日本の緊急通報番号は、警察が110番、消防と救急が119番ですが、イギリスではどちらの場合も999番となります。イギリス最大の警察組織であるロンドン警視庁で1日に受ける緊急通報電話は21,000件に上りますが、そのうち緊急案件は6,000件で、緊急でない案件は15,000件と倍以上。どうでもいいことで緊急通報番号に電話してくる不届き者がいるのは万国共通のようで、事例には枚挙にいとまがありません。そこで、イギリスの困ったちゃんたちが緊急通報番号にかけてきたおバカで面白い理由をいくつかご紹介します。■1:「マンUの監督出せ!」2014年1月、イングランドの人気サッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッドが試合に負けた夜、お酒に酔った男性が999に電話。同チームのアレックス・ファーガソン監督(当時)を出せと要求しました。オペレーターが「この電話は犯罪を通報する番号です」と伝えると、「犯罪?今夜のマンUのパフォーマンスは犯罪だね」と返しました。■2:「妻が食事を用意してくれない!」とある男性が緊急電話にかけてきた理由は、「妻が食事を用意してくれない」こと。この男性のために奥さんがテーブルに用意にしておいた食事は、昨日の夕飯の残りのサーモン・サンドイッチふつだけだったとか。応対したオペレーターは、「奥さんが食事を用意しないことは緊急事態じゃないから、こんな電話は受けられません」とピシャッと返しました。■3:「食べものがないのにリスが!」ある女性から、灰色の体毛をしたリス「トウブハイイロリス」がいるのに、近所にハシバミの木がない、と緊急通報が入りました。いわく、「リスの命が危ないのよ!絶滅危惧種なのに食べ物になるハシバミの木が近くにないんだもの!」。実は、イギリスにもともといたのは体毛が茶色のキタリスで、外来種のトウブハイイロリスのせいでキタリスは絶滅危惧種となりました。オペレーターが絶滅危惧種はキタリスだと指摘すると、「多分、キタリスとトウブハイイロリスのハーフだと思う」と言い訳を口にしました。■4:「発光体が空に浮かんでいる……。UFOかも?」ある秋の夜、パニック状態の男性から999に電話が入りました。燃えるように光る飛行物体が自宅上の空に浮かんでいる、と。オペレーターに詳細を聞かれると、「エンジン音もなくただ浮かんでいる」と答えたそう。オペレーターは地元の警察に連絡するといって通話を終えました。その数分後、同じ男性から再び緊急電話が入り、「信じられないかもしれないけど、さっきの発光体、月だった」と報告したそうです。警察当局は、通報した男性が本当にパニック状態だったことから、いたずら電話ではなく本物の天然ボケだったと判断しています。秋の名月がUFOに見えたとは驚きです。■5:「トイレットペーパーがない!」「どんな緊急事態ですか?」というオペレーターに、「トイレットペーパーがなくなりました」と返す声。「そんな理由で999にかけてきたんですか?」とオペレーターが確認すると、「え、これ999?間違えました」と電話を切ったそう。いったいどこにかけたつもりだったのでしょうか?*緊急でない案件で999に電話をすると、本当に999の助けが必要な人たちの通話を阻害し、人命に関わることになりかねません。そのため、イギリスで緊急通報番号にいたずら電話をすることは法律で禁止されています。処罰は5,000ポンド(約93万円)の罰金か最長半年の禁固刑です。日本では、虚偽の通報をした場合は30万円以下の罰金または拘留となります。緊急以外の連絡先として、警察相談電話(#9110)がありますので、緊急性が低いときはこちらを活用しましょう。(文/松丸さとみ)【参考】※Nine-nine-whine: After Manchester United fan’s rant here are more time-wasting 999 emergency calls-Mirror※Emergency call: The man who mistook the moon for a UFO-THE WEEK※Central Communications Command-Metropolitan Police Service
2015年11月17日アディッシュはこのほど、ネットいじめ対策事業「スクールガーディアン」導入校を対象に、スマホでいじめの匿名通報ができる新サービス「Kids’ Sign(キッズサイン)」の無料提供を開始した。「スクールガーディアン」は、同社が子どもたちをネットトラブルから守るために立ち上げた事業で、総計3,800校が導入(2015年11月現在)。子どもたちのネットへの書き込みを見守り続けることで、子どものネット利用実態を把握し、先生が生活指導上で活用できる情報を提供している。政府の2014年発表統計調査では、小学生~高校生までのスマートフォン所持率は56.8%で、高校生では約8割が所持していることがわかった(※)。あわせてSNSやコミュニケーションアプリの普及が進んでおり、いじめが生じる場面がリアルな場所から、子どもたちが常に所持しているスマホへと変わりつつあるという。特にコミュニケーションアプリで行われるいじめは人目に触れることなく、時間に制限もないため、いじめを受けている生徒は1日中恐怖から逃げることができない。そこで、クローズドな場所で行われるいじめの実態を把握し、解決に導くため、子どもたちがいつでも匿名でいじめを通報できる新サービスをリリースしたとのこと。新サービスでは、子どもたちが「いじめられている」「いじめを見た」といった情報を、いつでも匿名で通報できる。同社スタッフは、生徒の投稿をチェックして学校に報告。これまで学校で定期的に行われる従来の紙アンケートとは異なり、いじめの情報をリアルタイムにキャッチできるため、いじめの早期発見につなげることができるという。書き込まれた情報は、各学校、各教育委員会の個人情報保護の方針にのっとって対処するとのこと。同サービスは、本年度契約740校に無料提供しているが、今後、先行導入校の声をもとにサービスを改善し、2016年4月以降は正式版として有償提供する予定だという。(C)2015adish Co.Ltd.All rights reserved.※「平成25年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」による (2014年2月内閣府発表)
2015年11月04日ロサンゼルス警察は18日(現地時間)、ジャスティン・ビーバーの自宅で銃撃があったと警察に嘘の通報をした疑いで、カリフォルニア州に住む未成年者を逮捕したと発表したが、それが12歳の少年だったことが明らかになった。ロサンゼルス警察は、逮捕したのが未成年者であること以外、年齢や性別などは明らかにしていないが、「Los Angeles Times」紙は事件を報じた記事中で、少年であることを匂わせていた。この12歳の少年は、10月にアシュトン・カッチャー宅でも複数の人が銃で撃たれたと通報。銃を持ったロシア人が人質を取っているという真に迫った話を信じて、S.W.A.Tが出動したが、アシュトンは在宅すらしていなかった。数日後に今度はジャスティンの家に銃や爆弾を持った人間が複数いる、と警察にいたずら電話をかけていた。ゴシップサイト「TMZ.com」は、少年は登校拒否で昼夜を問わずコンピュータにかじりつき、ネットを通してハッカーたちと交流していたと報じている。家庭に問題があり、児童相談所が何度も訪問を重ねたが、改善の兆しがない状態が続いていたという。警察当局は少年の境遇に同情的で、カウンセリングを受けさせ、現在の家庭から離して別の環境で生活する支援を計画している。ロサンゼルス郡地方検察局は訴追するかどうかを検討中だ。(text:Yuki Tominaga)© Startraks/AFLO
2012年12月21日日本マネジメント総合研究所は、11月19日に開催した「企業ガバナンスフォーラム2012」において、日本初となる「勇気ある監査役大賞」「勇気ある通報者大賞」を発表した。このほど発表した2つの賞は、同研究所が独自に企画したもの。同研究所によると、企業の各種不祥事が相次ぐ中、内部通報者や告発者は、正しい行動を取ったにも関わらず、企業や組織からしっぺ返しをされたり社会から疎外されたりすることがあるという。同研究所は、身の危険や生活の危機に直面されたとしても、正しい行動を貫く内部通報者・告発者・企業を社会的に応援したいと願い、今回のフォーラムで同賞を発表した。「勇気ある監査役大賞」となったのは、トライアイズの元監査役 古川孝宏氏。監査役の職務執行をめぐる取締役等との対立に際し、法的手段を行使してまで正当性を主張しようとすることは極めてまれであったこと、一連の議論を通じて監査役のあり方に一石を投じる結果になったことが評価された。「勇気ある通報者大賞」は、オリンパスの社員 浜田正晴氏が受賞。問題とされる上司の社員引き抜き行為について、社内のホットライン制度を選択したこと、内部通報後に配置転換等の処遇を受けながらも、勤務を継続して裁判の場で争う姿勢を貫いてきたことが評価された。同研究所によると、選定に際しては「私利私欲からではない勇気ある言動・通報・告発かどうか」「被害者や社会など誰かの役に立っているかどうか」「売名行為や意趣返しとしての言動・通報・告発になっていないか」「正義を成すにもその成し方が正しいかどうか」などを重要視したという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月21日