ニプロは4月5日、自然滴下で輸液を行う際の補助器具「滴ぴた」を発売したと発表した。輸液製剤の投与による治療は、滴下速度を調整する際に時計を見ながら特定時間あたりの輸液製剤滴下数を目視でカウントし、目標の値に滴下数を調整する必要があるなど、作業が煩わしく換算ミスのリスクもある。同製品では、赤外線センサーにより輸液製剤の滴下を検知し、滴下の間隔から1分間あたりの滴下数を自動計算して表示することが可能なため、滴下数を簡単に確認することができる。またモニター部分にバックライトを搭載しており、暗所でも懐中電灯等を使用せずに表示内容を確認できる。バッテリーは充電式となっている。参考価格は1万5000円(税別)。
2016年04月05日何かとお金がかかる子育て世帯には、自治体によるさまざまな支援制度が存在することをご存じでしょうか。児童手当や出産育児一時金だけではなく、不妊治療や資金贈与、独自の助成制度を設けている自治体もあります。けれども、あまり積極的なPRをしておらず、申請も必要なため「知っていれば利用したのに」と悔しい思いをすることも…。そうならないために今回は、知っておくと役に立つ「子育てお助け制度」についてご紹介しましょう。地域関係なし! 国が定める助成制度<特定不妊治療助成金>厚生労働省は不妊に悩んでいる人のため、「体外受精」「顕微授精」といった高度不妊治療の治療費助成制度を設けています。国がすすめている事業なので、日本に住んでいる人なら、全国どこでも対象です。ただし、所得や年齢制限、申請期限などがあるために事前確認が必要。自治体によっては国の制度で上限額を上回った分をさらに補助する制度のあるところも。住んでいる自治体の不妊治療制度についても事前にチェックをいれておくといいですね。・ 不妊に悩む夫婦への支援について|厚生労働省 <教育資金贈与の非課税制度>おじいちゃんやおばあちゃんが孫のために教育資金を提供したい…。そんなときに助かる制度が教育資金の非課税贈与です。通常お金を贈与すると贈与税という税金がかかってしまいますが、この制度を利用すれば教育費に限り、1,500万円まで非課税にすることができます。平成31年3月までと制度が期間限定であることや、贈与された子どもや孫は30歳になるまでに教育資金として使いきらなければいけないなどの点に注意が必要ですが、ムダな税金を抱えないという意味では検討の余地がありそうです。・ 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 : 財務省 あなたの住んでいる地域にもあるかも? 地方自治体独自の助成制度<引っ越し費用の助成金(東京都新宿区)>新宿区の「子育てファミリー世帯居住支援」では新宿区の内外から区内への引っ越し(ただし、民間賃貸住宅の利用に限る)で「契約時の礼金、仲介手数料の合計を最大36万円助成」「引っ越し代の実費最大20万円助成」などの制度を設けています。意外とかさんでしまう引っ越し費用を助成してくれるのはうれしいですね。・ 子育てファミリー世帯居住支援(転入転居助成):新宿区 <三世代同居の支援(千葉県千葉市)>千葉市の「三世代同居等支援事業」では「親と子と孫」を基本とする三世代家族の同居に必要な費用の一部を助成しています。貸家の場合は賃貸借契約に、持家の場合は新築・改築・購入に必要となる費用が対象です。・ 千葉市:千葉市三世代同居等支援事業 <子どもの通学費援助(東京都八王子市)>八王子市では通学区域内の学校を対象に、徒歩での通学が困難なケースや、身体的理由などでバスや電車などの交通機関を利用している小・中学生の保護者に対し、交通費を補助しています。通学定期運賃の3分の2までが補助され、対象者には学校から申請書が配付されます。学校配布の場合は申請忘れの心配がなくていいですね。・ 交通機関等利用児童・生徒通学費補助金|東京都八王子市Webサイト こうした制度の利用は申請のタイミングが事前・事後のどちらなのか、所得や家族状況が条件に見合っているかどうかなどをしっかりとチェックする必要があります。そのうえで条件を満たしていることを確認し、上手に制度を利用しましょう。
2016年03月19日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。介護保険制度というのは社会的にも定着してきている現代ですが、「そもそも介護保険制度って何なのか」ということがよくわからない人もいると思います。高齢者が増えてきている日本においては、 非常に重要な制度であることは理解しておくといいでしょう。介護保険制度を理解していく上で重要になるのが、“保険者 ”“被保険者 ”“制度を利用したサービス ”になります。保険者は、主に国や市町村と考えておいて問題はありません。被保険者は、第1号保険者(65歳以上の人)、第2号保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)になります。制度を利用したサービスというのは、特定の介護施設や介護サービスなどになります。被保険者と保険者の関係は、被保険者から保険者に向けての保険料の支払いや介護保険の申請になり、保険者から被保険者に向けて保険証の交付や申請に対する認定ということになります。被保険者と制度を利用したサービスの関係は、サービスの提供と利用料の支払いになります。そして保険者と制度を利用したサービスの関係性は、保険者から介護報酬の支払いを受けるという関係になります。この3つの関係が成り立つことで、介護保険制度は社会的に機能していることになります。●介護保険制度の複雑な面は“制度によるサービス”が影響介護保険制度を利用していく場合、被保険者と保険者の関係というのはわかりやすいことが多いのですが、“制度によるサービス”に対して理解が難しくなってしまうことがあります。それは、“制度によるサービス”に関する施設やサービスが多種多様にあり、似たような名前になってしまっていることが多いからです。これを理解していくためには、ある程度、専門的な知識が必要になります。“制度によるサービス”で迷ってしまった場合、頼りになるのがケアマネージャーであり、このケアマネージャーを探したいと思った場合、市区町村の窓口 に相談をするか、地域包括支援センター という場所に相談をすることになります。【参考リンク】・介護保険制度の概要 | 厚生労働省()●ライター/yoshi
2016年03月08日東京商工リサーチは2月26日、「社会保障・税番号(通称:マイナンバー)制度に関するアンケート調査」の結果を発表した。これによると、マイナンバー制度に対する認知は高まったが、利活用が進んでいない実態が明らかになった。同調査は、2016年1月19日から1月29日にかけてインターネットによるアンケートを実施し、有効回答を得た7887社の回答を集計・分析したもの。マイナンバー法の内容についてどの程度知っているかを聞いたところ、「概ね知っている、よく知っている」が5046社(構成比64.0%)で約6割を占めた。これに「少し知っている」(2513社。同31.9%)を合わせると、「知っている」と回答したのは7559社(同95.8%)あり、9割以上に認知されていることがわかった。続けて、自社にとってマイナンバー制度の一番のメリットは何かを聞いたところ、「メリットはない」が最多の5881社(構成比74.6%)で約7割を占めた。これに、「情報管理の利便性向上」が637社(同8.1%)、「公平性が徹底される」が552社(同7.0%)と続いた。「メリットなし」は前回調査(同65.9%)より8.7ポイント増加しており、マイナンバー制度の導入とともに、メリットなしと判断した企業の比率が高まっているという。一方、「その他」の中には「まだ(社内で運用されていないから)わからない」「始まったばかりで、わからない」といった回答が145社あり、一部ではまだ把握できていないことも垣間見えるようだ。逆に、マイナンバー制度の最大のデメリットを聞いたところ、「情報漏洩のリスク」が最多の3194社(構成比40.5%)で約4割を占めた。これに、「業務の煩雑化」が1809社(同22.9%)、「業務の増加」が1802社(同22.8%)、「コスト増加」が548社(同6.9%)、「デメリットはない」が344社(同4.4%)、「その他」が156社(同2.0%)、「公平性が解消できない」が34社(同0.4%)と続いた。前回調査でもデメリットは「情報漏洩のリスク」(同53.3%)が最多だったが、構成比は12.8ポイント下がった。この結果について、同社は企業がセキュリティ強化に努めたことや、行政による広報活動で安全性への認識が広がっていることがうかがえるとしている。
2016年02月29日ストレスチェックやマイナンバーなど、人事業務に大きく関わる制度の義務化が進められている。2016年上半期において人事担当者はどういった準備をし、どういった対応をしておくべきなのだろうか? 特定社会保険労務士の小岩和男氏に話を伺った。――昨年の12月から、ストレスチェック制度の実施が義務付けられるようになりました。従業員のメンタル不調を未然に防ぐための制度ですが、いま導入しようとしている企業からはどのような悩みが聞かれますか?この制度ができる前から先進的にストレス対策を講じていた企業に、混乱があるようです。例えば「これまでやっていた対策をストレスチェックに変更しなければならないのか?」といった質問をよく聞きます。ストレスチェック制度では、本人の同意を得なければ会社は結果を知ることはできません。また、ストレスチェックは従業員にとっては任意であり、強制はできません。こうしたことが、踏み込んだ対策をしたい会社にとっては悩みのタネになっているようです。ですが、ストレスチェック制度とは別の労働安全衛生法第69条第1項による任意の取り組み(トータルヘルスプロモーションプラン)であることを明確にすれば、従来実施していたメンタル調査などもストレスチェックとは別に実施することが可能です。――ストレスチェック制度では、医師などによる面接指導の実施が求められるようになります。こちらの準備については、どのような相談が寄せられていますか?「自社の産業医がメンタルの専門ではないのでどうしたらいいのか?」という相談を受けることがありますが、必ずしも産業医と面談しなければいけないわけではありません。別の専門医からも面接指導を受けることができます。ただし、その場合は自社の事業場の状況を把握していない場合も考えられますので、産業医からも就業上の配慮に関する意見聴取をしておきましょう。――これからストレスチェック制度の実施に向けて準備をしていく企業に、アドバイスをいただけないでしょうかストレスチェックをいつ・どのように実施していくか、具体的な導入手順については、企業の衛生委員会等で審議する必要があります。衛生委員会等は、従業員50人以上の事業場に設置が義務付けられているものです。今回のストレスチェック制度義務化を契機に、委員会をきちんと運用して労働環境改善に役立てていきましょう。――今年の1月からは、マイナンバー制度の運用もスタートしました。こちらはどのような状況でしょうか?マイナンバーは社会保障・税・災害対策の行政事務で必要となります。企業実務で一番早く運用されているのは雇用保険で、1月1日入社からマイナンバーが必要です。安全管理措置体制を整え適切に取得しましょう。――人事担当者以外の一般社員にも、マイナンバー制度の理解は浸透しているのでしょうか?全国民に必要になる重要な制度なのですが、まだまだ理解は薄いと思います。ですから、人事担当者のみなさんには説明会の実施をお勧めしています。内閣官房が運営しているマイナンバーのWebサイトに20分ほどの紹介動画がありますから、部内ミーティングなどのタイミングで見てもらうとよいでしょう。――マイナンバーの管理については、セキュリティが非常に重要だと思いますが、情報の取り扱いについてはどのようにしていくべきでしょうか?マイナンバーガイドラインに記載されている事業規模に応じた管理体制を取りましょう。いかに漏洩しない体制づくりをしていくかがポイントです。アナログ的ですが、従業員から番号を収集する際は、100人程度の規模でしたら書面を用いることを提案しています。従業員は所定書式に自身と扶養家族の番号を記載し封入して直接人事担当部門に持参。人事担当部門は書式を鍵のかかる書庫等へ収納。マイナンバー事務処理ごとに取り出し、終了後は定位置に戻す。またその事務処理ごとの記録をきちんと取っておく。これが最も漏洩リスクが少ないやり方でしょう。また、提出されたマイナンバーが正しいかどうかを確認するために「通知カードのコピーをとっていいのか」という質問が多いのですが、これは国がOKを出しています。ただし、コピーも厳重に管理することが必要です。会社によっては、人事担当部門で確認したのちに、コピーを当人に返却しているところもあります。また、書面で回収できないような大規模企業であれば、ITシステム会社へアウトソーシングという手もあります。マイナンバー法には委託する側に監督責任があると明記されていますので、安全管理措置が適切に記載されている契約書を交わしておきましょう。――2016年の上半期において、人事担当者はどのような点に注意して業務を進めるべきでしょうか?当面はストレスチェックとマイナンバーが主な取り組み課題になりますので、この二つを粛々と進めていきましょう。また、労働基準法や雇用保険法など、大きな制度改正の動きもありますから、こちらについても情報のアンテナを立てておくことが重要です。
2016年02月15日IoT検定制度準備委員会は2月5日、IoTの普及と知識スキルを可視化する策として検定制度を開始することを発表した。同検定は技術的な視点だけでなく、マーケティング担当、サービス提供者、ユーザーなどの視点から必要となるカテゴリー、スキル要件を網羅し、それぞれの立場でIoTのシステムを企画・開発するために必要な知識があることを証明できるものとなっている。主な受験対象者は、IoTを取り入れる組織の経営者および管理者、IoT化を推進するプロジェクトの企画担当者、IoTを活用しデータ分析などを行う利用者、IoTシステムの構築・保守運用に携わるエンジニア。検定分野は、企画推進・戦略立案のための基礎知識やプロジェクトマネジメントに関する知識を問う「戦略とマネジメント」、産業システム・スマート製品に関する知識やIoT関連の標準化に関する知識を問う「産業システムと標準化」、通信関連の法律に関する知識を問う「法律」、データ送信プロトコルやWAN、LANなどに関する知識を問う「ネットワーク」、電子工学やセンサ技術に関する知識を問う「IoTデバイス」、クラウド環境や分散処理システム利用に関する知識を問う「プラットフォーム」、データベースや機械学習に関する知識を問う「データ分析」、暗号化や攻撃対策に関する知識を問う「セキュリティ」を予定している。3月より希望者および有識者に対してベータ試験が実施される予定で、詳細については後日発表される。
2016年02月05日政府が整備を進めている「事業所内保育所」。平成27年度からは従業員以外の子どもを受け入れるなどの条件付きで、国から給付金が支給される制度が導入。さらに、次年度の予算案の中にも、企業が保育施設を整備するための補助金が新たに盛り込まれている。しかし、子どもを預ける立場の親にとって、本当にニーズがある施設なのか。託児付きサービスを提供している「ここるく」の代表取締役で、保活事情に詳しい山下真実さんに伺った。○企業が設ける保育施設で約5万人の受け皿を確保事業所内保育所とは、企業が主体となって開設する従業員向け託児所のこと。国は平成27年度から、従業員以外の子どもにも保育を提供する事業所内保育所に対し、市町村の認可事業として財政支援を行っている。さらに、平成28年度の予算案には「企業主導型保育事業」と呼ばれる取り組みにも補助金が投入されている。この制度は、市区町村の関与なく、1つもしくは複数の企業が企業内やその周辺などに保育施設を設置した場合、整備費や改修費、賃借料などを国が支援するというもの。利用日数や時間帯、それに地域枠なども自由に設定できる。政府は「事業所内保育を主軸とした企業主導型の多様な就労形態に対応したい」として、これにより、約5万人分の保育の受け皿を確保したい考えだ。○会社の近くは一見便利そうだけど……ますます整備が推進されている事業所内保育所。果たして子どもを育てる親にとってニーズの高い施設と言えるのか。山下さんによれば、働く女性に対してコンサルティングを行う中で、出産・育児を経験していない女性からは、将来的に「利用したい」という声が多く聞かれるという。一方で、双方を経験した女性では「できれば利用したくない」という意見が大半を占める。それはどうしてか。事業所内保育所は、都心の企業の中、もしくは周辺に開所されていることが多い。出産・育児を経験している女性は、通勤ラッシュの中、子どもを保育所に通わせるのは厳しいという現実が容易に想像できるからだという。「預け先がないよりは、あった方がいいという回答になると思う」とした上で、企業のある都心ではなく、「ベッドタウンのような場所に保育所を設けるというのが賢い手なのではないか」と提言した。○自分の目で見極めをしかし、デメリットばかりではないと山下さんは続ける。メリットとしてあげられるのが、子どもが熱を出したとき、または災害が起きたとき、すぐに駆けつけられることだ。「震災の時には、子どものお迎えが地震の翌日になってしまった人もいた」という。特に勤務先と自宅が離れている人にとっては、働いている場所の近くに子どもがいるのは大きな安心材料となるだろう。山下さんは最後に、「どんな形態の保育所であっても、保育の質を親の目でしっかり見極めることが大切だ」とアドバイスしてくれた。厚生労働省では平成29年度末までに50万人分の保育の受け皿を確保していく方針で、今後も保育所の数は増えていくだろう。事業所内保育所をはじめ、認可保育所や認証保育所など、さまざまな形態の保育所が整備されていく中で、大事なのはその形態ではなく、保育の中身。自分たちの生活や働き方にあった保育施設をぜひとも選んでほしい。
2016年02月04日メルカリは2月1日、新人事制度「merci box(メルシーボックス)」の導入を発表した。2月1日に創業3周年を迎えた同社は、これまでも副業の推奨やフレックス制度の導入など、各種支援を行ってきたが、今後さらなるメンバーの採用や、出産・育児をはじめとしたライフイベントを迎えるメンバーへの支援をより拡充するため、同制度の導入を決定したという。新人事制度「merci box」の概要は以下の通り。社員の家族を含めた環境の支援産休・育休支援の拡充産休・育休期間中の給与を会社が100%保障する制度。女性は産前10週+産後約6カ月間の給与を100%保障、男性は産後8週の給与を100%保障。育児・介護休暇の有償化子どもの看護および家族の介護で休暇を取得する場合は、5日間を特別有給休暇とし最大で10日間まで休暇取得が可能(1年あたり)。万が一の時のセーフティライン病気やけがの時のサポート病気やけがにより仕事ができない期間、経済面も安心して入院や治療に専念できるよう支援。全社員の死亡保険加入メルカリで働く全社員に対して死亡保険に加入することで、万が一の時に社員の家族を最大限(数千万円~)支援する。ライフイベントのサポート結婚休暇&お祝い金結婚にあわせて、特別有給休暇(5日間)とお祝い金(5万円)を支給。出産休暇&お祝い金子どもの出産にあわせて、立会いに十分な特別有給休暇(3日間)とお祝い金(10万円)を支給。慶弔時の支援万が一の不幸があった場合には、特別有給休暇(3日~7日)や弔慰金(5~10万円)でサポート。
2016年02月02日MM総研は1月21日、企業のマイナンバー制度に対応にしたシステム・サービスの導入実態に関する調査結果を発表した。同調査は同社が2015年12月4日~7日にかけて、全業種の企業においてシステムやサービスの導入にあたり決裁権があるか選定に関与する立場にある担当者を対象に、Webアンケートで実施したもの。有効回答数は729人。マイナンバー制度対応に向けた社内の進捗状況を尋ねると、「既に取り組んでいる(社内のみ)」が45.5%、「既に取り組んでいる(外部組織に委託)」が24.4%であり、既に何らかの取り組みを行っている企業が計69.9%を占めた。このほか、「どのように対応するか計画中」が26.1%あり、マイナンバー制度に向けて取り組みは着実に進んでいる。業務ごとの対応状況を見ると、最も対応が多かった業務は「人事・給与」に関するもので49.1%だった。この業務は従業員への給与・報酬の支払いや保険料の徴収においてマイナンバーの対応が急がれるため、多くの割合を占めていると同社は推察する。続いて「マイナンバーの保管・管理」が43.0%、「マイナンバーにアクセスする権限の管理」が38.9%だった。それぞれの業務において、「検討している」と回答した企業はいずれも3~4割だった。マイナンバー制度対応に向けたシステムやサービスについて不安に感じていることを質問したところ、「情報漏洩リスク」が66.5%と最多であり、以下「業務量の増加」(42.8%)、「コストの増加」(38.8%)と続いた。マイナンバー情報を漏洩すると最高で4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金といった罰則が科せられる上、企業名を公表されるなど社会的なイメージダウンにつながってしまうため、懸念が高まっていると同社は分析している。今後、重視・期待する機能について複数回答で尋ねると、「セキュリティへの対応力の高さ」が44.7%と最も多く、「操作性の良さ」が34.7%、「導入コストの安さ」が32.7%、「既存システムとの連携のしやすさ」が31.7%だった。誤操作や管理ミスなど、人的ミスによる情報漏洩を防ぐ機能が求められていると同社は指摘する。
2016年01月22日●ストレスチェック制度にどう対応していくか?いよいよ今月からストレスチェック制度が施行となった。とはいえ、すでにストレスチェックを実施したという企業は少ないだろう。むしろ、これから準備を進めていくという企業がほとんどかと思われる。従業員50人以上の事業場では、2015年12月1日から2016年11月30日までの間に、1回目のストレスチェックを実施するよう義務付けられたが、「まだ時間はある」と悠長に構えているほどの時間はない。もし、まだストレスチェック制度に対する対応方針や実施時期が決まっていないようであれば、すぐに取りかかった方がよいだろう。というのも、同制度は実施体制や運用フローが非常に複雑化しており、マイナンバー制度への対応よりも大変なように感じられる。まだ準備を進めていない企業は、これからどのように進めていけばよいのか? 11月にキーポート・ソリューションズ(KPS)は同制度に関するセミナーを開催。セミナーでは、ストレスチェック対策をより効果的にサポートする同社のソリューションと、産業医である三宅琢医師が「本音で教えるストレスチェック活用法」が紹介された。○ストレスチェック制度とは?まず、そもそも「ストレスチェック」とは何か? 厚生労働省によると、「ストレスチェック」とは、ストレスに関する質問票(選択回答)に従業員が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査であるとしている。「労働安全衛生法」という法律が改正されて、従業員が50人以上いる事業場では、2015年12月から毎年1回、この検査を全ての従業員に対して実施することが義務付けられた。「企業としてやらなければいけないことは実施義務。従業員にアンケートに回答してもらうよう案内することが義務ということ。その結果、アンケートに回答してもらえなかったとしても、それは企業の義務ではない。そこが健康診断との違い。実施していない企業は罰則の対象となる」(三宅医師)ストレスチェック制度は従業員が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善につなげたりすることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みである。三宅先生は同制度を「会社の元気度を測るもの」と述べた。同制度への実施手順として、厚生労働省からは以下の流れで進めていくように示されている。○どう運用すればよいのか?実施方法など社内ルールの策定から、ストレスチェックの実施、必要がある場合の医師による面接指導、集団分析など、やらなければいけないことはたくさんある。まず、ストレスチェック制度の導入前には事業所の衛生委員会で、ストレスチェック制度の実施方法などを決める必要がある。話し合う必要のある主な事項として、厚生労働省では下記の8点をあげている。ストレスチェックは誰に実施させるのかストレスチェックはいつ実施するのかどんな質問票を使ってストレスチェックを実施するのかどんな方法でストレスの高い人を選ぶのか面接指導の申し出は誰にすれば良いのか面接指導はどの医師に依頼して実施するのか集団分析はどんな方法で行うのかストレスチェックの結果は誰が、どこに保存するのかまた、実施体制や役割分担を決めることも必要だ。厚生労働省では実施体制の例として、下記をあげている。制度全体の担当者事業所において、ストレスチェック制度の計画づくりや進捗状況を把握・管理する者ストレスチェックの実施者ストレスチェックを実施する者。医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選ぶ必要がある。外部委託も可能。ストレスチェックの実施事務従事者実施者の補助をする者。質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務を担当。外部委託も可能。面接指導を担当する医師質問票に関しては、厚生労働省から57項目からなる職業性ストレス簡易調査票が公表されているが、「ストレッサー(ストレスの原因に関する質問項目)」「サポート(労働者の周囲のサポートに関する質問項目)」「ストレス反応(ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目)」の3つの要素があれば、この質問票以外のものを使用することが認められている。「簡単に説明すると、『ストレッサー』は過去、『ストレス反応』は現在、『サポート』は未来の評価に分けられている。この中で、国が一番重要視するように言っているのが、ストレス反応である。今、頭痛がしたり、食欲がないなど、現在の状態をハイスコアとして扱うように言われている」(三宅医師)高ストレス者の選出方法については、「何点以上の人は面接する」という基準を、企業が考えなければいけない。記入が終わった質問票は、医師などの実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が回収する必要がある。ここで注意すべき点は、実施事務従事者は、人事権を持つ職員が携わってはいけないということ。また、結果(ストレスの程度の評価結果、高ストレスか否か、医師の面接指導が必要か否か)は、実施者から直接本人に通知される。つまり、結果は企業には返ってこない。さらに、この結果は医師などの実施者(またはその補助をする実施事務従事者)が第三者に閲覧されないように保存することになっている。「実施事務従事者は事業所の中から選ぶこともできるが、作業や管理などが多岐にわたり、さらに守秘義務を負うことになるため、実際にはなかなか難しいだろう。事務の担当が倒れることがないよう、外注を利用していくことがポイント」(三宅医師)また、実施事務従事者だけでなく、ストレスチェックの実施者を誰に依頼するかといった問題もある。通常であれば、自社の産業医に依頼するところであろうが、医師によっては断られるケースも想定される。これに対し三宅医師は、「いい産業医か、使えない産業医か、判断する機会になった」と言う。今回の法改正によって、産業医の職務は「労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査の実施ならびに面接指導の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること」が定められた。「ストレスチェックの実施をしぶるような医師は、職務を理解していないということ」と三宅医師は指摘した。これらのフローをふまえて、ストレスチェック結果で「医師による面接指導が必要」とされた従業員から面接の申し出があった場合は、企業は医師に依頼して面接指導を実施する流れとなる。では、そもそもストレスチェックは何のために実施されるのだろうか? その解について、三宅医師は次のように回答した。「従業員にとっては、自分の健康状態を知るため。しかし一番は、企業が組織診断を行って、職場改善を行うためだ」(三宅医師)ストレスチェック制度は年に1回以上実施することが求められているが、年1回だけの実施なのであれば、職場分析が非常に重要になってくるという。この職場分析は努力義務となっており、ストレスチェックの実施者に、ストレスチェック結果を一定規模の集団(部、課、グループなど原則10人以上の集団)ごとに集計・分析してもらい、その結果から職場環境の改善を行うことが推奨されている。職場分析の重要性について、三宅医師は次のように述べた。「欝病は移る。なぜかというと、一人の従業員が休むことによって周囲にそのしわ寄せが生じる。だから組織分析が重要」(三宅医師)●産業医が教える、ストレスチェック活用法三宅医師は「風邪と一緒で年に1回測っても、ストレスチェックの意味がない。いつ実施するのかで、値が変わってくるからだ」とストレスチェック制度の問題を指摘する。○今からできる、ストレスチェック対策「組織全体が沈んでいる部門は何かが起こっているということ。早くレスキューしないと一人の問題ではなく、全体に広がっていく」(三宅医師)また、企業はこれまで以上に安全配慮義務が必要になってくるという。「労災の対象となった従業員が訴訟の対象とするのは、社長と上司。この2本立てが法曹界では当たり前のパッケージ商品となっている。つまり、自分の部下の健康状態を把握していないと、民事裁判に巻き込まれるケースがあるということ。上司が部下にしなければいけない義務が安全配慮義務である。この義務は、予見義務・結果回避義務と言われていて、『そのまま働かせていたら倒れるのはわかりますよね?』という義務。こういう義務がある以上、企業は労働者の健康状態に配慮することが必要となってくる」(三宅医師)ところが、忙しいと部下のパフォーマンスを把握することはなかなか難しい。三宅医師は「今後メンタリティやモチベーションの見える化が必要。そうでないと、安全配慮義務を守れない」と言うが、では一体、どうすればよいのだろうか? 三宅医師は今からできる予見法として、次のようにアドバイスした。「ストレス不調を起こす人は必ず、当日の遅刻・欠勤の連絡が続く。また、個人スペースがすごく汚れていたり、逆にいつも汚れているのに急にきれいになったりする。そのほかにも気分の浮き沈みなどもチェックするポイントとしてあげられるが、これらを毎日チェックしていくことは難しい。そこで、今日から始められるストレスケアの一番簡単な方法は、あいさつ。毎日あいさつをすることによって、その人の変化に気付くことができる」(三宅医師)また三宅医師は、まわりを助けるよりも、まずは「自分が元気であることが大切」と話した。「私が産業面談で社員をケアする時に聞くポイントは、『食う』『寝る』『遊ぶ』の3つ。この3つの変化しか聞かない。この3つをチェックしていれば、ほとんどの人のメンタルケアができる。自分のストレスをケアする上で大事なことは、食事や睡眠に変化がないか、また趣味を持ってもらうこと。趣味はストレス発散にもなり、また趣味をしていても楽しいと感じない時は、ストレス値が高くなっているサインになる。年に1回ではなく、日頃から自分に問いていかないと、ストレスのレベルはわからない。自分が元気でいることが、一人でもストレス値の高い社員を出さないために一番大事なこと」(三宅医師)○メンタリティを可視化するには?三宅医師が推奨する「メンタリティやモチベーションの見える化」について、KPSでは8月に、個人と組織の「気持ち」を可視化・数値化する「Willysm(ウィリズム)」の提供を開始した。同ソリューションで従業員がすることは大きく分けて3つ。まず、毎日決められた時間に自分の気持ちを「Excellent」「Well Done」「Not So Good」の3つから選択し、その日にあった幸運・幸福な出来事を3つ記入、さらに同僚に感謝の気持ちを伝えるメッセージ・プレゼントをあげる、といった3つの行動から、従業員のモチベーションを可視化するだけでなく、気持ちを前向きにする仕組みとなっている。これにより、例えば「Not So Good」が続いている従業員がいれば、年1回のタイミングでなく、適宜ストレスチェックを促し、早期改善を図ることが可能となる。12月1日からは、同ソリューションにストレスチェック制度へ準拠した「ストレスチェックサービス」機能が追加された。KPS ビジネスイニシアティブユニットのシニアコンサルタントである稲田勇祐氏は、同ソリューションについて次のように説明した。「Willysmは前向きな改善の機会、健康経営による企業価値向上につなげる一つの有効な施策と位置付けている。健康で前向きな個人を増やしていくことによって、重大疾病予備軍を減らし、休業者も減らしていくことができると考えている」(稲田氏)***組織分析から職場改善まで実施するとなると、2016年11月まで時間の余裕がないことは感じてもらえただろう。今回のストレスチェック制度を、「義務だからやる」だけではなく、ぜひ前向きに経営戦略の一つとして、しっかり考えて取り組んでもらいたい。
2015年12月21日保健同人社とヒューマネージは12月5日、12月1日に施行した「ストレスチェック制度」(労働安全衛生法の一部を改正する法律)について、企業のメンタルヘルス担当者に実施したアンケート調査の結果を発表した。同調査は両社が10月22日と27日に企業のメンタルヘルス担当者を対象に実施したもので、有効回答者数は366人。調査によると、施行1カ月前の時点においても企業の準備は進んでおらず、3割強が具体的な実施時期を決めていという結果となった。ストレスチェック義務化が施行される1カ月前となる10月末の時点において、準備状況について「ほぼ完了している」と回答した担当者は2%未満だった一方、7割以上が「検討中/情報収集中」と回答している。ストレス・チェック義務化施行の直前でも、企業の準備はなかなか進んでいない実態が明らかになった。準備状況を従業員規模別に見ると、「検討中/情報収集中」の割合は、従業員1,001人以上の企業では60.2%、従業員301人以上1,000人以下の企業では73.8%、従業員300人以下の企業では81.6%であり、規模が小さくなるほど準備が進んでいないことが分かった。ストレスチェック義務化への対応で懸念している点については、ストレスチェック実施後のフォロー体制が42.3%で最多であり、以下、規程の整備(35.8%)、高ストレス者への対応(34.4%)、担当者の業務負荷増大(30.9%)、医師面談の実施(28.1%)と続く。法律が定める「やらなければならないこと」にどう対応するかという点とともに、義務化対応を担うメンタルヘルス担当者のマンパワーについても不安を抱いていることがうかがえると両社は見る。ストレスチェックを既に導入・実施しているまたは導入を検討中の企業の担当者に対して、実際にストレスチェックを実施する時期を尋ねると、具体的な時期では「2016年4月~6月」と「2016年7月~9月」が多かった。ただし、最多は33.5%の「未定/無回答」であり、スケジュールなどの実施に関する具体的な事項はまだ検討中の企業が多いようだと両社は推測する。ストレスチェック義務化対応で外部委託先を選ぶ際に重視する点を複数回答で尋ねたところ、費用が56.8%と最多であり、以下、運用サポートの充実(45.9%)、ストレス・チェックの信頼性(43.7%)、セキュリティ体制(38.5%)、システムの使い勝手(36.9%)の順だった。委託先を選ぶ際に費用を重視することに加えて、「実施する際のサポートがどれだけ充実しているか」「ストレスチェックは科学的に信頼できるものか」「セキュリティは万全か」「スムーズに実施できるシステムかどうか」など、多岐にわたるポイントでパートナーを選定していることが分かる結果となった。これらの結果を受けて、両社が提供する企業向けEAP(従業員支援プログラム)サービスである「TEAMS」のEAPコンサルタントは「マイナンバーや新卒採用スケジュールの変更などさまざまな対応が重なるなか、ストレスチェック義務化の制度を理解し、運用体制を整えるにあたって、企業のメンタルヘルス担当者が非常に苦労していることがうかがえる」とコメントとした。外部委託先を選ぶポイントとして「『ただストレスチェックを実施するだけ』の対応では、情報漏洩など、取り返しのつかない経営リスクに直結する。堅牢なセキュリティ、科学的に根拠のあるストレスチェックを提供できることに加え、コンサルティングから業務プロセスの企画・設計・遂行までトータルにサポートできる外部パートナーを戦略的に使いながら、ぜひ、今回のストレスチェック義務化対応を組織の生産性向上へつなげてもらいたい」としている。
2015年12月15日三菱重工業は12月1日、日本原子力発電と共同で、原子力災害時などで作業員の力を補助するパワーアシストスーツ(PAS)を開発したと発表した。このPASは、装着することで約40kg分の重さを補助することができるほか、ベースとなる下半身パーツと目的に応じた上半身パーツを組み合わせることで多様な作業に対応できることが特徴。また、PASの制御に足裏の力センサ信号を利用し、腰部と足部のみで人間とPASを固定する構造を採用したことで、重労働でも汗の影響を受けない信頼性と容易な着脱を実現した。さらに、原子力向けロボットに用いる小型・高出力のモータと自社開発による小型基板の採用により、アシスト力と軽量・小型化を両立。また、足裏の力センサは、数・配置を最適化することで、作業員の動作を適切に読み取り、その動作を妨げないアシスト制御を提供するとしている。同PASは12月2日から5日開催される「2015国際ロボット展」に出品される予定だ。
2015年12月01日Beat Communicationは11月24日、社内表彰制度システム「BEAT AWARD」の提供を開始した。従来の社内表彰制度は、Eメールやポータルサイトを利用したものが多く、現場からアイデアがうまく集まらなかったり、制度自体を活用する社員に偏りがあったりすることから、うまく機能しないという問題点があったという。このような課題を解決するために開発された「BEAT AWARD」は、全社員からアイデアを募集して成功している企業の、カスタマイズ要望から生まれた社内表彰用のパッケージサービスとなっている。本サービスは、「金銭」よりも従業員への「感謝」や「認知」というモチベーションをアップさせる仕組みを「見える化」することで、個人の潜在能力を引き出し、会社の全体的な底力を増し、強い企業作りの役に立つことを目的としたものだとしている。また、同社のコンサルティングのノウハウと、社内向けに実施してきた表彰制度実施プログラムを体系化し、これまで社内システム上で数多くの表彰制度を実施してきた実績や知見をプログラム化した、システムとリアルが一体となったサービスだという。同社は、システム提供だけを主眼に置くのではなく、企業風土を育成していくために、ソフト面からの支援も行い、さらに、経営層に対するコンサルティングサービスもオプションとして提供することで、システム以外でのサービスも実施していくとしている。
2015年11月25日FiNCは11月20日、ストレスチェック制度に対応した法人向け新ウェルネス経営サービスを提供開始した。同社では、医師による面接指導など同制度に対応したサービスを幅広く提供できるよう、全国37都道府県に1,000人以上の産業医/医師のネットワークもあわせて構築したとしている。同社のストレスチェックでは、厚生労働省準拠の57項目もしくは同社によって充実させた110項目の質問により、従業員のメンタルの状況を計測し、従業員にフィードバックする。また、高ストレス者への医師面談の勧奨から、医師面談の設定、意見書の取得などすべて同社のシステム上で完結させることができるほか、集団分析についても各社の要望に合致したものが提供されるという。スマートフォンや紙による受検にも対応しており、改善ソリューションとしてスマートフォンなどを通じたセルフケアや相談センターなどのサポートも提供される。さらに、産業医/医師のネットワーク構築により、産業医の選任支援や医師面談が必要な高ストレス従業員に対する産業医のスポット紹介なども提供される。
2015年11月24日ビデオ会議システムや音声会議システムなど、世界中で40万以上のユーザーがソリューションを利用しているポリコム。その日本法人であるポリコムジャパンでは、制度改革やオフィスの効率化などをふまえて自社製品を活用したテレワークを実践している。テレワークを支援するソリューションの提供を本業とする同社の取り組みについて取材した。○震災後、テレワークを全社員対象に自社の製品自体がテレワークを可能とするものだけに、ポリコムジャパンでは以前から海外とのやり取りや、営業スタッフ、地方にいるスタッフなどとはテレビ会議をはじめとする自社のユニファイド・コミュニケーション製品を用いてテレワークを行っていた。しかし同社が全社員規模にまでテレワークを拡大したきっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。震災の直後、社員全員が自宅に待機することとなったが、そうした状況下で各社員は自主的に自分のパソコンに入っているビデオ会議アプリケーションや内線を受けられるIPフォンなどを駆使して業務を継続させていった。一週間、一人も出社することなく事業を継続できたことで、テレワークの意義を改めて認識した同社では、翌4月には全社的にテレワークが行える環境を整えたのである。ポリコムジャパン ビジネスオペレーションズのシニアマネージャー、藤井浩美氏は「震災以前からテレワークを拡大したいという意向はあったのですが、オフィスにいない社員との連絡のとり方や人事面での評価をどうするのかなど課題もあってなかなか全社員を対象にするまでには踏み込めませんでした。それが震災後にいざ実践してみると、業務の滞りもなく、またオフィスにいなくても社員のプレゼンスやステータスが確認できるため、全員が“見えている”状態にできることが実感できたことから、全社展開が決まりました」と言う。社員のスケジュールはOutlookのカレンダーで社内に公開されているため、お互いに確認しながら動きを同期させることも容易に行えたという。○テレワークのための制度改革を実施ポリコムジャパンでは、全社員がテレワークを行うための制度改革として、テレワーク・フレックス制度や育児サポート関連、介護サポート関連といった3つの制度を新たに整えた。このうちテレワーク・フレックス制度は、以前から実施していたフレックス制度にテレワークに必要な要素を盛り込んだもの。全社員を対象にテレワークを許可し、上長の許可を得ることで誰でも利用が可能(総務・特定技術職は状況に応じて)としている。またコアタイム(11時~15時)以外の時間は、開始時間と終了時間について8時間の間で自由に設定可能とした。育児サポート関連の制度としては、最長1年間、育児休業を取得可能とするとともに、産前・産後の休暇や子どもの看護のための休暇も実施。このうち育児休暇と子どもの看護のための休暇は男性でも取得することが可能だ。こうした整備の拡充により、現在、育児休業からの復帰率は100%となっている。そして介護サポート関連の制度では、まず最大93日まで介護休業の期間を設け、配偶者や父母、子ども、配偶者の父母、その他会社が認めた人への介護に対して申請可能とした。これと合わせて別途時短勤務制度も整えている。○オフィススペースも50%削減ポリコムジャパンにおける、こうしたテレワークを軸とした多様な働き方の実践は、同社の「ダイバーシティ推進戦略」に基づいたものだ。「生産性の向上と業務の効率化、事業継続・リスクマネジメント、経費の削減をきっかけに、テレワーク活用を中心戦略とした柔軟な職場環境の構築を目指すのがダイバーシティ推進戦略です」と藤井氏は説明する。また同戦略に基づきテレワークを推進するための3つの柱として、先に挙げた制度改革と合わせて、インフラ・運用ルールの整備、オフィスの最適化を掲げている。このうち運用ルールとしては、Microsoft Lyncによる労働時間中のプレゼンス表示、Outlook利用でのスケジュール開示、セキュリティに関する社員の意識向上など6項目が必須として定められている。そしてオフィス最適化を象徴するのが、2014年6月9日に移転した東京・東新宿の新オフィスである。新オフィスでは、必要時のみオフィスに出勤する「テレワーク特化型」の仕事環境へとシフトするべく、フリーアドレス型のオフィスとして個々の固定デスクを廃止(技術職などの専門職を除く)。また資料など私物保管用のロッカーを設け、社員のニーズに対応しながら、仕切りのある席やオープンスペースなど用途に合わせて利用できる設計とした。「さまざまなライフステージにいる社員の自由な働き方を支援するために、これまで当社で培われてきたノウハウをベースにしながら新たなオフィス環境を構築しました」(藤井氏)社長室についても、社長が不在の際は会議室として利用可能とするなど、徹底的なオフィススペースの最適化を図った結果、前オフィス比で約50%ものスペースを削減することができた。そうして、顧客やパートナーへのサポートを強化するための「東京カスタマーエクスペリエンスセンター(TCEC)」を同オフィス内に新設することができたという。○テレワークが自然と可能になる技術の提供をポリコムジャパンの代表執行役社長、三ッ森隆司氏は、自社でのテレワークの取り組みについて次のような見解を示す。「われわれ自身が離れた場所にあるPCやモバイルからでもコミュニケーションを行うための技術手段を提供しているわけですが、それがあることで自然とテレワークやモバイルワークが実践可能なのだといった効果や意義を実感することができました。それとともに、テレワークを活用する社員自身のプロフェッショナルな業務遂行と高い意識も、テレワークを成功させるポイントであることも再認識しました」「お客さまを見渡すと、出張旅費の削減など、最初は目に見える効果を動機として当社の製品を導入いただき、その後、効果を実感しながらワークスタイル変革へと広げていくケースが多いようです。自社でテレワークを実践することで、ワークスタイルの部分に拡大していく際のサポートも充実できればと思っています」(藤井氏)今後ポリコムジャパンでは、さまざまな場所で働くことができるワークスタイルを普及していくというミッションのもと、自ら製品を活用し実践しつつ、自然とそうした働き方が浸透していくような展開を目指していくという。
2015年11月05日●日本が抱える課題世間ではマイナンバー制度に関するニュースが多数報道されているが、今年の12月から施行される重要な法律があることも忘れてはいけない。改正労働安全衛生法に基づく、ストレスチェック制度である。従業員50人以上の事業場では、今後年に1回全従業員へストレスチェックを実施し、従業員のストレスの状況について検査を行わなければならない。マイナンバー制度への対応に向けて、業務も費用も企業にとって負担が生じるなか、この法律も重荷に感じている企業も少なくないだろう。しかし、この法律の背景には、日本の経済力を高めることを目的とした政府の考えがある。10月13日、メンタルヘルス関連サービスを展開するアドバンテッジ リスク マネジメントは、ストレスチェック制度に関するセミナーを開催した。当日は同社の代表取締役社長である鳥越慎二氏が講演。当日の講演内容についてお届けしよう。○職場におけるメンタルヘルスの状況警察庁による自殺者数の調査では、総数は減少傾向にあるものの、「被雇用者・勤め人」にあたる労働者の自殺者数は横ばいで推移している。平成26年度では、総数が25,427人に対し、労働者の自殺者数は7,164人で、全体のおよそ28.2%を占める高い割合となっている。自殺の理由はさまざまであるが、「その多くが鬱状態ではないか」と鳥越氏は推測する。ちなみに、交通事故による死亡者数は平成26年度で4,113人となっている。比較すると、労働者の自殺者数は交通事故死者数の1.7倍となっていることがわかる。また、厚生労働省による精神障害などの労災補償の調査では、平成26年度の労災請求件数は1,456件、認定件数は497件、うち自殺件数は99件となっており、いずれの件数も過去最多となっている。従業員がメンタル不調などで休職・退職することによって、実は大きなコストがかかっている。休職前後の周囲の従業員が手伝う残業代や、休職中の本人への手当、周囲の業務調整、事務対応など、さまざまな場面で人件費が発生し、内閣府によると一人の従業員(年収約600万円想定)が6カ月間休職した場合に発生するコストは、422万円にのぼるという。さらに、その従業員が退職し、新たな人材を採用するためのコストは、約180万円(年収×30%で試算)だと言われている。これらの状況を受けて、政府は企業の健康経営の推奨やブラック企業の是正など、さまざまな施策を実施・検討している。●ストレスチェック制度のポイント○ストレスチェック制度の目的は?鳥越氏は、ストレスチェック制度のポイントとして次の3点を挙げた。50名以上の事業場について、医師・保健師などによる全従業員へストレスチェックを実施し、実施した医師・保健師より従業員へ直接チェック結果を返却高ストレス状態かつ申し出を行った従業員への医師による面接指導の実施面接指導の結果に基づき、医師の意見をふまえて必要に応じた就業上の措置これは、法律で定められている基本的なポイントとなる。しかし、鳥越氏も参加していたという法案公布後の審議会では、法律で触れられていない点に対して付け加えを行ったという。鳥越氏は「ストレスチェックを実施するだけでなく、ストレス問題を改善することが重要」とし、さらに3つのポイントについて説明した。まず、「企業の集団分析」である。ストレスチェックの結果を部署ごとに分析し、企業は職場環境改善のために活用するよう求められている。集団分析は努力義務とされているが、鳥越氏は「"努力義務"とは、"努力することが義務"なので、これはほぼ義務ということ。ストレスチェックを行っただけでは、改善されない。改善するためにはストレスチェックの結果を利用し、企業が努力することが必要」と説明した。2つめは、「相談窓口の案内」である。ストレスチェックを行った結果、高ストレス判定を受けた従業員は、その後会社に対して医師による面接指導の申し出を行う必要がある。「高ストレス状態の人が、果たして自分で申し出をするものか?」と鳥越氏は疑問を投じる。そこで、医師面談とは別にカウンセリングなどが受けられるような環境の整備をすることが、推奨されている。3つめは、「労働基準監督署への報告」である。企業はストレスチェックの実施日・チェックを受けた人数・フォロー状況を、労働基準監督署に報告することが義務付けされている。「この報告内容によって規制や取り締まりは行わないとされているが、十分に注意した方がよい。政府はこの報告内容をブラック企業対策の参考にすると考えられる」と鳥越氏は促す。「ストレスチェック義務化の目的は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的であって、ストレスチェックをすることが目的ではない。この目的のために、ストレスの原因となる職場環境の改善を行うことが、企業が求められている対応である」(鳥越氏)●ストレスチェック制度で求められる対策○企業と従業員、双方に求められる対策ストレスチェック制度の実施にあたり、企業が行わなければならないこととして、まず、衛生委員会などで調査審議を行い、社内規定を定め、従業員に周知する必要がある。また、実施する医師は誰にするのか、帳票の回収やデータ入力など、ストレスチェック結果を出力するまでの情報を扱う実施事務従事者を誰にするのかなど、体制を決めていく必要もある。鳥越氏は「事業者はストレスチェック制度に対する基本方針を決める必要がある。それによって、対応の仕方が変わってくるからだ」と話す。今回の法令に遵守するレベルで考えるのであれば、ストレスチェックの実施と医師面接の実施を行えばよい。しかし、メンタル不調者の未然予防も考えるのであれば、前出の外部相談窓口の設置についても検討する必要が出てくる。さらに、メンタルヘルス対策にとどまらず、組織改善や活性化をはかり、企業の生産性を向上させようと考えるのであれば、しっかりとした組織分析・改善施策の実行が必要となってくる。また「企業だけでなく、従業員も意識を変える必要がある」と鳥越氏は話す。「政府が推奨するストレスチェックに関する57の質問項目はNIOSH職業性ストレスモデルを参考にしてつくられている。しかし、このモデルにあって、ストレスチェック推奨項目に欠けているのが、『個人的要因』に関するチェックだ。個人の性格などを抜きにしてストレス対策を進めても、効果が出ないケースがある。ストレスは客観的には存在しないもの。個人の受け止め方によってストレスに変わる。従業員も刺激に強くなるために努力する必要がある」(鳥越氏)鳥越氏は、ストレスチェック制度の実施にあたって「自分の会社がどういった対応をするのか、従業員は会社を判断するきっかけになる」と言う。きちんと運用できる体制で、従業員の期待に応える制度運用を行うことが、望まれる。
2015年10月21日いよいよマイナンバーの通知カードの送付が始まります。また、マイナンバー制度のもうひとつの番号、法人番号の通知、公表も始まり、ここからマイナンバー制度がスタートします。その一方で、内閣府が9月に公表した世論調査では、マイナンバー制度について「内容まで知っていた」と答えた人の割合が43.5%と5割にも満たない現状が明らかになっています。そのほか民間企業などの調査結果では、マイナンバーの取り扱いが必須となる中小企業の取り組みの遅れも明らかになってきており、平成28年1月から利用が開始されるマイナンバー制度がスムーズにスタートできるのか懸念の声もあがっています。今回は、最新の情報を整理、確認してみましょう。○通知カードの送付および個人番号カードの交付申請最新情報整理総務省のお知らせ「個人番号の通知に係るスケジュールについて」によると、マイナンバー通知カードの「お届けの時期」について「概ね10月中旬~11月中を予定」としています。住民票を有するすべての個人(約1億2,800万人)にマイナンバーを付番した後、世帯単位(約5,600万世帯)に簡易書留で送付するわけですが、これだけの数の簡易書留が送付されること自体、前代未聞のことですので、さすがに一時期に集中して送付することは難しく、1カ月以上の時間をかけての送付となってしまいます。また、簡易書留での送付ですので、届け時本人不在の場合は再配達が必要となったり、土日に地区の郵便本局へ引き取りにくる人が殺到したり、受取人不在のまま市区町村まで返送されるものも多数でることが想定されています。返送されたマイナンバーの通知カードは再送付が行われることになっているようですが、住民票を有するすべての個人がマイナンバーを受け取るまでには相当の混乱が起きてしまうことが予想されます。送られてくる通知カードですが、図1のように、マイナンバーの通知カードと個人番号カードの交付申請書が一体となった様式で送られてきます。通知カードは氏名、住所、生年月日、性別の個人4情報とともにマイナンバーが記載されています。顔写真が掲載されていないため身元確認には使用できませんが、番号確認が必要なシーンでは個人番号カードを取得するまで、この通知カードを使用することになりますので、大事に保管しておく必要があります。また、個人番号カードを申請する場合は、この交付申請書書に顔写真を添付して書面で申請するのが基本ですが、パソコンから指定のWebサイトに進み、申請書に記載されている「申請書ID」を入力して申請する方法や、申請書下部のQRコードをスマートフォンで読み取ってWebサイトへ進み申請する方法なども用意されています。○法人番号の通知・公開法人番号の通知・公開のスケジュールも法人番号の付番機関である国税庁より、図2のとおり公表されています。こちらも10月下旬から11月中くらいの期間に通知書が発送されるとともに、国税庁の法人番号公表サイトに法人名称・所在地・法人番号の基本3情報が公表される予定です。法人番号は公表される番号ですから、いつでも入手可能ではありますが、取引先などの法人番号を記載しなければならない書類の提出時期までには、確実に入手できるように段取りだけはつけておく必要があります。○今年中にマイナンバーを収集するために考慮しておくことこの連載では、中小企業のマイナンバー取り扱いの入り口となる従業員などからのマイナンバーの収集を、マイナンバーが送付される10月から11月にかけての期間で行うことを提案してきました。それは、来年の年末調整時期以前にもマイナンバーの利用が必要となるケースもあること、また来年のこの時期に収集しようとすると必ず通知カードを失くした従業員や扶養親族が出てくることが想定されることを考慮した提案でした。先に見たとおり、市区町村によっては送付時期が11月下旬までかかってしまうことや、最初の送付で受け取れず再送付を待たなければならない従業員も出てくることを想定すると、従業員などからの収集に12月までかかることは想定の上で、収集スケジュールを組み直す必要があります。すでに、従業員へのマイナンバー提供依頼の案内や収集したマイナンバーの安全管理措置など必要な準備を整えている場合は、通知カードが手元に届いた従業員から順次収集していくほうが、一斉に収集することにくらべると非効率のようでも実際的な対応方法といえます。また、現時点でマイナンバー制度への対応準備が充分にできていない中小企業の場合は、あわてて従業員などからのマイナンバーの収集を始めるのではなく、マイナンバーの利用分野である税や社会保障の専門家である税理士や社会保険労務士に相談して、まず制度への理解を深めるとともに、自らの企業規模に応じた方法として、これら外部の専門家にマイナンバーの取り扱いも委託する方向で相談していくことが、対応準備の近道となります。そのうえで、信頼できる税理士などにマイナンバーが必要となる源泉徴収票作成業務とあわせてマイナンバーの取り扱いを委託する場合は、税理士事務所と企業との役割分担を決め、企業がうけもつ役割に応じて安全管理措置を講じてから、従業員などからのマイナンバーの収集を開始しても、遅くはないのではないでしょうか。著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年10月13日IDCフロンティア(IDCF)は10月9日、社員の健康増進を目的としたプログラムや中途採用制度を導入し、社員の健康を運動や休息面からサポートすることでサービス品質の向上を目指すことを発表した。具体的なプログラムや採用制度として、同社は5つの内容を提示している。1つめは、「拠点間踏破ウォーキングプログラムの実施」。IDCF本社のある東京と西日本の最大拠点である北九州データセンター間の距離にちなみ、10月1日から2016年2月末までの5カ月間で約1,030km相当の歩行踏破を目標としたプログラムを実施するという。業務時間内にこだわらずプライベートも対象としており、スマートフォンのアプリを利用した歩数計測や、目標達成者への旅行やテーマパークチケットなどのインセンティブも取り入れることで多くの社員の参加を促すほか、上級者には東京-沖縄間の約1,555kmや初級者向けの400kmコースも用意している。2つめは、「自転車通勤のトライアル実施」。電車やバスなど公共交通機関での通勤が主となる本社勤務の社員を対象に、自転車での通勤をトライアルで実施しており、本社敷地内に専用の駐輪エリアも設け、自転車を利用することで身体への過度な負荷を抑えながら、通勤時間を有酸素運動に充てて継続をしていくことを目的としている。3つめは、「フルチャージ入社制度の継続」。中途採用のエンジニアやデザイナーを対象に、入社日から1カ月間の特別有給休暇の取得と、試用期間満了後に100万円を支給する「フルチャージ入社制度」を5月1日より導入しており、入社日から休暇を1カ月間付与することで、心身の十分なリフレッシュと新たな業務へスムーズに移行できる準備期間として活用してもらうことを目的としている。なお、同制度を利用して入社している社員の勤務状況も良好なことから、制度の実施期間を当初の9月末から2016年3月31日まで延長をしている。4つめは、「繰り上げ出勤者を対象にした朝食費補助プログラムの導入」。8:30までの繰り上げ出勤者を対象にオフィスで朝食を摂ることを薦め、毎日500円の朝食費を会社が補助する「アーリーバードプログラム」を導入している。5つめは、「KENKO企業会への参加」。テルモなど14社が設立メンバーとなり、社員の健康増進に取り組むために6月22日に設立された「KENKO企業会」にIDCFも新たに参加し、会員各企業がボランティアベースで各社の健康管理プログラムの共有や新たな企画の発案などを行う中、IT企業ならではの社員の健康に関する課題や維持に関するノウハウなどを共有し、メンバー各社の社員と家族をあわせて30万人のバーチャル健康コミュニティの中での効果的な施策を検討していくとしている。
2015年10月09日オービックビジネスコンサルタント(OBC)は9月18日、企業が行う初めてのストレスチェック制度の準備に対応したオールインワンサービス「OMSS+ストレスチェックサービス」を同月24日から同社の販売パートナーを通じて発売すると発表した。同サービスはOBCの業務サービスとして年間利用型で提供し、価格は税別でProfessionalタイプ(実施者・相談センターIT受検/分析)は9万5000円(社員数100名まで、人事奉行所有のOMSSユーザーの場合)~。同サービスは厚生労働省のガイドラインに則ったサービス設計をしており、法令完全準拠。専用導入運用ガイドでは企業に必要な体制構築の手順や準備書式を提供し、IT受検サービスでは「職業性ストレス診断簡易票」をベースに、57問・23問・80問の設定が可能。努力義務となっているストレス状況の組織分析は厚生労働省が提唱する「仕事のストレス判定図」に沿って、企業全体、組織のストレス状態を把握でき、努力義務となっている職場環境改善の指標として利用できる。また、メンタルヘルスに精通した専門医を実施者として提供し、実施者はITによって収集された診断結果を総合的に判断し、高ストレス対象者と面接勧奨などを適切に判定。実施結果に対して、実施者は企業の状況を適切に分析し、改善ポイントやアドバイスをレポート。さらに、利用企業の総合的なサポートするために相談センターを設置し、対応するスタッフは産業保健に精通した事務スタッフ・産業カウンセラー・社会保険労務士などのプロ集団が総合的に対応。相談は体制構築・書面作成・ストレス実施・分析など多岐に渡る内容に対応し、初めての制度対応・ストレスという未経験な内容に対し相談することが可能で従業員からのストレス診断結果に関する直接のお問い合わせに対応する。
2015年09月18日NECは9月16日、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の開始に伴い、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から、全国の地方公共団体(7月時点で1743団体)の個人番号カード(ICカード)交付窓口で、本人確認に利用される「個人番号カード交付窓口用顔認証システム」を受注したことを発表した。同社によると、顔認証システムが全国の地方公共団体において統一的に導入されるのは、今回が初めての事例となるという。本システムは、地方公共団体の窓口において個人番号カードの交付を希望する住民に対し、来庁者と個人番号カードの顔写真を照合、もしくは、来庁者と個人番号カード交付申請書の顔写真を照合するもの。これにより、地方公共団体における個人番号カード交付時のなりすまし対策などに対して有効だとしている。同社によると、採用されたシステムには、同社の顔認証エンジン「NeoFace」を活用しているという。
2015年09月16日NECは9月14日、山梨県甲州市から、社会保障・税番号制度(以下、マイナンバー制度)を扱うすべての住民基本台帳システム端末約160台のセキュリティ強化に向け、顔認証セキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor V2」を受注したと発表した。甲州市は2016年1月のマイナンバー制度運用開始に合わせ、同ソフトウェアの利用を開始する予定。「NeoFace Monitor V2」は、顔認証エンジンをベースに、顔認証によるPCログオン、ログオン中の利用者の常時監視を可能とするソフトウェア。端末を複数の職員で共有する場合でも、利用者を個人単位で認証し、いつ誰がアクセスしたという利用履歴が確実に残るため、職員の不正利用への心理的な抑止効果も期待できる。常時監視機能により、端末利用者の離席をすぐに検知して自動で画面をロックするとともに、ログオン中に未登録ユーザーが着席した場合も検知して画面をロックする。これにより、未登録ユーザによる不正利用を確実に防ぐ。
2015年09月15日株価が乱高下する中、上場各社が長期株主確保のために充実させているのが「株主優待制度」だ。だが、これまで株式を保有したことのない人にとっては、株の購入はハードルが高いかもしれない。そこで今回は、投資情報会社のフィスコ 情報配信部 株式アナリストの小林大純氏に、株主優待を受けるための株式購入の方法など、「株主優待制度」の基本についてインタビューした。○「株主優待制度」、利用できる条件とは?――株主優待の基本について、株を持てば受けられるというのはわかるのですが、何株持てばいいのかなど、その辺りから教えていただけますでしょうか。株主優待というのは、上場企業が株主に長期的に株を保有してもらいたいとか、そういった目的のために、自社の商品をプレゼントしたり、あるいはサービスを提供したりといった、文字通り贈呈する仕組みです。受けるためには幾つかの条件があります。1つ目が、1年の決まった時に株式を保有している必要があることです。おおむね、企業には1年のうちで決算期があり、大抵の場合は3月ですが、2月、1月というところもあります。決算の期末であるとか、3月期末の決算企業であれば9月など中間期ですね。多いのは年に1回期末のとき、あるいは期末と中間の年に2回、その時時点の株主さんに株主優待をするというケースです。ですので、株主優待を受けるには、その企業が、いつ時点の株主さんに株主優待するかを確認する必要があります。――なるほど。企業ごとに決まった時点でその企業の株を持っているかどうかが株主優待を受ける第一の条件なんですね。それはどうやって調べればいいのですか?企業のホームページを見ますと、IRサイト、つまり株主向けページに、株主優待のコーナーを設けている企業が多く、「基準日」といいますが、いつ時点で株主である必要があるかということが記載されています。――たとえば、3月期末の会社は、3月31日に持っていればいいということですか。そこが注意点です。初めて株をする人は間違いやすいことなので、ぜひ注意してほしいのですが、3月期末の会社は3月31日時点で株主であることが必要であることが多いのですが、証券会社さんで株を買いますと、発注して即日それが自分のものになるわけではないのです。たとえば31日の3営業日前までに買う必要があると、決済が終了して自分の名義になるのが3営業日後になります。3営業日前が「権利付の最終売買日」となります。権利を取得するためにその日までに買っておく必要があるのです。――最終売買日は、3月31日の3営業日前になるということですね。そうです。その時点で買っておく必要があります。3月末が株主優待の「権利確定日」である場合は、その3営業日前が「権利付の最終売買日」です。具体的にいいますと、今年の3月は、31日が火曜日、この時点で証券会社さんで株を買いますと言ってもだめです。3月27日までに買っておく必要がありました。この3月27日が「権利付の最終売買日」です。企業のホームページを見ると、「権利確定日」は3月末時点の株主様と書いてあったりしますが、これを3月末に買えばいいという誤解をしてしまうと、31日に買っても優待は受けられないのです。――なるほど。「権利付の最終売買日」が重要なんですね。もう一つ注意してほしいのは、保有株数の条件が設定されています。大抵の場合は、売買するための最小単位、「単元」といいますが、100株、1000株の企業が多いです。今は大抵100株ですね。最低の売買単位が100株の企業ですと、100株持っている株主から優待を提供しますよという企業が多くありますが、たまに300株以上の株主とか、500株以上の株主いう条件がある場合もあるので、何株以上からの株主が対象かということを確認する必要があります。また、100株以上が対象の企業でも、500株以上の株主さんになると贈呈品が倍になるとか、段階的に優待のボリュームがアップするケースが多くあるので、これも確認しておきたい点です。――よく条件を確認しておく必要がありますね。株主優待を受けるためには1単元以上という企業が多いのでしょうか。そうですね。そもそも、株式投資は1単元以上から可能ですので、最低投資金額以上であれば優待対象という企業さんが多いです。まれに、「1単元」が100株でも、500株以上でないと株主優待の対象にならないというような企業もあるので気をつけたほうがいいですね。○企業は何のために株主優待をやっている?――最初の話に戻るかもしれませんが、企業は何のために株主優待をやっているのでしょう?自社の商品を提供してファンになっていただいて、直接株を保有してもらう。BtoCの企業ですと、優良顧客にもなり得るわけです。そういった意味で、長期株主を定着させたり、消費者としてのターゲットとして自社の商品のファンになってもらう、そういう狙いで株主優待を提供している企業が多いですね。また、最近出てきた動きですが、保有している期間によって優待内容に差をつける企業が出てきています。たとえば、100株以上を3年以上保有していると、今までの優待が1000円分だったのが2000円分になります、など。長く持っている株主さんに手厚くする傾向が最近徐々に出てきていまして、これも注目すべき動きです。――それはどういった理由からですか。ファンになってもらうことや、株価の安定でしょうか。そうですね。株価の安定や、安定株主をつくるということですね。企業同士の株の持合いの解消ということもあり、個人投資家に安定株主になってもらおうと。――なぜ持合いの解消が必要なのでしょう。「コーポレートガバナンス・コード」で、極力持ち合いはやめましょう、やる場合は説明しましょう、という制限がついてきました。○株主優待のリスクはある?――中国の問題で株が下がったりしています。個人の投資家にとっての株主優待のメリットは、商品・サービスが受けられるということだと思いますが、リスクはどうでしょうか。当然、株式ですので、投資した原資が100%返ってくるというわけではなく、場合によっては100万円投資したものが50万円になってしまうとか、ほとんどないですが、倒産してゼロ円になってしまうとか、そういうケースもあります。ですので、優待の商品の中身も大切ですが、その企業がどういったビジョンで経営していて、どういった成長戦略を持っているのかとか、そういった見極めも大事になってくるのです。――企業がどうなるか予測するのは個人投資家にとって、経済の勉強にもなると思いますが、どのあたりを見ればいいですか。ファンドマネージャーでもなく、アナリストでもなくという場合に、企業の株を買う買わないという、どの辺に判断の基準はありますか。1つは業績のトレンドです。決算短信、東証の適時開示システム(TDnet)など、企業の業績を開示する資料はたくさんありますので、そういったところをごらんになっていただいたらいいと思います。赤字か黒字かだけではなく、直近2期、3期ぐらいの利益の増勢、トレンドが出ているかとか、そういったところは簡単に見ることができると思います。また、財務情報を見るのは一般の投資家には難しいと思いますが、企業の決算を監査する監査法人が、企業が継続していくことに対して注意すべきところがあるのかどうか意見を付している、継続疑義の注記というのがあります。これは、企業が継続していく際に、たとえば何期赤字になっているので、このまま赤字が続くと資本を食いつぶして危ないとか、負債が増えていて危ないとか、注意点があれば投資家さんに知らしめるための注記を付しています。継続疑義の注記がついている、ついていないとかを見るだけでも参考になります。短信自体に継続疑義の注記が付されているのですが、たとえばネット証券会社のWebサイトでは、継続疑義の注記がついている企業の一覧が載っているケースが多いです。投資情報の一環としてそういうリストがあったりします。投資したいと思っている企業がそこに該当するかどうかのチェックは簡単にできます。○「配当」も考慮すべき?――株式を持っていると配当もあるかと思うのですが、株主優待目的で株を購入する場合でも、配当は気にするべきですか。配当も株主への還元という意味で、個人投資家にメリットがあります。配当は機関投資家も含めてメリットがありますが、株主優待は機関投資家にはあまり人気がありません。機関投資家は大量のロットで株を持っていても、優待が要らない人たちですので。個人の投資家さんにしてみれば、投資していることで得られるリターン・メリットの考え方として、優待と配当を合わせた総還元利回りというものがあります。たとえば100万円投資したら3万円の配当がもらえて、同時に優待が1万円分もらえるとします。100万円の投資に対して1年間で4万円、4%のリターンが得られるわけです。両方合わせてどのくらいのリターンが得られるのかという、総還元利回りという考え方で投資先を検討している投資家も増えています。――配当額はどうやってわかるのですか。企業さんの決算短信に記載されています。1株あたりで記載されています。100株持っていたら×100すればいいのです。自分がいくら投資したかによって、何%のリターンかというのがわかります。――優待もそうですが、配当もうれしいですね。個人投資家がひかれるのはワクワク感ですので、配当も考慮することで、その企業がどんなことをやっているのか理解する助けになると思います。○おすすめの銘柄は?――小林さんから見ておすすめの銘柄はありますか。外食系だと、食事券、割引券がもらえることが多いですが、注目して見ているのは、アスラポートダイニングです。牛角など多業態でレストランを経営しています。ダイヤモンドダイニングも多業態で展開しています。最近、多業態で展開している企業も多いので、優待の使い道がいろいろあるので注目しています。――なるほど。外食産業にそういう傾向があるのですね。注意点の1つになってくると思うのですが、外食企業などサービス系の企業全般にいえると思うのですが、近くに使える店舗があるかどうか確認していただきたいですね。首都圏で展開している企業で、大阪在住の投資家は店舗利用券をもらっても使えないということになりますので、実際に使える店舗が近くにあるかどうかが大事になってきます。一方、そういう株主に配慮しようということで、最近、サービス系とか外食系含めて、自社店舗での利用券または商品を発送しますという企業も増えてきている。そうすると、使える店舗が近くになくても、その企業の商品を取り寄せて楽しむことができます。――外食系以外におすすめの企業はありますか。皆さんのご趣味だとか、それぞれ違ってくると思うのですが、会社のサービスなどが目に見えるというのが株主優待を受ける楽しみでもありますので、サービス系がいいと思います。たとえば、カラオケをよくされるのであればシダックスですと利用券がもらえます。また、ネットカフェをよく利用する人にとっては、「自遊空間」を展開しているランシステムもいいかもしれません。身近でこういうサービスがいいなと気づいたときに、そこが上場されている企業であれば優待がないかと調べてみるのも楽しみの一つだと思います。自分の普段の生活から探してみるということです。――あらためて自分の生活を振返ってみるのもいいかもしれませんね。最近検索エンジンも進化していまして、FISCOウェブでもキーワード検索といって、「自遊空間」と入れるとランシステムが出てきます。弊社の投資情報アプリである「FISCOアプリ」は、投資家向けに提供させていただいているのですが、こちらでもキーワード検索ができますので、たとえば店名と会社名が違うというケースはあるのですが、店名検索していただければ、運営されている会社にたどり着くということはできます。○手元にいくらあれば、株主優待目的の投資を行える?――手元にいくらぐらいあれば、株主優待目的の投資を行えますか?最近は東証の指導がありまして、投資のために必要な最小単元を広く投資家に持ってもらうために引き下げましょうという動きがありまして、最小限の投資単位で持とうとすると安くてすむようになってきています。単元の株数が少ない会社ですと数万円から投資できますし、多いところでも数十万円、50万円未満にしましょうという指導されています。この範囲内に収まる企業さんが大抵です。――50万円未満でできるということですね。ボーナス1回分ぐらいでしょうか。10万円未満で買える株特集なども雑誌で組まれていますので、あきらめずに探せば、余裕資金が10万未満しかないという人でも投資できます。弊社でも特集をやっています。――フィスコさんで特集を組むというのはホームページ上でということですか。先ほどのFISCOアプリや、アプリがPCのWeb画面でも利用できる「FISCOウェブ」でも見ることができます。――「株主優待制度」を利用するだけで、いろいろな知識が身につきそうですね。本日はありがとうございました。
2015年09月15日すでに報じられている通り、2016年(平成28年)1月から「マイナンバー制度」がスタートします。正式名称は、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年5月31日法律第27号、通称「番号法」)に基づいた「社会保障・税番号制度」。社会保障と税に関する行政手続きで利用するため、日本に住民票を持つ個人全員に対し、12桁の「個人番号」が付与されるというものです。結果として各個人の所得を正確に把握できるようになり、公平な税負担、社会保障の的確な提供などの効果が期待できるとか。また、行政機関・自治体等のさまざまな確認作業の負担も軽減されることになるといいます。とはいえ、私たちにとっては不安なことだらけ。そこで基礎知識を得るために読んでおきたいのが、『これ1冊でできるわかる 小さな会社のマイナンバー制度やるべきこと、気をつけること』(村阪浩司著、あさ出版)です。「Part 1 マイナンバー制度の基本を押さえる」から、「これだけは知っておきたいキーワード4つ」に焦点を当ててみます。■1:「個人番号」先に触れたように、マイナンバー制度においては住民票を持つ全国民に12桁の個人番号が指定されることになります。そして原則的に、一度指定された個人番号は生涯変わらないのだといいます。間もなく2015年10月以降に通知カードが配布され、さらに希望者には2016年1月以降、個人番号カードが交付されるそうです。ちなみにこれは写真つきなので、申請者の個人番号の確認だけでなく、身元確認にも有効。■2:「法人番号」法人番号とは、「国の機関、地方公共団体、会社法その他の法令の規定により設立の登記をした法人」、あるいは労働組合やマンションの管理組合などの「上記以外の法人又は人格のない社団等であって、法人税・消費税の申告納税義務または給与等に係る所得税の源泉徴収義務を有することとなる団体」に指定されるもの。難しい表現ですが、つまりは各種法人や団体のための番号です。■3:「特定個人情報」特定個人情報とは、個人番号や、「個人番号に対応する符号」を含む個人情報のこと。ちなみに「個人番号に対応する符号」というのは、個人番号に対応し、個人番号に代わって用いられる番号や記号などで、しかも住民票コード以外のものを指すのだといいます。■4:「特定個人情報ファイル」特定個人情報ファイルは、「個人番号や個人番号に対応する符号」をその内容に含む個人情報ファイル。民間の企業の場合は、個人情報保護法に定める「個人情報データベース等」と同じ意味だそうです。*これが、マイナンバー制度の基本的な部分。これを踏まえたうえで、会社の仕事がどう変わるのかを、本書ではわかりやすく解説しています。なんらかのかたちで自分自身にも関わってくる問題ではあるので、本書でしっかりと知識をつけておきたいところです。(文/印南敦史)【参考】※村阪浩司(2015)『これ1冊でできるわかる 小さな会社のマイナンバー制度やるべきこと、気をつけること』あさ出版
2015年09月07日富士通は9月2日、同社グループのマイナンバー制度に対する取り組み状況に関する説明会を開催した。冒頭、富士通 マーケティング戦略室 番号制度推進室長 木田順啓氏は、富士通グループのマイナンバーに対する取り組み方針を、「富士通では、マイナンバー制度を社会基盤の1つとして捕らえており、間近に迫ったマイナンバー制度施行に向けた対応と、将来の利活用についてICTの観点から支えたいと思っている」説明した。同社ではマイナンバー制度のビジネスを、政府・官庁向け、自治体向け、民間向けの3つの分野に分けており、政府・官庁向けでは市場規模1,000億の2割にあたる200億、自治体向けでは市場規模1,000~1,500億円弱のうち350億円、民間向けでは100億円の、計650億円の獲得を目標に設定しているという(2014年度~2016年度)。なお、これらにはマイナンバーの利活用の部分の金額は含まれていない。同社のマイナンバーに対応のスケジュールとしては、マイナンバーの通知が開始される2015年/10月、各種手続きの利用開始となる2016年/1月、新入社員への対応が必要な2016年/4月、2016年の年末調整への対応が必要な2016年/9月の4つボリュームゾーンを想定しているという。マイナンバー制度では、ガイドラインで示された安全管理措置が対応が大きな課題になっているため、同社では運用プロセスの見直しをシステムの改修とともにやっていくという。セキュリティ対策について木田氏は、「マイナンバーのためにセキュリティを強化するのではなく、内部統制、情報漏えい対策なども含め、マイナンバーを1つの契機にセキュリティ対策を見直してほしい」と語った。富士通のマイナンバー対応ソリューションには、コンサルティングサービス、システム対応、教育サービス、セキュリティサービスがあり、システム対応では、既存システムの改修、別システムとしてのアドオン、マイナンバー管理をアウトソーシングするBPOサービスが用意されている。同社によれば、現在はマイナンバーの配布が近いこともあり、ほとんどの顧客はマイナンバーの収集方法で悩んでおり、できるだけ手間がかからず、無理のない方法で、安全でセキュア、ミスのない収集方法を模索しているという。なお、マイナンバー対応では各省庁から出されているガイドラインに適合させる必要があるが、具体的なものが示されておらず、対応を迷う面がある。これに対して、富士通グループではSDN規格を決め、その中にアクセス制御、ログの消去など、マイナンバーに向けた基準を設け、それを満たさないと出荷できない仕組みになっているという。木田氏はこの点について、「ガイドラインをどう理解していくかについては、昨年の12月にガイドラインが出される以前から対応をを検討し、基準を定めてきた。また、富士通自身も大きな会社なので、どういった対応すべきかについては、社内にもPDCAサイクルをまわすような仕組がある。これら社内実践の経験もシステムに反映していきたい」と述べた。
2015年09月03日森永乳業グループのクリニコはこのほど、栄養補助食品「エンジョイゼリー プリン味」を発売した。○要望の多かった新フレーバー"プリン味"が登場「エンジョイゼリー」は、優しい甘さとゼラチン特有の口の中でゆっくりと溶けるなめらかさで、飲み込む力が弱い人でも食べやすいゼリー。また、たんぱく質・脂質・炭水化物という3大栄養素をバランスよく含んでおり、栄養補給にも最適だという。今回は、「エンジョイゼリー」で"食べたい味"として要望の多かったプリン味を発売する。どんな人でも食べやすく飲みこみやすいようゼラチンを使用。なめらかで濃厚な、カスタードのようなプリン味のゼリーに仕上げた。1パック(220g)当たり300kcalのエネルギーで、夏バテや夏風邪など食欲がない場合でも十分に栄養補給可能となる。家庭用には通販にて販売する。同社通信販売価格(送料・税込)は、10パックで2,700円。30パックは7,128円。
2015年08月30日年長児頃になると、そろそろ補助輪なしで自転車に乗らせたいと思う時期。補助輪なしで自転車に乗るためには当然練習が必要になりますよね。ただ、そこで1つ問題が出てくるはず。それが「自転車を練習させる場所がない」という問題です。特に都会在住の人は、自転車の練習場所がなかなか確保できないのでは?そこで今回は、先輩ママたちのアドバイスを元に、自転車に乗る練習ができる場所を紹介していきましょう。子どもの自転車の練習場所(1)自転車OKの公園公園には、自転車OKのところとそうでないところがあります。近所の公園情報をチェックしてみましょう。自転車OKの公園であれば、練習することができます。自転車OKと言っても、大人向けのサイクリングコースを設けているところは、子どもの自転車の練習には不向きかもしれません。なるべく広いスペースが確保できる公園を探して、周りに迷惑がかからないような場所を調べておきましょう。自転車自体がダメな公園、自転車の持ち込みがNGな公園など、それぞれで詳細は異なるのでルールを守って練習しましょう。子どもの自転車の練習場所(2)遊歩道や交通量の少ない住宅地車が通らない場所なら、比較的安心して自転車の練習をさせることができます。実際に、「練習するところがなくて、遊歩道で練習させていた」というママや、「子どもが多い住宅地はみんなが寛容だから練習しやすい」というママもいました。周辺環境などもチェックして、練習しやすい環境を選べるといいですね。子どもの自転車の練習場所(3)学校の校庭どうしても練習場所が見つからないという場合は、近所の学校に相談してみるのもひとつの手です。広いグラウンドで練習できれば、上達も早まるかもしれません。子どもが進学する予定の学校に問い合わせて、放課後に練習させてもらっていたという先輩ママもいるようなので、近所に自転車の練習に適した場所が全然ない!という人は、一度学校に相談してみるのもよいかも。ただし、場所を貸してもらえるかどうかはあくまで学校側の判断によります。くれぐれも迷惑にならないようにしましょう。中にはかかりつけの小児科病院の駐車場で練習したという先輩ママも! 生まれてすぐから通っているかかりつけの病院の医師に相談をして、開院前や閉院後に駐車場を貸してもらっていたという強者もいました。しかし、これは特例中の特例と考えたほうがよさそう。駐車場は基本的に車の出入りするところなので危険ですし、停まっている車を傷つけてしまう恐れもあります。「そういう人もいる」という一例として捉え、練習する場所選びは慎重に行いましょう。安全で安心な練習場所を探して、子どもと一緒に自転車の特訓ができる環境を整えていきましょう。(ライター:RUREI)
2015年08月21日レバレジーズが運営するサービス「レバテック」は7月31日、エンジニア/クリエイターが主催しているイベントや勉強会を対象とした「スポンサー制度」を開設したと発表した。レバテックでは、案件提案サービスやスキルを高める無料イベントの開催など、エンジニアやクリエイターのキャリアステップのためのサービスを提供している。今回開設されたスポンサー制度では、エンジニア/クリエイターが主催しているイベントや勉強会に対して、レバテックが開催場所や協賛金、告知サポートなどの面から支援を行う。定型のプランがあるわけではなく、その都度相談が必要となる。
2015年07月31日今年の10月からスタートするマイナンバー制度。国民全員にマイナンバーが通知され、施行されていくことになります。マイナンバー制度について、報道やCMなどで耳にしたことはあっても、その内容をきちんと理解できていない人も多いのではないでしょうか。施行される前に、制度についてきちんと知っておきましょう。マイナンバー制度ってどんなもの?マイナンバーとは、1人に1つずつ国から定められる12桁の個人番号のこと。今年の10月から通知され、2016年1月から社会保障、税、災害対策の行政手続きで使われることになります。マイナンバーは、国内に住民票を持つすべての人に与えられ、原則として一生変わりません。制度のスタートにあたって手続きなどは一切必要ありませんが、逆に「マイナンバー制度に加入したくない」ということもできません。これまで、個人の税金や社会保障に関する情報は、各自治体や税務署、年金事務所などがそれぞれ管理していました。マイナンバーの導入によって、それらが1つの番号で管理されることになります。マイナンバー制度のメリットとは現在、税金の確定申告や国民保険の加入などの各種申請には、さまざまな添付書類が必要です。しかし、マイナンバーによって税や社会保障に関わる情報が一元的に管理されるようになれば、添付書類も減り手続きが簡単になります。確定申告や引っ越しの際はもちろん、災害にあったときの支援給付を受け取る場合などは、手続きがスピーディなのは大きなメリットになります。また、所得や納税、行政サービスの受給状況がしっかり把握できるようになるため、不正を防ぎやすくなります。たとえば生活保護の不正受給などを防ぎ、本当に必要な人に行政サービスを行うことができます。さらに、手続きが簡略化するということは、行政の作業の効率化にもつながります。各種手続きの際の情報の照合や入力などが必要なくなり、作業の無駄を省くことができます。マイナンバーはどんな場面で必要?マイナンバーが必要になるのは、雇用保険や年金の手続きや確定申告、災害の支援金の受給時などです。源泉徴収票への記載も必要なため、会社勤めの人は勤務先に自分のマイナンバーを知らせる必要があります。法定調書などに記載するため、証券会社や保険会社にもマイナンバーを提示することになります。また、子どもがいて児童手当を受け取っている人は、毎年1回の現況届の際にマイナンバーを提示します。マイナンバー制度導入で考えられるリスクとは便利なことの多いマイナンバー制度ですが、導入後のリスクも考えられます。まず気をつけなければいけないのが、個人情報の流出や不正利用。先日起こった日本年金機構の情報漏えい事件のこともあり、気になるところですよね。現在のところ、マイナンバーの利用は行政手続きに関わるものに限定されていますが、将来的には民間サービスにも利用が拡大されていくといわれています。そうなると怖いのが、なりすましなどの不正利用です。番号が盗まれて知らない間にクレジットカードを作られてしまったり、ローンを組まれてしまったり…ということが、ないとも限りません。また、将来的には、個人の銀行口座もマイナンバーと関連付けられる可能性もあります。そうなると、税務署などにお金の流れがすべて把握されてしまうことに。もちろん、脱税や所得隠しなどやましいことがなければ、何も問題はないのかもしれません。でもたとえば、身内の間で気軽にお金を振り込んだら、贈与税だと税務署にチェックされる…ということもあるかもしれません。マイナンバーが通知されたら、流出を防ぐために自分自身でもしっかりと管理すること。そして、今度どのように活用されていくのか、きちんと注目していきたいですね。
2015年07月20日富士通エフサスは7月9日、2015年10月の社会保障・税に関わる番号制度(マイナンバー制度)の施行に向け、同制度に対応した業務支援、安全管理措置対応に向けたサービスを提供開始すると発表した。各サービスの価格は個別見積もり。同社は、マイナンバー制度施行に先立ち課題を解決すべく、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(以下、特定個人情報保護ガイドライン)を踏まえて、特定個人情報の収集・登録などの業務支援(常駐型など)を提供するとともに、セキュリティ強化施策を提案・実施する。「マイナンバー業務支援(オンサイト型)」としては、特定個人情報の収集・登録・保管といった一連の業務を顧客企業に常駐する(=オンサイト) ことで支援し、作業負荷軽減に貢献していく。同社施設を活用するセンター型の提供も予定している。今回の取り組みは、富士通が1月21日に発表した「FUJITSU BPOサービス マイナンバーBPOサービス」の1つに位置づけられ、富士通からの提供も予定されている。「安全管理措置対応のためのセキュリティ強化施策」としては、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインで定める安全管理措置6項目のうち、「組織的安全管理措置」「物理的安全管理措置」「技術的安全管理措置」の3つの観点から、セキュリティ施策を体系化し提案・実施する。
2015年07月10日○「個人番号関係事務実施者」とは?前回は、マイナンバー制度とはどのような制度なのか、その概要と今後のスケジュールを整理してみてきました。マイナンバー制度のなかで中小企業は「個人番号関係事務実施者」という役割をおうことになります。今回は「個人番号関係事務」とはどのような事務なのか、それを行う「個人番号関係事務実施者」に求められる役割などをみていきます。○個人番号関係事務実施者とはマイナンバー制度では、1人でも従業員を雇用している事業者であれば、自分以外のマイナンバーを取り扱うことになります。特定個人情報保護委員会の「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(以下「ガイドライン」)では、従業員を有する事業者、中小企業が、他人のマイナンバーを取り扱うことを、個人番号関係事務と呼んでいます。具体的には、従業員などのマイナンバーを源泉徴収票や健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届などの書類に記載して、行政機関や健康保険組合などに提出する事務が、個人番号関係事務に該当します。そして、この事務を行う事業者や担当者および事業者の委託を受けて個人番号関係事務を行うものを、個人番号関係事務実施者と呼んでいます。小規模な事業者であっても、法で定められた社会保障や税などの手続きで、従業員などのマイナンバーを取り扱うことになりますので、すべての中小企業が個人番号関係事務実施者となります。小規模な事業者は、個人情報保護法で定める義務の対象外ですが、番号法で定められる義務は規模にかかわらず、すべての中小企業に適用されることになります。○個人番号関係事務を適正に実施するために知っておくべきこと個人番号関係事務を適正に実施するためには、番号法や「ガイドライン」で示されている「してはならないこと」「しなければならないこと」をきちんと確認しておくことです。この回では、「してはならないこと」を中心に知っておくべきことを整理してみましょう。○マイナンバーの利用制限マイナンバーの利用範囲は、法律に規定された社会保障、税および災害対策に関する事務に限定されています。一般の中小企業の場合は、社会保障および税の分野に限定されていると考えれば良いでしょう。個人情報保護法では本人の同意があれば、他の用途に個人情報を利用することができましたが、マイナンバーはたとえ本人の同意があっても、社会保障および税の事務以外で利用することはできません。たとえば、社員番号にマイナンバーを流用することはできません。○マイナンバーの提供の求めの制限、収集制限利用に制限がありますので、従業員などにマイナンバーの提供を求め、収集する場合も、社会保障および税の事務を利用目的とする範囲でしか、提供を求めることおよび収集することはできません。前項の例のように、社員管理のためにマイナンバーの提供を求め、収集することはできません。○マイナンバーの提供制限中小企業がマイナンバーを提供できるのは、社会保障および税に関する事務のために従業員などのマイナンバーを行政機関や健康保険組合などに提供する場合に限られます。たとえば、系列会社間で従業員が出向などで移動した場合に、系列会社間でマイナンバーを提供することはできません。この場合、出向先の会社は改めて本人にマイナンバーの提供を求め、収集しなければなりません。○マイナンバーの保管(廃棄)制限マイナンバーは社会保障および税に関する事務を処理するために収集、保管するわけですから、それらの事務を行う必要がある場合に限り、保管し続けることができます。継続的な雇用契約がある場合、従業員などから収集したマイナンバーを源泉徴収や健康保険・厚生年金保険などの関連事務で翌年以降も継続的に利用することが予定されますので、継続的に保管することができます。ただし、講演や原稿などを依頼し、支払調書を作成するために、講演者や原稿の執筆者から提供を受けたマイナンバーは、翌年以降同じ講演者や執筆者に依頼する予定がない場合は、継続的に保管することはできません。こうしたケースでは、必要がなくなったマイナンバーをできるだけ速やかに廃棄しなければなりません。○番号法の罰則規定「ガイドライン」では、「しなければならない」および「してはならない」と記述されている事項について従わなかった場合、法令違反と判断される可能性があるとしています。法令違反と判断されると、罰則が科される可能性もでてきます。番号法では、個人情報保護法よりも罰則の種類が多く、法定刑も重くなっているので注意が必要です。番号法で規定されている罰則には、国の行政機関や地方公共団体の職員などを対象にしているものと、民間事業者や個人を対象としているものがあります。下の表は民間事業者や個人を対象としている罰則規定と対応する法定刑を整理したものです。(内閣官房よくある質問 (FAQ)より)この中でも最も重い法定刑のものは、個人番号利用事務、個人番号関係事務などに従事する者や従事していた者が、正当な理由なく、業務で取り扱う個人の秘密が記録された特定個人情報ファイル(※)を提供するケースで、4年以下の懲役または200万円以下の罰金となっています。また、前項で取り上げた制限事項を守らず特定個人情報保護委員会の命令を受け、それに違反したケースでも2年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。個人番号関係事務実施者となるすべての中小企業では、限られたリソースのなかでマイナンバーを取り扱うことになりますが、罰則の適用を受けるような事態を避けるためにも、マイナンバー制度への対応をしっかり準備していかなければなりません。特定個人情報ファイル:個人番号をその内容に含む個人情報ファイル(個人情報データベースなど)著者略歴中尾健一(なかおけんいち)アカウンティング・サース・ジャパン株式会社取締役1982年、日本デジタル研究所 (JDL) 入社。30年以上にわたって日本の会計事務所のコンピュータ化をソフトウェアの観点から支えてきた。2009年、税理士向けクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を企画・開発・運営するアカウンティング・サース・ジャパンに創業メンバーとして参画、取締役に就任。マイナンバーエバンジェリストとして、マイナンバー制度が中小企業に与える影響を解説する。
2015年06月22日