新国立劇場で11月2日(水) より上演する2022 / 2023シーズン演劇『私の一ヶ月』より、作・須貝 英と演出・稲葉賀恵のコメントが到着した。本作は、日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画【未来につなぐもの】の第一弾。新国立劇場では、「劇作家の劇場」と呼ばれる英国ロンドンのロイヤルコート劇場が世界各国にアソシエイトディレクター、文芸マネージャー、 劇作家を派遣し開催しているワークショップを2019年5月より日本で初めて実施。全4フェーズ、あしかけ2年にわたり14名の若い劇作家たちが参加した。それぞれのフェーズごとにワークショップ、ディスカッション、推敲を重ね、最終フェーズでは演出家、俳優も参加。リーディングを通して成長を重ねてきた作品群より、須貝 英による『私の一ヶ月』を上演する。演出には、同年代注目の若手演出家で、新国立劇場では2018年に『誤解』を演出した文学座の稲葉賀恵を迎える。■作・須貝 英 コメント今までいただいた機会や幸運が繋がりに繋がって、ここへ連れて来てもらったような気がします。心からありがたく思います。この脚本は僕一人で書いたものではありません。「ロイヤルコート劇場×新国立劇場 劇作家ワークショップ」という素晴らしい企画の中で育まれた作品です。日英両国の劇場チームと日本の若手劇作家たち、彼らと共に時間を掛けて議論を交わし、改稿を重ね、コロナ禍で延期しながらも、二年近い時間を掛けて全員で最後までやりきった思い入れの深い企画です。この経験だけでも財産ですが、さらにこの作品を選んでいただけて、しかも兼ねてよりご一緒したかった稲葉さんが演出をしてくださる。この上ない幸せです。この作品では、あらゆることが加速度的に進んでいく現代で、そこから弾き飛ばされた人々を描こうと思いました。貧しく寒い地方都市の、ある家庭とコンビニエンスストア。都内の大学図書館の閉架書庫。その三つの場所を主軸に物語は進みます。お客様と一緒に作品を通して、見過ごされてしまいそうになるささやかなものに目を向けること、未来に何を残していくべきかを考えることができたら、この物語が生まれ落ちた意味もあるのではないかと考えています。どうぞご期待ください!■演出・稲葉賀恵 コメントこの度はこのような素晴らしい企画に呼んで頂き、本当に感謝いたします。新国立劇場がロイヤルコート劇場と組んで劇作のワークショップを行うとお聞きした時、期待と興奮に包まれたことを覚えています。ロイヤルコート劇場が数々の劇作家を輩出し、イギリス演劇界での新人作家の登竜門的劇場であることは勿論知っていました。そして何より劇作家が時間をかけて自分の作品を創作出来る場を、国立の劇場が企画したということに感銘を受け、ここで生み出された作品を一読者として早く読んでみたいと思っていました。まさか、その作品を自分自身が演出させて頂く機会が来るとは、人生は何が起こるか分からないものです。しかもそれが数年前に豊橋の劇場で知り合い、同年代として刺激を受けた須貝さんの作品だとお聞きした時は喜びとともに感慨深いものがありました。これまでの色々なご縁が繋がって今創作の場に立たせて頂いていることを改めて実感したのです。この作品は一つの家族、とりわけ一人の母と娘を中心に物語が繰り広げられます。彼らの過去の傷を鋭く抉りながらも抱きしめる言葉の数々、そこに市井の人々を愛おしみ、彼らが未来に一歩進めるよう背中を押す須貝さんの厳しくも優しい眼差しがあります。私はこの眼差しを良い意味で疑ったり信じたりしながら、私たちの世代がこの世界をどう捉え、どう未来に受け渡していけるのか、この作品を通して考え抜きたいと思います。今回はなにより作家が隣にいて伴走してくださる、こんなに力強く幸せなことはありません。初日まで試行と挑戦を繰り返し、高みを目指していきたいです。どうぞご期待ください。<公演情報>演劇『私の一ヶ月』2022年11月2日(水)~20日(日) 新国立劇場 小劇場作:須貝 英演出:稲葉賀恵芸術監督:小川絵梨子【キャスト】村岡希美 / 藤野涼子 / 久保酎吉 / つかもと景子 / 大石将弘 / 岡田義徳【あらすじ】3つの空間。2005年11月、とある地方の家の和室で日記を書いている泉。2005年9月、両親の経営する地方のコンビニで毎日買い物をする拓馬。そして2021年9月、都内の大学図書館の閉架書庫でアルバイトを始めた明結(あゆ)は、職員の佐東と出会う。やがて、3つの時空に存在する人たちの関係が明らかになっていく。皆それぞれが拓馬の選んだつらい選択に贖いを抱えていた......。『私の一ヶ月』あらすじ紹介【チケット料金】A席:7,700円B席:3,300円一般発売日:2022年9月17日(土) 10:00~新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)新国立劇場Webボックスオフィス:公演詳細:
2022年09月05日場末のスナック『アムール』を、ママとして一人切り盛りする、主人公の映子。ある夜、彼女の店に、疎遠になっていた昔の親友・滋子が現れる。傍らに連れているのは、5歳になる一人息子の大滋(たいじ)。気づけば滋子は置き手紙を残して姿を消していて、映子と大滋の、ママゴトのような共同生活が始まる。松田洋子による同名漫画のドラマ化『ママゴト』で映子役を務めるのは、安藤サクラさん。「原作の映子さんには、近づこうとしても、自分では追い切れない魅力があるなと感じていて。でも、ならばドラマ版での新たな魅力が見つけられたらいいなと思いました。大滋役の小山春朋くんや、滋子役の臼田あさ美さん、共演者の方々と新鮮な気持ちでお芝居をし、コミュニケーションをとりながら、役を深めていきました。物語もまた、そうして人と触れ合いながら進んでいくので」映子は、大滋と関わることを避けようとする。それは映子がかつて我が子を自身の不注意で亡くしてしまったという過去のため。大滋の存在は映子のトラウマを呼び起こし、その一方で、隠し続けてきた傷に、少しずつ癒しをもたらしていく…。そんな大滋を可笑しく、切なく、全身で表現する小山くんの演技も、見どころのひとつ。「春朋くん自身が持っている、いい意味での“人間くささ”。それが、このドラマをいっそう魅力的にしてくれているんじゃないかなって思います。私にとって彼は、一緒に作品を作っていく仲間。7歳の彼が、こうしてすばらしい作品、現場に出合ってどんな大人になっていくのか、それこそ私も映子さんのような気持ちで、これからもこっそり見守っていきたいです」全8話の撮影は、すでに終了。作 品を通して、安藤さん自身の中にも、強く残った思いがあるそう。「撮影が終わったのが、ちょうどお盆だったんです。それもあって、家族を含めて周りにいる人や、もういないけれど、自分の心に残っている人…。そうした人たちと関わったり、心の中で思うことで、自分は多くを 学んでいる、学ばせてもらってきたのだということを、強く感じました。もういない誰かに手を合わせ、その人を思うこと。目の前にいる人に対しては、思うだけでなく、気持ちを言葉にしていくこと。そうしたことを、大切にしていきたい。この作品を経て、改めて、そう思いました」◇あんどう・さくら女優。映画『0.5ミリ』『百円の恋』などで受賞多数。待機作には『島々清しゃ』『追憶』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(すべて2017年公開予定)が。◇ブラウス¥21,000(トリコ・コム デ ギャルソン/コム デ ギャルソンTEL:03・3486・7611)イヤークリップ¥18,000(プティローブノアーTEL:03・6662・5436)シューズ 参考商品(クリスチャンルブタン/クリスチャン ルブタン ジャパンTEL:03・6804・2855)その他はスタイリスト私物◇スナックを営む主人公・映子と、その親友の滋子の息子・大滋との、共同生活を描く。主題歌はTHE BLUE HEARTSの「ナビゲーター」。毎週火曜23:15~、NHK BSプレミアム。次回第4話は9月20日放送(全8回)。※『anan』2016年9月21日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・須貝朗子ヘア&メイク・津田雅世
2016年09月14日