」より 不妊治療をしている人は身近にいる不妊治療のなかでも高度な治療に体外受精や顕微授精があります。こうした生殖補助医療(ART)によって、2017年には日本で5万人以上の赤ちゃんが生まれていて、これはその年に生まれた赤ちゃんの約17人に1人の割合になっています。(※3) このほか、タイミング法や人工授精といった一般不妊治療で妊娠する人も数多くいるので、実に多くのカップルが不妊治療で子どもを授かっているのです。つまり、知らないだけでまわりに不妊治療体験者がいる、ということ。ですから、職場に治療中の人がいても珍しくはないのです。そんなときに大切なのが、正しい情報を知って接することです。 (※3)ARTの出生児は日本産科婦人科学会の「ARTデータブック」より。出生数は厚生労働省「人口動態統計」より 正しく知ることでハラスメントを防げる今回、厚生労働省が制作した『不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック』には、不妊治療の現状や治療の方法、職場で配慮すべきポイントなどが紹介されています。 不妊治療がどのようなスケジュールで進むのか、どれくらいの頻度で通院が必要なのかなど、一般的に浸透していない情報は多くあるものです。しかし、知らないことで「いったいいつ妊娠するんだ?」「また病院に行くの? 仕事をやめて治療に専念したほうがいいんじゃないの」といったプレ・マタニティハラスメントに問われる発言も起こりかねないのです。 こうしたことを防ぐためにも、多くの人が不妊治療の現状を把握し、理解することが重要です。ハンドブックは不妊治療をしている人と同じ職場で働く上司や同僚に向けた内容になっていますが、一般的な知識として知っておきたい情報といえます。 また、不妊治療を受けているまたは受ける予定の人に向けて、自分の会社の制度をよく調べるようアドバイスが記載されています。さらに、職場へ不妊治療中(または治療予定)であることを伝え、不妊治療と仕事の両立に関する配慮を求めるためのツールとしても使用できる「不妊治療連絡カード」についても紹介されています。 事業主や人事部門に向けたマニュアルも発行厚生労働省は、事業主や人事部門向けとして『不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル』も同時に発行しています。 こちらは、企業が不妊治療と仕事の両立支援に取り組む意義や、不妊治療と仕事の両立支援導入の具体的なステップなどについて取り上げたものです。実際に制度を導入している企業の支援内容や導入・運用のポイント、さらに利用者の声も紹介されています。 <参考リンク>厚生労働省:『不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル』 NPOも企業の制度導入をサポートさらに、不妊体験者を支援するNPO法人Fineでも、2020年3月に『不妊治療支援を通じたさらなる女性活躍推進について制度導入促進ガイド』を発行しています。当事者の立場から、企業に望むサポートを伝えるとともに制度導入を提案し、企業向けにオンライン相談会も実施しています。 働きながら不妊治療に取り組めるように、多方面から支援がスタートしています。身近な社会課題といえる不妊治療と仕事の両立について、まずは正しい情報を得ることが大切です。 <参考リンク>厚生労働省:不妊治療と仕事の両立に関するマニュアルとハンドブックを作成しましたNPO法人Fine:Fine妊活プロジェクトみらいAction『制度導入促進ガイド』 著者:ライター NPO法人Fine 理事准ファンドレイザー 野曽原誉枝(のそはらやすえ)福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年間の不妊治療を経て、2012年12月に男児を出産。自らの不妊治療と仕事の両立での経験、高齢出産の経験から、今の妊活、多様な家族形態を認め合う社会を作るために2013年よりNPO法人Fineに参画、2014年9月同法人理事に就任。主にFine妊活プロジェクト~みらいAction~の推進と企業や自治体向け啓発活動に力を入れている。
2020年09月09日不妊治療のために仕事を辞める「不妊退職」。厚生労働省やNPO法人Fineの調査によると、日本では働きながら不妊治療をしている女性の4〜5人に1人が不妊治療と仕事の両立ができずに退職したという結果に。さらに、不妊退職による国内の経済損失額は1,345億3363万円に上ることが明らかになっています。 不妊治療と仕事の両立が困難な理由NPO法人Fineが2015年(※1)、2017年(※2)に実施した不妊治療と仕事の両立に関するアンケートでは、両立が困難と答えた人がそれぞれ92%、96%という結果に。また2018年の厚生労働省による「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業(※3)でも「両立が困難」と答えた人が87%と、不妊を取り巻く労働環境に大きな変化は見られませんでした。「両立ができずに退職した」と答えた人は、Fineの調査では約20%、厚生労働省の調査結果は23%と、働きながら不妊治療をしている女性の4〜5人に1人が不妊治療と仕事の両立ができずに退職したという結果が出ています。 なぜ不妊治療が仕事と両立しづらいのでしょうか。理由は、突発的で頻回な通院にあります。これは不妊治療が“女性の生理周期”に合わせて進められるためです。女性の生理周期は個人差もありますが一般に25~38日ぐらいで、複数のホルモンの複雑な相互作用によって調節されているため、毎月一定ではありません。そのため事前に通院日が決定できないことが多く、先の予定が立てにくいのです。また、同じ人が同じ治療をおこなっていてもそのときの体調によって生理周期も変わりますし、薬の効き目なども変わるため、治療スケジュールを立てにくいのです。 そのうえ、最も高度な治療(体外受精や顕微授精)をおこなっても出産率は12%程度(※4)で、治療を続けていれば妊娠・出産できるというものではありません。「これ以上周囲に迷惑をかけられない」と自ら退職を選ぶ女性もいれば、上司や周囲からのプレ・マタニティハラスメント(※5)によって退職を選択せざるを得ない人もいます。そして多くの人が「自己都合退職」として退職の理由を明かさないため、不妊退職の現状が企業側に見えていないことも大きな課題です。 (※1)NPO法人Fine「仕事と治療の両立についてのアンケート」調査結果報告(2015年)(※2) NPO法人Fine「仕事と不妊治療の両立に関するアンケート Part 2」結果速報(2017年)NPO法人Fine「仕事と不妊治療の両立に関するアンケート Part 2」結果(2017年)(※3) 平成29年度 厚生労働省 不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業(※4) 生殖補助医療による出生児数(2017年累計出生児数)は『日本産科婦人科学会雑誌第71巻第11号』より引用(※5)NPO法人Fine「プレ・マタニティハラスメントについて」 企業には見えない、不妊退職の経済損失※NPO法人Fineプレスリリースより抜粋 実際に不妊退職による経済的損失はどれだけのものなのでしょうか。Fineでは、第一生命経済研究所による「出産退職の経済損失」の試算(※6)を参考に、不妊退職の経済損失を試算しました。その結果、企業活動の付加価値が1,345億3,363万円(※7)減少していると推定することができました。この数値には退職者への育成費用や新規人材雇用のための費用は含まれていませんので、見えない不妊退職による企業の経済損失はさらに増えると推定できます。 見えない不妊退職を防ぐためには、不妊治療についてや当事者の負担を正しく知り、不妊治療と仕事の両立に関するサポート環境を充実することが必要となっています。これは不妊治療にかかわらず、男女や年齢問わず、闘病や介護、育児の両立を支援する体制作りにつながると考えています。 (※6) 第一生命経済研究所 ニュースリリース「出産退職の経済損失1.2兆円」(※7)NPO法人Fine プレスリリース「不妊治療の理解を求める国会勉強会を開催!」 著者:ライター NPO法人Fine 理事准ファンドレイザー 野曽原誉枝(のそはらやすえ)福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年間の不妊治療を経て、2012年12月に男児を出産。自らの不妊治療と仕事の両立での経験、高齢出産の経験から、今の妊活、多様な家族形態を認め合う社会を作るために2013年よりNPO法人Fineに参画、2014年9月同法人理事に就任。主にFine妊活プロジェクト~みらいAction~の推進と企業や自治体向け啓発活動に力を入れている。
2020年09月07日結婚後、1年経過しても妊娠しなかったので、不妊治療専門の病院に通いました。実際に通ってみてつらかったこと、でも治療してよかったなと思うことをお伝えします。 まずは検査を受けることに結婚して1年。夫婦で妊娠を待ち望んでいましたが、なかなか妊娠できないので、不妊治療専門の病院へ。まずは夫婦ともに、不妊の原因になりうる感染症や体質的に妊娠しやすいかどうか、各種検査を受けました。 そのなかでも特につらかったのが、卵管造影検査。「生理痛がひどい場合はちょっと痛いかも」と主治医に言われ、実際、生理痛がひどい私には激痛でした。 次に各種検査の結果を聞きにいき、私はとある感染症にかかっていることが、そして夫は精子の運動率が低いことが判明。お互いに自覚がなく、なんだかとてもショックを受けたことを覚えています。 タイミング療法と人工授精にトライ各種検査の結果がわかり、主治医と治療方針を立てることに。まずは3回、タイミング療法にトライしましたが、うまくいかず。早めの妊娠を希望し、人工授精に切り替えました。しかし、2回人工授精をおこなっても、妊娠しませんでした。 当時はフルタイムで働いており、職場の上司には不妊治療中であることを伝え、理解を得ていました。しかし、私が通った病院は、院長がひとりで治療方針を立てるところだったため、予約しても待ち時間が長い! 仕事を休んだり、時間休を取りつつ、長いときは受付から会計まで6時間……という状況。 また、人工授精の実費負担もあり、大変な割に妊娠しない……。次のステップに進めば体外受精で、さらに実費負担がかさむな……と、うまくいかないことがつらく、先々の不安が重なって、ついに通うことを中断してしまいました。 なんと自然妊娠!ところが中断してすぐ、念のためタイミングだけ取っていたのですが、なんと自然妊娠! 主治医にも驚かれました。思えば、検査結果がわかってから、夫は主治医に相談して、すすめられたサプリメントを摂取し、私は感染症の治療をしたことや、行き詰まったときに思いきって治療を中断したことが気分転換になり、よかったように思います。 不妊治療は、精神的・経済的な負担が大きく、今思い出しても、とにかくつらく大変でした。ただ、不妊の原因がちゃんとわかり、現実的に必要な治療ができたことは、本当によかったなと思っています。 それから、あまりにつらいと感じたときは治療を中断し、気持ちをラクにすることも必要なことだったのだと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/しおみなおこ監修/助産師REIKO 著者:野田 理恵もうすぐ2歳になる女の子の母。福祉関係の仕事に従事するかたわら、記事執筆をおこなう。
2020年07月31日「不妊治療をしています」「していました」ということをなかなか周りの人たちに言いづらかったのですが、勇気を出してカミングアウトすることで、職場で配慮を受けられたり、仲間が見つかったりすることがありました。「不妊治療をしている(いた)ことを周りに伝えてよかったな」と感じた私の体験談をお伝えします。 不妊治療のため勤務時間を調整してもらった 不妊治療を始める前は、フルタイムのパートとして週5日、1日8時間働いていました。でも、不妊治療を始めると、治療のために休みがちになってしまいます。しかも病院からは「生理1〜3日目までにきてください」とか「次は明後日きてください」と言われるので、前もって通院の予定が立てられません。 はじめは「不妊治療するなら、仕事を辞めるしかないのかなぁ」と思ったのですが、ダメ元で上司に「不妊治療を始めたいので、勤務時間を短くしてほしい」とかけあってみることにしました。上司は驚きつつも快く承諾してくれて、短時間勤務だけど健康保険もそのまま加入し続けられるように配慮してくれました。 短時間勤務になったあとは、可能な限り勤務後の時間に通院の予約を入れるようにして、できるだけ仕事を休まないように調整し働き続けることができました。もちろんどうしても休まないといけないこともありましたが、上司も事情をわかってくれているので、後ろめたい思いをすることもなかったです。仕事を辞めなかったことで、妊娠後も働き続けることができ、産休・育休もとらせてもらって育休給付金を受給できたので、経済的にも助かりました。職場には感謝していますし、勇気を出して伝えてよかったなと思っています。 Twitterで同じ悩みを持つ人と繋がった不妊治療は夫婦で取り組むものですが、一般的に通院回数などは女性のほうが多く、精神的にも肉体的にも女性にかかる負担の方が大きくなりがちだと思います。 私は不妊治療中、夫がつらさをあまり理解してくれてない気がして、気が滅入ってしまうことが多くありました。 例えば、年賀状を見ているとき。夫が「俺たちよりあとから結婚した友だちのところに子どもが生まれたんだって、早いよね」と言ってくるんです。夫に悪気はないのですが、「なんでわざわざ神経を逆撫でするようなこと言うの?」と苛立ってしまいました。 そんなときに逃げ込んだのがTwitter。不妊治療中の見ず知らずの人たちと繋がり、夫への愚痴ツイートや、「つらい、しんどい」というツイートにコメントしあうことで心が晴れて、「また治療頑張ろう」という気になれました。私はTwitterでは本名を公開していなかったので匿名ではありますが、治療内容や思いをオープンにすることで、心のバランスを保っていた気がします。 ママ友との絆が深まった体外受精をして第1子を授かって2年、再度体外受精にチャレンジして第2子を妊娠することができました。 そのころ公園で仲良くなったママ友と話していると、そのママ友が「うちも2人目が欲しいけど、なかなかできないから羨ましい」と打ち明けてくれました。 私が「実はうちは2人とも不妊治療で、体外受精でね……」と伝えると、ママ友は驚きつつ「いや実はうちも今クリニックに通い始めて人工授精から始めていて……ねぇねぇ、最終的にいくらかかった? 体外受精の体への負担ってどうだった?」と。 かなり会話が弾み、自分の経験をママ友に伝えることができました。悩みを共有するもの同士、絆が深くなった気がしますし、そのママ友とは引越して離れたあとも連絡を取り合う仲です。 不妊治療中はいろいろなことをひとりで抱え込んで悩んで孤独になりがちでしたが、会社にも理解ある人がいたり、周りの友だちにも不妊治療中の人がいたので、勇気を出してカミングアウトしてよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKOイラストレーター/しおみなおこ 著者:矢野あい子2歳の女の子、0歳の男の子の母。子どもは2人とも体外受精で授かる。
2020年07月30日私は不妊治療をこなすだけでもメンタル的、肉体的、経済的にもつらい日々が続いていました。不妊治療もなかなかうまくいかず、不妊治療を始めてから4年目、4軒目の病院で妊娠することができましたが、喜んでいたのも束の間、流産がわかります。その後も、私は流産を繰り返して不育症の治療をおこなうことに。結果、不妊症と不育症を乗り越えて元気な赤ちゃんを授かることができました。困難を乗り越えて出産した経験をお伝えしたいと思います。 4度目の流産で不育症がわかりパニックに長い不妊治療を経て、私はやっとのことで妊娠することができたのですが、赤ちゃんの心拍確認後に流産したことがわかりました。言葉では表すことのできないショックが私を襲い、不妊治療をやめることにしました。 けれども私は自分の妊娠を諦めることができない気持ちに気づき、2年後に不妊治療の再開を決意。しかし、待っていたのは3度の流産でした。「もしかして妊娠しても出産できない?」。そのとき、初めて不育症の可能性を意識するようになり、私はパニックを起こしてしまいました。 不妊治療と不育症の治療を開始私はパニック状態から抜け出すことは難しく、時間もかかりましたが、自分の目的を考えると耐えて進む他に道はないのだと気づきました。そんななか、5回目の妊娠を確認。私は不妊治療でお世話になっている病院の先生にアドバイスをいただいて病院を選び、不育症の治療も始めることに。 不育症の治療は、初回の診察で不育症の治療のために、問診とは別にアンケートと採血をおこないました。検査結果は特に問題はなく、経過観察をすることになりました。 原因不明の不育症と経過観察私は不育症の検査結果に問題がなかったため、安心した反面、原因が見つからないことに不安も感じました。不育症の原因が特に見当たらない場合は、経過観察をすることを聞き、不妊治療(妊娠を継続させるための投薬)と不育症の経過観察をおこなうことになりました。 私は不妊治療の病院へ指定された日時に通院しながら、不育症の病院へも指定された日時に通うことに。不妊治療は妊娠7週目まで通い、不育症の病院へは妊娠8週(妊娠3カ月)まで通院。その後、私は不妊治療と不育症治療とは別の出産病院へ転院し、無事に出産することができたのです。 不妊治療と不育症の治療を経て、無事に健康な赤ちゃんを出産できたことをとてもうれしく思っています。生まれた瞬間、赤ちゃんを愛おしく思う感情は今でも忘れることができません。けれど、私の場合は結果がついてきたからこそある幸せなのだと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年07月20日28歳のときに不妊治療で第一子を授かり、出産した私。第一子である娘が1歳を過ぎたころから第二子の不妊治療を始めたのですが、治療を受けるなかで失敗したと思うことがいくつかあります。今回はその失敗体験を紹介します。 不妊治療の記録をすべて捨てた待望の第一子は、タイミング法を3回したあとの人工授精3回目で授かりました。おなかの赤ちゃんは順調に育ってめでたく出産となったのですが、産後2カ月が経ったあとに急きょ夫の転勤で引越しをすることに。 引越し後は見知らぬ土地で子育てをしながら片付けにハマり、勢い余って第一子の不妊治療に関する書類をすべて捨ててしまったのです。第二子の治療は引越し先の病院で受けたため、過去の資料が一切なくて困ったのを覚えています。 領収書の管理がいいかげん第一子の不妊治療では人工授精3回目で娘を授かることができたので、治療にかかる費用はそこまで高額にならず、助成金の申請はおこないませんでした。 けれど、第二子の不妊治療では10回を超える人工授精をおこなっても子どもを授かることができませんでした。治療費も高額になったため助成金申請をしようとしたところ、領収書がいろいろな場所に保管してあったり日付通りでなかったりして大変な手間が。領収書の管理はきちんとしておく必要があると痛感しました。 妊娠に対する考えが甘かった不妊治療当初から「自然妊娠をする確率はほぼゼロで体外受精でも難しい」 と先生から言われていましたが、娘を3回目の人工授精で授かったので次も思っているよりも簡単に妊娠すると考えていました。 ところが、人工授精12回、体外受精を1回おこなったものの、未だに妊娠に至っていません。私も夫も年齢はどんどん高くなり、体も衰えていくなかでどこまで治療を続けるのかまだ決めていません。出費は増え続ける一方なので、子どもが授からなかった場合にいつ諦めるのかを考えなくてはならないなと思っています。 不妊治療をしていると、まだ見ぬ未来の赤ちゃんと会える日を楽しみに気持ちが前向きになる一方で、現実的に考えなくてはならないことがたくさんあり、気持ちが後ろ向きになることもあります。それでも、後悔のないように納得のいくまで治療に取り組んでいきたいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKOイラスト/manami.koiso 著者:ライター 吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2020年04月28日世界中で終息の時期が見いだせない新型コロナウイルス感染症。政府は4月7日、新型コロナウイルス感染症対策として、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪県、兵庫県、福岡県に緊急事態宣言を発令しました。これに先駆け、不妊治療に関する情報として、4月1日に日本生殖医学会が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明」を発表し、医師に対して、不妊治療を延期する選択肢を提示するよう推奨しました。これらの発表によって、各地の不妊治療施設でも新型コロナウイルスへの対策や今後の治療方針が打ち出され、妊活・不妊当事者の困惑と混乱は広がりを見せています。 そんななか、厚生労働省は4月9日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う不妊治療助成における方針を発表しました。 不妊治療の延期、助成金の年齢制限はどうなる?体外受精や顕微授精などの高度生殖医療(ART)を受ける夫婦には、特定不妊治療助成制度による助成金が支給されています。助成金の支給には、治療を開始したときの妻の年齢や受給の回数、夫婦の合算年収制限などの条件があります。 晩婚化・晩産化が進むなか、今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴って出された日本生殖医学会の声明に従うことが、助成金を受ける際に大きな壁となってしまうことが危惧されています。 例えば、声明に従って不妊治療を1年延期したために、治療期間初日の妻の年齢 「43歳未満」という条件を超えてしまった場合には、助成事業対象外となってしまいます。不妊治療を延期することで、助成金が受け取れないという事態が発生してしまうのです。 厚労省が不妊治療助成における対応について方針を発表妊活・不妊当事者の不安の声が高まるなか、厚生労働省は4月9日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う不妊治療助成における対応について方針を発表しました。 具体的な内容は下記のとおりです。 【新型コロナウイルス感染防止の観点から一定期間治療を延期した場合、時限的に、 年齢要件を緩和】 ①対象者について療期間初日の妻の年齢「43歳未満」↓「44歳未満」 ②通算助成回数について初回助成時の治療期間初日の妻の年齢「40歳未満」の場合は通算6回まで(40歳以上43歳未満の場合は通算3回まで)助成↓「41歳未満」の場合は通算6回まで(41歳以上44歳未満の場合は通算3回まで)助成 このように、年齢の上限が1歳引き上げられました。医師や看護師、パートナーとの丁寧なコミュニケーションが必要報道では、不要不急という言葉が繰り返されています。世界各国のARTのデータ収集・分析・普及をおこなう非営利国際機関のICMART( International Committee for Monitoring Assisted Reproductive Technology)の声明文の和訳には、「新規治療の開始を見合わせること、不妊治療に関連するその他の非緊急処置をすべて延期することを推奨する」との一文もありました。 妊婦さんや胎児に対する影響等が不明な状況では、患者の安心・安全を考えると、それも致し方ないことでしょう。しかし、妊活・不妊当事者にとって不妊治療は不要で不急ではありません。不妊治療施設のなかには、この状況において、一律に治療を延期するのではなく、個々の状況や希望に沿って治療方針を決めていく、または治療を継続できるような仕組み、対策を取っているところもあります。 不妊治療当事者は、自身が通院している施設の情報をホームページなどで確認し、また先生とよく話し合い、治療方針を決めていくことが大切です。 著者:ライター NPO法人Fine 理事准ファンドレイザー 野曽原誉枝(のそはらやすえ)福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年間の不妊治療を経て、2012年12月に男児を出産。自らの不妊治療と仕事の両立での経験、高齢出産の経験から、今の妊活、多様な家族形態を認め合う社会を作るために2013年よりNPO法人Fineに参画、2014年9月同法人理事に就任。主にFine妊活プロジェクト~みらいAction~の推進と企業や自治体向け啓発活動に力を入れている。
2020年04月10日27歳で結婚後、2年間妊娠できなかったので婦人科に通い始めました。タイミング法を6回、人工授精を6回しましたが妊娠しませんでした。半年ほど悩んだ末、体外受精専門の病院に転院。子宮鏡手術を経て、1回目の移植で妊娠できました。今回は、なかなか原因がわからなかった不妊治療の体験をお伝えします。 タイミング法・人工授精で結果が出ない結婚後すぐに「赤ちゃんに恵まれたらいいな」と思っていましたが、なかなか妊娠することができませんでした。不安に感じ、まだ20代でしたが、1度夫婦で検査を受けてみようと近くの婦人科を受診しました。その結果、各種の検査で夫婦ともに異常はなし。「タイミング法で解決するか」と楽観的にとらえていました。しかし、半年間試みましたが妊娠せず、人工授精にステップアップ。そして人工授精を6回しましたが、結果が出ませんでした。 体外受精へのステップアップを決断体外受精へステップアップする決断はなかなかできませんでした。そしてメンタル的にもPMS(月経前症候群)が悪化したり、友人の妊娠を喜べないなどの状態が続く時期だったと思います。決断のきっかけとなったのは実母からの一言でした。「どうしても子どもが欲しいなら、まずは1度、体外受精を試してみたら?」と背中を押してくれたのです。母の言葉で、まずはチャレンジしてみようと前向きになることができました。さらに同世代で3人の友人たちが先にステップアップして妊娠していく姿にも励まされました。 体外受精、そして妊娠・出産体外受精の専門病院に転院し、子宮鏡手術を経て体外受精をおこないました。1回目の採卵は仕事の繁忙期と重なってしまい、採卵できたのは2個。さらに受精もうまくいかず、移植できる受精卵が1個もない状態……。高額の費用をかけたにも関わらず、納得できない結果でした。2回目の採卵は仕事を休み、担当も院長先生を指名して調整し、5個の受精卵ができました。そして1個目の移植で妊娠でき、無事出産することができたのです。 赤ちゃんが欲しいなと思ってから出産に至るまで、約5年の月日がかかりました。ステップアップは経済的負担も身体的負担も大きいものでした。不妊原因のわからなかった私たちにとっては体外受精が解決策だったようです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:小川かなえ2歳の双子姉妹の母。東京郊外在住。元保育士、不妊治療を経て妊娠出産。子連れハイキングやキャンプなどアウトドアも再開。現在は親子の森のようちえんを運営し、地域や自然とともに子育てをしている。
2020年03月05日第一子は自然に妊娠しました。そして第一子を出産し、少し期間をおいて第二子への妊活を開始しました。しかし1年経っても子どもを授からず……。2人目不妊に悩んだ私の体験談をお伝えします。 第一子出産後、妊活開始第一子出産後、なぜか妊娠しませんでした。産婦人科に通い、基礎体温を測りながらわかったのですが、実は排卵していなかったようなのです。そんななか仕事へ復帰し、職場が変わってしまったこともあってか、精神面で弱ってしまい、うつ病を発症してしまいました。 育児と仕事の両立がうまくできずにいましたが、子どもが欲しい気持ちは強かったです。ところが、夫から妊活をやめたいと言われてしまいました。育児と仕事の両立をできずにいることに対して罵声を浴びせられ、私も精神的に追い込まれてしまい、当時は離婚の話もしました。 ですが、まずはうつ病を治して、職場も変えてから、今後についてどうするか決めようということになりました。 不妊治療をやめることに…半年後、子どもが欲しい気持ちに変わりはなく、不妊治療を再開しました。排卵誘発剤を使って人工授精を4回おこないましたが、妊娠せず。5回目のときに夫に原因があり、顕微受精でしか子どもができないということがわかりました。 私たちは共働きで、不妊治療の助成金は所得制限の対象になり受け取ることができません。高額な治療費がかかるため、夫に「不妊治療にお金をかけるなら、1人目の子にお金をかけてあげたい」と言われました。 悩んだ挙句、パートナーがそういう気持ちになっている以上、不妊治療を続けることができないと思い、不妊治療をやめました。 健康に意識して過ごしていたら夫との会話も一気に減り、しばらくは家庭内での笑顔が少なくなりました。でも、不妊治療をやめて、私の体への負担も少なくなったせいか、育児、家事、仕事をテキパキこなせるようになり、夫との会話もだんだんと戻ってきました。 そんななか、気休めではありますが、夫と共に運動を始め、夫は亜鉛のサプリ、私は葉酸サプリを飲み始めました。お互いの健康のために始めたことでしたが、ダイエットにも成功! 上の子は、トイトレがうまくいき始めており、また甥や姪と一緒に遊んでいるのを見て、ひとりっこでも、こうしてきょうだいのように遊んでくれる存在のありがたさを感じていました。 夫婦の心身が健やかであることそんなとき、生理が遅れていることに気づきました。妊娠していたのです!とてもうれしく、本当に感動しました。不妊治療は女の人だけでなくやはり男性にもプレッシャーはかかっています。改めてパートナーとの気持ちを通わせることは大切だな、と感じました。不妊治療は、先が見えず、不安なことだらけでした。だからこそ、心の負担が大きくなりすぎたときに一度思い切って休むことも必要だったんだな、と感じました。やはり夫婦の心身が健やかであることが大事なので、気休めでもストレス解消になることをして過ごせたことがよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:井上由美子3歳、0歳の二児の母。 今は子育てに奮闘中。
2020年02月28日私は第1子を不妊治療で授かり、現在は第2子不妊治療中です。不妊治療をしていると薬の服用やホルモン注射、度重なる通院などにより精神的にも肉体的にも疲れ、ささいなことでも苛立ってしまうことがあります。今回は、私が不妊治療をするなかで言われてイラッとした言葉があるので、いくつかご紹介します。 「諦めたら赤ちゃんが来るってよく言うよね」この言葉は、不妊治療をしていることを相手に伝えると大抵の人に言われる言葉です。言っている人はおそらく励ますつもりで言ってくれているのでしょうが、治療の最中であるとなかなか素直に受け入れられないのです。 もちろんその場では「 そうですよね!」 と答えますが、心の中では「 その諦めがつかないから治療をしているんです。諦めて赤ちゃんが来なかったらきっと後悔するんです」 と叫んでいます。相手が不妊治療を経験して赤ちゃんを授かった人であればまた受け止め方が違うのですが……。 「少し休んでみたらいいんじゃない?」これは夫に言われてすごくイラッとした言葉です。 1年間で子どもを授かることのできるチャンスは12回程度しかありません。だからこそ、今休んだらそのチャンスを1回捨てることになると感じてしまうのです。ゆったりとした気持ちのほうが妊娠しやすいのかもしれないと思いつつ、先の見えないトンネルを早く抜けて赤ちゃんを授かりたいと思ってしまうのです。 夫婦で治療に対する考えを伝え合うことの大切さを感じたきっかけとなった言葉でもあります。 「そんなに怒るから赤ちゃんが来ないんだよ」この言葉を言われたときの衝撃は、今でも忘れられません。一瞬何を言われたのかわからず、理解してから湧き上がる怒りに我を忘れるほどでした。実はこれ、3歳の娘に言われた言葉なのです。ついついイライラしてしまっている自分を自覚していたからこそ、言われたときは怒って娘に当たり散らしてしまいました。 その後、「この言葉は本当に傷つくし悲しくなる言葉だからもう言わないで」と娘に伝えましたが、それだけ私が怒っていたのだなぁと反省しました。 不妊治療をしていると、自分ではコントロールできないような怒りや悲しみに振り回されることがあります。それでも、周りの人の言葉をネガティブに捉えるのではなくポジティブに捉えて、かわいい赤ちゃんを授かることができるように頑張りたいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/imasaku監修/助産師REIKO著者:吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2020年02月23日不妊治療を始めて3年過ぎたあたりから、子どもを授かりたいと思う願望が義務のように変化していき、妊娠に対する感覚が徐々に麻痺し始めていました。ついに、私たちは精神的な余裕が完全になくなってしまいました。そして、治療へ真剣に向き合うことが怖くなり、できなくなってしまいました。 治療法を変えても、結果は出ず一度転院して新たに通い始めた病院で3年近く人工授精を続け、不妊治療期間が約5年過ぎていました。しかし、毎月決まった時期に儀式のように病院へ行き、医師から妊娠していない事実を聞くと、妻だけでなく自分の努力が無駄に感じてしまい、夫婦共々どんどん落ち込んでいきました。 さらに、医師のすすめで体外受精・顕微受精を数回試しましたが、1回につき約40万円の出費になるため、長期的に継続して治療することは断念せざるを得ませんでした。そして、医師と会話することすら嫌気がさしてしまって、また転院することにしました。 2度目の転院にして、最後の病院次の病院でできなかったらあきらめよう、と夫婦で決めていました。年齢と負担だけが増えていって、本来の目標を失いかけていたからです。 次に決めた病院では、お金も精神的負担もかけたくなかったので、タイミング療法のみで治療を再開しました。ここの診療方針は、上の子どもが一緒に行くことも自由、なんとなく決められた日程での診察というのんびりとした環境で、私たちはそのおかげである程度平常心を取り戻していきました。 しかし同時に、妊娠することへのこだわりも徐々に薄れていきました。もうここが私たちの不妊治療の限界だと感じていたからです。 ストレスが減り、そして…最後の病院は、負担を感じることがほとんどなく、通院することができました。電車でひと駅の距離にあることや、繁華街にあるため、寄り道して気を紛らわすこともできたことなども要因だったと思います。 あまりストレスを感じずに治療を続けた結果、最後の病院へ通院して半年、不妊治療開始から約6年目でようやく妊娠することができました。正直、喜びよりも驚きのほうが大きかったです。 今思えば私も妻も、経済的な不安も含む精神的な不安が赤ちゃんを授かることができなかった1番の原因だったように思います。自分が頑張りすぎると、妻にとって負担になります。逆の場合も同じです。妻のため、夫のためと思ってしている行動が、かえって相手を苦しめていたのかもしれません。 改めて感じること次女が無事生まれ、今、冷静に振り返って考えると、私たちは不妊治療を体験できて本当によかったと思います。 真剣に家族揃って同じ目標に向かって取り組み、家族の結束が一層深まりました。さらに、不妊治療に予想外に時間がかかったおかげで8歳差の姉妹になりましたが、長女が本当によくかわいがってくれており、楽しんで子育てに参加してくれています。 妻はもちろんですが長女も頑張って協力してくれたおかげで、子どもを授かることができたのだと私は感じています。 ゴールが見えないまま、どこまで続ければいいのか不安を感じながら治療を続けることが、ここまでつらいとは正直思っていませんでした。ただ、子どもを授かることができ、さらに家族で苦難を乗り越えることができたという充実感も得ることができました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。検査の内容などは病院によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月15日何もかも手探り状態で始めた不妊治療ですが、小さな疑問や不安が少しずつ大きくなっていきました。自分たちに合う治療・病院とはなんだろうと考え続けても、答えが見つかりそうにない時期が続き、約2年が経過していました。 最初の転院原因が特定されないままに始めた不妊治療のため、タイミング療法をずっと続けていました。ただ、時間が経つにつれ、通院当初は気にならなかった片道約1時間の通院時間も負担に感じ始めました。今までの生活リズムも徐々に狂い、夫婦間の衝突も次第に増えていった結果、自宅から15分くらいで通院できる病院に転院することにしました。 次の病院は、地元では有名な不妊治療専門院に決めました。そこは院長先生がメディアにも度々露出して有名なので人気もあり、治療費も今までの病院と比べて割高でした。 毎週診察があり、1回の診察で約1万円、人工授精で約2万円、何かイレギュラーな診察があると、また数万円といった費用がかかりました。しかし、通院時間短縮や妊娠確率が上がるならと思い、その病院へ通院することにしました。 精神的な余裕がなくなっていった有名な病院だけあって、事前に大きな会場でいろいろな分野の先生から説明があり、大学のセミナーのような規模でした。ただ、ここでの説明は、私の予想と反して確率やリスクといった現実的な話ばかりでした。 私は、妊娠・出産は非常に神秘的で尊いものだと考えていたので、先生たちの生物学的な話が妊娠に対する神秘から離れていくように感じてどうしても受け入れられませんでした。うれしいはずの妊娠を前に、どんどん自分のなかに暗く不安なものを感じ始めました。 今思えば、2年続いた不妊治療でのストレスの結果、私は精神的に余裕がほとんどなく、自分本位の考え方になっていたのかもしれません。 ゴールが見えない不安の連続の毎日精神的な不安に加え、なかなか結果が伴わない状態が続いたため、この病院での治療は順調には進みませんでした。それでも、なんとか子どもを授かりたいという思いから通い続けていたのですが、2年の通院期間が過ぎたあたりから、この病院に対して不信感が芽生え始めました。 治療費だけがかさんでいき、いつまで経っても結果が出ないため、「病院側はきちんと治療しているのか?」と、病院に責任があるようにも感じ始めていました。さらに私自信の被害妄想は膨れ上がり、院内で笑い声が聞こえるたびに自分が笑われているのではないかと感じるほど、精神的に滅入っていました。 次の段階の治療へ治療内容は、この病院をきっかけにタイミング療法から人工授精へと変わっていました。医師の説明だと、治療法で飛躍的に確率が上がるわけではないと念を押されていたのですが、現状を変えたい、少しでも確率が上がるのでは、という思いで挑戦しました。 人工授精は、私の負担もさらに増大します。その病院では、朝6時に精子を病院に持ち込まなくてはなりません。そのため、不妊治療にかける時間も一気に増えました。病院によると思いますが、禁欲はもちろん、食生活から運動まで、いろいろと指示があり、妊娠のためと理解しているつもりでしたが、毎日が楽しめなくなってきていました。 自分たちが若くないため、育児できる体力や経済力を考慮すると、時間がないことが一層焦りを生んでいました。さらに、治療に時間がかかるほど経済的負担も大きくなっていくことも不安要素の原因にもなっていきました。 次回は2回目の転院・抱えていたプレッシャーについてお話しします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。検査の内容などは病院によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/(c)chicchimama監修/助産師REIKO 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月14日不妊治療が始まると、生活のすべてを治療のために調整しなければなりませんでした。これは事前に納得していたはずなのに、いざ治療のための調整となると、精神的にも肉体的にも、想像以上の負担を強いられるようになりました。 いよいよ治療初日なんとか治療する日程を調整し、初めて病院に行きました。不妊治療の検査は何をするのか想像もつかず、不安でいっぱいでした。 診察が始まり、軽い問診のあとに妻とは別室へ連れて行かれ、精子検査を初めて経験しました。小さな個室に入り、看護師さんに説明をされたのですが、説明があまり頭に入ってこないくらい部屋の様子に驚きました。 部屋の中にあったのは、小さなソファ、小さなテレビモニターと、選んだ人の性癖がわかるようなDVDの数々です。まるで漫画喫茶の個室をアダルトな雰囲気にした上、DVDのみをずらっと並べた感じです。病院内にこんなスペースがあることにびっくりしました。 初めての精子検査妻と看護師さんがドアの向こうで待っていると思うと、一刻も早くこの空間から出たい気持ちで、すぐに作業に移りました。 好みのジャンルでもないDVDの力を借り、ありとあらゆる想像力を働かせたのですが、精神的な影響もあって思うように捗りません。なかなかスムーズに作業できないことが、余計に恥ずかしく、より一層作業を遅らせてしまいました。 なんとか採取できたのですが、容器から伝わる温もりがとても生々しく、すぐには渡すことができませんでした。 不妊の原因は不明のまま私と妻はいろいろと検査をしたのですが、私の精子は正常、妻の卵子も年齢と比較するとかなり良い状態であるとの診断を受け、結局不妊の原因は特定できませんでした。 とりあえず、しばらくは通院をすることにしたのですが、通院する日程を決めることが大変でした。初診のときと同じく、仕事の調整・祖母の時間調整に加えて、排卵日など妻の状態も配慮しなくてはいけなくなりました。 このあたりから毎日診察日のために行動をしなければならなくなり、日常生活に徐々に影響が出始めました。 だんだん小さな衝突が増えるすぐに結果が出ないことは最初から理解していたとはいえ、終わりが見えない状態が続くと、私は日に日に疲弊していきました。妻の負担も目に見えてわかり、この時期から小さな喧嘩が増え始めました。私も家事の負担を少しでも減らそうと努力していたのですが、すべてを補うことができません。 小さな喧嘩から始まり、言い争いも激しくなると、結局は不妊治療の話になり、毎日がその繰り返しでした。 治療を始める前に、夫婦でお互い励まし合い治療に向き合うことを充分に話し合いました。しかし、頭では理解していても、今までの生活リズムに影響が出始めると、想像以上に治療に負担を感じました。 次回は人工授精についてお話しします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。検査の内容などは病院によって異なります。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月13日私は、過去に原因不明の続発性不妊症で不妊治療を約6年間経験しました。自分には関係ないと思っていた治療でしたが、調べてみると経済的にも精神的にも負担の大きな治療だと初めて知りました。夫婦で話し合い、負担は納得しているつもりだった治療も、実際に始まるとイメージしていたものとは違うさまざまな経験をしました。 不妊治療を始めるきっかけ私たち夫婦が不妊治療を始めたのは、私が35歳、妻が32歳のときでした。私たちはすでに子どもを1人授かっており、そろそろ2人目が欲しいなと話していたのですが、なかなか授かることができませんでした。 長女を計画通り授かることができたので、2人目も欲しいタイミングで授かるものとばかり思っていたので不思議に感じていました。自然妊娠がなかなかできないので、ネットなどで情報を集めると、続発性不妊症という言葉が目にとまりました。続発性不妊症というのは、以前に妊娠したことがあり、その後妊娠しない場合を言うそうです。 さらに続発性不妊症について情報を集めると、私たちがその言葉に該当することがわかりました。そのとき、初めて私たちは不妊治療が必要なのだと認識しました。 不妊治療を始める前に私たちは、それまで不妊治療についての知識がほとんどありませんでした。ただ、「金銭的に大変」「女性は精神的にも負担が大きい」などマイナスなイメージだけ持っていました。そこで、具体的に金額がいくらかかるのか、どのような治療法なのか、精神的負担とは何かなどの情報を本やネットを通じて、事前にできるだけ調べました。 やはり、そこにあった情報は精神的、金銭的負担が大きいことや、夫婦の協力・理解が必要だということでした。私たちは、長女を含めて3人で話し合い、やはり子どもを授かりたいこと、無理なら治療を中断することを確認し、不妊治療を始めることを決意しました。 病院選びも難航まず、不妊治療をおこなっている病院選びを始めましたが、この作業が意外と難航しました。妻が、近所の病院だと誰かに知られてしまうのが嫌だということで、少し遠い病院に決めました。 しかし、その病院へ通うことで、私たちの予想していなかったハードルがありました。不妊治療をおこなっている病院ではよくあることですが、子連れ厳禁だったのです。そのため、祖母に長女を預かってもらう日程と私が仕事を休める日程を調整し、病院に予約を入れなければなりません。私は治療を始める前段階で、いろいろと戸惑うことがあり、徐々に先行きに不安を感じ始めていました。 私には関係ないと思っていた不妊治療でしたが、気軽な気持ちで始めました。おそらく、1人子どもがいるので2人目もすぐにできるだろうと、心のどこかで過信していたように思います。 次回は初めての精子検査についてお話しします。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama 著者:ライター 吉田直樹二児の父。原因不明の続発性不妊症のため、夫婦揃って不妊治療を数年おこない授かる。グラフィック・Webデザイン事務所を経て、現在グラフィックデザイン・Webデザインのフリーランスとして活動中。
2020年02月12日妊活をおこなうにあたっては、女性だけでなく男性側の協力も必要だと言えます。なぜなら、妊娠できない原因は男性側にある可能性もあるからです。妊活がなかなかうまくいかない場合は、男性側の生活習慣や食事・サプリで摂取する栄養素を見直してみると良いでしょう。そこで、この記事では妊活に取り組んでいる人に向けて、男性不妊の概要と男性が気を付けたほうが良いことなどを紹介します。 男性不妊とは? 男性器と精子の役割妊娠するためには、女性の卵巣内にある卵子と男性器から放出される精子が出合わなければいけません。男性器は主に睾丸と陰茎から成り立っています。睾丸は男性の生殖腺であり、男性ホルモンや精子を作り出す器官です。作り出された精子は勃起した陰茎が射精をおこなったときに放出されます。陰茎は精子を女性の腟内に送り込むための交接器官の役目を持っているのです。 射精された精子は腟内を泳ぎながら卵管を目指します。一般的に一度の射精で数億もの精子が放出されますが、卵管にたどり着けるのはそのうちの100万分の1に過ぎません。つまり、精子に特段の異常がないケースでも卵子の周囲までたどり着けるのは、およそ100程度なのです。そのため、精子の動きが鈍かったり、精子数が少ない状態で射精したりすると、妊娠する確率はさらに低くなります。また、放出される精子は卵子に到達すれば必ず受精するというわけでもありません。 卵子に到達した精子は受精するために、卵子内に侵入を試みます。そのため卵子に近づくと先体反応と呼ばれる形状に変わらなければいけないのですが、うまく形状を変えられない奇形精子が多いと受精がスムーズにできません。精子は数が多ければ多いほど卵子まで到達する可能性は高くなりますが、質が悪いと結果的に受精できないケースもたくさんあるのです。無事に受精できた場合は、卵子はその他の精子を侵入させないために、卵子の殻を厚くします。そして卵子は雌性前核を形成し、雄性前核となった精子と一緒に細胞分裂を繰り返して子宮内膜に着床し、赤ちゃんになっていきます。 つまり、男性不妊と言われるものの症状は大きく分けて2つです。1つ目は精子が放出されない(作られない)症状で、「無精子症」や「乏精子症」などが挙げられます。2つ目は「精子無力症」などの精子の運動効率が悪い症状です。精子の数は正常な人と変わらないのですが、運動効率が悪いため卵子まで到達することができず、結果的に妊娠できません。これらの症状は造精機能障害と呼ばれ、ほとんどの男性不妊の原因です。造精機能障害は先天的に病気を持っている人もいますが、後天的になるケースもよくあります。後天的に発症するケースの原因は人それぞれ違いますが、ストレスやアルコール、喫煙といった生活習慣が大きな影響を与えているケースも珍しくありません。 妊活のために男性が気を付けたいこと先天的に造精機能障害にかかっている場合は、病院で治療を受ける必要があります。しかし、後天的に造精機能障害になった場合は生活習慣が影響しているケースも多いので、日常生活を見直すだけで症状が改善する可能性はゼロではありません。 男性不妊の原因となりやすい生活習慣で、まず挙げられるのは「喫煙」です。喫煙をするとニコチンの作用で血管が収縮し、脳や皮膚といったさまざまな場所で血流を悪化させます。結果的に男性の精子の運動効率を悪化させてしまう恐れが高くなるので、妊活中はできるだけ喫煙を控えたほうが良いでしょう。また、陰茎が勃起するためには、血液が陰茎に集まらなくてはいけません。喫煙をして血流が悪くなると、陰茎が満足に勃起しなくなる「ED(勃起不全)」にかかることもあるので気を付けましょう。 妊活のために男性が気を付けておきたい2つ目の項目は「過度なアルコールの摂取」です。実際に何人もの研究者がアルコールが精子に与える影響を取り上げており、過度なアルコールの摂取が悪影響を与えることを証明しています。適度な量ならばそれほど問題はありませんが、毎日飲むようだと精子の量が減ったり、質が悪くなったりするので週に2日程度は飲まない日を設定しましょう。なお、アルコールと同じ飲み物では、カフェインを豊富に含むコーヒーの悪影響を心配する人も多いでしょう。しかし、結論からいうとコーヒーが精子に悪影響を与えるという科学的な証拠は見つかっていません。むしろ、適度に飲むことでコーヒーに含まれる抗酸化作用でアンチエイジングには効果的です。飲み過ぎには注意しながら摂取してみると良いでしょう。 男性が気を付けておきたい最後の項目は「薬の影響」です。特に注意するべきなのは、ドラッグストアなどで販売されている男性用育毛剤だと言えます。男性の薄毛の原因の1つとして、男性ホルモンの影響が挙げられます。男性用育毛剤に含まれている「フィナステリド」という成分には、薄毛の原因となる男性ホルモンを押さえる働きがあるのです。しかし、睾丸では男性ホルモンと同時に精子も作っています。つまり、男性ホルモンを作る働きが鈍ることで、精子を作る働きも鈍ってしまうのです。結果的に精子の量が減ってしまい、妊活に影響が出るケースがあります。医師から薬を処方してもらうときはもちろん、市販の薬を購入するときも気を付けなければいけません。 妊活のためにサプリや食事などでとりたい栄養素は?脂質や糖質の多い食生活ばかりを送っていては、栄養バランスが崩れて精子の量や質に悪影響を与えます。ビタミンやたんぱく質なども含めたバランスの良い食生活を心がけましょう。妊活のために男性が食事やサプリで摂取しておきたい栄養素としては「オメガ3脂肪酸」が挙げられます。オメガ3脂肪酸はナッツや魚類に多く含まれ、良い精子を作るために効率良く働いてくれる栄養素です。また、海苔やわかめといった海藻類に多く含まれる「葉酸」は精子のDNAが損傷することを防いでくれる効果が期待できます。 そのほかにも、精子数の増加に役立つ「亜鉛」は貝類や牛肉からたくさん摂取することが可能です。具体的な料理名でいうと魚介類やナッツ、チーズなどがふんだんに使われる「地中海料理」は男性不妊に効果的だと言えます。魚介類を摂取することでオメガ3脂肪酸と葉酸、亜鉛のすべてを効率よく吸収できるので、普段は肉好きだという男性も妊活中は魚介類を中心とした食生活を送ってみましょう。ただし、共働き世帯など、日常生活で忙しい夫婦の場合は毎日手のかかる魚介類料理を作るのも大変です。そのようなときは、無理せずサプリで不足した栄養素を補うようにすると良いでしょう。 一方、精子量が減る食事として妊活中は敬遠しておいたほうが良い食事は、高脂肪の肉類やお菓子、加糖飲料が挙げられます。これらの食事をたくさん食べてしまうと、精子量の減少や活動効率の悪化といった妊活にとっては悪影響を与える可能性があるので、食べ過ぎには気を付けましょう。ただし、あまり我慢しすぎてストレスが溜まってしまうと、精子数や質に悪影響を与えるかもしれません。どうしても我慢できなかったときは無理せず食べて、足りない栄養素をサプリで補う方法を取り入れるのも方法の1つです。 まとめ男性不妊は後天的なものの場合、生活習慣が影響している可能性があります。喫煙や飲酒といった日常生活を見直して、妊活に取り組んでみるとよいでしょう。また、精子数の増加や活動効率を向上させるためには、葉酸や亜鉛といった栄養素を摂取すると効果的です。サプリや食事を見直して、妊活に励んでみてはいかがでしょうか。 イラスト/sawawa監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
2020年02月07日私が不妊治療を始めたのは28歳。周りの人には「まだ若いんだから焦らなくても……」と言われることもありましたが、私が不妊治療に踏み切った理由、そして不妊治療の経過をお伝えします。 自己流でタイミングをとってみるも…私が結婚したのは27歳のときでした。1つ年上の彼と1年間同棲し、結婚式と同時に入籍。結婚式後すぐに新婚旅行も済ませ、もういつ妊娠してもいい! と結婚当初から思っていました。 自己流でタイミングをとってみたものの、妊娠せず半年が過ぎました。このままだとただ時間だけが過ぎていってしまいそうで、焦りの気持ちが出てきました。ですが、焦っていたのは私だけで、夫はいつか妊娠するだろうとのほほんとしていました。 産婦人科医に相談したところ…産婦人科医に相談したところ、まだ結婚して1年も経っていないことや年齢からしても、急がなくていいんじゃない? と言われました。 しかし私は早く赤ちゃんに会いたかったのです。今のままではまだ見ぬ自分の赤ちゃんとの距離がまったく縮まらない感覚があり、焦りの気持ちが強くなっていました。また、年齢が上がるにつれて妊娠率が低下することも知っています。できることをしていきたいと先生に訴えたところ、検査をおこないながら、タイミングをみていこうということになりました。 卵管造影検査、精液検査、フーナーテストをおこない、どの検査も問題なし。あとはタイミングが合えば妊娠できるかな? と言われ、半年が経過しました……。 不妊治療専門病院へ!結婚して1年が過ぎ、もうしばらくタイミング法を続ける選択肢もありました。しかしもっとできることをやっていきたいと考え、不妊治療専門病院へ。 不妊の原因ははっきりしませんでしたが、体外受精に進むことになりました。不妊治療費は跳ね上がりましたが、夫も赤ちゃんを迎えにいこうという気持ちで快く賛成してくれました。 自然周期メインの施設でしたので、1周期で1つ採卵・移植をしていきました。すぐには妊娠できず、数回採卵・移植を繰り返し、妊娠することができました。妊娠経過は順調で、元気な女の子を出産しました。 振り返ってみて、私は自分の焦りに向き合い、治療を進めたことに満足しています。治療中は不安に押しつぶされそうになることもありました。しかし不妊治療を視野に入れたとき、自分の人生の一部と捉え、後悔しないように治療を始めるタイミングや進め方を夫や主治医と相談してよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:金子ゆかこ6カ月の女の子の母。職業は助産師。現在育休中であるため、娘と一緒だから経験できることを求めてアクティブに出かけている。
2019年12月30日夫婦2人とも健康なら、子どもは自然と授かるもの…とは限りません。今や約6組に1組のカップルが不妊( 日本産科婦人科学会「不妊症」より )といわれています。「もしかして不妊かも?」「2人目がなかなかできない…」「夫は大丈夫かな?」と感じたら、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか?今回は日本にわずか800人弱しかいない日本生殖医学会認定生殖医療専門医でもある、 桜十字渋谷バースクリニック 院長 井上治先生に、不妊やその治療、不妊につながる生活習慣についてうかがいました。教えてくれたのは…桜十字渋谷バースクリニック院長 井上治先生医学博士。2005年、福岡大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院産婦人科医局入局。東京歯科大学市川総合病院をへて、2018年、桜十字渋谷バースクリニック院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医、母体保護法指定。 >>桜十字渋谷バースクリニック 公式サイト ■女性の加齢と妊娠率の関係とは?最近の不妊治療の傾向「幅広い年齢の方が受診されますが、最近は、結婚間もない若い方が早めに受診されるケースも増えましたね。妊活して2~3カ月とか、まだ妊活もやっていないけれど『心配だから…』と来院される方もいます(井上先生)」井上先生は、若い方の受診増加傾向について、不妊治療に関する正しい情報が認知され、子どもが欲しい方の意識の高まりが影響しているのではないかと分析します。「以前は、40歳を越えても治療さえすればすぐ妊娠できると思われて来院される方が多かったんです。でも、女性の場合、加齢によって妊娠が難しくなるというのはデータ(下記グラフ参照)でも顕著に表れています。そういった情報が認知されて『何か不妊の原因があるなら、先に治療してしまおう』と考え来院される方が多くなっているのでしょう(井上先生)」受診する年齢の目安は?グラフでもわかる通り、不妊治療をしていても35歳を境に、妊娠率の低下は加速します。「35歳がひとつの目安となります。日本産科婦人科学会では、『妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しないもの』を不妊と定義づけています。これは、排卵検査薬などを使って排卵があることを確認し、一番妊娠しやすい日に性交するタイミング療法を取り入れての1年です。しかし、妊娠には加齢が大きく影響しますので、当院では、35歳以下なら1年、35歳以上なら6カ月、40歳を越えている方なら、できればすぐにでも受診していただきたいと考えています(井上先生)」。■最近よく聞く不妊の原因は?最近は、「2人目不妊」という言葉がよく聞かれるようになりました。「1人目はスムーズに自然妊娠できたのに、2人目がなかなかできない…」。その原因について、井上先生に伺いました。「2人目ということで当然、お母さんの年齢が上がっていますから、1人目の時より妊娠しづらくなります。女性の場合は、加齢による子宮筋腫や腺筋症なども増加します。また、授乳中は妊娠しにくいことも挙げられるでしょう。男性の加齢も影響します。それに加え、育児で忙しく、なかなかタイミングをとるのが難しいのではないでしょうか。2人目だから不妊になるというわけではなく、加齢と育児による忙しさが原因だと思います(井上先生)」若い男性の不妊傾向も一方、最近の不妊の傾向として、男性が原因というケースが増えているそうです。「最近は、最初から夫婦そろって検査にいらっしゃる方が増えていますが、男性側に不妊原因があるというケースが増えているように感じます。環境ホルモンの影響などといわれていますが、若い男性で精液所見が悪い方も散見されます。逆に、女性の不妊傾向は今も昔もあまり変わりません。しかし、ご夫婦両方を検査しても、実ははっきりとした不妊の原因がわからないというケースが多いです。その場合は、治療をステップアップしていくことになります(井上先生)」■あなたは大丈夫? 不妊リスクチェック実は、日常生活で何気なくやっていること、あまり気にしていない症状が、不妊の遠因になっているかもしれません。不妊に少なからず影響しているといわれる項目を、男女それぞれ井上先生に挙げていただきました。1つでも当てはまれば、不妊のリスクがあります。この中で、当てはまるものはありますか?【女性の不妊リスクチェックテスト】□1. 年齢が35歳以上□2. たばこを吸っている□3. 仕事や育児で忙しい□4. 運動不足□5. 生理不順□6. 不正出血や生理時の出血が多い【男性の不妊リスクチェックテスト】□1. 年齢が35歳以上□2. たばこを吸っている□3. 仕事で忙しく、睡眠時間が短い□4. 運動不足□5. サウナに頻繁に入る□6. 携帯電話をズボンのポケットに入れたり、ノートパソコンを膝の上にのせて作業する□7. 自転車やオートバイに乗ることが多い女性の不妊リスクチェック解説1.~4.は男女共通となります。「2. 喫煙」や、「4. 運動不足」は、万病の元といわれており、不妊にもつながります。また、「3. 忙しい」は、妊娠しやすい日に性交するタイミングがなかなか合わせられないことが不妊原因と考えられます。「女性の『5. 生理不順』は、排卵日の予測が難しいため。タイミング療法を取り入れるには、まず生理周期を整える必要があります。また、『6. 不正出血や生理時の出血が多い』というのは、筋腫といった別の病気が隠れている可能性があるためです(井上先生)」男性の不妊リスクチェック解説一方、男性の「5. サウナに頻繁に入る」、「6. 携帯電話をズボンのポケットに入れたり、ノートパソコンを膝の上にのせて作業する」「7. 自転車やオートバイに乗ることが多い」が不妊の遠因となるかもしれないことに、驚いた人も多いのではないでしょうか。「男性の精子は熱や圧迫に弱いんです。ある研究によると、サウナや熱を発する携帯電話・ノートパソコン、サドルによる圧迫が精子に悪影響を及ぼす結果が出ています。精子はとても弱く、Wi-Fiにも影響されるという研究結果もあるくらいです。最近は、精子をチェックできるアプリもありますから利用してみるのもいいですね(井上先生)」■「妊娠できるかな…」まずは気軽に受診を不妊治療には健康保険が適用にならない治療もあるため、高額となってしまう検査や治療があります。しかし、所得や年齢、回数などに制限はあるものの、2004年から特定不妊治療には国からの助成が受けられるようになりました。また、自治体でも助成金を給付しているところがあり、ハードルの高かった不妊治療が身近になってきました。初診の内容は?「当院は7~8割の方が不妊治療は初めてという患者さんなので、まず最初は希望をお聞きします。検査ご希望か、タイミング指導だけか、1人ひとりに合わせた治療をします。ただ、何か問題があって妊娠ができない場合もありますので、検査をされたほうが安心だと思います。初診時には、基礎体温表をつけているかどうか、排卵検査薬(排卵アプリ)を使っているかどうかなどをお伺いします。それも、つけていれば・使っていればなお良いくらいのお話なので、必須ではありません。まずは、ご相談にいらしてください(井上先生)」「子どもは欲しいけれど、妊娠できるかどうか」といった漠然とした不安を抱えながら年齢を重ねるのは、妊娠率を下げることにつながります。少しでも不安があるようなら、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか? 井上先生が院長を務める 桜十字渋谷バースクリニック のご紹介JR渋谷駅より徒歩約5分の好立地に、2018年開業した渋谷エリア唯一(※)の不妊治療専門クリニック。日本生殖医学会認定生殖医療専門医である井上治院長をはじめ、体外受精を数多く手掛けるクリニックで経験を積んだ培養室長など高い技術を持った医師・スタッフがそろい、胚(受精卵)へのストレスを最小限にした最新型培養器「タイムラプス」や培養液の工夫、卵子凍結技術の向上など、ソフトとハード両面で患者さんを支えています。※2019年12月現在【住所】東京都渋谷区宇田川町3-7 ヒューリック渋谷公園通りビル4階( Google Map )※JR山手線 渋谷駅 ハチ公口 徒歩5分/東京メトロ 渋谷駅 6番出口 徒歩4分【診療日】月~土 ※水土午後・日祝休診( 詳細はこちら )【TEL】03-5728-6626 渋谷バースクリニックを公式サイトで見る イラスト:グラハム子[PR]医療法人社団 東京桜十字
2019年12月25日1人目を妊娠しているときから、「子どもは2人欲しいよね」と夫婦の意見は一致。ですが1人目を不妊治療で授かったので、「2人目不妊になるのでは?」と心配に……。なぜなら1人目ができるまでに、3年かかっていたからです。1人目が落ち着いたら……と、そのときの私はのんびり考えていられませんでした。そのような状況で2人目を授かり、私が感じたことをお伝えします。 2人目不妊を想定して早めに妊活を開始1人目は不妊専門の病院に3年通い続けて、妊娠した経験があります。そのため、子ども同士の年の差を気にしていられませんでした。2人目も不妊となると、1人目を連れて頻回に病院に通わなければいけません。薬の副作用で思うように体が動かないことも……。万が一の事を考えると、私は1日でも早く妊娠できる体に整える必要があると考え、30歳で2人目の妊活をスタート。産後6カ月目のとき生理が再開したので基礎体温の測定を開始して、安定するのを待ちました。そして1人目が生後10カ月のころに断乳をして、葉酸摂取を開始したのです。 予想に反して2人目はすぐに妊娠!結果、1人目を妊娠するまでに3年かかったのですが、2人目は妊活を開始して2カ月で妊娠しました。一番心配していた不妊問題もあっさり解決して、私たち夫婦は晴れて年子を授かることができました。年子は大変だな……と思いましたが、子育てが落ち着いたら早めに再就職をしなければいけなかったので、早々に子宝に恵まれてよかったと一安心! 不妊治療には高額な治療費がかかるため、その分を教育費に回せられると考えると安心できました。 1人目に対してフォローしたこと子育ては1人だけでも十分大変ですが、子ども同士の年齢が近ければより手がかかるかもしれない、と感じていた私。早々に2人目を考えていたこともあり、1人目には自分でできることはなるべく自分でさせるようにしていました。 自分でごはんを食べる・簡単な脱ぎ着はもちろん、外では抱っこを極力せず「赤いボールまで歩こう!」「あっちにワンワンがいるよ! 見に行こう!」と声掛けをして、歩くことの楽しさを子どもに感じてもらえるよう工夫をしました。しかし1人目も1歳6カ月で、まだまだ甘えたい時期だったと思います。寂しい思いをさせないために、2人目の授乳中も1人目を一緒に抱っこをしたり、2人目が寝ているときは1人目との時間をたっぷりつくるよう意識しました。 私の場合は「不妊」の可能性があったため、2人目はかなり焦って妊活をしました。そのため子ども同士の年齢差も考慮できず、1歳6カ月差に……。ですが常にライバルであり心強い仲間になった子どもたちを見て、今は年子で本当によかったなと思っています。 著者:太田 いこ岡山県在住、年子姉妹の母。フルタイムで働きながらライターとしても活動中。主に、不妊・育児・ママ友などのテーマで記事を執筆している。
2019年11月22日2009年生まれの双子ちゃんのエピソードをブログやInstagramで公開しているかよポンさん(Instagram@kayoponkan)。不妊治療を経て双子を妊娠、出産するまでのエピソードを9回に分けてご紹介! ~ あらすじ ~旦那さんと出会って半年でスピード婚。結婚当時、仕事が忙しく、不正出血が何週間も続き、婦人科を受診したところ左右両方の卵管が詰まっていることが判明!「自然妊娠は90%以上難しい」と告げられ、不妊治療を開始するも、出血が続き命の危険に……! その後、顕微授精、体外受精を試みるも妊娠判定は陰性。一度赤ちゃんを諦めようとしたものの、やっぱり赤ちゃんが欲しい…! 自分の周囲の赤ちゃんや子どもの姿をうらやましいと思いつつ、『夫婦二人で過ごすのもいいかもしれない』。そんな風に思い始めた矢先に、義母の病気が再発しました。義母に…子どもの顔をみせてあげたい。 やってみてダメならそれでいい。でも、やらずに諦めるのはいやだ。私にはまだ治療を頑張れる時間が残されている。だから、やりたいんだ。やってみたいんだ。 ついにダンナが「1回だけ…本当に治療はこれが最後、ダメなら諦めること」と、承諾してくれたのでした。個人差はあるものの、私の場合採卵よりも、その前の洗浄が「ひぃぃーーっ!」と、飛び上りたくなるほどの鈍痛で、永遠とも感じる時間を耐えに耐えました。 その時、看護師さんに「赤ちゃんほしいんだったらがんばる!」と励まされたものの、「わかっとるわい!」と心の中で思い切り毒づいてしまった私でした。そして、卵は無事、5つ採ることができました。 かよポンさんの育児エピソードはInstagramやブログなどから更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。 この投稿をInstagramで見る かよポン(@kayoponkan)がシェアした投稿 - 2019年 8月月5日午後11時59分PDT ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡ 著者:イラストレーター かよポン2009年生まれの二卵性男女双子育児中の40代母。家族の出来事を4コマで。 趣味はキャンプ。不妊治療~双子出産、子育ての日常を描いたブログも人気!blog:「おじゃったもんせ双子~笑いと涙の双子育児」Instagram:かよポン@kayoponkan
2019年11月01日不妊に悩む人はどのくらい?あなたのまわりは、「望んでいるのだけれど、なかなか赤ちゃんができない」という人はいませんか?「子どもは望めばいつでもできるもの」と思っている人もいるかもしれませんね。実際に、望んだときにすぐできた、という人もいるかもしれませんが、そうでない人も、実はたくさんいるのです。その割合は、どれくらいだと思いますか?国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年実施)によると、不妊を心配したり悩んだりしたことがある夫婦は35%という結果でした。つまり、3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配した経験があるということ。そして、子どものいない夫婦の場合では、この数字は55.2%、半数以上にものぼります。(※1)不妊は、とても身近な存在なのです。 実際に治療を受けたカップルは5.5組に1組では、病院やクリニックを受診して、不妊の検査や治療を受けたことがある人は、どれくらいいるのでしょうか。同調査によると、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦、または現在受けている夫婦は、全体で18.2%でした。ということは、夫婦の約5.5組に1組が、不妊の検査や治療を受けたということ。そして、子どものいない夫婦での治療経験は、28.2%という結果でした。(※1) 子どもがいても不妊?!子どもが1人いる夫婦の場合の調査結果もあります。子どもが1人いる夫婦で不妊の心配をしたことがある割合は45.4%と、半数に近い数字です。そして、検査や治療を受けたことがある割合は25.7%でした。不妊を配したものの自然に子どもを授かることができた、または治療で子どもを授かった。もしくは、「1人目の子どもは自然に授かったけれど2人目がなかなかできないと心配している」といったケースもあることでしょう。 どのような背景があるかは具体的にはわかりませんが、いま子どもがいたとしても、「もしかして不妊かも?」と心配した経験のある人は、これだけ多いということです。こうしたことから想定すると、あなたのまわりにも、きっとたくさんの不妊体験者がいることでしょう。 不妊とはどういう状態のことなの?ところで、不妊とは、どういう状態をいうのか知っていますか?日本では、健康な男女が定期的に性交渉をもっているにもかかわらず、1年以上妊娠しないことを「不妊」といいます。ただし、女性は加齢とともに妊娠しにくくなるので、20代の人と40代の人をいっしょに語ることはできないでしょう。一概にはいえませんが、年齢が高い女性は若いときよりも妊娠しにくい状態である可能性が高く、妊娠するまでに時間がかかることもあります。もちろん、1年を待たずして、病院で検査や治療を受けてもかまいません。妊娠しにくい原因がないかどうか調べておくことは、妊活の第一歩といえます。とくに生理不順や子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科系の病気がある場合は、早めに受診したほうがいいといわれます。また、男性側に不妊原因があるケースもあります。1年というのは、「もしかして妊娠しにくいのかも?」と考えて、検査を受ける目安になりそうです。 不妊治療は身近な存在いかがでしょうか? 不妊で悩む人は、あなたが想像していたよりも、ずっと多い数ではありませんか? おそらくそれは、治療をしていると相手が言わないために、あなたが知らないだけなのかもしれません。実は、不妊治療によって子どもを授かっている人は多いのです。2016年の日本産科婦人科学会のデータでは、体外受精や顕微授精などの高度な生殖補助医療(ART)によって生まれた子どもは54,110人となっています。その年の日本の出生児の約18人に1人の赤ちゃんがARTによって誕生していることになるのです。 2018年に日本で生まれた赤ちゃんは、921,000人でした。(※2)そのうちのどれくらいの赤ちゃんが、両親に望まれて、積極的な妊活である不妊治療によって、この世に生を受けたのでしょうか。3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配する現在。あなたのまわりにも、きっとそんな経験をした人がいるはず。もしかして、あなた自身が不妊を心配したことがあったり、不妊治療を体験していたかもしれませんね。そう、あなただけではなく、たくさんの人が不妊で悩んでいる(いた)のです。いまや不妊や不妊治療は、とても身近な存在です。 ほかのママとは違う……不妊体験後の感情不妊を体験したあと、妊娠・出産、育児をしていて、なんとなくまわりとの違和感を感じたり、気持ちがざわついたりする……そうしたことはありませんか?「難なく子どもを授かった人と自分は違う。でも、子どもがいる自分は、不妊仲間には入れない。こんな気持ちを誰にも話せない……」こうした気持ちは、不妊を体験したゆえの独特の感情なのだそうです。NPO法人Fineでは、そうした人のためのグループカウンセリングを行なっています。生殖心理カウンセラーが同席して、不妊を体験したあとの特有の心理についてサポートしています。 参考:※1:2015 年社会保障・人口問題基本調査 <結婚と出産に関する全国調査>※2:平成 30 年(2018) 人口動態統計の年間推計 - 厚生労働省NPO法人Fine〜現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会 著者:ライター NPO法人Fineスタッフ 高井紀子北海道生まれ。編集者・ライター。広報誌、雑誌、書籍、ウェブサイトなどで、妊活や不妊治療に関する企画・記事を数多く手がける。不妊体験者を支援するNPO法人Fine()スタッフ。コミュニティFM「渋谷ラジオ」に出演中。趣味は月を見ること、温泉めぐり、ボルダリングなど。健康マスター(ベーシック)。
2019年09月10日不妊治療をしている上で大切なもの、それは「お金」と「時間」「お金」は、助成金を受けられると言っても額は決まっている上、後日給付なので一度は支払いをしなければなりませんし、長引けば長引くほどその金額は大きくなっていきます。そして「時間」、排卵日とホルモンの状態を、血液検査と内診で医師が予測しながら治療を進めていく為、どうしても急な診察や連日の病院通いがある上に、予約制ながらも待ち時間はかなりのものです。1回の診察で文庫本1冊読みきれます。(しかも病院によっては椅子が足りなかったりしてかなりしんどい)時は金なりという言葉にもある通り、時間を失うとそれだけお金を稼ぐ機会が減る訳で、この2つのバランスを取るのが非常に難しかったです。私はたまたま退職する機会とも重なったので、正社員から、比較的休みを取りやすいオフィスワークのパートに転職しました。最初に不妊治療中という事を知ってもらえていれば気持ちも楽かもと、求職中、いくつかの会社には面接で「不妊治療中です」と伝えてみたら見事に全部不採用でした。パートは日曜定休で週4の9時~17時のシフト制でしたが、休みをスムーズにとる為にしていたのは「他の人が急に休みを取る事になった時は進んで自分が代わりに出勤する事」。時給制だったのでシフトに入ればお金も稼げるし、急に通院の予定が入った時も普段から代わりに出勤していれば罪悪感も多少減るし、上司も快くお休みをくれるという打算的な理由で… 本当ならこんな気を使ったりせず、どの会社でも、どんな理由でも「お休みもらいますー」「どうぞー」っていう世の中になってほしいですが。そして助成金ももっと幅広くしてほしいですが。連日の通院で仕事の日程の調整を何度も余儀なくされ、もう働きたくない! と思った事もありましたが、やはり治療自体にかなりのお金がかかるので働き続けなければなりませんでした。心と体に影響の多い不妊治療中に、仕事と治療の調整でストレスを溜める事はできるだけ避けたいですよね。
2019年09月05日希望しているのにもかかわらず、なかなか妊娠しない場合は、早めに対策を取ることも大切です。今回は、不妊症や男女の不妊の原因、不妊の検査や治療について解説します。 不妊症とは不妊症とは「妊娠を望む健康な男女が避妊せずに性交しても1年以上妊娠しないこと」と定義されています。(※) 不妊症は、男性側または女性側に原因がある場合と、両方に原因がある場合、原因がわからない場合があります。これまでは一方的に女性が原因と思われることが多くありましたが、男性や女性に原因がある割合は、ほぼ半々とされています。 ※参考:日本産科婦人科学会「不妊症」 女性の不妊の原因女性にみられる不妊の原因には、次のようなものがあります。■排卵に問題がある場合ホルモンバランスに問題があり、卵胞が育たなかったり排卵が起こらなかったりする場合があります。特にホルモンバランスの乱れによる月経不順では、月経時に出血があっても排卵が伴わないことがあります。月経不順の方は排卵障害の可能性がありますので、なかなか妊娠できない場合は病院へ受診してみましょう。<ホルモンバランスの乱れの原因となる疾患>・甲状腺疾患・高プロラクチン血症・多嚢胞性卵巣症候群・早発卵巣不全・精神的ストレス・極度の肥満、ダイエットによる月経不順■卵管に問題がある場合細菌感染や炎症などによって卵管がふさがったり、くっついたりすると精子が卵子に到達できなくなり、妊娠の確率は低くなります。<原因となる疾患>・卵管閉塞・卵管狭窄・性器クラミジア感染症・子宮内膜症■子宮に問題がある場合子宮筋腫や子宮の形に異常がある場合、受精卵が着床できないことがあります。<原因となる疾患>・子宮奇形・子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮粘膜化筋腫・アッシャーマン症候群(子宮内膜の細胞の層の一部が欠けてしまい、くっついてしまう病気)■子宮頸管に問題がある場合子宮頸管を満たす粘液量が少なかったり、精子が侵入しにくい形をしていると、不妊症の原因になることがあります。<原因となる疾患>・子宮の奇形や子宮頸部の手術後・子宮頸部の炎症・頸管粘液の異常■免疫に問題がある場合免疫異常で抗精子抗体(精子を障害する抗体)を持つ女性の場合、精子の動きが悪くなるため、精子が卵子に到達することができません。 男性の不妊の原因男性にみられる不妊の原因には、次のものがあります。■精子の形成に問題がある場合精子の数が少なかったり、精子の運動性が悪かったりすると、不妊症の原因になります。<原因となる疾患>・精索静脈瘤(精巣周辺の陰嚢部に発達した静脈のこぶ)・染色体異常・停留睾丸(陰嚢の中に睾丸が入ってない状態)■射精に問題がある場合過去の炎症(精巣上体炎)などにより精子が通る管が詰まっている場合があります。精子がペニスの先端まで通る道が詰まっていると、射精しても精子が排出できません。■男性の性機能に問題がある場合ストレス、動脈硬化や糖尿病の疾患の原因などなんらかの原因でペニスの勃起に問題が生じることを性行為がうまくいかなくなることがあります(ED:勃起障害)。■加齢による影響男性は35歳ごろから、精子の質の低下が起こります。 不妊症検査の内容と費用日本生殖医学会では、不妊期間を1年として不妊症と診断し、検査と治療を開始したほうが良いとしています。■女性に対する検査産婦人科の不妊外来を受診した際に、問診により、既往歴、月経周期、喫煙、飲酒などの生活習慣などが質問されます。その後、診察して以下のような検査がおこなわれます。・内診・経膣超音波検査超音波プローブを腟に挿入して、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫などの病気の検査をおこないます。病気の疑いがある場合は、さらにMRI検査や腹腔鏡検査をおこなうことも。・子宮卵管造影検査子宮の入り口から造影剤を注入し、子宮の形に異常がないか、卵管の詰まりがないかを調べる検査です。子宮卵管造影により治療的な効果もあり、卵管の通りがよくなることもあります。・ホルモン検査血液検査では、女性ホルモンの分泌や甲状腺の機能などを調べます。月経周期にあわせて検査がおこなわれます。・AMHアンチミュラー菅ホルモン検査卵巣の予備能力や卵がどれくらいあるのか予測でき、卵巣年齢を知る検査です。・性交後試験・フーナーテスト性交渉をおこなった翌日に受診し、女性の子宮頸管粘液を採取して、その中に運動している精子が進入しているか、精子の数や運動率を調べます。体調によっても精子の状態は変化しますので、数回だけの検査することもあります。・クラミジア抗体検査性感染症の原因でもあるクラミジアは卵管をくっつけてしまうため、血液検査によって感染の有無を調べます。・子宮がん検査子宮頸部の細胞を採取し、がん細胞の検査をおこないます。■男性に対する検査・精液検査プライバシーに配慮された個室に案内され、マスターベーションで採取した精液を検査します。もしくは自宅で採取した精子を2時間以内に病院に持参したものを検査します。精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを調べます。検査結果に異常がある場合、精密検査がおこなわれます。・泌尿器科的検査精液検査で異常があった場合におこないます。不妊症に関する病気の既往歴の有無、勃起や射精などの性生活など問診をおこないます。精巣などの外陰部の診察、精巣サイズの測定、精索静脈瘤の有無などを触診でチェックします。■検査費用について不妊検査は、保険適用になる分と自己負担になる分がありますので、初診では2~3万円は準備しましょう。初診は、問診、内診、超音波検査、血液検査などがおこなわれ、一般的に内診と血液検査だと5,000円で健康保険適用内になります。精密検査が必要になれば、数十万円の費用がかかる可能性もあります。病院によって不妊検査の費用が異なりますので、あらかじめ費用の目安についても確認しておくとよいでしょう。 ※参考:日本生殖医学会「一般のみなさまへ 不妊症Q&A」 不妊治療の内容と費用不妊治療のステップとして、タイミング法など自然妊娠をサポートするものから、排卵誘発や体外受精など人工的な授精が段階的におこなわれます。●治療内容について・タイミング法排卵日の2日前から排卵日までに、夫婦の性生活をもつタイミングの指導がおこなわれます。排卵予定日数日前に経腟超音波検査で、卵巣内の卵胞の大きさを測定することで、排卵日を推定します。また、ホルモンの分泌状態から排卵日を予測します。・排卵誘発法内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を促す方法です。排卵のない女性に使用されますが、人工授精や体外受精などにも使用されることがあります。・人工授精手を使って採取した精液から運動している成熟精子を回収して、子宮の中に注入する方法です。妊娠に至らない場合は体外受精へ進みます。・体外受精腟から細い針を穿刺して卵巣から卵子を取り出し、体外で精子と受精させます。受精に成功した受精卵は、培養して分割させ、子宮の中へ移植します。1回の体外受精で複数の受精卵が得られた場合、残った受精卵は凍結します。・顕微授精体外受精で精子と卵子が自然に受精しない場合に、細い針で精子を卵子の中に注入して受精させる方法です。●費用について不妊治療でも気になる人が多いのが、治療にかかる費用です。不妊治療にかかる費用の目安は以下のようになります。【健康保険適用内】タイミング法 1~2万円【健康保険適用外】人工授精 1~4万円体外受精 20~60万円顕微授精 30~70万円 まとめ不妊治療がうまくいかないと、気分も落ち込むことも多いと思います。不妊治療をきっかけに夫婦が険悪な雰囲気になってしまうケースも少なくありません。そのため、不妊治療は高額で長期間に及ぶこともあるので、夫婦でコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。不妊で悩んでいる場合は、まずは原因を明らかにするために医療機関に相談してみましょう。 ※参考:・日本生殖医学会「一般のみなさまへ 不妊症Q&A」・日本産科婦人科学会「不妊症」・一橋大学 国際・公共政策大学院「コンサルティングプロジェクト最終報告書『不妊治療をめぐる現状と課題』」・日本産科婦人科学会・Reason for your choice「生殖補助医療(assisted reproductive technology: ART)の実際」 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
2019年08月03日28歳のときに不妊治療で第一子を授かり、出産した筆者。第一子である娘が1歳を過ぎたころから第二子の不妊治療を始めたのですが、治療を受けるなかで失敗したと思うことがいくつかあります。今回はその失敗体験を紹介します。 不妊治療の記録をすべて捨てた待望の第一子は、タイミング法を3回した後の人工授精3回目で授かりました。おなかの赤ちゃんは順調に育ってめでたく出産となったのですが、産後2カ月が経った後に急遽夫の転勤で引越しをすることに。 引越し後は見知らぬ土地で子育てをしながら片付けにハマり、勢い余って第一子の不妊治療に関する書類をすべて捨ててしまったのです。第二子の治療は引越し先の病院で受けたため、過去の資料が一切なくて困ったのを覚えています。 領収書の管理がいいかげん第一子の不妊治療では人工授精3回目で娘を授かることができたので、治療にかかる費用はそこまで高額にならず助成金の申請はおこないませんでした。 けれど、第二子の不妊治療では10回を超える人工授精をおこなっても子どもを授かることができませんでした。治療費も高額になったため助成金申請をしようとしたところ、領収書がいろいろな場所に保管してあったり日付通りでなかったりして大変な手間がかかり、領収書の管理はきちんとしておく必要があると痛感しました。 妊娠に対する考えが甘かった不妊治療当初から「自然妊娠をする確率はほぼゼロで体外受精でも難しい」 と先生から言われていましたが、娘を3回目の人工授精で授かったので次も思っているよりも簡単に妊娠すると考えていました。 ところが、人工授精12回、体外受精を1回おこなったものの未だに妊娠に至っていません。筆者も夫も年齢はどんどん高くなり、体も衰えていくなかでどこまで治療を続けるのかまだ決めていません。出費は増え続ける一方なので、子どもが授からなかった場合にいつ諦めるのかを考えなくてはならないなと思っています。 不妊治療をしていると、まだ見ぬ未来の赤ちゃんと会える日を楽しみに気持ちが前向きになる一方で、現実的に考えなくてはならないことがたくさんあり、気持ちが後ろ向きになることもあります。それでも、後悔のないように納得のいくまで治療に取り組んでいきたいです。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2019年04月29日「2015年社会保障・人口問題基本調査」 によると、5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けたことがあるそうです。わが家もそのうちの1組で、筆者が27歳、夫が33歳のときに不妊治療を始め、約1年の治療期間を経て第一子を授かりました。今回は筆者と夫が不妊治療を始めたきっかけについてお伝えします。 今赤ちゃんができたら困る筆者が結婚したのは25歳のときで、就職して3年目の仕事もまだまだ半人前のころ。6歳年上の夫は早めに子どもが欲しかったようですが、筆者は 「まだ仕事がきちんとできないのに、今赤ちゃんができたら困るな……。あと2年くらい子どもは欲しくない」 と考えていました。 夫も筆者の考えを尊重してくれて、その間は妊娠しないようにしていましたが、そのころは 「子どもが欲しくなればいつでも妊娠できるだろう」 と軽く考えていました。 そろそろ赤ちゃんが欲しいと思ったら結婚して2年が経ったころ、筆者が仕事に少し慣れたこともあり 「そろそろ赤ちゃんが欲しいな……」 と思うようになりました。職場には妊娠して出産する女性もたくさんいたし、妊活を始めればすぐに子どもを授かるだろうと考えていたのです。 ところが、基礎体温をつけてタイミングを図ってもなかなか妊娠せず……。数カ月しても妊娠しなかったため、不妊治療のできる病院を調べて診察を受けることにしました。 自然妊娠する確率はゼロに等しいと言われてしまう生殖医療婦人科を受診し、血液検査や卵管造影などの検査を進めながらタイミング法での治療を始めました。しかしタイミング法を3度おこなっても妊娠しなかったため、人工授精での治療をおこなうことに。ところが、人工授精をするために精液を提出したところ、 「この数値だと自然妊娠する確率はゼロに等しいです。顕微授精でないと難しいでしょう」 と先生に言われたのです。 夫婦で治療の進め方を話し合った結果、顕微授精は高額になるということもあり、まずは人工授精に10回程度までチャレンジしてそれでもだめならば顕微授精にステップアップしようということになりました。 結局第一子は人工授精3回目で授かることができましたが、まさか自分たちが不妊治療をしないと子どもを授かることが難しいとは想像もしていませんでした。赤ちゃんが欲しいと思ってから早いうちに検査や治療を受けたことで、必要な治療が受けられたのはよかったと思っています。著者:沢田真紀子自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月25日