4月から「診療報酬」が改定され、病院の窓口で支払う医療費が変わる。医療報酬とは、診察や検査、薬などの料金や、それに伴う手数料などを決めているもので、2年に1度見直される。 今回の改定のうち、家庭に影響が大きそうなポイントは、おもに2つ。1つ目は、「初診は大病院ではなく『かかりつけ医』で受ける」体制を、さらに推進している点。2つ目は、「看護・介護から看取りまでを在宅で行う」よう推進する見直しだ。 4月からの「診療報酬」改定を踏まえ、医療費をどう節約したらいいのかを荻原さんが教えてくれた。 【1】信頼できる「かかりつけ医」を見つける 「『有名な病院のほうが安心』などと、安易に大病院を受診すると、初診料の5,000円加算と合わせ、窓口で1万円近く請求されることもあります。重篤な病気が疑われる場合も、まず『かかりつけ医』に相談し、専門病院を紹介してもらいましょう。また、経済的にも体にも負担が重い“はしご受診”は避けましょう」 【2】薬は病院に近いほど安い 「薬そのものの値段は、どこでもらっても同じ。しかし、薬をそろえるなど施設を維持するための『調剤技術料』は、薬局により異なります。今回はこれも見直され、病院の敷地内にある“門内薬局”は院内処方と同程度の100円に、病院近くにある大手チェーンの“門前薬局”は150円に引き下げられました」 【3】薬の多い人は、薬剤師に相談して減薬してもらう 「複数の病院にかかり6種類以上の薬を飲む方は、薬剤師に減薬の相談をしてみましょう。2種類以上減薬できると『服用薬剤調整支援料』が加算されますが、薬が減る分、節約効果は長く続くはずです」 【4】病院受診は時間内に 「休日や夜間の診察は割高です。初診の場合、休日だと2,500円、深夜だと4,800円が加算されます。支払いは、3割負担の方なら休日750円、深夜1,440円の加算ですが、そもそも時間内に受診すれば払わなくてすむお金です」 【5】高額療養費制度を利用する 「高額療養費の利用を勧めてくれる病院も増えていますが、すべてというわけではありません。払戻し制度があることを覚えておきましょう」 高齢者がいる家庭では、訪問診療も行う「かかりつけ医」を持つと安心。また、看取りまで担う介護福祉施設の情報も集めておこう。
2018年02月23日こんにちは。ライターのyossyです。皆さんは、「無料低額診療」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?もし、私たちが何らかの理由で医療費が支払えなくなったら困ってしまいますね。病気でとても困っているのに、病院にかかることができないのは、死活問題です。今回は、無料低額診療事業について、内容や利用方法などをご紹介しましょう。●“無料低額診療”は、生活に困っている人のための救済事業厚生労働省によると、無料低額診療事業というのは、次のようなものであるとしています。**********『生活困難者が、経済的な理由によって必要な医療費を受ける機会を制限されることのないよう、無料又は低額な料金で診療を行う事業』**********・低所得者・要保護者(実際に保護を受けているかどうかに関わらず、生活保護を必要とする状態にある人)・ホームレス・DV被害者・人身取引被害者など、生活に困っている人が適切な医療を受けられずに困ることがないようにするための救済措置 です。あくまで「いざとなったとき」のためのものですが、「無料低額診療」という言葉は覚えておきたいですね。●“済生会”“民医連”などが有名無料低額診療を受けたいと思ったら、実施している病院に問い合わせるのが通常の流れです。どの病院で実施しているのかという情報は、自治体の窓口で問い合わせたり、住んでいる地域と“無料低額診療”という言葉をあわせて入れてインターネット検索したりするといいでしょう。例えば、東京都の場合だと、『東京都福祉保健局』のホームページから、無料低額診療事業実施施設の一覧を見ることができますよ。50以上の医療機関が紹介されています。とにかく、まずは問い合わせてみるといいでしょう。問い合わせをして条件に合致しているかの確認をしてみてください。どれくらい減免されるのかは、本人の状況や病院の基準によって異なります ので、詳しく状況を話してみましょう。なお、実際に赴くことになった場合は、申請書類 がありますので、持ち物の確認も忘れずに。----------重い病気・ケガにも関わらず、「お金がないから」という理由で受診ができないのはつらいことです。無料低額診療を実施している病院では、さまざまな状況の人に対応してきています。まずは一人で悩まずに状況をありのままに話し、相談してみるといいでしょう。【参考リンク】・無料低額診療事業について | 厚生労働省(PDF)()・無料低額診療事業・無料低額介護老人保健施設利用事業 | 東京都福祉保健局()・東京都内無料低額診療事業実施施設一覧 | 東京都福祉保健局(PDF)()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/沖まりね
2017年07月19日*画像はイメージです:医療従事者はそのほとんどが患者の症状を治癒するため、奮闘しているものと思われます。しかしごく一部に、自分の儲けを考え、あくどい診療をする医師もいるようです。例えば、本当は歯を抜く必要がないにもかかわらず、「虫歯」だと言って抜いた挙句、高額な義歯を埋め込んだり、さほど重大でもないのに「深刻である」と告げ、入院を促したりすることがあると聞きます。このような「嘘の診療」を行った場合、どのような罪に問われるのでしょうか?あすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士にお聞きしました。 ■どのような罪に問われる?「医師については、詐欺罪が成立します。傷害罪が成立する可能性も考えられます。まず、詐欺罪ですが、2つの詐欺罪が成立する可能性があります。第1に、患者に対する詐欺罪です。実際には行っていない診療について診療費が発生したかのように装い、支払を請求して受領することは、詐欺罪となります。第2に、社会保険診療報酬支払基金に対する詐欺罪です。医師は、診療報酬請求明細書を社会保険診療報酬支払基金に提出して、診療報酬を請求します。実際に行っていない診療内容を明細書に記載し、診療費が発生したかのように装い、請求して受領することは、詐欺罪になります。次に、患者に対する傷害罪です。医療行為は、患者の同意があって初めて正当化されます。例えば、手術は、形式的には傷害罪に該当します。ですが、患者の同意があるので、犯罪にはなりません。同意したとは異なる内容の治療が行われていた場合、同意がないまま治療行為が行われたときと同じように、傷害罪が成立する余地があります。なお、文書偽造罪は成立しません。文書偽造罪は、作成名義を偽ることで成立します。嘘の内容の文書を作成しても、刑法上の文書偽造ではないからです。診断書を発行した場合には、嘘の内容の診断書ということになります。診療報酬請求明細書も、嘘の内容です。ですが、どちらも作成した医師が、自分の名義で作成した文書なので、偽造ではありません」(高野倉弁護士) ■患者はどのような対応を取ればいい?悪徳医師がいるといわれても、患者はまったくわからないもの。仮に被害にあってしまった場合、どのような対応を取ればいいのでしょうか?同じく高野倉勇樹弁護士にお聞きすると…「被害に遭った患者としては、損害賠償請求を行うことが考えられます。騙し取られた治療の額を損害額として、損害賠償を請求できます。また、実際よりも悪い状態であるという嘘の診断をされたり、望まない治療を受けさせられていたのであれば、慰謝料を請求する余地があります。このほか、詐欺罪で刑事告訴することも可能です」(高野倉弁護士) 実際に被害にあった場合、損害賠償請求などを行うことができるようです。ただし、闇雲に「慰謝料」「損害賠償請求」と言っても、その主張が正当であるか疑問視されてしまうでしょう。「納得のいかない診療を受けた」という場合は、弁護士に相談し、医師が下した診断の正当性などを慎重に議論することをおすすめします。 *取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中【画像】イメージです*studiolaut / PIXTA(ピクスタ)
2017年06月30日一般社団法人国際統合治療協会提携のえみクリニック(東京都北区)は2017年1月より、女性医師による漢方外来診療を開始する。担当する女性医師は、日本医科大学付属病院東洋外来を担当する廣田薫医師。女性特有の肌荒れ・生理痛・便秘・月経不順などの症状に、保険適用の漢方薬による体に優しい治療を行うという。廣田医師の漢方外来の曜日は、毎月第2・第4火曜日の14:00~18:00。なお、2017年1月は、年末年始休暇の関係で変動しているため、1月17日・31日となる。
2016年12月20日日本糖尿病学会はこのほど、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2016」において、日本人の95%を占める2型糖尿病の対処策に関して新見解が加わったことを発表した。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2012年)によると、日本の糖尿病人口は前回調査(2007年)より60万人増えて950万人と過去最多を記録した。予備軍も含めると2,050万人で、5人に1人が該当する計算となる。男女比は、男性27.3%、女性21.8%で、男性の割合の方が多い。東京慈恵会医科大学附属病院 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科の宇都宮一典医師は、糖尿病人口よりも、質の変化に着目しているという。以前は一定の年代で発症する糖尿病が、現代では肥満が誘引している場合が多くなっている。年齢も多様化しており、小児肥満から気づかぬうちに予備軍となってしまい、10・20代で発病する場合もあるという。糖尿病は、主に自己免疫によって、自分自身でインスリンを産生するすい臓の細胞を破壊してしまい、分泌ができなくなって発症する「1型糖尿病」と、インスリンの分泌が少なくなって発症する「2型糖尿病」に分けられる。日本人の95%は「2型糖尿病」で、遺伝的に糖尿病になりやすい体質のほか、食べ過ぎや運動不足、肥満、喫煙などの生活習慣が関係していると言われている。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2016」では、2型糖尿病の対処策に関して新しい見解を加えた。肥満の程度を知るための指数であるBMI値を意識するより、まず現体重の5%の体重減量を目標とすることが適当であるとのこと。血糖値が高い状態が長く続くと、合併症を引き起こす可能性が高くなる。糖尿病の症例が多様化する中、従来の糖尿病合併症は網膜症・腎症・神経障害など細小血管症が主だったが、近年は肥満が発病を誘引する糖尿病が増えているため、脳卒中・心筋梗塞・抹消動脈系疾患などの大血管症が増加しているという。糖尿病予防のためには、血中のブドウ糖値を標準値に保つ努力が必要とのこと。そのためには、主に運動と食事の2つの生活習慣を改めていくことが重要となる。運動することで、血中のブドウ糖が筋肉で消費され、血糖値が降下する。特に食後の運動は急激な血糖値上昇を抑制するため、食後高血糖(かくれ糖尿病)には非常に有効だという。食事は、1日の摂取カロリーを守り、栄養バランスもよく食べることが必要となる。近年は、糖質(炭水化物)の摂取量が減っている一方で肥満性の糖尿病が増加しているという。予防には糖質制限ではなく、食事のエネルギー総量を制限することが有効とのこと。摂取する食品は、食塩やコレステロール、飽和脂肪酸を含む食品を避け、食物繊維を多く摂取するよう心がけることが必要だという。食物繊維には、便通の改善や血糖値の上昇を防ぐなどの効果があり、特に水溶性食物繊維は血中コレステロールの上昇を防ぐ働きがあるため、動脈硬化の予防にも有効であるとのこと。中でも、β-グルカンという水溶性の食物繊維が多い「大麦」は、食後の血糖値を是正する機能を持つ食材として注目されている。近年の研究では、大麦β-グルカンを含む食品を摂取すると、糖質の吸収が53%の抑制されることも明らかになっている。また、朝食に大麦を食べると、朝食の直後だけでなく、昼食や夕食の糖質の吸収も抑制することもわかったとしている。ある調査では、朝食として糖質の含有量が50gになるよう調整した大麦(または白小麦パン)を摂取した被験者に、昼食に同じ食事(標準昼食)を摂取させた。その結果、朝食で大麦を食べた場合では、昼食後の糖質の吸収が44%抑制されていたという。
2016年07月22日遠隔診療でオンライン通院愛知県名古屋市の佐井泌尿器科・皮フ科クリニックでは、7月5日より、遠隔診療を導入した外来の受付を開始している。このシステムの導入にあたっては、株式会社メドレーが提供している「CLINICS(クリニクス)」というオンライン通院システムを採用している。愛知県の泌尿器科クリニックとしては初めての導入事例となる背景には、現在の多忙過ぎるサラリーマンなどに配慮した結果がある。というのは、今回のオンライン通院で提供する予定の診療メニューは、ED(勃起障害)、AGA(男性型脱毛症)、そして女性びまん性脱毛症であり、これらの治療には定期的な通院が不可欠だという。さらにこの病気の患者傾向をみてみると、30~50代に増加傾向だ。つまり、一番働盛りで忙しいために、最初は受診したとしてもそのうちに通院を諦めてしまったり、最初から諦めてしまう人が多いという状況を打破するためなのだ。厚生労働省も推奨実は、オンラインを活用した遠隔診療の分野の促進は、厚生労働省も推奨している。もとは、離島など遠隔地にいる患者と医師をつなぐための遠隔診療に対する解釈であり、遠隔地意外ではこのシステムを導入することを原則禁止していた。しかし2015年8月に解釈を変更し、遠隔地だけではなく、患者側の希望があり、かつ患者側の利点があれば、対面診療と組み合わせることで他の医療機関も導入しても良いという方針に変わったという。しかも、処方した薬についても、予約時に登録した住所に配送してくれるというから、大変便利なシステムではないだろうか。ストレス社会に救いの手今の社会は特にストレス社会と言われ、ただ生活をおくるだけでも過酷な精神環境、また紫外線の増加など過酷な自然環境下で生活している。女性の脱毛症が増加しているのは、そういったことも要因の一つとみられている。今回の愛知県での導入事例が全国に展開していく日も、そう遠くはないかもしれない。【参考】※株式会社メドレー※佐井泌尿器科・皮フ科クリニック※株式会社メドレー プレスリリース(Dream News)
2016年07月13日連載『保険なう』では、保険の世界における旬のトピックスをとりあげて、読者の皆さんに知っていただきたい保険の知識を提供します。○混合診療って知っていますか?初めてこの言葉を聞く人も多いのではないでしょうか? 「混合診療」とは、保険適用の治療と保険適用外の治療を組み合わせたものです。ちなみに、保険適用の治療を「保険診療」、保険適用外の治療を「自由診療」と呼びます。現在では、混合診療を行った場合、保険診療も全額自己負担となり、高額の医療費を支払うこととなっています。保険診療というのは、国が安全と認めているもので、逆に言うと自由診療における治療は日本においては安全が認められていないものです。例外として、先進医療を受けた場合は、保険適用内のものはそのまま保険適用となります。<現在の治療費>・保険診療+自由診療=どちらも全額自己負担・保険診療+先進医療=3割負担+先進医療分は自己負担○2016年4月から実質混合診療が解禁!先ほど「自由診療の治療は日本では安全が認められていない」と申しましたが、海外ではいくつもの症例があり効果が認められているものも多くあります。例えば、ご自身にとって大切な人がガンを患ってしまった場合、「アメリカではAという抗がん剤が効果があるとされています。無認可の抗がん剤のため保険適用外で費用は高額となりますが、どうされますか?」ともし医者から告げられたら、できることなら試したいと思いますよね。しかし、現在では自由診療を行った場合、入院費用も含めた保険適用分が全て全額自己負担に。1ヶ月に100万円以上の医療費がかかってしまう場合もあります。しかし、厚生労働省は2016年度から混合診療を解禁します。ここでキーワードになってくるのは「患者申出療養」というものです。<患者申出療養とは?>・混合診療を行った場合でも、保険診療分は3割負担のまま(保険診療+自由診療=3割負担+自由診療分は自己負担)・日本では無認可の治療も、患者の申し出により行えるようになるこれらが大きなポイントです。患者から申し出があった場合、国が定めた専門家による審議を6週間以内に行い、安全性などの承認を経て治療が開始されます。また、先進医療と違って、すでに実績のある治療であれば、近くの医療機関でも治療を受けることができます。※先進医療は受けられる病院が決められています。○混合診療解禁にともない、保険商品は変わる?このように、受けられる医療の変化によって、保険商品は変わるのでしょうか?現在の医療保険の多くには、保険診療、そして先進医療にのみ適用されるという側面があります。今後、混合診療の拡大を見越した保険商品が新たに登場することも可能性としてはあるでしょう。しかし、まだ実績がない現時点では、すぐに新たな保険商品が登場することはないとも考えられます。だからといって、保険加入や保険の見直しを怠ってはいけません。混合診療解禁になる今だからこそ、実は保険の見直しはとても大切なのです!○なぜ、混合診療解禁の今、保険の加入&見直しが大切なのか混合診療が解禁されることによって、保険診療は3割負担のままです。混合診療を行った場合、プラスαで自由診療の費用が加算されるため、保険診療の分はしっかり保険でカバーしたいところ。また、「混合診療特約などがついた保険商品が出るまで保険加入は待っておこう」なんて思っているうちに、ご自身が病気になってしまったら、そもそも保険に加入することすらできなくなるかもしれません。今後混合診療をカバーする保険商品ができた場合でも、現在の先進医療特約のように中途付加できる可能性も十分あります。○あまり知られていない、医療保険の付帯サービスも今後大活躍の予感現在販売されている医療保険の多くには「付帯サービス」がついています(実際に付帯されていない保険会社も多数ある)。保険は、病気になったとき、万が一のときの保障だけではないのです。そして、この付帯サービスこそ、混合診療が解禁されることによって重要になってきます。付帯サービスは様々ありますが、一番混合診療解禁で重要なのが「セカンドオピニオン」のサービスです。多くの保険商品には無料で優秀医のセカンドオピニオンが受けられるサービスが付帯されており、診断結果によっては優秀医がそのまま治療を引き受けてくれたり、専門医に紹介状を書いてくれることもあります。患者申出療養がスタートすることで、受けられる治療の幅が広がります。つまり選択肢が増えるということ。そのような状況になったときに、セカンドオピニオンの制度はぜひ利用したいですよね。○混合診療が解禁される今だからこそ、保険の見直しを!このように、現在の医療保険の機能だけでも、混合診療が解禁になった際に役立つ機能がたくさんあります。ご自身が加入している保険の内容やサービスをもう一度チェックしてみてください! もし付帯サービスがないようであれば、この機会に加入されている保険の保障内容確認と一緒に、実際にどのようなサービスが利用できるのか、確認されてみてはいかがでしょうか。「混合診療特約が付くまで待っておこう」と思っていた人も、現在の保険商品でも十分役立つということがわかっていただけたと思います。いつどんなことが自分の身にふりかかるかわからないからこそ、早く備えておくことに損はないはずです!<著者プロフィール>牧山真一保険見直し本舗 テレマ事業本部 対面事業部 関東・九州エリアマネージャー。1979年神奈川生まれ。2009年保険見直し本舗入社後、テレマーケティング事業部にてコールセンター運営に携わる。コンサルティングアドバイザーとしても関東を中心に活動。「最適な保険選びのパートナー」として、これまで個人の保険相談から法人に至るまで数多くの保険見直し、保険相談に対応。※画像は本文と関係ありません
2016年03月07日オプティムとMRTは2月4日、スマートフォン、タブレットを用いた遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表した。2016年4月のサービス提供開始を予定している。同サービスは、医療を必要としている人々と遠隔地にいる医療の専門家をつなぎ、スマートフォンやタブレットに搭載されているカメラやウェアラブル機器を利用することで、相談者の顔色や患部の状況、ウェアラブル機器から収集されるさまざまなバイタルデータをもとに、医師が具体的なアドバイスや診療を行うというもの。映像や画像の共有を行う際には、赤ペン機能や指差し機能を用いて、映してほしい箇所の指示や、症状の説明を的確に行うことができる。再診の遠隔診療患者は、スマートフォンやタブレットで「ポケットドクター」の「かかりつけ医診療」を利用することで、医療機関に行くことなく、保険適用しながら自身の体調を相談したり、怪我などの患部の状態を診察してもらうことができる。このサービスは、当面の間「ポケットドクター」に参画する医療機関へ無料で提供されるさらに医師は、医師の時間を予約できる「予約相談」、24時間365日健康相談できる「今すぐ相談」を診療の合間の空き時間に受け付けることが可能。「予約相談」は「かかりつけ医診療」サービスに続けて順次開始、「今すぐ相談」は2016年度内の開始を予定している。「ポケットドクター」は、iOS8.0以降のiPhoneやiPad、Android 4.0以降のスマートデバイスにアプリをインストールすることで利用可能となっている。
2016年02月05日ソフトバンクは21日、アニコム損害保険と提携し、愛犬・愛猫が病気や怪我により動物病院で診療を受けた際に、診療費の一部を補償する「ソフトバンクペット保険」の提供を開始した。「ソフトバンクペット保険」の料金プランは、診療費の70%を補償する「70%プラン」と50%を補償する「50%プラン」の2種類。保険料(非課税、年払い)は、愛犬・愛猫の種類や年齢によって異なる。1歳のチワワの場合では、「70%プラン」が32,920円、「50%プラン」が24,740円。加入するには、ソフトバンクのiPhoneやiPadなど指定の対象機種ユーザーであること、日本国内に在住する20歳以上であること、対象の愛犬・愛猫の年齢が7歳11カ月までで健康体であることが条件となる。申し込みは、「ソフトバンクペット保険」の専用サイトから24時間365日受け付けている。加入条件となる対象機種はソフトバンクホームページから確認できる。
2016年01月21日ソフトバンクは21日、アニコム損害保険と提携し、愛犬、愛猫が病気やけがにより動物病院で診療を受けた際、診療費の一部を補償する「ソフトバンクペット保険」(※1)を、ソフトバンクの顧客向けに提供開始すると発表した。※1 ソフトバンクペット保険は、アニコム損保を引受保険会社、ソフトバンクを保険契約者、顧客を被保険者とする包括契約として、ソフトバンクが提供するサービス。なお、保険金の支払いについては、引受保険会社であるアニコム損保が対応する今回のサービス開始を記念して、1月21日から4月20日までの期間に「ソフトバンクペット保険」に加入した顧客を対象に、顧客の愛犬、愛猫のオリジナル3Dフィギュアを作成できる無料申込券を抽選で9人にプレゼントする「ソフトバンクペット保険デビューキャンペーン」を実施する。「ソフトバンクペット保険」を提供する背景として、ソフトバンクは次のように説明。まず、愛犬、愛猫は自ら「体調不良である」ことを訴えることができず、気づいた時にはすでに重症化していることもある。また、人と違って公的な健康保険の制度がなく、全額が飼い主の自己負担となるため、診療費が高額になってしまうケースもある。ソフトバンクでは、同社の顧客がペット保険へ加入することにより、金銭的不安を感じることなく動物病院へ足を運んでもらい、病気を早期発見・治療してもらうことで、顧客の"大切な家族"を救いたいと考え、アニコム損保と提携して「ソフトバンクペット保険」を提供することにしたという。「ソフトバンクペット保険」は、アニコム損保の一般契約に比べて3%お得な保険料で契約できる。また、アニコム損保の対応病院であれば、「どうぶつ健康保険証」(発行:アニコム損保)を窓口に提示するだけで、保険が適用された金額で診療を受けることができるため、保険金請求の必要がない。加入条件は、加入者(被保険者)がソフトバンク指定の対象機種の利用者であること(※2)、加入者(被保険者)が日本国内に在住の20歳以上であること、対象となるペットが犬もしくは猫であること、加入時に、犬、猫の年齢が7歳11カ月(※3)までであること(継続は原則、終身可能です)、対象となるペットは原則として、健康体であること。※2 SoftBankの対象機種はこちらから閲覧可能。Y!mobileの一部機種でも利用できる。すでにアニコム損保に契約している顧客が、契約の継続時に切り替えて加入することはできない※3 保険契約の始期日時点での満年齢提供プランは、犬、猫が病気やけがで通院、入院、手術をした際、保険の対象となる診療費の70%を支払う「70%プラン」と、50%を支払う「50%プラン」の2種類から選べる(※1日または1回あたりの支払限度額、1年間に利用できる回数に制限がある)。
2016年01月21日国立がん研究センター(国がん)は1月12日、同センターの中央病院にがん診療に網羅的な遺伝子診断に基づく診療の本格導入を目指し、「遺伝子診療部門」を開設したと発表した。これまでも同病院では、遺伝的にがんになりやすい人に向けたゲノム診療である「個別化予防」を遺伝相談外来で行ってきたが、もう一方のゲノム診療である個々のがん患者の遺伝子異常に基づいた「個別化治療」については、検査の品質管理、遺伝子解析情報の臨床的意義付け、患者への伝達方法、情報の取り扱いなどさまざまな課題が残されており、本格的な日常診療への導入には至っていなかった。そこで同病院は2013年より、個々の患者の治療選択における網羅的遺伝子検査の有用性を検証する目的の研究「TOP-GEARプロジェクト」を進めてきており、2015年末には十分な精度管理が担保された網羅的遺伝子検査室を院内に設置するに至り、個別化治療としてのゲノム診療を開始するための体制が整ったことから、今回の開設に至ったとする。同センター中央病院の荒井保明 院長は、「飛行機の進歩は1903年より始まったが、当初は冒険、挑戦という位置づけであった。しかし、数十年を経て、人々が自由に活用し、好きなようにどこでも行きたいところに行くために利用することができるようになった。遺伝子の研究も、長年にわたって進められてきたが、いまだに手軽に自由に診療の現場で活用できるまでには至っていない。今回の取り組みは、すぐに民間で活用できる段階に至ったというわけではないが、がん診断の際に、遺伝的な可能性が生じた場合、がんを専攻してきた医者であっても、現状はその内容を完全に理解できるのは極一部であり、その専門性を診療レベルに翻訳してくれるプロが間に入ることで、遺伝子に関する情報を整理して提供するという仕組みができるようになった。今回の部門開設によって、これからの日本のがん診療の新たな1ページが開かれたことを感じてもらいたい」と語り、ゲノム診療を日常診療に導入する第一歩が始まったことを強調した。具体的には、国がんが中心となって開発した約100遺伝子の異常を1回で網羅的に調べることが可能な検査キット「NCCオンコパネル」を用いて、2015年11月に中央病院内に開設した「SCI-Lab」にて検査を行うことで、実際の診療で活用可能なレベルの速度を実現する。とはいえ、リソースには限りがあるため、すぐに同病院のすべての患者に実施というわけにはいかないともするほか、遺伝子異常に効果がある阻害薬の多くが認証に至っておらず、保険適用ができないこともあり、対象はまずは、治験や臨床試験に参加する患者から、という形になるという。ただし、同センターでは、医師主導治験をセンター外の病院でも実施して、幅広い連携を進め、最終的には薬事承認まで持っていきたいとしており、ゲノム診療に基づく保険適用の実現を目指すとしている。なお同部門は、中央病院のほか、研究所などの各部門におけるゲノム診療や研究に関わるメンバーで構成されており、専門家チームによる最終診断、解析結果レポートの作成、診療コンサルテーション、遺伝相談外来併診など、中央病院の全診療科のサポートする形で運営されるという。
2016年01月13日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「混合診療」です。* * *来年の春から、混合診療が解禁になります。混合診療とは、みなさんが通常病院で受けている「保険診療」と、保険外の自費でなされる「自由診療」を合わせた名称。今後、希望者は保険診療のほかに自由診療も受けられることになり、公式には「患者申出療養制度」と呼ばれています。これまで日本は、自由診療を禁じてきました。自由診療を認めてしまうと、お金持ちの人はいくらでも高い料金を払って医療を受けようとする。すると、病院側も儲かるほうにシフトして、お金のない人が十分な医療を受けられなくなってしまう。お金がないために助かる命が助からなくなる、そんな命の格差が生まれるのを避けようと、認めてこなかったのです。収入に関係なく、誰もが同じような医療サービスを受けられるようにしていました。唯一の例外は、歯科医療。歯医者さんで詰め物をするときに聞かれませんか?「保険なら◯○円ですが、保険外のインプラントなら◯万円です。どちらを選びますか?」と。自由診療では金額は基本、病院の言い値ですから、病院によっても値段は変わります。これまでは薬も、厚生労働省の厳しい基準をクリアしたものしか使えませんでした。ところが患者申出療養制度の導入によって、厚生労働省が承認していない薬も、今後は使えるようになります。難病の人やガン患者にとっては嬉しいニュース。混合診療に門戸が開かれるようになったのは、安倍政権の成長戦略の一環です。規制を緩和することによって、製薬メーカーは新しい薬を次々に売り出せるようになります。国立がんセンターの調べでは、来年に投入できる抗がん剤は42剤。大半は、1か月あたり100万円を超える薬剤費が自己負担になるだろうとのことです。従来の医療は国のお墨付きがありましたが、自由診療になれば患者は医師を信じるしかありません。万一、医師が製薬会社や医療機器会社と癒着して法外な医療費を請求しても、患者には判断できない。TPP協定が結ばれれば、海外の製薬会社の薬もさらに入ってくるでしょう。医療の選択肢は広がりますが、リスクも否めないんですね◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年12月2日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年12月01日厚生労働省は21日、社会保障審議会医療保険部会に対し、「次期診療報酬改定に向けた基本認識、視点、方向性等について」と題した資料を提示した。これによると、『考えられる具体的方向性の例』として、「後発医薬品の使用促進・価格適正化」や、「かかりつけ機能が発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の見直し」、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進」などの方向性が示された。同資料では、「改定に当たっての基本認識」として3つの項目を提示。このうち、「経済・財政との調和」の項目では、「 医療政策においても、経済・財政との調和を図っていくことが重要との観点から、無駄の排除や医療資源の効率的な配分、医療分野におけるイノベーションの評価等を通じた経済成長への貢献にも留意することが必要ではないか」との問題認識を示した。その上で、「効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」として、「今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取り組みが必要」とし、「医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図るよう検討する必要があるのではないか」と問題提起。『考えられる具体的方向性の例』として、「後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討」、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進など、医薬品の適正使用を推進するための方策」、「いわゆる門前薬局の評価の見直し」などを挙げた。「後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討」では、新たな後発医薬品に係る目標を達成するための取組の推進や後発医薬品の価格算定ルールの見直し、長期収載品に係る前回改定の影響を踏まえた検討、などの検討課題を挙げた。また、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進など、医薬品の適正使用を推進するための方策」では、「医師・薬剤師の協力による取組の推進」、「いわゆる門前薬局の評価の見直し」では、「かかりつけ機能が発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の見直し」などを具体的方向性の例として挙げている。
2015年10月22日米Lookoutは8月27日、同社ブログでAOSP(Androidオープンソースプロジェクト)のガイドラインに沿わないAndroid端末の市場が拡大する一方で、こうした端末を企業が導入する際にリスクが生じると指摘した。Androidスマートフォンはその市場の成長から、端末の高機能化が進んでおり、600ドル程度がバリューゾーンとされている。その一方で、より手ごろな価格でカスタマイズ可能な、AOSPガイドラインに沿わないAndroid端末の市場も拡大の様相を呈している。標準的なAndroid端末に使用されるアプリはGoogle Playストアに集約され、アプリテストと検査プロセスをへていたが、AOSPガイドラインに沿わない端末が台頭することで、状況は複雑になりつつある。スマートフォンメーカーや通信会社の大多数はOpen Handset Allianceのメンバーであり、AOSPを通してメーカーが独自にカスタマイズしたAndroid端末を提供している。また、標準的なAndroid端末はGoogleのシステムアプリケーションを実行し、Google Playストア経由でのアプリをダウンロードを推奨している。一方で、Android端末ビジネスに対して先日10億ドル以上を資本調達した小米(シャオミ)や、カスタマイズしたAndroid OSのユーザーが5000万人を超えたと発表したCyanogenMod(サイアノジェンモッド)のように、標準的なAndroid端末の独占的マーケットを崩そうしている企業も出てきている。こうした端末は、機能美や使いやすさ、リーズナブルな価格といった点から、ユーザーに受け入れられ始めている。このように台頭してきているAOSPガイドラインに沿わない端末を社員が業務で使用するようになれば、企業ネットワークにそのような端末が接続されることとなり、企業にとっての脅威となりうる。標準的な端末では、「Googleによる検査」「メーカーによる検査」「通信会社による検査」をへており、企業はこれまで、セキュリティ面および性能面でのベストプラクティスを実装するためにこうした2重、3重の検査レイヤーをへた端末を使用してきた。一方、AOSPガイドラインに沿わない端末は、通信会社を通じずに販売されているので、実質的にメーカーレベルでの検査しか受けていない。その上、AOSPガイドラインに沿わない端末は、アプリダウンロードの推奨マーケットであるGoogle Playストアを利用する必要がないので、アプリ検査を行う体制が整えられていない可能性が高いWebサイトやサードパーティアプリストアから、アプリをダウンロードすることが多くなる。そのため、企業のIT管理担当者は、端末から削除不能であるシステムアプリケーションと、端末上で実行されるアプリの双方に対し、脆弱性とその他のセキュリティ問題を検査をする必要が出てくる。こうした問題の緩和策となり得るのは「可視化の確保」だという。危険な可能性のあるアプリや脆弱性のある端末が企業ネットワークに入り込んだことを検知できれば、修復についての意思決定を早く行える。また、自社ネットワークにアクセスしているアプリについて把握できれば、特定のアプリを利用している従業員がアクセスできるデータを制限することも容易となる。
2015年08月31日日本マイクロソフトら6社は8月25日、「Microsoft Azure Machine Learning」を活用した診療支援技術研究開発プロジェクトの研究開発事業を10月より開始すると発表した。6社は日本マイクロソフトとUBIC MEDICAL、アドバンスト・メディア、システムフレンド、セムコ・テクノ、ソフトバンクで、慶應義塾と協力して事業を進める。精神科領域において患者症状の重症度は、患者の自覚症状や評価者の観察に基づいて評価されている。しかし、日常臨床における治療導入決定や治療効果判定、新薬開発のための治験では、こうした評価の客観性の低さが障壁となるケースもあるという。これらを踏まえ、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の岸本 泰士郎専任講師の研究チームは、表情・瞬目モニタリングによる客観的なうつ病・躁うつ病症状の評価研究に取り組む。この研究では、気分、集中力、倦怠感といった患者の主観的体験や、他者が観察可能な気分の表出、動作速度など、病状の中心となる症状を定量化。診療時における表情、音声、体動などのデータをデバイス内で一次解析し、クラウドに転送、重症度評価のアルゴリズムと突合して症状を客観的に評価し、リアルタイムで診察室に結果を提示する診療支援デバイスの開発を目指す。また、スマートフォンなどをプラットフォームとして過去数週間の生活活動データをクラウドで入手し診察室でのデータと融合し、解析を補完していく。取得したデータはマイクロソフトが提供するクラウドベースな機械学習サービス「Microsoft Azure Machine Learning」を活用。各疾患のゴールドスタンダードである評価尺度との相関が高くなる最適なアルゴリズムを探索・構築する。これにより、従来定量化し得なかった患者の思考、表情、発言内容を可視化し、臨床評価や治療に活用することが期待されている。こうしたデバイスの開発によって客観的評価尺度が確立されれば、重症度や治療効果判定の客観性が高まり、治療選択が科学的根拠に基づくものとなる。バイアスの大きい評価に依存しなくてもよくなることで、治験の失敗も防ぐことにつながるという。また、客観的指標の普及によって治療実績の評価・比較が容易になり、国家レベルの施策も行いやすくなる。さらには、医療費抑制だけでなく、基礎研究の促進、医療輸出への貢献も期待される。今回のプロジェクトにおいて、UBIC MEDICALは、事業化および事業化後の販売を担う。研究においては、独自開発の人工知能技術を駆使したテキスト分析を用いて、語彙数・指示語・感情語・文章構造に重点を置いた解析により、テキストにあらわれた患者の思考や表現の定量化を行う。アドバンスト・メディアは、この研究における精神科領域専用辞書を作成し、音声認識技術AmiVoiceを用いてテキスト化する。続くシステムフレンドは、赤外線を使ったモーションセンシング技術で診察室入室から退室までの体動を記録し動作速度や落ち着きのなさを定量化する。セムコ・テクノの担当領域では、システムフレンドとセムコ・テクノの共同作業によって、これら精神症状の定量化のために最適化された各種センサー、解析機能、結果表示モニターといった機能を搭載したデバイスを開発する。また、ソフトバンクは被検者から睡眠、活動量、会話といった日常生活活動について、スマートフォンなどでデータを収集する。日本マイクロソフトは、得られたデータをセキュアに保管、機械学習のAPIを提供し、データ解析を実行するプラットフォームを提供し、全体のシステムの設計も担う。一方で慶應義塾は解析結果と、一般的な臨床症状評価を突合し、重症度評価のアルゴリズムを作成する。なお、表情解析はオムロンとの表情認識技術を用いた共同研究の取り組みとして実施するという。
2015年08月25日ソフトバンクや日本マイクロソフトなど6社は8月25日、慶應義塾と協力し、Microsoft Azure Machine Learning(機械学習)を活用した診療支援技術研究開発プロジェクトの研究開発事業を開始すると発表した。研究開発期間は2015年10月から2019年3月まで。同事業は日本医療研究開発機構の医療機器・システム研究開発事業「ICTを活用した診療支援技術研究開発プロジェクト」における2015年度の委託先として採択されたもので、ソフトバンク、日本マイクロソフト、UBIC MEDICAL、アドバンスト・メディア、システムフレンド、セムコ・テクノが参画する。現在、精神科領域における患者症状の重症度評価は、患者の自覚症状や評価者の観察に基づいており、客観性に乏しい重症度評価が、日常臨床での治療導入の決定や治療効果判定、新薬開発のための治験の大きな障壁となる場合がある。同研究では、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 岸本泰士郎専任講師の研究チームが行ってきた、表情・瞬目モニタリングによる客観的うつ病・躁うつ病症状の評価研究を発展させ、診療時における表情・音声・体動などのデータをデバイス内で一次解析し、クラウドに転送、重症度評価のアルゴリズムと突合して症状を客観的に評価し、リアルタイムで診察室に結果を提示する診療支援デバイスを開発する。また、スマートフォンなどをプラットフォームとして過去数週間の生活活動データをクラウドで入手し診察室でのデータと融合することで、解析を補完するという。さらに、Microsoft Azure Machine Learningを用いて、得られたデータと各疾患の評価尺度との相関が高くなる最適なアルゴリズムを探索、構築する。これにより、従来定量化できなかった患者の思考、表情、発言内容を可視化し、臨床評価や治療に活用することを目指す。同デバイスの開発により客観的評価尺度が利用できるようになれば、臨床家の経験や感覚に頼っていた重症度や治療効果の判断が客観性をもったものになり、治療選択が科学的根拠に基づくものとなるほか、客観的指標の普及によって治療実績の評価・比較が容易になる。さらに、バイアスの大きい評価に依存しなくてもよくなり、治験の失敗を防ぐことにつながるとしている。
2015年08月25日歯科医師が患者宅を訪問し歯科治療や口腔ケアを提供する在宅歯科診療は、高齢化社会を迎えた日本において強いニーズがあるにもかかわらず、従事する歯科医師は圧倒的に不足しているのが今日の状況だ。ある調査によれば、要介護者に占める歯科治療の必要な人の割合は約90%、そのうち実際に歯科受診したのは約27%にとどまるという(出典:河野正司ほか(2002))。東京・国分寺で歯科医院を開く歯科医師、横山雄士氏は早くから在宅歯科診療に取り組む数少ない担い手の一人だ。歯科医院で行う日中・夜間の通常診療と並行して週3~4日は日中に患者宅を訪問して診療に当たっている。かなりのハードワークとなるため、書類作成の業務負荷の軽減や患者の医療・介護に携わる関係者との情報共有にiPadを活用しているという。その概要は、以下の動画のようなものだ。○各種の報告書作成やレセプトコンピュータとの連携で歯科医師の業務負荷を軽減横山医師が使っているのは、在宅歯科医療のために開発されたiPad専用アプリケーション「Sunny-CARE」だ。iPadのタッチパネル式インタフェースを利用して簡単な操作で患者に対して実施した診療記録などを入力できるのが特徴で、さらに入力した情報を基に患者の主治医や介護担当者などへ提出する報告書を自動生成してくれる。「以前は診療記録に基づいた報告書を1カ月分(約100件)まとめて作成するために3~4時間を要していましたが、Sunny-CAREを使うようになって患者宅での2~3分の診療記録を入力しておけば報告書は自動的に作成されるので、後日に報告書を作成する手間は不要になりました。また、iPadで撮影した写真をそのままアプリケーションに取り込んで報告書に転載できるのも便利です。以前は、デジタルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込んでプリントアウトして資料に貼り込むという面倒な作業が必要でしたから」と横山医師はiPadを使うメリットを語る。○レセプトコンピュータとの無線による通信機能も備えたソリューションSunny-CAREの開発・販売元であるサンシステムは歯科医院向けのレセプトコンピュータ「Sunny-LOSA」という製品もリリースしており、ネットワーク経由でSunny-CAREとデータ連携する機能も実装している。あらかじめ訪問先の患者データを医院のパソコンからSunny-LOSAに入力しておけば、訪問先のiPadからSunny-CAREを立ち上げてSunny-LOSAにネットワーク接続して患者の治療記録などをその場で確認できる。もちろん、患者宅で入力した診療記録はSunny-LOSAに送信できる。「このソリューションを利用してから、患者宅を訪問する際に持ち出す書類は大幅に減りました。iPadに各種の情報が集約されるので利便性も上がっています。iPadのパスコードや遠隔ロック機能により端末の盗難・紛失時に患者の個人情報漏えいを防ぐ仕組みも用意されていますから、紙の書類を持ち出すよりもセキュリティ面は強化されています」(横山医師)このSunny-CAREというアプリケーションは、当連載第168回「在宅医療を支える薬剤師がiPadで医師や看護師、介護スタッフとSNS連携」で取り上げた在宅医療支援アプリ「ランシステム」を基に、歯科版として開発されたものだ。開発経緯についてサンシステムの三井 康行社長は次のように語る。「医療関係のICTメーカーである当社は診療報酬明細書の作成を支援するレセプトコンピュータを主事業として、特に歯科向けのレセプトコンピュータを創業当初から自社開発・販売してきました。2012年に地域の保健医療・介護福祉環境の向上と発展を目的として、学術経験者、医療コンサルタント、ITソリューションベンダー、関連企業が共同して設立した『eヘルスコネクト コンソーシアム』に参加して各界のメンバーと交流している中、これからの医療は在宅を重視するべきという認識を共有しました。このコンソーシアムを通じて『ランシステム』を開発されたリンク様と知り合い、訪問歯科診療に従事する医師の不足している現状に対し、少しでも歯科医師の業務負荷を軽減できればと思ったのが開発に踏み切ったきっかけです。iOSアプリの開発に長けたリンク様と当社で共同開発し、iPadの提供元であるソフトバンクとの3社で『歯科訪問診療支援ソリューション』として2014年10月にリリースしたのが『Sunny-CARE』と『Sunny-LOSA』の連携システムです」(三井氏)○iPadはコミュニケーションツールとしても非常に便利在宅歯科診療の難しさは、患者を取り巻く医療・介護に関わるメンバーとのコミュニケーションにあると横山医師は指摘する。「医院に通院できない患者ですから、介護を必要とする何らかの疾患を抱えているわけです。健康な患者ならばその人にぴったり合う入れ歯を作ってあげれば歯科医の治療は終わりですが、要介護の患者は自身で入れ歯の手入れをできないケースもあります。介護に当たる家族やヘルパーが入れ歯を扱ったことがなければ、入れ歯の手入れ方法を指導しなければなりません。歯の状態に合わせた食事の指導も必要です。病状によっては食べ物を飲み込む能力が低下している患者もいます。歯を治療して終わりではなく、食べ物をしっかり噛んで飲み込むまでの全般を見ていく必要があり、そのためには主治医、訪問看護師、ケアマネージャ、ヘルパー、家族といった方々との綿密なコミュニケーションは欠かせません」例えば入れ歯の手入れ方法は、文章でマニュアルを作成するよりもiPadで写真や動画を撮影して共有すれば理解が早い。訪問時に気付いた患者の健康状態を主治医や訪問看護師などに申し送る場合でも、その場でiPadからメールにより関係者全員に情報共有すれば効率的だ。iPadを活用した訪問歯科診療は、単に歯科医師の事務処理作業を軽減するツールにとどまらず、患者を取り巻く医師・介護スタッフ・家族との多職種連携を促進することで患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を向上させる可能性も秘めている。「医科の領域では担当医や介護スタッフ、薬剤師などの多職種連携は進んでいますが、歯科についてはまだ発展途上の状況です。口腔内の清掃や咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)を改善するために歯科医と栄養チームの連携を図るなどのコミュニケーションは今後さらに重要となっていきます。『メディカルケアステーション』などのSNSサービスについても、環境が整い次第『Sunny-CARE』に取り込んでいきたいと思っています」と三井氏は、在宅医療における歯科の重要性を指摘する。高齢化社会の進行に備え、ICTを活用した医療支援はますます重要になってくるだろう。
2015年07月31日総務省は29日、小型の無人航空機(ドローン)による撮影映像などに関する、インターネット上での取扱いに関するガイドライン案を発表。これに対する意見を公募すると発表した。同ガイドライン案は、ドローン撮影を行うユーザーが注意すべき事項をまとめたもの。災害調査や救助活動から、宅配サービスまでさまざまな分野で活用が見込まれるドローンだが、一方で被写体の許可無く映像を撮影し、ネット上に公開できることから、プライバシーや肖像権など個人の権利を侵害する恐れもある。ガイドライン案では、Google ストリートビューと思われる、公道撮影の写真をネット公開するサービスが提供された際、プライバシーに関する指摘があった事例に触れつつ、ドローンによる撮影と個人情報保護法との関係を整理するとする。ガイドライン案では、具体的な注意事項として、1)住宅地にカメラを向けないようにする、2)プライバシー侵害の可能性がある撮影映像にはぼかしなどの配慮をする、3)撮影映像をネット上で公開するサービスを提供する通信事業者は削除依頼への対策を適切に行なうこと、といった項目が挙げられている。意見の募集期間は2015年6月30日から同年年7月29日まで。
2015年06月29日インターネット広告推進協議会(JIAA)は3月18日、昨今注目を集めている「ネイティブ広告」について、掲載に関わる事業者の指針となるガイドラインとして、「インターネット広告掲載基準ガイドライン」を改定し、「ネイティブ広告における推奨規定」を新たに策定したことを発表した。ネイティブ広告は、デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す。その形式や機能が、媒体社やプラットフォーマーが提供する記事・コンテンツと一体感があるという特徴から、ユーザーに受け入れられやすい広告体験を提供するものと期待される一方、掲載方法や内容によっては、消費者が騙されたと感じやすいという課題が指摘されている。今回策定されたガイドラインは、消費者保護の観点から、ネイティブ広告を掲載・配信する媒体社、プラットフォーマー、ネットワーク配信事業者が自ら守るべき基準という位置づけにあり、ユーザー(消費者)がネイティブ広告を媒体社が編集する記事・コンテンツだと誤認することのないよう、ネイティブ広告を掲載・配信する事業者は、広告表記および広告主体者の明示が必要であるとしている。同ガイドラインが普及することにより、ネイティブ広告が広告主、媒体社・プラットフォーマーなどの事業者および消費者の三者にとって有益なものとして、より安心して利用される環境となることが期待されている。
2015年03月20日「ドコモ光」の発表など、「光のサービス卸」が話題になっていますが、それに関して、総務省がガイドラインを作成しました。その理由と内容について説明します。○光のサービス卸とは?NTTのフレッツ光を丸ごと他の事業者に卸して、他の事業者のブランドとして売ることを指しています。光のサービスをするためには、光ファイバーだけでなく、色々な制御装置などが必要で、小規模の事業者には負担が大きいのですが、この新しいサービス卸では、そうした装置についてもフレッツ光と同じものを丸ごと貸し出すことになるので、卸を受ける事業者は小さなコストで光のサービスを開始することができるようになります。一方、こうした仕組みができると、言い方は悪いですが「筋の悪い会社」が光サービスに絡みやすくなる恐れが大きくなってきます。光サービスは簡単に乗換えがしにくく料金も高額なので、最終的に利用者に対する弊害が大きくなりがちです。そうした事態を防ぐために、総務省がガイドラインを策定することになりました。このガイドラインの目的は、大雑把に言ってしまうと「卸も含んだ上から下まで、きちんと法律に違反しないようにしましょう」というものです。実のところ、きちんと上(NTT)から下(勧誘代理店)までが法律を理解して遵守していれば、このようなガイドラインは必要ありません。しかし、電気通信事業法や関連の法令群は極めて難解で、経験のない事業者にとっては何が違反なのかさえ分からないのが実情です。そのため、簡易な表現のガイドラインを策定することになったのです。また、意図的に脱法的な公平性の阻害行為を行う事業者が出てくる懸念もあります。そうした行為に関しても、それは違反として指導する可能性がありますよ、と釘を刺す役割も持っています。ここで言う公平性とは、NTTとNTTから卸を受ける事業者(以下、卸先事業者)に対する、他のブロードバンド事業者です。特に、ケーブルテレビなどは地域営業が義務付けられているため、東日本・西日本という大きな単位で設備・コストを共有して弾力的な値付けができる卸先事業者に対して非常に不利な競争を強いられます。仮に卸先事業者の一社でも異常に大きな割引をしたりすると、その割引期間中に地域事業者が破綻に追い込まれる恐れさえあります。その後、割引を廃止することで利用者には実質値上げとなるなど、最終的には利用者の不利益になってしまうのです。具体的なガイドライン案の内容について、特に重要なものをいくつかピックアップしてみました。○NTTが行うと違法になるかもしれない行為合理的な説明なしにケータイ事業者それぞれに異なる料金で卸すこと抱き合わせやダンピング、エンドサービス料金を上回る貸し出しをすること卸先事業者の事業計画や顧客情報を聞いたり活用したり、口出ししたりすること卸先事業者が行うと違法になるかもしれない行為* 地域事業者を潰すような競争阻害的料金を設定すること* 利用者に対してNTTやその関係者であると名乗り、勘違いさせること* 「原価割れ覚悟!」みたいな説明をすること* 苦情に対応しないこと○代理店が行うと違法になるかもしれない行為利用者や勧誘相手に対してNTTやその関係者であると名乗り、勘違いさせること勧誘相手に対して、勧誘相手が現在利用中の事業者やその関係者であると名乗り、勘違いさせること違約金などに関して誤認を誘う説明をすることちなみに、上記の「料金」には、販売奨励金・機器割引・キャッシュバックなどの一時金による実質的な割引も含んだもの、とされています。ただ、具体的にどの程度やると「競争阻害的」なのか、などの数字が示されていないため、いずれも解釈次第の甘いガイドラインになってしまっています。また、特に利用者の不利益を起こしやすい代理店そのものの把握が法的に困難で、その違法行為を取り締まるのが難しい状況です。こうした点について、今後、意見が出てくるのではないかと思います。過去の事例から言うと、それで総務省案が改正されることはほとんどありませんが、将来的な見直しの機会にそうした点も取り入れ、ガイドラインの強化や法令の改正などで対応をお願いしたいですね。なお、総務省では2月19日まで、このガイドラインに関する一般からの意見募集をしています。何か思うところがあったらぜひ意見をしてみてください。■ 記事提供:gooスマホ部3万件ものスマホやアプリ、タブレット等Q&Aをストック。あなたのお困りごとにスマホ部員が回答します!!
2015年02月02日サンシステムは、リンクおよびソフトバンクテレコムと提携し、訪問歯科医が行う患者訪問前の情報確認や患者宅での診療記録、帰院後の事務処理(レセプト)の効率化と迅速化を実現する、タブレットを活用した国内初の歯科訪問診療支援ソリューションの提供を10月10日から開始すると発表した。同ソリューションは、サンシステムが提供する診療報酬明細書作成のレセプトコンピューター「Sunny-LOSA」とサンシステムとリンクが共同開発した専用アプリケーション「Sunny-CARE」を連動させることで、診療先の患者宅からタブレットを利用して診察記録を作成・保存することが可能となり、歯科訪問診療での事務処理業務の大幅な効率化を実現する。また、移動中でもタブレットからレセプトコンピューター上にある診察履歴を閲覧したり、ケアマネージャーや薬剤師などと共有する歯科診療情報提供書や各種報告書も簡単に作成できるため、診察の合間に取ったメモを帰院後に報告書としてまとめる作業の負荷が大幅に軽減され、歯科医はより多くの時間を診療に充てられる。価格は、初期費用が24万8000円から、月額使用料が1万5758円から(タブレット1台貸与含む)となっている。今後は、診療やケアの状況が歯科医以外の各医療者間でリアルタイムに情報共有ができるように、本ソリューションと専用SNSサービスとを連携させるなど、より効率的な医療介護連携の実現を目指す。
2014年10月13日経済産業省はこのほど、2011年に公表した「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」を改訂して公開した。同ガイドラインは、情報セキュリティ確保のためにクラウド利用者が行うべきことと、クラウド事業者に対して求めるべきことがまとめられている。改訂版ではクラウドサービスの現状にあわせて、内容の追加などが行われた。また経済産業省は、ガイドラインの利用をサポートする「クラウドセキュリティガイドライン活用ガイドブック」も公開している。活用ガイドブックでは、クラウドサービスの構造やクラウドセキュリティの考え方、ガイドラインを利用したリスク分析手法などが解説されている。改訂版のガイドライン(pdf)と活用ガイドブック(pdf)は、経済産業省のWebサイトで公開されている。
2014年03月17日今回のテーマは、ランニング国内の救急・総合診療科で勤務後、ニューヨークに渡り、現在はアメリカで働くための準備をしている最中の市川先生が、海外の医療や美容に関する旬な話題をお届け!今回は、万国共通の悩みともいえる体臭ケア事情を教えてもらいました。お久しぶりです、市川佑一です。めっきり寒くなってきたニューヨーク。朝、氷点下になることもしばしばですが、寒さに関係なく市民に健康法として人気なのがランニングです。11月3日の日曜日には、世界最大規模の5万人以上の参加者がNYの街を駆け抜けたニューヨークシティーマラソンも行われました。日本からもオリンピック代表・走る公務員の川内選手が参戦し活躍されました。というわけで最近日本でも手軽な健康法として人気のランニングにまつわるお話です。ニューヨークのランニングイベントまずは簡単にニューヨークのランニングイベントの紹介です。日本ではランニングというと黙々と…という印象ですが、アメリカ人のなんでも祭りにして楽しもうという気質からか、こちらではさまざまなイベントがあります。1.the color run/ run or dieこのイベントはアメリカ全土で行われ各地で大盛況。5kmのコースを走りながら各チェックポイントで各色にペイントされるのを楽しみ、ラン後はDJイベントでさらに盛り上がるという企画です。実際に参加しましたが、盛り上がり方は生半可でありませんでした。2.electric runこちらは夜行われるrun eventとして有名。5kmのイルミネートされたコースを暗闇で光るペイントや装飾をしながら走り抜け、ラン後は朝までDJイベントで盛り上がるそうです。他にも、障害物を越えながらわざと泥んこになりつつ5kmを走る③dirty mud runやハロウィーンのようにコスプレしながら走る④costume runなど様々。日本でも行われたら楽しいと思いますけどどうでしょう、みなさんは参加されますか?ちなみに①のイベントでは、参加者はそのペイントのまま地下鉄にのってニューヨーク都市部に帰りました。ペイント軍団に挟まれた白シャツの通勤者が窮屈そうに座っているのが印象的でした。ウォーキングとランニングさて、ランニングといえば健康によく、ダイエットの一環としても人気ですが同様に、ウォーキングも健康法として人気があります。走るか歩くか、どちらが健康にいいのか、気になるところです。今回ある研究記事を発見しました。研究はLawrence Berkeley National Laboratoryでポール・ウィリアムス氏によって行われ、ジョガーとウォーカーとどちらがいいかという長年の疑問を解決しようとした研究結果は…1)エネルギー消費が同じ場合(例:女性の場合ウォーキング7.4km=ランニング5.15km)高血圧関連疾患は、ランニングで4.2%、ウォーキングで7.2%低下する。コレステロールは、ランニングで4.3%、ウォーキングで7%低下する。糖尿病リスクは、ランニングでもウォーキングでも12%低下する。肥満(BMI 28以上)は、ランニングは90%の割合で痩せた。という結果になりました。つまり同じカロリー消費の場合、やせる為にはランニングが推奨され、高血圧や高コレステロール、糖尿病予防などを考えた場合にはウォーキングが推奨されるという結果になりました。読者の皆様も自分のニーズに合わせたトレーニングを行って、健康な生活を送りましょう。まず私自身もやらなければ…ですが(苦笑)それではまた。【PROFILE】お名前(ふりがな):市川佑一(いちかわゆういち)先生専門科:救急・総合診療科年齢:28歳勤務先:米国留学中好きな女性のタイプ:明るく、一緒にいて楽な人初デートに連れていく場所は?:お台場とか…海の見える街なぜドクターを志したのですか?:苦しい時に頼りにされる医者という職業は、やりがいのある仕事だと思いました女性たちからイケメンドクターといわれることにどう思いますか?:笑ってごまかします。中身のことを言われていたら、うれしいです<2013年7月17日現在>
2013年11月15日博士タローは12日、がん専門医療施設として指定されている「がん診療連携拠点病院」のがん治療実績を調べることができるサイト、「がん診療連携拠点病院の実力」をオープンした。政府統計値によると、1984年のがん患者数はおよそ13万人だったが、1999年はおよそ27万人、2008年のがん患者数は1984年に対して2倍以上のおよそ30万人にまで増え続けているという。「当たり前のようにがんが受診でき、治療できる病院を要する時代を迎えている」と同社。専門的ながん医療機関として指定を受けているがん連携拠点病院の中で、もっとも多い年間患者数は8,866人、もっとも少ない拠点病院では155人(がん診療連携拠点病院院内がん登録2009年集計)。多種にわたるがんの、それぞれに合った医療を求める際には、がん患者診療経験の高い医療機関の見極めが必要となるという。同サイトは、がんの疑いによるがん受診医療機関検討時、セカンドオピニオンが必要な時、または治療中のがん医療機関を変える時、がん専門医療機関のがん治療実績をもとに、よりふさわしいがん専門医療機関が選択できるよう開発、オープンに至ったとのこと。同社では「一般の人はもちろん、医療機関にも、最新のがんに関連する医療・サイエンス動向を知ってもらえるようなコンテンツをさらに展開していく」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日歯の治療に保険診療で白いかぶせ物は可能?前歯と奥歯ではどう違う?審美歯科でも保険診療はしてくれる?歯の治療費について、一般患者は分からないことばかりです。そこで、歯学博士で歯科・口腔(こうくう)衛生外科の江上歯科(大阪市北区)院長・江上一郎先生に詳しいお話を伺いました。■前歯は、白いかぶせ物に保険診療が適用される「むし歯について、すべての治療は『保険診療』で可能です。ただし、見た目の美しさを追求するなど、審美と言われる方法については『自由診療』と言って、保険適用ではなく、歯科医と患者さんの契約による自由な料金設定になっています」と江上先生。前歯を白いかぶせ物にしたい場合は、保険診療が適用されると聞きました。それについて江上先生は、次のように説明します。「前歯は、左の犬歯(糸切り歯)から右の犬歯までの上下12本について、保険診療で白いかぶせ物が適用されます。前歯は常時人の視線に触れる場所です。ここに銀色の詰め物やかぶせ物があれば不自然でしょう。ですから前歯は、白い色の材質でも保険診療が適用されます。患者さんの希望によっては自由診療を適用することもあります」では、奥歯の場合はどうなのでしょうか。「奥歯で保険診療が適用されるのは銀色の詰め物やかぶせ物だけです。奥歯では、白い色の詰め物、かぶせ物は自由診療となります」(江上先生)保険診療と自由診療では、詰め物やかぶせ物の材質は違うと聞きます。江上先生は、こう説明を続けます。「保険診療では、前歯に関して、『レジン』と呼ぶプラスチックを使います。中でも、かぶせ物の場合、『硬質レジン前装冠(ぜんそうかん)』と言って、金属の冠を作って表面に歯の色をした硬質樹脂を張り付けるタイプを使います。ほかに、すべて白色の『硬質レジンジャケット冠』もありますが、噛(か)み合わせに対して強度を考慮すると、硬質レジン前装冠を使うことが多くなります。自由診療の場合は現在、陶材だけで作られた『オールセラミック』、金属で冠を作り表面は陶材の『メタルボンド』、超硬質レジンで作られた『オールハイブリッドセラミック』、超硬質レジン前装冠の『ハイブリッド前装冠』、金を用いた『ゴールドクラウン』など、複数の種類があります。一般的に、使用する歯の位置、強度の必要性、見た目、費用などについて患者さんと歯科医が相談をして決めることになります」■かぶせ物の材質、性能、見た目、費用の違いは?保険診療のレジンと、自由診療のセラミックなどは、材質としてどう違うのでしょうか。「レジンは、セラミックに比べると年月による変色、劣化しやすいというデメリットがあります。ただし、自分の歯でもタバコやコーヒー、お茶などで歯磨きをあまりしないと変色しますし、年齢とともに損傷が出てくるものですから、個人差があります。例えば、陶器とプラスチックの食器の違いをイメージすると理解しやすいと思います。セラミックは、より本物の歯に近い自然な風合い、色目、透明度が出ます。変色はあまりなく、強度もしっかりしています」(江上先生)では気になるそれぞれの費用について、江上先生にお尋ねし、次のようにまとめました。<保険診療・3割負担>・前歯のかぶせ物硬質レジンジャケット冠1本あたり約3,500円硬質レジン前装冠1本あたり約5,000円・奥歯のかぶせ物銀歯1本あたり約3,000円<自由診療>・前歯、奥歯のかぶせ物前歯のかぶせ物オールセラミック1本あたり100,000円~200,000円オールハイブリッドセラミック1本あたり50,000円~120,000円メタルボンド1本あたり80,000円~150,000円ゴールドクラウン 1本あたり50,000円~120,000円など費用について江上先生は、こうアドバイスします。「保険診療の場合、どこの歯科医院でもおおむね同じ費用になります。自由診療では、歯科医が独自に料金設定しているため、大きな幅があります。上記の金額の幅は、それを意味します。詰め物やかぶせ物の材質や技工について、自由診療のほうが質が高いということはありますが、保険診療だからといって、治療の質が劣るということではありません。審美歯科でも、小さなむし歯の治療は保険診療で行われます。例えば近くに審美歯科しかない、保険診療でむし歯の治療をしてくれるのかどうか不安な場合は、訪れるまえに電話をし、『保険診療の範囲で治療をお願いできますか』と確認してください。そのとき、『もちろんです』と返答があればOK、『できないこともないですよ』という返答であれば、ほかを探しtみてはいかがでしょうか。一般的な歯科医療は、保険診療に基づいて治療を行うのが基本ですから」歯科の治療費の体系などよく分からないまま通院している人は多いことでしょう。詰め物、かぶせ物をするときなどは、治療前に費用の説明をしてくれる歯科医であれば安心だろう、とつくづく思います。監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・歯科口腔外科の江上歯科院長。江上歯科大阪市北区中津3-6-6阪急中津駅から徒歩1分、御堂筋線中津駅から徒歩4分TEL:06-6371-8902藤井空/ユンブル)
2012年10月25日SBI損害保険(以下SBI損保)は1日より、「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」(正式名称がん治療費用保険)の販売を開始している。厚生労働省「平成21年 人口動態調査」によると、1981年以来、がんは日本人の死因第1位になっており、年間約74万人の人が、がんと新たに診断されているという。その一方で、早期発見、早期治療をすることで、がんは治せる時代になってきたとも言われ、最善な治療を選択することで生存率も高まっている。近年は、医療技術の進歩によって、がんの予防法、診断法をはじめ治療法の選択肢が広がってきているが、選択する治療によっては公的保険が適用されず高額な治療費を患者自身が負担しなければならないケースも生じている。「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」は、公的医療保険制度の給付対象とならない新たな治療法が随時確立する”今のがん治療”にあわせて、誰もが費用を心配することなく希望する最善の治療を選択し、安心して治療に専念してもらうことをコンセプトに開発した商品になっているという。補償される費用は、先進医療だけでなく自由診療なども含めた実際にかかった治療費だが、公的医療保険制度にて保障されるべき金額(公的保険診療で可能な診療を自由診療にて行った場合の公的保険診療相当分、高額療養費相当額)は支払いの対象外。治療費等の実額を支払う他の保険契約がある場合は、他の保険契約を含めた治療費の実額が限度となる。実際にかかった治療費を実額補償がんの治療費を心配することなく、最適な治療を受けてもらうために実際にがん治療にかかった費用を実額で支払う先進医療だけでなく、自由診療も補償公的保険診療の自己負担分や先進医療だけではなく、自由診療でもがん治療にかかった費用を支払う。希望する最善の治療を選択して、がん治療に専念できる通院治療費は最大1000万円まで補償抗がん剤治療による通院や退院後の補助療法まで補償。しかも、通院日数に制限がなく、退院後も安心してがんの通院治療を続けることができるインターネットを活用した割安な保険料30歳男性の場合で月額970円(保険期間5年)。インターネットを活用し、業務を徹底的に効率化して削減できたコストを保険料に還元【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月10日医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、MedPeer会員医師2,660名を対象に「診療場面において本人と家族の意思どちらを尊重しますか?」という質問を行った。調査によると、6割の医師が「重症度・理解度等を考慮し、ケースバイケースである」と回答したことがわかった。調査は、MedPeer会員医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は、2月29日~3月6日。2,660件の有効回答が寄せられた。診療場面において「本人と家族の意思どちらを尊重しますか?」という質問に対して、「重症度・理解度等を考慮し、ケースバイケースである」と回答した医師は6割。「主に本人の意思を尊重する」と答えた医師は31%だった。回答と同時に寄せられた意見では、「本人の意思決定能力や本人への告知などにより異なる」「高齢者の場合、家族の意見にも十分配慮しないと後にトラブルとなる」というものがあった。高齢者、重症患者の場合はやはり家族の意見も重視されるようで、「家族と見解の相違があるときは、家族・本人間で話し合いをしてもらう」といった意見もあった。「主に家族の意向に従う」と答えた医師は7%で、高齢者、終末期の患者など、「家族の協力が不可欠」な場合は家族の意向に従うことも多いとみられる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月13日3月22日、国立大学法人岩手大学(岩手県盛岡市)にて、ペット専用移動診療車「ワンにゃん号」の寄贈式典と、同車両の見学会が開催された。2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災した小動物の救済を行なっていた岩手大学の活動を知ったマースジャパンリミテッドならびに同社のグループ会社であるニュートロジャパン合同会社が、被災動物の救済活動を支援するため「ワンにゃん号」の資金提供を申し出た。寄贈式典では、「ワンにゃん号」のレプリカキー贈呈ならびに感謝状贈呈が行われた。また、岩手大学農学部附属動物病院の佐藤れえ子病院長から、東日本大震災における小動物の移動診療活動が報告。それによると、東日本大震災では、特に津波による被害が甚大で、その地域に暮らす住民への人的被害はもちろん、飼われていたペットの多くも被災した。その数は数千頭にものぼると見られているが、その実態は未だ把握できていないとのこと。岩手大学では被災動物の救援活動に乗り出すため、農学部が使用していた大型の産業動物用車両に獣医や物資を積み込み、大船渡市と陸前高田市で診療活動を行った。中には、重症のペットもいたため、医療施設の整っている盛岡市に搬送し手術等の治療を行い、飼い主の元へと返した事例もあった。藤井克己学長は、「沿岸地域の被災地では、数多くのペットが被災した。また、動物病院も津波による被害を受けケガや病気のペットの診療ができないなどの情報が、被災直後から伝わってきた。そのため、大学が保有する『モーモー号』と名付けた家畜などの産業動物用の巡回診療車両を、急遽『わんにゃんレスキュー号』に改称し移動診療活動を行った。今回、マースジャパン様ならびにニュートロジャパン様のご支援により、日本初となる高度な診療機器を備えたペット専用の移動診療車をご寄贈いただいたが、これからが息の長い活動となる。頑張っていきたい」と式典で語った。一方、ペディグリー、カルカンなどのブランド名で知られるペットフードを輸入・販売するマースジャパンの森澤篤社長は、「私たちは東日本大震災直後から、会社として被災地を支援したいと思い、緊急的に義援金とペットフードなどを被災地へと提供させていただいた。その後も継続的に支援活動を行いたいとの思いから、私たちの販売するペットフード全商品から1円を支援金として積み立てる寄付金支援プロジェクトを展開。2011年5月1日から約6カ月間で、全国のペットオーナーの方から1億円のご支援をいただくことができた。そのような中、インターネット上で岩手大学さんが行なっている被災動物救援活動を知り、この支援金を役立ててもらえないかと申し出た。私たちの会社の理念は、ベター・ワールド・フォー・ペッツ。このたびの東日本大震災で被災した地域の一日も早い復興を祈念するとともに、よりよいペットたちの環境づくりにこれからもお手伝いしていきたい」と語った。マイクロバスを改造したペット専用移動診療車「ワンにゃん号」は、レントゲン装置や超音波画像診断装置、血液分析機器、吸入麻酔機などの最新の診断・医療機器が装備され、災害時におけるペットのあらゆる症例にも対応する。式典の後に行われた見学会では、モデル犬を使ってのエコー実演が行われ、見学者の注目を集めていた。今後、岩手大学では、被災地の拠点病院ならびに岩手県獣医師会、動物愛度団体、被災地支援ボランティア団体などと連携し、「動物何でも相談会」の開催や、被災地における獣医学セミナーおよび市民公開セミナーの開催を予定している。また、全国で発生する災害時には、被災地へ「ワンにゃん号」を派遣する活動も展開していくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月28日