新人俳優・三宅朱莉と水川あさみが共演した、若手クリエイター・村瀬大智監督の長編商業映画デビュー作『霧の淵』がブルガリア最大規模の映画祭、第28回ソフィア国際映画祭のメイン部門であるインターナショナルコンペティションにて上映され、first or second filmsシネマトグラフィ特別賞を受賞した。ソフィア国際映画祭は、27年の歴史を持つブルガリア最大規模かつ中央・東ヨーロッパ圏を代表する映画祭。今回本作が選ばれた部門は、世界の新進気鋭監督のデビュー作及び2作目の長編が13作品ノミネートされた部門。日本からは、招待作品として参加した『怪物』『PERFECT DAYS』と本作のみの3作品が上映。日本の映画に触れられる機会にブルガリア現地の観客からは強い関心と嬉しさの声が寄せられていた。さらに会場・Odeon Cinemaでの上映には老若男女問わず幅広い観客が来場し、上映後は拍手喝采、涙を見せる観客の姿も。本作が撮影された奈良県・川上村と同様に、遠く離れたブルガリアの地方都市でも若年層の流出が止められない現実があり、本作で描かれていることに共感し、多くの観客に深く響いている様子が見られた。そして、現地時間3月23日(土)21時(日本時間3月24日(日)午前2時)に開催された授賞式にて、本作がfirst or second filmsシネマトグラフィ特別賞を受賞。現地での上映、授賞式に立ち会った村瀬監督は「ブルガリアという一見、川上村とは繋がりがない土地でこの映画が流れ、映画が僕達の手から離れて観客へ届き、染み込んでいく時間。これ以上素敵な時間はないと思います」と語り、「言葉が通じなくても言葉の代わりになる映画の素晴らしさを実感した日々でもありました」と喜びをコメント。シネマトグラフィ特別賞を受賞した撮影監督・百々武からは「40歳で移住した川上村で出会い、支えてくださる村の皆様に、良いお知らせを届けることができて、大変嬉しく思っております。『霧の淵』が、これからたくさんの人々に届くことを願っております」と感謝の思いと、来月の日本公開に向けたコメントが到着。百々さんは本作の舞台である奈良県川上村で撮影した写真集をきっかけに村瀬監督と出会い、本作で初めて映画作品で撮影監督を務めた。また、受賞のニュースを受けた主演の三宅さんからは「初めての映画出演 初めての主演 思い入れの深い作品で、このような素晴らしい賞を頂けて、本当に喜びを感じています」と喜びの声が到着。水川さんからは「『霧の淵』の神秘的で美しい映像と静かなテーマ性が国を越えて伝わっていると思うと喜びで胸が熱くなります」とのコメントが届いている。さらに今回、海外映画祭で絶賛された三宅さんが演じる娘・イヒカと、水川さんが演じる母・咲の新しい場面写真が解禁。娘・イヒカが母・咲を見守り、母はこの先の人生に想いを巡らす、母と娘の複雑な想いが垣間見れるシーンを切り取った。本作が招待を受けた釜山国際映画祭では「2人は主に沈黙、視線などを通して自分の感情を表現している」と2人の演技にも注目が集まっていた。本作は公開前に次々と海外映画祭にて上映され、第72回サン・セバスチャン国際映画祭の新人監督部門に最年少で選出、「奥深い日本の暮らしを描いている」と賛され、アジア最大規模の映画祭、第28回釜山国際映画祭でもA Window on Asian Cinema部門招待作品としてアジアプレミアを果たしている。『霧の淵』は4月6日(土)よりユーロスペースにて先行上映、4月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:霧の淵 2024年4月6日よりユーロスペース先行上映、2024年4月19日より TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2023“霧の淵”Nara International Film Festiva
2024年03月25日Gi-FACTORYは、和歌山・徳島・大阪・広島・山口・島根・北九州・岡山などで開催している大型野外グルメイベント『全肉祭』を2024年5月25日~5月26日の2日間、高知県高知市にある城西公園グラウンド特設会場にて第1回開催を行います。ポスター■第1回 全肉祭 in 高知会場 :城西公園グラウンド特設会場(高知県高知市丸ノ内1丁目8)日程 :2024年5月25日~5月26日時間 :10:00~21:00店舗数:約70店舗■全肉祭とは畜産肉料理はもちろん、魚肉や果肉などあらゆる肉をテーマとして全国を対象に出店を募集・選考し、各地の美食が集う西日本最大級の野外グルメイベント■2日間通っても楽しみ尽くせないボリューム・総メニュー数200アイテム以上!?2日間では絶対に食べきることが出来ません・グルメ出店の他、企業ブースによる無料体験やサンプリングも!?大好評ワインの試飲コーナーもご用意・お子様も退屈させないお遊びブースもご用意大型エアー遊具や射的・スーパーボールすくいなどの縁日コーナーもご用意・観覧無料のステージ企画アイドル生ライブや迫力満点のファイヤーパフォーマンスも朝から晩までたっぷり楽しい2日間夜のファイヤーパフォーマンス集団は必見の価値あり!ファイヤーパフォーマンススペシャルゲストとして、MEGARYUのMEGAHORNがフリーライブでステージ出演します!MEGAHORN■全肉祭 公式Instagram ※出店店舗の募集は既に締め切っています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月25日一般社団法人 情報オリンピック日本委員会は、2024年9月1日~9月8日 エジプト・アレクサンドリアで開催予定の「第36回国際情報オリンピック(IOI 2024)」の日本代表選手4名と、本年7月21日~7月27日 オランダ・フェルトホーフェンで開催予定の「第4回ヨーロッパ女子情報オリンピック(EGOI 2024)」の日本代表選手4名を発表しました。IOI 2024日本代表選手 左から 尼丁さん、太田さん、林さん、平澤さん「第23回日本情報オリンピック(JOI 2023/2024)」予選に参加した2,508名からJOI本選での選考を経た、成績優秀者28名(内1名欠席)による「JOI春季トレーニング」(3月20日~24日)をNTT DATA 駒場研修センターで実施しました。JOI春季トレーニングでは4回の競技(各5時間3課題)・解析・解説を中心に実施し、その結果に基づき、3月24日「第36回国際情報オリンピック(IOI 2024)」の日本代表選手4名を決定しました。日本代表選手は以下のとおりです。「第36回国際情報オリンピック(IOI 2024)」日本代表選手尼丁 祥伍 (アマチョウ ショウゴ) 灘高等学校 高2太田 克樹 (オオタ カツキ) 筑波大学附属駒場高等学校 高1林 涼太郎 (ハヤシ リョウタロウ) 筑波大学附属駒場高等学校 高2平澤 由埜 (ヒラサワ ユウヤ) 神奈川大学附属中学校 中2(氏名は五十音順、学年は2024年3月現在)この4名は、2024年9月1日~9月8日 エジプト・アレクサンドリアで行われる予定の「第36回国際情報オリンピック(IOI 2024)」に日本代表選手として参加します。「日本情報オリンピック第4回女性部門(JOIG 2023/2024)」では、予選に参加した666名から、JOIG本選を経て成績優秀者10名(内1名欠席)が、NTT DATA 駒場研修センターで開催された「JOIG春季トレーニング」(3月20日~24日)に進みました。JOIG春季トレーニングでは、講義・演習等に加え、2回の競技(各5時間4課題)を実施し、その結果から、以下の日本代表選手4名を決定しました。EGOI 2024日本代表選手 左から 植田さん、志村さん、籏智さん、藤居さん「第4回ヨーロッパ女子情報オリンピック(EGOI 2024)」日本代表選手植田 奈々子 (ウエダ ナナコ) Rugby School 高2志村 瑛美 (シムラ エミ) 東京都立新宿山吹高等学校 高1籏智 里奈 (ハタチ リナ) 洛南高等学校附属中学校 中2藤居 星 (フジイ アカリ) 北海道札幌南高等学校 高2(氏名は五十音順、学年は2024年3月現在)この4名は、2024年7月21日~7月27日 オランダ・フェルトホーフェンで開催される予定の「第4回ヨーロッパ女子情報オリンピック(EGOI 2024)」に日本代表選手として参加します。【国際情報オリンピックとは】国際情報オリンピック(IOI = International Olympiad in Informatics) は、情報科学(informatics)を対象とするものであり、毎年、ホスト国を変えながら1週間程度にわたり開催されます。世界の約80の国・地域から高等学校3年に相当する、学年以下の生徒達が集まり、数理情報科学の能力を競う智の競技会です。競技では、現実の問題をモデルにした与えられた課題に対する性能の良いアルゴリズムを設計し、さらに、それをプログラムとして適切に実装することが求められます。「第23回日本情報オリンピック(JOI 2023/2024)」実施要領: 【ヨーロッパ女子情報オリンピックとは】ヨーロッパ女子情報オリンピック(EGOI = European Girls' Olympiad in Informatics)は、高等学校3年に相当する学年以下の女子生徒を対象としたプログラミングコンテストです。競技では、与えられた課題に対する性能の良いアルゴリズムを設計し、さらにそれをプログラムとして適切に実装することが求められます。EGOIは主にヨーロッパの国・地域を中心に開催されますが、ヨーロッパ以外の国・地域も招待されており、日本は2021年、第1回スイス大会から参加しています。「日本情報オリンピック第4回女性部門(JOIG 2023/2024)」実施要領: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月25日ファミリーマートは3月8日の国際女性デーにあわせて、ファミリーマートオリジナルブランド「コンビニエンスウェア」の「吸水サニタリーショーツ」を全国のファミリーマート店舗で発売するほか、東京都内5店舗の「ファミマ!!」にて女性の毎日をサポートするフェムテック関連商品を展開しています。■「国際女性デー」に向けた、様々な取り組みを展開国際女性デーに向けて、昨年一部店舗限定にて発売した「吸水ショーツ」を今回、全国のファミリーマート店舗で発売します。クロッチ部の肌面には、オーガニックコットン100%の無漂白・無染色の生地を使用したからだにやさしい仕様の商品。羽根つきナプキンとの併用も可能、クロッチ肌面の色を生成りにすることで、日々の体調の変化を確認出来ることを目的としています。また東京都内の「ファミマ!!」5店舗においてフェムテック関連商品を展開。乳がんや女性疾患への認知向上およびセルフケア意識の向上に貢献し、トライアル商品の展開を通してフェムテック商品を気軽に試せるきっかけづくりを目指しています。つわり緩和バンドや乳がん検診袋に加えて、明治の「アルファルナ」シリーズを展開。「アルファルナ」シリーズは、生乳に含まれるたんぱく質の一つ「α-LA (α-ラクトアルブミン) 」を配合した、生理の時期にも寄り添う食品となります。■商品概要【商品名】クロッチ肌面 無漂白オーガニックコットン 吸水サニタリーショーツ くろ【価格】1,998円【発売日】2024年3月5日【発売地域】全国【内容】6層構造の吸水サニタリーショーツ。クロッチ部の肌面には、オーガニックコットン100%の無漂白・無染色の生地を使用し、からだにやさしい仕様です。また、ヒップ部分まで速乾メッシュ素材で覆っているため後ろ側からの漏れを気にせず使えます。羽根つきナプキンとの併用も可能です。クロッチ肌面の色を生成りにすることで、日々の体調の変化を確認出来ることを目的としています。数量限定です。【カラー】身生地:くろクロッチ肌面:生成り【サイズ展開】M、L※画像はイメージです。※店舗によって取り扱いのない場合があります※店舗によって発売日が異なる場合があります<ファミマ!!展開商品(一部)>【商品名】つわり緩和 医療用指圧バンドOSTO(オスト)【価格】2,280円【発売日】2024年3月5日【発売地域】東京都内の「ファミマ!!」5店舗限定【内容】両手首にある「内関」のツボを刺激し、つわりの吐き気やムカつきを緩和するツボ押しバンド。バンドを両手首に巻くだけで装着も簡単。さらに、シリコン製で水濡れも安心な商品です。【商品名】アイム ラフロリア デリケートゾーンケア トライアルセット【価格】2,970円【発売日】2024年3月5日【発売地域】東京都内の「ファミマ!!」5店舗限定【内容】「デリケートゾーンケアが初めてで、まずは試してみたい」「旅先にも持っていきたい」人向けの約2週間のセットです。●セット内容/・デリケートボディウォッシュ 50mL・デリケートボディクリーム 30g【商品名】乳がん検診手袋ブレストケアグラブ【価格】550円【発売日】2024年3月5日【発売地域】東京都内の「ファミマ!!」5店舗限定【内容】「手に優しいアレルギーフリー」「いつでも手軽に使用可能」「脱タンパクで手や肌が汚れないパウダーフリー」の3つの特長を持つ乳がん検診手袋です。【商品名】ママバターマイファーストフェムテックトライアルキット【価格】1,870円【発売日】2024年3月5日【発売地域】東京都内の「ファミマ!!」5店舗限定【内容】デリケートケアウォッシュ・ミスト(14日間用)、サンプル(クリーム・オイル)各1包が入ったお試しキット。約2週間使えるウォッシュとミストのセットに、1回分のクリーム&オイルパウチがついてくる、お試しセットです。●セット内容/・デリケートケアウォッシュ30ml・デリケートケアミスト15ml・モイスチャーホワイトクリーム&バランシングオイル個包装×1包【商品名】α-LunA パウダー【価格】2,808円【発売日】2024年3月5日【発売地域】東京都内の「ファミマ!!」5店舗限定【内容】生乳由来のたんぱく質であるα-ラクトアルブミンと女性に嬉しい4種のビタミンB群と3種のミネラルを配合した、毎日の飲み物、食べ物に混ぜられる味のパウダーです。【商品名】α-LunA ミルクチョコレート【価格】354円【発売日】2024年3月5日【発売地域】東京都内の「ファミマ!!」5店舗限定【内容】生乳由来のたんぱく質であるα-ラクトアルブミンと女性に嬉しい4種のビタミンB群と3種のミネラルを配合した、ひとくちサイズのミルクチョコレートです。※画像はイメージ。※軽減税率対象商品の価格は消費税8%にて表示しています。※店舗によって取り扱いのない場合があります。※展開店舗:ファミマ!!麻布台ヒルズ店、ファミマ!!虎ノ門ヒルズ店、アーバン・ファミマ!!虎ノ門ヒルズビジネスタワー店、ファミマ!!ムスブ田町店、ファミマ!!恵比寿ガーデンプレイス店(エボル)
2024年03月24日シンガーソングライター平原綾香が2015年に設立した「平原綾⾹ Jupiter基⾦」のチャリティーコンサート<第8回 平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert〜顔晴れ[がんばれ]こどもたち 〜with Orchestra>が、2024年3月20日に東京国際フォーラム ホールCにて開催された。編成は、ドラム則竹裕之、ピアノ大貫祐一郎、ギター&チェロ伊藤ハルトシ、指揮佐々木新平、演奏洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団。今回で8回⽬を迎える公演は、運営経費を除いた残⾦のすべて、また(有)OfficeMAMA.の収益⾦および平原綾⾹の出演料、コンサート会場での募⾦活動、そしてチャリティーグッズの製作費を除いた収益のすべてを寄付するというもの。「そのときに最も困っている人にエールを届けたい」という思いから寄付先は毎回変わり、今回は「医療の届かないところに医療を届ける」を活動理念とする認定NPO法人「ジャパンハート」を通じ、令和6年能登半島地震の被災地に対し、避難所での診療所運営と遠隔地への巡回診療で被災地医療支援を行うための支援金として寄付を行う。コンサートは静かなピアノ演奏の中、柔らかなブルーの衣裳で登場した平原の『明⽇』の歌唱から始まった。大きな拍手の中、やさしい歌声とハープの音色で始まり、オーケストラの演奏が加わると、温かで重厚感のある空気が客席を包み込む。そのままアイルランド民謡のカバー『Danny Boy』、『ありがとう』、『Don’t Cry』と続き、耳と心に音楽が満ちていくような時間に浸る。歌い終えた平原が客席に「こんばんは!」と声をかけると、観客も「こんばんは!」と返すとうれしそうな笑顔を見せ、「平原綾⾹Jupiter基⾦ の活動に賛同し、来てくださってありがとうございます。今日はみなさんに感謝の気持ち、そして能登半島地震で被災された方々に届けたいと思います。最後まで楽しんでください」と挨拶。ピアノ伴奏で『からっぽのハート』を歌いあげた。MCでは、Jupiter基⾦のチャリティーコンサートとしては初となるオーケストラも紹介。「私の母校です」と洗足学園のニューフィルハーモニック管弦楽団とのコラボを喜ぶ。さらに今回の寄付先である認定NPO法人「ジャパンハート」の事務局長の佐藤抄氏、高橋茉莉子氏から直接、支援活動の紹介が行われ、恒例の“あーやチャリティーショップコーナー”に。今回のチャリテーグッズは、平原自身がデザインしたオーガニックコットンTシャツ、ポケッタブルバッグに加え、「平原綾⾹ Jupiter 基⾦ Presents 平原まこと 50周年 メモリアルコンサート」Blu-rayも。Blu-rayは、平原の父であり、Jupiter 基⾦コンサートでは募金箱を持って会場に立った平原まことの意思を受け継ぎ、経費を除く販売の収益のすべてを寄付することが紹介された。一部の締めくくりは、『おひさま〜⼤切なあなたへ』と、映画『サウンド・オブ・ミュージック』の楽曲メドレー『The Sound Of Music Medley』。観客はペンライトを振り、ステージと客席が一体感に包まれた。休憩を挟み第二部は『CARMEN〜Je t ’aime!』でスタート。平原のアカペラから始まり、楽器が加わり、平原の口笛も披露され、さまざまな音が重なり引き立て合う音楽の美しさを堪能する。さらに続く『アランフェス協奏曲〜Spain』ではボイス・パーカッションも披露され、『メリー・ポピンズ』でおなじみの楽曲『Supercalifragilisticexpialidocious』は観客も手拍子で参加。楽器や歌はもちろんのこと、人の奏でる音がつくりあげる音楽の楽しさを体感できるような時間となった。平原は「たくさんの方に応援していただいて今回を迎えることができました。本当にありがとうございます。Jupiter基⾦は来年も続けていけるようにがんばっていきたいので、変わらず応援していただけたらうれしいです。そして能登半島地震でいま復興に向けて、一日一日がんばっている人にしっかり届くように、これからも歌い続けていきたいです」と話し、「Jupiter基⾦チャリティーコンサート初のオーケストラということですごく嬉しい」「ここで一度、私たち2人(平原とギターの伊藤)だけで届けて、最後にオーケストラでガツンと終わろうと思います」と、歌とギターによる『マスカット』をしっとりと聴かせ、ラストは基金のタイトルでもある『Jupiter』で壮大に本編を締めくくった。アンコールでは、平原が「このJupiter基⾦を立ち上げて第1回目のコンサートから歌っています」と話す『あなたを忘れない』(ミュージカル『ウィキッド』より)、そして『キミへ』を披露。最後は観客が立ち上がり拍手喝采、平原は想いを届けるようにステージの端から端まで移動しながら手を振り、マイクを通さない生声で「ありがとうございました!」と手を振って終演となった。文:中川實穗写真:hiroki nishioka<公演概要>第8回 平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert〜顔晴れ[がんばれ]こどもたち 〜with Orchestra【日時】2024年3月20日(水祝) 開場17:15 開演18:00【会場】東京国際フォーラム ホールC (東京都)【出演】 平原綾香ドラム 則竹裕之 ピアノ 大貫祐一郎 ギター&チェロ 伊藤ハルトシ指揮 佐々木新平 演奏 洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月22日第13回「IKEBUKURO パン祭」が東武百貨店 池袋本店で2024年3月28日(木)から4月2日(火)まで開催される。人気ベーカリーが集う第13回「IKEBUKURO パン祭」第13回目の開催となる東武百貨店 池袋本店の「IKEBUKURO パン祭」には、初出店11店舗を含む45店舗が集結。東京や北海道、福岡まで、全国各地の人気ベーカリーによるパンが一堂に会し、焼きたてパンが楽しめる実演販売も実施する。“とろ~り”チーズ&スイーツ系チーズパン注目は、幅広い世代に人気の“チーズパン”。モッツァレラチーズとチェダーチーズを贅沢に合わせた鎌倉・Giraffaの「Wチーズカレーパン」や、さっぱりとしたクリームチーズとフランボワーズチョコレートが好相性の福岡・オスピターレ「スフォリアテッラ ニューヨークチーズケーキ」などがラインナップする。北海道・イルマットーネ アルルが贈る、モッツァレラチーズがとろりと溶け出す「こぼれとうきびパンのびるモッツァレラ~十勝ラクレットチーズがけ~」など、実演販売も要チェックだ。ジェラート入りの新感覚クロワッサン定番人気のクロワッサンには、サクサクのクロワッサン生地とひんやりとしたジェラートを掛け合わせた、平塚・Shonan Spice Gelato Hisaの新感覚メニュー「ジェラパン」や、ずんだや桜など、春を感じる和風クリームを挟み込んだ自由が丘・モンノンの「パンスイス」などが揃う。東武限定メニューの“和風サンドイッチ”もまた、東武限定パン「肉じゃがと松風焼きのサンド」が初登場。押上にあるベーカリー・手づくりのデリとパン cafe coconaが“家庭の味”を再現し、ゴロゴロ野菜の肉じゃが&分厚い卵焼きを、和風サンドイッチへと落とし込んだ。【詳細】第13回「IKEBUKURO パン祭」期間:2024年3月28日(木)~4月2日(火)場所:東武百貨店 池袋本店 8階催事場住所:東京都豊島区西池袋1-1-25営業時間:10:00~19:00店舗数:45店舗(パン祭初出店11店舗)商品例:・北海道・イルマットーネ アルル「こぼれとうきびパンのびるモッツァレラ~十勝ラクレットチーズがけ~」1個594円<各日販売予定300点>・福岡・オスピターレ「スフォリアテッラ ニューヨークチーズケーキ」1個451円・平塚・Shonan Spice Gelato Hisa「ジェラパン」各種1個481円~・押上・手づくりのデリとパン cafe cocona「肉じゃがと松風焼きのサンド」1個626円<各日販売予定30点>※イートインは閉場30分前がラストオーダー。※写真はイメージ。出店ブランド・内容など変更の場合がある。
2024年03月22日Gi-FACTORYは、和歌山・徳島・大阪・広島・山口で開催している大型野外グルメイベント『全肉祭』の第2回を2024年4月20日(土)・4月21日(日)の2日間、島根県松江市にある旧県立プール跡地広場にて開催いたします。ポスター■第2回 全肉祭 in 松江開場 :旧県立プール跡地広場(島根県松江市学園南1丁目23)日程 :2024年4月20日(土)・4月21日(日)時間 :10:00~21:00店舗数:約50店舗■全肉祭とは畜産肉料理はもちろん、魚肉や果肉などあらゆる肉をテーマとして全国を対象に出店を募集・選考し、各地の美食が集う西日本最大級の野外グルメイベント■両日通っても楽しみ尽くせないボリューム・総メニュー数200アイテム以上!?2日間では絶対に食べきることが出来ません・グルメ出店の他、企業ブースによる無料体験やサンプリングも!?ワインの試飲コーナーもご用意・お子様も退屈させないお遊びブースもご用意大型エアー遊具や射的・スーパーボールすくいなどの縁日コーナーもご用意・観覧無料のステージ企画アイドル生ライブや迫力満点のファイヤーパフォーマンスを披露SPゲスト MEGAHORN(MEGARYU)が島根県に今年もやってくる!生ライブがなんと観覧無料です!!MEGAHORN朝から晩までたっぷり楽しい2日間夜のファイヤーパフォーマンス集団は必見の価値あり!アクセス抜群!松江駅から徒歩15分全肉祭 公式Instagram ※出店店舗の募集は既に締め切っています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月20日国際的活躍が期待される若手映画監督を顕彰する「大島渚賞」の授賞式が3月18日(月)、都内で行われ、第5回受賞者である工藤将亮監督が出席。「えらい賞をもらってしまったなと。大島渚賞なので、これで終わってはいけない。もっと高みを目指さないといけないと思っています。これからも情熱を燃やし、映画に向き合っていきたい」と映画製作への決意を新たにしていた。工藤監督は、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞した長編デビュー作『アイム・クレイジー』(2019)、第2作目『未曾有』(2021/本年公開予定)と、テーマへの着実なアプローチで世界中の映画祭から注目される、いま最も目が離せない映画作家のひとりだ。対象作品となった2023年公開作の『遠いところ』は、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペティション部門に日本映画として10年ぶりに正式出品を果たし、第23回東京フィルメックスでは観客賞を受賞。先日発表された第37回高崎映画祭で、新進監督グランプリ&最優秀新人俳優賞(花瀬琴音)のダブル受賞を果たした。挨拶に立った工藤監督は、大島監督の遺作となった『御法度』のスタッフであり、「僕を映画の道に導いてくださり、助監督時代から可愛がってくださった」という故・元持昌之氏との思い出を述懐。「今日、突風で帽子が飛ばされ、メガネが壊れたんですが、きっと元持さんが“調子に乗るな”と小突いてくれたんだと思う。こんな賞をもらえるくらいまで育ててくださって、感謝いたします」と天を見つけた。工藤将亮監督また、主演を務めた花瀬琴音は「工藤監督は、監督とか俳優とかそういう関係ではなく、心に寄り添い、一緒に戦ってくださる方」だと語り、「この経験を宝物にして、素敵な映画作りに精進したい」と背筋を伸ばした。花瀬琴音授賞式には工藤監督と花瀬をはじめ、審査員長の黒沢清監督、プレゼンターの大島新(ドキュメンタリー監督・大島プロダクション代表)、矢内廣(一般社団法人PFF理事長・ぴあ株式会社代表取締役社長)が出席した。PFF(ぴあフィルムフェスティバル)が2019年に創設し、映画の未来を拓き、世界へ羽ばたこうとする、若き才能に授与される同賞。「日本で活躍する映画監督(劇場公開作3本程度)」、「原則として前年に発表された作品がある」監督を対象に、高い志を持って世界に挑戦した大島渚監督に続く次世代の才能を期待と称賛を込めて顕彰してきた。授賞式では、初代・審査員長を務め、昨年3月28日に死去した坂本龍一氏へ黙とうが捧げられた。矢内氏は「龍一さんは、大島渚賞にふさわしい作品とは、大島渚に迎合するのではなく、大島渚を挑発し批判し、乗り越える。そういう作品でなければならないし、そういう作品に出合いたいとおっしゃっていた」と回想し、「命をかけて審査してくださった。本当にありがとうございます。大変残念です、喪失感でいっぱいです」と哀悼の意を示した。また、審査員長を引き継ぐことになった黒沢監督は、「坂本さんは映画に対して情熱的で、厳しい方でした」と振り返り、「この作品であれば、坂本さんも文句を言わないと思います。そう自信をもって選ばせていただいた。本当に素晴らしい魅力的な主人公が描かれており、その外側には(主人公を)引き立てるだけじゃない、沖縄と日本の社会がある」と受賞作品を激賞。大島氏は「大島渚の作品がそうであったように、目を背けたくなる作品だが、あるがゆえに映画の価値があると感じました」と工藤監督を称えていた。黒沢清取材・文・撮影:内田涼▽「大島渚賞」過去の受賞者第1回/小田香監督第2回/該当者なし第3回/藤元明緒監督第4回/山﨑樹一郎監督
2024年03月18日今年で4回目となる『TBSドキュメンタリー映画祭』が3月15日(金) に開幕し、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて15日(金)・16日(土)・17日(日) に各作品の舞台挨拶が実施された。さまざまな作品の監督や出演者が登壇し、満席が続出した舞台挨拶の一部をレポートとしてお届けする。『私の家族』【登壇者】監督:久保田智子ゲスト:杉山文野(東京レインボープライド代表)2019年に特別養子縁組で新生児を家族に迎えた、元TBSアナウンサー久保田智子監督自身の家族に迫る『私の家族』。久保田監督は、「作り手としては取材対象に近づいて生の映像を撮りたいと思うけれど、一方で自分は取材される側でもあって……。そこには自分を守りたいという気持ちもありました。曝け出して大丈夫なのか?私の家族はどう思うのか?そんな葛藤がありました」と心境を吐露。不安な背中を押してくれたのは「せっかく作品として発表するのならば、社会に影響を与えられる方が良いのではないか?」という夫からの一言だったという。久保田監督は「この作品は家族が賛成してくれたからこそ出来た映画」と家族のサポートに感謝していた。久保田智子監督また久保田監督は、「特別養子縁組を選択する前は、家族とは子供を産んで育てることだと思っていました。それが自分に出来ないと思った時に、急にマイノリティーになる瞬間があると感じました。当たり前が出来ないと知った時に、どう生きたらいいのかわからない葛藤もありました。その意味でも選択肢があることは大切。一般的な当たり前から外れても選択肢さえあれば別の選択をすればいいと前向きに思えるから」と、特別養子縁組を経ての想いを口にしていた。舞台挨拶ゲストとして登場したのは、東京レインボープライドの代表で自身もトランスジェンダーの杉山文野。友人からの精子提供により、パートナーとふたりの子供を育てている杉山氏。本作を観て、「自分には子育ては出来ないと思っていたので、ゼロだと思っていた分、実際に子育てが出来るとそのふり幅分楽しんでいるところがあります。血の繋がりさえ気にしなければ、子育ては出来る」と実感したという。LGBTQ+当事者で実際に子育てをしている人もいるそうだが、「日本では法的なハードルがあり過ぎてその数は限られている。選択肢が増えることによって子育てへの様々な関わり方が生まれたら嬉しい」と時代の変化に期待していた。杉山文野舞台挨拶の最後に久保田監督は、「自分のありのままを受け入れるのは難しかったけれど、ありのままの自分を受け入れて生きるしかないと思うことが出来て、それを発信するところまで来たわけですから、作品が完成して上映に立ち会っていることが感慨深いです」と噛み締めるようにコメントした。『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』【登壇者】監督:津村有紀ゲスト:古川流唯、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空名古屋を拠点に活動するBOYS AND MENの弟分、カラフルダイヤモンドの奮闘を追った『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム~』。舞台挨拶には、津村有紀監督とカラフルダイヤモンドのメンバーから古川流唯、内海太一、設楽賢、高垣博之、國村諒河、岡大和、小辻庵、関優樹、永遠、加藤青空が登壇した。カラフルダイヤモンドチケット即完で迎えたこの日の舞台挨拶。古川は「凄く緊張していたけど、皆さんに笑顔で待っていただけて……。そして僕らカラフルダイヤモンドの歴史を見てもらえて嬉しいです!」と喜色満面。設楽も「場内に入った瞬間、皆さんの顔がいっぱいあって良かった。ドキュメンタリーということで堅苦しいイメージもあったかもしれないけれど、皆さんが笑顔で観てくれたのが嬉しいです。この作品を通して僕らの魅力が伝わったら!」と期待を寄せた。高垣は、「感動的なシーンもあったので、皆さんのお顔に涙の跡の線2本があったら嬉しい。ポップコーンを食べながらカラフルダイヤモンドを見ることはレア体験。2回目を見る人は、ポップコーンをマストで作品を見てほしいです!」とお勧め。岡は「上映初日という特別な空間を皆さんと一緒にいられるのが幸せです。ステージに立って良かった、ドキュメンタリー作品になって良かったと思えました!」と感激していた。グループにとって初の密着取材となった本作。これに小辻は「初の密着ということで緊張したけれど、メンバーそれぞれの顔がしっかりと映っていて、しかもメンバーの知らないところも知れたりして嬉しかった」と達成感を覚えたことを明かす。関は「真面目に語っているシーンは正直ド緊張しました。でも監督とどんどん打ち解けて、素の表情になっていきました。インドカレー屋さんのシーンでは、思わず素の姿になっています!」と見どころポイントも挙げていた。永遠は、「映画の経験もドキュメンタリーの撮影も初めてだったのでド緊張。それもあってか僕は素が出る前に撮影が終わりました。……この作品に映っている永遠は、永遠の中の永遠じゃないところが出ています。まさに永遠役の永遠でした」といまだ緊張しきり。加藤も「カメラや照明、そして何人もの大人に囲まれて、そんな中で椅子に座らされて質問されて……。緊張しないわけがない!カメラには映っていないけれど手はブルブルでした。ヤバかったです!」と大いに緊張していたことを明かしていた。劇中には、國村と内海が神妙な面持ちで本音を吐露するシーンも。内海は「お好み焼き屋さんで1時間語る予定が、大いに盛り上がって3時間くらいになった。お店の席に座った時は緊張していたけれど、本音をぶつけ合うことが出来ました」と回想。國村も「毎日会っているのに、最初は元彼に会ったみたいな気まずい雰囲気に(笑)。一緒に暮らしているのに、『最近元気?』とか聞いたりして。でも自分の中で思うところもあったので、今日はその話をするぞと挑んだ。あの瞬間に思いをぶつけることが出来て、本音トークが出来ました」と手応え。内海は「あの本音のぶつけ合いをきっかけに前に進めた気がする」と本作の撮影がグループとしてのターニングポイントだと実感していた。そんなメンバーたちの姿に、津村監督は「彼らはこちらが質問を投げかけなくても色々な話をしてくれて、それが自然とドキュメンタリーになった。グループとしてはもちろんの事、それぞれ個人としても考えが深くて、ご本人たちの哲学も滲み出しています。私は彼らよりも倍以上の年齢だけれど、彼らの考えや悩みが重なるところもあって勉強になりました」と影響を受けていた。津村有紀監督舞台挨拶の後には、カラフルダイヤモンドのメンバーたちが観客を見送る「ハイタッチ会」も実施。映画の感想や応援メッセージを伝えられたメンバーたちは、ますますまぶしい笑顔を見せていた。ハイタッチ会の模様第4回の開催となる今年の『TBSドキュメンタリー映画祭』では、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障害など多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品を上映。そのほかの上映作品は以下の通り。<上映作品>『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』『家さえあれば ~貧困と居住支援~』『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』『リリアンの揺りかご』『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』『映画 情熱大陸 土井善晴』『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承~』『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』『BORDER 戦場記者 × イスラム国』<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭2024』3月15日(金) より東京、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌で順次開催『TBSドキュメンタリー映画祭2024』キービジュアル東京:3月15日(金)~28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷大阪:3月22日(金)~4月4日(木) シネ・リーブル梅田愛知:3月22日(金)~4月4日(木) センチュリーシネマ京都:3月22日(金)~4月4日(木) アップリンク京都福岡:3月29日(金)~4月11日(木) キノシネマ天神札幌:3月30日(土)~4月11日(木) シアターキノ公式サイト:
2024年03月18日北アルプスの麓、長野県大町市を舞台に2017年より開催されている「北アルプス国際芸術祭」。第3回目となる「北アルプス国際芸術祭2024」が2024年9月13日(金)から11月4日(月・祝)まで開催されることが決定。3月14日(水)に企画発表会が行われた。長野県の北西部に位置する大町市は、3000m級の山々が連なる北アルプスの麓にあり、清冽な雪解け水と澄んだ空気、四季折々の景観に恵まれた場所。そんな大町市の特色をいかし「水・木・土・空」をテーマに開催されるこの芸術祭には、国内外から約35組のアーティストが参加予定。「市街地エリア」「ダムエリア」「源流エリア」「仁科三湖エリア」「東山エリア」と大町の特色がみられる5つのエリアを舞台に、その土地の特徴をいかしたサイトスペシフィックな作品が展開される。千国街道の宿場町として栄えた歴史をもつ「市街地エリア」では、ドキュメンタリーとフィクションを合わせた「モキュメンタリー」という手法で作品を制作している小鷹拓郎が、山をモチーフに地元の専門家と協働しながら映像作品を制作。写真家の鈴木理策は大町の水資源をテーマに写真と映像作品を展示する。鈴木理策《水鏡》北アルプス国際芸術祭2024参考作品大町にとって重要な意味をもつ「ダムエリア」では、磯辺行久が前回に引き続き七倉ダムで大規模な作品を展開。鹿島川流域の「源流エリア」では、「土地と人との結びつき」をテーマに写真やインスタレーション作品を発表しているスクリプカリウ落合安奈が、猟師や山小屋を営んでいる人に話を聞くなどフィールドワークを重ね、フィルムで撮影した写真作品を発表する予定だ。ヨウ・ウェンフー(タイトル未定)北アルプス国際芸術祭2024作品プランかつて「塩の道」とよばれた道筋に位置する三つの湖を擁する「仁科三湖エリア」では、日本とロシアの建築家ユニット、アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬/KASAが、「生命の通り道としての水」を形にするような作品を制作。豊かな里山が広がる「東山エリア」では、台湾のヨウ・ウェンフーが地域の人たちと協働し竹を使って公民館を覆う大規模なインスタレーションを展開。南アフリカ出身のルデル・モーはトンネル内に巨大な石の彫刻を設置する。ルデル・モー[南アフリカ](タイトル未定)北アルプス国際芸術祭2024作品プランまた、淺井裕介や、川俣正、目[mé]、ジミー・リャオなどは第1回、2回で制作した既存作品で参加する。淺井裕介[日本]《土の泉》2017, 2021撮影:栗田萌瑛目[mé][日本]《信濃大町実景舎》2017撮影:本郷毅史展示以外にも、藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める「マームとジプシー」が、ミナ ペルホネンとの共同作品で参加した前回に続き新作の上演を予定。展覧会のメインビジュアルは前回から引き続き皆川明(ミナ ペルホネン)が担当し、さまざまなグッズなども展開される。「北アルプス国際芸術祭2024」メインビジュアル総合ディレクターの北川フラムは、「厳しい時代のなかで、芸術祭を通して生まれた新しいつながりや、観光で訪れた人たちが、地域や閉鎖的になっている人たちに対して新しい風をもたらしたりと、おもしろい動きが生まれています。大町でも自然と人との出会いというとことをやっているので、ぜひいらしてください」と語った。会期中には、大町の風土が育んだ食文化と旬の食材を提供する公式カフェ&レストラン「YAMANBA」もオープン。地元のガイドによる案内つきのオフィシャルツアーなども用意されている。【参加アーティスト】2024年3月14日現在淺井裕介(日本)/ダナ・アワルタニ(サウジアラビア/パレスチナ)/ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット(カナダ)/マリア・フェルナンダ・カルドーゾ(コロンビア/オーストラリア)/船川翔司(日本)/布施知子(日本)/平田五郎(日本)/磯辺行久(日本)/川俣正(日本/フランス)/イアン・ケア(イギリス)/木村崇人(日本)/小鷹拓郎(日本)/コタケマン(日本)/アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬/KASA(ロシア・日本)/ジミー・リャオ〈幾米〉(台湾)/松本秋則(日本)/目[mé](日本)/宮山香里(日本/イタリア)/ルデル・モー(南アフリカ)/ムルヤナ(インドネシア)/マームとジプシー(日本)/村上慧(日本)/エカテリーナ・ムロムツェワ(ロシア/アメリカ)/小内光(日本)/佐々木類(日本)/スクリプカリウ落合安奈(日本)/ソ・ミンジョン(韓国)/鈴木理策(日本)/大北林研グループ(日本)/Torus Vil.(トーラスヴィレッジ、日本)/ヨウ・ウェンフー〈游文富〉(台湾)<開催情報>「北アルプス国際芸術祭2024」2024年9月13日(金)~11月4日(月・祝)、長野県大町市(5つのエリア|市街地、ダム、源流、仁科三湖、東山)で開催公式HP:チケット情報:()
2024年03月16日映画『変な家』(公開中)の初日舞台挨拶が15日に都内で行われ、間宮祥太朗、佐藤二朗、川栄李奈、瀧本美織、斉藤由貴、石川淳一監督が登壇した。同作は、白い仮面をかぶった謎のクリエイター・雨穴による書籍の実写化作。売れないオカルト専門の動画クリエイターの雨宮(間宮祥太朗)は、マネージャーから購入予定の家の間取りについて不可解な点があると相談を受ける。雨宮は、自身のオカルトネタの提供者である、ミステリー愛好家の変人設計士・栗原(佐藤二朗)にこの間取りについて意見を聞いてみることに。すると、奇妙な“違和感”が次々と浮かび上がり、栗原はある恐ろしい仮説を導き出す。○■映画『変な家』、第44回ポルト国際映画祭で審査員特別賞を受賞先日、ポルトガルで開催されたポルト国際映画祭で審査員特別賞を受賞した今作。実際に映画祭にも参加した間宮は「試写もやってないですし、日本でお客さんに観てもらう前に、初めてこの映画を観客として観る方々がポルト映画祭に来てくださった方々。正直、最初不安というか……もちろん言語も違いますし、物語が進んでいく中でどういう反応をいただけるかというのが全く想像つかなかった」と振り返る。しかし、現地では笑いも起こる場面もあったそうで、これには佐藤も「笑いが起きる!?」と驚きの表情を見せていた。笑いが起こったのは佐藤のシーンだったそうで、「もちろんポルト映画祭に来てくれたお客さんなので佐藤二朗というだけで笑う人はいないです(笑)」と話す間宮に、佐藤は「日本でも別に……」と反論。しかし、間宮から「それはいます!」と返されてしまい、「確かにそれはいるな(笑)」と納得した表情を見せ、笑いを誘った。上映後半では声が上がることもあったそうで、このポルトガルでの反応を受け、間宮は「日本で上映する前にちょっと自信がついた。言語も違うポルトガルの方々があれだけ盛り上がってくれたんだから、日本で上映されたら一層盛り上がっていくんじゃないかなと思いました」と自信をのぞかせた。
2024年03月15日高価買取を行うまねきや(運営:株式会社水野、東京本社:東京都新宿区、代表取締役:水野 政行)は、3月18日(月)にマネオク第4回大会を開催いたします。マネオクは3/18開催!今回のオークションのジャンルはアパレルのほか、バッグ・ブランドジュエリー大会を実施いたします。アパレルは2部構成で、アパレル大会の間にはバッグ・ブランドジュエリー大会が100箱分のオークションを実施。前回に引き続き本格的に2部構成になり、さらに出品数も大幅に増加。ネット下見と事前入札も前回より導入されさらに便利に、醍醐味を実感できるリアルオークションとなっています。■キャッシュバックキャンペーンが好評!マネオク第4回大会では、前回に引き続きお得なキャッシュバックキャンペーンを実施いたします。成約金額に応じて最大6%のキャッシュバックと実質手数料が無料な上、さらに弊社から1%分の上乗せもあります。キャッシュバックの詳細は下記をご覧ください。・シャネルまたはルイヴィトン出品ご成約…6%キャッシュバック(30万円以上のご成約で出品手数料無料+1%の上乗せでお支払いいたします)・シャネルのバッグ・ジュエリーの出品ご成約…1%キャッシュバック(実質手数料2%)また、今回からバッグ・ジュエリー大会がご好評につき、箱80箱から100箱に増量!バッグ・ジュエリー大会もブランド不問で、1商品10万円以上の出品ご成約で、最大1%のキャッシュバックがございます。今回からご好評につき、バッグ・ジュエリー大会は100箱に増加していますので、前回以上の盛り上がりが予想されます。マネオクは、≪「売る」は「めぐる」≫をヴィジョンに掲げる買取専門店「まねきや」による「手競り」にこだわったオークションです。オークションに参加いただく方は大会までに会場での下見やネット下見で実際に売られる商品をご覧いただいてから、入札価格を決定するスタイルのため、安心してご利用いただけます。■マネオク第4回大会はネット下見&事前入札あり!マネオクは、これまでからさらに進化し、ネット下見と事前入札が可能となっています。ネット下見は3月15日(金)~17日(日)24時までの期間、マネオクのサイトから会員ページにログイン後に、商品タブから当日出品されるアイテムをご確認いただけます。下見期間に会場にお越しいただくことが難しい方や、当日参加ができない方も、ネットを通じて場所を選ばずご参加いただけます。現在オープニングキャンペーン中のため、入会金や年会費は無料、参加費のみで大変お得にご参加いただけます。売主様、買主様どちらのご登録もお待ちしております。なお、出品商品の下見期間は3月15日(金)~17日(日)の3日間9:00~20:00でご案内しております。 会場への参加がこれまで困難だった方も、この機会にぜひお気軽にお申込みください。下見・本番オークション会場は東京都内のAP浜松町(〒105-0011 東京都港区芝公園2-4-1 芝パークビルB館 B1F)です。マネオク第4回大会の開催スケジュール詳細は次をご覧ください。下見期間:3月15日(金)~17日(日) 9:00~20:00大会本番:3月18日(月)会員登録などは、公式ホームページ、お電話にて随時受け付けています。■当日のタイムスケジュール9:00 受付スタート9:30 オークション大会スタートマネオクの入会お申込みや、お問い合わせは下記ページをご覧ください。※マネオクは事前の入会のお申込み手続きが必要です。下記ページより必要事項をご記入ください。 前回のマネオク第3回は出来高全体で1億超えを記録しました。第四回はさらに多くのハイブランド品をご用意し、ネット下見と事前入札によってインターネットからのご参加も可能になりました。そして第五回は5月21日(火)に開催予定!好評につき箱予約締切が回を重ねる毎にどんどん早まっております。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。マネオク 公式サイト 高価買取専門店「まねきや」公式サイト 高価買取専門店「まねきや」では東京都、大阪府をはじめとする首都圏に複数出店し、ハイブランドから骨董品、貴金属などさまざまなお品物の買取をさせていただいております。お客様の希望に最大限寄り添う努力、誠実、ていねいな接客を心がけ、他店には決して負けないサービスと高価買取によって、年々売上、店舗数ともに伸ばしています。随時、店頭買取、宅配買取、出張買取やLINE査定にて、お客様の大切なお品物の買取を承っていますので、お気軽にご相談ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月14日日本有数のアニメ都市・新潟にて、アジア最大規模の「第2回新潟国際アニメーション映画祭」が3月15日(金)より開幕する。本映画祭の長編コンペティション部門で審査員長を務めるのは、アカデミー賞ノミネートの『ブレンダンとケルズの秘密』(共同監督)や『ブレッドウィナー』、Netflix映画『エルマーのぼうけん』を手掛けた世界的アニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」のノラ・トゥーミー監督だ。昨年3月に初めて開催された新潟国際アニメーション映画祭(NIAFF)は、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として各国で大きな反響を呼んだ。今年はレトロスペクティブ部門にて長編映画全作品ラインアップの高畑勲特集ほか、イベント上映では世界を舞台に活躍する湯浅政明監督の貴重な短編の特集上映、『機動戦士ガンダム』シリーズの富野由悠季監督の来場などを予定。長編コンペティション部門には、『アリスとテレスのまぼろし工場』(監督:岡田麿里)、『クラユカバ』(監督:塚原重義)といった日本作品をはじめ、29の国と地域の49作品から選りすぐった12作品が集結する。ノラ・トゥーミー監督といえば、アイルランド・キルケニーにある「カートゥーン・サルーン」にて初期から受賞歴のある短編映画やコマーシャルの監督を務め、アカデミー賞にノミネートされた『ブレンダンとケルズの秘密』ではトム・ムーア監督と共同監督、同じくアカデミー賞ノミネートの『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』ではストーリーとボイスのディレクターを担当。タリバン政権下のアフガニスタンを舞台にした『ブレッドウィナー』ではアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされたほか、アヌシー国際映画祭で最優秀インディーズ長編映画賞、観客賞、審査員賞など数々の国際賞を受賞。最近では、ルース・スタイルズ・ガネットのベストセラー児童文学にインスパイアされたNetflixオリジナル長編アニメーション『エルマーのぼうけん』を監督した。今回の初来日では、時間が許せば、小泉八雲として知られるアイルランド系ギリシア人のラフカディオ・ハーンの記念館を訪れ「彼の人生や彼の見た日本に思いを馳せてみたい」というトゥーミー監督。自身や「カートゥーン・サルーン」のクリエイティブにおいて大切にしていることや、アニメーションの未来についてたっぷりと語ってくれた。高畑勲監督の『火垂るの墓』は「美しい傑作」ーー「カートゥーン・サルーン」のアニメーションは日本でも大変ファンが多いです。ご自身が作品を作るときに心がけていることは?ノラ・トゥーミー(以下、N・T)「カートゥーン・サルーン」では私たちも常に自問自答しています。何が「カートゥーン・サルーン」作品たらしめているのか? アニメーションにして語るだけの価値があるものとは何か?なぜなら、アニメーションはフィルムとしてつくるのに驚くほど手間がかかるので…手描きの2Dアニメーションは特にそうです。アイディア出しの段階から劇場で上映されるまで5年、10年かけて制作されるものもザラにあります。そのため、本当に語るだけのストーリーである必要があります。私たちは「勇気」を「美しい語り口」で、と自分たちによく言い聞かせています。この2つがとても大切なのです。まずは、私たちが語らなければ、おそらく決して語られることのない物語をやろう。そして、語るにしても私たちだからこその語り口でやっていこう、と。そしてこの「美しい語り口」ですが、決して砂糖をまぶしたような歯が浮く甘いお話、というわけではなく、アニメーションというメディア表現の可能性をさらに広げるようなものを指しています。高畑勲特集『かぐや姫の物語』©2013 畑事務所・Studio Ghibli・NDHDMTKそれも必ずアニメーターの手によるものを見せる。業界でこれまで20年30年と経験を積んだ人たちと一緒にスタジオで働いているのですが、同時に業界入りしたばかりの新しい才能や学生たちとも一緒に仕事をしています。彼らが一丸となって、「最も優れた完璧なもの」を目指すわけですが、そこに人間味のあるというか、人間だからこそのミスや間違い、というのも当然混ざってくるわけです。そこがアニメーションの良さといいますか、どうしてそうなるかというと、アニメーターによるテーマやキャラクターへの思い入れが強いため、なんですね。まさに「カートゥーン・サルーン」が目指しているところはそこにあるのです。ちょっとした間違い、人間であるからこそ起こり得るミス…それこそがメディアの可能性をさらに高めるものなのです。高畑勲監督の傑作『火垂るの墓』は、2人の子どもが過酷な状況を生きのびようとする物語で、とても難しいテーマを扱っています。映画の中では、兄妹の互いの温かい思いやりの心が描写されており、それは決して他の手法では描けない。絶対にあのアニメーション表現でなくてはならなかったのです。高畑勲特集『火垂るの墓』©野坂昭如/新潮社, 1988監督や各アニメーターがキャラクターに心を寄り添わせながら(他人事ではなく自分のことのように愛情を込めて)描いているのがわかります。それがこの作品を唯一無二のものにしています。美しい傑作であり、監督から世界への贈り物だと感じています。人は誰しも困難に直面します。個人的であったり、より大きな国や世界規模ででも。いま、世界中がそのような状況となっていますよね。そんなとき、こうした作品は私たちを助けてくれる。これまでの歴史を振り返り、未来がどうなっていくのかを考えさせてくれると思うのです。「自分たちの声を見つけること」それがスタジオの真髄ーーご自身が作品を作られる場合、マーケットについてはどのように意識されていますか?N・Tマーケットについては必ず意識しています。アニメーションのビジネスマーケットにはサイクルがあって、活発に作品を求めている時期とそうでない時期があります。いまはちょうど活発でない時期。もともとアイルランドは500万人の小さな国なので、自分たちだけで映画をつくることはできません。国内の観客動員数の規模は小さく、上映できる映画の本数も少ないからです。そのため常に国外に目を向けているのですが、そうなると自分たちの声(語り口)を失くしてしまうリスクも生じます。アメリカやよその国でつくられるようなフィルムになってしまう可能性もある。何年もかけて学んだのは、人々が私たち「カートゥーン・サルーン」独自の「声」を求めていること。必ずしも主人公がアイルランド人でなければならない、ということはなく、ときにはアフガニスタン人やアメリカ人の男の子だったりするわけです。スタジオが独特な感性をしっかり持つことの意味を理解するようになりました。長編コンペティション部門『深海からの奇妙な魚』(ブラジル)「カートゥーン・サルーン」がつくった初めての映画『ブレンダンとケルズの秘密』のプロデューサーはフランス人のディディエ・ブリュネール氏だったのですが、彼から教わったことはディズニーや他のスタジオに倣うのではなく、「自分たちの声(語り口)を見つけること」でした。それがスタジオの真髄として、当初からずっと貫いてきたスタンスであり、これからもそれを目指していきます。そういった意味でも、マーケットは意識しており、どういう状況であろうとも、自分たちを失わずに突き進めるように頑張っています。正直、未来を見据えて正しい判断をいつも下すのは難しいです。そこでやはり重要になってくるのが、映画祭などでスタジオが専門知識や経験を持ち寄り人脈をつくることです。そうやってアニメーションビジネスがどんな状況であろうと、力を合わせてしのいでいけるのです。AIがアニメーションに与える影響、そして未来は…?ーー制作を取り巻く環境はご自身が始められた時からどのように変化していると感じていますか?一番変化が大きいと感じた点はどのようなことでしょうか?N・T25年前に「カートゥーン・サルーン」がスタートしたわけですが、それがもう少し前であったら、スタジオ設立にはお金がかかりすぎて無理だったでしょう。アイルランドやヨーロッパではそれまでアニメーションはすべて手描きでしたが、ちょうどその頃、徐々にデジタル処理を制作プロセスに導入しつつあったのです。そのため2Dアニメーションでも、スキャナーで手描きの絵を取り込んでいましたので、とても高価な撮影機材を設置しないですみました。デジタル革命の技術をうまく取り入れながら、私たちにとって一番大切なことにはとことんこだわりました。例えそれが紙の上であってもモニターの上であっても、いままでと変わらずに水彩絵の具などのブラシタッチで絵を描く、ということ。以降、様々な変化がありますが、やはり3Dアニメーションの進歩が大きいでしょう。ですが「カートゥーン・サルーン」としては、あくまで2Dにこだわることにしたのです。手描きが私たちの一番得意としているところですし、古くならないもの、私たちの紡ぐ物語が一番確実に伝わる方法だ、と信じているので。本当に多くの変化が起きました。仕事があったり、なかったり…そういった中、なんとかやりくりしてきて。長編コンペティション部門『クラユカバ』(日本)©塚原重義/クラガリ映畫協會将来的には様々な問題が起こりそうですよね。AI、機械学習などがそうです。頻繁に議論されてはいますが、それがどういった影響を業界に及ぼすのか、まだ誰にもわかりません。昨年末にはアメリカの脚本家と俳優が自分たちの知的財産の権利を守ろうとストライキを起こしましたが、様々な問題がある中、私自身もこの先どうなるのか、まったく読めません。それでもアニメーションにおいては、人間によるストーリーテリングが求められる、と信じています。「私はつらいこんな経験をしたが、あなたにも共感してもらえるだろうか?」と実際にあった経験を他者に語りかける。そして「この共有した経験を活かしながら、未来に向かって一緒に歩んでいけるだろうか? あなたはいつも心にとどめておいてくれるだろうか?」と問いかける。これが実体験に基づくのではなく、以前あったストーリーを断片的によせ集めるだけのAIができるとは思えません。実際にAIが経験したり、本当の喜びや苦しみを味わったりしたわけではないですから。そういったものに耳を傾ける人は世の中にいるのでしょうか?私はいないと思います。長編コンペティション部門『アリスとテレスのまぼろし工場』(日本)©新見伏製鐵保存会結局、人々が物語を欲するのは、単なる娯楽(エンターテインメント)だけでなく、そこから何かを学ぶためで、そこが私たちを人間たらしめている部分です。私個人はそのように考えていますが、この先どうなるかはわかりません。それでも私はこれからも人々の「勇気」ある「本当の声」に耳を傾けていきます。1人の観客としても。人類をそれくらいには信頼しています。ーーこれから5年後、10年後、20年後、アニメーションはどのように変化していくとお考えでしょうか?N・Tいまの時代、半年の間でも大きな変化はありえます。将来アニメーション業界に大きな影響を与えると思えるのは、やはりAI。AI技術が業界全体に与える影響が気になります。ただ、AIの専門家で今後の可能性について知っていようと、従来の手法で紙と鉛筆で仕事をするアニメーターであろうと、誰一人として未来がどうなるかは予測できないのではないでしょうか。AIが私たちの活動にどんな影響を与えるのか?これはアニメーション業界だけにとどまりません、創作活動を行う業界すべてに同じことが言えます。本当に目を見張るような状況が続いていて「もうすぐこんなことができるようになる!」といった将来性についてもよく耳にします。アニメーションスタジオを運営する事業主として、また監督としては、これからも人間の手によって生み出されるものへの尽力は惜しまないつもりです。決して量産されたものではなく、人間の体験を下地にした唯一無二の「声」の持つ力、それが人々が欲するものだと信じています。長編コンペティション部門『マントラ・ウォーリアー ~8つの月の伝説~』(タイ)一方で、ポジティブに作用するテクノロジーを見極めていって、自分たちも納得のいく方法で使っていくべきだとも思います。アーティストやストーリーテラーの生み出すものの価値を下げるのではなく、映画のストーリーテリングが伝わり、受け入れてもらえるような形で導入するのです。繰り返しますが、アニメーション業界には昔からよい時期もあればよくない時期もあります。どんな経済状態に晒されても、アニメーションスタジオは歯を食いしばって状況を乗り越えなければなりません。今後もかつてなかった問題に直面するでしょう。これから10年後、業界がどうなっているかは本当に予想がつかない。それでも人間とは太古の昔から常に表現したがっている生き物です。すべてのストーリーテラーが持つ「物語を語りたい」という欲求、それは未来永劫変わることはないと思います。長編コンペティション部門『アザー・シェイプ』(コロンビア)「第2回新潟国際アニメーション映画祭」は3月15日(金)~3月20日(水・祝)、新潟市民プラザ、新潟日報メディアシップ(日報ホール)、だいしほくえつホール、シネ・ウインドなどにて開催。(シネマカフェ編集部)■関連作品:アリスとテレスのまぼろし工場 2023年9月15日より全国にて公開(c)新見伏製鐵保存会クラユカバ 2024年4月12日より全国にて公開©塚原重義/クラガリ映畫協會
2024年03月14日3月15日(金) より東京・大阪・京都・名古屋・福岡・札幌で順次開催される『TBSドキュメンタリー映画祭2024』開祭宣言イベントが3月13日(水) に東京カルチャーカルチャーで開催。爆笑問題の太田光(『TBS DOCS』チェアマン)、ラッパーの紅桜(『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』出演)、嵯峨祥平(『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』監督)が参加した。第4回の開催となる今回は、人種や戦争、社会問題など現代を取り巻く重要なテーマに迫る「ソーシャル・セレクション」、家族の形や身体的な障がいなど多様な生き方や新たな価値観を描く「ライフ・セレクション」、五感を司る表現者たちやテーマを通し新たな感性に出会う「カルチャー・セレクション」と、3つのテーマに沿って選ばれた15作品が上演される。TBSテレビやTBS系列各局の記者、ディレクターたちが、歴史的事件や今起きている出来事を追い続け、ドキュメンタリー映画として世の中に発信し続けるブランド『TBS DOCS』に長きにわたり関わってきた太田は、「観ていて苦しくなるようなものもあれば、勇気づけられるものもある。見応えがありますよね」と本映画祭の特色について解説。「ドキュメンタリーということで事実を映しているから『VIVANT』とは違う。同じTBSながらも製作費は2桁くらい違うけれど」と笑わせつつ、「人間の心を動かすのがドキュメンタリーの魅力」と熱弁した。そんな太田が今回の上映作品で注目しているのが、『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』。ヒップホップシーンで脚光を浴びるも突如表舞台から姿を消し、“伝説のラッパー”と呼ばれた「紅桜」を取り上げ、彼が服役し出所した瞬間から復活ライブまでの軌跡を追う1作だ。R-指定やZeebraほかヒップホップ業界や芸能界にもファンが多い“熱い男”にして、一度大きな失敗を経験した“ダメな奴”でもある、紅桜という人物に密着した注目のドキュメンタリーとして話題を集めている。この日のために地元・岡山県津山から上京した紅桜は、「新幹線に揺られてやって来ました」と笑顔で太田とグータッチすると、すかさず太田が「このビルの入り口には警察が待機しているので……」と毒舌ジョークを飛ばす一幕も。ヒップホップ好きという嵯峨監督は、「彼は圧倒的に他のラッパーとは違ってポエティックなところがある」と紅桜に惚れ込み以前から注目するも、ドキュメンタリーのための取材を申し込んだ時、紅桜は刑務所の中にいたという。一方、嵯峨監督からオファーの手紙を受け取った紅桜は、「筆跡から監督の情熱を感じたので、自分もちゃんと返さないとカッコ悪いと思った。ドキュメンタリーに出演することは、悩むことなく即決でした」と出演経緯を振り返った。すでに本作を観た太田は、「紅桜君と僕は喧嘩ひとつでここまで来たようなところがあるので、通じるものがあると思った」とボケながらも共感を寄せ、「この作品を観ると、“ダメな奴”の割には、紅桜君のことをこんなにも好きな人たちがいるんだというのが徐々にわかってくる。彼の奥さんも、子どもたちも、仲間たちも、紅桜君のことが大好きだし、とても感動しましたね。この男には魅力があるんだというのが、観ていてひしひしと伝わってきました」と激賞していた。上映前にも関わらず、すでに反響も上々で、紅桜も「地元を歩いていると、小さい子からお年寄りまで“映画に出るらしいな!”と言ってくれる」と嬉しそうに語った。ただ、家族にはまだ作品を見せていないそうで「照れくさいから」と赤面していた。本作の撮影のために紅桜が暮らす岡山まで車で通い詰めたという嵯峨監督は、「すでに作品を観てくれた方が、“ラップを好きじゃなくても紅桜の曲は聴ける”と涙してくれているそうで、とても嬉しい」と手応えを感じ、「僕はダメな人の人間賛歌が好きなので、そのようなものが好きな人に観てほしい」と呼び掛けていた。最後に紅桜は、太田との本映画祭の開祭宣言を前に、即興で歌を生熱唱。これに太田は「演歌みたいでカッコいい!シンパシーを感じました」と感動しながら、紅桜と声を合わせて「TBSドキュメンタリー映画祭2024、開祭!」と力強く声を上げ、華やかに桜吹雪が舞い散る中、開祭宣言が行われた。<イベント情報>TBSドキュメンタリー映画祭2024『TBSドキュメンタリー映画祭2024』ポスタービジュアル東京会場:ヒューマントラストシネマ渋谷3月15日(金)~3月28日(木)大阪会場:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋会場:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都会場:アップリンク京都3月22日(金)~4月4日(木)福岡会場:キノシネマ天神3月29日(金)~4月11日(木)札幌会場:シアターキノ3月30日(土)~4月11日(木)公式サイト:公式X:
2024年03月13日2022年、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022国内コンペティション長編部門グランプリ、バーリ国際映画祭監督賞受賞を果たした、中国出身、余園園(ヨ・エンエン)監督による長編デビュー作『ダブル・ライフ』が2024年4月19日(金)よりアップリンク吉祥寺にて初の公開決定いたしました。本作品キービジュアル、本予告が解禁になりました。あわせて余園園監督、キャストからのコメントが到着しました。海外のタリン・ブラックナイト映画祭より届いた、興味深いコメントもご紹介いたします。▽公式サイト▽ ポスターレンタル夫との二重生活を送る中、他者の体に触れ相手の心を感じ取る身体的かつ心理的アプローチを通して、自身の新たな感情に気づいてゆく女性の姿を描いた、心の解放と蘇生の物語『ダブル・ライフ』。監督は、中国の名門・北京電影学院を卒業後、日本に留学し立教大学の大学院に進んだ余園園(ヨ・エンエン)。余は2019年に「人間レンタル業」を描いたヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』に着想を得て、自身も中国人として外側から見た日本像を脚本にしたためた。結婚生活に不満を持つ主人公・詩織を『ざわめき』(宮崎大祐監督作品)の菊地敦子が演じる。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022にてワールドプレミア上映。見事、国内コンペティション部門で最優秀長編作品賞を受賞したほか、第35回東京国際映画祭での上映、タリン・ブラックナイト映画祭2022への正式出品。また昨年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭では監督賞を受賞するなど、巧みに切り取られた繊細な身体表現が国内外数多くの映画祭にて高い評価を受け、完成から2年越しで劇場公開が決定しました。監督写真■監督 余園園(ヨ・エンエン)からのメッセージ『ダブル・ライフ』は立教大学大学院の修了制作であると同時に、私自身にとって「悲願の長編デビュー作」でもあります。物語の基盤、テーマにおいて、本作はヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『ファミリーロマンス社』の影響を強く受けています。同作に、不気味さ、虚しさ、現実との乖離を感じ、不思議な共感を覚えたのです。「レンタル人間」「二重生活」「ふれあい」というテーマの掘り下げは、自分自身をもっとさらけ出したいという、私自身の潜在的欲求に基づいています。北京でも東京でも、心にぽっかり穴が空いたまま日々がいたずらに過ぎてしまい、人と人との間にいつも隔たりを感じています。愛されたい、心の穴を埋めてほしい、と願っているのは主人公の詩織だけではなく、私自身であり、あなた自身でもあるかもしれません。この度、2年越しに劇場公開が叶い、感無量です。この作品は私の映画作りの原点であり、今もエネルギーをもらっています。「埋まらない穴」を持っている映画の中の人物も私も、他者と触れ合い、そして互いに満たし合う。『ダブル・ライフ』を通じて、みなさんとのふれあいが生まれることを心から願っています。<余園園(ヨ・エンエン)>監督・脚本・編集2015年北京電影学院を卒業。仕事をしながら、独学で日本語を勉強し、2018年来日。早稲田大学で一年間の日本語プログラムを修了後、2019年東京ビジュアルアーツ映画学科(現映像学科)に通い、2020年立教大学大学院に入学。万田邦敏教授の元で演出を学ぶ。大学院修了制作として、初長編『ダブル・ライフ』を制作。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022にてワールドプレミア上映され、国内コンペティション部門で最優秀長編作品賞を受賞。その他、第35回東京国際映画祭にて上映、タリン・ブラックナイト映画祭2022に正式出品、昨年イタリアで開催されたバーリ国際映画祭では監督賞を受賞した。現在、映画宣伝の仕事を務めながら、自主映画を作り続けている。■主演 菊地敦子(小柳詩織役)のコメント誰もが幾重もの層を持って生きている。自分に語りかける自分、人に会うときの私、あなたの微笑みの裏側。そしてその層を抱えながら、ままならぬ人生を歩まなければならないとき、支えとなってくれるもののことを、この役が教えてくれた。<菊地敦子>俳優多摩美術大学芸術学科在学中より東京都現代美術館学芸員補やサイレント映画ピアニスト・柳下美恵氏のアシスタント、アフリカン×ポストロックのインストバンド・panoramaのパフォーマーなどを務める。卒業後、映画美学校アクターズコースにて万田邦敏監督、深田晃司監督、三宅唱監督等に師事。七里圭監督や宮崎大祐監督をはじめとする国内外の映画作家の作品にて主演多数。現代演劇や音楽家とのミュージック・ビデオ、写真モデルなど幅広い領域で活動している。■海外 Edvinas Pukstaのコメント(タリン・ブラックナイト映画祭より)繊細かつ率直で大胆なデビュー作で、中国の余園園監督は、誰かの人生の重要な出来事のために代理の人間をレンタルするという、日本では珍しい奇妙な習慣を繊細に探求している。巨匠ヴェルナー・ヘルツォークは2019年の映画『ファミリーロマンス社』で日本人特有の習慣や厄介なサービスを暴露したが、北京電影学院の卒業生であるヨはもっと勇敢で、偽物の人間関係の危険な課題に深く飛び込んでいる。聡明で自信に満ちたこの作家は、一見ロマンチックなミニマリスト・ドラマに、残酷で胸を締め付けるようなひねりを加えて私たちを驚かせる。※ タリン・ブラックナイト映画祭とは?エストニアの首都であり最大都市のタリンで1997年から開催されている国際映画祭。北ヨーロッパに位置するエストニアの首都であるタリンはバルト海に面する湾岸都市で、スカイプが開発された地として知られる。作家性やメッセージ性の強い作品を主に上映する北欧で唯一の国際映画製作者連盟公認の映画祭。【あらすじ】二人の夫の間を彷徨い 暗闇を抜けたとき 一羽の蝶が蘇るーー一緒に行くはずだったワークショップを夫にキャンセルされた詩織(菊地敦子)は、同僚から紹介された代行業者の淳之介(松岡眞吾)に夫役を依頼。淳之介に満足した詩織は夫に内緒でアパートを借り、彼と疑似夫婦生活を始める。夫とレンタル夫との間を行き来する二重生活を送る中で、詩織は封印したかつての夢や、心の奥底に眠る新たな感情に次第に気づいてゆく……【キャスト】菊地敦子松岡眞吾 古川博巳 若狭ひろみ浅田麻衣 川口紗弥加【スタッフ】監督・脚本・編集:余園園撮影 :小濱匠照明 :村澤慎太郎録音 :西田壮汰助監督 :小林勁太制作 :小林徳行美術 :閻作宇 周暁トウ撮影助手 :永原大祐録音応援 :菅谷拓人日本語協力 :伊藤駿整音 :磯沼瑞希 上戸幸輝カラリスト :潘澤標音楽 :川島陽ピアノ :川島有希枝振付 :砂連尾理宣伝デザイン :千葉健太郎宣伝 :よしのまどか協力 :万田邦敏2022年/日本・中国/DCP/104分/アメリカンビスタ/ステレオ(C)2022 ENEN FILMS予告編 : (13日18時公開)公式X(旧:Twitter)アカウント: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月13日Gi-FACTORYは、和歌山・徳島・大阪・広島・山口・島根・北九州で開催している大型野外グルメイベント『全肉祭』を2024年5月3日~5月6日の4日間、岡山県岡山市にある岡山ドーム前イベント広場にて第2回開催を行います。ポスター■第2回 全肉祭 in 岡山会場 :岡山ドーム前イベント広場(岡山県岡山市北区北長瀬表町1丁目1-1/北長瀬駅[南口]徒歩12分)日程 :2024年5月3日~5月6日時間 :10:00~21:00店舗数:約50店舗■全肉祭とは畜産肉料理はもちろん、魚肉や果肉などあらゆる肉をテーマとして全国を対象に出店を募集・選考し、各地の美食が集う西日本最大級の野外グルメイベント■4日間通っても楽しみ尽くせないボリューム・総メニュー数200アイテム以上!?4日間では絶対に食べきることが出来ません・グルメ出店の他、企業ブースによる無料体験やサンプリングも!?大好評ワインの試飲コーナーもご用意・お子様も退屈させないお遊びブースもご用意大型エアー遊具や射的・スーパーボールすくいなどの縁日コーナーもご用意・観覧無料のステージ企画アイドル生ライブや迫力満点のファイヤーパフォーマンスも朝から晩までたっぷり楽しい4日間夜のファイヤーパフォーマンス集団は必見の価値あり!スペシャルゲストとして、元MEGARYUのMEGAHORNが今年も岡山にやってきます!!■全肉祭 公式Instagram ※出店店舗の募集は既に締め切っています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月13日第37回東京国際映画祭の開催日が10月28日(月)~11月6日(水)の10日間に決定、また、併設マーケットのTIFFCOM2024は10月30日(水)~11月1日(金)の3日間、開催される。東京国際映画祭の開催会場は昨年同様、日比谷・有楽町・丸の内・銀座をメインに展開される。作品公募に関しては、4月25日(木)に開始予定で、詳細が決まり次第公式サイト等で掲載されるという。今年も「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する」というミッションに基づいた、多種多様な映画に出会える場として、注目が集まる。第37回東京国際映画祭は10月28日(月)~11月6日(水)、TIFFCOM2024は10月30日(水)~11月1日(金)にて開催。(シネマカフェ編集部)
2024年03月11日東京国際映画祭(TIFF)が香港国際映画祭、釜山国際映画祭とともに共催するアジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード(以下AFA)」の授賞式が3月10日夜、香港の戯曲センター(Xiqu Centre)Grand Theatreにて開催。日本作品の『悪は存在しない』(濱口竜介監督)が、最優秀作品賞と最優秀音楽賞(石橋英子さん)を受賞したほか、日本映画勢が多数受賞した。『悪は存在しない』の濱口監督と石橋さんは、昨年の『ドライブ・マイ・カー』に続いての最優秀作品賞獲得。また、是枝裕和監督も『怪物』で最優秀監督賞を受賞し、昨年の韓国作品『ベイビー・ブローカー』に続く2年連続の同賞受賞に輝いた。『怪物』是枝裕和監督このほか、第36回TIFFのオープニング作品で、日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』にて役所広司が最優秀主演男優賞の栄冠を手に。第36回TIFFのクロージング作品で、日本アカデミー賞で最多8冠に輝き、米アカデミー賞の視覚効果賞をアジア初受賞した『ゴジラ-1.0』チームが、視覚効果賞(山崎貴監督、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司)、音響賞(井上奈津子)の2部門を受賞。併せて先の発表のとおり、『エゴイスト』などが話題を集めた俳優・鈴木亮平がアジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」に、韓国のイ・ヨンエととも授与された。イ・ヨンエ/鈴木亮平大規模で豪華なレッドカーペットの後に開催されたAFAの授賞式では、日本人として初めて審査委員長に就任した黒沢清監督が、世界中の映画人が務める審査員陣と投票メンバーを率いて決定された受賞者が登壇。“Youth Ambassador”の1人として様々なAFAイベントに参加した宮沢氷魚がプレゼンターを務めたほか、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、主演男優賞にノミネートされたトニー・レオン、プレゼンターを務めたファン・ビンビンなど、アジア全域よりスターが集まる華やかな式典となった。第17回 アジア・フィルム・アワード 受賞結果一覧(敬称略)『悪は存在しない』最優秀作品賞『悪は存在しない』(日本)最優秀監督賞是枝裕和 『怪物』(日本)最優秀新人監督賞ニック・チェク 『年少日記』(香港)最優秀主演男優賞役所広司 『PERFECT DAYS』(日本)最優秀主演女優賞ジャン・チンチン 『西湖畔に生きる』(中国)最優秀助演男優賞パク・フン『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀助演女優賞レイチェル・リョン 『白日の下』(香港)最優秀新人俳優賞Tergel Bold-Erdene『City of Wind』(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ)最優秀脚本賞ペマ・ツェテン 『雪豹』(中国)最優秀編集賞キム・サンボム『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀撮影賞マティアス・デルボー『雪豹』(中国)最優秀音楽賞石橋英子『悪は存在しない』(日本)最優秀衣装デザイン賞マン・リムチョン『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀美術賞Eric LAM『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀視覚効果賞山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司 『ゴジラ-1.0』(日本)最優秀音響賞井上奈津子『ゴジラ-1.0』(日本)Excellence in Asian Cinema Award鈴木亮平(日本)、イ・ヨンエ(韓国)特別功労賞 (Lifetime Achievement Award)チャン・イーモウAFA Next Generation Awardチャオ・リーイン(中国)AFA Rising Star Awardメータウィン・オーパッイアムカジョーン(タイ)2023 Highest-Grossing Asian Film Award『満江紅(マンジャンホン)』監督:チャン・イーモウ(中国)受賞者よりコメント<鈴木亮平Excellence in Asian Cinema Award 受賞>(英語で挨拶:和訳)大家好(中国語)。ここに来ることができて本当にうれしいです。とりわけ、著名なイ・ヨンエさんと一緒にここに立つことができて、とても光栄です。偉大な映画監督、偉大な映画プロデューサー、映画製作者、偉大な俳優、アジアの伝説の俳優たち、皆さんの前に立つことができて、本当に光栄に思っています。でも正直なところ、今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。もちろん、ノミネートされることは良いことですが、ノミネートされないのも良いことです。なぜなら、何も心配する必要がないからです。ちなみに、昨年は、トニー・レオンさんのせいで私は最優秀主演男優賞を逃しました。(笑)でも、今年再び彼に会えてうれしいです。もちろん、賞を受賞することは非常に重要でワクワクしますが、このイベント、この大きなイベント、AFAの素晴らしいところは、皆さんに出会い、新しい人たちに出会い、アジア各地の映画制作者と出会い、語り合い、学びあうことだと私は考えています。そして願わくは、今後一緒に新しいプロジェクトを始めたい。今日、あるいは今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています。なぜなら、"私たちは一緒に物語を紡ぐ(※Together we tell story)"からです。ありがとうございました。※「Together We Tell Story」は今年のAFAのテーマ。<『悪は存在しない』最優秀作品賞受賞>※濱口竜介監督が欠席のため、監督に代わり高田聡プロデューサーと石橋英子がコメント。高田聡:私たちの映画にこのような非常に光栄な重みのある賞を頂きまして、代表してまずは感謝を申し上げます。同じくノミネートされた撮影の北川喜雄さん、共同編集の山崎梓さん、またこの映画に関わったすべての皆さん、おめでとうございます。そして、この場に残念ながら来ることができなかった濱口竜介監督、そして濱口監督に一番最初にこの企画の話を持ってきて、素晴らしい音楽で共同制作をされた石橋英子さん、おめでとうございます。石橋英子:本当に濱口監督が来ることができなかったのは残念です。でもこうやって、撮影の北川さんや編集の山崎さん、今もしかしたら日本で見ているかもしれない主演のおおみか(大美賀均)さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に皆さんの力のおかげでできました。もちろん、ミュージシャンの皆さん、ミックスをしてくださったジム・オルークさん、本当に皆さんのおかげで、今こうやって、私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせていると思っています。ありがとうございました。<是枝裕和監督最優秀監督賞受賞>尊敬する黒沢清監督からこのようなトロフィーを頂くなんて、本当に光栄です。出会う才能ということで言えば、今回は坂元裕二さんという尊敬する脚本家の方の素晴らしい脚本があって、もう20年近く一緒に仕事をしている美術の三ツ松けいこさんが、今日一緒にスタッフを代表してここに来ていただきました。そんなスタッフとキャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います。昨年に続いてこの壇上に立たせていただくことができて、本当にうれしいです。来年は、作品はないのですが、ノミネートされていなくても、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしいです。ありがとうございました。<石橋英子最優秀音楽賞>全く期待してなかったので、全然スピーチを考えていなかったです。まずアジア・フィルム・アワードの皆様、審査委員の皆様、本当にありがとうございます。まず濱口監督、長い道のりでしたが、何をつくるのかわからないまま一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。撮影やその後の編集など、一緒に皆さんが作ってこられた努力にも感謝したいと思います。撮影の北川さん、編集の山崎さん、本当にありがとうございます。皆さんの仕事がなければ、私のこういう音楽もなかったと思います。スタッフとキャストの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年03月11日前哨戦の勢いそのまま、『オッペンハイマー』が全7部門を受賞し、賞レースの最後を飾った第96回アカデミー賞。日本映画2品も受賞を果たした今年、レッドカーペットは多様なスタイルのファッションで華やいだ。『哀れなるものたち』で恐れなき熱演で主演女優賞を受賞したエマ・ストーンは、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のカスタムドレス。薄いミントグリーンのストラップレス・ドレス。ジャカードの生地にペプラムのディテール以外はシンプルなデザインで、エマはダイヤモンドとサファイアのネックレスを合わせた。エマ・ストーン Photo by John ShearerWireImageストラップレスは今年人気のデザインのようだ。今回は作品賞候補の主演作『バービー』のプロデューサーとして出席したマーゴット・ロビーは、「ヴェルサーチ(Versace)」のシークイン・ドレス。長年携わった『バービー』という作品の締めくくりにチョイスした色は黒だ。先住民族の血を引く俳優として初の主演女優賞候補となったリリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)は、「グッチ(GUCCI)」のサバト・デ・サルノと先住民族のクイルワーク・アーティスト、ジョー・ビッグ・マウンテンとのコラボレーションでミッドナイトブルーのベルベットのドレス。クイルワークの花モチーフで飾られたトレーンがアクセントだ。リリー・グラッドストーンPhoto by Gilbert FloresVariety via Getty Images助演女優賞候補のキャリー・マリガン(『マエストロ:その音楽と愛と』)は、「バレンシアガ(Balenciaga)」の黒のマーメイドスタイルのドレスに白いチュールのスカート。ダニエル・ブルックス(『カラーパープル』)は、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」の黒のサテンのコルセットドレス。左側に深いスリットが入っている。キャリー・マリガン Photo by Jeff KravitzFilmMagic『君たちはどう生きるか』が受賞した長編アニメ映画賞を発表したアニャ・テイラー=ジョイは、「ディオール(Dior)」。1949年発表の傑作「ジュノン」を基に、3,500時間かけて全面にビーズ刺繍をほどこしたシルバーのドレスは、ボッティチェリの絵画「ヴィーナスの誕生」にインスパイアされたデザインだそう。作曲賞と歌曲賞のプレゼンターを務めたアリアナ・グランデは、『バービー』を意識したピンクの「ジャンバティスタ・ヴァリ・オートクチュール(Giambattista Valli HauteCouture)」。ボリュームあるペプラムとトレーンがポイントで、「ティファニー(Tiffany & Co.)」のジュエリーを合わせた。アリアナ・グランデ Photo by Gregg DeGuireWWD via Getty Images助演女優賞を受賞したダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のペールブルーのシークインドレス。ホルターネックで袖にチュールのフリルをふんだんにあしらったデザインだ。撮影賞のプレゼンターを務めたゼンデイヤは、「アルマーニ プリヴェ(Armani Prive)」のメタリックピンクとシルバーのワンショルダー。髪は往年のハリウッドスターを思わせるスタイルに仕上げた。ゼンデイヤ Photo by John ShearerWireImage主演女優賞のプレゼンターとして登場したオスカー女優2人も、ワンショルダーのデザインをチョイスした。ジェニファー・ローレンスは、「ディオール・オートクチュール(Dior Haute Couture)」のポルカドット・ドレスに「スワロフスキー(Swarovski)」のダイヤモンドのネックレス。ミシェル・ヨーは、「バレンシアガ(Balenciaga)」のカスタム。シルバーの濃淡のシークインドレスに黒のオペラグローブでシックに決めた。Photo by Al SeibA.M.P.A.S. via Getty Imagesレッドカーペットを賑わせたのは、視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』のチーム。山崎貴監督をはじめ出席者全員が、かかと部分がゴジラの爪をモチーフにした靴で登場し、話題を集めた。主演女優賞候補のザンドラ・ヒュラー(『落下の解剖学』)は、「スキャパレリ(Schiaparelli)」のカスタムでV字型のシャープなデコルテのデザインが際立った。助演女優賞候補だったエミリー・ブラントも、「スキャパレリ」。シャイニーなクリーム色のドレスに「ティファニー(Tiffany & Co.)」のジュエリーを合わせた。助演女優賞候補のアメリカ・フェレーラ(『バービー』)は、作品のテーマカラーであるピンクのシークインドレス。「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のデザインだ。同じく助演女優賞候補のジョディ・フォスター(『ナイアド~その決意は海を越える~』)は、「ロエベ(Loewe)」のミッドナイトブルーのホルターネックのサテン・ドレス。ビリー・アイリッシュ&アメリカ・フェレーラ Photo by Arturo HolmesGetty Imagesパートナーのアルチュール・アラリと脚本賞を受賞し、女性として唯一の監督賞候補でもあったジュスティーヌ・トリエ(『落下の解剖学』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のパンツスーツ。黒にシルバーのピンストライプをきかせ、インナーも黒で締めた。一部ではカジュアル過ぎるという声もあったが、堂々とした本人のキャラクターに合う装いだ。主演女優賞候補のアネット・ベニング(『ナイアド~その決意は海を越える~』)も、ネイビーのジャンプスーツでパンツスタイルをチョイスした。歌曲賞を受賞したビリー・アイリッシュは、「シャネル(Chanel)」。学校の制服を意識した白のボタンダウンシャツに黒のブレザー、黒と白のツイードのひざ丈スカートに白ソッククス、黒のストラップシューズ。スカートの柄にマッチしたバッグを持った。共に受賞した兄のフィニアス・オコネルも胸につけていた赤いピンは、「Artists4Ceasefire」のシンボル。昨年10月に始まったイスラエルとガザの停戦を求める公開書簡をバイデン米大統領に送ったアーティスト団体で、彼らのほかにも助演男優賞候補のマーク・ラファロ、ラファロと『哀れなるものたち』で共演したラミー・ユセフ、長編アニメ映画賞候補の『ニモーナ』に声の出演をしたリズ・アーメッドらもつけていた。フィニアス・オコネル&ビリー・アイリッシュ Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic作品賞と脚本賞候補になった『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソン監督も、白シャツにダブルの黒ジャケット、ローファーの制服スタイルだが、アシンメトリーなデザインのスカートが華やか。「ロエベ(Loewe)」のデザインで、同作に主演したグレタ・リーも、「ロエベ」の白と黒のドレスで登場した。フローレンス・ピューは、「デルコア(Del Core」)のプランジネックのシルバーのドレス。「ブルガリ(Bulgari)」のネックレスを合わせ、どこか最新出演作の『デューン 砂の惑星PART2』を思わせるスタイルだ。主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー(『オッペンハイマー』)は、「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のカスタムのタキシードに、香港のブランド「Sauvereign」がオッペンハイマーをイメージして作成した銀のブローチを胸につけた。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.は、「サンローラン(Saint Laurent)」の黒のスーツ。今日の装いはよほど気に入ったらしく、受賞スピーチでスタイリストにも感謝を述べた。ロバート・ダウニー・Jr. Photo by Jeff KravitzFilmMagic助演男優賞候補で、歌曲賞候補として「I’m Just Ken」を歌ったライアン・ゴズリング(『バービー』)は、ステージ上では鮮やかなピンクのスーツだったが、レッドカーペットの装いは「グッチ(Gucci)」の黒のスーツ。ノータイで黒いシャツの胸をはだけ、シルバーのシークインのステッチがアクセントになっていた。主演男優賞候補のコールマン・ドミンゴ(『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のカスタムで、クリスタルのボタンを付けたダブルのブラック・タキシードにカウボーイブーツ。「デヴィッド・ヤーマン(David Yurman)」のシルバーのジュエリーと「オメガ(Omega)」の時計を合わせた。レッドカーペットでは『ニモーナ』に声の出演をしているユージン・リー・ヤンも、かつてのビリー・ポーターを彷彿とさせる真紅のロングドレスを姿で注目された。ユージン・リー・ヤン Photo by Sarah MorrisWireImage(冨永由紀)
2024年03月11日第37回東京国際映画祭(TIFF)が、10月28日(月)~11月6日(水) の10日間にわたって開催されることが決定した。開催会場は昨年同様日比谷・有楽町・丸の内・銀座をメインに展開。TIFFの作品公募については、4月25日(木) に開始される。併せて、併設マーケットのTIFFCOM2024が、10月30日(水)~11月1日(金) の3日間で開催されることも発表された。<開催情報>『第37回東京国際映画祭/TIFFCOM2024』■第37回東京国際映画祭開催期間:10月28日(月)~11月6日(水)【10日間】■TIFFCOM2024開催期間:10月30日(水)~11月1日(金)【3日間】TIFF公式サイト:
2024年03月11日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)が11日、第96回アカデミー賞で 「視覚効果賞」を受賞した。同作はアメリカ・ロサンゼルスで開催され、世界最高峰の映画賞である「第96回アカデミー賞」にアジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」にノミネートされていたが、現地時間3月10日16時(日本時間3月11日8時)より始まった授賞式において見事受賞した。「視覚効果賞」(Academy Award for Visual Effects)はその年に公開された映画の中で最も優れた視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉で、アカデミー賞で最も注目される部門のひとつ。過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞してきました。ノミネート作品代表者としてアカデミー賞授賞式に参加したのは、監督・脚本・VFXを担当した山崎貴監督、VFXディレクターの渋谷紀世子氏、3DCGディレクターの高橋正紀氏、エフェクトアーティスト/コンポジターの野島達司氏の4名。現地時間13時頃、4名は全員“ゴジラシューズ”を履いて登場し、取材に来た現地のメディアを沸かせた。授賞式の中盤、いよいよ「視覚効果賞」の発表に。プレゼンターであるアーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デヴィートは受賞作の書かれた封筒を開け、少し沈黙した後に「GODZILLA!」と読み上げた。会場中に大きな歓声が響き渡り、その中で歓喜の表情を浮かべながら壇上に上がる受賞者4名。代表して、英語でスピーチをした山崎監督は 「40年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし私たちは今ここに居ます。この場所から遠く離れた所でVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれたよ! 最後にスタッフキャストを代表して、去年失った我々のプロデューサー、阿部秀司さんに言いたいです。『俺たちはやったよ!』ありがとうございました!」(日本語訳)と、溢れる喜びの気持ちを伝えた。長い歴史を持つ「アカデミー賞」の中で、監督として「視覚効果賞」を受賞したのは『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックのみであり、山崎監督は55年ぶり、史上2人目の受賞監督となる。また、日本映画だけでなく、アジア圏の映画で同賞を受賞した実績はなく、史上初の快挙となった。3月3日までの公開122日間で観客動員392万人、興行収入60億円を突破。2023年に日本で公開された実写映画ランキングで第1位!(※興行通信社調べ)となっている。北米では現地時間の2月1日までの63日間で上映が終了し、最終興行収入は5,641万ドル。北米で公開された邦画実写映画の興行収入記録を大きく塗り替え、歴代1位。北米公開の外国語の実写映画の歴代興収の中でも3位という記録を残した。世界各地でもヒットし、日本興収も含めた全世界累計の興行収入で160億円(※)を突破している。(※現時点のレートで換算)○■山崎貴監督 受賞時のスピーチMy career began 40 years ago, after the shock of seeing Star Wars and Close Encounters of the 3rd Kind.To someone so far from Hollywood, even the possibility of standing on this stage seemed out of reach.The moment we were nominated, we felt like Rocky Balboa — welcomed into the ring as equals by our biggest rivals, which was already a miracle.But here we stand.To all the VFX artists outside Hollywood, Hollywood was listening, and this award is proof that everyone has a chance.Finally, on behalf of the cast and crew of Godzilla Minus One, I want to tell our producer, Shuji Abe, who we’ve lost too soon…We did it! Thank you so much!!・日本語訳四十年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし私たちは今ここに居ます。この場所から遠く離れた所でVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれたよ!最後にスタッフキャストを代表して、去年失った我々のプロデュ―サー、阿部秀司さんに言いたいです。「俺たちはやったよ!」ありがとうございました!
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、国際長編映画賞にアウシュビッツ収容所の隣で“幸せに暮らす”家族を描いた『関心領域』が輝いた。今回、ヴィム・ヴェンダース監督×役所広司主演の『PERFECT DAYS』も日本代表作品としてノミネートされていたが惜しくも受賞を逃す結果となった。 .空は青く、誰もが笑顔で、子供たちの楽しげな声が聴こえてくる。そして、窓から見える壁の向こうでは大きな建物から黒い煙があがっている。時は 1945 年、アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドウィグら家族は、収容所の隣で幸せに暮らしていた。スクリーンに映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。しかし、壁ひとつ隔てたアウシュビッツ収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族の交わす何気ない会話や視線、そして気配から着実に伝わってくる…。タイトルの「The Zone of Interest」(関心領域)とは、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉だ。イギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、スカーレット・ヨハンソン主演『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(13)のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化した本作。昨年度のアカデミー賞で作品賞ほか最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』など多くの話題作を手掛け、近年の賞レースを席巻している映画スタジオ・A24が製作、第76回カンヌ国際映画祭ではグランプリを獲得している。第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の計5部門でノミネートされている。受賞コメントアカデミーに感謝します。映画製作会社などに感謝したいと思います、俳優・共同製作者に感謝します。私たちは「今」について伝えたいと思いました、今何ができるかということです。最悪なことが起きました。何の罪も犯していない人たちが犠牲になっています。イスラエルの犠牲者たち、そしてガザ地区の犠牲者たちどのような形で我々は抵抗ができるのでしょうか。映画の中でアレクサンドラは成長を遂げます。アレクサンドラ、私は彼女の抵抗に捧げたいと思います。(C) Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.(シネマカフェ編集部)■関連作品:関心領域 2024年5月24日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、スタジオジブリ製作・宮崎駿(※崎=たつさき)監督作品『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞に輝いた。スタジオジブリの作品が、同賞に輝くのは、第75回アカデミー賞の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目となる(宮崎監督作品としては、『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『風立ちぬ』に続く4度目のノミネートだった)。宮崎監督が長編作品からの引退を撤回し、原作・脚本・監督を手掛けた本作。少年時代に感銘を受けた書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、自伝的要素を含むオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー映画だ。公開日まで一切詳細情報を明かさない異例のプロモーションも話題を集めた。主題歌は、米津玄師による「地球儀」。山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、木村拓哉らが声優を務めた。昨年12月、『The Boy and the Heron(少年とサギ)』のタイトルで、北米公開されると、週末興行ランキングで初登場1位に輝き、スタジオジブリ作品最大のヒットスタートを切った。批評家からの評価も圧倒的で、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞をはじめ、数々のオスカー前哨戦でアニメ映画賞を受賞。その勢いはアカデミー賞まで衰えず、有終の美を飾った。【『君たちはどう生きるか』海外での主な受賞歴】「第89回ニューヨーク映画批評家協会賞」アニメ映画賞「ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞」作品賞トップ10「第49回ロサンゼルス映画批評家協会賞」アニメ映画賞「第44回ボストン映画批評家協会賞」アニメ映画賞「第36回シカゴ映画批評家協会賞」アニメ映画賞「フィラデルフィア映画批評家協会賞」アニメ映画賞、外国語映画賞「第28回サンディエゴ映画批評家協会賞」アニメ映画賞「第28回フロリダ映画批評家協会賞」作品賞、アニメ映画賞、作曲賞(久石譲)「第81回ゴールデングローブ賞」アニメ映画賞「第44回ロンドン映画批評家協会賞」アニメ映画賞「第51回アニー賞」長編作品ストーリーボード賞、長編作品キャラクター・アニメーション賞「第77回英国アカデミー賞」アニメ映画賞(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2024年03月11日第96回アカデミー賞の授賞式直前、レッドカーペットに『PERFECT DAYS』で国際長編映画賞にノミネートされているヴィム・ヴェンダース監督と役所広司、視覚効果賞候補の『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督とVFXのチーム、長編アニメ映画賞候補の『君たちはどう生きるか』チームが登場した。ヴェンダース監督と役所さんは時折肩を組みながらリラックスした様子でWOWOWのインタビューに応じ、マーティン・スコセッシ監督やロバート・ダウニー・Jr.と対面したとコメント。役所広司とヴィム・ヴェンダース監督 Photo by Kevin Mazur/Getty Images作品が世界で受け入れた理由について役所さんは「国は違っても人の気持ちは共通しているものがある」と語り、「(特に)大都市の人たちの心には響くんじゃないでしょうか」と語った。また、お馴染みのゴジラ人形が蝶ネクタイのゴールデンゴジラ仕様となった『ゴジラ-1.0』の山崎監督は、現地で「ストーリーとキャラクターがよかった」と言われているとコメント。ゴールデンゴジラ Photo by Mike Coppola/Getty Images視覚効果賞に日本映画として初ノミネートとなったが、予算の規模がハリウッド大作と違う中で候補となった理由について、VFXディレクターの渋谷紀世子らは「ヒヤヒヤだったけれど、ここに来ているみんなで頑張った」とコメント。「(それぞれが)好き勝手言ってるだけ」と山崎監督が笑顔を見せる後ろで「チームワーク!」「みんなで頑張ったよ!」と笑顔のチームの声が飛び交っていた。山崎貴監督 Photo by Gilbert Flores/Variety via Getty Imagesそんな『ゴジラ-1.0』チームは揃ってゴジラ仕様の靴でレッドカーペットを闊歩した。『ゴジラ-1.0』Photo by Kevin Mazur/Getty Imagesさらに、『君たちはどう生きるか』からは中島清文さん、福田博之さん、依田謙一さんが参加した。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibliゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
2024年03月11日国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF & ASIA)」と連動したオンライン映画館、ブリリアショートショートシアターオンライン(BSSTO)が2月で6周年を迎え、また、SSFF & ASIAで展開中の短編小説公募プロジェクト「BOOK SHORTS」が10周年を迎えることから「短編映画と短編小説」をテーマにコラボレーションしたアニバーサリーパーティーが行われた。この日、MCをSSFF & ASIAおよびBSSTO代表の別所哲也がつとめ、第2回ブックショートアワードの大賞受賞者で、2023年には『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が長編映画化され大きな話題となった小説家・大前粟生と、短編小説やエッセーも書くお笑いコンビ「Aマッソ」の加納愛子をゲストに迎え、作家活動についてや原作の映像化など、多岐にわたるトークが繰り広げられるとともに、小説が原作となったショートフィルムの上映も行われた。まず小説を書き始めたきっかけについて、大前さんは「漫画はたくさん読んでましたが、小説を読むようになったのは大学からです。書き始めたのもたまたまで、就職活動のストレスで頭がいっぱいになって『会社員は絶対無理!』と思ったとき、とりあえず何か作ろうと考えたんですけど、小説なら紙とペンさえあれば1人でタダでできると思って書き始めてみました」と明かす。一方の加納さんは、以前からエッセイなどは執筆していたが「『次は小説にチャレンジしませんか?』というお話をいただいたので」と説明。加納さんは「見よう見まね」で書いていると言い、「又吉(直樹)さんや劇団ひとりさんといった先輩たちが、芸人が文学界に関わるという道筋は作っていただいたので」とコメントした。魂を救う小説そして、自身の創作の“核”についてに話が及ぶと、加納さんが「私は、女性同士の会話や人と人のミニマムな会話やコミュニケーションに関心があって、自分のオリジナリティが出せるのはそこなのかなと思っています」と説明すると、大前さんは「いまの世の中がメチャクチャだなということを昔から思っていて、ちょっとでも若い人が楽になれるものを書きたいと思っています」と語る。また、加納さんは「大前さんの小説は“こういう感情になる人を救う”という作品が多い」と評し、「(映画化された)『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』もそうですよね。ぬいぐるみにだけ本音をしゃべれる人たちを描いていますけど、そういう人の魂を救うのは大前さんしかできない」と大前さんの小説がもたらす“救い”を称賛。さらに、これまで影響を受けた作家について、大前さんはフランス人の作家で、女優・映画監督にミュージシャンなど多彩な活動をしているミランダ・ジュライの名を挙げ「奇妙キテレツな話というか、BOOK SHORTSのように民話やおとぎ話をアレンジした話が多いんですけど、そういう作品に影響を受けました」と語る。加納さんもミランダ・ジュライは「大好きです」と明かし、彼女の本の邦訳を担当している翻訳家でエッセイストの岸本佐知子についても言及。「エッセイに関しては、岸本さんとさくらももこさんに色濃く影響を受けています」と話しました。映画になって初めて「こういう人だったんだな」とわかる大前さんはすでにBOOK SHORTSで『ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金がほしいか』が短編映画化され、さらに小説「ぬいぐるみとしゃべるひとはやさしい」も映画化されているが、「特に監督さん、俳優さんは、僕以上に登場人物のことを考えてくれていると思うので、映画になって初めて 『こういう人だったんだな』とわかる部分もあります」とポジティブに受け止めているという。「スタッフさんたちが造形してくれる方が、自分ひとりで考えるよりも、たくさんの人が登場人物のことを考えてくれているので、親心というか、キャラクターに対して『よかったね』と思いますね」と心情を告白。加納さんも昨年、NHKのドラマの脚本を担当した経験をふり返り「明らかにボケゼリフで、ここは面白く言ってほしいと思ってた部分で、こちらが思っていたのと全然違う言い方で言われた時に、『この言い方が面白いと思ってるんだ!』とかわいく感じました」と解釈の違いを楽しんだという。2人の話を聞いた別所さんは、BOOK SHORTSの企画趣旨を踏まえ「原作の良さと二次創作の良さ、どちらもあり、作品化することの意味を両方楽しめればいいなと思います」とコメント。イベント後半は、大前さん原作によるショートフィルム『ユキの異常な体質/または僕はどれほどお金がほしいか』と、先述のミランダ・ジュライの短編小説「The Swim Team/Le Grand Bain」にインスパイアされて制作された『Home Swim Home』の2本のショートフィルムの上映が行われた。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 2023年4⽉14⽇より全国にて公開©映画「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
2024年03月10日第96回アカデミー賞国際長編映画賞アイスランド代表ショートリスト選出作品『ゴッドランド/GODLAND』より監督コメントと場面写真8点が解禁された。アイスランドの気鋭フリーヌル・パルマソンが監督・脚本を務めた本作。日本ではトーキョーノーザンライツフェスティバルで紹介された『ウィンター・ブラザーズ』(2017)、『ホワイト、ホワイト・デイ』(2019)で、国際的に高く評価されてきた、いまや北欧で最も注目を集めるフィルムメーカーだ。第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されたのち、各国で高い評価を得た本作は、気鋭の映画監督からも絶賛されている。『ライトハウス』(2019)のロバート・エガースは「大好きな映画。撮影監督マリア・フォン・ハウスヴォルフによる撮影は本当に素晴らしく、アイスランドの盟友イングヴァール・E・シーグルズソンの演技はいつものように驚異的。時に残忍で、時に優しい描写に、まるで催眠術にかけられたかのように魅了された」とコメント。ほかにも、『異人たち』(2023)の公開が待機するアンドリュー・ヘイや『ア・ゴースト・ストーリー』(2017)『グリーン・ナイト』(2021)のデヴィッド・ロウリーや、『彷徨える河』(2015)で知られるシロ・ゲーラらも本作をお気に入りだと公言している。また本作を手掛けたフリーヌル・パルマソン監督は、「アイスランドは第二次世界大戦までデンマークの統治下にありました。そこには多くの歴史があります。ただ、そのことが映画で探求されるのを私は見たことがありませんでした。デンマークとアイスランドの歴史だけでなく、人々の間のミスコミュニケーションなど、この2つの国を対峙させたときに、それらがどのように姿を現すのか、探りたかったのです」と本作の製作経緯を語る。また、「脚本は、私が住んでいる地域、アイスランドの南東海岸周辺を念頭に置いて書かれています。この映画の最初の撮影は、毎年冬に氷の中でマスを釣る場所でした。氷河の季節の映像は、夏の終わりにキノコ狩りをする場所で2年以上かけて撮影しました。ほとんどのロケ地は私が何度も訪れている場所です。なかには、車で行くことが不可能な場所もありました。そこでは、すべての機材を自分たちで運び、馬だけで移動しなければいけませんでした」という。しかし、「この過程があったからこそ、この辺りの風景をとてもリアルに描くことができたと思います。製作は、とても挑戦的な映画でした。肉体的には大変だったし(主人公ルーカスを演じた)エリオット・クロセット・ホーヴは12キロも減量し、本当に真剣でした」と、製作の苦労と裏話を明かしている。デンマークの統治下に置かれていた19世紀後半のアイスランドを舞台とする本作。新たに解禁された場面写真でも、その荘厳な自然の風景とともに、一筋縄ではいかない複雑な人間関係が垣間見える。『ゴッドランド/GODLAND』は3月30日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ゴッドランド/GODLAND 2024年3月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開© 2023 ASSEMBLE DIGITAL LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
2024年03月09日第47回日本アカデミー賞の授賞式が3月8日(金) 、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われ、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が最優秀作品賞を受賞。同作は、最優秀助演女優賞(安藤サクラ)、最優秀脚本賞(山崎貴)、最優秀撮影賞、最優秀照明賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞の8冠を達成した。日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。国内外でヒットを記録しており、日本映画として初めて第96回アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされている。最優秀作品賞の受賞について、山崎監督は「皆さんとゴジラがとった賞だと思います。作品賞って一番うれしいです。スタッフ、キャスト全員でお祝いできるので、めちゃくちゃうれしい」と喜びの声。神木隆之介(主人公・敷島浩一役)は「一丸となって、ゴジラに立ち向かって、ゴジラに引っ張っていってもらったなと思います」と日本が世界に誇るアイコンに感謝を示した。(C)日本アカデミー賞協会第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされている『PERFECT DAYS』は、最優秀監督賞(ヴィム・ヴェンダース)、最優秀主演男優賞(役所広司)の2部門を受賞した。役所が最優秀主演男優賞に輝くのは、『Shall We ダンス?』(第20回)、『うなぎ』(第21回)、『孤狼の血』(第42回)に続き通算4度目。この日は、『ゴジラ-1.0』が破竹の勢いで受賞を重ねていただけに、「これでやっと、ゴジラの牙を抜いた感じがします」と歓喜した。また、授賞式欠席のヴェンダース監督に代わり、最優秀監督賞のブロンズを受け取り、「日本という国、そして日本人が大好きでいらっしゃる。ここにいたら喜ぶと思います。今は(米アカデミー賞出席のため)アメリカにいると思いますが、このすばらしい賞をお渡ししたい」と話していた。役所広司 (C)日本アカデミー賞協会また、安藤サクラは最優秀主演女優賞(『怪物』)、最優秀助演女優賞(『ゴジラ-1.0』)をダブル受賞した。同一俳優が、同じ年に両賞に輝くのは10年ぶり。最優秀主演女優賞を受賞した際には、役所のコメントに便乗し「これでゴジラの牙を、また1本抜いたけど……、なんか複雑」と照れ笑い。最優秀助演女優賞に関しては、昨年の『ある男』に続き2年連続の受賞を果たし、プレゼンターも務めた安藤本人が、自分の受賞を発表することになった。安藤サクラ (C)日本アカデミー賞協会最優秀助演男優賞に輝いたのは、『月』(石井裕也監督)の磯村勇斗。実際の障がい者殺傷事件を題材にした辺見庸の小説を映画化した本作で、施設職員で殺傷事件の犯人となる青年を演じた。「この映画は参加するにあたっても、作るにあたっても、公開するにあたっても、たくさんの壁があった。映画をお客様に届けるのが、どれだけ大変なのか痛感した作品」と振り返り、「石井監督とともに難しい作品に挑戦し、覚悟をもって臨んだので、この賞は自分でもらうというよりは、一緒に作り上げた皆さんと喜びを分かち合えれば」と喜びを噛みしめていた。磯村勇斗 (C)日本アカデミー賞協会第47回日本アカデミー賞は、2023年1月1日~12月31日に東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開され、同一劇場で1日3回以上、かつ2週間以上継続して上映された40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品が対象となっている。取材・文:内田涼受賞作品/受賞者リスト最優秀作品賞:『ゴジラ-1.0』最優秀監督賞:ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』最優秀主演男優賞:役所広司『PERFECT DAYS』最優秀主演女優賞:安藤サクラ『怪物』最優秀助演男優賞:磯村勇斗『月』最優秀助演女優賞:安藤サクラ『ゴジラ-1.0』最優秀脚本賞:『ゴジラ-1.0』最優秀撮影賞:『ゴジラ-1.0』最優秀照明賞:『ゴジラ-1.0』最優秀美術賞:『ゴジラ-1.0』最優秀録音賞:『ゴジラ-1.0』最優秀編集賞:『ゴジラ-1.0』最優秀音楽賞:『BLUE GIANT』最優秀外国作品賞:『ミッション:インポッシブルデッドレコニング PART ONE』(東和ピクチャーズ)最優秀アニメーション作品賞:『君たちはどう生きるか』新人俳優賞:アイナ・ジ・エンド(『キリエのうた』)、桜田ひより(『交換ウソ日記』)、原菜乃華(『ミステリと言う勿れ』)、福原遥(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)、市川染五郎(『レジェンド&バタフライ』)、黒川想矢(『怪物』)、高橋文哉(『交換ウソ日記』)、柊木陽太(『怪物』)話題賞(作品部門):『キリエのうた』話題賞(俳優部門):山田裕貴『ゴジラ-1.0』『キングダム運命の炎』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編決戦』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編運命』『BLUE GIANT』
2024年03月08日第47回日本アカデミー賞の授賞式が8日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。作品賞を受賞したのは、山崎貴監督による『ゴジラ-1.0』。脚本賞、助演女優賞(安藤サクラ)、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞と合わせて8冠となる。『PERFECT DAYS』で最優秀主演男優賞を受賞した役所広司、『怪物』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラが「『ゴジラ』の牙を1本抜いた」と発言していたことから、臼井央プロデューサーは「途中から牙が1本1本抜かれていって、これは『ゴジラ-1.0』死んじゃうのかなと思いましたが、最後幸せに作品賞をいただくことができてうれしいです」と喜びを表した。山崎監督も「牙が戻ってきてよかったです」と苦笑。「作品賞って、1番うれしいです。スタッフ、キャスト全員お祝いできるのでめちゃくちゃうれしいです」と喜ぶ。主演の神木は「おめでとうございます。監督、(プロデューサーの)阿部(秀司)さんをはじめ、スタッフ・キャストの皆様が一丸となってゴジラに立ち向かっていって、ゴジラに引っ張っていってもらったなと思いますし、皆様にも引っ張ってってもらえて、本当に感謝の気持ちと、おめでとうございますという気持ちでいっぱいでございます」と語った。浜辺は「こんなことなら毎日撮影に見学に行ってればよかったなと、なんだか悔しく思っています。スタッフの皆さん、キャストの皆さん、すべての方にこのトロフィーを切り刻んでお渡ししたい」と発言し、会場からは笑いも起こる。安藤は「やっぱりゴジラは強いですね」と感心し、神木は「さっき、牙抜くって言ってたじゃないですか」とツッコミ。山田は「みんなで『おめでとう』と『ありがとう』を言える賞はこれだけだと思うので、僕は俳優の賞ではないですけど、ゴジラの牙の一部としてここに建てていることを誇りに思います。夢のような舞台に立てていること、『ゴジラ』ありがとうございます。みんなで『おめでとう」しましょう!」と呼びかけた。(C)東京写真記者協会○■「第47回日本アカデミー賞」最優秀賞受賞リスト作品賞…『ゴジラ-1.0』監督賞…ヴィム・ ヴェンダース『PERFECT DAYS』脚本賞…山崎貴『ゴジラ-1.0』主演男優賞…役所広司『PERFECT DAYS』主演女優賞…安藤サクラ 『怪物』助演男優賞…磯村勇斗『月』助演女優賞…安藤サクラ 『ゴジラ-1.0』音楽賞…上原ひろみ『BLUE GIANT』撮影賞…柴崎幸三『ゴジラ-1.0』照明賞…上田なりゆき『ゴジラ-1.0』美術賞…上條安里『ゴジラ-1.0』録音賞…竹内久史『ゴジラ-1.0』編集賞…宮島竜治『ゴジラ-1.0』アニメーション作品賞…『君たちはどう生きるか』外国作品賞…『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』新人俳優賞…アイナ・ジ・エンド『キリエのうた』、桜田ひより『交換ウソ日記』、原菜乃華『ミステリと言う勿れ』、福原遥『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』、市川染五郎『レジェンド&バタフライ』、黒川想矢『怪物』、高橋文哉『交換ウソ日記』、柊木陽太『怪物』話題賞 作品部門…『キリエのうた』話題賞 俳優部門…山田裕貴『キングダム 運命の炎』『ゴジラ-1.0』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-/-決戦-』『BLUE GIANT』(声の出演)
2024年03月08日「第47回日本アカデミー賞授賞式」が3月8日(金)に開催され、『ゴジラ-1.0』が最優秀作品賞を受賞した。今回、12部門を受賞していた『ゴジラ-1.0』だが、結果、作品賞に加え、脚本賞、助演女優賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞の計8部門において最優秀賞を受賞。チームはお祝いムードであふれていた。『ゴジラ-1.0』は、『ゴジラ』第1作より前の1945年~47年を舞台に、第二次世界大戦で傷ついた民間人たちが力を振り絞って、超難敵・ゴジラとの闘いに挑む様を生き生きとした人物描写と見事なVFX技術で描き出した大作。日本におけるVFXの第一人者で、ゴジラ愛も強い山崎貴監督が手掛けた。最優秀作品でタイトルが呼ばれた瞬間、山崎監督はガッツポーズをした。壇上にスタッフ・キャストとともに上がると、山崎監督は「(ゴジラの)牙が少し戻ってきてよかったです(笑)。皆さんとゴジラが獲った賞だと思います。全員でお祝いできるので、作品賞は一番うれしいです」と隣に立つ神木隆之介や浜辺美波らと笑みを広げた。なお、最優秀監督賞はヴィム・ベンダース(『PERFECT DAYS』)が受賞した。ベンダース監督はこの日欠席のため、代わりに主演の役所広司が登壇。役所さんは「監督がいたら本当に喜ぶと思います。日本という国が好きで、日本人が大好きでいらっしゃって。この作品でアメリカのアカデミー賞で選ばれたとき“自分はドイツ人なのでこの作品が選ばれないのでは…”と真剣に悩んでおられました。ヴィム監督は今アメリカにいると思いますが、この素晴らしい賞を渡したいと思います」と、朗らかに語った。そのほか、最優秀アニメーション作品賞は『君たちはどう生きるか』が受賞。宮崎駿の『風立ちぬ』以来、10年ぶりの長編映画となる冒険ファンタジー。太平洋戦争の戦時中、母を亡くした小学6年生の眞人が主人公。日本のトップアニメーターたちが約7年をかけ、手書きアニメの最高峰的作品を生み世界中で大ヒットしている。第96回米アカデミー賞でも長編アニメーション映画賞にノミネートされ、ゆくえが注目されている。(シネマカフェ編集部)■関連作品:ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.
2024年03月08日『PERFECT DAYS』の役所広司が、第47回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞。海外の賞レースもにぎわせている本作で、役所さんはドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースと初タッグを組んだ。役所さんは「俳優人生の中で彼の作品に出会えると思ってもいなくて。彼が映画作りの楽しさを教えてくれた」と、心底うれしそうに撮影をふり返っていた。優秀主演男優賞には、役所さんのほか、阿部サダヲ(『シャイロックの子供たち』)、神木隆之介(『ゴジラ-1.0』)、鈴木亮平(『エゴイスト』)、水上恒司(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)と華やかな面々がそろっていた。役所さんは過去3度最優秀主演男優賞を受賞しており、今回で4度目となる。『PERFECT DAYS』で、役所さんは東京・渋谷のトイレ清掃員として働く主人公の平山となった。演じるにあたり、役所さんは清掃の手順を完璧にマスターし、平山そのものとしてカメラの前に存在。その表情、たたずまいで平山の豊かな内面や人となりを見事に表現した。ちなみに、第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞も受賞している。トークパートで、役所さんは「“THE TOKYO TOILET プロジェクト”のスタッフさんも映画を見て、トイレを見に行くお客さんが来るので非常に張り合いがある、気合いが入って何よりも利用する方たちの愛想がよくなった、と。映画をやってよかったんだろうなと思います」と、映画の反響を実感している様子。受賞の際、プレゼンターの妻夫木聡に名前を呼ばれると、役所さんは満面の笑みで壇上に上がり、妻夫木さんと握手してブロンズ像を受け取った。場内からは「役所さーん!!」と歓声も上がり、役所さんは「うれしいです。すごくうれしいです」と繰り返した。「今日一緒に優秀賞をもらった俳優さんたちは好きな人ばかり。おまけに妻夫木くんからもらって、うれしいです」とともに並んだ俳優勢にも敬意を表した。役所さんは「この映画は、自分が立ったことのないスタートでした。公共のものを大事にしたいという製作者の思いから始まって、日本でも世界中のお客さんが今この作品を観て楽しんでくださっていて、とても感謝したいです。いやあ、本当に…いいものですねえ」と、しみじみと感じ入る。さらに、「これでやっと『ゴジラ(-1.0)』の牙をちょっと抜いた感じがします(笑)」と最優秀賞をすでに多く受賞している『ゴジラ-1.0』に触れると、主演の神木隆之介も笑顔の拍手で返していた。(シネマカフェ編集部)■関連作品:PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.
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