間宮祥太朗&桜井日奈子W主演映画『殺さない彼と死なない彼女』から、注目の物語のキーパーソン、<イケメンくん>(金子大地)と<サイコキラーくん>(中尾暢樹)のビジュアルカットが到着した。本作のキーパーソンとなる、恋する心をかき乱す<イケメンくん>と、全てを戦慄させる<サイコキラーくん>。恋多き少女・きゃぴ子(堀田真由)の彼氏のひとりである大学生の<イケメンくん>を演じているのは、「腐女子、うっかりゲイに告る。」「わたしに××しなさい!」に出演、「おっさんずラブ」栗林歌麻呂役も話題となった金子大地。<イケメンくん>について小林啓一監督は「はじめから金子くんがいいと思っていたので、ほとんど当て書きです」と<イケメンくん>はまさに金子さんそのものだと言い、「以前『逆光の頃』(17)にも出演してもらって、また一緒にやりたいなと思っていました」と抜群の信頼を寄せているという。そして、夏ドラマの中でも特に大きな話題となった「あなたの番です」ではかわいいヤンキーカップルで視聴者を癒していた中尾暢樹は、愛についての歪んだ信念を滔々と説く<サイコキラーくん>を演じている。公開中の予告編では、サイコキラーの恐ろしさを予感させた中尾さん。小林監督は「サイコキラーくん役は、美形で人懐こくて笑顔の爽やかな人がよかった」と自身にあるイメージを明かし、「なので、パブリックイメージが明るい中尾くんが真逆の役をやったら怖いんじゃないかと思いましたね」と起用理由を語っている。『殺さない彼と死なない彼女』は11月15日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:殺さない彼と死なない彼女 2019年11月15日より新宿バルト9ほか全国にて公開(C)2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会
2019年09月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「8050問題」です。100万人以上の人がひきこもりになっている時代。ひきこもり状態が長期化し、50代のひきこもりの子供を80代前後の親が養い続ける事態が起きています。子供だけでなく、高齢になり、精神的・経済的に限界を迎えた親も孤立。これを称したのが「8050問題」です。5月に起きた川崎市登戸通り魔事件や、元官僚がひきこもりの息子を刺殺した練馬の事件をきっかけに、世間で広く注目されるようになりました。ひきこもりの定義は「自宅にひきこもり、社会参加をしない状態が6か月以上持続し、精神障がいが、その第一の原因とは考えにくいもの」です。ひきこもりは、2000年代から継続的に調査されていたのですが、調査対象が15~34歳だったため、若年層の問題のように捉えられていました。しかし、近年の調査で、中高年層のひきこもりの実態が明るみになり、2019年3月時点で、40~64歳の中高年のひきこもり人口は61万3000人。若年層も合わせると日本には100万人以上のひきこもりがいる計算になります。親が健在なうちは、50代の子供も働かなくても、実家暮らしで生活は成り立ちますが、将来、親が他界したあとが問題です。ひきこもりの支援団体の中には、「精神の問題だ」と、恫喝して強制的に外に連れ出し、立ち直らせようとするところもあります。しかし、そのやり方は当人の尊厳を傷つけますし、間違った行為だと思います。いまの社会慣習の枠に無理やり当てはめることは正しい解決法とは思えません。もう一つ大きな問題は、5月の事件もそうですが、報道で「加害者はひきこもりでした」「8050問題です」と言われることで、ひきこもりが犯罪者の予備軍かのようなレッテルを貼られてしまうことです。そのことが余計に、ひきこもりやその家族を孤立化させ、問題を深刻化させてしまいます。家から出なくても、オンライン上で仕事をしたり、社会活動に参加できるかもしれません。また、定義からすれば、職場になじめず退職し、半年ほど実家で休養するうちに働く気力がなくなり家にこもった状態にある人も、「ひきこもり」になります。本人の自覚がなくても、多くの人がひきこもりになり得る時代になってきているんです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月20日「別人みたい」。ドラマ「おっさんずラブ」のハイテンションなモンスター新入社員“マロ”役で俳優・金子大地を知った誰もが、その1年後のNHK総合“よるドラ”「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。」で見せた、生きづらさを抱えるゲイの高校生役に驚愕したはずだ。現在公開中の『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』で再びマロとして帰ってきた彼は、田中圭や吉田鋼太郎、林遣都らと連ドラから変わらぬ結束感をスクリーンに映し出す一方、その進化はハンパなかった。この秋以降も話題作が次々に控える、ひと回り成長した金子さんにいまこそ注目した。マジメ男子からヤンキー、イケメン先輩まで多彩な役柄を演じ分けシャープな顔立ちにキリリとした涼しげな目元、その割にキュートでシャイな笑顔のギャップはもちろん、デビューから途切れることなく話題の映画・ドラマに出演し、演技の幅広さを見せつけてきた金子さん。1996年9月26日生まれ、北海道出身。2014年「アミューズオーディションフェス」で俳優・モデル部門を受賞してデビュー。特技のバスケットボールを披露したこのオーディションでは、当時中学1年生だった清原果耶がグランプリ、そして金子さん同様に今年注目を集める堀田真由がWOWOWドラマ賞を受賞していた。「カサネ」(’15)でドラマ初出演し、「スタジオコロリド」新井陽次郎の劇場映画監督デビュー作となったアニメ『台風のノルダ』で声優デビュー、2016年には『64-ロクヨン-』でスクリーンに登場した。初めてのレギュラードラマは同年「昼のセント酒」で、マロとはまるで真逆のタイプの地味めなメガネ男子となった。新人俳優の登竜門ともいわれる人気シリーズ『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』や「痛快TV スカッとジャパン」の“胸キュンスカッと”をはじめ、「臨床犯罪学者 火村英生の推理」「重版出来!」「99.9-刑事専門弁護士-」、林遣都出演の「リーガルV」、「私のおじさん~WATAOJI~」など人気ドラマに多数ゲスト出演。2017年には、井上真央主演「明日の約束」で生徒のひとり、バスケ部の長谷部大翔役を演じたほか、映画では『逆光の頃』『きょうのキラ君』『デメキン』など6本もの出演作が公開に。行定勲監督の『ナラタージュ』では有村架純が参加する演劇部員のひとりを演じ、北海道・札幌を舞台にした大泉洋・松田龍平主演『探偵はBARにいる3』にも出演していた。いきがった半グレも、挫折したエリートも巧みに演じ分けることができるのは、天性といってもいいかもしれない。連ドラから1年!劇場版で最も成長した男=金子大地そして、2018年に一大ブームを巻き起こしたドラマ「おっさんずラブ」で、天空不動産第二営業所に勤務する“ゆとり世代”の申し子のようなモンスター新入社員・栗林歌麻呂、通称“マロ”役に起用され、作品同様に大きな注目を集めることに。「~じゃないっすか」「正直、~っす」と、チャラいが物怖じしないストレートな言動は人気となった。その押しの強さと誠実さゆえか(!?)何気に営業成績もよく、恋愛経験も豊富そうなマロ。当初はちず(内田理央)にアプローチしていたが、彼女が春田ラブと分かるやトーンダウン。黒澤部長と離婚することになった蝶子(大塚寧々)と傷心トークから恋が芽生えていった。だが、マロにグイグイ来られる度に「いくつ離れてると思ってるの」と引いてきた蝶子。連ドラから1年後が描かれる劇場版では、相変わらず営業所を盛り上げてはくれるものの、新入社員として山田ジャスティス(志尊淳)が入社したことで先輩となったこともあって、ルックスから随分と大人っぽくなった点に注目。オンでは若々しさと遊び心のあるチェックスーツに黄色のネクタイと派手めだが、オフの花火大会では浴衣でマジモード。蝶子に「そこは浴衣でしょ~?」と甘えるシーンは「可愛い!」と評判となっている。かと思えば、黒澤部長が入院したときには蝶子をリードするような姿も。クライマックスの後に用意されている「ここぞ」という場面では、オールバックで気合いの入ったところを見せつけた。マロもまた、真っすぐに“愛”を体現してきた男でもあるのだ。蝶子に対する本気の恋愛がマロを大人にさせたように、最年少の金子さん自身も、田中さんをはじめとする百戦錬磨の実力派俳優陣に現場で揉まれ、さらに下記のような作品に次々に起用されて、“俳優・金子大地”としても進化を遂げてきた。劇場版ではそんな成長著しいマロこと、金子さんにも惚れる人が続出中。なお、黒澤部長役の吉田さんとは自身初の舞台「ヘンリー八世」でも共演を果たす。「わたしに××しなさい!」金髪+太黒ブチメガネがヤバみケータイ小説家として活躍する女子高校生・氷室雪菜を玉城ティナ、学校一のモテ男の同級生・北見時雨を小関裕太が演じた、累計発行部数200万部超え人気漫画のドラマ&映画化。金子さんは、劇中に登場する恋愛シミュレーションゲームの「あまのじゃく系天敵男子」として、雪菜のライバルの恋愛小説家ドルチェこと、時雨の腹違いの兄・北見氷雨を好演した。金髪姿に存在感のある太縁メガネで、クールさが増し増しに。エレベーターでの壁ドンをはじめ、雪菜が引いてしまうほどの俺様ツンデレキャラとして魅力を放ちつつ、弟・時雨との確執という“闇”も覗かせている。『家族のはなし』超貴重!歌声を初披露お笑い芸人・鉄拳のパラパラ漫画を原作に岡田将生が主演をつとめた『家族のはなし』では、岡田さん、さらに「わたしに××しなさい!」でも共演した「劇団EXILE」佐藤寛太とバンドマンに。演じた劇中バンド「超未来戦士」の銀髪のボーカル・柴田は、マロの大学時代か!?と思うほどにテンション高めだが、実はバンドに対して熱い思いを持っている青年だ。本作では、楽器経験のなかった3人が役作りのためにバンド練習に取り組んだそうで、なんと金子さんは歌にも挑戦し、主題歌や劇中歌を手がけたバンド「サイダーガール」の「群青」「橙の行方」をカバー。それがなかなか味のある、切ないハスキーボイスで、また何かの作品で披露してもらいたいところ。「腐女子、うっかりゲイに告る。」繊細な演技に絶賛の声浅原ナオトによる原作小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」のドラマ化で初主演をつとめた。タイトルこそキャッチーだが、ゲイの高校生の苦悩に真摯に向き合ったドラマで、ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)の2019年6月度「月間賞」に選ばれ、金子さん自身も第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞の新人賞を受賞するなど高い評価を集めた。「おっさんずラブ」の大ヒットの後、「きのう何食べた?」「俺のスカート、どこ行った?」など、LGBTQを取り上げたドラマが同じクール(4月期)に地上波で放送されたことも話題となった。母親と2人暮らしの主人公の高校生・安藤純は、既婚者で年上のパートナーがいるが、“異性を愛し、子どもを作って、家庭を築く”という“普通の幸せ”への強い憧れも持ち、そのために同級生のBL好きな三浦沙枝(藤野涼子)と付き合おうとするも、うまくいかない。本当の自分を押し隠し、母親にも、幼なじみにも、同級生にも言えない息苦しさを金子さんは目線ひとつで繊細に表現。周囲による無配慮なアウティングもある中、1年前は“おっさん”たちの純愛を応援していたマロこと金子さんのまるで別人のような姿は、陰のある色気も相まって観る者を引き込んだ。また、金子さんが演じた純が「この社会に生まれたことが苦しくてどうしようもないときに救ってくれた」と語る「クイーン」の楽曲が、小説と同様に各話のタイトルとなっており、それぞれ象徴的にドラマを彩っている。特に、純が「もう疲れた…」とある行動をとる第5話の「ボヘミアン・ラプソディ」は神回と断言したい。「チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」本田翼のバディに!そんな中、10月スタートの新ドラマでは主要人物に抜擢。本田翼が演じる、詐欺師を逆に騙し返して摘発につなげる謎のスペシャリスト集団「チート」のヒロイン・沙希のバディを演じる。しかも、アイドルオタクの警察官!実直な性格で仕事では沙希に振り回されるも、売れない三流アイドル・如月モモとしての顔を持つ沙希の秘密を知ってしまい、お互いの秘密を共有することになる…という。映画『どすこい!すけひら』知英に猛アプローチ!?ぽっちゃり体型の主人公・綾音(知英)がひょんなことから、100kgから45kgに激変。人気アイドルの湊拓巳(草川拓弥)や、一度告白するも撃沈した先輩・馬渕隼人(金子さん)、さらにはエステの超VIP客・横濱健二(竹中直人)に迫られ、モテ始めるというストーリー。漫画:たむら純子、原案:清智英による同名漫画を、『あのコの、トリコ。』宮脇亮監督がメガホンをとって実写化。11月1日(金)公開。映画『殺さない彼と死なない彼女』正統派イケメン役間宮祥太朗、桜井日奈子のW主演に加え、白石和彌監督の『凪待ち』、今泉力哉監督の『アイネクライネ ナハトムジーク』などに起用された恒松祐里、「3年A組ー今から皆さんは、人質ですー」の生徒役で金子さんとは“同期”でもある堀田さん、同じくの「3年A組」の箭内夢菜、「あなたの番です」『チア男子!!』の中尾暢樹など、注目の若手俳優が集結。堀田さん演じる恋多き女・きゃぴ子の彼氏の一人であるイケメンくんを演じる。第32回東京国際映画祭の特別招待作品に決定しており、世界から注目を集めることになるかも!?11月15日(金)公開。映画『猿楽町で会いましょう』再び金髪で、切ない恋!堤幸彦監督や大根仁監督を擁する映像制作会社「オフィスクレッシェンド」主催の映像コンテスト「未完成映画予告編大賞 MI-CAN」グランプリを受賞した映像作品(予告編)の映画化。嘘つきの女の子・ユカと、彼女の“本当の顔”を撮ろうとするフォトグラファー・小山田の恋を描くビタースイートなラブストーリーとのことで、期待が高まる。『カメラを止めるな!』クリエーター陣による『イソップの思うツボ』のヒロインに起用された石川瑠華とW主演。2020年公開予定。舞台挨拶などでは、はにかみ屋な素顔を見せつつも、芝居ではどんな色にも染まることのできる金子さん。大ブレイクを迎える日は、着々と近づいている。(text:Reiko Uehara)■関連作品:殺さない彼と死なない彼女 2019年11月15日より新宿バルト9ほか全国にて公開(C)2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~ 2019年8月23日より全国東宝系にて公開©2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会
2019年09月11日3人組ロックバンド・RIZEのメンバーで実弟・KenKenこと金子賢輔容疑者、JESSEことマック・ファーデン・ジェシー・ソラト容疑者が大麻取締法違反の罪で起訴されたことを受け、メンバーで俳優の金子ノブアキが11日、インスタグラムをに思いをつづった。逮捕の翌日、「この度はJESSEおよび金子賢輔の件に於きまして、ファンの皆様、関係各位の皆様方に大変なご迷惑をお掛けして申し訳ございません。僕自身未だ混乱していますが、バンドメンバーとして更生を願い、2人の帰りを待ちたいと思います。心よりお詫び申し上げます」とコメントを発表していた金子。11日のインスタでは、「金子賢輔、JESSE 両名の起訴の報を受けて改めて記したいと思います」と切り出し、「この様な事態を防ぐ為に各メンバー、スタッフ間では出来得る限りのコミュニケーションが取られて来ました。弊社スタッフ主導の元薬物検査も行われていました」と経緯を説明すると共に、「それなのに、こんなにも稚拙な結果を生んでしまった。あまりにも悔しく情けないです」と落胆する。また、「あの日から今日まで、スタッフや関係者、残されたバンドメンバーやその家族が受けている理不尽なストレスやダメージを目の当たりにし続けています」と2人の逮捕後の影響を伝え、「違法とされている物は、例えどんな理由があろうと他者の人生を大きく傷付ける物なのだという事。これをきっかけに更に強く認識されて欲しい」と願う。そして、「関係各位の皆様、そして日頃から応援して下さっている皆様には多大なご迷惑をおかけ致しております。心より謝罪申し上げます」とあらためて詫び、「今後も様々な影響が予想されますが、許される限り身の丈に合った行動、活動を取って行こう思います。改めて両名の償いと更生を心より願っています」と締めくくっている。
2019年08月12日3人組ロックバンド・RIZEのメンバーで俳優の金子ノブアキが20日、インスタグラムを通じて、同バンドのJESSEと実弟・KenKen(本名:金子賢輔)が大麻取締法違反の疑いで逮捕されたことについてコメントした。ボーカルのJESSE、ベースでDragon Ashにも所属するKenKenらが19日、大麻取締法違反の疑いで逮捕された。所属事務所は20日、公式サイトを通じて謝罪し、「現在、詳細な事実調査を行っており確認が取れ次第、関係各位の皆様へ対応させて頂く所存です。また、今後の処遇につきましては、捜査の進捗を見守りつつ厳正に対処して参ります」と発表していた。金子は、「JESSEおよび金子賢輔の件につきまして」と題し、「この度はJESSEおよび金子賢輔の件に於きまして、ファンの皆様、関係各位の皆様方に大変なご迷惑をお掛けして申し訳ございません」と謝罪。「僕自身未だ混乱していますが」と胸の内を明かし、「バンドメンバーとして更生を願い、2人の帰りを待ちたいと思います」と両容疑者にメッセージ。「心よりお詫び申し上げます」と結んでいる。
2019年07月20日お笑いコンビ・うしろシティの金子学が、17日に放送されるTBSラジオ『うしろシティ 星のギガボディ』(毎週水曜 24:00~)にて、「ヘヴィメタル編み物 世界選手権」優勝について語る。金子は「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」を率いて、7月11日にフィンランドにて行われた「第1回ヘヴィメタル編み物世界選手権」に出場し、見事に優勝した。同大会はニッター(=編み手)がヘヴィメタルを演奏する中で編みものを披露し、そのパフォーマンスを競うもので、TBSラジオ『うしろシティ 星のギガボディ』の企画にてエントリー。予選からセミファイナル、ファイナルへと勝ち抜いていく様子は、これまでの放送内でも本人より報告されていた。しかし、フィンランドで行われる決勝の舞台へ参加するための渡航費は大会から支給されないことが発覚すると、本人達でクラウドファンディングを立ち上げ、支援が800万円に到達したことも大きな話題となった。17日の『星のギガボディ』では、フィンランドでの様子や優勝した直後の喜びが語られる。
2019年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政党の広告戦略」です。SNSを使った政党の広告手法。気軽に流されないで。今年は選挙イヤー。春に統一地方選挙があり、夏には参議院議員通常選挙が予定されています。投票可能な年齢が20歳から18歳に下がり、いずれ行われるかもしれない国民投票も視野に入れながら、各政党は若年層をとりこもうと広告戦略に余念がありません。まず3月に共産党がTikTokに公式アカウントを開設したことがニュースになりました。自民党は令和が始まると同時に「#自民党2019」プロジェクトの特設サイトをオープン。安倍首相ら自民党の7人を描いた屋外広告を街中に展開。動画CMでは10代のアーティストらを登場させ、話題を呼びました。与党の自民党は予算があるため、クオリティの高い広告を大量に作っていますが、どの政党も様々な手法で宣伝しています。皆が話題にあげ、SNSで拡散されることを狙っているのです。ただ、イメージの良い政党=自分の希望する社会を作る政党、とは限りません。広告では具体的な政策は語られず、スローガンを謳うだけです。「現実的な政策を広告で述べたところで、国民は耳を傾けてはくれないだろう」というのが政党側の意見です。イデオロギーを人の心に植え付けるとき、声高にメッセージを掲げるのではなく、美しい、かっこいい、悲しいなど、感情に訴え、知らず知らずにそう思わせるのがプロパガンダ(大衆操作)です。戦時中、ナチスはワーグナーの音楽やかっこいい映像を使い、ドイツが特別な国家だと国民に思わせましたし、アメリカはディズニーのドナルドダックを反ナチス映画に使いました。政治家がアートやスポーツをプロパガンダに利用する歴史は連綿と続いています。ですから、「なんとなくいいな」と思ったときには、誰かがそう思うように感情に訴えたのかもしれないと肝に銘じてください。そして、「なぜ、自分はよいと思ったのだろう?」と冷静に自問することが大事です。10年後20年後、どんな社会であってほしいですか?自分はどうありたいですか?具体的なビジョンを描けなければ、政策の是非も判断できません。イメージで選んだ政治の、その先の民主主義は足元が脆いと思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月10日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年07月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中貿易摩擦」です。アメリカも中国も譲らない状態がまだまだ続きそう。先日福岡で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、多くの国から、アメリカと中国の貿易摩擦が激化すれば、世界経済に大きなリスクを負わせるのではという意見が出ました。関税を巡る米中の貿易摩擦が表面化したのは昨年からです。トランプ大統領は就任前から、アメリカの貿易赤字を問題視しており、輸入品に高い関税をかけ、自国製品が売れるようにしたいと考えていました。昨年7月、中国製品に高い関税をかけ始めたところ、中国は反発。アメリカからの大豆や牛肉などに高い関税をかけ、対立が加速したのです。今年になり、アメリカは、「中国製の携帯電話はアメリカの技術を盗み取ったもの」と、中国の特定企業との取引を停止させました。対する中国は、半導体の元となる「レアアース」のアメリカへの輸出制限を示唆。アメリカは中国からの輸入品のほとんどの関税を引き上げましたが、さらに3000億ドルに相当する品目も、最大で25%まで引き上げるかどうか、6月末に決めると発表しました。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の記者は、両者の勝負はしばらく膠着状態だろうと見立てており、中国研究の第一人者・遠藤誉さんは、「GDPで世界1位になるまで中国は退かないだろう」と話していました。中国外務省は先日、「米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、断固たる決意で対応する」と強い態度を示しました。いま中国は一帯一路構想により、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカまでの巨大貿易ルートを確保しようとしています。各国に巨額の支援や融資を施し、中国側に引き入れようと画策。例えばカンボジアのフンセン政権は、中国の支援に対し、プノンペンに中国人のための街を建設。強制退去させられた地元の人々の不満が募っています。アメリカもまた、中東地域の戦争や、自国内でも不法移民問題で人権を抑圧。人々の不満が積もれば、いつかほころびを見せるのではないでしょうか。いまこそ日本には、目先の利益にとらわれず、人権を守る協調体制が求められます。アメリカや中国、その他の国々との橋渡し役になることが、長期的には自国を守る術にもなるでしょう。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月3日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年06月28日元衆議院議員の宮崎謙介氏・金子恵美氏夫妻が7日、都内で行われた「Wedding Open Innovation記者発表会」に登壇し、タキシード&ウエディングドレス姿を披露。宮崎氏は金子氏のドレス姿について「いつもきれいですけど、10倍増しですね」と照れながらコメントした。発表会では、令和時代の結婚式の在り方についてさまざまなゲストを交えてトーク。結婚式の多様化をテーマにしたトークセッションでは、政治家という職業柄6回の結婚式を挙げた宮崎謙介氏・金子恵美氏夫妻が登場した。“美人すぎる国会議員”として注目を集めていた金子氏は、デコルテ&美背中あらわなウエディングドレス姿で美貌を放ち、「女性は一生に一度、お姫様のようなっていう夢を持っていると思うんですけど、そのドレスを私は今日で7回着させていただいて、何回着てもいいものだなと思いました。京都(での結婚式)は和装だったんですけど。着るたびに女性に生まれてよかったなって思う」とうれしそうに話した。これまでの結婚式では「タイトなマーメイド型のものや、最後の結婚式だけお姫様のような広がるドレスを着てきた」という金子氏。今回のドレスについては「後ろのラインがすごいきれいで、プリーツも素敵ですし、純白っていうのがウエディングドレスのイメージだったんですけど、これは少しヌーディ―なピンクのかかった色。今までにないドレスを着させていただきたいと思って、新しいスタイリッシュなドレスを選んで、気に入っています」とお気に入りのポイントを説明した。夫の宮崎氏も「何度見てもウエディングドレス姿はいいなって思います。いつもきれいですけど10倍増しですね」と絶賛。また、自身のタキシード姿について「新鮮な気持ちに。結婚したばかりの頃に戻ります」と語り、金子氏が「衣装が素晴らしくて、ここ(首から下を指して)が素晴らしいなって思います」と衣装だけ褒めると、「照れ隠しですよ」と仲の良さが伝わるやりとりを見せた。金子氏が妊娠中だった2016年2月に宮崎氏の“ゲス不倫”が報じられるも、支え合って騒動を乗り越えて絆が深まったという2人は、7回目の結婚式を検討中とのこと。宮崎氏は「7回目の結婚式は仕切り直しの意味も込めて」と話し、金子氏も「本人が禊としてやりたいのであれば大いに乗ります」と前向き。宮崎氏はまた、家に結婚式の大きいパネルがあるんですけど、子供が『自分がいない』って」と子供を加えた3人の結婚式のパネルを飾りたいと言い、「令和元年のうちにやりたい」と話した。
2019年06月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「留学生失踪」です。留学生を経営難の私大の水増し要員にしてよいのか?東京福祉大学では、昨年度だけで約700人の留学生が所在不明となり、この3年間で不明者はおよそ1400人に上ることがわかり、問題になりました。正規の留学生には定員があり、試験に合格することが必須です。ところが同大学では2016年度から「研究生」という枠組みで募集、3年間に留学生の定員の約6倍、5700人が入学していました。なかには日本語が全くできない学生も。これにより学費収益は12億円増加。収益を上げるために、受け入れを拡大していた可能性があり、文科省で調査を進めています。少子化により、厳しい経営状態に追いやられている私立学校は増えています。日本私立学校振興・共済事業団によると、大学・短大を運営する660法人の17%・112法人が経営困難な状態であることが判明。そのうち21法人は経営改善をしないと2019年度末までに破綻する恐れが出てきています。昨年から、18歳人口が減少期に入っており、経営環境の悪化が懸念されています。これに対し留学生の数はうなぎ上り。日本学生支援機構によると、2018年5月時点で大学院、大学・短大、専門学校、日本語学校などの留学生は29万8980人。10年前と比べ約2.5倍に膨らんでいます。東京福祉大学の研究生枠は、日本に出稼ぎに来たい外国人にとって、簡単に受け入れてもらえる受け皿になっていたともいえます。ここまで極端でなくても、ほかの私学でも似たケースはあり得ると思います。最初は学ぶつもりで日本に来た留学生も、学費と生活費を稼ぐためにアルバイトに明け暮れ、そのうちに勉強する意欲を失い、学費も支払えなくなり、失踪してしまう。もしかしたら、人手不足のコンビニを支えているのは、こういう学生たちなのかもしれません。しかし、単に労働力のみを求めるのではなく、外国人の若者たちをどのように教育し、コミュニティの一員として機能してもらうかを真剣に考えなければなりません。政府はいま、大学教育の無償化を掲げていますが、経営能力もなく外国人で水増ししているような学校まで無償化となると、大学行政も根本から考え直す必要があると思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年5月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年05月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「景気回復」です。景気実感を得るには、新しい仕事を自分で生み出さないと。政府は、4月の月例経済報告にて、「輸出や生産の一部に弱さも見られるが、緩やかに回復している」と発表。日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の業況判断指数が、大企業・製造業でプラス12。昨年12月から7ポイント悪化しています。景気の問題が頻繁に取り上げられている理由は、豊かさがなかなか実感できず、不安感が広がっているからです。実質賃金は横ばいかやや下降が続いています。安倍政権はデフレから脱却するため、物価を上げたいと思っていますが、日銀が設定した2%の物価上昇率は達成されず、賃金は下降。世界的に、原材料や資材価格は高騰。人手不足で人件費も上がり、企業は収益を給与に反映できずにいます。このまま進むと、賃金は上がらないにもかかわらず、物価は上昇する「スタグフレーション」という最悪の事態を引き起こしかねません。しかし、企業からすれば、リーマンショックのように突発的に景気が悪くなることに備え、資金を会社に留保しておきたいのです。空前の人手不足だから、そのうち賃金も上がるだろうと楽観視する人もいますが、日本はこの春から外国人材の受け入れを拡大しています。日本に働きに来る外国人が増えれば、賃金が抑えられた状況は続くでしょう。いま、景気を底上げしているのは、株や為替など金融資産を持つ人たちです。金融取引により蓄財を増やしていますが、それができる人は一部。SMBCコンシューマーファイナンスの意識調査によると、30~40代で貯蓄額が0万円の人は23.1%。1万~50万円の人が24.6%。約半数の人たちが、投資を始める余裕がありません。与野党も、納めた税金が社会保障として還元される仕組みを作ろうと言っていますが、具体策は見えてきません。私たちが実感を得られるような景気回復は、待っていても起こりません。誰も気づいていないニーズを掘り起こし、新しい仕事を開拓していかないと厳しいでしょう。一つの勤め先だけに頼るのではなく、あちらこちらで仕事をしていく。一人一人が自分自身で新たな付加価値を生み出す、創造的な働き方が求められています。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年5月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年05月17日斎藤工や金子ノブアキが参加する映像制作プロジェクトチーム「チーム万力」による最新ショートフィルムが、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019」(以下:SSFF & ASIA 2019)で世界初公開されることが分かった。米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「SSFF & ASIA」。今年は“Cinematic Attitude”をテーマに、5月29日(水)より開催される。今回ここで最新ショートフィルムを公開する「チーム万力」は、俳優だけでなく監督や写真家とマルチに活躍する斎藤さん、ピン芸人の永野、ミュージシャンであり俳優としても活躍する金子さん、そして映像ディレクター・清水康彦を加えた映像制作プロジェクトチームだ。「チーム万力 presents ショートフィルムの未来地図 vol.2」と題して、6月8日(土)の一般向け上映会とトークイベントには、斎藤さん、永野さん、SWAY(「DOBERMAN INFINITY」)、清水監督が登壇。今秋公開の長編映画『MANRIKI』を今回のために1つの短編作品として再編集した特別作品、最新自主制作ショートフィルム『DEATH BIKE』を上映。さらに、各作品の製作・撮影エピソードや、『MANRIKI』についてのトークショーも行われる。本イベントのチケットは本日より発売中だ。なお「SSFF & ASIA 2019」オンライン会場にて、昨年上映した「チーム万力」第1弾ショートフィルム3本を期間限定で無料公開。永野さんのコント「イカになった先生」を原案に製作した『LOHAS』、同じく永野さんのコント「焼きそばしかないキャバクラ」を原案に製作した『ZERO-焼きそばしかないキャバクラ』、そして宮本諒が出演する『宮本』。こちらもお見逃しなく。<「チーム万力」コメント>斎藤工構想4年にして『MANRIKI』と言う美しくもバケモノみたいな作品が生まれてしまいました。本当に未知の領域の作品です。勿論良い意味です。そんな『MANRIKI』の成分をショートフィルムバージョンとして、皆様に世界最速でお裾分け出来たらと思います。金子ノブアキ2年連続!嬉しい!しつこくてすみません…!永野最初はMANRIKIをショートverにする事に正直抵抗があったんですが、実際に完成した作品を観たら全く別物の面白さでした。ショートって深い!!!!SWAY映画『MANRIKI』凄くワクワクして待ってました!今まで見た事ない映画です!映画館で“MANRIKI WORLD”にやられてください!清水康彦喜劇の鬼才・永野が眺める世の風景、新時代の映画人・斎藤工の気高き野望、孤高の音楽監督・金子ノブアキによる美しくも混沌とした音像表現、その他様々な才能が集結しました。これで良いものができなかったら自分の凡才のせいだと言い聞かせ、毎日毎日がんばりましたので、ぜひ笑って楽しんでいただきたいです 。「チーム万力 presents ショートフィルムの未来地図 vol.2」は6月8日(土)17時50分~表参道ヒルズ スペースオーにて開催。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019」は5月29日(水)~6月16日(日)東京計5会場およびオンライン会場にて開催。※開催期間は各会場によって異なる(cinemacafe.net)
2019年05月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コンビニの時短営業」です。コンビニの問題から自身の働き方もぜひ振り返ってみて。セブン‐イレブンの東大阪南上小阪店が、スタッフを確保できず夜中の営業を中断したところ、本部から契約解除と違約金1700万円を請求されました。メディアで問題視され、請求はすぐに取り下げられましたが、コンビニエンスストアの時短営業について、各所で議論されるようになりました。現在、コンビニスタッフの人手不足は深刻な問題になっています。結果、オーナー家族に負荷がかかり、心身を壊すという事態が起きているのです。いまやコンビニは、モノを売るだけの場所ではありません。ATMがあり、公共料金の支払いや宅配便の窓口でもあり、各種チケットの発券、コピーやプリンターなど行えることは多岐にわたります。地方では、夜間の町の防犯の意味でも大事な存在になっています。とても便利で私たちの生活は助けられていますが、本当に24時間営業が必要なのかどうか。ヨーロッパなどで、ほとんどの店が日が暮れたら閉まる光景を目にすると、日本の経済活動の過剰さを痛感します。24時間店を開けるということは、商品や電力、資源もそのぶん消費しているということです。ローソンの統計によると、2017年度の売れ残り食品は1店舗あたり1日9.2kgでした。食品廃棄物のうち40%以上はリサイクルをしているそうですが、それでも少なくはない数字です。コンビニ大手も人手不足対策を相次いで打ち出しています。セブン-イレブンとローソンでは、「セルフレジ」を年内に全店で導入することにしました。時短営業もセブンの一部の店舗で実験的に行われています。ただ、「24時間営業」が前提の経営スタイルなので、簡単には時短営業店舗が広がっていくという流れにはならない模様です。4月5日には経済産業省がコンビニ8社に対し、オーナーの不満を解消する行動計画を出すよう指示。今回の件は、オーナーによる訴えに対してメディアが反応し、企業側も反応し、社会が問題を注視するようになった、示唆に富む出来事でした。無理を強いられているのはコンビニに限りません。働き方改革は様々な形があります。自分の働き方を見直し、権利を守ることに意識が向けばいいなと思います。堀潤ジャーナリスト。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年5月1日‐8日合併号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年05月02日自分に厳しく、相手にも自分の理想を押し付けてしまう「完璧主義」な人、周りにいませんか?ジャニーズ・嵐の松本潤さんこと松潤も「完璧主義」なんてよく言われているようで…。コンサートなどでの力の入れよう、妥協を許さない姿勢はまさにプロフェッショナル。そんな「完璧主義者」の松潤。今回はその名前から恋愛傾向や噂されている結婚を読み解くべく、モバイルサイト『開運姓名鑑定』で占ってみました。国民的アイドルグループの恋愛事情も、由緒正しい「姓名鑑定」でみれば新しい発見があるかも?◆外格「9画」は神経質?自分勝手?名前からみた松潤は…熊﨑式の姓名鑑定は、人の姓名を構成する文字の画数を使ってあらわす「五格」と五行の相性などで、全体の運勢や恋愛・仕事運などを導きます。松本潤さんの姓名画数表※熊﨑式では姓または名が1文字の方は、仮数「一」を加えて画数を計算します。松本潤さん(以降松潤)の、外格の「9画」は字数的に「大凶」を表しており、性格的には神経質で、情緒性が濃く感情的になる傾向になるとか。また何でも賢く進めていこうとする性質をもっているとのことで、自分なりの「こだわりの強さ」が出てしまうのがうかがえます。他にも、---地格が17の名前には「衝突、成功、固執」といった意味があります。競争心を発揮してしまうので、人との意見の対立も少なくないでしょう。…(中略)…あまり自分の考えを相手に押しつけてしまうことが無いように意識すべきでしょう。---「超完璧主義」とか「思ったことをすぐに口にしてしまう」なんて言われている松潤。こだわりのために、ぶつかる…そんなところが名前からあらわれているようです。ちなみに、『開運姓名鑑定』では、名前の運勢を数値化している棒グラフもありました。これをみると松潤、「仕事運はすごく高いのに、結婚運・恋愛運…低っ!ろくな恋愛してなさそう!」と思わずつぶやいてしまうような結果です。確かに、本命(といわれる)相手とも別れたのではなんて噂もあったり、フライデーのあの人ともごたごたしているし…と、松潤の恋愛状況が頭によぎってしまいますね。この表だけで読み解くならば、「仕事は超できるけど、痛い恋愛をしがちなオトコ」といった感じです。(あくまで表から読み解くと…ですよ!)◆松潤の「運命の人」は…やっぱりあの人?恋愛運は残念な感じの松潤。彼の「運命の人」はどんな人なのかも占ってみたところ…---◎あなたの運命の人、その「容姿」についてあなたの運命の人は顔立ちそのものには、ほとんどクセがなく、…いわゆる万人受けするような容姿の持ち主で…(略)…初対面では、無難にまとまりすぎていて、あまり強い印象に残らないかもしれません。その人柄を知れば知るほど、魅力的に見えてくるでしょう。------◎あなたの運命の人、その「人柄」についてあなたの運命の人は、気さくで、親しみやすい人柄をお持ちでのようです。気軽に声をかけやすいタイプを想像していただければと思います。また、あまり周りの意見に左右されず、何事に対しても、地道にこつこつと自分のペースで進めようとされる面が見受けられます。…---容姿は美人だけどあまり印象に残らないタイプ。親しみやすそうな人柄で周りの意見に左右されずしっかりとした人のようです。これはもしかしたら?---◎あなたの運命の人、その「周囲からの評価」についてあなたの運命の人の周囲からの評価は、おおむね一定していて、好ましいものとなっているようです。特にその人の気さくで親しみやすい人柄に関しては、周囲の人に好感を持たれていることでしょう。…---松潤の相手といえば、もうすぐ結婚?と噂されている女優の井上真央さん。イメージとしては運命の人にぴったりとあてはまりそうです。少なくとも、フライデーで騒がせてしまった彼女の方ではなさそうなイメージですね。◆噂の彼女と結婚するの?外格9画同士の結婚は…?ではそのお相手、井上真央さんを姓名鑑定で見てみましょう。松潤と同じ外格9画をもっていることがわかります。井上真央さんの姓名画数表そんな二人の相性はというと、---(松潤は)何事も積極的にきっちりやっていかないと気が済まない性格なので、彼女のルーズな面に耐えられないこともあるようです。一方的に責めてしまい、そのまま破局という可能性も…(略)…厳しくしめつけるのではなく、お互いを尊重して、ゆっくりと時間をかけて距離を縮めていくことが長続きの秘訣になるでしょう。---「運命の人」のイメージは強かったのに、相性はあまり良くなさそうですね。先ほど外格の9画は「大凶」と紹介しましたが、その影響で家庭運があまり良くないようです。---二人は外格に9をもっていることで、家庭運があまりよくありません。感情をぶつけ合うこともあるので結婚まで進むかは微妙です。結婚まで進んだとしても松本さんの指導力が家庭内で強引さとなって表れたり、逆に井上さんから束縛されるようになって二人の間に溝ができ、長続きしない心配がありますので、あまり良くないでしょう。---結婚までの道のりも長そうですが、結婚後もなんだか茨の道といった感じです。---もっとおおらかで、寛大な心を保つように努力する必要があるでしょう。(略)…絆を深め合えるように努力することで、お互い、理想の夫婦の姿に一歩ずつ近寄っていけるのです。---仕事は完璧主義だけれど、その完璧さが恋愛では裏目に出ているような松潤。そんな彼が結婚に踏み切るのは「余裕」が生まれてからが濃厚そう。2020年までは嵐メンバーとして多忙な日々を送るため、結婚へのステップを踏みだすのはその後になりそうですね。◆ライター:akkyu◆占い監修:五聖閣創業90年の歴史を持つ姓名判断の宗家「熊﨑式姓名学」。日本の姓名学の始祖である熊﨑健翁が昭和3年に東京・大森に設立。運命学の分野において姓名鑑定という領域を初めて切り拓いた、いわば姓名学の宗家として、命名、改名、社名、芸名など名前を中心に鑑定を行っている。●モバイルサイト『開運姓名鑑定』
2019年04月26日NHKよるドラ第2弾、『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』で初主演に抜擢された金子大地さん。原作は小説『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』。僕と純の共通点は人を好きになるところ。「原作を読んだとき、LGBTの世界観や価値観、悩みなどに深く切り込んだ内容だったので題材も役どころも難しい、というのが第一印象。でも、だからこそやりがいがあるんじゃないかな、とも思いました」金子さんが演じるのは、同性愛者であることを周囲に隠して暮らす、18歳の高校生・安藤純。腐女子の同級生・三浦紗枝(藤野涼子)がある日、書店でボーイズラブの漫画を購入するところに遭遇し、二人は少しずつ接近していくという物語だ。「いつもお芝居をするときは、役作りというよりもその役と自分を繋げるような、しっくりくるラインを見つける作業から入るんです。そのために共通点を探したりするんですが、僕と純が確実に通じ合えるのは“人を好きになる”ということ。相手が異性なのか同性なのかでもちろん違うと思いますが、僕としては、人を好きになるという根本的な気持ちは変わらない。一方で、動物の世界ではオス同士の性行為が多いと聞いて、本能的にそういうことが起こるのであれば、じゃあ世間で言われている“普通”とか、自分が思っている“普通”って何?という疑問は大きくなるばかり。考えるほど、わからなくなっちゃいますけどね」まず世の中のマイノリティの人たちの心に響いてほしい、と金子さん。「だけど重い気持ちではなく“うっかり”気楽に見てほしいです(笑)」『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』ゲイであることを隠して生活する純だが、“異性を愛し、子供を作って家庭を築く”という“普通の幸せ”にも憧れる同級生の腐女子・三浦さんと交際を始めるが…。4月20日(土)スタート、NHK総合23:30~23:59(全8回)。かねこ・だいち1996年9月26日生まれ、北海道出身の俳優。ドラマ『おっさんずラブ』などの話題作に出演。出演映画『劇場版 おっさんずラブ』が8月23日公開、『殺さない彼と死なない彼女』が秋公開予定。※『anan』2019年4月24日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年04月20日乾燥肌や敏感肌は砂糖スクラブでケアかゆみ肌や乾燥肌、敏感肌を改善する「みんなの肌潤糖~アトケアタイプ~」が4月4日、リニューアル発売された。「みんなの肌潤糖~アトケアタイプ~」は、砂糖と植物性オイルを主原料としたスクラブ。優れた浸透力と高保水力を持つ「砂糖」に着目した商品である。砂糖には肌本来の成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成を促し、ダメージ肌を改善する作用がある。砂糖を肌に浸透させるため、均一なパウダーに粉砕し、一粒一粒を植物性オイルでコーティングして、より一層肌になじみやすくした。角質層から潤いを与えることで、肌のバリア効果を修復。かゆみを抑えて、しっとりとした肌へと導いてくれる。肌成分に近い植物性オイルで浸透力アップ今回のリニューアルでは、砂糖の浸透力を高めるために、植物性オイルの配合を改良した。人間の皮膚の成分に近い「ホホバオイル」。そして体内で作られる物質と同質の、サトウキビから抽出した「シュガースクワランオイルを、独自技術で配合しているのが特徴だ。植物性オイルの作用で肌に素早く浸透すると同時に保湿力を高め、肌の皮脂膜の再生を強力にサポートする。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社北の達人コーポレーションのプレスリリース※株式会社北の達人コーポレーションのホームページ
2019年04月05日神戸市広報課のホームページで連載中のブログ「ごろごろ、神戸。」の著者、平民金子による初の展覧会『平民金子展「ごろごろ、神戸。」もうひとつの世界』が、4月1日(月)から4月30日(火)まで神戸・塩屋の784JUNCTION CAFEにて開催される。期間中は、会場限定のZINEの販売やトークイベントなども行われる。「ごろごろ、神戸。」は、2015年に神戸に移住してきた文筆家・写真家の平民金子が、神戸市広報課のホームページで2017年より連載しているブログ。自身による写真と文章で神戸のさまざまな場所を歩く様子を記録したものだ。頻出するのは須磨水族館や東山商店街、稲荷市場など、お洒落な神戸のイメージとはちょっと異なる味わい深い町の姿。それらを子育てをする親の目線を通して、独自の筆致で紹介する人気連載である。平成が終わるこのタイミングを区切りに行われる平民金子初の展覧会。本展では、神戸移住後に彼が撮りためてきた膨大な写真の中から、可能な限りを展示する。また、期間中には全編書き下ろしのZINE「ごろごろ、神戸(B面)」を会場限定で販売予定。さらに、神戸を語った名著『神戸、書いてどうなるのか』でも知られるロック漫筆家・安田謙一とのトークショーも開催される(こちらは既に定員に達しているため現在はキャンセル待ちのみ受付中)。同期間中、カフェ1階の図書ルームでは神戸・元町の書店「1003」のセレクトによる「食の本棚」も展開される。会場となる塩屋は、神戸の西に位置し山と海に挟まれた小さな町。駅前には旧い商店街が直結し、旧グッゲンハイム邸など現存し利用されている洋館もある。平成最後の1か月、展覧会とあわせてぜひ神戸の様々な魅力を感じてほしい。平民金子展「ごろごろ、神戸。」もうひとつの世界▼平成31年4月1日(月)~4月30日(火・祝)784JUNCTION CAFE兵庫県神戸市垂水区塩屋町9-14-7(JR・山陽塩屋駅より徒歩13分)入場無料日曜休9:00-18:00078-778-7071※同時開催神戸元町1003「食の本棚」※会場限定ZINE『ごろごろ、神戸。(B面)』の販売あり※スペシャルトークイベント平民金子×安田謙一4月6日(土)15:00~1000円+1drink満席につき予約終了(キャンセル待ちのみメールにて受付中)
2019年03月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「中枢中核都市」です。地方の都市に集中させる目論見だが、理想通りには…。昨年12月18日に内閣府は82の市を“中枢中核都市”に選びました。人口が東京、神奈川、千葉、埼玉の東京圏に集中するのを抑えるためになされた地方創生政策のひとつです。2018年に東京圏に転入したのは約14万人。2020年時点で、東京圏と地方の転入・転出が均衡を保てるようになることを目標にしています。選ばれたのは、北海道ならば、札幌、函館、旭川。福島県では福島、郡山、いわきの3市。1県に1市のみのところも数多くあります。東京圏以外の、政令指定都市や県庁所在地、中核市。つまり、ある程度大きな街です。自治体の財政が厳しいいま、地方全体を活性化させるのは難しい。そこで、“地方創生推進交付金”の上限を引き上げ、企業誘致や住宅団地の再生などを支援し、地方のなかで、潜在的な成長が見込める都市に、人も仕事も集めて活性化させようという計画なのです。しかし、日本には792の市、東京都の特別区が23、743の町、183の村の合計1741の自治体があります。そのうち東京圏を除いた約1500からたった82市に絞り込んだわけですから、将来的には、数多くの田舎町が切り捨てられることになるでしょう。しかし、この政策を成功させるのは難しいのではないかと僕は思います。同じ県内でも、習慣や言葉、文化が異なります。いくら交付金を出し、「さあ、ここに集まってください」とお膳立てしても、あくまで東京目線。地方創生は、地方発信で進めないかぎり、壁にぶち当たるのではないでしょうか。平成の中頃までは地方分権の機運があり、地方は自分たちで支え、国と県とは対等の立場で緊張関係を持とうとしていました。そんななか、大阪府では橋下徹知事が出てきました。しかし、安倍政権になり霞ヶ関の中央官庁出身の配下を地方の知事に据えたため、地方と国のパイプが強くなり、中央主導が基本の関係になってしまいました。各州が独立して独自の法を持ち、その土地の文化を守っているアメリカのように、北海道や九州が独立して、“日本合衆国”になるくらいドラスティックに変わらないと、本当の意味での地方創生は実現しないのかもしれません。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年2月27日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「水道民営化」です。水道管の再整備が必要な時期。不透明なところも。昨年12月に「改正水道法」が成立しました。これにより、上下水道事業が民営化されやすくなります。改正の動きは数年前からありました。地方の自治体の財政基盤が弱っており、全国隅々まで水道インフラを維持するには、効率よく経営できる民間に任せたほうがいいという判断からです。日本の水道インフラは、主に高度成長期に整備を進めていきました。水道管の耐用年数は約40年のため、いままさに再点検が必要な時期なのです。昨年6月に起きた大阪北部地震では、老朽化した水道管が破裂し、高槻市や箕輪市で約9万戸が一時期断水に追い込まれました。今後こういう被害は増えていくだろうといわれています。実は水道料金は全国一律ではありません。破損した水道管を修理するにも、住民の数により負担額は変わります。平成28年4月の水道料金を見ると、全国平均は月額3227円。最も安いのは兵庫県赤穂市の853円で、最も高いのは北海道夕張市の6841円と、約8倍の格差があります。水道法の改正により、「コンセッション方式」といい、水道施設の所有権は自治体にあり、運営権のみを民間に売却できる仕組みを取り入れることになりました。民営化した場合の問題は、水道料金が高くなること。フランスは1980年代にコンセッション方式で水道民営化を実施しましたが、3か月後には水道料金が値上がりし、25年間で倍以上に高騰したため、2010年に公営化に戻りました。民営化でもうひとつ懸念されるのは、インフラの維持・管理。災害などが発生した場合に復旧されるのか?日本には、水メジャー(上下水道事業を担う巨大な国際企業)はありませんから、フランスのヴェオリア社やスエズ社、アメリカのGE社などが参入することになるでしょう。それらの海外企業が、災害で水道管が破損した際の費用負担をするのか。そもそも老朽化した水道管をまず整備しないことには、商売も始まらないのでは?という疑問も。ヨーロッパでは公営化に戻す動きが主流ななか、日本のこの、水道民営化に移行しようとする流れは、実は不透明なところもあるのです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年2月20日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月15日誰もが一度は経験してみたいものといえば、身を焦がすような命懸けの恋。そこでご紹介するのは、時代や周りに流されることなく自分を貫いた実在の女性を描いた話題作『金子文子と朴烈(パクヨル)』です。今回は、主人公の金子文子を演じたこちらのかたにお話を伺ってきました。それは……。写真・大内香織(チェ・ヒソ)韓国で注目を集めている女優チェ・ヒソさん!【映画、ときどき私】 vol. 213チェ・ヒソさんは本作の熱演が高く評価され、“韓国のアカデミー賞” といわれる大鐘映画祭では新人女優賞と主演女優賞をW受賞。そのほかにもいくつもの賞に輝き、一躍人気女優のひとりとなりました。そんななか、この役を演じるうえで学んだことや “第二の故郷” である日本への思いを語ってもらいました。韓国人と日本人には一番観て欲しい―本作は1923年の東京を舞台に金子文子と朝鮮人アナキストの朴烈との出会いが中心に描かれていますが、日本での公開に対してはどのような心境ですか?チェさん私がこの作品を一番観て欲しいと思っていたのは、韓国人と日本人だったので、公開が決まったときは本当にうれしかったです。国境を越え、同志として愛し合い、戦った人たちが100年近くも前にいたということは韓国でも日本でもあまり知られていないと思うので、ぜひご覧いただきたいです。―チェさんは小学校2年生から5年間日本に住んでいたことがあり、もともと日本語は得意だということですが、とはいえ今回は特殊なセリフもあり、難しかったのではないでしょうか?チェさんそうですね。普段とは違う日本語で演技をするというのは、やはり大変なことではありました。でも、撮影前に資料などを全部読んだので、そのおかげでレベルは上がったと思います。特に裁判記録とかは本当に難しくて、1枚読むのに2時間かかるほどでした。―では、チェさんから見た文子の魅力を教えてください。チェさん脚本ができる前にイ・ジュンイク監督から文子の手記を読んで欲しいと言われました。読み始めたら、最後まで一気に読んでしまったくらい、とにかく力強い内容。でも、それ以上に20歳という若さでこんなにも自主的に自分の人生を生きようとした女性がいたというのは、本当にすごいことだと感じました。「文子はアジアでは初めてのフェミニストじゃないかな」と監督も言っていましたが、とにかく素晴らしい女性なので、私の人生における観点にもかなり影響を与えていると思います。実際、「自分の主張を曲げてはいけないんだ」と思うようになりました。文子を演じる前の私と演じたあとの私とでは、まったく違う人間になったと感じています。―同じ女性として共感する部分もありましたか?チェさん彼女の主張のなかでも素晴らしいのは、男性も女性も区別をしないで、人間は人間であり、誰もが平等な権利を享受すべきだということ。若い女性でそういう考えを持てることは本当にすごいことですよね。私も自己主張は強いほうだとは思いますが、彼女のように自立して生きていきたいと思ったので、共感以上に学ぶことが多かったです。難しい役を演じ切って自信になった―では、役作りをするうえでこだわった点があれば、教えてください。チェさん文子は一見かなりタフな女性に見られがちですが、明るくて無邪気な一面もあったと思われたので、そういう部分をいかに表情やしぐさで出せるかという点を監督と相談しながら、いろいろと試していきました。ただ強い女性を演じるのではなく、表面的な部分と内面的な部分のバランスをどのように表現すればいいのか、すごく悩んだところですね。―この作品ではさまざまな賞を獲得し、女優としてのキャリアにおいても大きな作品になったと思いますが、演じるうえで影響を与えたことは?チェさんこれまで、最初から最後まで物語を主導するような役というのはあまりなく、こんなにも主体性が強い役どころもなかったので非常に難しかったです。でも、それをやり切ったことで、いまではすごく自信にはなったと思います。―今回は日本人の女性を演じるのもチャレンジだったと思いますが、日本人の女性の印象を教えてください。チェさんまず、日本人の女性は、文子みたいに大声は出さないですよね(笑)。いつもとてもやさしくて、行儀がよくて、姿勢がいいという印象があります。よく日本の映画を観ていますが、文子みたいに叫んだり、悪い言葉を口にしたりするようなキャラクターはめずらしいと思います。―日本の作品もよくご覧になりますか?チェさん私は安藤サクラさんが大好きで作品を全部観ています。安藤さんは固定概念にとらわれない日本人女性を演じていらっしゃっているので、韓国でも人気が高い女優さんなんです。あとは、是枝裕和監督の作品もすべて映画館で観ていますし、小津安二郎監督のようなクラシックな作品も好きですね。日本にはほかにも素晴らしい監督さんや俳優さんがとても多いので、いつかみなさんとお仕事してみたいというのがこれからの夢のひとつです。文子と自分の恋愛観で違うところとは?―本作は歴史的な事実を描いただけの作品ではなく、文子と朴烈とのラブストーリーでもあると思いますが、彼らの恋愛をどう感じましたか?チェさんとても若い2人ですが、とても成熟した愛。ただのひと目惚れから始まったように見えますが、牢獄のなかでもお互いに信頼し合い、最後まで一緒に戦い続けるので、男女としても、同志としても非常にステキな愛の姿だと感じました。この作品は歴史的人物のヒーローの映画でもありますが、第一にラブストーリーでもあるので、特に女性のみなさんはより共感していただけると思います。なかでも、文子が「彼の欠点を全部超えて彼を愛する」という言葉を大勢の人の前で言うところは実際に文子が裁判所で語った部分ですが、すごくステキな場面だと思いました。―ご自身の恋愛観と比べるといかがですか?チェさん実は、私は自分から告白したことがないんです。というのも、自信がないのと、傷つくのが怖くて勇気がでないんですよね。そういう意味では、積極的な文子とは全然違いますね(笑)。―文子は朴烈の書いた詩を読んだ瞬間に恋に落ちますが、そういう経験はありますか?チェさん実は私も文章や詩を書くのが好きなので、詩を読んでひと目惚れするというのはすごいなと思うと同時に共感もしました。私も外見で好きになっても内面的に通じ合えないと長く続かないんですよね。とはいえ、私の人生で文子みたいなことは起きていませんが……(笑)。―では、男性を見るときに大切にしていることは?チェさんまずは信頼できる人かどうかですね。それはお互いの約束を守れるかということだけでなく、仕事関係や周囲の人々にとっても信頼できる人と思われることが一番大事なところだと思いますし、あとは共通点のある人がいいですね。たとえば、映画やスポーツが全然好きじゃない人とは合わないかなと思うので。―やっぱり好きなものを共有できるのはいいですよね。チェさんそうですね。あと一番重要なのは、好きな食べ物や味の好みが同じこと。東京に来る時はいつも美味しいお店をネット検索しているくらいなんですよ。日本は懐かしくて、親しみを感じる国―日本食もお好きなんですね。ちなみに、日本にはどのくらいの頻度で来られていますか?チェさん大学に入ってからも、バイトで稼いだお金で東京、大阪、京都を訪れたり、母と一緒に福岡の温泉にも行ったりしたので、数えきれないくらい来ていますね。最低でも1年に1回、多いときは2~3回は遊びにきているんですよ。―そんなに日本に来てくださるのはうれしいことですが、どんなところが好きですか?チェさん幼いころに住んでいたこともあり、日本語を聞いたり、日本語の看板を見たり、食事の匂いをかいだりするとすごく懐かしい気持ちになるんです。そういったものに惹かれて日本に来ているところはありますが、私にとって日本は親しみを感じる国だと思います。―それでは最後に、同世代の女性読者へ向けてメッセージをお願いします。チェさん韓国でも「女の子はこういうことを言うべきだ」とか、「こういう服を着るべきだ」といった「女性だったら〇〇すべき」みたいな考え方がいまだにあります。でも、文子を見てもらえばわかるように、彼女は誰の言葉にも振り回されることなく、自分の意志で自分の人生を作っていった人。なので、彼女のことを知ったら、「私ももっと自分で決めて行動しなきゃ」と思うきっかけになるはずです。それだけでなく、とても明るくて魅力的なキャラクターでもあるので、ぜひみなさんにこの作品をご覧になっていただきたいと思います。インタビューを終えてみて……。日本の雑誌のなかでもananはお気に入りで、日本に来る前にはいつも韓国で読んでトレンドをチェックしているというチェ・ヒソさん。とにかく日本語が堪能で驚きでしたが、勉強家な一面はぜひ見習いたいところです。知的な雰囲気がありつつも、親しみやすいチャーミングな笑顔がステキなチェさんが、日本の作品にも出演されるのを楽しみにしたいと思います。自分にしか生きられない人生がある!何かと人の目を気にしたり、周囲に流されたりしがちな現代ではあるものの、本当に自分が求めているものは、自分にしか決められないもの。激動の時代のなかでも、最後まで自分を貫いた金子文子の生き様は、女性の持つ強さを教えてくれるはずです。ストーリー1923年、社会主義者たちが集う東京のおでん屋で働く金子文子は、ある日「犬ころ」という詩に心を奪われ、作者である朝鮮人アナキストの朴烈に出会う。ふたりはすぐに同志として、恋人として生きることを決めるのだった。ところが、そのあとに関東大震災が日本列島を襲い、過酷な運命が文子と朴烈の前に立ちはだかることに……。胸が熱くなる予告編はこちら!作品情報『金子文子と朴烈』2月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開配給:太秦©2017, CINEWORLD & MEGABOX JOONGANG PLUS M , ALL RIGHTS RESERVED
2019年02月15日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「自己責任論」です。仕掛けられた議論。大衆の意識の低さにも問題が。3年4か月にわたり、シリアで武装勢力に拘束されていた、フリージャーナリストの安田純平さんが無事解放されました。ところが帰国後、テレビやネットなどの日本のメディアで多くとりあげられたのは、シリアの情勢や安田さんがどんな取材活動をしてきたのかよりも、“自己責任論”でした。危険な地域での人道支援やジャーナリストの取材に対して、“自己責任”という言葉が使われるようになったのは2004年、3人の日本人の若者が、イラクで武装勢力の人質になったときです。「危ないといわれているところにあえて行くのは、自分自身の責任の部分が多い」と、当時の小泉政権の閣僚が言い、広まっていったのです。自衛隊のPKO派遣と重なった時期で、3人の行動により国の政策を変えるわけにはいかず、政府批判が高まらないように政府が作った官製用語でした。安田さんの帰国以降、日本のメディアでは主に、「自己責任なのだから、危険地帯に行った人は死んでも仕方がない」という話か、それゆえ「危険な地域には行くな」という2元論しかされていません。しかし、「危ないから取材には行かない」ということだと、日本にとって情報の空白地帯が生まれてしまいます。「シリアなんて遠い国の話は日本に関係ない」と思う方がいるかもしれませんが、それは違います。中東が混乱し、石油が手に入らなくなったら、私たちの生活は根底から覆される可能性があります。また、日本は貿易国。輸出で収益を得ており、世界中とつながっていますから、情勢を知らなくていい地域などないと思います。自己責任論のなかには、「国に迷惑をかけるな」という意見も挙がりましたが、国が邦人を保護するのは当たり前の話。それは、急性アルコール中毒で倒れた人を“自己責任”だからと、救急車が乗車拒否をすることはないのと同じことです。今回の自己責任論は、メディアによって仕掛けられた議論でした。本来伝えるべきシリア情勢よりも、感情に訴えかける大衆受けのするコメントを流し、議論をショーアップしていきました。しかし、メディアは社会を映す鏡です。メディアにそうさせたのは、果たして誰なのでしょうか。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年12月12日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年12月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「パワーハラスメント」です。職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、同じ職場で働く人に対して、地位や人間関係などの優位性を使い、適正な範囲を超えた精神的・身体的苦痛を与える行為をさします。2010年からの5年間で、過労が原因でうつ病などの病気を発症して労災が認められたケースが2000人。そのうちの368人は過労自殺でした。2000人のうち、30代が3割以上。20代も加えると5割以上になります。少子高齢化で労働不足になっている日本にとって、若い世代が心を病んだり自殺に追いやられているというのは、もはや国難です。2017年度に「心の病」が労災認定された506人のうち、パワハラが原因の人は88人。前年度より14人増え、2年連続で原因別の最多となりました。パワハラは、起こしている本人にその自覚がないケースが多く、トラブルになっていますが、受ける側もそう捉えていないことに根深い問題があります。僕自身、今にしてみれば、上司からパワハラを受けていたと思うことがあります。しかし、当時の僕は、「厳しく指導してもらったおかげで成長できた」と思い込んでいたのです。手に震えが出るなど、体に変調を来していたのに、上司も自分も、それが問題だとは感じていませんでした。上司の失点になってはいけないと、部下が自らタイムカードを適度な時間に打刻し、帰社したことにして、会社に申請せずに長時間残業をする。部内全体で、それを無言のうちに強いるというのも、一種のパワハラです。「受けている本人がパワハラと認識しなければ、パワハラではない」とされていますが、それは違います。業績を上げることや効率を最優先する会社の価値観に染まり、知らないうちに負担を強いられ、心を病むこともあります。あなたの会社の常識は、世の中の常識とは違うかもしれません。厚生労働省は、企業にパワハラ防止措置を義務付ける、法の整備を検討し始めました。嫌だなと思うことに、NOと言える環境や、その職場に問題があれば、我慢せずに、20代30代でもほかの職に移ってもいいという風潮も、広げていく必要があると思います。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年11月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年11月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日ロ平和条約」です。70年以上平行線だった問題。いま何を選択するか?9月にウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムの席で、プーチン大統領はいきなり「日ロ平和条約を年末までに、前提条件なしに締結しよう」と発言し、波紋を呼びました。1951年、第二次世界大戦を終結させるサンフランシスコ講和条約にソ連(現ロシア)は調印しませんでした。その後、1956年の日ソ共同宣言により国交は回復したものの、ロシアとの間では、戦争は終わっていないことになっています。平和条約締結を阻んでいるのは、領土問題。日本は、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島返還を条約締結の条件にしています。ところが、ロシアは歯舞、色丹の2島のみ返還という姿勢を崩していません。鳩山一郎内閣のとき、2島返還、平和条約締結ののちに残りの2島の交渉を続けるという方針で決まりかけましたが、いったん返還を認めてしまうと、残り2島は二度と戻らないかもしれないという強い反対意見があり、条約締結は棚上げされました。このとき、アメリカのダレス国務長官が「2島返還を認めるなら、アメリカは沖縄を領土とする」と脅したともいわれています。返還する島には米軍基地を置かないことなどの条件があり、交渉が進まない理由にもなっていましたが、今回は「前提条件なし」。ロシアは日本との平和条約締結に焦っているのです。ロシアの国内経済は落ち込み、プーチンの支持率も下がってきているため、ここで日本の支援を受け、経済成長を狙いたい。日本にとっても、ロシアと協力体制をとることは安全保障面からも大きな意味があります。唐突に感じられたプーチンの年内締結の提案ですが、僕は、これまで何度も首脳会談を行っている仲の安倍首相との間で、すでに話がなされていたのでは?と考えています。4島返還に固執するのか。まず2島、で手打ちにするのか、日本は選択を迫られています。世界的にみると、ロシアは、クリミア半島に侵攻したり、シリアに激しい空爆を仕掛けるなど、非人道的な行為を重ね、経済制裁を受けています。自国の利益のためにロシアと手を組むとなれば、アメリカや欧州から日本が孤立する可能性も実はゼロではありません。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年10月31日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年10月27日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「災害とインフラ」です。被災後に想定されるリスクを平時から確認して。西日本豪雨、北海道地震と災害が続いています。先日は台風が日本を縦断し、停電や交通機関がストップするなど各地で混乱をきたしました。インフラがストップすると、台風や地震がおさまっても、生活の不都合は続きます。まず、長期間停電が続くと、充電もできないのでスマートフォンが自由に使えなくなります。北海道地震で被災したある地域では、携帯基地局の電力災害がダウンし、エリア一帯が圏外になりました。そうすると、どこで何が起きているのか、被害の大きさや支援の状況もまったく把握できなくなります。断片的な情報により、デマにのせられることも。こういうとき唯一頼りになるのが、乾電池で動く防災ラジオです。また、学校や公民館が被災してしまい、避難所を開設できなくなるというケースもしばしば起こっています。近所の避難場所に指定されている施設と、そこまでの経路は2つ以上、チェックしておいたほうがよいでしょう。大きな災害時には、人命救助や消火活動を行う緊急車両が円滑に動けるように、交通規制が敷かれます。東京の場合、環八から都心方面は交通抑制。環七から内側方向へは通行禁止、首都高、主要な国道などの幹線道路は緊急自動車専用路になります。車で都外には出られなくなると思ってください。いま、関東で30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は、千葉市85%、横浜市82%など各地で高い数値が予想されています。また、富士山の噴火リスクも高まっており、神奈川、山梨、静岡の3県では合同で定期的に避難訓練をしています。もし火山灰が数cm積もったら、それだけで東海道新幹線、東名高速、飛行機はストップしてしまいます。雪と違い、灰は撤去しないかぎりなくならないので、長期間、東京への物流はストップしますし、家に閉じ込められるような状況になります。いつ、どこで何が起きるかわかりません。被災しても自力で生き延びられるよう、最低1週間分の水や食料を蓄えるようにしておきましょう。普段、当たり前にしていることができなくなります。スマホや電力、コンビニに頼れなくなったら、どうなってしまうか、みなさんも想像してみてください。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年10月24日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年10月20日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「北朝鮮の実情」です。予想外に開かれた平壌。互いに知ることが重要では?8月に平壌を視察してきました。想像以上に発展しており、現地の新聞や雑誌には、新しい工場建設の見出しが日々躍っていました。また、街なかでは外国人が多く歩いていました。北朝鮮と国交を断っている先進国はアメリカとフランスと日本のみ。世界の98%の国とは交流があるので、決して閉ざされた国ではないんですね。北朝鮮の人たちの話を聞くと、彼らの希望はとにかく経済発展させること。これまで国家予算は核開発にあてられ、国民は厳しい生活に耐えてきましたが、核兵器が完成して、ようやく生活や科学技術の向上を望めます。農村部との格差をなくすために、AR(拡張現実)技術を使って遠隔操作で教育を施すなど、教育にも力を入れていました。非核化に関しては、「アメリカが核を持っているかぎりは難しい」とコメント。ただ、9月9日の軍事パレードで大陸間弾道ミサイルの展示はなく、それは、米朝間交渉を円滑に進めるための配慮だといわれています。経済制裁のダメージは受けていて、ある女子学生は「おしゃれな雑貨が入ってこなくなった」と話していました。最新医療現場では日本やドイツ製の医療機器も置かれており、すべてを自国製で賄うのは難しいため、一刻も早い国際社会との連携を願っています。拉致問題について学生に意見を聞いてみると、そんなことが自国であったことに衝撃を受けた、と話していました。でも彼らの主張は、それよりもまず戦時賠償解決のほうが先立つんですね。交流を断っているため、お互いに50年くらい前のイメージのまま止まっています。これは両国政府の反日、反北朝鮮プロパガンダが浸透しているといえます。北朝鮮の方々は、過去の日本に対しては厳しい認識を持っていますが、日本の国民性や技術力に対しては期待を抱いており、互いに協力したいという声もたくさん聞きました。北朝鮮も日々変化しています。外交官同士が雑談レベルで話せる関係を持ち、互いの最新のニーズを知ることが大事だと思います。韓国や中国との間にある問題と同様、対立する道具にするのではなく、知恵を出し合って、解決する機運を高めていきたいですね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年10月17日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年10月14日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「エドテック」です。教育格差や不登校、地方創生など、諸問題の解決にも。エドテック(EdTech)とは、Education(教育)とTechnology(科学技術)を組み合わせた造語で、教育分野にイノベーションを起こそうと、世界中に広がっている取り組みです。アメリカでは、貧困問題、教育格差を解消するために、10年以上前に政府が貧困地域にノート型パソコンを配布し、授業カリキュラムを配信しました。現在では、スタンフォード大学やハーバード大学がインターネットで授業を公開するなど、遠隔地に高等教育を届ける仕組みを作っています。エドテックの最たるものとして、人気を集めているのが、アメリカのミネルバ大学。この学校にキャンパスはなく、全寮制なのに授業はすべてオンライン。サンフランシスコを皮切りに、学期ごとに学生は世界の7都市を巡って授業を受けます。世界中の教師が参加し、オンライン・ミーティングの形で授業を進行。学生の発言はすべて記録され、AIによって個々の弱点などを検出。一人一人に適切な指導が行われるのです。教室内で生徒のレベルに差があることや、不登校や引きこもりの問題は日本でも深刻化しています。平成28年度の不登校を含む引きこもりは、小学生で約7万人。中学生は約14万人、高校生は約8万人です。ニートの大人の2割は元引きこもり児だったという統計もあり、減少する労働人口を補う上でも、インターネットを使って、家にいながら安心して学べる仕組みを作ることは重要です。ネット環境さえ整えば、都市の学校に行かずとも、離島でもどこでも最新の授業を受けられますから、地域による格差もなくなり、地方創生にも一役買うことができるでしょう。これからは単純な仕事はAIやロボットが担いますから、暗記した知識より、それらに適切な指示を与えられる、そんな人材が必要になります。そこで、経済産業省はIT企業やNPOと協力し、「未来の教室」という名を掲げ、効率的な知識習得と、課題の発見・解決能力を育成する学習プログラムの開発を行っています。エドテックは学校教育にとどまらず、人生100年時代のリカレント教育、ITや医療などの専門分野の学習にも生かされています。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年10月10日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年10月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「災害支援とボランティア」です。確実な支援には、的確なニーズを知るのが肝要。熊本地震の経験をふまえ、西日本豪雨では、安倍政権は「プッシュ型支援」を取り入れました。災害が起きたとき、これまでは地元の自治体からの要請を受けて、必要物資を送っていましたが、自治体や職員が被災した場合、どうしても後手に回ってしまいます。そこで今回は、要請を受ける前に、国のほうから業務用エアコンやスポットクーラー、簡易トイレ、無線機などを必要と思われるところに送りました。ただ、愛媛県大洲市では、送られてきた仮設トイレの管理方法が決まらず使われなかったなど、一部ミスマッチが生じました。こういう問題は試行錯誤しながら徐々に整備していくものなので、多少の齟齬は仕方ないと思います。今回は、自衛隊も現地の情報収集・連絡専門要員を約200人派遣。災害直後は混乱していますから、具体的なニーズを把握することがとても大変です。専門要員がいたことで的確、迅速な支援につなげることができました。ニーズを把握することは、ボランティアをする上でも重要です。「なにか助けになれば!」と災害発生直後に駆けつける方がいらっしゃいますが、被災地側はまだ指示できる状況ではなく、手持ち無沙汰になることも。もしもボランティアをしたいと思ったら、まず地元の災害ボランティアセンターか、社会福祉協議会に問い合わせましょう。現状を知り、ボランティア保険に入り、心構えのレクチャーを受け、県外の人も募集しているかなど条件を確認してください。ボランティアは誰でも歓迎されるとは限りません。駐車場の確保の問題もありますし、「地域の人のみに限る」というところもあります。ボランティアの車が渋滞を引き起こし、自衛隊や救急車両が入れなくなるというトラブルも起きます。また、泥かき要員だったら、基本的には道具は持参しなければいけません。不衛生な環境もあるため、マスクやゴーグルも必須です。社会福祉協議会では、ボランティアの作業マニュアルを作り、道具や服装について明記していますので、ぜひ参考にしてください。善意の押し付けにならないためにも、被災地に迷惑をかけないボランティアのあり方を知る必要がありますね。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年9月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年09月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「高度プロフェッショナル制度」です。6月、8つの法律から成る働き方改革関連法が成立。長時間労働をなくすため、残業時間の上限が原則月45時間、年間360時間に定められました。上限を超えると使用者側に6か月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科せられます。また、「同一労働同一賃金」を導入。同じ企業で同じ仕事内容の場合、正規雇用と非正規雇用の待遇格差を是正することになりました。8つの法律の一つが「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」です。年収1075万円以上の専門職は、残業や休日、深夜労働などの割増賃金の支払い対象から外すというもの。証券アナリストや医薬品開発の研究者、経営コンサルタントなどが対象とされています。残業せずに自分の裁量で効率よく働けばいいという制度なのですが、現実問題、自分の仕事が終わったからと、残業せずに帰ることができるでしょうか。上司に新たな仕事を頼まれ、サービス残業を強いられるのではないか。家族が過労死した遺族らはこの法案に反対していました。優秀で責任感の強い真面目な人こそ、過労に至ります。本来、法律はそういう働き手を守るためにあるべきなのに、「高プロ」はそうではないと肩を落としていました。実はこの法案、第1次安倍内閣のころにも「ホワイトカラー・エグゼンプション」という名で推し進められましたが、猛反対にあい、潰されました。安倍内閣が、なんとしてもこの法律を通したかった背景には、アメリカからのリクエストがあります。「日米投資イニシアティブ」という、経済的にパートナーシップをとろうという交渉のなかで、アメリカは日本の雇用環境を、従来の終身雇用型の家族的なあり方ではなく、成果主義ですぐに首を切れる外資系スタイルに変えることを要望。そうして、日本企業でアメリカ人の雇用を増やすことを望んでいるのです。高プロは、労働者側に、拒否する権利を与えています。しかし、有給休暇の申請さえしづらい日本の職場環境で、対象者は拒否できるのか。また、現在は一部の高所得者、専門職のみが適用対象になっていますが、それも将来もっと広げられるのではないかと、危惧する声も上がっています。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年9月5日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
2018年09月04日ロサンゼルス発デニムブランド「ヤヌーク(YANUK)」とスタイリスト・金子綾によるコラボレーションアイテムが登場。2018年8月28日(火)より発売される。数々の女性誌で活躍するスタイリスト・金子綾を迎えて製作されたアイテムは、10年先も着たいと思えるほど着心地がよく、体をきれいに魅せてくれる女性に向けたデニムだ。重厚感のある雰囲気のデニムパンツは、ひざ下からテーパードを効かせたハイライズスリムテーパードのシルエット。ウエスト周りが華奢に見えるように設計された細いベルトループや、どんなシューズでもはまる短めの丈感など、スタイリストならではの視点でカスタマイズ。また、生地には、日常の動きすべてにフィットするよう、縦方向にのみ伸びる新感覚のものを採用した。体が泳ぐくらいゆとりのあるオーバーサイズのデニムジャケットは、ただサイズを大きくするのではなく、ほどよく抜け感のある形に仕上げた。ワンピースなどのアイテムと組み合わせてもすんなり馴染むよう、ステッチは同色で施された。オーバーサイズなので、中にニットやパーカーなども合わせられ、真冬まで活躍するのもうれしいポイントだ。カラーは、濃淡のコントラストを抑えた、クリーンな印象の3色を展開。爽やかなサックス、モードなブラックとノスタルジックなブルーを用意する。【詳細】発売日:2018年8月28日(火)オンラインストア予約受付日:2018年8月8日(水)12:00~※取扱い店舗により期間・内容が異なります。展開カラー:サックス、ブラック、ブルー価格:・Highrise Slim Tapered 27,000円(税込)・Over Sized Jean Jacket 36,720円(税込)【問い合わせ先】カイタックインターナショナルTEL:03-5722-3684(10:00~18:00)
2018年08月10日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政治家と官僚」です。間接的には国民も官僚の人事に関わっています。森友学園をめぐる文書改ざん、自衛隊の日報隠蔽、加計学園の獣医学部新設など、政治家と官僚にまつわる問題が度々起きています。ここで政治家と官僚の違いについて改めて整理すると、政治家は、国民が選挙によって選んだ、「私たちの代表」です。これに対し官僚は、各省庁ごとに採用された公務員で、国民の代表ではありません。基本的には、政治家が官僚に対して指示を出し、官僚はそれを実行する立場にあります。なにか不祥事を起こした場合、政治家ならば、次の選挙で当選させない、ということができますが、官僚については国民が人事に関わることはできませんでした。しかし、官僚機構のなかだけで人事を決めることで、官僚と民間の癒着構造ができ、天下り問題が取りざたされるようになりました。省庁のトップに上がれなかった人たちの受け皿として、機能していない公益法人を作り、無駄な税金が使われた。そこで、第1次安倍政権は「官民人材交流センター」を内閣府に設置。国家公務員の再就職先を民間企業と相談しながら支援するというもの。その後、民主党政権になり、官僚の勝手にはさせないと、政治主導にしようとしたのですが、うまくいきませんでした。第2次安倍政権になり、平成26年に国家公務員法の一部を改正。「内閣人事局」を作って、国家公務員の幹部の人事を政府が行うことになりました。主に官房長官に一任されており、最大の人事権を持つのは内閣総理大臣です。こうして、間接的ではありますが、国民は官僚の人事に関われるようになったんです。ところがそこで起きたのが、出世したい官僚が、人事権を持つ政治家に擦り寄り、忖度するようになったということ。その結果、冒頭のような問題を引き起こました。官僚の指揮命令系統は大変整っているため、あってはならない文書改ざんまで、上司の命令が通ってしまいました。裏を返せば、よいこともスムーズに処理されているということですが…。原因は内閣人事局の設置ではないと、僕は思います。問題再発を防ぐには、各省庁に適切な人材を配置できる政治家を、私たちが選ぶということなのではないでしょうか。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。新刊『堀潤の伝える人になろう講座』(朝日新聞出版)が好評発売中。※『anan』2018年7月11日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・有咲ヘア&メイク・尾口佳奈(KOHL)インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年07月08日