令和5年10月1日(日)を調査期日として、総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」が実施。そのイメージキャラクターである広瀬アリスさんが出演するTVCMが、9月18日(月・祝)より全国32局で放映されます。回答は便利なインターネットで!「みんなのおうち調査」「住宅・土地統計調査」は「統計法」に基づき実施する国の重要な統計調査です。国や地方公共団体における「住生活基本計画」の成果指標の設定、耐震や防災を中心とした都市計画の策定、空き家対策などに幅広く利用されます。調査を依頼する世帯には、9月下旬頃から調査員が調査書類の配布に訪問しますが、紙の調査票を郵送または調査員に渡すほか、インターネットによる回答(スマホ・タブレットにも対応)も可能です。広瀬アリスさん出演のTVCM「令和5年住宅・土地統計調査」の認知拡大・理解の促進、および親近感の醸成のためにイメージキャラクターに起用されたのが、タレントの広瀬アリスさんです。9月18日(月・祝)~9月30日(土)に放映される広瀬アリスさんが出演するCMでは、「住宅・土地統計調査」を、より身近でわかりやすいものとして捉えられるよう「みんなのおうち調査」のサブタイトルを用いて紹介しています。CMで広瀬さんは、「令和5年住宅・土地統計調査」への協力のお願いや、パソコン・スマートフォン・タブレットを利用したインターネット回答をおすすめしていることなどをアナウンス。インターネットなら、家にいながらいつでも回答できるのでとても便利です。キャンペーンサイトでは、本CMのほか、広瀬アリスさんのイメージキャラクター就任コメント動画も公開されています。気になる人はぜひチェックしてみて!【参考】※令和5年住宅・土地統計調査キャンペーンサイト
2023年09月15日緊急搬送された患者のデータなどから医学統計の専門家が分析。その結果わかった「血液型によってかかりやすい危険な病気」を知り、日常生活から予防の意識を高めようーー。日本では、血液型占いが盛んなため、身近な「ABO式血液型」だが、世界の医学者が血液型と病気の関係性について注目したのはつい最近のこと。「血液型というのは、医学的にはRh(+)(−)のほか、100種類以上の分類があります。そのなかでABO式は歴史が古く1900年にウィーンで発見されました」こう話すのは、世界中の血液型と病気に関わる文献を収集、研究している永田宏先生(長浜バイオ大学教授・以下、コメントはすべて永田先生)。じつは、それまで、人の血液はすべて同じだと考えられてきた。それが医学の進歩で輸血が試みられるようになり、混ぜると固まってしまう血液と、固まらずに輸血に使える血液があることがわかってきたという。「血液が固まるのは赤血球が凝集するせいです。人には、すべての血液と凝集しないO型。AとOとが凝集しないA型。BとOとは凝集しないB型。AとB両方と凝集してしまうAB型の4パターンがあることがわかったのです」永田先生が血液型と病気リスクの関連性について研究を始めたのは、あるメディアから「医療保険に加入する際に、血液型の告知は必要か?」という質問を受けたことがきっかけだという。「調べてみると、現在、保険の告知に血液型は必要ありませんでしたが、2000年代になってから、世界各国で大規模調査が行われ、血液型と特定の病気のリスクの関係性が次第に明らかになってきたのです。近年、病気のカルテの電子化が進み、データ分析しやすくなったことも、多くのデータ収集が行われるようになった一因でしょう」すべて統計的なデータの裏付けはあるが、理由までは解明されていないものも多いとか。永田先生の解説で、血液型別なりやすい病気を解説してもらった。■A型がなりやすい病気「胃がん、心筋梗塞」「’10年、スウェーデンの研究チームが100万人を対象に35年間のデータを集め、A型はO型に比べ、1.2倍、胃がんになるリスクが高いと報告しました」そのデータの表を見ると、じつはAB型のほうが1.26倍で、A型よりリスクが高いことになっているが、スウェーデンではAB型が極端に少ないため、リスク評価基準を満たしていないという見地から、A型のリスクが重要視されているという。「’11年に、日本の研究チームも703人の胃がん患者を調べたところ、やはりA型がもっとも罹患しやすいと結果が出ています」もうひとつ、気がかりなのが、心筋梗塞など、血栓(血液の固まり)が、心臓や脳の血管に詰まりやすいリスクだ。「O型に比べ、ほかの血液型は血が固まりやすい分、血栓ができやすい傾向があります。とくにA型の場合は、’12年に台湾で行われた研究で、ほかの血液型に比べ、心筋梗塞になりやすいとのデータが示されています」■B型がなりやすい病気「すい臓がん、糖尿病」「’09年、米国の国立がん研究所の調査では、すい臓がんにもっともなりやすいのはB型でした」その理由はまだ明らかになっていないが、人の遺伝子配列で、血液型を決める遺伝子と、がんのリスクを左右するDNAが隣り合っていることが、なんらかの影響を与えているのではないかとする研究が進められているとか。また糖尿病に関しては、’14年にフランスで8万人の女性を対象にしたデータで、O型に比べ、B型で1.21倍かかりやすいというリスクが示されている。■O型がなりやすい病気「胃・十二指腸潰瘍、重大事故による死亡率」ほかの血液型に比べ、血が固まりにくい傾向があるO型。このため、重大事故の際の死に至るリスクが高い。「ほかには、胃・十二指腸潰瘍などのリスクをO型を1とすると、A型0.81、B型0.74、AB型0.64と、圧倒的にO型がなりやすい(’10年。スウェーデン調査)」’04年に、O型の血液を好むピロリ菌が発見されており、ピロリ菌は胃潰瘍の原因のひとつとされるため、その関係性が注目されているという。■AB型がなりやすい病気「脳卒中、認知障害、エコノミー症候群」「世界的に少ない血液型なので、統計的なデータが不足していることはいなめませんが、4つの血液型の中で、もっとも血液が固まりやすいことが指摘されています。このため、エコノミー症候群(肺塞栓症)については、もっともリスクが低いO型に比べ、リスクが2倍。また’14年の米国で3万人を対象とした脳梗塞の患者の調査では、O型の1.83倍、リスクが高かったという報告がされていますから要注意です」同じ米国の認知障害の調査では、O型を1とした場合、A型もB型もO型と変わらなかったが、AB型だけが1.82倍リスクも高くなったとの報告もされている。こうした血液型別の傾向について、永田先生は、こう語る。「現段階では、治療現場で応用できるほどの差異ではありませんが、自分の血液型がなりやすい病気の傾向を知ることで、意識的に検診を受けるなど、早期発見、早期治療につなげてほしいですね」あなたも血液型の病気のリスクをよく理解して、自分の健康維持に役立ててほしい。「女性自身」2021年1月5日・12日合併号 掲載
2021年01月11日日本に住むすべての人と世帯が対象となる、『国勢調査』。5年に1度の重要な統計調査で、生活環境の改善や防災計画などのさまざまな施策に役立てられます。2020年実施の国勢調査は、インターネットと紙の両方で回答を受け付けており、期間は同年10月7日まで。大切な統計調査ですが、回答率は低迷が続いています。国勢調査も始まったし『統計調査員』の経験を語る3児の母親である、えむしとえむふじん(@mshimfujin)さんは2015年に、国勢調査の調査票を配布・回収する『統計調査員』のアルバイトを夫婦でしたことがありました。その時の苦労した思い出を漫画に描いています。統計調査員に登録し、説明会に参加したえむふじんさん夫婦。夫は2倍の仕事を振られましたが、報酬もほぼ2倍ということで引き受けることに…。統計調査員の仕事は、下調べからスタート。もとからある地図を使いつつ、空き家などの変化をチェックしていきます。簡単には調査できない上、配られた備品の防犯ブザーには不備がありました…。攻撃的な対応はつらいよ警戒した人々から今まで経験したことのない対応を受け、傷付くこともあったえむふじんさん夫婦。ですが、時には優しい対応をしてくれる人もいました。仕事はまだ続き、慌ただしい日々が過ぎて…。国勢調査も始まったし『統計調査員』の経験を語る (完) 全4話でした皆さん調査のご協力おねがいします2015年 #国勢調査 の思い出話色々あって調査員は2018年にやめましたブログにはその辺りの事を文章で書いてます第3話目はこちら #コミックエッセイ pic.twitter.com/lHJABeC6ud — えむしとえむふじん@『小学生エムモトえむみの勝手きままライフ』発売中! (@mshimfujin) September 20, 2020 苦労して稼いだアルバイト代の一部は、家族で『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(略称:USJ)』で遊ぶ時に使用!ただの散財より思い出に残る、有効的な使い方だといえるでしょう。統計調査員の苦労が伝わるエピソードに、さまざまな反応が寄せられています。・こちらの漫画を読んだおかげで、調査員さんにきちんと対応することができました!・恥ずかしながら、そんなに大事な調査だとは知りませんでした。回答いたします。・元市役所の担当者です。引き受けてくださる方には、感謝しかありません。昨今では多様な不審者がいるため、統計調査員を警戒することも理解できます。ですが、日々の生活の中で時間を作り、統計調査員として働く人々の苦労は大変なもの。不審者でないと分かった時には、優しい対応とはいかずとも、事務的なきちんとした対応を心掛けたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月04日こんにちは、婚活FP山本です。きっとあなたも学生時代、「平均点と比べてどうか」で自分の立ち位置を捉えた事があるのではないでしょうか。社会人になると、平均の代わりに「様々な統計」で自分の立ち位置を把握できるのですが、統計は小難しい表現が多いので、意外と読みにくかったりしますよね。そこで今回は、結婚適齢期である30代の様々な貯金に関する統計と、一般的な捉え方をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。30代は、半ばを境に前半・後半で大きく違うまずは統計情報の前に、ざっくり大局観をお伝えします。最近では少しずつ変化もありますが、それでも一般的な人生はおおよそ「30代半ば」を目安に、様々なことが確定するのが実情です。もう少しいえば「35歳まではチャンスに満ち溢れている」と言えるでしょうか。一昔前なら、35歳は「転職の限界年齢」であり、女性にとって「結婚の限界年齢」でした。女性からしても、30代前半までなら許せた男性の夢への挑戦も、後半ともなれば「いつまで夢見てるんだ?」と感じてしまうのではないでしょうか。これは年収や貯金でも同様です。つまり、現在の具体的な金額はともかくとして、35歳までに相応の年収や貯金を得る準備や下地ができたかどうかが分かれ目になります。まずこの点を、強く意識しましょう。結婚希望の女性は35歳を強く意識しよう30代半ばは結婚の限界年齢であると同時に、「出産の限界年齢」とも捉えられがちです。このため、これ以降に結婚したら子供は一人程度が多い一方、これ以前に結婚した方は何も考えずに2~3人の子供を作りやすいといえます。先ほどの仕事でも、事情は似ている訳です。しかし統計は、そこまで個別事情を踏まえて作られている訳ではありません。とはいえ、個別事情は考え出すとキリがないので、その辺りは抜かして「参考として」統計は見るようにしましょう。30代の独身者・結婚した方など様々な貯金額データ次は、お待ちかねの様々な統計データです。まず、30代の独身世帯と結婚した世帯別の貯金額は以下のようになっています。(総務省統計局「家計調査報告」、知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査」)独身・結婚世帯別の貯金額独身世帯…平均589万円、中央値83万円結婚世帯…平均602万円、負債平均1123万円、差引-521万円年収別貯金額また年収別に見てみると、同調査では以下の結果が出ています。(既婚は30代に限らず)独身・年収500万円程度…平均789万円、中央値154万円独身・年収1000万円程度…平均721万円、中央値120万円既婚・年収約500万円世帯…平均989万円、負債平均729万円、差引260万円既婚・年収約1000万円世帯…平均2184万円、負債平均1051万円、差引1133万円独身者と既婚者では「統計の取り方」が違うので一概に比較できないものの、独身同士、既婚同士を比べると分かりやすいかもしれませんね。中央値を読み解くコツは「平均との違い」「中央値」とは、対象者を順に並べていき、中央の人がどうかを表しています。学校のテストなら100点という上限がありましたが、貯金額は青天井で持っている人は持っていますから、平均よりもむしろ中央値のほうが、いわゆる「平均」感覚に近いでしょう。ちなみに統計情報は、文字通り「統計」で検索すると、今では色んなものを発見できます。総務省統計局をはじめ、様々なところで統計は作られていますから、ぜひ色んなものを見てみましょう。既婚・未婚別の貯金に対する一般的な捉え方今度は、先ほどの統計結果の補足です。おそらく中には「あの情報ってホントなの?」と疑った方もいるのではないでしょうか。結婚した世帯の方が多額の負債を抱え、独身世帯なら年収が違っても貯金額がほぼ変わらない結果でしたからね。ですが、これが現実です。まず結婚した世帯の負債は、その大半は「住宅ローン」が影響しています。また独身者の結果は、年収に関わらず「貯金への意識が低い」ためです。皆、あるならあるだけ使い、「結婚したら貯めよう」と考えています。どちらも、何となく分かるところではないでしょうか。もちろん、「皆が貯められてないから大丈夫」ではないのですが、少なくとも平均的な世帯の多くは大した貯金ができていません。ひとまず、そういう意味であなたも安心に繋げましょう。そもそも貯金への意識が希薄なもの結婚したら住宅ローンや教育費に多額のお金が必要になるのに、多くの人は結婚してから貯金しようと考える……残念ながら、これが現実です。女性に限れば「お金に関する事は男性に任せよう」と考えて、やはり何も考えていない人もかなり多いかもしれません。もちろん、純粋に年収が低くて貯金できない人もいますが、相応に年収があっても貯金できていないのが実情です。貯金できていなくても「皆も同じ」なら、少しはラクになれるのかもしれませんね。地方と都心部では結婚や貯金に対するが全然違うここからは少し趣向を変えて、筆者の見解をお伝えします。筆者は都心部にいながら地方に実家があるのですが、同じ30代でも地方と都心部では結婚や貯金に対する事情や考え方が全然違っていますね。簡単に言えば、やはり地方は「旧態依然」と言えるでしょうか。地方では未だに結婚は当たり前、子供も複数、女性は専業主婦になります。一方の都心部では、結婚しない人も増え、子供も一人程度、夫婦で共働きが増加中です。特に結婚は、その有無が外部に知れてしまうため、地域と繋がりの強い地方ほど意識が高いといえます。またどちらも貯金は意識が弱いものの、地方では子供と車にお金がかかり、都心部では家賃と生活費にお金が必要なことが多いです。どちらの方がマシかは分かりませんけどね。引っ越しすら視野に入れたいところ地方と都心部、どちらが良いかは一概に言えませんが、確かな「違い」が、そこにはあります。特に女性なら「専業主婦になりたい」場合は尚更でしょうか。どうしても都心部で専業主婦になれないのなら、地方への引っ越しを視野に入れるのもアリかもしれません。ただ、地方は地方で別の苦労もありますし、専業主婦の未来に幸せがある訳でもありません。違いを理解しながら先々を見据えて、婚活や貯金に励んでいくと良いでしょう。一人暮らしと実家暮らしはどっちがいい?最後は、貯金を考えた場合の一人暮らしと実家暮らしについてです。これは直接的な比較ができないのですが、少なくとも実家暮らしの方が貯金は貯まります。結婚後も、昔のように夫親と同居したほうが、家賃も生活費も浮きますから貯金が貯まりやすいのは事実です。しかし、一人暮らしの方が「生活力や自立心」は養われやすいといえます。そして最近では、男女を問わず貯金があっても実家暮らしの人は避けられやすいのが実情です。貯金より一人暮らしか否かを重視する訳ですから、やはり現在の貯金は気にしなくていいのかもしれません。とはいえ、やはり結婚した後は何かと物入りですから、貯金が気になるのも一つの実情です。ひとまず統計情報を一つの目安に、これからは貯金に励んでいきましょう。夫親との同居もアリかもしれない……現在でも1割程度の夫婦は、結婚後も親との同居をしています。そして、その方が貯金しやすいのは紛れもない事実です。現代事情にあっていないようにも思えますが、別居するから貯金しにくいのも紛れもない事実ですから、あえて同居するのもアリかもしれません。いずれにせよライフプランは、人と比べてどうこうではなく「自分の場合はどうか」が重要です。その自分の場合を客観的に考えるために、統計情報を活用していきましょう。統計で「まだ見ぬ未来」を考えていこう35歳を過ぎたら結婚も転職もしにくくなる統計があるなら、その前にどちらもしよう……。統計は、こんな風に使うのが基本です。統計は常に変わりますが、自分の時に限って都合よく大幅に変わることはありません。統計で「まだ見ぬ未来」を見据え、行動を考えていきましょう。
2019年02月22日総務省統計局・統計研修所と独立行政法人統計センターは4月4日、政府統計の総合窓口(e-Stat)の利便性とサービスの向上や、社会経済における政府統計データのより高度な活用の普及・促進を目的として、統計データや統計APIを活用したアイデアを募集するコンテスト「STAT DASHグランプリ2016」について、総務大臣賞、優秀賞、敢闘賞を発表した。コンテストのテーマは、行政サービス開拓部門が「政府が次に作るならこれ!!!」、データ利活用啓発部門が「なるほど!この活用は面白い!!」であった。総務大臣賞を受賞したのは次の通り。「行政サービス開拓部門」総務大臣賞作品名:小中学生のための統計情報ポータルサイト「e-Stat Junior」の提案受賞者:関西学院高等部数理科学部(代表:佐々木雄司)概要:学習指導要領に基づいた学年別の推奨統計データを提供したり、小中学生が簡単に統計データを利活用したりできるよう、「専門的な用語を使用しない」「漢字にふりがなを付ける」など、小中学生が統計学習をしやすいようにサポートする統計情報ポータルサイト「e-Stat Junior」の整備を提案。「データ利活用啓発部門」総務大臣賞作品名:オープンデータのためのオープンソース データビジュアライゼーション プラットホームE2D3(Excel to D3.js)の開発とE2D3を用いたデータリテラシー教育事業の創造受賞者:E2D3 ver.0.7 開発チーム(代表:五十嵐康伸)概要:Excelで統計データなどをわかりやすく、グラフィカルに表示できるオープンソース・ソフトウェア「みんなで作るデータビジュアライゼーションプラットホーム」を提供し、小学校から大学・企業までの様々な現場における、データリテラシー(必要なデータを見つける力、整理する力、理解する力)の向上を支援する。優秀賞は次のとおり。敢闘賞は次のとおり。
2016年04月05日日本時間4月1日21時30分に発表された米3月雇用統計は概ね良好な結果であった。非農業部門雇用者数は前月比21.5万人増と予想(20.5万人増)を上回り、3カ月平均でも20万人超の増加ペースを維持した。失業率は5.0%と前月の4.9%から0.1%ポイント悪化(予想は横ばいの4.9%であった)したが、これは労働参加率が2014年3月以来の高水準となる63.0%に改善した影響が強く、労働市場の裾野が拡大したための「良い失業率上昇」と考えられる。また、平均時給(時間あたり賃金)は25.43ドルに増加。前月比では+0.3%の伸びとなり、予想(+0.2%)を上回るとともに、前回見られた予想外の賃金低下(前月比-0.1%)が一時的な減速であった事を証明した。ところが、米3月雇用統計に対する市場の反応は冷ややかだった。米国の雇用情勢の堅調さを改めて印象付ける内容であったにもかかわらず、初動のドル買い一巡後はドルが全面安の展開となってしまった。雇用統計はそれなりに好結果ではあったが、米連邦準備制度理事会(FRB)が示した緩慢なペースでの利上げ見通しに修正を迫るほどの強い内容ではないと評価された模様であり、米国債利回り(長期金利)はほぼ横ばいでこの日の取引を終えた。この点からも窺えるように、市場は今のところ米FRBが4月に利上げを行う可能性を5%程度しか見込んでおらず、6月利上げの可能性ですら25%程度としか見ていない(CMEグループFEDウォッチより)。米3月雇用統計に対する反応から考えても、市場におけるドルの先高感は薄いといわざるを得ない状況だろう。ただ、海外情勢さえ落ち着けば、米FRBが金融政策正常化の一環として6月に利上げに踏み切る可能性は十分に残されている。5月6日に発表される次回の米雇用統計(4月分)が今回並みの内容であれば、急速に利上げ観測を高めるとともにドルを押し上げる可能性がある。その意味では、米3月雇用統計は6月利上げに望みをつなぐ内容だったと言えそうで、市場の織り込み度合いが低すぎる点には注意が必要だろう。○執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya
2016年04月04日日本時間3月4日22時30分に発表された米2月雇用統計は、概ね好結果ではあったが肝心の賃金が低下するという締まらない内容であった。非農業部門雇用者数は前月比24.2万人増と予想(19.5万人増)を上回る伸びを示したほか、失業率は2008年2月以来の低水準となった前月と同じ4.9%であった。また、働き手(求職者も含む)の割合を示す労働参加率も62.9%に上昇しており、ここまでは極めて良好な内容と言える。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の利上げペースを読む上で市場が注目していた平均時給は前月比-0.1%と、増加予想(+0.2%)に反して25.35ドルに減少した。前年比でも、+2.2%と7カ月ぶりの低い伸びにとどまった。賃金の減少は、米GDPの7割を占める個人消費の減速につながり、インフレへの下方圧力にもなりかねない減点材料だ。市場は、こうした強弱マチマチの結果に対して消化不良気味の模様であり、雇用統計発表後の為替市場でも、ドルは円に対して小幅に上昇した半面、ユーロや豪ドルに対して下落するなどマチマチの展開となった。一方、この日の取引を小幅高で終えた米国株式市場では、雇用統計について、景気腰折れ懸念を強める事なく3月利上げの可能性をほぼ消滅させるという、「ほど良い弱さ」だったとの見方も出ていた。いずれにしても、米2月雇用統計は市場に対して強いインパクトを残さずに通過した格好だ。市場には、3月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4月以降の追加利上げに関するヒントが出るのを待つしかないとのムードが漂い始めている。○執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya
2016年03月07日日本政府観光局(JNTO)は1月19日、2015年の訪日外客数を発表。前年比47.1%増の1,973万7,000人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最大の伸び率となった。過去最高であった2014年の1,341万3,000人より600万人余り上回り、1970年以来45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数(2015年は1,621万2,000人)を上回った。主な要因としては、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大などが挙げられている。さらに、円安による割安感の定着やビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充等も増加を後押しした。市場別では主要20市場のうち、ロシアを除く19市場が年間での過去最高を記録し、中でも中国は前年比107.3%増の499万人に達し、初めて最大市場となった(2014年1位は韓国)。その他、米国が欧米市場で初めて100万人を超えたほか、東南アジア6市場(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)が合計で200万人を超える規模となった。中国の訪日旅行者を見てみると、旅行者数は499万4,00人で過去最高を記録である500万人に迫る年計となった(過去最高は2014年の240万9,000人)。比較的安定していた日中関係や消費税免税制度の拡充、円安、中国経済の成長に伴う海外旅行者数の増加が訪日需要を喚起。さらに、航空路線の新規就航や既存路線の増便が相次いだほか、クルーズ船寄港の大幅増加等による日中間の輸送力の拡充も、旺盛な需要を支えた。
2016年01月19日東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)と情報・システム研究機構 統計数理研究所(統数研)は1月5日、研究協力に関する協定を締結したと発表した。カブリIPMUは、「宇宙は何で出来ているのか」などの根源的な問いに挑むために設立された国際的研究機関で、数学、物理学、天文学の研究者が集い、国際的かつ学際的な研究を行っている。一方、統数研はデータ同化研究開発、統計的機械学習の分野において「宇宙科学データ同化」や「スパースモデリングの深化と応用」などの宇宙科学系のプロジェクトを実施している。両者の間にはこれまでも研究交流があったが、同協定では、大規模化する宇宙観測によるビッグデータと情報統計学を融合させた新領域「統計計算宇宙物理学」の推進という目標に向けて協働していく。具体的には、天文学・宇宙物理学と統計学・機械学習などの共同研究の推進、研究施設・設備の相互利用、研究者の交流および関連する研究成果の情報交換などのほか、統数研が2010年度から推進している新しい科学的方法論の確立と新しい共同研究スタイルを目指す「NOE形成事業」に係る活動の推進が掲げられている。
2016年01月06日カカクコムは11月26日、総合保険比較サイトである「価格.com 保険」において、保険選びに必要な情報拡充の一環として生命保険・医療保険の独自の統計データを公開した。各商品ページに設けた「みんなの契約内容」欄から、実際に契約した人がどのような保障内容を選んだかを容易に把握でき、保険選びの参考にできるという。保険の申し込みでは、商品の選択後に保障内容を組み合わせるプラン構成が必要になるが、どのような保障内容が自身に最適なのかといった、プラン選びに役立つ情報はこれまで十分に提供されていなかったという。新サービスでは、保険にあまり詳しくない人でも自身に合ったプランを選びやすくするために契約データを独自集計し、実際に契約した人がよく選んでいる保障内容を一目で把握できるようにしたとのこと。契約データ設置対象のカテゴリは、生命保険、医療保険、がん保険の3種類。なお、統計データの作成・同サイトの運営・保険の申込受付・無料相談サービスは、同社の100%子会社で保険募集代理店である、カカクコム・インシュアランスが行う。今回公開する統計データは、2013年5月1日から2015年6月30日までの同サイト経由での申し込みデータを集計・分析したもの。そのうち、生命保険・医療保険の9社37商品について、各商品の情報ページ上に契約者の年代・保険料・保険期間・入院給付金・入院限度日数・死亡保険金などの項目をグラフで紹介する。今後も統計データの対象商品を拡大すると共に、半年を目安にデータの更新を行っていく予定とのことだ。
2015年11月27日ITホールディングスグループのTISは11月26日、統計解析などを行う製薬業界向けソリューション「Medical Drive(メディカルドライブ)」の提供を開始した。価格は個別見積。現在、製薬業界では2016年10月から義務化される臨床試験データ交換規格CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium:世界標準の臨床試験データ交換規格)標準への対応において、要員への教育や環境対応への人員配置、CDISCに準拠していないレガシーデータの存在などが課題となっており、企業に対策が求められているという。同ソリューションの第1弾として、CDISC標準への対応に向けた医薬品の研究・開発におけるデータマネジメントや統計解析業務を支援する「R&D(研究/開発領域)サービス」を提供する。2017年度末までに周辺開発も含め、事業規模として約30億円規模を目指す。R&Dサービスは対象業務領域がR&Dの臨床試験・申請業務となり、SIerとして培ったシステム開発の品質管理手法や、臨床試験の第I相から第III相、さらには販売後調査や承認審査までの多種多領域に渡る160試験以上の経験・ノウハウを活用した統計解析サービス。レガシーデータからの変換実績など、40名以上の経験豊富な統計解析ツールSASの技術者が、臨床試験・申請業務をサポートする。同サービスではCDISCの申請臨床試験データモデルである「SDTM(Study Data Tabulation Model)」や申請統計解析データモデルの「ADaM(Analysis Dataset Model)」などに準拠したデータマッピングやデータ作成、CDISC対応を推進するためのツールである「OpenCDISC」や「Define-XML」に対応するためのメニューを備える。また、サービスの提供形態としても臨床試験数の一時的な増加に伴うリソース調達や将来的な体制強化に幅広く対応するためオンサイト支援として既存の体制や環境にTIS解析要員が常駐するサービスのほか、オフサイト支援ではTIS内の統計解析環境を利用するサービスを有する。さらに、同サービスに次いで「S&M(営業/マーケティング領域)サービス」「PlatformPlatform(業界横断型の基盤)サービス」の提供も順次予定している。S&Mサービスの対象業務領域はS&MのMRプロモーション業務やMR活動のPDCA管理業務を想定しており、同社の30社以上のMR業務支援システム開発経験からSFA(CRM)、実消化、DWH、BI領域のシステム構築をサポートするサービス。製薬メーカーにおいて必須である業界VANや市場データなどの外部データの取り組みでは、同社が持つ自社パッケージやテンプレートの開発で蓄積した外部データのクレンジングなどのノウハウを活用して、同サービスを提供するほか、従来の業務KPIの可視化だけでなく、新たな気付きを現場に与えるためのBIツールを活用したダッシュボード開発や従来型データの新しい利用形態の提案により、データの中に潜在する暗黙知を可視化するなどの支援も行う。さらに、Platformサービスの対象業務領域は医療・医薬領域のデータマネジメント・活用業務を想定し、製薬業界で培ったデータマネジメントやデータ活用の強みを活かすことで高度医療・地域医療に対して、製薬メーカーをはじめとした医療・医薬業界のプレイヤーが利活用できる新しいデータのクラウドサービスを提供。今後、同社では製薬業界の企業向けに培ってきたシステム開発技術や業務ノウハウをベースに製薬業界における業務で求められる各種メニューを提供するトータルソリューションとして展開していく。
2015年11月26日ウイングアーク1stは、ドコモ・インサイトマーケティングと協業し、ドコモ・インサイトマーケティングが提供する「モバイル空間統計 訪日外国人データ」を、第三者データ提供サービス「3rd Party Data Gallery for MotionBoard Cloud」のラインナップとして、2016年1月1日より提供開始すると発表した。利用料金は月額120万円/10ID(税別)~。「モバイル空間統計 訪日外国人データ」は、いつ(最小1時間単位)、どこに(国内全域の任意のエリア。都道府県及び市区町村単位での提供)、どこの国の人が何人いるのかがわかるデータで、年間の訪日外国人数約1,341万人の訪日外国人のうち約250万人のローミング端末の情報をもとに算出・推計したという。今回ウイングアークより提供する月額版の「モバイル空間統計訪日外国人データ」では、市区町村別に、1カ月における昼間(14時)と夜間(4時)の平均人口を国内全域一括、過去3カ月分の更新データとしてサービス契約期間中提供する。導入したその日から分析・可視化を実現するテンプレートを利用することで、ユーザーは分析環境を構築する必要がなく、導入した日から日本全国(携帯電話サービスエリア内)における訪日外国人の人口分布を把握することが可能になるという。
2015年11月05日アグレックスは10月13日、全国住所マスター「ADDRESS (アドレスマスター)」のアドレスコードに対応した統計情報の新商品「アドレスコード対応統計データ ALMANAC2 (アルマナックツー)国勢調査版」の発売を開始した。同製品は、国勢調査結果をアドレスコードの単位にて集計し直したマスターデータ。アドレスコードに対応した統計値を取得できるため、アドレスコードが付番されている基幹系データとの連携が容易に行えるほか、国勢調査の住所文字列を補正対応することで、地図で利用できるなど活用することができる。同製品により、地域の人口規模や年齢構成等の国勢調査結果と、アドレスコードで管理する顧客情報を組み合わせて分析・判断することで、ユーザーニーズに対応した事業展開やサービスの提供を可能とし、商品開発や販売促進、宣伝などデータベースマーケティング全般において幅広く活用が期待されるという。また同製品には、「国勢調査 総務省統計局 平成22年(2010年)国勢調査 小地域集計結果(町丁字別)第1表~第20表」の調査内容を収録。今後は、5年に1度の国勢調査の結果公表に合わせてデータを更新し、提供する予定だ。同製品の価格は100万円(税別)で、別途、アドレスマスターのライセンスが必要となる。なお、2015年国勢調査データの利用を検討中の顧客向けに、調査結果公表後に2015年版をスムーズに利用できるよう、2010年版をテスト利用できるプランも用意するほか、アドレスマスターユーザー以外の利用ニーズに対応する商品として、JISコード版データも提供する。アグレックスは今後、アドレスマスターユーザーを中心に3年間で50社への導入を目指す。
2015年10月14日NTTドコモは9月7日、神戸市が同日から開催する「data.KOBE×NTTドコモ アプリコンテスト」に対し、神戸市の人口統計情報をサービス開発者が活用できる「神戸市モバイル空間統計API」を提供すると発表した。9月7日~10月23日に開催される「data.KOBE × NTTドコモ アプリコンテスト」は、神戸市の街づくりや観光振興などで新たなサービスを生み出し、地域経済の活性化に寄与することを目的としている。「観光」をテーマにオープンデータを活用したアプリおよびアイデアを、アプリケーション部門(優勝作品:賞状と副賞30万円)とアイデア部門(優勝作品:賞状と副賞5万円)の2部門で募集する。ドコモの定める審査を受けたサービス開発者を対象に提供される「神戸市モバイル空間統計API」では、携帯電話ネットワークの仕組みを利用して人口統計情報を提供する、同社の「モバイル空間統計」から、神戸市の特定エリアの性別、年代別及び時間帯別の人口分布情報をスマートフォンのサービス開発に活用できるようにAPIとして提供される。コンテストにおいては、このほかにも、神戸市が保有する観光施設や映画のロケ地の情報、避難所情報などの市政情報を、スマートフォンのサービス開発に活用できるようにAPIとして提供する。なお、このモバイル空間統計は集団の人数のみをあらわす人口統計情報であり、個人の特定はできない。
2015年09月08日2013年に『『統計学が最強の学問である』がベストセラーになって以来、統計学ブームが続いています。たしかに社会が複雑になればなるほど、感覚だけで判断できることは少なくなるもの。だからこそ、統計学に基づいた判断が必要とされるのかもしれません。とはいえ難しそうな印象もあるだけに、多くの人にとっては手を出しにくい領域でもあります。そこでおすすめしたいのが、『統計力クイズ: そのデータから何が読みとれるのか?』(涌井良幸著、実務教育出版)。身の回りのさまざまな統計現象に焦点を当て、経験や直感だけでなく、統計的なセンスによってどれだけ正しい判断ができるのかをクイズ形式でチェックしようというもの。統計学とはどんなものかを、無理なく理解できるというわけです。きょうはそのなかから、宝くじに関するクイズをご紹介しましょう。■宝くじは、買えば買うほど損をする?儲かる?(1)「買えば買うほど損をする」のが統計的事実だ(2)少ない枚数では当たりハズレもあるが、たくさん買えば高額当選金が当たる確率は高くなり、結果的に儲かる確率も高くなるさて、統計学的には上記のどちらが正解なのでしょうか?■宝くじの「戻ってくる金額」は統計学で算出可能宝くじを買ったとき、大儲けをするかハズレるかは個別にはわからないこと。しかし統計学的に見ると、たくさん買った際に「どのくらい戻ってくるか」を考えることは可能だそうです。そして当たる確率と賞金額から戻ってくる平均額を算出したものを、「期待値」と呼ぶのだとか。もし期待値が元でよりも大きくなるなら、買えば買うほど儲かるということ。■宝くじを1枚引く場合の期待値はたった30円!賞金1,000円が当たるくじが2本、100円が当たるくじが10本、ハズレくじが88本の合計100本のくじがあったとします。このくじを1枚引く場合の期待値は、賞金総額3,000円をくじの総本数100で割ったもの。(1,000 × 2 + 100 × 10 + 0 × 88)÷100 = 30円30円の期待値は、くじを1本引くごとに期待される賞金額(戻ってくる期待額)。もちろん、1本のくじを引けば必ず30円もらえるという意味ではなく、あくまでも理論的に期待される平均金額。つまり期待値が30円、1本引くのに50円なら、たくさん買えば買うほど損をするということになります。そして1枚300円の宝くじで計算した場合、期待値は143円。つまり、半額以下しか戻ってこないのです。宝くじはたくさん買えば買うほど「損をする」ようにできているわけで、冒頭のクイズの正解は(1)となります。*このように、身近な話題を通じて統計学を理解することが可能。論理的な思考を育てるためにも、読んでみてはいかがでしょうか。(文/印南敦史)【参考】※涌井良幸(2015)『統計力クイズ: そのデータから何が読みとれるのか?』実務教育出版
2015年08月25日統計数理研究所とSAS Institute Japan(SAS)は8月6日、企業や公共団体がビッグデータを活用するための実践的研究の場として「ビッグデータイノベーションラボ(BIL)」を共同で設立すると発表した。ビッグデータ活用の重要性が叫ばれて久しい昨今、多くの企業や公共団体などの組織がビッグデータの活用による価値の創出について模索・検討しているが、データの蓄積や計算資源などの準備に多大なコストがかかること、人的資源の不足などの理由から、実際に活用し成果を出している組織は限定的だ。統計数理研究所 教授の中野純司氏は記者会見で、「データ量が多いとこれまでの統計手法が利用できないことがあり、新しい統計理論、手法の開発が必要となってくる。また、新しい計算機技術の開発も求められる」とビッグデータ解析・活用の難しさを指摘した。このような状況を踏まえ、統計数理研究所とSASは、従来から統計数理研究所に設置されている人材育成・統計思考力育成事業を行う「統計思考院」のビッグデータ解析の研究基盤を拡張し、BILを設立させることで合意した。統計思考院ではこれまでにも、共同研究に繋げることを目的とし、産業界・学術界を問わずデータ分析に関する相談を受け付けていた。悩みごとレベルのものから高度なものまでさまざまな相談が寄せられていたというが、BILは、ビッグデータに特化した研究の場という位置づけだ。BILにおいて統計数理研究所は、データ解析のためのインフラストラクチャとして大規模で複雑なデータから有益な情報を抽出するためのスーパーコンピューター、クラウドシステムなどの計算資源、および統計を専門とする研究者を提供。またSAS側は、最新の分析アルゴリズム、機械学習処理を高速で実行するためのビッグデータ分析に特化したビジュアライゼーションおよびインメモリ・アナリティクス技術、Hadoopクラスター上での分散並行処理を基盤とするソフトウェアを提供する。これにより企業や公共団体は、BILでビッグデータ分析の有効性を検証することができる。「ユーザー、統計数理研究所、SASが一体となり、ビッグデータ分析の“はじめの一歩”の壁を打破していくことを目指している」(中野氏)BILは9月に設立・稼働開始する予定。
2015年08月07日NTTナレッジ・スクウェアとNTTドコモは12月19日、大規模公開オンライン講座(MOOC)提供サイト「gacco(ガッコ)」で2015年3月から総務省統計局による「社会人のためのデータサイエンス入門」の開講を決定したと発表した。「gacco」における統計学関連講座としては、2014年11月開講の日本統計学会による「統計学Iデータ分析の基礎」に続き、2講座目。「統計学Iデータ分析の基礎」は、学問的なアプローチの講義内容だったが、「社会人のためのデータサイエンス入門」は、ビジネスを意識した講義内容となる。統計局では、統計リテラシーの普及・啓発を先導してきた経験を生かし、日本統計学会などと協力。経済成長を担う「データサイエンス(統計学等)」力の高い人材育成のための取り組んでいる。同講座により、主にビジネスパーソンを対象に、統計データを正しく把握し、活用するための能力向上を図る。コースは4週で構成され、第1週では、「統計学が最強の学問である」の著者、西内啓をはじめとする講師陣が、社会でデータがどのように活用されているかについて、実際のデータを用いた分析事例を紹介。第2週では、統計数理研究所の土屋隆裕准教授が、データを理解し、分析する際に必要な統計学の基礎について講義する。第3週では、東京大学の佐藤整尚准教授が、日ごろ目にすることの多いデータの見方について講義。第4週では、総務省統計研修所の須江雅彦所長をはじめとする講師陣が、誰もが入手可能な公的統計データをインターネットを用いて簡単に取得する方法について説明する。
2014年12月22日総務省は10月31日、統計データの高度利用環境を充実させるため、API機能で利用できる統計データを拡充したと発表した。同機能で利用可能な統計データについて、国勢調査などの23統計約3万4千表から学校基本調査、農林業センサスなど34統計約4万表を加えた、合計57統計約7万4千表へ大幅に拡大する。また、API機能を利用したスマートフォンアプリ「アプリDe統計」についても、利用可能な統計データを2倍以上に拡大するなどした更新版の提供も開始する。これらにより、政府統計全体がこれまで以上に高度な活用が可能となることで、地域振興やビジネスの活性化、新規事業の開発促進など様々な分野に貢献可能だという。総務省は、今後も、API機能の内容充実や利用者支援、統計GISの強化など、政府統計の高度利用を促進し、オープンデータ推進のトップランナーとして、政府の取組を先導し、地域振興やビジネスの活性化など様々な分野に貢献していく。
2014年11月06日「国勢調査」や「人口推計」など、さまざまなアンケート調査を行っている総務省の統計局。その調査の中には、なかなか面白い調査や興味深い統計結果があります。今回は、そんな面白いアンケート調査や統計をご紹介します。●海辺ニーズに関する調査平成12年8月に行われた世論調査。「海辺」と聞くとどんなイメージがわくのか、また海に行く手段や頻度や、10年前の海と比較してどんなところが変わったのかなどが調査されました。●従業地・通学地による人口・産業等集計国勢調査を基に、従業地や通学地において昼間の人口、また夜間の人口、その比率などが集計されています。従業地だと、昼間は数万人なのに、夜はほとんど人がいないなんてこともありそうですね。●従業上の地位別にみる我が国の従業者の状況非農林漁業の民営事業所のうち、事業主と雇用者の割合や正社員以外の割合などの統計を取ったもの。企業の経済活動の状態を把握するための「経済センサス」という調査を基に集計されています。●企業等の研究費の支出状況文字通り、企業や大学、または公的機関がどれくらい研究費の支出を行っているか調査するものです。この「科学技術研究調査」は研究費だけでなく、研究者の数などの集計も行っているそうです。●3大都市圏の人口移動数「住民基本台帳人口移動報告」という調査結果から、東京圏、名古屋圏、大阪圏の転入・転出の統計を調べたものです。過去から現在に至るまでの推移の状況も確認することができます。●人口統計結果からの人口重心日本の全人口が同じ体重だと仮定し、日本全体、または各地域ごとに平衡が保てる地点はどこか調べるものです。バランスタワーのように考えるとなんだかおもしろいですね。●その年の干支の人口数統計局では毎年その年の干支の人の数を集計しています。自分と同じ干支の人がどれくらいいるのか分かるのはなかなか興味深いですね。当然干支ごとに数が違うので、多い干支生まれだと妙な優越感を覚えるかもしれません(笑)。●電子マネーの保有率の調査「家計消費状況調査」という調査の結果を基にして集計されたデータです。ここ数年、電子マネーを利用する人が多くなってきていますから、時代を反映した調査ですね。●一年のうち「うなぎ」にかける費用土用の丑(うし)の日にちなんで、平成15年に行われた家計調査の結果からこのデータが集められました。今年はうなぎの価格が高騰しましたし、もし調査が行われるなら、興味深い結果になりそうですね。まじめな調査がほとんどの国のアンケートですが、中にはこうした面白いアンケート調査や統計を行っていたりします。中でも「人口の重心」や「うなぎにかける費用」なんてのが個人的に面白いと感じました。つい「めんどうくさいな……」と思ってしまう国勢調査など国のアンケートですが、こんな興味深いデータになるのなら、積極的に回答していきたいと思いませんか?(貫井康徳@dcp)
2012年11月25日金融市場において最も注目を集める経済統計の一つに、米国の雇用統計があります。米国の雇用統計は、労働省が発表する経済統計であり、非農業部門雇用者数と失業率を中心として、製造業就業者数や週内労働時間、平均時給などが発表されます。原則として第1金曜日に、前月末時点の状況が発表される速報性や、情報の網羅性などが注目される背景となっています。米国では、GDPの約70%を民間部門(個人消費)が占めており、当部門の経済活動の原動力と言える雇用者数は、経済状況を考える上で重要な指標と言えます。一例として米国の経済成長率(2.0%:IMF(国際通貨基金)2012年予想)を達成する上で、民間部門が担う成長率を1.4%(2%の70%相当分)とした場合、前年末の米国の労働人口(約1億3,200万人:非農業部門雇用者数ベース)から、2012年に必要な雇用者数の増加は月間で15万人程度(下図折れ線グラフ参照)と試算され、これが雇用統計の目安のひとつとなると言えます。加えて、雇用統計は、最大雇用の達成を政策運営の目的のひとつに掲げるFRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断の一要素となっており、米国の金融政策の先行きを予想する上でも注目されています。実際に雇用統計が振るわなかったことから、FRBは雇用促進をめざし、裾野の広い住宅産業へのテコ入れを図ることなどを目標に、9月12日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)においてQE3(量的金融緩和第3弾)の実施を決定したものと見られます。金融市場は経済状況を表す雇用統計の数値を受けて、大きく左右される傾向があります。雇用統計に限らず、経済統計を見る際には、数値そのものだけではなく、数値が意味している経済状況にも注目することが重要であると言えそうです。(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)(2012年9月20日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月21日ソニー銀行は、特別企画「雇用統計はソニー銀行の日」にあわせ、「雇用統計をライブ解説」と題したオンラインセミナーを5月2日に開催する。自宅のパソコンで受講できる同セミナーは、「マーケットエディターズ」日本代表の吉田恒氏を講師に迎え、米国雇用統計発表の事前予測をライブで伝えるほか、今後の米ドルやユーロ、ブラジルレアル予測など、外貨預金や外国為替証拠金取引(FX)に興味のある顧客を対象とした内容になっている(セミナーの内容は予告なく変更される場合がある)。日時は5月2日20:30~21:40(予定)まで。料金は無料。事前申し込みは不要で、先着500名まで受講可能(セミナー開始15分前よりログインできる)。ただし、定員を上回った場合は受講できない。利用するパソコンの推奨環境は、Windows Vista、Windows 7、Windows XP、Windows 2000、Mac OS X(10.4以上)で、ブラウザーがInternet Explorer 6以上、Firefox 3以上、Safari 2以上、ソフトウェアがFlashPlayer8以上となっている。詳細は同行Webサイトまで。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月26日全国で3.2%増損害保険料率算出機構が、平成22年10月分の地震保険契約件数を発表した。地震保険契約の全国合計は1,244万5,762件で、前年同月と比べて3.2%の増加となった。各都道府県別で見ると、契約件数が1番多かったのは東京都で、189万9,209件。前年同月比で1.6%増、平成22年9月からは約2,000件の増加となった。2位が神奈川県で、112万563件。前年同月比で2.0%増、9月からも約800件増加した。3位は愛知県で100万2,106件。前年同月比で2.9%の増加であった。大阪府は4位で97万1,290件、3.5%増という結果だった。目立つ沖縄県今回増加率が最も目立ったのは沖縄県で、前年同月比13.3%の増加。2桁の伸びは同県だけであった。件数は5万7,147件。2009年の10月は5万434件であった。この他、8%台の伸びを示したのが京都府(8.4%)、滋賀県(8.2%)、富山県(8.0%)、長崎県(8.0%)などとなった。もしもの地震が起こる前に、官民一体となって一層加入を推進していきたい。
2011年01月21日6月度は約30億円の支払い超過損害保険料率算出機構は、2010年6月分の「自賠責保険・共済月次統計」を発表した。同機構によれば、6月の契約台数は約369万台で契約保険料は約767億円。対して支払いは約11万3,000件で、およそ801億円の支出となっている。※画像はイメージ契約数の上位は?詳しい内訳を見ると、契約台数が1番多かったのは東京海上日動で82万7,270台。保険料収入は176億6,065万3,000円となった。前年同月比で2.7%増加。支払いは2万6,547件で、保険金は185億2,726万3,000円。前年同月比で0.3%増。この結果、収入よりも支払いのほうが8億6千万円ほど上回る結果となった。契約台数2位は損保ジャパンで72万8,009台。保険料収入は約153億8千万円となった。対して支払いは2万2,184件の約155億円。支払いは前年比で2.2%減少したものの、やはり収入を上回った。共済では、1位のJA共済が契約台数27万9,793件で、収入が約51億2千万円。支払いは5,752件で約41億8千万円。こちらは契約が前年同月比4.4%減、支払いが10.2%増となったものの、依然収入が支出を10億円近く上回る結果となった。累計では大幅に収入が上回る当年度の累計で見ると、東京海上日動は収入が約642億円で支払いが約492億円。損保ジャパンも約573億円の収入に対し、支出は約433億円となっている。全社・全共済の当年度累計でも、保険料収入が約2,850億円(前年比2.5%増)なのに対し、支出は約2,100億円(0.1%増)という結果となった。
2010年10月18日