俳優の安藤サクラが、『ある男』で第46回日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞。第42回『万引き家族』で最優秀初演女優賞を受賞したことも記憶に新しい安藤さんだが、4年ぶりの本格的な映画出演となった『ある男』での受賞となった。スピーチでは様々な感情が交差したのか、涙を流しスピーチしていた。優秀助演女優賞は、有村架純(『月の満ち欠け』)、尾野真千子(『ハケンアニメ!』)、清野菜名(『ある男』/『キングダム2 遥かなる大地へ』)、永野芽郁(『母性』)、松本穂香(『“それ”がいる森』)と、安藤さんも入れて例年になく6名の選出となった。写真提供: 東京写真記者協会『ある男』では、再婚した夫(窪田正孝)が偽名を使っていたことを彼の死後知り、弁護士に身元調査を依頼する妻・里枝を演じた安藤さん。一度は疑心暗鬼になるも、最終的には自分は感じたことを信じる里枝を凛とした存在感で、温かく包容力のある演技で見せた。撮影前も今も「すごく難しい役だったなと感じていた」と語った安藤さん。およそ4年ぶりの映画出演はすごく緊張していたそうで、「うーん。苦しかったです、ははは。くよくよしていました、ずっと。でも途中から現場が大好きだと改めて思って、変わっていきました。この現場がないと、ずっとくよくよしたままだったかもしれない」と意外な胸の内を明かした。共演の妻夫木聡も「撮影中に、ある日『私やっぱり女優に向いてないと思うの。この作品で引退しようと思う』と言われて“えっ!? 引退作になってしまうのか…”と思っていた」と話し、くよくよエピソードを明かされた安藤さん。受賞後のスピーチで、安藤さんは「ありがとうございます。今ここで話したときにあまりにも自分が…」と一瞬止まり「泣いちゃう…」と涙を浮かべた。「本当にやめようと思っていたことがこんな形でばらされると思っていなくて、情けなくて」と涙を流して話す安藤さんに、会場中が温かく拍手でエールを送った。安藤さんは、「この作品の最中に、やっぱり現場がすごく好きなんだと。それは自分ができる・できないとか関係なく、それをも超えて私は撮影の皆さんの中にいることが何よりも好きなんだとはっきりと思えました。もうくよくよを超えて、そんなものほかに見つけられないなとはっきりと思えたので、また現場に今向かうことができています」とコメント。さらに、最後は「ただやっぱり子育てと撮影は今のところうまくできない。それはたぶん撮影のシステム的なこともあると思う。でもそれは私はどうしたらいいのかわからないけど悩みつつ、家族で会議しながら、みんなで協力し合ってまた頑張れたらいいな、大好きな現場に戻れたらいいなと思ってます。ありがとうございます!」と会場にいた(夫の)柄本佑に向かって微笑みかけ、柄本さんもピースサインを返し、場内も大きな拍手と笑顔を送っていた。(cinamacafe.net)
2023年03月10日イギリスの演劇界で最も権威のあるローレンス・オリヴィエ賞のノミネーションが発表された。スタジオジブリの人気アニメ映画『となりのトトロ』を舞台化した「My Neighbor Totoro(英題)」が演出賞、女優賞(メイ・マック)、作・編曲賞(久石譲&ウィル・スチュアート)などを含む最多の9部門にノミネートされた。「My Neighbor Totoro」はロンドンの名門劇団「ロイヤル・シェークスピア・カンパニー」、日本テレビ、久石氏が製作し、2022年10月、ロンドンのバービカン劇場で上演開始になった。同年5月、バービカン劇場でチケットが発売開始になると、過去最高のチケット販売額を保持していたベネディクト・カンバーバッチ率いる「ハムレット」の記録を、たった1日で更新するほどの人気を集めた。ロイヤル・シェークスピア・カンパニーより公演初日の模様の一部が公開されている。主人公のサツキとメイを演じるアミ・オクムラ・ジョーンズ、メイを演じるメイ・マックや久石氏らの姿が見られる。女優賞にはメイのほか、ジョディ・カマー、ジャネット・マクティア、パッツィ・フェラン、ニコラ・ウォーカーが候補に挙がっている。『aftersun/アフターサン』でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、注目度アップのポール・メスカルは男優賞にノミネート。舞台でも大活躍だ。(賀来比呂美)■関連作品:となりのトトロ 1988年4月16日より公開
2023年03月01日「第30回読売演劇大賞」で最優秀女優賞に選出された女優の上白石萌音が24日、都内ホテルで行われた贈賞式に出席した。『ダディ・ロング・レッグズ』『千と千尋の神隠し』の演技を評価され史上最年少で最優秀女優賞に輝いた上白石。「身に余る賞をいただき大変恐縮です」と述べ、ブロンズ像を手に「めちゃくちゃ重いです」と笑顔を見せた。そして、「私は幼い頃から舞台が大好きでした。小学生のときから将来の夢は舞台俳優になることでした。そんなに甘い世界ではないと一度は夢をあきらめたこともありましたが、数々の尊いご縁と幸運に恵まれて今があります。一つ一つの出会いに心から感謝しております」としみじみ。「憧れ続けていた世界はやはり甘くなくて、今もお稽古の真っ最中ですが毎日悩むことばかりです。ですが、その焦りや悔しささえも私にとっては大きな喜びです。子供の頃から大好きだった演劇に携われているという幸せがどんな困難も私を引っ張り上げてくれます。たくさんの方々が心血を注いで生の時間を紡ぎだしていく、この演劇が私は大好きです」と演劇への愛を語った。さらに、「今はまだカンパニーの皆さんに助けていただいて学ばせていただくことばかりですが、私もいつかは誰かに手を差し伸べられるような、それくらい長くお芝居を続けていられたら幸せだなと思っています。この賞に泥を塗ってしまわないようにますます精進して参ります」と決意を新たにしていた。贈賞式の模様は、読売新聞オンラインの特設ページでライブ中継している。○「第30回読売演劇大賞」受賞一覧最優秀作品賞:『生き残った子孫たちへ戦争六篇』最優秀男優賞:段田安則最優秀女優賞:上白石萌音最優秀演出家賞:五戸真理枝最優秀スタッフ賞:前田文子杉村春子賞:大原櫻子芸術栄誉賞:草笛光子選考委員特別賞:舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
2023年02月24日「第30回読売演劇大賞」で杉村春子賞に選出された女優の大原櫻子が24日、都内ホテルで行われた贈賞式に出席した。『ミネオラ・ツインズ』『ザ・ウェルキン』の演技を評価され杉村春子賞に輝いた大原。昨年同賞を受賞した那須凜がプレゼンターとして登壇し、「あなたにブロンズ像を渡すことができたら、こんなにうれしいことはない」と大原に話していたことを明かし、「大好きな素晴らしい櫻子にこのブロンズ像を贈れることが何よりのご褒美だなと思いました。櫻子、本当におめでとうございます」と祝福すると、大原は涙した。そして、那須からブロンズ像を受け取り、ハグを交わした大原。「那須凜さんのお話を聞いたら涙してしまうかなと不安だったんですが、思った通り(涙が)出てしまいました。この賞の知らせを受けたときは大寒波が到来していましたが、私の心には温かな春風が吹くようでした。このたびは杉村春子賞という栄えある賞をいただき誠にありがとうございます」と感謝し、「今回選考対象となった2作品は私の人生にとても深く刻まれました」と語った。贈賞式の模様は、読売新聞オンラインの特設ページでライブ中継している。○「第30回読売演劇大賞」受賞一覧最優秀作品賞:『生き残った子孫たちへ戦争六篇』最優秀男優賞:段田安則最優秀女優賞:上白石萌音最優秀演出家賞:五戸真理枝最優秀スタッフ賞:前田文子杉村春子賞:大原櫻子芸術栄誉賞:草笛光子選考委員特別賞:舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
2023年02月24日日本公開から半年以上、全国各地の映画館でロングラン上映を続けている『PLAN75』。この度、第65回ブルーリボン賞にて主演女優賞(倍賞千恵子)&監督賞(早川千絵)を受賞したことを記念して、公開時のメイン館である新宿ピカデリーにて3月10日(金)より再々上映が決定した。6月の公開週にはメイン館の新宿ピカデリーの週末動員数で、『トップガン マーヴェリック』の動員を抑え1位を記録。シネスイッチ銀座では、金曜日の初回からチケットを求めて観客が長蛇の列をなし、土日も満席の回が続出。30代以降の映画ファンを中心に女性のグループ、夫婦・カップルなど複数での鑑賞が多く、幅広い客層に支えられてロングラン上映、現在、興行収入は3.4億円に迫っている。SNSを中心に「震えるほど感動」「頭から離れない」「“生きる”という命題を観る者に突きつける大傑作」など絶賛の声が多く寄せられたほか、“75歳以上に生死の選択権を与える<プラン75>の制度”に対して、賛否両論を巻き起こした本作。作品への口コミの高さに加え、キャスト陣の演技も高く評価され、第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、優秀脚本賞や第65回ブルーリボン賞 主演女優賞、監督賞をはじめとした国内の主要映画賞を獲得している。また、第47回トロント国際映画祭のコンテンポラリー・ワールド・シネマ部門や国際映画祭への出品も相次ぎ、フランス、シンガポール、タイ、台湾など30か国以上の国と地域で配給されるなど、世界各国でも評価を受けている。この度、3度目の新宿ピカデリーでの上映決定を受け、倍賞さんは「監督をはじめ、キャスト、スタッフの皆さんと同じ方向を向いて一生懸命に作り上げた作品を多くの方にご覧いただけて嬉しいです」とコメント。なお、早川監督は次回作に向け、脚本を執筆し始めているという。『PLAN 75』は3月10日(金)より新宿ピカデリーにて再々上映、全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:PLAN75 2022年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee
2023年02月24日高橋一生が演劇界の栄誉、第29回読売演劇大賞にて最優秀男優賞に選ばれ大賞・最優秀作品賞も受賞したNODA・MAP「フェイクスピア」(2021)。同作でタッグを組んだ橋爪功と親子役を演じているドラマ「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」は、急逝した花火師の父とその息子、そして2人の前に突然現れた女性(本田翼)が織りなすホームドラマで、花火師という“仕掛け”や地方都市でのロケがありながらも、基本的にはテンポのいい会話劇が繰り広げられている。第5話は、高橋さん演じる望月星太郎だけに姿が見える父・航(橋爪さん)は「本当に“幽霊”なのか?」と、ひかり(本田さん)に問われ、星太郎のみならず視聴者たちも皆ハッとする、というラストで幕を閉じた。そんな不思議な日常が描かれる、ひと筋縄では行かないファンタジーとなる本作。これまで数多くの作品に出演してきた高橋さんだが、「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフから生まれた「岸辺露伴は動かない」は大好評につき、制作陣が再集結して映画化も決定。アニメ「ムーミン谷のなかまたち」ではスナフキンの声優を務め、『シン・ウルトラマン』ではウルトラマンの声を担当するなど、“日常を超越した”世界はお手のもの!?今回はファンタジーな世界観に生きる高橋さんに注目した。互いをリスペクトする橋爪功との共演「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」8歳で児童劇団に入り子役としてデビュー、映像作品とともに演劇作品でも蜷川幸雄演出「から騒ぎ」や藤田俊太郎演出「天保十二年のシェイクスピア」など、多くの代表作を持つ高橋さん。橋爪さんと共演したNODA・MAP「フェイクスピア」はフェイクが飛び交う時代に、真実の言葉を巡る物語。高橋さんは“コトノハ(言の葉)”の詰まった筺を持つ記憶をなくした主人公・monoを演じた。その筺とは、日航機墜落事故で残されたボイスレコーダーがモチーフとなっている。その舞台を機に、橋爪さんは「以前からも『面白い役者だな』と思っていた」という高橋さんと意気投合、世代を超えて互いにリスペクトを送り合う2人が「一緒にドラマをやりたい」と今回、再タッグが実現した。そんな「6秒間の軌跡」は、草彅剛の代表作「僕シリーズ」などで知られ、小芝風花主演「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」で向田邦子賞を受賞した橋部敦子によるオリジナル脚本。高橋さんは橋部さん脚本のドラマ「僕らは奇跡でできている」で主演し、橋爪さんは「モコミ」で主人公の祖父役を演じた縁がある。「『花火師』『父子』『死』というキーワードをいただいたところから脚本づくりが始まりました。レギュラーキャストが3人だけで、できるだけ家の中のシーンという制約の中、会話劇という形でとても自由に書かせていただきました」と橋部さんは公式サイトでコメントしており、「日常のドラマですが、死んだはずなのに現れた航と突然家に住み込むことになったひかりによって、星太郎は大きくゆらぎます」と解説している。「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」5話よりコロナ禍で夏の風物詩ともいえる花火大会が中止となり、大打撃を受けた花火業界。2人暮らしの親子が営む望月煙火店も例にもれず、個人向け花火を始めようかと父・航が提案していた矢先に、航は「すまん…」と言い残して突然他界。遺された星太郎のもとに、“あなたのためだけの花火を打ち上げます”と書かれたチラシを持ったひかりが現れ、その花火を打ち上げた後は煙火店で住み込みで働くことになる。繊細な作業と大胆な発想が求められる花火師。いままであまり知られることのなかったその仕事の一端を覗くことができる一方で、伸びっぱなしの髪とスウェットに半纏、若干世情に疎く、ひかりとの同居にも動揺が隠せない星太郎を演じる高橋さんはやはり職人役がよく似合う。花火作りを実際に体験し「細かい緻密な作業は嫌いではなかった」と自身でもふり返っていた。そして、星太郎が9歳のときから23年間、2人で花火と向き合ってきて「一番の変化が親父が死んだこと」というくらい二人三脚だった父子。それがいまや、橋爪さん演じる航は神出鬼没の幽霊(?)となって時々、星太郎の前に現れる。2人の口ゲンカは絶えることなく、ひかりの同居話に「落ち着いてくださいよ」「お前だよ」という絶妙なツッコミ合いもこの父子ならでは。かと思えば、ひかりのために上げた花火には「いい花火だった」とストレートに褒めてくれる温かさがあり、「(今度は)突然いなくなったりしないでくれ」と星太郎のほうにも、ふと本音がこぼれる瞬間がある。しかも困ったことに、幽霊(?)の航と謎多きひかりは、彼女にその姿は見えずとも何だか気が合うところがある様子。「(航のことが)見えてんの? 聞こえてんの?」「見えてませんし、聞こえてません」というやりとりが、星太郎とひかりの間で繰り返されていく。「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」5話よりそのひかりは、不思議と本質を突いてくる。第4話では本作のタイトルである6秒間とは、4号玉の花火が打ち上がってから開き終えるまでの時間ということが、彼女の問いから判明した。その6秒間の煌めきのために、2か月かける世界が花火師。生前の航を知らなくても、そんな“2人だけがわかり合ってる世界”がひかりには通じているようだ。人もまた何十年生きてきても、一瞬で花が散ることもある儚いもの。長い期間をかけて稽古を重ね、1回1回の本番に臨む“生もの”といわれる演劇にも相通じるものがありそうだ。さらに第5話では、定年退職する小学校の担任のための同窓会に行きたくない、花火も上げたくないと、子どものように駄々をこねる星太郎に、ひかりは「キレるくらいならちゃんと説明して」と至極まっとうに反論する。ひかりの出現とその何気ない問いかけによって、実は癒やしきれない傷でいっぱいの星太郎の胸に何かが確実に刺さっていることは間違いない。「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」5話より“あの人”とずっと呼んできた母・理代子についてもそうだ。航と星太郎はくだらない会話で日常を埋めてきたが、特に9歳という十分に物心がついている星太郎が「“あの人”は母親なんかじゃない」「母親なんていらない」といったプライドで覆い隠してきた喪失感を自覚するきっかけを、ひかりがもたらしている。この2人に翻弄されまくっている“星太郎”高橋さんが堪らない、というファンも多いのではないだろうか。「物語の終盤では更にゆらがす重要な人物も現れます」と脚本の橋部さんは宣言しており、その人物の登場とゆらぎ続ける“星太郎”高橋さんから目が離せない。【第6話あらすじ】望月航の遺品整理をする望月星太郎。中には、ガラクタのようなものまで混じっており、星太郎は「なんでとってあるかな」と嘆くが、航は、そのうちに捨てようと思っていたら死んでしまった、先送りにしていてはだめだと語る。その後、星太郎は幼馴染の田中勇人(小久保寿人)に花火を打ち上げた後、クラス会に顔を出すと告げる。また、ひかりから母親の写真が見たいとお願いされた星太郎は、手元にあった母親の写真をひかりに見せる。するとひかりは「お父さんの秘密を知っちゃったかもしれません」と言い出す。結局、星太郎はクラス会に顔を出さずに帰宅。実は別れた恋人・由紀子(安藤聖)もクラス会に出席してして、顔を合わせるのが気まずかったようで…。ドラマ「僕らは奇跡でできている」(2018)高橋さんの民放ゴールデン・プライム帯の連ドラ初主演作。韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を彷彿とさせるファンタジー要素も交えたハートフルドラマ。座学よりもフィールドワークが大好きな動物行動学の大学講師・相河一輝は、周りの評価は一切気にしない、超マイペースな主人公だが、画一主義を良しとする社会から見れば“変わり者”とされる人物の生きづらさを、どこか愛らしく体現できるのは高橋さんならでは。映画『ロマンスドール』(2019)蒼井優と『リリイ・シュシュのすべて』以来18年ぶりの共演で夫婦を演じたラブストーリーで、原作者でもあるタナダユキ監督は「私の中では、ダーク・ファンタジー」と語る『ロマンスドール』。今作で黙々と作業をこなす職人ぶりは健在で、「演技力と手先の器用さをあわせもつ俳優が演じることが絶対条件」と監督が語ったように、どうせやるなら良いものを作りたい、という気概を持つ美大卒のラブドール造形士・哲雄は高橋さんのハマり役に。造形士の師匠(きたろう)の存在と、彼を亡くしてからの人生の変化に注目。ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」(2021)高橋さんの人気を決定づけたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の小野政次役を生み出し、現在はドラマ10「大奥」も話題の森下佳子が脚本を手がけ、綾瀬はるか演じる警視庁捜査一課の女性刑事・望月彩子との“入れ替わり”演技が大きな注目を集めたサスペンスドラマ。『転校生』のように「階段から転げ落ちたら魂が入れ替わっていた」という設定を納得させる両者の演技に脱帽。高橋さんはサイコパスな殺人鬼・日高陽斗と、“中身”が彩子になった日高のいわば二役を見事に演じ分けた。原作ファンも異論なし!「岸辺露伴」がスクリーンへ演劇的といえば、今作もそうかもしれない。人の記憶を本にして読むことができる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気マンガ家・岸辺露伴。その人物デザイン監修・衣装デザインを柘植伊佐夫、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズも手がけている脚本・小林靖子や、川端康成原作の高橋さん主演ドラマ「雪国-SNOW COUNTRY-」演出も手がけた渡辺一貴監督らが創りあげた世界は、高橋さんと編集者・泉京香役の飯豊まりえや、濃厚なキャラクターを演じるキャスト陣との会話劇の妙を楽しむ側面もある。2020年から3期にわたり話題を呼んだドラマシリーズの“猛者”たちが続投し、2009年にフランス・ルーヴル美術館のバンド・デシネプロジェクトのために描き下ろされた読切作品を映画化する『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、露伴のルーツを描くため、原作ファンも、ドラマからのファンも、そのどちらも知らない方も楽しむことができそうだ。「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」は毎週土曜23時30分~テレビ朝日系で放送中。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は5月26日(金)より全国にて公開。(上原礼子)■関連作品:岸辺露伴 ルーヴルへ行く 2023年5月26日より公開© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
2023年02月18日第35回(2011年)より開催し、今年で11年目を迎える日本アカデミー賞新人俳優賞受賞者の撮りおろし企画「NEW CINEMA FACE」。今回も同賞に選ばれた小野花梨、菊池日菜子、生見愛瑠、福本莉子、有岡大貴、番家一路、松村北斗、目黒蓮の新たな装いと表情によるビジュアルがRAYARD MIYASHITA PARKに登場する。日本アカデミー賞の歴史の中で、第5回から設けられた新人俳優賞。受賞者はその後も「主演」「助演」で 再び日本アカデミー賞を受賞するなど各方面で活躍を続けている。日本アカデミー賞協会会員約4,000人の投票により決定し、原則として映画初出演でなくとも、主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象とされる。そんな次世代の映画界を担う新人俳優賞受賞者たちが一堂に会する「NEW CINEMA FACE」は毎年、期間限定で掲出されると多くの人々が現地を訪れ、映画ファンのフォトスポットとして話題に。日本アカデミー賞授賞式の前のもう1つの企画として盛り上がりを見せている。なお、受賞者からは、自分にとって「映画」とは?10年後20年後の自分像は?という問いについてのコメントも到着している(五十音順)。小野花梨『ハケンアニメ!』私にとって映画は敵であり味方ですね。自分を生かしているという意味では大きな味方だけど、その中で私は戦っていかなければならないですし、長くこのお仕事をしたいのなら評価され続けなければいけないというシビアさもある。どこかで誰かに求められていなくては出来ないお仕事ですから。10年後20年後も誰かに求めていただけるような存在でいられたらなと思います。菊池日菜子『月の満ち欠け』知らない世界を教えてくれるのが映画だと思います。自分のコミュニティの中だけで得られる知識や考えは、どうしても偏ってしまう部分があって、そういった部分を壊してくれるのが映画だと思っています。今後は感情を放出すること、演じること、表現することを楽しみながら俳優として生きていけたらいいなと。それを叶えるためにも今、もっともっと頑張ろうと思います。生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』どれだけ眠くても夜更かししてしまうほど映画を見る時間は贅沢だなって思っています。普段生きていたら感じない感情に引きずられたり、自分にない価値観を知ることが出来て、すごく勉強になるし面白いです。10年後20年後、その時やりたいことが何かはわからないですけど、物を作ることがすごく好きなので、たくさん経験を積んで何かを作っていたらいいなって思っています。福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』日常では体験できないことをスクリーンを通して体験できるところが映画の魅力だと思っています。行き詰まっている時に背中を押してもらったり、生きる上でのヒントが凄く詰まっている。将来的にもこのお仕事は続けられたらいいですね。この賞をきっかけに、いろんな作品、役、自分に出会って、お仕事じゃないところでもいろんなものを学んで、発見して、人として成長していけたらなと思います。有岡大貴『シン・ウルトラマン』いろんなことの源みたいな感じです。普段はグループで活動させてもらっていて、ライブもそうですが、日々インプットが必要だと感じていて。そんなときに劇場で映画を観ることでインスピレーションや刺激を受けて、本当に助けられています。この先も変わらず映画に触れていたいですし、もし俳優として呼んでいただけることがあるのならば、この賞に恥じないお芝居ができたらと思います。番家一路『サバカンSABAKAN』映画に出ている人はすごいなと思っていたので『サバカンSABAKAN』に出て、自分が映画の中にいるんだって考えたら不思議な気持ちになりました。また是非やりたいです。10年後20年後も俳優業を続けているか他の道に進むかはわからないけど、楽しんでいてほしいと思います。ほかの道は...お金持ちになりたいというか、楽しく生きていきたいので社長とか!? になりたいです。松村北斗『ホリックxxxHOLiC』映画は見に行こうと思わないと見られないけど、そういう意味で価値のある物を作って、受け取ってもらおうとする熱量みたいなものを感じます。僕を選んでくれた方に「やっぱりあの時、俺、私、間違ってなかったな。先見の明があったな」と思ってもらえるような10年後20年後でありたいし、映画に憧れみたいなものがあるのでお芝居は「頼むからやめてくれ」って言われるまで挑戦したいですね。目黒 蓮『月の満ち欠け』映画は、明日も頑張ろうと思えるような、その先の人生になにか影響するような、不思議なパワーのあるエンターテインメントだと思っています。自分が出た作品も誰かを励ますことが出来たら嬉しいです。一回きりの人生なので、10年先も、20年先も悔いのない、少しでも楽しい時間が増えるような生き方ができていたらいいなと思います。「NEW CINEMA FACE 2023」は2月23日(木・祝)~3月16日(木)までRAYARD MIYASHITA PARK【South】2F入口横、渋谷駅方面エレベーター・2F歩道橋付近・3Fフードホール、【North】2Fエレベーター付近にて掲出。第46回 日本アカデミー賞授賞式は3月10日(金)にグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて開催。(text:cinemacafe.net)
2023年02月15日英国の権威ある演劇賞「第23回WhatsOnStage Awards」の授賞式がロンドンで行われ、スタジオジブリのアニメーション映画『となりのトトロ』を舞台化した「My Neighbour Totoro」が、最優秀演出賞など最多の5冠を受賞した。映画で音楽を手掛けた作曲家の久石譲が舞台化を提案し、宮崎駿監督がこれを快諾したことで始まったプロジェクト。久石氏がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、イギリスの名門演劇カンパニー「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)」と日本テレビが共同製作し、舞台化した。昨年10月8日~今年1月21日までロンドンのバービカン劇場で上演した舞台は、久石氏の音楽、原作を尊重した世界観、そしてRSCならではの作劇力で観客の心をつかみ、13万3,000枚のチケットは完売。連日万雷の拍手とスタンディングオベーションが続き、ガーディアン紙をはじめ多くの劇評で五つ星を獲得するなど、高評価を得ていた。最優秀演出賞を受賞したフェリム・マクダーモットは授賞式で「原作の精神に導かれるように、皆で一丸となって作り上げたショーです。パンデミックで街に人がいない中、バービカン劇場で様々なトライを続けました。キャストは卓越したアンサンブルでこのショーを育み、お客様の気持ちが加わって完成しました。私はこの賞を、個人としてではなく、チームとして受け取りたいと思います」と喜びをコメントした。最多の9部門でノミネートされていた本作は、演出賞ほか舞台美術、照明デザイン、音楽監督、音響デザインを受賞。4月には英国演劇界で最も注目されるローレンス・オリヴィエ賞も控えており、さらなる受賞も注目されている。「My Neighbour Totoro」(となりのトトロ)第23回WhatsOnStage Awards受賞一覧◆Best Direction(最優秀演出賞)- Phelim McDermott(フェリム・マクダーモット)◆Best Musical Direction/Supervision(最優秀音楽監督賞)- Bruce O‘Neil(ブルース・オーネリ) and Matt Smith(マット・スミス)◆Best Set Design(最優秀舞台美術賞)- Tom Pye (トム・パイ)and Basil Twist(バジル・ツイスト)◆Best Lighting Design(最優秀照明デザイン賞)- Jessica Hung Han Yun(ジェシカ・ハン・ハンユン)◆Best Sound Design(最優秀音響デザイン賞)- Tony Gayle(トニー・ゲイル)(text:cinemacafe.net)■関連作品:となりのトトロ 1988年4月16日より公開
2023年02月14日毎年、映画の祭典『アカデミー賞』の時期を迎えると話題になる、『ゴールデンラズベリー賞(通称:ラジー賞)』が、2023年、物議をかもしています。ラジー賞とは、アカデミー賞授賞式の前夜に、最低な映画を表彰するという、ノミネートされることそのものが不名誉な賞。その内容から、問題視されるのは今回が初めてのことではありませんが、2023年は、ラジー賞の最低女優賞に、12歳の俳優がノミネートされたことで、世間から批判の声が相次ぐ事態となりました。ラジー賞、12歳の俳優をノミネートし炎上今回、ノミネートされたのは、映画『炎の少女チャーリー』で主演を務めた、ライアン・キーラ・アームストロング。過去には、人気俳優のサンドラ・ブロックが最低女優賞にノミネートされたものの、表彰式の場を逆に作品の宣伝に変える対応が話題になったこともありました。しかし、それができたのは、ブロックが地位を確立した俳優であり、ラジー賞に対して皮肉で返すだけの経験もキャリアもあったからでしょう。12歳という若さの俳優に『最低女優賞』というレッテルを貼ることで、「彼女の将来をつぶしかねないのではないか」「いじめを助長する」と危惧する声も多く、後にラジー賞共同創設者のジョン・ウィルソンはアームストロングへの謝罪の声明とともに、候補から外したことも発表しました。また、18歳以上を対象にノミネートするガイドラインを設けたことも明かしたものの、その決定にもまた、多くのコメントが寄せられています。・もはやラジー賞を構成するすべての要素が時代遅れ。・そろそろラジー賞の開催そのものを止める時が来たのでは。・遅すぎるレベル。ガイドラインを設けたところで、不名誉な賞をもらうのは、年齢に関係なく嫌だろう。ラジー賞をエンタメととらえ、ユーモアに変える風潮を評価する声があるのも事実。しかし、時代が変われば社会の風潮も変わります。ラジー賞側が今回の騒動を受け、さらなる変革を加えるのかにも注目したいところ。なお、アームストロングが主演を務めた『炎の少女チャーリー』は、スティーヴン・キングの小説『ファイアスターター』を原作にしたホラー映画で、日本では2022年6月17日に公開されています。[文・構成/grape編集部]
2023年01月26日明治大学商学部菊池一夫ゼミナール(研究テーマ:マーケティング)は、NEXCO中日本グループ(NEXCO中日本・中日本エクシス株式会社)と連携し、NEXCO中日本において最大の売り上げを誇る海老名サービスエリア(下り)「EXPASA海老名」を対象にした集客策、特に一般道からの集客策を提案しました。菊池ゼミは、マーケティング、特に小売業のマーケティングを研究テーマとしており、多分野の企業との共同研究を行うことで、大学の外に出た現場でマーケティング理論の理解を深め、調査手法を学ぶ機会を設けています。プロジェクト概要・期間 : 2022年10月~2023年1月・目的 : 一般道から海老名SA(下り)への集客強化を通じた周辺地域の活性化・菊池ゼミ活動内容10月16日に海老名SA(下り)にて一般道からの顧客をイメージした実地調査と、周辺地域の商業施設の見学を実施。また、海老名市周辺住民へのインタビュー調査を行うことで、地域住民のニーズや消費行動を理解しました。海老名SA(下り)での複数回の実地調査をおこなった後、12月7日には、明治大学和泉キャンパスで中間報告会として3チームに分かれて発表とディスカッションをおこないました。NEXCO中日本と研究上のすり合わせを経て、1月18日に最終報告会を行いました。報告会で提案した施策例・周辺地域の高齢者をターゲットに海老名SA(下り)に習慣化して訪問する施策・親子関係に着目して海老名SA(下り)を活用する施策・Z世代の女性に焦点を当てた施策、女子会やチートデイに着目し、イベント消費を図る提案※「チートデイ」とは、ダイエット中に設ける「好きなものを自由に食べる日」報告後には活発な質疑応答が行われ、最後にNEXCO中日本事業開発・推進本部長の片岡慎一取締役常務執行役員から、「実際の消費者の声やデータ分析を反映しており、ユニークな案に関しては今後社内で実行可能性を検討していきたい」とのコメントが寄せられました。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月25日「第46回日本アカデミー賞」の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞が1月23日(月)に発表された。なお、司会は羽鳥慎一と有村架純が務める。優秀作品賞を受賞したのは、『ある男』、『シン・ウルトラマン』、『月の満ち欠け』、『ハケンアニメ!』、『流浪の月』の5本となった。島谷能成会長は、「2022年は観客動員数が(前年と比べて)約30%増、お客さんが映画館に戻ってくれている1年でした。興行収入100億円を超える作品が5本も出て、そんなのは初めて。豊作の1年だった」とふり返った。なお、第46回日本アカデミー賞は、2022年1月1日~12月31日までに東京地区において有料で初公開された、40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品、ならびに劇場公開を目的に製作された新作で、東京地区の同一劇場で1日3回、かつ2週間以上、映画館のみで連続して上映された作品が対象になっている。今回で連続4回目の司会となった羽鳥さんは、「毎年緊張してやっております」と話す。「今回は、(コロナ禍以降)初めてお客さんが100%入るということで、楽しみたいと思いつつまた緊張感が上がるなと。けど、通常に戻ってきたうれしさもあります」と声を弾ませた。同じく司会を行うのは、第45回同賞で『花束みたいな恋をした』にて最優秀主演女優賞を受賞した有村さん。有村さんは、「まさかこのような日がくるとは思っておらず、大きな式典の司会を務めるなんてと感慨深く思います。会場にいらっしゃる登壇者の方々、お客様の皆さんと一緒に、素敵な夜を過ごせるよう自分自身も楽しみながらまっとうできればと思います」と心を込めた。アカデミー賞授賞式の場について、有村さんは「どの作品においても、自分が参加していない作品でも、同じ志を持った方たち、戦友のような・仲間のような方たちが集まって、ひとおもいに心を込めてご自身の言葉でスピーチされる時間を共有できることが、私はとてもこの空間において幸せだなと感じました。当日、皆さんにとっても、そのような思いのあふれる1日になれたらいいなと思います」と語っていた。授賞式は3月10日(金)にグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、各部門の最優秀賞が発表される。(cinamacafe.net)
2023年01月23日“アニメーションのアカデミー賞”とも呼ばれる第50回アニー賞のノミネートが、日本時間1月18日深夜に発表。湯浅政明監督の『犬王』が長編インディペンデント作品賞と脚本賞(野木亜紀子)にノミネートされた。本作は、「平家物語 犬王の巻」(著:古川日出男)を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王と、そのバディである琵琶法師・友魚との強烈な友情と“能楽”の世界を鮮烈な視点で描いた作品。湯浅監督×野木亜紀子(脚本)×松本大洋(キャラクター原案)×大友良英(音楽)らクリエイター陣にくわえ、犬王役には、「女王蜂」として音楽活動をはじめ止まらない躍進を遂げるアヴちゃん。友魚役は、カテゴリーに縛られない表現者として卓越した演技力・歌唱力を持つ森山未來が演じている。2022年5月28日に全国121館で封切られ、観客動員数24万人、興行収入3.5億を突破。公開から7か月を超えるいまもロングラン上映を続けている。また、アニー賞は1972年、国際アニメーションフィルム協会(International Animated Film Association)によって設立。年に一度、世界中の優れたアニメーション作品・スタッフ・キャストに贈られる賞で、“アニメーション界のアカデミー賞”とも呼ばれる。湯浅監督作品が同・長編インディペンデント作品賞にノミネートされるのは『きみと、波にのれたら』(2021)以来2度目。「アドベンチャー・タイム」でのTV部門監督賞へのノミネートも併せると3度目となる。受賞した場合、日本製作の作品としては2018年の『未来のミライ』(細田守監督/スタジオ地図)に次ぐ快挙に。脚本賞は宮崎駿監督/スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』(2002)、『風立ちぬ』(2013)以来のノミネート。長編インディペンデント作品賞には、A24が北米配給したストップモーションアニメ『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)やNetflixアニメ映画『エルマーのぼうけん』などがノミネートされている。受賞作品は日本時間2月26日(日)、現地時間2月25日(土)にロサンゼルスで予定されている授賞式で発表。主なノミネートは以下の通り。『私ときどきレッサーパンダ』第50回アニー賞主要ノミネート作品賞『私ときどきレッサーパンダ』『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『長ぐつをはいたネコと9つの命』『ジェイコブと海の怪物』『ウェンデルとワイルド』長編インディペンデント作品賞『Charlotte』(原題)『犬王』『Little Nicholas, Happy As Can Be』(原題)『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『エルマーのぼうけん』監督賞(長編)ドミー・シー『私ときどきレッサーパンダ』ギレルモ・デル・トロ、マーク・グスタフソン『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』ディーン・フライシャー・キャンプ他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)ノラ・トゥーミー『エルマーのぼうけん』ヘンリー・セリック『ウェンデルとワイルド』脚本賞(長編)ドミー・シー、ジュリア・チョー『私ときどきレッサーパンダ』ジェイソン・ロフタス『ETERNAL SPRING(長春)』野木亜紀子『犬王』ディーン・フライシャー・キャンプ、ジョニー・スレイト他『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partners私ときどきレッサーパンダ 3月11日よりディズニープラスにて見放題で独占配信開始©2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.長ぐつをはいたネコと9つの命 2023年3月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2023年01月18日明治大学商学部菊池一夫ゼミナール(研究テーマ:マーケティング)と同志社大学商学部上田雅弘ゼミナールは、マルトモ株式会社と共同で「マルトモ杯マーケティング施策コンペ」を実施しました。本取り組みは、和食文化の継承を担うマルトモ株式会社の商品に対して、学生の新たな視点で商品開発アイデアや販促施策を提案することを目的に2019年より始動したもので、今回で4回目となります。2022年11月にキックオフした今回の活動では、学生はマルトモ常務取締役マーケティング本部長土居幹治氏の「かつお節とだし」に関する特別講義を受講したほか、「海外にかつお節やだし文化をアピールする施策」「誰もがわくわくするだしの素30周年の仕掛け」など実践的な課題に対し、新施策の提案に挑みました。プロジェクト活動最終日の12月16日には、明治大学駿河台キャンパスにおいて、コンペ形式の共同研究報告会が開催され、明治大学菊池ゼミ・同志社大学上田ゼミの学生が合計8チームに分かれ研究成果を発表しました。コンペでは主に「実現可能なアイデアかどうか」という観点で評価がされ、菊池ゼミは「ライバルを出し抜く恋かつお」というアイデアで、「学食とコラボし、学食からECサイトに送客する際に学生の恋愛や食生活への質問に回答する」という仕組みを提案し、最優秀賞を受賞しました。また、「たしおぶし」というアイデアで、かつお節を活用したダイエット方法の提案で優秀賞を受賞しました。また、本プロジェクトをきっかけとして、菊池ゼミの学生は、明治大学駿河台キャンパス内の学食「スカイラウンジ暁」において実際に明大生がかつおぶしに親しめるような新たな企画を提案しました。今後の実現に向け取り組んでいきます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月16日第47回報知映画賞の表彰式が22日に都内で行われ、各賞の受賞者が登場した。映画『流浪の月』で助演男優賞を受賞した横浜流星。会場には来られなかったもののVTRメッセージを寄せ「悩みもがきながらも監督を信じて必死に生きようとして来ました。監督、広瀬(すず)さん、松坂(桃李)さん、そしてその他のキャストの皆様、スタッフの皆様がいたから、人間らしくもがいている亮が出来上がったと思います。皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と言葉を伝える。さらに「これからも『流浪の月』で得たものを次の作品、次の作品に活かして、ひとつひとつ積み重ねて皆さんに心に響く作品をお届けできるよう精進します」と意気込んだ。李相日監督は「横浜くん、ゆくゆくはトム・クルーズのように……はならないと思いますけれど、ストイックさは引けをとっていない」と表す。「横浜くんは空手をずっとやっておりまして、極めて厳しいストイックな性格。今回演じた亮という男は強くあらねばならないという生き方をしてきたと思うんですけど、女性に暴力をふるってしまうような非常に繊細で心の弱い男の内面なので、自分と違う生き方をしてきた男をどう掴むか、撮影中も撮影以外も常に悩んでストイックに探している姿が印象的でした」と振り返る。さらに李監督は横浜に対し「努力の賜物であると思うんですけど、戦友である広瀬すずとの関わりが非常に大きかったと思いますし、我々スタッフも全員で彼を支えて来た成果として受け止めて、非常に嬉しく思っております」と祝福。「賞をいただくということは、非常にこの先厳しく、なかなか褒めてもらえないゾーンに入ると思うので、より高みに向かってストイックに続けてくれる姿を見守っていきたいと思います」とエールを送った。○第47回報知映画賞 受賞・登壇者一覧作品賞・邦画部門:『ある男』石川慶監督作品賞・海外部門:『トップガンマーヴェリック』東宝東和 代表取締役社長 山崎敏アニメ作品賞:『劇場版四畳半タイムマシンブルース』夏目真悟監督主演男優賞:福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞:有村架純『前科者』助演男優賞:横浜流星 『流浪の月』助演女優賞:尾野真千子 『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカンSABAKAN』監督賞:片山慎三『さがす』新人賞:嵐莉菜 『マイスモールランド』新人賞:白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』
2022年12月22日第80回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが発表され、日本のアニメ『犬王』(湯浅政明監督)がアニメ映画賞にノミネートされた。作品賞(ドラマ部門)に、ジェームズ・キャメロン監督の渾身作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や大ヒット作『トップガン マーヴェリック』といったエンターテイメント超大作がノミネート。キャメロン監督は監督賞にもノミネートされたが、同賞には女性監督のノミネートはなかった。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』最多は『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作『イニシェリン島の精霊』が8部門で、A24作品の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が6部門で続いた。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』非英語映画賞には、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した韓国パク・チャヌク監督の『別れる決心』や、『バーフバリ』S・S・ラージャマウリ監督による『RRR』も選出された。『別れる決心』受賞者・受賞作品は2023年1月10日に開催される授賞式にて発表。昨年は、主催する「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の人種差別や特権体質が問題視され、トム・クルーズら俳優やAmazon、Netflix、ワーナー・メディアがボイコットを表明。授賞式は無観客開催で米NBCがテレビ中継を取りやめたが、今回は同局にて授賞式の放送が決定している。※主なノミネートは以下のとおり【映画部門】作品賞(ドラマ部門)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』『エルヴィス』『フェイブルマンズ』『TÁR』『トップガン マーヴェリック』作品賞(ミュージカル・コメディ部門)『バビロン』『イニシェリン島の精霊』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』『逆転のトライアングル』監督賞ジェームズ・キャメロン『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』バズ・ラーマン『エルヴィス』マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』スティーヴン・スピルバーグ『フェイブルマンズ』脚本賞『TÁR』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『イニシェリン島の精霊』『ウーマン・トーキング 私たちの選択』『フェイブルマンズ』主演男優賞(ドラマ部門)オースティン・バトラー 『エルヴィス』ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』ヒュー・ジャックマン 『The Son/息子』ビル・ナイ 『生きる LIVING』ジェレミー・ポープ『The Inspection』(原題)主演女優賞(ドラマ部門)ケイト・ブランシェット『TÁR』オリヴィア・コールマン 『エンパイア・オブ・ライト』ヴィオラ・デイヴィス『The Woman King』(原題)アナ・デ・アルマス 『ブロンド』ミシェル・ウィリアムズ 『フェイブルマンズ』主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)レスリー・マンヴィル 『ミセス・ハリス、パリへ行く』マーゴット・ロビー 『バビロン』アニャ・テイラー=ジョイ 『ザ・メニュー』エマ・トンプソン『Good Luck to You, Leo Grande』(原題)ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ディエゴ・カルバ『バビロン』ダニエル・クレイグ 『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』アダム・ドライバー『ホワイト・ノイズ』コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』レイフ・ファインズ 『ザ・メニュー』助演男優賞ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』バリー・コーガン『イニシェリン島の精霊』ブラッド・ピット『バビロン』キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』エディ・レッドメイン『グッド・ナース』助演女優賞アンジェラ・バセット『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』ジェイミー・リー・カーティス 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ドリー・デ・レオン『逆転のトライアングル』キャリー・マリガン『SHE SAID/シー・セッドその名を暴け』アニメ映画賞『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『犬王』『Marcel the Shell with Shoes On』(原題)『長ぐつをはいたネコと9つの命』『私ときどきレッサーパンダ』非英語映画賞『西部戦線異状なし』(ドイツ)『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)『CLOSE/クロース』(ベルギー・フランス・オランダ)『別れる決心』(韓国)『RRR』(インド)主題歌賞「Carolina」『ザリガニの鳴くところ』「Ciao Papa」『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』「Hold My Hand」『トップガン マーヴェリック』「Lift Me Up」『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』「Naatu Naatu」『RRR』【テレビ部門】作品賞(ミュージカル・コメディ部門)「アボット エレメンタリー」「一流シェフのファミリーレストラン」「Hacks」(原題)「マーダーズ・イン・ビルディング」「ウェンズデー」作品賞(ドラマ部門)「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」「オザークヘようこそ」「セヴェランス」主演男優賞(ドラマ部門)ジェフ・ブリッジス「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ケヴィン・コスナー「イエローストーン」ディエゴ・ルナ「キャシアン・アンドー」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」アダム・スコット「セヴェランス」主演女優賞(ドラマ部門)エマ・ダーシー「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」ローラ・リニー「オザークヘようこそ」イメルダ・スタウントン「ザ・クラウン」ヒラリー・スワンク「アラスカ・デイリー」ゼンデイヤ「EUPHORIA/ユーフォリア」主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」スティーヴ・マーティン「マーダーズ・イン・ビルディング」マーティン・ショート「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェレミー・アレン・ホワイト「一流シェフのファミリーレストラン」主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)キンタ・ブランソン「アボット エレメンタリー」ケイリー・クオコ「フライト・アテンダント」セレーナ・ゴメス「マーダーズ・イン・ビルディング」ジェナ・オルテガ「ウェンズデー」ジーン・スマート「Hacks」(原題)助演男優賞ジョン・リスゴー「ザ・オールド・マン~元CIAの葛藤」ジョナサン・プライス「ザ・クラウン」ジョン・タトゥーロ「セヴェランス」テイラー・ジェームズ・ウィリアムズ「アボット エレメンタリー」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」助演女優賞エリザベス・デビッキ「ザ・クラウン」ハンナ・アインビンデル「Hacks」(原題)ジュリア・ガーナー「オザークヘようこそ」ジャネール・ジェームズ「アボット エレメンタリー」シェリル・リー・ラルフ「アボット エレメンタリー」作品賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)「ブラック・バード」「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」「パム&トミー」「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)タロン・エジャトン「ブラック・バード」コリン・ファース「ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-」アンドリュー・ガーフィールド「アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実」エヴァン・ピータース「ダーマーモンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」セバスチャン・スタン「パム&トミー」主演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)ジェシカ・チャステイン「George & Tammy」(原題)ジュリア・ガーナー「令嬢アンナの真実」リリー・ジェームズ「パム&トミー」ジュリア・ロバーツ「ガスリッド 陰謀と真実」アマンダ・セイフライド「ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女」(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.犬王 2022年5月28日より全国にて公開©“INU-OH” Film Partnersエルヴィス 2022年7月1日より全国にて公開© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedアバター:ウェイ・オブ・ウォーター 2022年12月16日より全国にて公開© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.RRR 2022年10月21日より全国にて公開警官の血 2022年10月28日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & LEEYANG FILM. All Rights Reserved.イニシェリン島の精霊 2023年1月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.バビロン(2022) 2023年、全国にて公開© 2022 Paramount Pictures. All Rights Reserved.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.フェイブルマンズ 2023年3月3日より全国にて公開© 2022 Universal Pictures. ALL RIGHTS RESERVED.別れる決心 2023年2月17日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED
2022年12月13日映画賞レースのトップを飾る第47回報知映画賞の各賞が発表され、『沈黙のパレード』で難解な事件を解決する天才的物理学者を演じた福山雅治が主演男優賞を初受賞、主演女優賞は『前科者』の演技が評価された有村架純が初受賞。作品賞・邦画部門は石川慶監督、妻夫木聡主演の『ある男』が受賞した。主演女優賞:『前科者』有村架純報知映画賞はスポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生。読者参加型の映画賞が大きな特色であり、各映画賞や映画祭の先陣を切って発表されるため、その年の受賞者・受賞作品を占う意味でも大きな注目を集めている。助演男優賞:横浜流星「流浪の月」なお、作品賞(海外)は130億円超えのメガヒットとなった『トップガン マーヴェリック』が受賞した。第47回報知映画賞各賞作品賞・邦画『ある男』監督賞片山慎三『さがす』主演男優賞福山雅治『沈黙のパレード』主演女優賞有村架純『前科者』助演男優賞横浜流星『流浪の月』助演女優賞尾野真千子『20歳のソウル』『千夜、一夜』『サバカン SABAKAN』新人賞嵐莉菜『マイスモールランド』/白鳥晴都『ぜんぶ、ボクのせい』作品賞・海外『トップガン マーヴェリック』アニメ作品賞『劇場版 四畳半タイムマシンブルース』(text:cinemacafe.net)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2022年5月27日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.20歳のソウル 2022年5月27日より全国にて公開©2022「20歳のソウル」製作委員会前科者 2022年1月28日公開© 2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会流浪の月 2022年5月13日より全国にて公開(c)2022「流浪の月」製作委員会沈黙のパレード 2022年9月16日より全国にて公開©2022「沈黙のパレード」製作委員会ある男 2022年11月18日より全国にて公開©2022「ある男」製作委員会さがす 2022年1月21日よりテアトル新宿ほか全国にて公開©2022『さがす』製作委員会マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会サバカン SABAKAN 2022年8月19日より全国にて公開©2022「SABAKAN」Film Partners四畳半タイムマシンブルース 2022年9月30日より全国にて3週間限定公開©2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会ぜんぶ、ボクのせい 2022年8月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開© 2022『ぜんぶ、ボクのせい』製作委員会千夜、一夜 2022年10月7日よりテアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開(C)2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
2022年11月30日演劇カンパニー・リハーサルシアター(代表:島 崇)は、12月15日(木)にリハーサルシアター演劇公演「演奏と演劇で奏でるシューマン クララへの手紙」をサントリーホール(ブルーローズ)で上演します。■開催概要ロベルト・シューマンの妻クララは幼い頃から父親にピアノの技術を叩き込まれ、天才少女としてプロデビュー。当時では珍しかった女流ピアニストの地位を確立したことでも知られています。結婚後は家計を担い、さらには育児、家事、そして精神面でもロベルトを支えたクララ。ロベルトの死後も彼の音楽を携えて演奏旅行に出かけ、子供たちを育て上げました。今作ではそんなクララにスポットを当て、シューマンの音楽の生演奏と役者による語りを織り交ぜたコラボレーション公演として上演します。出演者の大谷 ひかる氏は劇団三条会に所属し、三島由紀夫やギリシア悲劇など近現代や古典作品に幅広く出演。フリーでも活躍する若手の実力派俳優です。演奏者もピアノの桑原 康輔氏と弦楽四重奏のYukina“Q”Stringsと若手の実力派揃い。演奏と演劇が織りなすこの新しい上演形式は必見です。今作のメインビジュアルはテキストレーターのはらだ有彩氏。著書『日本のヤバい女の子』シリーズにて、昔話に登場する女性たちを「私たちと変わらない一人の女の子」として読み解いていくことで、現代の「当たり前」を捉え直しています。19世紀を生きたロベルトとクララですが、時代は違えど、今を生きる私たちと同様に悩み、奮闘しました。今作ではそんなクララの思いやロベルトの音楽を通じて、現代社会を生きる私たちを見つめ直すきっかけにしたいと思います。■リハーサルシアター演劇公演演奏と演劇で奏でるシューマン クララへの手紙日時 |2022年12月15日(木)18:30開場 19:00開演会場 |サントリーホール ブルーローズ演出 |児玉 絵梨奈台本 |島 崇出演 |大谷 ひかる(三条会)編曲 |桑原 康輔演奏 |桑原 康輔 Yukina“Q”Stringsイラスト |はらだ 有彩デザイン |高(※)井 愛記録写真 |トナカイ(松本 慎一)サイトデザイン|牧野 心士制作 |萩谷 早枝子、飯塚 なな子※ はしごだかの表記が正式です。特設サイト 特設サイトクララへの手紙フライヤー表■演奏曲ロベルト・シューマン『子供の情景』より「トロイメライ」ほか『クララ・ヴィークの主題による10の即興曲』より一曲『幻想小曲集』より「飛翔」『ミルテの花』より「献呈」『詩人の恋』より「美しい5月に」『弦楽四重奏曲第3番イ長調』より「第一楽章」「第四楽章」※プログラムは予告なく変更となる場合がございます■チケット<料金(全席自由席・来場順入場)>一般:4,000円(前売・当日共) U30(30歳以下):2,000円(前売・当日共)※30歳以下券をお求めの方は当日受付時に年齢を確認できる証明書をご提示ください。※未就学児の入場はご遠慮ください。<お申し込み>・チケットぴあ Pコード:515-775 チケットぴあ・サントリーホールチケットセンターTEL:0570-55-0017 (10:00~18:00 年末年始・休館日を除く)※サントリーホール ホームページからもお求めいただけます。 サントリーホール■出演者プロフィール出演:大谷 ひかる(三条会)出演:大谷 ひかる(三条会)1991年、東京生まれ。洗足学園音楽大学ミュージカルコースを卒業後、演劇活動を始める。2015年に三条会に入団、以降すべての作品に出演。他には、悪魔のしるし、ダダルズなどの作品にも出演。個人の作品としては、一人芝居『大谷ひかるのシンデレラ』がある。■演奏者プロフィールpiano 桑原 康輔piano 桑原 康輔1988年6月3日生まれ。北海道函館市出身。4歳からピアノを始める。高校卒業後、ヤマハ音楽院ニューピアノ科に入学。20歳からピアニストとして活動開始。アーティストのサポートでツアーやフェス、武道館など様々なステージを経験。その他作曲、編曲等多方面で活動中。≪Yukina“Q”Strings≫1st violin ユキナ1st violin ユキナ東京音楽大学卒業後アーティスト活動を開始。Yukina“Q”Strings代表。音楽番組出演や、ライブサポート、作曲、ストリングスアレンジを手がけ、幅広く演奏活動を行う。2015年から自身のソロCDをリリースしており、『歌いたくなるヴァイオリニスト』としてパワフルに活動中。2nd violin 竹重 夏野2nd violin 竹重 夏野東京音楽大学を経て同大学大学院修士課程修了。在学中、奨学金給付生としてモーツァルテウム夏季国際音楽アカデミーにてディプロマを取得。これまでに鷲見四郎、大谷康子、海野義雄の各氏に師事。現在オーケストラや室内楽奏者として活動中。クロサワ音楽教室ヴァイオリン講師。viola 堀 那苗viola 堀 那苗東京音楽大学卒業後、同大学大学院修士課程(ソルフェージュ研究領域)修了。これまでにヴィオラを百武由紀、河野理恵子、ソルフェージュを岡島礼、各氏に師事。現在、東京音楽大学附属高等学校非常勤講師、サクライ楽器Y.A.アカデミー講師、足利カンマーオーケスター団員。cello 安喰 千尋cello 安喰 千尋東京音楽大学を経て同大学院音楽研究科修了。Phoenix OSAQA、プロジェクトQ等に参加。2016-2018年度テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ団員。現在オーケストラや室内楽を中心に活動中。また定期的に渡仏し、エリック・ピカール氏(パリ管弦楽団第1ソロ首席)に師事。■リハーサルシアターとは島崇が脚本、児玉絵梨奈が演出を務める演劇カンパニーとして2021年に始動。稽古や練習を表す“リハーサル”の語源は耕すこと。現代社会を生きるための練習としての舞台作品を上演する。島 崇(劇作家。リハーサルシアター代表)2009年よりシアター・カンパニー「マレビトの会」に役者/劇作家として参加。主な参加作品にマレビトの会「福島を上演する」(F/T16-18、2016-18年)、「シアターコモンズ’19リーディング・パフォーマンス」(2019年)、「オルガンと朗読で聴く『幻想交響曲』」(ミューザ川崎シンフォニーホール、2021年)「演奏と演劇で奏でるくるみ割り人形」(聖セシリア教会、2022年)。児玉 絵梨奈(演出家)2010年よりシアター・カンパニー「マレビトの会」に役者として参加。主な参加作品に「HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会」(F/T10他、2010年)など。近年の演出作品に「オルガンと朗読で聴く『幻想交響曲』」(ミューザ川崎シンフォニーホール、2021年)。展覧会「200年をたがやす」舞台分野 演劇公演「soda city funk」(秋田市文化創造館、2021年)。「演奏と演劇で奏でるくるみ割り人形」(聖セシリア教会、2022年)。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月22日京都を起点にし、総合芸術としての演劇活動を国内外に発信している劇団「地点」(運営会社:合同会社地点)は、2022年11月16日(水)、他に類をみない新たな演劇のスタイル<マルチリンガル公演>についての情報サイトを開設いたしました。マルチリンガル<マルチリンガル公演>とは、劇団「地点」が12月に控えるKAAT神奈川芸術劇場での公演『ノー・ライト』でチャレンジする、全く新しい演劇のスタイル。俳優が、それぞれ母国語でない言語(ドイツ語・英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・韓国語・日本語の7ヶ国語)でそれぞれの台詞を語る<マルチリンガル公演>は、おそらく日本では初めての試みだと思われます。出演者がそれぞれ異なる言語で語り、観客は台詞を聴きながら日本語字幕を読みます。地点の俳優・安部聡子も出演している濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』でも、さまざまなバックグラウンドを持つ俳優たちが異なる言語で演じる舞台作品の上演がひとつのクライマックスとなりましたが、今回の<マルチリンガル公演>は、まさに映画で上映されたような、言葉を意味と感情に因数分解することで、イメージの増幅、音そのもの、めまぐるしい時間感覚を楽しむ新しい演劇のかたちです。今回リリースした新たなサイトは、地点の情報発信プラットフォーム≪ビヨンドチテン≫にて、新たなマガジンとして開設。その創作の過程や台詞へのアプローチなど、<マルチリンガル公演>の魅力について、テキスト・動画・音声であますことなくお伝えしてまいります。また、この公演に至った経緯について、地点の演出家・三浦基からのメッセージとしてまとめております。【地点「マルチリンガル 特設サイト」】 【地点の演出家・三浦基の今の思いを綴ったエッセイ】私の身のまわり ~マルチリンガル公演によせて 三浦基 【動画配信】■マルチリンガル公演について語る 安部聡子×ドイツ語篇 1/4 だれのことも理解できないっていう関係性 ■マルチリンガル公演について語る 小林洋平×韓国語篇 1/4 どうやって台詞を覚えるのか 【音声配信】■マルチリンガル公演について語る(1)~『ノー・ライト』にむけて|安部聡子×三浦基 【地点『ノー・ライト』公演情報】日程: 2022年12月16日(金)19:00-/17日(土)18:00-/18日(日)14:00会場: KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉詳細: <≪ビヨンドチテン≫について> 空間造形、衣裳、グラフィック、照明、音楽、言葉、演技、演出、劇場、世界演劇史など、一つの舞台作品の創作と発表の過程で私たちが手にし、目にする技術や知識は膨大なものです。さまざまなクリエイターが関わり、それぞれの専門性を発揮してつくられる舞台作品を<演劇果実>と命名。その皮をむき、総合芸術としての演劇を深く味わっていただくための情報発信プラットフォームです。<劇団「地点」について> 京都を拠点とし、総合芸術としての演劇活動を国内外で広く展開する劇団。多様なテキストを独自の手法で再構成・コラージュして上演する。言葉の抑揚やリズムをずらす独特の発語は「地点語」とも言われ、意味から自由になることでかえって言葉そのものを剥き出しにするその手法はしばしば音楽的とも評される。代表は演出家・三浦基(みうらもとい)。2013年、本拠地京都にアトリエ「アンダースロー」をオープン。2006年に『るつぼ』でカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞を受賞。チェーホフ2本立て作品をモスクワ・メイエルホリドセンターで上演、また、2012年にはロンドン・グローブ座からの招聘で初のシェイクスピア作品『コリオレイナス』を上演するなど、海外公演も行う。2017年、イプセン作『ヘッダ・ガブラー』で読売演劇大賞作品賞受賞。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月21日新宿の新たなランドマークビルとなる「ハナミチ東京 歌舞伎町」が2023年8月末に竣工予定で、その地下1階に新世代大衆演劇場として「歌舞伎町劇場」が2023年10月にオープンすることが発表された。「ハナミチ東京 歌舞伎町」は、日本文化を歌舞伎町から発信することを目的とした商業施設。ビル全体が和をテーマにしており、江戸の衣・食・劇を1カ所で楽しむことができる。テナントには「歌舞伎町劇場」のほか、2Fに日本の伝統工芸でもある着物と和装のレンタルショップと、昭和39年創業のレトロ喫茶「珈琲西武 本店」が移転オープンする。3Fには「江戸時代にフードコートがあったなら」をテーマに、江戸の雰囲気を楽しみながら食事ができる江戸風フードコート、4Fにはバーベキューテラスと個室&パーティースペースができる予定となっている。「歌舞伎町劇場」内観「歌舞伎町劇場」は、和の総合エンターテインメントである「大衆演劇」を発信する山手線内唯一の大衆劇場。花道やセリなど本格的な舞台設備に加え、7m×3mの大型LEDビジョンを常設し、最新技術でショーアップした次世代型大衆演劇を毎日日替わりで上演する。また、「気軽に楽しむ伝統芸能」テーマに、大衆演劇以外のイベントも開催予定だ。<施設情報>「ハナミチ東京 歌舞伎町」【テナント】(予定)B1F:歌舞伎町劇場(固定椅子153席)1F:ロビー、楽屋、カフェ2F:珈琲西武本店(約100席)/ 着物と和装のレンタルショップ3F:江戸の町並みを再現したフードコート(約110席)4F:バーベキューテラスと個室&パーティースペース(約120席)【開業日】(予定)2023年10月1日:歌舞伎町劇場、着物と和装のレンタルショップ2023年10月1日:珈琲西武 本店2023年11月1日:フードコート、バーベキューテラス歌舞伎町劇場HP:
2022年10月08日豪華な講師陣を招き、今までの演劇やこれからの演劇を語るトークイベント「ぴあ演劇学校」が2022年10月1日(土)、2日(日) に開催される。ぴあ演劇学校は、ぴあ関西10周年を記念し、1996年2月に大阪・扇町ミュージアムスクエアフォーラムにて実際に行われたイベント。当時の講座を紐解くと、野田秀樹(NODA・MAP)、山西惇(劇団そとばこまち)、高田聖子(劇団☆新感線)が「バトルオブ想像力」と称した“解剖学”の授業を展開したり、真矢みき(宝塚歌劇団花組)、加納幸和(花組芝居)が「男の美学・女の美学」という“美学”の授業を受け持ったり。ちょっと硬派なものから、楽しく笑えるものまで全6科目が行われていた。今回、ぴあ創業50周年を記念して、その伝説的な「ぴあ演劇学校」が復活する。10月1日(土) 21時〜には、「劇団☆新感線42年の激闘とこれから」と題した“歴史学”の授業がPIA LIVE STREAMにて配信される。講師は、劇団☆新感線主宰のいのうえひでのり、同劇団看板俳優の古田新太。聞き手は、大の演劇好きで知られる、フリーアナウンサーの笠井信輔。編集部は、収録現場に潜入。“学校”らしくチャイムの音が鳴り、「起立・礼・着席」の号令でスタートした。スタジオには、劇団☆新感線の全興行年表が掲げられており(その数なんと124興行!)、その年表をもとに、時代を区切りながら、劇団の歴史を振り返っていく。劇団☆新感線は1980年、大阪芸術大学舞台芸術学科の4回生を中心に旗揚げ。つかこうへいの『熱海殺人事件』を卒業記念公演として上演するためだけに旗揚げされたそうだが、「1回で終わらせるのはもったいない」という声に押され、劇団は解散せずに公演を続けたという。その後、古田新太が劇団☆新感線に入った理由や、劇団がつかこうへいのコピー劇団からハードロック・ヘヴィメタルにのせたオリジナル作品を中心とする体制に移行した経緯、「人さらい劇団」と揶揄された“やばい話”などが懐かしい写真とともに語られていく。そして東京の劇場に進出し、熱狂的なファンを獲得しながらスケールの大きい舞台を制作する超人気劇団へと成長していくわけだが、いのうえや古田は当時何を思っていたのか。さらに、2017年に客席が360度回転するIHIステージアラウンド東京のこけら落とし公演として、『髑髏城の七人』をロングラン上演した苦労や、現在上演中の『薔薇とサムライ2 ―海賊女王の帰還―』のエピソードに至るまで、ノンストップで語られていく濃密な授業となった。なお、10月2日(日) はTOKYO FMホールにおけるリアルの授業と、PIA LIVE STREAMにおける配信授業が行われる。内容は、13時30分〜講師:末満健一、聞き手:鞘師里保による「共同幻想の物語と、共同幻想としての演劇」、16時〜講師:野上祥子(ネルケプランニング代表取締役社長)、中野博之(集英社「週刊少年ジャンプ」編集長)、聞き手:阿久津仁愛による「マンガと舞台のステキな関係」、18時30分〜講師:松尾スズキ(大人計画主宰、シアターコクーン芸術監督)、聞き手:安藤善隆(京都芸術大学教授)による「松尾スズキ、その原点と創作の秘密」。チケット発売中。取材・文:五月女菜穂撮影:源賀津己<イベント情報>ぴあ 50th Anniversary 「ぴあ演劇学校」2022年秋期特別講座『ぴあ 50th Anniversary「ぴあ演劇学校」2022秋期特別講座』ロゴ■10月1日(土) 21:00劇団☆新感線42年の激闘とこれから講師:いのうえひでのり(劇団☆新感線主宰)、古田新太(劇団☆新感線)聞き手:笠井信輔(フリーアナウンサー)※この回のみ配信限定復活した「ぴあ演劇学校」のトップを飾るのは、劇団☆新感線主宰である、いのうえひでのりと看板役者の古田新太。劇団の大阪時代から新作『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』までの42年に亘る歴史を語って頂く。この二人だからこそ語れる劇団の真実は、ファンならば絶対に聞き逃せない。また、聞き手のフリーアナウンサー笠井信輔は15年以上にわたって劇団を観劇しているツワモノ。笠井がいのうえ、古田にどう切り込んでいくかも、この授業の注目のひとつだ。公式サイト:公式Twitter:チケット情報はこちら:
2022年09月30日積水ハウス株式会社は、本日発表の「第16回キッズデザイン賞」においてキッズデザイン協議会会長賞を受賞しました。キッズデザイン賞は、キッズデザイン協議会(本部:東京都港区虎ノ門)主催の子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度です。キッズデザイン賞受賞作品214点の中から、優秀作品へノミネートされた36作品が最優秀賞、優秀賞、奨励賞(キッズデザイン協議会会長賞)、特別賞として選出されます。キッズ・ファースト企業である積水ハウスは、第1回キッズデザイン賞から16年連続、累計107作品を受賞しています。キッズデザインマーク▼奨励賞 キッズデザイン協議会会長賞「エルミタージュクール」受賞部門:子どもたちを産み育てやすいデザイン部門 個人・家庭部門エルミタージュクール説明:子育て世代の「もしこんな住まいがあったら・・・」を叶える賃貸住宅です。乳児期~児童期の子を持つ世帯に特化した間取りのほか、安心して子どもを遊ばせることができる中庭、親同士で子どもの預かり合い等を想定したキッズラウンジ、子どもの学びを手助けするterakoya(寺子屋)など、子育てを支援する要素を多数備えています。(受賞理由)「子育て世帯ならではのニーズ、例えば見守りをしながら家事のしやすい動線、外遊びを自由にさせられるような中庭、一時預かりに使えるような空間や遊び場などを備えた賃貸住宅であり、子育てに特化した思い切った空間提案として高く評価した。賃貸住宅の共用部でここまでの設備と取組は貴重であり、ニーズも高いだろう。」エルミタージュクール 外観エルミタージュクール 中庭積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、今後も人生100年時代における「幸せ住まい」を追求し続けてまいります。エルミタージュクール 公式サイト: キッズデザイン賞 公式サイト : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月22日近年、映画賞の演技部門において、「男優賞」「女優賞」と性別で分けることをやめ、「ジェンダー・ニュートラル」(性的に中立)な形を取る動きが加速している。すでにジェンダー・ニュートラル化を行ったベルリン国際映画祭、今年開催の授賞式から実施するゴッサム賞などに続き、インディペンデント・スピリット賞も演技部門の性別区分けの廃止を表明。主催者のフィルム・インディペンデントが公式ホームページにて発表した。同団体のトップのジョシュ・ウェルシュは、「私たちは、性別に関わらず素晴らしい演技を称えるため、すでに動き出している映画祭や映画賞に加わることに喜びを感じています。また、男性か女性かの選択を強制することなく、ノンバイナリーの俳優たちをスピリット賞に迎えられることもうれしく思います」とコメント。また、インディペンデント・スピリット賞はこれまで製作費が2250万ドルまでの作品を対象としていたが、昨今の物価・製作費高騰により、製作費3000万ドルまでに引き上げられた。「新しい上限を設けたことで、これまでと同じように幅広い作品を称えることができます」としている。インディペンデント・スピリット賞授賞式は2023年3月4日に開催される。(賀来比呂美)
2022年08月24日第24回日本劇作家協会新人戯曲賞一次通過の加藤真史演劇復帰作病院を舞台に生と死について問う演劇/微熱少年vol.3「小医癒病」中医癒人大医癒世 が2022年10月22日 (土) ~2022年10月23日 (日)に太田市学習文化センター視聴覚ホール(群馬県太田市飯塚町1549-2 太田市学習文化センター)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて8月26日(金)10:00より発売開始予定です。カンフェティにて8月26日(金)10:00よりチケット発売開始予定 公式ホームページ 第24回日本劇作家協会新人戯曲賞一次通過の加藤真史演劇復帰作ついに上演!群馬県北部の臨床研修病院、そこに集う研修医や医学生、そして病院スタッフたちの一日の出来事を丹念にスケッチした現代口語演劇の秀作。――この物語の主役は舞台に登場しない。群馬県発の高水準な演劇制作。群馬県の演劇は地理的に東京に近く、また演劇専門の公共劇場がないことなどもあり、ここ20年程の演劇界の変化に対応できず、近年は低調でした。そんな状況に危機感を持つ群馬のオールスターキャストともいえるメンバー有志が集い、高水準なオリジナル作品の制作に挑みます。公演についてコロナ禍において医療人の努力は自身のあらゆる生活を制約下に置きながら未だ先の見えない日々を過ごしています。その根本原理は何なのかを問う3部作の第1作が本作です。「生きるとは何なのか」「死ぬとは何なのか」悩みながら答えの出ないといに挑む研修医たちの一日にフォーカスします。本作は1990年代に東京の小劇場シーンで活動していた加藤真史が、2016年に群馬県邑楽町に来訪した平田オリザ氏と「再会」したことが契機で演劇活動を再開し、邑楽町民劇団立ち上げに携わる中で、新たな挑戦として取り組んだ初の長編現代口語戯曲でした。「ちゃんと書けたのか確かめたい」という想いで第24回日本劇作家協会新人戯曲賞に応募し、一次通過しました。しかし、登場人物が幅広い年齢層で20名と多いなどの理由で上演せずにいたところ、加藤が平田オリザ氏の私塾である無隣館の4期演出部として学ばせていただいた折、氏から「戯曲は書き始めたら最後まで書け、書き上げたら上演しろ」とアドバイスを受けた事に背中を押され、自身のソロユニットとして立ち上げた演劇/微熱少年での上演をリライトの上、決めたものです。出演者は、邑楽町民劇団からの加藤作常連である栗原一美をはじめ、お笑いコンビ「山マウンテン」(浅井企画所属)として活躍した元お笑い芸人の新井聖二、平成期の群馬の演劇界をリードしてきた中村ひろみ、高校演劇部顧問として幾多の賞に輝いた経歴を持つ荒井正人、元ふるさときゃらばん下座バンドの滝川いくた、ニナガワスタジオ出身で舞台のみならず映像作品でも活躍する加藤亮佑らのベテランが、松竹エンターテインメント所属で「相棒」にも出演した若手期待のホープ村山朋果らの群馬を拠点に演劇活動をしていこうと志す若手出演者と化学反応を起こそうとしています。栗原一美、新井聖二、中村ひろみ、荒井正人、滝川いくた、加藤亮佑村山朋果、入内島優奈、山﨑香、久保田雅彦演劇/微熱少年とは劇作家:加藤真史のソロユニットとして2019年に始動。群馬県南東部を拠点に加藤真史による作・演出作品の上演および演劇ワークショップの活動を展開。日常のスケッチから世界を透かし見る作品世界を精緻に構築する試みを続ける。立川談四楼、大竹直(青年団)ら出演の『縁側アロハ』(2021年)、群馬県立館林美術館初の演劇公演となった『料理昇降機/the dumb waiter』(2022年)など。Twitter(@engekibinetsu) YouTube 加藤真史公演概要演劇/微熱少年vol.3「小医癒病」中医癒人大医癒世公演期間:2022年10月22日 (土) ~2022年10月23日 (日)会場:太田市学習文化センター視聴覚ホール(群馬県太田市飯塚町1549-2太田市学習文化センター)■出演者新井聖二 / 成澤陽子 / 入内島優奈 / 村山朋果 / 赤井那帆 / 武藤真大 / 木田恭平 / 佐藤壮成 / 山崎香 / みずだけ豆太 / 川原崎晴紀 / 東雲楽 / 栗原一美 / 加藤亮佑 / 久保田雅彦 / 滝川いくた / 根岸佐千子 / 荒井正人 / 中村ひろみ■スタッフ作・演出・音楽音響:加藤真史舞台美術:濱崎賢二(六尺堂・青年団)テーマソング:入内島詩織医事監修:鈴木諭(利根中央病院総合診療科科長)制作:演劇/微熱少年微熱少年、加藤総合研究所制作補:新井由美、武井道子、嶋村友希後援:群馬県、群馬県教育委員会、群馬県教育文化事業団、太田市、太田市教育委員会、エフエム太郎主催:演劇/微熱少年■公演スケジュール10月22日(土) 14:00/18:0010月23日(日) 13:00/17:00※開場は、開演の30分前■チケット料金一般:3,000円U-22・学生:1,000円(全席自由・税込)※その他、身体の不自由な方・経済的に困難な状況にある方は無料【主催者にお問い合わせください】 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月17日株式会社ネルケプランニングによる関西発の演劇プロジェクト「ネルケWESTプロジェクト」が始動することが発表された。「ネルケWESTプロジェクト」は、新神戸駅直結『AiiA 2.5 Theater Kobe』を中心とし、2.5次元ミュージカル・演劇・劇場をベースとした、関西発・関西ならではの新しいエンターテインメントを発信していく。その発足を記念して、これまでネルケプランニングが手がけてきた数々の2.5次元ミュージカル・舞台映像を上映する「2.5次元大上映祭 2022」が8月にAiiA 2.5 Theater Kobeで開催される。第1弾は『RICE on STAGE「ラブ米」』シリーズ4作品、第2弾は『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」』シリーズ12作品で、併せて第1弾ではトークショー、第2弾では衣裳などの展示が実施される。また地元ショップとコラボして、さまざまな「推し活」を応援する企画や、ネルケプランニングの舞台作品と地元・近隣ブランドとのコラボ企画も進行中。さらに公式ツイッターではプロジェクトリリースを記念したプレゼントキャンペーンや、マスコットキャラクターとなる子ネコの名前の募集が、7月31日まで行われている。■「ネルケWESTプロジェクト」公式Twitter:■子ネコの名前 応募フォーム:<イベント情報>「2.5次元大上映祭 2022」~RICE on STAGE「ラブ米」~8月6日(土)~14日(日) AiiA 2.5 Theater KobeRICE on STAGE「ラブ米」シリーズ一覧 (C)RICE on STAGE「ラブ米」 (C)腹8分目製作委員会【チケット料金】・1日鑑賞券(3作品鑑賞可能)1,800円(全席自由 / 税込)※日にち指定※ご購入頂いた日にちに上映される作品は全て鑑賞可能です。・トークショー付き1作品鑑賞券:4,000円(全席指定 / 税込)※日時指定※ご購入頂いた日時に上映される作品のみ鑑賞可能です。■最速先行発売:7月21日(木) 18:00~7月24日(日) 23:59※1日鑑賞券は先着販売、トークショー付き1作品鑑賞券は抽選販売となります。■一般販売:7月30日(土) 10:00〜「2.5次元大上映祭 2022」~ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」~8月18日(木)~AiiA 2.5 Theater Kobe(予定)ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズ一覧 (C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会※衣裳など展示も実施予定。スケジュール・チケット情報など詳細は追って発表。「ネルケWESTプロジェクト」公式サイト:
2022年07月21日ドラマや映画で大活躍、言わずと知れた実力派俳優。近年は菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞最優秀男優賞と、名だたる演劇賞を続けて受賞。高橋一生さんの演劇人としての矜持とは?「行き止まりの人類」のような今、何を表現するべきか問うています。フィリップ・リドリーや野田秀樹作品など、高橋一生さんが出演する舞台に触れると、のほほんと安全な場所にはいられなくなる。心は揺さぶられ、物語と地続きにある、現実社会に無自覚ではいられなくなるからだ。新作舞台『2020(ニーゼロニーゼロ)』もそんな危険な薫りが。親交の深い芥川賞作家の上田岳弘さん、演出家の白井晃さんと長年温めてきた企画で、高橋さんは一人舞台に初挑戦する。「一人舞台を前からやりたかったというわけではないのですが、打ち合わせを重ねるなかで『一人でいいんじゃないですか?』と言ってしまったんです。昔から僕のことを客観的に見てくださる白井さんが、『一生がいったん一人芝居に向かうのは必然かもしれないね』とおっしゃったことにも背中を押されました」時空を超え重層的な物語を紡ぐ上田さん。『2020』はこれまでの小説に出てきたモチーフを多く盛り込む予定だが、なかでも小説『キュー』に出てくる、700年間の冷凍睡眠から目覚めた“人類最後の人間”「Genius lul‐lul(以下、GL)」が軸になりそう。そもそもこのキャラクターは、高橋さんをイメージして書かれたのだそうだ。「『キュー』を発表する前に、上田さんが書かれた戯曲のようなものを見せていただいたことがあります。そこにはすでにGLが登場していました。聞けば、僕が出演した白井さん演出の舞台『マーキュリー・ファー』を観て思いついたそうです。上田さんは僕をこんなふうに見てくださっていたのかというのがわかり、光栄でした。『マーキュリー~』からこれまで、このキャラクターが長い旅をしてきたようで、その感覚は舞台上でも持っておきたいです」今回、上田さんの戯曲をもとに白井さんが上演台本を書き、戻しという推敲作業は10回以上に及んだ。また、連日ディスカッションを繰り返しているらしい。「セリフ云々ではなく、そもそもこの舞台のテーマは何なのか、何を表現するべきかということを話していました。普段の舞台作りとは違う脳の使い方をしています」本作にはダンサーの橋本ロマンスさんも出演。高橋さんは、セリフ以外の表現にもこだわりたいと考えている。「舞台は小説と違い、肉体を通すことで言葉がいらなくなる瞬間もあります。簡単に言ってしまうと、『バカやろう!』というセリフを言ったあとに笑うか笑わないかで、伝わるものは変わってくると思うんです。歌舞伎の拍子木が、音と音との間の無音の存在を示すための役割にもなるように、言葉を使えたらと思っています」演出の白井さんとは、6年ぶり、4回目のタッグになる。「『マーキュリー~』でも『レディエント・バーミン』でも、白井さんとご一緒する作品は、まるで予言のように、舞台から想起させられる事件や情勢が上演時に現実で起きていました。2020年は過ぎていますが、上田さんが小説に書いておられる“行き止まりの人類”という感覚はリアルにあります。行き止まりの曲がり角にある今、この作品を上演するのも意味深い気がします」万人受けしなくても、誰か一人にでも響いたらという思いでいつも芝居をしていると語る高橋さん。「自分はマスの側ではなく、少数派であることはずっと意識してきました。この作品も、一人一人全く違う反応になっていいと思います。胸が熱くなるお客さんの隣で、頭に疑問符が浮かぶ人がいてもいい。僕は舞台から客席の様子をしっかり見ておくつもりでいます」パルコ・プロデュース2022『2020(ニーゼロニーゼロ)』2020年、世界で疫病が流行し、東京五輪がなくなった。この年を起点に、人類誕生から世界の終わりまでを高橋一生の体を通して表現。批評眼に満ちた、上田岳弘の壮大な世界観が体感できる舞台。7月7日(木)~31日(日)PARCO劇場作/上田岳弘構成・演出/白井晃出演/高橋一生DANCER/橋本ロマンス全席指定1万1000円ほかパルコステージ TEL:03・3477・5858福岡、京都、大阪公演あり。たかはし・いっせい1980年生まれ、東京都出身。俳優。ドラマ、映画、舞台などで幅広く活躍。『天保十二年のシェイクスピア』’20)で第45回菊田一夫演劇賞、NODA・MAP『フェイクスピア』(’21)で第29回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。Tシャツ¥11,000(タンジェネットmitsuruyoshiya@gmail.com)パンツ¥49,500(ユーゲン/イデアス TEL:03・6869・4279)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年7月13日号より。写真・上澤友香スタイリスト・秋山貴紀ヘア&メイク・田中真維(マービィ)取材、文・黒瀬朋子撮影協力・Compartment.(by anan編集部)
2022年07月12日新国立劇場演劇研修所が、7月から11月までの毎月1回オンラインにてオープンスクールを開催することを発表した。新国立劇場演劇研修所では次代の演劇を担う舞台俳優の育成を目的とした講座を実施。基礎訓練やシーンスタディ、朗読劇、試演会など3年間の実践的なカリキュラムが組まれており、修了生は新国立劇場主催公演をはじめ、他劇場での数多くの作品に出演するなど幅広く活躍している。カリキュラムの様子オープンスクールでは入所を検討している、あるいは演劇を学んでみたいという人のために、本研修所の講師陣を揃えた授業の一部を公開。オンラインで自宅など好きな場所で体験することができ、1日で終了するプログラムとなっている。また、各回最後には現役研修生たちが質問に直接答える座談会も組まれる。新国立劇場演劇研修所のご紹介<オープンスクール情報>【開催日】2022年7月23日(土)、8月27日(土)、9月25日(日)、10月29日(土)、11月26日(土) ※各回13:25~17:20※レッスン内容は各回によって異なります。複数回の受講も可能。※定員20名【参加費】各日1,000円(税込)※銀行振込【スケジュール】13:25~13:30 事前説明13:30~14:20 クラス114:30~15:20 クラス215:30~15:50 宮田慶子演劇研修所長による説明映像15:50~16:10 研修所概要 / 選考試験の説明16:20~17:20 現役研修生との質疑応答【クラス内容&講師】7月23日(土)クラス1:「声とことば」講師 飯原道代クラス2:「マイズナー・テクニック」講師 ボビー中西8月27日(土)クラス1:「戯曲を読んでみる」講師 田中麻衣子クラス2:「トレーニング」 講師 柴田彰彦9月25日(日)クラス1:「声」 講師 竹田まどかクラス2:「特別ワークショップ」 講師 小林七緒10月29日(土)クラス1:「歌唱」 講師 伊藤和美クラス2:「マイズナーテクニック」講師 ボビー中西11月26日(土)クラス1:「声」 講師 窪田壮史クラス2:「トレーニング」 講師 柴田彰彦【参加条件】・演劇研修所への入所をお考えの、17歳以上・30歳以下の方。俳優の経験は問いません。・全時間帯参加できる方・Wi-fi等の回線が整いオンラインでの参加ができる方・声を出したり、軽く動いたりできる環境がある方【受付期間】7月23日(土) の回:7月4日(月) ~13日(水)8月27日(土) の回:8月8日(月) ~17日(水)9月25日(日) の回:9月5日(月) ~14日(水)10月29日(土) の回:10月11日(火) ~19日(水)11月26日(土) の回:11月7日(月) ~16日(水)【注意事項】1日で終了するオープンスクールです。日程によって一部内容が異なりますので、お申し込みの際は十分ご注意ください。応募多数の場合は抽選となります。結果はメールにてお知らせいたします。参加費の支払い方法につきましては、当選後、別途ご連絡いたします。詳細・お申込みはこちら:
2022年07月08日2年ぶりにラジオシティ・ミュージックホールに帰ってきた第75回トニー賞授賞式。現地ニューヨークで、ノミネートされた新作ミュージカル作品を観劇された演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんに、ミュージカル部門を中心に振り返っていただきました。「当シーズンのブロードウェイでは、7人の黒人劇作家の作品が上演され、ジェンダーを反転させた作品や、トニー賞史上初めてトランスジェンダーであることを公表している俳優や、ノンバイナリーのクリエイターらが候補になっています――。」『ウエスト・サイド・ストーリー』のアニータ役でアカデミー助演女優賞を受賞したことも記憶に新しい司会のアリアナ・ディボーズは、ブロードウェイのヒット作メドレーを歌い踊る圧巻のオープニングパフォーマンスで会場を沸かせた直後に、このように語り出した。ブロードウェイは、あらゆる不平等をなくすことを目指して、昨年からE(Equityエクイティ=公平性)D(Diversityダイバーシティ=多様性)I(Inclusionインクルージョン=包括性)対策を、積極的に進めている。トニー賞選出にあたっても、投票者は全員、数時間にわたるEDI講習を受講することが義務付けられたそうだ。今年度の受賞結果がいずれかに偏ることなく、獲るべき人や作品に順当に振り分けられる形になったのは、もしかしたら、その成果の現れかもしれない。先日観劇した新作ミュージカル作品賞候補5作品を紹介しながら、各賞の結果を確認してゆくことにしよう。『ア・ストレンジ・ループ』写真:AP/アフロまず、このEDIのシンボル的存在といえるのが、新作ミュージカル作品賞を受賞した『ア・ストレンジ・ループ』。ブロードウェイの劇場で案内係をしながらミュージカルのソング&ライターを目指す青年アッシャーの葛藤を、彼自身の6人の心の声たちとの対話で綴るコメディだ。黒人で、太っていて、クイア(性的マイノリティ)であることにコンプレックスを抱いている主人公の悩みは、実に赤裸々。この作品でトニー賞ミュージカル脚本賞だけでなくピュリッツァー賞も受賞した作者マイケル・R・ジャクソン自身の切実なストーリーとして受容され、こぢんまりとした作品ながら、多くの人々の共感を呼んでいる。トニー賞授賞式でも、彼とこの作品の受賞時にあがった客席からの歓声は、他と一線を画す、ものすごい熱量だった。『MJ』写真:AP/アフロアッシャー役を演じたジャクウェル・スパイヴィーと、黒人かつ初舞台の若者という点で共通し、ミュージカル主演男優賞を競い合って見事受賞したのが、マイケル・ジャクソンの半生を描く『MJ』のマイルス・フロスト。高校時代にマイケルを真似た時の映像が『MJ』制作陣の目にとまり、ブロードウェイで主役をつとめることとなった22歳の新人で、歌とダンスはもちろん、面差しまで『オフ・ザ・ウォール』の頃までのMJを彷彿させる。しかも、決してただのそっくりさんではなく、圧倒的なスターオーラまでをも放ちながら、自らのMJ像を創り上げている。その舞台姿を観ていると、奇蹟に立ち会っているような気さえしてくる逸材だ。さらに『MJ』は、コンサート会場にいるかのように、脳髄からつま先までを刺激する強力かつ精緻な音づくりでミュージカルの枠を超越しているし(ギャレス・オーウェンが音響デザイン賞。日本のヒロ・イイダもこの音響デザインスタッフのひとり)、バレエとミュージカル双方で注目作を手がけるクリストファー・ウィールドン(振付賞)が、MJのムーブメントを監修指導するタラウエガ兄弟と共働しつつ生み出したオリジナルなダンスシーンも、期待を裏切らない。装置と照明(ナターシャ・カッツが照明デザイン賞)も多彩で、最新鋭のブロードウェイを見せつける、クールでゴージャスな作品となっている。『SIX』写真:AP/アフロ『SIX』も、かなり有力な新作ミュージカル作品賞候補だった。暴君ヘンリー8世の6人の妻たちが、アイドルグループのスタイルでリードヴォーカルを競い合う、という設定のほぼコンサート。英ケンブリッジ大学の学生だったトビー・マーロウとルーシー・モスがエジンバラ・フェスティバルのフリンジで上演したのが評判を呼び、ロンドンのウエストエンドを経て、ブロードウェイへと登り詰めたものだ。肌の色もさまざまな女性たちの個性と、自己主張の強さが気持ちよく、ポップな楽曲の魅力と相俟って、特に若年層の観客の心をしっかりつかんでいる。下馬評の高かった作品賞は逃したが、オリジナル楽曲賞(マーロウ&ロウ)と、セーラームーンのヴァリエーションのようなコスプレ的コスチュームで衣裳デザイン賞(ガブリエラ・スレイド)を獲得した。『パラダイス・スクエア』写真:ロイター/アフロ『パラダイス・スクエア』は、南北戦争時のニューヨークのマンハッタン南部、タップダンス発祥の地でもあるファイブポインツという地区を舞台に、黒人とアイルランド系移民たちとの、共生と破綻を描く。多民族国家アメリカの源流の一端を目の当たりにする時代劇で、タップダンスとアイリッシュダンスの競演に見ごたえがあり、最後に居酒屋「パラダイス・スクエア」の主人ネリー役のジョアキーナ・カラカンゴの熱唱「♪Let It Burnレット・イット・バーン」が、すべてをさらってゆく。トニー賞授賞式のパフォーマンスでも、声の不調を気迫で乗り越えるカラカンゴの姿が強く印象に残った。主演女優賞受賞は、誰もが納得するところ。『ガール・フロム・ザ・ノース・カントリー』写真:ロイター/アフロ『ガール・フロム・ザ・ノース・カントリー』は、『海をゆく者』などで知られるアイルランドの劇作家コナー・マクファーソン(作・演出)が、ボブ・ディランの楽曲からインスパイアされたオリジナル・ストーリーを紡ぎ、随所でそれらの曲を絶妙な距離感で挿入してゆく、ロンドン発のユニークなスタイルの音楽劇。1934年のミネソタ州ダルース(ディランの出生地)でゲストハウスを営む一家とその居住者や来訪者の、停滞や絶望に押し潰されそうな日常を描きながら、彼ら自身が客観的な歌い手となることで、一時的に現実から離れ、歌詞の世界が広がって、癒やしや深淵に近づくひとときが訪れる。ソロ以外のキャストも、ミュージシャンに交じって楽器やコーラスを担い、有機的な美しい風景を形成する、このうえなくスマートな演出だ。ただ、この陰鬱さやイレギュラーなスタイルはブロードウェイでは受け入れられにくいようで、賛否は分かれがち。オーケストラ編曲賞(サイモン・ヘイル)のみの受賞となったのが、少し悔しい。今回観劇したこの5本の新作ミュージカルは、いずれも内容・スタッフ・キャストともに、EDIの条件をクリアした意識の高い作品群といえる。が、他方では観劇しなかった残り1本の候補作『ミスター・サタデー・ナイト』や、リバイバル部門のヒュー・ジャックマン主演『ザ・ミュージックマン』のように、改変を最小限に抑えた、古きよき時代のオーソドックスなブロードウェイ・ミュージカルも、しっかり上演され続けている。観客の中には、人種やジェンダーに関するアップデイトされた考え方に即座にはついてゆけない層も確実に存在するわけで、そうした人々を排除せず大事にするのもまた、EDIのあるべき姿である、ということだろう。新型コロナによる一年半におよぶ活動停止期間中に、抜本的な意識改革に着手し始めたブロードウェイ。冒頭のアリアナ・ディボーズのコメントには、「今年のトニー賞の結果には、早くもその成果が、少しは現れているでしょう?」という、ブロードウェイにかかわる人々の前向きな自負と、ちょっとした承認欲求が込められているのだと思う。もちろんこの姿勢に共鳴し、敬意を表す気持ちでいっぱいだ。取材・文=伊達なつめ【主な部門受賞結果】・演劇作品賞 『リーマン・トリロジー』・ミュージカル作品賞 『ア・ストレンジ・ループ』・演劇リバイバル作品賞 『テイク・ミー・アウト』・ミュージカル・リバイバル作品賞 『カンパニー』・演劇演出賞 サム・メンデス『リーマン・トリロジー』・ミュージカル演出賞 マリアンヌ・エリオット『カンパニー』・演劇主演男優賞 サイモン・ラッセル・ビール 『リーマン・トリロジー』・演劇主演女優賞 ディードル・オコンネル『デイナ・H』・演劇助演男優賞 ジェシー・タイラー・ファーガソン『テイク・ミー・アウト』・演劇助演女優賞 フィリシア・ラシャド 『スケルトン・クルー』・ミュージカル主演男優賞 マイルズ・フロスト『MJ』・ミュージカル主演女優賞 ジョアキーナ・カラカンゴ『パラダイス・スクエア』・ミュージカル助演男優賞 マット・ドイル『カンパニー』・ミュージカル助演女優賞 パティ・ルポーン『カンパニー』・ミュージカル脚本賞 マイケル・R・ジャクソン『ア・ストレンジ・ループ』授賞式での圧巻のパフォーマンスはWOWOWで視聴可能『第75回トニー賞授賞式』[字幕版]6月18日(土) 21:00〜 [WOWOW ライブ] [WOWOW オンデマンド]視聴方法等の詳細は下記番組公式サイトにてご確認下さい。
2022年06月18日第22回AAF戯曲賞の募集が6月1日(水)から開始された。2000年から始まった本戯曲賞は、「上演を前提とした戯曲賞」として、愛知からの文化の発信・演劇界の振興・発展を目的に、新しい価値観と出会いの場の創造を目指す。本戯曲賞のコンセプトは、「戯曲とは何か?」。多様なアート表現が受け入れられる今日、固定観念に捉われない作品が期待される。前回は、115作品の応募が。審査員は全作品に目を通し、3回におよぶ審査の結果、守安久二子の『鮭なら死んでるひよこたち』を大賞に選出。同作品は、2023年度以降に愛知県芸術劇場小ホールで上演される予定となっている。今回の審査員は、岩渕貞太(ダンサー・振付家)、鈴木みのり(作家・ライター)、立山ひろみ(演出家・「ニグリノーダ」主宰・宮崎県立芸術劇場演劇ディレクター)、鳴海康平(演出家・「第七劇場」代表・Théâtre de Belleville芸術監督)、羊屋白玉(演出家・劇作家・俳優・「指輪ホテル」芸術監督・ソーシャルワーカー)のダンス、演劇の創り手をはじめとする5名。多様性を担保しながら幅広い視点で行われる議論を経て、新しい才能の発掘と未来につなぐ戯曲を選出する。募集は7月31日(日)(必着)まで。応募方法等詳細はこちら:
2022年06月02日「第47回菊田一夫演劇賞」授賞式が5月30日に東京會舘で行われ、橋本環奈、上白石萌音、佐藤B作、木下晴香、森新太郎、松本白鸚が出席した。「菊田一夫演劇賞」は一般社団法人映画演劇文化協会が主催し、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフに贈られる賞。今回は舞台『千と千尋の神隠し』の上演関係者が演劇大賞を受賞(代表:橋本、上白石)、また『サンシャイン・ボーイズ』アル・ルイス役の佐藤B作、ミュージカル『リトルプリンス』王子役の土居裕子、ミュージカル『モーツァルト!』のコンスタンツェ役、『王家の紋章』のキャロル役、『彼女を笑う人がいても』岩井梨沙/山中誠子役の木下晴香、そして『ジュリアス・シーザー』、『冬のライオン』の演出について森新太郎が菊田一夫演劇賞を獲得している。また菊田一夫演劇賞特別賞には、ミュージカル『ラ・マンチャの男』の主演を半世紀以上も務めた松本白鸚が選ばれた。式では受賞者に選考委員会より賞状と、正賞の盾と副賞の賞金(大賞:100万円、演劇賞及び特別賞:50万円)が授与。なお、土居は新型コロナウイルス感染症罹患のため、授賞式は欠席となった。受賞者のコメントは以下の通り。<橋本環奈>私たちみんなで作った舞台が菊田一夫演劇賞大賞を受賞することができて大変光栄に、嬉しく思っています。『千と千尋の神隠し』という作品は誰もが知る世界的な不朽の名作で、それを舞台化するということになり、世界初演ということもあって0から1を作る作業がこんなにも大変なんだと日々の稽古で感じていて、幕を開けるために誰一人欠けても上演出来なかったと思うとカンパニー全員でこの賞を受賞できたことが嬉しいです。まだ北海道、愛知と公演が続くのでこの賞を励みにもっと磨きをかけて精進していきたいと思います。本日はありがとうございました。<上白石萌音>この度はありがとうございます。みんなで一つの賞をいただけたことがとても嬉しいです。この作品は国内のみならず海外にも上演関係者がいらっしゃいます。国境も世代も超えて大きなカンパニーが1本の映画への愛とリスペクトで強くつながっていることが素敵だなと思いますし、その輪の中に自分もいられることを幸せに思います。お客様の中には初めて舞台をご覧になるという方が多いそうです。そういった方々にもっと演劇を観てみたいと思っていただけるような、良い入り口になれるような作品でいられるよう努めてまいります。まだロングランが続くなかでこのような栄えある賞をいただけたことはカンパニー全体の活力になっています。賞に恥じぬよう1公演1公演を大切にお届けしたいと思います。ありがとうございました。<佐藤B作>佐藤B作と申します。ちょっと聞くとふざけた芸名のようですが、これは自由劇場という劇団の研究生の時にあだ名をつけていただきまして今に至ります。私は大学で東京に出てきました。絵に描いたように真面目な学生でしたが、五月病なのかだんだんと学校に行かなくなり歌舞伎町のジャズ喫茶に朝までいるようになってしまいまして、この先どうなってしまうのかと思っていたのですが、ある日『若者たち』というドラマを見てとても感動しまして「学校も行かず、ぶらぶらしていてはダメだ」と思いなぜか演劇をやろうと思い、早稲田の劇団に入りすっかり人生が変わってしまいました。その時の演出に「佐藤の演技はナイーブでよかった」と褒めてもらい、それからどんどん芝居にはまっていきまして、その後自由劇場に入り、東京ヴォードヴィルショーを作って、いろいろな劇作家と出会いました。そんな中今回の『サンシャイン・ボーイズ』で、同世代で尊敬している加藤健一さんからお声かけをいただきまして普段あまり海外の演劇をやってないので初めてのような役でこのような賞をいただき、いろんな方のお力添えがあって生かされているなと感謝の気持ちでいっぱいの佐藤B作でした。<土居裕子(欠席のため本人のメッセージ全文)>この度は、このような名誉ある素晴らしい賞を頂戴し誠にありがとうございます。30年前の初演から何度も演じた役柄とは言え、まさかまたこの年齢で演じさせていただけるとは、ましてや、小さな劇団で生まれ上演してきたこのオリジナルミュージカルが、東宝の製作で、より多くの方に観ていただけることになるとは夢にも思っていませんでした。そのご決断は大変勇気のいるものだったのではないでしょうか。本当に本当にありがとうございました。いつ中断してもおかしくないコロナ禍で、名古屋の大千秋楽まで、スタッフ、キャスト全員が、健康なまま駆け抜けることができたのは、カンパニーの皆様の意識の高さと、この作品へたくさんの愛情を注いで下さったことに他なりません。それなのに、それなのに、こんな飛び上がるほど嬉しい賞をいただいて、この日をずーっと心待ちにしていたのに、この大事な時に感染してしまうとはっ。ほんとに情けないかぎりです。星の王子さまにも、「今回ばかりは笑えない」と、真上に光るあの星から叱られてしまいました。本当に申し訳ありません。当然のことながら、私ひとりでいただけた賞ではなく、「土居さんが王子を演るなら」などと、とんでもない発言で私をこの場に導いてくださった井上芳雄さんをはじめ、プロデューサーの小嶋麻倫子さん、演出の小林香さん、全てのキャスト、スタッフの皆様、そしてパンデミックの中、ご来場下さいましたたくさんのお客様の熱意と応援のおかげと心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。<木下晴香>この度は栄誉ある賞をいただき大変ありがたく思っております。まさかこのような賞がいただける日が来るとは夢にも思っていなかったのでお知らせを受けたときは本当にびっくりしました。『モーツァルト!』『王家の紋章』『彼女を笑う人がいても』の3作ともに「どうかお客様にお届けできますように」と祈るような気持ちで過ごしていた日々でもあったので、今回ちゃんとお客様と作品を分かち合えたんだという証をこんなに素敵な形でいただけて嬉しいですし、素晴らしい出会いと学びに満ちた日々を過ごさせていただいたと改めて幸せを感じております。「挨拶、素直さ、謙虚さ、感謝」恩師からいただいたこの言葉を胸に九州から上京して5年半が経ちます。まだまだ至らないことばかりで目の前のことに真っ直ぐに取り組むことしかできない私が今日この場所に立つことができたのはたくさんの方からいただいた愛と言葉が導いてくれたおかげです。これまでお力添えをいただいた皆様、ご一緒させていただいた皆様、応援してくださる皆様には感謝してもし切れません。幼い私に夢を与えてくれたのも、心に栄養を与えてくれたのも演劇でした。作品を通して誰かの力になれるよう、出会いを大切に、そしてこの賞を糧に日々精進してまいります。<森新太郎>演出の森新太郎です。この度は栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。演劇集団円の大先輩である立石涼子さんに言われた言葉で胸に深く残っているものがあります。「森、奇をてらう必要はないのよ。普通にやりなさい。みんな一人ひとり普通は違うのだから。あなたの普通はそれだけであなたの個性なのだから」それ以来私は普通にやることを心掛け、素直に自分が信じられることだけを追求してきました。受賞の対象となった2作品においてもそれは変わりませんでした。『ジュリアス・シーザー』は、本来は男性ばかりが登場する政治闘争劇ですが私はそれを女性のみで上演しました。しかし、オールフィメールというその看板を意識することなく吉田羊さんをはじめとする俳優陣は力強く人間・ブルータスをあるいは人間・ジュリアス・シーザーを演じてくださいました。『冬のライオン』は中世ロイヤルファミリーの崩壊を描いたコメディで俳優たちのアンサンブルが素晴らしかった。私は織田作之助の『夫婦善哉』が大好きなのですが、佐々木蔵之介さんと高畑淳子さんのロイヤル夫婦善哉に私自身が一番心を躍らせていたかもしれません。両作品とも忘れえぬ演劇体験でした。この2作品だけでなく私の演劇作品に携わってくださったすべての皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げたいと思います。<松本白鸚>一番懐かしい名前が刻まれた賞でございます。『ラ・マンチャの男』というミュージカルは26歳のときに初演をしました。あっという間に50年。今日は東宝さん、選考委員の方々、ご関係者、『ラ・マンチャの男』スタッフ・キャストの皆様方にお礼を申し上げたいと思います。先週くらいから『キンキー・ブーツ』というミュージカルがブロードウェイで上演されているのですがその劇場が『ラ・マンチャの男』をやった劇場でマーチンベックシアターと言います。英語でブロードウェイの俳優さん相手に60ステージやりました。懐かしいなと思いました。本当に今日はお礼の言葉で終始したいと思います。最後に初演からブロードウェイをはじめ50年以上私のそばにいて、ブロードウェイではドレッサーもやってくれました、家内の紀子にお礼を言いたいと思います。ありがとう。
2022年05月31日今年2月に発表された第29回読売演劇大賞で、優秀女優賞を受賞した倉科カナさん。贈賞式当日にアップしたインスタグラムには「これからも(中略)純粋に演劇へのトキメキを大切に精進していきたい」と演劇愛溢れるコメントを綴っていた。その人の受賞後1作目の演劇作品は、一昨年、上演を目前に世情によりやむなく中止となっていた主演舞台『お勢、断行』だ。―― 一昨年の公演は、初日前日に中止を発表。キャストに中止が知らされたのはその前の日だとか。倉科カナ:中止になったのは誰のせいでもない仕方のないことだけれど、ここまで作ってきたこの子をどこにやったらいいの?みたいな行き場のない気持ちになりました。ただ恵まれていたのは、すぐに、2年後にやりましょうって話になったこと。そのままなくなってしまう公演も多いなか、いろんな方のご尽力のおかげだなと。――中止発表後、関係者だけでゲネプロ(本番同様におこなう最終稽古)をおこなったそうですね。倉科:かっこよかったですよ、皆さん。明日の公演はないとわかっているのに、衣裳をもっと良くしようと改良してくださったり、最後の最後までより良いものを追求するために走ってくださる姿が、なんだかとても美しかったです。――2年を経て、同じ作品にどう向き合おうと思っていますか。倉科:私としては、あらためて一から作品に向き合ってみようかなと考えています。もともと目の前のものに全力投球して過去は忘れちゃうタイプですし、この2年の間に素敵な作品と巡り合えて、すごく糧になったので、その経験値を持って再び向き合ったらどうなるか、私自身も楽しみなんです。演劇が好きだからこだわってやりたい。――それこそ読売演劇大賞でノミネートされた『雨』も『ガラスの動物園』も素晴らしかったです。倉科:こまつ座さんの『雨』は、井上(ひさし・脚本)さんと栗山(民也・演出)さんのタッグの舞台で、いろんな先輩からこまつ座の作品は絶対経験したほうがいいよと言われていたんです。だから栗山さんから声をかけていただいたときは、本当に嬉しくて。井上さんの戯曲は言葉にとても力があるんですが、栗山さんの演出がそれを最大限に光らせるんです。言葉遊びみたいなセリフを、自分の言葉として質感を感じるように演出してくださり、すごく勉強になりました。一方、『ガラスの動物園』の上村(聡史)さんの演出は、もっとフラットだったんですよね。こう見せたいということよりも、相手の感情をしっかり受け取ったうえで言葉を返していくという当たり前のことをとても大事にされていたというか。今回の作品は、江戸川乱歩さんの小説に出てくるお勢というキャラクターを使ったオリジナル作品とはいえ、乱歩の幻惑的な世界観があります。でも、栗山さんや上村さんの現場で学んだリアリズムみたいなものは、生かしていけたらなと思っています。――今、演劇に対してすごく情熱を持って臨まれていらっしゃいますが、演劇の何がそこまで倉科さんを惹きつけたんでしょう。倉科:なんだろう…私が出会ってきた演劇に携わっている皆さんが、損得勘定ではなく純粋にいい作品を作って届けたいっていう想いの純度が高く、素敵だったことは大きいのかもしれないですね。――観るのもお好きでしたか?倉科:好きですね。いろんなものを駆使して劇場中継を録画していますけど、すぐにいっぱいになるから必死にブルーレイに落として…。――ただの演劇ファンです(笑)。倉科:目の前で俳優さんたちが役柄として生きているのが好きなんですよね。その数時間に向けて多くのスタッフさんもすごい集中力で動いていて、完成した作品を観ると美しさに心が洗われるんです。観客としても、この人たちが今ここに生きている目撃者として一緒に芝居を作っているという感覚になるし、長時間の作品では観客同士の不思議な絆が生まれたりもして。その観客と作り手側がフェアな関係にあるところも好きなんです。――きっかけは何でした?倉科:舞台のお仕事を始めた頃は、演劇がすごく苦手だったんです。このままでは嫌いになりそうだと思って、マネージャーさんに舞台の仕事を1年に1本は入れてくださいとお願いしました。それが13~14年くらい前。でも、『タンゴ・冬の終わりに』(’15年)という清水邦夫さんの作品で、みんなで作っていくのはキツいけれど楽しいと思えたんですよね。稽古場には、たくさんのスタッフさんもいて、本当に家族みたいな感覚があって。だから舞台に関しては、妥協して出たいとは思わないです。私の中ではお仕事としてではなく好きだからやりたい分野で、だからこそしっかり時間を取ってこだわってやりたいです。――嫌いになりそうだから年に1回入れてください、ってすごいことをおっしゃるんですね。倉科:ここで逃げたら、たぶんもう戻ってこれない気がしたんですよね。――でも、他に活躍する場所はたくさんあるわけですし…。倉科:でも、苦手ってことは弱点なわけじゃないですか。逆に考えれば、それだけ伸び代があるということで、そこを伸ばして強みにしたら弱点がなくなる。弱点を作りたくなかったんです。でもそうしたら、いつの間にか演劇に魅了されていて、観るのも出るのも大好きになっちゃいました。今は自分の中で演劇に対してはビジネスの意識がないんです。演劇をやっていると、心がすごく安定するんですよね。――今は演劇の何を楽しいと?倉科:お稽古でいろいろ模索できるというところかもしれないです。映像だと瞬発性を求められて、これでよかったのかなという気持ちになることもあるんですが、演劇は稽古があるので、そこのフラストレーションは少ないです。最初はぎこちなかったお芝居が少しずつ噛み合うようになって、さらに広がっていく瞬間に携わると…もうトキメキしかないです。花開いたぁ~って。その瞬間に立ち合えていることがすごく幸せで。――演劇作品で、とくに惹かれるのはどんなタイプのものですか?倉科:やっぱり近現代の名作が好きですね。『ガラスの動物園』のテネシー・ウィリアムズも大好きです。普遍的なものを描いていて現代に投影できるというのは、とってもロマンがあるし演劇の良さだと思うので。でも、KERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)さんの作品…とくに、小野寺(修二・振付)さんとタッグを組んで作られている舞台の独特な展開にも惹かれます。倉科カナさん主演の舞台『お勢、断行』は、5月11日(水)~24日(火)まで世田谷パブリックシアターにて上演。兵庫、愛知、長野、福岡、島根でも公演あり。江戸川乱歩の小説『お勢登場』の主人公で稀代の悪女といわれるお勢を題材に、作・演出の倉持裕が創作したオリジナル。世田谷パブリックシアター TEL:03・5432・1515くらしな・かな1987年12月23日生まれ、熊本県出身。連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインとして注目され、以降、数々のドラマや映画で活躍。近作にドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』。現在、主演ドラマ『寂しい丘で狩りをする』(テレビ東京)、ドラマ『正直不動産』(NHK)が放送中。第29回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。トップス¥30,800パンツドレス¥99,000(共にヘンネ/ヘンネ カスタマーサポートcustomer@haengnae.com)シューズ¥148,500(クリスチャン ルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパン TEL:03・6804・2855)イヤカフ¥4,200(トゥワクリム/エスタードジャパン TEL:03・5413・4807)ネックレス¥154,000リング¥37,400(共にブランイリス/ブランイリス 東京 TEL:03・6434・0210)※『anan』2022年5月18日号より。写真・野呂知功(TRIVAL)スタイリスト・道端亜未ヘア&メイク・草場妙子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年05月13日